JP2014500021A - 充填床反応器のためのバイオマス前処理方法 - Google Patents

充填床反応器のためのバイオマス前処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014500021A
JP2014500021A JP2013540987A JP2013540987A JP2014500021A JP 2014500021 A JP2014500021 A JP 2014500021A JP 2013540987 A JP2013540987 A JP 2013540987A JP 2013540987 A JP2013540987 A JP 2013540987A JP 2014500021 A JP2014500021 A JP 2014500021A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biomass
ammonia
tank
straw
vessel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013540987A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014500021A5 (ja
Inventor
ジェフリー ディヴィッド コーエン
カール イー キャンプ
ヤマイラ ゴンザレス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EIDP Inc
Original Assignee
EI Du Pont de Nemours and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EI Du Pont de Nemours and Co filed Critical EI Du Pont de Nemours and Co
Publication of JP2014500021A publication Critical patent/JP2014500021A/ja
Publication of JP2014500021A5 publication Critical patent/JP2014500021A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C1/00Pretreatment of the finely-divided materials before digesting
    • D21C1/06Pretreatment of the finely-divided materials before digesting with alkaline reacting compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/02Monosaccharides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/14Preparation of compounds containing saccharide radicals produced by the action of a carbohydrase (EC 3.2.x), e.g. by alpha-amylase, e.g. by cellulase, hemicellulase
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P2201/00Pretreatment of cellulosic or lignocellulosic material for subsequent enzymatic treatment or hydrolysis
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C3/00Pulping cellulose-containing materials
    • D21C3/02Pulping cellulose-containing materials with inorganic bases or alkaline reacting compounds, e.g. sulfate processes
    • D21C3/024Pulping cellulose-containing materials with inorganic bases or alkaline reacting compounds, e.g. sulfate processes with NH3 or H2O

Landscapes

  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

無水アンモニアを用いたバイオマス前処理は、そのアンモニアが蒸気状態でバイオマスの粒子または破片を貫通することができる場合、静止形の槽において有効であることが分かった。この条件を達成するには系の総含水率を、その系中の総質量を基準にして40重量%未満に保つ。この前処理済みバイオマス生産物は効果的に糖化されて、生産物の生体触媒生産用の発酵可能な糖を生産する。

