JP2014505177A - 硬質材料を含む被覆層を有するカソードブロック - Google Patents

硬質材料を含む被覆層を有するカソードブロック Download PDF

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Abstract

アルミニウム電解セルのためのカソードブロックは、基層および該基層の上に設けられる被覆層を含む。前記基層は、グラファイトを含む。前記被覆層は、融点が1000℃以上の硬質材料を15重量%以上50重量%未満含む炭素複合材料で構成されている。

Description

本発明は、アルミニウム電解セル用のカソードブロックに関する。
上記電解セルは、電解によるアルミニウム生産に用いられ、当該電解によるアルミニウム生産は、通常、工業的にはホール・エルー法により実施される。そのホール・エルー法では、酸化アルミニウムと氷晶石とからなる溶融物が電解される。ここで、上記氷晶石Na[AlF]は、融点を、純粋な酸化アルミニウムの融点である2045℃から、氷晶石、酸化アルミニウム、および添加物、例えば、フッ化アルミニウムおよびフッ化カルシウム、を含む混合物の融点である約950℃まで下げることに用いられる。
当該方法に用いられる電解セルは底部を有し、当該底部は、カソードを形成する、従来、複数の互いに接するカソードブロックから構成されている。セルの動作時の熱的および化学的条件に耐えるために、上記カソードブロックは、通常、炭素含有材料から構成されている。カソードブロックの下面には、それぞれ溝が設けられ、その溝の内部にそれぞれ少なくとも1つの導体レールが配置され、その導体レールを経由して、アノードを通って供給された電流が流される。ここで、溝との境界をなすカソードブロックの壁部と導体レールとの間のそれぞれの空隙にしばしば鋳鉄が流し込まれる。これは、これにより実現した、鋳鉄での導体レールの被覆により上記導体レールを電気的および機械的に上記カソードブロックに接続するためである。上記カソードブロックの上側にある、溶融液体アルミニウムからなる層から約3cmから5cm上方に、単独のアノードブロックから構成されているアノードが配置され、当該アノードとアルミニウムの表面との間に電解質、すなわち、酸化アルミニウムおよび氷晶石を含む溶融物がある。
約1000℃で実施される電解の間に生成したアルミニウムは、電解質に比べてより大きい密度を有するため、電解質の層の下に、すなわち、上記カソードブロックの上側と電解質の層との間の中間層として沈殿する。電解では、氷晶石融液に溶解している酸化アルミニウムが電流流れによりアルミニウムと酸素とに分解される。電気化学的には、溶融液体アルミニウムの層は、その溶融液体アルミニウムの層の表面においてアルミニウムイオンが単体アルミニウムに還元されるので、本来のカソードである。それにもかかわらず、以下においては、カソードの概念は、電気化学的に見たカソード、すなわち溶融液体アルミニウムの層ではなく、しかし、電解セル底部を形成する、1つまたは複数のカソードブロックから構成されている部材として理解される。
ホール・エルー法の主な欠点は、この方法が非常にエネルギー集約的であることである。1kgのアルミニウムを生産するために、約12kW/hから15kW/hまでの電力量が必要であり、その電力量は生産費の約40%までを占める。その生産費を下げることを可能とするために、この方法のエネルギー原単位をできるだけ減少させることが望まれる。
このため、近年、グラファイトカソード、すなわち、主成分としてグラファイトを含むカソードブロックからなるグラファイトカソードが用いられることが多くなっている。アモルファス炭素に比べてグラファイトは、かなり低い比電気抵抗と著しく高い熱伝導率とを特徴とするため、電解におけるグラファイトカソードの使用により、一方では、電解のエネルギー原単位を減少させることが可能になり、他方では、電解をより高い電流で実施することができ、そのことは、アルミニウムの生産性の向上を可能にする。しかしながら、グラファイトからなるグラファイトカソードは、耐性が低く、さらに、アモルファス炭素からなるカソードブロックに比べて、電解セルの動作時に発生する摩耗による消摩プロセスに対してとりわけより耐性が低く、また、耐用年数がより短くなる。特に、グラファイトカソードブロックの表面には、容易に溶解していない酸化アルミニウムからなる沈積物が沈殿する。上記沈積物は、一方では、その沈積物の発生による粒子摩耗のため、カソードブロックの耐消耗性をかなり低減させてしまう。他方では、上記沈積物は、有効なカソード表面を減少させるため、カソードブロック表面における電流を妨害する。結果として、電解時のエネルギー原単位が増加する。これにより、電流密度はさらに高められ、そのために、電解セルの寿命がより短くなってしまう。
カソードブロック表面の濡れ性を向上させるために、カソードブロックの表面を純粋二ホウ化チタン、二ホウ化ジルコニウム、またはこれらに類似する材料で被覆することは、WO96/07773A1より提案されている。DE19714433C2より、80重量%以上の二ホウ化チタンを含む、類似の被覆を有するカソードブロックが知られており、その被覆は、二ホウ化チタンをカソードブロックの表面にプラズマ溶射することにより形成される。しかしながら、このような純粋な二ホウ化チタンからなるかまたは二ホウ化チタンを非常に高い含有率で含む被覆は、非常に脆弱であり、且つ、そのためにひび割れしやすい。さらに、この被覆の比熱膨張はアモルファス炭素、または、グラファイトの比熱膨張の約2倍であり、よって、この被覆は、融解電解における使用の場合、寿命が非常に短い。
WO96/07773A1 DE19714433C2
