JP2014239830A - 被検体情報取得装置およびその制御方法、ならびに保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】信号を検出する対象となる被検体を保持する部材を有する装置において、被検体と保持部材との接触面積を増大させ、検出される信号強度の低下を抑制する。
【解決手段】保持部材を含み、被検者の一部である被検体を、保持部材に接触した状態で保持する保持手段2と、少なくとも、被検体の辺縁部のうち被検者から離れている側の一部の領域を包み込み、保持部材に接触させる可撓性部材と、可撓性部材を保持手段に固定する固定手段3と、光源4と、光源から被検体に光が照射されることにより発生する音響波を受信する探触子6と、探触子6が受信した音響波を用いて被検体内部の特性情報を算出する信号処理手段を有する被検体情報取得装置を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検体情報取得装置およびその制御方法、ならびに保持装置に関する。
レーザーなどの光源から生体に光を照射し、入射した光に基づいて得られる生体内の情報を画像化する光音響計測装置の研究が医療分野で積極的に進められている。この光音響計測技術の一つとして、Photoacoustic Tomography(PAT:光音響トモグラフィ)が提案されている。光音響トモグラフィは、光源から発生したパルス光を生体に照射し、生体内で伝播・拡散したパルス光のエネルギーを吸収した生体組織から発生した音響波を検出し、その検出信号に基づき生体情報を画像化する技術である。
非特許文献1には、乳がんの検査用に開発された光音響計測装置が開示されている。図11は非特許文献1の概略を示したものである。図11の装置は、ガラスプレート1102と音響波探触子1105で被検体(乳房1101)を圧迫し、ガラスプレート1102越しに、Nd:YAGレーザー1104を光源とする照明光を、乳房1101に照射する。そして、被検体で発生する音響波を音響波探触子1105で信号として検出して、該検出信号を処理することで、被検体内部の組織、特に乳がんにおける血管新生の画像データを取得する。
しかしながら、非特許文献1の装置では、被検体である乳房1101の一部に、音響波探触子1105と接触できない領域が存在する(図11中、破線Aで示す)。この音響波探触子1105と接触できない領域は、間隙となり、空気が介在するため、音響インピーダンスが被検体と著しく異なってしまう。これにより、被検体内で発生した音響波の大部分は、被検体と間隙の界面で反射されてしまう。そのため、前記領域において、音響波探触子1105で検出する信号の強度が低下する。これに伴い、信号処理による画像データを取得できない領域が生じてしまう。
このような課題に鑑み、特開2003−325523号公報(特許文献1)には、超音波像を生成する装置において、音響波探触子へ音波的に連結するためのゲルパッドを備えた構成が開示されている。詳細には、被検体を圧迫するための二枚の圧迫プレートと、前記圧迫プレートの一枚に隣接して配置された超音波変換器(探触子)と、二枚の前記圧迫プレートの間にゲルパッドを設ける構成が開示されている。そして、前記ゲルパッドを被検体との音響インピーダンスの不一致が最小の状態で配置するようにしている。この構成により、被検体と探触子側プレートとが接触できない領域において、音響波探触子で検出する信号の強度低下を抑制しようとしている。
特開2003−325523号公報
Srirang Manohar, et al., "The Twente photoacoustic mammoscope: system overview and performance", Physics in Medicine and Biology 50 (2005) 2543-2557.