Description

本出願は、その全体が参照により組み込まれる2010年11月23日出願の米国仮特許出願第61/416477号明細書に関する恩恵を請求するものである。
バイオマスを処理して発酵可能な糖を得るため方法を提供する。具体的には、充填床反応器(packed bed reactor)中において無水アンモニアでバイオマスを処理して容易に糖化可能な材料を生産するための方法を提供する。
リグノセルロース系原料および廃棄物、例えば農作物残渣、木材、林業廃棄物、製紙汚泥、ならびに都市および産業廃棄物は、化学薬品、プラスチック、燃料、および飼料の生産用の潜在的に大きな再生可能な原料を提供する。炭水化物ポリマー、セルロースとヘミセルロース、およびリグニンを含有するリグノセルロース系原料および廃棄物は、一般に、様々な化学的、機械的、および酵素的手段によって処理されて、主としてヘキソース糖およびペントース糖を放出し、次いで発酵させて有用な製品にすることができる。
前処理法は、リグノセルロース系バイオマスの炭水化物ポリマー、すなわち多糖類を、糖化に使用されるセルロース分解酵素の影響をより容易に受け易くするために使用される。バイオマスのアンモニア前処理法を含めて様々な前処理法が知られている。一般にアンモニアは、バイマオスを糖化に向けて処理しているあいだ水性状態で使用されてきた。
例えば、本出願の所有者が所有する米国特許第7,932,063号明細書は、高い固形分かつ低いアンモニア水濃度の条件下でバイオマスを前処理する方法を開示している。使用されるアンモニアの濃度は、そのバイオマス−アンモニア水混合物のpHをアルカリ性に保つのに十分な最低限の濃度であり、バイオマスの乾燥重量を基準にして最高で約12重量%未満である。バイオマスの乾燥重量は、バイオマス−アンモニア水混合物の重量の少なくとも約15%、最大で約80%までの初期濃度である。
米国特許第4,064,276号明細書には、麦わらおよび他の植物性材料の処理のために無水アンモニアを使用してその材料の栄養的価値を向上させることが開示されている。少なくとも60重量%の乾物含量を有する麦わらを、1トンの乾燥麦わらにつき15〜40kgの無水アンモニアで、周囲温度、大気圧において少なくとも10日間処理する。
米国特許第7,915,017号明細書には、バイオマスを液体または蒸気状態の無水アンモニアで、かつ/または液体または蒸気状態の高濃度アンモニア:水混合物で前処理して、アンモニア対乾燥バイオマスの比が約0.2対1から1.2対1の間にあり、かつ水対乾燥バイオマスの比が約0.2対1.0から1.5対1の間にある混合物を得ることが開示されている。これら方法は、液相状態にある総アンモニアの分率を高めるために使用される。温度を約50℃から140℃の間に保ち、槽からアンモニアを放出することによって圧力を急速に開放して処理済みバイオマスを形成する。
バイオマスの前処理のためのアンモニア再利用パーコレーション法では充填床フロースルー反応器が使用される(Yoonらの論文(1995年)、Applied Biochemistry and Biotechnology 51/52:5〜19)。この方法ではアンモニア水をバイオマスの床を通して連続的に再循環させる。
効率的にバイオマスをアンモニアで前処理し、反応器のコストを低減させる容易に糖化可能な材料を生産する方法の必要性が残っている。
本発明は、静止形の槽内でバイオマスを無水アンモニアで前処理して、容易に糖化可能な材料を生産するための方法を提供する。
したがって、本発明は、
a)少なくとも約60%の乾物含量を有するバイオマスを準備するステップ、
b)(a)のバイオマスを静止形前処理槽に装入するステップ、
c)槽内の総含水量が40重量%未満(槽内の総質量の関数として測定される)残存する条件下で、バイオマスを少なくとも約4%の無水アンモニア(槽内のバイオマスの乾燥重量の関数として測定される)と接触させ、それによってバイオマスの大部分にアンモニア蒸気を浸透させるステップ、および
d)槽の排気孔を開いて蒸気を除去するステップ
を含み、
そこで槽中のバイオマスが前処理される、
バイオマスの処理方法を提供する。
バイオマスをアンモニアで処理する場合、そのバイオマス全体にわたるアンモニアの接触は、糖化のためのバイオマスの効果的な準備にとって重要である。一般には機械的撹拌を用いてアンモニアとバイオマスを混合して接触を最大にする。前処理は本明細書中で述べる条件下で機械的混合を伴わない静止反応器中で行われ、それによってアンモニアが反応物である混合反応器に付随するエネルギーコストおよびメンテナンスコストを取り除くことができる。
特許請求の範囲および明細書の解釈のために下記の定義および省略形が使用されることになる。
本明細書中で使用される用語「(本質的に全部として)含む(“comprise”、“comprising”)」、「含む(“include”、“including”)」、「有する(“has”、“having”)」、「含有する(“contain”、“containing”)」、またはこれらの任意の他の語尾変化は、非排他的に包含されるものを対象として含む。例えば、構成要素の一覧表を含む組成物、混合物、工程、方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの構成要素のみに限定されず、はっきりとは列挙されていない構成要素、あるいはこのような組成物、混合物、工程、方法、物品、または装置に固有な他の構成要素も含むことができる。さらに、相反するものと明記されない限り、「または」は、包含的なまたはを意味し、排他的なまたはを意味しない。例えば、条件AまたはBは、Aが真であり、(あるいは存在し)かつBが偽である(あるいは存在しない)、Aが偽であり(あるいは存在せず)かつBが真である(あるいは存在する)、およびAとBの両方が真である(あるいは存在する)のうちのいずれか一つによって満たされる。
また、本発明の構成要素または成分の前に置かれる不定冠詞「或る(“a”、“an”)」は、構成要素または成分のそれら事例(すなわち出来事)の数に関して非制限的であることを意図している。したがって「或る(“a”、“an”)」は、1つまたは少なくとも1つを含むものと解釈されるべきであり、また構成要素または成分の単数形の単語は、その数がはっきり単数であることを意味しない限り、複数もまた含む。
本明細書中で使用される用語「発明」または「本発明」は、非限定的用語であり、その特定の発明の任意の単一の実施形態を指すことを意図するものではなく、この明細書および特許請求の範囲中で記述されるすべてのあり得る実施形態を包含する。
本明細書中で用いられ、本発明の成分または反応物の使用量を修飾する用語「約」は、例えば、濃縮物または使用液を作製するために現実の世界で使用される一般的な測定手順および液体取扱手順を通じて、またこれらの手順における不注意による誤りを通じて、また組成物を製造するためにまたはそれら方法を実施するために使用される成分の製造、供給源、または純度の違いなどを通じて起こり得る数量の変動を指す。用語「約」はまた、ある特定の初期混合物からもたらされる組成物の異なる平衡条件のせいで相違する量を包含する。用語「約」によって修飾されていてもいなくても特許請求の範囲には、それらの量の等価物が含まれる。一実施形態では用語「約」は、その報告された数値の10%以内、好ましくはその報告された数値の5%以内を意味する。
用語「発酵可能な糖」とは、発酵過程で微生物が炭素源として使用することができるオリゴ糖類および単糖類を指す。
用語「リグノセルロース系」は、リグニンとセルロースの両方を含む組成物を指す。リグノセルロース系材料はまた、ヘミセルロースを含むことができる。
用語「セルロース系」は、セルロースと、ヘミセルロースを含めた追加の成分とを含む組成物を指す。
用語「糖化」とは、多糖類からの発酵可能な糖の生産を指す。
用語「前処理済みバイオマス」は、糖化に先立って前処理を施されたバイオマスを意味する。
用語「ブタノール」とは、イソブタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、またはこれらの組合せを指す。
用語「リグノセルロース系バイオマス」は任意のリグノセルロース系材料を指し、これにはセルロース、ヘミセルロース、リグニン、デンプン、オリゴ糖、および/または単糖を含む材料が含まれる。バイオマスはまた、タンパク質および/または脂質などの追加の成分を含むことができる。バイオマスは単一供給源から得ることもでき、またバイオマスは1種類以上の供給源から得られる混合物を含むこともできる。例えばバイオマスは、トウモロコシの穂軸とトウモロコシの茎葉の混合物、または草と葉の混合物を含むことができる。リグノセルロース系バイオマスには、これらに限定されないが、生物燃料エネルギー作物、農作物残渣、都市ごみ、産業廃棄物、製紙汚泥、庭ごみ、木材、および林業廃棄物が挙げられる。バイオマスの例には、これらに限定されないが、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの皮等の作物の残留物、トウモロコシの茎葉、草、小麦わら、大麦わら、干し草、稲わら、スイッチグラス、紙くず、サトウキビの絞りかす、モロコシ属植物材料、大豆植物材料、穀物の製粉から得られる成分、樹木、枝、根、葉、木材チップ、おがくず、低木と灌木、野菜、果実、および花が挙げられる。
用語「乾物含量」とは、対象材料の液体内容物を除去した後に存在するその材料の重量単位の量を指す。
用語「バイオマス水解物」とは、バイオマスの糖化により生ずる生産物を指す。このバイオマスもまた、糖化に先立って前処理または予備加工することができる。
用語「バイオマス水解物発酵ブロス」とは、バイオマス水解物を含む培地中での生体触媒の成長および生産の結果生ずる生産物を含有するブロスである。このブロスは、生体触媒によって消費されないバイオマス水解物の成分、ならびにこの生体触媒自体およびその生体触媒によって作られる生産物を含む。
用語「スラリー」とは、不溶性材料と液体の混合物を指す。スラリーはまた、高レベルの溶解性固形物を含有することもできる。スラリーの例には、糖化ブロス、発酵ブロス、および蒸留廃液が挙げられる。
用語「目的生産物」とは、発酵中に微生物生産宿主細胞によって生産される任意の生産物を指す。これら目的生産物は、宿主細胞中での遺伝子操作された酵素経路の結果であってもよく、また内在性経路によって生産されてもよい。典型的な目的生産物には、これらに限定されないが、酸、アルコール、アルカン、アルケン、芳香族化合物、アルデヒド、ケトン、バイオポリマー、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、ビタミン類、抗生物質、および医薬品が挙げられる。
用語「静止形の槽」とは、装入材料の混合のための手段を含まない槽を指す。充填床反応器は静止形の槽を採用する。
用語「静止形前処理槽」とは、前処理のために使用することができる静止形の槽を指す。この槽は、本発明の方法に使用されるアンモニアなどの装入材料に耐えるように建造される。
用語「ベント」とは、閉じ込められたガスを爆発による影響を伴わずに逃がすことを可能にすることを指す。
用語「ガス」とは、その臨界温度未満の凝縮性低密度相、例えば水蒸気を含めたガスおよび蒸気の両方を指す。
用語「槽内の総質量」とは、槽に加えられた成分の全体を合わせた質量を指す。
用語「大多数」とは50%超を指す。大多数とは50%を超す任意の整数を指すことができる。
アンモニア蒸気を用いた前処理法
