JP2014510015A - Psma標的化デンドリマー - Google Patents

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Abstract

組織の画像化または癌組織の放射線処置のための錯体を提供するための、式(I)に従うデンドリマー複合体、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、ならびに、レニウム、テクネチウム、イットリウム、ルテチウムおよびその他等の元素の金属放射性核種との式Iの複合体の錯体。そのような錯体は、PSMAタンパク質に特異的であり、したがって、そのタンパク質が発現している前立腺および他の組織の癌の画像化または処置に使用することができる。
【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全内容が本明細書に組み込まれる、2010年12月6日出願の米国仮特許出願第61/420,265号の優先権を主張する。
本発明は、概して、放射性医薬品、ならびにトレーサー、造影剤および各種疾患状態の処置用としての核医学におけるその使用に関する。腫瘍は、その悪性表現型に関連した独特なタンパク質を発現し得ること、または正常細胞よりも多数の正常構成タンパク質を過剰発現し得ることは周知である。腫瘍細胞の表面上の明確なタンパク質の発現は、腫瘍の表現型識別ならびに生化学的組成および活性を探査することにより疾患を診断および特性決定する機会を提供する。特定の腫瘍細胞表面タンパク質に選択的に結合する放射性分子は、非侵襲的条件下で腫瘍を画像化および処置するための魅力的な経路を提供する。具体的には、本発明者らは、多くの場合前立腺癌細胞および他の種類の充実性腫瘍の血管に過剰発現するPSMAタンパク質に対する放射性標識化リガンドが、癌細胞の非侵襲的画像化および選択的標的化の魅力的な経路を提供することを見出した。
少なくとも百万人の男性が前立腺癌に罹患し、米国において、この疾患は60歳から80歳の間で6人に1人の男性に発症すると推定されている。毎年、300,000件を超える前立腺癌の新たな症例が診断されている。前立腺癌は、米国において6人に1人の男性が罹患し、この疾患による死亡率は、まさに肺癌に次ぐ高さである。現在世界で手術、放射線治療、薬物治療および低侵襲的処置に20億ドルが費やされており、米国においては10億ドルが費やされていると推定されている。現在、再発性、転移性、アンドロゲン依存性前立腺癌に対する効果的な治療法はない。前立腺癌の迅速な可視化、および存在する放射線治療法を実現する特異的標的化を可能とする新たな薬剤が必要とされている。
葉酸加水分解酵素Iまたはグルタミン酸カルボキシペプチダーゼIIとしても知られるPSMAは、主として正常な人間の前立腺上皮に発現し、転移性疾患を含む前立腺癌において上方調節される(4〜6)、膜貫通750アミノ酸II型糖タンパク質である。原発性前立腺癌におけるPSMAの過剰発現は、他の従来の予後不良因子に関連し、独立して疾患の転帰を予測する(7)。PSMAは、事実上全ての前立腺癌により発現し、その発現は、低分化の転移性およびホルモン抵抗性癌腫においてさらに増加する(8〜10)ため、この疾患の診断、病期分類および処置用の放射性医薬品の開発のための非常に魅力的な標的である。
PSMAは、N−アセチルアスパルチルグルタミン酸塩の加水分解を介して神経伝達物質グルタミン酸塩およびN−アセチルアスパラギン酸塩を生成するニューロペプチダーゼである、N−アセチル化α−結合酸性ジペプチダーゼ(NAALADase)である。PSMAの結晶構造の分析は、酵素の活性部位内の有力な阻害剤の重要な相互作用の理解を助け、基質または遷移状態類似体であるいくつかのクラスのNAALADase阻害剤の設計および合成をもたらしてきた。
放射性標識化抗−PSMAモノクローナル抗体、例えば画像診断用としてFDAにより承認されているProstascint、および転移性前立腺癌の標的化放射線治療の臨床試験中であるJ591(11、12)は、PSMAを前立腺癌用の分子標的として実証した。しかしながら、モノクローナル抗体は腫瘍標的化の可能性を提供するが、特に骨転移における長期循環半減期および低い腫瘍貫通性は、その診断および治療用放射性医薬品としての有効性を制限している(13)。これらの理由から、現在まで、放射性標識化抗体に関する臨床的成功は、ほとんどが血液伝播性癌、例えば非ホジキンリンパ腫の処置に限られていた(14)。
小分子は、充実性腫瘍の標的化のための、抗体に勝る大きな利点を提供する(15)。小分子は、モノクローナル抗体の親和性と同様の親和性を有するように設計することができる。小分子は、血管外スペースへの向上した拡散性および抗体よりも迅速な血中クリアランスを示し、したがってより低いバックグラウンド信号をもたらす。しかしながら、本発明者ら、およびその他の者により行われた研究は、放射性標識化小分子PSMA阻害剤が、PSMAタンパク質の高い発現を有する腎臓において高い吸収を示すことを示した。したがって、腎臓は、治療上効果的な用量の放射性医薬品が標的組織に達するのを制限するように機能し得る。
本発明は、本発明のPSMA阻害剤の一連のデンドリマー複合体の合成を提供することにより、小分子PSMA阻害剤の上述の欠点を克服する。また、本発明のPSMA化合物の四量体および本発明のデンドリマーの薬学的組成物の合成、ならびに前立腺癌組織を処置、診断および画像化するために本発明の組成物を使用するための方法が記載される。
本発明は、式I:
Figure 2014510015
に従うデンドリマーに複合化したPSMA標的化/認識部分を提供する。
式I中、
Figure 2014510015
は、世代1、2、3、4、5、6、7、8、9および10からなる群から選択される世代nのデンドリマーコアを表す。デンドリマーの各世代は、所定数の表面基pに関連する。置換基Xは、「遊離」または非複合化形態の−COOR’、−NR’R”、ならびに複合化形態の−NHC(O)−(CH2a−C(O)−、−NHC(O)−(C2−C6)アルケニル−C(O)、−NHC(O)−CH2−O−NH2、−NHC(O)−(CH2a−マレイミド、および−NR’−(CH2a−NR”からなる群から選択される。
Sは、硫黄である。置換基R1は、金属キレート剤であり、pは、4、8、16、32、64、128、256、512、1024、2048および4096から選択される整数である。置換基Zは、式Aに従う前立腺特異的膜抗原標的化部分である。
Figure 2014510015
式Aの化合物に関して、−C=Jは、−CH2基または−C=O基であり、Lは、−COOR’’’、−(CH2)−NH−C(O)−CH(O)−、−(CH2)−NH−C(O)−(CH2−CH2−O)y−NR’−、−(CH2)−NH−C(O)−(CH2z−NR’−、および−(CH2)−NH−C(O)−(CH2Z−SH−からなる群から選択される。
R’、R”、R’’’、R2、R3、およびR4のそれぞれは、独立して、H、および直鎖または分岐鎖C1−C6アルキルからなる群から選択され、qは、Zに複合化した利用可能な表面基Xの割合を表す。下付文字a、yおよびzは、それぞれ独立して、0から8の間(これらを含む)の整数である。
別の実施形態において、Yが、−NHC(O)−(CH2a−C(O)−であり、Zが、式Aの化合物であり、−C=Jが、−CH2であり、Lが、−(CH2)−NH−C(O)−(CH2z−NR’−である、本発明のデンドリマー複合体が提供される。
さらに別の実施形態において、R1は、ポリアミノカルボン酸キレート剤、例えばDOTA基であり、その構造は以下に示される。
Figure 2014510015
別の実施形態に従い、本発明は、(i)金属イオンと、(ii)式I:
Figure 2014510015
に従うデンドリマー複合体とを含む錯体を提供する。
基R1、X、およびZ、ならびに下付文字pおよびqは、上に定義された通りである。この態様によれば、金属は、68Ga、64Cu、67Cu、212Pb、203Pb、212Bi、213Bi、89Zr、186Re、99mTc、90Y、86Y、177Lu、68Ga、111Inおよび188Reからなる群から選択される。任意の好適なキレート剤を使用して放射性核種を錯化することができるが、一実施形態において、R1は、DOTAである。
本発明はまた、本発明のデンドリマー−放射性核種錯体、ならびにその薬学的に許容される塩または溶媒和物、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬製剤を提供する。
また、患者における前立腺癌を処置するための方法であって、治療上効果的な量の本発明の錯体、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の薬学的組成物(放射性核種(M)は、90Y、86Y、177Lu、188Re、186Re、99mTc、111In、68Ga、64Cu、67Cu、212Pb203Pb212Bi、213Bi、および89Zrからなる群から選択される)を、患者に投与することを含む方法が提供される。
本発明は、さらに、患者における前立腺癌組織を画像化する方法であって、診断上効果的な量の本発明の錯体、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の薬学的組成物(放射性核種(M)は、68Ga、111Inおよび186Reからなる群から選択される)を、患者に投与することと、前記前立腺組織の画像を得ることとを含む方法を提供する。好ましくは、画像化される組織は、PSMA発現組織、例えばPSMA発現前立腺癌組織である。
放射性標識化MIP1072の存在下における、本発明の化合物のいくつかのPSMAに対する競合的結合を示すグラフである。
好ましい実施形態の詳細な説明
I.定義
便宜上、本明細書および添付の特許請求の範囲内において使用されるある特定の用語を、ここにまとめる。
本明細書において使用される場合、「約」は、当業者により理解され、使用される文脈にある程度依存して変動する。この用語の当業者に明確ではない使用がある場合、用語が使用されている文脈を考慮して、「約」は、特定の用語のプラスマイナス10%までを意味する。
