JP2014504941A - 空気式陣痛計 - Google Patents

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Abstract

空気式陣痛計(pTOCO)10が、保護リング13の中央部に小容量の空気を閉じ込めた、浅い球形の陥凹部12を跨いで伸張されている薄い弾性メンブレン18を含む保護リング13を有する。圧力トランスデューサ17が、pTOCO10の本体11内に成形され得る。別の実施例では、pTOCO10のメンブレン18の下の空気量は、小容量の空気導管14、15を介して、分離型圧力トランスデューサ16に結合され得る。

Description

本発明は陣痛計に関し、詳細には、空気式陣痛計(又は空圧式陣痛計(pneumatic tocodynamometer))に関する。
臨床診療では、分娩中の子宮収縮は、外部歪みゲージに基づく陣痛計(TOCO)、及び/又は子宮内圧カテーテル(IUPC)を使用して測定される。両方の装置とも、収縮活動の頻度、振幅、及び持続性を評価する際に、明確な利点及び欠点を有する。
TOCO設計の標準は、1950年代にSmythらによって開発された「保護リング」型である。保護リング型TOCOは、剛性リング内に支持された歪みゲージを備える。保護リング型TOCOの歪みゲージは非常に低い弾力性を有し、すなわち、力が加えられたときに移動しない。保護リング型TOCOは相対的にコストが高く、使い捨て可能ではないという欠点を有するが、意図せず処分されることも多い。使い捨て可能なTOCOは、患者間の相互感染を防ぐために望ましい。
米国特許仮出願第61/462,811号明細書
C.N.Smyth、「The Guard−Ring Tocodynamometer」、Journal of Obstetrics and Gyneacology、Vol.64、Issue 1、59〜66頁、1957年2月
したがって、この標準的な装置に対して作動上の均等性を維持しながら、コストが低く、使い捨て可能な、標準的保護リング型TOCOに代わる装置を提供することが所望される。
本発明は、この要求を満たす装置を目的としている。その装置は、保護リングの中央部に、例えば球形の陥凹部などの浅い陥凹部を跨いで伸張された薄い弾性メンブレンを備えた保護リングを有する空気式陣痛計(pTOCO)である。弾性メンブレンは、陥凹部内に小容量の空気を閉じ込める。圧力トランスデューサはpTOCOの本体内に成形可能である。別の実施例では、pTOCOのメンブレンの下の空気量が、小容量の空気導管を介して分離型圧力トランスデューサに結合されることが可能である。
どちらのバージョンにおいても、pTOCOの作動応答が、実質的に標準的保護リング型TOCOの作動応答に均等であることが、本発明の重要な観点である。これには、pTOCOが本質的に同じ物理的形状、保護リング領域及び圧力感知領域を有することが必要である。さらに、圧力感知領域は、加えた圧力に対して強い抵抗力を示す。言い換えれば、弾性メンブレンの弾力性は保護リング型TOCOの歪みゲージの低い弾力性に類似する。低い弾力性は、弾性メンブレンの変位が小さく、メンブレンの後ろに閉じ込められた空気量が小さい体積であることを意味する。通常の収縮中の好ましい変位は、0.0127cm(0.005インチ)であり、体積の受容可能な範囲は、約1ccから5ccであり、最も好ましい体積は、約1cc以下である。本発明は、これらの変位及び体積に限定されない。装置の作動性能が、標準的保護リング型TOCOの特徴から実質的に逸脱しないならば、変位及び体積は受容可能である。
したがって本発明の目的は、標準的歪みゲージ保護リング陣痛計よりも製造するのに高価でなく、したがってコストが小さい陣痛計を提供することである。
さらに、本発明の目的は、標準的保護リング陣痛計と作動上均等である陣痛計を提供することである。
また、本発明の目的は、使い捨て可能な陣痛計を提供することである。
さらに、本発明の目的は、患者の身体が楽になるよう改善するために、小さく、且つ現在の陣痛計よりも軽い陣痛計を提供することである。
本発明のこれら及び他の特徴、目的、及び利点が、好ましい実施例の以下の詳細な説明、及び以下に説明する図面と併せて添付の特許請求の範囲を考察することにより、よりよく理解されるであろう。
グラムで表示する、適用力対胎児心拍数モニタの圧力読出しの本発明の実施例の応答を示すグラフである。初期圧力は、グラフ上の5グラムの点に整列された。図1の用語「空気TOCO」は、pTOCOを示す。 標準的TOCOに適用した圧力対胎児モニタ上の圧力読出しのグラフである。 100mmHgの読出しでの初期空気量の関数としての平均メンブレン変位のグラフである。 本発明のpTOCOのセンサ本体の実施例の図であり、図4Cの線A−Aに沿って取られたセンサ本体の上面横断面図である。 本発明のpTOCOのセンサ本体の実施例の図であり、図4Aの円内の領域の詳細図である。 本発明のpTOCOのセンサ本体の実施例の図であり、センサ本体の前側立面図である。 本発明のpTOCOのセンサ本体の実施例の図であり、図4Cのセンサ本体の右側立面図である。 陣痛計の静的移動特性を測定するために使用される修正されたマイクロメータの平面図である。 メンブレン変位に対する陣痛計の複数組の応答を三角形、円及び十字で示すグラフである。 1000秒の時間間隔にわたる収縮測定のグラフである。上方のトレースは、標準的TOCOからの記録であり、下方のトレースは、10cc/100cc pTOCOからの同時の記録である。0秒から約550秒の時間間隔では、締め金が閉じられ、その結果、pTOCOの空気量が10ccであった。約550秒後に締め金が開放され、pTOCOの空気量が100ccであった。応答の著しい低下は、締め金が開放された後に観察される。 従来技術の陣痛計の実例(タイプ1)の斜視図である。 従来技術の陣痛計の別の実例(タイプ2)の斜視図である。 2つの収縮のグラフである。上方のトレースは、標準的TOCOからの記録であり、下方のトレースは、1cc pTOCOからの同時の記録である。 単一の収縮のグラフである。上方のトレースは、標準的TOCOからの記録であり、下方のトレースは、10cc pTOCOからの同時の記録である。 空気圧力トランスデューサと胎児モニタとの結合を示すブロック図に加えて、本発明の空気式陣痛計の実施例の上面横断面図である。 胎児モニタとの結合を示すブロック図に加えて、センサ本体内に組み込まれている空気圧力トランスデューサを含む本発明の空気式陣痛計の別の実施例の上面横断面図である。