本発明の方法は、比較的乾燥した封じ込められた系中で、槽内のバイオマスを無水アンモニアで処理することに関する。系が比較的乾燥している場合、アンモニアは、機械的混合を必要としないような蒸気の状態でバイオマス全体にわたって拡がることができる。蒸気状アンモニアが通過するようなバイオマス粒子間または破片間の開いた隙間空間は、反応器内の含水量を低く保つことによって維持され、その結果、反応器中に存在する水分はバイオマスと結び付き、隙間空間に充満しない。したがって、水分はバイオマス粒子または破片の界面ではより高く、バイオマス粒子間または破片間の隙間空間中ではより低いので、槽内の含水率は一定でない。
槽内の全体的な総含水率は、バイオマスと、無水アンモニアと、水蒸気などの槽に加えられる任意の他の成分とを含めた槽内の総質量の関数として測定される40重量%未満残存する。本発明の方法においては、後続の糖化で生産される糖の収率によって判定される容易に糖化可能なバイオマス生産物を生産するための効果的な前処理に向けて、機械的混合を伴わずにアンモニア蒸気をバイオマスに浸透させることができることを本明細書中で示す。アンモニア装入点からの様々な距離で採取した試料によれば、糖化の間に高レベルの糖を生産することができた。本明細書の実施例において生産される糖は、キシロースモノマーが理論上の収率の57〜68%の範囲、またグルコースモノマーが理論上の収率の80〜90%の範囲であった。
本発明の前処理法に使用される槽では混合機構は必要でなく、それは静止形の槽である。この槽は、円筒などの任意の形状であることができ、水平または垂直の向きに置くことができる。槽は、装入のための、例えばバイオマス、アンモニア、および水蒸気のための1個または複数個の出入口を有する。さらに槽は、例えば、真空を施すための、空気を加えて真空を破るための、蒸気を抜くための、およびバイオマスを放出するための出入口を有する。出入口は、複数の機能を有することができる。槽は、0.1絶対気圧から20ゲージ圧の間の圧力で稼働するように建造することができる。槽は、その温度を直接に上昇させるための手段、例えば加熱ジャケットを有することができる。槽は、アンモニア蒸気に耐えるように設計された材料のものであり、充填床型の反応器であることができる。
バイオマスをこの槽に装入する。本発明の方法ではバイオマス、典型的にはリグノセルロース系バイオマスは、少なくとも約60%の乾物含量を有する。バイオマスの乾燥重量割合は、約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、またはそれ以上であることができる。例えば、新たに収穫されたトウモロコシの茎葉は、一般には約70%の乾燥重量である。さらにバイオマスは、例えば空気乾燥を使用することによって、より高い割合の乾物に乾燥することもできる。さらにバイオマスは、槽に装入する前にサイズを小さくすることもできる。一般にはバイオマスは、槽に装入する前に機械的に、例えば細断、裁断、または粉砕によってそのサイズを小さくされる。バイオマスは、例えば1個または複数個の開口部を通じて槽内に、または槽内のバスケットなどの容器中に直接に装入することができる。別法ではバイオマスは、バイオマスを積み込んだ容器を槽内に置くことによって槽中に装入することもできる。使用することができる容器は、バスケットから貨車まで多岐にわたることできる。
槽内の空気を排気して不完全真空を作り出すことができる。不完全真空を作り出すことが好ましく、それは槽内でバイオマス中へのアンモニア蒸気の浸透を向上させる。さらに、空気の除去により非凝縮物も除去される。
バイオマスの入っている槽に無水アンモニアを充填し、それをバイオマスに浸透させることによって槽内のバイオマスを無水アンモニアと接触させる。本発明の方法ではバイオマスの大部分が無水アンモニアと接触する。一般には50%を超えるバイオマスが無水アンモニアと接触する。バイオマスの少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%が無水アンモニアと接触する。
無水アンモニアは、槽内のバイオマスの乾燥重量を基準にして少なくとも約4%の量で加えられる。使用される無水アンモニアの濃度範囲は約4%から約20%の間である。6%の無水アンモニアを使用することにより、3%の無水アンモニアの効果と比較して、本明細書中の実施例3に示すようにその得られる無水アンモニア浸透バイオマスの糖化によるキシロースの収率は増大した。無水アンモニアの導入は、その入れられる槽内のバイオマスの温度を上昇させる。
無水アンモニアを加える前に反応器および/またはバイオマスの温度を上げてもよい。温度は、例えば加熱ジャケットまたは加熱コイルを用いて槽に熱を加えることによる方法、あるいは反応器の槽内に高温のガスまたは蒸気、例えば水蒸気を導入することによる方法を含めて任意の方法によって間接的にまたは直接に上昇させることができる。水蒸気は、槽内の総含水量を槽内の総質量の40重量%未満に保つために過熱蒸気または乾燥蒸気として注入して水分の導入を避けることができる。槽内の水分は、主としてバイオマスおよび加えられるガスから来てもよい。非常に乾燥したバイオマス、例えば約15%未満の含水率を有するバイオマスを処理する場合、低い40%の総含水率を維持するためにその水蒸気は乾燥している必要はない。しかしながらバイオマスが、より高い含水率、例えば約35%を有する場合には乾燥蒸気が使用される。望ましい温度は、一般には約70℃から190℃の間の範囲にある。一般には温度は、約90℃から150℃の間である。
また、槽内部の圧力を増すこともできる。圧力を増すためには水蒸気の注入を使用することができる。前処理の間、その圧力は0.1絶対気圧から20ゲージ圧未満の間に保たれる。前処理のための滞留時間は、約2分から数日の間である。滞留時間は、数分から数日の間であることができる。一般には滞留時間は、約20分から24時間の間であり、また約3時間であってもよい。この滞留時間の間、アンモニアが蒸気状態でバイオマス粒子間または破片間の隙間空間を通って浸透し続ける条件を与える圧力および温度が槽内に維持される。
所望の滞留時間の終わりに、槽の排気孔を開いてガスを放出させる。爆発性のガスの放出はない。ガスが放出されるにつれてバイオマスは冷却する。真空は、ガスの放出を大きくすることを可能にするために通気が行われている間中施してもよい。圧力が上昇、すなわち取り除かれた場合、圧力は大気圧に戻る。得られた前処理済みバイオマス生産物は、乾燥状態であり、一般には重力を用いて開口部を通って槽を立ち去らせるが、機械的方法を用いることもできる。前処理されたバイオマスの回収のための放出は、例えば水平円筒形の槽の場合には複数の開口部によることも、あるいは、例えば直立円筒形の槽では単一開口部によることもできる。別法では水平円筒形の槽を一方の端部で傾けて、その端部に隣接した端部または側部である低い方の端部で単一開口部による放出を可能にすることもできる。別法では前処理されたバイオマスは、槽内にあるバイオマスの詰まった容器を取り出すことによって槽から放出することもできる。例えば、バイオマスを積み込んだ貨車が槽から出て行くことができる。
槽の排気孔から抜かれたアンモニア蒸気は再利用することができる。この方法の実用化の可能性を高めるためにアンモニアを再利用することが好ましい。アンモニア蒸気は、アンモニア蒸気取扱システムを用いた、当業者に知られている方法によって再利用することができる。例えば、アンモニア蒸気を凝縮し、アンモニア水として再利用することができる。別法ではアンモニア蒸気を、主として無水状態で再利用することもできる。
リグノセルロース系バイオマス
本発明の方法で使用されるバイオマスはリグノセルロース系であり、これはセルロースおよびヘミセルロースなどの多糖類と、リグニンとを含有する。バイオマスの多糖類はまた、グルカンおよびキシランと呼ぶこともできる。使用することができるバイオマスの種類には、これらに限定されないが、生物燃料エネルギー作物、農作物残渣、都市ごみ、産業廃棄物、製紙汚泥、庭ごみ、木材、および林業廃棄物が挙げられる。バイオマスの例には、これらに限定されないが、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの皮、トウモロコシの茎葉、草、小麦わら、大麦わら、カラスムギわら、菜種わら、干し草、稲わら、スイッチグラス、ススキ、コードグラス、クサヨシ、紙くず、サトウキビの絞りかす、モロコシの絞りかすまたはわら、大豆わら、穀物の製粉から得られる成分、樹木、枝、根、葉、木材チップ、おがくず、低木および灌木、野菜、果実、花、および動物厩肥が挙げられる。バイオマスには、他の穀物残渣、ハコヤナギ材、他の広葉樹材、針葉樹材、およびおがくずなどの林業廃棄物、消費者使用後の古紙製品、トウモロコシ繊維、ビートパルプ、パルプ工場微細繊維および不良品などの繊維プロセス残渣、および他の十分な量で存在するリグノセルロース系材料を挙げることができる。
本発明にとって特に有用なバイオマスには、比較的高い炭水化物含有率を有し、比較的高密度であり、かつ/または収集、運搬、貯蔵、および/または操作が比較的容易なバイオマスが挙げられる。
リグノセルロース系バイオマスは単一供給源から得ることもでき、またバイオマスは1種類以上の供給源から得られる混合物を含むこともできる。例えばバイオマスは、トウモロコシの穂軸とトウモロコシの茎葉の混合物、あるいは茎または柄と葉の混合物を含むことができる。
供給源から得られるバイオマスを直接使用することもでき、またそれを何らかの予備加工にかけることもできる。例えばサイズを小さくするまたは水分を減らすためにバイオマスにエネルギーを加えることができる。粒径減少は、その得られるサイズが0.1mmを超える粒の粗い小型の材料を生産する方法を用いて行うことができる。使用することができる方法には、ナイフミリング、粗砕、細断、チョッピング、ディスク精砕、および粗ハンマーミル粉砕などの機械的方法が挙げられる。この種の粒径減少は、無水アンモニアによる処理の前または後に行うことができるが、一般には前である。乾燥は、任意の通常の手段、例えば乾燥炉、回転乾燥機、フラッシュ乾燥機、または過熱蒸気乾燥機の使用によることができる。さらに、約40%未満の望ましいバイオマス含水率に到達するには空気乾燥で十分であろう。本発明の方法に使用する場合、バイオマスは、少なくとも約60、65、70、75、80、85、90、または93重量%の乾物含量を有することが望ましい。
前処理済みバイオマス生産物
本発明の方法により得られる前処理済みバイオマス生産物を糖化に使用して、所望の製品を生産するための生体触媒による発酵用の糖を生産する。
糖化
一般に、酵素による糖化は、グルコース、キシロース、およびアラビノースを含めた糖を含有する水解物を生産するために、少なくとも1種類の糖化酵素と、多くの場合セルロースおよびヘミセルロースを分解するための酵素共同体とを利用する。糖化酵素は、Lynd,L.R.らの論文(Microbiol.Mol.Biol.Rev.,66:506〜577,2002年)中で概説されている。
