JP2014504743A - 雑音抑圧方法及び当該雑音抑圧方法を適用するための雑音抑圧器 - Google Patents

雑音抑圧方法及び当該雑音抑圧方法を適用するための雑音抑圧器 Download PDF

Info

Publication number
JP2014504743A
JP2014504743A JP2013547394A JP2013547394A JP2014504743A JP 2014504743 A JP2014504743 A JP 2014504743A JP 2013547394 A JP2013547394 A JP 2013547394A JP 2013547394 A JP2013547394 A JP 2013547394A JP 2014504743 A JP2014504743 A JP 2014504743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
noise
power spectrum
microphone
stationary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013547394A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5690415B2 (ja
Inventor
ゾーラ イェルメッチェ,
ペル オーグレン,
アンデシュ エリクソン,
Original Assignee
テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル)
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) filed Critical テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル)
Publication of JP2014504743A publication Critical patent/JP2014504743A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5690415B2 publication Critical patent/JP5690415B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R3/002Damping circuit arrangements for transducers, e.g. motional feedback circuits
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2410/00Microphones
    • H04R2410/05Noise reduction with a separate noise microphone
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2499/00Aspects covered by H04R or H04S not otherwise provided for in their subgroups
    • H04R2499/10General applications
    • H04R2499/11Transducers incorporated or for use in hand-held devices, e.g. mobile phones, PDA's, camera's

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Noise Elimination (AREA)

Abstract

雑音及び間欠的な音声をキャプチャできるように主マイクロホン及び基準マイクロホンが通信装置に配置された場合の、当該主マイクロホンによってキャプチャされた第1の信号の雑音を抑圧するための方法を提供する。本方法は、第1の信号が非定常の信号成分を含むか、または定常の雑音を実質的に含むかを判定するステップと、第1の信号が非定常の信号成分を含むと判定された場合に、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むかを判定するステップと、第1の信号が定常の雑音を実質的に含むと判断される場合には、定常雑音パワースペクトルの推定値で、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断される場合には、遠距離場雑音パワースペクトルの推定値で、第1の信号の雑音パワースペクトルの推定値を更新するステップと、推定された雑音パワースペクトルに基づいて周波数応答を計算するステップと、周波数応答を第1の信号に適用することによって、第1の信号から雑音を抑圧するステップとに基づいている。当該雑音抑圧方法を実行可能な雑音抑圧器も提案する。