図1から13に関連して、本発明の好ましい実施例をここで説明することができる。
図12及び13を参照すると、pTOCO10の実施例は、保護リング13によって取り囲まれている中央部に浅い陥凹部12を有する下方輪郭を備え付けたセンサ本体11を含む。浅い陥凹部12は、小容量の空気導管14によって、圧力トランスデューサ16に結合されている小容量のチューブ15と連通し、又はセンサ本体11内に組み込まれている圧力トランスデューサ17と直接連通する。圧力トランスデューサ17は、エレクトロニクスボード52に取付け可能である。圧力トランスデューサ17及びエレクトロニクスボード52は、センサ本体11内の凹所53内に配置可能であり、その結果、圧力トランスデューサ17は、空気導管14と流体連通し、したがって、陥凹部12内の空気量と流体連通する。エレクトロニクスボードは、凹所53内に封止されることが望ましい。
可撓性メンブレン18が、pTOCO10のセンサ本体11を跨いで伸張され、非常に小さい体積の空気を閉じ込める。メンブレン18は、接着剤によってセンサ本体11に取付け可能である。センサ本体10の例示的一実施例を示す図面4Aから4D及び12を参照されたい。センサ本体10は、アセタール・プラスチックなどのプラスチックから作製され得る。陥凹部12内に閉じ込められた空気に加えて、空気導管14内の空気、及びチューブ15内の空気が一体となって、閉鎖された内部空気量を構成する。メンブレン18に加える圧力が、閉じ込められた空気を圧縮し、それによって内部空気圧力が増加する。
圧力及び体積の特性が、理想的な気体法則、
PV=nRT 式(1)
によって説明され、Pは圧力、Vは体積、nは気体の分子数、Rは定数、Tは温度である。温度が一定の状態であり、気体の漏出がないと仮定すると、式(1)の右側は一定である。収縮中に測定された圧力で、可撓性メンブレン18は、体積Vが小さく維持される場合、且つその場合に限り、わずかにだけ動く。前記の別の方法では、体積を小さく維持することによって、メンブレン18上の圧力を圧力トランスデューサ16、17に伝達することができるが、メンブレンの動きはほとんどない。したがって、メンブレン18は、標準的TOCO20に類似する非常に低い機械的弾力性を示し、患者に同じ幾何形状を提供する。これらは、標準的保護リング型TOCO20の性能を再現するために必要な本質的特徴である。
図13に示す実施例では、圧力トランスデューサ17は、プラスチックのセンサ本体11内に成形されることになる。標準的胎児モニタ51に電気コネクタ50が、設けられる。この実施例は、完全に使い捨て可能である。
図12の実施例は、非常に小さい体積の可撓性プラスチック・チューブ15によって、物理的に分離している圧力トランスデューサ16に結合されている陥凹部12内に空気量を有することになる。トランスデューサ16は、次いで、電気コネクタ50によって胎児モニタ51に接続されている。プラスチック部品は、交換可能であり、圧力トランスデューサ16を再利用することができるが、しかし、簡単に交換可能である。これによって、使い捨て可能なTOCO向けに非常にコストが小さい代替装置を提供することになろう。
拡張した帯域幅を有するわずかに修正された装置は、分娩中の母体の呼吸及び脈拍モニタとして働くことができる。収縮事象と同時に集められたそのような母体パラメータは、分娩中に大きな価値を持つことができる。
上記の第2の実施例の試作品は、Utah Medical Productsによって製造された子宮内圧カテーテル(IUPC)トランスデューサを使用しており、長さ15cm、直径1mmのプラスチック・チューブ15によって、図4Aから4Dに示すセンサ本体11に結合された。薄い弾性メンブレン18が、図4Aの側面から示される面(区域A−A)に接着剤で付けられ、低い方の面、すなわち、患者に面している面内に機械加工された浅い球形の陥凹部12を覆っている。陥凹部12の所望のサイズは、10cmの球半径、及び3cmの直径である。メンブレン18は、患者に対して配置され、保持ベルトによって所定の位置に保持される。圧力が発達するにつれて、小さい閉鎖された内部空気量内に閉じ込められた空気に圧力が加わる。
図4Aから4Dに示すセンサ本体11に類似したセンサ本体11が、射出成形によって製造可能であり、プラスチックに組み込まれた圧力トランスデューサ16、17を備える、又は備えない場合がある。現在のIUPC製造技術は、適度のコストで、プラスチック筐体内に使い捨て可能な圧力トランスデューサを組み込む。外部圧力トランスデューサ16を備える第2の実施例では、図4Aから4D、及び12に示すように、結合チューブ15が圧力トランスデューサ16及び胎児モニタ51に取り付けられることになる。
pTOCO10は、上記の少なくとも2つの実施例、1)組み込まれた圧力トランスデューサ17を備える使い捨て可能な本体11、及び、2)再利用可能な圧力トランスデューサ16に取り付けられている使い捨て可能な本体11で市販可能と考えられる。第1の場合、完全に使い捨て可能な装置が、胎児モニタ51上の標準的IUPCコネクタにプラグで接続する電気コネクタ・ケーブル50を有するであろう。第2の場合、半永久的圧力トランスデューサ/増幅器16が、標準的IUPCコネクタ及びケーブルの端部にプラグで接続するであろう。半永久的トランスデューサ16は、基本的IUPCケーブルを2.54cm又は5.08cm(1インチ又は2インチ)伸ばしたものと考察され得る。半永久的圧力トランスデューサ16は、適度のコストで取替え可能であり、IUPC使用のために簡単に取り外すことができる。機械的な問題は、チューブが患者によってはさまれないこと、及び常に圧力トランスデューサ16と気密の結合が存在することを確認することであった。第1の実施例は、最も簡単で、信頼性のあるものであるが、一方、第2の実施例は、圧力トランスデューサが再利用可能なので、最も費用効果が高いであろう。