本明細書で例示的に説明される実施形態は、本明細書で具体的に開示されていない要素(複数を含む)、制限(複数を含む)がない場合に好適に実践することができる。したがって、例えば、「備える」、「含む」、「含有する」等の用語は、拡張して、および制限されることなく読み取られるものとする。さらに、本明細書において使用されている用語および表現は、説明のために用いられており、制限を目的とせず、そのような用語および表現の使用において、示され説明される特徴またはその一部のいかなる等価物をも除外する意図はなく、請求される技術の範囲内で様々な修正が可能であることが理解される。さらに、「〜から本質的に構成される」という語句は、具体的に列挙された要素、ならびに請求される技術の基本的および新規な特徴に著しく影響しない追加的要素を含むように理解される。「〜から構成される」という語句は、指定されていないいかなる要素も除外する。
要素の説明の文脈において(特に後続の特許請求の範囲の文脈において)、「a」および「an」および「the」および同様の呼称は、本明細書において別段の指定がない限り、または文脈により明確に矛盾しない限り、単数および複数の両方を対象とするものと解釈されるべきである。
「付着した」という用語は、デンドリマーおよびPSMA阻害剤等の巨大分子の化学成分間の、共有結合、水素結合、吸着、金属結合、ファンデルワールス力、イオン結合、またはそれらの任意の組み合わせによる接続を指す。一実施形態において、付着は、共有結合の形成による。デンドリマーとPSMA阻害剤との間の付着は、直接的であってもよく、または間接的、すなわち介在部分(複数を含む)、例えば架橋、スペーサー、またはリンカー部分(複数を含む)を介したものであってもよく、これらの用語は本明細書において交換可能に使用され得る。さらに、リンカー基または官能性部分またはアミンは、付着を促進するように改質剤によりさらに改質されてもよい。
「選択された付着点」という用語は、デンドリマーポリマーの合成における確定した段階において一意に反応可能であり、それにより官能性部分または樹枝状モチーフの付着を可能とするという点で、デンドリマーポリマーの他のアミン基から区別されるデンドリマーポリマー上のアミンおよび/またはカルボキシル基(複数を含む)を指す。これは、有利には、官能性部分の表面位置および分布を知ることを可能にする。したがって、選択された付着点は、デンドリマーのコア部分または表面上の第1の窒素原子であってもよい。
「結合」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、所与の分子が捕捉(結合)され、別の、例えばリガンドとその標的との間の相互作用が比較的特異的となるように標的と相互作用するリガンドにより保持される能力を指す。例は、抗体もしくはその誘導体および断片と抗体標的(受容体)との間の特異的相互作用、またはビオチン、葉酸、もしくはPSMA阻害剤等の小分子とそのそれぞれの標的との間の相互作用を含む。
「リシン類似体」という用語は、単一の先端カルボキシル基を有し、2個または3個の1級アミン基を有してもよい分子を指す。1つの場合において、リシン類似体は、側鎖がイプシロンアミノ基で延在し、−C(O)−CH(O)−、−C(O)−(CH2−CH2−O)y−NR’−、−C(O)−(CH2z−NR’−、および−C(O)−(CH2z−基を含む化合物である。
本明細書において使用される場合、デンドリマーの「層」または「世代」という用語は、コア部分に対する同じ程度の接続性を有する、すなわち、問題となる基礎単位をコアのアミノ窒素原子に連結させる同じ数の基礎単位を有する複数の基礎単位を指す。例えば、直接的に、またはリンカー基を介してコア部分の窒素原子に付着する基礎単位は、第1の層または世代と呼ばれる。自身とコア部分の窒素元素との間に1つの基礎単位を有する基礎単位は、第2の層または世代と呼ばれる。基礎単位の層または世代は、少なくとも2つの基礎単位を含有しなければならない。基礎単位の各層は、使用される基礎単位に関して均質であるが、異なる層を調製するために、異なる基礎単位が使用されてもよい。したがって、本発明のある特定の実施形態において、巨大分子は、単一種の基礎単位の1つ以上の層で構成される。他の実施形態において、巨大分子は、基礎単位の少なくとも2つの層を含み、少なくとも2つの層は、異なる基礎単位で構成される。
「表面」という用語は、本明細書において使用される場合、デンドリマーの基礎単位の最外層を指して使用される。
「表面基」または「表面基礎単位」という用語は、デンドリマーの最外層に存在する基を指す。表面基は、遊離アミン、カルボキシル基、またはこれらの基と適切な介在部分(複数を含む)の反応生成物、例えば架橋、スペーサー、またはリンカー部分(複数を含む)であってもよく、これらの用語は本明細書において交換可能に使用され得る。
「表面アミン」または「表面アミノ」または「表面アミノ窒素原子」という用語は、樹枝状モチーフの最外窒素のいずれかを指す。これらの表面アミンは、追加的な基礎単位、リンカーまたは官能性部分の付着点を表す。
「官能性部分」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、記載される機能を果たすことを目的として、コアまたは表面アミンの第1のアミノ窒素で直接的または間接的に付着され得る、本明細書において定義されるような任意の基を指す。官能性部分の性質および数は、プロトン/炭素NMR、ESIまたはMALDI質量分析を含む標準的分析技術により決定することができる。
「親油基」および「親油性部分」という用語は、本明細書において使用される場合、極性または水性環境よりも、非極性または非水性環境に対するより大きな親和性を有する基、部分または置換基を指す。例えば、Merriam Websterのオンライン辞書は、「親油性」を、「脂質(脂肪として)に対する親和性を有する」として定義している。例示的な親油性部分は、脂肪族炭化水素基、例えば、アルキル基、芳香族炭化水素基、および長鎖アシル基を含み、それらは全て、構成炭素の数が増加するにつれて増加する親油性を有する。一般に、特定の化合物への親油性部分の付加は、標準的オクタノール/水分配係数決定プロトコルにおいて、オクタノールに対する化合物の親和性を増加させるが、このプロトコルは、化合物の相対的疎水性(親油性)および親水性を測定するために使用することができる。
「リガンド」という用語は、ある様式で別の種と相互作用する種を指す。一例において、リガンドは、ルイス酸と配位結合を形成することができるルイス塩基であってもよい。一例において、リガンドは、金属イオンと配位結合を形成する、多くの場合有機の種である。リガンドは、金属イオンに配位した場合、当業者に知られた様々な結合様式を有してもよく、これには、例えば、末端(すなわち、単一の金属イオンに結合)および架橋(すなわち、2つ以上の金属イオンに結合したルイス塩基の1つの原子)が含まれる。
「キレート剤」という用語は、金属イオンへの供与に利用可能な2つ以上の非共有電子対を有する分子、多くの場合有機分子、および多くの場合ルイス塩基である。金属イオンは、通常、2つ以上の電子対によりキレート剤に配位する。「二座キレート剤」、「三座キレート剤」および「四座キレート剤」という用語は、当該技術分野において認識され、それぞれ、キレート剤により配位された金属イオンへの同時供与にすぐに利用可能な、2つ、3つ、および4つの電子対を有するキレート剤を指す。通常、キレート剤の電子対は、単一金属イオンと配位結合を形成するが、ある特定の例において、キレート剤は、2つ以上の金属イオンと配位結合を形成してもよく、様々な結合様式が可能である。
「配位」という用語は、複数電子対供与体が1つの金属イオンに配位結合する(「配位する」)相互作用を指す。
「錯体」という用語は、1つ以上の電子的に不足した分子または原子(そのそれぞれもまた独立して存在することができる)と独立して存在することができる、1つ以上の電子豊富および電子不足分子または原子の合体により形成される化合物を指す。
Fmocは、化学基フルオレニルメチルオキシカルボニルの略語である。
「治療上効果的な量」という語句は、本明細書において使用される場合、任意の医療処置に適用できる妥当な利益/リスク比で、動物の細胞の少なくとも部分集合においてある程度の所望の治療効果を生成するのに効果的である、化合物、材料または化合物を含む組成物の量を意味する。
本明細書において使用される場合、「処置する」または「処置」という用語は、診断、予防、治療および治癒も包含するように意図される。この処置を受ける患者は、必要とする任意の動物であり、霊長類、特に人間、ならびにウマ、ウシ、ブタおよびヒツジ等の他の動物、ならびに一般に家禽およびペットを含む。
「薬学的に許容される」という語句は、本明細書において、健全な医学的決定の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは合併症なしに人間および動物の組織に接触する使用に適し、妥当な利益/リスク比に相応する化合物、材料、組成物および/または剤形を指すように使用される。
「薬学的に許容される担体」という用語は、本明細書において使用される場合、1つの器官、または身体の一部から別の器官、または身体の一部への対象化合物の運搬または移送に関与する、薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクル、例えば液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、または溶媒封入材料を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性であり、患者に有害ではないという点で、「許容可能」でなければならない。薬学的に許容される担体として機能し得る材料のいくつかの例は、(1)乳糖、ブドウ糖、ショ糖等の糖類、(2)コーンスターチおよびじゃがいもデンプン等のデンプン、(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース等のセルロースおよびその誘導体、(4)トラガカント末、(5)モルト、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)ココアバターおよび坐薬用ワックス等の賦形剤、(9)ピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油等の油、(10)プロピレングリコール等のグリコール、(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール等のポリオール、(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル等のエステル、(13)寒天、(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム等の緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)パイロジェンフリー水、(17)等張食塩水、(18)リンゲル液、(19)エチルアルコール、(20)pH緩衝溶液、(21)ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ酸無水物、ならびに(22)医薬製剤中に使用されるその他の非毒性適合性物質を含む。
