JP2014508144A - 免疫応答を刺激するためのプラットフォーム技術を利用するコンジュゲート - Google Patents
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Abstract
ウイルスなどの病原体中に見出される、天然に存在するタンパク質配列から生成される鋳型化コンジュゲートが開示されている。配列は、プラットフォーム内で「鋳型化されて」コンセンサスコイルドコイル配列にされることによって、被験体の免疫化に適した二本鎖抗原が形成される。本発明は、2つのペプチドの鋳型化コンジュゲートを包含する。このコンジュゲートは、天然に存在するアルファヘリックスエピトープの第1のアミノ酸配列を7アミノ酸反復に適合させて、第1の鋳型化エピトープを形成し、天然に存在するアルファヘリックスのエピトープの第2の配列を7アミノ酸反復に適合させて、第2の鋳型化エピトープを形成し、2つの鋳型化エピトープの複合体を形成してコイルドコイル構造を生成し、コイルドコイル構造を担体タンパク質などの担体に連結してコンジュゲートを形成することによって生成される。
Description
関連出願への相互参照
この出願は、2011年1月26日に出願された米国特許出願第61/436,582号に対する優先権を主張する。この出願の内容は、その全体が参考として本明細書に援用される。
この出願は、2011年1月26日に出願された米国特許出願第61/436,582号に対する優先権を主張する。この出願の内容は、その全体が参考として本明細書に援用される。
発明の技術分野
本願は、多種多様なウイルス性疾患に対して免疫応答を刺激するのに有効なコンジュゲートを生成するための技術に関する。
本願は、多種多様なウイルス性疾患に対して免疫応答を刺激するのに有効なコンジュゲートを生成するための技術に関する。
インフルエンザなどの感染性疾患は、毎年数億の人に感染する。世界的には、インフルエンザは、毎年、人口の最大5〜15%を罹患させ得、300万〜500万の症例が重度の疾病と推定され、250,000〜500,000の死亡が推定されている。(URL www.who.int/mediacentre/factsheets/2003/fs211/en/を参照)。これに加えて、他のウイルス病原体、例えば、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルス、パラインフルエンザウイルス、および呼吸器合胞体ウイルスなどが、毎年罹患率および死亡率を生み出している。
これらの疾患の制御は、病原体の突然変異、例えば、インフルエンザウイルスの一定の抗原ドリフトおよび周期的な抗原シフトなどによって複雑化している。疾患の伝播は、突然変異が先に循環しているインフルエンザウイルス株からの抗原変化を蓄積させ、その結果、変異ウイルスが、変異ウイルス株に対する防御抗体を有さない個体に遭遇する場合に増大する。免疫圧力による突然変異インフルエンザウイルスの迅速な選択は、毎年、新規インフルエンザワクチンの開発および生産を必要とする。
有効なワクチンストラテジーの必要性は、何人かの研究者によって言及されている。非特許文献1において、広く保護的な「ユニバーサルインフルエンザワクチン」の必要性についてコメントしている。非特許文献2および特許文献1において、ペプチドワクチンに対する一手法を記載している。Wrammerらは、「Broadly cross−reactive antibodies dominate the human B cell response against 2009 pandemic H1N1 influenza virus infection」、J. Experimental Medicine、2011年1月10日、印刷前の電子出版、PMID:21220454において、インフルエンザの複数の株と交差反応した中和抗体を記載している。
NabelおよびFauciは、Nature Medicine(2010年)16巻(12号):1389頁
Tripetらは、「Template−based coiled−coil antigens elicit neutralizing antibodies to the SARS−coronavirus」、Journal of Structural Biology(2006年)155巻:176〜194頁
本発明は、呼吸器系ウイルスなどの病原体に対する有効なワクチンの必要性に対処する。本発明は、1つのワクチンを用いて、急速に突然変異する病原体、1つの病原体の複数の抗原性の異なる株、または複数の病原体から保護する必要性にも対処する。
本発明は、2つのペプチドの鋳型化(templated)コンジュゲートを包含する。このコンジュゲートは、天然に存在するアルファヘリックスエピトープ(alpha helical epitope)の第1のアミノ酸配列を7アミノ酸反復(heptad repeat)に適合させて、第1の鋳型化エピトープを形成し、天然に存在するアルファヘリックスのエピトープの第2の配列を7アミノ酸反復に適合させて、第2の鋳型化エピトープを形成し、2つの鋳型化エピトープの複合体を形成してコイルドコイル構造を生成し、コイルドコイル構造を担体タンパク質などの担体に連結してコンジュゲートを形成することによって生成される。一実施形態では、2つの鋳型化エピトープは、異なる配列を有する。本発明は、免疫応答を生じさせる必要のある被験体などの被験体にコンジュゲートを投与することによって免疫応答を生じさせる方法も包含する。コンジュゲートは、被験体において防御免疫応答を生成するのに十分な量で被験体に投与される。一実施形態では、エピトープの少なくとも1つは、インフルエンザウイルスタンパク質に由来しない。
一実施形態では、コンジュゲートは、2つのポリペプチド、すなわち、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドであって、各ポリペプチドは、少なくとも1つの7アミノ酸反復を含み、2つのポリペプチドは、約90%未満または約90%以下の配列同一性を有する、ポリペプチドと、2つのポリペプチド間の共有結合性連結と、ポリペプチドの1つに共有結合的に連結された担体タンパク質などの担体とを含む。別の実施形態では、コンジュゲートは、2つのポリペプチド、すなわち、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドであって、各ポリペプチドは、少なくとも1つの7アミノ酸反復を含み、2つのポリペプチドは、約100%の配列同一性を有する、ポリペプチドと、2つのポリペプチド間の共有結合性連結と、ポリペプチドの1つに共有結合的に連結された担体タンパク質などの担体とを含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも2つの7アミノ酸反復を含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも3つの7アミノ酸反復を含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも4つの7アミノ酸反復を含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも5つの7アミノ酸反復を含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも6つの7アミノ酸反復を含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも7つの7アミノ酸反復を含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも8つの7アミノ酸反復を含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも9つの7アミノ酸反復を含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも10個の7アミノ酸反復を含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも11個の7アミノ酸反復を含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも12個の7アミノ酸反復を含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも13個の7アミノ酸反復を含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも14個の7アミノ酸反復を含む。実施形態のいずれにおいても、コンジュゲートは、少なくとも15個の7アミノ酸反復を含む。追加の実施形態では、1個の追加のイソロイシン残基が最後の7アミノ酸反復の直後に存在する。追加の実施形態では、1個の追加のシステイン残基が最後の7アミノ酸反復の直後に存在する。実施形態のいずれにおいても、エピトープの少なくとも1つは、インフルエンザウイルスタンパク質に由来しない。
一実施形態では、コンジュゲートの第1のポリペプチドは、形態:
[I−b1i−c1i−L−e1i−f1i−g1i]n、
を含むことができ、ここで[I−b1i−c1i−L−e1i−f1i−g1i]は、第1のポリペプチドの配列中にn回反復するパターンまたはセグメントである。各セグメントまたはパターンは、同じであっても、異なっていてもよく、すなわち、nセグメントまたはパターンのいずれか1つにおける「b」、「c」、「e」、「f」、および「g」中のアミノ酸は、他のnセグメントまたはパターンのいずれかにおける「b」、「c」、「e」、「f」、および「g」中のアミノ酸とは独立に選ばれる。各セグメント中の「I」は、イソロイシンであり、各セグメント中の「L」は、ロイシンである。数値nは、少なくとも3の整数である。いくつかの実施形態では、nは、3〜15(両端を含む)の整数であり、すなわち、nは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
[I−b1i−c1i−L−e1i−f1i−g1i]n、
を含むことができ、ここで[I−b1i−c1i−L−e1i−f1i−g1i]は、第1のポリペプチドの配列中にn回反復するパターンまたはセグメントである。各セグメントまたはパターンは、同じであっても、異なっていてもよく、すなわち、nセグメントまたはパターンのいずれか1つにおける「b」、「c」、「e」、「f」、および「g」中のアミノ酸は、他のnセグメントまたはパターンのいずれかにおける「b」、「c」、「e」、「f」、および「g」中のアミノ酸とは独立に選ばれる。各セグメント中の「I」は、イソロイシンであり、各セグメント中の「L」は、ロイシンである。数値nは、少なくとも3の整数である。いくつかの実施形態では、nは、3〜15(両端を含む)の整数であり、すなわち、nは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
数値iは、1〜nの整数であり、ここでiの値は、セグメントが現れるセグメントの位置によって決定される。配列中に最初に現れるN末端セグメントに、i=1の値が割り当てられる。数値iは、C−末端セグメントにi=nの値が割り当てられるまで、各追加のセグメントについて1ずつ増える。nセグメントのそれぞれにおける各b、c、e、f、およびgは、第1のポリペプチドのすべての他のセグメント中の、および第2のポリペプチドのすべてのセグメントの各b、c、e、f、およびgアミノ酸とは独立に選択することができる。一実施形態では、b、c、e、f、およびgアミノ酸は、免疫応答が望まれる病原体のクラス1ウイルス融合タンパク質のアルファヘリックス領域から選択される。追加の実施形態では、1個の追加のイソロイシン残基が最後のセグメントの直後に(すなわち、最後のセグメントのC末端に)存在する。
一実施形態では、コンジュゲートの第2のポリペプチドは、形態:
[I−b2i−c2i−L−e2i−f2i−g2i]n、
を含むことができ、ここで、[I−b2i−c2i−L−e2i−f2i−g2i]は、第2のポリペプチドの配列中でn回反復するセグメントである。各セグメント中の「I」は、イソロイシンであり、各セグメント中の「L」は、ロイシンである。数値nは、少なくとも3の整数であり、第1のポリペプチドについてのnと同じである。いくつかの実施形態では、nは、3〜15(両端を含む)の整数であり、すなわち、nは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15であり、第1のポリペプチドについてのnと同じである。数値iは、1〜nの整数であり、ここでiの値は、セグメントが現れるセグメントの位置によって決定され、その結果、配列中の最初に現れるN末端セグメントに、i=1の値が割り当てられ、iは、各追加のセグメントについて1ずつ増え、C末端セグメントにi=nの値が割り当てられる。nセグメントのそれぞれにおける各b、c、e、f、およびgは、第2のポリペプチドのすべての他のセグメント中の、および第1のポリペプチドのすべてのセグメントの各b、c、e、f、およびgアミノ酸とは独立に選択される。b、c、e、f、およびgアミノ酸は、免疫応答が望まれる病原体のクラス1ウイルス融合タンパク質のアルファヘリックス領域から選択される。一実施形態では、コンジュゲートの第2のポリペプチドは、コンジュゲートの第1のポリペプチドと同じ配列を有する。別の実施形態では、コンジュゲートの第2のポリペプチドは、コンジュゲートの第1のポリペプチドと異なる配列を有し、b、c、e、f、およびgアミノ酸は、第1のポリペプチドが選択されるタンパク質と異なるクラス1ウイルス融合タンパク質から選択され、または第1のポリペプチドが選択される領域と、同じクラス1ウイルス融合タンパク質の異なる部分から選択される。追加の実施形態では、1個の追加のイソロイシン残基は、最後のセグメントの直後に(すなわち、最後のセグメントのC末端に)存在する。一実施形態では、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドの長さは等しい。
[I−b2i−c2i−L−e2i−f2i−g2i]n、
を含むことができ、ここで、[I−b2i−c2i−L−e2i−f2i−g2i]は、第2のポリペプチドの配列中でn回反復するセグメントである。各セグメント中の「I」は、イソロイシンであり、各セグメント中の「L」は、ロイシンである。数値nは、少なくとも3の整数であり、第1のポリペプチドについてのnと同じである。いくつかの実施形態では、nは、3〜15(両端を含む)の整数であり、すなわち、nは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15であり、第1のポリペプチドについてのnと同じである。数値iは、1〜nの整数であり、ここでiの値は、セグメントが現れるセグメントの位置によって決定され、その結果、配列中の最初に現れるN末端セグメントに、i=1の値が割り当てられ、iは、各追加のセグメントについて1ずつ増え、C末端セグメントにi=nの値が割り当てられる。nセグメントのそれぞれにおける各b、c、e、f、およびgは、第2のポリペプチドのすべての他のセグメント中の、および第1のポリペプチドのすべてのセグメントの各b、c、e、f、およびgアミノ酸とは独立に選択される。b、c、e、f、およびgアミノ酸は、免疫応答が望まれる病原体のクラス1ウイルス融合タンパク質のアルファヘリックス領域から選択される。一実施形態では、コンジュゲートの第2のポリペプチドは、コンジュゲートの第1のポリペプチドと同じ配列を有する。別の実施形態では、コンジュゲートの第2のポリペプチドは、コンジュゲートの第1のポリペプチドと異なる配列を有し、b、c、e、f、およびgアミノ酸は、第1のポリペプチドが選択されるタンパク質と異なるクラス1ウイルス融合タンパク質から選択され、または第1のポリペプチドが選択される領域と、同じクラス1ウイルス融合タンパク質の異なる部分から選択される。追加の実施形態では、1個の追加のイソロイシン残基は、最後のセグメントの直後に(すなわち、最後のセグメントのC末端に)存在する。一実施形態では、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドの長さは等しい。
別の実施形態では、本発明は、形態:
コンジュゲートの一実施形態では、エピトープ1モディファイヤーおよびエピトープ2モディファイヤーがともに存在し、親水性アミノ酸、極性アミノ酸、および荷電アミノ酸から選択される。エピトープ1モディファイヤーおよびエピトープ2モディファイヤーは、鋳型化エピトープ1と鋳型化エピトープ2との間でジスルフィド結合を形成するのに使用するために、それぞれ1個のシステイン残基を含むことができる(そのとき、このようなジスルフィド結合は、エピトープ1モディファイヤーとエピトープ2モディファイヤーとの間にリンカーDを含む)。エピトープ1モディファイヤーおよびエピトープ2モディファイヤーは、同じであっても、異なっていてもよく、−Arg、−(Arg)2、−(Arg)3、−(Arg)4、−Lys、−(Lys)2、−(Lys)3、−(Lys)4、−Arg−アミド、−(Arg)2−アミド、−(Arg)3−アミド、−(Arg)4−アミド、−Lys−アミド、−(Lys)2−アミド、−(Lys)3−アミド、−(Lys)4−アミド、−Cys、−Cys−Arg、−Cys−(Arg)2、−Cys−(Arg)3、−Cys−(Arg)4、−Cys−Lys、−Cys−(Lys)2、−Cys−(Lys)3、−Cys−(Lys)4、−Cys−アミド、−Cys−Arg−アミド、−Cys−(Arg)2−アミド、−−Cys−(Arg)3−アミド、−−Cys−(Arg)4−アミド、−−Cys−Lys−アミド、−−Cys−(Lys)2−アミド、−−Cys−(Lys)3−アミド、および−−Cys−(Lys)4−アミドから選ぶことができる。
[リンカーA]が存在する場合、これは、ペプチド、遺伝的にコードされないアミノ酸、例えば、ノルロイシン、アルファ−アミノ−3−グアニジノプロピオン酸、もしくはベータ−アラニンなど、または遺伝的にコードされないアミノ酸を含むペプチドとすることができる。[リンカーB1]が存在する場合、これは、アミノ酸またはペプチド、例えば、−Gly−、−Gly−Gly−、−(Gly)3−、−(Gly)4−、−Arg−、−Arg−Arg−、−(Arg)3−、−(Arg)4−、−Gly−Arg−、−Gly−Gly−Arg−、−Gly−Gly−Arg−Arg−、−Arg−Gly−、−Arg−Arg−Gly−、または−−Arg−Arg−Gly−Gly−などとすることができる。[モディファイヤーB2]が存在する場合、これは、アミノ酸またはペプチド、例えば、Gly−、Gly−Gly−、(Gly)3−、(Gly)4−、Arg−、Arg−Arg−、(Arg)3−、(Arg)4−、Gly−Arg−、Gly−Gly−Arg−、Gly−Gly−Arg−Arg−、Arg−Gly−、Arg−Arg−Gly−、または−Arg−Arg−Gly−Gly−などとすることができる。[エピトープ1モディファイヤー]および[エピトープ2モディファイヤー]が存在する場合、[リンカーB1]に好適な部分は、−Gly−Gly−であり、好ましくは、[モディファイヤー(Modifer)B2]は存在しない。[エピトープ1モディファイヤー]および[エピトープ2モディファイヤー]が存在しない場合、[リンカーB1]に好適な部分は、−−Arg−Arg−Gly−Gly−であり、好ましくは、[モディファイヤーB2]は存在し、Arg−Arg−Gly−Gly−である。存在する場合、[モディファイヤーB2]は、そのN末端窒素上で任意選択によりアセチル化することができる(例えば、アセチル−Arg−Arg−Gly−Gly−)。
一実施形態では、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2を生成するのに使用されるエピトープは、以下のように選択される:
鋳型化エピトープ1は、一ウイルスの一株中の一エピトープの一配列に由来し、一方、鋳型化エピトープ2は、同じウイルスの同じ株中の異なるエピトープの一配列に由来し;
鋳型化エピトープ1は、一ウイルスの一株中の一エピトープの一配列に由来し、一方、鋳型化エピトープ2は、同じウイルスの異なる株中の同じエピトープの一配列に由来し;
鋳型化エピトープ1は、一ウイルスの一株中の一エピトープの一配列に由来し、一方、鋳型化エピトープ2は、同じウイルスの異なる株中の異なるエピトープの一配列に由来し、または
鋳型化エピトープ1は、第1のウイルス中の一エピトープの一配列に由来し、一方、鋳型化エピトープ2は、第2の異なるウイルス由来の一エピトープの一配列に由来する。
鋳型化エピトープ1は、一ウイルスの一株中の一エピトープの一配列に由来し、一方、鋳型化エピトープ2は、同じウイルスの同じ株中の異なるエピトープの一配列に由来し;
鋳型化エピトープ1は、一ウイルスの一株中の一エピトープの一配列に由来し、一方、鋳型化エピトープ2は、同じウイルスの異なる株中の同じエピトープの一配列に由来し;
鋳型化エピトープ1は、一ウイルスの一株中の一エピトープの一配列に由来し、一方、鋳型化エピトープ2は、同じウイルスの異なる株中の異なるエピトープの一配列に由来し、または
鋳型化エピトープ1は、第1のウイルス中の一エピトープの一配列に由来し、一方、鋳型化エピトープ2は、第2の異なるウイルス由来の一エピトープの一配列に由来する。
一実施形態では、コンジュゲート中に使用され、またはコンジュゲート中に使用するために修飾もしくは鋳型化されるエピトープは、クラス1ウイルス融合タンパク質を有する1つまたは複数のウイルス由来のクラス1ウイルス融合タンパク質のステム領域に由来する。一実施形態では、1つまたは複数のウイルスは、インフルエンザAウイルス株、SARSウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、パラインフルエンザウイルス5、パラインフルエンザウイルス4、またはパラインフルエンザウイルス3を含む群から選択される。一実施形態では、1つまたは複数のウイルスは、SARSウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、パラインフルエンザウイルス5、パラインフルエンザウイルス4、またはパラインフルエンザウイルス3を含む群から選択される。一実施形態では、クラス1ウイルス融合タンパク質は、インフルエンザPR8(インフルエンザA/PR/8/34(H1N1))HA2ドメイン、SARSコロナウイルスS2、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F、パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F、パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F、またはパラインフルエンザウイルス4 PIV 4A Fからなる群から選択することができる。別の実施形態では、クラス1ウイルス融合タンパク質は、SARSコロナウイルスS2、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F、パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F、パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F、またはパラインフルエンザウイルス4 PIV 4A Fからなる群から選択することができる。ウイルスタンパク質の7アミノ酸反復領域は、コンジュゲート中に使用するために修飾または鋳型化されるエピトープとして選択される。
鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2として本発明において使用するための鋳型化エピトープは、
鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2として本発明において使用するための鋳型化エピトープは、
別の実施形態では、鋳型化エピトープ1、鋳型化エピトープ2、または鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2の両方は、
インフルエンザPR8 HA2 3MP(381−409)鋳型化エピトープ3MP、
インフルエンザPR8 HA2 5P(420−448)鋳型化エピトープ5P;
インフルエンザPR8 HA2 6P(448−476)鋳型化エピトープ6P、
S2(1151−1179)鋳型化エピトープのSARSコロナウイルスHRCドメイン、
呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープ、
呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープ;
呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(492−520)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(144−172)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(151−179)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(460−488)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(130−158)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(144−172)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(453−481)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(131−159)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(145−173)鋳型化エピトープ;および
パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(447−475)鋳型化エピトープ
からなる群から選択することができ、この場合、選択される鋳型化エピトープは、遊離カルボキシ末端を有する(すなわち、この配列は、C末端アミドを欠く)。一実施形態では、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2は、同一でない。別の実施形態では、鋳型化エピトープ1または鋳型化エピトープ2の一方のみが、インフルエンザウイルスエピトープから選択され、他方の鋳型化エピトープは、異なるウイルスから選択される。別の実施形態では、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2は、同一である。
インフルエンザPR8 HA2 3MP(381−409)鋳型化エピトープ3MP、
インフルエンザPR8 HA2 5P(420−448)鋳型化エピトープ5P;
インフルエンザPR8 HA2 6P(448−476)鋳型化エピトープ6P、
S2(1151−1179)鋳型化エピトープのSARSコロナウイルスHRCドメイン、
呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープ、
呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープ;
呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(492−520)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(144−172)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(151−179)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(460−488)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(130−158)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(144−172)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(453−481)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(131−159)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(145−173)鋳型化エピトープ;および
パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(447−475)鋳型化エピトープ
からなる群から選択することができ、この場合、選択される鋳型化エピトープは、遊離カルボキシ末端を有する(すなわち、この配列は、C末端アミドを欠く)。一実施形態では、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2は、同一でない。別の実施形態では、鋳型化エピトープ1または鋳型化エピトープ2の一方のみが、インフルエンザウイルスエピトープから選択され、他方の鋳型化エピトープは、異なるウイルスから選択される。別の実施形態では、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2は、同一である。
別の実施形態では、鋳型化エピトープ1、鋳型化エピトープ2、または鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2の両方は、
S2(1151−1179)鋳型化エピトープのSARSコロナウイルスHRCドメイン;
呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープ、
呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープ;
呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(492−520)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(144−172)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(151−179)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(460−488)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(130−158)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(144−172)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(453−481)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(131−159)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(145−173)鋳型化エピトープ;および
パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(447−475)鋳型化エピトープ
からなる群から選択することができ、この場合、選択される鋳型化エピトープは、遊離カルボキシ末端を有する(すなわち、この配列は、C末端アミドを欠く)。一実施形態では、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2は、同一でない。上記に列挙した鋳型化エピトープの任意の別の実施形態では、2個のC末端アルギニン残基は存在しない。
S2(1151−1179)鋳型化エピトープのSARSコロナウイルスHRCドメイン;
呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープ、
呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープ;
呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(492−520)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(144−172)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(151−179)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(460−488)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(130−158)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(144−172)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(453−481)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(131−159)鋳型化エピトープ;
パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(145−173)鋳型化エピトープ;および
パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(447−475)鋳型化エピトープ
からなる群から選択することができ、この場合、選択される鋳型化エピトープは、遊離カルボキシ末端を有する(すなわち、この配列は、C末端アミドを欠く)。一実施形態では、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2は、同一でない。上記に列挙した鋳型化エピトープの任意の別の実施形態では、2個のC末端アルギニン残基は存在しない。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、インフルエンザPR8 HA2 3MP(381−409)鋳型化エピトープ3MPであり、鋳型化エピトープ2は、インフルエンザPR8 HA2 5P(420−448)鋳型化エピトープ5Pである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、インフルエンザPR8 HA2 3MP(381−409)鋳型化エピトープ3MPであり、鋳型化エピトープ2は、インフルエンザPR8 HA2 6P(448−476)鋳型化エピトープ6Pである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、インフルエンザPR8 HA2 5P(420−448)鋳型化エピトープ5Pであり、鋳型化エピトープ2は、インフルエンザPR8 HA2 6P(448−476)鋳型化エピトープ6Pである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、インフルエンザPR8 HA2 3MP(381−409)鋳型化エピトープ3MPであり、鋳型化エピトープ2は、S2(1151−1179)鋳型化エピトープのSARSコロナウイルスHRCドメインである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、インフルエンザPR8 HA2 5P(420−448)鋳型化エピトープ5Pであり、鋳型化エピトープ2は、S2(1151−1179)鋳型化エピトープのSARSコロナウイルスHRCドメインである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、インフルエンザPR8 HA2 6P(448−476)鋳型化エピトープ6Pであり、鋳型化エピトープ2は、S2(1151−1179)鋳型化エピトープのSARSコロナウイルスHRCドメインである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(492−520)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(492−520)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(144−172)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(151−179)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(144−172)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(460−488)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(151−179)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(460−488)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(144−172)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(144−172)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(151−179)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス3 PIV 3 F(151−179)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(130−158)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(144−172)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(130−158)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(453−481)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(144−172)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(453−481)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(130−158)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(130−158)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(144−172)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス5 PIV 5 F(144−172)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(131−159)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(145−173)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(131−159)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(447−475)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(145−173)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(447−475)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(131−159)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(131−159)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(145−173)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープである。
コンジュゲートの別の実施形態では、鋳型化エピトープ1は、パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(145−173)鋳型化エピトープであり、鋳型化エピトープ2は、呼吸器合胞体ウイルスRSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープである。
上記に列挙した鋳型化エピトープの任意の追加の実施形態では、2個のC末端アルギニン残基は存在しない。
本発明の別の実施形態では、コンジュゲートの担体部分は、タンパク質またはペプチドである。タンパク質は、キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、オボアルブミン、破傷風トキソイド、コレラサブユニットB、H.influenzaのタンパク質D、またはジフテリアトキソイドとすることができる。本発明の別の実施形態では、担体部分は、Ho P.C.ら、(1990年)、「Identification of two promiscuous T cell epitopes from tetanus toxin」、Eur. J. Immunol.20巻:477〜83頁に開示されたものなどの無差別T細胞ペプチドエピトープとすることができる。本発明の別の実施形態では、担体部分は、無差別ヒト麻疹T細胞ペプチドエピトープとすることができる。本発明の別の実施形態では、担体部分は、ペプチドKLLSLIKGVIVHRLEGVE(配列番号:)、またはKaumaya P.T.ら(2009年)、「Phase I active immunotherapy with combination of two chimeric, human epidermal growth factor receptor 2, B−cell epitopes fused to a promiscuous T−cell epitope in patients with metastatic and/or recurrent solid tumors」、J. Clin. Oncol.27巻:5270頁、もしくはSundaram R.ら、(2002年)、「Synthetic Peptides as Cancer Vaccines」、Biopolymers、66巻:200〜216頁に開示された任意の他の無差別T細胞ペプチドエピトープとすることができる。本発明の別の実施形態では、コンジュゲートの担体部分は、非タンパク質性部分である。非タンパク質性部分は、アルギン酸(アルギネート)などの多糖とすることができる。本発明の別の実施形態では、担体部分を省略することができる。
本発明の別の実施形態では、担体部分と、リンカーA(存在する場合)、リンカーB1(リンカーB1が存在し、リンカーAが存在しない場合)、または鋳型化エピトープ1(リンカーAおよびリンカーB1が存在しない場合)との間の連結は、化学的に確定されたものである。
コンジュゲートの一実施形態では、使用される鋳型化エピトープは、鋳型化インフルエンザエピトープを除外し、この場合、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2の両方は、同じ配列を有する。
コンジュゲートの一実施形態では、使用される鋳型化エピトープは、鋳型化インフルエンザエピトープを除外する。
本明細書に記載されるペプチド、エピトープ、および鋳型化エピトープの実施形態のいずれにおいても、「a」位または「d」位における残基の1個、2個、または3個は、示された残基から変更することができる。一実施形態では、1個の「a」残基が、イソロイシン以外のアミノ酸から選択される。一実施形態では、2個の「a」残基が、イソロイシン以外のアミノ酸から独立に選択される。一実施形態では、3個の「a」残基が、イソロイシン以外のアミノ酸から独立に選択される。一実施形態では、1個の「d」残基が、ロイシン以外のアミノ酸から選択される。一実施形態では、2個の「d」残基が、ロイシン以外のアミノ酸から独立に選択される。一実施形態では、3個の「d」残基が、ロイシン以外のアミノ酸から独立に選択される。一実施形態では、1個または2個の「a」残基が、イソロイシン以外のアミノ酸から独立に選択され、1個の「d」残基が、ロイシン以外のアミノ酸から独立に選択される。一実施形態では、1個の「a」残基が、イソロイシン以外のアミノ酸から独立に選択され、1個または2個の「d」残基が、ロイシン以外のアミノ酸から独立に選択される。
一実施形態では、本発明は、本発明のコンジュゲートを含む組成物、および被験体において使用するための指示書を含むキットを取り入れる。
一実施形態では、本発明は、抗体応答の誘導を必要とする個体において抗体応答を誘導する方法であって、それを必要とする個体に、個体において抗体応答を誘導するのに十分な量で、本明細書に開示されるコンジュゲートのいずれかを投与するステップを含む、方法を取り入れる。一実施形態では、抗体応答は、中和抗体の産生である。
一実施形態では、本発明は、被験体において免疫応答を生じさせるのに使用するための鋳型化コンジュゲートを含む。
「被験体」とは、脊椎動物、例えば、トリまたは哺乳動物など、好ましくはヒトを意味する。
「遺伝的にコードされない」アミノ酸は、遺伝子コードで使用される20のアミノ酸以外のアミノ酸である。これらの20の遺伝的にコードされるアミノ酸は、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、およびL−バリンである。本発明において有用な遺伝的にコードされないアミノ酸の例は、ノルロイシン、α−アミノ−3−グアニジノプロピオン酸、およびベータ−アラニンである。
本明細書において、「ワクチン」は、個体において免疫応答を誘導するのに使用される免疫原性配合物である。ワクチンは、免疫原性である1つを超える成分を有することができる。ワクチンは、予防目的および/または治療目的に使用され得る。ワクチンは、必ずしもウイルス感染を防止しなければならないわけではない。理論によって束縛されることなく、本発明のワクチンは、ウイルス感染がより少ない量(まったくないを含む)で起こり、またはウイルス感染の生物学的もしくは生理的影響が、ワクチンが本明細書に記載されるように投与される場合に回復される様式で、個体の免疫応答に影響し得る。
本明細書において、用語「エピトープ」は、免疫応答を誘発することができる領域を含有し、かつ/または抗体と特異的に結合することができる領域を含有する分子(または分子の会合)を指す。エピトープは、例えば、抗体に特異的に結合することが以前に公知でないタンパク質の部分から選択される場合がある。
「特異的結合」は、約10−6M以下、好ましくは約10−7M以下、より好ましくは約10−8M以下、さらにより好ましくは約10−9M以下、なおより好ましくは約10−10M以下の解離定数を伴い、または代わりに、少なくとも約106/M、好ましくは少なくとも約107/M、より好ましくは少なくとも約108/M、さらにより好ましくは少なくとも約109/M、なおより好ましくは少なくとも約1010/Mの親和定数を伴う結合を指す。
物質の「有効量」または「十分な量」は、臨床結果を含めた有利な結果などの所望の生物学的効果を引き起こすのに十分な量であり、したがって、「有効量」は、これが適用される状況に依存する。本発明との関連で、ワクチンの有効量の例は、個体において免疫応答(例えば、抗体産生)を誘導するのに十分な量である。有効量は、1つまたは複数の投与で投与することができる。
免疫応答の「刺激」または「誘導」は、体液性免疫応答および/または細胞性免疫応答の両方を含み得る。一態様では、これは、ワクチンがまったく与えられない場合の免疫応答と比較した場合に、応答の誘発および/または増強から生じ得る、応答の増大を指す。
本明細書において、かつ当技術分野でよく理解されているように、「治療」は、臨床結果を含めた、有利な結果または所望の結果を得るための手法である。本発明の目的に関して、有利な臨床結果または所望の臨床結果として、それだけに限らないが、1つまたは複数の症状の軽減または回復、感染症の程度の縮小、感染症の安定した(すなわち、悪化でない)状態、感染状態の回復または寛解、およびウイルス力価の減少(検出可能であっても検出不可能であっても)が挙げられる。「治療」は、治療を受けない場合に予期される生存時間と比較した場合の生存時間の延長も意味し得る。ウイルス感染症(インフルエンザ感染症など)の症状は、当業者に公知であり、これらとして、それだけに限らないが、発熱、咳嗽、鼻水、うっ血、筋肉痛、喘鳴、吐き気、および疲労を挙げることができる。
「防御免疫応答」は、有利な臨床結果または所望の臨床結果をもたらす任意の免疫応答を含むことができる。個体における生存率の改善は、防御免疫応答と考えることができる。