Description

本書面は、雑音を抑圧するための方法、及び提案される雑音抑圧方法を実行するのに適した雑音抑圧器に関するものである。
一般に、音声通信という用語には、遠端または離れたユーザに対する近端の音声信号の伝送が含まれると言うことができ、音声強調の課題は、キャプチャされた雑音のある信号から比較的きれいな音声信号を推定することにある。雑音の抑圧を検討すると、改善をもたらす多数の単一マイクロホン構成が存在する。
音場を同時にキャプチャするための、離れた2つのマイクロホンの使用によって、空間情報と、マイクロホンによってキャプチャされる音場の発生源である(1つ以上の)音源の特性とを使用する可能性がもたらされる。これらの特性は、モバイル通信装置の設計及び使用法だけでなく、モバイル通信装置上のマイクロホンの相対的な配置に関連しうる。雑音特性の適切な推定は、例えば、この特定の技術分野において慣用されているスペクトルサブトラクションに基づくアルゴリズムのような、雑音抑圧アルゴリズムの効率的な使用のための基礎を形成する。
複数のマイクロホンによって受信される信号が、通信装置のユーザによって生成される近端信号について、相対的に同じようなパワーレベルを有するという想定に基づいて、デュアル・マイクロホン雑音抑圧を実行するための様々な方法が提案されている。
特許文献1では、2つのマイクロホンによってキャプチャされた入力信号から、パワー差信号とパワー和信号との比を生成し、その後に2つの入力信号のうちの1つから推定された雑音を抑圧するように入力信号が処理されることによって、雑音抑圧が実行される。
特許文献1の欠点は、マイクロホンのペアによってキャプチャされた信号間の差分が小さいか、または差分さえ存在しないという想定に依存しており、実際には、モバイル装置上で隣り合って実装されたデュアル・マイクロホンが、任意のゲイン差を示すということである。この差は、製造時のマイクロホン・ゲインの大きな変動と、モバイル装置がハンドヘルド・モードで使用される際の、話者の口に対する当該モバイル装置の位置の小さな変化による、近距離場信号受信レベルの変動との両方に伴うものである。
例えば特許文献2に示される方法のような他の方法は、時間‐周波数領域において音声と雑音とを区別して、それに応じて雑音を抑圧するために、受信したマイクロホン信号間のレベル差を利用する。
しかし、典型的には主マイクロホンと称される、基本的に音声信号をキャプチャするために使用されるマイクロホンとともに、典型的には基準マイクロホンと称される、雑音をキャプチャするためのマイクロホンを使用すること、及び、2つのマイクロホンで得られる信号レベル差を利用することによって、時間‐周波数領域における、音声信号及び雑音信号のかなり良好な検出が可能であるものの、特許文献2に記載のアプローチのような、マスキング・アプローチに基づく雑音抑圧は、通常、抽出された音声信号に高い歪みを生じさせるとともに、多くの場合、音楽雑音ももたらす。
特許文献3には、デュアル・マイクロホン雑音抑圧に適用可能なスペクトルサブトラクション・ベースの方法が提案されており、当該方法では、雑音が低減された信号及び雑音が推定された信号を個別に生成するためにスペクトルプロセッサが使用されている。
特許文献3に記載された技術のような、スペクトルサブトラクション技術は、一般に、音声キャンセレーションに対して比較的ロバストであり、定常雑音の比較的良好な抑圧をもたらすことが証明されている。通常はスペクトルサブトラクションと関連して使用されるフィルタリング処理は、通常、雑音のスペクトルの推定値と、雑音のある音声のスペクトルの推定値とに依存する。雑音スペクトルは、望ましくは音声が途切れている間に推定され、雑音のみの定常部分に基づいている。しかし、例えば、レストラン、空港、通り、及びその他の公共の場のような、多くの背景雑音環境は、スペクトルサブトラクション技術に基づく既知の実装では考慮されていない、高いレベルの非定常雑音の存在によって特徴付けられ、それ故に、これらの技術を適用する際に、通信リンクの遠端のユーザへ送信される信号に、非定常雑音がフィルタリングされずに残ってしまう。
国際公開第2007/059255号 米国特許出願公開第2007/0154031号明細書 国際公開第2000/062579号
本発明は、上記で概説した課題の少なくとも一部に対処することを目的としている。具体的には、本発明は、2つ以上のマイクロホンによってキャプチャされた雑音を抑圧する方法、及び提案される当該方法を実行する雑音抑圧器を提供することを目的としている。
一態様によれば、雑音及び間欠的な音声をキャプチャできるように通信装置に配置された、主マイクロホンによってキャプチャされた第1の信号の雑音を抑圧するための、通信装置における方法が提供され、雑音の抑圧は、第1の信号と、主マイクロホンと実質的に同一の信号レベルで雑音をキャプチャでき、かつ、主マイクロホンよりも低い信号レベルで音声をキャプチャできるように通信装置に配置された、基準マイクロホンを介してキャプチャされた第2の信号とを処理することによって実行される。
本方法は、第1の信号が非定常の信号成分を含むか、または定常の雑音を実質的に含むかを判定するステップを含む。第1の信号が非定常の信号成分を含むと判定された場合に、当該第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むかを判定する。
前のステップで、第1の信号が定常の雑音を実質的に含むと判断された場合には、定常雑音パワースペクトルの推定値で、第1の信号の雑音パワースペクトルの推定値を更新する一方、そうではなく、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断された場合には、遠距離場雑音パワースペクトルの推定値で、第1の信号を更新する。
次に、推定された雑音パワースペクトルに基づいて周波数応答を計算し、当該周波数応答を第1の信号に適用することによって、当該第1の信号から雑音を抑圧する。
本提案方法は、定常の雑音と非定常の雑音とを含む雑音を抑圧するのに特に適合した、改善された雑音抑圧方法である。
説明したステップは、雑音の現在の性質に基づく頻度の抑圧が常に実行されるよう、典型的には時間フレーム単位で繰り返される。
第1の信号が非定常の信号成分を含むか、または定常の雑音を実質的に含むかを判定するステップは、特定の時間フレームについて判定された第1の信号のパワースペクトルと、第1の信号の平均パワースペクトルとの差分を評価するステップと、当該差分が所定の閾値を超える場合に、第1の信号が非定常信号であると判定するステップと、によって達成されてもよい。
典型的には、本方法は、第1の信号について推定された第1のパワースペクトルと、第2の信号について推定された第2のパワースペクトルとの比である信号パワースペクトル比を計算するステップと、第1の信号が定常の雑音を実質的に含むと判断された場合に、パワースペクトル比が計算されたと判定されると、計算されたパワースペクトル比に基づいて、マイクロホン間ゲインオフセットを更新するステップとを含むか、または、第1の信号が非定常の信号成分を含むと判断された場合に、パワースペクトル比が計算されるたと判定されると、計算されたパワースペクトル比と更新されたマイクロホン間ゲインオフセットとを比較することによって、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むかを判定するステップを含む、更新手順を含む。
非定常信号成分が第1の信号に存在しないことを検出したことに応じてマイクロホン間ゲインオフセットを更新することによって、第1及び第2のマイクロホン間の特有のゲイン差を、マイクロホンのキャリブレーションを何ら必要とすることなく補償可能である。本提案方法によれば、更新されたマイクロホン間ゲインオフセットが、所定のマージンが付加されたパワースペクトル比を超える場合に、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断されてもよい。
マイクロホン間ゲインオフセットの更新は、徐々に実行されてもよく、即ち、直前に計算されたマイクロホン間ゲインオフセットを、なだらかな適応が得られるよう、直前に計算されたパワースペクトル比に基づく所定の値を用いて徐々に増加または減少させることによって実行されてもよい。
代替的な実施形態によれば、本方法は、2つ以上の主マイクロホンと2つ以上の基準マイクロホンとの少なくともいずれかを備える通信装置に適用されてもよい。
後者の場合、上述した本方法のステップは、複数のマイクロホンのうちの主マイクロホン及び基準マイクロホンの、少なくとも1つの組み合わせごとに繰り返されてもよい。また、2つ以上の主マイクロホンのうちの1つを、ドミナント主マイクロホンとして選択し、更に、選択したドミナント主マイクロホンによってキャプチャされた信号から雑音を抑圧する。
パワースペクトル比の計算と、マイクロホン間ゲインオフセットの更新とを、マイクロホンの組み合わせごとに繰り返すことによって、提案する抑圧方法の精度が更に改善されうる。
本雑音抑圧は、典型的には、スペクトルサブトラクションフィルタに基づくフィルタの伝達関数を計算するステップを含む。
一実施形態によれば、最小ゲインがフィルタに適用されうる一方で、他の実施形態によれば、異なる複数の最小ゲインが、代わりにフィルタに適用されうる。その場合、そのような異なる複数のゲインは、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むか、または定常の雑音を実質的に含むかに依存して、それぞれ適用可能である。
本雑音抑圧は、典型的には、最小位相法または線形位相法に基づいて、フィルタのフィルタ係数を計算するステップを含む。
他の態様によれば、主マイクロホンによってキャプチャされた第1の信号と、基準マイクロホンを介してキャプチャされた第2の信号とを処理することによって、当該第1の信号の雑音を抑圧するための雑音抑圧器が提供され、2つのマイクロホンは、上述の方法のために提案されたように配置される。
雑音抑圧器は、第1の信号が非定常の信号成分を含むか、または定常の雑音を実質的に含むかを判定する信号定常性評価部と、当該信号定常性評価部によって、第1の信号が非定常の信号成分を含むと判定された場合に、当該第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むかを判定する遠距離場信号評価器とを備える。
雑音抑圧器は、信号定常性評価部によって、第1の信号が定常の雑音を実質的に含むと判断された場合には、定常雑音パワースペクトルの推定値で、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断された場合には、遠距離場雑音パワースペクトルの推定値で、第1の信号の雑音パワースペクトルの推定値を更新する雑音パワースペクトル推定器を更に備える。
また、雑音抑圧器は、推定された雑音パワースペクトルに基づいて周波数応答を計算するとともに、当該周波数応答を前記第1の信号に適用することによって、第1の信号から雑音を抑圧するフィルタリング部を備える。
信号定常性推定器、遠距離場信号評価器、雑音パワースペクトル推定器、及びフィルタは、典型的には、時間フレーム単位で信号処理を繰り返し実行する。