「非経口投与」および「非経口投与される」という語句は、本明細書において使用される場合、経腸および通常は注射による局所投与以外の投与形態を意味し、限定されることなく、静脈内、筋肉内、動脈内、髄膜内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、および胸骨内注射および注入を含む。
「全身投与」、「全身投与された」、「末梢投与」および「末梢投与された」という語句は、本明細書において使用される場合、化合物、薬剤または他の材料が患者の系に進入し、したがって代謝およびその他の同様のプロセスに供されるような、中枢神経系への直接的投与以外のそれらの投与、例えば皮下投与を意味する。
「アミノ酸」という用語は、アミノ酸類似体および誘導体を含むアミノ官能基および酸官能基の両方を含む、天然かまたは合成かに関わらない全ての化合物を指す。
「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を指す。例示的なヘテロ原子は、ホウ素、窒素、酸素、リン、硫黄およびセレンを含む。
一般に、「置換」は、含有される水素原子への1つ以上の結合が、非水素または非炭素原子への結合により置き換えられた、以下に定義されるようなアルキルまたはアルケニル基(例えばアルキル基)を指す。また、置換基は、炭素(複数を含む)または水素(複数を含む)原子への1つ以上の結合が、ヘテロ原子への二重結合または三重結合を含む1つ以上の結合により置き換えられた基を含む。したがって、置換基は、別段に指定されない限り、1つ以上の置換基で置換される。いくつかの実施形態において、置換基は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの置換基で置換される。置換基の例は、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、およびI)、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロシクリルアルコキシ基;カルボニル(オキソ);カルボキシル;エステル;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン;チオール;硫化物;スルホキシド;スルホン;スルホニル;スルホンアミド;アミン;N−オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;アミド;尿素;アミジン;グアニジン;エナミン;イミド;イソシアネート;イソチオシアネート;シアネート;チオシアネート;イミン;ニトロ基;ニトリル(すなわち、CN)等を含む。
アルキル基は、1個から12個の炭素原子、典型的には1個から10個の炭素、または、いくつかの実施形態において、1個から8個、1個から6個、もしくは1個から4個の炭素原子を有する、直鎖および分岐鎖アルキル基を含む。直鎖アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、およびn−オクチル基等の基を含む。分岐鎖アルキル基の例は、これらに限定されないが、イソプロピル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、および2,2−ジメチルプロピル基を含む。アルキル基は、置換または非置換であってもよい。炭素数が別段に指定されない限り、「低級アルキル」は、上に定義された通りであるが1個から約10個の炭素、あるいは1個から約6個の炭素原子をその骨格構造に有するアルキル基を指す。同様に、「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、同様の鎖長を有する。
アルケニル基は、直鎖および分岐鎖の上に定義されたシクロアルキル基を含むが、但し、2つの炭素原子間に少なくとも1つの二重結合が存在する。したがって、アルケニル基は、いくつかの実施形態において2個から約12個の炭素原子を、他の実施形態において2個から10個の炭素原子を、また他の実施形態において2個から8個の炭素原子を有する。例は、これらに限定されないが、中でもビニル、アリル、−CH=CH(CH3)、−CH=C(CH32、−C(CH3)=CH2、−C(CH3)=CH(CH3)、−C(CH2CH3)=CH2、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、およびヘキサジエニルを含む。アルケニル基は、置換または非置換であってもよい。代表的な置換アルケニル基は、一置換または2回以上置換されていてもよく、例えば、これらに限定されないが、上に列挙されたもの等の置換基で一置換、二置換または三置換されていてもよい。
「アミンまたはアミノ」という用語は、−NRcd基(式中、RcおよびRdは、それぞれ独立して、水素、(C1−C8)アルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキル基を指す)を指す。RcおよびRdが同じ窒素原子に付着する場合、それらは、窒素原子と組み合わされて、5員環、6員環または7員環を形成することができる。例えば、−NRcdは、1−ピロリジニル、ピリジニルまたは4−モルホリニル環を含むように意図される。
「アミド」という用語は、当該技術分野において、アミノ置換カルボニルとして認識され、一般式−C(O)NRcdの基(式中、RcおよびRdは、上に定義された通りである)により表すことができる部分を含む。いくつかの実施形態によれば、アミドは、不安定となり得るイミドを含まない。
「カルボキシル」および「カルボキシレート」という用語は、一般式:
Figure 2014510015
(式中、Eは、結合であるか、またはOもしくはSを表し、RfおよびRf'は、個々に、H、アルキル、アルケニル、または薬学的に許容される塩である)により表すことができるような部分を含む。EがOであり、Rfが上に定義された通りである場合、部分は、本明細書において、カルボキシル基と呼ばれ、特にRfが水素である場合、式は「カルボン酸」を表す。一般に、明示される酸素が硫黄により置き換えられている場合、式は「チオカルボニル」基を表す。
「アルコキシル」または「アルコキシ」という用語は、付着した酸素ラジカルを有する、上に定義されたアルキル基を指す。代表的なアルコキシル基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ等を含む。「エーテル」は、酸素により共有結合された2つの炭化水素である。「エーテル」はまた、2つ以上のエーテル基または連結が所与の基に存在し得るポリエーテルを包含する。「エーテル」はまた、環式基内にエーテル結合がある環状エーテルおよびクラウンエーテルを包含する。
組成物中に含有されるある特定の化合物は、特定の幾何学的または立体異性形態で存在し得る。さらに、化合物はまた、光学活性であってもよい。化合物はまた、シスおよびトランス異性体、R−およびS−光学異性体、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、ならびにそれらの他の混合物を含み得る。さらなる非対称カーボン原子が、アルキル基等の置換基内に存在してもよい。例えば、化合物の特定の光学異性体が望ましい場合、不斉合成により、またはキラル補助基での誘導により調製することができ、得られるジアステレオマー混合物は分離され、補助基が開裂して純粋な所望の光学異性体を生じる。代替として、分子がアミノ等の塩基性官能基、またはカルボキシル等の酸性官能基を含有する場合、適切な光学活性酸または塩基によりジアステレオマー塩が形成され、続いて、当該技術において周知の分別結晶化またはクロマトグラフィー手段により、このように形成されたジアステレオマーの分解が行われ、その後純粋な光学異性体が回収される。
「保護基」という語句は、本明細書において使用される場合、潜在的に反応性の官能基を望ましくない化学転換から保護する、一時的な置換基を意味する。そのような保護基の例は、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、ならびにそれぞれアルデヒドおよびケトンのアセタールおよびケタールを含む。保護基化学の分野は、再検討されている(Greene, T.W.; Wuts, P.G.M. Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd ed.; Wiley: New York, 1999)。
別段に指定されない限り、「立体異性体」は、化合物の他の立体異性体を実質的に含まない、その化合物の1つの立体異性体を意味する。したがって、1つのキラル中心を有するステレオマー的に純粋な化合物は、化合物の反対の光学異性体を実質的に含まない。2つのキラル中心を有するステレオマー的に純粋な化合物は、化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的なステレオマー的に純粋な化合物は、約80重量%を超える化合物の1つの立体異性体および約20重量%未満の化合物の他の立体異性体、例えば、約90重量%を超える化合物の1つの立体異性体および約10質量%未満の化合物の他の立体異性体、または約95重量%を超える化合物の1つの立体異性体および約5重量%未満の化合物の他の立体異性体、または約97重量%を超える化合物の1つの立体異性体および約3重量%未満の化合物の他の立体異性体を含む。
描写される構造とその構造に付与される名称とが矛盾する場合、描写される構造が優先される。さらに、構造または構造の一部の立体化学が、例えば太線または点線で示されていない場合、その構造または構造の一部は、その全ての立体異性体を包含するものと解釈されるべきである。
II.本発明の化合物およびデンドリマー複合体
本発明は、新規なPSMA標的化部分、およびPSMA標的化部分のキレート剤−デンドリマー複合体の合成に関する。具体的には、キレート剤の基は、放射線画像化用途において、および疾患状態の処置用の放射性医薬品として使用される様々な金属イオンを効果的にキレートするものである。
また、本発明の放射性標識含有キレート剤−デンドリマー−PSMA標的化複合体の薬学的に許容される組成物、ならびに前立腺癌組織を画像化および/または診断すると共に、前立腺癌の放射線治療処置を提供するために本発明の組成物を使用するための方法が、本発明の範囲内に包含される。
