JP2014241157A - タッチセンサ付き表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モバイル機器用途に適したタッチセンサ付き表示装置を提供する。【解決手段】複数の表示画素電極と、表示画素電極と対向して設けられた共通電極と、画像信号に基づいて、表示画素電極と共通電極との間に表示用電圧を印加して表示機能層の表示機能を発揮させるように画像表示制御を行う表示制御回路と、共通電極と対向して、または並んで設けられ、共通電極との間に静電容量を形成するタッチ検出電極と、共通電極に印加される電圧をタッチセンサ用駆動信号として利用し、タッチ検出電極から得られる検出信号に基づき、物体の接触位置を検出するタッチ検出回路と、を備え、タッチ検出電極は、マトリクス状に配設された複数の個別電極である。【選択図】図4
Description
本発明は、液晶表示装置等の表示装置に係わり、特に、ユーザが指等で触れることにより情報入力が可能な静電容量式のタッチセンサを備えたタッチセンサ付き表示装置に関する。
近年、いわゆるタッチパネルと呼ばれる接触検出装置(以下、タッチセンサという。)を液晶表示装置上に直接装着すると共に、液晶表示装置に各種のボタンを表示させることにより、通常のボタンの代わりとして情報入力を可能とするようにした表示装置が注目されている。この技術は、モバイル機器の画面の大型化傾向の中にあって、ディスプレイとボタンの配置の共用化を可能にすることから、省スペース化や部品点数の削減という大きなメリットをもたらす。しかしながら、この技術には、タッチパネルの装着によって液晶モジュールの全体の厚さが厚くなるという問題があった。特にモバイル機器用途においては、タッチパネルの傷防止のための保護層が必要となることから、液晶モジュールが益々厚くなる傾向があり、薄型化のトレンドに反するという問題があった。
そこで、例えば特許文献1には、液晶表示素子の観察側基板とその外面に配置された観察用偏光板との間にタッチパネル用導電膜を設け、このタッチパネル用導電膜と偏光板の外面との間に、偏光板の外面をタッチ面とした静電容量型タッチパネルを形成したタッチパネル付き液晶表示素子が提案され、薄型化が図られている。
しかしながら、上記特許文献1に開示されたタッチパネル付き液晶表示素子では、原理的に、タッチパネル用導電膜が利用者と同電位にあることが必要であり、利用者がきちんと接地されている必要がある。したがって、コンセントから電源を取っているような据置型のテレビジョン受像機はともかく、モバイル機器用途に適用するのは現実的に見て困難である。また、上記技術では、タッチパネル用導電膜が利用者の指に極めて接近していることが必要なので、液晶表示素子の例えば奥深い部分に配設することが無理である等、配設部位が制限される。すなわち、設計の自由度が小さい。さらに、上記技術では、その構成上、タッチパネル駆動部や座標検出部といった回路部分を、液晶表示素子の表示駆動回路部とは別個に設けなければならず、装置全体としての回路の集積化が困難である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、特にモバイル機器用途に適したタッチセンサ付き表示装置を提供することにある。その第2の目的は、設計の自由度が高いタッチセンサ付き表示装置を提供することにある。その第3の目的は、回路の集積化が容易な構造を有するタッチセンサ付き表示装置を提供することにある。
本発明のタッチセンサ付き表示装置は、複数の表示画素電極と、前記表示画素電極と対向して設けられた共通電極と、画像表示機能を有する表示機能層と、画像信号に基づいて、前記表示画素電極と前記共通電極との間に表示用電圧を印加して前記表示機能層の表示機能を発揮させるように画像表示制御を行う表示制御回路と、前記共通電極と対向して、または並んで設けられ、前記共通電極との間に静電容量を形成するタッチ検出電極と、前記共通電極に印加される電圧をタッチセンサ用駆動信号として利用し、前記タッチ検出電極から得られる検出信号に基づき、物体の接触位置を検出するタッチ検出回路と、を備え、前記タッチ検出電極は、マトリクス状に配設された複数の個別電極である。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
