JP2014506562A5 - 治療的免疫応答及び予防的免疫応答の両方を誘発するポリペプチド(複数可)保持CyaA及びその使用 - Google Patents

治療的免疫応答及び予防的免疫応答の両方を誘発するポリペプチド(複数可)保持CyaA及びその使用 Download PDF

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(発明の分野)
本発明は、ポリペプチド(複数可)保持CyaAをベースとした手段に関し、この手段は、前記ポリペプチド(複数可)に含まれる第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答を誘発することによる、哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態(複数可)の免疫治療、及び前記ポリペプチド(複数可)に含まれる第2の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、同じ哺乳動物宿主における第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防に使用され、前記免疫応答は、前記ポリペプチド(複数可)保持ベクターの前記宿主への投与後に得られ、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防は、前記第2の群のエピトープが前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない。特定の実施態様では、本発明は、ポリペプチド(複数可)保持CyaAをベースとした手段に関し、この手段は、(i)前記ポリペプチド(複数可)に含まれる第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答を誘発することによる、哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態(複数可)の免疫治療、(ii)前記ポリペプチド(複数可)に含まれる第2の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、同じ哺乳動物宿主における第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防、及び(iii)前記ポリペプチド(複数可)に含まれる前記第1の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、前記第1の確定される病的状態(複数可)の再発の防止に使用され、前記免疫応答は、前記ポリペプチド(複数可)保持ベクターの前記宿主への投与後に得られ、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防は、前記第2の群のエピトープが前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない。
実際、CyaAをベースとした多価治療法の使用は、確定された感染又は癌を治療し、場合によっては根絶する一方、同じ患者において、予防的防御が求められる、ポリペプチド(複数可)保持CyaAに含まれる標的エピトープに対する強力な免疫応答、好ましくは、防御T細胞記憶応答を誘発し、かつ任意に、前記確定された感染又は癌の再発に対する防御的及び予防的応答を誘発する前記ポリペプチド(複数可)の潜在能力を際立たせる。
(発明の詳細な説明)
本発明は、(i)哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態(複数可)の免疫治療、(ii)同じ哺乳動物宿主における第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防に使用され、かつ(iii)任意に、前記第1の確定される病的状態(複数可)の再発の防止に使用される手段に関する。免疫応答は、(i)前記診断される病的状態(複数可)を治療するために活性成分(複数可)として設計されたポリペプチド(複数可)に含まれる第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答を誘発することによって、及び(ii)前記第2の確定される病的状態(複数可)の発症又は発生を防止するために活性成分(複数可)として設計されたポリペプチド(複数可)に含まれる第2の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによって、及び(iii)任意に、前記第1の確定される病的状態(複数可)の再発を防止する前記第1の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによって得られ、前記免疫応答は、前記ポリペプチド(複数可)保持ベクターの前記宿主への投与後に得られ、ここで、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、前記第2の群のエピトープが前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない。これらの手段は:
(1)活性成分としてのポリペプチド(複数可)保持ベクターであって、ポリペプチド(複数可)を保持する前記ベクターが、哺乳動物宿主における免疫系に前記ポリペプチド(複数可)を提示するのに適したCyaAタンパク質又はその断片からなる、該ポリペプチド(複数可)保持ベクター;
(2)医薬として許容し得るビヒクル(vehicle)又は製剤と組み合わせて、(1)で定義されたポリペプチド(複数可)保持ベクターを含む組成物を含む、このような活性成分を構成する又は含む組成物;及び
(3)第1の群のエピトープを含む第1のポリペプチド(複数可)保持ベクター及び第2の群のエピトープを含む第2の別のポリペプチド(複数可)保持ベクターを含む組成物を含む。
従って、第1の実施態様では、本発明は、ポリペプチド(複数可)保持ベクターに関し、ポリペプチド(複数可)を保持する前記ベクターは、前記ポリペプチド(複数可)を哺乳動物宿主における免疫系に提示するのに適したCyaAタンパク質又はその断片からなり、(i)前記ポリペプチド(複数可)に含まれる第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答を誘発することによる、前記哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態(複数可)の免疫治療、及び(ii)前記ポリペプチド(複数可)に含まれる第2の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、同じ哺乳動物宿主における第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防に使用され、かつ(iii)任意に、前記ポリペプチド(複数可)に含まれる前記第1の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、前記第1の確定される病的状態(複数可)の再発の防止に使用され、前記免疫応答が、前記ポリペプチド(複数可)保持ベクターの前記宿主への投与後に得られ、ここで、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、前記第2の群のエピトープが、前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない。
本発明はまた、医薬として許容し得るビヒクルと組み合わせて、ポリペプチド(複数可)保持ベクターを含む組成物にも関し、ポリペプチド(複数可)を保持する前記ベクターは、前記ポリペプチド(複数可)を哺乳動物宿主における免疫系に提示するのに適したCyaAタンパク質又はその断片からなり、(i)前記ポリペプチド(複数可)に含まれる第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答を誘発することによる、前記哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態(複数可)の免疫治療、及び(ii)前記ポリペプチド(複数可)に含まれる第2の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、同じ哺乳動物宿主における第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防に使用され、かつ(iii)任意に、前記ポリペプチド(複数可)に含まれる前記第1の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、前記第1の確定される病的状態(複数可)の再発の防止に使用され、前記免疫応答が、前記組成物の前記宿主への投与後に得られ、ここで、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、前記第2の群のエピトープが、前記投与される組成物のポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない。
