JP2014236747A - 発光測定方法および発光測定システム - Google Patents

発光測定方法および発光測定システム Download PDF

Info

Publication number
JP2014236747A
JP2014236747A JP2014166879A JP2014166879A JP2014236747A JP 2014236747 A JP2014236747 A JP 2014236747A JP 2014166879 A JP2014166879 A JP 2014166879A JP 2014166879 A JP2014166879 A JP 2014166879A JP 2014236747 A JP2014236747 A JP 2014236747A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
luminescence
atp
luciferase
measurement
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014166879A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5927251B2 (ja
Inventor
竜太郎 秋吉
Ryutaro Akiyoshi
竜太郎 秋吉
浩文 鈴木
Hirofumi Suzuki
浩文 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2014166879A priority Critical patent/JP5927251B2/ja
Publication of JP2014236747A publication Critical patent/JP2014236747A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5927251B2 publication Critical patent/JP5927251B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/75Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated
    • G01N21/76Chemiluminescence; Bioluminescence
    • G01N21/763Bioluminescence
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T442/00Fabric [woven, knitted, or nonwoven textile or cloth, etc.]
    • Y10T442/10Scrim [e.g., open net or mesh, gauze, loose or open weave or knit, etc.]
    • Y10T442/184Nonwoven scrim
    • Y10T442/188Metal or metal-coated fiber-containing scrim