まず最初に、図1ないし図3を参照して、本実施の形態のタッチセンサ付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を表すものである。このタッチ検出方式は、静電容量型タッチセンサとして具現化されるものであり、図1(A)に示したように、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極(駆動電極E1および検出電極E2)を用い、容量素子を構成する。この構造は、図1(B)に示した等価回路として表される。駆動電極E1、検出電極E2および誘電体Dによって容量素子C1が構成される。容量素子C1は、その一端が交流信号源Sに接続され、他端Pは抵抗Rを介して接地されると共に電圧検出器DETに接続される。交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜十数kHz程度)の交流矩形波Sg(図3(B))を印加すると、検出電極E2(容量素子C1の他端P)に、図3(A)に示したような出力波形(検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述するコモン駆動信号Vcomに相当するものである。
指を接触していない状態では、図1に示したように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V0のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。
一方、指を接触した状態では、図2に示したように、指によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加された形となる。この状態では、容量素子C1,C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1,I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V1のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1,C2を流れる電流I1,I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも小さい値となる。電圧検出器DETは、後述するように、検出した電圧を所定のしきい値電圧Vthと比較し、このしきい値電圧以下であれば非接触状態と判断する一方、しきい値電圧以上であれば接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出が可能となる。
[第1の実施の形態]
図4は、本実施の形態のタッチセンサ付き表示装置の要部断面構造を表すものである。このタッチセンサ付き表示装置は、表示素子として液晶表示素子を用いると共に、この液晶表示素子に元々備えられている電極の一部(後述する共通電極43)および表示用駆動信号(後述するコモン駆動信号Vcom)を兼用して静電容量型タッチセンサを構成したものである。
図4は、本実施の形態のタッチセンサ付き表示装置の要部断面構造を表すものである。このタッチセンサ付き表示装置は、表示素子として液晶表示素子を用いると共に、この液晶表示素子に元々備えられている電極の一部(後述する共通電極43)および表示用駆動信号(後述するコモン駆動信号Vcom)を兼用して静電容量型タッチセンサを構成したものである。
図4に示したように、このタッチセンサ付き表示装置は、画素基板2と、この画素基板2に対向して配置された対向基板4と、画素基板2と対向基板4との間に挿設された液晶層6とを備えている。
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、このTFT基板21上にマトリクス状に配設された複数の画素電極22とを有する。TFT基板21には、各画素電極22を駆動するための図示しない表示ドライバやTFT(薄膜トランジスタ)のほか、各画素電極に画素信号を供給するソース線や、各TFTを駆動するゲート線等の配線が形成されている。TFT基板21にはまた、後述するタッチ検出動作を行う検出回路(図6)が形成されていてもよい。
対向基板4は、ガラス基板41と、このガラス基板41の一方の面に形成されたカラーフィルタ42と、このカラーフィルタ42の上に形成された共通電極43とを有する。カラーフィルタ42は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ層を周期的に配列して構成したもので、各表示画素(画素電極22)ごとにR、G、Bの3色が1組として対応付けられている。共通電極43は、タッチ検出動作を行うタッチセンサの一部を構成するセンサ用駆動電極としても兼用されるものであり、図1における駆動電極E1に相当する。
共通電極43は、コンタクト導電柱7によってTFT基板21と連結されている。このコンタクト導電柱7を介して、TFT基板21から共通電極43に交流矩形波形のコモン駆動信号Vcomが印加されるようになっている。このコモン駆動信号Vcomは、画素電極22に印加される画素電圧とともに各画素の表示電圧を画定するものであるが、タッチセンサの駆動信号としても兼用されるものであり、図1の駆動信号源Sから供給される交流矩形波Sgに相当する。
