JP2014237609A - イネの種子伝染性病害に対する防除剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、イネに発生する多くの種子伝染性病害に対して、古くから病害や害虫防除に使用されてきた硫黄を活用することにより、防除効果に優れ、安全で環境に対する影響の少ない防除技術を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、硫黄を有効成分として含有するイネの種子伝染性病害の防除剤を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、硫黄を有効成分として含有するイネの種子伝染性病害の防除剤を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、イネ種子伝染性病害に対する防除剤およびそれを用いたイネ種子伝染性病害の防除法に関する。
イネの栽培において健全で均一な苗を育成することは最も重要な作業のひとつであるが、発芽から幼苗の育苗時期には様々な病害に侵される可能性があり、通常、化学薬剤による徹底的な防除が行われている。
従来行われているイネの病害防除に用いられる化学合成農薬としては、例えば、糸状菌による種子伝染性病害であるイネばか苗病、いもち病、ごま葉枯病対しては、イプコナゾール等のDMI剤が一般的に使用され、細菌による種子伝染性病害であるイネもみ枯細菌病、苗立枯細菌病、褐条病に対しては、オキソリニック酸等が広く用いられている。
従来行われているイネの病害防除に用いられる化学合成農薬としては、例えば、糸状菌による種子伝染性病害であるイネばか苗病、いもち病、ごま葉枯病対しては、イプコナゾール等のDMI剤が一般的に使用され、細菌による種子伝染性病害であるイネもみ枯細菌病、苗立枯細菌病、褐条病に対しては、オキソリニック酸等が広く用いられている。
しかしながら、上記化学合成薬剤に対して感受性の低い、あるいは耐性を有する病原菌が出現し問題となっている。また、食品の安全性あるいは環境に対する影響への懸念から作物の栽培において化学合成薬剤の使用量や使用回数の低減が求められている。化学合成農薬以外の防除技術として、食品添加物等としても使用することができる食酢や重曹などの安全性の高い化学成分や、イネ病原菌に対して拮抗作用を示す、タラロマイセス属菌、バチルス属菌、トリコデルマ属菌等の微生物が農薬として利用されている。
硫黄は自然界に存在する無機系の物質であり、安全性が高く、古くから病害や害虫防除、土壌改良等に用いられている。硫黄を利用して土壌pHを調整することにより、イネ苗立枯病(ピシウム属菌)の発病抑制効果が報告されているが(非特許文献1)、これは土壌伝染性病害であり、イネの種子、苗を硫黄で処理してイネ種子伝染性病害を防除することはこれまでに報告されていない。また硫黄を土壌処理することで、発芽遅延の問題も起こり得るため、土壌のpH調整は、前年秋までに実施し、約半年かけて準備する必要があった。さらにpH調整を温暖な時期に行い、土壌は適度な水分を保持する必要があり、煩雑な作業が必要だった。
生物剤を利用した病害防除技術としては、微生物剤による防除が知られている。例えば、特許文献1には、糸状菌の1種であるタラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)を有効成分とするイネ育苗期の病害防除用の微生物剤が記載されている。しかしながら、微生物剤には病害感染率が高いとその効果が十分に発揮できないという課題があった。なお、特許文献1では、タラロマイセス・フラバスを有効成分とするタフブロック(登録商標;出光興産株式会社)がイネ育苗期の病害防除剤として使用されているが、水稲へ直接適用した例がない硫黄と組み合わせて使用することは教示されていない。
熊谷聡、"有機栽培水稲の育苗における成苗置床・中苗培土のpH制御と中苗窒素追肥法"、[online]、インターネット<URL:http://www.naro.affrc.go.jp/org/harc/seika/h22/DOURITU/H22seika-313.pdf>
本発明は、イネに発生する多くの種子伝染性病害に対して、硫黄を活用することにより、防除効果に優れ、簡便な方法で、環境に対する影響の少ない防除技術を提供することを課題とする。
本発明はまた、既存の微生物剤を併用して、より高い防除効果を得ることを課題とする。
本発明はまた、既存の微生物剤を併用して、より高い防除効果を得ることを課題とする。
本発明者らは、イネの種子を硫黄で処理することによりイネ種子伝染性病害を防除できること、そして、硫黄剤を特定の微生物剤と組み合わせることによって、より高い防除効果が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)硫黄を有効成分として含有するイネの種子伝染性病害の防除剤。
(2)硫黄が水和硫黄である、(1)に記載の防除剤。
(3)種子の消毒および殺菌用である、(1)または(2)に記載の防除剤。
(4)イネの種子伝染性病害が、イネばか苗病菌(Fusarium fujikuroi);イネいもち病菌(Pyricularia oryzea);イネごま葉枯病菌(Cochliobolus miyabeanus);イネもみ枯細菌病菌(Burkholderia glumae);イネ苗立枯細菌病菌(Burkholderia plantarii);イネ褐条病菌(Acidovorax avenae)のうちの少なくとも1つの病原菌によって引き起こされる、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の防除剤。
(5)水稲病害に対して拮抗作用を示す微生物と組み合わせた(1)〜(4)のいずれか1項に記載の防除剤。
(6)微生物がタラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)である(5)に記載の防除剤。
(7)硫黄の含有量が1〜100重量%であり、微生物の含有量が1×106〜1×1012cfu/gである、(5)または(6)に記載の防除剤。
(8)硫黄の含有量が5〜80重量%であり、微生物の含有量が1×107〜1×1011cfu/gである、(7)に記載の防除剤。
(9)(1)〜(8)のいずれか1項に記載の防除剤により、イネの種子、苗、育苗培地、育苗土壌、若しくは、水田土壌を処理すること、又は、灌注処理することを特徴とする、イネの種子伝染性病害の防除方法。
(1)硫黄を有効成分として含有するイネの種子伝染性病害の防除剤。
(2)硫黄が水和硫黄である、(1)に記載の防除剤。
(3)種子の消毒および殺菌用である、(1)または(2)に記載の防除剤。