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

【課題】生体試料中に対象物質が所定値以上存在する場合であっても、当該物質の量に応じた発光強度を得ることができ、定量的な測定をすることができる発光測定方法及び発光システムの提供。
【解決手段】生体試料からの発光を測定する発光測定方法に用いるルシフェラーゼであって、ヤエヤマヒメボタルに由来し、特定な配列からなる塩基配列を含むDNAに基づいて生成され、Km値が364μM以上であることを特徴とするルシフェラーゼ。前記生体試料に存在するATPと反応し得るルシフェラーゼ。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体試料(例えば細胞を含む試料)を観察する発光測定方法および発光測定システムに関し、特に、生体試料中に過剰量存在する物質に対して定量的測定を行うための方法および発光測定システムに関するものである。
従来、発光酵素であるルシフェラーゼや、蛍光酵素であるGFPなどが、生体機能解析に用いられており、特に、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応等の発光を利用したアッセイは、蛍光を用いる場合と比較して、(1)S/Nがよい(2)定量性が高い(3)励起光による細胞毒性が無いなどの利点を持つため、実験手法として広く使用されている。
例えば、ルシフェラーゼアッセイは、定常的に発現させたルシフェラーゼによる発光強度を得ることにより生体試料中のATP量を定量的に測定することや、レポーター配列と共にルシフェラーゼ遺伝子を細胞に導入して発光強度を得ることにより目的遺伝子の発現レベルを観察すること等に用いられている。
また、その際、ルシフェラーゼアッセイの改良の一環として、発光酵素であるルシフェラーゼそのものを遺伝子工学的に改変することによって、耐熱性や高発光性等の特性を付与する手法が用いられている(非特許文献1参照)。
Bruce R. Branchini et al, Biochemistry ,2003, 42, 10429−10436
しかしながら、従来の発光酵素を用いた測定方法では、生体試料中に基質となる物質が所定値以上存在すると、当該基質の量に応じた発光強度の差異や変化を得ることが難しくなり測定対象を定量的に測定することが困難となるという問題がある。
特に、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応を用いたアッセイ系においてATPを定量的に測定する場合には、ATPが反応律速である必要があるが、ATP量がルシフェラーゼに対して飽和状態に近くなると、ATP依存的な発光強度を得ることが困難になるという問題がある。
また、当該物質が発光酵素に対して過剰量存在する場合には、遺伝子発現による発光強度に対して、極端な発光強度差が生じてしまい、同一の微弱光検出装置で同時に(例えば、同一の露光時間において)検出することが難しくなるという問題が発生する。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、生体試料中に対象物質が所定値以上存在する場合であっても、当該物質の量に応じた発光強度を得ることができ定量的な測定をすることができる発光測定方法および発光測定システムを提供することを目的とする。また、極端な発光強度差を解消し、同一の微弱光検出装置で同時に検出することができる発光測定方法および発光測定システムを提供することを目的とする。
本発明者による鋭意検討の結果、ATPのように生体試料(例えば、細胞)中に所定量以上存在するような物質に対しては、当該物質に対する親和性が低い発光関連物質を選択することにより良好な測定が可能となることが判明した。特に、ATP等の物質を定量的に測定する場合には、当該物質濃度がミカエリス・メンテン式においてVmax付近にならないようKm値が高い発光関連物質を選択することにより、当該物質を反応律速にすることができ、当該物質依存的な発光強度を得ることができることが判明した。また、配列に関して、ホタル属(Luciola)には数種のホタルが日本国内で知られているが、既に遺伝子配列が分かっているゲンジボタル(学名:Luciola cruciata,ルシフェラーゼ名は、本明細書においてGenjiと称している。)等に対して、実施の形態に示す実験で得られたようなKm値の違いがあることが分かった。このKm値の違いに着目して、目的に応じたルシフェラーゼを発光標識に使用することも本発明の重要な主旨の一つである。
すなわち、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる発光測定方法は、生体試料からの発光を測定する発光測定方法であって、前記生体試料中に所定量以上存在する物質と反応し、前記物質に依存して発光強度が定量可能となるようKm値が所定値以上である発光関連タンパク質を含む前記生体試料を作製する作製工程と、前記作製工程で作製した前記生体試料からの発光強度を測定する測定工程と、前記生体試料の領域および/または部位ごとに測定結果(前記測定工程で測定した前記発光強度に関する測定結果)を出力する出力工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる発光測定方法は、前記に記載の発光測定方法において、前記物質は、ATPであり、前記発光関連タンパク質は、ルシフェラーゼであり、前記Km値は、364μM以上であることを特徴とする。
また、本発明にかかる発光測定方法は、前記に記載の発光測定方法において、前記ルシフェラーゼは、配列番号1のDNA配列に基づいて生成されるヤエヤマヒメボタル由来のルシフェラーゼであることを特徴とする。
また、本発明にかかる発光測定方法は、前記に記載の発光測定方法において、前記測定工程が複数の細胞を含む生体試料を生物発光に基づく発光画像を撮像する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる発光測定方法は、前記に記載の発光測定方法において、前記測定工程が、細胞ごとに発光強度を計測する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる発光測定方法は、前記に記載の発光測定方法において、前記作製工程が、Km値の異なる複数の発光関連タンパク質を用いて作製されることを特徴とする。換言すると、前記作製工程において、前記生体試料が、Km値の異なる複数の発光関連タンパク質を用いて作製されることを特徴とする。
また、本発明にかかる発光測定方法は、前記に記載の発光測定方法において、前記測定工程が、Km値に応じた測定を実行することを特徴とする。換言すると、前記測定工程において、Km値に応じた測定が実行されることを特徴とする。
また、本発明にかかる発光測定方法は、前記に記載の発光測定方法において、前記出力工程が、Km値に応じた出力を実行することを特徴とする。換言すると、前記出力工程において、Km値に応じた出力が実行されることを特徴とする。
また、本発明は、前記に記載の発光測定方法を実行する発光測定システムであり、生体試料からの発光画像を取得するための撮像部と、前記撮像部により取得された発光画像を解析するための画像処理を行う画像解析部と、前記画像解析部による画像解析結果を出力する出力装置と、前記生体試料に使用された発光タンパク質のKm値に応じて前記撮像部および前記画像解析部を実行させるためのダイナミックレンジ調整部と、を具備することを特徴とする。
また、本発明にかかる発光測定システムは、前記に記載の発光測定システムにおいて、前記ダイナミックレンジ調整部が、複数の制御モードを有することを特徴とする。
また、本発明にかかる発光測定システムは、前記に記載の発光測定システムにおいて、前記生体試料における所望の領域および/または部位を指定するための入力装置と、前記入力装置により入力された情報を記憶する記憶部とをさらに備え、前記ダイナミックレンジ調整部が、撮像と画像解析を前記記憶部に記憶された情報と対応付けた出力内容を前記出力装置により出力させる(前記ダイナミックレンジ調整部が、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、前記撮像部および前記画像解析部を実行させ、当該情報に対応付けた前記画像結果を前記出力装置により出力させる)ことを特徴とする。
本発明によれば、生体試料中に所定量以上存在する物質と反応し、物質に依存して発光強度が定量可能となるようKm値が所定値以上である発光関連タンパク質を含む生体試料を作製し、作製した生体試料からの発光強度を測定し、生体試料の領域および/または部位ごとに測定結果を出力する。これにより、生体試料中に対象物質が所定値以上存在する場合であっても、当該物質の量に応じた定量的な測定をすることができ、また、極端な発光強度差が生じないよう調整することができる結果、同一の微弱光検出装置で多項目の検査を同時に行うことができるという効果を奏する。また、生体試料の複数の領域や同一細胞中の複数の部位を同時に測定することができ、取得した発光画像に関する領域(または部位)ごとの解析が可能となるという効果を奏する。
本発明によれば、物質はATPであり、発光関連タンパク質はルシフェラーゼであり、Km値は364μM以上であるので、ATPを律速にすることができ、ATPに依存して定量的な発光強度を得ることができるという効果を奏する。
本発明によれば、配列番号1のDNA配列に基づいて生成されるヤエヤマヒメボタル由来のルシフェラーゼを用いるので、他のルシフェラーゼに比べて、ATP依存的に大きな発光強度差を得ることができ、また、グロータイプの発光パターンを得ることができるという効果を奏する。特に、細胞内ATP濃度が薬剤処理によって1.35mMから0.65mMに低下した場合、ヤエヤマヒメボタル由来のルシフェラーゼ(Yaeyama)を使用すると、ミカエリス・メンテン式から反応速度は、Vmaxの約80%から約60%に低下すると予想され、反応速度において20%の差が生じるため、GL3を使用した場合(約5%の反応速度差)と比較して、Yaeyamaは検出を容易にするという効果を奏する。
本発明によれば、測定工程において、更に複数の細胞を含む生体試料を生物発光に基づく発光画像を撮像する。これにより、複数の細胞の領域および/または同一細胞内の複数の部位を同時に測定することができるという効果を奏する。
本発明によれば、測定工程において、更に細胞ごとに発光強度を計測する。これにより、細胞ごとに領域および/または部位を指定して、同時に複数の領域・部位を定量的に測定することが可能になるという効果を奏する。
本発明によれば、作製工程において、Km値の異なる複数の発光関連タンパク質を用いて生体試料が作製される。これにより、測定対象物質の量に大きな差異がある場合であっても、同時に定量的な測定を行うことができるという効果を奏する。
本発明によれば、測定工程において、Km値に応じた測定を実行する。これにより、発光関連タンパク質のKm値に応じて撮像間隔や露光時間等を変更して、定量的な測定を行うことができるという効果を奏する。例えば、ダイナミックレンジが幅広い生理活性物質の動態がどのように変化しているかという動態解析と、その生理活性物質の動態に関連するような特定遺伝子の転写がどのように調節されているかといった特定遺伝子の発現変動の解析を同じ細胞(または細胞群)について迅速ないしリアルタイムに実行することが可能になる。
本発明によれば、出力工程において、Km値に応じた出力を実行する。これにより、Km値に基づくダイナミックレンジに応じたパラメータ(配色、明暗、寸法、動画表示速度等)に基づく変換処理を施して出力することができるという効果を奏する。
本発明によれば、生体試料に使用された発光タンパク質のKm値に応じて生体試料からの発光画像を取得し、生体試料に使用された発光タンパク質のKm値に応じて発光画像を解析するための画像処理を行い、画像解析結果を出力する。これにより、Km値に応じてダイナミックレンジの異なる複数種類の測定対象を同一または異なる解析対象に対して実行することが可能となるという効果を奏する。
本発明によれば、更に複数の制御モードを有するダイナミックレンジの調整を行う。これにより、例えば、ATP等のダイナミックレンジが広い測定項目と、特定の遺伝子発現のような比較的ダイナミックレンジが狭い測定項目を同一の解析対象に対して実行し、同一画像上の各領域および/または部位を同時且つリアルタイムに追跡することができるという効果を奏する。
本発明によれば、入力装置を介して生体試料における所望の領域および/または部位を指定させ、入力装置により入力された情報を記憶部において記憶し、ダイナミックレンジ調整部により、記憶部に記憶された情報に基づいて、撮像部および画像解析部を実行させ、当該情報に対応付けた画像結果を出力装置により出力させる。これにより、発光関連タンパク質のKm値に応じてダイナミックレンジを調整し、ダイナミックレンジに応じた、撮像処理、解析処理、および出力処理を実行させることができ、ダイナミックレンジの異なる複数種類の測定対象を同一または異なる解析対象に対して実行することが可能となるという効果を奏する。
図1は、発光観察システム100の全体構成の一例を示す図である。 図2は、発光観察システム100の発光画像撮像ユニット106の構成の一例を示す図である。 図3は、発光観察システム100の発光画像撮像ユニット106の構成の一例を示す図である。 図4は、発光観察システム100の画像解析装置110の構成の一例を示すブロック図である。 図5は、実施例1により決定された、D−ルシフェリンおよびATPに対する各種ルシフェラーゼのKm値を示す図表である。 図6は、D−ルシフェリンの紫外可視光吸収スペクトルを示す図である。 図7は、ATPの紫外可視光吸収スペクトルを示す図である。 図8は、CBGのD−ルシフェリン濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフを示す図である。 図9は、CBGのD−ルシフェリン濃度に対するLineweaver−Burkプロットを示す図である。 図10は、CBGのD−ルシフェリン濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。 図11は、CBRのD−ルシフェリン濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフを示す図である。 図12は、CBRのD−ルシフェリン濃度に対するLineweaver−Burkプロットを示す図である。 図13は、CBRのD−ルシフェリン濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。 図14は、ELucのD−ルシフェリン濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフを示す図である。 図15は、ELucのD−ルシフェリン濃度に対するLineweaver−Burkプロットを示す図である。 図16は、ELucのD−ルシフェリン濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。 図17は、GenjiのD−ルシフェリン濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフを示す図である。 図18は、GenjiのD−ルシフェリン濃度に対するLineweaver−Burkプロットを示す図である。 図19は、GenjiのD−ルシフェリン濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。 