本発明はまた、任意に、医薬として許容し得るビヒクルの組み合わせた、組成物にも関し、該組成物は:
(a)第1のポリペプチド(複数可)保持ベクターであって、ポリペプチド(複数可)を保持する前記第1のベクターが、哺乳動物宿主における免疫系に前記ポリペプチド(複数可)を提示するのに適したCyaAタンパク質又はその断片からなり、第1の群のエピトープが、前記第1のベクターの前記ポリペプチド(複数可)に含まれている、該第1のポリペプチド(複数可)保持ベクター;
(b)第2の別のポリペプチド(複数可)保持ベクターであって、ポリペプチド(複数可)を保持する前記第2のベクターが、哺乳動物宿主における免疫系に前記ポリペプチド(複数可)を提示するのに適したCyaAタンパク質又はその断片からなり、第2の群のエピトープが、前記第2のベクターの前記ポリペプチド(複数可)に含まれている、該ポリペプチド(複数可)保持ベクター;及び
(c)任意に、(a)及び(b)のポリペプチド(複数可)保持ベクターとは異なる1つ以上の追加のポリペプチド(複数可)保持ベクターを含み、
(i)前記第1の群のエピトープに関連した病原体に対する併用免疫治療、及び(ii)前記第2の群のエピトープに関連した免疫学的予防に使用され、かつ(iii)任意に、前記第1の確定される病的状態(複数可)の再発の予防に使用され、ここで、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、前記投与される組成物のポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない。
表現「CyaA断片」は、CyaAタンパク質の一部分を意味し、任意に、完全長CyaAタンパク質のC末端部の全て又は一部を含む。但し、前記断片は、哺乳動物宿主の免疫系に前記ポリペプチド(複数可)を提示することができる、すなわちポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれるエピトープに対する特異的な免疫応答(複数可)の誘発をもたらす、又は前記応答に有利に働き得るものとする。特に、前記CyaA断片は、CD11b発現細胞に特異的に結合することができ、かつ任意に、前記ポリペプチド(複数可)を細胞サイトゾルに送達することができる。前記断片は、切断されたCyaAタンパク質(N終末端及び/又はC終末端の欠失)又はアミノ酸残基(複数可)が内部欠失した完全長タンパク質を包含する。従って、本発明によるCyaAタンパク質の特定の断片は、百日咳菌CyaAタンパク質のアミノ酸残基372〜1706(最初の371残基が切断されている)からなる。別の特定の断片は、アミノ酸残基225〜234が欠失した百日咳菌CyaAタンパク質であり、従って、残基1〜224及び235〜1706からなるCyaA断片(内部欠失)である。用語「特異的に」は、本発明の文脈においては、アデニル酸シクラーゼ又はその断片が、ベクター分子として使用されると、CD11b発現細胞に優先的に誘導され、それによって、他の細胞(CD11bを発現しない細胞)に対して選択的に前記細胞の表面又は前記細胞内にあるポリペプチド(複数可)を標的とする手段を提供する。
さらなる特定の実施態様では、用語「CyaA」は、翻訳後修飾、例えば、その残基の少なくとも1つ、特に2つの内部リジン残基(リジン860及び983)の翻訳後パルミトイル化によって修飾されたCyaAタンパク質(又はその断片)も包含する。この(これらの)翻訳後修飾(複数可)は、cyaA遺伝子とcyaC遺伝子の同時発現によって得ることができる。従って、ポリペプチド(複数可)保持ベクター内のCyaAタンパク質又はその断片は、細胞、特に組み替え細胞でのcyaA遺伝子とcyaC遺伝子の両方の同時発現の結果として得られるCyaAタンパク質又はその断片であり得る。
表現「ポリペプチド(複数可)保持ベクター」は、CyaAタンパク質(又はその断片)が、少なくとも1つのポリペプチドを保持することを意味し、このポリペプチドは、CyaAに対して異種であり、特に本明細書で定義されるCyaA断片ではなく、かつ特にCyaAと免疫学的に交差反応しない。表現「少なくとも1つ」は、1つ以上のポリペプチド、特に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のポリペプチド(複数可)、好ましくは、1、2、又は3のポリペプチド(複数可)である。
ベクター分子によって保持されるポリペプチドに対する表現「由来する」は、完全長抗原タンパク質、又はこの抗原タンパク質の断片、又は互いに融合された抗原タンパク質のいくつかの部分からなるエピトープを保持する合成非天然ポリペプチド、又は互いに融合されたいくつかのタンパク質の1つ以上の部分(複数可)からなる合成非天然ポリペプチドを意味する。但し、その断片又は合成非天然ポリペプチドは、ベクター分子(複数可)によって保持されると、この断片又はポリペプチドに含まれる抗原決定基に対する免疫応答、特にT細胞免疫応答を誘発することができるものとする。この定義によると、ベクター分子(複数可)によって保持されるポリペプチド(複数可)は、ユニークなエピトープである、又はこのエピトープを含む、或いはエピトープの群である、又はこのエピトープの群を含む。表現「エピトープの群」は、少なくとも1つのエピトープ、すなわち1つ以上のエピトープ、特に、10〜500のエピトープ、50〜200のエピトープ、80〜150のエピトープを含む。特定の実施態様では、表現「エピトープの群」は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のエピトープを意味する。特定の実施態様では、ベクター分子(複数可)によって保持されるポリペプチド(複数可)は、ポリペプチド、すなわち少なくとも2つのエピトープ、特に少なくとも2つのT細胞エピトープを備えたポリペプチドである、又はこのポリペプチドを含む。本発明の範囲内のエピトープは、線形又は高次構造のいずれかであり、好ましくは、線形であり、そして細胞性免疫応答、特にT細胞免疫応答の誘発に関与する任意のアミノ酸配列である。従って、本明細書に記載されるポリペプチド(複数可)保持ベクターにおけるエピトープは、宿主でAPC(抗原提示細胞)によって処理されるエピトープ、特に、MHC(主要組織適合複合体)クラスI分子に関連して認識されるTエピトープ、例えば、標的細胞がCD8+ Tリンパ球であるエピトープ、又はMHCクラスII分子に関連して認識されるTエピトープ、例えば、標的細胞がCD4+ Tリンパ球であるエピトープを含む。特定の実施態様では、ポリペプチド(複数可)は、液性応答に関与するBエピトープ(複数可)も含む。特定の実施態様では、ベクター分子(複数可)によって保持されるポリペプチド(複数可)は、いくつかの異なるエピトープ又はいくつかの同一のエピトープからなる、又はこれらを含む。
本発明によると、ポリペプチド(複数可)保持ベクターは、少なくとも2つの異なるエピトープの群を含み、第1の群のエピトープは、T細胞免疫応答を誘発して、哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態(複数可)の免疫治療を可能にすることができ、第2の群のエピトープは、T細胞免疫応答を誘発して、同じ哺乳動物宿主における第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防を可能にすることができる。特定の実施態様では、第1の群のエピトープは、任意に、哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態(複数可)の免疫治療を提供するT細胞応答に加えて、前記ポリペプチド(複数可)に含まれる前記第1の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発して、前記第1の確定される病的状態(複数可)の再発の防止を可能にすることができる。