それゆえ、本発明の課題は、カソードブロック、すなわち、比電気抵抗が低く、熱伝導率が高く、溶融アルミニウムで十分に濡らされることが可能であり、溶融電解の動作時に生じる摩耗の化学的条件および熱的条件に対して、とりわけ高い耐消耗性を有する、表面構造化されたカソードブロックを提供することである。特に、溶融電解の実施時に、表面の上に沈積物が沈殿しないか、または、せいぜい小さい量の沈積物が沈殿する程度であることを特徴とする表面構造化されたカソードブロックを提供することである。
本発明によれば、上記課題は、基層と被覆層とを含む、アルミニウム電解セルのためのカソードブロックにより解決される。上記基層は、グラファイトを含む。また、上記被覆層は、融点が1000℃以上の硬質材料を、15重量%以上50重量%未満含む炭素複合材料を含んで構成されている。
この解決法は、融点が1000℃以上の硬質材料を、15重量%未満にならないように、しかし、最大で50重量%未満となるように含む炭素複合材料からなる被覆層を、グラファイトを含む基層の上に設けることにより、溶融電解のエネルギー効率のよい動作に必要な充分に低い比電気抵抗を有するカソードブロックが得られるという知見に基づいている。当該カソードブロックは、さらに、溶融電解で生じる摩耗の、化学的条件および熱的条件に対して耐消耗性がある。ここで、とりわけ驚くべきことには、このようなカソードブロックの場合に、特に、表面上での沈積物の発生あるいは沈積物の沈殿は、確実に防がれる。よって、沈積物の発生に起因する粒子摩耗の低減あるいは防止により上記カソードブロックの耐消耗性がかなり向上されるだけではなく、特にカソードブロック表面における沈積物の発生あるいは沈積物の沈殿が原因で発生する電流の妨害、およびその妨害に起因する、電解時のエネルギー原単位の増加は確実に回避される。
それゆえに、本発明に係るカソードブロックは、カソードブロックの基層にグラファイトを用いることに結びつく有利な点、とりわけ、上記カソードブロックの電気抵抗が低いこと、および、カソードブロック熱伝導率が高いことなどの有利な点によって、特徴付けられる。しかしながら、本発明に係るカソードブロックには、グラファイトの使用に起因する不利な点、例えば、耐消耗性が低いこと、および、溶融アルミニウムで十分に濡らすことができないことなどはない。寧ろ、本発明のカソードブロックに含まれている硬質材料を含む被覆層のため、カソードブロック表面において溶融液体アルミニウムでの好適な濡れ性が実現され、そのために、カソードブロック表面上における沈積物の発生および沈積物の沈殿が確実に回避される。さらに、その結果、溶融アルミニウムの運動は著しく低減され、これにより、電解セル内の、溶融液体アルミニウムからなる層の表面とアノードとの間隔を、例えば、2.5cm以上4cm以下、好ましくは、3cm以上3.5cm以下にまで小さくすることができる。上記間隔を小さくすることにより、電解処理のエネルギー原単位をさらに低減することができる。その上、驚くべきことに、本発明のカソードブロックの表面は、硬質材料を含む被覆層を用いているにもかかわらず、ひび割れの傾向がなく、不利に高い脆弱性がとりわけ目立つわけでもない。
全体として本発明のカソードブロックは、アルミニウムを生産するための、酸化アルミニウムおよび氷晶石を含む溶融物を用いた溶融電解の実施に関して、長期にわたって安定性があり、非常に低いエネルギー原単位によって上記溶融電解を実施することを可能にする。このことは、グラファイトを含む基層と、50重量%未満の量の硬質材料を含む被覆層との上述した組み合わせにより達成される。該被覆層は炭素複合材料をベースとしている。以上のことは、驚くべきことである。なぜなら、従来技術により知られている、二ホウ化チタンを含む被覆を伴ったカソードブロックは、従来の被覆を脆弱にする二ホウ化チタンを比較的多量に含まざるを得なかったからである。
本発明の意図するところでは、硬質材料とは、その概念の当該分野における通常の定義と同様、とりわけ1000℃およびそれを超える高温下でも非常に高い硬度を示す材料として理解される。
好ましくは、用いられる硬質材料の融点は、1000℃よりずっと高く、これに関して、特に、1500℃以上の融点、好ましくは2000℃以上の融点、特に好ましくは2500℃以上の融点を有する硬質材料がとりわけ好適であることが明らかになった。
基本的に、本発明のカソードブロックの被覆層には、あらゆる硬質材料を用いることが可能である。しかし、良好な結果は、特に、ドイツ工業規格DIN EN 843−4に基づき測定されたヌープ硬度で、1000N/mm以上の硬さ、好ましくは1500N/mm以上の硬さ、特に好ましくは2000N/mm以上の硬さ、さらに特に好ましくは2500N/mm以上の硬さを有する硬質材料によってもたらされ得る。
好適な硬質材料は、例えば、1000℃で十分な硬さを有する、炭化金属、ホウ化金属、窒化金属、および炭窒化金属である。上記グループを代表する好適な例は、二ホウ化チタン、二ホウ化ジルコニウム、二ホウ化タンタル、炭化チタン、炭化ホウ素、炭窒化チタン、炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化バナジウム、窒化チタン、窒化ホウ素、および、窒化ケイ素である。さらに特に好ましくは、本発明のカソードブロックの被覆層において、非酸化物チタンセラミックスは硬質材料として用いられる。該非酸化物チタンセラミックスは、好ましくは、二ホウ化チタン、炭化チタン、炭窒化チタン、および/または窒化チタンである。最も好ましくは、本発明のカソードブロックの被覆層は硬質材料として二ホウ化チタンを含む。上述した硬質材料のすべては単独で用いられていてもよく、または、上述した化合物の2以上の任意の化学的組み合わせおよび/または混合物が用いられてもよい。
