JP2014236020A - 屈曲用フレキシブルプリント配線板、屈曲プリント配線板、及び屈曲プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】種々の基板形状や屈曲形状に適切に対応でき、コスト的に有利に屈曲形状を長期間維持できる屈曲プリント配線板を提供する。
【解決手段】本発明は、可撓性を有するベースフィルム及びこのベースフィルムの少なくとも一方の面側に積層される導電パターンを有する基板と、上記基板の少なくとも一方の面側に積層され、上記基板の屈曲形状を維持するサポートフィルムとを備え、上記サポートフィルムの主成分が液晶ポリマーである屈曲用フレキシブルプリント配線板である。上記サポートフィルムが積層された積層領域と上記サポートフィルムが積層されていない非積層領域とを含むとよい。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、可撓性を有するベースフィルム及びこのベースフィルムの少なくとも一方の面側に積層される導電パターンを有する基板と、上記基板の少なくとも一方の面側に積層され、上記基板の屈曲形状を維持するサポートフィルムとを備え、上記サポートフィルムの主成分が液晶ポリマーである屈曲用フレキシブルプリント配線板である。上記サポートフィルムが積層された積層領域と上記サポートフィルムが積層されていない非積層領域とを含むとよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、屈曲用フレキシブルプリント配線板、屈曲プリント配線板、及び屈曲プリント配線板の製造方法に関する。
近年、電子機器分野においては、配線等にフレキシブルプリント配線板が用いられている。このフレキシブルプリント配線板は、ベースフィルムの少なくとも一方の面側に導電パターンを積層した基板を有している。導電パターンは、通常、保護膜により覆われている。このようなフレキシブルプリント配線板は、可撓性を有することだけでなく、用途や配置場所によっては、折り曲げた形状を長期間維持できることが要求されることがある。
フレキシブルプリント配線板の折り曲げは、例えば基板に曲げ癖を付けることで行われる。しかし、基板は、ポリイミド樹脂等により形成されたベースフィルムによって可撓性を有するものとされている。そのため、スプリングバックにより基板に付けた折り癖が時間の経過と共に弱まり易いため、基板に曲げ癖を付ける方法では長期間目的とする折り屈曲形状を維持することが困難である。
一方、フレキシブルフラットケーブルの折り曲げ状態を維持するものとして、固定具を利用することが提案されている(特開2010−010198号公報)。
上記固定具を用いれば、基板の屈曲形状を長期間維持することは容易である。しかし、上記固定具は、複雑な形状の複数の樹脂成形品からなるため、固定具の取り付けが容易ではないばかりか、製造コスト的に不利ともなりかねない。また、フレキシブルプリント配線板の基板(ベースフィルム)の形状や屈曲形状が異なれば、その形状に応じた金型が必要ともなりかねないため、汎用性に乏しく種々の屈曲形状に簡易に適応できないおそれがある。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、種々の基板形状や屈曲形状に適切に対応でき、コスト的に有利に屈曲形状を長期間維持できる配線板を提供することを目的としている。
本発明は、
可撓性を有するベースフィルム及びこのベースフィルムの少なくとも一方の面側に積層される導電パターンを有する基板と、
上記基板の少なくとも一方の面側に積層され、上記基板の屈曲形状を維持するサポートフィルムと
を備え、
上記サポートフィルムの主成分が液晶ポリマーである屈曲用フレキシブルプリント配線板である。
可撓性を有するベースフィルム及びこのベースフィルムの少なくとも一方の面側に積層される導電パターンを有する基板と、
上記基板の少なくとも一方の面側に積層され、上記基板の屈曲形状を維持するサポートフィルムと
を備え、
上記サポートフィルムの主成分が液晶ポリマーである屈曲用フレキシブルプリント配線板である。
本発明の屈曲プリント配線板は、当該屈曲用フレキシブルプリント配線板を上記サポートフィルムが積層された部分で屈曲させたものである。
本発明の屈曲プリント配線板の製造方法は、
可撓性を有するベースフィルムの少なくとも一方の面側に導電パターンを積層した基板を形成する工程と、
上記基板の少なくとも一方の面側のうち屈曲領域に液晶ポリマーを主成分とするサポートフィルムを積層する工程と、
上記サポートフィルムを加熱する工程と、
上記基板をサポートフィルム積層領域で屈曲する工程と、
上記サポートフィルムを冷却する工程と
を含む。
可撓性を有するベースフィルムの少なくとも一方の面側に導電パターンを積層した基板を形成する工程と、
上記基板の少なくとも一方の面側のうち屈曲領域に液晶ポリマーを主成分とするサポートフィルムを積層する工程と、
上記サポートフィルムを加熱する工程と、
上記基板をサポートフィルム積層領域で屈曲する工程と、
上記サポートフィルムを冷却する工程と
を含む。
本発明によれば、配線板の屈曲形状を長期間維持でき、コスト的に有利に種々の基板形状や屈曲形状に適切に対応できる屈曲用フレキシブルプリント配線板が提供される。
[本発明の実施形態の説明]
上記課題を解決するためになされた本発明は、
可撓性を有するベースフィルム及びこのベースフィルムの少なくとも一方の面側に積層される導電パターンを有する基板と、
上記基板の少なくとも一方の面側に積層され、上記基板の屈曲形状を維持するサポートフィルムと
を備え、
上記サポートフィルムの主成分が液晶ポリマーである屈曲用フレキシブルプリント配線板である。
上記課題を解決するためになされた本発明は、
可撓性を有するベースフィルム及びこのベースフィルムの少なくとも一方の面側に積層される導電パターンを有する基板と、
上記基板の少なくとも一方の面側に積層され、上記基板の屈曲形状を維持するサポートフィルムと
を備え、
上記サポートフィルムの主成分が液晶ポリマーである屈曲用フレキシブルプリント配線板である。
当該屈曲用フレキシブルプリント配線板は、基板の少なくとも一方の面側に液晶ポリマーを主成分とするサポートフィルムが積層されている。ここで、液晶ポリマーは、液晶転移温度以上として分子を配向させた後に冷却することで高い結晶性を示す熱可塑性樹脂である。そのため、当該屈曲用フレキシブルプリント配線板は、サポートフィルムが積層された部分で基板を曲げてその形状を維持した屈曲プリント配線板とした場合、液晶ポリマーの高い剛性に基づいて屈曲形状を長期間維持することが可能となる。また、サポートフィルムは、熱可塑性樹脂である液晶ポリマーを主成分とするフィルム状であることから、種々の基板形状や屈曲形状に対して、サポートフィルムとして適当な形状及び大きさに切断したものを使用することで対応できる。その結果、種々の屈曲形状に応じたサポートフィルムを形成するにあたって屈曲形状に応じた金型を必要としない。そのため、基板の屈曲形状を長期間維持できる屈曲プリント配線板をコスト的に有利に提供できる。加えて、液晶ポリマーが高い結晶性に基づいて高い耐熱性及び低熱膨張性を示すことから、サポートフィルムは、耐熱性及び寸法安定性が要求される屈曲プリント配線板に対して屈曲形状の維持のために好適に使用することができる。
屈曲用フレキシブルプリント配線板は、上記サポートフィルムが積層された積層領域と上記サポートフィルムが積層されていない非積層領域とを含むとよい。このように非積層領域にはサポートフィルムが積層されないことから、基板全体にサポートフィルムを積層する場合に比べて、使用するサポートフィルムの量を少なくできるため、コスト的に有利である。また、基板の一部(積層領域)にサポートフィルムが積層されていると、非積層領域での可撓性の低下を抑制できる。
上記サポートフィルムが帯状体であり、上記サポートフィルムの長手方向中心と屈曲軸とが平面視で略一致することが好ましい。このように屈曲軸をサポートフィルムの平面視で略一致させること、すなわちサポートフィルムを長手方向の略中心で屈曲させることで、屈曲形状をより適切に長期間維持することが可能となる。
上記サポートフィルムの帯状部分が、上記長手方向の平均長さが5mm以上10mm以下、平均厚さが50μm以上200μm以下であることが好ましい。このような範囲にサポートフィルムの平均長さ及び平均厚さを設定することで、屈曲形状をより適切に長期間維持することが可能となる。具体的には、サポートフィルムの平均長さを上記範囲とすることで、上記屈曲軸からサポートフィルムの端縁までの距離を2.5mm〜5mm程度確保することができるため、屈曲形状をより適切に長期間維持できる。また、サポートフィルムの平均厚さを上記範囲とすることで、種々の屈曲形状や弾性反発力の大きさに応じて適切に対応し、屈曲形状をより適切に長期間維持できる。
上記課題を解決するためになされた別の本発明は、
当該フレキシブルプリント配線板を上記サポートフィルムが積層された部分で屈曲させた屈曲プリント配線板である。
当該フレキシブルプリント配線板を上記サポートフィルムが積層された部分で屈曲させた屈曲プリント配線板である。
当該屈曲プリント配線板によれば、サポートフィルムによって屈曲形状が適切に長期間維持される。また、屈曲形状の維持を簡易かつコスト的に有利に実現することができる。
上記課題を解決するためになされた別の本発明は、
可撓性を有するベースフィルムの少なくとも一方の面側に導電パターンを積層した基板を形成する工程と、
上記基板の少なくとも一方の面側のうち屈曲領域に液晶ポリマーを主成分とするサポートフィルムを積層する工程と、
上記サポートフィルムを加熱する工程と、
上記基板をサポートフィルム積層領域で屈曲する工程と、
上記サポートフィルムを冷却する工程と
を含む屈曲プリント配線板の製造方法である。
可撓性を有するベースフィルムの少なくとも一方の面側に導電パターンを積層した基板を形成する工程と、
上記基板の少なくとも一方の面側のうち屈曲領域に液晶ポリマーを主成分とするサポートフィルムを積層する工程と、
上記サポートフィルムを加熱する工程と、
上記基板をサポートフィルム積層領域で屈曲する工程と、
上記サポートフィルムを冷却する工程と
を含む屈曲プリント配線板の製造方法である。
当該製造方法によれば、屈曲部分に液晶ポリマーを主成分とするサポートフィルムが積層された屈曲プリント配線板が提供される。液晶ポリマーは、上述のように剛性、耐熱性及び寸法安定性に優れる熱可塑性樹脂である。そのため、当該製造方法により提供される屈曲プリント配線板は、屈曲形状を長期間維持することが可能である。
また、サポートフィルムとしては、上述のように適当な形状及び大きさに切断したものを使用できるため、コスト的に有利に、種々の基板形状や屈曲形状に適切に対応することが可能である。
ここで、「主成分」とは最も含有量が多い成分であり、例えば含有量が50質量%以上の成分をさす。「サポートフィルムの長手方向中心と屈曲軸とが平面視で略一致」とは、上記中心と屈曲軸とが完全一致する場合に限らず、上記長手方向中心と屈曲軸とがサポートフィルムの長手方向の寸法の30%以内でずれている場合、上記長手方向中心と屈曲軸とが非平行(例えば交差角度が30°以内)である場合も含まれる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る屈曲用フレキシブルプリント配線板、屈曲プリント配線板、及び屈曲プリント配線板の製造方法を以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施形態に係る屈曲用フレキシブルプリント配線板、屈曲プリント配線板、及び屈曲プリント配線板の製造方法を以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。
〔屈曲用フレキシブルプリント配線板〕
図1及び図2の屈曲用フレキシブルプリント配線板1は、基板2、カバーフィルム3及びサポートフィルム4を備える。この屈曲用フレキシブルプリント配線板1は、例えば基板2の屈曲形状をサポートフィルム4により維持した状態でコネクタ間を接続するために使用される。
図1及び図2の屈曲用フレキシブルプリント配線板1は、基板2、カバーフィルム3及びサポートフィルム4を備える。この屈曲用フレキシブルプリント配線板1は、例えば基板2の屈曲形状をサポートフィルム4により維持した状態でコネクタ間を接続するために使用される。
<基板>
基板2は、ベースフィルム5及びこのベースフィルム5の片面に形成された導電パターン6を含む。この基板2は、全体として帯状であり、サポートフィルム4が積層された部分で屈曲させて使用される。
基板2は、ベースフィルム5及びこのベースフィルム5の片面に形成された導電パターン6を含む。この基板2は、全体として帯状であり、サポートフィルム4が積層された部分で屈曲させて使用される。
(ベースフィルム)
ベースフィルム5は、導電パターン6を支持するものであり、絶縁性及び可撓性を有している。このベースフィルム5は平坦なフィルム状である。ベースフィルム5は、全体として帯状であるが、両端部5Aが幅広に形成されている。ベースフィルム5の幅は、後述する導電パターン6のライン状配線60の幅、数、配列、等に応じて決定すればよく、例えば1mm以上50mm以下であり、好ましくは3mm以上15mm以下である。また、ベースフィルム5の形状は、帯状以外にも用途に応じて適宜変更可能である。ベースフィルム5の厚みは、目的とする可撓性等を実現できれば特に制限はないが、例えば6μm以上50μm以下、好ましくは12.5μm以上25μm以下である。
ベースフィルム5は、導電パターン6を支持するものであり、絶縁性及び可撓性を有している。このベースフィルム5は平坦なフィルム状である。ベースフィルム5は、全体として帯状であるが、両端部5Aが幅広に形成されている。ベースフィルム5の幅は、後述する導電パターン6のライン状配線60の幅、数、配列、等に応じて決定すればよく、例えば1mm以上50mm以下であり、好ましくは3mm以上15mm以下である。また、ベースフィルム5の形状は、帯状以外にも用途に応じて適宜変更可能である。ベースフィルム5の厚みは、目的とする可撓性等を実現できれば特に制限はないが、例えば6μm以上50μm以下、好ましくは12.5μm以上25μm以下である。
このベースフィルム5を形成する材料としては、絶縁性及び柔軟性を有するフィルムを形成できるものであれば特に制限はなく、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂が挙げられ、ポリイミド樹脂が好ましい。
(導電パターン)
導電パターン6は、ベースフィルム5の片面に形成されている。導電パターン6は、複数(図面上は5本)のライン状配線60を含む。各ライン状配線60は、両端部に形成された端子パッド61を有している。
導電パターン6は、ベースフィルム5の片面に形成されている。導電パターン6は、複数(図面上は5本)のライン状配線60を含む。各ライン状配線60は、両端部に形成された端子パッド61を有している。
導電パターン6(ライン状配線60)の厚みは、目的とする導電性及び屈曲用フレキシブルプリント配線板1の可撓性を確保できれば特に制限はなく、例えば6μm以上60μm以下、好ましくは12.5μm以上30μm以下である。
<カバーフィルム>
カバーフィルム3は導電パターン6を保護するものである。このカバーフィルム3は、導電パターン6を覆うように接着剤層7を介して積層されている。本実施形態では、各ライン状配線60における端子パッド61を含む両端部は、カバーフィルム3に覆われずに露出している。
カバーフィルム3は導電パターン6を保護するものである。このカバーフィルム3は、導電パターン6を覆うように接着剤層7を介して積層されている。本実施形態では、各ライン状配線60における端子パッド61を含む両端部は、カバーフィルム3に覆われずに露出している。
カバーフィルム3としては、少なくとも絶縁性及び可撓性を有するものが使用され、好ましくは高屈曲性、耐熱性及び熱寸法安定性をさらに有するものが使用される。このカバーフィルム3としては、絶縁性、耐熱性、熱寸法安定性等の観点から、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)を主成分とするフィルムが挙げられる。
カバーフィルム3の厚さは、例えば5μm以上25μm以下、好ましくは7.5μm以12.5μm以下である。カバーフィルム3の厚さを上記範囲とすることで、目的とする絶縁性、可撓性、高屈曲性等を実現できる。
接着剤層7を構成する成分としては、例えば、未硬化状態又は半硬化状態の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。
<サポートフィルム>
サポートフィルム4は、基板2を屈曲させた状態を維持するものである(図3参照)。このサポートフィルム4は、基板2の屈曲が予定されている部分において、カバーフィルム3を介して基板2に積層されている。サポートフィルム4は、基板2の幅方向に対応する寸法が基板2の幅寸法と同一又は略同一(±5%)の帯状体とされ、基板2の全幅にわたって積層されていることが好ましい。サポートフィルム4の長手方向中心と屈曲軸とは平面視で略一致している。このように屈曲軸をサポートフィルム4の平面視で略一致させること、すなわちサポートフィルムを長手方向の略中心で屈曲させることで、屈曲軸からサポートフィルム4が端縁までの距離を適切に確保できるため、屈曲形状をより適切に長期間維持することが可能となる。
サポートフィルム4は、基板2を屈曲させた状態を維持するものである(図3参照)。このサポートフィルム4は、基板2の屈曲が予定されている部分において、カバーフィルム3を介して基板2に積層されている。サポートフィルム4は、基板2の幅方向に対応する寸法が基板2の幅寸法と同一又は略同一(±5%)の帯状体とされ、基板2の全幅にわたって積層されていることが好ましい。サポートフィルム4の長手方向中心と屈曲軸とは平面視で略一致している。このように屈曲軸をサポートフィルム4の平面視で略一致させること、すなわちサポートフィルムを長手方向の略中心で屈曲させることで、屈曲軸からサポートフィルム4が端縁までの距離を適切に確保できるため、屈曲形状をより適切に長期間維持することが可能となる。
サポートフィルム4の長手方向の平均長さは、屈曲用フレキシブルプリント配線板1の厚み、基板2を曲げる形状や角等に応じて決定されるが、基板2の長手方向の寸法よりも小さくされ、通常5mm以上30mm以下、好ましくは5mm以上10mm以下である。このように、屈曲用フレキシブルプリント配線板1では、基板2の一部のみにサポートフィルム4が積層されており、サポートフィルム4が積層された部分が積層領域1A、その他の領域は非積層領域1Bと定義される。
サポートフィルム4が基板2の一部(積層領域1A)に積層されていることで、基板2の全体をサポートフィルム4で積層する場合に比べて、使用するサポートフィルム4の量を少なくできるためコスト的に有利である。また、基板2の一部(積層領域1A)にサポートフィルム4が積層されていると、サポートフィルム4が積層されていない基板2の他の部分(非積層領域1B)の可撓性の低下を抑制しつつ、適切に屈曲形状を維持できる。さらに、サポートフィルム4の平均長さを上記範囲とすることで、上記屈曲軸からサポートフィルム4の端縁までの距離を2.5mm〜5mm程度確保することができるため、屈曲形状をより適切に長期間維持できる。また、サポートフィルム4の平均厚さを上記範囲とすることで、種々の屈曲形状や弾性反発力の大きさに応じて適切に対応し、屈曲形状をより適切に長期間維持できる。
このサポートフィルム4は、液晶ポリマーを主成分としており、本発明の効果を損なわない範囲において、他の成分を含んでいてもよい。
(液晶ポリマー)
この液晶ポリマーには、溶融状態で液晶性を示すサーモトロピック型と、溶液状態で液晶性を示すリオトロピック型があるが、本発明ではサーモトロピック型液晶ポリマーを用いることが好ましい。
この液晶ポリマーには、溶融状態で液晶性を示すサーモトロピック型と、溶液状態で液晶性を示すリオトロピック型があるが、本発明ではサーモトロピック型液晶ポリマーを用いることが好ましい。
上記液晶ポリマーは、例えば芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールや芳香族ヒドロキシカルボン酸等のモノマーとを合成して得られる芳香族ポリエステルである。その代表的なものとしては、パラヒドロキシ安息香酸(PHB)とテレフタル酸と4,4’−ビフェノールとから合成される下記式(1)、(2)及び(3)で表されるモノマーを重合した重合体、PHBとテレフタル酸とエチレングリコールとから合成される下記式(3)及び(4)で表されるモノマーを重合した重合体、PHBと2,6−ヒドロキシナフトエ酸とから合成される下記式(2)、(3)及び(5)で表されるモノマーを重合した重合体等を挙げることができる。
液晶ポリマーとしては、液晶性を示すものであれば特に限定されず、上記各重合体を主体(液晶ポリマー中、50モル%以上)とし、他のポリマー又はモノマーが共重合されていてもよい。また、液晶ポリマーは液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。
液晶ポリエステルアミドは、アミド結合を有する液晶ポリエステルであり、例えば下記式(6)並びに上記式(2)及び(4)で表されるモノマーを重合した重合体を挙げることができる。
液晶ポリマーは、それを構成する構成単位に対応する原料モノマーを溶融重合させ、得られた重合物(プレポリマー)を固相重合させることにより製造することが好ましい。これにより、耐熱性や強度・剛性が高い高分子量の液晶ポリマーを操作性良く製造することができる。溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよく、この触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属化合物や、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1−メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
液晶ポリマーは、その流動開始温度が、通常250℃以上、好ましくは250℃〜350℃、より好ましくは260℃〜330℃である。流動開始温度が高いほど、耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、あまり高いと成型前の樹脂粘度が高くなって成形性が低下するおそれがある。
なお、流動開始温度は、フロー温度又は流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら液晶ポリマーを溶融させ、内径1mm及び長さ10mmのノズルから押し出すときに4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリマーの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
サポートフィルム4は、充填材、添加剤、液晶ポリマー以外の樹脂等の他の成分を1種以上含んでもよい。
充填材としては、例えば、
シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、等の無機充填材;
硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂等の有機充填材
が挙げられ、その含有量は、液晶ポリマー100質量部に対して、通常0〜50質量部である。
シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、等の無機充填材;
硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂等の有機充填材
が挙げられ、その含有量は、液晶ポリマー100質量部に対して、通常0〜50質量部である。
添加剤の例としては、レベリング剤、消泡剤、潤滑剤、酸化防止剤、防食剤、密着向上剤、加水分解防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤等が挙げられ、その含有量は、液晶ポリマー100質量部に対して、通常0〜5質量部である。
液晶ポリマー以外の樹脂としては、例えば、
ポリプロピレン、ポリアミド、液晶ポリマー以外のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド等の液晶ポリマー以外の熱可塑性樹脂;
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂
などが挙げられ、その含有量としては、液晶ポリマー100質量部に対して、通常0〜50質量部であり、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、1質量部以下がさらに好ましく、実質的に含まれないこと(例えば0.1質量部以下)が特に好ましい。これらの樹脂はサポートフィルム4の特性を改善するため加えることができるが、添加量が多くなると液晶ポリマーの持つ高耐熱性、高剛性等の特性を低下させるため、芳香族ポリエステル樹脂以外の樹脂の添加量はできるだけ少量とすることが好ましい。
ポリプロピレン、ポリアミド、液晶ポリマー以外のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド等の液晶ポリマー以外の熱可塑性樹脂;
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂
などが挙げられ、その含有量としては、液晶ポリマー100質量部に対して、通常0〜50質量部であり、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、1質量部以下がさらに好ましく、実質的に含まれないこと(例えば0.1質量部以下)が特に好ましい。これらの樹脂はサポートフィルム4の特性を改善するため加えることができるが、添加量が多くなると液晶ポリマーの持つ高耐熱性、高剛性等の特性を低下させるため、芳香族ポリエステル樹脂以外の樹脂の添加量はできるだけ少量とすることが好ましい。
サポートフィルム4は、液晶ポリマーを主成分とする樹脂組成物を例えば流涎、押出、カレンダー等の諸手段によりシート状に形成した後に切断することで得ることができる。
[屈曲プリント配線板配線板]
図3の屈曲プリント配線板8は、図1及び図2の屈曲用フレキシブル配線1をサポートフィルム4が積層された部分で、サポートフィルム4が外側となるように屈曲させたものである。すなわち、サポートフィルム4は、基板2を屈曲させたときに形成される曲部20の外面側に積層されており、このサポートフィルム4によって屈曲プリント配線板8の屈曲形状が維持されている。
図3の屈曲プリント配線板8は、図1及び図2の屈曲用フレキシブル配線1をサポートフィルム4が積層された部分で、サポートフィルム4が外側となるように屈曲させたものである。すなわち、サポートフィルム4は、基板2を屈曲させたときに形成される曲部20の外面側に積層されており、このサポートフィルム4によって屈曲プリント配線板8の屈曲形状が維持されている。
〔屈曲プリント配線板の製造方法〕
屈曲プリント配線板8の製造方法は、可撓性を有するベースフィルム4の片面に導電パターン2bを積層した基板2を形成する工程と、
基板2の片面にカバーフィルム3を積層する工程と、
カバーフィルム3の片面に液晶ポリマーを主成分とするサポートフィルム4を積層する工程と、
サポートフィルム4を加熱する工程と、
基板2をサポートフィルム4の積層領域で屈曲する工程と、
サポートフィルム4を冷却する工程と
を含む。
屈曲プリント配線板8の製造方法は、可撓性を有するベースフィルム4の片面に導電パターン2bを積層した基板2を形成する工程と、
基板2の片面にカバーフィルム3を積層する工程と、
カバーフィルム3の片面に液晶ポリマーを主成分とするサポートフィルム4を積層する工程と、
サポートフィルム4を加熱する工程と、
基板2をサポートフィルム4の積層領域で屈曲する工程と、
サポートフィルム4を冷却する工程と
を含む。
<基板形成工程>
図4A及び図4Bに示すように、基板形成工程は、ベースフィルム5の表面51に複数のライン状配線60(図1及び図2参照)を含む導電パターン6を形成する工程である。この基板形成工程は、ベースフィルム5の表面51に導体層6Aを形成した後に、この導体層6Aをパターニングして導電パターン6を形成することで行われる。
図4A及び図4Bに示すように、基板形成工程は、ベースフィルム5の表面51に複数のライン状配線60(図1及び図2参照)を含む導電パターン6を形成する工程である。この基板形成工程は、ベースフィルム5の表面51に導体層6Aを形成した後に、この導体層6Aをパターニングして導電パターン6を形成することで行われる。
(導体層)
導体層6Aは、例えば接着剤を用いて箔状の導体を接着することにより、あるいは公知の成膜手法により形成できる。導体としては、例えば、銅、銀、金、ニッケル等が挙げられる。接着剤としては、ベースフィルム5に導体を接着できるものであれば特に制限はなく、公知の種々のものを使用することができる。成膜手法としては、例えば蒸着、メッキ等が挙げられる。導体層6Aは、ポリイミド接着剤を用いて銅箔をベースフィルム5に接着して形成することが好ましい。
導体層6Aは、例えば接着剤を用いて箔状の導体を接着することにより、あるいは公知の成膜手法により形成できる。導体としては、例えば、銅、銀、金、ニッケル等が挙げられる。接着剤としては、ベースフィルム5に導体を接着できるものであれば特に制限はなく、公知の種々のものを使用することができる。成膜手法としては、例えば蒸着、メッキ等が挙げられる。導体層6Aは、ポリイミド接着剤を用いて銅箔をベースフィルム5に接着して形成することが好ましい。
(パターニング)
導体層6Aのパターニングは、公知の方法、例えばフォトエッチングにより行うことができる。フォトエッチングは、導体層6Aの表面に所定のパターンを有するレジスト膜を形成した後に、レジスト膜から露出する導体層6Aをエッチング液で処理し、レジスト膜を除去することにより行われる。
導体層6Aのパターニングは、公知の方法、例えばフォトエッチングにより行うことができる。フォトエッチングは、導体層6Aの表面に所定のパターンを有するレジスト膜を形成した後に、レジスト膜から露出する導体層6Aをエッチング液で処理し、レジスト膜を除去することにより行われる。
<カバーフィルム積層工程>
図5に示すように、サポートフィルム積層工程は、導電パターン6の両端部(ベースフィルム5の両端部5Aに対応する部分)を除いて、導電パターン6を覆うようにカバーフィルム3を積層することで行われる。このカバーフィルム積層工程では、カバーフィルム3を単に載置するだけでもよく、またカバーフィルム3を接着又は仮接着することで行ってもよい。
図5に示すように、サポートフィルム積層工程は、導電パターン6の両端部(ベースフィルム5の両端部5Aに対応する部分)を除いて、導電パターン6を覆うようにカバーフィルム3を積層することで行われる。このカバーフィルム積層工程では、カバーフィルム3を単に載置するだけでもよく、またカバーフィルム3を接着又は仮接着することで行ってもよい。
カバーフィルム3の接着又は仮接着は、例えば接着剤を使用する方法、カバーフィルム3の少なくとも表面30を軟化させた状態で圧着する方法等により行うことができる。接着剤としては、上述したように、未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂の接着剤としては、ホットメルト接着剤、粘着剤が好ましく使用される。粘着剤は、有機溶媒を含む熱可塑性樹脂であり、有機溶媒を蒸発させることで対象物を接着させる接着剤である。
接着剤を使用したカバーフィルム3の接着又は仮接着は、通常は熱圧着により行うことができる。熱圧着時の温度及び圧力は、使用する接着剤の種類や組成等に応じて適宜決定すればよい。
なお、接着剤を使用したカバーフィルム3の接着又は仮接着には、カバーレイフィルムを使用することが好ましい。このカバーレイフィルムは、接着剤付きのフィルムあり、市販品として容易に入手することができる。カバーレイフィルムを用いることで、簡易にカバーフィルム3を接着又は仮接着した状態を実現することができる。
<サポートフィルム積層工程>
図6に示すように、サポートフィルム積層工程は、カバーフィルム3上にサポートフィルム4を接着することで行われる。サポートフィルム4の接着は、例えば接着剤を利用してサポートフィルム4を熱圧着することにより行われる。接着剤としては、例えば、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等)等が挙げられる。
図6に示すように、サポートフィルム積層工程は、カバーフィルム3上にサポートフィルム4を接着することで行われる。サポートフィルム4の接着は、例えば接着剤を利用してサポートフィルム4を熱圧着することにより行われる。接着剤としては、例えば、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等)等が挙げられる。
<加熱工程>
加熱工程は、サポートフィルム4を加熱する工程である。この加熱工程は、サポートフィルム4を軟化させるために行われる。この加熱工程での加熱温度は、例えば60℃以上80℃以下である。
加熱工程は、サポートフィルム4を加熱する工程である。この加熱工程は、サポートフィルム4を軟化させるために行われる。この加熱工程での加熱温度は、例えば60℃以上80℃以下である。
<屈曲工程>
屈曲工程は、サポートフィルム4が積層された部分で屈曲させる工程である。この屈曲工程は、サポートフィルム4の軟化状態を維持したまま、屈曲用フレキシブルプリント配線板1を折り曲げ治具を用いて行うことができ、また屈曲軸を刃等の治具で押さえ付けた状態で手曲げにより行うことができる。
屈曲工程は、サポートフィルム4が積層された部分で屈曲させる工程である。この屈曲工程は、サポートフィルム4の軟化状態を維持したまま、屈曲用フレキシブルプリント配線板1を折り曲げ治具を用いて行うことができ、また屈曲軸を刃等の治具で押さえ付けた状態で手曲げにより行うことができる。
<冷却工程>
冷却工程は、サポートフィルム4を冷却させてサポートフィルム4の形状を固定する工程である。この工程は、自然冷却により行ってもよく、冷風を当てる等して強制冷却してもよい。
冷却工程は、サポートフィルム4を冷却させてサポートフィルム4の形状を固定する工程である。この工程は、自然冷却により行ってもよく、冷風を当てる等して強制冷却してもよい。
〔利点〕
図1及び図2の屈曲用フレキシブルプリント配線板1は、基板2の片面側に液晶ポリマーを主成分とするサポートフィルム4が積層されている。屈曲用フレキシブルプリント配線板1は、サポートフィルム4が積層された部分で屈曲させることで、屈曲形状が維持された図3の屈曲プリント配線板8とされる。ここで、サポートフィルム4の主成分として好適に使用されるサーモトロピック型液晶ポリマーは、液晶転移温度以上として分子を配向させた後に冷却することで高い結晶性を示し、この高い結晶性により高い剛性を有する熱可塑性樹脂である。そのため、屈曲用フレキシブルプリント配線板1をサポートフィルム4が積層された部分において屈曲させた屈曲プリント配線板8は、液晶ポリマーの高い剛性に基づいて屈曲形状を長期間維持することが可能となる。
図1及び図2の屈曲用フレキシブルプリント配線板1は、基板2の片面側に液晶ポリマーを主成分とするサポートフィルム4が積層されている。屈曲用フレキシブルプリント配線板1は、サポートフィルム4が積層された部分で屈曲させることで、屈曲形状が維持された図3の屈曲プリント配線板8とされる。ここで、サポートフィルム4の主成分として好適に使用されるサーモトロピック型液晶ポリマーは、液晶転移温度以上として分子を配向させた後に冷却することで高い結晶性を示し、この高い結晶性により高い剛性を有する熱可塑性樹脂である。そのため、屈曲用フレキシブルプリント配線板1をサポートフィルム4が積層された部分において屈曲させた屈曲プリント配線板8は、液晶ポリマーの高い剛性に基づいて屈曲形状を長期間維持することが可能となる。
サポートフィルム4は、熱可塑性樹脂である液晶ポリマーを主成分とするフィルム状であることから、種々の基板形状(ベースフィルム形状)や屈曲形状に対して、サポートフィルム4として適当な形状及び大きさに切断したものを使用することで対応できる。その結果、種々の屈曲形状に応じたサポートフィルム4を形成するにあたって、屈曲形状に応じた金型を必要としないため、屈曲プリント配線板8の屈曲形状を長期間維持できる屈曲用フレキシブルプリント配線板1をコスト的に有利に提供できる。加えて、サポートフィルム4の積層部分で屈曲された屈曲プリント配線板8は、液晶ポリマーの高い結晶性に基づいて高い耐熱性及び低熱膨張性を示すことから、耐熱性及び寸法安定性が要求される屈曲プリント配線板8に対し好適に使用することができる。
さらに、屈曲プリント配線板の製造方法によれば、液晶ポリマーを主成分とするサポートフィルム4が基板2に接着された屈曲プリント配線板8が提供される。そのため、上記製造方法によれば、コスト的に有利に、種々の基板2の形状(ベースフィルム5の形状)や屈曲形状に適切に対応できる屈曲プリント配線板8を好適に提供することができる。
〔他の実施形態〕
上記実施形態は上記構成から上述の利点を奏するものであったが、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内において適宜設計変更可能である。
上記実施形態は上記構成から上述の利点を奏するものであったが、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内において適宜設計変更可能である。
例えば、図1の屈曲用フレキシブルプリント配線板1及び図3の屈曲プリント配線板8はコネクタ間を接続するものであったが、本発明の屈曲用フレキシブルプリント配線板及び屈曲プリント配線板は、電子部品が実装される配線板や多層配線板としても適用できるものである。
図1の屈曲用フレキシブルプリント配線板1及び図3の屈曲プリント配線板8は、ベースフィルム5の片面にのみ導電パターン6が形成された基板2を備える片面配線板であったが、当該屈曲用フレキシブルプリント配線板及び当該屈曲プリント配線板は、ベースフィルムの両面に導電パターンが形成された基板を備える両面配線板として構成することもできる。
また、屈曲用フレキシブルプリント配線板を屈曲プリント配線板とする場合、加熱工程よりも先に屈曲工程を行ってもよく、加熱工程の前に屈曲形状を仮に規定する仮屈曲工程をさらに含んでいてもよい。
さらに、屈曲プリント配線板は、図7から図13に示す形態であってもよい。なお、図7から図13の屈曲プリント配線板9A〜9Fにおいて、図3の配線板8と同一又は類似の部材等については同一の符号を付してあり、以下における重複説明は省略する。
図7の屈曲プリント配線板9Aは、基板2におけるカバーフィルム3とは反対側においてサポートフィルム4が積層され、サポートフィルム4が内側に位置するように屈曲されている。すなわち、屈曲プリント配線板9Aは、図3の屈曲プリント配線板8とは基板2の反対側にサポートフィルム4が積層されている。この屈曲プリント配線板9Aは、サポートフィルム4が曲部20の内面側となるように屈曲されているが、サポートフィルム4によって屈曲プリント配線板9Aの屈曲形状を維持することができる。
図8の屈曲プリント配線板9Bは、基板2の両面側にサポートフィルム4が積層されている。この屈曲プリント配線板9Bでは、曲部20の外面側及び内面側の双方にサポートフィルム4が積層され、サポートフィルム4によって屈曲プリント配線板9Bの屈曲形状が維持されている。そのため、屈曲プリント配線板9Bの屈曲形状をより適切かつ長期間維持することが可能となる。
図9の屈曲プリント配線板9Cは、複数(図面上は5つ)の曲部20を形成し、それぞれの曲部20の外面側にサポートフィルム4を積層して屈曲形状を維持したものである。なお、曲部20の個数は複数であれば5つには限定されない。また、サポートフィルム4は、それぞれの曲部20の内面側に積層し、全ての曲部20の外面側及び内面側の双方に積層してもよく、曲部20の少なくとも片側にサポートフィルム4を積層すればよい。
図10及び図11の屈曲プリント配線板9Dは、基板2が帯状ではなく、屈曲方向が基板2の幅方向とされたものである。この屈曲プリント配線板9Dにおいても、曲部20の外面側にサポートフィルム4が積層されている。このように、本発明は、帯状の屈曲プリント配線板に限らず、屈曲形状を維持することが要求される帯状以外の形態の屈曲プリント配線板にも適用できる。
図12及び図13の屈曲プリント配線板9E,9Fは、屈曲形状が他の屈曲プリント配線板とは異なる。図12の屈曲プリント配線板9Eは、曲部20の外面側にサポートフィルム4が積層されて折り返し形状が維持されたものである。図13の屈曲プリント配線板9Fは、曲部20の外面側にサポートフィルム4が積層されて湾曲形状が維持されたものである。図12及び図13の屈曲プリント配線板9E,9Fのように、本発明は、折曲形状に限らず、折り返し、湾曲等の他の屈曲形状を維持することが要求される屈曲プリント配線板にも適用できる。
図7から図13の屈曲プリント配線板9A〜9Fは、図3の屈曲プリント配線板と同様に、液晶ポリマーを主成分とするサポートフィルム4が曲部20に積層されている。液晶ポリマーは、上述のように剛性、耐熱性及び寸法安定性に優れる熱可塑性樹脂である。そのため、屈曲プリント配線板9A〜9Fにおいても、屈曲形状を長期間維持することが可能である。
本発明によれば、屈曲プリント配線板の屈曲形状を長期間維持でき、コスト的に有利に種々の基板形状や屈曲形状に適切に対応できる屈曲用フレキシブルプリント配線板が提供される。
1 屈曲用フレキシブルプリント配線板
1A 積層領域
1B 非積層領域
2 基板
20 曲部
3 カバーフィルム
4 サポートフィルム
5 ベースフィルム
5A (ベースフィルムの)端部
6 導電パターン
6A 導体層
60 ライン状配線
61 端子パッド
8,9A〜9F 屈曲プリント配線板
1A 積層領域
1B 非積層領域
2 基板
20 曲部
3 カバーフィルム
4 サポートフィルム
5 ベースフィルム
5A (ベースフィルムの)端部
6 導電パターン
6A 導体層
60 ライン状配線
61 端子パッド
8,9A〜9F 屈曲プリント配線板
Claims (6)
- 可撓性を有するベースフィルム及びこのベースフィルムの少なくとも一方の面側に積層される導電パターンを有する基板と、
上記基板の少なくとも一方の面側に積層され、上記基板の屈曲形状を維持するサポートフィルムと
を備え、
上記サポートフィルムの主成分が液晶ポリマーである屈曲用フレキシブルプリント配線板。 - 上記サポートフィルムが積層された積層領域と上記サポートフィルムが積層されていない非積層領域とを含む請求項1に記載の屈曲用フレキシブルプリント配線板。
- 上記サポートフィルムが帯状体であり、
上記サポートフィルムの長手方向中心と屈曲軸とが平面視で略一致する請求項1又は請求項2に記載の屈曲用フレキシブルプリント配線板。 - 上記サポートフィルムの帯状部分が、上記長手方向の平均長さが5mm以上10mm以下、平均厚さが50μm以上200μm以下である請求項3に記載の屈曲用フレキシブルプリント配線板。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の屈曲用フレキシブルプリント配線板を上記サポートフィルムが積層された部分で屈曲させた屈曲プリント配線板。
- 可撓性を有するベースフィルムの少なくとも一方の面側に導電パターンを積層した基板を形成する工程と、
上記基板の少なくとも一方の面側のうち屈曲領域に液晶ポリマーを主成分とするサポートフィルムを積層する工程と、
上記サポートフィルムを加熱する工程と、
上記基板をサポートフィルム積層領域で屈曲する工程と、
上記サポートフィルムを冷却する工程と
を含む屈曲プリント配線板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013114693A JP2014236020A (ja) | 2013-05-30 | 2013-05-30 | 屈曲用フレキシブルプリント配線板、屈曲プリント配線板、及び屈曲プリント配線板の製造方法 |
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Family
ID=52138538
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013114693A Pending JP2014236020A (ja) | 2013-05-30 | 2013-05-30 | 屈曲用フレキシブルプリント配線板、屈曲プリント配線板、及び屈曲プリント配線板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014236020A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017017263A (ja) * | 2015-07-06 | 2017-01-19 | 日産自動車株式会社 | モジュール−基板間接続構造 |
US20220151073A1 (en) * | 2020-11-10 | 2022-05-12 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Printed circuit board and electronic device including the same |
WO2022103148A1 (ko) * | 2020-11-10 | 2022-05-19 | 삼성전자 주식회사 | 회로 기판 및 상기 회로 기판을 포함하는 전자 장치 |
JP7447523B2 (ja) | 2020-02-07 | 2024-03-12 | ニデック株式会社 | 光学ユニット |
-
2013
- 2013-05-30 JP JP2013114693A patent/JP2014236020A/ja active Pending
Cited By (5)
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