本発明によると、前記ポリペプチド(複数可)保持ベクターに前記第2の群のエピトープが存在しないと、第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防が観察されない。これは、第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防を達成するためには、本明細書に定義される第2の群のエピトープが必要であることを意味する。
特定の実施態様では、第2の群のエピトープ[ポリペプチド(複数可)保持ベクター中の]は、第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防を達成するために必要であり、かつ十分であり;この実施態様では、誘発された免疫応答における第2の群のエピトープのみの寄与が、第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防を達成するのに十分である。言い換えれば、前記第2の群のエピトープの投与と前記予防応答との間に因果関係が存在する。
別の実施態様では、第2の群のエピトープ[ポリペプチド(複数可)保持ベクター中の]は、第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防を達成するために必要であるが、第1の群の寄与では不十分である、又は第1の群の恩恵を受けない。すなわち、第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防は、第2の群のエピトープに対して誘発される免疫応答と第1の群のエピトープに対して誘発される免疫応答との間の相乗効果により達成される。後者の場合には、両方の群のエピトープの寄与が、第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防を達成するために必要である。
第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防[用語、予防は以下に定義される]における第2の群のエピトープの必要な寄与は、以下の2つの群の哺乳動物、特に以下の2つの群のマウスにおける前記第2の確定される病的状態(複数可)に対する本発明のポリペプチド(複数可)保持ベクターの投与の効果を比較することによって証拠を示すことができる:(1)本出願で定義される第2の群のエピトープを有していない本発明のポリペプチド(複数可)保持ベクターが投与された哺乳動物、及び(2)本出願で定義される第2の群のエピトープを有する本発明のポリペプチド(複数可)保持ベクターが投与された哺乳動物。
表現「ここで、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、前記第2の群のエピトープが前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない」から分かるように、本明細書で定義される第1の群のエピトープが、第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防を達成するのに十分であるとは言えない。
特定の実施態様では、ポリペプチド(複数可)は、HPV株、特に、アルファパピローマウイルス属、ベータパピローマウイルス属、ガンマパピローマウイルス属、デルタパピローマウイルス属、エプシロンパピローマウイルス属、ゼータパピローマウイルス属、イータパピローマウイルス属、シータパピローマウイルス属、アイオタパピローマウイルス属、カッパパピローマウイルス属、ラムダパピローマウイルス属、ミューパピローマウイルス属、ニューパピローマウイルス属、クサイパピローマウイルス属、オマイクロンパピローマウイルス属、及びパイパピローマウイルス属の中から選択されるHPV株に由来する少なくとも1つのエピトープを含む。特定の実施態様では、ヒト指向性(human tropism)を有するパピローマウイルス、例えば、アルファパピローマウイルス属、ベータパピローマウイルス属、ガンマパピローマウイルス属、ミューパピローマウイルス属、又はニューパピローマウイルス属由来の株が好ましい。より特定の実施態様では、ポリペプチド(複数可)は、アルファパピローマウイルス属由来のHPV株、特にアルファパピローマウイルス属のHPV種7及び9由来する株に由来する少なくとも1つのエピトープを含む(de Villiersらの文献、Virology 2004年)。従って、ポリペプチド(複数可)は、HPV高発癌性タイプ種、例えば、HPV16、HPV18、HPV31、HPV33、HPV35、HPV45、HPV52、又はHPV58に由来する少なくとも1つのエピトープを含む。これらのタイプ種の中で、HPV18及びHPV16は、特に興味深い。一実施態様では、本明細書に記載されるベクター分子(複数可)によって保持されるポリペプチドは、上記の中から選択される異なるHPV株又は異なるHPVタイプ種に由来する。別の特定の実施態様では、どんなHPV株又はHPVタイプ種でも、ポリペプチドは、L1、L2、E1、E2、E4、E5、E6、又はE7タンパク質に由来し、HPV株又はHPVタイプ種のE6又はE7タンパク質に由来するエピトープを有するポリペプチドが特に興味深い。特定の実施態様では、本明細書に記載されるベクター分子(複数可)によって保持されるポリペプチドは、同じHPVタンパク質に由来するが、上記の中から選択される異なるHPV株又は異なるHPVタイプ種に由来する。本発明の特定の実施態様では、HPV16のE6又はE7タンパク質及びHPV18のE6又はE7タンパク質、より好ましくはHPV16及びHPV18HPVタイプ種のE7タンパク質が、ポリペプチドの設計に使用される。本発明の特定の実施態様によると、ベクター分子は、好ましくは遺伝子挿入によって、いくつかのポリペプチドを保持し、これらのポリペプチドはそれぞれ、少なくとも2つの異なるHPV株又は2つの異なるHPVタイプ種の1つ又は複数のHPVタンパク質の1つ又は複数のエピトープ含む又はこのエピトープからなる。従って、特定の実施態様は、HPV16及びHPV18HPVタイプ種の両方に由来するE6又はE7タンパク質に由来するエピトープを含む1つ又は複数のポリペプチドを保持するCyaAタンパク質又はその断片からなるポリペプチド(複数)保持ベクターである。別の実施態様では、本発明は、HPV16に由来するE6又はE7タンパク質に由来するエピトープを含む1つ又は複数のポリペプチドを保持する第1のベクター分子(第1の群のエピトープを含む第1のポリペプチド(複数)保持ベクター)、及びHPV18に由来するE6又はE7タンパク質に由来するエピトープを含む1つ又は複数のポリペプチドを保持する別のベクター分子(第2の群のエピトープを含む別のポリペプチド(複数)保持ベクター)を含む組成物に関する。いくつかのポリペプチドが、1つのベクター分子によって保持される場合、これらのポリペプチドは、ベクター分子の異なる部位、特に許容部位に挿入される、同じタンパク質、例えば、E7又はE6タンパク質の異なる断片からなっても良い。
従って、本発明に使用される組成物は、ポリペプチド(複数可)がHPV16のE7タンパク質に由来するポリペプチド(複数可)保持ベクター、及びポリペプチド(複数可)がHPV18のE7タンパク質に由来するポリペプチド(複数可)保持ベクターを含む。このような組成物の例として:
(a)HPV16のE7の残基1〜29を含む断片又はこの残基1〜29からなる断片である第1のポリペプチド、及びHPV16のE7タンパク質の残基43〜98を含む断片又はこの残基43〜98からなる断片である第2のポリペプチドを保持する第1のベクター分子。好ましいは実施態様では、第1のポリペプチドは、HPV16-E7の最初の29のアミノ酸残基であり、CyaAのコドン319〜320の間に挿入され、第2のポリペプチドは、HPV16-E7の残基43〜98からなり、CyaAのコドン224〜235の間に挿入される(pKTRACE5-HPV16E7Δ30-42ベクターで表される);及び
(b)HPV18のE7の残基1〜31を含む断片又はHPV18のE7の残基1〜31からなる断片である第1のポリペプチド、及びHPV18のE7の残基43〜105を含む断片又はHPV18のE7の残基43〜105からなる断片である第2のポリペプチドを保持する別のベクター分子。好ましいは実施態様では、第1のポリペプチドは、HPV18-E7の最初の31のアミノ酸残基であり、CyaAのコドン319〜320の間に挿入され、第2のポリペプチドは、HPV18-E7の残基43〜105からなり、CyaAのコドン224〜235の間に挿入される(pKTRACE5-HPV18E7Δ32-42ベクターで表される)。