この酵素は、一般には1種類または複数種類のグリコシダーゼを含む。グリコシダーゼは、二糖、オリゴ糖、および多糖のエーテル結合を加水分解する。これらグリコシダーゼは、一般群「ヒドラーゼ」(EC 3)の酵素分類EC 3.2.1x(Enzyme Nomenclature 1992年,Academic Press,San Diego,CA、補遺1(1993年)、補遺2(1994年)、補遺3(1995年)、補遺4(1997年)、および補遺5(それぞれ、Eur.J.Biochem.,223:1〜5,1994年、Eur.J.Biochem.,232:1〜6,1995年、Eur.J.Biochem.,237:1〜5,1996年、Eur.J.Biochem.,250:1〜6,1997年、およびEur.J.Biochem.,264:610〜650,1999年に記載されている))中に見出される。本発明の方法において有用なグリコシダーゼは、それらが加水分解するバイオマス成分によって分類することができる。本発明の方法において有用なグリコシダーゼには、セルロース加水分解グリコシダーゼ(例えば、セルラーゼ、エンドグルカナーゼ、エキソグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、β−グリコシダーゼ)、ヘミセルロース加水分解グリコシダーゼ(例えば、キシラナーゼ、エンドキシラナーゼ、エキソキシラナーゼ、β−キシロシダーゼ、アラビノキシラナーゼ、マンナーゼ、ガラクターゼ、ペクチナーゼ、グルクロニダーゼ)、およびデンプン加水分解グリコシダーゼ(例えば、アミラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、イソアミラーゼ)が挙げられる。さらに、ペプチダーゼ(EC 3.4.x.y)、リパーゼ(EC 3.1.1.xおよび3.1.4.x)、リグニナーゼ(EC 1.11.1.x)、およびフェルロイルエステラーゼ(EC 3.1.1.73)などの糖化酵素共同体に他の活性を加えて、バイオマスの他の成分からの多糖の遊離を促進させることが役立つこともある。多糖加水分解酵素を生産する微生物は、多くの場合、異なる基質特異性を有する数種類の酵素または一群の酵素が触媒する活性、例えばセルロースの分解を示すことが当業界でよく知られている。したがって微生物由来の「セルラーゼ」は、そのすべてがセルロース分解活性に寄与する一群の酵素を含むことができる。市販または非市販の酵素製剤、例えばセルラーゼは、その酵素を得るために利用させる精製スキームに応じて非常に多種類の酵素を含む可能性がある。
糖化酵素、例えばSpezyme(登録商標)CPセルラーゼ、Multifect(登録商標)キシラナーゼ、Accelerase(登録商標)1500、およびAccellerase(登録商標)DUET(Danisco U.S.Inc.,Genencor International,Rochester,NY.)を市場で入手することができる。さらに、糖化酵素は未精製であることも、一種類の細胞抽出物またはホールセル製剤として供給することもできる。酵素は、複数種の糖化用酵素を発現させるように遺伝子工学で作られた組換え微生物を用いて生産することもできる。
グリコシドヒドロラーゼ(GH)の種類は、本発明においては特定の等級のもの、例えばファミリーGH3、GH39、GH43、GH55、GH10、およびGH11である。これらGHは、2種類以上の炭水化物間、または炭水化物部分と非炭水化物部分の間のグリコシド結合を加水分解する酵素の一群である。これらGHのファミリーは、配列類似性に基づいて分類されており、Carbohydrate−Active enzyme(CAZy)データベース(Cantarelら(2009年)、Nucleic Acids Res.37(Database発行):D233〜238)中で入手できる。これらの酵素は、複数種の基質に対して作用することができ、本発明の糖化方法において有効である。グリコシドヒドロラーゼファミリー3(「GH3」)酵素は、複数種類の既知の活性、すなわちβ−グルコシダーゼ(EC:3.2.1.21)、β−キシロシダーゼ(EC:3.2.1.37)、N−アセチル β−グルコサミニダーゼ(EC:3.2.1.52)、グルカン β−1,3−グルコシダーゼ(EC:3.2.1.58)、セロデキストリナーゼ(EC:3.2.1.74)、エキソ−1,3〜1,4−グルカナーゼ(EC:3.2.1)、およびβ−ガラクトシダーゼ(EC:3.2.1.23)を有する。グリコシドヒドロラーゼファミリー39(「GH39」)酵素は、α−L−イズロニダーゼ(EC:3.2.1.76)またはβ−キシロシダーゼ(EC:3.2.1.37)活性を有する。グリコシドヒドロラーゼファミリー43(「GH43」)酵素は、L−α−アラビノフラノシダーゼ(EC:3.2.1.55)、β−キシロシダーゼ(EC:3.2.1.37)、エンドアラビナナーゼ(EC:3.2.1.99)、およびガラクタン 1,3−β−ガラクトシダーゼ(EC:3.2.1.145)活性を有する。グリコシドヒドロラーゼファミリー51(「GH51」)酵素は、L−α−アラビノフラノシダーゼ(EC:3.2.1.55)またはエンドグルカナーゼ(EC:3.2.1.4)活性を有する。グリコシドヒドロラーゼファミリー10(「GH10」)酵素については、Schmidtらの論文(1999年,Biochemistry 38:2403〜2412)およびLo Leggioらの論文(2001年,FEBS Lett 509:303〜308)中により完全に記載されている。グリコシドヒドロラーゼファミリー11(「GH11」)酵素については、Hakouvainenらの論文(1996年,Biochemistry 35:9617〜24)中により完全に記載されている。
これらの酵素は、それらの自然宿主生物から単離することも、あるいは生産用に遺伝子工学で作られた宿主生物中で発現させることもできる。例えば、標的発現宿主細胞中で作用するプロモーターと、上記で与えられるGHをコードする配列と、終止シグナルとを含有するキメラ遺伝子は、プラスミドベクターから発現させるか、または当業者に知られている標準的な方法を用いて標的発現宿主細胞のゲノム中に組み込まれる。使用されるコード配列は、発現用に使用される特異的宿主に関して最適化されたコドンであることができる。一般に使用される発現宿主細胞には、細菌、例えばエスケリキア属(Escherichia)、バチルス属(Bacillus)、ラクトバシラス属(Lactobacillus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、およびストレプトミセス属(Streptomyces)と、酵母菌、例えばサッカロミセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)、カンジダ属(Candida)、ハンセヌラ属(Hansenula)、ピキア属(Pichia)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、およびファフィア属(Phaffia)と、糸状菌、例えばアクレモニウム属(Acremonium)、アスペルギルス属(Aspergillus)、アウレオバシジウム属(Aureobasidium)、ブィエルカンデラ属(Bjerkandera)、セリポリオプシス属(Ceriporiopsis)、クリソスポリウム属(Chrysoporium)、コプリナス属(Copurinus)、コリオラス属(Coriolus)、コリナスクス属(Corynascus)、ケトミウム属(Chaertomium)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、フィロバシディウム属(Filobasidium)、フザリウム属(Fusarium)、ジベレラ属(Gibberella)、ヒューミコラ属(Humicola)、マグナポルテ属(Magnaporthe)、ムコール属(Mucor)、ミセリオフトラ属(Myceliophthora)、ムコール属(Mucor)、ネオカリマスティクス属(Neocallimastix)、ニューロスポラ属(Neurospora)、ペシロミセス属(Paecilomyces)、ペニシリウム属(Penicillium)、ファネロカエテ属(Phanerochaete)、フレビア属(Phlebia)、ピロミセス属(Piromyces)、プレウロツス属(Pleurotus)、シタリジウム属(Scytaldium)、シゾフィラム属(Schizophyllum)、スポロトリクム属(Sporotrichum)、タラロミセス属(Talaromyces)、サーモアスカス属(Thermoascus)、チエラビア属(Thielavia)、トリポクラジウム属(Tolypocladium)、トラメテス属(Trametes)、およびトリコデルマ属(Trichoderma)とが挙げられる。
当業者であれば、共同体中で使用する各酵素の有効量の決め方、および最適な酵素活性のための条件の調整の仕方を知っているはずである。当業者であれば、選択された条件下で所与の前処理生産物の最適な糖化を得るために共同体内で必要とされる酵素活性の種類の最適化の仕方もまた知っているはずである。糖化の例は、米国特許第7,932,063号明細書中に記載されている。
糖化は、約数分(例えば2分)〜約200時間、一般には約24時間〜約72時間行うことができる。反応の時間は、酵素の濃度および比活性、ならびに使用される基質および環境条件、例えば温度およびpHによって決まることになる。当業者は、特定の基質および糖化酵素共同体で使用される温度、pH、および時間の最適条件を容易に決めることができる。
糖化は、単一バッチで、流加回分(fed−batch)で、または連続工程として行うことができる。糖化はまた、ワンステップで、または複数ステップで行うことができる。例えば、糖化に必要な異なる酵素は、異なるpHまたは温度の最適条件を示すことがある。或る温度およびpHで酵素(または酵素群)を用いて一次処理を行い、続いて異なる温度および/またはpHで異なる酵素(または酵素群)を用いて二次または三次(またはそれ以上の)処理を行うことができる。さらに、逐次ステップにおける異なる酵素による処理は、同一のpHおよび/または温度であってもよく、あるいはより高いpHおよび温度において安定かつより活性であるヘミセルラーゼを使用し、続いてより低いpHおよび温度において活性であるセルラーゼを使用するなどの異なるpHおよび温度であってもよい。
発酵に先立って糖化混合物を、例えばそれら発酵可能な糖の濃度を増すために蒸発によって濃縮することができる。任意選択的に、その糖化生産物中の液体をバッチ法または連続法で固体から分離することもできる。任意選択的に、その液体またはその糖化生産物全体を発酵に先立って滅菌することもできる。発酵の間に使用される生体触媒および糖化の間に使用されるpHに応じて、pHを発酵に適したものに調整することができる。
発酵可能な糖を含有するバイオマス水解物は、一般に発酵培地の或る割合として培地中に含まれ、生体触媒の成長および生産物の生産用の炭素供給源の全体または一部を形成する。発酵培地中の水解物は、一般には発酵培地の約40%〜90%である。発酵培地の40%または80%として使用される水解物の例が、参照により本明細書中に組み込まれる米国特許第7,932,063号明細書の実施例9に示されている。水解物中の発酵可能な糖の濃度によっては追加の糖を培地に加えることができる。例えば、約80g/Lのグルコースと約50g/Lのキシロースを含有する水解物が発酵培地の40%で含まれる場合、追加のグルコースおよびキシロースを加えて所望の最終糖濃度にすることができる。水解物に加えて、発酵培地は、当業者によく知られている、他の栄養分、塩、ならびに生産物の生産に使用されるその特異的生体触媒が成長および生産のために必要とする要素とを含有することができる。それら栄養補助剤には、例えば酵母抽出物、特異アミノ酸、リン酸塩、窒素源、塩、および微量元素を挙げることができる。特異的生体触媒によって作られる特異的生産物の生産に必要な成分にはまた、例えばプラスミドを維持するための抗生物質、または酵素触媒反応において必要な補因子を挙げることができる。