図20は、GL3のD−ルシフェリン濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフを示す図である。 図21は、GL3のD−ルシフェリン濃度に対するLineweaver−Burkプロットを示す図である。 図22は、GL3のD−ルシフェリン濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。 図23は、YaeyamaのD−ルシフェリン濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフを示す図である。 図24は、YaeyamaのD−ルシフェリン濃度に対するLineweaver−Burkプロットを示す図である。 図25は、YaeyamaのD−ルシフェリン濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。 図26は、CBGのATP濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフを示す図である。 図27は、CBGのATP濃度に対するLineweaver−Burkプロットを示す図である。 図28は、CBGのATP濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。 図29は、CBRのATP濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフを示す図である。 図30は、CBRのATP濃度に対するLineweaver−Burkプロットを示す図である。 図31は、CBRのATP濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。 図32は、ElucのATP濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフを示す図である。 図33は、ElucのATP濃度に対するLineweaver−Burkプロットを示す図である。 図34は、ElucのATP濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。 図35は、GenjiのATP濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフを示す図である。 図36は、GenjiのATP濃度に対するLineweaver−Burkプロットを示す図である。 図37は、GenjiのATP濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。 図38は、GL3のATP濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフを示す図である。 図39は、GL3のATP濃度に対するLineweaver−Burkプロットを示す図である。 図40は、GL3のATP濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。 図41は、YaeyamaのATP濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフを示す図である。 図42は、YaeyamaのATP濃度に対するLineweaver−Burkプロットを示す図である。 図43は、YaeyamaのATP濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。 図44は、ルミノメーターで取得したフォトンカウント値よりLineweaver−BurkプロットとHanes−Woolfプロットを作成してKm値を算出した結果をまとめた図表である。 図45は、ルミノメーター(クロノス)による細胞内ATP量測定におけるELucの発光変化量を示す図である。 図46は、ルミノメーター(クロノス)による細胞内ATP量測定におけるGL3の発光変化量を示す図である。 図47は、ELuc発現HeLa細胞における、薬剤刺激直後の発光イメージング画像を示す図である。 図48は、図47における矩形で囲った画像(1〜7)から解析された、それぞれの細胞(ELuc発現HeLa細胞:1〜7)におけるSTS刺激後の発光強度変化を示す図である。 図49は、実施例4の実験手順および実験条件において、刺激前(細胞刺激によるアポトーシス誘導前)に撮像した発光画像を示す一例である。 図50は、図49に示した発光画像において、3つの測定領域(ROI:region of interest)を指定した場合の画像を示す図である。 図51は、3つの測定領域における発光輝度値とそのグラフを示す図である。
以下に、本発明にかかる発光測定方法および発光測定システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
特に以下の実施の形態においては、本発明を発光イメージングに適用した例について説明することがあるが、この場合に限られず、例えばルミノメーターによる測定方法としても同様に適用することができる。
まず、本発明にかかる発光測定方法(具体的には測定工程および出力工程)で用いる発光観察システム(発光測定システム)100の構成について、図1、図2および図3を参照して説明する。図1は、発光観察システム100の全体構成の一例を示す図である。
図1に示すように、発光観察システム100は、生体試料102を収納した容器103(具体的にはシャーレ、スライドガラス、マイクロプレート、ゲル支持体、微粒子担体など)と、容器103を配置するステージ104と、発光画像撮像ユニット106と、画像解析装置110と、で構成されている。ここで、発光観察システム100は、微弱な発光を測定するための発光画像撮像ユニット106をステージ104の下側に配置してもよく、これにより、カバー開閉によるサンプル上方からの外乱光を完全に遮断できて発光画像のS/N比を増すことができる。発光画像撮像ユニット106は、レーザー走査式の光学系であってもよい。
生体試料102は、例えば、発光関連遺伝子を導入することにより得られる、発光関連蛋白質を含む生きた細胞である。この生体試料102は、発光関連蛋白質と反応する物質が所定量以上含まれており、発光関連蛋白質には、当該物質に依存して発光強度が定量可能となるようKm値が所定値以上であるものが採用されている。ここで、解析対象としては、細胞を含む生体組織、該生体組織を含む各種臓器または器官であってもよく、それら生体組織、臓器または器官を含むような胚ないし生物個体であってもよい。解析対象を保持するためのまた、ステージ104は、解析対象の種類、大きさ、個数等に応じて、所望の解析期間内に対象を発光観察用の視野(好ましくは光軸上)から解析すべき特定の細胞(1以上)が外れないような設計(例えば対象用の固定器具、ステージの追従機構)を設けるようにしてもよい。
発光画像撮像ユニット106は、具体的には正立型の発光顕微鏡であり、生体試料102の発光画像を撮像する。発光画像撮像ユニット106は、図示の如く、対物レンズ106aと、ダイクロイックミラー106bと、CCDカメラ106cと、結像レンズ106fと、で構成されている。対物レンズ106aは、具体的には、(開口数/倍率)の値が0.01以上のものである。ダイクロイックミラー106bは、生体試料102から発せられた発光を色別に分離し、2色の発光を用いて発光量や発光強度を色別に測定する場合に用いる。CCDカメラ106cは、対物レンズ106a、ダイクロイックミラー106bおよび結像レンズ106fを介して当該CCDカメラ106cのチップ面に投影された生体試料102の発光画像および明視野画像を撮る。また、CCDカメラ106cは、画像解析装置110と有線または無線で通信可能に接続される。ここで、生体試料102が撮像範囲中に複数存在する場合、CCDカメラ106cは、当該撮像範囲中に含まれる複数の生体試料102の発光画像および明視野画像を撮像してもよい。結像レンズ106fは、対物レンズ106aおよびダイクロイックミラー106bを介して当該結像レンズ106fに入射した像(具体的には生体試料102を含む像)を結像する。なお、図1では、ダイクロイックミラー106bで分離した2つの発光に対応する発光画像を2台のCCDカメラ106cで別々に撮像する場合の一例を示しており、1つの発光を用いる場合には、発光画像撮像ユニット106は、対物レンズ106a、1台のCCDカメラ106cおよび結像レンズ106fで構成されてもよい。
ここで、2色の発光を用いて発光量や発光強度を色別に測定する場合、発光画像撮像ユニット106は、図2に示すように、対物レンズ106aと、CCDカメラ106cと、スプリットイメージユニット106dと、結像レンズ106fと、で構成されてもよい。そして、CCDカメラ106cは、スプリットイメージユニット106dおよび結像レンズ106fを介して当該CCDカメラ106cのチップ面に投影された生体試料102の発光画像(スプリットイメージ)および明視野像を撮像してもよい。スプリットイメージユニット106dは、サンプル102から発せられた発光を色別に分離し、ダイクロイックミラー106bと同様、2色の発光を用いて発光量や発光強度を色別に測定する場合に用いる。
また、複数色の発光を用いて発光量や発光強度を色別に測定する場合(つまり、多色の発光を用いる場合)、発光画像撮像ユニット106は、図3に示すように、対物レンズ106aと、CCDカメラ106cと、フィルターホイール106eと、結像レンズ106fと、で構成されてもよい。そして、CCDカメラ106cは、フィルターホイール106eおよび結像レンズ106fを介して当該CCDカメラ106cのチップ面に投影された生体試料102の発光画像および明視野画像を撮像してもよい。フィルターホイール106eは、生体試料102から発せられた発光をフィルター交換によって色別に分離し、複数色の発光を用いて発光量や発光強度を色別に測定する場合に用いる。
図1に戻り、画像解析装置110は、具体的にはパーソナルコンピュータである。そして、画像解析装置110は、図4に示すように、大別して、制御部112と、システムの時刻を計時するクロック発生部114と、記憶部116と、通信インターフェース部118と、入出力インターフェース部120と、入力装置122と、出力装置124と、で構成されており、これら各部はバスを介して接続されている。なお、図1ないし図4に示される構成は、本出願人による国際公開特許WO2006/106882(「所定部位発光量測定方法、所定部位発光量測定装置、発現量測定方法、および測定装置」と題する。)を参照することでより詳細に理解されてもよい。この国際公開特許は、同一細胞における2種類の医学的情報を蛍光画像と発光画像の両方を用いて解析する方法が開示されるので、本発明の別態様としてダイナミックレンジが異なる複数種類の蛍光標識用物質(例えばGFP,CFP,YFP、RFP等の蛍光関連タンパク質)を用いた解析方法への応用を含めることも可能である。また、生物発光と蛍光を組み合わせたBRET(生物発光共鳴エネルギー移動)であれば、生物発光を主体とする光現象であるため蛍光を励起するためのシステムが不要な利点がある。また、発光関連タンパク質としてはルシフェラーゼ以外にもオベリン等を利用することも可能である。
記憶部116は、ストレージ手段であり、具体的には、RAMやROM等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等を用いることができる。そして、記憶部116は制御部112の各部の処理により得られたデータなどを記憶する。通信インターフェース部118は、画像解析装置110と、CCDカメラ106cと、の間における通信を媒介する。すなわち、通信インターフェース部118は他の端末と有線または無線の通信回線を介してデータを通信する機能を有する。入出力インターフェース部120は、入力装置122や出力装置124に接続する。ここで、出力装置124には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる(なお、以下で、出力装置124をモニターとして記載する場合がある。)。また、入力装置122には、キーボードやマウスやマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニターを用いることができる。ここにおいて、使用者が、出力装置124としてのモニターに表示された発光画像に基づいて、所望の解析期間内に解析すべき1以上の特定の細胞(または細胞群)を含む関心領域または細胞内の関心部位及び測定項目を、入力装置122を介して指定することにより、観察視野内に指定された領域(または部位)の位置情報(アドレス)を記憶部116に記憶させる。この記憶情報は、複数の領域(または部位)または時系列の時間ごとに特定の細胞(または細胞群)を照合するような画像解析を可能にする。
また、使用者が、入力装置122を介して、ステージ104に供した対象に使用した発光関連タンパク質の種類(またはKm値そのもの)を入力することにより、入出力インターフェース120と制御部112の間において、ダイナミックレンジ調整部108が、使用される1以上の発光関連タンパク質に関する測定項目ごとのダイナミックレンジをルックアップテーブルのような予め記憶されたメモリ情報から特定し、照合されたダイナミックレンジに応じた制御モードを制御部112に対して指示するように構成されている。ここで、発光関連タンパク質の種類が特定されれば、該発光関連タンパク質を発光させる基質の種類は一義的に決まるので基質に対するKm値もルックアップテーブルに予め記憶するようにしてもよい。制御部112は、指示された制御モードによる各処理(撮像処理、画像取得処理、解析のための画像処理、解析結果出力処理)を記憶部118に記憶された指定領域(または部位)ごとのアドレスと対応付けながら各部(発光画像撮像指示部112a,発光画像取得部112b,画像解析部112c,解析結果出力部112d)に実行させる。さらに、取得された発光画像および/または解析結果に関する情報は、ダイナミックレンジ調整部108を通じて、ダイナミックレンジに応じた出力形式に変換して出力装置124の画面上にディスプレイされる。なお、蛍光関連タンパク質を用いた測定項目を組み合わせる場合には、蛍光関連タンパク質の種類(またはKm値そのもの)を入力装置122により入力するようにするのが好ましい。なお、発光関連タンパク質および/または蛍光関連タンパク質が改変等により、改変前と異なるKm値を有することが考えられるので、実際に使用するタンパク質のKm値を入力するようにするのが好ましい。