別の実施態様では、ポリペプチド(複数可)は、MAGE A3腫瘍抗原に由来する少なくとも1つのエピトープを含み、例えば、MAGE A3の残基97〜178からなるポリペプチド(配列番号8)、又は、例えば、MAGE A3の残基242〜295に融合された残基190〜221からなるポリペプチド(配列番号9)である。特定の実施態様では、本発明のポリペプチド(複数可)保持ベクター(又はそれを含む組成物)は、CyaAタンパク質、好ましくは、百日咳菌CyaAからなり、MAGE A3に由来する2つのポリペプチドが2つの異なる部位に挿入されている。このようなポリペプチド(複数可)保持ベクターは、百日咳菌CyaAからなり、(1)MAGE A3の残基97〜178からなる第1のポリペプチドが、CyaAのコドン319〜320の間に挿入され、かつ(2)MAGE A3の残基242〜295に融合された残基190〜221からなる第2のポリペプチドが、CyaAのコドン234〜235の間に挿入されている。CyaA- MAGE A3ベクターの特定の例は、図4Cに示されている(配列番号7)。
それ自体又は組成物中の、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクターは、同じ哺乳動物宿主、特にヒト宿主において、(i)前記ポリペプチド(複数可)に含まれる第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答を誘発することによる、前記哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態(複数可)の免疫治療、及び(ii)前記ポリペプチド(複数可)に含まれる第2の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防、及び(iii)任意である、前記ポリペプチド(複数可)に含まれる前記第1の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、前記第1の確定される病的状態(複数可)の再発の防止を達成するために用いられ、前記免疫応答が、前記ポリペプチド(複数可)保持ベクターの前記宿主への投与後に得られ、ここで、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、前記第2の群のエピトープが、前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない。本発明の一実施態様によると、ベクター分子によって保持される、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)は、以下の2つの群によって分類することができる、求められているエピトープの群によって選択される:
・第1の群のエピトープは、ポリペプチド(複数可)に関係し、このポリペプチドは、特定の腫瘍を発生させる又は第1の確定される病的状態(複数可)を引き起こす、特定の病原体によって発現される又はこの病原体に感染した哺乳動物宿主の免疫系によって提示されることが分かっている抗原に由来し、前記哺乳動物宿主が、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物の投与の前に、前記特定の感染、前記特定の腫瘍、又は前記第1の確定される病的状態(複数可)と診断されている;及び
・第2の群のエピトープは、ポリペプチド(複数可)に関係し、このポリペプチドは、別の特定のタイプの腫瘍を発生させる又は第2の確定される病的状態(複数可)を引き起こす、別の特定の病原体によって発現される又はこの病原体に感染した哺乳動物宿主の免疫系によって提示されることが分かっている抗原に由来し、前記哺乳動物宿主が、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物の投与の前には、前記別の特定の病原体に感染していない、前記別の特定のタイプの腫瘍を発生していない、又は前記第2の確定される病的状態(複数可)を引き起こしていない。
1つのポリペプチド(複数可)保持ベクターが、それ自体で、又は組成物に含められて使用される場合、該ベクターは、第1の群のエピトープ(複数可)及び第2の群の(複数可)を含む、すなわち前記第2の群のエピトープが第1の群のエピトープと同じポリペプチド内に含められている、1つポリペプチドを保持することができる。
別の実施態様では、前記第1の群のエピトープ(複数可)と第2の群のエピトープ(複数可)は、異なるポリペプチドに含められる。第1の群のエピトープ(複数可)を含むポリペプチド及び第2の群のエピトープ(複数可)を含むポリペプチドは、同じベクター分子によって保持することができる。別の実施態様では、第1の群のエピトープ(複数可)を含むポリペプチド及び第2の群のエピトープ(複数可)を含むポリペプチドは、異なるベクター分子が保持することができ、同じ組成物に含めることができる。第1と第2の別のポリペプチド(複数可)保持ベクターを含む組成物が使用される場合、第1のベクター分子は、第1の群のエピトープ(複数可)を含む少なくとも1つのポリペプチドを保持する、すなわち少なくとも第1の群のエピトープ(複数可)を含む1つのポリペプチドが、前記第1のベクター分子によって保持される。同じ組成物において、第2のベクター分子は、第2の群のエピトープ(複数可)を含む少なくとも1つのポリペプチドを保持する、すなわち少なくとも第2の群のエピトープ(複数可)を含む1つのポリペプチドが、前記第2の別のベクター分子によって保持される。最後に、任意の1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、又は6)のポリペプチド(複数可)保持ベクターも、この/これらのポリペプチド(複数可)保持ベクターにどんなエピトープの群が含まれていても、前記組成物中に含めることができる。
「免疫応答」とは、細胞性免疫応答、特にT細胞性免疫応答のことである。特定の実施態様では、前記T細胞性免疫応答は、細胞性細胞傷害性免疫応答CTL、特にCD8+免疫応答である。腫瘍抗原に由来するポリペプチド(複数可)の場合、免疫応答は、好ましくは、腫瘍特異的細胞傷害性リンパ球が関与する腫瘍特異的細胞傷害性免疫応答である。特定の実施態様では、前記T細胞性免疫応答は、CD4+免疫応答、特にTヘルパー免疫応答である。特定の実施態様では、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物の投与後の免疫応答、特に第2の群のエピトープ(本明細書で定義される)に対して誘発される免疫応答(複数可)は、記憶T細胞免疫応答である。表現「免疫応答」は、上記定義された細胞性免疫応答に加えて、液性免疫応答(抗体の生産)も含み得る。本出願の範囲内の説明された免疫応答は、本発明のポリペプチド(複数可)保持ベクター自体又は組成物に含められた該ポリペプチド(複数可)保持ベクターの宿主への投与後に得られる。
表現「免疫治療」は、本明細書で定義される投与されるベクター分子(複数可)によって保持されるポリペプチド(複数可)に含まれる第1の群のエピトープに対して、特にT細胞免疫応答を誘発することによる、哺乳動物宿主で診断される(第1の)確定される病的状態(複数可)の治療を指す。本明細書で定義されたポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物の使用の目的は、病原体に感染している、又は病的状態、例えば、腫瘍に罹患していると診断された、臨床状態(複数可)の改善を必要とする哺乳動物宿主の臨床状態(複数可)を改善すること、又は疾患の原因となる物質又は生物を排除すること、又は前記物質もしくは生物を低減することである。病原体感染の状態では、免疫治療により、感染部位又は病原体の複製部位、特に宿主の血漿又は粘膜におけるこの病原体負荷が有意に減少し、場合によっては、病原体負荷、例えば、血漿負荷が、測定したときに検出され得る負荷よりも小さくなる、又は腫瘍が存在する場合にはその大きさが縮小する、又はその成長が低下する。