ガラス基板41の他方の面には、センサ用検出電極44が形成され、さらに、このセンサ用検出電極44の上には、偏光板45が配設されている。センサ用検出電極44は、タッチセンサの一部を構成するもので、図1における検出電極E2に相当する。
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、TN(ツイステッドネマティック)、VA(垂直配向)、ECB(電界制御複屈折)等の各種モードの液晶が用いられる。
なお、液晶層6と画素基板2との間、および液晶層6と対向基板4との間には、それぞれ配向膜が配設され、また、画素基板2の下面側には入射側偏光板が配置されるが、ここでは図示を省略している。
図5は、対向基板4における共通電極43およびセンサ用検出電極44の一構成例を斜視状態にて表したものである。この例では、共通電極43は、図の左右方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。各電極パターンには、ドライバ43Dによってコモン駆動信号Vcomが順次供給され、時分割的に線順次走査駆動が行われるようになっている。一方、センサ用検出電極44は、共通電極43の電極パターンの延在方向と直交する方向に延びる複数のストライプ状の電極パターンから構成されている。センサ用検出電極44の各電極パターンからは、それぞれ、検出信号Vdetが出力され、図6に示した検出回路8に入力されるようになっている。
図6は、タッチ検出動作を行う検出回路8の一構成例を表すものである。この検出回路8は、信号増幅用のオペアンプ81と、高域をカットし低域を通過させるローパスフィルタ(LPF)82と、高域を通過させるハイパスフィルタ(HPF)83と、整流平滑部84と、コンパレータ85とを有する。オペアンプ81の正入力端(+)には、入力端子Tinが接続され、ここから検出信号Vdetが入力されるようになっている。オペアンプ81の出力端は、LPF82を介して整流平滑部84に接続されている。LPF82にはHPF83が接続されている。LPF82は、抵抗82Rとキャパシタ82Cとを並列接続した構成であり、HPF83は、接地との間に抵抗83Rとキャパシタ83Cとを直列接続した構成である。LPF82とHPF83との接続点はオペアンプ81の負入力端(−)に接続されている。整流平滑部84は、半波整流用のダイオード84Dからなる整流部と、接地との間に抵抗84Rおよびキャパシタ82Cを並列接続してなる平滑部とを含む。整流平滑部84の出力端はコンパレータ85の正入力端(+)に接続されている。このコンパレータ85の負入力端(−)には所定のしきい値電圧Vth(図3参照)が入力されている。コンパレータ85の出力端は出力端子Toutに接続され、ここから検出結果(タッチされたか否か)が出力されるようになっている。
このような構成の検出回路8は、次のように動作する。入力端子Tinに入力された検出信号Vdetは、オペアンプ81によって増幅されたのち、その低周波成分はLPF82を通過し、高周波成分はHPF83を介して除去される。LPF82を通過した低周波の交流成分は、整流平滑部84のダイオード84Dによって半波整流されたのち、平滑化されてレベル信号となり、コンパレータ85に入力される。コンパレータ85は、入力されたレベル信号をしきい値電圧Vthと比較し、しきい値電圧Vth以下であったときに、タッチ検出信号を出力するようになっている。
なお、検出回路8は、対向基板4上の周辺領域(非表示領域または額縁領域)に形成するようにしてもよいし、あるいは、画素基板2上の周辺領域に形成するようにしてもよい。但し、画素基板2上に形成すれば、元々画素基板2上に形成されている表示制御用の各種回路素子等との集積化が図れるので、回路の集積化による簡略化という観点でより好ましい。この場合には、コンタクト導電柱7と同様のコンタクト導電柱(図示せず)によって、センサ用検出電極44の各電極パターンと画素基板2の検出回路8との間を接続し、検出信号Vdetをセンサ用検出電極44から検出回路8に伝送するようにすればよい。
次に、以上のような構成のタッチセンサ付き表示装置の動作を説明する。
画素基板2の表示ドライバ(図示せず)は、共通電極43の各電極パターンに対してコモン駆動信号Vcomを線順次で供給する。表示ドライバはまた、ソース線を介して画素電極22へ画素信号を供給すると共に、これに同期して、ゲート線を介して各画素電極のTFTのスイッチングを線順次で制御する。これにより、液晶層6には、画素ごとに、コモン駆動信号Vcomと各画素信号とにより定まる縦方向(基板に垂直な方向)の電界が印加されて液晶状態の変調が行われる。このようにして、いわゆる反転駆動による表示が行われる。