ある特定のワクチンの実施形態との関連で、「広く保護的な」は、異なるインフルエンザウイルスに対して、例えば、複数の血清学的に異なるインフルエンザウイルス株に対して保護効果を誘導する能力を指す。
「中和抗体」は、当技術分野で理解されており、ある特定の例については、ウイルス感染症を防止または阻害することができる、宿主動物由来の免疫グロブリンを指す。赤血球凝集素糖タンパク質構造を論じるときのある特定の実施形態について、「ステム領域」は、インフルエンザHAタンパク質のHA2ドメインに関係する。
本明細書において、アルキル基は、一価飽和炭化水素であり、これらは、直鎖状、分岐状、もしくは環状、またはこれらの組合せであることができる。アルキル基は、指定された数の炭素原子を有し、例えば、C1〜C12アルキル基は、1〜12個の間の炭素原子を有することができ、または数値が指定されていない場合、約1〜8個の炭素原子を有する。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロプロピル−メチル、メチル−シクロプロピル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、シクロヘプチル、オクチル、およびシクロオクチルである。アルキル基は、対応するアルカンから水素が除去され得るアルキル基上の任意の位置で、分子の残りに付着することができる。
本明細書において、ヘテロアルキル基は、基中の炭素原子の1つまたは複数がヘテロ原子によって置きかえられている、直鎖状、分岐状、もしくは環状、またはこれらの組合せであり得る一価飽和炭化水素である。ヘテロ原子には、酸素(−O−)、窒素(好ましくはC1〜C8アルキルで置換されており、例えば、−N(CH3)−)、および硫黄(−S−)が含まれる。ヘテロアルキル基は、指定された数の炭素原子を有し、例えば、C1〜C12ヘテロアルキル基は、1〜12個の間の炭素原子を有することができ、または数値が指定されていない場合、約1〜8個の炭素原子を有し、ヘテロ原子の数は制限されないが、好ましくは1〜3個のヘテロ原子である。ヘテロアルキル基の一例は、−O−CH2CH2−O−CH2CH2−O−である。
本明細書において、ヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐状、もしくは環状、またはこれらの組合せであり得るが、アリール系および芳香族系を除く、一価飽和または不飽和炭化水素である。ヒドロカルビル基は、指定された数の炭素原子を有し、例えば、C1〜C12ヒドロカルビル基は、1〜12個の間の炭素原子を有することができ、または数値が指定されていない場合、約1〜8個の炭素原子を有する。ヒドロカルビル基の例は、メチル、エチル、エテニル、アセチレニル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、1、3−ブタジエニル、シクロプロピル−メチル、メチル−シクロプロピル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、シクロヘプチル、オクチル、およびシクロオクチルである。ヒドロカルビル基は、ヒドロカルビル基の任意の化学的に実現可能な位置で、分子の残りに付着することができる。
本明細書において、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段の示唆のない限り、複数形の言及を含む。例えば、「an」エピトープは、1つまたは複数のエピトープを含む。
一般的な方法
本発明の実践では、別段の示唆のない限り、当技術分野のスキルの範囲内である、分子生物学(組換え技法を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、核酸化学、および免疫学の従来の技法が使用されることになる。このような技法は、文献、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、2版(Sambrookら、1989年)、およびMolecular Cloning: A Laboratory Manual、3版(SambrookおよびRussel、2001年)、(合同で、個々に「Sambrook」と本明細書で呼ぶ);Oligonucleotide Synthesis(M. J. Gait編、1984年);Animal Cell Culture(R.I. Freshney編、1987年);Handbook of Experimental Immunology(D.M. Weir & C.C. Blackwell編);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M. Miller & M.P. Calos編、1987年);Current Protocols in Molecular Biology(F.M. Ausubelら編、1987年、2001年に至るまでの補遺を含む);PCR: The Polymerase Chain Reaction、(Mullisら編、1994年);Current Protocols in Immunology(J.E. Coliganら編、1991年);The Immunoassay Handbook(D. Wild編、Stockton Press NY、1994年);Bioconjugate Techniques(Greg T. Hermanson編、Academic Press、1996年);Methods of Immunological Analysis(R. Masseyeff、W.H. Albert、およびN.A. Staines編、Weinheim: VCH Verlags gesellschaft mbH、1993年)、Antibodies, A Laboratory Manual、(HarlowおよびLane、Cold Spring Harbor Publications、New York、1988年);Using Antibodies: A Laboratory Manual(HarlowおよびLane、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1999年)、Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry(Beaucageら編、John Wiley & Sons, Inc.、New York、2000年);Protocols for Oligonucleotides and Analogs, Synthesis and Properties(Agrawal編、Humana Press Inc.、New Jersey、1993年)、Vaccines(PlotkinおよびOrenstein編、4版、2004年);ならびにVaccines(S. Plotkin、3版、1999年)などに十分に説明されている。
本発明の実践では、別段の示唆のない限り、当技術分野のスキルの範囲内である、分子生物学(組換え技法を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、核酸化学、および免疫学の従来の技法が使用されることになる。このような技法は、文献、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、2版(Sambrookら、1989年)、およびMolecular Cloning: A Laboratory Manual、3版(SambrookおよびRussel、2001年)、(合同で、個々に「Sambrook」と本明細書で呼ぶ);Oligonucleotide Synthesis(M. J. Gait編、1984年);Animal Cell Culture(R.I. Freshney編、1987年);Handbook of Experimental Immunology(D.M. Weir & C.C. Blackwell編);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M. Miller & M.P. Calos編、1987年);Current Protocols in Molecular Biology(F.M. Ausubelら編、1987年、2001年に至るまでの補遺を含む);PCR: The Polymerase Chain Reaction、(Mullisら編、1994年);Current Protocols in Immunology(J.E. Coliganら編、1991年);The Immunoassay Handbook(D. Wild編、Stockton Press NY、1994年);Bioconjugate Techniques(Greg T. Hermanson編、Academic Press、1996年);Methods of Immunological Analysis(R. Masseyeff、W.H. Albert、およびN.A. Staines編、Weinheim: VCH Verlags gesellschaft mbH、1993年)、Antibodies, A Laboratory Manual、(HarlowおよびLane、Cold Spring Harbor Publications、New York、1988年);Using Antibodies: A Laboratory Manual(HarlowおよびLane、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1999年)、Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry(Beaucageら編、John Wiley & Sons, Inc.、New York、2000年);Protocols for Oligonucleotides and Analogs, Synthesis and Properties(Agrawal編、Humana Press Inc.、New Jersey、1993年)、Vaccines(PlotkinおよびOrenstein編、4版、2004年);ならびにVaccines(S. Plotkin、3版、1999年)などに十分に説明されている。
鋳型化コンジュゲートの概要
一実施形態では、本発明は、図1に示したものなどの鋳型化コンジュゲートを取り入れる。このコンジュゲートは、第1のポリペプチド(鋳型化エピトープ1)、第2のポリペプチド(鋳型化エピトープ2)、任意選択のリンカーAおよび任意選択のリンカーB1、担体、任意選択のリンカーC(図1A)、任意選択のリンカーD(図1B)、ならびに任意選択のエピトープ1修飾体および任意選択のエピトープ2修飾体を含む。これらの要素のそれぞれを、以下により詳細に論じる。
一実施形態では、本発明は、図1に示したものなどの鋳型化コンジュゲートを取り入れる。このコンジュゲートは、第1のポリペプチド(鋳型化エピトープ1)、第2のポリペプチド(鋳型化エピトープ2)、任意選択のリンカーAおよび任意選択のリンカーB1、担体、任意選択のリンカーC(図1A)、任意選択のリンカーD(図1B)、ならびに任意選択のエピトープ1修飾体および任意選択のエピトープ2修飾体を含む。これらの要素のそれぞれを、以下により詳細に論じる。
担体
担体をコンジュゲートとともに使用することができる。担体の使用は任意選択である。ヒトまたは他の哺乳動物において使用するのに適した任意の担体を使用することができる。一態様では、コンジュゲートに使用される担体は一般に、タンパク質、例えば、キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、オボアルブミン、破傷風トキソイド、コレラサブユニットB、H.influenzaのタンパク質D、もしくはジフテリアトキソイドなど、または多糖アルギン酸(アルギネート)などの非タンパク質性部分である。別の態様では、コンジュゲートに使用される担体は、ペプチド、例えば、ペプチドKLLSLIKGVIVHRLEGVE(配列番号:)などの無差別ヒト麻疹T細胞ペプチドエピトープなどの無差別T細胞ペプチドエピトープなどである。担体は、ペプチドエピトープの免疫原性を増強することができる。一態様では、使用される担体は、ヒトにおいて使用するために食品医薬品局(FDA)によって認可されている担体である。
担体をコンジュゲートとともに使用することができる。担体の使用は任意選択である。ヒトまたは他の哺乳動物において使用するのに適した任意の担体を使用することができる。一態様では、コンジュゲートに使用される担体は一般に、タンパク質、例えば、キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、オボアルブミン、破傷風トキソイド、コレラサブユニットB、H.influenzaのタンパク質D、もしくはジフテリアトキソイドなど、または多糖アルギン酸(アルギネート)などの非タンパク質性部分である。別の態様では、コンジュゲートに使用される担体は、ペプチド、例えば、ペプチドKLLSLIKGVIVHRLEGVE(配列番号:)などの無差別ヒト麻疹T細胞ペプチドエピトープなどの無差別T細胞ペプチドエピトープなどである。担体は、ペプチドエピトープの免疫原性を増強することができる。一態様では、使用される担体は、ヒトにおいて使用するために食品医薬品局(FDA)によって認可されている担体である。
任意選択のリンカーA、任意選択のリンカーB1
リンカーAおよびリンカーB1は、鋳型化エピトープ1と称されるエピトープに付けられる任意選択の成分である。これらは、鋳型化エピトープ1、および鋳型化エピトープ1に付随した鋳型化エピトープ2を担体タンパク質に連結する機能を果たす。これらは、追加の機能性をもたらすことができ、例えば、これらは、ペプチドエピトープの所望のコイルドコイル構造が担体タンパク質によって変えられないように、エピトープ複合体が担体タンパク質から十分な距離で保持されることを保証するスペーサーとして作用することができる。遺伝的にコードされないアミノ酸、例えば、ノルロイシンもしくはアルファ−アミノ−3−グアニジノプロピオン酸など、または遺伝的にコードされるアミノ酸から妨害されることなく容易にアッセイすることができる別の部分を含めると、所与の配合物中のコンジュゲートの濃度をアッセイする好都合な方法がもたらされる。
リンカーAおよびリンカーB1は、鋳型化エピトープ1と称されるエピトープに付けられる任意選択の成分である。これらは、鋳型化エピトープ1、および鋳型化エピトープ1に付随した鋳型化エピトープ2を担体タンパク質に連結する機能を果たす。これらは、追加の機能性をもたらすことができ、例えば、これらは、ペプチドエピトープの所望のコイルドコイル構造が担体タンパク質によって変えられないように、エピトープ複合体が担体タンパク質から十分な距離で保持されることを保証するスペーサーとして作用することができる。遺伝的にコードされないアミノ酸、例えば、ノルロイシンもしくはアルファ−アミノ−3−グアニジノプロピオン酸など、または遺伝的にコードされるアミノ酸から妨害されることなく容易にアッセイすることができる別の部分を含めると、所与の配合物中のコンジュゲートの濃度をアッセイする好都合な方法がもたらされる。
一実施形態では、任意選択のリンカーAは、−CH2−C(=O)−であり、任意選択のリンカーB1は、−ノルロイシン−グリシン−グリシン−(−Nle−Gly−Gly−)であり、この場合、リンカーAのメチレン基は、担体に共有結合的に付着しており、リンカーAのカルボニル基は、リンカーB1のノルロイシン残基のアミノ基に共有結合的に付着しており、リンカーB1のC末端グリシンは、鋳型化エピトープ1のN末端アミノ基に共有結合的に付着している。鋳型化エピトープ1が固相ペプチド合成によって調製される場合、リンカーB1は、鋳型化エピトープ1のN末端においてNle−Gly−Glyを含むように合成を拡張することによって、鋳型化エピトープ1上に容易に組み込むことができる。
リンカーAがCH2−C(=O)−である場合、これは、ヨード酢酸無水物を使用して、ヨードアセチル基、I−CH2−C(=O)−を、リンカーB1が存在する場合、リンカーB1に、またはリンカーB1が存在しない場合、鋳型化エピトープ1のN末端に付着することによって、容易に組み込むことができる。これは、I−CH2−C(=O)−Nle−Gly−Gly−[鋳型化エピトープ1]を生じ、または鋳型化エピトープ2が、リンカーAを組み込む前に鋳型化エピトープ1に付随している場合、これは、I−CH2−C(=O)−Nle−Gly−Gly−[鋳型化エピトープ1]−[鋳型化エピトープ2]を生じる。次いで、ヨードアセチル化された複合体は、遊離チオール基を含むシステイン残基などの求核部分を含有する担体タンパク質と反応させることができ、[担体タンパク質]−CH2−C(=O)−Nle−Gly−Gly−[鋳型化エピトープ1]−[鋳型化エピトープ2]をもたらす。
使用することができる他の連結には、リンカーAとして、nが1〜12の整数である−OOC−(CH2)n−COO−、リンカーB1として、−Nle−Gly−Gly−が含まれる。PGacidがt−ブチルまたはベンジルなどのカルボン酸保護基である化合物PGacid−OOC−(CH2)n−COOHを、−Nle−Gly−Gly−[鋳型化エピトープ1]−[鋳型化エピトープ2]にカップリングさせて、PGacid−OOC−(CH2)n−COO−Nle−Gly−Gly−−[鋳型化エピトープ1]−[鋳型化エピトープ2]を形成することができる。次いで保護基を除去し、HOOC−(CH2)n−COO−Nle−Gly−Gly−−[鋳型化エピトープ1]−[鋳型化エピトープ2]を生じさせることができ、これは、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド(EDC)などの縮合試薬を使用して、担体タンパク質上のアミノ基に連結することができる。nの例示的な値は、n=4(アジピン酸リンカー)、またはn=3(グルタル酸リンカー)である。
リンカーAとして使用することができるさらに別のリンカーは、形態:
リンカーAとして使用することができる別のリンカーは、ベンゾイル安息香酸、(C6H5)−C(=O)−(C6H4)−COO−、または
担体からエピトープ複合体への連結は、「化学的に明確」であることが好ましい。すなわち、リンカーA(リンカーB1が存在しない場合)、リンカーB1(リンカーAが存在しない場合)、リンカーA−リンカーB1(両方が存在する場合)、または担体からエピトープ複合体への直接的な連結(リンカーAおよびリンカーB1が存在しない場合)は、担体上の1つまたは複数の特定の官能基に対するものである。この点において、ヨード酢酸部分、ジカルボン酸部分、およびマレイミド−カルボン酸部分は、担体分子上の1つまたは複数の特定の官能基(function group)において、担体分子と「化学的に明確な」反応をもたらし、一方、BB部分は、様々な官能基中に組み込むことができ、「化学的に明確」でない。
任意選択のエピトープ1モディファイヤー、任意選択のエピトープ2モディファイヤー
鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2は、任意選択により修飾されて、追加の所望の特性を組み込むことができる。例えば、荷電残基、例えば、アルギニンもしくはリシンなど、または親水性残基、例えば、ヒスチジン、アスパラギン、もしくはセリンなどを、エピトープのC末端に付加することができ、これにより、複合体の溶解度が増大する。一実施形態では、1個、2個、3個、または4個のアルギニン残基が鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2の両方のC末端に付加されて、複合体の溶解度が増強される。
鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2は、任意選択により修飾されて、追加の所望の特性を組み込むことができる。例えば、荷電残基、例えば、アルギニンもしくはリシンなど、または親水性残基、例えば、ヒスチジン、アスパラギン、もしくはセリンなどを、エピトープのC末端に付加することができ、これにより、複合体の溶解度が増大する。一実施形態では、1個、2個、3個、または4個のアルギニン残基が鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2の両方のC末端に付加されて、複合体の溶解度が増強される。
コイルドコイルペプチドおよび7アミノ酸反復
コイルドコイルアルファヘリックスモチーフは、7アミノ酸反復:
(abcdefg)
によって特徴付けられることが多く、ここで文字は、配列中の位置を指定するのに使用される(すなわち、「a」は、アラニン、またはD−アラニンを称するのに使用されるのではなく、配列中の第1の位置を指定するのに使用され、「b」は、アスパラギン酸/アスパラギン対またはD−Asxを称するのに使用されるのではなく、配列中の第2の位置を指定するのに使用されるなどである)。7アミノ酸反復中の中断、すなわち、「スタッター(stutter)」(3個のアミノ酸の欠失)または「スタマー(stammer)」(4個のアミノ酸の欠失)が分類されており、他の反復配列(1つの7アミノ酸反復とその後のスタッターを有する7アミノ酸反復に等価な「11アミノ酸反復(hendecad repeat)」など)も特徴付けることができる。
コイルドコイルアルファヘリックスモチーフは、7アミノ酸反復:
(abcdefg)
によって特徴付けられることが多く、ここで文字は、配列中の位置を指定するのに使用される(すなわち、「a」は、アラニン、またはD−アラニンを称するのに使用されるのではなく、配列中の第1の位置を指定するのに使用され、「b」は、アスパラギン酸/アスパラギン対またはD−Asxを称するのに使用されるのではなく、配列中の第2の位置を指定するのに使用されるなどである)。7アミノ酸反復中の中断、すなわち、「スタッター(stutter)」(3個のアミノ酸の欠失)または「スタマー(stammer)」(4個のアミノ酸の欠失)が分類されており、他の反復配列(1つの7アミノ酸反復とその後のスタッターを有する7アミノ酸反復に等価な「11アミノ酸反復(hendecad repeat)」など)も特徴付けることができる。
7アミノ酸反復(abcdefg)は、コンセンサスパターン:
(HPPHCPC)
内で見出されることが多く、ここで、Hは、疎水性残基であり、Pは、極性残基であり、Cは、荷電残基である。「a」位および「d」位の残基は、疎水性である傾向があり、「b」位、「c」位、および「f」位の残基は、極性(親水性)である傾向があり、「e」位および「g」位の残基は、帯電している傾向がある。しかし、極性残基および荷電残基のこのパターンは絶対的ではなく、以下の鋳型化配列の考察において、「b」、「c」、「e」、「f」、および「g」は、HPPHCPCコンセンサスパターンに準拠する必要はないことが分かる。
(HPPHCPC)
内で見出されることが多く、ここで、Hは、疎水性残基であり、Pは、極性残基であり、Cは、荷電残基である。「a」位および「d」位の残基は、疎水性である傾向があり、「b」位、「c」位、および「f」位の残基は、極性(親水性)である傾向があり、「e」位および「g」位の残基は、帯電している傾向がある。しかし、極性残基および荷電残基のこのパターンは絶対的ではなく、以下の鋳型化配列の考察において、「b」、「c」、「e」、「f」、および「g」は、HPPHCPCコンセンサスパターンに準拠する必要はないことが分かる。
図2から分かるように、コイルドコイル構造の7アミノ酸反復は、ヘリックスの1つの側が疎水性であり、1つの側が親水性である両親媒性ヘリックス構造を形成する。ヘリックスは、各ヘリックス上の「a」位および「d」位(これらの位置は、図2の左側のヘリックス上でaおよびd、図2の右側のヘリックスにおいてa’およびd’と指定されている)が互いに相互作用し、溶媒との相互作用から相対的に遮蔽されるように配置されている。疎水性残基は、他の疎水性残基との熱力学的に好都合な相互作用を有し、一方、荷電残基および親水性残基は、溶媒に曝露されている。このことは、コイルドコイル構造の安定化に寄与する。
7アミノ酸反復は、相互作用しているアルファヘリックスのオリゴマー化状態を決定する単純な配列モチーフである。イソロイシンが「a」位にあり、ロイシンが「d」位にある7アミノ酸反復は、二量体のアルファヘリックスコイルドコイルを形成する傾向がある。29アミノ酸の7アミノ酸反復コンセンサス配列の例は:
このコンセンサス配列では、4つの完全な7アミノ酸反復(28アミノ酸残基の長さ)、およびさらに第5の7アミノ酸反復の第1の残基(「a」位)の、合計で29アミノ酸残基が存在する。
7アミノ酸反復鋳型配列
上述した29残基の7アミノ酸反復配列などの7アミノ酸反復配列は、天然に存在するペプチド配列の鋳型として使用することができる。天然に存在するペプチド配列は、「a」位におけるイソロイシン残基および「d」位におけるロイシン残基を残して、鋳型中の「X」位を補うのに使用することができる。