表現「免疫学的予防」又は「予防」は、本明細書で定義される投与されるベクター分子(複数可)によって保持されるポリペプチド(複数可)に含まれる第2の群のエピトープに対する、特にT細胞記憶免疫応答の誘発によって、同じ哺乳動物宿主における第2の確定される病的状態(複数可)又は疾患の遭遇、感染、発症、もしくは進行、又はその臨床的結果を防止又は防御する応答を指す。本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物を使用すると、将来の感染、将来の悪性事象、又は疾患に対する予防的免疫応答が起こり、従って、前記哺乳動物宿主における病的状態の発生が防止される。
表現「再発の防止」は、第1の確定される病的状態(複数可)、すなわち本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物の投与後に既に診断されて治療された状態の新たな将来の遭遇、新たな将来の感染、新たな将来の発症、又は新たな将来の進行を予防する免疫応答の誘発を指す。
本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物の投与(複数可)後に、第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答及び第2の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答の両方が誘発され、かつ任意に、前記第1の群のエピトープに対する応答が、特定の時間枠内で同じ哺乳動物宿主で誘発されることを理解されたい。従って、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物の少なくとも1回の投与により、第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答、及び第2の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答が誘発され、かつ任意に、前記第1の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答が誘発され、これらは、投与から1ヶ月〜12ヶ月以上(特に、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、又は12ヶ月)後に証拠を得ることができ、かつ/又は測定することができるが、これら免疫応答の一方又は両方に関与するT細胞は、投与から数年後でも証拠を得ることができる。表現「少なくとも1回の投与」又は「1回投与する」は、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物を、哺乳動物宿主、特に患者に、1回以上、好ましくは1回又は2回投与することを意味する。各投与は、少なくとも1つのポリペプチド(複数可)保持ベクターからなる。ただし、少なくとも1つのベクター分子(複数可)によって保持される少なくとも1つのポリペプチド(複数可)に含まれる第1の群のエピトープ及び第2の群のエピトープが、前記第2の群のエピトープの少なくとも1つのエピトープと共に、同時に哺乳動物宿主に投与されるものとする。適切な場合には、2回目の投与及び場合によっては次の投与(プライムブースト)が、ポリペプチド(複数可)に関して最初の投与と同じポリペプチド(複数可)保持ベクター又は最初の投与と同じ組成物を用いて行われる。以下に報告する実験は、免疫治療及び予防、並びに任意である再発の防止を、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物の単回投与で達成できることを示す。
特定の実施態様では、本発明は、(i)哺乳動物宿主で診断される、病原体感染の後、特に細菌感染又はウイルス感染の後に起こる第1の病的状態(複数可)の免疫治療、及び(ii)異なる病原体による感染の後、特に異なる細菌又は異なるウイルス(又は異なるそれらの株)による感染の後に起こる第2の病的状態(複数可)に対する予防に使用され、かつ(iii)任意に、前記第1の病的状態(複数可)の再発の防止に使用される、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物に関し、前記第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、前記異なる病原体(例えば、異なる細菌又は異なるウイルス)に結合された第2の群のエピトープが、前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない。異なるウイルス株、特に異なるHPV株又は異なるHPVタイプ種に感染した後に起こる特定の場合の病的状態(複数可)では、本発明は、(i)哺乳動物宿主で診断される、病原体感染後、第1のウイルス、第1のHPV株、又は第1のHPVタイプ株による感染の後に起こる第1の病的状態(複数可)の免疫治療、及び(ii)第2の異なるウイルス、第2の異なるHPV株、又は第2の異なるHPVタイプ株による感染の後に起こる第2の病的状態(複数可)に対する予防に使用され、かつ(iii)任意に、前記第1の病的状態(複数可)の再発の防止に使用される、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物に関し、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、前記第2の異なるウイルス、第2の異なるHPV株、又は第2の異なるHPVタイプ株に結合された第2の群のエピトープが、前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない。好ましい実施態様では、本発明は、HPV16のE7タンパク質に由来するポリペプチド及びHPV18のE7タンパク質に由来するポリペプチドを含む、本明細書に定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物に関し、該ポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物は:(1)(i)哺乳動物宿主で診断される、HPV16による感染の後に起こる第1の病的状態(複数可)の免疫治療、及び(ii)HPV18による感染の後に起こる第2の病的状態(複数可)に対する予防に使用され、かつ(iii)任意に、前記第1の病的状態の再発の防止に使用され、ここで、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、HPV18のE7タンパク質に由来するポリペプチドが前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない;又は(2)(i)哺乳動物宿主で診断される、HPV18による感染の後に起こる第1の病的状態(複数可)の免疫治療、及び(ii)HPV16による感染の後に起こる第2の病的状態(複数可)に対する予防に使用され、かつ(iii)任意に、前記第1の病的状態の再発の防止に使用され、ここで、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、HPV16のE7タンパク質に由来するポリペプチドが前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない。
特定の実施態様では、本発明は、(i)哺乳動物宿主で診断される、第1の腫瘍細胞の後に起こる第1の病的状態(複数可)の免疫治療、及び(ii)起源及び組織像が第1の腫瘍細胞とは異なる第2の腫瘍細胞の後に起こる第2の病的状態(複数可)に対する予防に使用され、かつ(iii)任意に、前記第1の病的状態の再発の防止に使用される、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物に関し、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、前記第2の腫瘍細胞に結合された第2の群のエピトープが前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない。
特定の実施態様では、本発明は、(i)哺乳動物宿主で診断される、病原体感染の後、特に細菌感染又はウイルス感染の後に起こる第1の病的状態(複数可)の免疫治療、及び(ii)腫瘍細胞の発生の後に起こる第2の病的状態(複数可)に対する予防に使用され、かつ(iii)任意に、前記第1の病的状態の再発の防止に使用される、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物に関し、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、前記腫瘍細胞に結合された第2の群のエピトープが前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない。