具体的には、本発明のPSMA標的化部分は、グルタミン酸塩尿素ホモ二量体(GUG)、またはグルタミン酸塩尿素ヘテロ二量体、例えばグルタミン酸塩−尿素−リシン二量体(GUL)である。したがって、一態様において、本発明は、GULおよびGUG PSMA標的化部分の合成、ならびにEDTAコアを使用したこれらの部分の二量体、三量体または四量体の合成のための方法を説明する。
いかなる具体的理論にも束縛されないが、本発明者らは、デンドリマーの表面基からのGULおよびGUG部分の距離が、PSMAタンパク質への結合に重要となり得ると仮定した。PSMAに対するGUL/GUG−デンドリマー複合体の強固な結合に必要とされる最適距離を調査するために、本発明者らは、まず、GULまたはGUG部分がEDTAに直接、または様々な長さのリンカーを介して結合した、一連のGUL/GUG−EDTA複合体を合成および試験した。したがって、一実施形態において、GULは、EDTAに直接複合化された。代替の実施形態において、GULまたはGUG部分は、リンカーを介してEDTAに複合化している。GULがPSMA標的化部分である場合、EDTAとの複合化の前に、アミノプロピオン酸またはアミノヘキサン酸等のリンカーが、リシンのε−アミノ基に反応させられる。しかし、GUGがPSMA標的化部分である場合、グルタミン酸のカルボキシレート側鎖が、EDTAを使用した四量体化の前にγ−カルボキシル基を1,3−ジアミノプロパンまたはジアミノヘキサンリンカーと反応させることにより延長され得る。
GUL、GUGのEDTA−テトラマーおよび様々な長さのリンカーを使用して得られたものの結合親和性は、以下でさらに説明されるように、LNCaP細胞ベースアッセイを使用して試験された。
本発明のさらに別の実施形態において、GUGおよびGUL類似体が、デンドリマーにさらに複合化する。好適なデンドリマーの例は、シスタミンコアポリ(アミドアミン)PAMAMデンドリマー等の星型デンドリマーである。PAMAMデンドリマーは、高密度星型ポリマーとして知られる均一な巨大分子構造を有するポリマーである。分子構造の均一性により、デンドリマーは、高度の分子均一性、狭い分子量分布、特定のサイズおよび形状特性、ならびに高度に官能化された末端表面を有することができる。各デンドリマーは、中心の開始コアから開始する一連の反復ステップにより製造される。それぞれの後続の成長ステップは、より大きな分子直径を有するポリマーの新たな「世代」を表し、反応性表面部位の数が2倍、および前の世代の分子量の約2倍である。
以下の表1は、各世代に対するアミン表面官能性PAMAMデンドリマーの計算された物理化学的特性を示す。
Figure 2014510015
具体的には、前立腺癌の標的化放射線治療のため現在臨床試験中の分子画像化放射性医薬品と比較した、PSMAに対する高い親和性、血液および非標的組織からの迅速なクリアランス、ならびに低減された腎臓吸収を識別するために、5,000〜100,000Daの分子量を有する一連のDOTA−複合化PAMAMデンドリマーが、グルタミン酸塩−尿素−リシン(GUL)またはグルタミン酸塩−尿素−グルタミン酸塩(GUG)で官能化された。
本発明者らは、GULまたはGUG PSMA結合モチーフを組み込んだ合成デンドリマーの設計および開発において、いくつかの特徴が望ましいことを認識している。例えば、デンドリマーに対するPSMA標的化部分の複合化は、決められたサイズ、表面電荷基の数、分子量、および使用されるデンドリマーの世代数に基づきデンドリマー−複合体サイズを容易に改変する能力を有する複合体の迅速な合成を可能とすべきである。したがって、本発明のデンドリマー複合体は、複合体の分子量と組織分布、薬物動態、およびデンドリマー−PSMA標的化複合体のクリアランスの間の相関を決定するために、迅速に評価することができる。
本発明のデンドリマー複合体に対して評価される別の指標は、結合の親和性/結合力に対するPSMA標的化モチーフの数の増加の影響である。
単一金属キレート剤を本発明のデンドリマー−PSMA標的化複合体に拘束する能力は、多くの放射性医薬品用途において重要である。本発明は、以下に挙げる金属放射性同位体のいずれか1つを使用した放射性標識化研究のための、キレート剤−デンドリマー−PSMA標的化複合体を合成するための方法を提供する。本発明によるキレート剤−デンドリマー−PSMA標的化錯体を合成するために任意のデンドリマーを使用することができるが、シスタミンコアおよび表面スクシンアミド酸残基を有する市販のPAMAMデンドリマーを使用して、式Iの複合体が合成されている。これらのデンドリマーは、コアジスルフィド結合の還元による遊離スルフヒドリル基の反応を介して、放射性同位体キレート剤への単一の付着点を提供するため、理想的である。通常PAMAMデンドリマーの遊離アミン表面基に関連するin vivo毒性を低下させるために、本発明者らは、まず、過剰コハク酸または活性化誘導体、例えば無水コハク酸との反応、続いて得られたスクシンアミド酸残基のGULとのカップリングにより、表面アミノ基を改質する。
したがって、本発明は、式Iに従うPSMA−デンドリマー複合体、またはその薬学的に許容される塩および溶媒和物の合成を説明する。
Figure 2014510015
式Iの複合体において、
Figure 2014510015
は、世代nのデンドリマーコアを表す。PSMA阻害剤への複合化に選択されるデンドリマーは、使用されるデンドリマーの世代に依存する固定数の表面基を有する。本発明は、世代1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10に属するデンドリマー等のデンドリマーの任意の世代を使用したデンドリマー複合体を説明する。
式Iの化合物において、Xは、「遊離」または非複合化形態の−COOR’、−NR’R”、ならびに複合化形態の−NHC(O)−(CH2a−C(O)−、−NHC(O)−(C2−C6)アルケニル−C(O)、−NHC(O)−CH2−O−NH2、−NHC(O)−(CH2a−マレイミド、および−NR’−(CH2a−NR”からなる群から選択される。Sは、硫黄またはスルフヒドリル基(−SH基)である。金属キレート剤R1は、スルフヒドリル基を介してデンドリマーに付着する。
整数pは、所与の世代のデンドリマーに存在する表面基の数を表す。典型的には、式Iのデンドリマーの表面基の数は、使用されるデンドリマーの世代に依存して、4、8、16、32、64、128、256、512、1024、2048および4096である。
本発明の複合体において、PSMA標的化部分(Z)は、式Aに従う化合物である。
Figure 2014510015
式Aの化合物において、−C=Jは、−CH2基または−C=O基である。Lは、−COOR’’’、−(CH2)−NH−C(O)−CH(O)−、−(CH2)−NH−C(O)−(CH2−CH2−O)y−NR’−、−(CH2)−NH−C(O)−(CH2z−NR’−、および−(CH2)−NH−C(O)−(CH2z−SH−からなる群から選択される。置換基R’、R”、R’’’、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、H、および直鎖または分岐鎖C1−C6アルキルからなる群から選択される。
整数qは、Zに複合化した利用可能な表面基Xの割合を表す。したがって、一実施形態によれば、Zに複合化した利用可能な表面基Xの割合は、約10%から約100%の範囲内、好ましくは約10%、20%、30%、40%、50%、55%、60%、65% 70%、75%、80%、85%、90%、92%、94%、96%、98%または99%である。一実施形態において、Zに複合化した利用可能な表面基Xの割合は、約50%、52%、54%、56%、58%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、72%、74%、76%、78%、80% 82%、84%、86%、または88%からの範囲内である。さらに、下付文字a、yおよびzは、それぞれ独立して、0から8の間(これらを含む)の整数である。
式Iの複合体において、金属キレート剤は、金属イオンへの供与に利用可能な2つ以上の非共有電子対を有する二座化合物、三座化合物または四座化合物であってもよい。金属イオンは、通常、2つ以上の電子対によりキレート剤に配位する。
式Iの複合体の金属キレート剤基の例は、DOTA、DTPA、EDTA、シクロヘキシルDTPA、ヒドロキサム酸キレート剤、デフェロキサミン、hynic、チオセミカルバゾン、TETA、NOTA、Mag3、およびN2S2からなる群から選択されるものである。例示的な構造を表2に示す。
Figure 2014510015
上に示した構造において、Rtは、H、C1−C8アルキル基、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン、またはアルカリもしくはアルカリ土類金属イオンであり、Rvは、C1−C8アルキルである。
本発明のデンドリマー複合体は、放射性核種に錯化した式1のデンドリマー複合体の組織分布、結合親和性を改善し、毒性プロファイルおよび薬物動態を改善するべきである。
本発明の別の実施形態において、68Ga、64Cu、67Cu、212Pb、203Pb、212Bi、213Bi、89Zr、186Re、99mTc、90Y、86Y、177Lu、111Inおよび188Reからなる群から選択される金属イオンと、式Iに従うデンドリマー複合体とを含む錯体が提供される。本発明の錯体の限定されない例は、以下の表3中に構造的に示されるものである。
Figure 2014510015
Figure 2014510015
Figure 2014510015
一実施形態において、本発明による錯体は、以下に示されるように、表面スクシンアミド酸残基がGULに直接、またはGUL−リンカー類似体に複合化し、単一放射性同位体キレート基DOTAがその遊離スルフヒドリル基を介してデンドリマーに付着した、還元PAMAMデンドリマーである。
Figure 2014510015
この錯体において、整数qは、GUL部分(Z)に複合化した表面スクシンアミド酸残基の割合を表す。
すなわち、Zに複合化した利用可能な表面基Xの割合は、約10%から約100%の範囲内、好ましくは約10%、20%、30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、94%、96%、98%または99%である。一実施形態において、Zに複合化した利用可能な表面基Xの割合は、約50%、52%、54%、56%、58%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、72%、74%、76%、78%、80%、82%、84%、86%、または88%からの範囲内である。