特許文献1に記載されている超音波像を生成する装置は、被検体と音響波探触子とが接触できない領域における、音響波探触子で検出する信号強度の低下抑制の点で、さらなる改善が望まれていた。
具体的には、ゲルパッドに用いる材料がソナーゲルの場合、ゲルパッド自身に気泡が混入しやすく、かつ、気泡が抜けにくいため、ゲルパッドと被検体の音響インピーダンスを整合させる上で問題が残っていた。そのため、非特許文献1にあった音響インピーダンスの不一致の最小化という課題の解消が不十分であった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、信号を検出する対象となる被検体を保持する部材を有する装置において、被検体と保持部材との接触面積を増大させ、検出される信号強度の低下を抑制することである。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
保持部材を含み、被検者の一部である被検体を、前記保持部材に接触した状態で保持する保持手段と、
少なくとも、前記被検体の辺縁部のうち前記被検者から離れている側の一部の領域を包み込み、前記保持部材に接触させる可撓性部材と、
前記可撓性部材を前記保持手段に固定する固定手段と、
光源と、
前記光源から前記被検体に光が照射されることにより発生する音響波を受信する探触子と、
前記探触子が受信した音響波を用いて前記被検体内部の特性情報を算出する信号処理手段と、
を有する被検体情報取得装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
保持部材を含み、被検者の一部である被検体を、前記保持部材に接触した状態で保持する保持手段と、
少なくとも、前記被検体の辺縁部のうち前記被検者から離れている側の一部の領域を包み込み、前記保持部材に接触させる可撓性部材と、
前記可撓性部材を前記保持手段に固定する固定手段と、
を有する保持装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
開口を有する寝台と、
保持部材を含む保持手段であって、前記開口から挿入された物体を、前記保持部材に接触した状態で保持する保持手段と、
少なくとも、前記保持部材のうち前記寝台から離れている側の一部の領域を包み込む可撓性部材と、
前記可撓性部材を前記保持手段に固定する固定手段と、
を有する保持装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
保持部材を含む保持手段と、可撓性部材と、固定手段と、光源と、探触子と、信号処理手段と、を有する被検体情報取得装置の制御方法であって、
前記保持部材に、被検者の一部である被検体を接触させるステップと、
前記可撓性部材により、少なくとも、前記被検体の辺縁部のうち前記被検者から離れている側の一部の領域を包み込み、前記保持部材に密着させるステップと、
前記固定手段により、前記可撓性部材を前記保持手段に固定するステップと、
前記探触子により、前記光源から前記被検体に光が照射されることにより発生する音響波を受信するステップと、
前記信号処理手段により、前記探触子が受信した音響波を用いて前記被検体内部の特性情報を算出するステップと、
を有する被検体情報取得装置の制御方法である。
本発明によれば、信号を検出する対象となる被検体を保持する部材を有する装置において、被検体と保持部材との接触面積を増大させ、検出される信号強度の低下を抑制できる。
本発明に係る光音響計測装置の構成を示す模式図。 本発明に係る固定手段の構成を示す模式図。 本発明に係る固定手段の構成を示す別の模式図。 本発明に係る固定手段の構成を示す別の模式図。 本発明に係る固定手段の構成を示す別の模式図。 本発明に係る固定手段の構成を示す別の模式図。 実施例1に係る光音響計測装置の構成を示す模式図。 実施例2に係る光音響計測装置の構成を示す模式図。 実施例3に係る光音響計測装置の構成を示す模式図。 実施例4に係る光音響計測装置の構成を示す模式図。 従来技術の装置を示す構成概略図。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明は、乳房等の被検体を保持部材により保持する機構を有する保持装置に適用できる。本発明はまた、その保持装置により保持された被検体から信号を検出し、検出信号に基づいて被検体の特性情報を取得する、被検体情報取得装置に適用できる。
具体的な被検体情報取得装置として、被検体に光(電磁波)を照射したときに光音響効果により被検体内で発生した音響波を受信して、特性情報を画像データとして取得する装置がある。この場合、取得される特性情報とは、光照射によって生じた音響波の発生源分布、被検体内の初期音圧分布、あるいは初期音圧分布から導かれる光エネルギー吸収密度分布や吸収係数分布、組織を構成する物質の濃度分布を示す。物質の濃度分布とは、例えば、酸素飽和度分布や酸化・還元ヘモグロビン濃度分布などである。