特定の実施態様では、本発明は、(i)哺乳動物宿主で診断される、腫瘍細胞の発生の後に起こる第1の病的状態(複数可)の免疫治療、及び(ii)病原体感染の後、特に細菌感染又はウイルス感染の後に起こる第2の病的状態(複数可)に対する予防に使用され、かつ(iii)任意に、前記第1の病的状態の再発の防止に使用される、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物に関し、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、前記異なる病原体(例えば、異なる細菌又は異なるウイルス)に結合された第2の群のエピトープが前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されない。
本発明はまた、(i)特に、第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答を誘発することによる、哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態(複数可)の免疫治療、及び(ii)特に、第2の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防の両方を、同じ哺乳動物宿主で達成する方法にも関し、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、前記第2の群のエピトープが前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されず、前記方法が、前記哺乳動物宿主に以下のいずれかを少なくとも1回投与するステップを含む:
(1)ポリペプチド(複数可)保持ベクターであって、ポリペプチド(複数可)を保持する前記ベクターが、前記ポリペプチド(複数可)を哺乳動物宿主の免疫系に提示するのに適したCyaAタンパク質又はその断片からなり、前記第1の群のエピトープ及び第2の群のエピトープが、前記ベクターによって保持された少なくとも1つのポリペプチド(複数可)に含まれており、前記第2の群のエピトープの少なくとも1つのエピトープが、第1の群のエピトープのエピトープとは異なる、該ポリペプチド(複数可)保持ベクター;
(2)医薬として許容し得るビヒクルと組み合わせた、(1)で定義されたポリペプチド(複数可)保持ベクターを含む組成物;又は
(3)(a)第1のポリペプチド(複数可)保持ベクターであって、ポリペプチド(複数可)を保持する前記第1のベクターが、前記ポリペプチド(複数可)を哺乳動物宿主の免疫系に提示するのに適したCyaAタンパク質又はその断片からなり、前記第1の群のエピトープが、前記第1のベクターによって保持された少なくとも1つのポリペプチド(複数可)に含まれている、該第1のポリペプチド(複数可)保持ベクター、及び(b)第2の別のポリペプチド(複数可)保持ベクターであって、ポリペプチド(複数可)を保持する前記第2のベクター分子が、前記ポリペプチド(複数可)を哺乳動物宿主の免疫系に提示するのに適したCyaAタンパク質又はその断片からなり、前記第2の群のエピトープが、前記第2のベクターによって保持された少なくとも1つのポリペプチド(複数可)に含まれている、該第2の別のポリペプチド(複数可)保持ベクターを含む組成物。
一実施態様では、本発明はまた、(i)特に、第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答を誘発することによる、哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態(複数可)の免疫治療、(ii)特に、第2の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防、及び(iii)任意である、特に第1の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、前記第1の確定される病的状態(複数可)の再発の防止を、同じ哺乳動物宿主で達成する方法にも関し、第2の確定される病的状態(複数可)に対する前記予防が、前記第2の群のエピトープが前記投与されるポリペプチド(複数可)保持ベクターに含まれていない場合には観察されず、前記方法が、前記哺乳動物宿主に以下のいずれかを少なくとも1回投与するステップを含む:
(1)ポリペプチド(複数可)保持ベクターであって、ポリペプチド(複数可)を保持する前記ベクターが、前記ポリペプチド(複数可)を哺乳動物宿主の免疫系に提示するのに適したCyaAタンパク質又はその断片からなり、前記第1の群のエピトープ及び第2の群のエピトープが、前記ベクターによって保持された少なくとも1つのポリペプチド(複数可)に含まれており、前記第2の群のエピトープの少なくとも1つのエピトープが、第1の群のエピトープのエピトープとは異なる、該ポリペプチド(複数可)保持ベクター;
(2)医薬として許容し得るビヒクルと組み合わせた、(1)で定義されたポリペプチド(複数可)保持ベクターを含む組成物;又は
(3)(a)第1のポリペプチド(複数可)保持ベクターであって、ポリペプチド(複数可)を保持する前記第1のベクターが、前記ポリペプチド(複数可)を哺乳動物宿主の免疫系に提示するのに適したCyaAタンパク質又はその断片からなり、前記第1の群のエピトープが、前記第1のベクターによって保持された少なくとも1つのポリペプチド(複数可)に含まれている、該第1のポリペプチド(複数可)保持ベクター、及び(b)第2の別のポリペプチド(複数可)保持ベクターであって、ポリペプチド(複数可)を保持する前記第2のベクター分子が、前記ポリペプチド(複数可)を哺乳動物宿主の免疫系に提示するのに適したCyaAタンパク質又はその断片からなり、前記第2の群のエピトープが、前記第2のベクターによって保持された少なくとも1つのポリペプチド(複数可)に含まれている、該第2の別のポリペプチド(複数可)保持ベクターを含む組成物。
さらに、免疫治療及び予防を達成する手段として本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物は、少なくとも1つの免疫増強物質、例えば、少なくとも1つのアジュバント、好ましくは1つのアジュバント、及び/又は界面活性剤、及び/又は免疫調節物質(例えば、サイトカイン又はケモカイン)と併用しても良いし、又は混合しても良い。或いは、免疫治療及び予防を達成する手段として本明細書で定義される組成物は、少なくとも1つの免疫増強物質、例えば、少なくとも1つのアジュバント、好ましくは1つのアジュバント、及び/又は界面活性剤、及び/又は免疫調節物質(例えば、サイトカイン又はケモカイン)をさらに含み得る。
「併用」は、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物と免疫増強物質の両方が、異なる時間に、かつ/又は異なる投与方式で、好ましくは同じ接触部位で宿主に接触させられることを意味する。特定の実施態様では、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物は、宿主に注射され、免疫増強物質(例えば、アジュバント)は、宿主に対して局所的に、例えば、皮膚に(皮膚上に)適用される。例えば、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物は、宿主に注射され、免疫増強物質(例えば、アジュバント)は、この注射後に、宿主の注射部位の皮膚に適用される。対照的に、「混合」は、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物と免疫増強物質が、投与されるときに同じ製剤中に存在する。