本発明の錯体が使用される用途に依存して、本発明の錯体は、放射線治療を提供するのに好適な1つ以上の放射性核種または放射線画像化もしくはPSMA発現組織の検出に好適な1つ以上の放射性核種にキレートされ得る。放射性同位体の限定されない例は、68Ga、64Cu、67Cu、212Pb、203Pb、212Bi、213Bi,89Zr、186Re、99mTc、90Y、86Y、177Lu、111Inおよび188Reを含む。
したがって、一実施形態において、金属と式Iの化合物とを含む本発明の錯体、その塩、溶媒和物、立体異性体、または互変異性体と、薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物が提供される。
一般に、化合物式Iの金属錯体またはその薬学的組成物は、経口投与され得るか、または非経口経路で、通常は注射により投与され得る。非経口投与は、これらに限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄膜内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、および胸骨内注射および注入を含む。いくつかの実施形態において、化合物またはその薬学的組成物は、経口投与される。そのような組成物は、錠剤、丸薬、カプセル剤、半固体、粉末、溶液、懸濁液、エリキシル剤、エアロゾル、または任意の他の適切な組成物の形態をとってもよい。
別の態様によれば、in vivo画像化に好適な薬学的組成物が提供される。そのような好適な画像化薬学的組成物は、元素、すなわち放射性ヨウ素として、または式Iの化合物の放射性金属キレート錯体として放射性核種を有する造影剤を、薬学的に許容される放射線ビヒクルと共に、画像化に十分な量で含有する。放射線ビヒクルは、注射または吸引に好適であるべきであり、例えば、ヒト血清アルブミン;緩衝水溶液、例えば、トリス(ヒドロメチル)アミノメタン(およびその塩)、リン酸塩、クエン酸塩、重炭酸塩等;滅菌水;生理食塩水;ならびに、塩化物および/もしくはジカーボネート塩または正常血漿カチオン、例えばカルシウム、カリウム、ナトリウム、およびマグネシウムを含有する平衡イオン溶液である。
放射線ビヒクル中の造影剤の濃度は、満足する画像化を提供するのに十分となるべきである。例えば、水溶液を使用する場合、用量は、約1.0ミリキュリーから50ミリキュリーである。造影剤は、約1時間から24時間、患者に残留するように投与されるべきであるが、より長い、およびより短い期間の両方が許容される。したがって、1mLから10mLの水溶液を含有する便利なアンプルが調製されてもよい。
画像化は、通常の様式で、例えば適正な画像化を提供するのに十分な量の造影組成物を注射し、次いで好適な機械、例えばガンマカメラで走査することにより行うことができる。ある特定の実施形態において、患者の領域を画像化する方法は、放射性核種と錯化した診断上効果的な量の化合物を、患者に投与するステップと、患者の領域を放射線に暴露するステップと、患者の領域の画像を得るステップとを含む。ある特定の実施形態において、画像化される領域は、頭部または胸部である。別の実施形態において、式Iの化合物および錯体は、PSMAタンパク質を標的化する。
したがって、いくつかの実施形態において、脾臓組織、腎臓組織、またはPSMA発現腫瘍組織等の組織を画像化する方法であって、組織を、放射性金属および式:
Figure 2014510015
の基を含む化合物を含む錯体、その薬学的に許容される塩または溶媒和物と接触させることを含む方法が提供される。256個の表面基を有し、そのうち少なくとも50%がPSMA標的化部分GULまたはGUGと反応する世代6のデンドリマーにおいて、Z(GUL基)に複合化した利用可能な表面基Xの割合を表すqは、128個の未反応基および128個の表面複合化基と等しい。他の実施形態において、Zに複合化した利用可能な表面基Xの割合は、60%、65% 70%、75%、80%、85%、90%、92%、94%、96%、98%、99%または100%であってもよい。例えば、Zに複合化した利用可能な表面基Xの割合は、少なくとも50%、52%、54%、56%、58%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、72%、74%、76%、78%、80% 82%、84%、86%、または88%である。いくつかの実施形態において、本発明の錯体により標的化される組織は、PSMA発現腫瘍組織である。
同様に、本発明のデンドリマー複合体および錯体は、それぞれ4、8、16、32、64、128、256、512、1024、2048および4096個の表面基を有する、世代1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のデンドリマーを使用して得ることができる。PSMA標的化基(Z)をデンドリマーの表面基(X)に複合化する効率は、未反応のままである表面基の割合を決定付ける。好ましくは、本発明の複合体の合成に使用されるデンドリマーの任意の世代に対して、Zに複合化した利用可能な表面基Xの割合は、少なくとも50%、52%、54%、56%、58%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、72%、74%、76%、78%、80%、82%、84%、86%、88%、90%、92%、94%、96%、97%、98%、99%または100%である。
したがって、本発明のデンドリマー複合体および放射性核種を有するこれらの複合体の錯体において、任意の2つの連続する世代nおよびn+1の間のデンドリマー表面基の数は、2m(mは世代nの表面基の数である)の関係により表現することができる。したがって、世代3のデンドリマーでは、16個の表面基がある。n+1世代、すなわち世代4においては、表面基の数は2(16)、すなわち32個の表面基である。
このように概略的に説明される本発明は、例示を目的として示され、本発明の限定を意図しない以下の実施例を参照することでより容易に理解される。
I 合成
A.PSMA標的化部分−EDTA四量体の合成
スキーム1は、EDTAを使用したGlu−尿素−リシンベースの化合物(GUL)の多量体化のための一般的合成経路を示す。第1のステップは、t−ブチル保護GUL−EDTA二量体を生成する、t−ブチル保護GULと4,4’−(エタン−1,2−ジイル)ジモルホリノ−2,6−ジオンとの塩基触媒反応が関与する。過剰の市販のペプチドカップリング試薬、例えば、限定されることなく、DCC、HOBt/HBTU、またはEDCI等のいずれかを使用した、GUL−EDTA二量体の残りの2つのカルボキシル基の活性化、および、活性化された二量体と若干過剰のt−ブチル保護GULとの反応により、所望のGUL−EDTA四量体が生成し、これは弱酸性条件下で脱保護され、精製に供された。四量体の精製に好適な分析技術は、高速液体クロマトグラフィー、調製薄層クロマトグラフィー(TLC)、イオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーを含む。精製された生成物の特性決定は、1H−NMR分光法、および質量分析を使用して達成することができる。
Figure 2014510015
以下に構造が示されるGUG−リンカー−EDTA類似体を四量体化するために、同様の合成戦略が使用される。
Figure 2014510015
(3S,7S,26S,30S)−ヘキサ−tert−ブチル15,18−ビス((7S,11S)−7,11−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−2,2−ジメチル−4,9,17−トリオキソ−3−オキサ−8,10,16−トリアザオクタデカン−18−イル)−5,13,20,28−テトラオキソ−4,6,12,15,18,21,27,29−オクタアザドトリアコンタン−1,3,7,26,30,32−ヘキサカルボキシレート
したがって、上記GUG−EDTA四量体の合成は、(14S,18S)−3−((7S,11S)−7,11−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−2,2−ジメチル−4,9,17−トリオキソ−3−オキサ−8,10,16−トリアザオクタデカン−18−イル)−14,18−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−6−(カルボキシメチル)−23,23−ジメチル−8,16,21−トリオキソ−22−オキサ−3,6,9,15,17−ペンタアザテトラコサン−1−酸((3)、200.0mg、0.16mmol)、(S)−ジ−tert−ブチル2−(3−((S)−6−アミノ−1−tert−ブトキシ−1−オキソヘキサン−2−イル)ウレイド)ペンタンジオエート((2)、158.0mg、0.32mmol)、EDCI(66.0mg、0.34mmol)、HOBt(44.0mg、0.32mmol)およびDIPEA(0.09mL)のDCM(5.0mL)中の溶液を、室温で一晩撹拌することにより達成された(スキーム2)。翌日、反応混合物を、DCM中0%から10%メタノールを利用したBiotage SP4クロマトグラフィーシステムを使用して濃縮および精製し、表題化合物(4)を白色固体として得た。(M+H/2)+=1086。
Figure 2014510015
GUG−EDTA四量体の脱保護は、TFA(2.0mL)中の(3S,7S,26S,30S)−ヘキサ−tert−ブチル15,18−ビス((7S,11S)−7,11−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−2,2−ジメチル−4,9,17−トリオキソ−3−オキサ−8,10,16−トリアザオクタデカン−18−イル)−5,13,20,28−テトラオキソ−4,6,12,15,18,21,27,29−オクタアザドトリアコンタン−1,3,7,26,30,32−ヘキサカルボキシレート(4)のDCM溶液(1.0ml)を、室温で12時間撹拌することにより達成された。溶媒を蒸発させると、所望の粗生成物(3S,7S,26S,30S)−15,18−ビス(2−((S)−5−カルボキシル−5−(3−((S)−1,3−ジカルボキシプロピル)ウレイド)ペンチルアミノ)−2−オキソエチル)−5,13,20,28−テトラオキソ−4,6,12,15,18,21,27,29−オクタアザドトリアコンタン−1,3,7,26,30,32−ヘキサカルボン酸(5)が得られ、これをHPLCにより精製した。(M+H)+=1497。