本発明の特に好ましい一実施形態によれば、カソードブロックの被覆層に含まれている硬質材料は、単峰性の粒子径分布を有し、国際標準ISO13320−1に基づく静的光散乱によって決定された体積加重平均粒径(d3,50)は、10μm以上20μm以下である。この実施形態には、上記のように定義された単峰性の粒子径分布を有する、特に好ましくは非酸化物チタンセラミックスおよび、最も好ましくは二ホウ化チタンが用いられる。
本発明の枠内において、上記のように定義された単峰性の粒子径分布を有する硬質材料、特に非酸化物チタンセラミックスおよび特に二ホウ化チタンが、カソードブロックの表面の非常に好適な濡れ性を実現するだけではなく、特に、カソードブロックの耐消耗性を高めること、および、電解時のエネルギー原単位を低減することをも実現することが確認された。好適な濡れ性は、カソードブロックの表面上において沈積物の発生あるいは沈積物の沈殿が確実に回避されることにより実現される。さらに、本発明の枠内において、驚くべきことに、上記効果は特に、被覆層内の二ホウ化チタンの量が、50重量%未満、特に好ましくはそれどころか15重量%以上20重量%以下と比較的小さい場合に実現できることがわかった。これにより、カソードブロック表面を脆弱にする、高濃度の二ホウ化チタンを被覆層内において用いなくてもよい。さらに、上記のように定義された単峰性の粒子径分布を有するセラミックスの硬質材料、特に非酸化物チタンセラミックス、および、特に二ホウ化チタンは、非常に優れた加工性をも有する。特に、このような硬質材料の、例えば当該硬質材料を混合用容器に注ぎ込む時、または当該硬質材料の粉末を搬送する時の粉塵化傾向は十分に低く、それにより、例えば混合時に凝集物が発生するとしても、その発生量は少ない。さらに、このような硬質材料の粉末は十分に高い流動性および落下流動性を有し、これにより当該硬質材料の粉末は、例えば従来のコンベヤー装置によって混合器に運搬されうる。その結果として、本発明のカソードブロックの容易且つ低コストでの生産が可能になるだけではなく、特に上記硬質材料の、カソードブロックの被覆層内での非常に均一な分布も可能になる。
本発明の上記カソードブロックの被覆層に含まれる硬質材料、好ましくは、二ホウ化チタンは、好ましくは単峰性の粒子径分布を有しており、上記のように決定された体積加重平均粒径(d3,50)が、12μm以上18μm以下、特に好ましくは14μm以上16μm以下である。
上述した実施形態に代えて、上記カソードブロックの被覆層に含まれている硬質材料は、単峰性の粒子径分布を有し、ここで国際標準ISO13320−1に基づく静的光散乱によって決定された体積加重平均粒径(d3,50)は、3μm以上10μm以下、好ましくは、4μm以上6μm以下であってもよい。この実施形態においても、特に好ましくは、非酸化物チタンセラミックスおよび、最も好ましくは、上記のように定義された単峰性の粒子径分布を有する二ホウ化チタンが用いられる。
本発明の思想のさらなる形態においては、上記硬質材料は、上記のように決定された体積加重d3,90粒径が、20μm以上40μm以下、好ましくは25μm以上30μm以下である。上記硬質材料は、好ましくは、このようなd3,90値を、上記のように定義されたd3,50値と組み合わせて有する。この実施形態においても、上記硬質材料は、好ましくは非酸化物チタンセラミックスおよび、特に好ましくは二ホウ化チタンである。その結果、上述した実施形態に関して挙げられた有利な点および効果が、いっそう高い程度で達成される。
上述した実施形態に代えて、上記カソードブロックの被覆層に含まれる硬質材料は、上記のように定義された体積加重d3,90粒径が、10μm以上20μm以下、好ましくは12μm以上18μm以下であってもよい。好ましくは、当該硬質材料は、このようなd3,90値を、上記のように定義されたd3,50値と組み合わせて有する。この実施形態においても、上記のように定義された単峰性の粒子径分布を有する、特に好ましくは非酸化物チタンセラミックスおよび、最も好ましくは二ホウ化チタンが用いられる。
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、上記硬質材料は、上記のように定義された体積加重d3,10粒径が、2μm以上7μm以下、好ましくは3μm以上5μm以下である。好ましくは、上記硬質材料は、このようなd3,10値を、上記のように定義されたd3,90値および/またはd3,50値と組み合わせて有する。この実施形態においても、上記硬質材料は、好ましくは非酸化物チタンセラミックスおよび、特に好ましくは二ホウ化チタンである。その結果、上述した実施形態に関して挙げられた有利な点および効果がいっそう高い程度で達成される。
上述した実施形態に代えて、上記カソードブロックの被覆層に含まれている硬質材料は、上記のように定義された体積加重d3,10粒径が、1μm以上3μm以下、好ましくは1μm以上2μm以下であってもよい。好ましくは、当該硬質材料は、このようなd3,10値を、上述して定義されたd3,90値および/またはd3,50値と組み合わせて有する。この実施形態においても、上記のように定義された単峰性の粒子径分布を有する、特に好ましくは非酸化物チタンセラミックスおよび、最も好ましくは二ホウ化チタンが用いられる。
さらに好ましくは、上記硬質材料、特に非酸化物チタンセラミックスおよび、特に好ましくは、二ホウ化チタンは、以下の式;
スパン=(d3,90−3,10)/d3,50
によって算出された、0.65以上3.80以下、特に好ましくは、1.00以上2.25以下のスパン値によって特徴付けられる粒子径分布を有する。好ましくは、当該硬質材料は、このようなスパン値を、上記のように定義されたd3,90値および/またはd3,50値および/またはd3,10値と組み合わせて有する。その結果、上述した実施形態に関して挙げられた有利な点および効果がいっそう高い程度で達成される。