本出願では、免疫増強物質(例えば、アジュバント)が、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物と混合又は併用される場合、免疫増強物質は、少なくとも、本発明のポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物が宿主に投与されるたびに使用されることに注目されたい。特定の実施態様では、本発明のポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物は、2回投与され、免疫増強物質は、各投与日に、本発明のポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物の投与部位に、(混合又は併用のいずれかで、好ましくは皮膚に)適用される。別の特定の実施態様では、本発明のポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物は、2回投与され、免疫増強物質は、各投与日及び各投与日の翌日に、本発明のポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物の投与部位に、(混合又は併用のいずれかで、好ましくは皮膚に)適用される。特定の実施態様では、本発明のポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物は、2回投与され、免疫増強物質(好ましくはイミキモド、例えば、Aldara(商標))は、各投与日及び各投与日の翌日に、本発明のポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物の投与部位の皮膚に適用される。
免疫治療及び予防、及び任意である再発の防止を達成する手段として本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は本明細書で定義される組成物はさらに、投与計画において、病原体感染、腫瘍細胞、又はこの感染もしくは腫瘍に関連した病的状態(複数可)を治療するのに適した他の活性化合物、例えば、抗腫瘍化合物又は抗ウイルス活性化合物と併用又は混合しても良い。
本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物は、異なる経路を介して患者に注入することができる:皮下(s.c.)、皮内(i.d.)、筋肉内(i.m.)、又は静脈内(i.v.)注射、経口投与、及び粘膜投与、特に鼻腔内投与又は吸入。特定の実施態様では、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物は皮内投与される。
特定の実施態様では、本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物は、投与経路に関わらず、少なくとも1つの免疫増強物質と混合又は併用されて、又は混合も併用もされずに、哺乳動物宿主で診断される(第1の)確定される病的状態(複数可)とは別の部位に投与される、すなわち腫瘍の場合は、腫瘍発生の部位以外の部位(例えば、粘膜以外)に投与され、及び病原体の場合は、病原体複製部位以外の部位に投与される。
本明細書で定義されるポリペプチド(複数可)保持ベクター又は組成物は、固形(カッシュ剤、粉末、ゲルール(gelule)、ピル、座薬、速放性錠剤、胃腸耐性錠剤(gastro-resistant tablet)、遅延放出錠剤)、好ましくは、注射の前に、例えば、希釈剤(複数可)で戻す必要がある凍結乾燥された粉末形態(凍結乾燥形態又は凍結乾燥粉末形態)、液体形態、例えば、注射用溶液もしくは注射用懸濁液とすることができる。
投与されるべきポリペプチド(複数可)保持ベクターの量(投与量)は、患者の状態、個人の免疫系の状態、投与経路、及び宿主の大きさを考慮することを含め、治療するべき対象によって異なる。従来の投与量は、1〜1200μg、100〜1000μg、200〜1000μg、500〜1000μgの範囲である。特定の投与量が、100μg、200μg、300μg、400μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μg、及び1000μgからなる群から選択される。別の実施態様では、従来の投与量は、ポリペプチド(複数可)保持ベクター1〜100μg、1〜50μg、及び1〜10μgの範囲である。これらの例は、状況によって、当業者が変更することができる。
ポリペプチド(複数可)保持CyaAが、哺乳動物宿主において第2の群のエピトープに対する予防的T細胞記憶応答(複数可)を発生させることができ、しかも、第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答を誘発することによる、前記哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態(複数可)の免疫治療を行うことができるという知見は驚きである。実際、APCへのアクセス、APCによる処理及び提示、並びにサイトカインの利用可能性に関して、異なるエピトープ間に競合が存在することが良く知られている。この現象は、優性及び準優性(subdominant)エピトープの階層化につながり、T細胞免疫応答を活性化することができ、かつ他のT細胞免疫応答(複数可)を抑制することができる。この現象は、第1の群のエピトープを認識するT細胞が、ポリペプチド(複数)保持ベクターの投与前に患者に既に存在する一方で(第1群の1つ又はいくつかのエピトープが、宿主免疫系に既に提示されたため)、天然T細胞が、エピトープの第2の群に対して活性化されるはずである現在の状態では予期された。興味深いことに、本発明は、予期されることに反して、ポリペプチド(複数)保持CyaAに含まれる第2の群のエピトープに対する予防的免疫応答が、第1の群のエピトープに対する治療的免疫応答に対して不利ではないであろうことを示した。これらの結果は、第1の群のエピトープに対して誘発される免疫応答と第2の群のエピトープに対して誘発される免疫応答との間に競合が認められないことを意味する。結果として、本発明者らは、ポリペプチド(複数可)保持CyaAが、哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態(複数可)の免疫治療の範囲内でT細胞免疫応答を十分に効率的に誘発し、かつ同じ哺乳動物宿主における第2の確定される病的状態(複数可)に対する予防の範囲内でT細胞記憶免疫応答を十分に効率的に誘発することを示した。

Claims (31)

  1. ポリペプチド保持ベクターであって、当該ポリペプチドを保持する前記ベクターは、前記ポリペプチドを哺乳動物宿主の免疫系に提示するのに適したCyaAタンパク質又はその断片からなり、(i)前記ポリペプチドに含まれる第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答を誘発することによる、前記哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態の免疫治療における使用のためのものであり、ここで、前記第1の群のエピトープは、HPV16、HPV18、HPV31、HPV33、HPV35、HPV45、HPV52、又はHPV58の中から選択されるHPVタイプ種の抗原に由来し;及び(ii)前記ポリペプチドに含まれる第2の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、同じ哺乳動物宿主における第2の確定される病的状態に対する予防における使用のためのものでありここで、前記第2の群のエピトープは、ウイルス抗原又は腫瘍抗原に由来し;前記免疫応答が、前記ポリペプチド保持ベクターの前記宿主への投与後に得られ、ここで、第2の確定される病的状態に対する前記予防が、前記第2の群のエピトープが、前記投与されるポリペプチド保持ベクターに含まれていない場合には観察されない、前記ポリペプチド保持ベクター
  2. (iii)前記ポリペプチドに含まれる前記第1の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、前記第1の確定される病的状態の再発の防止にさらに使用される、請求項1記載のポリペプチド保持ベクター
  3. 前記第2の群のエピトープが、前記第1の群のエピトープを含む前記ポリペプチドに含まれている、請求項1又は2記載のポリペプチド保持ベクター
  4. 前記第1の群のエピトープ及び前記第2の群のエピトープが、異なるポリペプチドに含まれている、請求項1又は2記載のポリペプチド保持ベクター
  5. 1つのベクター分子が、全ての前記ポリペプチドを保持する、請求項1〜4のいずれか1項記載のポリペプチド保持ベクター
  6. 前記CyaAが、ボルデテラ種CyaAである、請求項1〜5のいずれか1項記載のポリペプチド(複数可)保持ベクター
  7. CyaAが、百日咳菌、パラ百日咳菌、又は気管支敗血症菌に由来する、請求項6記載のポリペプチド保持ベクター