水解物を調製し、それを発酵培地に加え、次いで発酵を行うための代案として、同時糖化発酵(SSF)法を用いてバイオマス水解物発酵ブロスを生産することもできる。この方法では糖は、それらが生産生体触媒によって代謝されるにつれてバイオマスから生産される。
生体触媒の発酵および目的生産物
発酵培地中の発酵可能な糖を適切な生体触媒によって代謝して目的生産物を生産する。発酵過程で糖を生体触媒と接触させる。そこで生体触媒は、その生体触媒によって作られる目的生産物が生産される条件下で成長する。温度および/または頭隙ガスは、使用中の特定の生体触媒に役立つ条件に応じて発酵に合わせて調整することができる。発酵は、好気性でも嫌気性でもよい。温度およびpHを含めたこれらのおよび他の条件は、使用される特定の生体触媒に合わせて調整される。
生体触媒によって生産される目的生産物の例には、1,3−プロパンジオール、ブタノール(イソブタノール、2−ブタノール、および1−ブタノール)、およびエタノールが挙げられる。1,3−プロパンジオールを生産する組換え微生物が、米国特許第7,504,250号明細書中に開示されている。遺伝子組換え酵母菌によるブタノールの生産は、例えば米国特許第7,851,188号明細書中に開示されている。大腸菌(E.coli)の遺伝子組換え株もまた、エタノール生産のための生体触媒として使用されてきた(Underwoodらの論文(2002年)、Appl.Environ.Microbiol.68:6263〜6272)。エタノールは、リグノセルロース系バイオマス水解物発酵培地中で遺伝子組換えザイモモナス属(Zymomonas)によって生産されている(米国特許第7,932,063号明細書)。エタノールの生産を向上させる使用することができるザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)の遺伝子組換え株が、米国特許第7,223,575号明細書および米国特許第7,998,722号明細書中に記載されている。
下記実施例において本発明をさらに明確にする。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示の目的でのみ与えられることを理解されたい。前述の考察およびこれらの実施例から、当業者は本発明の本質的な特徴を突き止めることができ、そして本発明を様々な用途および条件に適合させるために、本発明の精神および範囲から逸脱することなくその様々な変形形態および修正形態を作り出すことができる。
使用される省略形の意味は下記の通りである。「s」は秒であり、「min」は分を意味し、「h」または「hr」は時間を意味し、「μL」はマイクロリットルを意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「L」はリットルを意味し、「m」はメートルであり、「nm」はナノメートルを意味し、「mm」はミリメートルを意味し、「cm」はセンチメートルを意味し、「μm」はマイクロメートルを意味し、「mM」はミリモルを意味し、「M」はモルを意味し、「mmol」はミリモルを意味し、「μmole」はマイクロモルを意味し、「g」はグラムを意味し、「μg」はマイクログラムを意味し、「mg」はミリグラムを意味し、「kg」はキログラムであり、「rpm」は1分当たり回転数を意味し、「C」は摂氏であり、「ppm」は100万分の1を意味し、「psi」は平方インチ当たりポンドである。
一般的方法
糖化酵素
Accellerase(登録商標)1500(A1500)を、Danisco U.S.Inc.,Genencor,International(Rochester,NY)から得た。
充填床反応器
垂直向きステンレス鋼製フィルターハウジング圧力槽からなり、取外し可能な蓋を有する充填床前処理反応器を使用した。この圧力槽は、上部が開いたステンレス鋼製の取出し可能な円筒状バスケット、固体壁、および穴のあいた基底部を収容する。バスケットは、バイオマスを充填床に静的に取り入れることを可能にし、かつバイオマス粒子間の間隙体積全体にわたる、頂部装入または底部装入液体、蒸気、および/またはガスの通過を可能にした。
フィルターハウジングは、8インチ(20.3cm)の内径および29インチ(73.7cm)の室内長を有した。円筒状バスケットは、6.5インチ(16.5cm)の径、29インチ(73.7cm)の深さ、および約15.8リットルの容積を有した。
可撓性の銅管が、フィルターハウジングの外面領域の約30%を取り囲む。槽の外側を加熱するために使用されるこの銅管は、164.7psia(1135.6キロパスカル)の水蒸気供給源に連結された。
充填床反応器に合わせて、
・完全または不完全真空を作り出すために空気を排出すること、
・84.7psia(584キロパスカル)で動作するボイラーからの飽和蒸気を加えること、
・無水アンモニアを加えること、
・反応後、プロセス蒸気を排出すること、
・反応後、真空を破るために空気を加えること
を可能する管接合部が作られた。
実施例1
糖化準備におけるバイオマスの充填床前処理
4.07kgのトウモロコシ穂軸を細断し分類して、1/4インチ(0.64cm)を超え、かつ3/8インチ(0.375cm)未満の粒径を有する穂軸画分を得た。このトウモロコシ穂軸をバスケットに入れ、次いで一般的方法で述べた前処理反応器に入れた。このトウモロコシ穂軸は、8.6%の含水率および227.5g/Lのかさ密度を有した。予備反応充填床は約29インチ(73.7cm)の深さであった。
空気を反応器から排気し、0.1バール(10キロパスカル)の不完全真空を達成した。絶乾バイオマスの質量を基準にして8重量%の無水アンモニアが、297.6gのアンモニアを約60分の時間をかけて装入することによって加えられた。次いで、84.7psia(584キロパスカル)の圧力の飽和蒸気を加えて、反応器の温度を約70℃に至らせた。この時点で、40分の保持時間の間に反応器の温度を70℃から90℃へ上昇するに任せた。反応器中の圧力は、この保持時間の間ずっと約85psia(584キロパスカル)であった。この保持時間の後に、その加圧されたガスおよび蒸気を放出し、冷却した外部取り込み槽内に閉じ込めた。反応器が大気圧に達したとき、真空ポンプを用いて反応器を約0.1バール(10キロパスカル)まで排気し、その圧力で5分間保った。次いで反応器の排気口を開いて真空を解放して大気圧にした。工程が大気圧に達した後に、前処理反応器を開いた。
前処理されたバイオマスを、充填床の頂部から底部までの四分位点の各分画、すなわち表1の場合のように第一(頂部)区域、第二区域、第三区域、第四(底部)区域で取り出した。これらの画分を含水率および残留アンモニアについて分析し、結果を表2に示す。残留アンモニアは、既知量の前処理済み固体を水中で1時間抽出し、次いで0.1N HClによる滴定を用いてpH5.3に達するための酸の当量を求めることによって決定した。次いでその当量を正規化して抽出系中の乾物の量にした。さらにその後、等質量の各画分を一緒にし、次いで分析して、前処理済みバイオマスのミキシングカップ組成を決定した。
Figure 2014500021
Figure 2014500021
*DMは乾物
各前処理済みバイオマス画分の試料を酵素により糖化して、グルカンおよびキシランの単糖およびオリゴ糖の収率を決定した。
糖化手順
各画分の0.56gを計量して、個々の20mLシンチレーション用バイアルに入れた。適量の50mM(pH5)酢酸緩衝液を加えて、1バイアル当たり18.6%の固形物を得た。1N H2SO4を加えることによってpHを5に調整した。この酢酸緩衝液は、インキュベーション中の原料内の細菌の成長を抑制するために0.005%アジ化ナトリウムを含有した。
酵素による糖化は、グルカン+キシラン7.2mg/g、またはグルカン+キシラン21.7mg/gのいずれかでヘミセルラーゼ(Xyn3、Fv3A、Fv51A、およびFv43D)の反応混液と組み合わせたAccellerase(登録商標)1500を使用して行った。酵素を各バイアルに加え、続いてインキュベーション中の原料の十分な摩砕を実現するために1.1/2インチ(1.3cm)の鋼球を加えた。
バイアルにしっかり蓋をかぶせ、回転式ふりまぜ機中で180rpmの回転式ふりまぜ機上に72時間放置して約48℃において糖化した。
インキュベーション後、試料を水で希釈してから濾過し、HPLCによって分析した。これら試料を、移動相として0.01N H2SO4を0.6mL/分の流量で使用する60℃でのHPX−87Hカラム(BioRad)流出を用いたHPLC分析にかけた。
総糖値を、硫酸の添加による酸加水分解、オートクレーブ処理、濾過、およびHPLCによる分析によって得た。オリゴマーの値は、各試料について総糖濃度からそのモノマーを引くことによって求めた。結果を表3に示す。
Figure 2014500021
実施例2
糖化準備における高温度で短時間によるバイオマスの充填床前処理
実施例1の場合と同様に3.74kgの粉砕トウモロコシ穂軸を、一般的方法で述べた反応器のバスケットに入れた。このバスケットを前処理反応器に入れた。トウモロコシ穂軸は、8.6%の含水率および227.5g/Lのかさ密度を有した。予備反応の充填床は約29インチ(73.7cm)の深さであった。
150psig(1034.2キロパスカル)の水蒸気を予熱器の銅コイルに当てた。予熱器の蓋が145℃に達した時、0.6psiaの不完全真空が達成されるまで空気を排気した。水蒸気は工程に直接注入され、17psia(4.14キロパスカル)の圧力に達した。次いで、底弁を開いて系中で形成された凝縮物を放出することによって予熱器をベントした。すべての凝縮物が系からパージされたことを確実にするために、開いた底弁から乾燥蒸気が出るのが観察されるまで水蒸気を予熱器の頂部に注入した。この時点で反応器中の温度は約100℃であった。水蒸気の流れを止め、次いで排水弁を閉じた。バイオマス中への熱吸収のせいで反応器の温度は80℃に降下し、8psiaの不完全真空を生じさせた。この時点で工程に190.3gの無水アンモニアを加えて、反応器中に装入した乾物を基準にして6重量%のアンモニア負荷を達成した。アンモニアの添加後に、工程に150℃の反応温度および70psia(482.6キロパスカル)の圧力に至らせるのに十分な水蒸気を加えた。30分後、加圧されたガスおよび蒸気を放出し、冷却した外部取り入れ槽内に閉じ込めた。反応器が大気圧に達したら、次にバイオマスから残留アンモニアをさらに減少させるために、真空ポンプを用いて反応器を約0.1バール(10キロパスカル)まで排気し、その圧力に5分間保った。次いで反応器の排気口を開いて真空を解放して大気圧にした。工程が大気圧に達した後、前処理反応器を開いた。
前処理されたバイオマスを、表4の場合のように、充填床の頂部から底部までの四分位点の各分画において取り出した。これらの画分を含水率および残留アンモニアについて分析し、結果を表5に示す。さらにその後、等質量の各画分を一緒にし、次いで分析して、前処理済みバイオマスのミキシングカップ組成を決定した。
Figure 2014500021
Figure 2014500021
*DM は 乾物
各前処理済みバイオマス画分の試料を酵素により糖化して、実施例1で述べたと同様にグルカンおよびキシランの単糖およびオリゴ糖の収率を決定した。
Figure 2014500021