一方、対向基板4の側では、共通電極43の各電極パターンと、センサ用検出電極44の各電極パターンとの交差部分にそれぞれ容量素子C1が形成される。共通電極43の各電極パターンにコモン駆動信号Vcomを時分割的に順次印加していくと、その印加された共通電極43の電極パターンとセンサ用検出電極44の各電極パターンとの交差部分に形成されている一列分の容量素子C1の各々に対する充放電が行われる。その結果、容量素子C1の容量値に応じた大きさの検出信号Vdetが、センサ用検出電極44の各電極パターンからそれぞれ出力される。対向基板4の表面にユーザの指が触れられていない状態においては、この検出信号Vdetの大きさはほぼ一定となる。コモン駆動信号Vcomのスキャンに伴い、充放電の対象となる容量素子C1の列が線順次的に移動していく。
ここで、対向基板4の表面のいずれかの場所にユーザの指が触れると、そのタッチ箇所に元々形成されている容量素子C1に、指による容量素子C2が付加される。その結果、そのタッチ箇所がスキャンされた時点(すなわち、共通電極43の電極パターンのうち、そのタッチ箇所に対応する電極パターンにコモン駆動信号Vcomが印加されたとき)の検出信号Vdetの値が他の箇所よりも小さくなる。検出回路8(図6)は、この検出信号Vdetをしきい値電圧Vthと比較して、しきい値電圧Vth以下の場合に、その箇所をタッチ箇所として判定する。このタッチ箇所は、コモン駆動信号Vcom の印加タイミングと、しきい値電圧Vth以下の検出信号Vdetの検出タイミングとから割り出すことができる。
このように、本実施の形態によれば、液晶表示素子に元々備えられている共通電極43を、駆動電極と検出電極とからなる一対のタッチセンサ用電極のうちの一方として兼用すると共に、表示用駆動信号としてのコモン駆動信号Vcomを、タッチセンサ用駆動信号として共用するようにして静電容量型タッチセンサを構成したので、新たに設ける電極はセンサ用検出電極44だけでよく、また、タッチセンサ用駆動信号を新たに用意する必要がない。したがって、構成が簡単である。
また、従来のタッチパネル付き表示装置(特許文献1)では、センサに流れる電流の大きさを正確に測定し、その測定値に基づいてタッチ位置をアナログ演算により求めるようにしているのに対し、本実施の形態では、タッチの有無に応じた電流の相対変化(電位変化)の有無をデジタル的に検知するだけでよいので、簡単な検出回路構成で検出精度を高めることができる。また、コモン駆動信号Vcomの印加用に元々設けられている共通電極43と、新たに設けたセンサ用検出電極44との間に静電容量を形成し、この静電容量が利用者の指の接触によって変化することを利用してタッチ検出を行うようにしたので、利用者の電位が不定であることが多いモバイル機器用途にも適合可能である。
また、センサ用検出電極44を複数の電極パターンに分割して個別に時分割的に駆動するようにしたので、タッチ位置の検出も可能になる。
なお、上記説明では、図5に示したように、共通電極43およびセンサ用検出電極44の両方とも、互いに交差するように延在する複数の電極パターンとして形成するようにしたが、これには限定されない。例えば図7に示したように、共通電極43を一面ベタの単一電極として形成すると共に、センサ用検出電極44を、マトリクス状に配設された複数の個別電極として形成するようにしてもよい。この場合には、センサ用検出電極44を構成する各個別電極からの検出信号Vdetによって、直ちにタッチ位置を割り出すことができる。
あるいは、図8に示したように、共通電極43を、図5と同様に、ストライプ状に分割された複数の電極パターンとして形成すると共に、センサ用検出電極44については、図7と同様に、マトリクス状に配設された複数の個別電極として形成するようにしてもよい。この場合においても、共通電極43の複数の電極パターンをコモン駆動信号Vcomで順次スキャンしながら検出を行うことができる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態の場合とは異なり、表示素子として横電界モードの液晶素子を用いるようにしたものである。
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態の場合とは異なり、表示素子として横電界モードの液晶素子を用いるようにしたものである。
図9は、本実施の形態のタッチセンサ付き表示装置の要部断面構造を表し、図10はその斜視構造を表すものである。これらの図で、上記の図4と同一部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施の形態のタッチセンサ付き表示装置は、画素基板2Aと、この画素基板2Aに対向して配置された対向基板4Aと、画素基板2Aと対向基板4Aとの間に挿設された液晶層6とを備えている。