  8. 前記CyaA断片が、CD11b発現細胞に特異的に結合することができ、かつ、細胞サイトゾルに前記ポリペプチドを送達することができる、請求項1〜7のいずれか1記載のポリペプチド保持ベクター
  9. 前記CyaA断片が、残基1〜224及び235〜1706からなる百日咳菌CyaA断片である、請求項8記載のポリペプチド保持ベクター
  10. 前記CyaAタンパク質又は前記CyaA断片が、無毒化されている、非毒性である、又は酵素活性が欠損している、請求項1〜9のいずれか1項記載のポリペプチド保持ベクター
  11. 記CyaA断片が、ジペプチドLeu-Glnが残基188〜189の間のフレームに挿入されている百日咳菌CyaAである、請求項10記載のポリペプチド保持ベクター
  12. 少なくとも1つの前記ポリペプチドが、遺伝子融合の結果として前記CyaAタンパク質又は前記CyaA断片によって保持されている、請求項1〜11のいずれか1項記載のポリペプチド保持ベクター
  13. 全てのポリペプチドが、遺伝子融合の結果として前記CyaAタンパク質又は前記CyaA断片によって保持されている、請求項1〜12のいずれか1項記載のポリペプチド保持ベクター
  14. 少なくとも1つの前記ポリペプチドが、CyaAの許容部位に遺伝子挿入されている、請求項12又は13記載のポリペプチド保持ベクター
  15. 全てのポリペプチドが、CyaAの許容部位に遺伝子挿入されている、請求項1〜14のいずれか1項記載のポリペプチド保持ベクター。
  16. 全ての抗原が、HPV16、HPV18、HPV31、HPV33、HPV35、HPV45、HPV52、又はHPV58の中から選択されるHPVタイプ種由来の抗原である、請求項1〜15のいずれか1項記載のポリペプチド保持ベクター
  17. 前記第1の群のエピトープが、HPV16由来のE7タンパク質の抗原断片を構成し、かつ前記第2の群のエピトープが、HPV18由来のE7タンパク質の抗原断片を構成する、請求項1〜16のいずれか1項記載のポリペプチド保持ベクター
  18. 少なくとも1つの前記ポリペプチドが、MAGE A3腫瘍抗原に由来する、請求項1〜15のいずれか1項記載のポリペプチド保持ベクター
  19. 前記ポリペプチド保持ベクターが、百日咳菌CyaAからなり:
    (1)MAGE A3の残基97〜178からなる第1のポリペプチドが、CyaAのコドン319〜320の間に挿入されており;かつ
    (2)MAGE A3の残基242〜295に融合された残基190〜221からなる第2のポリペプチドが、CyaAのコドン224〜235の間に挿入されている、請求項18記載のポリペプチド保持ベクター
  20. (1)(i)哺乳動物宿主で診断される、HPV16による感染の後に起こる第1の病的状態の免疫治療、及び(ii)HPV18による感染の後に起こる第2の病的状態に対する予防に使用され、ここで、第2の確定される病的状態に対する前記予防が、HPV18のE7タンパク質に由来するポリペプチドが、前記投与されるポリペプチド保持ベクターに含まれていない場合には観察されない;又は
    (2)(i)哺乳動物宿主で診断される、HPV18による感染の後に起こる第1の病的状態の免疫治療、及び(ii)HPV16による感染の後に起こる第2の病的状態に対する予防に使用され、ここで、第2の確定される病的状態に対する前記予防が、HPV16のE7タンパク質に由来するポリペプチドが、前記投与されるポリペプチド保持ベクターに含まれていない場合には観察されない、請求項17又は18記載のポリペプチド保持ベクター
  21. 前記第1の病的状態の再発に対する予防におけるさらなる使用のための、請求項20記載のポリペプチド保持ベクター
  22. 医薬として許容し得るビヒクル又は製剤と組み合わせて、請求項1〜21のいずれか1項記載の少なくとも1つのポリペプチド保持ベクターを含む組成物であって、(i)前記ポリペプチドに含まれる第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答を誘発することによる、前記哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態の免疫治療、及び(ii)前記ポリペプチドに含まれる第2の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、同じ哺乳動物宿主における第2の確定される病的状態に対する予防に使用され、前記免疫応答が、前記組成物の前記宿主への投与後に得られ、ここで、第2の確定される病的状態に対する前記予防が、前記第2の群のエピトープが、前記投与される組成物のポリペプチド保持ベクターに含まれていない場合には観察されない、前記組成物。
  23. 少なくとも2つのポリペプチド保持ベクターを含み、前記第1の群のエピトープが、第1のポリペプチド保持ベクターに含まれ、かつ前記第2の群のエピトープが、別のポリペプチド保持ベクターに含まれている請求項22記載の組成物。
  24. 前記第1の群のエピトープが、前記第1のポリペプチド保持ベクターに保持された別のポリペプチドに含まれ、かつ/又は前記第2の群のエピトープが、前記別のポリペプチド保持ベクターに保持された別のポリペプチドに含まれている、請求項23記載の組成物。
  25. (a)CyaAのコドン319〜320の間に挿入されたHPV16-E7の最初の29のアミノ酸残基、及びCyaAのコドン224〜235の間に挿入されたHPV16-E7の残基43〜98からなる第1のポリペプチド保持ベクター;及び
    (b)CyaAのコドン319〜320の間に挿入されたHPV18-E7の最初の31のアミノ酸残基、及びCyaAのコドン224〜235の間に挿入されたHPV18-E7の残基43〜105からなる別のポリペプチド保持ベクターを含む、請求項22〜24のいずれか1項記載の組成物。
  26. 少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、請求項22〜25のいずれか1項記載の組成物。
  27. 抗腫瘍又は抗ウイルス活性化合物をさらに含む、請求項22〜26のいずれか1項記載の組成物。
  28. 請求項1〜21のいずれか1項記載のポリペプチド保持ベクターの使用であって、(i) 前記ポリペプチドに含まれる第1の群のエピトープに対するT細胞免疫応答を誘発することによる、前記哺乳動物宿主で診断される第1の確定される病的状態の免疫治療のため、及び(ii)前記ポリペプチドに含まれる第2の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、同じ哺乳動物宿主における第2の確定される病的状態に対する予防のための薬剤の製造のためであり、前記免疫応答が、前記ポリペプチド保持ベクターの前記宿主への投与後に得られ、ここで、第2の確定される病的状態に対する前記予防が、前記第2の群のエピトープが、前記投与されるポリペプチド保持ベクターに含まれていない場合には観察されない、前記使用。
  29. 請求項28に記載のポリペプチド保持ベクターの使用であって、(iii)前記ポリペプチドに含まれる前記第1の群のエピトープに対するT細胞記憶免疫応答を誘発することによる、前記第1の確定される病的状態の再発防止のための薬剤の製造のための、前記使用。
  30. 請求項20に記載のポリペプチド保持ベクターの使用であって、
    (1)(i)哺乳動物宿主で診断される、HPV16による感染の後に起こる第1の病的状態の免疫治療のため、及び(ii)HPV18による感染の後に起こる第2の病的状態に対する予防のための薬剤の製造のためであり、ここで、第2の確定される病的状態に対する前記予防が、HPV18のE7タンパク質に由来するポリペプチドが、前記投与されるポリペプチド保持ベクターに含まれていない場合には観察されない;又は
    (2)(i)哺乳動物宿主で診断される、HPV18による感染の後に起こる第1の病的状態の免疫治療のため、及び(ii)HPV16による感染の後に起こる第2の病的状態に対する予防のための薬剤の製造のために使用され、ここで、第2の確定される病的状態に対する前記予防が、HPV16のE7タンパク質に由来するポリペプチドが、前記投与されるポリペプチド保持ベクターに含まれていない場合には観察されない、前記使用。
  31. 請求項20に記載のポリペプチド保持ベクターの使用であって、前記第1の病的状態の再発防止のための薬剤の製造のための、前記使用。
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