[標準的保護リング型TOCOの特徴]
本発明は、標準的装置に対して作動上の均等性を維持しながら、コストが低く、使い捨て可能な、標準的保護リング型TOCOに代わる装置を提供することを目的としている。いくつかの測定及び計算が、標準的TOCO及びpTOCOの機械的特徴をよりよく理解するために実施された。主な関心事は、pTOCOの静的移動特性に比較した、標準的機械的TOCOの静的移動特性である。
事実上の標準的陣痛計(TOCO)設計は、「保護リング」方式である。この装置は、C.N.Smythの「The Guard−Ring Tocodynamometer」、Journal of Obstetrics and Gyneacology、Vol.64、Issue 1、59〜66頁、1957年2月で初めて詳細に説明された。Smythの論文の中の一般的なTOCOの寸法は、外側直径が7.5cm、圧力感応性ピストン直径が2.25cmを示し、それは、その装置の現代版に非常に類似しており、現代版では直径7.7cmから6.5cmまで変化可能である。
図9、及びSmythの論文に従う議論から、保護リング陣痛計は、患者の腹部に対して平坦な面を示さねばならず、「実際に、平坦さ+/−0.02cmが、実施可能であり十分であると発見されてきた」ことは明らかである。本明細書で使用すると、この基準に一致すれば、面は本質的に平坦であり、又は同一平面であると考えられる。Smythはまた、「羊水内圧力120g/cmに対して、圧力プレート偏差は0.025cmである」と述べている。圧力感応性ピストンの形状の変化が存在するにしても、現在の市販の装置は、やはり、圧力感応性ピストンに対して、本質的に同じ機械的弾力性を保持している。
現代型TOCO20は直径が約7cmであり、保護リング31の中央部に、直径3cmの歪みゲージ力センサ30を有する。従来技術のTOCOの実例は、図8及び9に図示されている。表1に特徴を示す。
タイプ1の力センサ30は平坦で硬く、一方、タイプ2の力センサ32は、わずかに窪んでいる。力センサ30、32は、非常に低い弾力性を有する(すなわち、力が加えられたとき、大きく動くことはない)。
本発明の空気式TOCO(pTOCO)10は、保護リング型TOCO20の応答と同じ方法で応答し、母体の呼吸、及び活動の乱れなどの干渉を受けないことが望ましい。以下に示すように、均一な弾性メンブレンを有するpTOCOは、閉鎖された内部空気量を約10ccまでの受容可能な性能を有し、一方、中央部がより剛性であり、したがって、ピストンのような方法で応答するメンブレンを有するpTOCOは、閉鎖された内部空気量を約20ccまで受容可能な性能を有する。これらの体積を超えると、母体の呼吸、及び活動の乱れなどの干渉が、受容可能な水準を超えて性能を低下させ、一方、より低い空気量では、よりよい性能を有する傾向がある。1cc未満の体積が望ましいが、1ccが、市販の目的で、実際に達成できる最も低い体積である可能性がある。
圧力感知領域に加えられる圧力に対する標準的TOCO20の応答は、胎児モニタ上に表示される圧力に比較して、約6:1の割合である。図2では、定数(又は「基線」)は重要ではないことに留意されたいが、その理由は、TOCOが患者に適用されるときに、「基線を設定する」と呼ばれる手順によって定数が除去されるからである。このことは、収縮事象の間に一度行われ、TOCOの通常の作動の一部である。図2では、胎児モニタ上に表示される圧力を読み取る間に、圧力が標準的TOCO20に加えられた。したがって、pTOCO10内で使用される圧力トランスデューサ16、17は、標準的IUPCトランスデューサよりも6倍応答性が高くなければならず、又は、標準的IUPCトランスデューサが使用される場合、その時、標準的IUPCトランスデューサは、後の増幅を必要とするであろう。第2の実施例の試作品は、標準的IUPCトランスデューサを使用しており、その結果、後の増幅電子機器が取り付けられ、TOCO20に対して均等性を達成した。
標準的TOCO20の変位の応答は、特別に適合されたマイクロメータの運動40を適用することによって決定された。標準的TOCOの剛性圧力プレートは、胎児モニタ上に100mmHgの読出し(readout)を生成するために、0.0251cm(9.9ミル)移動しなければならない。これは、1枚の紙の約2倍の厚さである。100mmHgの圧力は、胎児モニタ帯記録紙上の最大測定限界である。典型的な収縮は、その大きさの約半分に達すると予期され、したがって、名目変位は約0.0127cm(5ミル=0.005インチ)である。
図5に、TOCOのメンブレン変位を正確に制御する道具40を示す。その装置は、本質的に、直径2.54cm(1インチ)の接触面41(顎部)で修正される標準的マイクロメータ40である。右の接触面41は、滑らかで正確なモーメントのために内側鋼鉄製ボール・ベアリングを有する。マイクロメータ40は、0.0254mm(1ミル=0.001インチ)の感度限界を有し、ダイヤルの完全な1回転は、0.635mm(25ミル)の変位を与える。道具40は、標準的TOCOを跨いで配置され、顎部41は、接触がなされるまで詰められた。接触の後、基線参照ボタンが押されて、胎児心拍数モニタが10mmHgの圧力を読み取った。基線を設定した後、道具40は規則的増加で内側へ調節された。図6は、単一の標準的TOCO上の3組の測定値を示す。
図6は、TOCOがセンサ変位と概ね直線状であるが、しかし、基線設定は一定ではないことを示す。低い変位では直線性に何らかの相違が存在する。非直線性は、死重量測定によってでもまた示されてきたことに留意されたい。基線設定が任意であるので、関連するパラメータのみがスロープであり、それは、Matlab(登録商標)最小二乗法あてはめ関数を使用して、3.98*10mmHg/cm(10.1mmHg/ミル)であると計算された。典型的な1枚の紙は約0.1016mm(4ミル)の厚さであるであることに留意されたい。0.1016mm(4ミル)の変位は、50.5mmHgのグラフの偏差の原因になるが、それは、標準的TOCOを使用する通常の収縮中の圧力ピーク表示に典型的である。