信号定常性評価器は、特定の時間フレームについて判定された第1の信号のパワースペクトルと、第1の信号の平均パワースペクトルとの差分を評価し、かつ、当該差分が所定の閾値を超える場合に、第1の信号が非定常信号であると判定することによって、第1の信号が非定常の信号成分を含むか、または定常の雑音を実質的に含むかを判定する。
雑音抑圧器は、信号パワースペクトル比を計算するパワースペクトル計算部と、信号定常性評価器によって、第1の信号が定常の雑音を実質的に含むと判断された場合にパワースペクトル比が計算されたと判定されると、計算されたパワースペクトル比に基づいて、マイクロホン間ゲインオフセットを更新するマイクロホン間ゲインオフセット計算器と、信号定常性評価器によって、第1の信号が非定常の信号成分を含むと判断された場合にパワースペクトル比が計算されたと判定されると、計算されたパワースペクトル比と更新されたマイクロホン間ゲインオフセットとを比較することによって、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むかを判定する遠距離場推定部とを更に備える。
遠距離場推定部は、パワー比計算部から提供されるマイクロホン間ゲインオフセットが、所定のマージンを付加されたパワースペクトル比を超えることを、マイクロホン間ゲインオフセット計算部から知らされた場合に、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断してもよい。
マイクロホン間ゲインオフセット計算器は、マイクロホン間ゲインオフセットを徐々に更新してもよく、即ち、直前に計算されたマイクロホン間ゲインオフセットを、直前に計算されたパワースペクトル比に基づく所定の値を用いて徐々に増加または減少させることによって、マイクロホン間ゲインオフセットを更新してもよい。
あるいは、雑音抑圧器は、2つ以上の主マイクロホンと2つ以上の基準マイクロホンとの少なくともいずれかを備えていてもよく、パワー比計算部及びマイクロホン間ゲインオフセット計算器は、複数のマイクロホンのうちの主マイクロホン及び基準マイクロホンの、少なくとも1つの更なる組み合わせごとに、それぞれの計算を繰り返す。
また、雑音抑圧器は、2つ以上の主マイクロホンのうちの1つを、ドミナント主マイクロホンとして選択するとともに、雑音の抑圧のために、選択したドミナント主マイクロホンの信号をフィルタリング部に提供する選択部を備えていてもよい。
フィルタリング部は、スペクトルサブトラクションフィルタに基づくフィルタの伝達関数を計算してもよい。
また、フィルタリング部は、最小ゲインをフィルタに適用してもよい。あるいは、定常推定部及び遠距離場推定部によって、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断されたか、または定常の雑音を実質的に含むと判断されたかに依存して、異なる複数の最小ゲインをフィルタに適用してもよい。
以下では、上述の実施形態に関連する更なる詳細及び例を更に詳細に説明する。
本発明の特徴だけでなく目的、利点及び効果は、例示的な実施形態についての以下の詳細な説明から、以下の添付図面とともに読んだ場合により容易に理解される。
ユーザが、2つのマイクロホンを介して音声及び雑音をキャプチャするように構成された通信装置を使用するシナリオの簡略化した例。 少なくとも2つのマイクロホンを介してキャプチャされた雑音を抑圧するための方法を示す、簡略化したフローチャート。 2つのマイクロホンを介してキャプチャされた雑音を抑圧するよう構成された雑音抑圧器の簡略化したブロック・スキーム。 2つを上回る数のマイクロホンを介した音声及び雑音のキャプチャを可能にするための、図3のブロック・スキームの一部を変更したものを示す、簡略化したブロック・スキーム。 図3の雑音抑圧器に対応する雑音抑圧器のソフトウェアベースの構成を示す簡略化したスキーム。
本発明は、様々な変更及び代替の構成をカバーするものの、本発明のいくつかの実施形態を図面に示すとともに、以下で詳細に説明する。しかし、当該説明及び図面は、本発明を本明細書で開示する特定の形式に限定することを意図したものではないことが理解されるべきである。逆に、特許請求される発明の範囲には、添付の特許請求の範囲に示されるような発明の精神及び範囲内に含まれる、当該発明のあらゆる変更及び代替の構成が含まれることが意図されている。
「備える、含む(comprising)」という単語は、リストされたもの以外の他の要素またはステップの存在を除外することはなく、要素に先立つ「1つの(a)」または「1つの(an)」は、複数のそのような要素を除外しない。いかなる参照符号も、特許請求の範囲を限定することはなく、本発明は、ハードウェア及びソフトウェアの両方を少なくとも部分的に実装されうること、及び、複数の「ユニット、部(units)」または「デバイス、装置(devices)」は、同一のハードウェアの項目によって表現されうることに更に留意されたい。
本文書では、間欠的な近距離場(near-field)の音声を含む信号から音声を抑圧するための方法であって、当該信号が、音声抑圧器によってキャプチャされ、当該音声抑圧器が、遠距離場(far-field)の雑音の抑圧に特に適している方法を提案する。近距離場という表現は、音響分野において、音源から波長の一部の範囲内に離れて広がる、約1メートル程度と通常は考えられる、音源の回りの空間の領域として定義される。また、聴く人の観点からすると、近距離場領域とは、聴く人の頭の中心から、または音場をキャプチャするマイクロホンから1メールの範囲内の空間の領域である。したがって、遠距離場は、その境界を超える領域として定義される。
本書面では、ユーザからの音声をキャプチャするよう構成され、かつ、上述した方法のような雑音抑圧方法を実行するために使用可能な、任意のタイプの通信装置での実装に適した、デュアル・マイクロホンまたはマルチ・マイクロホン遠距離場雑音抑圧器と称される雑音抑圧器を更に説明する。
主マイクロホン(primary microphone)でキャプチャされたマイクロホン入力信号は、ここではx(t)と称され、音声信号s(t)成分と雑音n(t)成分とから成る信号として定義され、
x(t)=s(t)+n(t) (1)
となる。ここで、雑音成分は、定常成分nstat(t)と非定常成分nnonstat(t)とから成ると考えることができ、
n(t)=nstat(t)+nnonstat(t) (2)
となる。
スペクトルサブトラクション技術を使用する雑音抑圧フィルタの周波数応答H(f)は、
Figure 2014504743
として定義できる。ここで、Φn(f)は、雑音パワースペクトルの推定値、Φx(f)は、主信号の、雑音のある音声パワースペクトルの推定値である。パラメータδは、オーバーサブトラクション係数(over-subtraction factor)であり、雑音パワースペクトルの推定値のエンファシス(emphasis)またはデエンファシス(de-emphasis)を可能にする。δの典型的な値は、例えば1,2であってもよい。
当該周波数応答は、以下の逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)を使用して、時間領域のFIRフィルタに変換できる。
Figure 2014504743
得られた時間領域フィルタh(z)を雑音のある音声信号x(t)に適用すると、雑音が抑圧された出力信号y(t)を、
Figure 2014504743
のように得ることができる。ここで、Θは、畳み込み演算子である。
周波数応答の、雑音のある音声パワースペクトルΦx(f)は、利用可能な入力信号x(t)に基づいて計算可能であり、雑音パワースペクトルΦn(f)は、通常、音声が途切れた間に推定される。そのために、音声アクティビティの検出は、受信信号の定常性についての連続的な測度に基づきうる。このため、雑音スペクトルの推定は、雑音のみについての定常部分の推定に依存する。
定常雑音パワースペクトルΦn stat(f)の推定は、x(t)が定常信号と判断される場合、x(t)の高速フーリエ変換(FFT)を使用して得ることができ、
Figure 2014504743
として表されうる。
スペクトルサブトラクション技術の性能を改善するためには、定常雑音の検出に単に依存するよりも良好な雑音スペクトルの推定値が必要となる。このため、目標は、主マイクロホンに作用する信号の非定常性が確認された場合に、近距離場の音声から遠距離場の雑音を区別することである。
提案する雑音抑圧方法は、近距離場の音声及び周囲の遠距離場の雑音をキャプチャするための少なくとも1つのマイクロホン・ペアの使用に基づいている。本明細書では、マイクロホン・ペアは、通信装置が通常の会話位置に保持された際に話者の口の比較的近くに位置付けられるように当該通信装置上に配置され、かつ、雑音及び間欠的な音声をキャプチャ可能な、以下では主マイクロホンと称される第1のマイクロホンと、主マイクロホンよりも低い信号レベルの間欠的な音声と、雑音とをキャプチャ可能なように、通信装置が通常の会話位置に保持または位置付けられた際に当該通信装置上でユーザの口から更に離れた位置に配置された、以下では基準マイクロホン(reference microphone)と称される第2のマイクロホンとから成るものとされている。その結果、ユーザの口との関係で、それぞれのマイクロホンの位置は、それらのマイクロホンが、区別可能な信号をどの程度良好にキャプチャできるかを決定する。
提案する抑圧方法は、典型的には、携帯電話等のようなポータブル・ハンドヘルド型の通信装置での使用に適しているが、上述の条件が満たされうるように少なくとも2つのマイクロホンを通信装置上に位置付けることを可能にする、固定された通信装置を含む、任意のタイプの通信装置に適用可能である。
上述のように、マイクロホン・ペアを構成する2つのマイクロホンを配置することによって、2つのマイクロホンに接続された、以下で更に詳細に説明する処理手段を、受信した入力信号に基づいて近距離場の音声なしで遠距離場の雑音を推定するために使用可能である。
2つ以上の、主マイクロホン及び基準マイクロホンの少なくともいずれかが使用される場合、主マイクロホンのそれぞれは、当該主マイクロホンと、1つから各基準マイクロホンに至るまでのどれかと組み合わせることによって、それぞれのマイクロホン・ペアを形成されうるとともに、その逆の組み合わせも同様である。即ち、それぞれの組み合わせが、主マイクロホンとして動作可能な第1のマイクロホンと、基準マイクロホンとして動作可能な第2のマイクロホンとを示す限りにおいて、任意の(複数の)組み合わせが適用されうる。また、より良好な雑音抑圧を実行するために、提案する処理が、定義されたマイクロホン・ペアごとに実行される。
遠距離場の雑音によって実質的に表されるものと判断される遠距離場信号と、近距離場信号との区別は、本提案方法によれば、主信号が非定常の信号成分を含むと判定された後に、マイクロホン間パワー比と、周波数領域におけるマイクロホン・ペアのゲインオフセットとの比較を行うことによって実現される。このため、定常の雑音だけでなく非定常の雑音を考慮するのに適したスペクトルサブトラクション・アルゴリズムが、時間‐周波数領域において識別される音源のタイプ(即ち、定常の雑音、近距離場の音声または遠距離場の雑音)に基づき、主マイクロホン信号から遠距離場の雑音を動的に抑圧することを可能にするために使用される。