上述した29残基の7アミノ酸反復配列などの7アミノ酸反復配列は、天然に存在するペプチド配列の鋳型として使用することができる。天然に存在するペプチド配列は、「a」位におけるイソロイシン残基および「d」位におけるロイシン残基を残して、鋳型中の「X」位を補うのに使用することができる。
例えば、呼吸器合胞体ウイルス配列RSV A2 F(157−185)(図6を参照)VLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGV(配列番号:)は、「a」位および「d」位の下線を引いた残基によって示されるように、7アミノ酸反復パターンを含有する。この天然に存在する配列を鋳型配列中に「移入する」ために、RSV A2 F(157−185)配列中の下線を引いた残基は、それぞれ、「a」位および「d」位においてイソロイシン残基およびロイシン残基と置きかえられる。このプロセスは、「天然に存在する配列を鋳型化する」と本明細書で呼ばれ、得られる修飾された配列は、「鋳型化配列」、「鋳型化エピトープ配列」、または「鋳型化エピトープ」と呼ばれる。このプロセスにより、鋳型化エピトープ配列ILHLEGEINKLKSAILSLNKAIVSLSNGI(配列番号:)が生じる。次いで、この鋳型化エピトープ配列は、およそ等しい長さの別の7アミノ酸反復配列との会合に有利となり、アルファヘリックスのコイルドコイル立体配置で両方の配列を安定化させる。図6B中の鋳型化コンジュゲートと同様に、2つの同一の配列を使用することができ、または図7Bに表した鋳型化コンジュゲートと同様に、2つの異なる配列を使用することができる。安定性をより大きくするための鎖間ジスルフィド結合を形成するのに、最後の残基をシステインと置きかえること、および溶解度を増強するためにC末端に2個のアルギニン残基を付加することなど、図6Bおよび図7B中の鋳型化配列に追加の修飾を行うことができることに留意されたい。一方の配列(表した鋳型化コンジュゲート中の「下」の配列)は、さらなる修飾からN末端アミノ基を保護するためにアセチル化されている。他方の配列(表した鋳型化コンジュゲート中の「上」の配列)は、3個の追加のN末端アミノ酸、ノルロイシン−グリシン−グリシン−で延長されている。次いで、ノルロイシン残基が、例えば、ヨード酢酸無水物と反応させられて、N末端ヨードアセチル基がもたらされる。次いでこのペプチド複合体は、担体タンパク質に付着される。これらの修飾を、以下にさらに詳細に論じる。
天然に存在する配列の「a」位の残基は、鋳型配列のイソロイシン残基で置きかえられ、天然に存在する配列の「d」位の残基は、鋳型配列のロイシン残基で置きかえられる。図2から分かるように、7アミノ酸反復の「a」位および「d」位は、コイルドコイル構造の内側上にあり、一方、「b」位、「c」位、「e」位、「f」位、および「g」位は、構造の外側の溶媒に曝露される部分上にある。これらの外側の位置は、構造の内側に埋められた疎水性残基より、免疫系によって認識される可能性がはるかに高い。したがって、「b」位、「c」位、「e」位、「f」位、および「g」位に天然配列を使用すると、天然に存在するタンパク質中に存在するエピトープと非常に同様の鋳型化配列中のエピトープがもたらされる。
したがって、2つのポリペプチドを組み込んでいる鋳型化コンジュゲートについて、第1のポリペプチドは、形態[I−b1i−c1i−L−e1i−f1i−g1i]nを含み、式中、nは、反復単位の数を示し、nは、3〜20の間(両端を含む)、3〜15の間(両端を含む)、3〜10の間(両端を含む)の整数とすることができ、または3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20とすることができる。[I−b1i−c1i−L−e1i−f1i−g1i]セグメントは、第1のポリペプチドの配列中でn回反復する。各セグメント中のIは、イソロイシンであり、各セグメント中のLは、ロイシンである。セグメントにおいて、iは、1〜nの整数であり、ここでiの値は、セグメントが現れるセグメントの位置によって決定され、その結果、配列中の最初に現れるN末端セグメントに、i=1の値が割り当てられ、iは、各追加のセグメントについて1ずつ増え、C末端セグメントにi=nの値が割り当てられる。したがって、n=3を有するペプチドは、配列[I−b11−c11−L−e11−f11−g11]−[I−b12−c12−L−e12−f12−g12]−[I−b13−c13−L−e13−f13−g13]を有する。nセグメントのそれぞれにおける各b、c、e、f、およびgは、第1のポリペプチドのすべての他のセグメント中の、および第2のポリペプチドのすべてのセグメントの各b、c、e、f、およびgアミノ酸とは独立に選択される。
同様に、第2のポリペプチドは、形態[I−b2i−c2i−L−e2i−f2i−g2i]nを含み、式中、nは、反復単位の数を示し、nは、3〜20の間(両端を含む)、3〜15の間(両端を含む)、3〜10の間(両端を含む)の整数とすることができ、または3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20とすることができ、第2のポリペプチドのnの値は、第1のポリペプチドのnの値に等しい。第2のポリペプチド中で、セグメント[I−b2i−c2i−L−e2i−f2i−g2i]は、n回反復する。各セグメント中のIは、イソロイシンであり、各セグメント中のLは、ロイシンである。第1のポリペプチドのセグメントと同様に、iは、1〜nの整数であり、ここでiの値は、セグメントが現れるセグメントの位置によって決定され、その結果、配列中の最初に現れるN末端セグメントに、i=1の値が割り当てられ、iは、各追加のセグメントについて1ずつ増え、C末端セグメントにi=nの値が割り当てられる。第1のポリペプチドについてn=3である場合、第2のポリペプチドについてn=3であり、第2のポリペプチドは、配列[I−b21−c21−L−e21−f21−g21]−[I−b22−c22−L−e22−f22−g22]−[I−b23−c23−L−e23−f23−g23]を有する。nセグメントのそれぞれにおける各b、c、e、f、およびgは、第2のポリペプチドのすべての他のセグメント中の、および第1のポリペプチドのすべてのセグメントの各b、c、e、f、およびgアミノ酸とは独立に選択される。1つの連続したポリペプチドのすべてのセグメントについてのb位、c位、e位、f位、およびg位は、病原体中の天然に存在するアルファヘリックス配列から選択され、すなわち、第1の鋳型化エピトープの配列[I−b1i−c1i−L−e1i−f1i−g1i]nは、病原体由来の第1の天然に存在する配列に由来し、第2の鋳型化エピトープの配列[I−b2i−c2i−L−e2i−f2i−g2i]nは、病原体由来の第2の天然に存在する配列に由来することに留意されるべきである。第1の天然に存在する配列および第2の天然に存在する配列は、同じ配列であることができ(ホモ二本鎖コンジュゲートを形成するために)、または異なる配列であることができる(ヘテロ二本鎖コンジュゲートを形成するために)。
ヘテロ二本鎖コンジュゲートについては、第1のポリペプチドのセグメントに使用するためのb、c、e、f、およびgアミノ酸は、第1のエピトープから選択され、第2のポリペプチドのセグメントに使用するためのb、c、e、f、およびgアミノ酸は、第1のポリペプチドのエピトープと異なるエピトープから選択される。一実施形態では、第1および第2のポリペプチドは、互いに異なる。別の実施形態では、第1および第2のポリペプチドは、「a」位および「d」位が比較に含まれる場合、約70%未満の配列相同性を有する。別の実施形態では、第1および第2のポリペプチドは、「a」位および「d」位が比較から除外される場合、約90%未満の配列同一性を有する。別の実施形態では、第1および第2のポリペプチドは、「a」位および「d」位が比較から除外される場合、約80%未満の配列同一性を有する。別の実施形態では、第1および第2のポリペプチドは、「a」位および「d」位が比較から除外される場合、約70%未満の配列同一性を有する。別の実施形態では、第1および第2のポリペプチドは、「a」位および「d」位が比較から除外される場合、約60%未満の配列同一性を有する。
鋳型化コンジュゲート中のコイルドコイルペプチドエピトープの整列
好適な実施形態では、複数のペプチドがコンジュゲート中に使用される場合、これらは、整合して整列される。例えば、2つのペプチドが使用される場合、これらの7アミノ酸反復は、以下のように整列される:
(abcdefg)
(abcdefg) 。
好適な実施形態では、複数のペプチドがコンジュゲート中に使用される場合、これらは、整合して整列される。例えば、2つのペプチドが使用される場合、これらの7アミノ酸反復は、以下のように整列される:
(abcdefg)
(abcdefg) 。
すなわち、一方のペプチド上の「a」残基は、整列されて、他方の鎖上の「a」残基と相互作用する。複数の7アミノ酸反復が存在する場合、すべての七つ組は、整合して整列され、例えば、2つのペプチドについて、各ペプチドが4つの7アミノ酸反復を有する場合、ペプチドは、以下のように整列される:
(abcdefgabcdefgabcdefgabcdefg)
(abcdefgabcdefgabcdefgabcdefg) 。
(abcdefgabcdefgabcdefgabcdefg)
(abcdefgabcdefgabcdefgabcdefg) 。
この整列により、コイルドコイル構造中の両方のヘリックスが安定化する。7アミノ酸反復abcdefgが2つのペプチドの整列を示すのに使用されているが、この2つのペプチドは、同一のアミノ酸配列を有する必要はないことに留意されたい。すなわち、表した2つのペプチドは、同じ配列を有していてもよく、または異なる配列を有していてもよいが、両方の場合において、一方のペプチドの7アミノ酸反復は、他方のペプチドの7アミノ酸反復と整合して整列される。
ペプチドのいずれか、または両方は、鎖内架橋によって、これらのアルファヘリックス形態で安定化させることもできる。(例えば、Hencheya, LK、Jochima, AL、Aroraa, PS、「Contemporary strategies for the stabilization of peptides in the α−helical conformation」、Current Opinion in Chemical Biology、2008年、12巻(6号):692〜697頁を参照)。このような鎖内安定化の例には、アルファヘリックス内の残基(i)と(i+4)の間の1つまたは複数のラクタム架橋(Houston ME Jr、Gannon CL、Kay CM、Hodges RS、「Lactam bridge stabilization of alpha−helical peptides: ring size, orientation and positional effects」、J. Pept. Sci.、1995年、1巻(4号):274〜82頁)、および「ステープルペプチド(stapled peptide)」オレフィンメタセシス法(Schafmeister, CE、Po, J、Verdine, G、「An All−Hydrocarbon Cross−Linking System for Enhancing the Helicity and Metabolic Stability of Peptides」、J. Am. Chem. Soc.、2000年、122巻、5891〜2頁;Blackwell, HE、Grubbs, RH、「Highly Efficient Synthesis of Covalently Cross−Linked Peptide Helices by Ring−Closing Metathesis」、Angew. Chem. Int. Ed.、1998年、37巻、3281〜3284頁)が含まれる。
任意選択のリンカーCおよび任意選択のリンカーD:共有結合性連結による二本鎖コイルドコイル構造の立体構造的安定化
二本鎖コイルドコイル中の等しい長さ、またはほぼ等しい長さの2つのペプチドが整列すると、両ヘリックスが安定化する。追加の安定性は、鎖間連結を介して2つのペプチドを一緒に共有結合的に連結することによってもたらすことができる。これは、例えば、2つのペプチド中の同一の位置にシステイン残基を置き、2つのペプチドの間にジスルフィド結合を形成することによって、アミンを持つ側鎖(例えば、リシン側鎖)と、カルボン酸を持つ側鎖(例えば、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸側鎖)との間にラクタム架橋を形成することによって、オレフィンメタセシスによって、ペプチドのカルボキシ末端を一緒に連結することによって(例えば、ペプチド合成の開始点としてジアミン化合物の2個のアミノ基を使用して)、または他の方法によって、いくつかの当技術分野で公知の方法を介して達成することができる。鋳型化エピトープ1と鋳型化エピトープ2との間のこのような共有結合性連結は、図1Aに示す任意選択のリンカーCを形成する。図1Aにおいて、任意選択のリンカーCは、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2のC末端付近に位置しているように表されている。しかし、任意選択のリンカーCは、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2の配列中のどこにでも組み込むことができ、例えば、システイン残基を鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2の両方のN末端に付加して、N末端でジスルフィド架橋を形成することができる。任意選択のリンカーCは、エピトープ1モディファイヤーとエピトープ2モディファイヤーとの間に位置することもできる。
二本鎖コイルドコイル中の等しい長さ、またはほぼ等しい長さの2つのペプチドが整列すると、両ヘリックスが安定化する。追加の安定性は、鎖間連結を介して2つのペプチドを一緒に共有結合的に連結することによってもたらすことができる。これは、例えば、2つのペプチド中の同一の位置にシステイン残基を置き、2つのペプチドの間にジスルフィド結合を形成することによって、アミンを持つ側鎖(例えば、リシン側鎖)と、カルボン酸を持つ側鎖(例えば、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸側鎖)との間にラクタム架橋を形成することによって、オレフィンメタセシスによって、ペプチドのカルボキシ末端を一緒に連結することによって(例えば、ペプチド合成の開始点としてジアミン化合物の2個のアミノ基を使用して)、または他の方法によって、いくつかの当技術分野で公知の方法を介して達成することができる。鋳型化エピトープ1と鋳型化エピトープ2との間のこのような共有結合性連結は、図1Aに示す任意選択のリンカーCを形成する。図1Aにおいて、任意選択のリンカーCは、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2のC末端付近に位置しているように表されている。しかし、任意選択のリンカーCは、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2の配列中のどこにでも組み込むことができ、例えば、システイン残基を鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2の両方のN末端に付加して、N末端でジスルフィド架橋を形成することができる。任意選択のリンカーCは、エピトープ1モディファイヤーとエピトープ2モディファイヤーとの間に位置することもできる。
ペプチド同士間のジスルフィド架橋の形成の例は、合成実施例1に記載されている。
鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2のC末端における連結の形成の例は、合成実施例2に記載されている。2,3,−ジアミノプロピオン酸がこの実施例において使用される。固相または溶液相ペプチド合成に適合性の任意のジアミノ化合物、例えば、形態R1(−NH2)−R2−R3(−NH2)の化合物を使用することができることが理解されるべきであり、式中、R1およびR3は独立に、C1〜C8ヒドロカルビル(好ましくはC1〜C8アルキル)、C1〜C8ヘテロアルキル、またはHOOC−C1〜C8ヒドロカルビル(好ましくはHOOC−C1〜C8アルキル)とすることができ、R2は、C1〜C8ヒドロカルビレン(好ましくはC1〜C8アルキレン)、C1〜C8ヘテロアルキレン、または非実在とすることができる。このような化合物の例は、HOOC−(CH2)x−CH(NH2)−(CH2)y−CH(NH2)−(CH2)z−Hであり、式中、x、y、およびzは、互いに独立に、0〜6の間(両端を含む)の整数である(すなわち、R1は、HOOC−CH(NH2)−であり、R2は、C0〜C6アルキレンであり、R3は、−CH(NH2)−(C0〜C6アルキル)である)。(2,3,−ジアミノプロピオン酸については、R1は、HOOC−CH(NH2)−であり、R2は、実在せず、R3は、−CH2(NH2)である)。このような化合物は、2つの窒素基上で直交性に保護することができ(例えば、第1の窒素上に9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基、および第2の窒素上にアリルオキシカルボニル(alloxycarbonyl)(Alloc)、4−メチルトリチル(Mtt)、または1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)−3−メチルブチル(ivDde)基)、その結果、第2の窒素が保護されたままで、1つのエピトープの合成を第1の窒素上で実施することができ、第1のエピトープの合成が完了した後、第2の窒素を脱保護することができ、第2のエピトープを合成することができる。
任意選択のエピトープモディファイヤー領域1、および任意選択のエピトープモディファイヤー領域2が存在する場合、図1Bに示すように、任意選択のリンカーDも、これらの間に置くことができる。
さらに別の実施形態では(表さず)、任意選択のリンカーCおよび任意選択のリンカーDの両方が存在し得る。
鋳型化コンジュゲートの詳細
図1に示されている例である鋳型化コンジュゲートに戻ると、この鋳型は、天然に存在する病原体に由来する多種多様なエピトープの宿主として働くことができることが分かる。2つの所与の抗原1および2について、抗原1が鋳型化エピトープ1として使用され、抗原2が鋳型化エピトープ2として使用される場合、ペプチドの「鋳型化」、または2つのペプチドからの鋳型化コンジュゲートの生成は、1)第1の抗原中の7アミノ酸反復領域を同定するステップと、2)少なくとも1つの7アミノ酸反復を含む第1の抗原の一領域を選択するステップと、3)選択された第1の抗原性7アミノ酸反復領域を適合させて、7アミノ酸反復コンセンサス配列[I−b−c−L−e−f−g]nにするステップであって、式中、Iはイソロイシンであり、Lはロイシンであり、「b」位、「c」位、「e」位、「f」位、および「g」位は、第1の抗原の選択された領域の配列、第1の抗原の7アミノ酸反復中のそれぞれの位置に由来し、nは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20である、ステップと、4)鋳型化コンジュゲートの鋳型化エピトープ1の配列として、第1の抗原性7アミノ酸反復領域の適合された配列を使用するステップと、5)第2の抗原中の7アミノ酸反復領域を同定するステップと、6)少なくとも1つの7アミノ酸反復を含む第2の抗原の一領域を選択するステップと、7)選択された第2の抗原性7アミノ酸反復領域を適合させて、7アミノ酸反復コンセンサス配列[I−b−c−L−e−f−g]nにするステップであって、式中、Iはイソロイシンであり、Lはロイシンであり、「b」位、「c」位、「e」位、「f」位、および「g」位は、第2の抗原の選択された領域の配列、第2の抗原の7アミノ酸反復中のそれぞれの位置に由来し、nは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20であり、第1の抗原から適合された第1の7アミノ酸反復コンセンサス配列中のnの値と同じである、ステップと、8)鋳型化コンジュゲートの鋳型化エピトープ2の配列として、第2の抗原性7アミノ酸反復領域の適合された配列を使用するステップであって、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2の7アミノ酸反復は、整列され、その結果、鋳型化エピトープ1の「a」位は、鋳型化エピトープ2の「a」位と整列し、鋳型化エピトープ1の「b」位は、鋳型化エピトープ2の「b」位と整列し、鋳型化エピトープ1の「c」位は、鋳型化エピトープ2の「c」位と整列し、鋳型化エピトープ1の「d」位は、鋳型化エピトープ2の「d」位と整列し、鋳型化エピトープ1の「e」位は、鋳型化エピトープ2の「e」位と整列し、鋳型化エピトープ1の「f」位は、鋳型化エピトープ2の「f」位と整列し、鋳型化エピトープ1の「g」位は、鋳型化エピトープ2の「g」位と整列する、ステップとからなる。
図1に示されている例である鋳型化コンジュゲートに戻ると、この鋳型は、天然に存在する病原体に由来する多種多様なエピトープの宿主として働くことができることが分かる。2つの所与の抗原1および2について、抗原1が鋳型化エピトープ1として使用され、抗原2が鋳型化エピトープ2として使用される場合、ペプチドの「鋳型化」、または2つのペプチドからの鋳型化コンジュゲートの生成は、1)第1の抗原中の7アミノ酸反復領域を同定するステップと、2)少なくとも1つの7アミノ酸反復を含む第1の抗原の一領域を選択するステップと、3)選択された第1の抗原性7アミノ酸反復領域を適合させて、7アミノ酸反復コンセンサス配列[I−b−c−L−e−f−g]nにするステップであって、式中、Iはイソロイシンであり、Lはロイシンであり、「b」位、「c」位、「e」位、「f」位、および「g」位は、第1の抗原の選択された領域の配列、第1の抗原の7アミノ酸反復中のそれぞれの位置に由来し、nは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20である、ステップと、4)鋳型化コンジュゲートの鋳型化エピトープ1の配列として、第1の抗原性7アミノ酸反復領域の適合された配列を使用するステップと、5)第2の抗原中の7アミノ酸反復領域を同定するステップと、6)少なくとも1つの7アミノ酸反復を含む第2の抗原の一領域を選択するステップと、7)選択された第2の抗原性7アミノ酸反復領域を適合させて、7アミノ酸反復コンセンサス配列[I−b−c−L−e−f−g]nにするステップであって、式中、Iはイソロイシンであり、Lはロイシンであり、「b」位、「c」位、「e」位、「f」位、および「g」位は、第2の抗原の選択された領域の配列、第2の抗原の7アミノ酸反復中のそれぞれの位置に由来し、nは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20であり、第1の抗原から適合された第1の7アミノ酸反復コンセンサス配列中のnの値と同じである、ステップと、8)鋳型化コンジュゲートの鋳型化エピトープ2の配列として、第2の抗原性7アミノ酸反復領域の適合された配列を使用するステップであって、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2の7アミノ酸反復は、整列され、その結果、鋳型化エピトープ1の「a」位は、鋳型化エピトープ2の「a」位と整列し、鋳型化エピトープ1の「b」位は、鋳型化エピトープ2の「b」位と整列し、鋳型化エピトープ1の「c」位は、鋳型化エピトープ2の「c」位と整列し、鋳型化エピトープ1の「d」位は、鋳型化エピトープ2の「d」位と整列し、鋳型化エピトープ1の「e」位は、鋳型化エピトープ2の「e」位と整列し、鋳型化エピトープ1の「f」位は、鋳型化エピトープ2の「f」位と整列し、鋳型化エピトープ1の「g」位は、鋳型化エピトープ2の「g」位と整列する、ステップとからなる。
上記手順によって鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2として使用される配列を決定した後、次いで、鋳型化コンジュゲートが以下のステップによって合成され、これは、化学的に実現可能である任意の順序で実施することができる:鋳型化エピトープ1を合成するステップ(必要に応じて適切なエピトープ1モディファイヤーとともに)、鋳型化エピトープ2を合成するステップ(必要に応じて適切なエピトープ2モディファイヤーとともに)、必要に応じてペプチドエピトープを共有結合的に連結するステップ(このステップは、化学的に実現可能である場合、合成の任意の時点で実施することができる)、任意選択のリンカーB1(存在する場合)および任意選択のリンカーA(存在する場合)を、鋳型化エピトープ1に付加するステップ(このステップは、化学的に実現可能である場合、鋳型化エピトープ1の合成が完了する前、同時、または後に実施することができる)、コンジュゲートのエピトープ含有断片に担体タンパク質を付着させて、完成した鋳型化コンジュゲートを生成するステップ。