圧力に関してTOCOの応答性を測るために、薄いディスク形状のおもりが、標準的TOCO20の力感知領域上に置かれ、胎児モニタ上に表示される対応する圧力表示が記録された。結果の曲線が、必要に応じて上下に移動され、その結果、約5gで出力が10mmHgになった。これは、基線を5gに設定することに等しい。この工程は、pTOCO試作品を使用して繰り返された。その結果を図1に示す。
TOCOは、硬い圧力プレートに加えた力(applied force)を測定するので、平均表面圧力は、単純に、圧力プレートの面積によって除された、加えた重さである。死重量実験から、TOCOは、実際に加えた圧力のほとんど6倍の圧力を表示することは明らかである。直線状の後退は、Preadout=5.9*Papplied+定数を示す。本体外側のTOCOの圧力プレート上に発達した圧力が、子宮内圧よりも常に低くなければならないので、TOCOによって測定された腹圧は、分娩中、予期された子宮内圧カテーテルIUPC測定値に比較可能である値を与えるために、約6で単純に拡大される。
本発明は、市販の保護リング型TOCO20の作動特徴を再現し、可能な場合は改良をもたらすことを目的としている。標準的TOCO20の関連する特徴は以下の通りである。
1.本体直径、約7cm。
2.本体厚さ、約0.7cmから1cm。
3.圧力感応性トランスデューサの領域、約7cm。円形の場合、直径3cm。
4.0.0251cm(9.9ミル)のトランスデューサ圧力プレートの変位が、胎児モニタ上の100mmHgの圧力増加につながる。
5.応答性は、1/6(内部mmHg対外部mmHg)である。早期に実施された死重量実験から、(100/6)mmHg圧力を圧力プレート上に加える場合、胎児モニタは、100mmHgの圧力を示す。
市販のTOCO20は、低圧力で何らかの非直線性を示すが、しかし、このことは、重要又は所望であると考えられない。低圧力での標準的TOCO20の非直線性は、接触面と歪みゲージとの間の機械的結合のたるみによるものと考えられている。これらの測定は、すべての市販のTOCOを代表するものと考えられるが、しかし、モデルによって異なる場合がある。どの1つのモデルを与えられても、本明細書で示す方法は、相当するpTOCOを設計する方法を示す。
本明細書で示す実験結果は、特定のトランスデューサの作動特徴を示す。他のトランスデューサがわずかに異なる特徴を示す場合があるにせよ、本明細書で到達した結論は、従来技術の陣痛計で使用されるすべてのトランスデューサを代表するものであると考えられる。
[標準的TOCOの均等性]
pTOCOが、標準的TOCO20に対して均等性を達成するために、pTOCOは、本質的に同じ物理的形状、保護リング領域、変位、及び圧力感応性活動領域を備えねばならない。要点は、TOCOの圧力感応性領域が、加えた圧力に対して強い抵抗力を示すことである。
ここで、弾性シート(メンブレン)が、直径3cmの円形に開いた空間を跨いで伸張され、次いで分娩中の患者の腹部に押し付けられる場合、その弾性シート(メンブレン)が取る形状を考察されたい。メンブレンが、十分な後部空気圧を有する場合、その時は、メンブレンは依然として比較的平坦な状態であり、加えた圧力に対して強い抵抗力を達成する。これが、pTOCOに所望される通常の作動状態である。後部が単に開いていて、空気圧を入れる余地がある場合、その時患者の皮膚が変形し、開いた空間内に伸びることになろう。変形の程度は、弾性シート及び母体の皮膚の特性に依存することになり、その結果、メンブレン18の正確な体積変位は、実験室レベルでのみ特徴付けられる可能性がある。成形された3cm直径のピストンが侵入し、メンブレンが活動に対してまったく抵抗力を提供しないと仮定されたい。分娩中、最も大きな実際の読出しは、約100mmHgである。腹部で圧力が6:1に減少すると仮定すると、メンブレンの体積変位が、100mmHgの事象の間、式(1)を使用して計算することができる。式(1)から、
=P 式(2)
であり、この場合、下付きの数字は、収縮前状態「1」、及び収縮中状態「2」を示す。初期圧力、P=760mmHgは、大気圧であると考えられ、Vは、仮定した体積であり、P=P+100mmHg/6である。メンブレンの体積の変位は、V=V−Vである。代入すると以下の式になり、
=V(1−P/P) 式(3)
である。メンブレンの平均直線的変位は、次にメンブレンの円形面積Aで割ることによって見つかる。V/A対初期体積のグラフの図3を参照されたい。
図3は、低い初期空気量でメンブレンに非常に小さい変形が生じることを示す。第2の試作品では、V=0.83cc(cm)であり、平均メンブレンの変位が0.026mmという結果になる。初期体積が1cc程度(好ましい実施例)である場合、その時、メンブレン及び母体の皮膚は、非常に小さい伸張を経験することになり、装置及び母体の組織の弾性特性から独立した測定値をもたらす。閉じ込められた空気量が増加すると、メンブレン及び母体の組織の特性がより一層重要になる。
[pTOCOの設計考察]
TOCOメンブレンの機械的活動は、固定された重量を荷重されたばねと本質的に同じであり、Hookeの法則によって説明され、F=−k*xである。力は、子宮内で発達した圧力によって生成され、収縮中に子宮を前方に振動させ、それによって、TOCO圧力プレート上に力を発達させる。次いで、装置の出力を直線の式で形成することができ、
Pm=k*x+C1 式(4)
であり、Pmは、胎児モニタ上のmmHgの圧力読出しであり、ここで、kは、TOCO圧力プレートの「変位定数」であり、C1は、基線零圧調整手順中に設定される定数である。
上記の測定から、k=3.98*10mmHg/cmである。Smythの論文では、120g/cmの子宮内圧が、0.025cmの変位を与えた。Hgの濃度が13.534g/cmであると仮定すると、Smythの装置に対する「k」は、3.5466*10mmHg/cmである。さらに、上記に定義される、モニタ上に実際に表示された圧力(Pm)は、