Figure 2014510015
一連の本発明のデンドリマー複合体は、GUI、GUGまたは適切なGUL−リンカーもしくはGUG−リンカー化合物(これらの化合物は、これらの化合物のEDTA四量体類似体を使用した結合研究に基づき、PSMAに対する増加した結合親和性を示した)を使用して合成される。これらの高親和性薬理作用団−リンカー化合物の、16〜128個の表面基を含有するシスタミンコアPAMAMデンドリマーの表面酸性基への複合化は、以下のスキーム3において示される合成プロトコルを使用して行われた。
Figure 2014510015
一般に、世代2から6のスクシンアミド酸表面基を有するものが入手可能である市販のジスルフィドシスタミンコアデンドリマー(8)を、過剰の適切なPSMA標的化化合物、例えば化合物1、2、3、5または6と反応させ、所望のPSMA標的化/認識単位を含有する保護PSMAデンドリマー複合体(10)を得る。PSMA標的化基のデンドリマー表面への複合化は、過剰のカップリング剤、例えばEDCIを、若干過剰の適切なPSMA標的化化合物と共に使用して達成される。
次いで、デンドリマー複合体のジスルフィドシスタミンコアを還元し、単一DOTA(金属キレート剤)部分を遊離スルフヒドリル基に複合化させる。DOTAの遊離スルフヒドリル基への複合化は、DOTA−マレイミド化合物(12)を使用して達成される。t−ブチルエステル基のTFAによる脱保護により、所望の式Iのデンドリマー複合体が得られる。
一実施形態において、16、32、64、128、または256個の表面基を有する世代2、3、4、5、または6のPAMAM−スクシンアミド酸デンドリマーが、PSMA標的化部分への複合化に使用される。上述の反応プロトコルを使用して、遊離表面基の少なくとも80%以上が、PSMA標的化部分に複合化される。本発明の一実施形態によれば、上記スキーム3に示される複合化反応は、式Iのデンドリマー複合体を生成し、表面スクシンアミド酸基の少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%が、PSMA標的化部分に共有結合している。別の実施形態において、PSMA標的化部分に共有結合した表面スクシンアミド酸基のパーセンテージは、少なくとも50%、52%、54%、56%、58%、60%、62%、64%、66%、68%または70%である。
まず、標的分子は、in vitro特性決定および生物学的評価のために、非放射性インジウム誘導体として合成される。化合物は、広く認められている標準的分析技術(1H NMR分光法および質量分析(MALDI−TOF)、また純度はサイズ排除クロマトグラフィーにより評価される)を使用して、純度および構造の確認に関して分析され、LNCaPヒト前立腺癌細胞への[123I]−MIP−1072結合の阻害に関して、in vitroで競合的結合アッセイにおいてスクリーニングされる。
次いで、PSMAへの最大の親和性を示すDOTA−デンドリマー−PSMA標的化部分複合体が、放射線画像化または放射線治療用途のために、好適な放射性核種に錯化される。したがって、式Iの複合体を放射性標識化して錯体を形成することは、以下の方法を利用して、遊離α−アミノ酸または適切にN保護されたアミノ酸誘導体を使用して達成された。111In放射性標識化は、以下のように達成される:0.5mL(0.05N HCl)の体積の10mCiの塩化インジウム−111を含有する10mLバイアルに、TraceSelect(登録商標)Ultra水を添加し、1.0mLの最終反応体積を得る。放射性核種の溶液を、10ナノモルの式Iのデンドリマー−複合体を含有するバイアルに移す。反応混合物を100℃で30分間加熱し、次いで最低5分間室温に冷却する。注射に好適な本発明の錯体の試料(0.9%NaCl)を調製するために、滅菌生理食塩水を添加することにより反応物を所望の体積に希釈する。
II.医薬製剤
本発明のPSMA標的化化合物、そのデンドリマーへの複合体、および放射性核種−デンドリマー錯体は、PSMAの発現および/または活性ならびに前立腺癌の転移を阻害するために有用である。式Iの複合体およびその放射性核種複合体はまた、PSMAを発現する癌組織を検出するために使用される放射線画像化用途における使用が見出される。
一実施形態において、本発明は、薬学的に許容される担体と混合された、1つ以上の式Iの複合体、または薬学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、もしくはプロドラッグを含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、組成物は、さらに、許容される調剤の慣習に従い、1つ以上の追加的治療薬剤、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、アジュバント、安定剤、乳化剤、保存料、着色剤、緩衝剤、風味付与剤を含有する。
別の実施形態において、医薬製剤は、薬学的に許容される担体と混合された、本発明のデンドリマー複合体および放射性核種金属の錯体、ならびに薬学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、またはプロドラッグを含む。
本発明の組成物は、経口的、局所的、非経口的、吸入もしくはスプレーにより、または経直腸的に、用量単位製剤として投与することができる。非経口という用語は、本明細書において使用される場合、皮下注射、静脈内、筋肉内、幹内注射、または輸液技術を含む。
本発明による好適な経口組成物は、限定されることなく、錠剤、トローチ、ドロップ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルジョン、ハードもしくはソフトカプセル剤、シロップまたはエリキシル剤を含む。
本発明の錯体、その薬学的に許容される立体異性体、プロドラッグ、塩、溶媒和物、水和物、または互変異性体、および薬学的に許容される担体を含む単一の単位剤形に好適な薬学的組成物が、本発明の範囲に包含される。
経口による使用に好適な本発明の組成物は、薬学的組成物の製造の技術分野において知られた任意の方法に従い調製することができる。例えば、本発明の錯体の液体製剤は、本発明の錯体の薬学的に洗練され味の良い調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1つ以上の薬剤を含有する。
錠剤組成物の場合、非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合された活性成分が、錠剤の製造に使用される。そのような賦形剤の例は、限定されることなく、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム等の不活性希釈剤;造粒剤および崩壊剤、例えばコーンスターチ、またはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア、ならびに潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクを含む。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、または、胃腸管における分解および吸収を遅延させ、それにより所望の期間にわたる持続的治療作用を提供するために、既知のコーティング技術によりコーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル等の時間遅延材料が使用され得る。
また、経口による使用のための製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合された硬ゼラチンカプセルとして、または、活性成分が水もしくは油媒体、例えばピーナツ油、液体パラフィンもしくはオリーブ油と混合された軟ゼラチンカプセルとして存在してもよい。
水性懸濁液の場合、本発明の錯体は、安定な懸濁液を維持するために好適な賦形剤と混合される。そのような賦形剤の例は、限定されることなく、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガムを含む。
また、経口用懸濁液は、分散または湿潤剤、例えば、自然発生的ホスファチド、例えばレシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから得られる部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から得られる部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンを含有することができる。また、水性懸濁液は、1つ以上の保存料、例えば、エチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエート、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、および1つ以上の甘味剤、例えばショ糖またはサッカリンを含有してもよい。
油性懸濁液は、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココナツ油、または液体パラフィン等の鉱物油に、活性成分を懸濁させることにより製剤化され得る。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有してもよい。
上記のような甘味剤、および香味剤は、味の良い経口用調製物を提供するために添加され得る。これらの組成物は、アスコルビン酸等の酸化防止剤の添加により保存され得る。
水の添加による水性懸濁液の調製に好適な分散性粉末および顆粒は、分散または湿潤剤、懸濁化剤および1つ以上の保存料と混合された活性成分を提供する。好適な分散または湿潤剤および懸濁剤は、すでに上述されたものにより例示される。また、追加的な賦形剤、例えば甘味、香味および着色剤が存在してもよい。
また、本発明の薬学的組成物は、水中油エマルジョンの形態であってもよい。油相は、植物油、例えばオリーブ油もしくは落花生油、または鉱物油、例えば液体パラフィン、またはこれらの混合であってもよい。好適な乳化剤は、自然発生的ガム、例えばアカシアガム、トラガカントガム、自然発生的ホスファチド、例えば大豆、レシチン、ならびに脂肪酸およびヘキシトール、無水物から得られるエステルまたは部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、ならびに前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合ン生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであってもよい。また、エマルジョンは、甘味および香味剤を含有してもよい。