スペクトルサブトラクションは、雑音抑圧フィルタの所望の周波数応答の設計に基本的には依存しており、当該雑音抑圧フィルタは、典型的には雑音のスペクトルの推定値と、キャプチャされた信号の、雑音のある音声とに基づいている。雑音のある音声のスペクトルは、主マイクロホンの入力データから得ることが可能であり、雑音のスペクトルは、音声間で推定され、雑音のみの定常部分の推定値で構成される。
スペクトルサブトラクション・アルゴリズムの性能を改善する1つの方法は、時間‐周波数領域においてアクティブであることが見いだされた音源のタイプの識別を改善することによって、定常雑音に加えて遠距離場の非定常雑音の検出及び抑圧を含めることである。
このため、目標は、主マイクロホンに作用する信号の非定常性が確認された場合に、キャプチャされた遠距離場の雑音を近距離場の音声から区別することである。以下で更に詳細に説明する、そのような区別を行うための処理では、周波数領域において近距離場の音声なしで遠距離場の雑音の存在を検出するとともに、その情報を、処理のために雑音抑圧器に提供する。
図1は、通信装置の簡略化した例であり、本例では携帯電話100であり、主マイクロホン102から離れた位置に配置された1つの基準マイクロホン101を備え、主マイクロホン102はユーザの口103に近くに位置付けられている。携帯電話100上で基準マイクロホン101及び主マイクロホン102を互いに離して、話者の口103に対して異なる距離に配置することによって、ここでは近距離場信号105と称される、ユーザの近くの環境から生じる信号と、ここでは遠距離場信号104と称される、携帯電話100から離れた環境から生じる信号とが、上述の方法に従って2つのマイクロホンでキャプチャされた信号を処理することで区別可能になる。
基準マイクロホン101は、その位置に起因して、近距離場音声105を「口近くの」主マイクロホン102よりもかなり低いレベルで拾うことになる。一方、他の通信装置と同様、当該携帯電話についての比較的小さなサイズと、それによる、それぞれのマイクロホン・ペア間の短い距離とに起因して、遠距離場雑音104は、基本的に両マイクロホンで同じようなパワーレベルで受信される。
音声の性質が間欠的である(即ち、無音の期間が音声の期間によって中断される)一方、それとともに周囲の雑音の性質が変化するため、そのような変化に適応する能力が、どの程度効果的に雑音を抑圧できるかに影響する。本提案方法は、特に、そのような変化に効率的に適応するに適している。
雑音抑圧方法において改善した精度を得る他の方法は、信号処理が2つ以上のマイクロホン・ペアからの入力に基づきうるように、携帯電話100上で異なる位置に配置された3つ以上のマイクロホンを有する携帯電話100を提供することである。
以下では、図2を参照して、通信装置によってキャプチャされた遠距離場雑音を抑圧するのに特に適した、雑音を抑圧するための方法について、より詳細に説明する。本提案方法は、典型的には雑音が抑圧されるべき信号の時間フレームごとに繰り返される繰り返し処理として実行可能である。
第1のステップ200では、キャプチャされた主信号が間欠的な音声及び雑音を含むように、通信装置上でユーザの口に対して近くに位置付けられた、主マイクロホンによって、以下では主信号と称される第1の信号がキャプチャされる。また、基準信号が、主信号よりも低い信号レベルの音声を含む一方、両方のマイクロホンによってキャプチャされた雑音が、同程度の信号レベルとなるように、通信装置上に位置付けられた、基準マイクロホンによって、以下では基準信号と称される第2の信号がキャプチャされる。
また、主マイクロホンが、通信装置の近距離場で話している人の音声を効率的にキャプチャするように選択された方向に配置される一方、基準マイクロホンが、装置から遠距離場に位置する他の音源から生じた音場を効率的にキャプチャするような方向に配置されるように、基準マイクロホンは、典型的には主マイクロホンの方向とは異なる方向に配置される。
このため、第2のステップ210に示されるように、2つのキャプチャされた信号は、当該2つのキャプチャされた信号のそれぞれの信号パワースペクトルPprem(f)及びPref(f)が推定されるように処理される。次のステップ220で、当該2つの信号のパワースペクトル比Rp(f)が、
Figure 2014504743
のように計算され保存される。ここで、Pprim(f)は、主マイクロホンのパワースペクトルで、Prefは、基準マイクロホンのパワースペクトルである。
入力信号を提供するために2つ以上の主マイクロホンまたは2つ以上の基準マイクロホンが使用される場合、ステップ220で、信号パワースペクトル比が、定義されたマイクロホン・ペアごとに計算される。また、2つ以上の主マイクロホンが使用される場合には、オプションのステップ230で、それらの主マイクロホンのうちの1つが、当該マイクロホンからの信号が雑音からフィルタリングされるマイクロホンとして選択される。以下では、選択された主マイクロホンを、ドミナント(dominant)主マイクロホンと称する。ドミナント主マイクロホンは、マイクロホン間ゲインオフセットの影響がサブトラクトされた後の基準マイクロホン信号に、相対的に最も大きな信号差を提供するマイクロホンを選ぶことによって、選択されうる。
更なるステップ240で、主信号が非定常の信号成分を含むと判断できるか、または当該信号が定常の雑音を実質的に含むかが判定される。雑音のタイプは、典型的には、それぞれの時間フレームkごとの、主信号の信号パワースペクトルΦx,k(f)が、その長期間平均値からどの程度異なるかを評価することによって、判定されうる。これは、長期間平均値に対する信号パワースペクトルΦx,k(f)の比を所定の閾値と比較することによって判定可能である。その比が当該閾値を超える場合、当該信号は非定常であると判断される。
ステップ240で主信号が定常の雑音を実質的に含むと判定された場合、ステップ250aで示されるように、ステップ220で計算された信号パワースペクトル比が、マイクロホン間ゲインオフセットG(f)を更新するために使用される。G(f)は、
Figure 2014504743
として定義されうる。
ここで、Pprim statは、主マイクロホン信号のパワースペクトルである一方、Pref statは、基準マイクロホン信号のパワースペクトルである。マイクロホン受信信号間のゲイン差は、個別のマイクロホンの特性に起因したマイクロホン・ゲインの変動と、ハンドヘルド・モードの使用中における、話者の口に対する通信装置の移動に起因した受信信号レベルの変動とを考慮するように、連続的に更新される。
主信号が定常の信号であることが見いだされた場合、ゲインオフセットは、明らかに、直前に計算されたパワースペクトル比を使用することによって得られる。このため、既知の雑音抑圧処理で通常行われるように静的なゲインオフセットを検討するのに代えて、ゲインオフセットは、マイクロホン・ペアによってキャプチャされた音場に動的に適応される。典型的なシナリオでは、マイクロホン間ゲインオフセットは、よりなだらかな変化を得るために徐々にに更新され、その場合、以前に更新されたマイクロホン間ゲインオフセットは、直前に計算されたパワースペクトル比に基づく所定の値を用いて徐々に増加または減少させられる。ゲインオフセットを減少または増加させるべきである周波数帯の検出は、ステップ220で計算されたパワースペクトル比を、以前に推定されたゲインオフセットと比較することによって行われる。
3つ以上のマイクロホンが使用される場合、マイクロホン間ゲインオフセットが、マイクロホン・ペアごとに更新される。
また、ステップ240で主信号が定常の雑音を実質的に含むと判定された場合、ステップ260aで示されるように、主マイクロホンの、または2つ以上の主マイクロホンが使用されているときはドミナント主マイクロホンの、定常雑音パワースペクトルΦn stat(f)が推定される。
そうではなく、ステップ240で主信号が非定常の信号成分を含むと判断された場合、次のステップ250bで示されるように、次のステップでは、当該非定常信号が遠距離場の雑音を実質的に含むか否かが判定される。ステップ250bで第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判定された場合、ステップ260bに示されるように、遠距離場雑音パワースペクトルが、それぞれの時間フレームについて推定される。
周波数領域における(即ち、周波数fの周辺に集中した周波数帯ごとに)遠距離場の信号と近距離場の信号との間の区別(即ち、ステップ250bの実行)は、評価されたそれぞれの時間フレームについて、周波数領域でマイクロホン間パワー比とゲインオフセットとの比較を実行することによって実現される。これにより、
p(f)<βG(f) (9)
の場合に、主信号が遠距離場の信号であると判断される(即ち、遠距離場の雑音のみが当該主信号に存在している)。ここで、βは、計算誤差についてのマージンを提供する係数であり、例えばβ=2として選択されてもよく、これは3dBマージンに相当する。
2つ以上のマイクロホン・ペアが使用される場合、遠距離場の雑音の存在に関する判定は、適用される異なる複数のマイクロホン・ペアに基づいて、ステップ250bで行われる判定を組み合わせることによって改善できる。そのような組み合わされた判定を実行する1つの方法は、周波数帯ごとに全てのマイクロホン・ペアについての判定値を平均化することである。
上記で示したように、遠距離場雑音パワースペクトルまたは定常雑音パワースペクトルが更新される特定の条件下でのみ(即ち、それぞれの時間フレームの期間において判定された雑音のタイプに依存して)、それぞれの雑音パワースペクトルがその時間フレームについて更新される。
このことは、新しい時間フレームごとに、周波数応答が導出されることになるパワースペクトルが、雑音の現在のタイプに適応するために更新されることを意味する。しかし、ステップ250bで、基本的に遠距離場の雑音が第1の信号に存在しないと判定された(即ち、主信号が近距離場の音声を含むと判断された)場合、ステップ270で、雑音パワースペクトルの更新処理が、以前に更新された定常雑音パワースペクトルに基づいて実行される。
時間フレームkにおける、主マイクロホンまたはドミナント主マイクロホンの雑音パワースペクトルの推定値は、
Figure 2014504743
のように定義されうる。
ここで、時間フレームkで更新された雑音パワースペクトルは、過去の時間フレーム(k−1)で計算された雑音パワースペクトルと、時間フレームkについて推定された定常雑音パワースペクトル及び遠距離場雑音パワースペクトルとの関数である。パラメータλは、その単位元よりも小さい正の減衰係数であり、例えば0.9に設定されうる。
パラメータDnonstatは、図2のステップ240で行われる、主信号における近距離場非定常信号の存在に関する判定に基づいている。それぞれの時間フレームごとに、パラメータDnonstatは、主マイクロホンに遠距離場雑音が実質的に存在すると判断される場合には1に設定され、または主マイクロホンに近距離場音声が存在すると判断される場合には0に設定される。
ステップ280では、上記で示したように更新された雑音パワースペクトルに基づいて、周波数応答が計算される。
他のステップ290では、主信号がフィルタリング部に供給され、当該フィルタリング部では、当該主信号から雑音が効率的に抑圧されるように、当該主信号に対して周波数応答が適用される。