画素基板2Aは、TFT基板21と、このTFT基板21上に配設された共通電極43と、この共通電極43の上に絶縁層23を介してマトリクス状に配設された複数の画素電極22とを有する。TFT基板21には、各画素電極22を駆動するための図示しない表示ドライバやTFTのほか、各画素電極に画素信号を供給するソース線や、各TFTを駆動するゲート線等の配線が形成されている。TFT基板21にはまた、タッチ検出動作を行う検出回路(図6)が形成されている。共通電極43は、タッチ検出動作を行うタッチセンサの一部を構成するセンサ用駆動電極としても兼用されるものであり、図1における駆動電極E1に相当する。
対向基板4Aは、ガラス基板41と、このガラス基板41の一方の面に形成されたカラーフィルタ42とを有する。ガラス基板41の他方の面には、センサ用検出電極44が形成され、さらに、このセンサ用検出電極44の上に偏光板45が配設されている。センサ用検出電極44は、タッチセンサの一部を構成するもので、図1における検出電極E2に相当する。センサ用検出電極44は、図5,図7または図8に示したように、複数の電極パターンに分割されて構成される。センサ用検出電極44は、薄膜プロセスにより対向基板4Aの上に直接形成してもよいが、間接的に形成してもよい。この場合には、タッチ検出電極44を図示しないフィルム基体上に形成すると共に、このタッチ検出電極44の形成されたフィルム基体を対向基板4Aの表面に貼り付けるようにすればよい。この場合、ガラスと偏光板の間だけでなく偏光板の上面に貼り付けることも可能であり、さらには偏光板を構成するフィルム内に作成してもよい。
共通電極43は、TFT基板21から交流矩形波形のコモン駆動信号Vcomが印加されるようになっている。このコモン駆動信号Vcomは、画素電極22に印加される画素電圧とともに各画素の表示電圧を画定するものであるが、タッチセンサの駆動信号としても兼用されるものであり、図1の駆動信号源Sから供給される交流矩形波Sgに相当する。
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)モードや、IPS(インプレーンスイッチング)モード等の横電界モードの液晶が用いられる。
画素基板2Aにおける共通電極43および対向基板4Aにおけるセンサ用検出電極44の構成は、例えば図5に示したものと同様であり、両方とも、互いに交差するように延在する複数の電極パターンとして形成されている。但し、上記の図7または図8に示したような構成であってもよい。
図10を参照して、より詳細に説明する。ここに示したようなFFSモードの液晶素子においては、画素基板2A上に形成された共通電極43の上に、絶縁層23を介して、櫛歯状にパターニングされた画素電極22が配置され、これを覆うように配向膜26が形成される。この配向膜26と、対向基板4A側の配向膜46との間に、液晶層6が挟持される。2枚の偏光板24,45は、クロスニコルの状態で配置される。2枚の配向膜26,46のラビング方向は、2枚の偏光板24,45の一方の透過軸と一致している。図10では、ラビング方向が出射側の偏光板45の透過軸と一致している場合を図示してある。さらに、2枚の配向膜26,46のラビング方向および偏光板45の透過軸の方向は、液晶分子が回転する方向が規定される範囲で、画素電極22の延設方向(櫛歯の長手方向)とほぼ平行に設定されている。
次に、以上のような構成のタッチセンサ付き表示装置の動作を説明する。
ここではまず、図10および図11を参照して、FFSモードの液晶素子の表示動作原理について簡単に説明する。ここで、図11は液晶素子の要部断面を拡大して表したものである。これらの図で、(A)は電界非印加時、(B)は電界印加時における液晶素子の状態を示す。
共通電極43と画素電極22との間に電圧を印加していない状態では(図10(A)、図11(A))、液晶層6を構成する液晶分子61の軸が入射側の偏光板24の透過軸と直交し、かつ、出射側の偏光板45の透過軸と平行な状態となる。このため、入射側の偏光板24を透過した入射光hは、液晶層6内において位相差を生じることなく出射側の偏光板45に達し、ここで吸収されるため、黒表示となる。一方、共通電極43と画素電極22との間に電圧を印加した状態では(図10(B)、図11(B))、液晶分子61の配向方向が、画素電極間に生じる横電界Eにより、画素電極22の延設方向に対して斜め方向に回転する。この際、液晶層6の厚み方向の中央に位置する液晶分子61が約45度回転するように白表示時の電界強度を最適化する。これにより、入射側の偏光板24を透過した入射光hには、液晶層6内を透過する間に位相差が生じ、90度回転した直線偏光となり、出射側の偏光板45を通過するため、白表示となる。