上述したように、本発明に係るカソードブロックの被覆層における硬質材料として、特に、非酸化物チタンセラミックス、好ましくは炭化チタン、炭窒化チタン、窒化チタンおよび最も好ましくは二ホウ化チタンが適する。このため、本発明の思想のさらなる形態において提案されるのは、上記硬質材料は、80重量%以上、好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上、さらに特に好ましくは99重量%以上、最も好ましくは、全部が非酸化物チタンセラミックスおよび特に好ましくは二ホウ化チタンからなるということである。
本発明において、上記被覆層における硬質材料の全量は、15重量%以上で、しかし、最大で50重量%未満である。硬質材料の量が上記数値範囲にある場合、被覆層は、一方では、耐消耗性の向上のために被覆層に十分な硬度と耐摩耗性とを与え、他方では、沈積物の発生および沈積物の沈殿を回避するために、十分高い、液体アルミニウムに対する被覆層表面の濡れ性を与えるための十分な硬質材料を含み、それによって、カソードブロックの耐消耗性はさらに高まり、また、溶融電解中のエネルギー原単位がさらに低減される。しかし、同時に、被覆層に含まれる硬質材料の量は十分低いので、被覆層の表面は、硬質材料の添加による、十分高い長期安定性のためには高すぎる脆弱性を示さない。
さらに、上記被覆層が、15重量%以上40重量%以下、特に好ましくは15重量%以上30重量%以下の、1000℃以上の融点を有する硬質材料を含むときに、特に良い結果が得られる。
上記硬質材料を除いて、上記被覆層は、炭素および場合によっては結合剤、例えばピッチ、特に石炭ピッチおよび/または石油ピッチ、を含む。以下にピッチが挙げられている場合、そのピッチは、当該分野の専門家に公知のすべての種類のピッチを意味する。ここで、炭素は任意成分である結合剤とともに、上記硬質材料が埋め込まれたマトリックスを形成する。上記被覆層が、50重量%を超え85重量%以下、好ましくは60重量%以上85重量%以下、特に好ましくは70重量%以上85重量%以下の炭素を含むときには、特に良い結果が得られる。
ここで、上記被覆層に含まれている硬質材料は、アモルファス炭素、グラファイト、または、アモルファス炭素およびグラファイトからなる混合物であり得る。
本発明のさらに特に好ましい一実施形態によれば、本発明のカソードブロックの被覆層は、炭素として、アモルファス炭素のみを含んでいてもよいし、または、アモルファス炭素とグラファイトとの混合物を含んでいてもよい。アモルファス炭素とグラファイトとの混合物が用いられている場合に、その混合物は、10重量%以上99重量%以下、特に好ましくは30重量%以上95重量%以下、さらに特に好ましくは60重量%以上90重量%以下のアモルファス炭素と、残余グラファイトとの混合物である。当該グラファイトとしては、天然グラファイトまたは合成グラファイトが用いられていてもよい。
硬質材料を含む炭素複合材料からなる被覆層を有する、本発明のカソードブロックは、耐摩耗性がとりわけ高い。当該炭素複合材料は、炭素成分として、場合によって炭化された結合剤を含む、アモルファス炭素とグラファイトとの混合物(例えば、か焼された無煙炭、グラファイト、および、炭化されたピッチからなる混合物)、または、さらに特に好ましくは、場合によって炭化された結合剤を含むアモルファス炭素(例えば、か焼された無煙炭と炭化されたピッチとの混合物)を含む。アモルファス炭素の原料として、好ましくは、無煙炭が用いられる。その場合に、当該無煙炭は、800℃と2200℃との間の温度で、特に好ましくは1200℃と2000℃との間の温度で、か焼される。
アモルファス炭素を含むカソードブロックの被覆層として、本発明の思想のさらなる形態において提案されるのは、当該被覆層は、950℃における垂直方向の比電気抵抗が、20Ωμm以上32Ωμm以下、好ましくは22Ωμm以上28Ωμm以下であることである。これは、室温における、23Ωμm以上40Ωμm以下または25Ωμm以上30Ωμm以下の垂直方向の比電気抵抗に相当する。この関係において、垂直方向の比電気抵抗とは、カソードブロックを取り付けた状態での垂直方向の比電気抵抗であると理解される。
高価な硬質材料のためのコストをできるだけ低減するためには基本的には被覆層の厚みはできるだけ小さくすべきであるが、被覆層が十分高い耐摩耗性と耐用期間とを有するために十分な厚みにすべきである。このため、被覆層の厚みが、カソードブロックの全高の、1%以上50%以下、好ましくは5%以上40%以下、特に好ましくは10%以上30%以下、さらに特に好ましくは15%以上25%以下、例えば約20%のときに特に良い結果が得られる。
例えば、上記被覆層は、50mm以上400mm以下、好ましくは50mm以上200mm以下、特に好ましくは70mm以上130mm以下、さらに特に好ましくは90mm以上110mm以下、最も好ましくは約100mmの厚みまたは高さを有しうる。ここで、厚みまたは高さとは、被覆層の下面から被覆層の表面構造における最も高い凸部の部位までの距離であると理解される。
同様に、例えば、上記基層は、厚みまたは高さが、100mm以上550mm以下、好ましくは300mm以上500mm以下、特に好ましくは400mm以上500以下、さらに特に好ましくは425mm以上475mm以下、最も好ましくは約450mmであってもよい。