既に上述したように、1つのマイクロホン・ペアを使用する代わりとして、本方法は、複数のマイクロホンからの入力に基づいてもよい。複数の入力信号を使用することによって、また、それぞれの時点において最も代表的な信号を選択することによって、より効率的な雑音抑圧を得ることができる。最もドミナントなマイクロホンとして指定されたマイクロホンによってキャプチャされた主信号は、ステップ290でフィルタリングされるべき信号として使用される。
当該フィルタリングは、スペクトルサブトラクションフィルタに基づくフィルタ伝達関数を計算することによって達成されてもよい。
雑音パワースペクトルは、
Figure 2014504743
のように、時間フレームkごとのスペクトルサブトラクションフィルタの周波数応答Hk spect(f)を計算し、それに応じて入力信号をフィルタリングするために使用される。
実際には、雑音のランダムな性質とその不正確な推定に起因して、式(11)の周波数応答は、常に正になるとは限らない可能性がある。したがって、スペクトルサブトラクション技術は、通常、絶対フロアレベルに設定されうる閾値を適用するか、あるいは、雑音のある音声信号のパワースペクトルのほんのわずかとして設定されうる閾値を適用する。その結果、結果として得られる時間フレームkの周波数応答Hk(f)が、
Figure 2014504743
として表されうるように、雑音抑圧器の周波数応答が、所望の最大減衰レベルHmin(f)に調整される。
ここで、所望の最大減衰レベルは、ステップ240及び250bでそれぞれ判定された、定常雑音の実質的な存在に関する判定値Dstatか、あるいは遠距離場雑音の実質的な存在に関する判定値Dnonstatの関数となるように、
Figure 2014504743
として設計できる。
ステップ280による周波数応答の計算は、典型的には、周波数応答について、最大減衰の降伏(yield)についての判定を含む。既に上記で示したように、そのような最大減衰の降伏は、フィルタに対して考慮されるべき周波数帯を限定する、最小ゲインを適用することによって実現されうる。
一実施形態によれば、雑音が定常であることが見いだされたのか、または遠距離場の性質を有するかが見いだされたのかにかかわらず、1つかつ同一の最小ゲインが選択されうる。
他の実施形態によれば、主信号の判定された定常性に依存して、異なる複数の最小ゲインが適用されうる。そのようなものの1つの具体化は、
Figure 2014504743
に従った最小ゲインの計算によって与えられる。ここで、Hmin stat(f)は、定常雑音の抑圧のために適用される最小ゲインであり、Hmin nonstat(f)は、遠距離場雑音が非定常雑音を含むと判断される場合の遠距離場雑音の抑圧のために適用される最小ゲインである。
フィルタリング処理によって適用されるフィルタリング係数は、典型的には、最小位相法または線形位相法に基づいて計算されうる。
上述した方法は、少なくとも1つの主マイクロホンを介して音声をキャプチャするよう構成され、かつ、少なくとも1つの第2の基準マイクロホンが装置上で主マイクロホンから離れた位置に実装可能な、任意のタイプの通信装置に適用するのに適している。そのような通信装置は、典型的には、セルラ電話であってもよく、その場合、マイクロホン・ペアを構成する複数のマイクロホンが、必ずしもそうではないが、通信装置の向かい合った端部に位置づけられることが望ましい。
以下では、通信装置に実装される場合の、図2を参照して上述した方法のような雑音抑圧方法を実行するのに適した雑音抑圧器について、図3を参照してより詳細に説明する。
図3の雑音抑圧器は、特定の数のマイクロホン用に設定されたパワースペクトル推定部310を備える。したがって、図3に示されるように、1つのマイクロホン・ペアに適した構成として、パワースペクトル推定部310は、主マイクロホン301aによってキャプチャされた主信号のパワースペクトルを推定するよう構成された、第1パワースペクトル推定器311aと、基準マイクロホン301bによってキャプチャされた基準信号のパワースペクトルを推定するよう構成された、第2パワースペクトル推定器311bとを備える。
第1パワースペクトル推定器311aに接続された定常性評価部320は、主信号が、非定常の信号成分を含むか、または定常の雑音を実質的に含むのを判定するよう構成されている。遠距離場評価部360は、定常評価部320によって、主信号が非定常の信号成分を含むと判定された場合に、当該主信号が、遠距離場の雑音を実質的に含むかを判定するよう構成されている。それ故に、遠距離場評価部360は、主信号における非定常の信号成分の存在により、定常性評価部320によってトリガされる。上述のように、定常性評価部320は、典型的には、第1パワースペクトル推定器311aから利用可能なパワースペクトルと、その長期間平均とを比較するよう構成されうる。
図3の雑音抑圧器300は、更に、それぞれのパワースペクトル推定値に基づいて(即ち、定常雑音パワースペクトル推定部340、または遠距離場雑音パワースペクトル推定部350のいずれかから入力信号が提供された場合に)、主信号の雑音パワースペクトルを更新するよう構成された雑音パワースペクトル推定部330を備える。ここで、定常雑音パワースペクトル推定部340は、主信号の定常雑音のパワースペクトルを推定するよう構成されており、遠距離場雑音パワースペクトル推定部350は、主信号の遠距離場雑音のパワースペクトルを推定するよう構成されている。雑音パワースペクトル更新部330がいずれの入力を使用するのかは、定常評価部320及び遠距離場評価部360によって判定される。ここで、定常性評価部320及び遠距離場評価部360は、主信号が近距離場の音声を実質的に含んでいないと判定された時間フレームごとに、主信号に基づいて、あるいは主信号のパワースペクトル推定値に基づいて、定常雑音パワースペクトル推定部340または遠距離場雑音パワースペクトル推定部350をトリガするように構成されている。
定常評価部320は、主信号が定常の雑音を実質的に含んでいると判定すると、定常雑音のパワースペクトル推定値を雑音パワースペクトル更新部330に提供するよう、定常雑音パワースペクトル推定部340をトリガし、雑音パワースペクトル更新部330は、その入力データに基づいて雑音パワースペクトルを更新するよう構成されている。定常性評価部320は、そうではなく、主信号が非定常の信号成分を含んでいると判定すると、主マイクロホンによってキャプチャされた信号が、遠距離場の雑音を実質的に含んでいるか、または近距離場の音声を含んでいるかを判定するよう、更なる機能部をトリガする。
雑音抑圧器300は、更に、本明細書でパワー比計算部380と称される機能部を備え、パワー比計算部380は、第1パワースペクトル推定器311aによって推定された第1のパワースペクトルと、第2パワースペクトル推定器311bによって推定された第2のパワースペクトルとの間の、信号パワースペクトル比を計算するよう構成されている。パワー比計算部380は、マイクロホン間ゲインオフセット計算器390と称される、更に別の機能部に接続されている。マイクロホン間ゲインオフセット計算器390は、定常性評価部320によってトリガされた際に(即ち、主信号が定常の雑音を実質的に含むものと考えられると定常性評価部320によって判定された際に)、パワー比計算部380の信号パワースペクトル比に基づいてマイクロホン間ゲインオフセットを更新するよう構成されている。
上述の遠距離場推定部360は、主信号が遠距離場の雑音を実質的に含むか否かを判定するよう構成されている。そのような判定を可能にするために、遠距離場評価部360は、そのような処理が定常性評価部320によってトリガされた場合に(即ち、定常評価部320によって、主信号が非定常の信号成分を含むと判定された場合に)、パワー比計算部380によって提供される、計算されたパワースペクトル比を、マイクロホン間ゲインオフセット計算部390によって提供される、更新されたマイクロホン間ゲインオフセットと、式(9)に従って比較するよう構成されている。
マイクロホン間ゲインオフセット計算部390は、直前に計算されたマイクロホン間ゲインオフセットを、直前に計算されたパワースペクトル比に基づく所定の値を用いて徐々に増加または減少させることによって、マイクロホン間ゲインオフセットを適応させるよう構成されうる。
雑音パワースペクトル推定器330は、フィルタリング部370に接続されており、フィルタリング部370は、雑音パワースペクトル推定器330から提供される、推定された雑音パワースペクトルに基づいて周波数応答を計算するとともに、当該周波数応答を第1の信号に適用することによって当該第1の信号から雑音をフィルタリングするよう構成されている。雑音パワースペクトル推定器は、時間フレームごとに雑音パワースペクトル推定値をフィルタリング部370に提供するよう構成されている。
雑音抑圧器300は、フィルタリングが時間フレーム単位で(即ち、主信号の時間フレームごとに)適応的に実行されるよう構成されており、定常性が信号定常評価器320によって判定されるとともに、その結果に基づいて、フィルタリング部370が、雑音パワースペクトル更新部330からの入力によって更新され、それにより、図3に示されるようにフィルタリング部370に提供される主信号の雑音の効率的な抑圧を提供できる。フィルタリング部370は、スペクトルサブトラクションフィルタに基づくフィルタ伝達関数を計算するよう構成されてもよい。
図4は、図3に係る雑音抑圧器の一部を示すブロック図であり、図3のパワースペクトル推定部310は、当該抑圧器が2つ以上のマイクロホンを設けることができ、図3の残りの機能が同一のままとなりうるように、適応パワースペクトル推定部410に置き換えられている。
図4は、各マイクロホンが個別のパワースペクトル推定器411a、411b、411cに接続された、3つの主マイクロホン401a、401b、401cと、それぞれの専用パワー推定部412a、412b、412cに接続された、3つの基準マイクロホン402a、402b、402cとを含んでいる。また、パワースペクトル比計算部380及びマイクロホン間ゲインオフセット計算部390(図示せず)は、選択された各マイクロホン・ペアごとに、それぞれの計算を繰り返すよう構成されている。本例では、最大9個の異なるマイクロホン・ペアが定義されうるとともに、雑音抑圧器へ入力データを提供するために使用されうる。例えば、3個のマイクロホン・ペアが定義される場合、主マイクロホン401aは、例えば、基準マイクロホン402aとともにマイクロホン・ペアを形成しうる一方、マイクロホン401b及び402cは、第2のマイクロホン・ペアを形成し、マイクロホン401c及び402cは、第3のマイクロホン・ペアを形成する。ただし、主マイクロホン及び基準マイクロホンを含む、任意の可能性のある組み合わせが適用されうる。
また、パワースペクトル推定部410は、選択部420を備えており、選択部420は、主マイクロホン401a、401b、401cのうちの1つをドミナント主マイクロホンとして選択するとともに、選択したドミナント主マイクロホンについての信号をフィルタリングのためにフィルタリング部370に提供するよう構成されている。