Pm=G*P+C2 式(5)
などであるTOCO圧力プレートに加える実際の圧力(P)に比例する。
上記に作成された測定から、G=5.9である。上記のように、C2は、基線零圧調整手順によって設定される任意の定数である。分析が圧力の変化に限定される場合、ΔPm及びΔP、次いで、C1及びC2を無視することができる。Smythは、等価の子宮内圧を読み取るために彼の装置を較正しなかったので、Smythの研究から「G」の値を得ることがないことに留意されたい。しかし、Smythは、5cmの圧力プレート上に置かれた100gの重量、圧力20(g/cm)=14.77mmHgが、27.94cm(11インチ)のグラフ紙上に10cmの変位、ちょうど実物大の半分未満を生成するであろうと示している。本発明の場合、14.77mmHgは、実物大の87%であろう。したがって、Smythが使用した値「G」は、比較可能であったにちがいない。「G」の値は、いくらか主観的である「典型的」収縮に対して、ΔPmに約50mmHgを与える換算係数を選ばねばならないという点で、幾分恣意的であるように思われる。
増幅器が、空気式陣痛計とIUPCとの間に、通常は必要であるだろう。従来技術の陣痛計と作動上の均等性を達成するために、増幅器の利得は、必要に応じて調整され得る。本明細書で示唆する利得は、典型的であると考えられるが、しかし、特定の環境では、増幅器の利得を異なる水準に設定することが必要である場合がある。
pTOCOの設計は、標準的TOCOの正確な挙動を再現するために、式(4)及び式(5)の両方を満たさねばならない。式(5)を満たすために、圧力トランスデューサ増幅器は加えた圧力Pの5.9倍の読出しに設定されている。pTOCO及びTOCOの性能を一致させるように試みる前に、挙動を説明する基本的な式を引き出す必要があり、いくつかの重要な考えを発展させる必要がある。Boyleの法則、P=Pから出発して、
ΔP=P−P=P(V−V)/V 式(6)
を示すことは容易である。
次いで、V=V−ΔVである場合、ΔVは、加えた圧力変化ΔPによって生じた体積の小さい減少(メンブレンの変形)であり、
ΔP=P*ΔV/(V−ΔV) 式(7)
を発見する。式(7)をV>>ΔVである場合に簡略化することができる。したがって、ΔVに対して式(7)を解くと、
ΔV=(ΔP/(P−ΔP))V 式(8)
を得る。
は、大気圧760mmHgであると用いられる。ΔPは、以下の仮定を立てることによって推定可能であり、通常の基線手順が続き、モニタ出力が基線で10mmHgに設定される。次いで、十分な圧力がpTOCOに加えられて、モニタ帯記録紙上に強制的に60mmHgと読み出させ、それが典型的な収縮であると見なされる。それによって、ΔPmは、50mmHgであることを意味する。式(5)から、ΔP=50/5.9mmHg=8.47mmHgであるということになる。通常の状態では、ΔV=(0.0112)Vであり、ΔVが閉じ込められた空気量Vのわずか1%であることを示している。良い近似値のために、式(8)は、
ΔP=P*ΔV/V 式(9)
に、簡約される。
明らかに、体積の変化ΔVは、メンブレン内の動きの量に関連する。次いで必要であるのは、ΔVのΔxに関するモデルである。2つのモデル、ピストンのモデル及び球形のモデルが分析される。
いくつかの市販の陣痛計は、Smythによって記載された保護陣痛計に類似しているが、しかし、これらの装置では、圧力感応性プレートが、母体の皮膚内に数ミリメートル押し進む上昇した円錐形面を有する。pTOCOは、円錐形ディスクを接着剤でpTOCOメンブレンの面に付けることによって適合可能である。選択的にpTOCOメンブレンの中央部は、メンブレンの内側にディスクを接着剤で付けることによって剛性にすることができる。いずれの場合でも、修正されたメンブレンが、ピストンのように作用し、縁部では移動自在であるが、中央部では剛性である。ピストンの設計では、ΔV=A*Δxであると言うことができ、Aは、剛性pTOCOメンブレンの面積である。様々な式、及び等しい定数を使用することによって、ピストンのモデル「k」を説明する式を得る。
k=P*A*G/V=P*G/X 式(10a)
=P*A*G/k 式(10b)
仮にP=760mmHg、A=7.07cm(直径3cm)、G=5.9、及びk=3.98*10mmHg/cmとして、Vについて解くと、ピストン型メンブレン、及び所与の幾何形状に対して、V=7.96ccを得る。式(10b)では、必要な体積Vは、面積Aに比例し、したがって、選択される幾何形状に依存するということを理解することができる。式(10a)は、項Xを含み、X=(V/A)は、除荷したpTOCOメンブレンの後ろの閉じ込められた空気量の平均の深さである。上述の値に対して、X=1.126cmである。
及びVに対する上記の値は、上述の場合での受容可能な性能に対する最大値である。Smythの基準は、メンブレンの変位が制限されており(Δx<=0.025cm)、それは、「k」の値を期待圧力に設定することによって達成される。しかし、変位Δxでより低い限界は存在しない。X及びVを小さくすることによって、「k」が増加し、したがって、変位Δxを最小にする。
次に、メンブレンの弾性特性の効果を分析することができる。メンブレンは、変位するために力が必要であり、そのため値「k」を有する。pTOCOに対して、メンブレン向け「k」は、単にΔPに因って「k」を増加する。そのシステムを説明する式は
pTOCO=kmembrane+kair 式(11)
であり、ここで、kpTOCOは、式(4)の「k」であり、kmembraneは、メンブレンの変位定数であり、kairは、式(10a)から計算された「k」である。