コンジュゲートの設計
2つの異なるペプチド免疫原を含有するヘテロ二本鎖コンジュゲートは、ウイルスおよび他の病原体に対して使用される以下の有効なストラテジーを可能にする。これらのストラテジーは、細胞の感染に関してクラス1ウイルス融合タンパク質に依存するエンベロープウイルスに対して使用するために、一実施形態において説明される。
2つの異なるペプチド免疫原を含有するヘテロ二本鎖コンジュゲートは、ウイルスおよび他の病原体に対して使用される以下の有効なストラテジーを可能にする。これらのストラテジーは、細胞の感染に関してクラス1ウイルス融合タンパク質に依存するエンベロープウイルスに対して使用するために、一実施形態において説明される。
同じクラス1ウイルス融合タンパク質のステムにおける2つの異なるアルファヘリックス領域に対する抗体を誘発するためのヘテロ二本鎖コンジュゲートの使用。単一のウイルス株由来の融合タンパク質のステム上の2つの異なるエピトープを標的化すると、免疫された人におけるモノクローナル抗体耐性ウイルスの選択の可能性が著しく減少する。これは、B細胞の複数の集団からの抗体産生を刺激することによって、ウイルスに対する相乗的保護の潜在性ももたらす。
このストラテジーの一例は、鋳型化ペプチド5Pの1本の鎖と鋳型化ペプチド6Pの1本の鎖とからなる二本鎖ペプチド(H1ペプチド5,6)を合成することによる、インフルエンザAウイルス、汎発性H1N1株PR8の赤血球凝集素(HA)糖タンパク質のステム領域を標的にするコンジュゲートである。図3Bの、エピトープ5P/6Pを使用する鋳型化コンジュゲートを参照。このヘテロ(HAペプチド5,6)二本鎖コンジュゲートは、株PR8由来のH1のステムにおけるアルファヘリックスエピトープ5Pおよび6Pの両方に対する抗体を誘発し、インフルエンザウイルスH1N1に対する相乗的保護の潜在性を与える。さらに、選択されたペプチドは、他のインフルエンザAウイルス株のH1タンパク質中、および群1におけるH2およびH5などの関連HAタンパク質中で高度に保存されているので、このコンジュゲートは、ワクチンとして使用される場合、群1内の異なるHAタイプを有するインフルエンザウイルスの複数の株に対する広い交差保護をもたらす潜在性を有する。
同じウイルスの2つの異なる株のウイルス融合糖タンパク質のステムにおける同じアルファヘリックス領域に対する抗体を誘発するためのヘテロ二本鎖コンジュゲートの使用。同じウイルスの異なる株の同じタンパク質領域由来のエピトープを標的化すると、ウイルスの多くの、ほとんどの、またはすべての株に対して保護的な、広く有効な「ユニバーサル」ワクチンを開発する潜在性が確保される。例えば、インフルエンザ株H1N1およびH2N1のHA糖タンパク質のステム領域における同じエピトープを、インフルエンザH2の鋳型化ペプチド5Pの1本の鎖に連結したインフルエンザH1の鋳型化ペプチド5Pの1本の鎖からなるヘテロ二本鎖コンジュゲート(ペプチド5P:H1,H2)を作製することによって標的化することができる。16の公知の血清学的に異なるインフルエンザHAタンパク質は、2つの株発生的クラスター、すなわち、H1、H2、およびH5などを含む群1、およびH3、H7などを含む群2を形成する。群1のHAタンパク質のステム領域内の選択されたアミノ酸配列は、群2のHAタンパク質の対応する配列と著しく異なる。インフルエンザH1およびH2(ともに群1から)上の同じエピトープ(ペプチド5Pなど)のヘテロ二本鎖コンジュゲートは、H1およびH2ウイルスのそれぞれのホモ二本鎖コンジュゲートを用いて単独で免疫される被験体と比較して、H1およびH2の両方を含有するウイルスでのチャレンジからの保護効果を増強する潜在性を有する。このヘテロ二本鎖「ペプチド5P:H1,H2」コンジュゲートは、単一のHAタイプのエピトープに対するホモ二本鎖コンジュゲートを用いた免疫化より、群1におけるHAタンパク質を有するインフルエンザ株に対するより広い保護効果をもたらすことが予期される。
より遠縁のウイルスのステム内の同じアルファヘリックスエピトープを標的にするヘテロ二本鎖鋳型化コンジュゲートも調製することができる。例えば、鋳型化コンジュゲートを、インフルエンザH1(群1から)のペプチド3MPから、およびインフルエンザH5(群2から)のペプチド3MPから調製することができる。これは、「ペプチド3MP:H1,H5」と呼ばれることになる。この免疫原は、H1およびH5タンパク質の両方の選択されたステム領域に対する抗体を誘発し、インフルエンザウイルスのH1およびH5株の両方/H1またはH5株でのチャレンジに対して、かつ潜在的に群1および2の両方における他のインフルエンザAウイルスに対して被験体を保護することが予期される。このようなヘテロ二本鎖免疫原は、念願の広く保護的なユニバーサルインフルエンザワクチンとしての潜在的な効果を伴って、多くの異なるインフルエンザ株に対して、はるかにより広い保護効果をもたらすことが予期される。
2つの無関係のウイルスのタンパク質中の非相同アルファヘリックス領域に対する抗体を誘発するためのヘテロ二本鎖コンジュゲートの使用。このストラテジーは、単一の免疫原を用いて、いくつかの異なる一般的な呼吸器系ウイルスに対して有効に免疫化することができる。このようなワクチンは、例えば、ウイルス感染にクラス1ウイルス融合タンパク質を使用する無関係の呼吸器系ウイルスに対して有用であるはずである。いくつかの無関係の呼吸器系ウイルスを有効に標的にする単独ワクチンを作製することのメリットは大きい。呼吸器感染症は、ヒトにおいて最も一般的な感染症である。多くの異なる呼吸器系ウイルスが同様の症候群を引き起こすことができ、これらのウイルスのほとんどは、ヒトに非常に効率的に伝染する。配列が、完全に無関係のタンパク質のアルファヘリックスドメインに由来するヘテロ二本鎖コンジュゲートを合成することができるので、2つの無関係の呼吸器系ウイルスのステムドメイン内の重要なアルファヘリックス領域を同時に標的にすることができる免疫原を作製することができる。このようなヘテロ二本鎖コンジュゲートの合成の困難さは、ホモ二本鎖コンジュゲートの合成と同程度である。
このようなワクチンの一例は、パラインフルエンザウイルス3(PIV3)および呼吸器合胞体ウイルス(RSV)のF糖タンパク質のステム領域内の非相同エピトープを標的にするワクチンである。このワクチンは、RSV Fタンパク質の鋳型化ペプチドBの1本の鎖に連結したPIV3 Fタンパク質の鋳型化ペプチドAの1本の鎖からなるヘテロ二本鎖コンジュゲート(PIV3ペプチドA、RSVペプチドB)を合成することによって構築することができる。PIV3およびRSVは、鋳型化ヘテロ二本鎖コンジュゲートが、被験体において2つの無関係の呼吸器系ウイルスから保護する潜在性を示すのに使用されることになる。PIV3およびRSVは、生後1年未満の乳児において重要な呼吸器病原体であり、一般に、すべての年齢の人に感染および再感染する。これらのウイルスのいずれに対する能動免疫化も、現在、まったく認可されておらず、有効なワクチンは、大きな価値のあるものとなるはずである。インフルエンザB、インフルエンザC、メタニューモウイルス、コロナウイルスHKU1、229E、OC43、およびNL63、ならびにパラインフルエンザウイルス1、2、4、および5を含めた、クラス1ウイルス融合タンパク質を有する多くの他の呼吸器病原体を、このようにして標的にすることができる。これらの鋳型化コンジュゲートの例を、図10Bおよび図13Bに示す。
コンジュゲート立体配置
2つのペプチド(これらは、同じ鋳型化エピトープであっても、異なる鋳型化エピトープであってもよい)が、本発明のコンジュゲート中に存在する場合、コンジュゲートは、以下のように分類することができる:
1つのウイルスからの1つのエピトープを含む(したがって、ホモ二本鎖の)タイプIコンジュゲート;
1つのウイルスからの2つのエピトープを含む(したがって、ヘテロ二本鎖の)タイプIIコンジュゲート;
2つのウイルスからの2つのエピトープを含む(したがって、ヘテロ二本鎖の)タイプIIIコンジュゲート。
2つのペプチド(これらは、同じ鋳型化エピトープであっても、異なる鋳型化エピトープであってもよい)が、本発明のコンジュゲート中に存在する場合、コンジュゲートは、以下のように分類することができる:
1つのウイルスからの1つのエピトープを含む(したがって、ホモ二本鎖の)タイプIコンジュゲート;
1つのウイルスからの2つのエピトープを含む(したがって、ヘテロ二本鎖の)タイプIIコンジュゲート;
2つのウイルスからの2つのエピトープを含む(したがって、ヘテロ二本鎖の)タイプIIIコンジュゲート。
インフルエンザ鋳型化コンジュゲート
インフルエンザ鋳型化コンジュゲートを、1つのウイルスからのインフルエンザA糖タンパク質赤血球凝集素(HA)由来の2つの異なるエピトープを含むように設計した(すなわち、タイプIIコンジュゲート)。エピトープは、とりわけ、29残基配列のPR8 HA2 3MP(381−409)(3MPと呼ばれる)、PR8 HA2 5P(420−448)(5Pと呼ばれる)、およびPR8 HA2 6P(448−476)(6Pと呼ばれる)から選択することができる(図3Aを参照)。インフルエンザウイルス鋳型化エピトープには、PR8 HA2 3MP(381−409)鋳型化エピトープ3MP:IKSLQNAINGLTNKINTLIEKINILFTACRR−アミド(配列番号:);PR8 HA2 5P(420−448)鋳型化エピトープ5P:IENLNKKIDDLFLDIWTLNAEILVLLENCRR−アミド(配列番号:);およびPR8 HA2 6P(448−476)鋳型化エピトープ6P:IRTLDFHISNLKNLIEKLKSQIKNLAKECRR−アミド(配列番号:)が含まれる。3つからなるセットから2つを選択すると、ヘテロ二本鎖鋳型化コンジュゲートに使用するための3つの異なる組合せ、すなわち、3MP/5P、3MP/6P、および5P/6Pがもたらされる(図3Bを参照)。
インフルエンザ鋳型化コンジュゲートを、1つのウイルスからのインフルエンザA糖タンパク質赤血球凝集素(HA)由来の2つの異なるエピトープを含むように設計した(すなわち、タイプIIコンジュゲート)。エピトープは、とりわけ、29残基配列のPR8 HA2 3MP(381−409)(3MPと呼ばれる)、PR8 HA2 5P(420−448)(5Pと呼ばれる)、およびPR8 HA2 6P(448−476)(6Pと呼ばれる)から選択することができる(図3Aを参照)。インフルエンザウイルス鋳型化エピトープには、PR8 HA2 3MP(381−409)鋳型化エピトープ3MP:IKSLQNAINGLTNKINTLIEKINILFTACRR−アミド(配列番号:);PR8 HA2 5P(420−448)鋳型化エピトープ5P:IENLNKKIDDLFLDIWTLNAEILVLLENCRR−アミド(配列番号:);およびPR8 HA2 6P(448−476)鋳型化エピトープ6P:IRTLDFHISNLKNLIEKLKSQIKNLAKECRR−アミド(配列番号:)が含まれる。3つからなるセットから2つを選択すると、ヘテロ二本鎖鋳型化コンジュゲートに使用するための3つの異なる組合せ、すなわち、3MP/5P、3MP/6P、および5P/6Pがもたらされる(図3Bを参照)。
SARS鋳型化コンジュゲート
重症急性呼吸器症候群(SARS)ホモ二本鎖鋳型化ペプチドコンジュゲートを、SARS−コロナウイルスのスパイク糖タンパク質由来の単一のエピトープを含むように設計した(タイプIコンジュゲート)。図4A(エピトープ)および図4B(鋳型化コンジュゲート)を参照。これは、SARS HRC(1151−1179)鋳型化エピトープHRC1:ISGLNASIVNLQKEIDRLNEVIKNLNESCRR−アミド(配列番号:)を使用する。
重症急性呼吸器症候群(SARS)ホモ二本鎖鋳型化ペプチドコンジュゲートを、SARS−コロナウイルスのスパイク糖タンパク質由来の単一のエピトープを含むように設計した(タイプIコンジュゲート)。図4A(エピトープ)および図4B(鋳型化コンジュゲート)を参照。これは、SARS HRC(1151−1179)鋳型化エピトープHRC1:ISGLNASIVNLQKEIDRLNEVIKNLNESCRR−アミド(配列番号:)を使用する。
SARS/インフルエンザ鋳型化コンジュゲート
複合SARS/インフルエンザ鋳型化コンジュゲートを設計した。これは、2つの異なるウイルスからの2つの異なるエピトープを含み、タイプIIIコンジュゲートである。一方のエピトープは、インフルエンザA糖タンパク質赤血球凝集素に由来し、鋳型化エピトープPR8 HA2 3MP(381−409)、鋳型化エピトープPR8 HA2 5P(420−448)、および鋳型化エピトープPR8 HA2 6P(448−476)、またはそれぞれ、3MP、5P、および6Pに適合した29残基インフルエンザ配列から選択される(「インフルエンザ鋳型化コンジュゲート」の下での上記を参照)。他方のエピトープ、SARS HRC(1151−1179)鋳型化エピトープHRC1は、SARS−コロナウイルスのスパイク糖タンパク質に由来する。図5Aは、特定の天然に存在するエピトープを示し、一方、図5Bは、鋳型化エピトープを使用する鋳型化コンジュゲートを示す。
複合SARS/インフルエンザ鋳型化コンジュゲートを設計した。これは、2つの異なるウイルスからの2つの異なるエピトープを含み、タイプIIIコンジュゲートである。一方のエピトープは、インフルエンザA糖タンパク質赤血球凝集素に由来し、鋳型化エピトープPR8 HA2 3MP(381−409)、鋳型化エピトープPR8 HA2 5P(420−448)、および鋳型化エピトープPR8 HA2 6P(448−476)、またはそれぞれ、3MP、5P、および6Pに適合した29残基インフルエンザ配列から選択される(「インフルエンザ鋳型化コンジュゲート」の下での上記を参照)。他方のエピトープ、SARS HRC(1151−1179)鋳型化エピトープHRC1は、SARS−コロナウイルスのスパイク糖タンパク質に由来する。図5Aは、特定の天然に存在するエピトープを示し、一方、図5Bは、鋳型化エピトープを使用する鋳型化コンジュゲートを示す。
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)鋳型化コンジュゲート
タイプIコンジュゲートを、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)Fタンパク質由来の単一のエピトープを使用して設計した。選択した天然に存在するエピトープは、RSV A2 F(157−185)(図6A中のエピトープ1)、RSV A2 F(171−199)(図6A中のエピトープ2)、およびRSV A2 F(492−520)(図6A中のエピトープ3)である。使用した鋳型化エピトープ配列は、RSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープ1:ILHLEGEINKLKSAILSLNKAIVSLSNGCRR−アミド(配列番号:)、RSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープ2:ILSLNKAIVSLSNGISVLTSKILDLKNYCRR−アミド(配列番号:)、RSV A2 F(492−520)鋳型化エピトープ3:ISQLNEKINQLLAFIRKLDELIHNLNAGCRR−アミド(配列番号:)である。対応するタイプI鋳型化コンジュゲートを図6Bに示す。
タイプIコンジュゲートを、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)Fタンパク質由来の単一のエピトープを使用して設計した。選択した天然に存在するエピトープは、RSV A2 F(157−185)(図6A中のエピトープ1)、RSV A2 F(171−199)(図6A中のエピトープ2)、およびRSV A2 F(492−520)(図6A中のエピトープ3)である。使用した鋳型化エピトープ配列は、RSV A2 F(157−185)鋳型化エピトープ1:ILHLEGEINKLKSAILSLNKAIVSLSNGCRR−アミド(配列番号:)、RSV A2 F(171−199)鋳型化エピトープ2:ILSLNKAIVSLSNGISVLTSKILDLKNYCRR−アミド(配列番号:)、RSV A2 F(492−520)鋳型化エピトープ3:ISQLNEKINQLLAFIRKLDELIHNLNAGCRR−アミド(配列番号:)である。対応するタイプI鋳型化コンジュゲートを図6Bに示す。
タイプIIコンジュゲートも、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)Fタンパク質由来の2つの異なるエピトープを使用して設計した。エピトープを図7Aに示す。可能な組合せは、鋳型化エピトープ1/2、鋳型化エピトープ1/3、および鋳型化エピトープ2/3であり、これらのヘテロ二本鎖鋳型化ペプチドコンジュゲートを図7Bに示す。
パラインフルエンザウイルス3鋳型化コンジュゲート
タイプIコンジュゲートを、図8Bに示したPIV3 F(144−172)鋳型化エピトープ1:IEKLKEAIRDLNKAIQSLQSSIGNLIVACRR−アミド(配列番号:)、PIV3 F(151−179)鋳型化エピトープ2:IRDLNKAIQSLQSSIGNLIVAIKSLQDYCRR−アミド(配列番号:)、またはPIV3 F(460−488)鋳型化エピトープ3:INKLKSDIEELKEWIRRLNQKIDSLGNWCRR−アミド(配列番号:)のうちの2つのコピーを使用して、パラインフルエンザウイルス(PIV)Fタンパク質(AAB48688.1)由来の単一のエピトープを使用して設計した(図8Aを参照)。
タイプIコンジュゲートを、図8Bに示したPIV3 F(144−172)鋳型化エピトープ1:IEKLKEAIRDLNKAIQSLQSSIGNLIVACRR−アミド(配列番号:)、PIV3 F(151−179)鋳型化エピトープ2:IRDLNKAIQSLQSSIGNLIVAIKSLQDYCRR−アミド(配列番号:)、またはPIV3 F(460−488)鋳型化エピトープ3:INKLKSDIEELKEWIRRLNQKIDSLGNWCRR−アミド(配列番号:)のうちの2つのコピーを使用して、パラインフルエンザウイルス(PIV)Fタンパク質(AAB48688.1)由来の単一のエピトープを使用して設計した(図8Aを参照)。
タイプIIコンジュゲートを、図9Bに示した(鋳型化エピトープ1)/(鋳型化エピトープ2)、(鋳型化エピトープ1)/(鋳型化エピトープ3)、または(鋳型化エピトープ2)/(鋳型化エピトープ3)を使用して、パラインフルエンザウイルス(PIV)Fタンパク質(AAB48688.1)由来の2つの異なるエピトープを使用して設計した(図9Aを参照)。
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)/パラインフルエンザウイルス3鋳型化コンジュゲート
RSV由来の鋳型化エピトープをPIV3由来の鋳型化エピトープと組み合わせるタイプIIIコンジュゲートを設計した。天然に存在するエピトープPIV3 F(144−172)、PIV3 F(151−179)、RSV A2 F(157−185)、およびRSV A2 F(171−199)を、図10Aに示す。鋳型化コンジュゲート[(鋳型化エピトープPIV3 F(144−172)/鋳型化エピトープRSV A2 F(157−185)]、[鋳型化エピトープPIV3 F(144−172)/鋳型化エピトープRSV A2 F(171−199)]、[鋳型化エピトープPIV3 F(151−179)/鋳型化エピトープRSV A2 F(171−199)]、および[鋳型化エピトープPIV3 F(151−179)/鋳型化エピトープRSV A2 F(157−185)]を、図10Bに示す。
RSV由来の鋳型化エピトープをPIV3由来の鋳型化エピトープと組み合わせるタイプIIIコンジュゲートを設計した。天然に存在するエピトープPIV3 F(144−172)、PIV3 F(151−179)、RSV A2 F(157−185)、およびRSV A2 F(171−199)を、図10Aに示す。鋳型化コンジュゲート[(鋳型化エピトープPIV3 F(144−172)/鋳型化エピトープRSV A2 F(157−185)]、[鋳型化エピトープPIV3 F(144−172)/鋳型化エピトープRSV A2 F(171−199)]、[鋳型化エピトープPIV3 F(151−179)/鋳型化エピトープRSV A2 F(171−199)]、および[鋳型化エピトープPIV3 F(151−179)/鋳型化エピトープRSV A2 F(157−185)]を、図10Bに示す。
パラインフルエンザウイルス5鋳型化コンジュゲート
タイプIホモ二本鎖鋳型化ペプチドコンジュゲートを、パラインフルエンザウイルス(PIV)Fタンパク質(YP_138515)由来の単一のエピトープを使用して設計した。天然に存在するエピトープPIV5 F(130−158)、PIV5 F(144−172)、およびPIV5 F(453−481)について図11Aを、PIV5 F(130−158)鋳型化エピトープ:INELAAAILNLKNAIQKLNAAIADLVQACRR−アミド(配列番号:)、PIV5 F(144−172)鋳型化エピトープ:IQKLNAAIADLVQAIQSLGTAIQALQDHCRR−アミド(配列番号:)、およびPIV5 F(453−481)鋳型化エピトープ:IAALNKSISDLLQHIAQLDTYISALTSACRR−アミド(配列番号:)を使用する鋳型化コンジュゲートについて図11Bを参照。
タイプIホモ二本鎖鋳型化ペプチドコンジュゲートを、パラインフルエンザウイルス(PIV)Fタンパク質(YP_138515)由来の単一のエピトープを使用して設計した。天然に存在するエピトープPIV5 F(130−158)、PIV5 F(144−172)、およびPIV5 F(453−481)について図11Aを、PIV5 F(130−158)鋳型化エピトープ:INELAAAILNLKNAIQKLNAAIADLVQACRR−アミド(配列番号:)、PIV5 F(144−172)鋳型化エピトープ:IQKLNAAIADLVQAIQSLGTAIQALQDHCRR−アミド(配列番号:)、およびPIV5 F(453−481)鋳型化エピトープ:IAALNKSISDLLQHIAQLDTYISALTSACRR−アミド(配列番号:)を使用する鋳型化コンジュゲートについて図11Bを参照。
タイプIIコンジュゲートを、パラインフルエンザウイルス(PIV)Fタンパク質由来の2つの異なるエピトープを使用して設計した。エピトープを図12Aに示し、ヘテロ二本鎖鋳型化ペプチドコンジュゲートを図12Bに示す。
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)/パラインフルエンザウイルス5鋳型化コンジュゲート
RSV由来のエピトープをPIV5由来のエピトープと組み合わせるタイプIIIコンジュゲートを設計した。パラインフルエンザエピトープは、PIV5 F(130−158)およびPIV5 F(144−172)であり、RSVエピトープは、RSV A2 F(157−185)およびRSV A2 F(171−199)である(図13Aを参照)。ヘテロ二本鎖鋳型化ペプチドコンジュゲート(図13Bを参照)は、鋳型化エピトープPIV5 F(130−158)/鋳型化エピトープRSV A2 F(157−185)、鋳型化エピトープPIV5 F(130−158)/鋳型化エピトープRSV A2 F(171−199)、鋳型化エピトープPIV5 F(144−172)/鋳型化エピトープRSV A2 F(171−199)、および鋳型化エピトープPIV5 F(144−172)/鋳型化エピトープRSV A2 F(157−185)を組み合わせる。
RSV由来のエピトープをPIV5由来のエピトープと組み合わせるタイプIIIコンジュゲートを設計した。パラインフルエンザエピトープは、PIV5 F(130−158)およびPIV5 F(144−172)であり、RSVエピトープは、RSV A2 F(157−185)およびRSV A2 F(171−199)である(図13Aを参照)。ヘテロ二本鎖鋳型化ペプチドコンジュゲート(図13Bを参照)は、鋳型化エピトープPIV5 F(130−158)/鋳型化エピトープRSV A2 F(157−185)、鋳型化エピトープPIV5 F(130−158)/鋳型化エピトープRSV A2 F(171−199)、鋳型化エピトープPIV5 F(144−172)/鋳型化エピトープRSV A2 F(171−199)、および鋳型化エピトープPIV5 F(144−172)/鋳型化エピトープRSV A2 F(157−185)を組み合わせる。