本発明は、超音波を被検体に送信し、被検体内部から反射したエコー波に基づいて特性情報を取得する超音波計測装置への適用が考えられる。この場合の特性情報には、被検体内の音響インピーダンスを反映した情報が含まれる。
本発明はさらに、これら保持装置や被検体情報取得装置の各構成要素を制御して被検体内部の特性情報を取得するための制御方法として捉えることもできる。
以下の説明では、被検体情報取得装置の代表例として、光音響トモグラフィにより被検体の特性情報を取得する光音響計測装置について記載する。
本発明でいう音響波とは、典型的には超音波であり、音波、超音波、音響波と呼ばれる
弾性波を含む。光音響トモグラフィにおける光音響効果により発生した音響波のことを、光音響波または光超音波と呼ぶ。
(装置構成と光音響計測方法)
図1(a)は、光音響計測装置を模式化したY−Z平面図である。装置は、可撓性部材1、保持プレート2、固定手段3を有する。固定手段3は、保持プレート2の端部に配置されており、可撓性部材1を固定する。装置は更に、被検体へ光を照射するための光源4、被検体内から発生する音響波を受信し、信号として検出する探触子5、検出された信号を処理する信号処理部6、処理された信号からなる画像データを表示する画像表示部7を有する。測定対象となる被検体8は、可撓性部材1により覆われ、保持プレート2の端部に配置された固定手段3により、保持プレート2に密着するような状態で固定されている。
図1(b)は、被検体を可撓性部材1と保持プレート2で圧迫、および保持した場合の一例を模式化したZ−X平面図である。図1(b)では、保持プレート2と固定手段3、被検体8と可撓性部材1のみを図示している。なお、各図面において、同じ部材、または同じ機能を有する部材には、共通の符号を示してある。
図1を用いて、PATによる計測方法について説明する。まず、光源4から被検体8に向けて、パルス光を照射する。このとき、被検体8の一部では、パルス光は可撓性部材1越しに照射される。照射方法としては、走査機構(不図示)を用いて、被検体8の全面に渡り駆動して照射するのが好ましい。光源4としては、レーザーが好ましいが、レーザーの代わりに発光ダイオードなどを用いることも可能である。レーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなどが挙げられ、適宜選択される。また、被検体8が生体の場合に、光源4から照射されるパルス光は、近赤外線が好ましく用いられ、例えば650nmから1100nm程度の波長が選択される。
光源4から照射された光は、被検体8内を伝播して吸収される。例えば、被検体8が生体の場合に、上述の近赤外線を照射すると、生体内の血液および血管において特異的に吸収され、熱膨張により音響波が発生する。生体内にがんが存在する場合は、がんの新生血管において他血管と同様に光が特異的に吸収され、音響波が発生する。
被検体8内で発生した音響波は、保持プレート2を通過して、探触子5により受信され、信号として検出される。光源4が、前述のように走査機構(不図示)により走査されて光を照射した場合、探触子5も走査機構(不図示)を用いて、光源4と同期しながら駆動することが好ましい。
また、光源4から照射された光を、被検体8の内部まで到達させるため、保持プレート2と、被検体8を介して、別の保持プレート(不図示)を配置し、2枚の保持プレートにより被検体8を圧迫、および保持することで、被検体8の厚みを薄くしても良い。
可撓性部材1は、被検体8を図1(a)中のY方向において、全体を覆うように配置しても良いし、少なくとも一部を覆うように配置しても良い。特に被検体8として乳房を用いた場合、被検体8と保持プレート2の間に発生する間隙を解消するという観点から、被検体8のY方向における下半分の領域で可撓性部材1を配置するのが好ましい。
可撓性部材1の材料としては、光源4から照射される光に対する高透過性と低減衰特性と、音響波を伝搬しやすい音響特性を持つ材料が好ましい。例えば、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオール等の樹脂を使用できる。また、可撓性部材1は被検体を保持する強度を有し、光源4から照射される光
に対して減衰の影響が小さい厚さであることが好ましい。例えば、可撓性部材1の材料として、ポリオール樹脂のウレタンを用いた場合、好適には数十μm程度の厚さが選択される。被検体8として生体を用いた場合、ウレタンの音響インピーダンスは、生体の音響インピーダンスの差が小さいため、可撓性部材1と被検体8の界面での音響波の反射を抑える観点からも、好ましく用いられる。可撓性部材1の音響特性が被検体8の音響特性と略等しいことがより好ましい。
保持プレート2の材料としては、被検体8内で発生した音響波を通過させる必要があるため、被検体8と保持プレート2の界面での音響波の反射を抑える材料が好ましい。具体的には、被検体8との音響インピーダンスの差が小さい材料が好ましい。例えば、ポリメチルペンテンなどの樹脂材料が挙げられる。厚みについては、音響波が保持プレート2を通過する際に、厚みが厚いほど減衰が大きくなるため、より薄いものが好ましいが、保持によるプレートの変形を抑える強度を有する厚さが必要である。典型的には10mm程度が好ましく用いられる。サイズは、被検体を保持できればどのようなサイズでも問題ないが、被検体と同サイズのものが好ましい。
信号処理部6は、探触子5が受信した信号(アナログ信号)を、デジタル信号(検出信号)に変換するADC(A/D変換器)である。なお、探触子5とADCの間には信号を増幅するための増幅器を設けることが好ましく、例えば、探触子5に内蔵しても良い。この信号処理部6において、検出信号を元に被検体内部の特性情報を算出し、画像再構成する。
画像表示部7は、信号処理部6で算出された再構成画像を表示する。画像表示部7としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、FEDなどを利用することができる。
(固定手段)
続いて、図2〜図6を用いて固定手段3の機能について説明する。固定手段3は、保持プレート2の端部に配置されており、その機能は、可撓性部材1の端部を固定することである。固定手段3は、凹部、凸部、接着部材、または導電性部材で構成することができる。
図2は、固定手段3を凹部で構成した例を模式化した斜視図である。図2において、凹部は、保持プレート2のY−Z端面上に形成されている。凹部のX−Z断面は、図2(a)のような三角形、図2(b)のような矩形、図2(c)のような円形などで構成できる。また、固定手段3は、図2(d)のように、保持プレート2のY−Z端面上に配置された、2つ以上の凹部から構成されても良い。
固定手段3で可撓性部材1を固定する際は、クリップ(不図示)を用いて、可撓性部材1の端部を固定手段3に留めることができる。あるいは、可撓性部材1の端部にフック(不図示)を配置することで、固定手段3に係止できる。
図2における固定方法としては、被検体8を可撓性部材1で覆った後で、可撓性部材1を保持プレート2の両端に配置された固定手段3に固定する、という手順を取ることができる。また、保持プレート2の片側の端部に配置された固定手段3に、可撓性部材1を固定した後に、被検体8を覆い、その後、反対側の固定手段3に固定する、という手順でも良い。
図3は、固定手段3を凹部で構成した別の例を模式化した斜視図である。図3(a)において、凹部は、保持プレート2のX−Z端面上に形成されている。固定手段3は、図3
(b)のように、保持プレート2のY−Z端面上に跨る凹部から構成されても良い。また、図3(c)のように、保持プレート2のX−Z端面上の2つ以上の凹部から構成されても良い。
固定手段3で可撓性部材1を固定する際は、図2と同様に、クリップやフックによる係止を採用できる。また、固定の手順も図2と同様で良い。
図4は、固定手段3を凸部で構成した例を模式化した斜視図である。図4において、凸部は、保持プレート2のY−Z端面上に形成しているが、X−Z端面上に形成しても良い。凸部の形状は、図4(a)〜図4(c)のような鍵形状物、図4(d)のような円柱、図4(e)のような先の尖った三角形などで構成できる。固定手段3として鍵形状物を使用する場合、図4(b)のように2つ以上の鍵形状物から構成されても良いし、図4(c)のように保持プレート2の端部のY方向全領域において配置された鍵形状物から構成されても良い。
固定手段3として鍵形状物を用いる場合には、可撓性部材1の端部にフックや紐、輪ゴム(不図示)を配置することで、固定手段3に係止できる。固定手段3として円柱を用いる場合には、可撓性部材1の端部に紐や輪ゴムなど(不図示)を配置して、固定手段3に係止できる、また、可撓性部材1の端部に固定手段3に係止するための穴を配置して係止することもできる。さらに、固定手段3として、先の尖った三角形を用いる場合には、固定手段3を可撓性部材1に接触させ、貫通させることで係止できる。
図5は、固定手段3を接着部材で構成した例を模式化した斜視図である。図5において、接着部材は、保持プレート2のY−Z端面上に形成しているが、X−Z端面上に形成しても良い。接着部材には、テープなどの粘着性部材やボタン、面ファスナーなどを使用できる。固定手段3としてテープを用いる場合には、両面テープを用いるのが好ましく、可撓性部材1の端部を直接テープに貼ることで固定手段3に接着できる(図5(a)を参照)。固定手段3としてボタンを用いる場合には、ボタンの基部を保持プレート2上に配置し、可撓性部材1の端部に前記ボタンの基部と嵌合する嵌合部(不図示)を配置するのが好ましい(図5(b)を参照)。前記ボタンの基部と嵌合部を嵌合させることで、可撓性部材1を固定手段3に固定できる。
図6は、固定手段3を強磁性体で構成した例を模式化した斜視図である。図6において、強磁性体は、保持プレート2のY−Z端面上に形成しているが、X−Z端面上に形成しても良い。固定手段3を強磁性体で構成する理由は、可撓性部材1の端部を、磁石を用いて固定手段3に固定するためである。強磁性体は、常温で磁性を帯びる部材を用いることが好ましく、例えばFeやNiなどを使用できる。また、導電性部材の厚みは、少なくとも数十μm程度あれば良い。
以上のような固定手段3を用いることにより、可撓性部材1を被検体8に密着させることができる。その結果、保持プレート2と被検体8の接触面積が増大するため、撮像領域(検出した信号を処理することによって得られるデータの取得領域)を拡大できる。
<実施例1>
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。
本実施例では、図7に示す光音響計測装置を作成して、被検体の計測を実施した。図7は、本実施例における光音響計測装置を模式化したY−Z平面図である。
可撓性部材1として、ウレタンからなる、厚さ100μmの可撓性を持つシート状部材を用意した。保持プレート2として、横250mm、縦100mm、厚さ10mmのポリメチルペンテンからなる樹脂プレートを用意して、被検体8を保持するように配置した。
固定手段3として、図2(b)に示すような凹部を保持プレート2のY−Z端面に形成した。
光源4としては、固体レーザーの一種である、チタンサファイアレーザーを用意した。光源4は、被検体8および可撓性部材1を介して、保持プレート2と対向した位置に、被検体8と接触しないように配置した。また、チタンサファイアレーザーの波長は750nmに設定した。
探触子5としては、圧電素子が2次元的に配置されたものを用意して、保持プレート2の被検体8と接触しない面に配置した。
続いて、上述の光音響計測装置を用いて被検体8を計測した。被検体8としては乳房を用い、図7中のY方向に沿う面で保持プレート2により保持した。次に、可撓性部材1を用いて、被検体8のY方向の領域において、被検体8の95%を覆った。これにより、被検体8のうち、辺縁部を含むほとんど全体の領域が包み込まれた。次に、被検体8を保持プレート2に密着させた後、可撓性部材1の端部を固定手段3で固定した。ここで、可撓性部材1はクリップ(不図示)により固定手段3に固定された。
この状態において、Y−Z平面における、保持プレート2と被検体8の接触面の最上位部と最下位部を結ぶ距離(図7中、A−A’)を測定したところ、90mmという結果が得られた。なお、この距離は、保持プレート2と被検体8の接触面積がY方向で最も大きい箇所の距離である。
一方、可撓性部材1を固定手段3で固定しない場合のA−A’の距離は75mmであった。したがって、本実施例の構成を用いることで、保持プレート2と被検体8の接触面積が増大していることを確認した。
続いて、光源4から第一の保持プレート1越しにパルス光を照射して、被検体8内で発生した音響波を、保持プレート2を通過させて、探触子5で検出した。このとき、光源4および探触子5は、走査機構(不図示)を用いて、同期して走査させた。これにより、第一の保持プレート1、および保持プレート2の全面において、光の照射と音響波の検出を実施した。
さらに、検出信号を信号処理部6で処理、画像再構成を行うことにより、画像表示部7にて前記A−A'の領域において被検体8内部の画像データを表示することができた。
以上のように、本実施例の構成によれば、被検体を保持プレートに密着させ、間隙をなくすことができる。その結果、音響インピーダンスの整合性を高めて、音響波の強度低下を抑制できるようになる。更に、被検体内部のより広い範囲の画像化が可能になるという効果が得られる。
<実施例2>
実施例2について、図8を用いて説明する。実施例2が実施例1と異なる点は、可撓性部材1が被検体8を覆う領域の広さにある。すなわち本実施例の可撓性部材1は、被検体8のY方向の下半分の領域において、被検体8の30%を覆っている。言い換えると、被検体である乳房の全体ではなく、乳房の辺縁部のうち、被検者と離れている側の一部の領域だけが、可撓性部材1により包み込まれている。
本実施例においても、実施例1と同様の手順で被検体8を保持し、保持面積の測定と、光音響計測を実施した。
まず、保持プレート2と被検体8の接触面の最上位部と最下位部を結ぶ距離(図8中、A−A’)を測定したところ、85mmという結果が得られた。
次に、実施例1と同様に光の照射と音響波の検出を実施し、検出信号を信号処理部6で
処理し、画像再構成を行った。その結果、画像表示部7にて、前記A−A'の領域におけ
る被検体8内部の画像データを表示できた。
以上のように、本実施例の構成によっても、可撓性部材1を使用しない場合と比べて、被検体を保持部材により密着させられる。その結果、撮像領域を拡大できる。また可撓性部材は、被検体のうち、被検者と離れている側の一部の領域だけを覆う。すなわち、被膜領域の面積が実施例1よりも狭いため、材料コストの削減、保持作業の時間短縮などの効果が得られる。
<実施例3>
実施例3について、図9を用いて説明する。図9(a)は光音響計測装置を模式化したY−Z平面図、図9(b)はZ−X平面図である。実施例3が実施例1と異なる点は、光源4が探触子5の両側に配置されている点である。
図9(b)に示すように、探触子5の両側に配置された、光源4から出射されたパルス光91は、探触子5の方向にチルトされている。これは、被検体8内で音響波が発生する箇所を探触子5の正面付近にするためである。
本実施例においても、実施例1と同様の手順で被検体8を保持し、保持面積の測定と、光音響計測を実施した。
まず、保持プレート2と被検体8の接触面の最上位部と最下位部を結ぶ距離(図9中、A−A’)を測定したところ、90mmという結果が得られた。
次に、実施例1と同様に光の照射と音響波の検出を実施し、検出信号を信号処理部6で処理し、画像再構成を行った。その結果、画像表示部7にて、前記A−A'の領域におけ
る被検体8内部の画像データを表示できた。
以上のように、本実施例の構成によっても、可撓性部材1を使用しない場合と比べて、被検体を保持部材により密着させられる。その結果、撮像領域を拡大できる。また、探触子5が光源4の光照射口と近接しているため、上記各実施例と異なる光音響像が得られる。
<実施例4>
実施例4について、図10を用いて説明する。実施例4が実施例1と異なる点は、保持プレート2(本実施例では、第一の保持プレートと呼ぶ)の他に、装置が第二の保持プレート100を有する点にある。第一の保持プレート2と第二の保持プレート100は、間に被検体8を介して配置される。そして、これら一組のプレートによって、被検体8を圧迫、および保持する。
図10(a)は光音響計測装置を模式化したY−Z平面図であり、第一の保持プレート2と第二の保持プレート100で、被検体8を圧迫、および保持する前の状態を示す。図10(b)は第一の保持プレート1と第二の保持プレート100で、被検体8を圧迫、および保持した後の状態を示す。
第二の保持プレート100として、横250mm、縦100mm、厚さ10mmのアクリルプレートを用意し、光源4を第二の保持プレート100の被検体8と接触しない面に配置した。
図10中、動力発生源101として、ACモーターを用いた。この動力発生源101で発生した動力を元に、第二の保持プレート100を保持方向(図10中、符号dで示す)に向かって移動させた。また、フォースゲージ102は、第一の保持プレート2と第二の保持プレート100の間の保持荷重を計測する目的で、第二の保持プレート100に接続した。
まず、図10(a)の状態で第一の保持プレート2と第二の保持プレート100の間の保持距離(図10中、符号Lで示す)を計測したところ、65mmという結果になった。また、このときの保持荷重は0[N]であった。
続いて、上述の製作した光音響計測装置を用いて、被検体8の圧迫、および保持を行い、図10(b)の状態として計測を実施した。そして、第一の保持プレート2と第二の保持プレート100により、被検体8を圧迫、および保持した際の、第一の保持プレート2と第二の保持プレート100の間の保持距離Lは50mm、保持荷重は30[N]であった。
この状態において、第一の保持プレート2と被検体8の接触面の最上位部と最下位部を結ぶ距離(図10中、A−A’)を測定したところ、95mmという結果が得られた。
また、実施例1と同様に光の照射と音響波の検出を実施し、検出信号を信号処理部6で処理し、画像再構成を行った。その結果、画像表示部7にて、前記A−A'の領域におけ
る被検体8内部の画像データを表示できた。
以上のように、本実施例の構成によっても、可撓性部材1を使用しない場合と比べて、被検体を保持部材により密着させられる。その結果、間隙が減少し、撮像領域を拡大できる。また、一組の保持プレートにより被検体を圧迫するため、被検体が薄くなり、光が被検体の深部に届いてコントラストの良い画像が得られる。また、被検体の探触子側保持板への密着度合いも高まる。
<実施例5>
次に、実施例5について説明する。実施例5の光音響計測装置は、主要な構成要素自体は図7に示した実施例1と同様である。本実施例の特徴は、被検者が寝台にうつ伏せの状態になり、寝台に設けられた開口から乳房を垂らす点にある。開口の内部には、図7の光音響計測装置が配置されており、開口から挿入された物体は、保持プレート2に接触する。そして、寝台の横に設けられた手技用のドアなどから作業者が寝台内部に手を入れて、可撓性部材1による乳房等の保持操作を行う。
可撓性部材1は、保持プレート2のうち、少なくとも、寝台の上面から離れた側にある一部の領域を覆うことができる。これにより、開口から挿入された物体と保持プレート2の間隙を減少させられる。また、開口の中に、第一の保持プレートおよび第二の保持プレートを設け、乳房を圧迫保持する構成も好適である。
被検体の保持後、光音響計測手法は、上記各実施例と同様に行えば良い。本実施例によっても、被検体の保持部材への密着、撮像領域の拡大という効果はそのまま得られる。
1:可撓性部材,2:保持プレート,3:固定手段,4:光源,5:探触子,6:信号処理部

Claims (13)

  1. 保持部材を含み、被検者の一部である被検体を、前記保持部材に接触した状態で保持する保持手段と、
    少なくとも、前記被検体の辺縁部のうち前記被検者から離れている側の一部の領域を包み込み、前記保持部材に接触させる可撓性部材と、
    前記可撓性部材を前記保持手段に固定する固定手段と、
    光源と、
    前記光源から前記被検体に光が照射されることにより発生する音響波を受信する探触子と、
    前記探触子が受信した音響波を用いて前記被検体内部の特性情報を算出する信号処理手段と、
    を有する被検体情報取得装置。
  2. 前記可撓性部材は、前記光に対する透過性を持つ
    請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 前記可撓性部材は、音響特性が前記被検体と略等しい
    請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
  4. 前記固定手段は、前記保持部材の端面に形成された凹部からなる
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記固定手段は、前記保持部材の端面に形成された凸部からなる
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記固定手段は、前記保持部材の端面に形成された接着部材からなる
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記固定手段は、前記保持部材の端面に形成された強磁性体からなる
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記保持部材は、前記被検体を圧迫および保持する第一の保持プレートと第二の保持プレートを含み、
    前記可撓性部材は、前記被検体を、前記第一の保持プレートに接触させる
    請求項1ないし7のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  9. 前記固定手段は、前記可撓性部材を、前記第一の保持プレートに固定する
    請求項8に記載の被検体情報取得装置。
  10. 前記可撓性部材は、前記被検体の全体を包み込む
    請求項1ないし9のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  11. 保持部材を含み、被検者の一部である被検体を、前記保持部材に接触した状態で保持する保持手段と、
    少なくとも、前記被検体の辺縁部のうち前記被検者から離れている側の一部の領域を包み込み、前記保持部材に接触させる可撓性部材と、
    前記可撓性部材を前記保持手段に固定する固定手段と、
    を有する保持装置。
  12. 開口を有する寝台と、
    保持部材を含む保持手段であって、前記開口から挿入された物体を、前記保持部材に接触した状態で保持する保持手段と、
    少なくとも、前記保持部材のうち前記寝台から離れている側の一部の領域を包み込む可撓性部材と、
    前記可撓性部材を前記保持手段に固定する固定手段と、
    を有する保持装置。
  13. 保持部材を含む保持手段と、可撓性部材と、固定手段と、光源と、探触子と、信号処理手段と、を有する被検体情報取得装置の制御方法であって、
    前記保持部材に、被検者の一部である被検体を接触させるステップと、
    前記可撓性部材により、少なくとも、前記被検体の辺縁部のうち前記被検者から離れている側の一部の領域を包み込み、前記保持部材に密着させるステップと、
    前記固定手段により、前記可撓性部材を前記保持手段に固定するステップと、
    前記探触子により、前記光源から前記被検体に光が照射されることにより発生する音響波を受信するステップと、
    前記信号処理手段により、前記探触子が受信した音響波を用いて前記被検体内部の特性情報を算出するステップと、
    を有する被検体情報取得装置の制御方法。
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