シロップおよびエリキシル剤は、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはショ糖と共に製剤化され得る。そのような製剤はまた、鎮痛薬、保存料、ならびに香味および着色剤を含有してもよい。薬学的組成物は、滅菌注射剤、水性懸濁液または油脂性懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、既知の技術に従い、上述した好適な分散または湿潤剤、および懸濁剤を使用して製剤化され得る。滅菌注射用調合薬は、例えば1,3−ブタンジオール中溶液等の、非毒性の非経口用として許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液であってもよい。使用可能な許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液および等張食塩水がある。さらに、溶媒または懸濁化媒体として、従来から滅菌不揮発性油が使用される。この目的のために、合成モノ−またはジグリセリドを含む任意の低刺激性の不揮発性油を使用することができる。また、オレイン酸等の脂肪酸が、注射製剤の調製に使用される。
また、式I−放射性核種錯体は、薬物の直腸投与用の坐剤の形態で投与されてもよい。これらの組成物は、薬物を、通常温度では固体であるが、直腸内温度では液体であり、したがって直腸内で融解して薬剤を放出する好適な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができる。そのような材料は、ココアバターおよびポリエチレングリコールである。
非経口投与用の組成物は、滅菌媒体中で投与される。使用されるビヒクルおよび製剤中の薬物の濃度に依存して、非経口製剤は、懸濁液または溶解した薬物を含有する溶液であってもよい。局所麻酔薬、保存料および緩衝剤等のアジュバントもまた、非経口組成物に添加されてもよい。
III.一般生物学
A.EDTA−PSMA四量体の試験
新しく調製された一般構造5の類似体を、ヒト前立腺癌細胞結合アッセイにおいて、PSMA陽性(+)、LnCap細胞を使用して、3nMの濃度でスクリーニングした。このスクリーニングの結果は、化合物がPSMA(+)細胞に対する特異的結合を示すかどうかを実証した。PSMA(+)細胞に対する特異的結合を示した化合物を、さらにPSMA阻害剤(S)−2−(3−((S)−1−カルボキシ−5−(4−ヨードベンジルアミノ)ペンチル)ウレイド)ペンタン二酸(MIP−1072)に対する競合的結合アッセイにおいて評価し、IC50値を計算した。
Figure 2014510015
ヒト前立腺癌細胞株、LNCaP(PSMA陽性)を、American Type Culture Collection(Rockville、MD)から得た。37℃/5%CO2の加湿インキュベータ内で、10%ウシ胎仔血清(Hyclone、Logan、UT)を添加したRPMI−1640培地(Invitrogen、Carlsbad、CA)にLNCaP細胞を維持した。0.25%トリプシン/EDTA(Invitrogen、Carlsbad、CA)と共にインキュベートすることによる継代または12ウェルアッセイプレートへの移動のために、細胞をフラスコから取り出した。
典型的な競合的結合アッセイにおいて、LNCaP細胞を約4×105細胞/ウェルで12ウェルプレートに播種し、PSMA阻害剤の添加前に37℃/5%二酸化炭素の加湿インキュベータ内で48時間インキュベートした。0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する無血清細胞培養培地内で、例示的EDTA−PSMA四量体MIP−1444を希釈した。希釈したMIP−1444を、3nM[123I]−MIP−1072の存在下で、室温で1時間細胞に添加した。静かにピペット操作することにより細胞をプレートから取り出し、1.5mLのEppendorff管に移した。試料を15K×gで30秒間微小遠心分離した。培地を吸引したが、ペレットは、新鮮なアッセイ培地への分散に続く微小遠心分離により、2回洗浄される。[123I]−MIP−1072の細胞結合は、Wallac 1282自動ガンマカウンタ内で細胞ペレットを計数することにより決定した。低温MlP−1072は、アッセイにおいて陽性対照として機能する。IC−50値は、GraphPad Prismソフトウェアを使用して生成された。
図1は、いくつかの本発明のPSMA標的化部分ならびにEDTAを使用した二量体化および四量体化により得られた複合体の競合的結合曲線を示す。図1に示されるように、PSMA標的化基GUL(MIP−1033)は、PSMAに対する低い親和性を有し、IC50値は、四量体MIP−1444のIC50より36倍大きい。また、GULの二量体(MIP−1046)は、MIP1033より大きなPSMAに対する結合親和性を示し、IC50値は、MIP−1033のIC50値よりも約30分の1低い。総合すると、これらの結果は、デンドリマーを使用した適切に離間したGULまたはGUG部分の多量体化が、組織分布を改善すること、腎臓による薬物吸収を低下させること、および本発明のデンドリマー複合体の改善された薬物動態プロファイルにより、放射性標識化GULおよび/またはGUG−複合体の治療有効性を増加させるための好適な戦略を提供し得ることを示唆している。
C.組織分布
ヒト腫瘍異種移植モデルにおける111In−標識化PSMA−デンドリマー複合体の吸収は、公開されている方法に従い行われる。簡潔には、LNCaP細胞は、トリプシン処理され、計数され、50%PBS(1mg/mL D−グルコースおよび36μg/mLピルビン酸ナトリウムを含む)および50%Matrigel(BD Biosciences、Franklin Lakes、NJ)を含有する溶液中に懸濁される。NCrnu/nuマウスの後脇腹に、0.25mL懸濁液体積中2×106の細胞を皮下接種する。腫瘍が100〜200mm3のサイズに達したら、腫瘍吸収の調査を行う。組織吸収は、尾静脈から、0.05mLの一定体積中の約2μCi/マウスのボーラス注射を施すことにより分析される。注射から1、4および24時間後に、5匹の動物の群を二酸化炭素による窒息により安楽死させる。組織(腫瘍、血液、心臓、肝臓、肺、脾臓、大腸および小腸、胃、腎臓、骨格筋、骨、脂肪、睾丸および脳)を切除し、摘出し、湿重量を秤量し、プラスチック管に移し、自動γ−カウンタ(LKB Model 1282、Wallac Oy、Finland)内で計数する。組織の時間−放射能レベルは、組織のグラム当たりの注射用量の%(%ID/g)および臓器当たりの注射用量の%(%DPO)として表現される。標的に対する特異的結合を実証するために、50mg/kg PMPAの同時注射が使用される。
D.治療処置
本発明のPSMA標的化化合物、そのデンドリマーへの複合体、および本発明の放射性核種−デンドリマー錯体は、PSMAの発現および/または活性を阻害するために、ならびに前立腺癌の転移を阻害するために有用である。式Iの複合体およびその放射性核種複合体はまた、PSMAを発現する癌組織を検出するために使用される放射線画像化用途における使用が見出される。
本発明による化合物、デンドリマー複合体およびその放射性核種への錯体は、NAALADase(PSMA)を阻害し、したがって、NAALADase阻害受容性となり得る疾患の処置用の好適な候補治療薬である。そのような疾患の例は、限定されることなく、疼痛を伴う、および感覚性糖尿病性神経障害、神経損傷および前立腺癌、統合失調症、結腸直腸癌、炎症、筋萎縮性側索硬化症、または糖尿病性神経障害を含む。そのような治療処置のモデル化の指針は、Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, McGraw Hill, 10 edition, 2001、Pharmaceutical Preformulation and Formulation: A Practical Guide from Candidate Drug Selection to Commercial Dosage Form, CRC, 2001およびHandbook of Pharmaceutical Excipients, AphA Publications, 5 edition, 2005に見出すことができる。
均等物
ある特定の実施形態を例示し説明したが、以下の特許請求の範囲において定義されるそのより広い態様における技術から逸脱せずに、当該技術分野の通常の技術に従い、変更および修正が行われてもよいことを理解されたい。
本開示は、本出願において説明される具体的な実施形態に関して限定されるべきではない。当業者に明らかなように、本開示の精神および範囲から逸脱せずに、多くの修正および変形がなされてもよい。本明細書において列挙されたものに加えて、本開示の範囲内の機能的に均等な方法および組成物は、上記説明から当業者に明らかである。そのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲内であることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲の用語、およびそのような特許請求の範囲に認められる均等物の全範囲によってのみ限定されるべきである。本開示は、具体的な方法、試薬、化合物、組成物または生体系に限定されず、当然ながら変動し得ることを理解されたい。また、本明細書において使用される用語は、具体的実施形態を説明することのみを目的とし、限定を意図しないことを理解されたい。
さらに、本開示の特徴および態様が、マルクーシュ群に関して説明されている場合、それにより本開示がまた、マルクーシュ群の要素の任意の個々の要素または部分集合に関しても説明されることが、当業者に認識される。