パラインフルエンザウイルス4鋳型化コンジュゲート
タイプIコンジュゲートを、パラインフルエンザウイルス(PIV)Fタンパク質(BAJ11745)由来の単一のエピトープを使用して設計した。天然に存在するエピトープPIV 4A F(131−159)、PIV 4A F(145−173)、およびPIV 4A F(447−475)について図14Aを参照。パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(131−159)鋳型化エピトープ:(IQELAKLILTLKKAITELNEAIRDLANSCRR−アミド(配列番号:))、パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(145−173)鋳型化エピトープ:(ITELNEAIRDLANSIKILVKMISALQNQCRR−アミド(配列番号:))、およびパラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(447−475)鋳型化エピトープ:(ILDLSTDINQLNQLIKSLEDHIQRLTDYCRR−アミド(配列番号:))を使用する鋳型化コンジュゲートについて図14Bを参照。
タイプIコンジュゲートを、パラインフルエンザウイルス(PIV)Fタンパク質(BAJ11745)由来の単一のエピトープを使用して設計した。天然に存在するエピトープPIV 4A F(131−159)、PIV 4A F(145−173)、およびPIV 4A F(447−475)について図14Aを参照。パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(131−159)鋳型化エピトープ:(IQELAKLILTLKKAITELNEAIRDLANSCRR−アミド(配列番号:))、パラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(145−173)鋳型化エピトープ:(ITELNEAIRDLANSIKILVKMISALQNQCRR−アミド(配列番号:))、およびパラインフルエンザウイルス4 PIV 4A F(447−475)鋳型化エピトープ:(ILDLSTDINQLNQLIKSLEDHIQRLTDYCRR−アミド(配列番号:))を使用する鋳型化コンジュゲートについて図14Bを参照。
タイプIIコンジュゲートを、パラインフルエンザウイルス(PIV)Fタンパク質由来の2つの異なるエピトープを使用して設計した。エピトープを図15Aに示し、鋳型化コンジュゲートを図15Bに示す。
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)/パラインフルエンザウイルス4鋳型化コンジュゲート
RSV由来のエピトープをPIV4由来のエピトープと組み合わせるタイプIIIコンジュゲートを設計した。RSVエピトープは、RSV A2 F(157−185)およびRSV A2 F(171−199)であり、PIV4エピトープは、PIV 4A F(131−159)およびPIV 4A F(145−173)である(図16Aを参照)。鋳型化コンジュゲート(図16Bを参照)は、鋳型化エピトープPIV 4A F(131−159)/鋳型化エピトープRSV A2 F(157−185)、鋳型化エピトープPIV 4A F(131−159)/RSV A2 F(171−199)、鋳型化エピトープPIV 4A F(145−173)/RSV A2 F(171−199)、および鋳型化エピトープPIV 4A F(145−173)/RSV A2 F(157−185)を組み合わせる。
RSV由来のエピトープをPIV4由来のエピトープと組み合わせるタイプIIIコンジュゲートを設計した。RSVエピトープは、RSV A2 F(157−185)およびRSV A2 F(171−199)であり、PIV4エピトープは、PIV 4A F(131−159)およびPIV 4A F(145−173)である(図16Aを参照)。鋳型化コンジュゲート(図16Bを参照)は、鋳型化エピトープPIV 4A F(131−159)/鋳型化エピトープRSV A2 F(157−185)、鋳型化エピトープPIV 4A F(131−159)/RSV A2 F(171−199)、鋳型化エピトープPIV 4A F(145−173)/RSV A2 F(171−199)、および鋳型化エピトープPIV 4A F(145−173)/RSV A2 F(157−185)を組み合わせる。
配列のバリエーション
鋳型化エピトープのバリエーションを、コンジュゲートに使用することができる。本記述には、配列情報によるバリアント、および指定されたレベルの相対相同性またはパーセント同一性にあることによって関係づけられる配列が含まれることを、当業者は理解するはずである。
鋳型化エピトープのバリエーションを、コンジュゲートに使用することができる。本記述には、配列情報によるバリアント、および指定されたレベルの相対相同性またはパーセント同一性にあることによって関係づけられる配列が含まれることを、当業者は理解するはずである。
本明細書に開示される鋳型化エピトープと、少なくとも70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有する鋳型化エピトープのバリアントを使用することができる。一実施形態では、バリエーションは、同類置換である。別の実施形態では、バリアントは、開示される鋳型化エピトープに対して1、2、3、4、または5つの変化を有する。置換または変更は、b位、c位、e位、f位、またはg位において行われ、一方、7アミノ酸反復のa位およびd位は、鋳型化エピトープの配列中に見出されるように残される。
比較のために配列を整列する方法は、当技術分野で周知である。したがって、任意の2つの配列間のパーセント同一性の決定は、数学アルゴリズムを使用して達成することができる。このような数学アルゴリズムの例は、MyersおよびMiller(1988年、CABIOS、4巻:11頁)のアルゴリズム、Smithら(1981年、Adv. Appl. Math.、2巻:482頁)の局所相同性アルゴリズム、NeedlemanおよびWunsch(1970年、J. Mol. Biol.、48巻:443頁)の相同性整列アルゴリズム、PearsonおよびLipman(1988年、PNAS USA、85巻:2444頁)の類似性検索法、KarlinおよびAltschul(1993年、PNAS USA、90巻:5873頁)のように改良された、KarlinおよびAltschul(1990年、PNAS USA、87巻:2264頁)のアルゴリズムである。Raghava GP、Barton GJ.、Quantification of the variation in percentage identity for protein sequence alignments、BMC Bioinformatics、2006年9月19日;7巻:415頁。Raghava GP、Searle SM、Audley PC、Barber JD、Barton GJ.、OXBench:a benchmark for evaluation of protein multiple sequence alignment accuracy、BMC Bioinformatics、2003年10月10日;4巻:47頁。
これらの数学アルゴリズムのコンピューターによる実施を、配列を比較して配列同一性を決定するのに利用することができる。このような実施には、それだけに限らないが、PC/Geneプログラム中のCLUSTAL(Intelligenetics、Mountain View、Calif.から入手可能)、ALIGNプログラム(バージョン2.0)、ならびにWisconsin Genetics Software Package、バージョン8の中のGAP、BESTFIT、BLAST、FASTA、およびTFASTA(Genetics Computer Group(GCG)、575 Science Drive、Madison、Wis.、USAから入手可能)が含まれる。これらのプログラムを使用する整列は、デフォルトのパラメータを使用して実施することができる。CLUSTALプログラムは、Higginsら(1988年、Gene、73巻:237頁)、Higginsら(1989年、CABIOS、5巻:151頁)、Corpetら(1988年、Nucl. Acids Res.、16巻:10881頁)、Huangら(1992年、CABIOS、8巻:155頁)、およびPearsonら(1994年、Meth. Mol. Biol.、24巻:307頁)によって十分に記載されている。ALIGNプログラムは、MyersおよびMiller、上記のアルゴリズムに基づく。Altschulら(1990年、J. Mol. Biol.、215巻:403頁、および1997年、Nuc. Acids Res.、25巻:3389頁)のBLASTプログラムは、KarlinおよびAltschul、上記のアルゴリズムに基づく。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、国立バイオテクノロジー情報センター(ワールドワイドウェブ上のncbi.nlm.nih.gov)を通じて公的に入手可能である。
本明細書において、「配列同一性の百分率」は、比較ウィンドウにわたって2つの最適に整列された配列を比較することによって決定される値を意味し、ここで、比較ウィンドウ中のポリペプチド配列の部分は、2つの配列を最適に整列するための参照配列(これは、付加または欠失を含まない)と比較した場合、付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含むことができる。百分率は、アミノ酸残基が両配列中に存在する位置の数を求めて、一致した位置の数を得、一致した位置の数を、比較のウィンドウ中の位置の合計数で除し、結果に100を乗じて、配列同一性の百分率を得ることによって計算される。長さの異なる2つの配列が比較される場合、パーセント配列同一性は、より短い配列の長さに対して計算されることに留意されるべきである。
天然に存在するアミノ酸残基は、一般的な側鎖の特性に基づく群、すなわち、(1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile、(2)中性親水性:cys、ser、thr、asn、gln、(3)酸性:asp、glu、(4)塩基性:his、lys、arg、(5)鎖の配向に影響する残基:gly、pro、および(6)芳香族:trp、tyr、pheに分けられる。同様のアミノ酸の置換は、親水性/疎水性に基づいても行うことができる。本研究で使用される親水性/疎水性のスケールを、以下の通り列挙する:Trp、33.0;Phe、30.1;Leu、24.6;Ile、22.8;Met、17.3;Tyr、16.0;Val、15.0;Pro、10.4;Cys、9.1;His、4.7;Ala、4.1;Thr、4.1;Arg、4.1;Gln、1.6;Ser、1.2;Asn、1.0;Gly、0.0;Glu、−0.4;Asp、−0.8、およびLys、−2.0。これらの疎水性係数は、20すべての天然に存在するアミノ酸の1個の置換を伴ったモデルランダムコイルペプチドのpH7(50mMのNaClを含有する10mMのPO4緩衝液)での逆相クロマトグラフィーから求めた(Kovacs, J.M.、C.T. Mant、およびR.S. Hodges、Determination of the intrinsic hydrophilicity/hydrophobicity of amino acid side−chains in peptides in the absence of Nearest−Neighbor or Conformational Effects、Peptide Science (Biopolymers)84巻:283〜297頁(2006年)を参照)。本発明者らは、このHPLCで得られるスケールは、20のアミノ酸側鎖の親水性(hydophilicity)/疎水性の相対的差異を、以前に求められたスケールより正確に反映することを提案した(Mant, C.T.、J.M. Kovacs、H.M. Kim、D.D. Pollock、およびR.S. Hodges、Intrinsic amino acid side−chain hydrophilicity/hydrophobicity coefficients determined by reversed−phase high−performance liquid chromatography of model peptides: comparison with other hydrophilicity/hydrophobicity scales、Peptide Science (Biopolymers)92巻:573〜595頁(2009年)を参照)。
バリアントポリペプチドを生成するための例示的な置換には、以下に示されるものが含まれる。「b」位、「c」位、「e」位、「f」位、および「g」位は、置換に最も寛容であるが、限定された数の置換を、「a」位、および「d」位で行うことができる。したがって、本明細書に記載されるペプチドの実施形態のいずれにおいても、「a」位、または「d」位の残基のうちの1個、2個、または3個を、示された残基から変更することができる。一実施形態では、1個の「a」残基が、イソロイシン以外のアミノ酸から選択される。一実施形態では、2個の「a」残基が、イソロイシン以外のアミノ酸から独立に選択される。一実施形態では、3個の「a」残基が、イソロイシン以外のアミノ酸から独立に選択される。一実施形態では、1個の「d」残基が、ロイシン以外のアミノ酸から選択される。一実施形態では、2個の「d」残基が、ロイシン以外のアミノ酸から独立に選択される。一実施形態では、3個の「d」残基が、ロイシン以外のアミノ酸から独立に選択される。一実施形態では、1個または2個の「a」残基が、イソロイシン以外のアミノ酸から独立に選択され、1個の「d」残基が、ロイシン以外のアミノ酸から独立に選択される。一実施形態では、1個の「a」残基が、イソロイシン以外のアミノ酸から独立に選択され、1個または2個の「d」残基が、ロイシン以外のアミノ酸から独立に選択される。以下の置換は、「a」位、「b」位、「c」位、「d」位、「e」位、「f」位、および「g」位で許される置換の例であるが、置換は、以下の表に列挙されたものに限定されない。
本発明で使用されるペプチドエピトープは、当技術分野で公知の化学的または生物学的方法によって調製することができる。これらの方法には、固相ペプチド合成、溶液相ペプチド合成、断片縮合(溶液相中または固相上で)、および組換えDNA技術が含まれる。
一実施形態では、ペプチドエピトープは、固相ペプチド合成によって合成される(StewartおよびYoung、Solid−Phase Peptide Synthesis、2版、Pierce Chemical Co.(Rockford, Ill.)、1984年;Merrifield, R.B.、1963年、J. Am. Chem. Soc.、85巻:2149〜2154頁;Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach(ChanおよびWhite編)、Oxford University Press(New York)、2000年を参照)。ペプチドエピトープは、別個に合成および精製することができ、ペプチドエピトープは、両エピトープの合成および精製が完了した後、結合させることができる。あるいは、ペプチドエピトープは、ペプチドエピトープの結合の維持を補助するリンカー上で合成することによって順次または同時に合成される。例えば、形態H2Nβ−(CH2)−CH(NαH2)−COOHの分岐分子を、そのカルボキシル基を介して固相合成樹脂、例えば、架橋ベンズヒドリルアミンまたはメチルベンズヒドリルアミン樹脂などに付着することができる。α窒素およびβ窒素は、直交性に保護することができ(Mtt基とFmoc基、ivDde基とFmoc基を用いて、またはAlloc基とFmoc基を用いてなど)、一方の鎖が所望の長さに合成され、その後、他方の鎖がその所望の長さに合成される。次いで、共有結合的に連結された二本鎖ペプチドは、固相樹脂から切断され、精製される。
ペプチドは、慣例的な修飾、例えば、N末端残基のアセチル化、C末端残基のアミド化、またはN末端残基のアセチル化とC末端残基のアミド化の両方などを有することができる。
コンジュゲートを使用する方法
本発明の鋳型化コンジュゲートは、様々な方法で使用することができる。一態様では、鋳型化コンジュゲートは、個体の免疫応答(例えば、抗体応答)を増強するために、ワクチンまたは免疫原性組成物として使用され得る。免疫応答の増強は、コンジュゲートに曝露されない場合の個体の免疫応答に対するものである。本発明の別の態様では、コンジュゲートは、コンジュゲートを与えられている個体において免疫応答(例えば、抗体応答)を誘導するのに使用され得る。例えば、個体の抗体応答は、対象とするウイルス(複数可)および/または病原体(複数可)の中和により有効である、より多い量の1つおよび/または複数の抗体を生成することによって増強または誘導することができる。抗体応答は、抗体の標的により大きい親和性を伴って結合する抗体を生成することによっても増強または誘導することができる。場合によっては、生成される抗体は、様々なサブタイプのウイルス株に結合することができる。本明細書に記載されるコンジュゲートを使用することによって誘導または増強される抗体は、立体構造エピトープおよび線状エピトープに向けることができる。
本発明の鋳型化コンジュゲートは、様々な方法で使用することができる。一態様では、鋳型化コンジュゲートは、個体の免疫応答(例えば、抗体応答)を増強するために、ワクチンまたは免疫原性組成物として使用され得る。免疫応答の増強は、コンジュゲートに曝露されない場合の個体の免疫応答に対するものである。本発明の別の態様では、コンジュゲートは、コンジュゲートを与えられている個体において免疫応答(例えば、抗体応答)を誘導するのに使用され得る。例えば、個体の抗体応答は、対象とするウイルス(複数可)および/または病原体(複数可)の中和により有効である、より多い量の1つおよび/または複数の抗体を生成することによって増強または誘導することができる。抗体応答は、抗体の標的により大きい親和性を伴って結合する抗体を生成することによっても増強または誘導することができる。場合によっては、生成される抗体は、様々なサブタイプのウイルス株に結合することができる。本明細書に記載されるコンジュゲートを使用することによって誘導または増強される抗体は、立体構造エピトープおよび線状エピトープに向けることができる。
他の態様では、本明細書に記載されるコンジュゲートを含む組成物は、抗体を産生することができる血漿細胞および/またはメモリーB細胞の数を増加させるのに使用され得る。特異的抗体応答を測定するための方法には、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)が含まれ、これは、当技術分野で周知である。例えば、Current Protocols in Immunology(J.E. Coliganら編、1991年)を参照。いくつかの態様では、本明細書に記載されるコンジュゲートを投与すると、抗体産生に有用であるサイトカイン産生(例えば、IL−4、IL−5、およびIL−13)を誘導することができる。サイトカイン濃度は、例えば、ELISAによって測定することができる。免疫原に対する免疫応答を評価するためのこれらのアッセイおよび他のアッセイは、当技術分野で周知である。例えば、Selected Methods in Cellular Immunology(1980年)MishellおよびShiigi編、W.H. Freeman and Co、および/またはCurrent Protocols in Immunology(J.E. Coliganら編、1991年)を参照。
したがって、本明細書に記載されるコンジュゲートは、免疫原性組成物と考えることができる。一態様では、コンジュゲートは、免疫原性組成物中の成分であり得る。別の態様では、コンジュゲートは、ワクチン組成物中の成分であり得る。
一態様では、本明細書に記載されるコンジュゲートは、ウイルス感染が低減され、いくつかの場合では、阻害されるように、個体の免疫応答(例えば、抗体産生または抗体応答)を誘導または増強するのに使用される。ウイルス感染の低減は、免疫応答が誘導または増強されなかった場合に起こる感染の量から、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であり得る。ウイルス感染のアッセイは、慣例的であり、当業者に公知である。
別の態様では、本明細書に記載されるコンジュゲートは、ウイルス複製が低減され、いくつかの場合では、阻害されるように、個体の免疫応答(例えば、抗体産生または抗体応答)を誘導または増強するのに使用される。ウイルス複製の低減は、免疫応答が誘導または増強されなかった場合に起こる複製の量から、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であり得る。ウイルス複製のアッセイは、慣例的であり、当業者に公知である。
投与量
コンジュゲートの投与を必要とする個体に投与される、ワクチンとして使用される場合のコンジュゲートの量は、様々な要因、例えば、ウイルス感染のタイプ、ワクチンを受けている個体からの生物学的および/または生理的応答、ならびに当業者に公知の他の要因などによって決定され得る。したがって、投与されるコンジュゲートの量は、それなりに調整することによって、所望の有利な効果を実現することができる。一態様では、使用されるコンジュゲートの量は、個体1kg当たり少なくとも約1μgのコンジュゲートである。他の態様では、使用されるコンジュゲートの量は、少なくとも約2μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kg、10μg/kg、11μg/kg、12μg/kg、13μg/kg、14μg/kg、15μg/kg、16μg/kg、17μg/kg、18μg/kg、19μg/kg、20μg/kg、21μg/kg、22μg/kg、23μg/kg、24μg/kg、25μg/kg、26μg/kg、27μg/kg、28μg/kg、29μg/kgまたは30μg/kgである。他の態様では、使用されるコンジュゲートの量は、少なくとも約35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55μg/kg、60μg/kg、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kg、または100μg/kgである。他の態様では、使用されるコンジュゲートの量は、個体1kg当たり、約1μg、2μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kg、10μg/kg、11μg/kg、12μg/kg、13μg/kg、14μg/kg、15μg/kg、16μg/kg、17μg/kg、18μg/kg、19μg/kg、20μg/kg、21μg/kg、22μg/kg、23μg/kg、24μg/kg、25μg/kg、26μg/kg、27μg/kg、28μg/kg、29μg/kg、30μg/kg、35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55μg/kg、60μg/kg、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kg、または100μgのコンジュゲートである。