図3及び図4で説明した機能部は、適切な更新手順が、上述の平均値のような平均測度だけでなく、過去の推定値及び計算値に基づいて実行可能となるように、従来の保存機能を備えているものと理解されるべきである。
更に、本書面で提案されるユニット(部)及び機能が、プログラム可能な特殊用途のマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータとともにソフトウェア機能を用いて、単独で、または、特定用途向け集積回路(ASIC)と組み合わせて、実装されうることを、当業者は理解するであろう。本発明は、方法及び装置の形式で主として説明されているが、本発明は、コンピュータプログラムで実施されうるとともに、メモリに格納されたコンピュータプログラムを含み、プロセッサに接続されたシステムで実施されうることも、当業者は理解するであろう。その場合、メモリは、フラッシュメモリ、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)、ROM(リード・オンリー・メモリ)またはEEPROM(電気的消去可能ROM)のいずれかであってもよい。
一実施形態に係る、ソフトウェアベースの雑音抑圧器は、図5に示される通信装置での実装に適しており、雑音抑圧器500は、上述した方法のような雑音抑圧方法を実行するよう構成されたプロセッサ510を備える。図5の雑音抑圧器500は、簡略化された図5では示されていないが典型的には何らかの種類の信号処理機能部を介してプロセッサ500に接続されている、1つのマイクロホン・ペア501a、501bを備える。当該プロセッサは、雑音抑圧用コンピュータプログラムを実行するよう適合されており、当該プログラムは、通信装置で実行された場合に、図2を参照して上述した方法に相当する方法を当該通信装置に実行させるコンピュータ読み取り可能なコード手段を含む。プロセッサ510は、図5の実施形態によれば、パワースペクトル推定機能520、パワー比計算機能530、定常性評価機能540、遠距離場評価機能550、雑音パワースペクトル更新機能560、マイクロホン間ゲインオフセット計算機能570、定常雑音パワースペクトル推定機能580、遠距離場雑音パワースペクトル推定機能590、及びフィルタリング機能600と称される、複数の機能を実行するよう構成されている。それらの機能は、通信装置で実行された場合に、パワースペクトル推定部310、パワー比計算部380、定常性評価部320、遠距離場評価部390、雑音パワースペクトル更新部330、マイクロホン間ゲインオフセット評価部390、定常雑音パワースペクトル推定部340、遠距離場雑音パワースペクトル推定部350、及びフィルタリング部370に、それぞれ対応する。雑音抑圧器500は、更に、記憶部610及び接続部620を備え、接続部620は、フィルタリングされた主信号を、雑音抑圧器400が実装されている通信部の従来の信号処理機能(図示せず)につなげるよう構成されている。
それぞれの実施形態と関連する上述のユニット(部)及び機能が、本提案方法を実行可能にする1つの方法を表していること、及び、上述の全体的な処理が適宜に実行可能である限りにおいて、他の組み合わせ、ユニットまたは機能が代替的に適用されうることを理解すべきである。
本発明について特定の実施形態を参照して説明してきたものの、当該説明は、全体として発明概念を示すことが意図されているのみであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されてはならない。本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
雑音抑圧器は、第1の信号が非定常の信号成分を含むか、または定常の雑音を実質的に含むかを判定する定常性評価部と、当該信号定常性評価部によって、第1の信号が非定常の信号成分を含むと判定された場合に、当該第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むかを判定する遠距離場評価部とを備える。
雑音抑圧器は、定常性評価部によって、第1の信号が定常の雑音を実質的に含むと判断された場合には、定常雑音パワースペクトルの推定値で、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断された場合には、遠距離場雑音パワースペクトルの推定値で、第1の信号の雑音パワースペクトルの推定値を更新する雑音パワースペクトル更新部を更に備える。
常性評価部、遠距離場評価部、雑音パワースペクトル推定部、及びフィルタリング部は、典型的には、時間フレーム単位で信号処理を繰り返し実行する。
常性評価部は、特定の時間フレームについて判定された第1の信号のパワースペクトルと、第1の信号の平均パワースペクトルとの差分を評価し、かつ、当該差分が所定の閾値を超える場合に、第1の信号が非定常信号であると判定することによって、第1の信号が非定常の信号成分を含むか、または定常の雑音を実質的に含むかを判定する。
雑音抑圧器は、信号パワースペクトル比を計算するパワー計算部と、定常性評価部によって、第1の信号が定常の雑音を実質的に含むと判断された場合にパワースペクトル比が計算されたと判定されると、計算されたパワースペクトル比に基づいて、マイクロホン間ゲインオフセットを更新するマイクロホン間ゲインオフセット計算部、定常性評価部によって、第1の信号が非定常の信号成分を含むと判断された場合にパワースペクトル比が計算されたと判定されると、計算されたパワースペクトル比と更新されたマイクロホン間ゲインオフセットとを比較することによって、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むかを判定する遠距離場雑音パワースペクトル推定部とを更に備える。
遠距離場雑音パワースペクトル推定部は、パワー比計算部から提供されるマイクロホン間ゲインオフセットが、所定のマージンを付加されたパワースペクトル比を超えることを、マイクロホン間ゲインオフセット計算部から知らされた場合に、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断してもよい。
マイクロホン間ゲインオフセット計算部は、マイクロホン間ゲインオフセットを徐々に更新してもよく、即ち、直前に計算されたマイクロホン間ゲインオフセットを、直前に計算されたパワースペクトル比に基づく所定の値を用いて徐々に増加または減少させることによって、マイクロホン間ゲインオフセットを更新してもよい。
あるいは、雑音抑圧器は、2つ以上の主マイクロホンと2つ以上の基準マイクロホンとの少なくともいずれかを備えていてもよく、パワー比計算部及びマイクロホン間ゲインオフセット計算部は、複数のマイクロホンのうちの主マイクロホン及び基準マイクロホンの、少なくとも1つの更なる組み合わせごとに、それぞれの計算を繰り返す。
また、フィルタリング部は、最小ゲインをフィルタに適用してもよい。あるいは、定常推定部及び遠距離場評価部によって、第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断されたか、または定常の雑音を実質的に含むと判断されたかに依存して、異なる複数の最小ゲインをフィルタに適用してもよい。
第1パワースペクトル推定器311aに接続された定常性評価部320は、主信号が、非定常の信号成分を含むか、または定常の雑音を実質的に含むのを判定するよう構成されている。遠距離場評価部360は、定常性評価部320によって、主信号が非定常の信号成分を含むと判定された場合に、当該主信号が、遠距離場の雑音を実質的に含むかを判定するよう構成されている。それ故に、遠距離場評価部360は、主信号における非定常の信号成分の存在により、定常性評価部320によってトリガされる。上述のように、定常性評価部320は、典型的には、第1パワースペクトル推定器311aから利用可能なパワースペクトルと、その長期間平均とを比較するよう構成されうる。
図3の雑音抑圧器300は、更に、それぞれのパワースペクトル推定値に基づいて(即ち、定常雑音パワースペクトル推定部340、または遠距離場雑音パワースペクトル推定部350のいずれかから入力信号が提供された場合に)、主信号の雑音パワースペクトルを更新するよう構成された雑音パワースペクトル更新部330を備える。ここで、定常雑音パワースペクトル推定部340は、主信号の定常雑音のパワースペクトルを推定するよう構成されており、遠距離場雑音パワースペクトル推定部350は、主信号の遠距離場雑音のパワースペクトルを推定するよう構成されている。雑音パワースペクトル更新部330がいずれの入力を使用するのかは、定常性評価部320及び遠距離場評価部360によって判定される。ここで、定常性評価部320及び遠距離場評価部360は、主信号が近距離場の音声を実質的に含んでいないと判定された時間フレームごとに、主信号に基づいて、あるいは主信号のパワースペクトル推定値に基づいて、定常雑音パワースペクトル推定部340または遠距離場雑音パワースペクトル推定部350をトリガするように構成されている。
定常性評価部320は、主信号が定常の雑音を実質的に含んでいると判定すると、定常雑音のパワースペクトル推定値を雑音パワースペクトル更新部330に提供するよう、定常雑音パワースペクトル推定部340をトリガし、雑音パワースペクトル更新部330は、その入力データに基づいて雑音パワースペクトルを更新するよう構成されている。定常性評価部320は、そうではなく、主信号が非定常の信号成分を含んでいると判定すると、主マイクロホンによってキャプチャされた信号が、遠距離場の雑音を実質的に含んでいるか、または近距離場の音声を含んでいるかを判定するよう、更なる機能部をトリガする。
上述の遠距離場評価部360は、主信号が遠距離場の雑音を実質的に含むか否かを判定するよう構成されている。そのような判定を可能にするために、遠距離場評価部360は、そのような処理が定常性評価部320によってトリガされた場合に(即ち、定常性評価部320によって、主信号が非定常の信号成分を含むと判定された場合に)、パワー比計算部380によって提供される、計算されたパワースペクトル比を、マイクロホン間ゲインオフセット計算部390によって提供される、更新されたマイクロホン間ゲインオフセットと、式(9)に従って比較するよう構成されている。
雑音パワースペクトル更新部330は、フィルタリング部370に接続されており、フィルタリング部370は、雑音パワースペクトル更新部330から提供される、推定された雑音パワースペクトルに基づいて周波数応答を計算するとともに、当該周波数応答を第1の信号に適用することによって当該第1の信号から雑音をフィルタリングするよう構成されている。雑音パワースペクトル更新部330は、時間フレームごとに雑音パワースペクトル推定値をフィルタリング部370に提供するよう構成されている。
雑音抑圧器300は、フィルタリングが時間フレーム単位で(即ち、主信号の時間フレームごとに)適応的に実行されるよう構成されており、定常性が定常性評価部320によって判定されるとともに、その結果に基づいて、フィルタリング部370が、雑音パワースペクトル更新部330からの入力によって更新され、それにより、図3に示されるようにフィルタリング部370に提供される主信号の雑音の効率的な抑圧を提供できる。フィルタリング部370は、スペクトルサブトラクションフィルタに基づくフィルタ伝達関数を計算するよう構成されてもよい。