(4)イネの種子伝染性病害が、イネばか苗病菌(Fusarium fujikuroi);イネいもち病菌(Pyricularia oryzea);イネごま葉枯病菌(Cochliobolus miyabeanus);イネもみ枯細菌病菌(Burkholderia glumae);イネ苗立枯細菌病菌(Burkholderia plantarii);イネ褐条病菌(Acidovorax avenae)のうちの少なくとも1つの病原菌によって引き起こされる、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の防除剤。
(5)水稲病害に対して拮抗作用を示す微生物と組み合わせた(1)〜(4)のいずれか1項に記載の防除剤。
(6)微生物がタラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)である(5)に記載の防除剤。
(7)硫黄の含有量が1〜100重量%であり、微生物の含有量が1×106〜1×1012cfu/gである、(5)または(6)に記載の防除剤。
(8)硫黄の含有量が5〜80重量%であり、微生物の含有量が1×107〜1×1011cfu/gである、(7)に記載の防除剤。
(9)(1)〜(8)のいずれか1項に記載の防除剤により、イネの種子、苗、育苗培地、育苗土壌、若しくは、水田土壌を処理すること、又は、灌注処理することを特徴とする、イネの種子伝染性病害の防除方法。
本発明の防除剤により、例えば、以下の効果を得ることができる。
・本発明の防除剤は、イネに発生する種子伝染性の多くの糸状菌病害および細菌病害に対して、高い防除効果を発揮する。
・本発明の防除剤は、古くから病害や害虫防除に使用されてきた硫黄を有効成分としているので、安全であり、環境に対する影響が少ない。
・本発明の防除剤は、一般的な化学合成薬剤のような、使用回数に対する制限がない。
・本発明の防除剤は、耐性菌の発生リスクが少ない。
・本発明の防除剤は、硫黄剤と微生物剤を組み合わせて使用する場合、それぞれを単独で使用するよりも高い防除効果が得られる。
・本発明の防除剤を使用することにより、安全、環境に対する配慮と防除効果の双方を兼ね備えた防除方法を提供できる。
・本発明の防除剤は、イネに発生する種子伝染性の多くの糸状菌病害および細菌病害に対して、高い防除効果を発揮する。
・本発明の防除剤は、古くから病害や害虫防除に使用されてきた硫黄を有効成分としているので、安全であり、環境に対する影響が少ない。
・本発明の防除剤は、一般的な化学合成薬剤のような、使用回数に対する制限がない。
・本発明の防除剤は、耐性菌の発生リスクが少ない。
・本発明の防除剤は、硫黄剤と微生物剤を組み合わせて使用する場合、それぞれを単独で使用するよりも高い防除効果が得られる。
・本発明の防除剤を使用することにより、安全、環境に対する配慮と防除効果の双方を兼ね備えた防除方法を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<1>本発明の防除剤
本発明の防除剤は、硫黄、好ましくは水和硫黄を有効成分として含有する。本発明の防
除剤としては、硫黄を有効成分とする硫黄剤、並びに水和硫黄を有効成分とするイオウフロアブルおよびサルファーゾルなどの水和硫黄剤が挙げられる。本願明細書中において、硫黄剤および水和硫黄剤をまとめて硫黄剤と称することがある。
本発明の防除剤は、硫黄または水和硫黄を有効成分として含有する限り、特に制限されない。市販品として入手可能なもの、例えば、日農イオウフロアブル(日本農薬株式会社)、日産イオウフロアブル(日産化学工業株式会社)、サルファーゾル(クミアイ化学工業株式会社)、コロナフロアブル(アグロ・カネショウ株式会社)、サンケイクムラス(サンケイ化学株式会社)、サンケイ硫黄粉剤50(サンケイ化学株式会社)、細井硫黄粉剤50、細井硫黄粉剤80(細井化学工業株式会社)、三共硫黄粉剤50(三共アグロ株式会社)を使用することができる。クムラスは硫黄(CAS番号:7704-34-9)を有効成分とする水和硫黄剤であり、成分含量は79.2重量%である。イオウフロアブルは硫黄(CAS番号:7704-34-9)を有効成分とする水和硫黄剤であり、成分含量は52重量%である。また、Cosan, Crisazufre, Hexasul, Sulflox, Tiolene, Thiolux等の商品名で日本国外で販売されている硫黄剤を使用してもよい。
本発明の防除剤における硫黄の含有量は1〜100重量%、好ましくは5〜80重量%である。
<1>本発明の防除剤
本発明の防除剤は、硫黄、好ましくは水和硫黄を有効成分として含有する。本発明の防
除剤としては、硫黄を有効成分とする硫黄剤、並びに水和硫黄を有効成分とするイオウフロアブルおよびサルファーゾルなどの水和硫黄剤が挙げられる。本願明細書中において、硫黄剤および水和硫黄剤をまとめて硫黄剤と称することがある。
本発明の防除剤は、硫黄または水和硫黄を有効成分として含有する限り、特に制限されない。市販品として入手可能なもの、例えば、日農イオウフロアブル(日本農薬株式会社)、日産イオウフロアブル(日産化学工業株式会社)、サルファーゾル(クミアイ化学工業株式会社)、コロナフロアブル(アグロ・カネショウ株式会社)、サンケイクムラス(サンケイ化学株式会社)、サンケイ硫黄粉剤50(サンケイ化学株式会社)、細井硫黄粉剤50、細井硫黄粉剤80(細井化学工業株式会社)、三共硫黄粉剤50(三共アグロ株式会社)を使用することができる。クムラスは硫黄(CAS番号:7704-34-9)を有効成分とする水和硫黄剤であり、成分含量は79.2重量%である。イオウフロアブルは硫黄(CAS番号:7704-34-9)を有効成分とする水和硫黄剤であり、成分含量は52重量%である。また、Cosan, Crisazufre, Hexasul, Sulflox, Tiolene, Thiolux等の商品名で日本国外で販売されている硫黄剤を使用してもよい。
本発明の防除剤における硫黄の含有量は1〜100重量%、好ましくは5〜80重量%である。
本発明の病害防除剤は、糸状菌および細菌等の病原菌によって引き起こされるイネの種子伝染性病害の防除に有効に作用する。イネの種子伝染性病害とはイネの種子に病原菌が存在し、伝染源となり発生する病害のことを言い、土壌中に病原菌が存在し、伝染源となり発生する土壌伝染性病害とは区別される。土壌伝染性の主な病原菌としては、フザリウム属菌、ピシウム属菌、リゾープス属菌、トリコデルマ属菌などがある。イネの種子伝染性病害としては、例えば、イネばか苗病菌(Fusarium fujikuroi);イネいもち病菌(Pyricularia oryzea);イネごま葉枯病菌(Cochliobolus miyabeanus);イネもみ枯細菌病菌(Burkholderia glumae);イネ苗立枯細菌病菌(Burkholderia plantarii);イネ褐条病菌(Acidovorax avenae)により引き起こされる病害が挙げられる。
本発明の防除剤は、上記イネの種子伝染性病害の防除に有効であり、上記病原菌のうちの少なくとも1種又は2種以上に作用する。本発明の防除剤は、イネばか苗病とイネ褐条病に対して特に効果を発揮する。
本発明の防除剤は、上記イネの種子伝染性病害の防除に有効であり、上記病原菌のうちの少なくとも1種又は2種以上に作用する。本発明の防除剤は、イネばか苗病とイネ褐条病に対して特に効果を発揮する。
本発明の防除剤に組み合わせる微生物としては、水稲病害に対して拮抗作用を示す糸状菌および細菌が挙げられ、糸状菌が好ましい。ここで「拮抗作用」とは、対象となる水稲病害、すなわち、水稲の種子伝染性病害を引き起こす病原菌の菌数を減少させる作用または増殖を抑制させる作用、すなわち、抗菌作用を意味する。本発明の防除剤には、上記微生物を本発明の硫黄剤と組み合わせてもよいが、市販の微生物剤を本発明の硫黄剤と組み合わせてもよい。
本発明の防除剤に組み合わせる微生物およびこれを含む微生物剤としては、タラロマイセス属菌およびこれを含む微生物剤、例えば、タフブロック(出光興産株式会社)、バチルス属菌およびこれを含む微生物剤、例えば、ボトキラー水和剤(出光興産株式会社)、インプレッション水和剤(株式会社エス・ディー・エスバイオテック)、エコショット(クミアイ化学工業株式会社)、モミホープ水和剤(セントラル硝子株式会社)、シュードモナス属菌およびこれを含む微生物剤、例えば、ベジキーパー水和剤(セントラル硝子株式会社)、ペニシリウム属菌およびこれを含む微生物剤、トリコデルマ属菌およびこれを含む微生物剤、エコホープ(Trichoderma atroviride SKT-1)およびこれを含む微生物剤、例えば、エコホープDJ(クミアイ化学工業株式会社)が挙げられる。
本発明の防除剤に組み合わせる微生物およびこれを含む微生物剤としては、タラロマイセス属菌およびこれを含む微生物剤、例えば、タフブロック(出光興産株式会社)、バチルス属菌およびこれを含む微生物剤、例えば、ボトキラー水和剤(出光興産株式会社)、インプレッション水和剤(株式会社エス・ディー・エスバイオテック)、エコショット(クミアイ化学工業株式会社)、モミホープ水和剤(セントラル硝子株式会社)、シュードモナス属菌およびこれを含む微生物剤、例えば、ベジキーパー水和剤(セントラル硝子株式会社)、ペニシリウム属菌およびこれを含む微生物剤、トリコデルマ属菌およびこれを含む微生物剤、エコホープ(Trichoderma atroviride SKT-1)およびこれを含む微生物剤、例えば、エコホープDJ(クミアイ化学工業株式会社)が挙げられる。
本発明の防除剤に組み合わせるのに好ましい糸状菌としては、タラロマイセス属菌、ペニシリウム属菌、およびトリコデルマ属菌が挙げられ、タラロマイセス属菌であるタラロマイセス・フラバスおよびこれを含むタブブロック(登録商標)を使用することが好ましい。タラロマイセス・フラバスとして好ましい株は、タラロマイセス・フラバスY−94
01株であり、平成8年9月2日に通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センター(現独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター)に、FERM P−15816として寄託されている。
本発明の防除剤に組み合わせる微生物は、硫黄剤と組み合わせる以外は、菌体の培養物をそのまま組み合わせて用いてもよいし、必要に応じて、培養物を細断した後、組み合わせて用いてもよく、さらに、この培養物から篩などにより胞子を主体として回収したものを組み合わせて用いてもよい。また、水や油などの液体により培養物から菌体を分離し、そのままあるいは濃縮したものを組み合わせて用いてもよい。
本発明の防除剤に組み合わせる微生物の含有量は、1×106〜1×1012cfu/g、好ましくは1×107〜1×1011cfu/gである。本発明の防除剤において、タラロマイセス・フラバスを組み合わせる場合、その含有量は、1×106〜1×1012cfu/g、好ましくは1×107〜1×1011cfu/gである。
本明細書中において、「防除剤に組み合わせる微生物」とは、硫黄剤と微生物剤との混合を意味し、硫黄剤と微生物剤とを混合した薬剤を、混合剤または混合病害防除剤ということがある。
01株であり、平成8年9月2日に通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センター(現独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター)に、FERM P−15816として寄託されている。
本発明の防除剤に組み合わせる微生物は、硫黄剤と組み合わせる以外は、菌体の培養物をそのまま組み合わせて用いてもよいし、必要に応じて、培養物を細断した後、組み合わせて用いてもよく、さらに、この培養物から篩などにより胞子を主体として回収したものを組み合わせて用いてもよい。また、水や油などの液体により培養物から菌体を分離し、そのままあるいは濃縮したものを組み合わせて用いてもよい。
本発明の防除剤に組み合わせる微生物の含有量は、1×106〜1×1012cfu/g、好ましくは1×107〜1×1011cfu/gである。本発明の防除剤において、タラロマイセス・フラバスを組み合わせる場合、その含有量は、1×106〜1×1012cfu/g、好ましくは1×107〜1×1011cfu/gである。
本明細書中において、「防除剤に組み合わせる微生物」とは、硫黄剤と微生物剤との混合を意味し、硫黄剤と微生物剤とを混合した薬剤を、混合剤または混合病害防除剤ということがある。
本発明の防除剤は、イネの種子伝染性病害の防除に使用される限り、用途は特に限定されないが、好ましくは、種子または苗に直接適用され、より好ましくは、種子の消毒および殺菌のために使用される。本発明の防除剤は、硫黄剤の場合にはそのまま、水和硫黄剤の場合には水で希釈して使用することができる。
本発明の防除剤は、種子浸漬処理であれば製剤を10〜1000倍に希釈して、硫黄濃度を0.001〜2.0重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%として適用することが望ましく、種子粉衣処理であれば種子重量に対して製剤を0.5〜5.0重量%として適用することが望ましく、種子塗沫処理、種子散布(噴霧を含む)であれば製剤を2倍〜200倍に希釈した処理液を種子重量に対して1〜5重量%として適用することが望ましい。
本発明の防除剤は、土壌散布処理であれば10〜1000倍に希釈した処理液を通常移植用として使用される育苗箱(例えば、面積1800cm2程度)当り50〜1000ml適用することが望ましい。
本発明の防除剤は、種子浸漬処理であれば製剤を10〜1000倍に希釈して、硫黄濃度を0.001〜2.0重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%として適用することが望ましく、種子粉衣処理であれば種子重量に対して製剤を0.5〜5.0重量%として適用することが望ましく、種子塗沫処理、種子散布(噴霧を含む)であれば製剤を2倍〜200倍に希釈した処理液を種子重量に対して1〜5重量%として適用することが望ましい。
本発明の防除剤は、土壌散布処理であれば10〜1000倍に希釈した処理液を通常移植用として使用される育苗箱(例えば、面積1800cm2程度)当り50〜1000ml適用することが望ましい。
<2>相乗効果の式
個々の活性化合物の組み合わせにより期待される殺菌効果は、コルビー(Colby)の計算式より求めることができる(除草剤の組み合わせの相乗的及び拮抗的反応の計算:Calculating Synergistic andAntagonistic Responses of HerbicideCombination、Weed 15、20〜22ページ、1967)。コルビー(Colby)の計算式を以下の式1に示す。
(式1)E=X+Y−(X×Y/100)
実測値がEを上回れば両剤が相乗的に作用し、下回れば拮抗作用を及ぼしたと推察できる。なお、濃度や組み合わせの相性により、すべての混合剤が相乗的に作用しないことは一般的に知られた事実である。
本発明の防除剤は、微生物剤を含む場合、硫黄剤と微生物剤が相乗的に作用することが好ましい。
個々の活性化合物の組み合わせにより期待される殺菌効果は、コルビー(Colby)の計算式より求めることができる(除草剤の組み合わせの相乗的及び拮抗的反応の計算:Calculating Synergistic andAntagonistic Responses of HerbicideCombination、Weed 15、20〜22ページ、1967)。コルビー(Colby)の計算式を以下の式1に示す。
(式1)E=X+Y−(X×Y/100)
実測値がEを上回れば両剤が相乗的に作用し、下回れば拮抗作用を及ぼしたと推察できる。なお、濃度や組み合わせの相性により、すべての混合剤が相乗的に作用しないことは一般的に知られた事実である。
本発明の防除剤は、微生物剤を含む場合、硫黄剤と微生物剤が相乗的に作用することが好ましい。
<3>防除効果の式
発病苗率は、薬剤処理区及び無処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、下記(式2)に基づき、算出する。そして、この算出した発病苗率から下記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出する。
(式2)発病苗率(%)=発病苗数/全調査苗数×100
(式3)防除価=[(無処理区発病苗率―薬剤処理区発病苗率)/無処理区発病苗率]×
100
本発明の防除剤の防除効果は、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。
発病苗率は、薬剤処理区及び無処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、下記(式2)に基づき、算出する。そして、この算出した発病苗率から下記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出する。
(式2)発病苗率(%)=発病苗数/全調査苗数×100
(式3)防除価=[(無処理区発病苗率―薬剤処理区発病苗率)/無処理区発病苗率]×
100
本発明の防除剤の防除効果は、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。
<4>本発明の防除剤の製造方法
本発明の防除剤は、その防除剤における硫黄の含有量を、上述の通り、1〜100重量%、好ましくは5〜80重量%に調整し、微生物を混合する場合、微生物の含有量を、1×106〜1×1012cfu/g、好ましくは1×107〜1×1011cfu/gに調整する以外は、実際に使用し易い形態に製剤化することができる。つまり、通常の製剤の製造方法に従って、必要に応じて、各種任意成分とともに、水和剤、粉剤、粒剤、乳剤、フロアブル剤、塗布剤等に製剤化することができる。
本発明の防除剤は、その防除剤における硫黄の含有量を、上述の通り、1〜100重量%、好ましくは5〜80重量%に調整し、微生物を混合する場合、微生物の含有量を、1×106〜1×1012cfu/g、好ましくは1×107〜1×1011cfu/gに調整する以外は、実際に使用し易い形態に製剤化することができる。つまり、通常の製剤の製造方法に従って、必要に応じて、各種任意成分とともに、水和剤、粉剤、粒剤、乳剤、フロアブル剤、塗布剤等に製剤化することができる。
例えば、水和剤、粉剤は、必要に応じて固体担体、界面活性剤や品質を安定させる成分を混合または粉砕混合することにより製造することができる。
例えば、粒剤は、必要に応じて固体担体、界面活性剤や品質を安定させる成分を混合または粉砕混合し、更に造粒することにより製造することができる。
例えば、乳剤は、植物油、動物油、鉱物油等の液状担体に、必要に応じて界面活性剤を乳化、分散等を目的として、また、品質を安定させる成分を混合または粉砕混合することにより製造することができる。
例えば、フロアブル剤は、水に補助剤を増粘等を目的として、二価アルコール等を凍結防止を目的として、界面活性剤を分散等を目的として、また、品質を安定させる成分を混合または粉砕混合することにより製造することができる。
例えば、塗布剤は、水や油等の液体担体に補助剤を加え、混合し、ゾル状またはゲル状とすることにより製造することができる。
<5>本発明のイネの種子伝染性病害の防除方法
本発明のイネの種子伝染性病害の防除方法は、本発明の防除剤(すなわち、本発明の硫黄剤、本発明の硫黄剤と微生物剤の混合剤)を使用することを特徴とし、上記のような各種イネ種子伝染性病害を防除する目的で、イネの種子、苗、育苗培地、育苗土壌、若しくは水田土壌に施用されるか、又は、灌注処理されるが、施用・処理方法は剤型等の使用形態や病害によって適宜選択される。このような方法としては、例えば、種子浸漬処理、種子粉衣処理、種子塗沫処理、種子散布(噴霧を含む)処理、土壌散布、地上部固形散布等の方法を挙げることができる。本発明の防除方法は、好ましくは、イネの種子または苗に施用される。
本発明のイネの種子伝染性病害の防除方法は、本発明の防除剤(すなわち、本発明の硫黄剤、本発明の硫黄剤と微生物剤の混合剤)を使用することを特徴とし、上記のような各種イネ種子伝染性病害を防除する目的で、イネの種子、苗、育苗培地、育苗土壌、若しくは水田土壌に施用されるか、又は、灌注処理されるが、施用・処理方法は剤型等の使用形態や病害によって適宜選択される。このような方法としては、例えば、種子浸漬処理、種子粉衣処理、種子塗沫処理、種子散布(噴霧を含む)処理、土壌散布、地上部固形散布等の方法を挙げることができる。本発明の防除方法は、好ましくは、イネの種子または苗に施用される。
以下に実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ限定を受けないことは言うまでもない。
<実施例1>
(イネばか苗病防除試験)
(1)感染種子の調製
イネ(品種:短銀坊主)の開花期にばか苗病菌を噴霧接種し、種子を収穫した。この種子をばか苗病感染種子とした。感染種子が20%になるように健全種子に混入した合計10gの種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブル(成分含量:52重量%)を500倍、1000倍に希釈した溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。硫黄濃度は、0.1重量%(500倍希釈)、0.05重量%(1000倍希釈)である。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、ばか苗病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、ばか苗病により引き起こされる徒長病徴が出現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表1に示す。表1により明らかなように本発明の病害防除剤は、イネばか苗病に対して防除効果を示した。
(イネばか苗病防除試験)
(1)感染種子の調製
イネ(品種:短銀坊主)の開花期にばか苗病菌を噴霧接種し、種子を収穫した。この種子をばか苗病感染種子とした。感染種子が20%になるように健全種子に混入した合計10gの種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブル(成分含量:52重量%)を500倍、1000倍に希釈した溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。硫黄濃度は、0.1重量%(500倍希釈)、0.05重量%(1000倍希釈)である。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、ばか苗病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、ばか苗病により引き起こされる徒長病徴が出現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表1に示す。表1により明らかなように本発明の病害防除剤は、イネばか苗病に対して防除効果を示した。
<実施例2>
(イネいもち病防除試験)
(1)本田においていもち病が多発している水稲からイネ(品種:コシヒカリ)種子を収穫した。この種子をいもち病菌感染種子とした。10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブルを1000倍に希釈した溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、いもち病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、いもち病病斑が葉面に発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を
算出した。
(5)結果
調査結果を表2に示す。表2により明らかなように本発明の病害防除剤は、イネいもち病に対して防除効果を示した。
(イネいもち病防除試験)
(1)本田においていもち病が多発している水稲からイネ(品種:コシヒカリ)種子を収穫した。この種子をいもち病菌感染種子とした。10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブルを1000倍に希釈した溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、いもち病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、いもち病病斑が葉面に発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を
算出した。
(5)結果
調査結果を表2に示す。表2により明らかなように本発明の病害防除剤は、イネいもち病に対して防除効果を示した。
<実施例3>
(イネごま葉枯病防除試験)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)の出穂期にごま葉枯病菌を噴霧接種し、種子を収穫した。この種子をごま葉枯病菌感染種子とした。10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブルを500倍に希釈した溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、ごま葉枯病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、萎凋苗、ごま状病斑が葉面に発現している苗等のごま葉枯病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表3に示す。表3により明らかなように本発明の病害防除剤は、イネごま葉枯病に対して防除効果を示した。
(イネごま葉枯病防除試験)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)の出穂期にごま葉枯病菌を噴霧接種し、種子を収穫した。この種子をごま葉枯病菌感染種子とした。10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブルを500倍に希釈した溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、ごま葉枯病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、萎凋苗、ごま状病斑が葉面に発現している苗等のごま葉枯病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表3に示す。表3により明らかなように本発明の病害防除剤は、イネごま葉枯病に対して防除効果を示した。
<実施例4>
(イネもみ枯細菌病防除試験)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)種子をもみ枯細菌病菌を含む溶液中に投入し、減圧条件
下で強制的に種子中に接種した。風乾した後、この種子をもみ枯細菌病菌感染種子とした。感染種子が25%になるように健全種子に混入した合計10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブルを500倍に希釈した溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、もみ枯細菌病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、苗の腐敗、萎凋、白化等のもみ枯細菌病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表4に示す。表4により明らかなように本発明の病害防除剤は、イネもみ枯細菌病に対して防除効果を示した。
(イネもみ枯細菌病防除試験)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)種子をもみ枯細菌病菌を含む溶液中に投入し、減圧条件
下で強制的に種子中に接種した。風乾した後、この種子をもみ枯細菌病菌感染種子とした。感染種子が25%になるように健全種子に混入した合計10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブルを500倍に希釈した溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、もみ枯細菌病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、苗の腐敗、萎凋、白化等のもみ枯細菌病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表4に示す。表4により明らかなように本発明の病害防除剤は、イネもみ枯細菌病に対して防除効果を示した。
<実施例5>
(イネ褐条病防除試験−1)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)種子を、褐条病菌を含む溶液中に投入し、減圧条件下で強制的に種子中に接種した。風乾した後、この種子を褐条病菌感染種子とした。感染種子が50%になるように健全種子に混入した合計10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブルを500倍に希釈した溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、褐条病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、苗の腐敗、萎凋、褐変等の褐条病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率
を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表5に示す。表5により明らかなように本発明の病害防除剤は、イネ褐条病に対して防除効果を示した。
(イネ褐条病防除試験−1)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)種子を、褐条病菌を含む溶液中に投入し、減圧条件下で強制的に種子中に接種した。風乾した後、この種子を褐条病菌感染種子とした。感染種子が50%になるように健全種子に混入した合計10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブルを500倍に希釈した溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、褐条病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、苗の腐敗、萎凋、褐変等の褐条病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率
を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表5に示す。表5により明らかなように本発明の病害防除剤は、イネ褐条病に対して防除効果を示した。
<実施例6>
(イネ褐条病防除試験−2)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)種子を、褐条病菌を含む溶液中に投入し、減圧条件下で強制的に種子中に接種した。風乾した後、この種子を褐条病菌感染種子とした。感染種子が50%になるように健全種子に混入した合計10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブルを500倍、クムラスを750倍、3000倍に希釈した溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。硫黄濃度は、それぞれ0.1重量%、0.1056重量%、0.0264重量%であった。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、褐条病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、苗の腐敗、萎凋、褐変等の褐条病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表6に示す。表6により明らかなように本発明の病害防除剤は、イネ褐条病に対して防除効果を示した。
(イネ褐条病防除試験−2)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)種子を、褐条病菌を含む溶液中に投入し、減圧条件下で強制的に種子中に接種した。風乾した後、この種子を褐条病菌感染種子とした。感染種子が50%になるように健全種子に混入した合計10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブルを500倍、クムラスを750倍、3000倍に希釈した溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。硫黄濃度は、それぞれ0.1重量%、0.1056重量%、0.0264重量%であった。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、褐条病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、苗の腐敗、萎凋、褐変等の褐条病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表6に示す。表6により明らかなように本発明の病害防除剤は、イネ褐条病に対して防除効果を示した。
<実施例7>
(イネいもち病混合効果試験)
(1)本田においていもち病が多発している水稲からイネ(品種:コシヒカリ)種子を収穫した。この種子をいもち病菌感染種子とした。10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブル1000倍、タフブロック200倍の溶液、イオウフロアブル1000倍およびタフブロック200倍の混合溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)植物の育成
上記浸漬処理後、いもち病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、いもち病病斑が葉面に発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表7に示す。表7により明らかなように本発明の硫黄剤と微生物剤との混合病害防除剤は相乗的に作用し、イネいもち病に対して高い防除効果を示した。
(イネいもち病混合効果試験)
(1)本田においていもち病が多発している水稲からイネ(品種:コシヒカリ)種子を収穫した。この種子をいもち病菌感染種子とした。10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子を、イオウフロアブル1000倍、タフブロック200倍の溶液、イオウフロアブル1000倍およびタフブロック200倍の混合溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)植物の育成
上記浸漬処理後、いもち病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、いもち病病斑が葉面に発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表7に示す。表7により明らかなように本発明の硫黄剤と微生物剤との混合病害防除剤は相乗的に作用し、イネいもち病に対して高い防除効果を示した。
<実施例8>
(イネごま葉枯病混合効果試験)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)の出穂期にごま葉枯病菌を噴霧接種し、種子を収穫した。この種子をごま葉枯病菌感染種子とした。10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子をイオウフロアブル500倍、タフブロック200倍の溶液、イオウフロアブル500倍およびタフブロックの200倍の混合溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)植験植物の育成
上記浸漬処理後、ごま葉枯病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、萎凋苗、ごま状病斑が葉面に発現している苗等のごま葉枯病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表8に示す。表8により明らかなように本発明の硫黄剤と微生物剤との混合病害防除剤は相乗的に作用し、イネごま葉枯病に対して著しく高い防除効果を示した。
(イネごま葉枯病混合効果試験)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)の出穂期にごま葉枯病菌を噴霧接種し、種子を収穫した。この種子をごま葉枯病菌感染種子とした。10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子をイオウフロアブル500倍、タフブロック200倍の溶液、イオウフロアブル500倍およびタフブロックの200倍の混合溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)植験植物の育成
上記浸漬処理後、ごま葉枯病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、萎凋苗、ごま状病斑が葉面に発現している苗等のごま葉枯病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表8に示す。表8により明らかなように本発明の硫黄剤と微生物剤との混合病害防除剤は相乗的に作用し、イネごま葉枯病に対して著しく高い防除効果を示した。
<実施例9>
(イネ褐条病混合効果試験−1)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)種子を、褐条病菌を含む溶液中に投入し、減圧条件下で強制的に種子中に接種した。風乾した後、この種子を褐条病菌感染種子とした。感染種子が50%になるように健全種子に混入した合計10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子をイオウフロアブル500倍、タフブロック200倍の溶液、イオウフロアブル500倍およびタフブロックの200倍の混合溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、褐条病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容
器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、苗の腐敗、萎凋、褐変等の褐条病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表9に示す。表9により明らかなように本発明の硫黄剤と微生物剤との混合病害防除剤は相乗的に作用し、イネ褐条病に対して著しく高い防除効果を示した。
(イネ褐条病混合効果試験−1)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)種子を、褐条病菌を含む溶液中に投入し、減圧条件下で強制的に種子中に接種した。風乾した後、この種子を褐条病菌感染種子とした。感染種子が50%になるように健全種子に混入した合計10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子をイオウフロアブル500倍、タフブロック200倍の溶液、イオウフロアブル500倍およびタフブロックの200倍の混合溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(3)試験植物の育成
上記浸漬処理後、褐条病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容
器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(4)防除効果調査
播種3週間後、苗の腐敗、萎凋、褐変等の褐条病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(5)結果
調査結果を表9に示す。表9により明らかなように本発明の硫黄剤と微生物剤との混合病害防除剤は相乗的に作用し、イネ褐条病に対して著しく高い防除効果を示した。
<実施例10>
(イネ褐条病混合効果試験−2)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)種子を、褐条病菌を含む溶液中に投入し、減圧条件下で強制的に種子中に接種した。風乾した後、この種子を褐条病菌感染種子とした。感染種子が50%になるように健全種子に混入した合計10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子をイオウフロアブル500倍、クムラス750倍、3000倍、タフブロック200倍の溶液、イオウフロアブル500倍およびタフブロック200倍の混合溶液、クムラス750倍およびタフブロック200倍の混合溶液、クムラス3000倍およびタフブロック200倍の混合溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(2)試験植物の育成
上記浸漬処理後、褐条病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(3)防除効果調査
播種3週間後、苗の腐敗、萎凋、褐変等の褐条病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(4)結果
調査結果を表10に示す。表10により明らかなように本発明の硫黄剤と微生物剤との混合病害防除剤は相乗的に作用し、イネ褐条病に対して著しく高い防除効果を示した。
(イネ褐条病混合効果試験−2)
(1)イネ(品種:コシヒカリ)種子を、褐条病菌を含む溶液中に投入し、減圧条件下で強制的に種子中に接種した。風乾した後、この種子を褐条病菌感染種子とした。感染種子が50%になるように健全種子に混入した合計10gの感染種子を水道水に浸漬し、15℃、6日間吸水させた。
(2)薬剤処理
上記吸水させた種子をイオウフロアブル500倍、クムラス750倍、3000倍、タフブロック200倍の溶液、イオウフロアブル500倍およびタフブロック200倍の混合溶液、クムラス750倍およびタフブロック200倍の混合溶液、クムラス3000倍およびタフブロック200倍の混合溶液の中に入れ、30℃の人工気象器内にて24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。また、薬剤を加えず水道水に浸漬し対照(無処理種子)とした。
(2)試験植物の育成
上記浸漬処理後、褐条病感染種子を、水稲用育苗培土を充填した120cm2のプラスチック製容器に播種した。薬剤処理種子を播種した容器を薬剤処理区、無処理種子を播種した容器を無処理区とした。薬剤処理区、無処理区ともに2反復とした。上記水稲育苗培土で覆土した後、30℃で3日間の出芽処理を行い、その後はガラス温室内において定法に従い栽培管理した。
(3)防除効果調査
播種3週間後、苗の腐敗、萎凋、褐変等の褐条病の病徴が発現している苗を発病苗とし、各処理区における2反復の発病苗率の平均値を用い、上記(式2)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記(式3)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。
(4)結果
調査結果を表10に示す。表10により明らかなように本発明の硫黄剤と微生物剤との混合病害防除剤は相乗的に作用し、イネ褐条病に対して著しく高い防除効果を示した。
本発明は、農薬の分野、特にイネの種子伝染性病害の防除において有用である。
Claims (9)
- 硫黄を有効成分として含有するイネの種子伝染性病害の防除剤。
- 硫黄が水和硫黄である、請求項1に記載の防除剤。
- 種子の消毒および殺菌用である、請求項1または2に記載の防除剤。
- イネの種子伝染性病害が、イネばか苗病菌(Fusarium fujikuroi);イネいもち病菌(Pyricularia oryzea);イネごま葉枯病菌(Cochliobolus miyabeanus);イネもみ枯細菌病菌(Burkholderia glumae);イネ苗立枯細菌病菌(Burkholderia plantarii);イネ褐条病菌(Acidovorax avenae)のうちの少なくとも1つの病原菌によって引き起こされる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の防除剤。
- 水稲病害に対して拮抗作用を示す微生物と組み合わせた請求項1〜4のいずれか1項に記載の防除剤。
- 微生物がタラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)である請求項5に記載の防除剤。
- 硫黄の含有量が1〜100重量%であり、微生物の含有量が1×106〜1×1012cfu/gである、請求項5または6に記載の防除剤。
- 硫黄の含有量が5〜80重量%であり、微生物の含有量が1×107〜1×1011cfu/gである、請求項7に記載の防除剤。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の防除剤により、イネの種子、苗、育苗培地、育苗土壌、若しくは、水田土壌を処理すること、又は、灌注処理することを特徴とする、イネの種子伝染性病害の防除方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013120607A JP2014237609A (ja) | 2013-06-07 | 2013-06-07 | イネの種子伝染性病害に対する防除剤 |
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JP2013120607A JP2014237609A (ja) | 2013-06-07 | 2013-06-07 | イネの種子伝染性病害に対する防除剤 |
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ID=52135131
Family Applications (1)
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JP2013120607A Pending JP2014237609A (ja) | 2013-06-07 | 2013-06-07 | イネの種子伝染性病害に対する防除剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014237609A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020262612A1 (ja) | 2019-06-27 | 2020-12-30 | 出光興産株式会社 | 植物病害防除剤及び植物病害防除法 |
-
2013
- 2013-06-07 JP JP2013120607A patent/JP2014237609A/ja active Pending
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WO2020262612A1 (ja) | 2019-06-27 | 2020-12-30 | 出光興産株式会社 | 植物病害防除剤及び植物病害防除法 |
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