当業者に理解されるように、ありとあらゆる目的において、特に記述された説明の提供に関して、本明細書において開示される全ての範囲はまた、そのありとあらゆる可能な部分範囲および部分範囲の組み合わせを包含する。任意の列挙された範囲は、少なくとも等価な半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1等に分割される同じ範囲も十分に説明し有効とするものとして容易に認識され得る。限定されない例として、本明細書において議論されるそれぞれの範囲は、下の3分の1、中間の3分の1および上の3分の1等に容易に分割され得る。また、当業者により理解されるように、「〜まで」、「少なくとも」、「〜を超える」、「未満」等の全ての言語は、列挙された数を含み、後に上述のように部分範囲に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者に理解されるように、範囲は、範囲として列挙された最初および最後の数を含むそれぞれの個々の要素を含む。
本明細書において参照される全ての出版物、特許出願、発行された特許、および他の文献は、それぞれの個々の出版物、特許出願、発行された特許、または他の文献が、参照により全体的に組み込まれることが具体的および個々に示されたのと同等に、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる文章に含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する場合、除外される。
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に記載される。

Claims (25)

  1. 式I:
    Figure 2014510015
    (式中、
    Figure 2014510015
    は、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10からなる群から選択される世 代nのデンドリマーコアを表し、各世代は、表面基の所定数pに関連し、
    Xは、「遊離」または非複合化形態の−COOR’および−NR’R”、ならびに 複合化形態の−NHC(O)−(CH2a−C(O)−、−NHC(O)−
    (C2−C6)アルケニル−C(O)、−NHC(O)−CH2−O−NH2
    −NHC(O)−(CH2a−マレイミド、および−NR’−(CH2a
    −NR”からなる群から選択される表面基であり、
    Sは、硫黄であり、
    1は、金属キレート剤であり、
    pは、4、8、16、32、64、128、256、512、1024、2048および4096から選択される整数であり、
    Zは、式Aに従う前立腺特異的膜抗原標的化部分であり、
    Figure 2014510015
    式中、
    −C=Jは、−CH2基または−C=Oであり、
    Lは、−COOR’’’、−(CH2)−NH−C(O)−CH(O)−、−(C H2)−NH−C(O)−(CH2−CH2−O)y−NR’−、−(CH2)−NH −C(O)−(CH2z−NR’−、および−(CH2)−NH−C(O)−
    (CH2z−SH−からなる群から選択され、
    R’、R”、R’’’、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、H、
    および直鎖または分岐鎖C1−C6アルキルからなる群から選択され、
    qは、Zに複合化した利用可能な表面基Xの割合を表し、
    下付文字a、yおよびzは、それぞれ独立して、0から8の間(これらを含む)
    の整数である)に従うデンドリマー複合体。
  2. Yは、−NHC(O)−(CH2a−C(O)−であり、Zは、式Aの化合物であり、−C=Jは、−CH2であり、Lは、−(CH2)−NH−C(O)−(CH2z−NR’−である、請求項1に記載のデンドリマー複合体。
  3. aは、2であり、zは、3である、請求項2に記載のデンドリマー複合体。
  4. aは、2であり、zは、6である、請求項1に記載のデンドリマー複合体。
  5. Yは、−NR’−(CH2a−NR”−であり、Zは、式Aの化合物であり、−C=Jは、−C=Oであり、Lは、−COOR’’’である、請求項1に記載のデンドリマー複合体。
  6. aは、1から3の間(これらを含む)の整数である、請求項5に記載のデンドリマー複合体。
  7. aは、2である、請求項6に記載のデンドリマー複合体。
  8. Yは、−NH−(CH22−NH−であり、Lは、−COO−(C1−C6)アルキルである、請求項5に記載のデンドリマー複合体。
  9. Zに複合化した利用可能な表面基Xの前記割合は、約50%から約100%の範囲内である、請求項1に記載のデンドリマー複合体。
  10. Zに複合化した利用可能な表面基Xの前記割合は、約50%から約75%の範囲内である、請求項9に記載のデンドリマー複合体。
  11. 1は、
    Figure 2014510015
    である、請求項1に記載のデンドリマー複合体。
  12. 1は、
    Figure 2014510015
    である、請求項9に記載のデンドリマー複合体。
  13. (i)金属イオンと、
    (ii)式I:
    Figure 2014510015
    (式中、
    Figure 2014510015
    は、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10からなる群から選択される世 代nのデンドリマーコアを表し、各世代は、表面基の所定数pに関連し、
    Xは、「遊離」または非複合化形態の−COOR’および−NR’R”、ならびに 複合化形態の−NHC(O)−(CH2a−C(O)−、−NHC(O)−
    (C2−C6)アルケニル−C(O)、−NHC(O)−CH2−O−NH2
    −NHC(O)−(CH2a−マレイミド、および−NR’−(CH2a
    −NR”からなる群から選択される表面基であり、
    Sは、硫黄であり、
    1は、金属キレート剤であり、
    pは、4、8、16、32、64、128、256、512、
    1024、2048および4096から選択される整数であり、
    Zは、式Aに従う前立腺特異的膜抗原標的化部分であり、
    Figure 2014510015
    式中、
    −C=Jは、−CH2基または−C=Oであり、
    Lは、−COOR’’’、−(CH2)−NH−C(O)−CH(O)−、− (CH2)−NH−C(O)−(CH2−CH2−O)y−NR’−、
    −(CH2)−NH−C(O)−(CH2z−NR’−、および
    −(CH2)−NH−C(O)−(CH2z−SH−からなる群から
    選択され、
    R’、R”、R’’’、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、H、 および直鎖または分岐鎖C1−C6アルキルからなる群から選択され、
    qは、Zに複合化した利用可能な表面基Xの割合を表し、
    下付文字a、yおよびzは、それぞれ独立して、0から8の間
    (これらを含む)の整数である)に従うデンドリマー複合体と、
    を含む錯体。
  14. 前記金属は、68Ga、64Cu、67Cu、212Pb、203Pb、212Bi、213Bi、89Zr、186Re、99mTc、90Y、86Y、177Lu、111Inおよび188Reからなる群から選択される、請求項13に記載の錯体。
  15. 1は、
    Figure 2014510015
    であり、前記金属イオンは、68Ga、64Cu、67Cu、212Pb、203Pb、212Bi、213Bi、89Zr、186Re、99mTc、90Y、86Y、177Lu、111Inおよび188Reからなる群から選択される、請求項13に記載の錯体。
  16. 前記金属イオンは、111Inである、請求項15に記載の錯体。
  17. Zに複合化した利用可能な表面基Xの前記割合は、約50%から約100%の範囲内である、請求項13に記載の錯体。
  18. Zに複合化した利用可能な表面基Xの前記割合は、約50%から約75%の範囲内である、請求項17に記載の錯体。
  19. 以下の表:
    Figure 2014510015
    Figure 2014510015
    Figure 2014510015
    Figure 2014510015
    (式中、
    Mは、68Ga、64Cu、67Cu、212Pb、203Pb、212Bi、213Bi,89Zr 、186Re、99mTc、90Y、86Y、177Lu、111Inおよび188Reからなる群から選択され、
    xは、0から6の間(これらを含む)の整数である)から選択される、請求項13に 記載の錯体、ならびに
    その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
  20. 請求項13に記載の錯体、その薬学的に許容される塩または溶媒和物、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬製剤。
  21. 前記錯体は、
    Figure 2014510015
    (Mは、68Ga、64Cu、67Cu、212Pb、203Pb、212Bi、213Bi、89Zr、186Re、99mTc、90Y、86Y、177Lu、111Inおよび188Reからなる群から選択される)、ならびに
    その薬学的に許容される塩または溶媒和物、および薬学的に許容される賦形剤である、請求項20に記載の医薬製剤。
  22. 患者における前立腺癌を処置する方法であって、治療上効果的な量の請求項13に記載の錯体、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の薬学的組成物(Mは、68Ga、64Cu、67Cu、212Pb、203Pb、212Bi、213Bi、89Zr、186Re、90Y、86Y、177Lu、111Inおよび188Reからなる群から選択される)を、患者に投与することを含む方法。
  23. 患者における前立腺癌組織を画像化する方法であって、診断上効果的な量の請求項13に記載の錯体、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の薬学的組成物(Mは、68Ga、111In、99mTcおよび186Reからなる群から選択される)を、患者に投与することと、前記前立腺組織の画像を得ることとを含む方法。
  24. 前記組織は、PSMA発現前立腺癌組織である、請求項22に記載の方法。
  25. 前記組織は、PSMA発現前立腺癌組織である、請求項23に記載の方法。
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