発光画像撮像指示部112aによるダイナミックレンジに応じた撮像指示としては、例えば、撮像間隔(例えば5秒以内のビデオモード、6秒から10分以内の中程度の間隔からなる動画モード、11分から120分以内の長い撮像間隔からなるタイムラプスモードの何れかまたは組み合わせ)が挙げられる。発光画像取得部112bによるダイナミックレンジに応じた取得指示としては、例えば、撮像素子(例えばCCDカメラ、CMOSカメラ等)の露光時間(1秒以内の短時間露光モード、2秒から10分以内の中程度の露光時間モード、6分から120分以内の長時間露光モード)が挙げられる。画像解析部112cにおいてはダイナミックレンジに応じた各種測定項目の解析を可能にするような演算アルゴリズムに基づいて、取得した発光画像に関する領域(または部位)ごとの解析が実行される。解析結果出力部112dにおいても、各種測定項目に応じた出力形式での出力(画像形式、数値形式、グラフ形式等)を行う。最後にダイナミックレンジ調整部108が、解析結果出力部112dより送出された各種解析結果を同一または異なる出力内容(画像、数値、グラフ等)に対して、ダイナミックレンジに応じたパラメータ(配色、色調、階調、明暗、寸法、動画表示速度の群から選ばれる)に基づく変換処理を施した上で出力装置124に表示させる。このようなシステムによれば、ダイナミックレンジの異なる、或いは測定項目に対応する被測定物質に対するKm値が異なる複数種類の測定対象を同一または異なる解析対象に対して実行することが可能となる。例えば、ATP等のダイナミックレンジが広い測定項目と、特定の遺伝子発現のような比較的ダイナミックレンジが狭い測定項目を同一の解析対象に対して実行し、同一画像上の各領域および/または部位を同時且つリアルタイムに追跡できる利点を有する。なお、この例では、明視野画像も取得して発光画像と重ね合わせることにより、発光画像としての細胞ごとの識別を可能になっているものとするが、撮像素子または発光試薬(ルシフェラーゼ、ルシフェリン、その他添加物)が高感度であるならば、明視野画像の重ね合わせは必須ではない。また、目的に応じて、後述するようなグロータイプやフラッシュタイプの各種発光タンパク質を同一の生体試料に対して同時に標識するように作製しても、上記システムにより撮像および解析可能であることから、組み合わせたマルチアッセイも可能である。
制御部112は、OS(Operating System)等の制御プログラムや各種の処理手順等を規定したプログラムや所要データを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の処理を実行する。そして、制御部112は、大別して、発光画像撮像指示部112aと、発光画像取得部112bと、画像解析部112cと、解析結果出力部112dと、で構成されている。
発光画像撮像指示部112aは、通信インターフェース部118を介して、CCDカメラ106cへ発光画像および明視野画像の撮像を指示する。発光画像取得部112bは、CCDカメラ106cで撮像した発光画像および明視野画像を、通信インターフェース部118を介して取得する。制御部112は、発光画像撮像指示部112aを制御して、生体試料102の発光画像および明視野画像を繰り返し撮像する。
ここで、CCDカメラ106cで生体試料102の発光画像を撮像するにあたっては、発光関連タンパク質間で(例えば、一方をATP定量用のルシフェラーゼとし、他方を遺伝子発現解析用のルシフェラーゼとした場合)、極端な発光強度差が生じないよう適切なKm値を有する発光関連タンパク質が選択(例えば、ATP定量用ルシフェラーゼとして、遺伝子発現解析用ルシフェラーゼのKm値と比較して高いもの(Km=364(μM)以上のもの)が選択)されていることにより同時に同一の露光時間で撮像することができる。
画像解析部112cは、発光画像取得部112bで取得した発光画像に基づいて、各々の発光色の発光強度を定量的に測定する。画像解析部112cは、発光画像取得部112bで取得した複数の発光画像に基づいて、各々の発光色の発光強度の経時変化を定量的に測定する。解析結果出力部112dは、画像解析部112cでの解析結果を出力装置124に出力する。ここで、解析結果出力部112dは、画像解析部112cで得られた、各々の発光色の発光強度に関する時系列データを、グラフ化して出力装置124に表示してもよい。
以上が、本発明の発光測定方法で用いる発光観察システム(発光測定システム)の構成の一例である。なお、出力装置124は、数値データのグラフ以外にも、時系列の数値データの少なくとも一部に対応する複数の発光画像を動画または並列表示の形式でモニターに出力してもよい。このように、本発明によれば、ダイナミックレンジが幅広い生理活性物質の動態がどのように変化しているかという動態解析と、その生理活性物質の動態に関連するような特定遺伝子の転写がどのように調節されているかといった特定遺伝子の発現変動の解析を同じ細胞(または細胞群)について迅速ないしリアルタイムに実行することが可能になるので、医学的研究ならびに臨床上の用途(例えば治療、診断、予防医学のための薬剤に対する応答試験)において迅速且つ正確な情報を提供する。なお、本発明の方法を実行する解析システムとして蛍光撮像ユニットを組み合わせた場合には、蛍光撮像ユニットと発光画像ユニットとが同一のステージに対して互いに異なる光軸上に配置されていたり、互いに異なるステージ上に配置された別体の装置(例えば蛍光顕微鏡と発光顕微鏡)であったりしてもよく、同一または異なるステージ上に対して解析したい複数の対象を順次移動させながら撮像および解析を行うようにしてもよい。また、解析システムとしては、少なくとも図4に示されるような画像解析装置を具備していれば、上述した顕微鏡ベースのシステム以外の画像化システム(各種ファイバスコープ(例えば内視鏡)、画像解析型の分光測定装置(例えばルミノメータ))への適用も可能である。また、対象が生体から単離され培養または人為加工された生体試料(細胞、生体組織、臓器(または器官)等)である場合には、所望の解析期間中、生体活性が維持されるように適宜の培養装置と組み合わせたシステムとするのが好ましいが、個体である場合には培養装置の代わりに酸素および栄養等を適宜供給したり摂食させながら断続的に撮像することで同様の解析が可能である。
[実施例1]
[各種ルシフェラーゼの酵素学的性質と発光測定への応用]
実施例1として、本発明を適用することができる好適なKm値を持つルシフェラーゼを見出すため、市販のルシフェラーゼ(CBG,CBR,ELuc,Genji,GL3)の酵素学的性質(D−ルシフェリンおよびATPに対するKm値)決定を行った。
[実験方法1:D−ルシフェリンに対する各種ルシフェラーゼのKm値算出]
0.1M ATP溶液(Tris−HCl(pH 8.0))に、D−ルシフェリンを終濃度が5,10,20,40,80,160,320,640μMとなるように各々添加し、計8本のD−ルシフェリン濃度の異なる溶液を作成した。次に、0.1M Tris−HCl(pH 8.0)中で100μg/mlルシフェラーゼ溶液を調製した。
そして、各濃度のD−ルシフェリン溶液をそれぞれ96穴のウェルに50μlずつ分注した。次に、ルシフェラーゼ溶液をルミノメーターの標準ポンプに接続し、ルシフェラーゼ溶液をウェルに50μl添加すると同時に測定を開始するようなプログラムを準備した。
そして、プログラムを開始し、各D−ルシフェリン濃度におけるフォトンカウント値を測定した。得られた結果に基づいて、Lineweaver−BurkプロットおよびHanes−Woolfプロットを作成し、D−ルシフェリンに対する各ルシフェラーゼのKm値を決定した。ここで、Lineweaver−Burkプロットは、下記の式(1),Hanes−Woolfプロットは、下記の式(2)で表される。
[実験方法2:ATPに対する各種ルシフェラーゼのKm値算出]
1mM D−ルシフェリン溶液(Tris−HCl(pH 8.0))に、ATPを終濃度が10,20,40,80,160,320,640,1280μMとなるように各々添加し、計8本のATP濃度の異なる溶液を作成した。
次に、0.1M Tris−HCl(pH 8.0)中で100μg/mlルシフェラーゼ溶液を調製した。各濃度のATP溶液をそれぞれ96穴のウェルに50μlずつ分注した。
そして、ルシフェラーゼ溶液をルミノメーターの標準ポンプに接続し、ルシフェラーゼ溶液をウェルに50μl添加すると同時に測定を開始するようなプログラムを準備した。
プログラムを開始し、各ATP濃度におけるフォトンカウント値を測定し、得られた結果に基づいて、Lineweaver−BurkプロットおよびHanes−Woolfプロットを作成し、ATPに対する各種ルシフェラーゼのKm値を決定した。
[考察]
以上の実験結果から決定されたKm値を図5に示す。図5は、実施例1により決定された、D−ルシフェリンおよびATPに対する各種ルシフェラーゼのKm値を示す図表である。なお、図5において、括弧内はHanes−Woolfプロットを使用して算出したKm値であり、括弧外はLineweaver−Burkプロットを使用して算出したKm値である。
各ルシフェラーゼのKm値はKdと同様に扱うのが一般的であるため、値が小さいほどD−ルシフェリンまたはATPに対する親和性が高いと考えられる。図5に示すように、D−ルシフェリンに対する親和性の序列は、CBG>ELuc>GL3>CBR>Genjiということが確認された。
CBG,CBR,およびELucはヒカリコメツキ由来、GL3,およびGenjiがホタル由来であることを考慮すると、D−ルシフェリンに対する親和性はヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼの方が高い傾向が見られる。
また、ルミノメーターで計測した発光パターンもヒカリコメツキ由来のものとホタル由来のもので異なる結果が得られた。すなわち、ヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼが、ルシフェリン添加後5−6秒後に発光ピーク強度を持つのに対して、ホタル由来のルシフェラーゼはルシフェリン添加後0.5−1秒後に発光ピークを持つことを確認した。
このように、ルシフェラーゼの由来となる生物種によりフラッシュタイプ(短時間発光)とグロータイプ(長時間発光)に分かれる傾向があるので、測定や観察の目的に応じて所望のタイプのルシフェラーゼを選ぶことができる。
また、このような発光パターンの差は、P. pyralisのポイントミューテーションによって、D−ルシフェリンまたはATP結合部位近辺のルシフェラーゼのアミノ酸残基の違い(R218,F250,G315,T343等)によって生じることが報告されている(Bruce R. Branchini et al, Biochemistry ,2003, 42, 10429−10436参照)。
上記のアミノ酸残基は、減衰速度(decay rate)にも寄与することがわかっているため、各種ルシフェラーゼにおける当該アミノ酸残基を考慮することにより、遺伝子工学的手法を用いてフラッシュタイプやグロータイプなどの異なる発光パターンを示すルシフェラーゼを作成することができることが判明した。
一方、ATPに対する親和性の序列は、CBR>CBG,GL3>ELuc>Genjiということが確認された。すなわち、ELucおよびGenjiは、他のルシフェラーゼと比較してATPに対する親和性が低いという結果が得られた。
ここで、感受性が高いGL3などではわずかなATP量の変化を発光量に反映できず、ATP量が大幅に減衰するまで一定の発光強度を保つ可能性がある。すなわち、本願発明者による他の実験では、HeLa細胞にpGL3をトランスフェクションし、常時GL3を発現させた状態で、脱共役剤であるFCCP(carbonyl cyanide p−(trifluoromethoxy) phenylhydrazone)を用いて、ミトコンドリアにおけるATP産生を停止させた際の発光強度を、LUMINOVIEW(LV100)(商品名)で経時的に測定したが、刺激後測定を続けても発光強度は減衰しなかった。
定常状態のHeLa細胞の細胞質ATP濃度は、1.3mMと見積もられており(MV Zamaraeva et al, Cell Death and Differentiation,2005, 12, 1390−1397参照)、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応がミカエリス・メンテン式に従うと仮定すると、このATP濃度におけるGL3の反応速度はVmaxの約85%に達している。一方、FCCP処理後30分経過時点で、細胞質ATP濃度は定常状態の約50%になることが報告されているが(Takeshi Kubota et al, Biochimica et Biophysica Acta, 2005, 1744, 19−28)、GL3の0.65mM ATPでの反応速度はVmaxの約80%と予想される。すなわち、ルシフェラーゼの発現量が変化する細胞での測定系において、5%の反応速度差による発光変化を、ATP量の変化としてCCDカメラで検出することは困難だと考えられる。
これに対して、より親和性が低いルシフェラーゼを使用した場合、ミカエリス・メンテン式から予想される反応速度が遅くなって、薬剤処理によっても同様の速度差が生じるため、GL3を使用した場合と比較して検出が容易になると結論付けられる。
すなわち、ATPのように生体試料中に所定値以上存在する物質を定量的に測定する場合には、当該物質濃度がミカエリス・メンテン式においてVmax付近にならないようKm値が高い発光関連物質を選択することにより、比較的大きな反応速度差を得られる結果、発光強度の差を観察することが容易になることが判明した。好適には、細胞内ATP濃度を測定する際には、その細胞のATP量を見積もった上で、適切なKm値をもつルシフェラーゼを選択してもよい。このように、ATPに対する低い親和性(高いKm値)は、細胞内ATP濃度をルシフェリン−ルシフェラーゼ反応を用いて定量する際に有利な特性である。
また、ここで、ATPに対する親和性は、ATP結合部位近傍のポイントミューテーションによって変化させることができる(Bruce R. Branchini et al, Biochemistry ,2003, 42, 10429−10436参照)。すなわち、中程度から非常に低いATP親和性(中程度から非常に高いKm値)を持つルシフェラーゼ系列を作成することにより、多種類の細胞に対応した細胞内ATP測定系を構築してもよい。なお、ルシフェラーゼに変異を導入してATP親和性を調節する際には、発光強度が減少しないよう考慮してもよい。
また、上述した方法は、過剰量存在し得る生体関連物質の場合に当該物質に対する親和性が低いルシフェラーゼを使用して長期間測定ないし観察する検査方法を例にしたが、換言すれば、微小量しか存在し得ない生体関連物質の場合には当該物質に対する親和性が高いルシフェラーゼを選択してもよい。このように、多様な存在量を呈する各種生体関連物質に対して、各々の親和性を予め求めた上で、所望の検査項目に適当なルシフェラーゼを選択的に使用して、常に検査効率が高い測定ないし観察を行うことができる。
以上のように、本発明者による鋭意検討の結果、ATPのように生体、特に細胞中に過剰量存在するような物質に対しては、当該物質に対する親和性が低いルシフェラーゼを選択すると良好な測定が可能となることが判明した。特に、ATPに対する親和性について検討したところ、Km値が364μM以上、好ましくは500μM以上であるようなルシフェラーゼを選択することにより、生体中の定量的変化を正確に測定できることが判明した。また、遺伝子改変によって、Km値を調節することにより改変前のKm値が上記範囲外であるようなルシフェラーゼも利用可能性となる。かかるKm値を有するルシフェラーゼを用いて複数の細胞を含む生体試料を発光標識した場合には、生物発光に基づく発光画像を撮像することによって細胞ごとに発光強度を計測することが可能となる。さらに、発光画像に基づいて細胞ごとの形態変化も合わせた解析が可能になることから、例えば薬剤による刺激等に応じてアポトーシス等が誘起され形態的な収縮等の変化を細胞ごとに正確に特定することができるという有用な応用もまた、本発明の測定方法として提案できるようになる。ここで解析対象に対する刺激等は、薬物のような化学物質の添加や服用以外にも、電気・光・磁気・超音波等の物理エネルギーの付与が挙げられる。
すなわち、ルシフェラーゼを用いる生体関連物質の測定には、対象物質に対する親和性および発光基質に対する親和性を適切に組合せることによって、過剰量存在し得る物質であっても適切な測定条件で正確に定量測定(特に濃度変化の測定)できる。このことは、ごく微量な変化を検出する任意の検査、もしくは一細胞のように微弱光を発する物質の強度変化に基づく任意の検査に適用可能であることを示している。