次にタッチセンサ付き表示装置の表示制御動作およびタッチ検出動作を説明する。これらの動作は、上記第1の実施の形態における動作と同様なので、適宜省略する。
画素基板2Aの表示ドライバ(図示せず)は、共通電極43の各電極パターンに対してコモン駆動信号Vcomを線順次で供給する。表示ドライバはまた、ソース線を介して画素電極22へ画素信号を供給すると共に、これに同期して、ゲート線を介して各画素電極のTFTのスイッチングを線順次で制御する。これにより、液晶層6には、画素ごとに、コモン駆動信号Vcomと各画素信号とにより定まる横方向(基板に平行な方向)の電界が印加されて液晶状態の変調が行われる。このようにして、いわゆる反転駆動による表示が行われる。
一方、対向基板4Aの側では、共通電極43の各電極パターンにコモン駆動信号Vcomを時分割的に順次印加していくと、その印加された共通電極43の電極パターンとセンサ用検出電極44の各電極パターンとの交差部分に形成されている一列分の容量素子C1の各々に対する充放電が行われ、容量素子C1の容量値に応じた大きさの検出信号Vdetが、センサ用検出電極44の各電極パターンからそれぞれ出力される。対向基板4Aの表面にユーザの指が触れられていない状態においては、この検出信号Vdetの大きさはほぼ一定となる。対向基板4Aの表面のいずれかの場所にユーザの指が触れると、そのタッチ箇所に元々形成されている容量素子C1に、指による容量素子C2が付加される結果、そのタッチ箇所がスキャンされた時点の検出信号Vdetの値が他の箇所よりも小さくなる。検出回路8(図6)は、この検出信号Vdetをしきい値電圧Vthと比較して、しきい値電圧Vth以下の場合に、その箇所をタッチ箇所として判定する。このタッチ箇所は、コモン駆動信号Vcom の印加タイミングと、しきい値電圧Vth以下の検出信号Vdetの検出タイミングとから割り出される。
このように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態(図5)の場合と同様に、液晶表示素子に元々備えられている共通電極43を、駆動電極と検出電極とからなる一対のタッチセンサ用電極のうちの一方として兼用すると共に、表示用駆動信号としてのコモン駆動信号Vcomを、タッチセンサ用駆動信号として共用して静電容量型タッチセンサを構成したので、新たに設ける電極はセンサ用検出電極44だけでよく、また、タッチセンサ用駆動信号を新たに用意する必要がない。したがって、構成が簡単である。
特に、本実施の形態では、タッチセンサ用駆動電極としての共通電極43が画素基板2の側(TFT基板21の上)に設けられた構造を有していることから、TFT基板21から共通電極43にコモン駆動信号Vcomを供給することが極めて容易であると共に、必要な回路や電極パターンおよび配線等を画素基板2に集中させることができ、回路の集積化が図られる。したがって、上記第1の実施の形態(図5)において必要であった、画素基板2側から対向基板4側へのコモン駆動信号Vcomの供給経路(コンタクト導電柱7)が不要となり、構造がより簡単になる。
なお、検出回路8(図6)は、対向基板4上の周辺領域(非表示領域または額縁領域)に形成するようにしてもよいが、画素基板2上の周辺領域に形成するのが好ましい。画素基板2上に形成すれば、元々画素基板2上に形成されている表示制御用の各種回路素子等との集積化が図れるからである。この場合には、例えば図12に示したように、周辺領域にコンタクト導電柱7Aを形成して、画素基板2に形成された検出回路8(図示せず)と、対向基板4のカラーフィルタ42の表面との間を接続することにより、センサ用検出電極44と検出回路8との間に容量結合経路を形成し、この容量結合経路を介して検出信号Vdet をセンサ用検出電極44から検出回路8に伝送するようにすればよい。但し、この場合には、センサ用検出電極44がフローティング状態になってしまうため、これを回避すべく、高抵抗10を介してセンサ用検出電極44を接地に接続することが好ましい。なお、このように接地することは、静電気を接地に逃がすことができる点でもメリットがある。
[変形例]
第2の実施の形態では、センサ用検出電極44をガラス基板41の表面側(液晶層6と反対側)に設けるようにしたが、次のような変形が可能である。
第2の実施の形態では、センサ用検出電極44をガラス基板41の表面側(液晶層6と反対側)に設けるようにしたが、次のような変形が可能である。
例えば図13に示したように、センサ用検出電極44をカラーフィルタ42よりも液晶層6の側に設けるようにしてもよい。