Claims (16)

  1. バイオマスの処理方法であって、
    a)少なくとも約60%の乾物含量を有するバイオマスを準備するステップ、
    b)(a)の前記バイオマスを静止形前処理槽に装入するステップ、
    c)前記槽内の総含水率が40重量%未満(前記槽内の総質量の関数として測定される)残存する条件下で、前記バイオマスを、少なくとも約4%の無水アンモニア(前記槽内の前記バイオマスの乾燥重量の関数として測定される)と接触させ、それによって前記バイオマスの大部分にアンモニア蒸気を浸透させるステップ、および
    d)前記槽の排気孔を開いて蒸気を排出するステップ
    を含み、
    そこで前記槽内の前記バイオマスが前処理される、方法。
  2. ステップ(b)後に前記槽が不完全真空まで排気される、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(d)後に前記前処理済みバイオマスが回収される、請求項1に記載の方法。
  4. ステップ(c)において前記無水アンモニアを前記バイオマスと少なくとも約2分間接触させる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記無水アンモニアを前記バイオマスと約24時間未満のあいだ接触させる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記槽内の前記バイオマスの温度が少なくとも約70℃である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記槽の前記温度を、ステップ(b)の前に少なくとも約70℃まで上昇させる、請求項1に記載の方法。
  8. ステップ(b)前の前記温度が、約70℃から約190℃の間である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記温度を、高温ガスを注入することによって直接に、または前記槽に熱を加えることによって間接的に上昇させる、請求項7に記載の方法。
  10. アンモニアがステップ(d)で回収され、前処理槽またはアンモニア蒸気取扱システムに再利用される、請求項1に記載の方法。
  11. アンモニアが無水状態で再利用される、請求項10に記載の方法。
  12. ステップ(c)における無水アンモニアの濃度が、約20%未満(前記槽内の前記バイオマスの乾燥重量の関数として測定される)である、請求項1に記載の方法。
  13. 前記槽内の圧力が、ステップ(b)から(d)にわたって0.1絶対気圧から20ゲージ圧の間である、請求項1に記載の方法。
  14. (a)の前記バイオマスが、機械的にサイズを小さくしたバイオマスである、請求項1に記載の方法。
  15. 前記バイオマスが、セルロース、ヘミセルロース、およびリグニンを含むセルロース系バイオマスである、請求項1に記載の方法。
  16. 前記バイオマスが、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの皮、トウモロコシの茎葉、草、小麦わら、大麦わら、カラスムギわら、菜種わら、干し草、稲わら、スイッチグラス、ススキ、コードグラス、クサヨシ、紙くず、サトウキビの絞りかす、モロコシの絞りかすまたはわら、大豆わら、穀物の製粉から得られる成分、樹木、枝、根、葉、木材チップ、おがくず、低木および灌木、野菜、果実、花、および動物厩肥からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
JP2013540987A 2010-11-23 2011-11-21 充填床反応器のためのバイオマス前処理方法 Pending JP2014500021A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US41647710P 2010-11-23 2010-11-23
US61/416,477 2010-11-23
PCT/US2011/061610 WO2012071308A2 (en) 2010-11-23 2011-11-21 Biomass pretreatment process for a packed bed reactor

