JP2014236809A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動体による直流モータの負荷によらず、所望の速度で可動体を移動させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機100は、可動体(105−n)を駆動する直流モータを制御する駆動制御装置(112−n)を有する。駆動制御装置は、直流モータに駆動信号を出力する駆動信号生成回路16と、制御回路15とを有する。制御回路15は、所定の電力量に応じた駆動信号で第1の回転方向に直流モータを回転させたときの実際の回転速度と第2の回転方向に直流モータを回転させたときの実際の回転速度との差の絶対値が所定の閾値以上である場合、回転方向ごとに単位時間当たりの電力量と回転速度の関係を表す回転速度テーブルを作成し、指定された回転方向に応じて選択した回転速度テーブルに従って、指定された回転速度に対応する直流モータに供給する電力量を決定する。
【選択図】図11
【解決手段】遊技機100は、可動体(105−n)を駆動する直流モータを制御する駆動制御装置(112−n)を有する。駆動制御装置は、直流モータに駆動信号を出力する駆動信号生成回路16と、制御回路15とを有する。制御回路15は、所定の電力量に応じた駆動信号で第1の回転方向に直流モータを回転させたときの実際の回転速度と第2の回転方向に直流モータを回転させたときの実際の回転速度との差の絶対値が所定の閾値以上である場合、回転方向ごとに単位時間当たりの電力量と回転速度の関係を表す回転速度テーブルを作成し、指定された回転方向に応じて選択した回転速度テーブルに従って、指定された回転速度に対応する直流モータに供給する電力量を決定する。
【選択図】図11
Description
本発明は、可動体を備えた遊技機に関する。
回胴遊技機または弾球遊技機などの遊技機には、遊技者の興趣を高めるために、遊技者の視覚、聴覚または感覚に訴える演出を行うための工夫が凝らされている。特に、遊技者の視覚に訴える演出を行うために、遊技機には、可動体、例えば、可動役物が設けられることがある。このような可動体の移動範囲及び移動速度は演出に応じて予め設定されている。そのため、一般的に、1ステップ当たりの回転量が決まっており、かつ、ステップ単位で回転量を制御できるステッピングモータによって可動体は駆動される。そして上位の制御装置の一例である演出用のプロセッサユニット(以下、単に演出用CPUと呼ぶ)が、遊技の状態に応じて可動体が指定された位置へ移動する移動量に相当するステップ数だけステッピングモータを回転させる命令を、ステッピングモータの制御回路へ送信することで、ステッピングモータがそのステップ数だけ回転し、その結果として可動体が指定された位置へ移動する(例えば、特許文献1を参照)。また、可動役物の動作を正確に制御するために、モータに与えたステップ数とフォトセンサによって検出された可動役物の位置とに基づいて、モータの脱調を検出し、CPUが脱調の度合いに応じてモータの減速パターンを設定し、その減速パターンでモータを制御する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
近年、遊技者の興趣を高めるために、遊技機に搭載される可動体の数が増加する傾向にある。遊技機に搭載される可動体の数が増えれば、各可動体を駆動するモータの数も増加する。しかし、遊技機の背面のスペースは限られているので、モータの数が増えるほど、それらモータを遊技機に配置することが困難となるおそれがあった。特に、ステッピングモータは、複数相の励磁制御を行う必要があるので、構造が複雑であり、それだけステッピングモータは大型化する。さらに、ステッピングモータは、比較的高価である。そのため、ステッピングモータの台数が増えることは好ましくない。
また、遊技者の興趣を高めるために、大型の可動役物が遊技機に搭載されることもある。このような可動役物を駆動するためには、高いトルクを持つモータが必要とされる。しかし、ステッピングモータのトルクを高くするためには、ステッピングモータ自体をより大型化せざるを得ず、その結果として、配置スペースの確保がより困難となるおそれがあった。
一方、一般的に入手可能なモータの一種として直流モータがある。直流モータは、ステッピングモータよりも安価で、同じトルクを発揮するのにステッピングモータよりも小型で済む。しかしながら、直流モータは、回転量を直接指定することができず、直流モータを駆動する電力が同じでも、直流モータに掛かる負荷によって単位時間当たりの回転量、すなわち回転速度が変わってしまう。
そこで、本発明は、可動体による直流モータの負荷によらず、所望の速度で可動体を移動させることができる遊技機を提供することを目的とする。
本発明の一つの形態として、遊技機本体と、遊技機本体に移動可能に配置される可動体と、可動体を駆動する直流モータと、直流モータを制御する駆動制御装置と、駆動制御装置に対して、遊技の状態に応じて可動体の速度及び移動方向を決定し、その速度に対応する直流モータの回転速度及び移動方向に対応する直流モータの回転方向を指定する駆動コマンドを駆動制御装置へ出力する演出制御部とを有する。
駆動制御装置は、直流モータに供給する単位時間当たりの電力量と直流モータの回転速度の基準値との関係を表す基準回転速度テーブルを記憶する記憶回路と、単位時間当たりの電力量に応じた駆動信号を生成し、その駆動信号を直流モータへ出力する駆動信号生成回路と、基準回転速度テーブルに従って、第1の回転速度に対応する第1の電力量に応じた駆動信号を駆動信号生成回路に出力させて第1の回転方向に直流モータを回転させたときの実際の回転速度である第2の回転速度と第1の回転速度との差を打ち消す第1の補正値を算出し、第1の補正値で基準回転速度テーブルに格納された回転速度の基準値を補正することで、第1の方向について単位時間当たりの電力量と直流モータの回転速度の関係を表す第1の回転速度テーブルを作成し、駆動コマンドによって第1の回転方向に直流モータを回転させることが指定されると、第1の回転速度テーブルに従って、駆動コマンドで指定された回転速度に対応する単位時間当たりの電力量を決定し、決定した電力量を駆動信号生成回路に通知することで直流モータを第1の回転方向に回転させる制御回路とを有する。そして、制御回路は、基準回転速度テーブルに従って、第1の電力量に応じた駆動信号を駆動信号生成回路に出力させて第2の回転方向に直流モータを回転させたときの実際の回転速度である第3の回転速度と第2の回転速度の差の絶対値が所定の閾値以上の場合、第1の回転速度と第3の回転速度の差を打ち消す第2の補正値を算出し、その第2の補正値で基準回転速度テーブルに格納された回転速度の基準値を補正することで、第2の方向について単位時間当たりの電力量と直流モータの回転速度の関係を表す第2の回転速度テーブルを作成し、駆動コマンドによって第2の回転方向に直流モータを回転させることが指定されると、第2の回転速度テーブルに従って、駆動コマンドで指定された回転速度に対応する単位時間当たりの電力量を決定し、決定した電力量を駆動信号生成回路に通知することで直流モータを第2の回転方向に回転させることを特徴とする。
駆動制御装置は、直流モータに供給する単位時間当たりの電力量と直流モータの回転速度の基準値との関係を表す基準回転速度テーブルを記憶する記憶回路と、単位時間当たりの電力量に応じた駆動信号を生成し、その駆動信号を直流モータへ出力する駆動信号生成回路と、基準回転速度テーブルに従って、第1の回転速度に対応する第1の電力量に応じた駆動信号を駆動信号生成回路に出力させて第1の回転方向に直流モータを回転させたときの実際の回転速度である第2の回転速度と第1の回転速度との差を打ち消す第1の補正値を算出し、第1の補正値で基準回転速度テーブルに格納された回転速度の基準値を補正することで、第1の方向について単位時間当たりの電力量と直流モータの回転速度の関係を表す第1の回転速度テーブルを作成し、駆動コマンドによって第1の回転方向に直流モータを回転させることが指定されると、第1の回転速度テーブルに従って、駆動コマンドで指定された回転速度に対応する単位時間当たりの電力量を決定し、決定した電力量を駆動信号生成回路に通知することで直流モータを第1の回転方向に回転させる制御回路とを有する。そして、制御回路は、基準回転速度テーブルに従って、第1の電力量に応じた駆動信号を駆動信号生成回路に出力させて第2の回転方向に直流モータを回転させたときの実際の回転速度である第3の回転速度と第2の回転速度の差の絶対値が所定の閾値以上の場合、第1の回転速度と第3の回転速度の差を打ち消す第2の補正値を算出し、その第2の補正値で基準回転速度テーブルに格納された回転速度の基準値を補正することで、第2の方向について単位時間当たりの電力量と直流モータの回転速度の関係を表す第2の回転速度テーブルを作成し、駆動コマンドによって第2の回転方向に直流モータを回転させることが指定されると、第2の回転速度テーブルに従って、駆動コマンドで指定された回転速度に対応する単位時間当たりの電力量を決定し、決定した電力量を駆動信号生成回路に通知することで直流モータを第2の回転方向に回転させることを特徴とする。
この遊技機において、駆動制御装置の制御回路は、第3の回転速度と第2の回転速度の差の絶対値が所定の閾値未満の場合、第2の回転方向に直流モータを回転させることが指定されると、第1の回転速度テーブルに従って、指定された回転速度に対応する単位時間当たりの電力量を決定し、決定した電力量を駆動信号生成回路に通知することで直流モータを第2の回転方向に回転させることが好ましい。
本発明に係る遊技機は、可動体による直流モータの負荷によらず、所望の速度で可動体を移動させることができるという効果を奏する。
以下、本発明の一つの実施形態による遊技機に搭載される駆動制御装置を、図を参照しつつ説明する。
最初に、直流モータ(以下、DCモータと呼ぶ)の回転方向などにより、負荷が異なる可動役物の例について説明する。図1(a)は、回転方向によって負荷が異なる可動役物の例を示す図であり、(b)は、位置によって負荷が異なる可動役物の例を示す図である。
最初に、直流モータ(以下、DCモータと呼ぶ)の回転方向などにより、負荷が異なる可動役物の例について説明する。図1(a)は、回転方向によって負荷が異なる可動役物の例を示す図であり、(b)は、位置によって負荷が異なる可動役物の例を示す図である。
図1(a)に示した可動役物100は、矢印101に示されるように、鉛直方向に沿って移動するように遊技盤(図示せず)に配置される。そのため、重力により、可動役物100が下へ向けて移動するときに可動役物100を駆動するDCモータに掛かる負荷は、可動役物100が上へ向けて移動するときよりも小さくなる。
図1(b)に示した可動役物110は、矢印113に示されるように、水平方向に沿って移動可能に遊技盤に配置されているものの、2段階に伸縮する構造を有している。そのため、可動役物110の根元側の部材111と先端側の部材112の両方が一緒に移動する範囲に可動役物110が位置する場合にDCモータに掛かる負荷は、先端側の部材112のみが移動する範囲に可動役物110が位置する場合にDCモータに掛かる負荷よりも大きくなる。
そこで、この駆動制御装置は、DCモータの回転速度の基準値とDCモータに供給する電力量との関係を表す基準回転速度テーブルを予め記憶する。この駆動制御装置は、例えば、起動時などに、基準回転速度テーブルに規定された所定の回転速度に対応する電力量をDCモータに供給したときの実際のDCモータの回転速度を測定する。そしてこの駆動制御装置は、実際の回転速度と所定の回転速度の差を打ち消すように電力量の補正値を求め、その補正値を用いて、基準回転速度テーブルに格納されている、各電力量に対応する回転速度を補正することで、通常動作時用の回転速度テーブルを作成する。さらにこの駆動制御装置は、DCモータを時計回りに回転させたときと反時計回りに回転させたときとで、DCモータに掛かる負荷が異なる場合にも対応できるように、同じ電力量をDCモータに供給したときの正転方向の回転速度と逆転方向の回転速度の差がある程度以上大きい場合には、正転用の回転速度テーブルと逆転用の回転速度テーブルを別個に作成する。
図2は、本発明の一つの実施形態に係る遊技機に搭載される駆動制御装置1の概略構成図である。図2に示されるように、駆動制御装置1は、通信インターフェース回路11と、通信制御回路12と、レジスタ13と、記憶回路14と、制御回路15と、駆動信号生成回路16と、センサインターフェース回路17とを有する。
駆動制御装置1が有するこれらの各部は、それぞれ、別個の回路として回路基板(図示せず)上に実装されてもよく、あるいは、これらの各部が集積された集積回路として回路基板上に実装されてもよい。
駆動制御装置1が有するこれらの各部は、それぞれ、別個の回路として回路基板(図示せず)上に実装されてもよく、あるいは、これらの各部が集積された集積回路として回路基板上に実装されてもよい。
駆動制御装置1は、演出用CPU(図示せず)から受信した制御コマンドに従って、制御対象のDCモータ2に電流を供給するモータ駆動回路3に対して、DCモータ2の任意のコイルなどに対する電流の供給のオン/オフを切り替えるパルス状の駆動信号を出力することで、DCモータ2を制御する。本実施形態では、駆動制御装置1は、制御コマンドで指定された目標回転速度でDCモータ2を回転させるために、DCモータ2に対する電流の供給をパルス幅変調(PWM)方式により制御する。そのため、駆動制御装置1は、駆動信号の1周期当たりのパルス幅、すなわちデューティ比を目標回転速度に応じて変化させる。このデューティ比は、DCモータ2に供給される単位時間当たりの電力量を表す。
また駆動制御装置1は、DCモータ2を目標回転量だけ回転させるために、ロータリーエンコーダ4から、DCモータ2の回転軸(図示せず)が所定の角度回転する度に、その所定の角度回転したことを示す検知信号を受信して、回転開始からの総回転量を算出する。そして駆動制御装置1は、DCモータ2の総回転量が目標回転量に達したところ、すなわち、DCモータ2により駆動される可動体を所定距離だけで移動させた後にDCモータ2を静止させる。
図3は、モータ駆動回路3の回路図である。モータ駆動回路3は、4個のスイッチTR1〜TR4を有する。なお、各スイッチは、例えば、トランジスタまたは電界効果トランジスタとすることができる。このうち、二つのスイッチTR1及びTR3が、電源とグラウンドとの間に直列に接続される。同様に、二つのスイッチTR2及びTR4が、電源とグラウンドとの間に直列に接続される。そしてDCモータ2の正極側端子は、スイッチTR1とTR3の間に接続され、一方、DCモータ2の負極側端子は、スイッチTR2とTR4の間に接続される。そして各スイッチTR1〜TR4のスイッチ端子(例えば、スイッチTR1〜TR4がトランジスタであれば、ベース端子に相当し、スイッチTR1〜TR4が電界効果トランジスタであれば、ゲート端子に相当)は、それぞれ、駆動信号生成回路16に接続される。そして駆動信号生成回路16からの駆動信号は、各スイッチTR1〜TR4のスイッチ端子に入力される。
図4は、モータ駆動回路3の各スイッチに印加される駆動信号とDCモータ2の回転方向との関係を表すテーブルの一例を示す図である。
テーブル400に示されるように、DCモータ2を正転させる場合、スイッチTR1のスイッチ端子とスイッチTR4のスイッチ端子とに、PWM方式に従って設定された、DCモータ2の回転速度に応じたパルス幅を持つ、周期的なパルスを含む駆動信号が印加される。一方、スイッチTR2のスイッチ端子及びスイッチTR3のスイッチ端子には駆動信号が印加されない。これにより、DCモータ2には、スイッチTR1とスイッチTR4とにパルスが印加されている間のみ、正極側端子に電源電圧が印加されるので、DCモータ2は、そのパルス幅に応じた速度で正転する。
なお、DCモータ2を正転させる場合、スイッチTR1とTR4のうちの何れか一方に駆動信号を印加し、他方を常時オンとしてもよい。
テーブル400に示されるように、DCモータ2を正転させる場合、スイッチTR1のスイッチ端子とスイッチTR4のスイッチ端子とに、PWM方式に従って設定された、DCモータ2の回転速度に応じたパルス幅を持つ、周期的なパルスを含む駆動信号が印加される。一方、スイッチTR2のスイッチ端子及びスイッチTR3のスイッチ端子には駆動信号が印加されない。これにより、DCモータ2には、スイッチTR1とスイッチTR4とにパルスが印加されている間のみ、正極側端子に電源電圧が印加されるので、DCモータ2は、そのパルス幅に応じた速度で正転する。
なお、DCモータ2を正転させる場合、スイッチTR1とTR4のうちの何れか一方に駆動信号を印加し、他方を常時オンとしてもよい。
一方、DCモータ2を逆転させる場合、スイッチTR2のスイッチ端子とスイッチTR3のスイッチ端子とに、PWM方式に従って設定された、DCモータ2の回転速度に応じた周期的なパルスを持つ駆動信号が印加される。一方、スイッチTR1のスイッチ端子及びスイッチTR4のスイッチ端子には駆動信号が印加されない。これにより、DCモータ2には、スイッチTR2とスイッチTR3とにパルスが印加されている間のみ、負極側端子に電源電圧が印加されるので、DCモータ2は、そのパルス幅に応じた速度で逆転する。
なお、DCモータ2を逆転させる場合、スイッチTR2とTR3のうちの何れか一方に駆動信号を印加し、他方を常時オンとしてもよい。
なお、DCモータ2を逆転させる場合、スイッチTR2とTR3のうちの何れか一方に駆動信号を印加し、他方を常時オンとしてもよい。
また、DCモータ2にブレーキをかける場合、スイッチTR3のスイッチ端子とスイッチTR4のスイッチ端子とがオンにされ、スイッチTR1のスイッチ端子とスイッチTR2のスイッチ端子とがオフにされる。
さらに、DCモータ2を駆動しない場合には、各スイッチのスイッチ端子はオフにされる。
ロータリーエンコーダ4は、回転角センサの一例であり、例えば、光学式のロータリーエンコーダとすることができる。そしてロータリーエンコーダ4は、例えば、制御対象のDCモータ2の回転軸に取り付けられた、その回転軸を中心とする円周方向に沿って複数のスリットを有する円盤と、その円盤を挟んで対向するように配置された光源と受光素子とを有する。そして光源と受光素子との間に何れかのスリットが位置する度に、光源からの光が受光素子に達することで、ロータリーエンコーダ4は、パルス状の検知信号を出力する。これにより、ロータリーエンコーダ4は、DCモータ2が所定角度回転する度に検知信号を出力する。例えば、DCモータ2の回転軸を中心とする円周方向に沿って、円盤に50個のスリットが設けられることで、ロータリーエンコーダ4は、DCモータ2の回転軸が1回転する間に50個の検知信号を出力する。
通信インターフェース回路11は、例えば、駆動制御装置1を信号線を介して遊技機の演出用CPUと接続する。そして通信インターフェース回路11は、演出用CPUから、信号線を介してシリアル伝送される複数のビットを持つ制御コマンドを受信する。また、通信インターフェース回路11は、制御コマンドを解析するために、制御コマンドに含まれる複数のビットのそれぞれと同期を取るためのクロック信号を、演出用CPUから信号線を介して受信する。そして通信インターフェース回路11は、制御コマンド及びクロック信号を通信制御回路12へ出力する。さらに、通信インターフェース回路11は、通信制御回路12から受け取った、演出用CPUへ送信する応答信号を、信号線を介して演出用CPUへ出力する。
クロック信号は、例えば、制御コマンド中の所定数のビットごとに、矩形状のパルスを持つ信号とすることができる。
制御コマンドには、制御対象のDCモータ2の動作を規定する駆動コマンドと、駆動制御装置1に対して、DCモータ2の状態を表す情報またはDCモータ2によって駆動される可動体の状態を表す情報を演出用CPUへ送信することを要求する情報取得要求コマンドが含まれる。
駆動コマンドは、例えば、制御対象のDCモータ2の1回の動作を規定し、DCモータ2が駆動する可動体の移動量に相当する、DCモータ2の目標回転量、及び可動体の移動速度に相当する回転速度といった、DCモータ2の動作を特定するための動作情報を含む。一方、情報取得要求コマンドは、例えば、演出用CPU2が取得したい情報の種類を表すフラグなどを含む。
駆動コマンドは、例えば、制御対象のDCモータ2の1回の動作を規定し、DCモータ2が駆動する可動体の移動量に相当する、DCモータ2の目標回転量、及び可動体の移動速度に相当する回転速度といった、DCモータ2の動作を特定するための動作情報を含む。一方、情報取得要求コマンドは、例えば、演出用CPU2が取得したい情報の種類を表すフラグなどを含む。
図5は、駆動コマンドのフォーマットの一例を示す図である。図5に示されるように、駆動コマンド500は、先頭から順に、STARTフラグ501と、デバイスアドレス502と、制御データ503と、ENDフラグ504とを有する。さらに、駆動コマンド500は、隣接するフラグ、アドレス及びデータ間に、例えば'0'の値を持つ1ビットのスペーサを含んでもよい。
STARTフラグ501は、駆動コマンド500の先頭であることを表すビット列であり、本実施形態では、'1'の値を持つ9個のビットが連続したビット列である。なお、STARTフラグ501は、駆動コマンド500内の任意の他の何れのビット列とも一致しないビット列であればよい。
デバイスアドレス502は、駆動コマンド500が制御対象とする駆動制御装置を特定するための識別情報であり、本実施形態では、8ビット長のビット列で表される。
制御データ503は、駆動制御装置1が制御するDCモータ2の動作情報を含む。具体的には、制御データ503は、回転方向フラグ5031と、速度データ5032と、回転量データ5033とを含む。
回転方向フラグ5031は、DCモータ2の回転方向を表す1ビットのフラグである。本実施形態では、回転方向フラグ5031が'0'であれば、駆動制御装置1は、DCモータ2を正転させ、一方、回転方向フラグ5031が'1'であれば、駆動制御装置1は、DCモータ2を逆転させる。
速度データ5032は、DCモータ2の目標回転速度を表す。本実施形態では、速度データ5032は4ビット長のビット列であり、'0'〜'15'の何れかの値となる。速度データ5032が'0'であればDCモータ2にブレーキをかけることを表す。すなわち、モータ駆動回路3のスイッチTR3及びTR4をオンにするブレーキ信号を出力することを表す。速度データ5032が'1'〜'15'であれば、その速度データ5032の値から求められる目標回転速度でDCモータ2を回転させることを表す。なお、この例では、速度データ5032の値が大きいほど、目標回転速度も速くなる。
回転量データ5033は、DCモータ2の目標回転量を表す。本実施形態では、回転量データ5033は13ビット長のビット列である。回転量データ5033は、目標回転量を、ロータリーエンコーダ4から受信する検知信号の数で表す。すなわち、回転量データ5033に示された値に、ロータリーエンコーダ4の隣接スリット間の中心角を乗じた値が、DCモータ2の実際の目標回転量となる。
ENDフラグ504は、駆動コマンド500の終端であることを表すビット列である。ENDフラグ504は、駆動コマンドに含まれる、STARTフラグ及び他のビット列と一致しないビット列であればよい。
通信制御回路12は、通信インターフェース回路11を介して受信した制御コマンドが駆動コマンドである場合、その駆動コマンドが自装置宛てか否か判定し、自装置宛てであれば、その駆動コマンドに含まれる動作情報などをレジスタ13に書き込む。一方、駆動コマンドが自装置宛てでなければ、受信した駆動コマンドを廃棄する。
駆動コマンドが自装置宛てか否かを判定するために、通信制御回路12は、駆動コマンドに含まれるデバイスアドレスが、駆動制御装置1に対して設定されたアドレスと一致するか否か判定する。そしてデバイスアドレスと設定されたアドレスとが一致する場合、通信制御回路12は、駆動コマンドが自装置宛てであると判定する。
駆動コマンドが自装置宛てか否かを判定するために、通信制御回路12は、駆動コマンドに含まれるデバイスアドレスが、駆動制御装置1に対して設定されたアドレスと一致するか否か判定する。そしてデバイスアドレスと設定されたアドレスとが一致する場合、通信制御回路12は、駆動コマンドが自装置宛てであると判定する。
なお、駆動制御装置1に設定されるアドレスは、例えば、通信制御回路12が有する不揮発性メモリ内に予め書き込まれてもよい。あるいは、通信制御回路12がアドレス設定用の複数のアドレス端子を有してもよい。この場合、各アドレス端子は、2進数のそれぞれの桁に対応し、接地されたアドレス端子に相当する桁の値を'0'、接地されていないアドレス端子に相当する桁の値を'1'とする。これにより、接地するアドレス端子の組み合わせを変えることで、駆動制御装置1に任意のアドレスが設定される。
一方、通信制御回路12は、演出用CPUから情報取得要求コマンドを受信すると、その情報取得要求コマンドにより指定された情報を制御回路15またはレジスタ13から取得する。そして通信制御回路12は、その情報を含む応答信号を作成し、演出用CPUへその応答信号を出力する。
レジスタ13は、動作情報を少なくとも一つ記憶可能な記憶容量を持つ、いわゆる先入れ先出し(FIFO)方式のメモリ回路を有する。レジスタ13が有するメモリ回路は、例えば、揮発性の読み書き可能な半導体メモリ回路により構成される。
レジスタ13は、通信制御回路12により書き込まれた動作情報を記憶する。そしてその動作情報が制御回路15により読み出されるとその動作情報を消去する。
レジスタ13は、通信制御回路12により書き込まれた動作情報を記憶する。そしてその動作情報が制御回路15により読み出されるとその動作情報を消去する。
記憶回路14は、例えば、不揮発性のメモリ回路及び揮発性のメモリ回路を有する。そして記憶回路14は、DCモータ2へ供給される電力量に相当する駆動信号のデューティ比と対応するDCモータ2の回転速度の基準値との関係を表す基準回転速度テーブルを記憶する。
図6は、基準回転速度テーブルの一例を示す図である。基準回転速度テーブル600の左側の列の各欄には、それぞれ、デューティ比(単位%)が格納され、右側の列の各欄には、その左隣の欄に格納されたデューティ比に対応する回転速度の基準値(単位rpm)が格納されている。なお、回転速度の基準値は、例えば、駆動制御装置1が実際に駆動するDCモータに限らず、市販されている様々なDCモータの何れか、あるいは仮想的なDCモータについて、所定の負荷が掛かっている場合の各デューティ比に対する回転速度とすることができる。また所定の負荷は、例えば、遊技機に実装される可動役物をDCモータ2で駆動する場合において想定される負荷の範囲内の何れかの値またはゼロとすることができる。
さらに、記憶回路14は、回転速度テーブル作成処理により、基準回転速度テーブルに基づいて作成される、駆動信号のデューティ比と対応するDCモータ2の実際の回転速度との関係を表す回転速度テーブルを記憶する。なお、回転速度テーブル作成処理の詳細については後述する。
制御回路15は、例えば、プロセッサ及び周辺回路を有する。そして制御回路15は、回転速度テーブル作成処理を実行することにより、基準回転速度テーブルから回転速度テーブルを作成する。また制御回路15は、レジスタ13から読み出した動作情報を参照して、その動作情報に指定された目標回転速度のビット列と、回転速度との関係を表すテーブル(図示せず)を参照して、そのビット列の値に対応する回転速度を特定する。そして制御回路15は、回転速度テーブルを参照して、その回転速度に対応する、駆動信号のデューティ比を決定する。その際、制御回路15は、動作情報で指定された回転速度が、回転速度テーブルに格納された何れの回転速度とも一致しない場合、回転速度テーブルにおいて指定された回転速度に最も近い二つの回転速度を検出し、その二つの回転速度に対応する二つのデューティ比に対して線形補間を行うことで、指定された回転速度に対応するデューティ比を決定すればよい。そして制御回路15は、動作情報で指定された回転方向及びデューティ比を駆動信号生成回路16へ通知する。
さらに、制御回路15は、駆動コマンドの実行中において、いわゆるフィードバック制御により、指定されたデューティ比に対するDCモータ2の実際の回転速度と、回転速度テーブルに規定された回転速度との差を求め、その差を打ち消すためのデューティ比の補正量を求め、その補正量に応じてデューティ比を補正する。
まず、回転速度テーブル作成処理について説明する。
図7は、回転速度テーブル作成処理の動作フローチャートである。制御回路15は、例えば、遊技の実行がなされていない任意のタイミング、例えば、遊技機の起動時において、この動作フローチャートに従って回転速度テーブル作成処理を実行する。なお、制御回路15は、遊技機の起動時に毎回回転速度テーブル作成処理を実行してもよく、あるいは、製品出荷時のみ、1週間あるいは1か月に1回のみ、回転速度テーブル作成処理を実行してもよい。さらには、制御回路15は、前回の回転速度テーブル作成処理が行われてから所定期間(例えば、6時間、12時間、24時間)が経過する度、あるいは、前回の回転速度テーブル作成処理の実行時の環境条件から一定以上環境条件が変化する度(例えば、遊技盤周囲の温度が30℃以上変化した場合)に、遊技の実行がなされていない間に回転速度テーブル作成処理を実行してもよい。
図7は、回転速度テーブル作成処理の動作フローチャートである。制御回路15は、例えば、遊技の実行がなされていない任意のタイミング、例えば、遊技機の起動時において、この動作フローチャートに従って回転速度テーブル作成処理を実行する。なお、制御回路15は、遊技機の起動時に毎回回転速度テーブル作成処理を実行してもよく、あるいは、製品出荷時のみ、1週間あるいは1か月に1回のみ、回転速度テーブル作成処理を実行してもよい。さらには、制御回路15は、前回の回転速度テーブル作成処理が行われてから所定期間(例えば、6時間、12時間、24時間)が経過する度、あるいは、前回の回転速度テーブル作成処理の実行時の環境条件から一定以上環境条件が変化する度(例えば、遊技盤周囲の温度が30℃以上変化した場合)に、遊技の実行がなされていない間に回転速度テーブル作成処理を実行してもよい。
制御回路15は、基準回転速度テーブルに規定された回転速度の基準値B(第1の回転速度)に対応するデューティ比を駆動信号生成回路16へ通知し、そのデューティ比に応じた駆動信号をモータ駆動回路3へ出力させて、DCモータ2を正転させる(ステップS101)。なお、回転速度の基準値Bに対応するデューティ比は、例えば、100%、あるいは、使用頻度の高いデューティ比、例えば、60%〜70%に設定される。
制御回路15は、そのデューティ比でDCモータ2を駆動中の所定の単位時間当たりのロータリーエンコーダ4からの検知信号の数に基づいて、正転時におけるDCモータ2の実際の回転速度L(第2の回転速度)を測定する(ステップS102)。そして制御回路15は、実際の回転速度Lに対する、基準回転速度テーブルに格納された、そのデューティ比に対する回転速度の基準値Bの比(B/L)を、実際の回転速度Lと基準値Bの差を打ち消す補正係数Vとして算出する(ステップS103)。例えば、図6に示されるように、所定のデューティ比が100%であり、そのデューティ比に対応する回転速度の基準値Bが5000rpmであったとする。この場合に、DCモータ2の実際の回転速度が4000rpmであったとすると、補正係数V=(5000/4000)=1.25となる。
制御回路15は、そのデューティ比でDCモータ2を駆動中の所定の単位時間当たりのロータリーエンコーダ4からの検知信号の数に基づいて、正転時におけるDCモータ2の実際の回転速度L(第2の回転速度)を測定する(ステップS102)。そして制御回路15は、実際の回転速度Lに対する、基準回転速度テーブルに格納された、そのデューティ比に対する回転速度の基準値Bの比(B/L)を、実際の回転速度Lと基準値Bの差を打ち消す補正係数Vとして算出する(ステップS103)。例えば、図6に示されるように、所定のデューティ比が100%であり、そのデューティ比に対応する回転速度の基準値Bが5000rpmであったとする。この場合に、DCモータ2の実際の回転速度が4000rpmであったとすると、補正係数V=(5000/4000)=1.25となる。
補正係数Vが求まると、制御回路15は、基準回転速度テーブルに格納されている、各デューティ比に対応する回転速度の基準値を、それぞれ、補正係数Vで割ることにより、各デューティ比に対する実際の回転速度を推定する。そして制御回路15は、DCモータ2が正転する場合における、各デューティ比と対応する実際の回転速度の関係を表す正転用回転速度テーブルを作成する(ステップS104)。そして制御回路15は、その回転速度テーブルを、正転に対応するフラグとともに記憶回路14に書き込む。
図8は、回転速度テーブルの一例を示す図である。図8に示された回転速度テーブル800の左側の列の各欄には、それぞれ、デューティ比(単位%)が格納され、右側の列の各欄には、その左隣の欄に格納されたデューティ比に対応する回転速度(単位rpm)が格納されている。なお、回転速度テーブル800は、図6に示された基準回転速度テーブル600における各デューティ比の回転速度を、補正係数V=1.25で補正した場合に得られるものである。
再度図7を参照すると、制御回路15は、基準回転速度テーブルに規定された回転速度の基準値Bに対応するデューティ比を駆動信号生成回路16へ通知し、そのデューティ比に応じた駆動信号をモータ駆動回路3へ出力させて、DCモータ2を逆転させる(ステップS105)。なお、このデューティ比は、ステップS101においてDCモータ2を正転させる際のデューティ比と同一である。制御回路15は、そのデューティ比でDCモータ2を駆動中の所定の単位時間当たりのロータリーエンコーダ4からの検知信号の数に基づいて、逆転時におけるDCモータ2の実際の回転速度L'(第3の回転速度)を測定する(ステップS106)。そして制御回路15は、そのデューティ比における、正転時の回転速度Lと逆転時の回転速度L'の差の絶対値ΔL(=|L-L'|)が、所定の閾値Th以上か否か判定する(ステップS107)。なお、所定の閾値Thは、例えば、駆動コマンドの実行時にフィードバック制御によりデューティ比を補正することで、正転時と逆転時とで同じ回転速度テーブルに基づいてデューティ比を決定できる回転速度差の上限値、例えば、2000rpmに設定される。ΔLが所定の閾値Th未満であれば(ステップS107−No)、制御回路15は、正転時と逆転時とで、同じ回転速度テーブルを利用できる。そのため、制御回路15は、記憶回路14に既に記憶した回転速度テーブルに逆転に対応するフラグを関連付けて、その回転速度テーブルを、正転・逆転両用に設定する(ステップS108)。その後、制御回路15は、回転速度テーブル作成処理を終了する。
一方、ΔLが所定の閾値Th以上であれば(ステップS107−Yes)、制御回路15は、正転時と逆転時とで、同じ回転速度テーブルを利用できない。そこで制御回路15は、実際の回転速度L'に対する回転速度の基準値Bの比(B/L')を、実際の回転速度L'と基準値Bの差を打ち消す補正係数V'として算出する(ステップS109)。そして制御回路15は、基準回転速度テーブルに格納されている、各デューティ比に対応する回転速度の基準値を、それぞれ、補正係数V'で割ることにより、各デューティ比に対する実際の回転速度を推定する。そして制御回路15は、DCモータ2が逆転する場合における、各デューティ比と対応する実際の回転速度の関係を表す逆転用回転速度テーブルを作成する(ステップS110)。そして制御回路15は、その回転速度テーブルを、逆転に対応するフラグとともに記憶回路14に書き込む。その後、制御回路15は、回転速テーブル作成処理を終了する。
制御回路15は、回転速度テーブルが作成されると、駆動コマンドの実行時に、その駆動コマンドの動作情報で指定された回転方向に応じて、使用する回転速度テーブルを選択する。そして制御回路15は、選択した回転速度テーブルを参照して、その駆動コマンドの動作情報で指定された回転速度に対応するデューティ比を決定し、そのデューティ比及び回転方向を駆動信号生成回路16へ通知する。これにより、駆動信号生成回路16は、指定された回転方向でDCモータ2を回転させる、そのデューティ比を持つPWM信号をモータ駆動回路3へ出力する。その際、制御回路15は、ロータリーエンコーダ4から受信した検知信号に基づいて、駆動中のDCモータ2の実際の回転速度を測定し、必要に応じてデューティ比の補正量を求め、その補正量を用いてデューティ比を補正することで、DCモータ2の回転速度を駆動コマンドで指定された回転速度に保つ。
図9は、回転速度調節処理の動作フローチャートである。制御回路15は、DCモータ2の動作中、この動作フローチャートに従って、駆動コマンドで指定された回転速度を保つようにデューティ比を決定する。
制御回路15は、レジスタ13から読み出した動作情報に含まれる回転方向フラグに従って、その動作情報で指定された回転方向に対応する回転速度テーブルを記憶回路14から読み出す(ステップS201)。そして制御回路15は、その動作情報に含まれる回転速度の指定値Pに対応するデューティ比を、読み出した回転速度テーブルを参照して決定する(ステップS202)。制御回路15は、その所定のデューティ比でDCモータ2を駆動中の所定の単位時間当たりのロータリーエンコーダ4からの検知信号の数に基づいて、DCモータ2の実際の回転速度αを測定する(ステップS203)。なお、単位時間は、一つの動作コマンドで指定された動作の完了に要する時間よりも十分に短い時間、例えば、100msec〜500msecに設定される。そして制御回路15は、回転速度の実測値αと動作情報で指定された回転速度の指定値Pとを比較する(ステップS204)。
実測値αと指定値Pの差が回転速度の許容誤差以下である場合、制御回路15は、ステップS203以降の処理を繰り返す。
一方、実測値αが、指定値Pに対して回転速度の許容誤差より速い場合、制御回路15は、指定値Pに対する実測値αの比(α/P)を、速度補正指標Cとして算出する(ステップS205)。そして制御回路15は、速度補正指標Cが1.2以下か否か判定する(ステップS206)。速度補正指標Cが1.2以下である場合(ステップS206−Yes)、制御回路15は、デューティ比の設定値を、現在の設定値よりも回転速度テーブル上で1段階低下させる(ステップS207)。
一方、速度補正指標Cが1.2より大きい場合(ステップS206−No)、制御回路15は、デューティ比の設定値を、現在の設定値よりも回転速度テーブル上で2段階低下させる(ステップS208)。
ステップS207またはS208の後、制御回路15は、ステップS203以降の処理を繰り返す。
一方、実測値αが、指定値Pに対して回転速度の許容誤差より速い場合、制御回路15は、指定値Pに対する実測値αの比(α/P)を、速度補正指標Cとして算出する(ステップS205)。そして制御回路15は、速度補正指標Cが1.2以下か否か判定する(ステップS206)。速度補正指標Cが1.2以下である場合(ステップS206−Yes)、制御回路15は、デューティ比の設定値を、現在の設定値よりも回転速度テーブル上で1段階低下させる(ステップS207)。
一方、速度補正指標Cが1.2より大きい場合(ステップS206−No)、制御回路15は、デューティ比の設定値を、現在の設定値よりも回転速度テーブル上で2段階低下させる(ステップS208)。
ステップS207またはS208の後、制御回路15は、ステップS203以降の処理を繰り返す。
また、実測値αが、指定値Pに対して回転速度の許容誤差より遅い場合、制御回路15は、実測値αに対する指定値Pの比(P/α)を、速度補正指標Dとして算出する(ステップS209)。そして制御回路15は、速度補正指標Dが1.2以下か否か判定する(ステップS210)。速度補正指標Dが1.2以下である場合(ステップS210−Yes)、制御回路15は、デューティ比の設定値を、現在の設定値よりも回転速度テーブル上で1段階上昇させる(ステップS211)。
一方、速度補正指標Dが1.2より大きい場合(ステップS210−No)、制御回路15は、デューティ比の設定値を、現在の設定値よりも回転速度テーブル上で2段階上昇させる(ステップS212)。
ステップS211またはS212の後、制御回路15は、上昇後のデューティ比が回転速度テーブルに規定されたデューティ比の最大値(例えば、100%)を超えるか否か判定する(ステップS213)。上昇後のデューティ比が回転速度テーブルに規定されたデューティ比の最大値を超える場合(ステップS213−Yes)、制御回路15は、デューティ比をその最大値に設定する(ステップS214)。ステップS212にて、上昇後のデューティ比が回転速度テーブルに規定されたデューティ比の最大値以下の場合(ステップS213−No)、あるいはステップS214の後、制御回路15は、ステップS203以降の処理を繰り返す。
一方、速度補正指標Dが1.2より大きい場合(ステップS210−No)、制御回路15は、デューティ比の設定値を、現在の設定値よりも回転速度テーブル上で2段階上昇させる(ステップS212)。
ステップS211またはS212の後、制御回路15は、上昇後のデューティ比が回転速度テーブルに規定されたデューティ比の最大値(例えば、100%)を超えるか否か判定する(ステップS213)。上昇後のデューティ比が回転速度テーブルに規定されたデューティ比の最大値を超える場合(ステップS213−Yes)、制御回路15は、デューティ比をその最大値に設定する(ステップS214)。ステップS212にて、上昇後のデューティ比が回転速度テーブルに規定されたデューティ比の最大値以下の場合(ステップS213−No)、あるいはステップS214の後、制御回路15は、ステップS203以降の処理を繰り返す。