Claims (24)

  1. 雑音及び間欠的な音声をキャプチャできるように通信装置に配置された、主マイクロホンによってキャプチャされた第1の信号の雑音を抑圧するための、前記通信装置における方法であって、
    前記雑音の抑圧は、前記第1の信号と、前記主マイクロホンと実質的に同一の信号レベルで雑音をキャプチャでき、かつ、前記主マイクロホンよりも低い信号レベルで音声をキャプチャできるように前記通信装置に配置された、基準マイクロホンを介してキャプチャされた第2の信号とを処理することによって実行され、
    前記方法は、
    ‐前記第1の信号が非定常の信号成分を含むか、または定常の雑音を実質的に含むかを判定するステップと、
    ‐前記第1の信号が非定常の信号成分を含むと判定された場合に、前記第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むかを判定するステップと、
    ‐前記第1の信号が定常の雑音を実質的に含むと判断された場合には、定常雑音パワースペクトルの推定値で、前記第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断された場合には、遠距離場雑音パワースペクトルの推定値で、前記第1の信号の雑音パワースペクトルの推定値を更新するステップと、
    ‐推定された前記雑音パワースペクトルに基づいて周波数応答を計算するステップと、
    ‐前記周波数応答を前記第1の信号に適用することによって、前記第1の信号から雑音を抑圧するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記ステップを時間フレーム単位で繰り返すステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の信号が非定常の信号成分を含むか、または定常の雑音を実質的に含むかを判定する前記ステップは、
    ‐特定の時間フレームについて判定された前記第1の信号の前記パワースペクトルと、前記第1の信号の平均パワースペクトルとの差分を評価するステップと、
    ‐前記差分が所定の閾値を超える場合に、前記第1の信号が非定常信号であると判定するステップと
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. ‐前記第1の信号について推定された第1のパワースペクトルと、前記第2の信号について推定された第2のパワースペクトルとの比である信号パワースペクトル比を計算するステップと、
    ‐前記第1の信号が定常の雑音を実質的に含むと判断された場合に、前記パワースペクトル比が計算されると、計算された前記パワースペクトル比に基づいて、マイクロホン間ゲインオフセットを更新するステップと、
    ‐前記第1の信号が非定常の信号成分を含むと判断された場合に、前記パワースペクトル比が計算されると、計算された前記パワースペクトル比と更新された前記マイクロホン間ゲインオフセットとを比較することによって、前記第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むかを判定するステップと
    を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 更新された前記マイクロホン間ゲインオフセットが、所定のマージンが付加された前記パワースペクトル比を超える場合に、前記第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記雑音パワースペクトル比を更新する前記ステップは、
    ‐直前に計算された前記マイクロホン間ゲインオフセットを、直前に計算された前記パワースペクトル比に基づく所定の値を用いて徐々に増加または減少させることによって、前記マイクロホン間ゲインオフセットを適応させるステップ
    を含むことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記通信装置は、2つ以上の主マイクロホンと2つ以上の基準マイクロホンとの少なくともいずれかを備え、
    前記方法は、
    ‐前記マイクロホンのうちの主マイクロホン及び基準マイクロホンの、少なくとも1つの組み合わせごとに、前記ステップを繰り返すステップと、
    ‐前記2つ以上の主マイクロホンのうちの1つを、ドミナント主マイクロホンとして選択するステップと、
    ‐前記ドミナント主マイクロホンによってキャプチャされた信号から雑音を抑圧するステップと
    を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. ‐マイクロホンの組み合わせごとに、前記パワースペクトル比の前記計算と前記マイクロホン間ゲインオフセットの前記更新とを繰り返すステップ
    を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記雑音の抑圧は、
    ‐スペクトルサブトラクションフィルタに基づくフィルタの伝達関数を計算するステップ
    を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ‐最小ゲインを前記フィルタに適用するステップ
    を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むか、または定常の雑音を実質的に含むかに依存して、異なる複数の最小ゲインをそれぞれ前記フィルタに適用可能であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記雑音の抑圧は、
    ‐最小位相法または線形位相法に基づいて、前記フィルタのフィルタ係数を計算するステップ
    を含むことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 雑音及び間欠的な音声をキャプチャできるように通信装置に配置された、主マイクロホンによってキャプチャされた第1の信号の雑音を抑圧するための雑音抑圧器であって、
    前記雑音抑圧器は、前記第1の信号と、前記主マイクロホンと実質的に同一の信号レベルで雑音をキャプチャでき、かつ、前記主マイクロホンよりも低い信号レベルで音声をキャプチャできるように前記通信装置に配置された、基準マイクロホンを介してキャプチャされた第2の信号とを処理することによって雑音を抑圧し、
    ‐前記第1の信号が非定常の信号成分を含むか、または定常の雑音を実質的に含むかを判定する信号定常性評価部と、
    ‐前記第1の信号が非定常の信号成分を含むと判定された場合に、前記第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むかを判定する遠距離場信号評価器と、
    ‐前記第1の信号が定常の雑音を実質的に含むと判断された場合には、定常雑音パワースペクトルの推定値で、前記第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断された場合には、遠距離場雑音パワースペクトルの推定値で、前記第1の信号の雑音パワースペクトルの推定値を更新する雑音パワースペクトル推定器と、
    ‐推定された前記雑音パワースペクトルに基づいて周波数応答を計算するとともに、前記周波数応答を前記第1の信号に適用することによって、前記第1の信号から雑音を抑圧するフィルタリング部と
    を備えることを特徴とする雑音抑圧器。
  14. 前記信号定常性推定器、前記遠距離場信号評価器、前記雑音パワースペクトル推定器、及び前記フィルタは、時間フレーム単位で信号処理を繰り返し実行する
    ことを特徴とする請求項13に記載の雑音抑圧器。
  15. 前記信号定常性評価器は、特定の時間フレームについて判定された前記第1の信号の前記パワースペクトルと、前記第1の信号の平均パワースペクトルとの差分を評価し、かつ、前記差分が所定の閾値を超える場合に、前記第1の信号が非定常信号であると判定することによって、前記第1の信号が非定常の信号成分を含むか、または定常の雑音を実質的に含むかを判定する
    ことを特徴とする請求項13または14に記載の雑音抑圧器。
  16. ‐前記第1の信号について推定された第1のパワースペクトルと、前記第2の信号について推定された第2のパワースペクトルとの比である信号パワースペクトル比を計算するパワースペクトル計算部と、
    ‐前記第1の信号が定常の雑音を実質的に含むと判断された場合に、前記パワースペクトル比が計算されると、計算された前記パワースペクトル比に基づいて、マイクロホン間ゲインオフセットを更新するマイクロホン間ゲインオフセット計算器と、
    ‐前記第1の信号が非定常の信号成分を含むと判断された場合に、前記パワースペクトル比が計算されると、計算された前記パワースペクトル比と以前に更新された前記マイクロホン間ゲインオフセットとを比較することによって、前記第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むかを判定する遠距離場推定部と
    を更に備えることを特徴とする請求項13から15のいずれか1項に記載の雑音抑圧器。
  17. 前記遠距離場推定部は、前記パワー比計算部から提供される前記マイクロホン間ゲインオフセットが、所定のマージンを付加された前記パワースペクトル比を超えることを、前記マイクロホン間ゲインオフセット計算部から知らされた場合に、前記第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断する
    ことを特徴とする請求項16に記載の雑音抑圧器。
  18. 前記マイクロホン間ゲインオフセット計算器は、直前に計算された前記マイクロホン間ゲインオフセットを、直前に計算された前記パワースペクトル比に基づく所定の値を用いて徐々に増加または減少させることによって、前記マイクロホン間ゲインオフセットを更新する
    ことを特徴とする請求項16または17に記載の雑音抑圧器。
  19. 2つ以上の主マイクロホンと2つ以上の基準マイクロホンとの少なくともいずれかを備え、
    前記パワー比計算部及び前記マイクロホン間ゲインオフセット計算器は、前記マイクロホンのうちの主マイクロホン及び基準マイクロホンの、少なくとも1つの更なる組み合わせごとに、それぞれの計算を繰り返す
    ことを特徴とする請求項13から18のいずれか1項に記載の雑音抑圧器。
  20. 前記2つ以上の主マイクロホンのうちの1つを、ドミナント主マイクロホンとして選択するとともに、雑音の抑圧のために、選択した前記ドミナント主マイクロホンの信号を前記フィルタリング部に提供する選択部
    を更に備えることを特徴とする請求項19に記載の雑音抑圧器。
  21. 前記フィルタリング部は、スペクトルサブトラクションフィルタに基づくフィルタの伝達関数を計算することを特徴とする請求項13から20のいずれか1項に記載の雑音抑圧器。
  22. 前記フィルタリング部は、最小ゲインを前記フィルタに適用することを特徴とする請求項21に記載の雑音抑圧器。
  23. 前記フィルタリング部は、前記遠距離場推定部によって、前記第1の信号が遠距離場の雑音を実質的に含むと判断されたか、または定常の雑音を実質的に含むと判断されたかに依存して、異なる複数の最小ゲインを前記フィルタに適用する
    こと特徴とする請求項22記載の雑音抑圧器。
  24. 請求項13から23のいずれか1項に記載の雑音抑圧器を備えることを特徴とする通信装置。
JP2013547394A 2010-12-29 2010-12-29 雑音抑圧方法及び当該雑音抑圧方法を適用するための雑音抑圧器 Active JP5690415B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/SE2010/051493 WO2012091643A1 (en) 2010-12-29 2010-12-29 A noise suppressing method and a noise suppressor for applying the noise suppressing method