[実施例2]
[ヤエヤマヒメボタル由来ルシフェラーゼと各種ルシフェラーゼとの酵素学的性質の比較]
本願発明者により新規に発見され抽出された、ヤエヤマヒメボタル(学名:Luciola filiformis yayeyamana)由来ルシフェラーゼと、上記各種ルシフェラーゼとの酵素学的性質とその応用について以下に説明する。
この実施例における背景として、現在市販のルシフェラーゼは既に遺伝子工学的な改変を施されており、技術的な進歩が困難な可能性があるという問題があった。このような状況を打開すべく、本発明者により新規ルシフェラーゼのスクリーニングが行われ、その結果、ヤエヤマヒメボタル由来のルシフェラーゼ遺伝子(配列番号1)が得られたので、このヤエヤマヒメボタルルシフェラーゼの酵素学的性質の決定を行った。すなわち、本実施例では、新規に取得したヤエヤマヒメボタル由来のルシフェラーゼの酵素学的性質(D−ルシフェリンおよびATPに対するKm値)の決定を行った。また、比較のために各社から販売されているルシフェラーゼ(CBG,CBR,ELuc,Genji,GL3)の酵素学的性質の決定も同時に行った。
ここで、配列に関して、ホタル属(Luciola)には数種のホタルが日本国内で知られているが、既に遺伝子配列が分かっているゲンジボタル(学名:Luciola cruciata,ルシフェラーゼ名は、本明細書においてGenjiと称している。)等に対して、以下に示す実験で得られたようなKm値の違いがあることが分かった。このKm値の違いに着目して、目的に応じたルシフェラーゼを発光標識に使用することが本発明の重要な主旨の一つである。
[実験方法1:D−ルシフェリンおよびATP原液の濃度算出]
まず、D−ルシフェリンの濃度算出のため、D−ルシフェリンの紫外可視光吸収スペクトルを測定した。ここでは、D−ルシフェリン(promega社製)原液(約100mM)の4000倍希釈溶液(in 0.1M Citrate/0.2M NaHPOバッファー,pH 5.0)を用いて測定した。ブランクは、上記バッファーを使用した。ここで、図6は、D−ルシフェリンの紫外可視光吸収スペクトルを示す図である。
図6のスペクトルより得られた吸光度(328nm, 0.467±0.006, n=10)を用いてD−ルシフェリン原液濃度を算出し(D−ルシフェリン:λmax 328nm,ε18200,pH 5.0)、算出の結果、D−ルシフェリン原液は102.6mMと算出された。
次に、ATPの濃度算出のため、ATPの紫外可視光吸収スペクトルを測定した。ここでは、ATP原液(約100mM)の2000倍希釈溶液(in 0.1M Citrate/0.2M NaHPOバッファー,pH 7.0)を用いて測定した。ブランクは、上記バッファーを使用した。ここで、図7は、ATPの紫外可視光吸収スペクトルを示す図である。
図7のスペクトルより得られた吸光度(259nm, 0.359±0.004, n=10)を用いてD−ルシフェリン原液濃度を算出し(ATP:λmax 259 nm, ε15400, pH 7.0)、算出の結果ATP原液は46.6mMと算出された。
[実験方法2:各種ルシフェラーゼの精製]
ルシフェラーゼの精製は、アフィニティクロマトグラフィによるルシフェラーゼ精製系を確立して、以下の手順で行った。
(大腸菌へのルシフェラーゼ発現ベクターのトランスフェクションの手順)
まず、ルシフェラーゼ発現ベクター0.5μlを大腸菌(JM109(DE3))50μlに導入した。そして、氷冷で10分間、42℃で1分間、氷冷で2分間の恒温処理後、大腸菌溶液2μlをSOC培地1mlに加えた。
そして、大腸菌/SOC培地混合溶液を37℃で20分間振とうインキュベートした後、100μlをLB培地プレート(Ampicillin 100μg/ml+)にストリークして、37℃オーバーナイトでインキュベートした。
(アフィニティクロマトグラフィによるルシフェラーゼの精製)
つぎに、大腸菌を破砕し、得られた粗抽出液からアフィニティクロマトグラフィでルシフェラーゼを精製した。
すなわち、まず、大腸菌懸濁液を15000rpm,5分間遠心し、回収した大腸菌ペレットを4℃冷却したTBS10mlに懸濁した。そして、FrenchPressureCellを用いて菌体破砕し、その菌体破砕液を遠心(15000rpm,10分間)して沈査を除去した上清を回収した。
そして、ベッドボリューム2mlのカラムにTBS2mlを加え、フィルターを通した。カラムにNi−Agar懸濁液500μlとTBS2mlを加え、TBSを自然落下させた(カラム平衡化)。回収した上清をカラムに添加し、自然落下させた。なお、上清が落ち切るまでの操作は冷蔵庫内にて4℃条件で行った。
次に、50mMイミダゾール/TBS溶液1mlでカラムを洗浄し、500mMイミダゾール/TBS溶液2mlをカラムに添加し、ルシフェラーゼを溶出させた。溶出液は10mlのチューブに回収し、すぐに氷冷した後、限外濾過による濃縮を行った。
そして、遠心濃縮チューブ(TaKaRa製SUPRECTM−02 (排除限界分子量30,000))に溶出液を400μlずつ移して遠心(5000rpm,30min)し、約100μlまで濃縮して、プレートリーダーで吸光度を測定し、BSAを用いて作成した検量線からルシフェラーゼ濃度を算出した。濃度算出後のルシフェラーゼ溶液は50%Glycerol溶液にして−20℃で保存した。
[実験方法3:D−ルシフェリンに対する各種ルシフェラーゼのKm値算出]
まず、4mM ATP,8mM MgSO溶液(in 0.1M Tris−HCl(pH 8.0))を調製した。つぎに、上記のATP溶液にD−ルシフェリンを終濃度が5,10,20,40,80,160,320,640μMとなるように各々添加し、計8本のD−ルシフェリン濃度の異なる溶液を作成した。
そして、100μg/mlルシフェラーゼ溶液(in 0.1M Tris−HCl(pH 8.0))を調製し、各濃度のD−ルシフェリン溶液をそれぞれ96穴のウェルに50μlずつ分注した。
そして、ルシフェラーゼ溶液をルミノメーターの標準ポンプに接続し、ルシフェラーゼ溶液をウェルに50μl添加すると同時に測定を開始するプログラムを準備した。
その後、プログラムを開始し、各D−ルシフェリン濃度におけるフォトンカウント値を測定した。なお、各D−ルシフェリン濃度において、同様の測定を5回ずつ行った。
得られた結果に基づいて、Lineweaver−BurkプロットおよびHanes−Woolfプロットを作成した。ここで、Lineweaver−Burkプロットは、下記の式(3),Hanes−Woolfプロットは、下記の式(4)で表される。なお、ここでは酵素液添加直後のフォトンカウント測定値を初速度として各プロットを作成した。
(V:反応速度、Vmax:最大速度、[S]:基質濃度、Km:ミカエリス定数)
以下に、各ルシフェラーゼのD−ルシフェリン濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、Lineweaver−Burkプロット、および、Hanes−Woolfプロットの結果を図8〜図25を参照して示す。
すなわち、図8は、CBGのD−ルシフェリン濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、図9は、CBGのD−ルシフェリン濃度に対するLineweaver−Burkプロット、図10は、CBGのD−ルシフェリン濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。
その結果、Lineweaver−Burkプロットから算出したD−ルシフェリンに対するCBGのKm値は10.5μM、Hanes−Woolfプロットから算出したD−ルシフェリンに対するCBGのKm値は10.5μMであった。
また、CBRに関して、図11は、CBRのD−ルシフェリン濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、図12は、CBRのD−ルシフェリン濃度に対するLineweaver−Burkプロット、図13は、CBRのD−ルシフェリン濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。
その結果、Lineweaver−Burkプロットから算出したD−ルシフェリンに対するCBRのKm値は36.4μM、Hanes−Woolfプロットから算出したD−ルシフェリンに対するCBRのKm値は63.8μMであった。
また、ELucに関して、図14は、ELucのD−ルシフェリン濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、図15は、ELucのD−ルシフェリン濃度に対するLineweaver−Burkプロット、図16は、ELucのD−ルシフェリン濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。
その結果、Lineweaver−Burkプロットから算出したD−ルシフェリンに対するELucのKm値は15.0μM、Hanes−Woolfプロットから算出したD−ルシフェリンに対するELucのKm値は15.0μMであった。
また、Genjiに関して、図17は、GenjiのD−ルシフェリン濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、図18は、GenjiのD−ルシフェリン濃度に対するLineweaver−Burkプロット、図19は、GenjiのD−ルシフェリン濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。
その結果、Lineweaver−Burkプロットから算出したD−ルシフェリンに対するGenjiのKm値は75.0μM、Hanes−Woolfプロットから算出したD−ルシフェリンに対するGenjiのKm値は75.0μMであった。
また、GL3に関して、図20は、GL3のD−ルシフェリン濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、図21は、GL3のD−ルシフェリン濃度に対するLineweaver−Burkプロット、図22は、GL3のD−ルシフェリン濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。
その結果、Lineweaver−Burkプロットから算出したD−ルシフェリンに対するGL3のKm値は33.3μM、Hanes−Woolfプロットから算出したD−ルシフェリンに対するGL3のKm値は25.0μMであった。
また、Yaeyama(ヤエヤマヒメボタル由来ルシフェラーゼ)に関して、図23は、YaeyamaのD−ルシフェリン濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、図24は、YaeyamaのD−ルシフェリン濃度に対するLineweaver−Burkプロット、図25は、YaeyamaのD−ルシフェリン濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。
その結果、Lineweaver−Burkプロットから算出したD−ルシフェリンに対するYaeyamaのKm値は100μM、Hanes−Woolfプロットから算出したD−ルシフェリンに対するYaeyamaのKm値は100μMであった。
[実験方法4:ATPに対する各種ルシフェラーゼのKm値算出]
ATPに対する各種ルシフェラーゼのKm値算出を行うために、まず、1mM D−ルシフェリンの8mM MgSO,0.1M Tris−HCl(pH 8.0)溶液を調製した。
つぎに、上記ルシフェリン溶液に、ATPを終濃度が10,20,40,80,160,320,640,1280μMとなるように各々添加し、計8本のATP濃度の異なる溶液を作成した。そして、100μg/mlルシフェラーゼの0.1M Tris−HCl(pH 8.0)溶液を調製した。そして、各濃度のATP溶液をそれぞれ96穴のウェルに50μlずつ分注した。
ルシフェラーゼ溶液をルミノメーターの標準ポンプに接続し、ルシフェラーゼ溶液をウェルに50μl添加すると同時に測定を開始するプログラムを作成した。
そして、プログラムを開始し、各ATP濃度におけるフォトンカウント値を測定した。なお、各ATP濃度において、測定を5回ずつ行った。
そして、得られた結果に基づいて、Lineweaver−Burkプロット、およびHanes−Woolfプロットを作成した。以下に、各ルシフェラーゼのATP濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、Lineweaver−BurkプロットおよびHanes−Woolfプロットの結果を、図26〜43を参照して示す。
すなわち、図26は、CBGのATP濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、図27は、CBGのATP濃度に対するLineweaver−Burkプロット、図28は、CBGのATP濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。
その結果、Lineweaver−Burkプロットから算出したATPに対するCBGのKm値は200μM、Hanes−Woolfプロットから算出したATPに対するCBGのKm値は290μMであった。
また、CBRに関して、図29は、CBRのATP濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、図30は、CBRのATP濃度に対するLineweaver−Burkプロット、図31は、CBRのATP濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。
その結果、Lineweaver−Burkプロットから算出したATPに対するCBRのKm値は110μM、Hanes−Woolfプロットから算出したATPに対するCBRのKm値は130μMであった。
また、Elucに関して、図32は、ElucのATP濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、図33は、ElucのATP濃度に対するLineweaver−Burkプロット、図34は、ElucのATP濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。
その結果、Lineweaver−Burkプロットから算出したATPに対するElucのKm値は364μM、Hanes−Woolfプロットから算出したATPに対するElucのKm値は250μMであった。
また、Genjiに関して、図35は、GenjiのATP濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、図36は、GenjiのATP濃度に対するLineweaver−Burkプロット、図37は、GenjiのATP濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。
その結果、Lineweaver−Burkプロットから算出したATPに対するGenjiのKm値は500μM、Hanes−Woolfプロットから算出したATPに対するGenjiのKm値は500μMであった。