あるいは、図14に示したように、センサ用検出電極44をガラス基板41とカラーフィルタ42との間に設けたほうが好ましい。横電界モードの場合、縦方向に電極があると縦方向に電界がかかり、液晶が立ち上がってしまい視野角等が大きく悪化してしまう。カラーフィルタ42等の誘電体をはさんでセンサ用検出電極44を配置すれば、この問題は大きく低減することができる。なお、この場合には、例えば図15に示したように、コンタクト導電柱7Bによって、画素基板2に形成された検出回路8(図示せず)と、対向基板4のセンサ用検出電極44との間を接続することにより、センサ用検出電極44と検出回路8との間に導電経路を形成し、この導電経路を介して検出信号Vdetをセンサ用検出電極44から検出回路8に伝送するようにすればよい。
[第3の実施の形態]
上記第1および第2の実施の形態では、センサ用検出電極44を表示領域に配設するようにしたが、本実施の形態は、図16,図17に示したように、センサ用検出電極44を表示領域Dの周りの領域(額縁領域F)に設けるようにしたものである。なお、図17は本実施の形態のタッチセンサ付き表示装置の平面構成を表し、図16は、図17におけるA−A矢視断面を表す。
上記第1および第2の実施の形態では、センサ用検出電極44を表示領域に配設するようにしたが、本実施の形態は、図16,図17に示したように、センサ用検出電極44を表示領域Dの周りの領域(額縁領域F)に設けるようにしたものである。なお、図17は本実施の形態のタッチセンサ付き表示装置の平面構成を表し、図16は、図17におけるA−A矢視断面を表す。
このタッチセンサ付き表示装置では、画素基板2B側に共通電極43およびセンサ用検出電極44の両方が形成され、対向基板4側にはいずれの電極も配設されていない。具体的には、表示領域Dの全体にわたってTFT基板21上に共通電極43が形成される一方、額縁領域Fにのみ、TFT基板21上にセンサ用検出電極44が配設されている。センサ用検出電極44は、複数の個別電極群として形成される。各個別電極は、例えば表示アプリケーションの各種機能に対応した操作ボタンとして割り当てられる。センサ用検出電極44の各個別電極は、スキャン信号線52によってスイッチング制御されるTFT50のソース・ドレインを介してセンサ用検出信号線51に接続されるようになっている。スキャン信号線52やTFT50を画素の駆動回路と同時に形成すると共に、各個別電極を順次時分割的にスキャンするように構成することにより、検出回路を分割数持つ必要がなくなり非常に効率的である。
このような構成のタッチセンサ付き表示装置では、センサ用検出電極44の各個別電極は、共通電極43の形成面と同じ平面上に、共通電極43から隔てて配設されていることから、センサ用検出電極44の各個別電極と共通電極43との間には横方向の容量結合が生じ、容量素子C1が形成される。共通電極43(図17の例では一面ベタの電極)にコモン駆動信号Vcomが印加されると共に、スキャン信号線52によってTFT50を順次オンさせることにより、センサ用検出電極44の各個別電極から検出信号Vdetを時分割的に順次取り出す。取り出された検出信号Vdetは、センサ用検出信号線51を介して、図6に示したような構成の検出回路8(図16では図示せず)に入力される。
対向基板4Dの表面にユーザの指が触れられていない状態においては、この検出信号Vdetの大きさはほぼ一定となる。一方、対向基板4Aの表面のいずれかの場所(センサ用検出電極44のいずれかの個別電極に対応した位置)にユーザの指が触れると、そのタッチ箇所に元々形成されている容量素子C1に、指による容量素子C2が付加される結果、そのタッチ箇所がスキャンされた時点の検出信号Vdetの値が小さく変化する。検出回路8(図6)は、この検出信号Vdetをしきい値電圧Vthと比較して、しきい値電圧Vth以下の場合に、その箇所をタッチ箇所として判定する。このタッチ箇所は、スキャン信号によるセンサ用検出電極44の個別電極スキャンのタイミングと、しきい値電圧Vth以下の検出信号Vdetの検出タイミングとから割り出される。
このように、本実施の形態によれば、共通電極43およびセンサ用検出電極44の両方を画素基板2の側に配設するようにしたので、TFT基板21に形成したセンサ駆動回路(図示せず)と共通電極43との間のコモン駆動信号Vcomの伝送経路や、センサ用検出電極44と検出回路8との間の検出信号Vdetの伝送経路を、コンタクト導電柱を介することなく容易に形成することができる。したがって、共通電極43およびセンサ用検出電極44、表示用回路、タッチセンサの駆動回路および検出回路をTFT基板21に集中的に集積化することが極めて容易となる。