原則的には、カソードブロックの被覆層は、少なくとも一部が構造化された表面を有することは可能である。構造化された表面により、電解時に存在する電磁相互作用によって生じる、溶融アルミニウムの運動が減少し、それによって、アルミニウム層の波発生および膨らみが低減される。このため、表面構造化されたカソードブロックの使用によって、溶融液体アルミニウムとアノードとの間の間隔をさらに減少させることができ、それによって、オーム抵抗の減少の結果、セルの電気抵抗がさらに減少し、したがって、エネルギー原単位が低減される。
ここで、構造化された表面とは、カソードブロックの、横方向、長手方向または任意の他の方向、例えば、長手方向に対して鋭角または鈍角をなす方向に延びるかまたは無秩序に配置された少なくとも1つの凹部および/または凸部を有する表面であると理解される。このとき、表面の凹凸の輪郭において、上記凹部または凸部は、カソードブロックの表面の断面から見て、少なくとも1つの、0.05mm以上の、好ましくは0.5mm以上の深さまたは高さを有する。ここで、少なくとも1つの凹部および/または凸部は、被覆層上だけに限定されていてもよいし、または、少なくとも1つの凹部および/または凸部は、基層の中にまで延びていてもよい。好ましくは、少なくとも1つの凹部および/または凸部は、被覆層にのみ延びている。
本発明の意図するところでは、凹部とは、カソードブロックの表面から内部に向かってへこんでいる空所として理解される。それに対して、凸部とは、カソードブロックの表面から外部に向かって出っ張っている高台を意味する。ここで、例えば、長方形の空所または凸部が、それぞれ同じ深さまたは高さを有する場合には、その空所あるいは高台はが、凹部として理解されるか、あるいは凸部として理解されるかは、見る人により異なる可能性がある。”凹部および/または凸部”という表現は、凹部または凸部の概念のあいまいさを顧慮して用いられる。
原理的には、少なくとも1つの凹部および/または凸部は、カソードブロックの断面方向から見て、それぞれ任意の幾何形状を有していてもよい。例えば、少なくとも1つの凹部または凸部は、カソードブロックの断面方向から見て、凸形状、凹形状、または、例えば、台形、三角形、長方形、または正方形などの多角形の形状に形成することができる。
氷晶石溶融物中でのアルミニウム酸化物の溶融電解において本発明に係るカソードブロックを動作する時の波発生を防止するために、または、少なくとも相当程度減少させるために、および、発生しうる波の高さを徹底的に減少させるために、本発明の思想のさらなる形態において、表面の構造化が少なくとも1つの凹部を含む場合、少なくとも1つの凹部の幅に対する深さの比率は、1:3から1:1までの範囲であり、好ましくは1:2から1:1までの範囲であることが提案される。
上記少なくとも1つの凹部の深さが、10mm以上90mm以下、好ましくは40mm以上90mm以下、特に好ましくは60mm以上80mm以下、例えば約70mmであるときに、特に、良い結果が得られる。
さらに好ましい実施形態に従えば、上記少なくとも1つの凹部の幅は、100mm以上200mm以下、特に好ましくは120mm以上180mm以下、さらに特に好ましくは140mm以上160mm以下、例えば約150mmである。
基本的には、上記少なくとも1つの凹部は、カソードブロックの長手方向に見て、一部にのみ延びていてもよい。むろん、液体アルミニウムの波発生の減少の効果または完全な減少の効果を達成するためには、上記少なくとも1つの凹部は、カソードブロックの全長に亘って延びていることが好ましい。しかし、上記少なくとも1つの凹部の深さおよび/または幅を、カソードブロックの長手方向に沿って変化させることは可能である。同様に、上記少なくとも1つの凹部の幾何形状を、カソードブロックの長手方向に沿って変化させることも可能である。
構造化表面が少なくとも1つの凸部を含む場合、同様に、氷晶石溶融物中でのアルミニウム酸化物の溶融電解において本発明に係るカソードブロックを動作するときの波発生を防止するために、または、少なくとも相当程度に減少させるために、および、発生しうる波の高さを徹底的に減少させるために、好ましくは、上記少なくとも1つの凸部の幅に対する高さの比率は、1:2から2:1までの範囲、好ましくは約1:1である。
上記少なくとも1つの凸部の高さが、10mm以上150mm以下、好ましくは40mm以上90mm以下、特に好ましくは60mm以上80mm以下、例えば約70mmであるときに、特に、良い結果が得られる。
さらに好ましい実施形態に従えば、上記少なくとも1つの凸部の幅は、50mm以上150mm以下、特に好ましくは55mm以上100mm以下、さらに特に好ましくは60mm以上90mm以下、例えば約75mmである。
基本的には、上記少なくとも1つの凸部は、カソードブロックの長手方向に見て、一部にのみ延びていてもよい。しかしながら、液体アルミニウムの波発生の減少、または、波発生の完全な現象の効果を得るために、上記少なくとも1つの凸部が、カソードブロックの全長に亘って延びていることが好ましい。しかし、上記少なくとも1つの凸部の高さおよび/または幅を、カソードブロックの長手方向に沿って変化させることは可能である。同様に、上記少なくとも1つの凸部の幾何形状を、カソードブロックの長手方向に沿って変化させることも可能である。
構造化表面が少なくとも1つの凹部および少なくとも1つの凸部を含む場合、少なくとも1つの凸部の幅に対する少なくとも1つの凹部の幅の比率は、好ましくは4:1から1:1までの範囲であり、例えば約2:1である。
溶融電解の実施中に、カソードブロックの表面の構造化された構造における、溶融物に含まれる沈積物の沈殿を確実に回避するために、本発明の思想のさらなる形態において、構造化された表面において、曲げられる可能性のある領域、特に、直角の領域を防止することが提案される。例えば、本質的に長方形の断面を有する少なくとも1つの凹部および/または凸部が選択されるとき、本発明の好ましい実施形態では、直角の領域の角を取って丸くすることが好ましい。この角取り部の曲率半径は、例えば、5mm以上50mm以下、好ましくは10mm以上30mm以下、特に好ましくは約20mmとすることができる。鋭い角を回避するためには、原理的には、角を取って丸くするという概念に含まれるすべての任意の幾何形状が考えられる。
カソードブロックの凹部または凸部の数に関しては、本発明は限定されない。例えば、カソードブロックが、その横方向に、1個以上3個以下の凹部、好ましくは2個の凹部を有するときに、良い結果が得られる。
本発明のさらに特に好ましいさらなる実施形態に従えば、基層は、80重量%以上で、好ましくは90重量%以上で、特に好ましくは95重量%以上で、さらに特に好ましくは99重量%以上で、最も好ましくは、全部が、グラファイトと、結合剤、例えば炭化されたピッチとからなる混合物から構成される(グラファイトカソード体)。このような基層は、好適に低い比電気抵抗および十分に高い比熱伝導率を示す。ここで、この混合物は、好ましくは、70重量%以上95重量%以下のグラファイトおよび5重量%以上30重量%以下の結合剤、特に好ましくは、80重量%以上90重量%以下のグラファイトおよび10重量%以上20重量%以下の結合剤、例えば85重量%のグラファイトおよび15重量%の炭化されたピッチから、形成される。
好ましくは、基層の上面も、被覆層の下面も、また、それに伴い、基層と被覆層との境界面も、本質的には平面状に形成されている。また、これが好ましくないとしても、基層と被覆層との間に中間層を形成することができ、当該中間層は、例えば、中間層が被覆層より低い硬質材料濃度を有するということを除いては、被覆層のように形成される。
本発明の思想のさらなる形態においては、基層は、950℃における垂直方向の比電気抵抗が、13Ωμm以上18Ωμm以下、好ましくは14Ωμm以上16Ωμm以下であることが提案される。これは、室温では、14Ωμm以上20Ωμm以下または16Ωμm以上18Ωμm以下の垂直方向の比電気抵抗に相当する。
本発明のさらなる対象はカソードであり、当該カソードは、少なくとも1つの前述のカソードブロックを含み、ここで、このカソードブロックは、上記基層における、被覆層が配置されているのとは反対側の面に少なくとも1つの溝を有し、当該少なくとも1つの溝には、電解中にカソードに電流を供給するために、少なくとも1つの導体レールが設けられている。
上記カソードブロックに少なくとも1つの導体レールを固く固定するために、および、上記導体レールとカソードブロックとの間の電気抵抗を増大させる空洞を回避するために、少なくとも1つの導体レールが、少なくとも一部に、また、特に好ましくは周囲平面全体に、鋳鉄からなる被覆を有することがさらに好ましい。この被覆は、少なくとも1つの導体レールがカソードブロックの溝にはめ込まれ、さらに、導体レールと、溝との境界をなす壁部との間の空隙に鋳鉄が注ぎ込まれることによって製造される。
本発明のさらなる対象は、前述のカソードブロックまたは前述のカソードの、金属、特にアルミニウムの製造のための溶融電解を実施するための使用である。
好ましくは、アルミニウムの製造のために、氷晶石と酸化アルミニウムとからなる溶融物を用いて溶融電解を実施するために、上記カソードブロックまたは上記カソードが用いられ、ここで、溶融電解は、特に好ましくは、ホール・エルー法により実施される。
以下、本発明を、有利な実施形態に基づき、また、添付図面との関連付けのもとに、純粋に例示として説明する。
本発明の実施例に基づくカソードブロックを含むアルミニウム電解セルの一部分の模式的な断面図である。
図1は、カソード12を有するアルミニウム電解セル10の一部分の断面図を示す。カソード12は、同時に、電解セル10の動作中に製造された溶融アルミニウム14のための、および、溶融アルミニウム14の上方にある氷晶石−酸化アルミニウム溶融物16のための槽の底部を形成する。氷晶石−酸化アルミニウム溶融物16には、電解セル10のアノード18が接触している。側面では、アルミニウム−電解セル10の下部によって形成された槽が、図1に示されない炭素および/またはグラファイトからなる内張りと境をなしている。
カソード12は、複数のカソードブロック20、20’、20”を含み、これらは、それぞれ、カソードブロック20、20’、20”の間に配置された突き固めた塊の継ぎ目22、22’にはめ込まれた突き固めた塊24、24’を介して互いに結合されている。同様に、アノード18は、複数のアノードブロック26、26’を含み、ここで、アノードブロック26、26’は、それぞれ、カソードブロック20、20’、20”の約2倍の幅と約半分の長さを有する。このとき、アノードブロック26、26’は、カソードブロック20、20’、20”の上に、それぞれ1つのアノードブロック26、26’が、幅方向に並んで配置された2つのカソードブロック20、20’、20”を覆うとともに、それぞれ1つのカソードブロック20、20’、20”が、長さ方向に並んで配置された2つのアノードブロック26、26’を覆うように、配置されている。
各カソードブロック20、20’、20”は、下方の基層30、30’、30”と、当該基層の上に配置され、当該基層と固く結合された被覆層32、32’、32”とから構成されている。基層30、30’、30”と被覆層32、32’、32”との界面は平面である。カソードブロック20、20’、20”の基層30、30’、30”はそれぞれグラファイト材料構造を有している。すなわち、合成グラファイトまたは天然グラファイトを含むグラファイト炭素、および、炭化された結合ピッチからなる。一方、被覆層32、32’、32”はそれぞれ、二ホウ化チタンを含むグセラミックス−炭素−複合材料から構成され、当該セラミックス−炭素−複合材料は、20重量%の二ホウ化チタン、アモルファス炭素すなわち無煙炭、および、結合剤としての炭化されたピッチを含む。被覆層32、32’、32”に含まれる二ホウ化チタンは、標準ISO13320−1に基づく静的光散乱によって決定された体積加重平均粒径(d3,50)が、15μmであり、d3,90粒径が27μmであり、d3,10粒径が4μmである。