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014500021A true JP2014500021A (ja) 2014-01-09
JP2014500021A5 JP2014500021A5 (ja) 2015-01-15

Family

ID=45094803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013540987A Pending JP2014500021A (ja) 2010-11-23 2011-11-21 充填床反応器のためのバイオマス前処理方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20120125551A1 (ja)
EP (1) EP2643516A2 (ja)
JP (1) JP2014500021A (ja)
CN (1) CN103261513A (ja)
AU (1) AU2011332099B2 (ja)
BR (1) BR112013007537A2 (ja)
CA (1) CA2817384A1 (ja)
WO (1) WO2012071308A2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9206446B2 (en) * 2006-05-01 2015-12-08 Board Of Trustees Of Michigan State University Extraction of solubles from plant biomass for use as microbial growth stimulant and methods related thereto
US8968515B2 (en) 2006-05-01 2015-03-03 Board Of Trustees Of Michigan State University Methods for pretreating biomass
BRPI0711139A2 (pt) 2006-05-01 2012-02-22 Michigan State University Processo para o tratamento de carboidratos estruturais em biomassa lignocelulósica, processo para tratamento de uma biomassa vegetal com conteúdo lignocelulósico compreendendo carboidratos estruturais com água naturalmente presente na biomassa para produção de carboidratos estruturais mais digeríveis ou acessíveis, processo para recuperação de amõnia e um tratamento de explosão de fibras de amõnia de uma biomassa lignocelulósica, e sistema
WO2009045527A1 (en) * 2007-10-03 2009-04-09 Michigan State University Improved process for producing sugars and ethanol using corn stillage
WO2011028543A2 (en) 2009-08-24 2011-03-10 Board Of Trustees Of Michigan State University Pretreated densified biomass products and methods of making and using same
US8945245B2 (en) 2009-08-24 2015-02-03 The Michigan Biotechnology Institute Methods of hydrolyzing pretreated densified biomass particulates and systems related thereto
US10457810B2 (en) 2009-08-24 2019-10-29 Board Of Trustees Of Michigan State University Densified biomass products containing pretreated biomass fibers
BR112012026710B8 (pt) 2010-04-19 2020-06-23 Univ Michigan State método para produzir um produto extraído a partir de biomassa lignocelulósica e método para produzir um produto digerido a partir de biomassa lignocelulósica
WO2013131015A1 (en) 2012-03-02 2013-09-06 Board Of Trustees Of Michigan State University Methods for increasing sugar yield with size-adjusted lignocellulosic biomass particles
US10227623B2 (en) 2013-11-24 2019-03-12 E I Du Pont De Nemours And Company High force and high stress destructuring of cellulosic biomass
CN105829500A (zh) * 2013-12-18 2016-08-03 国际壳牌研究有限公司 用于水热加氢催化转化的生物质处理
EP3083891B1 (en) * 2013-12-18 2017-10-18 Shell Internationale Research Maatschappij B.V. Biomass treatment for hydrothermal hydrocatalytic conversion
FI127582B (en) * 2014-01-10 2018-09-14 Ab Bln Woods Ltd Procedure for extracting lignin