なお、本実施の形態のように、共通電極43とセンサ用検出電極44とを並べて配設して、両者間に横方向容量結合による容量素子C1を形成するようにした場合には、共通電極43からTFT基板21内部の回路素子(TFT50等)へのノイズ飛びが問題になる場合がある。そこで、これを防ぐために、図18に示したように、センサ用検出電極44の下側にシールド電極53を設けることが好ましい。但し、上記シールド層は、特に専用の新しい層を設けるのではなく、金属配線や画素電極を構成する透明電極膜を流用することも可能である。
[変形例]
上記第3の実施の形態では、TFT基板21上に共通電極43とセンサ用検出電極44とを並べて配設し、横方向容量結合により容量素子C1を形成するようにしたが、これとは異なり、縦方向容量結合により容量素子C1を形成することも可能である。例えば図19に示したように、共通電極43をTFT基板21上の表示領域Dのみならず額縁領域Fにまで延在させると共に、センサ用検出電極44を、TFT基板21の額縁領域Fにおいて、共通電極43と異なる階層の電極層として共通電極43に対向するように形成する。これにより、共通電極43とセンサ用検出電極44との間に容量素子C1が形成される。この場合には、センサ用検出電極44とTFT基板21との間を結ぶコンタクト導電柱7Cを設け、これにより、センサ用検出電極44からの検出信号VdetをTFT基板21側に伝送するようにすればよい。
上記第3の実施の形態では、TFT基板21上に共通電極43とセンサ用検出電極44とを並べて配設し、横方向容量結合により容量素子C1を形成するようにしたが、これとは異なり、縦方向容量結合により容量素子C1を形成することも可能である。例えば図19に示したように、共通電極43をTFT基板21上の表示領域Dのみならず額縁領域Fにまで延在させると共に、センサ用検出電極44を、TFT基板21の額縁領域Fにおいて、共通電極43と異なる階層の電極層として共通電極43に対向するように形成する。これにより、共通電極43とセンサ用検出電極44との間に容量素子C1が形成される。この場合には、センサ用検出電極44とTFT基板21との間を結ぶコンタクト導電柱7Cを設け、これにより、センサ用検出電極44からの検出信号VdetをTFT基板21側に伝送するようにすればよい。
以上の第1〜第3の実施の形態の説明から明らかなように、表示機能層としての液晶層のタイプに応じて、センサ用検出電極44を対向基板4の側に形成するか、あるいは画素基板2の側に形成するかを適宜選択可能であるので、構造設計の自由度が高いというメリットがある。
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記の第2、第3の実施の形態では、横電界モードとしてFFSモードの液晶素子を例に説明したが、IPSモードの液晶について同様に適用可能である。
また、上記実施の形態では、表示素子として液晶表示素子を用いた表示装置について説明したが、それ以外の表示素子、例えば有機EL素子を用いた表示装置にも適用可能である。
2,2A,2B,2C,2D・・・画素基板、21・・・TFT基板、22・・・画素電極、4,4A,4B,4C,4D,4E・・・対向基板、41・・・ガラス基板、42・・・カラーフィルタ、43・・・共通電極(兼センサ用駆動電極)、43D・・・ドライバ、44・・・センサ用検出電極、45・・・偏光板、50・・・TFT、51・・・センサ用検出信号線、52・・・スキャン信号線、53・・・シールド電極、6・・・液晶層、7,7A,7B,7C・・・コンタクト導電柱、8・・・検出回路、81・・・オペアンプ、82・・・LPF、83・・・HPF、84・・・整流平滑部、85・・・コンパレータ、C1,C2・・・容量素子、Sg・・・交流矩形波、E1・・・駆動電極、E2・・・検出電極、Vcom・・・コモン駆動信号、Vdet・・・検出信号、Vth・・・しきい値電圧。
Claims (1)
- 複数の表示画素電極と、
前記表示画素電極と対向して設けられた共通電極と、
画像表示機能を有する表示機能層と、
画像信号に基づいて、前記表示画素電極と前記共通電極との間に表示用電圧を印加して前記表示機能層の表示機能を発揮させるように画像表示制御を行う表示制御回路と、
前記共通電極と対向して、または並んで設けられ、前記共通電極との間に静電容量を形成するタッチ検出電極と、
前記共通電極に印加される電圧をタッチセンサ用駆動信号として利用し、前記タッチ検出電極から得られる検出信号に基づき、物体の接触位置を検出するタッチ検出回路と、
を備え、
前記タッチ検出電極は、マトリクス状に配設された複数の個別電極であること
を特徴とするタッチセンサ付き表示装置。
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