JP2014236524A - 電動モータおよび減速機付モータ - Google Patents
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Abstract
Description
各コイルの結線は、ステータの軸方向一端に配置された配電基板(バスバー基板)に接続されることにより行われる。すなわち、各コイルの端末部は、例えば、スター結線方式などの結線方式に応じて配電基板を介して接続されることになる。
とりわけ、ブラシレスモータの偏平化を図ろうとすると、コイルに対して多層基板が近接配置されるので、コイルから発生する熱もパターン全体に伝達され易くなり、多層基板がさらに高温化してしまう。
また、径方向最外側に形成されているパターンの位置が、コイルの径方向最外側の位置からずれているので、コイルと各パターンのうちの一部とが完全に対向した状態にならない。このため、コイルと多層基板とを近接配置した場合であっても、コイルから発生する熱がパターン全体に伝わりにくくなる。このため、電動モータの偏平化を図りつつ、多層基板の高温化を抑制できる。
また、径方向最外側に形成されているパターンの位置が、コイルの径方向最外側の位置からずれているので、コイルと各パターンのうちの一部とが完全に対向した状態にならない。このため、コイルと多層基板とを近接配置した場合であっても、コイルから発生する熱がパターン全体に伝わりにくくなる。このため、電動モータの偏平化を図りつつ、多層基板の高温化を抑制できる。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、減速機付モータ1の縦断面図、図2は、減速機付モータ1の一部を分解した斜視図である。
図1、図2に示すように、減速機付モータ1は、電動モータ2と、この電動モータ2の軸方向一端側に設けられた減速機構3とにより構成されている。
電動モータ2は、有底筒状のモータケーシング4と、モータケーシング4に固定されたステータ5と、ステータ5の径方向内側に回転自在に設けられているロータ6と、モータケーシング4の開口部4aを閉塞するモータカバー7と、ステータ5のモータカバー7側に配置され、ステータ5に給電を行うための多層基板8とを備えた、いわゆるインナーロータ型のブラシレスモータである。
モータケーシング4の底壁4bには、径方向略中央にモータカバー7側に向かって突出する略円筒状の軸受ボス部10が一体成形されている。この軸受ボス部10には、ロータ6の回転軸11を回転自在に支持するための転がり軸受12が内嵌固定されている。
また、モータケーシング4の周壁4cには、外面側に二又状のブラケット9が一体成形されている。ブラケット9は、減速機付モータ1を被固定部材(不図示)に固定するためのものであって、不図示のボルトを挿通可能な挿通孔13が2か所形成されている。これら挿通孔13にボルトを挿通し、被固定部材に螺入することによって、この被固定部材に減速機付モータ1が締結固定される。
また、段差面4eには、径方向内側に突出するように形成された3つのねじ座4fが、周方向に等間隔に設けられている。これらねじ座4fの座面は、段差面4eと面一となるように形成されている。そして、各ねじ座4fに、それぞれ雌ネジ部27が刻設されている。この雌ネジ部27は、ステータ5を固定するためのものである。
ステータ5は、磁性を有する金属板を軸方向に積層して形成されたものであって、略円筒状のステータコア14を有している。このステータコア14の外周面が、モータケーシング4の拡径部4dに内嵌されている。また、モータケーシング4の段差面4eに、ステータコア14の一端面が当接されている。ステータコア14には、モータケーシング4の雌ネジ部27に対応する部位に、ボルト28を挿通可能な挿通孔14aが形成されている。この挿通孔14aにボルト28を挿通し、このボルト28を雌ネジ部27に螺入することにより、ステータコア14にステータ5が締結固定される。
さらに、ステータ5には、ティース部15の全周を覆うように形成された樹脂製のインシュレータ16が設けられている。このインシュレータ16の上から各ティース部15にコイル17が巻装されている。
同図に示すように、コイル17は、U相、V相、W相の3相で構成されており、各相のコイル17が所定のティース部15に、集中巻方式により巻装されている。
すなわち、U相のコイル17は、6つのコイルU1〜U6(以下、U相コイルU1〜U6という)で構成されており、U相コイルU1〜U3が周方向で隣り合う3つのティース部15に連続して巻装されていると共に、U相コイルU4〜U6が周方向で隣り合う3つのティース部15に連続して巻装されている。そして、U相コイルU1〜U3とU相コイルU4〜U6とがロータ6の回転軸11を挟んで対向配置されている。
すなわち、コイル17の端末部の引き回しを考慮した場合、内側コイル17aおよび外側コイル17bを、それぞれの巻厚T1,T2が同等となるように同じように巻装すると、コイル17の端末部71をティース部15の先端から引き出すことになる。各コイル17の端末部71は、ティース部15の根元側、つまり、径方向外側で後述の端子18等により結線されるので、コイル17の端末部71をティース部15の先端から引き出すと無駄な引き回しが多くなってしまう。このため、内側コイル17aの巻厚T1よりも外側コイル17bの巻厚T2を厚く設定することにより、コイル17の端末部71の引出し位置がティース部15の径方向略中央となり、無駄な引き回しを抑えることができる。
同図に示すように、外周壁16bには、各ティース部15に対応する部位のうち、所定の箇所に端子18がインサート成形されている。
端子18は、コイル17の端末部と多層基板8とを電気的に接続するためのものであって、二又状に形成されている。そして、二又状の先端が多層基板8側(図3における下側)に向かって突出するように、端子18の基端側をインシュレータ16に埋設してある。二又状の先端は、コイル17の端末部が接続されるコイル用突起18aと、多層基板8に接続される基板用突起18bとで構成されている。
これら位置決め突起19は、多層基板8の後述する位置決め用孔22に挿通されることにより、ステータ5に対する多層基板8の位置決めを行う機能を有している。
モータケーシング4の開口部4a側の端面には、周方向に3か所ねじ座4gが形成されている。一方、モータカバー7にもねじ座4gに対応する部位に、ねじ座7bが形成されている。そして、モータケーシング4のねじ座4gに雌ネジ部4hが刻設されている一方、モータカバー7のねじ座7bに貫通孔7cが形成されている。この貫通孔7cにボルト65を挿通し、雌ネジ部4hに螺入することにより、モータケーシング4にモータカバー7が締結固定される。
図5は、多層基板8の第1層目8aの平面図、図6は、多層基板8の第2層目8bの平面図、図7は、多層基板8の第3層目8cの平面図、図8は、多層基板8の第4層目8dの平面図、図9は、多層基板8の各層8a〜8dを重ね合わせた状態を示す平面図、図10は、コイル17の結線図である。
また、図10に示すように、多層基板8は、3相で構成されているコイル17をいわゆるスター結線方式により結線し、各相のコイル17に所定の電流を供給するためのものである。以下に、多層基板8について、より具体的に説明する。
また、多層基板8には、インシュレータ16の外周壁16bに突設された位置決め突起19に対応する箇所に、この位置決め突起19が挿通される位置決め用孔22が形成されている。位置決め用孔22に位置決め突起19が挿通されることにより、インシュレータ16上に位置決めされた形で多層基板8が載置される。
図5、図9、図10に示すように、多層基板8の第1層目8aには、中性点用パターン23が形成されている。中性点用パターン23は、U相コイルU6、V相コイルV1、およびW相コイルW1の端末部同士を接続するように形成されている。
より具体的には、中性点用パターン23は、U相コイルU6の基板用突起18bが挿通されるスルーホール21から延びるU相用中性点パターン23Uを有している。また、V相コイルV6の基板用突起18bが挿通されるスルーホール21から延びるV相用中性点パターン23Vを有している。さらに、W相コイルW6の基板用突起18bが挿通されるスルーホール21から延びるW相用中性点パターン23Wを有している。これらU相用中性点パターン23U、V相用中性点パターン23V、およびW相用中性点パターン23Wは、略円弧状に形成された中性点パターン渡り部23aによって連結されている。
これらU相電源入力用パターン30U、W相引出パターン32W、およびV相引出パターン32Vは、コネクタ67(図2参照)を介して不図示の外部電源に電気的に接続されるようになっている。
また、第2層目8bには、W相コイルW1の基板用突起18bが挿通されるスルーホール21と、W相引出用スルーホール31Wとの間に跨るように、W相電源入力パターン30Wが形成されている。
また、第3層目8cには、V相コイルV1の基板用突起18bが挿通されるスルーホール21と、V相引出用スルーホール31Vとの間に跨るように、V相電源入力パターン30Vが形成されている。
図9、図11に示すように、上述のように構成された多層基板8は、第1層目8aがコイル17から最も離れた位置になるように形成されている。そして、各層8a〜8dの各パターン渡り部23a〜26aは、互いに積層方向で重ならないように、コイル17に近づくに従って徐々に径方向内側に位置するようにずれて形成されている。すなわち、第1層目8aの中性点パターン渡り部23aが最も径方向外側に位置し、第4層目8dのU相用パターン渡り部26aが最も径方向内側に位置している。
この他に、図1、図9に示すように、多層基板8には、ロータ6の後述のマグネット42に対応する箇所に、ホールIC33が実装されている。このホールIC33は、ロータ6が回転することによるマグネット42の磁束の変化を検出することにより、ロータ6の回転角度を検出するようになっている。
図1に示すように、ロータ6は、モータケーシング4に設けられた転がり軸受12に回転自在に支持されている回転軸11と、この回転軸11のモータカバー7側(図1における下側)の端部に固定されている有底筒状のロータコア41と、このロータコア41の外周面41aに固定されているマグネット42とを有している。
ロータコア41の底壁41bには、径方向略中央に底壁41bよりも厚肉のボス部43が一体成形されている。ボス部43は平面視略円形状に形成されており、径方向略中央に回転軸11を圧入可能な貫通孔44が形成されている。
さらに、回転軸11のモータカバー7とは反対側には、減速機構3の偏心シャフト51が一体成形されている。
図12は、減速機構3の一部を分解した斜視図である。
図1、図12に示すように、減速機構3は、いわゆるハイポサイクロイド減速機構であって、回転軸11に一体成形された偏心シャフト51を有している。偏心シャフト51は、回転軸11の軸心から所定量だけ偏心した偏心部51aと、この偏心部51aの先端に一体成形され、回転軸11と同軸となる同軸部51bとにより構成されている。
外歯平歯車53は、偏心シャフト51の偏心部51aにより所定量だけ偏心した状態で振り回されながら内歯歯車54に噛合う。これにより、偏心シャフト51の回転数に対し、所定量だけ減速して外歯平歯車53が回転する。
ここで、貫通孔61の直径は、係合ピン60に対して、偏心シャフト51における偏心部51aの偏心量だけ、外歯平歯車53が触れ回り可能な大きさに設定されている。これにより、偏心シャフト51から減速された状態で回転する外歯平歯車53の回転が出力プレート56に伝達される。そして、出力プレート56が偏心シャフト51と同軸上で回転する。
ここで、多層基板8に形成されている各パターン23〜26は、電流が供給されることにより発熱する。しかしながら、各パターン23〜26のパターン渡り部23a〜26aが積層方向で重ならないようにずれて形成されているので、それぞれのパターン23〜26から発生する熱が、他のパターン23〜26に伝達されにくい。
換言すれば、各パターン渡り部23a〜26aが積層方向で重なって形成される場合よりも、各パターン渡り部23a〜26aが互いに離れて形成されている。このため、この分、それぞれのパターン23〜26から発生する熱が、他のパターン23〜26に伝達されにくい。よって、多層基板8の高温化を抑制することができる。
ここで、コイル17のうち、外側コイル17bの巻厚T2は、内側コイル17aの巻厚T1よりも厚く設定されているので、この分、内側コイル17aと多層基板8との間の距離よりも、外側コイル17bと多層基板8との間の距離が短くなる。すなわち、外側コイル17bから発生する熱の方が、内側コイル17aから発生する熱よりも多層基板8に伝達され易い。しかしながら、外側コイル17bに対応するように、径方向最外側に位置する中性点用パターン23が、第1層目8aに形成されている。これに加え、コイル17に徐々に近づく第2層目8b〜第4層目8dのパターン24〜26が、徐々に径方向内側へとずれて配置されている。このため、コイル17から発生する熱が各パターン23〜26に伝達されにくく、多層基板8の高温化をより確実に抑制することができる。
さらに、多層基板8の各パターン23〜26のうち、径方向内側に位置している第3層目8cのV相パターン渡り部25aと、第4層目8dのU相パターン渡り部26aが、それぞれ内側コイル17aよりも径方向内側に位置するように形成されている。このため、コイル17から発生する熱がV相パターン渡り部25aやU相パターン渡り部26aにさらに伝わりにくくなる。このため多層基板8の高温化をさらに確実に抑制することができる。
例えば、上述の実施形態では、多層基板8は4層で構成され、第1層目8aから第4層目8dまで、中性点用パターン23、W相用パターン24、V相用パターン25、U相用パターン26の順で形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、コイル17の構成や結線パターンに応じて、多層基板8の構成を変更してもよい。この場合、各パターンが積層方向で重ならないようにずれて形成されていればよい。
また、ステータ5は、18個のティース部15を有し、同相のコイル17がそれぞれ6つずつ存在している場合について説明した。そして、同相のコイル17が直列接続されたうえで各相のコイル17がスター結線方式により結線されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ティース部15の個数(各相のコイル17の個数)および結線方式は、任意に設定することが可能である。
2 電動モータ
3 減速機構(ハイポサイクロイド減速機構)
5 ステータ
6 ロータ
8 多層基板
8a 第1層目
8b 第2層目
8c 第3層目
8d 第4層目
14 ステータコア
15 ティース部
17 コイル
17a 内側コイル
17b 外側コイル
23 中性点用パターン
23a 中性点パターン渡り部
24 W相用パターン(相用パターン)
24a W相パターン渡り部
25 V相用パターン(相用パターン)
25a V相パターン渡り部
26 U相用パターン(相用パターン)
26a U相パターン渡り部
51 偏心シャフト
53 外歯平歯車(外歯歯車)
54 内歯歯車
55 ギヤハウジング(ケース)
56 出力プレート(出力部)
Claims (6)
- 複数の相のコイルが巻装されたステータと、
前記ステータに対して回転自在に設けられたロータと、
各相のコイルに給電するための多層基板とを備え、
前記ステータの軸方向上方に、前記多層基板が配置された電動モータであって、
前記多層基板の各層には、それぞれ各相のコイルを所定の形態で結線するためのパターンが形成されており、
各層の前記パターンは、積層方向で重ならないようにずれて配置されていると共に、径方向最外側に形成されているパターンの位置が、前記コイルの径方向最外側の位置からずれていることを特徴とする電動モータ。 - 径方向最内側に形成されているパターンの位置が、前記コイルの径方向最内側の位置よりも径方向内側に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
- 前記ステータは、
環状に形成されたステータコアと、
前記ステータコアから径方向に沿って延び、前記コイルが巻装される複数のティース部とにより構成されており、
前記コイルの巻厚は、径方向内側よりも径方向外側が厚くなるように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動モータ。 - 前記多層基板の前記ステータから軸方向に離れた層に形成されているパターンほど、径方向外側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の電動モータ。
- 前記多層基板は、前記複数の相のコイルをスター結線するためのものであって、
前記パターンは、
同相同士のコイルの一端を結線するための相用パターンと、
各相のコイルの他端を結線する中性点用パターンとにより構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電動モータ。 - 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の電動モータと、
この電動モータの回転が伝達されるハイポサイクロイド減速機構とを備え、
前記ハイポサイクロイド減速機構は、
ケースと、
このケースに固定された内歯歯車と、
この内歯歯車の中心軸に対して所定量だけ偏心した状態で前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、
前記電動モータからの回転が入力され、この回転に基づいて前記外歯歯車を所定量だけ偏心させた状態で触れ回す偏心シャフトと、
前記外歯歯車と係合し、この外歯歯車の回転を出力する出力部とを有することを特徴とする減速機付モータ。
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WO2020055150A1 (ko) * | 2018-09-11 | 2020-03-19 | 엘지이노텍 주식회사 | 모터 |
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JP2009290922A (ja) * | 2008-05-27 | 2009-12-10 | Mitsuba Corp | ブラシレスモータ |
JP2012110160A (ja) * | 2010-11-18 | 2012-06-07 | Mitsuba Corp | モータ装置 |
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- 2013-05-30 JP JP2013114580A patent/JP6163357B2/ja active Active
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