コンジュゲートの投与を必要とする個体に投与される、ワクチンとして使用される場合のコンジュゲートの量は、様々な要因、例えば、ウイルス感染のタイプ、ワクチンを受けている個体からの生物学的および/または生理的応答、ならびに当業者に公知の他の要因などによって決定され得る。したがって、投与されるコンジュゲートの量は、それなりに調整することによって、所望の有利な効果を実現することができる。一態様では、使用されるコンジュゲートの量は、個体1kg当たり少なくとも約1μgのコンジュゲートである。他の態様では、使用されるコンジュゲートの量は、少なくとも約2μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kg、10μg/kg、11μg/kg、12μg/kg、13μg/kg、14μg/kg、15μg/kg、16μg/kg、17μg/kg、18μg/kg、19μg/kg、20μg/kg、21μg/kg、22μg/kg、23μg/kg、24μg/kg、25μg/kg、26μg/kg、27μg/kg、28μg/kg、29μg/kgまたは30μg/kgである。他の態様では、使用されるコンジュゲートの量は、少なくとも約35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55μg/kg、60μg/kg、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kg、または100μg/kgである。他の態様では、使用されるコンジュゲートの量は、個体1kg当たり、約1μg、2μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kg、10μg/kg、11μg/kg、12μg/kg、13μg/kg、14μg/kg、15μg/kg、16μg/kg、17μg/kg、18μg/kg、19μg/kg、20μg/kg、21μg/kg、22μg/kg、23μg/kg、24μg/kg、25μg/kg、26μg/kg、27μg/kg、28μg/kg、29μg/kg、30μg/kg、35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55μg/kg、60μg/kg、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kg、または100μgのコンジュゲートである。
他の態様では、使用されるコンジュゲートの量は、個体1kg当たり、せいぜい約1μg、2μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kg、10μg/kg、11μg/kg、12μg/kg、13μg/kg、14μg/kg、15μg/kg、16μg/kg、17μg/kg、18μg/kg、19μg/kg、20μg/kg、21μg/kg、22μg/kg、23μg/kg、24μg/kg、25μg/kg、26μg/kg、27μg/kg、28μg/kg、29μg/kg、30μg/kg、35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55μg/kg、60μg/kg、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kg、または100μgのコンジュゲートである。他の態様では、本発明は、上記に示した値のいずれかの範囲の投与量をもたらす。例えば、投与量範囲の下限を、約1μg/kg、2μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kg、10μg/kg、11μg/kg、12μg/kg、13μg/kg、14μg/kg、15μg/kg、16μg/kg、17μg/kg、18μg/kg、19μg/kg、20μg/kg、21μg/kg、22μg/kg、23μg/kg、24μg/kg、25μg/kg、26μg/kg、27μg/kg、28μg/kg、29μg/kg、30μg/kg、35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55μg/kg、60μg/kg、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kgとすることができ、一方、投与量範囲の上限を、2μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kg、10μg/kg、11μg/kg、12μg/kg、13μg/kg、14μg/kg、15μg/kg、16μg/kg、17μg/kg、18μg/kg、19μg/kg、20μg/kg、21μg/kg、22μg/kg、23μg/kg、24μg/kg、25μg/kg、26μg/kg、27μg/kg、28μg/kg、29μg/kg、30μg/kg、35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55μg/kg、60μg/kg、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kg、または100μg/kgとすることができる。
投与様式
本明細書に記載されるコンジュゲートは、様々な方法で投与することができる。一態様では、コンジュゲートは、注射用化合物として投与される。注射は、針注射または無針注射(例えば、ジェット注射)によるものとすることができる。別の態様では、コンジュゲートは、鼻腔内送達として投与される。コンジュゲートは、筋肉内、皮下、皮内、または3つすべてのある組合せで投与することもできる。注射のこれらのタイプは、当業者に公知である。
本明細書に記載されるコンジュゲートは、様々な方法で投与することができる。一態様では、コンジュゲートは、注射用化合物として投与される。注射は、針注射または無針注射(例えば、ジェット注射)によるものとすることができる。別の態様では、コンジュゲートは、鼻腔内送達として投与される。コンジュゲートは、筋肉内、皮下、皮内、または3つすべてのある組合せで投与することもできる。注射のこれらのタイプは、当業者に公知である。
投与のタイミング
本発明のコンジュゲートは、様々なタイミングで投与することができる。タイミングは、個体の免疫パラメータに基づいて当業者によって容易に決定され得る。一態様では、一回投与が企図されている。他の態様では、一回を超えるコンジュゲートの投与が企図されている。これらの場合では、コンジュゲートは、2、3、4、5回、またはそれ以上の回数投与することができる。
本発明のコンジュゲートは、様々なタイミングで投与することができる。タイミングは、個体の免疫パラメータに基づいて当業者によって容易に決定され得る。一態様では、一回投与が企図されている。他の態様では、一回を超えるコンジュゲートの投与が企図されている。これらの場合では、コンジュゲートは、2、3、4、5回、またはそれ以上の回数投与することができる。
コンジュゲートが一回を超えて投与される場合、投与同士間の間隔は、個体の必要に応じて異なる継続時間のものとすることができる。いくつかの態様では、投与同士間の間隔は、約1、2、3、4、5、6、または7日である。他の態様では、投与同士間の間隔は、約8、9、10、11、12、13、または14日である。他の態様では、間隔は、約2.5、3、3.5、または4週間である。他の態様では、1カ月単位の間隔が企図されている。コンジュゲートは、個体における免疫パラメータの試験に基づいて、あるいは個体によって経験されている症状、またはウイルス(複数可)および/もしくは他の病原体(複数可)への個体の曝露に基づいて、必要性を決定した後、投与することができる。
医薬組成物
本発明のコンジュゲートは、医薬組成物および/または免疫原性組成物と考えることができる。本明細書に記載される他の担体に加えて、薬学的に許容される担体は、滅菌水溶液または滅菌非水性溶液、懸濁液、およびエマルジョンを含んでもよい。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルである。水性担体には、生理食塩水および緩衝媒体を含めた、水、アルコール溶液/水溶液、エマルジョンまたは懸濁液が含まれる。非経口ビヒクルとして、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンガー液、または固定油が挙げられる。静脈内ビヒクルには、流体および栄養補充液、電解質補充液(リンガーデキストロースに基づくものなど)などが含まれる。保存剤および他の添加剤、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート化剤、および不活性ガスなども存在し得る。コンジュゲートは、その後再構成し、本発明に従って使用するために、当技術分野で周知の手段を使用して凍結乾燥することもできる。
本発明のコンジュゲートは、医薬組成物および/または免疫原性組成物と考えることができる。本明細書に記載される他の担体に加えて、薬学的に許容される担体は、滅菌水溶液または滅菌非水性溶液、懸濁液、およびエマルジョンを含んでもよい。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルである。水性担体には、生理食塩水および緩衝媒体を含めた、水、アルコール溶液/水溶液、エマルジョンまたは懸濁液が含まれる。非経口ビヒクルとして、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンガー液、または固定油が挙げられる。静脈内ビヒクルには、流体および栄養補充液、電解質補充液(リンガーデキストロースに基づくものなど)などが含まれる。保存剤および他の添加剤、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート化剤、および不活性ガスなども存在し得る。コンジュゲートは、その後再構成し、本発明に従って使用するために、当技術分野で周知の手段を使用して凍結乾燥することもできる。
吸収促進剤、洗剤、および化学性刺激物(例えば、角質溶解剤(keritinolytic agent))を、標的組織への送達を増強するのに使用することができる。有機薬物、およびペプチド系薬物の粘膜送達において使用されて成功している吸収促進剤および洗剤に関する一般的原理に関する参考文献については、Chien、Novel Drug Delivery Systems、4章(Marcel Dekker、1992年)を参照。
特に、適当な経鼻吸収促進剤の例は、Chien、上記、5章、表2および3に示されており、より穏やかな作用物質が好適である。粘膜/経鼻送達のために本発明の方法で使用するのに適した作用物質は、Changら、Nasal Drug Delivery、「Treatise on Controlled Drug Delivery」、9章、およびその表3〜4B(Marcel Dekker、1992年)にも記載されている。皮膚を通じた薬物の吸収を増強することが公知である適当な作用物質は、Sloan、Use of Solubility Parameters from Regular Solution Theory to Describe Partitioning−Driven Processes、5章、「Prodrugs: Topical and Ocular Drug Delivery」(Marcel Dekker、1992年)、およびこの教科書の他の場所に記載されている。
医薬組成物は、インフルエンザウイルスに対する免疫応答を誘導するのに使用するために製剤化されたワクチンも含むことができる。一態様では、本発明は、およそ等しい長さの2つの鋳型化アルファヘリックスポリペプチドであって、各ポリペプチドは、少なくとも1つの7アミノ酸反復を含み、2つのポリペプチドは、約90%未満の配列同一性を有する、ポリペプチドと、2つのポリペプチドの間の共有結合性連結と、ポリペプチドの1つに共有結合的に連結した担体タンパク質とを含むワクチンを提供する。
ワクチンは、ここで記載される担体も含むことができる。使用することができる担体には、それだけに限らないが、ミョウバン、微粒子、リポソーム、およびナノ粒子が含まれる。
アジュバント
コンジュゲート、免疫原、およびワクチンは、アジュバントとともに投与することもできる。例示的なアジュバントには、ミョウバン(Alhydrogel(登録商標)(Superfos、デンマーク;水酸化アルミニウム))、ならびにフロイント完全アジュバントおよびフロイント不完全アジュバントが含まれる。
コンジュゲート、免疫原、およびワクチンは、アジュバントとともに投与することもできる。例示的なアジュバントには、ミョウバン(Alhydrogel(登録商標)(Superfos、デンマーク;水酸化アルミニウム))、ならびにフロイント完全アジュバントおよびフロイント不完全アジュバントが含まれる。
滅菌性
コンジュゲート、免疫原、およびワクチンは、滅菌組成物として投与することができる。滅菌した医薬製剤は、当業者に公知の医薬品グレード滅菌基準(米国薬局方797章、1072章、および1211章、カリフォルニア州企業職業法4127.7項、カリフォルニア州規則集タイトル16、1751項、連邦規制基準タイトル21、211項)に従って、配合または製造される。
コンジュゲート、免疫原、およびワクチンは、滅菌組成物として投与することができる。滅菌した医薬製剤は、当業者に公知の医薬品グレード滅菌基準(米国薬局方797章、1072章、および1211章、カリフォルニア州企業職業法4127.7項、カリフォルニア州規則集タイトル16、1751項、連邦規制基準タイトル21、211項)に従って、配合または製造される。
キット
本発明はさらに、本発明のコンジュゲートを含むキット(または製造品)を提供する。
本発明はさらに、本発明のコンジュゲートを含むキット(または製造品)を提供する。
一実施形態では、本発明は、(a)本明細書に記載されるコンジュゲートを含む組成物、および(b)被験体において組成物を使用するための指示書の両方を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、指示書は、ラベル上にある。他の実施形態では、指示書は、キット内に入れられたインサート上にある。
別の実施形態では、本発明は、(a)本明細書に記載されるコンジュゲートを含む組成物、および(b)被験体に組成物を投与するための指示書の両方を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、指示書は、ラベル上にある。他の実施形態では、指示書は、キット内に入れられたインサート上にある。
別の実施形態では、本発明は、(a)本明細書に記載されるコンジュゲートを含む組成物、および(b)組成物が投与される被験体を選択するための指示書の両方を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、指示書は、ラベル上にある。他の実施形態では、指示書は、キット内に入れられたインサート上にある。
別の実施形態では、本発明は、(a)それぞれが本明細書に記載されるコンジュゲートを含む少なくとも2つの組成物、および(b)個体に投与するための1つまたは複数の組成物を選択するための指示書の両方を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、指示書は、ラベル上にある。他の実施形態では、指示書は、キット内に入れられたインサート上にある。
合成実施例
(合成実施例1)
鋳型化コンジュゲート中の2つのペプチドエピトープ間のジスルフィド連結
ジスルフィド架橋されたペプチドエピトープを形成するために、以下の手順を使用する:1.エピトープ1(例えば、アセチル化されたペプチド)を合成し;2.エピトープ1を切断および分析し;3.逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって、エピトープ1を精製し;4.画分を分析し、合わせ、凍結乾燥し;5.DTDPを用いてエピトープ1のCysを誘導体化してエピトープ1 TPを得;6.RP−HPLCによって、エピトープ1 TPを精製し;7.エピトープ2(例えば、Nle−G−Gリンカーを含むことができる)を合成し;8.エピトープ2を切断および分析し;9.RP−HPLCによって、エピトープ2を精製し;10.画分を分析し、合わせ、凍結乾燥し;11.エピトープ1 TPとエピトープ2の間にジスルフィド架橋を形成し;12.RP−HPLCによって、ジスルフィド架橋されたエピトープ1−エピトープ2を精製し;13.画分を分析し、合わせ、凍結乾燥し;14.ジスルフィド架橋されたエピトープ1−エピトープ2のN末端をヨードアセチル化し;15.RP−HPLCによって、ヨードアセチル化された、ジスルフィド架橋されたエピトープ1−エピトープ2を精製し;16.画分を分析し、合わせ、凍結乾燥し;17.ジスルフィド架橋されたエピトープ1−エピトープ2を担体タンパク質にコンジュゲートし;18.担体タンパク質コンジュゲートを透析および凍結乾燥する。
(合成実施例1)
鋳型化コンジュゲート中の2つのペプチドエピトープ間のジスルフィド連結
ジスルフィド架橋されたペプチドエピトープを形成するために、以下の手順を使用する:1.エピトープ1(例えば、アセチル化されたペプチド)を合成し;2.エピトープ1を切断および分析し;3.逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって、エピトープ1を精製し;4.画分を分析し、合わせ、凍結乾燥し;5.DTDPを用いてエピトープ1のCysを誘導体化してエピトープ1 TPを得;6.RP−HPLCによって、エピトープ1 TPを精製し;7.エピトープ2(例えば、Nle−G−Gリンカーを含むことができる)を合成し;8.エピトープ2を切断および分析し;9.RP−HPLCによって、エピトープ2を精製し;10.画分を分析し、合わせ、凍結乾燥し;11.エピトープ1 TPとエピトープ2の間にジスルフィド架橋を形成し;12.RP−HPLCによって、ジスルフィド架橋されたエピトープ1−エピトープ2を精製し;13.画分を分析し、合わせ、凍結乾燥し;14.ジスルフィド架橋されたエピトープ1−エピトープ2のN末端をヨードアセチル化し;15.RP−HPLCによって、ヨードアセチル化された、ジスルフィド架橋されたエピトープ1−エピトープ2を精製し;16.画分を分析し、合わせ、凍結乾燥し;17.ジスルフィド架橋されたエピトープ1−エピトープ2を担体タンパク質にコンジュゲートし;18.担体タンパク質コンジュゲートを透析および凍結乾燥する。
2つのシステイン含有ペプチド間のジスルフィドリンカー(任意選択のリンカーC)の合成。システイン含有ペプチドを2,2’−ジチオジピリジンと反応させて、混合ジスルフィド[ペプチド]−S−S−2−ピリジン(すなわち、[ペプチド−S−2−チオピリジン])を形成する。そのシステイン残基上に遊離チオール部分を含有する第2のペプチドを付加して、ジスルフィド連結二本鎖ペプチド(これは、ホモ鎖であっても、ヘテロ鎖であってもよい)を形成する。
ステップ1:反応の第1ステップを、1:10のペプチド:DTDPのモル比で実施する。ペプチド(例えば、20mg)を、反応溶液(3:1(v/v)の酢酸/H2O)6ml中に溶解させる。10当量の2,2’−ジチオピリジン(dithiopyridine)(DTDP)をDMF 100μl中に添加し、反応物を室温で4時間攪拌する。反応をLC−MSによってモニターして、ペプチド−TP生成物の形成を検出することができる。反応が完了した後、反応混合物をH2O中に希釈し、その後、HPLC(例えば、逆相HPLC)によって精製する。HPLCから収集した画分(複数可)をフリーズドライして、精製ペプチド−TPを得る。
ステップ2:ステップ1からのペプチド−TP生成物、および遊離チオールを含有する第2のペプチドを、6MのGdnHClを含むpH5.5の40mMのNH4Ac 10ml中に当モル量で溶解させる。反応物をRTで1時間インキュベートする。二本鎖ペプチドの形成は、LC−MSによってモニターすることができる。反応が完了した後、二本鎖ペプチドをHPLCによって精製し、収集した画分(複数可)をフリーズドライして、ジスルフィド連結二本鎖ペプチドを得る。
ジスルフィド連結二本鎖ペプチドのヨードアセチル化。試薬、反応物、および生成物を光から保護して、ヨード酢酸無水物を、100mMの濃度で1,4−ジオキサン中に溶解させる。ジスルフィド連結二本鎖ペプチドを、pH6.0/60%のACNの100mMのMES中に、0.15mMで別個に溶解させる。ヨード酢酸無水物溶液を、1.2:1のモル比に到達するまでペプチド溶液に徐々に添加し、RTで10分間インキュベートする。反応をHPLCによってモニターする。完了後、ヨードアセチル化物をHPLCによって精製し、凍結乾燥する。
ヨードアセチル化は、ヨードアセチル化されたジスルフィド連結二本鎖ペプチドを、6MのGdnHCl、PBS、pH8.6中に溶解させ、10mMの濃度でDTTを添加することによって確認することができる。DTTは、ジスルフィド結合を還元し、ヨードアセチル基とも反応する。反応物は、ジスルフィド結合の還元のために、LC−MSによって分析されるとき、2つのピークを生じるはずであり、質量は、以前にヨードアセチル化されたペプチドがDTT−アセチル基の追加の質量を有する場合、別個のペプチドに対応するはずである。
遊離チオール基を導入するための、トラウト試薬によるKLHの修飾。KLHを、PBS、pH8.9;8Mの尿素、5mMのEDTA 1ml中に溶解させて、KLHの0.1mMの溶液を調製する。トラウト試薬を、4mg/ml(28mM)で水中に溶解させる。このトラウト試薬を、1:40のモル比でKLH溶液に添加する。混合物を、光から保護しながら、RTで1時間インキュベートする。未使用のトラウト試薬を、透析を使用して除去する。
ヨードアセチル化された、共有結合的に連結された二本鎖ペプチドの、トラウト試薬によって修飾されたKLHへのコンジュゲーション。ヨードアセチル化された、共有結合的に連結された二本鎖ペプチドを、トラウト試薬によって修飾されたKLHと、6:1の二本鎖ペプチド:KLHの比で、8Mの尿素およびPBS中で、RTで最大48時間反応させる。コンジュゲーションの進行を逆相HPLCによって追跡する。反応を終わらせるために、28mMの濃度の水1ml中のヨードアセトアミドを反応物に添加し、反応物をRTで30分間インキュベートする。透析を使用して、PBS/8Mの尿素、50%のACN/H2O/0.2%のTFA中で、遊離ペプチドを除去する。試料をフリーズドライすることによって、無塩KLH−ペプチドコンジュゲートを得る。
ヨードアセチル化された、ジスルフィド連結二本鎖ペプチドの、トラウト試薬によって修飾されたBSAへのコンジュゲーション。BSA、68kD(トラウト試薬で修飾済み、0.2mM、8Mの尿素、PBS)の溶液A、ならびにヨードアセチル化された二本鎖ペプチド(0.5mM、8Mの尿素、PBS)の溶液Bを調製した後、以下の反応を行う:反応X:1:5のA:Bで、8Mの尿素、PBS中でA 20μlをB 40μlと、RTで1時間、4時間、および一晩反応させる。(RP−HPLC分析を使用してコンジュゲーションをモニターする);ならびに反応R:1:5のA:Bで、8Mの尿素、PBS中でA 80μlをB 160μlと、RTで1時間、4時間、および一晩反応させる。(RP−HPLC分析を使用してコンジュゲーションをモニターする)。28mMの濃度の水1ml中のヨードアセトアミドを調製し、100μlを反応XおよびRに添加し、その後RTで30分間インキュベートする。XとRを合わせ、透析することによって、PBS/8Mの尿素中で、次いで水/60%のACN/0.2%のTFA中で遊離ペプチドを除去する。逆相HPLC分析を使用して、遊離ペプチドの除去をモニターする。試料をフリーズドライすることによって、無塩BSA−二本鎖ペプチドコンジュゲートを得る。
(合成実施例2)
鋳型化コンジュゲート中の2つのペプチドエピトープ間のジアミノプロピオン酸連結
以下の樹脂に結合した二保護された(diprotected)2,3−ジアミノプロピオン酸試薬:
鋳型化コンジュゲート中の2つのペプチドエピトープ間のジアミノプロピオン酸連結
以下の樹脂に結合した二保護された(diprotected)2,3−ジアミノプロピオン酸試薬:
生物学的な実施例
抗ペプチド抗体の生成、精製、および特徴付け。各鋳型化コンジュゲートについて、3匹のニュージーランド白ウサギを、2つの筋肉内部位で免疫する。一次用量は、フロイント完全アジュバントとともにコンジュゲート50μgを含有する。7、28、および50日目のブースターは、フロイント不完全アジュバント中にコンジュゲート50μgを含有する。あるいは、ウサギを、2つの筋肉内部位で、Alhydrogel(登録商標)水酸化アルミニウムアジュバントとともにコンジュゲート50μgで免疫し、7、28、および50日目にブースター免疫化を行う。動物を免疫するのに使用するコンジュゲートの量は、得られる応答に基づいて調整する。58日目に血清を収集し、抗体をプロテインG親和性クロマトグラフィーで精製する。ウサギを安楽死させると同時にさらなる試料を収集する。BSA−ペプチドコンジュゲートでコートされたプレートを使用する酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を実施することによって、抗体のそれぞれのコイルドコイル鋳型について、抗体の特異性を評価する。
