JP2014234933A - 球状粒子製造用バーナー - Google Patents

球状粒子製造用バーナー Download PDF

Info

Publication number
JP2014234933A
JP2014234933A JP2013114835A JP2013114835A JP2014234933A JP 2014234933 A JP2014234933 A JP 2014234933A JP 2013114835 A JP2013114835 A JP 2013114835A JP 2013114835 A JP2013114835 A JP 2013114835A JP 2014234933 A JP2014234933 A JP 2014234933A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame
burner
raw material
spherical particles
cooling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013114835A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5925730B2 (ja
Inventor
澤野 清志
Kiyoshi Sawano
清志 澤野
克昌 矢木
Katsumasa Yagi
克昌 矢木
道太 齋藤
Michita Saito
道太 齋藤
睦人 田中
Mutsuto Tanaka
睦人 田中
正徳 阿江
Masanori Ae
正徳 阿江
尚三 徳田
Naozo Tokuda
尚三 徳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel and Sumikin Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumikin Materials Co Ltd filed Critical Nippon Steel and Sumikin Materials Co Ltd
Priority to JP2013114835A priority Critical patent/JP5925730B2/ja
Publication of JP2014234933A publication Critical patent/JP2014234933A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5925730B2 publication Critical patent/JP5925730B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】熱によるバーナー本体の破損を防止しつつ、流動性向上に優れた無機質球状粒子を製造できるとともに、従来よりも無機質球状粒子の生産性を向上し得る球状粒子製造用バーナーを提供する。
【解決手段】球状粒子製造用バーナー1では、噴出面2aにおいて外火炎ノズル23aを連続して密に配置させたことで、外気の巻き込みが少なくなり未溶融粒子の生成を抑制して円形度が高く、かつ比表面積が低い流動性に優れた無機質球状粒子をより多く生成できる。また、球状粒子製造用バーナー1では、冷却水が中心冷却路24a、迂回経路24bおよび側面冷却路24cの順に連続して流れることで、中心軸近傍だけでなく本体側面2b側を含めてバーナー本体2全体を冷却水によって冷却させることもでき、バーナー本体2の熱による破損を防止し得る。
【選択図】図3

Description

本発明は、球状粒子製造用バーナーに関し、例えば無機質粒子原料を火炎中に噴出して無機質粒子原料を溶融させ、球状化した無機質球状粒子を製造する球状粒子製造用バーナーに適用して好適なものである。
近年、樹脂の機能を高めるために、例えば酸化チタンや、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ等でなる無機質球状粒子をフィラーとして樹脂に充填することが行われている。例えば、半導体封止材として用いる樹脂では、このような無機質球状粒子を充填することで流動性の向上が図られている。ここで、樹脂の流動性を向上させるには、一般的に、円形度(「粒子面積と等しい円の円周長÷粒子の周囲長」で求められ、この値が1に近づくほど真球に近づくことを意味する)が高く、かつ比表面積(粒子の単位体積当たりの表面積であり、この値が低いほど超微粉化を防止して流動性向上に優れた粒径となることを意味する)が低い球状の無機質球状粒子を充填することが望ましい。すなわち、樹脂に超微粉化した粒子(超微粉)が多量に混合されると、増粘性が増し流動性が低下する要因となることから、樹脂の流動性向上のためには、上述したように比表面積が低い粒子を用いることが望ましい。
このような高い円形度と低い比表面積を有した無機質球状粒子の製造方法としては、無機質粒子原料を高温の火炎中に噴出させることで無機質粒子原料を溶融させて無機質球状粒子を製造する方法(溶射球状化法)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、図7は、上述した溶射球状化法を利用して無機質球状粒子を製造する従来の球状粒子製造用バーナーの一例を示す概略図であり、バーナー本体102の端部に形成された円形状の噴出面102aの構成を示している。この場合、噴出面102aには、噴出面102aの中心点Oを中心にした小径でなる第1円形仮想線VL1に沿って複数の内火炎孔5が1列に配置されているとともに、第1円形仮想線VL1よりも径が大きく中心点Oを中心にした第2円形仮想線VL2に沿って複数の原料供給孔6が1列に配置されている。
また、この噴出面102aには、第2円形仮想線VL2よりも径が大きく、中心点Oを中心とした第3円形仮想線VL3に沿って複数の外火炎孔103が1列に配置されており、中心点Oから本体側面102bに向けて内火炎孔5、原料供給孔6および外火炎孔103の順に配置されている。
このような球状粒子製造用バーナー101は、内火炎孔5および外火炎孔103から高温の火炎が噴出するとともに、これら内火炎孔5および外火炎孔103に挟まれた原料供給孔6から無機質粒子原料が噴出することで、無機質粒子原料を火炎により溶融し、粒子形状が球状化した微小な無機質球状粒子を生成し得るようになされている。