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4064276A (en) * 1976-08-04 1977-12-20 Worsk Hydro A.S Process for the production of ammoniated straw and other plant materials containing lignocellulose
US20080008783A1 (en) * 2006-05-01 2008-01-10 Board Of Trustees Of Michigan University Process for the treatment of lignocellulosic biomass
JP2008535664A (ja) * 2005-04-12 2008-09-04 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 発酵性糖を得るためのバイオマス処理
US20100159521A1 (en) * 2008-12-19 2010-06-24 E. I. Du Pont De Nemours And Company Ozone treatment of biomass to enhance enzymatic saccharification
US20100159520A1 (en) * 2008-12-19 2010-06-24 E.I. Du Pont De Nemours And Company Organic solvent pretreatment of biomass to enhance enzymatic saccharification
WO2011046818A2 (en) * 2009-10-12 2011-04-21 E. I. Du Pont De Nemours And Company Ammonia pretreatment of biomass for improved inhibitor profile
WO2011133571A2 (en) * 2010-04-19 2011-10-27 Board Of Trustees Of Michigan State University Digestible lignocellulosic biomass and extractives and methods for producing same
JP2012070725A (ja) * 2010-09-01 2012-04-12 Jx Nippon Oil & Energy Corp 酵素糖化用原料の製造方法、並びに糖の製造方法、及びエタノールの製造方法
WO2012071312A2 (en) * 2010-11-23 2012-05-31 E. I. Du Pont De Nemours And Company Continuously fed biomass pretreatment process for a packed bed reactor

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5037663A (en) * 1981-10-14 1991-08-06 Colorado State University Research Foundation Process for increasing the reactivity of cellulose-containing materials
DE19916347C1 (de) * 1999-04-12 2000-11-09 Rhodia Acetow Ag Verfahren zum Auftrennen lignocellulosehaltiger Biomasse
ATE335823T1 (de) 1999-08-18 2006-09-15 Du Pont Verfahren zur biologischen herstellung von 1,3- propandiol
US7223575B2 (en) 2000-05-01 2007-05-29 Midwest Research Institute Zymomonas pentose-sugar fermenting strains and uses thereof
EP1948814B1 (en) 2005-10-26 2018-11-21 Butamax (TM) Advanced Biofuels LLC Fermentive production of four carbon alcohols
US7998722B2 (en) 2008-03-27 2011-08-16 E. I. Du Pont De Nemours And Company Zymomonas with improved xylose utilization

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4064276A (en) * 1976-08-04 1977-12-20 Worsk Hydro A.S Process for the production of ammoniated straw and other plant materials containing lignocellulose
JP2008535664A (ja) * 2005-04-12 2008-09-04 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 発酵性糖を得るためのバイオマス処理
US20080008783A1 (en) * 2006-05-01 2008-01-10 Board Of Trustees Of Michigan University Process for the treatment of lignocellulosic biomass
US20100159521A1 (en) * 2008-12-19 2010-06-24 E. I. Du Pont De Nemours And Company Ozone treatment of biomass to enhance enzymatic saccharification
US20100159520A1 (en) * 2008-12-19 2010-06-24 E.I. Du Pont De Nemours And Company Organic solvent pretreatment of biomass to enhance enzymatic saccharification
WO2010080464A1 (en) * 2008-12-19 2010-07-15 E. I. Du Pont De Nemours And Company Organic solvent pretreatment of biomass to enhance enzymatic saccharification
WO2011046818A2 (en) * 2009-10-12 2011-04-21 E. I. Du Pont De Nemours And Company Ammonia pretreatment of biomass for improved inhibitor profile
WO2011133571A2 (en) * 2010-04-19 2011-10-27 Board Of Trustees Of Michigan State University Digestible lignocellulosic biomass and extractives and methods for producing same
JP2012070725A (ja) * 2010-09-01 2012-04-12 Jx Nippon Oil & Energy Corp 酵素糖化用原料の製造方法、並びに糖の製造方法、及びエタノールの製造方法
WO2012071312A2 (en) * 2010-11-23 2012-05-31 E. I. Du Pont De Nemours And Company Continuously fed biomass pretreatment process for a packed bed reactor

Also Published As

Publication number Publication date
EP2643516A2 (en) 2013-10-02
CA2817384A1 (en) 2012-05-31
BR112013007537A2 (pt) 2016-07-19
AU2011332099A1 (en) 2013-03-14
WO2012071308A3 (en) 2012-07-19
WO2012071308A2 (en) 2012-05-31
US20120125551A1 (en) 2012-05-24
AU2011332099B2 (en) 2014-10-02
CN103261513A (zh) 2013-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2011332103B2 (en) Continuously fed biomass pretreatment process for a packed bed reactor
AU2011332099B2 (en) Biomass pretreatment process for a packed bed reactor
Bhatia et al. An economic and ecological perspective of ethanol production from renewable agro waste: a review
JP5908900B2 (ja) バイオマスのミル粉砕改善のための無水アンモニア処理
US9574212B2 (en) Process comprising sulfur dioxide and/or sulfurous acid pretreatment and enzymatic hydrolysis
US8372609B2 (en) Process for producing a sugar solution by combined chemical and enzymatic saccharification of polysaccharide enriched biomass
JP5634410B2 (ja) 酵素糖化を促進させるためのバイオマスの有機溶剤前処理
US20100159521A1 (en) Ozone treatment of biomass to enhance enzymatic saccharification
US20100330638A1 (en) Thermochemical Treatment of Lignocellulosics for the Production of Ethanol
JP2010524473A (ja) リグノセルロースバイオマスの熱化学的前処理と精砕の組合せ
JP2008535524A (ja) エタノールを得るためのバイオマスの処理
JP2012512666A (ja) 酵素糖化を促進させるためのバイオマスのオルガノソルブおよびオゾン処理
JP2013507130A (ja) 改善された阻害因子プロファイルのための、バイオマスのアンモニア前処理
US20110250645A1 (en) Methods to improve monomeric sugar release from lignocellulosic biomass following alkaline pretreatment
TOZLUOĞLU Bioethanol production from common reed (Phragmites australis): Enzymatic hydrolysis and fermentation
Meera et al. Bioconversion of lignocellulose materials using different pre-treatment strategies
Chandra et al. New insights of cellulosic ethanol production from lignocellulosic feedstocks
AU2011281083B2 (en) Anhydrous ammonia treatment for improved milling of biomass
Kumar et al. Separation of Hemi cellulose from Corn cobs by Alkali Pretreatment Method

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141118

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150706

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160201