抗ペプチド抗体の生成、精製、および特徴付け。各鋳型化コンジュゲートについて、3匹のニュージーランド白ウサギを、2つの筋肉内部位で免疫する。一次用量は、フロイント完全アジュバントとともにコンジュゲート50μgを含有する。7、28、および50日目のブースターは、フロイント不完全アジュバント中にコンジュゲート50μgを含有する。あるいは、ウサギを、2つの筋肉内部位で、Alhydrogel(登録商標)水酸化アルミニウムアジュバントとともにコンジュゲート50μgで免疫し、7、28、および50日目にブースター免疫化を行う。動物を免疫するのに使用するコンジュゲートの量は、得られる応答に基づいて調整する。58日目に血清を収集し、抗体をプロテインG親和性クロマトグラフィーで精製する。ウサギを安楽死させると同時にさらなる試料を収集する。BSA−ペプチドコンジュゲートでコートされたプレートを使用する酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を実施することによって、抗体のそれぞれのコイルドコイル鋳型について、抗体の特異性を評価する。
鋳型化コンジュゲートに対するウサギIgGを用いたマウスの受動免疫、および病原体を用いたチャレンジに対する応答。10匹のBALB/cマウスを、ウイルスチャレンジに対して−1、1、および3日目にウサギにおいて生成された抗体をマウス1匹当たり1mgで、腹腔内経路によって受動免疫する。対照動物に、免疫前ウサギ抗体、または緩衝液単独を投与する。0日目に、マウスに、10LD50の病原体、または緩衝液で鼻腔内にチャレンジする。体重変化および死亡率を、2週間にわたって毎日モニターする。動物が死亡または安楽死した後、ウイルス力価を測定し、病理組織学的試験を実施する。
コンジュゲートの生物物理学的試験。生物物理学的試験を実施して、コンジュゲートを特徴付ける。ワクチンとして使用するためのペプチドの構造および安定性を、温和な緩衝液(PBS)中、および50%のトリフルオロエタノール(TFE)中で、円偏光二色性(CD)分光法によって、かつ熱変性プロファイルによっても評価する。鋳型化ペプチドのオリゴマー化状態を、分析的超遠心分離分析およびサイズ排除クロマトグラフィーによって検査する。
抗体の特徴付け。免疫原に対するウサギ抗体を、例えば、ペプチド特異性、親和性、および構造依存性の特質に関して特徴付ける。分析は、抗体が、免疫ペプチドに特異的であるか否か、ペプチド免疫原のアルファヘリックス構造、またはペプチド免疫原が由来するタンパク質(複数可)全体のネイティブコンホメーションを認識するか否かの特性を含むことができる。
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)。免疫ペプチドに対するウサギ抗体の特異性を特徴付けるために、ELISAアッセイを行う。コンジュゲートを、96ウェルポリスチレンプレートにコートする。ブロッキングのために、5%のBSAを使用する。ウサギIgG抗体またはウサギ免疫前血清由来のIgGのPBS中の連続10倍希釈液を、結合抗原とともにインキュベートし、西洋わさびペルオキシダーゼにカップリングしたヤギ抗ウサギIgGを用いて結合IgGを検出する。それぞれのウサギ抗ペプチドIgGまたは正常血清由来のIgGを、免疫原、およびBSA単独に対しても試験することによって、合成ペプチド免疫原に対する抗体の特異性を判定する。水酸化アルミニウムアジュバントとともに投与される各コンジュゲートの免疫原性の判定は、ELISAにおいて陽性シグナルを与える抗体の希釈液によって示される。
同様に、ELISAを実施することによって、各抗体が、立体配置的に安定化された二本鎖コイルドコイルペプチド(coiled−coiled peptide)免疫原のみを認識するか、または免疫原、および天然エピトープ配列を含む一本鎖ペプチドの両方を認識するかを判定する。このアッセイでは、天然エピトープ配列を、一本鎖ペプチドとしてBSAにカップリングさせる。これは、ネイティブタンパク質から取り出されるので、構造化されない可能性がある。アルファヘリックスエピトープに特異的ないくつかの高親和性抗体は、一本鎖、非構造化ペプチド抗原に、これをヘリックス構造と仮定するように誘導することによって結合することができる。特定の免疫原については、この免疫原によって生成されるいくつかの抗体は、この免疫原と天然ペプチドの両方を認識することができるが、他の免疫原に対する抗体は、この免疫原のコイルドコイル構造に特異的となり得る。
抗体の天然可溶性またはアンカー型三量体HAタンパク質への結合。免疫前またはナイーブウサギIgGに対するウサギ抗体の、ネイティブタンパク質中のアルファヘリックスエピトープを特異的に認識する能力。これは、ELISAおよび/またはフローサイトメトリーによって行う。ネイティブタンパク質は、適切な細胞中で発現され、親和性精製される。ELISAアッセイを使用して、誘導されたウサギ抗体対通常のウサギIgGの、ネイティブタンパク質中の標的エピトープへの結合性を比較する。
可溶性HA三量体についての抗ペプチド抗体の交差反応性の評価。多様な病原体株に関するものを含めて、結合パラメータを評価する。様々な病原体株由来のペプチド免疫原への抗血清の結合親和性を、表面プラズモン共鳴技法を使用して、例えば、Biacoreバイオセンサーを用いて定量化する。免疫原のそれぞれに対する免疫血清からのIgG、または免疫前血清からのIgGを、バイオセンサーチップ表面上に固定化する。各株由来の精製可溶性天然エピトープを、固定化された抗血清上に流す。センサーグラムを作成して、結合のオン率およびオフ率、ならびに所与の抗体配合物についての対応する親和定数を示す。
中和アッセイ。ペプチド免疫原に対する抗体を、病原体の中和について試験する。マイクロ中和アッセイは、ウサギ抗ペプチド抗体の病原体中和活性を評価する。アッセイでは、100 TCID50の病原体を、等体積の抗体の4倍連続希釈液とともに、37℃で1時間インキュベートする(ストックIgG濃度、2mg/ml)。対象とする病原体の感染に感受性の組織培養細胞株を各ウェルに添加し、プレートを18時間インキュベートする。コンジュゲートのエピトープ領域と異なるウイルスの部分に対するMabを用いて、間接ELISAによって、アルコール固定細胞内のウイルス抗原を検出する。対照には、媒体のみで接種されたウェル、IgGを含まない、ウイルスのみを含む細胞、および免疫前ウサギ血清からのIgGの希釈液と混合されたウイルスが含まれる。結果は、病原体を中和する抗体の能力を実証する。抗体配合物の組合せも、中和活性について評価することができる。一実施形態では、組合せ組成物が、ペプチド系化合物またはコンジュゲートに対する2つ以上の異なる抗体を用いて生成される。
抗体耐性突然変異病原体の選択についての試験を任意選択により実施する。抗体中和実験の終点希釈からのウイルスを増幅させ、同じ抗体による中和について再び試験する。抗体中和に対する耐性が増大したウイルスは、もしあれば、潜在的な抗体エスケープ突然変異体と考えることができる。このようなウイルス由来の遺伝子を、例えば、配列決定により試験することによって、ある特定のエピトープに対する抗体を用いた中和に対する耐性に関係する突然変異を同定する。抗体エスケープ突然変異体を同定した後、これらのウイルスを、異なるペプチド免疫原に対する抗体を用いて中和することができるか否かに関して、さらに判定を行う。異なるエピトープに対する抗体を用いた中和に対する、候補エスケープ突然変異体ウイルスの感受性を、抗体カクテルの適用の評価における要因として使用する。数十年にわたって地理的に異なる領域におけるヒトまたは動物から単離された1つまたは複数の病原体に対する誘導された抗体を試験するのに、マイクロ中和アッセイも使用する。このような分離株は、これらの中和エピトープにおいてかなりの多様性を示す。
所与のエピトープに対して誘導された抗体を、人畜共通ウイルス株のクラス1ウイルス融合タンパク質を含有するレトロウイルスシュードタイプの流入をブロックする能力について評価する。異なる病原体株のタンパク質を含むマウスレトロウイルスを作製する。異なるタンパク質、およびベータ−ガラクトシダーゼまたはルシフェラーゼレポーター遺伝子を含有するシュードタイプを使用して、感受性細胞のトランスダクションの抗体媒介阻害を評価する。
受動免疫。ワクチンから生じる抗体配合物を、病原体によるチャレンジに対する効力について試験する。ワクチンとして使用されるコンジュゲートを用いた免疫化から得られるウサギ抗体配合物を用いて受動免疫を実証する。10LD50ユニットの病原体でチャレンジしたマウスにおいて保護効果をアッセイする。
これらのin vivo保護試験についてのプロトコールは、ワクチン接種されたウサギ、または免疫化前の対照由来のIgGを用いた、ウイルスチャレンジに対して−1、+1、および+3日目の腹腔内接種を含む。ウイルスを接種した動物を、定期的に計量して毎日観察する。死亡までの平均時間に関して、個体被験体または処置群(所与の免疫原についての免疫前対免疫ウサギIgG)の判定を行う。生存動物についての2、4、6、8、および14日目のマウス血清中のウサギIgGの滴定とともに、ウイルス接種後の2および4日目に、適切な組織(例えば、肺)内の感染性病原体について滴定を実施する。該当する組織(例えば、マウスの肺)の組織病理学の検査を、接種後の該当する時間に行う。
能動免疫化。ワクチンとして使用されるコンジュゲートで、マウスを能動免疫する。伝染性の強い病原体でのチャレンジに対する保護または感受性の程度を評価する。
物質および方法。生後4週間のBALB/cマウスの群(n=10)に、水酸化アルミニウムゲルアジュバント500μgと、PBS、対照として担体単独、またはワクチンとして使用されるコンジュゲート10μg(これは、ペプチド約1μgに対応し得る)を含有する100μlで腹腔内に免疫する。同じ免疫原を用いた2回または3回のブースター免疫化を、2週間間隔で与える。各ブーストの直前に、各群からの代表動物で血液試料を収集する。ペプチド免疫原に対する抗体価を、BSAにカップリングしたペプチド免疫原を用いたELISAによって試験する。マイクロ中和アッセイで、病原体を中和する能力について、マウス抗体をin vitroで試験する。10LD50ユニットの病原体を用いた接種によって動物にチャレンジする。生存時間、体重減少、および臨床症状について、チャレンジ後14日間毎日動物をモニターする。適切な組織(例えば、肺)内のウイルス力価を、接種後2、4、および6日目に求め、適切な組織(例えば、肺)の病理組織学的検査を、コンジュゲートで免疫された動物対対照動物において比較する。
ホモ二本鎖コンジュゲート応答に対するヘテロ二本鎖コンジュゲート応答の比較
ウサギおよびマウスを、図3Bのエピトープ5P/エピトープ6Pから構成されるヘテロ二本鎖コンジュゲート(HA1ペプチド5P,6P)で免疫する。これらの動物の免疫応答を、それぞれが致死性ウイルスチャレンジからの部分的な保護をもたらす、エピトープ5P/エピトープ5P(HA1ペプチド5P,5P)、またはエピトープ6P/エピトープ6P(HA1ペプチド6P,6P)から構成されるホモ二本鎖コンジュゲートで単独で免疫された動物の応答と比較する。
ホモ二本鎖コンジュゲート応答に対するヘテロ二本鎖コンジュゲート応答の比較
ウサギおよびマウスを、図3Bのエピトープ5P/エピトープ6Pから構成されるヘテロ二本鎖コンジュゲート(HA1ペプチド5P,6P)で免疫する。これらの動物の免疫応答を、それぞれが致死性ウイルスチャレンジからの部分的な保護をもたらす、エピトープ5P/エピトープ5P(HA1ペプチド5P,5P)、またはエピトープ6P/エピトープ6P(HA1ペプチド6P,6P)から構成されるホモ二本鎖コンジュゲートで単独で免疫された動物の応答と比較する。
生物学的実施例の結果
(生物学的実施例1)
ホモ二本鎖コンジュゲート5Aおよび5Pに対する抗体
鋳型化抗原5Aへのホモ二本鎖コンジュゲート、および鋳型化抗原5Pへのホモ二本鎖コンジュゲートを調製し(使用したコンジュゲートについては、図17を参照)、抗体を、記載したコンジュゲートに対して生成させた。抗体5Aならびに5Pは、5A抗体がH7N7 HA(群2)に結合しないことを除いて、5つのHAタンパク質、すなわち、H1N1 Solomon 2006、H5N1 Laos 2006、H2N2 Singapore 1957(群1)、ならびにH3N2 Uruguay 2007およびH7N7 Netherlands 2003(群2)への同様の結合性を示す。5Pに対する抗体は、群1のHAタンパク質に、群2のHAタンパク質より強く結合する。5P抗体は、5A抗体よりHAタンパク質に対して強い親和性を有する。これらの結果を、図18(5A)および図19(5P)に表示する。グラフ化したELISAデータを、以下の表1および表2に示す。
(生物学的実施例1)
ホモ二本鎖コンジュゲート5Aおよび5Pに対する抗体
鋳型化抗原5Aへのホモ二本鎖コンジュゲート、および鋳型化抗原5Pへのホモ二本鎖コンジュゲートを調製し(使用したコンジュゲートについては、図17を参照)、抗体を、記載したコンジュゲートに対して生成させた。抗体5Aならびに5Pは、5A抗体がH7N7 HA(群2)に結合しないことを除いて、5つのHAタンパク質、すなわち、H1N1 Solomon 2006、H5N1 Laos 2006、H2N2 Singapore 1957(群1)、ならびにH3N2 Uruguay 2007およびH7N7 Netherlands 2003(群2)への同様の結合性を示す。5Pに対する抗体は、群1のHAタンパク質に、群2のHAタンパク質より強く結合する。5P抗体は、5A抗体よりHAタンパク質に対して強い親和性を有する。これらの結果を、図18(5A)および図19(5P)に表示する。グラフ化したELISAデータを、以下の表1および表2に示す。
5P抗体は、群2と交差反応する(HAタンパク質の配列を参照)。この華々しい結果は、H3N2 HA中のWS−NAE−LV−LEN、またはH7N7 HA中のWS−NAE−LV−MENとほとんど同一である免疫原WT−NAE−LV−LEN中の配列に起因し得る。
ELISAアッセイで使用した赤血球凝集素(HA)タンパク質を、図17に示す。
ホモ二本鎖コンジュゲート6Aおよび6Pに対する抗体
鋳型化抗原6Aへのホモ二本鎖コンジュゲート、および鋳型化抗原6Pへのホモ二本鎖コンジュゲートを調製した(使用したコンジュゲートについては、図20を参照)。抗体を、記載したコンジュゲートに対して生成させた。
6A抗体は、群1中のH1N1 HAタンパク質に特異的に結合するが、H2N2およびH5N1に特異的に結合しない。6A抗体は、群2のHAタンパク質H3N2およびH7N7に結合しない。6P抗体は、群1のHAタンパク質(H1N1、H5N1、およびH2N2)のみに結合し、群2のHAタンパク質H3N2およびH7N7に結合しない。結合性を、図21(6A)および図22(6P)に示し、グラフ用のELISAデータを、以下の表3および表4に示す。ELISAアッセイで使用した赤血球凝集素(HA)タンパク質を、図17に示す。これらの結合性の結果は、免疫原6PのN末端長が延長されていることに起因し得る。これらの3つのHAタンパク質は、免疫原配列RT−DFH−SN−KNLと配列同一性を有する。HAタンパク質H3N2およびH7N7は、この領域において著しく異なり、それぞれHT−DLT−SE−NKLまたはHT−DLA−SE−NKLである。
ヘテロ二本鎖コンジュゲート5P/6P、ホモ二本鎖コンジュゲート5P、およびホモ二本鎖コンジュゲート6Pに対する抗体の比較
鋳型化抗原5P/鋳型化抗原6Pへのヘテロ二本鎖コンジュゲート、鋳型化抗原5Pへのホモ二本鎖コンジュゲート、および鋳型化抗原6Pへのホモ二本鎖コンジュゲートを調製し(使用したコンジュゲートについては、図28を参照)、抗体を、記載したコンジュゲートに対して生成させた
5Pホモ二本鎖免疫原は、5P/6Pヘテロ二本鎖抗体よりはるかに大きく交差反応性である抗体を生成し、6Pホモ二本鎖免疫原は、5P/6Pヘテロ二本鎖抗体より良好な交差反応性を示す抗体を生成する。
5P/6Pヘテロ二本鎖抗体は、他のホモ二本鎖5Pまたは6P抗体と比較して異なる特異性を示す。例えば、5P/6P抗体は、群1のHAタンパク質H2N2 HAに最も良好に結合し、群1のHAタンパク質H1N1およびH5N1 HAにより弱く結合するが、群2のHAタンパク質:H3N2およびH7N7に結合せず(図29を参照)、一方、5Pおよび6P抗体は、H1N1 HAに最も良好に結合し、その次に良好にH5N1 HAおよびH2N2 HAに結合する。(5P抗体は、群1のHAタンパク質H1N1、H5N1、およびH2N2に結合し、群2のHAタンパク質H3N2およびH7N7に結合し(図30を参照)、6P抗体は、群1のHAタンパク質H1N1、H5N1、およびH2N2に結合するが、群2のHAタンパク質H3N2およびH7N7に結合しない(図31を参照))。図29、図30、および図31でグラフ化したELISAデータを、それぞれ以下の表10、表11、および表12に示す。ELISAで使用した赤血球凝集素(HA)タンパク質を、図17に示す。
5P/6Pヘテロ二本鎖免疫原のこれらの結果は、2つの異なるエピトープに対する抗体を生成するのに1つのヘテロ二本鎖免疫原を使用することの実現可能性を実証する。
前述の発明を、理解を明瞭にする目的で例示および実施例によって幾分詳細に記述してきたが、ある特定の軽微な変更および改変が実施されることは、当業者に明らかである。したがって、これらの記述および実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
Claims (18)
- 各ポリペプチドが少なくとも2つの7アミノ酸反復を含み、長さがおよそ等しい2つの鋳型化アルファヘリックスポリペプチドであり、少なくとも1つのウイルスに由来するポリペプチドと、
前記2つのポリペプチドの間の共有結合性連結と、
前記ポリペプチドの1つに共有結合的に連結された担体タンパク質と、
を含む、コンジュゲートであって、
第1のポリペプチドは、形態:
[I−b1i−c1i−L−e1i−f1i−g1i]n、
を含み、ここで、[I−b1i−c1i−L−e1i−f1i−g1i]は、前記第1のポリペプチドの配列中でn回反復するパターンであり、少なくとも2つの別個の7アミノ酸セグメントを生じ、
各セグメント中のIは、イソロイシンであり、
各セグメント中のLは、ロイシンであり、
nは、少なくとも2の整数であり、
iは、1〜nの整数であり、ここで、iの値は、それが現れる前記セグメントの位置によって、前記配列中に最初に現れるN末端セグメントにi=1の値が割り当てられ、セグメントが追加されるごとにiが1ずつ増え、C末端セグメントにi=nの値が割り当てられるように決定され、
前記nセグメントのそれぞれにおける各b、c、e、f、およびgは、前記第1のポリペプチドのすべての他のセグメント中の、および第2のポリペプチドのすべてのセグメントの各b、c、e、f、およびgアミノ酸とは独立に選択され、
前記b、c、e、f、およびgアミノ酸は、1つのエピトープから選択され、
前記第2のポリペプチドは、形態:
[I−b2i−c2i−L−e2i−f2i−g2i]n、
を含み、ここで、[I−b2i−c2i−L−e2i−f2i−g2i]は、前記第2のポリペプチドの配列中でn回反復するパターンであり、少なくとも2つの別個の7アミノ酸セグメントを生じ、
各セグメント中のIは、イソロイシンであり、
各セグメント中のLは、ロイシンであり、
nは、少なくとも2の整数であり、前記第1のポリペプチドのnと同じであり、
iは、1〜nの整数であり、ここで、iの値は、それが現れる前記セグメントの位置によって、前記配列中に最初に現れるN末端セグメントにi=1の値が割り当てられ、セグメントが追加されるごとにiが1ずつ増え、C末端セグメントにi=nの値が割り当てられるように決定され、
前記nセグメントのそれぞれにおける各b、c、e、f、およびgは、前記第2のポリペプチドのすべての他のセグメント中の、および前記第1のポリペプチドのすべてのセグメントの各b、c、e、f、およびgアミノ酸とは独立に選択され、
前記b、c、e、f、およびgアミノ酸は、前記第1のポリペプチドの前記エピトープとは異なる1つのエピトープから選択され、
前記コンジュゲートは、形態:
ここで、担体部分、リンカーA、リンカーB1、モディファイヤーB2、エピトープ1モディファイヤー、およびエピトープ2モディファイヤーは、任意選択により存在し、
鋳型化エピトープ1と鋳型化エピトープ2との間に追加の共有結合性リンカーCを任意選択により含むか、
エピトープ1モディファイヤーとエピトープ2モディファイヤーとの間に追加の共有結合性リンカーDを任意選択により含むか、または
鋳型化エピトープ1と鋳型化エピトープ2との間の追加の共有結合性リンカーC、およびエピトープ1モディファイヤーとエピトープ2モディファイヤーとの間の追加の共有結合性リンカーDを任意選択により含み、ここで、前記エピトープ1モディファイヤーおよび前記エピトープ2モディファイヤーは存在し、親水性アミノ酸、極性アミノ酸、および荷電アミノ酸から選択され、前記[リンカーA]部分は存在し、前記[リンカーB1]部分は存在し、
ただし、エピトープ1モディファイヤーおよびエピトープ2モディファイヤーの両方が存在するか、またはリンカーCが存在するか、またはリンカーDが存在するのいずれかである、コンジュゲート。 - 鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2が、同じウイルスの同じ株から選ばれる2つの異なるエピトープ配列に由来する、請求項1に記載のコンジュゲート。
- 鋳型化エピトープ1が由来するエピトープ配列が、一ウイルスの一株から選ばれ、鋳型化エピトープ2が選ばれるエピトープ配列が、同じウイルスの異なる株中の同じエピトープからのものである、請求項1に記載のコンジュゲート。
- 鋳型化エピトープ1が由来するエピトープ配列が、一ウイルスの一株から選ばれ、鋳型化エピトープ2が選ばれるエピトープ配列が、同じウイルスの異なる株中の異なるエピトープからのものである、請求項1に記載のコンジュゲート。
- 鋳型化エピトープ1が由来するエピトープ配列が、一ウイルスから選ばれ、鋳型化エピトープ2が選ばれるエピトープ配列が、異なるウイルスからのものである、請求項1に記載のコンジュゲート。
- 前記ウイルスがインフルエンザウイルスである、請求項1から4のいずれかに記載のコンジュゲート。
- 鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2の一方が、インフルエンザウイルスから選ばれる配列に由来し、鋳型化エピトープ1および鋳型化エピトープ2の他方が、インフルエンザウイルス以外のウイルスから選ばれる配列に由来する、請求項5に記載のコンジュゲート。
- 鋳型化エピトープ1が、インフルエンザPR8 HA2 5P(420−448)鋳型化エピトープ5P(IENLNKKIDDLFLDIWTLNAEILVLLENCRR−アミド(配列番号:))であり、鋳型化エピトープ2が、インフルエンザPR8 HA2 6P(448−476)鋳型化エピトープ6P(IRTLDFHISNLKNLIEKLKSQIKNLAKECRR−アミド(配列番号:))である、請求項2に記載のコンジュゲート。
- 形態:
- 形態:
- 前記担体部分が、タンパク質、キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、オボアルブミン、破傷風トキソイド、コレラサブユニットB、H.influenzaのタンパク質D、ジフテリアトキソイド、無差別T細胞ペプチドエピトープ、無差別ヒト麻疹T細胞ペプチドエピトープ、ペプチドKLLSLIKGVIVHRLEGVE(配列番号:)、非タンパク質性部分、多糖、またはアルギン酸(アルギネート)から選択される、請求項1に記載のコンジュゲート。
- 前記担体部分と、リンカーA(存在する場合)、リンカーB1(リンカーAの非存在下で存在する場合)、または鋳型化エピトープ1(リンカーAおよびリンカーB1が存在しない場合)との間の前記連結が、化学的に確定されたものである、請求項1に記載のコンジュゲート。
- 防御免疫応答を生じさせる必要のある被験体において防御免疫応答を生じさせる方法であって、被験体に、前記防御免疫応答を生成するのに十分な量で請求項1から12のいずれかに記載のコンジュゲートを投与するステップを含む、方法。
- 抗体応答を誘導する必要のある個体において抗体応答を誘導する方法であって、その必要のある個体に、前記個体において抗体応答を誘導するのに十分な量で請求項1から12のいずれかに記載のコンジュゲートを投与するステップを含む、方法。
- 前記抗体応答が中和抗体の生成である、請求項14に記載の方法。
- 防御免疫応答を生じさせる必要のある被験体において防御免疫応答を生じさせる方法であって、被験体に、前記防御免疫応答を生成するのに十分な量で請求項1に記載のコンジュゲートを投与するステップを含む、方法。
- 抗体応答を誘導する必要のある個体において抗体応答を誘導する方法であって、その必要のある個体に、前記個体において抗体応答を誘導するのに十分な量で請求項1に記載のコンジュゲートを投与するステップを含む、方法。
- 前記抗体応答が中和抗体の生成である、請求項17に記載の方法。
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