ここで、図8は、バーナー本体102の中心軸を基準に左側半分の側断面構成を簡単に示したものである。このバーナー本体102の内部には、図8に示すように、無機質粒子原料を原料供給ノズル13aまで導く原料供給路10と、支燃性ガスとして酸素ガスを内火炎ノズル21および外火炎ノズル105まで導く燃焼酸素供給路19と、燃焼ガスを内火炎ノズル21および外火炎ノズル105まで導く燃焼ガス供給路15と、バーナー本体102を冷却する冷却水が流れる冷却流路W100とが設けられている。
この場合、原料供給路10は、バーナー本体102の中心軸に配置された軸方向原料供給管11aと、軸方向原料供給管11aの先端から本体側面102bに向けて十字方向に延びる4つの径方向原料供給管11b(図8は一方向に延びる1つの径方向原料供給管11bのみを図示し、この径方向原料供給管11bの長手方向に沿って反対側に延びる径方向原料供給管や、図面手前および奥に延びる他方向の径方向原料供給管は図示していない)とを備え、各径方向原料供給管11bの先端部に噴出面102aまで延びる原料供給ノズル13aが連通されている。
また、燃焼酸素供給路19は、バーナー本体102内にて中心軸の周囲360度に配置された燃焼酸素室20を備え、燃焼酸素室20から噴出面102aまで延びた内火炎ノズル21および外火炎ノズル105に酸素ガスを供給し得る。燃焼ガス供給路15は、バーナー本体102にて中心軸の周囲360度に配置された燃焼ガス室16を備え、燃焼ガス室16から内火炎ノズル21および外火炎ノズル105に燃焼ガスを供給し得る。内火炎ノズル21および外火炎ノズル105は、酸素ガスと燃焼ガスとを混合して混合ガスを生成し、この混合ガスにより先端の内火炎孔5および外火炎孔103から火炎を噴出させ得るようになされている。
一方、冷却流路W100は、中心軸にある軸方向原料供給管11aに隣接するようにして噴出面102a近傍まで延びる軸方向冷却管110と、軸方向冷却管110の先端から本体側面102bに向けて十字方向に延びる4つの径方向冷却管111(図8は一方向に延びる1つの径方向冷却管111のみを図示し、この径方向冷却管111の長手方向に沿って反対側に延びる径方向冷却管や、図面手前および奥に延びる他方向の径方向冷却管は図示していない)と、径方向冷却管111の先端にて本体側面102bに沿って延びる側面冷却管112とを備えている。
このように冷却流路W100は、噴出面102aの内壁近傍にて中心軸から本体側面102bに向けて配置された径方向冷却管111に冷却水を供給し、本体側面102bに沿って配置された側面冷却管112にもそのまま冷却水を供給することで、噴出面102a近傍と、本体側面102bとを冷却水によって冷却し得、噴出面102aから火炎が噴出された際に熱によってバーナー本体102が破損してしまうことを防止し得るようになされている。
特開2009−92254号公報
ところで、このような球状粒子製造用バーナー101では、4つの径方向冷却管111が噴出面102aの内壁近傍にて中心点Oから本体側面102bまで配置されているため、図7に示すように、径方向冷却管111が配置される冷却管内蔵領域に内火炎孔5や原料供給孔6、外火炎孔103が形成し得ず、これら内火炎孔5および原料供給孔6だけでなく、外火炎孔103も形成されない火炎欠落領域ERa,ERb,ERc,ERdが形成されている。
ここで、このような火炎欠落領域ERa,ERb,ERc,ERdが形成されている従来の球状粒子製造用バーナー101について、原料供給孔6から噴出した無機質粒子原料の流れ方をシミュレーションで調べたところ、図9に示すような結果が得られた。なお、図9は、中心点Oの周囲360度のうち角度θの範囲内での無機質粒子原料の流れ方を示す。この図9から、従来の球状粒子製造用バーナー101では、火炎欠落領域ERa,ERb,ERc,ERdから火炎中に外気を巻き込んでおり、原料供給孔6から火炎中に噴出された無機質粒子原料の流れが外気によって乱れていることが確認できた。
このような無機質粒子原料の乱れは、無機質粒子原料の逆流等を生じさせ、無機質粒子原料の火炎中での滞留時間が変化し、その分だけ無機質粒子原料が火炎により溶融し難くなる。そのため、従来の球状粒子製造用バーナー101では、高い円形度および低い比表面積を有した所望する無機質球状粒子だけでなく、十分に溶融されていない未溶融粒子も生成されてしまい、生産性が低下してしまうという問題があった。その一方で近年では、無機質球状粒子の生産性を向上させるだけでなく、従来よりも樹脂の流動性向上に優れた無機質球状粒子を製造できる球状粒子製造用バーナーの開発が望まれている。
そこで、本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、熱によるバーナー本体の破損を防止しつつ、流動性向上に優れた無機質球状粒子を製造できるとともに、従来よりも無機質球状粒子の生産性を向上し得る球状粒子製造用バーナーを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る球状粒子製造用バーナーは、無機質粒子原料を火炎中に噴出し無機質球状粒子を製造する球状粒子製造用バーナーであって、内部に設けた冷却流路に冷却媒体が流れ、噴出面から前記火炎および前記無機質粒子原料が噴出するバーナー本体を備え、前記バーナー本体は、前記噴出面の中心点の周囲に配置された複数の内火炎ノズルと、前記内火炎ノズルの外周に配置された複数の原料供給ノズルと、前記原料供給ノズルの外周にて隣接間隔が密に配置され、密に噴出する火炎により前記中心点側への外気の巻き込みを抑制する複数の外火炎ノズルとを有し、前記冷却流路は、前記内火炎ノズルに囲まれた中心領域内に設けた中心冷却路と、前記中心冷却路に供給された冷却媒体を、前記噴出面から遠ざけて前記内火炎ノズル、前記原料供給ノズルおよび前記外火炎ノズルを迂回させる迂回経路と、前記迂回経路と連通し、前記外火炎ノズルの外周に配置された側面冷却路とを備え、前記冷却媒体が前記中心冷却路、前記迂回経路および前記側面冷却路の順に連続して流れることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る球状粒子製造用バーナーは、請求項1において、前記噴出面は、前記外火炎ノズルの先端にある外火炎