また、GL3に関して、図38は、GL3のATP濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、図39は、GL3のATP濃度に対するLineweaver−Burkプロット、図40は、GL3のATP濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。
その結果、Lineweaver−Burkプロットから算出したATPに対するGL3のKm値は200μM、Hanes−Woolfプロットから算出したATPに対するGL3のKm値は200μMであった。
また、Yaeyamaに関して、図41は、YaeyamaのATP濃度上昇に伴う発光強度変化のグラフ、図42は、YaeyamaのATP濃度に対するLineweaver−Burkプロット、図43は、YaeyamaのATP濃度に対するHanes−Woolfプロットを示す図である。
その結果、Lineweaver−Burkプロットから算出したATPに対するYaeyamaのKm値は400μM、Hanes−Woolfプロットから算出したATPに対するYaeyamaのKm値は400μMであった。
[考察]
以上の結果、すなわち、ルミノメーターで取得したフォトンカウント値よりLineweaver−BurkプロットとHanes−Woolfプロットを作成し、このプロットからKm値を算出した結果をまとめた表を、図44に示す。なお、図44において、括弧内はHanes−Woolfプロットを使用して算出したKm値である。
各ルシフェラーゼのKm値は、Kdと同様に扱うのが一般的であるため、値が小さいほどD−ルシフェリンまたはATPに対する親和性が高いと考えられる。すなわち、D−ルシフェリンに対する親和性の序列は、CBG>ELuc>GL3>CBR>Genji>Yaeyamaとなる。
CBG,CBR,ELucはヒカリコメツキ由来、GL3,Genji,Yaeyamaがホタル由来であることを考慮すると、D−ルシフェリンに対する親和性はヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼの方が高い傾向が見られる。
また、データを示してはいないが、ルミノメーターで計測した発光パターンもヒカリコメツキ由来のものとホタル由来のもので異なる結果が得られた。すなわち、ヒカリコメツキ由来のルシフェラーゼがルシフェリン添加後5−6秒後に発光ピーク強度を持つ、いわゆるグロータイプの発光を示したのに対して、ホタル由来のルシフェラーゼはルシフェリン添加後0.5−1秒後に発光ピークを持つ、いわゆるフラッシュタイプの発光を示した。今回発明者らが取得出来たYaeyama由来のルシフェラーゼもルシフェリン添加後0.5−1秒後に発光ピークを持ったことから、フラッシュタイプであると判明した。
このような発光パターンの差は、P. pyralisのポイントミューテーションによって、D−ルシフェリンまたはATP結合部位近辺のルシフェラーゼのアミノ酸残基の違い(R218,F250,G315,T343等)によって生じることが報告されている(Bruce R. Branchini et al, Biochemistry ,2003, 42, 10429−10436参照)。
上記のアミノ酸残基は減衰速度(decay rate)にも寄与することがわかっているため、各種ルシフェラーゼにおける当該アミノ酸残基を考慮することにより、遺伝子工学的手法を用いてフラッシュタイプやグロータイプなどの異なる発光パターンを示すルシフェラーゼを作成することができることが判明した。
一方、ATPに対する親和性では序列は、CBR>CBG,GL3>ELuc>Yaeyama>Genjiということが確認された。Genjiには及ばないものの、Yaeyamaは他のルシフェラーゼと比較してATPに対する親和性が低いという結果が得られた。このATPに対する低い親和性は、細胞内ATP濃度をルシフェリン−ルシフェラーゼ反応を用いて定量する際に有利な特性である。
ここで、感受性が高いGL3などではわずかなATP量の変化を発光量に反映できず、ATP量が大幅に減衰するまで一定の発光強度を保つ可能性がある。すなわち、本願発明者によって行われた他の実験では、HeLa細胞にpGL3をトランスフェクションし、常時GL3を発現させた状態で、脱共役剤FCCPを用いて、ミトコンドリアにおけるATP産生を停止させた際の発光強度をLUMINOVIEW(LV100)(商品名)で経時的に測定したが、刺激後測定を続けても発光強度は減衰しなかった。
定常状態のHeLa細胞の細胞質ATP濃度は1.3mMと見積もられており(MV Zamaraeva et al, Cell Death and Differentiation,2005, 12, 1390−1397参照)、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応がミカエリス・メンテン式に従うと仮定すると、このATP濃度におけるGL3の反応速度はVmaxの約85%に達している。一方、FCCP処理後30分経過時点で、細胞質ATP濃度は定常状態の約50%になることが報告されているが(Takeshi Kubota et al, Biochimica et Biophysica Acta, 2005, 1744, 19−28参照)、GL3の0.65mM ATPでの反応速度はVmaxの約80%と予想されるので、ルシフェラーゼの発現量が変化する細胞での測定系において、5%の反応速度差による発光変化を、ATP量の変化としてCCDカメラで検出することは困難だと考えられる。
一方、Yaeyamaを使用した場合、1.35mM ATPではVmaxの約80%、0.65mM ATPではVmaxの約60%の反応速度を有することがミカエリス・メンテン式から予想されるので、薬剤処理(FCCP処理)によって20%の差が生じることとなり、GL3を使用した場合と比較して検出が容易となることが判明した。すなわち、Yaeyamaは、ATPの発光イメージング方法にとって、最も有利なKm値を示すことが判明した。また、上記したGL3とYaeyamaの例を考慮すると、好適には、細胞内ATP濃度を測定する際には、その細胞のATP量を見積もった上でルシフェラーゼを選択するとよいことが判明した。
また、ここで、ATPに対する親和性はATP結合部位近傍のポイントミューテーションによって変化させることが出来る(Bruce R. Branchini et al, Biochemistry ,2003, 42, 10429−10436参照)。すなわち、中程度から非常に低いATP親和性(中程度から非常に高いKm値)を持つルシフェラーゼ系列を作成すれば、多種類の細胞に対応した細胞内ATP測定系を構築することが可能となる。なお、変異を導入したルシフェラーゼでは発光強度が減少することが知られているため、高い発光強度を保たせることを考慮して、Yaeyamaを改変しATP親和性を調節してもよい。
[実施例3]
実施例3では、ルシフェラーゼ遺伝子を導入した複数のHeLa細胞を対象として、ルミノメーター(クロノス、ATTO社)を用いて、薬剤刺激によって引き起こされるHeLa細胞の発光を経時的に追跡し、ルシフェラーゼ遺伝子による発光変化量を比較した。
薬剤Staurosporine(STS)はPKCを阻害し、アポトーシスを誘導することが知られている。また、STSによってアポトーシスが誘導された際には、アポトーシスの初期段階において細胞内ATP濃度が上昇することが報告されている(MV Zamaraeva et al, Cell Death and Differentiation(2005), 12, 1390−1397参照)。本実施例ではSTSによってHeLa細胞にアポトーシスを誘導した際の細胞内ATP量の上昇をELucおよびGL3による発光量上昇によって検出し、その変化量を比較した。
[実験手順]
(1)SV40プロモーター/Emerald Luc発現ベクター(東洋紡(会社名))およびSV40プロモーター/GL3発現ベクターを、ガラスボトムディッシュに播種したHeLa細胞にそれぞれ導入し、ルシフェラーゼを恒常的に発現するHeLa細胞を作成した。
(2)上記サンプルにD−luciferinを最終濃度0.5mMとなるように添加し,インキュベータ内で1時間静置した。
(3)サンプルをルミノメーターにセットし、Staurosporine(STS)を最終濃度4μMとなるように添加した。
(4)薬剤添加後ルミノメーターによる測定を開始し、薬剤刺激後の発光量変化を経時的に追跡した。
その結果、図45および図46に示すようなSTS刺激後の発光強度変化が得られた。ここで、図45および図46は、ルミノメーター(クロノス)による細胞内ATP量測定におけるELucとGL3の発光変化量を示す図である。ここで、実験条件は、OPTI−MEM、0.5mM D−ルシフェリンを用いて、クロノス(ATTO)により測定を行った(36℃、10秒積算データ)。4μM Staurosporine(STS)で刺激後、測定開始を開始した。
図45および図46に示すように、ELucおよびGL3の発光変化量を比較すると、ELucの方が変化量が大きく、ルミノメーターによる検出が容易である。これより、ATPに対する親和性の低いルシフェラーゼを使用した際のATP変化量測定における優位性が示された。
[実施例4]
実施例4では、蛍光透過画像と発光(化学発光および/または生物発光)画像と透過明視野画像の3種類の撮像・観察が可能な発光イメージングシステムであるLV200(Olympus社製)を用いて、ルシフェラーゼ遺伝子を導入した複数のHeLa細胞を対象として、薬剤刺激によって引き起こされる特定のHeLa細胞の発光を経時的に画像で観察し、その発光強度を追跡した。この発光イメージングシステムは、細胞を含む試料の培養が可能な構成を具備し、さらに、共通の撮像部分(対物レンズ、結像レンズおよびCCDカメラ)と、蛍光を励起するための照射と明視野照明を行う照明系とを具備し、使用者の指示に応じて上記3種類の画像を選択的に取得したり、各種画像を個別に表示したり、画像解析することが可能な構成を有している。したがって、使用者は、システムのインターフェースを通じて適宜指示を与えることにより、上述したような画像解析結果を出力させることが可能となるものである。
[実験手順]
(1)SV40プロモーター/Emerald Luc発現ベクター(東洋紡(会社名))をガラスボトムディッシュに播種したHeLa細胞にそれぞれ導入し、ルシフェラーゼを恒常的に発現するHeLa細胞を作成した。
(2)上記サンプルにD−ルシフェリンを最終濃度0.5mMとなるように添加し,インキュベータ内で1時間静置した。
(3)サンプルを発光イメージング装置にセットし、Staurosporine(STS)を最終濃度4μMとなるように添加した。
(4)薬剤添加後、発光イメージング装置による測定を開始し、薬剤刺激後の発光量変化を経時的に追跡した。
その結果、図47および図48に示すような発光イメージおよび発光強度変化が観察された。ここで、図47は、ELuc発現HeLa細胞における、薬剤刺激直後の発光イメージング画像を示す図である。実験条件は、ELucコントロールベクター導入HeLa細胞(ガラスボトムディッシュに播種)に、0.5mM D−ルシフェリン/OPTI−MEMにおいて、LV200(Olympus社製)で測定した。CCD Cameraは、ImagEMを用い、EM−Gain 200、binning 1x1、10sec露出、interval 15sec、40x対物レンズの条件で撮影した。また、4μM Staurosporine(STS)で刺激後、撮像開始した。図48は、図47における矩形で囲った画像(1〜7)から解析された、それぞれの細胞(ELuc発現HeLa細胞:1〜7)におけるSTS刺激後の発光強度変化を示す図である。
図48に示すように、ATPに対する親和性の低いルシフェラーゼを使用し、発光イメージングによって特定のHeLa細胞の発光を経時的に追跡可能であることが示された。また、ここで、図49は、上述した実験手順および実験条件において、刺激前(細胞刺激によるアポトーシス誘導前)に撮像した発光画像を示す一例である。また、図50は、図49に示した発光画像において、3つの測定領域(ROI:region of interest)を指定した場合の画像を示す図である。
図49に示すように、上述した実験手順および実験条件により、単一細胞に関する発光画像が得られた(倍率100倍)。この発光画像では、3つの細胞が撮像されており、このうち中央の細胞では、上側が最も明るく、下側が次に明るく、中間が暗く発光している。そこで、図50に示すように、図49の発光画像から、3つの測定領域(ROI)を指定し、3つの測定領域における各ピクセル群(49ピクセル)についての発光輝度値を測定した。ここで、図51は、3つの測定領域における発光輝度値とそのグラフを示す図である。なお、発光輝度値の数値は任意の単位であり、図51の下表において、「1」〜「3」は、指定した3つの測定領域を表し、「4」は、バックグラウンド(画像中で細胞がない任意の指定領域)を示している。また、「Total」は、49ピクセルにおける発光輝度値の総数であり、「Average」は、ピクセル単位の発光輝度値の平均を表している。図50のグラフは、3つの領域(「1」〜「3」)において、発光輝度値の平均をバックグラウンドの発光輝度値の平均(=19.6939)で補正した結果を示している。
細胞が生きた状態でATPが消費されている場合では暗い発光となるため、同一細胞内での生物学的代謝活性が弱い領域ではATPが消費されにくく明るい発光となる。図50に示すように、高濃度から低濃度までの対象物質(ATP)の分布を1回の撮像(または1枚の画像)で定量的に比較解析できることが示された。この後、同じ細胞について刺激後の追跡実験を行ったところ、いずれの指令領域でも次第に輝度が高まり、生物学的代謝活性が低下していることが示された。また、暗い指定領域ほど、高輝度への変化が速いことも確認できた。このように、本実施例4によれば、複数の細胞間や、同一の細胞内の各領域において、対象物質の分布を定量化することができ、経時的に追跡することができることが示された。これらの結果により、本発明の発光測定方法は、観察視野内に位置する解析対象(例えば、生体組織または培養された細胞群(または各種臓器切片))についてダイナミックレンジが幅広い、発光部位ごとの発光解析を実現する。これにより、単一の解析対象内の複数部位および/または複数の解析対象ごとに多様なダイナミックレンジを持つような生物学的活性物質(例えばATP、カルシウムイオン、cAMP)に関して、生体へのダメージが最小限で定量的な動態解析を実行できる。また、Km値に応じてダイナミックレンジを変更するので、物質の量に応じた定量的な測定をすることができ、極端な発光強度差が生じないよう調整することができる結果、同一の微弱光検出装置で多項目の検査を同時に行うことができる。
以上のように、本発明にかかる発光測定方法および発光測定システムは、バイオ、製薬、医療など様々な分野で好適に用いることができる。
100 発光観察システム
103 容器(シャーレ)
104 ステージ
106 発光画像撮像ユニット
106a 対物レンズ(発光観察用)
106b ダイクロイックミラー
106c CCDカメラ
106d スプリットイメージユニット
106e フィルターホイール
106f 結像レンズ
108 ダイナミックレンジ調整部
110 画像解析装置
112 制御部
112a 発光画像撮像指示部
112b 発光画像取得部
112c 画像解析部
112d 解析結果出力部
114 クロック発生部
116 記憶部
118 通信インターフェース部
120 入出力インターフェース部
122 入力装置
124 出力装置