メンブレンの効果は、単独で活動する閉じ込められた空気による硬さに比較して、メンブレンを「より硬く」することであるということが分かる。kmembrane〜kairである場合、Δxをもたらす、メンブレンで加える所与のΔPが期待よりも小さく、それによって、より小さいΔVを生成し、したがって、圧力センサで期待されるΔPよりも小さいΔPを生成するという結果になる。硬いメンブレンを補償するために、利得Gを単に増加させねばならない。Vをできるだけ小さくすることによって、kairを最大にすることが望ましい。これによってメンブレンの効果を減少させ、圧力センサに伝える圧力を最大にする。設計の検査として、pTOCOに対して必要なGが5.9であると発見される場合、その時、メンブレンの硬さは、閉じ込められた空気量によって示される硬さに対して影響力がないはずである。
母体の組織の正確なモデル、及び限定されている要素のソフトウェアのアプリケーションがないので、収縮中にどのようにpTOCOメンブレンが変形するかを正確に計算するための実用的な方法はない。近似として球形モデルを採用する。この仮定によれば、仮定の剛性メンブレンよりも作動するためにより実際的なモデルを与える。球形モデルから、
ΔV=πh(3r−h)/3 式(12)
を得るが、ここで、rは、球面の半径であり、hは、その中央部でのメンブレンの変位である。
さらに制限すると、体積Vの縁部は3cm幅でなければならない。これによって、以下の制限的式を得るが、単位はcmである。
=(3/2)+(r−h) 式(13)
式(13)の右辺側を展開して、半径「r」を解くことは簡単であり、
r=((3/2)+h)/(2h) 式(14)
である。
次いで、「r」を消去するために、式(14)を式(12)に代入することができ、
ΔV=πh(3(3/2)+h)/6=3.5343*h+0.5236*h 式(15)
を得る。
中央部の陥凹部hが最大値0.025cmに制限される場合、その時、hの項は、最初の項よりも大きさが少なくとも4次数小さく、3cm幅の球形の陥凹部について、
ΔV=3.5343*h 式(16)
を得る。
メンブレンの中央部での変位hに対して、体積ΔVは、同じ変位に対してピストンモデルの体積の半分である。式(8a)及び式(8b)について同じ工程に従うと、球形モデルに対する「k」とV1との間の関係は、
k=3.5(cm)*P*G/V=0.5*P*G/X 式(17a)
=3.5(cm)*P*G/k 式(17b)
によって得られる。
上記のように、仮にP=760mmHg、直径3cmのメンブレン球形モデル、G=5.9、及びk=3.98*10mmHg/cmとして、Vについて解くと、球形モデル、及び所与の幾何形状に対して、V=3.98cmを得る。式(17a)は、項Xを含み、X=(V/A)は、除荷したpTOCOメンブレンの後ろの閉じ込められた空気量の平均の深さである。上述の値に対して、X=0.563cmである。
直径3cmのメンブレンに対して、実際に閉じ込められた空気量の最小値は約1ccであり、好ましい実施である。上記のように、閉じ込められた体積が、V=1cmであり、ΔP=8.47mmHgであると仮定すると、その時、ΔV=0.0111cmである。式(16)を使用すると、所与の状態に対して、h=0.003153cm(1.242ミル)及びk=1.585*10mmHg/cmであり、それは、pTOCOメンブレンが実例のTOCOよりも約3.9倍硬いということを示している。
[10cc及び100ccの試作品]
均一な弾性メンブレンを使用する10cc及び100ccの試作品が、5人の患者に試された。100ccの試作品は使用可能な信号を決して生成しなかったが、一方、10ccの試作品は使用可能な信号を生成した。統計的に証明されてはいないが、10ccの試作品の記録は、1ccのpTOCO及び標準的TOCOに比較して、振幅がより小さく、呼吸などの母体の活動に対してより敏感であるように思われた。
メンブレンの後ろの平均深さ、Xは、メンブレン面積によって除された全閉じ込められた体積(結合チューブ及び圧力センサ内の空気を含む)に等しい。Xが応答性を決定する一次パラメータであり、全体積Vではないということを示した。100ccの試作品TOCOは、X=14.147cmで機能しなかった。
pTOCOメンブレンが、標準的TOCOの硬いプレートと同じ特徴を正確に有することができないことが理解されよう。実際の球形モデルは、メンブレン変位を分析するために開発された。中央部の変位が標準的TOCO20変位に一致する球形モデルを仮定すると、0.563cm(V=3.98cc)程度のXを得る。これは、直径3cmのメンブレンを有するpTOCOに対して、受容可能な最も大きな体積であるという可能性を確証する。
メンブレンが、できる限り硬く作製されるならば、その時、体積Vは最小にされねばならない。V=1ccの試作品を証明してきたが、その試作品はX=0.1415cmを与える。後者の場合、以下の理由から最も望ましく、その理由は、メンブレンが最も平坦であり、メンブレンの緊張がより少なく(誤差がより小さい)、Xが最小であり、それにより薄い陣痛計を可能にするからである。
1ccのpTOCOのみ、並びに標準的TOCOが、母体活動の乱れを受け付けなかったが、一方、1cc pTOCO及び10cc pTOCOの両方が類似の応答性を有する。これは、メンブレンの硬さは、母体収縮の乱れがない測定に必須であることを意味する。pTOCOの概念を保護リング型TOCOの幾何形状に統合することが、FDA(米国食品医薬品局)の均等性にとって必須である。乱れのない均等性を達成するには、Xを約0.56cm以下(体積約4cc)に制限することになろう。さらに、単に小さい体積のpTOCOを有することは、小さい体積、その上保護リングに均等ではないように思われる。
上記のように、圧力感知領域に加えた圧力に対する標準的TOCO20の応答は、胎児モニタ上に表示される圧力に比較すると、約6:1の比率である。図2では定数(又は「基線」)は重要ではなく、その理由は、TOCOが患者に適用されるときに、「基線の設定」と呼ばれる手順によって基線が除去されるからであることに留意されたい。収縮事象の間にこのことは一度行われ、TOCOの通常の作動の一部である。図2では、圧力が標準的TOCO20に加えられたが、一方胎児モニタ上に表示される圧力を読み出す。したがって、pTOCO10で使用される圧力トランスデューサ16、17は、標準的IUPCトランスデューサよりも6倍応答性が高くなければならず、又は標準的IUPCトランスデューサが使用される場合、その時、標準的IUPCトランスデューサは、後の増幅を必要とするであろう。第2の実施例の試作品は、標準的IUPCトランスデューサを使用しており、その結果、後の増幅電子機器に嵌合されて、TOCO20に対して均等性を達成した。
[10ccの試作品、及び100ccの試作品での体積及び変位]
pTOCOの応答に対する体積効果を研究するために、10cc又は100ccの体積の組合せ陣痛計が試験のために構成された。この試作品は、初期1cc体積試作品と同じ直径であり、同じ直径3cmのメンブレン材料を有する。10cc試作品は、90ccの体積に設定された大きな注射器を嵌め込まれていた。「T」結線が10cc pTOCOを圧力トランスデューサに連結するチューブ内に配置され、注射器は「T」結線内に結び付けられた。締め金が、注射器と「T」との間に配置され、その結果、締め金が閉じる場合、体積は約10ccであり、締め金が開く場合、体積は約100ccである。第1の場合を10cc pTOCOと呼び、第2の場合を100cc pTOCOと呼ぶことになる。
上記の測定から、pTOCOの閉じ込められた空気量は、所与のメンブレン変位について、システムの応答性に影響を与えることは明らかである。市販の陣痛計の挙動を再現することが望ましいであろう。圧力の100mmHgの変化は、メンブレンの位置の約0.25mm(9.9ミル)の変化に相当するべきである。比較のために、1枚の紙は、典型的に、0.1mm(4ミル)の厚さである。空気に基づくpTOCOに対して、以下の式が当てはまり、
dP=−P(dV/V)/(1+(dV/V)) 式(18)
であり、
この式で、Pは初期圧力(1気圧又は760mmHg)であり、Vは初期体積であり、dVは、メンブレン変位によって生じる体積の変化であり、dPは、読出しに対して感知されねばならない圧力の変化である。
式(18)を計算する方法は、関連するパラメータが体積(dV/V)のパーセント変化であることを明らかにする。この場合、式(9)を簡易化しない。圧力感知領域が硬いと仮定するならば、その結果、メンブレンは、市販のTOCOの場合と同様にピストンのように作動し、その時、閉じ込められた空気量の均等の厚さについて何かを述べることができる。次いで、式(18)は、dPを変位の関数として表現するために修正され得る。X=V/Aとすると、その結果、V=A*X及びdV=A*dXであり、Aはメンブレンの面積(cm)であり、Xはメンブレンの後ろの体積の平均深さである。この「平均深さ」体積は、圧力トランスデューサを結合するために使用されるチューブの体積を含み、メンブレンのすぐ後ろにはない同様の体積も含むであろうことに留意しなければならない。式(18)は、
dP=−P(dX/X)/(1+(dX/X)) 式(19)
に、簡約される。
弾性メンブレンは、ピストンとして作動し、その結果、メンブレンによって変位した体積は、ディスク形状の体積であると考えることができる。上記に示すように、標準的TOCOのトランスデューサ・プレートの変位は、典型的には、100mmHgの読出しに対して、0.0251cm(9.9ミル)である。100mmHgの読出しに対して、実際に加える圧力は、100mmHgの約1/6の16.67mmHgである。dP=16.67mmHg、dX=−0.0251cm、及びP=760mmHgと仮定すると、式(19)からX=1.17cmを得る。次いで、X=1.17cmに7.07cmを掛けると体積8.27ccを得る。
直径3cmのメンブレンの中央部が0.0251cm(9.9ミル)動くと、その時、式(15)によって、V=0.0889cmを得、Vは式(18)を使用することによって見つけることができ、dV=−Vd1、dP=100/6=16.67mmHg、及びP=760mmHgを使用する。式(18)から、V=4.14cmである。また、平均厚さは、X=4.14cm/7.07cm=0.563cmになろう。
メンブレンができる限り「硬い」と仮定すると、体積Vは、単純に最小化されるべきである。約1cmの体積が達成可能であることを証明してきた。V=1cm、P=760mmHg、及びdP=16.67mmHgの場合、その時dV=−0.0215cmである。ピストンの動き、すなわち変位がdX=0.003cmであり、及び、より現実的な球形モデルであると仮定すると、h=0.0061cmである。いずれの場合も、X=V/7.07=0.1415cmである。
試作品で直径3cmのメンブレンが使用されるとすると、面積「A」は0.07cmである。体積1ccに対して、Xは0.145cmであり、体積10ccに対して、Xは1.45cmであり、体積100ccに対して、Xは14.5cmである。面積Aには、実際の制限が存在するが、しかし、同じdX/Xを有する体積の範囲は、非常に大きい可能性がある。
1cc pTOCOの全体寸法(本体直径7cm、メンブレン直径3cm)を維持する10cc pTOCO対100cc pTOCOの効果を評価するために、複数のテストが行われた。5組のデータが、10cc体積、及び100cc体積で記録された(締め金が閉鎖され、次いで開放された)。その実施要領は、pTOCOが患者に配置され、基線が10cc様式に設定されることが必要であった。記録後、締め金が開放され、基線が再設定された。記録は、名目上1200秒であった。全体的な結果は、10cc pTOCOが収縮を記録したが、しかし、1)はるかに多い母体の呼吸、及び、2)標準的TOCO、又は1cc pTOCOに比較してより多くの活動の乱れを示したというものであった。5つの記録は、統計的分析のために十分なデータを提供しなかったが、しかし、1cc pTOCOを10cc pTOCOに比較すると、重要性応答が幾分減少するという印象である。100cc pTOCOからの応答の欠如は明らかであった。10cc pTOCO対100cc pTOCOの実例を図7に示す。締め金が、0秒から約550秒まで閉じられた(10cc様式)。550秒後、締め金が開放され、試作品が100cc方式で作動していた。締め金が解放された時点で、振幅の低下は明確である。10cc pTOCOと100cc pTOCOとの間の記録された振幅の相違は、図7に示すものと必ずしも同じ大きさではなかった。しかし、100cc pTOCOは、使用可能な記録に決して戻らなかった。また、TOCO(上方のトレース)内に見られない10cc pTOCO(下方のトレース)内の大きな変動(活動の乱れ)に留意されたい。図10及び11は収縮測定をより詳細に示している。図11は、グラフが胎児モニタからの帯記録紙に一層類似する縮尺で、単一の収縮を拡大した図である。図11では、上方のトレースは、10cc pTOCOと同時に、1つの収縮をとらえている標準的TOCOからの記録である。pTOCOトレースに重なるスパイク波形は、半周期的であり、3〜5秒離れている。これは、母体の呼吸である。図10は、同時にデータをとらえている(2つの収縮)1cc pTOCO及び標準的TOCOの実例である。圧力増加の開始は、両装置で同じであることは明らかであり、通常、ピークのタイミングは同じである。TOCO信号内の約110秒でのレベルの急な変化を見つけることができるが、しかし、pTOCO信号では見られない。ここで、患者は移動しており、明らかにTOCOの位置を変えたが、pTOCOではそのようなことはなかった。2つの装置の均等性を提供するには、装置の位置が読出しに影響し、患者が移動し、又は一方の装置を押すが、他方の装置は押さない可能性があるという本質的困難さがある。挙動を統計的に観察しなければならない。
米国だけでも毎年400万の出生数が存在する。製品が特許保護を享受している産業国を加えると、その潜在数は容易に2倍になるだろう。第2の型は費用に敏感な状況では、非常に魅力的になり得る。圧力トランスデューサを含めて、すべての構成要素が大量生産可能であり、標準的な使い捨て可能なIUPC装置に匹敵する価格である。
本発明は、特定の好ましい実施例及び代替実施例に関連して説明してきたが、それらは例示を目的とするだけであり、添付の特許請求の範囲に記載する本発明の完全な範囲を限定するためではない。2011年2月8日出願の米国仮出願第61/462,811号の開示を本明細書に参照としてここに組み込むものとする。

Claims (23)

  1. 平坦な下方面を有するセンサ本体であって、前記平坦な下方面が、剛性保護リング、及び前記剛性保護リングの中心に位置付けられる陥凹部を覆う弾性メンブレンを有しているセンサ本体と、
    前記陥凹部及び前記弾性メンブレンによって画定される閉鎖された内部空気量と、
    前記閉鎖された内部空気量と連通する圧力トランスデューサと
    を有する空気式陣痛計。
  2. 前記圧力トランスデューサが前記センサ本体内に埋め込まれている、請求項1に記載の空気式陣痛計。
  3. 前記圧力センサと連通する連結チューブと、前記閉鎖された内部空気量と前記連結チューブとの間に連通する、前記センサ本体内の空気導管とをさらに有し、前記閉鎖された内部空気量が、前記空気導管及び前記連結チューブ内に含まれる空気量をさらに含む、請求項1に記載の空気式陣痛計。
  4. 前記陥凹部が球形の陥凹部である、請求項1に記載の空気式陣痛計。
  5. 前記球形の陥凹部が、10cmの球半径、及び前記下方面における3cmの直径によって画定される、請求項4に記載の空気式陣痛計。
  6. 前記閉鎖された内部空気量が1cc以下である、請求項2又は3に記載の空気式陣痛計。
  7. 前記閉鎖された内部空気量が1ccから5ccの範囲である、請求項2又は3に記載の空気式陣痛計。
  8. 前記弾性メンブレンが、通常の収縮中に0.0127cm(0.005インチ)以下変位される、請求項1に記載の空気式陣痛計。
  9. 前記圧力トランスデューサに作動可能に結合された胎児モニタをさらに有する、請求項1に記載の空気式陣痛計。
  10. センサ本体と、
    前記センサ本体上に配置された、平坦な下方面を有する剛性リングと、
    前記センサ本体内にあって、前記剛性リングの中心に位置する陥凹部と、
    前記陥凹部を覆う弾性メンブレンであって、前記剛性リングの前記下方面と本質的に同一平面である平面内に配置された弾性メンブレンと、
    前記陥凹部及び前記弾性メンブレンによって画定される閉鎖された内部空気量と、
    前記閉鎖された内部空気量と連通する圧力トランスデューサと
    を有する空気式陣痛計。
  11. 前記メンブレンが前記センサ本体の前記下方面の全体を実質的に覆う、請求項10に記載の空気式陣痛計。
  12. 前記メンブレンが前記陥凹部の縁部に封止された、請求項10に記載の空気式陣痛計。
  13. 前記圧力センサと連通する連結チューブ、及び前記閉鎖された内部空気量と前記連結チューブとの間に連通する、前記センサ本体内の空気導管をさらに有し、前記閉鎖された内部空気量が、前記空気導管及び前記連結チューブ内に含まれる空気量をさらに含む、請求項10に記載の空気式陣痛計。
  14. 前記メンブレンが均等に弾力的である、請求項10又は13に記載の空気式陣痛計。
  15. 前記メンブレンが剛性中央部及び弾力的周辺部を含む、請求項10又は13に記載の空気式陣痛計。
  16. 前記剛性中央部が、前記メンブレンの内側に付着された剛性ディスクを有する、請求項15に記載の空気式陣痛計。
  17. 前記剛性中央部が、前記メンブレンの外側に付着された円錐形ディスクを有する、請求項15に記載の空気式陣痛計。
  18. 前記閉鎖された内部空気量が10cc以下である、請求項14に記載の空気式陣痛計。
  19. 前記閉鎖された内部空気量が約4ccである、請求項18に記載の空気式陣痛計。
  20. 前記閉鎖された内部空気量が約20cc以下である、請求項15に記載の空気式陣痛計。
  21. 前記閉鎖された内部空気量が約8ccである、請求項20に記載の空気式陣痛計。
  22. 前記センサ本体が、約7.7cmから6.5cmの範囲の直径を有する円形下方面を有する、請求項10又は13に記載の空気式陣痛計。
  23. 前記メンブレンの後ろに閉じ込められた空気の深さの平均が、1.17cm以下である、請求項22に記載の空気式陣痛計。
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