孔が2列以上になって前記中心点を周回するように配置され、一の列の外火炎孔が前記中心点の周囲に等角度間隔で配置されているとともに、他の列の外火炎孔が前記一の列の外火炎孔の等角度間隔と位相をずらして同じ等角度間隔で配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る球状粒子製造用バーナーは、請求項1または2において、前記一の列および前記他の列の外火炎孔が、前記中心点の周囲に5度以下の等間隔角度で配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る球状粒子製造用バーナーは、請求項1〜3のうちいずれか1項において、前記噴出面では、前記中心点を中心とした仮想線に沿って前記内火炎孔が配置されているとともに、該仮想線とは異なる仮想線に沿って前記外火炎孔が配置されており、前記内火炎孔が配置されている仮想線と、前記外火炎孔が配置されている仮想線との距離が、27[mm]以上56[mm]以下であることを特徴とする。
本発明の球状粒子製造用バーナーによれば、噴出面において外火炎ノズルを連続して密に配置させたことで、外気の巻き込みが少なくなり未溶融粒子の生成を抑制し得、流動性向上に優れた球状の無機質球状粒子をより多く生成できるとともに、冷却水が中心冷却路、迂回経路および側面冷却路の順に連続して流れることで、バーナー本体全体を冷却水によって冷却させることもでき、バーナー本体の熱による破損を防止し得、かくして、熱によるバーナー本体の破損を防止しつつ、流動性向上に優れた無機質球状粒子を製造できるとともに、無機質球状粒子の生産性をも向上し得る球状粒子製造用バーナーを実現し得る。
本発明の球状粒子製造用バーナーにおける噴出面の構成を示す概略図である。 無機質粒子原料を原料供給孔から噴出させた際のシミュレーション結果(1)を示す概略図である。 冷却水が流れる冷却流路を簡単に示した概略図である。 比較例1および比較例2の噴出面の構成と、実施例1の噴出面の構成を示す概略図である。 実施例1、比較例1および比較例2の各球状粒子製造用バーナーから得られた無機質球状粒子の検証結果をまとめた表である。 円形度と粉給量との関係を示すグラフである。 従来の噴出面の構成を示す概略図である。 従来の球状粒子製造用バーナーの側断面構成を示す概略図である。 無機質粒子原料を原料供給孔から噴出させた際のシミュレーション結果(2)を示す概略図である。
図7との対応部分に同一符号を付して示す図1は、本発明の球状粒子製造用バーナー1に形成された噴出面2aの構成を示す概略図である。実際上、球状粒子製造用バーナー1は、外郭が円柱状に形成されたバーナー本体2を有し、このバーナー本体2の端部に円形状の噴出面2aが形成されている。この噴出面2aには、噴出面2aの中心点Oを中心とした小径でなる第1円形仮想線VL1に沿って複数の内火炎孔5が1列に配置されているとともに、第1円形仮想線VL1よりも径が大きく中心点Oを中心とした第2円形仮想線VL2に沿って複数の原料供給孔6が1列に配置されている。
噴出面2aには、中心点Oを中心に十字方向に延びる原料供給管内蔵領域があり、この原料供給案内蔵領域を避けるように内火炎孔5および原料供給孔6が配置されている。この原料供給管内蔵領域には、原料供給孔6に無機質粒子原料を供給するための径方向原料供給管(後述する)が噴出面2a内部に配置されており、この径方向原料供給管が配置されているため内火炎孔5および原料供給孔6を形成し得ない領域となっている。そのため、第1円形仮想線VL1上には、原料供給管内蔵領域を避けて4つの領域内に、内火炎孔5が中心点Oの周囲に5度以下の等角度間隔で配置されている。
また、第2円形仮想線VL2には、原料供給管内蔵領域を避けて4つの領域内に、1列に複数の原料供給孔6が配置されており。
例えば中心点Oの周囲に5度以下の等角度間隔で原料供給孔6が配置されている。
これに加えてこの噴出面2aには、第2円形仮想線VL2よりも径が大きく、中心点Oを中心とした第3円形仮想線VL3に沿って複数の外火炎孔7が1列に配置されている。本発明では、この第3円形仮想線VL3に従来のような火炎欠落領域ERa,ERb,ERc,ERd(図7)が形成されておらず、第3円形仮想線VL3上に等間隔で外火炎孔7が連続して密に配置されている。これにより球状粒子製造用バーナー1は、噴出面2aに火炎欠落領域ERa,ERb,ERc,ERd(図7)がない分、外火炎孔7から火炎を密に噴出し得、火炎中への外気の巻き込みを抑制し得るようになされている。
実際上、第3円形仮想線VL3には、1列に複数の外火炎孔7が配置されており例えば中心点Oの周囲に5度以下の等角度間隔(この場合、2度)で外火炎孔7が配置されている。
これにより、噴出面2aでは、バーナー本体2内に内蔵した後述する冷却流路の管幅よりも、隣接する外火炎孔6間の距離が小さく選定されており、隣接する外火炎孔6間を当該冷却流路が通過し得ないほど、外火炎孔6が連続して密に配置されている。
ここで、このように外火炎孔7が連続して密に配置された噴出面2aを用いて、原料供給孔6から噴出される無機質粒子原料がどのように流れるかについてシミュレーションで調べたところ、図2に示すような結果が得られた。なお、図2は、中心点Oの周囲360度のうち角度θの範囲内での無機質粒子原料の流れ方を示す。図2に示すように、本発明の球状粒子製造用バーナー1では、火炎欠落領域ERa,ERb,ERc,ERd(図7)がない分、火炎中へ外気が巻き込まれ難くなり、原料供給孔6から火炎中に噴出された無機質粒子原料の流れが乱れることなく噴出面2aからそのまま外方へ向けて噴出させることができる。かくして、球状粒子製造用バーナー1は、無機質粒子原料の逆流等も生じることなく無機質粒子原料の火炎中での滞留時間も変化し難いことから、その分、火炎により溶融される無機質粒子原料が従来よりも増加し、高い円形度と低い比表面積を有した所望の無機質球状粒子を安定して生成し得る。
但し、この際、原料供給孔6に対し内火炎孔5および外火炎孔7の配置位置が近づきすぎた場合には、火炎温度が上がりすぎて、生成される無機質球状粒子の比表面積が高くなりすぎてしまい、所望する流動性向上に優れた無機質球状粒子を生成し難い。その一方、原料供給孔6に対し内火炎孔5および外火炎孔7の配置位置が遠すぎた場合には、火炎温度が下がりすぎてしまい、無機質粒子原料を十分に溶融し得ない。
そこで、噴出面2aでは、内火炎孔5が配置される第1円形仮想線VL1と、外火炎孔7が配置される第3円形仮想線VL3との距離が、27[mm]以上56[mm]以下に選定されることが望ましい。なお、原料供給孔6が配置される第2円形仮想線VL2は、これら第1円形仮想線VL1および第3円形仮想線VL3の中間位置に配置させることが望ましい。
このように本発明の球状粒子製造用バーナー1は、第3円形仮想線VL3上に火炎欠落領域ERa,ERb,ERc,ERd(図7)を設けずに外火炎孔7を連続して密に配置させるとともに、内火炎孔5および外火炎孔7の距離を最適な距離に選定したことで、円形度が0.93以上、かつ比表面積が11.0[m2/g]以下の無機質球状粒子を効率良く生成し得る。なお、このような円形度が0.93以上、かつ比表面積が11.0[m2/g]以上の無機質球状粒子は、樹脂に充填させることにより樹脂の流動性を向上させることができ、かくして本発明の球状粒子製造用バーナー1は流動性向上に優れた無機質球状粒子を生成し得る。
因みに、ここで円形度とは、「粒子面積と等しい円の円周長÷粒子の周囲長」で求められ、円形度の値が1に近づくほど真球に近づくことを意味し、フロー式粒子像分析装置FPIA-2100により測定できる。また、比表面積とは、無機質球状粒子の単位体積当たりの表面積であり、この比表面積の値が低いほど超微粉化を防止して流動性向上に優れた粒径となることを意味するものであり、BET法により求めることができる。
なお、ここで、無機質粒子原料としては、酸化チタンや、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナからなる粉末を用いることができ、この場合、球状粒子製造用バーナー1では、無機質球状粒子としてシリカ粒子やアルミナ粒子等を生成し得る。
また、かかる構成に加えて本発明の球状粒子製造用バーナー1では、従来とは全く異なる構成を有した冷却流路をバーナー本体2内に設けることで、従来の球状粒子製造用バーナー101のような火炎欠落領域ERa,ERb,ERc,ERd(図7)を設けずに外火炎孔7を連続して密に形成させることが実現し得、かくして、噴出面において外火炎ノズルを連続して密に配置させて外気の巻き込みを抑制しつつ、バーナー本体2を効率良く冷却し、バーナー本体2の熱による破損を防止し得るようになされている。
ここで、図3は、バーナー本体2の中心軸を基準に左側半分の側断面構成を示す概略図である。図3のように、バーナー本体2の内部には、無機質粒子原料を原料供給ノズル13aまで導く原料供給路10と、支燃性ガスとして酸素ガスを内火炎ノズル21および外火炎ノズル23aまで導く燃焼酸素供給路(支燃性ガス供給路)19と、燃焼ガスを内火炎ノズル21および外火炎ノズル23aまで導く燃焼ガス供給路15と、バーナー本体2を冷却する冷却水が流れる冷却流路Wとが設けられている。
この場合、原料供給路10は、バーナー本体2の中心軸に配置された軸方向原料供給管11aと、軸方向原料供給管11aの先端から本体側面2bに向けて十字方向に延びる4つの径方向原料供給管11b(図3は一方向に延びる1つの径方向原料供給管11bのみを図示している)とを備えている。各径方向原料供給管11bは、その先端部が中心軸の周囲360度に配置されており、当該先端部に噴出面2aまで延びる各原料供給ノズル13aが設けられている。これにより原料供給路10は、軸方向原料供給管11a、径方向原料供給管11b、および原料供給ノズル13aを介して原料供給ノズル13a先端の原料供給孔6から無機質粒子原料を噴出させ得る。
燃焼酸素供給路19は、バーナー本体2の中心軸の周囲360度に配置された燃焼酸素室(支燃性ガス室)20を備え、燃焼酸素室20から噴出面2aまで延びた内火炎ノズル21および外火炎ノズル23aに酸素ガスを供給し得る。
燃焼ガス供給路15は、バーナー本体2の中心軸の周囲360度に配置された燃焼ガス室16を燃焼酸素室20の下部に備え、燃焼ガス室16から内火炎ノズル21および外火炎ノズル23aに燃焼ガスを供給し得る。これにより、内火炎ノズル21および外火炎ノズル23aは、酸素ガスと燃焼ガスとを混合して混合ガスを生成し、この混合ガスにより先端の内火炎孔5および外火炎孔7から火炎を噴出させ得るようになされている。
かかる構成に加えてバーナー本体2内に配置された冷却流路Wは、内火炎ノズル21に囲まれた中心領域内に設けた中心冷却路24aと、この中心冷却路24aに供給された冷却水を、噴出面2aから遠ざけて内火炎ノズル21、原料供給ノズル13aおよび外火炎ノズル23aを迂回させる迂回経路24bと、この迂回経路24bと連通し、外火炎ノズル23aの外周に配置された側面冷却路24cとを有している。
実際上、冷却流路Wは、中心軸に配置された軸方向原料供給管11aの周囲360度に配置された環状の連通管(図示せず)を、中心冷却路24aを構成する軸方向冷却管28の上部に備えており、この連通管に導入管(図示せず)を介して冷却水が供給され得る。連通管は、内火炎ノズル21に囲まれた中心領域内にて冷却水を循環させる中心冷却路24aと連通しており、軸方向原料供給管11aの周囲360度に冷却水を供給するとともに、中心冷却路24aにも冷却水を供給し得る。
この場合、中心冷却路24aは、連通管の所定箇所から下方に延びる複数の軸方向冷却管28(図1および図3)と、これら軸方向冷却管28と連通し、噴出面2a近傍にて中心点Oを中心に周囲360度に配置された噴出面冷却路29とを備えている。噴出面冷却路29は、噴出面2aと対向配置された環状の第1径方向冷却路30と、この第1径方向冷却路30の外端と連通し、第1径方向冷却路30の上方に配置された環状の第2径方向冷却路31とを有する。
実際上、噴出面冷却路29は、第1径方向冷却路30の内側上部に軸方向冷却管28が連通し、軸方向冷却管28から第1径方向冷却路30に冷却水が供給されると、第1径方向冷却路30により中心軸の周囲360度で冷却水が循環し(図1)、第1径方向冷却路30の外側上部で連通した第2径方向冷却路31(図3)にも冷却水を供給し得る。また、第2径方向冷却路31は、内側上部にて迂回経路24bと連通しており、内火炎ノズル21で囲まれた領域内にて中心軸の周囲360度で冷却水が循環するとともに、当該迂回経路24bにも冷却水を供給し得るようになされている。
迂回経路24bは、噴出面2aから遠ざかり内火炎ノズル21、原料供給ノズル13aおよび外火炎ノズル23aを迂回して側面冷却路24cに冷却水を供給し得るように構成されている。実際上、この迂回経路24bは、第2径方向冷却路31から軸方向に沿って上方へ延びる複数の軸方向迂回管32(図1および図3)と、内火炎ノズル21、原料供給ノズル13aおよび外火炎ノズル23aの上方にて軸方向迂回管32の先端から径方向に延び径方向迂回管34(図3)とを備え、径方向迂回管34に側面冷却路24cが連通した構成を有する。
実際上、この径方向迂回管34は、燃焼酸素室20および燃焼ガス室16の上方に配置されており、燃焼酸素室20から内火炎ノズル21および外火炎ノズル23aへ酸素ガスを供給する供給経路と、燃焼ガス室16から内火炎ノズル21および外火炎ノズル23aへ燃焼ガスを供給する供給経路とを遮断させることなく、中心軸側から内火炎ノズル21および外火炎ノズル23aを越えて本体側面2b側まで冷却水を供給し得るようになされている。
側面冷却路24cは、内火炎ノズル21、原料供給ノズル13aおよび外火炎ノズル23aの上方(燃焼酸素室20の外側上方)にて中心軸周囲360度に配置された側面上部冷却路35と、外火炎ノズル23aの外周側にて中心軸周囲360度に配置され、噴出面2a近傍に位置する側面下部冷却路38(図1)とを有し、側面上部冷却路35と側面下部冷却路38とが複数の第1側面連通管37にて連通されている。
また、側面下部冷却路38は、第1側面連通管37と並走して当該第1側面連通管37の外周に配置された複数の第2側面連通管39と連通しており、第2側面連通管39を介して排出口から冷却水をバーナー本体2の外部へ排出し得るようになされている。かくして、側面冷却路24cは、側面上部冷却路35にて冷却水が360度周回するとともに、第1側面連通管37を通って側面下部冷却路38まで導かれ、その後、側面下部冷却路38にて360度周回するとともに、側面下部冷却路38から第2側面連通管39を通ってバーナー本体2外部に冷却水を排出し得る。かくして、側面冷却路24cは、バーナー本体2の本体側面2bおよび噴出面2aの外周領域を冷却し得るとともに、外火炎ノズル23aを外周側から冷却し得る。
ここで、上述した冷却流路Wについて、中心軸から本体側面2bへ流れる経路について簡単にまとめると、冷却流路Wは、軸方向原料供給管11aに隣接するように配置された軸方向冷却管28により径方向原料供給管11bの下方まで冷却水を導く。
次いで、冷却流路Wは、径方向原料供給管11bの下方にて、第1径方向冷却路30により冷却水を本体側面2b側に導いた後、内火炎ノズル21に沿って上方の第2径方向冷却路31まで冷却水を供給する。次いで、冷却流路Wは、第2径方向冷却路31により中心軸側に冷却水を一旦導いた後、軸方向冷却管28の外周に配置された軸方向迂回管32により中心軸にそって冷却水を、上方の径方向迂回管34に供給する。
径方向迂回管34は、内火炎ノズル21および外火炎ノズル23aに酸素ガスを供給するために中心軸周囲360度に配置された燃焼酸素室20と、同じく内火炎ノズル21および外火炎ノズル23aに燃焼ガスを供給するために中心軸周囲360度に配置された燃焼ガス室16の上方を通り、内火炎ノズル21、原料供給ノズル13aおよび外火炎ノズル23aを跨いで外火炎ノズル23aの外周に配置された側面冷却路24cに冷却水を供給し得る。
側面冷却路24cは、第1側面連通管37にて外火炎ノズル23aに沿って噴出面2aに向けて冷却水を導き、噴出面2a近傍の側面下部冷却路38に冷却水を供給した後、第2側面連通管39にて本体側面2bに沿って冷却水を上方に導き、図示しない排出口から冷却水を排出させ得る。
本発明の球状粒子製造用バーナー1は、バーナー本体2内部に冷却流路Wを上述したように配置させることで、噴出面2aにおいて外火炎ノズル23aを連続して密に配置することが可能となり、外気の巻き込みを防止することで無機質粒子原料を十分に溶融させることができ、流動性向上に優れた無機質球状粒子を製造できるとともに、未溶融粒子の生成を抑制して無機質球状粒子の生産性をも向上し得る。
また、球状粒子製造用バーナー1は、バーナー本体2内部にて中心軸近傍だけでなく本体側面2b側をも連続して冷却水によって冷却し得、外火炎ノズル23aの増加により熱量が増加してもバーナー本体2の熱による破損を防止し得る。
以上の構成において、球状粒子製造用バーナー1では、噴出面2aの中心点Oの周囲に配置された複数の内火炎ノズル21と、内火炎ノズル21の外周に配置された複数の原料供給ノズル13aと、原料供給ノズル13aの外周にて隣接間隔が密に配置され、密に噴出する火炎により中心点O側への外気の巻き込みを抑制する複数の外火炎ノズル23aとを噴出面2aに設けるようにした。
また、球状粒子製造用バーナー1では、内火炎ノズル21に囲まれた中心領域内に設けた中心冷却路24aと、中心冷却路24aに供給された冷却水を、噴出面2aから遠ざけて内火炎ノズル21、原料供給ノズル13aおよび外火炎ノズル23aを迂回させる迂回経路24bと、迂回経路24bと連通し、外火炎ノズル23aの外周に配置された側面冷却路24cとを有する冷却流路Wを、バーナー本体2内部に設けるようにした。
これにより球状粒子製造用バーナー1では、隣接する外火炎ノズル23a間の隙間に冷却水路Wを通過させる必要がなく、その分、噴出面2aにおいて外火炎ノズル23aを連続して密に配置させることができ、当該外火炎ノズル23aを密に配置させたことで、外気の巻き込みが少なくなり未溶融粒子の生成を抑制して流動性向上に優れた無機質球状粒子をより多く生成できる。また、この際、球状粒子製造用バーナー1では、冷却水が中心冷却路24a、迂回経路24bおよび側面冷却路24cの順に連続して流れることで、隣接する外火炎ノズル23a間の隙間に冷却水路Wを通過させなくても、中心軸近傍だけでなく本体側面2b側を含めてバーナー本体2全体を冷却水によって冷却させることもでき、バーナー本体2の熱による破損を防止し得る。かくして、この球状粒子製造用バーナー1では、熱によるバーナー本体2の破損を防止しつつ、流動性向上に優れた無機質球状粒子を製造できるとともに、従来よりも無機質球状粒子の生産性をも向上し得る球状粒子製造用バーナーを実現し得る。
なお、本発明は、本実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であり、例えば、冷却媒体として冷却水を用いたが、その他種々の冷却媒体を適用してもよく、また酸素ガス以外を支燃性ガスとして用いてもよい。
また、上述した実施の形態においては、内火炎ノズル21を1列に配置し、原料供給ノズル13aを1列に配置し、さらに外火炎ノズル23aを1列に配置するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、原料供給ノズルを2列または3列に配置させたり、或いは外火炎ノズルを2列または3列に配置する等その他種々の単数、複数列に配置させるようにしてよく、本発明では、外火炎ノズルの隣接間隔を密に配置し、外火炎ノズルから噴出する密の火炎によって中心点O側への外気の巻き込みを抑制し得ればよい。
この場合、第2円形仮想線VL2には、原料供給管内蔵領域を避けて4つの領域内に、例えば1列目となる複数の原料供給孔が配置されているとともに、この1列目となる原料供給孔の外周に2列目となる複数の原料供給孔が配置され、内側の原料供給孔と外側の原料供給孔6bとで第2円形仮想線VL2を挟むように原料供給孔が2列に配置するようにしてもよい。
また、具体的には、1列目の原料供給孔を、中心点Oの周囲に5度以下の等角度間隔で配置し、一方、2列目の原料供給孔を、1列目の原料供給孔の等角度間隔と位相を2分の1ずらして同じ5度以下の等角度間隔で配置して、1列目の原料供給孔間に2列目の原料供給孔を配置させ、これら原料供給孔を密に並べるようにしてもよい。
さらに、第3円形仮想線VL3にも、1列目となる複数の外火炎孔を配置するとともに、この1列目となる外火炎孔の外周に2列目となる複数の外火炎孔を配置し、内側の外火炎孔と外側の外火炎孔とで第3円形仮想線VL3を挟むようにして外火炎孔を2列に配置するようにしてもよい。
この場合には、1列目の外火炎孔を、中心点Oの周囲に5度以下の等角度間隔(この場合、2度)で配置し、一方、2列目の外火炎孔を、1列目の外火炎孔の等角度間隔と位相を2分の1ずらして同じ5度以下の等角度間隔(この場合、2度)で配置して、1列目の隣接する外火炎孔間に2列目の外火炎孔を配置させて外火炎孔を密に並べるようにしてもよい。
これにより、噴出面2aでは、バーナー本体2内に内蔵した後述する冷却流路が、隣接する1列目の外火炎孔間や、隣接する2列目の外火炎孔間を通過し得ないほど、外火炎孔を連続して密に配置させることができる。
また、上述した実施の形態においては、外火炎ノズル23aの隣接間隔を、内火炎ノズル21の隣接間隔や、原料供給ノズル13aの隣接間隔と同じにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば外火炎ノズル23aを中心点Oの周囲に5度以下(或いは2度以下)の等角度間隔で配置し、内火炎ノズル21および原料供給ノズル13aを中心点Oの周囲に5度超(外火炎ノズル23aが2度以下の等角度間隔のときは2度超)の等角度間隔で配置する等し、外火炎ノズル23a同士の隣接間隔を、内火炎ノズル21同士の隣接間隔や、原料供給ノズル13a同士の隣接間隔よりも小さくして、内火炎ノズル21や原料供給ノズル13aよりも外火炎ノズル23aを密に配置させるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、冷却流路Wとして、軸方向冷却管28の外周に軸方向迂回管32を配置させたり、第1側面連通管37の外周に第2側面連通管39を配置させるようにしたが、本発明はこれに限らず、内火炎ノズル21に囲まれた中心領域内に設けた中心冷却路24aと、中心冷却路24aに供給された冷却水を、噴出面2aから遠ざけて内火炎ノズル21、原料供給ノズル13aおよび外火炎ノズル23aを迂回させる迂回経路24bと、迂回経路24bと連通し、外火炎ノズル23aの外周に配置された側面冷却路24cとを備える冷却流路Wであればその他種々の構成であってもよく、例えば軸方向冷却管28の内周側に軸方向迂回管32を配置させたり、第1側面連通管37の内周側に第2側面連通管39を配置させるようにしてもよい。
次に、図4Aに示すように、外火炎孔が配列している領域に火炎欠落領域ERa,ERb,ERc,ERdがある従来の噴出面を備えた球状粒子製造用バーナー101(比較例1、比較例2)と、図4Bに示すように、外火炎孔が配列されている領域に火炎欠落領域がない本発明の噴出面を備えた球状粒子製造用バーナー1(実施例1)とをそれぞれ用いて、各球状粒子製造用バーナー101,1により生成された無機質球状粒子の円形度や比表面積、流動性、生産性、結晶残存率について調べた。なお、この検証試験では、無機質粒子原料としてシリカからなる粉末を用いた。
ここで、図4Aは、この検証試験で用いた比較例1および比較例2となる従来の球状粒子製造用バーナー101であり、噴出面に設けた内火炎孔、原料供給孔および外火炎孔の配置箇所を線図として示したものである。図4Aでは、内火炎孔の配置箇所を内火炎孔配置線L1で示し、原料供給孔の配置箇所を原料供給孔配置線L2で示し、外火炎孔の配置箇所を外火炎孔配置線L3で示した。このように従来の噴出面では、中心点Oを中心にして十字方向に火炎欠落領域ERa,ERb,ERc,ERdがあり、外火炎配置線L3に4箇所、外火炎孔が形成されていない領域を設けた。
一方、図4Bは、この検証試験で用いた実施例1となる本発明の球状粒子製造用バーナー1であり、図4Aと同様に、噴出面に設けた内火炎孔、原料供給孔および外火炎孔の配置箇所を線図として示したもので、外火炎孔の配置箇所を示した外火炎孔配置線L4の構成が図4Aとは異なるものである。この場合、本発明の噴出面では、十字方向に火炎欠落領域ERa,ERb,ERc,ERdがなく、外火炎孔が円形状に連続して密に配置されており、外火炎孔配置線L4を円形状に示している。
ここで、図4Aに示す構成を備えた球状粒子製造用バーナー101を用いた比較例1では、図4Aの構成から得られる最も高円形度の高流動品とし、一方、比較例2では、同じく図4Aに示す構成を備えた球状粒子製造用バーナー101を用いるものの、比較例1とは諸条件を変えて円形度が異なるものとした。なお、この比較例2は従来からある汎用品である。
なお、実施例1、比較例1および比較例2では、使用する内火炎孔、原料供給孔および外火炎孔の径を同じ寸法とし、また、内火炎孔および外火炎孔からの火炎の噴出量や、原料供給孔からの無機質粒子原料の噴出量も同じとし、外火炎孔が配置された箇所に火炎欠落領域があるか否かの違いにより、生成される無機質球状粒子がどのように変わるかについて調べた。
これら実施例1、比較例1および比較例2の各球状粒子製造用バーナー1,101を用いて無機質球状粒子を生成し、この無機質球状粒子の円形度、比表面積、流動性および結晶残存率を調べ、さらに各球状粒子製造用バーナー1,101の生産性を調べたところ、図5に示すような結果が得られた。なお、ここで、円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA-2100により調べ、比表面積は、ユアサアイオニクス社製マルチソーブ16により調べた。また、流動性は、生成した無機質球状粒子40.0[g]を、エポキシ樹脂と混練し、島津製作所製フローテスター CFT-500Dで測定することにより調べた。結晶残存率は、RIGAKU製RINT2000により調べ、この値が低いほど火炎により無機質粒子原料を溶融できていることを示している。
図5から、実施例1では、円形度が高く、比表面積が低い無機質球状粒子を生成できることが確認できた。また、この実施例1では、流動性についても比較例1および比較例2に比べて格段的に向上していることが確認でき、さらには生産性も低下することがなく優れていることが確認できた。さらに、実施例1では、結晶残存率も比較例1および比較例2に比べて格段的に低下しており、火炎によって無機質粒子原料が十分に溶融できていることが確認できた。このように実施例1では、結晶残存率が格段的に向上していることから、外火炎孔を連続して密に配置したことで、外気の巻き込みが抑制され、シリカを十分に溶融させることができ、未溶融粒子の生成を抑制して無機質球状粒子の生産性を向上できることが確認できた。
次に、円形度と粉給量との関係についてまとめたところ、図6に示すような結果が得られた。図6では、汎用品である比較例2と、従来では従来高流動品の無機質球状粒子が生成可能であった比較例1により得られたデータ等を用いて、従来型バーナー(比較例1および比較例2の球状粒子製造用バーナー101)の粉給量と、これにより生成された無機質球状粒子の円形度との関係を一点鎖線で示した。また、実施例1により得られたデータを基に、本発明の球状粒子製造用バーナー1についても新規高流動品として、粉給量と円形度との関係を点線で示した。図6に示しように、本発明の球状粒子製造用バーナー1では、円形度が高く、流動性向上に優れた無機質球状粒子を生成できるとともに、粉給量についても従来バーナーよりも優れていることが確認できた。
次に、図4Bに示した本発明の球状粒子製造用バーナー1において、噴出面に配置する内火炎孔および外火炎孔間の距離を変化させ、それにより生成される無機質球状粒子の円形度および比表面積がどのように変化するかについて調べた。実際上、この検証試験では、噴出面において、内火炎孔5を配置した第1円形仮想線VL1と、外火炎孔7を配置した第3円形仮想線VL3との距離を、27[mm]、44[mm]、56[mm]にそれぞれ変えた3種類の球状粒子製造用バーナーを用意し、各球状粒子製造用バーナーにて生成された無機質球状粒子の円形度および比表面積について調べた。
その結果、第1円形仮想線VL1と第3円形仮想線VL3との距離を27[mm]とした球状粒子製造用バーナーでは、円形度が0.94、比表面積が13.0[m2/g]となり、上述した比較例1と同じ結果が得られた。このようにこの球状粒子製造用バーナーでは、円形度および比表面積が比較例1と同じになるものの、生産性については比較例1よりも格段的に向上しており、流動性向上に優れた無機質球状粒子の生産性を向上し得る球状粒子製造用バーナーを提供できることが確認できた。
一方、第1円形仮想線VL1と第3円形仮想線VL3との距離を44[mm]とした球状粒子製造用バーナーでは、円形度が0.93、比表面積が10.0[m2/g]となり、円形度および比表面積のいずれにおいても流動性向上に優れた無機質球状粒子が生成できることが確認できた。
さらに、第1円形仮想線VL1と第3円形仮想線VL3との距離を56[mm]とした球状粒子製造用バーナーでは、円形度が0.91となり僅かに低下するものの、比表面積が8.5[m2/g]まで低くさせることができ、この場合であっても円形度および比表面積を総合的に考慮すると流動性向上に優れた無機質球状粒子が生成できることが確認できた。以上より、本発明の球状粒子製造用バーナー1では、内火炎孔が配置された仮想線(第1円形仮想線VL1)と、外火炎孔が配置された仮想線(第3円形仮想線VL3)との距離を27[mm]以上56[mm]以下に選定することで、流動性向上に優れた無機質球状粒子を製造できることが確認できた。
1 球状粒子製造用バーナー
2 バーナー本体
2a 噴出面
2b 本体側面
13a 原料供給ノズル
21 内火炎ノズル
23a 外火炎ノズル
24a 中心冷却路
24b迂回経路
24c側面冷却路
O 中心点
W 冷却流路

Claims (4)

  1. 無機質粒子原料を火炎中に噴出し無機質球状粒子を製造する球状粒子製造用バーナーであって、
    内部に設けた冷却流路に冷却媒体が流れ、噴出面から前記火炎および前記無機質粒子原料が噴出するバーナー本体を備え、
    前記バーナー本体は、
    前記噴出面の中心点の周囲に配置された複数の内火炎ノズルと、前記内火炎ノズルの外周に配置された複数の原料供給ノズルと、前記原料供給ノズルの外周にて隣接間隔が密に配置され、密に噴出する火炎により前記中心点側への外気の巻き込みを抑制する複数の外火炎ノズルとを有し、
    前記冷却流路は、
    前記内火炎ノズルに囲まれた中心領域内に設けた中心冷却路と、
    前記中心冷却路に供給された冷却媒体を、前記噴出面から遠ざけて前記内火炎ノズル、前記原料供給ノズルおよび前記外火炎ノズルを迂回させる迂回経路と、
    前記迂回経路と連通し、前記外火炎ノズルの外周に配置された側面冷却路とを備え、前記冷却媒体が前記中心冷却路、前記迂回経路および前記側面冷却路の順に連続して流れる
    ことを特徴とする球状粒子製造用バーナー。
  2. 前記噴出面は、
    前記外火炎ノズルの先端にある外火炎孔が2列以上になって前記中心点を周回するように配置され、一の列の外火炎孔が前記中心点の周囲に等角度間隔で配置されているとともに、他の列の外火炎孔が前記一の列の外火炎孔の等角度間隔と位相をずらして同じ等角度間隔で配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の球状粒子製造用バーナー。
  3. 前記一の列および前記他の列の外火炎孔が、前記中心点の周囲に5度以下の等間隔角度で配置されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の球状粒子製造用バーナー。
  4. 前記噴出面では、前記中心点を中心とした仮想線に沿って前記内火炎孔が配置されているとともに、該仮想線とは異なる仮想線に沿って前記外火炎孔が配置されており、前記内火炎孔が配置されている仮想線と、前記外火炎孔が配置されている仮想線との距離が、27[mm]以上56[mm]以下である
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の球状粒子製造用バーナー。
JP2013114835A 2013-05-31 2013-05-31 球状粒子製造用バーナー Active JP5925730B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013114835A JP5925730B2 (ja) 2013-05-31 2013-05-31 球状粒子製造用バーナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013114835A JP5925730B2 (ja) 2013-05-31 2013-05-31 球状粒子製造用バーナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014234933A true JP2014234933A (ja) 2014-12-15
JP5925730B2 JP5925730B2 (ja) 2016-05-25

Family

ID=52137778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013114835A Active JP5925730B2 (ja) 2013-05-31 2013-05-31 球状粒子製造用バーナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5925730B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS635233U (ja) * 1986-06-27 1988-01-14
JP2006153305A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Daido Steel Co Ltd 粉体溶融バーナー
JP2009198083A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Taiyo Nippon Sanso Corp バーナおよびこれを用いる球状化粒子の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS635233U (ja) * 1986-06-27 1988-01-14
JP2006153305A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Daido Steel Co Ltd 粉体溶融バーナー
JP2009198083A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Taiyo Nippon Sanso Corp バーナおよびこれを用いる球状化粒子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5925730B2 (ja) 2016-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5116505B2 (ja) バーナおよびこれを用いる球状化粒子の製造方法
CN105829800B (zh) 用于空气协助的燃料喷射的燃料喷嘴结构
KR101517318B1 (ko) 액시얼 피드형 플라즈마 용사장치
JP6047786B2 (ja) ナノファイバー製造装置及びナノファイバー製造方法
JP2012112549A (ja) 微粉炭バーナ
JP2013529771A5 (ja)
CN106524152A (zh) 一种分级燃气低氮燃烧器
JP4864053B2 (ja) 無機質球状化粒子の製造方法
JP2010090410A (ja) 金属粉末製造装置
CN106415134A (zh) 燃料喷射器以及燃气轮机
JP2009092254A (ja) 無機質球状化粒子製造用バーナー及び無機質球状化粒子の製造方法及び装置
CN104708198A (zh) 切割嘴气流腔装置及切割嘴系统
CN103046045A (zh) 用于激光熔覆的双保护气体螺旋形气粉通道预混合式喷头
JP5074094B2 (ja) 無機質球状化粒子製造用バーナ
JP5925730B2 (ja) 球状粒子製造用バーナー
US10174940B2 (en) Raw material powder-heating method
JP5603748B2 (ja) 無機質球状化粒子製造用バーナ、無機質球状化粒子製造装置、及び無機質球状化粒子の製造方法
JP2012193918A (ja) 無機質球状化粒子製造用バーナ、無機質球状化粒子製造装置、及び無機質球状化粒子の製造方法
JP2015000997A (ja) 軟質磁性金属粉末製造装置
JP2016204718A5 (ja)
CN104401998B (zh) 喷嘴
JP2012207817A (ja) 燃焼バーナ
JP5335478B2 (ja) 金属粒子の製造装置および製造方法
CN104549040B (zh) 粉体制造装置
JP5525929B2 (ja) 無機質球状化粒子製造用バーナ、無機質球状化粒子製造装置、及び無機質球状化粒子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5925730

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250