Claims (11)

  1. 生体試料からの発光を測定する発光測定方法であって、
    前記生体試料中に所定量以上存在する物質と反応し、前記物質に依存して発光強度が定量可能となるようKm値が所定値以上である発光関連タンパク質を含む前記生体試料を作製する作製工程と、
    前記作製工程で作製した前記生体試料からの発光強度を測定する測定工程と、
    前記生体試料の領域および/または部位ごとに測定結果を出力する出力工程と、
    を含むことを特徴とする発光測定方法。
  2. 前記物質は、ATPであり、
    前記発光関連タンパク質は、ルシフェラーゼであり、
    前記Km値は、364μM以上であること
    を特徴とする請求項1に記載の発光測定方法。
  3. 前記ルシフェラーゼは、配列番号1のDNA配列に基づいて生成されるヤエヤマヒメボタル由来のルシフェラーゼであること
    を特徴とする請求項2に記載の発光測定方法。
  4. 前記測定工程が複数の細胞を含む生体試料を生物発光に基づく発光画像を撮像する工程を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の発光測定方法。
  5. 前記測定工程が、細胞ごとに発光強度を計測する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の発光測定方法。
  6. 前記作製工程が、Km値の異なる複数の発光関連タンパク質を用いて作製されること
    を特徴とする請求項1または4に記載の発光測定方法。
  7. 前記測定工程が、Km値に応じた測定を実行すること
    を特徴とする請求項6に記載の発光測定方法。
  8. 前記出力工程が、Km値に応じた出力を実行すること
    を特徴とする請求項7に記載の発光測定方法。
  9. 請求項1から7のいずれか一つに記載の発光測定方法を実行する発光測定システムであり、
    生体試料からの発光画像を取得するための撮像部と、
    前記撮像部により取得された発光画像を解析するための画像処理を行う画像解析部と、
    前記画像解析部による画像解析結果を出力する出力装置と、
    前記生体試料に使用された発光タンパク質のKm値に応じて前記撮像部および前記画像解析部を実行させるためのダイナミックレンジ調整部と、
    を具備することを特徴とする発光測定システム。
  10. 前記ダイナミックレンジ調整部が、複数の制御モードを有すること
    を特徴とする請求項9に記載の発光測定システム。
  11. 前記生体試料における所望の領域および/または部位を指定するための入力装置と、
    前記入力装置により入力された情報を記憶する記憶部と
    をさらに備え、
    前記ダイナミックレンジ調整部が、撮像と画像解析を前記記憶部に記憶された情報と対応付けた出力内容を前記出力装置により出力させること
    を特徴とする請求項9に記載の発光測定システム。
JP2014166879A 2007-12-10 2014-08-19 発光測定方法および発光測定システム Expired - Fee Related JP5927251B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014166879A JP5927251B2 (ja) 2007-12-10 2014-08-19 発光測定方法および発光測定システム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007319000 2007-12-10
JP2007319000 2007-12-10
JP2014166879A JP5927251B2 (ja) 2007-12-10 2014-08-19 発光測定方法および発光測定システム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009545436A Division JP5601839B2 (ja) 2007-12-10 2008-12-10 発光測定方法および発光測定システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014236747A true JP2014236747A (ja) 2014-12-18
JP5927251B2 JP5927251B2 (ja) 2016-06-01