さらにまた、制御回路15は、駆動コマンドを実行する度に、そのコマンドの実行によりDCモータ2が回転を開始した後に、ロータリーエンコーダ4から受信した検知信号の数をカウントし、受信した検知信号の合計を、DCモータ2の総回転量とする。そして制御回路15は、その総回転量を記憶回路14に記憶する。
制御回路15は、DCモータ2の総回転量を更新する度に、コマンドに含まれる回転量データに指定された目標回転量と総回転量との差を、残回転量として算出する。なお、制御回路15は、残回転量が所定の閾値より少なくなると、駆動信号のデューティ比を、目標回転速度に対応するデューティ比よりも小さくしてもよい。そして制御回路15は、残回転量がゼロになると、すなわち、駆動コマンドにより指定された目標回転量だけDCモータ2が回転すると、DCモータ2を静止させることを駆動信号生成回路16に指示する。
駆動信号生成回路16は、例えば、出力するパルスの幅を変更可能な可変パルス生成回路と、可変パルス生成回路により生成された、駆動信号である周期的なパルス信号を、モータ駆動回路3の何れのスイッチへ出力するかを切り替えるスイッチ回路とを有する。そして駆動信号生成回路16は、制御回路15から通知されたデューティ比に従って、DCモータ2を駆動するための駆動信号をPWM方式に従って生成し、その駆動信号をモータ駆動回路3の何れかのスイッチへ出力する。なお、駆動信号の1周期の長さは、例えば、50μ秒である。例えば、制御回路15から通知された回転方向が正転である場合、駆動信号生成回路16は、モータ駆動回路3のスイッチTR1とTR4へ周期的なパルス信号を出力する。一方、制御回路15から通知された回転方向が逆転である場合、駆動信号生成回路16は、モータ駆動回路3のスイッチTR2とTR3へ周期的なパルス信号を出力する。
センサインターフェース回路17は、ロータリーエンコーダ4からの検知信号を受信するインターフェース回路を有する。そしてセンサインターフェース回路17は、検知信号を受信する度に、その検知信号を制御回路15へ出力する。
以上に説明してきたように、この駆動制御装置は、正転方向と逆転方向のそれぞれについて、所定のデューティ比について回転速度を測定し、その回転速度差の測定値に応じて、一つまたは二つの回転速度テーブルを作成する。そのため、この駆動制御装置は、正転時のDCモータの負荷と逆転時のDCモータの負荷の差が大きいときには、正転時と逆転時とで異なる回転速度テーブルを利用することで、指定された回転速度で正確にDCモータを回転させることができる。一方、正転時のDCモータの負荷と逆転時のDCモータの負荷の差が小さいときには、この駆動制御装置は、正転時と逆転時とで同じ回転速度テーブルを利用してデューティ比を決定できるようにするので、デューティ比の決定に要する処理を軽減できる。さらに、この駆動制御装置は、駆動コマンドの実行中にも、フィードバック制御により必要に応じてデューティ比を調節することで回転速度を一定に保つので、回転速度テーブル作成時と駆動コマンド作成時とで何らかの理由によりDCモータに掛かる負荷が変動したり、図1(b)に示される可動役物のように駆動する可動体の位置で直流モータに掛かる負荷が変動する場合でも、駆動コマンドで指定された回転速度でDCモータを回転させることができる。したがって、この駆動制御装置が搭載された遊技機は、可動役物といった可動体を、その可動体を駆動する直流モータに掛かる負荷によらず、所望の速度で移動させることができる。
変形例によれば、制御回路15は、回転速度テーブルの作成時において、基準回転速度テーブルに格納されている複数のデューティ比のそれぞれについて、実際の回転速度を測定し、その結果に基づいて各デューティ比の回転速度が実際の回転速度の測定値となるように、回転速度テーブルを作成してもよい。これにより、制御回路15は、デューティ比と実際の回転速度とが比例関係に無い場合でも、駆動コマンドで指定された回転速度でDCモータ2を回転させることができる。
また他の変形例によれば、制御回路15は、DCモータ2が駆動する可動役物の位置に応じて異なる回転速度テーブルを作成し、その位置に応じて使用する回転速度テーブルを切り替えるようにしてもよい。例えば、図1(b)に示されるように、可動役物が2段階に伸縮する構造を有している場合、可動役物の位置によってDCモータ2に掛かる負荷が異なる。そこで、例えば、制御回路15は、回転速度テーブル作成処理を実行する際、可動役物を、基準位置、例えば、可動役物の可動範囲の一端から動かし始め、DCモータ2に掛かる負荷が変化する位置までの間でDCモータ2の回転速度を測定することにより、一つの回転速度テーブルを作成する。そして制御回路15は、可動役物がその位置を過ぎた後に、再度DCモータ2の回転速度を測定することにより、別の回転速度テーブルを作成すればよい。ただし、この変形例においても、同じ電力量がDCモータ2に供給されている場合において、可動役物の位置による実際の回転速度の差が閾値Th未満であれば、制御回路は、可動役物の位置によらず、一つの回転速度テーブルのみを作成して、DCモータ2の回転速度の制御に利用してもよい。なお、可動役物の位置は、DCモータ2の回転量と一対一に対応するので、制御回路15は、ロータリーエンコーダ4からの検知信号の受信回数によってDCモータ2の回転量を求めることで、可動役物が負荷の変化する位置に達したか否かを判定すればよい。
さらに他の変形例によれば、駆動制御装置1は、DCモータ2を、PWM制御以外の方法、例えば、パルス高さ変調方式に従って制御してもよい。
上記の実施形態または変形例による駆動制御装置は、弾球遊技機または回胴遊技機といった遊技機に搭載されてもよい。
図10は、本発明の一つの実施形態による弾球遊技機100の概略正面図である。また図11は、弾球遊技機100の概略背面図である。図10に示すように、弾球遊技機100は、上部から中央部の大部分の領域に設けられ、遊技機本体である遊技盤101と、遊技盤101の下方に配設された球受け部102と、ハンドルを備えた操作部103と、遊技盤101の略中央に設けられた表示装置104とを有する。
また弾球遊技機100は、遊技の演出のために、遊技盤101の前面に配置された5個の可動役物部105−1〜105−5を有する。また遊技盤101の側方にはレール(図示せず)が配設されている。また遊技盤101上には多数の障害釘(図示せず)及び少なくとも一つの入賞装置(図示せず)が設けられている。
図10は、本発明の一つの実施形態による弾球遊技機100の概略正面図である。また図11は、弾球遊技機100の概略背面図である。図10に示すように、弾球遊技機100は、上部から中央部の大部分の領域に設けられ、遊技機本体である遊技盤101と、遊技盤101の下方に配設された球受け部102と、ハンドルを備えた操作部103と、遊技盤101の略中央に設けられた表示装置104とを有する。
また弾球遊技機100は、遊技の演出のために、遊技盤101の前面に配置された5個の可動役物部105−1〜105−5を有する。また遊技盤101の側方にはレール(図示せず)が配設されている。また遊技盤101上には多数の障害釘(図示せず)及び少なくとも一つの入賞装置(図示せず)が設けられている。
操作部103は、遊技者の操作によるハンドルの回動量に応じて図示しない発射装置より所定の力で遊技球を発射する。発射された遊技球は、レールに沿って上方へ移動し、多数の障害釘の間を落下する。そして遊技球が何れかの入賞装置に入ったことを、図示しないセンサにより検知すると、遊技盤101の背面に設けられた主制御回路110は、遊技球が入った入賞装置に応じた所定個の遊技球を玉払い出し装置(図示せず)を介して球受け部102へ払い出す。さらに主制御回路110は、遊技盤101の背面に設けられた演出用CPU111を介して表示装置104に様々な映像を表示させる。
可動役物部105−1〜105−5は、それぞれ、遊技の状態に応じて移動する可動体の一例であり、遊技盤101の背面に設けられた、本発明の実施形態またはその変形例による駆動制御装置112−1〜112−5が制御するDCモータ及びその駆動装置(図示せず)により駆動される。各駆動制御装置112−1〜112−5は、例えば、弾球遊技機100の起動時に、図7に示されたフローチャートに従って回転速度テーブルを作成する。
主制御回路110から演出用CPU111に伝達された遊技の状態を表す状態信号に基づいて、演出用CPU111は、可動役物部105−1〜105−5の目標座標及び目標移動速度を決定し、その決定に従った駆動コマンドを生成する。そして演出用CPU111は、生成した駆動コマンドを駆動制御装置112−1〜112−5へ出力する。そして、各駆動制御装置112−1〜112−5は、回転速度テーブルを参照して、その駆動コマンドに含まれる回転速度でDCモータを回転させ、それにより、可動役物部105−1〜105−5を動作させる。
このように、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。
1 駆動制御装置
2 DCモータ
3 モータ駆動回路
4 ロータリーエンコーダ
11 通信インターフェース回路
12 通信制御回路
13 レジスタ
14 記憶回路
15 制御回路
16 駆動信号生成回路
17 センサインターフェース回路
100 弾球遊技機
101 遊技盤
102 球受け部
103 操作部
104 表示装置
105−1〜105−5 可動役物部
110 主制御回路
111 演出用CPU
112−1〜112−5 駆動制御装置
2 DCモータ
3 モータ駆動回路
4 ロータリーエンコーダ
11 通信インターフェース回路
12 通信制御回路
13 レジスタ
14 記憶回路
15 制御回路
16 駆動信号生成回路
17 センサインターフェース回路
100 弾球遊技機
101 遊技盤
102 球受け部
103 操作部
104 表示装置
105−1〜105−5 可動役物部
110 主制御回路
111 演出用CPU
112−1〜112−5 駆動制御装置
Claims (2)
- 遊技機本体と、
遊技機本体に移動可能に配置される可動体と、
前記可動体を駆動する直流モータと、
前記直流モータを制御する駆動制御装置と、
前記駆動制御装置に対して、遊技の状態に応じて前記可動体についての速度及び移動方向を決定し、前記速度に対応する前記直流モータの回転速度及び前記移動方向に対応する前記直流モータの回転方向を指定する駆動コマンドを前記駆動制御装置へ出力する演出制御部とを有し、
駆動制御装置は、
前記直流モータに供給する単位時間当たりの電力量と直流モータの回転速度の基準値との関係を表す基準回転速度テーブルを記憶する記憶回路と、
単位時間当たりの電力量に応じた駆動信号を生成し、該駆動信号を前記直流モータへ出力する駆動信号生成回路と、
前記基準回転速度テーブルに従って、第1の回転速度に対応する第1の電力量に応じた駆動信号を前記駆動信号生成回路に出力させて第1の回転方向に前記直流モータを回転させたときの実際の回転速度である第2の回転速度と前記第1の回転速度との差を打ち消す第1の補正値を算出し、該第1の補正値で前記基準回転速度テーブルに格納された前記回転速度の基準値を補正することで、前記第1の方向について単位時間当たりの電力量と前記直流モータの回転速度の関係を表す第1の回転速度テーブルを作成し、前記駆動コマンドによって前記第1の回転方向に前記直流モータを回転させることが指定されると、該第1の回転速度テーブルに従って、前記駆動コマンドで指定された回転速度に対応する単位時間当たりの電力量を決定し、該決定した電力量を前記駆動信号生成回路に通知することで前記直流モータを前記第1の回転方向に回転させる制御回路と、
を有し、
前記制御回路は、前記基準回転速度テーブルに従って、前記第1の電力量に応じた駆動信号を前記駆動信号生成回路に出力させて第2の回転方向に前記直流モータを回転させたときの実際の回転速度である第3の回転速度と前記第2の回転速度の差の絶対値が所定の閾値以上の場合、前記第1の回転速度と前記第3の回転速度の差を打ち消す第2の補正値を算出し、該第2の補正値で前記基準回転速度テーブルに格納された前記回転速度の基準値を補正することで、前記第2の方向について単位時間当たりの電力量と前記直流モータの回転速度の関係を表す第2の回転速度テーブルを作成し、前記駆動コマンドによって前記第2の回転方向に前記直流モータを回転させることが指定されると、該第2の回転速度テーブルに従って、前記駆動コマンドで指定された回転速度に対応する単位時間当たりの電力量を決定し、該決定した電力量を前記駆動信号生成回路に通知することで前記直流モータを前記第2の回転方向に回転させることを特徴とする遊技機。 - 前記駆動制御装置の前記制御回路は、前記第3の回転速度と前記第2の回転速度の差の絶対値が前記所定の閾値未満の場合、前記第2の回転方向に前記直流モータを回転させることが指定されると、前記第1の回転速度テーブルに従って、指定された回転速度に対応する単位時間当たりの電力量を決定し、該決定した電力量を前記駆動信号生成回路に通知することで前記直流モータを前記第2の回転方向に回転させる、請求項1に記載の遊技機。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017023228A (ja) * | 2015-07-17 | 2017-02-02 | 株式会社オリンピア | 遊技機 |
US20230049456A1 (en) * | 2021-08-16 | 2023-02-16 | Anpec Electronics Corporation | Rotation locking system of motor of fan |
-
2013
- 2013-06-06 JP JP2013120094A patent/JP2014236809A/ja active Pending
Cited By (3)
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