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014504743A true JP2014504743A (ja) 2014-02-24
JP5690415B2 JP5690415B2 (ja) 2015-03-25

Family

ID=46383388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013547394A Active JP5690415B2 (ja) 2010-12-29 2010-12-29 雑音抑圧方法及び当該雑音抑圧方法を適用するための雑音抑圧器

Country Status (8)

Country Link
US (1) US9264804B2 (ja)
EP (1) EP2659487B1 (ja)
JP (1) JP5690415B2 (ja)
KR (1) KR101768264B1 (ja)
CN (1) CN103380456B (ja)
HK (1) HK1190815A1 (ja)
IL (1) IL226415A (ja)
WO (1) WO2012091643A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107408394A (zh) * 2014-11-12 2017-11-28 美国思睿逻辑有限公司 确定在主信道与参考信道之间的噪声功率级差和声音功率级差

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9264804B2 (en) 2010-12-29 2016-02-16 Telefonaktiebolaget L M Ericsson (Publ) Noise suppressing method and a noise suppressor for applying the noise suppressing method
JP2013072978A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Fuji Xerox Co Ltd 音声解析装置および音声解析システム
JP5867066B2 (ja) 2011-12-26 2016-02-24 富士ゼロックス株式会社 音声解析装置
JP6031761B2 (ja) * 2011-12-28 2016-11-24 富士ゼロックス株式会社 音声解析装置および音声解析システム
US20150058002A1 (en) * 2012-05-03 2015-02-26 Telefonaktiebolaget L M Ericsson (Publ) Detecting Wind Noise In An Audio Signal
US8884150B2 (en) * 2012-08-03 2014-11-11 The Penn State Research Foundation Microphone array transducer for acoustical musical instrument
US9264524B2 (en) 2012-08-03 2016-02-16 The Penn State Research Foundation Microphone array transducer for acoustic musical instrument
US20150365762A1 (en) * 2012-11-24 2015-12-17 Polycom, Inc. Acoustic perimeter for reducing noise transmitted by a communication device in an open-plan environment
US9237225B2 (en) 2013-03-12 2016-01-12 Google Technology Holdings LLC Apparatus with dynamic audio signal pre-conditioning and methods therefor
US9258661B2 (en) 2013-05-16 2016-02-09 Qualcomm Incorporated Automated gain matching for multiple microphones
CN104424954B (zh) * 2013-08-20 2018-03-09 华为技术有限公司 噪声估计方法与装置
US9888317B2 (en) * 2013-10-22 2018-02-06 Nokia Technologies Oy Audio capture with multiple microphones
CN103854662B (zh) * 2014-03-04 2017-03-15 中央军委装备发展部第六十三研究所 基于多域联合估计的自适应语音检测方法
US9510094B2 (en) 2014-04-09 2016-11-29 Apple Inc. Noise estimation in a mobile device using an external acoustic microphone signal
CN104092802A (zh) * 2014-05-27 2014-10-08 中兴通讯股份有限公司 音频信号的消噪方法及系统
US10163453B2 (en) * 2014-10-24 2018-12-25 Staton Techiya, Llc Robust voice activity detector system for use with an earphone
US9378753B2 (en) 2014-10-31 2016-06-28 At&T Intellectual Property I, L.P Self-organized acoustic signal cancellation over a network
US9736578B2 (en) * 2015-06-07 2017-08-15 Apple Inc. Microphone-based orientation sensors and related techniques
CN105679329B (zh) * 2016-02-04 2019-08-06 厦门大学 可适应强烈背景噪声的麦克风阵列语音增强装置
JP7041157B6 (ja) * 2017-01-03 2022-05-31 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ ビームフォーミングを使用するオーディオキャプチャ
US10395667B2 (en) * 2017-05-12 2019-08-27 Cirrus Logic, Inc. Correlation-based near-field detector
CN109686378B (zh) * 2017-10-13 2021-06-08 华为技术有限公司 语音处理方法和终端
US10885907B2 (en) * 2018-02-14 2021-01-05 Cirrus Logic, Inc. Noise reduction system and method for audio device with multiple microphones
WO2019187841A1 (ja) 2018-03-30 2019-10-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 騒音低減装置
CN110875054B (zh) * 2018-08-31 2023-07-25 阿里巴巴集团控股有限公司 一种远场噪声抑制方法、装置和系统
US11011182B2 (en) * 2019-03-25 2021-05-18 Nxp B.V. Audio processing system for speech enhancement
CN111970014B (zh) * 2020-08-10 2022-06-14 紫光展锐(重庆)科技有限公司 信号的噪声估计方法及相关产品

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04184400A (ja) * 1990-11-19 1992-07-01 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 雑音除去装置
JPH11305792A (ja) * 1998-02-20 1999-11-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 収音装置,音声認識装置,これらの方法、及びプログラム記録媒体
JP2001159899A (ja) * 1999-12-01 2001-06-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 騒音抑圧装置
JP2009522942A (ja) * 2006-01-05 2009-06-11 オーディエンス,インコーポレイテッド 発話改善のためにマイク間レベル差を用いるシステム及び方法
JP2010532879A (ja) * 2007-07-06 2010-10-14 オーディエンス,インコーポレイテッド アダプティブ・インテリジェント・ノイズ抑制システム及び方法
JP2011191668A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Sony Corp 音声処理装置、音声処理方法およびプログラム

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE505156C2 (sv) 1995-01-30 1997-07-07 Ericsson Telefon Ab L M Förfarande för bullerundertryckning genom spektral subtraktion
US6549586B2 (en) 1999-04-12 2003-04-15 Telefonaktiebolaget L M Ericsson System and method for dual microphone signal noise reduction using spectral subtraction
US7206418B2 (en) * 2001-02-12 2007-04-17 Fortemedia, Inc. Noise suppression for a wireless communication device
CA2354808A1 (en) 2001-08-07 2003-02-07 King Tam Sub-band adaptive signal processing in an oversampled filterbank
WO2007059255A1 (en) 2005-11-17 2007-05-24 Mh Acoustics, Llc Dual-microphone spatial noise suppression
JP2005051761A (ja) * 2003-07-11 2005-02-24 Asahi Kasei Microsystems Kk 音声信号処理装置、音声信号処理方法及びプログラム
US7099821B2 (en) * 2003-09-12 2006-08-29 Softmax, Inc. Separation of target acoustic signals in a multi-transducer arrangement
US9966085B2 (en) * 2006-12-30 2018-05-08 Google Technology Holdings LLC Method and noise suppression circuit incorporating a plurality of noise suppression techniques
EP2297727B1 (en) * 2008-06-30 2016-05-11 Dolby Laboratories Licensing Corporation Multi-microphone voice activity detector
US8401178B2 (en) * 2008-09-30 2013-03-19 Apple Inc. Multiple microphone switching and configuration
US8724829B2 (en) * 2008-10-24 2014-05-13 Qualcomm Incorporated Systems, methods, apparatus, and computer-readable media for coherence detection
US8229126B2 (en) * 2009-03-13 2012-07-24 Harris Corporation Noise error amplitude reduction
US9165567B2 (en) * 2010-04-22 2015-10-20 Qualcomm Incorporated Systems, methods, and apparatus for speech feature detection
US9264804B2 (en) 2010-12-29 2016-02-16 Telefonaktiebolaget L M Ericsson (Publ) Noise suppressing method and a noise suppressor for applying the noise suppressing method

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04184400A (ja) * 1990-11-19 1992-07-01 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 雑音除去装置
JPH11305792A (ja) * 1998-02-20 1999-11-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 収音装置,音声認識装置,これらの方法、及びプログラム記録媒体
JP2001159899A (ja) * 1999-12-01 2001-06-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 騒音抑圧装置
JP2009522942A (ja) * 2006-01-05 2009-06-11 オーディエンス,インコーポレイテッド 発話改善のためにマイク間レベル差を用いるシステム及び方法
JP2010532879A (ja) * 2007-07-06 2010-10-14 オーディエンス,インコーポレイテッド アダプティブ・インテリジェント・ノイズ抑制システム及び方法
JP2011191668A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Sony Corp 音声処理装置、音声処理方法およびプログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107408394A (zh) * 2014-11-12 2017-11-28 美国思睿逻辑有限公司 确定在主信道与参考信道之间的噪声功率级差和声音功率级差
CN107408394B (zh) * 2014-11-12 2021-02-05 美国思睿逻辑有限公司 确定在主信道与参考信道之间的噪声功率级差和声音功率级差

Also Published As

Publication number Publication date
KR20140015309A (ko) 2014-02-06
WO2012091643A1 (en) 2012-07-05
KR101768264B1 (ko) 2017-08-14
US9264804B2 (en) 2016-02-16
IL226415A (en) 2016-04-21
IL226415A0 (en) 2013-07-31
CN103380456A (zh) 2013-10-30
HK1190815A1 (zh) 2014-07-11
JP5690415B2 (ja) 2015-03-25
EP2659487A1 (en) 2013-11-06
EP2659487A4 (en) 2013-12-18
US20130272540A1 (en) 2013-10-17
CN103380456B (zh) 2015-11-25
EP2659487B1 (en) 2016-05-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5690415B2 (ja) 雑音抑圧方法及び当該雑音抑圧方法を適用するための雑音抑圧器
US9966067B2 (en) Audio noise estimation and audio noise reduction using multiple microphones
US9467779B2 (en) Microphone partial occlusion detector
EP2973557B1 (en) Acoustic echo mitigation apparatus and method, audio processing apparatus and voice communication terminal
KR102081568B1 (ko) 주변 잡음 실효치(rms) 검출기
US7464029B2 (en) Robust separation of speech signals in a noisy environment
US9437210B2 (en) Audio signal processing
US9100756B2 (en) Microphone occlusion detector
US9449593B2 (en) Detecting nonlinear amplitude processing
CN106486135B (zh) 近端语音检测器、语音系统、对语音进行分类的方法
JP2010532879A (ja) アダプティブ・インテリジェント・ノイズ抑制システム及び方法
EP2463856B1 (en) Method to reduce artifacts in algorithms with fast-varying gain
JP2006157920A (ja) 残響評価および抑制システム
US8718562B2 (en) Processing audio signals
EP2987313B1 (en) Echo removal
KR102040986B1 (ko) 두 개의 마이크로폰을 포함하는 휴대단말에서의 잡음제거방법 및 장치
JP6857344B2 (ja) オーディオ信号を処理するための装置および方法
KR101557779B1 (ko) 두 개의 마이크로폰을 포함하는 통신장치에서의 잡음제거방법 및 장치
JP2020504966A (ja) 遠距離音の捕捉
EP3830823A1 (en) Forced gap insertion for pervasive listening
TW201333935A (zh) 半導體裝置及聲音通訊裝置
CN109308907B (zh) 单信道降噪
US20150195648A1 (en) Post-Filter for Handling Resonance-Induced Echo Components

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5690415

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250