それぞれのカソードブロック20、20’、20”は、幅が650mmであり、高さは、合計して550mmである。この高さに関しては、それぞれの基層30、30’、30”は、高さが450mmであり、それぞれの被覆層32、32’、32”は、高さが、100mmである。上記アノードブロック26、26’と上記カソードブロック20、20’、20”との間隔は約200mm以上約350mm以下である。アノードブロック26、26’と上記カソードブロック20、20’、20”との間に配置される、氷晶石-酸化アルミニウム溶融物16からなる層は、厚さが約50mmであり、この氷晶石-酸化アルミニウム溶融物16からなる層の下方に位置する、溶融アルミニウム14からなる層は、厚さが約150mm以上約300mm以下である。
最後に、カソードブロック20、20’、20”は、それぞれその下面において2つの溝38、38’を含み、当該2つの溝38、38’はそれぞれ直角の断面、すなわち基本的に長方形の断面を有する。ここで、それぞれの溝38、38’には、それぞれ1つの、鋼鉄からなる導体レール40、40’が収納され、当該導体レール40、40’も、直角のまたは基本的に長方形の断面を有する。ここで、上記導体レール40、40’と、上記溝38、38’との境界をなす壁部との間のそれぞれ空隙に鋳鉄(示されていない)が流し込まれている。これにより、上記導体レール40、40’は上記溝38、38’の境界をなす壁部と固く接続されている。好ましくは、上記溝38、38’と、上記被覆層32、32’、32”の上面にある上記凹部34、34’とは、成型プロセス時に設けられ、それは、例えば、振動機による形成、および/または突き固めにより設けられる。
10 アルミニウム電解セル、 12 カソード、 14 溶融アルミニウム、 16 氷晶石-酸化アルミニウム溶融物、 18 アノード、 20、20’、20” カソードブロック、 22、22’ 突き固めた塊の継ぎ目、 24、24’ 突き固めた塊、 26、26’ アノードブロック、 30、30’、30” 基層、 32、32’、32” 被覆層、 38、38’ 溝、 40、40’ 導体レール

Claims (21)

  1. アルミニウム電解セルのためのカソードブロック(20、20’、20”)であって、
    前記カソードブロック(20、20’、20”)は、基層(30、30’、30”)と被覆層(32、32’、32”)とを含み、
    前記基層(30、30’、30”)は、グラファイトを含み、
    前記被覆層(32、32’、32”)は、融点が1000℃以上の硬質材料を15重量%以上50重量%未満含む炭素複合材料を含んでいる、
    ことを特徴とするカソードブロック(20、20’、20”)。
  2. 前記被覆層(32、32’、32”)に含まれる前記硬質材料は、ドイツ工業規格DIN EN 843−4に基づき測定されたヌープ硬度で、1000N/mm以上の硬さ、好ましくは1500N/mm以上の硬さ、特に好ましくは2000N/mm以上の硬さ、さらに特に好ましくは2500N/mm以上の硬さを有する、請求項1に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  3. 前記被覆層(32、32’、32”)に含まれている硬質材料は、二ホウ化チタン、二ホウ化ジルコニウム、二ホウ化タンタル、炭化チタン、炭化ホウ素、炭窒化チタン、炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化バナジウム、窒化チタン、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ならびに、これらの化合物の2以上の任意の化学的組み合わせおよび/または任意の混合物からなるグループから選択される、請求項1または2に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  4. 前記被覆層(32、32’、32”)に含まれている硬質材料は、単峰性の粒子径分布を有しており、ISO13320−1に基づく静的光散乱によって決定された体積加重平均粒径(d3,50)は、10μm以上20μm以下、好ましくは、12μm以上18μm以下、特に好ましくは、14μm以上16μm以下である、請求項1から3までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  5. 前記被覆層(32、32’、32”)に含まれている硬質材料は、単峰性の粒子径分布を有しており、ISO13320−1に基づく静的光散乱によって決定された体積加重平均粒径(d3,50)は、3μm以上10μm以下、好ましくは、4μm以上6μm以下である、請求項1から3までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  6. ISO13320−1に基づく静的光散乱によって決定された、前記硬質材料の粒径d3,90は、20μm以上40μm以下、好ましくは、25μm以上30μm以下である、請求項1から5までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  7. ISO13320−1に基づく静的光散乱によって決定された、前記硬質材料の粒径d3,90は、10μm以上20μm以下、好ましくは、12μm以上18μm以下である、請求項1から5までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  8. ISO13320−1に基づく静的光散乱によって決定された、前記硬質材料の粒径d3,10は、2μm以上7μm以下、好ましくは、3μm以上5μm以下である、請求項1から7までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  9. ISO13320−1に基づく静的光散乱によって決定された、前記硬質材料の粒径d3,10は、1μm以上3μm以下、好ましくは、1μm以上2μm以下である、請求項1から7までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  10. 前記硬質材料は、非酸化物チタンセラミックスおよび、好ましくは、二ホウ化チタンであり、前記硬質材料は、以下の式;
    スパン=(d3,90−d3,10)/d3,50
    によって算出された、0.65以上3.80以下、特に好ましくは、1.00以上2.25以下のスパン値を有する粒子径分布を有する、請求項1から9までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  11. 前記硬質材料は、80重量%以上、好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上、さらに特に好ましくは99重量%以上、最も好ましくは100重量%の、非酸化物チタンセラミックスおよび、好ましくは二ホウ化チタンを含む、請求項1から10までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  12. 前記被覆層(32、32’、32”)は、融点が1000℃以上の硬質材料を、15重量%以上40重量%以下、好ましくは15重量%以上30重量%以下含む、請求項1から11までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  13. 前記被覆層(32、32’、32”)は、50重量%超85重量%以下、好ましくは60重量%以上85重量%以下、特に好ましくは70重量%以上85重量%以下の炭素を含む、請求項1から12までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  14. 前記炭素は、アモルファス炭素、グラファイト、または、アモルファス炭素とグラファイトとの混合物である、請求項13に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  15. 前記炭素は、アモルファス炭素であるか、または、10重量%以上99重量%以下、特に好ましくは30重量%以上95重量%以下、さらに特に好ましくは60重量%以上90重量%以下のアモルファス炭素と、残余グラファイトとの混合物である、請求項14に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  16. 前記被覆層(32、32’、32”)は、950℃における垂直方向の比電気抵抗が、20Ωμm以上32Ωμm以下、好ましくは22Ωμm以上28Ωμm以下である、請求項1から15までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  17. 前記被覆層(32、32’、32”)の厚みは、カソードブロック(20、20’、20”)の全高の、1%以上50%以下、好ましくは5%以上40%以下、特に好ましくは10%以上30%以下、さらに特に好ましくは15%以上25%以下である、請求項1から16までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  18. 前記基層(30、30’、30”)は、80重量%以上で、好ましくは90重量%以上で、特に好ましくは95重量%以上で、さらに特に好ましくは99重量%以上で、最も好ましくは全部が、グラファイトと、結合剤とで構成されている、請求項1から17までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  19. 前記基層(30、30’、30”)は、950℃における垂直方向の比電気抵抗が、13Ωμm以上18Ωμm以下、好ましくは14Ωμm以上16Ωμm以下である、請求項1から18までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)。
  20. 請求項1から19までのいずれか1項に記載の、少なくとも1つのカソードブロック(20、20’、20”)を含むカソード(12)であり、
    前記カソードブロック(20、20’、20”)は、前記基層(30、30’、30”)における、前記被覆層(32、32’、32”)が配置されているのとは反対側の面に、少なくとも1つの溝(38、38’)を有し、
    前記少なくとも1つの溝(38、38’)には、電解中に当該カソード(12)に電流が流れるように、少なくとも1つの導体レール(40、40’)が設けられている、
    カソード(12)。
  21. 金属、特にアルミニウムの製造のための溶融電解を実施するための、請求項1から19までのいずれか1項に記載のカソードブロック(20、20’、20”)、または、請求項20に記載のカソード(12)の使用。
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