Family

ID=40755547

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009545436A Expired - Fee Related JP5601839B2 (ja) 2007-12-10 2008-12-10 発光測定方法および発光測定システム
JP2014166879A Expired - Fee Related JP5927251B2 (ja) 2007-12-10 2014-08-19 発光測定方法および発光測定システム

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009545436A Expired - Fee Related JP5601839B2 (ja) 2007-12-10 2008-12-10 発光測定方法および発光測定システム

Country Status (3)

Country Link
US (2) US8163661B2 (ja)
JP (2) JP5601839B2 (ja)
WO (1) WO2009075306A1 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8909325B2 (en) 2000-08-21 2014-12-09 Biosensors International Group, Ltd. Radioactive emission detector equipped with a position tracking system and utilization thereof with medical systems and in medical procedures
US9040016B2 (en) 2004-01-13 2015-05-26 Biosensors International Group, Ltd. Diagnostic kit and methods for radioimaging myocardial perfusion
US9470801B2 (en) 2004-01-13 2016-10-18 Spectrum Dynamics Llc Gating with anatomically varying durations
WO2006054296A2 (en) * 2004-11-17 2006-05-26 Spectrum Dynamics Llc Methods of detecting prostate cancer
US7176466B2 (en) 2004-01-13 2007-02-13 Spectrum Dynamics Llc Multi-dimensional image reconstruction
US7968851B2 (en) 2004-01-13 2011-06-28 Spectrum Dynamics Llc Dynamic spect camera
EP1778957A4 (en) 2004-06-01 2015-12-23 Biosensors Int Group Ltd OPTIMIZING THE MEASUREMENT OF RADIOACTIVE EMISSIONS IN SPECIFIC BODY STRUCTURES
US9316743B2 (en) 2004-11-09 2016-04-19 Biosensors International Group, Ltd. System and method for radioactive emission measurement
US9943274B2 (en) 2004-11-09 2018-04-17 Spectrum Dynamics Medical Limited Radioimaging using low dose isotope
WO2008059489A2 (en) 2006-11-13 2008-05-22 Spectrum Dynamics Llc Radioimaging applications of and novel formulations of teboroxime
US8837793B2 (en) * 2005-07-19 2014-09-16 Biosensors International Group, Ltd. Reconstruction stabilizer and active vision
US8894974B2 (en) 2006-05-11 2014-11-25 Spectrum Dynamics Llc Radiopharmaceuticals for diagnosis and therapy
WO2008075362A2 (en) 2006-12-20 2008-06-26 Spectrum Dynamics Llc A method, a system, and an apparatus for using and processing multidimensional data
JP5601839B2 (ja) * 2007-12-10 2014-10-08 オリンパス株式会社 発光測定方法および発光測定システム
US8338788B2 (en) 2009-07-29 2012-12-25 Spectrum Dynamics Llc Method and system of optimized volumetric imaging
JP5860805B2 (ja) * 2010-03-23 2016-02-16 オリンパス株式会社 幹細胞の分化状態をモニタリングする方法
JP5969757B2 (ja) * 2011-12-07 2016-08-17 オリンパス株式会社 ホタル由来ルシフェラーゼの変異体
JP6071634B2 (ja) * 2013-02-25 2017-02-01 オリンパス株式会社 Atpの定量方法及びそれに用いるキット
JP6412718B2 (ja) * 2014-05-27 2018-10-24 オリンパス株式会社 プロモーターアッセイ

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009075306A1 (ja) * 2007-12-10 2009-06-18 Olympus Corporation 発光測定方法および発光測定システム

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6416960B1 (en) * 1996-08-08 2002-07-09 Prolume, Ltd. Detection and visualization of neoplastic tissues and other tissues
GB9707486D0 (en) * 1997-04-11 1997-05-28 Secr Defence Enzyme assays
WO2005015161A2 (en) * 2003-08-06 2005-02-17 Washington University In St. Louis Imaging regulated protein-protein interactions in cells and living animals by enhanced luciferase protein fragment complementation
US20060234323A1 (en) * 2005-04-18 2006-10-19 Cali James J Luminescent ATP detection with extended linearity
JP4847101B2 (ja) * 2005-10-31 2011-12-28 オリンパス株式会社 顕微鏡システム
JP5143348B2 (ja) * 2005-10-18 2013-02-13 オリンパス株式会社 生物学的活性を長期的に評価する装置または自動解析する方法
WO2007074923A1 (ja) * 2005-12-27 2007-07-05 Olympus Corporation 発光測定装置並びに発光測定方法
JP2007218774A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Toyobo Co Ltd 多色発光の測定方法
CN101438147B (zh) * 2006-05-31 2011-09-28 奥林巴斯株式会社 生物试样摄像方法及生物试样摄像装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009075306A1 (ja) * 2007-12-10 2009-06-18 Olympus Corporation 発光測定方法および発光測定システム

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6015038642; Journal of B iochemistry and Molecular Biology, Vol. 39, No. 5, 2006, pp. 578-585 *

Also Published As

Publication number Publication date
US8163661B2 (en) 2012-04-24
JP5601839B2 (ja) 2014-10-08
WO2009075306A1 (ja) 2009-06-18
US20100209949A1 (en) 2010-08-19
US20120270247A1 (en) 2012-10-25
JP5927251B2 (ja) 2016-06-01
JPWO2009075306A1 (ja) 2011-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5927251B2 (ja) 発光測定方法および発光測定システム
Tung et al. Bioluminescence imaging in live cells and animals
Morgan et al. Measuring EGSH and H2O2 with roGFP2-based redox probes
JP5953293B2 (ja) 発光タンパクによる長期モニタリング方法および解析方法
Saito et al. Auto-luminescent genetically-encoded ratiometric indicator for real-time Ca2+ imaging at the single cell level
Yao et al. Multiplexed bioluminescence microscopy via phasor analysis
Baird et al. Evaluation and optimization of multiple fluorophore analysis of a Pseudomonas aeruginosa biofilm
US20200158719A1 (en) Method of specifying cell, method of producing cell population and cell specifying system
Ai et al. Green-to-red photoconversion of GCaMP
JP5143348B2 (ja) 生物学的活性を長期的に評価する装置または自動解析する方法
CN113466111A (zh) 一种单细胞分析系统及方法和应用
Barroso et al. Probing organoid metabolism using Fluorescence Lifetime Imaging Microscopy (FLIM): The next frontier of drug discovery and disease understanding
Koopman et al. Partial complex I inhibition decreases mitochondrial motility and increases matrix protein diffusion as revealed by fluorescence correlation spectroscopy
Valverde-Pozo et al. Detection by fluorescence microscopy of N-aminopeptidases in bacteria using an ICT sensor with multiphoton excitation: Usefulness for super-resolution microscopy
US20200400655A1 (en) Ratiometric bret measurements of atp with a genetically-encoded luminescent sensor
Wang et al. Analyzing cell physiology in C. elegans with fluorescent ratiometric reporters
JP6032862B2 (ja) サイクリックgmp解析方法
Van Der Bent et al. Advanced fluorescence imaging to distinguish between intracellular fractions of antisense oligonucleotides
Andreoni et al. Genetically encoded FRET probes for direct mapping and quantification of intracellular oxygenation level via fluorescence lifetime imaging
JP5060931B2 (ja) カルシウム測定方法
Papkovsky et al. O 2-sensitive probes based on phosphorescent metalloporphyrins
Bajar et al. FRET imaging of rho GTPase activity with red fluorescent protein-based FRET pairs
Valetdinova et al. The cutting edge of disease modeling: synergy of induced pluripotent stem cell technology and genetically encoded biosensors
Uzhytchak et al. No evidence for detectable direct effects of magnetic field on cellular autofluorescence
Kuběnová et al. Spatiotemporal distribution of ROS production, delivery and utilization in Arabidopsis root hairs

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160425

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5927251

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees