JP2014231491A - 制御放出ペレットからなる薬学的組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御放出ペレットからなる薬学的組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、不活性核の表面にコートされ、カルベジロール、平均粒度100μm以下の崩壊剤および水溶性重合体を含む薬物層と、該薬物層の表面にコートされ、pH5.5〜pH7.4で溶解する重合体および固形の脂肪成分を含む徐放層とを有する制御放出型経口用ペレットを含む薬学的組成物であって、本発明の組成物は、薬物の放出に潜伏状態を有しないことを特徴とし、1日1回用法に好適なカルベジロール徐放型製剤である。
【選択図】図2
Description
本発明は、カルベジロール(Carvedilol)の制御放出が可能な薬学的組成物に関する。
カルベジロールは、α1遮断作用を有する競争的非選択的βアドレナリン遮断体であって、α1遮断作用によって血管拡張を誘発し、βアドレナリン遮断活性によって高血圧による反射性頻脈を防止することができる。
カルベジロールは、韓国内で高血圧、慢性安定狭心症およびうっ血性心不全を適応症とする第3世代β遮断剤であって、他の抗高血圧剤とは異なり、心拍数の付随的な反射変化を誘発することなく全体抹消血管抵抗を減少させることにより、抗高血圧効果を示す。また、浮腫、反射性頻脈、空咳などの副作用がない。
カルベジロールは、韓国内で高血圧、慢性安定狭心症およびうっ血性心不全を適応症とする第3世代β遮断剤であって、他の抗高血圧剤とは異なり、心拍数の付随的な反射変化を誘発することなく全体抹消血管抵抗を減少させることにより、抗高血圧効果を示す。また、浮腫、反射性頻脈、空咳などの副作用がない。
カルベジロールは、うっ血性心不全の患者に6〜12ヶ月間投与したとき、既存の薬物に比べて患者の死亡率を65%減少させる結果が得られ、高血圧治療剤としては初めて米国食品医薬局(FDA)からうっ血性心不全治療剤としても承認を受けた。
カルベジロールの用法によれば、高血圧、慢性安定狭心症およびうっ血性心不全の患者に対して1日2回投与するようになっている。但し、高血圧の場合は、臨床的に1日1回〜2回の使用が混用されることもあるが、1日2回投与が起立性低血圧などの副作用の予防に適する。
本発明は、カルベジロールの1日2回用法を1日1回用法に変更するためのカルベジロール徐方型製剤に関するものである。
カルベジロールの用法によれば、高血圧、慢性安定狭心症およびうっ血性心不全の患者に対して1日2回投与するようになっている。但し、高血圧の場合は、臨床的に1日1回〜2回の使用が混用されることもあるが、1日2回投与が起立性低血圧などの副作用の予防に適する。
本発明は、カルベジロールの1日2回用法を1日1回用法に変更するためのカルベジロール徐方型製剤に関するものである。
特許文献1は、カルベジロールを含む速放層と少なくとも2つのタイプの徐放層とを有する微細粒子からなる制御放出型製剤を開示しており、これは経口投与の際に血中プロファイルで2つの血中濃度ピークを有するという特徴を持つ。ところが、本発明は、1つのタイプの徐放層を有する微細粒子からなる制御放出型製剤であり、経口投与の際に単一血中濃度ピークを有するという点で特許文献1の製剤とは異なる。
特許文献2は、カルベジロールを含むコアと速放層との間に腸溶層がコートされている二重放出マトリクス錠剤を開示している。ところが、本発明は、カルベジロールを含むコアに徐放層がコートされているペレット製剤であるという点で特許文献2の製剤とは異なる。
特許文献3は、実際薬物が胃で放出される間に、多孔性マトリクスと少なくとも一つの薬物、糖、少なくとも一つの気体発生成分および選択的に薬学的に許容される補助成分を含む胃腸内維持用経口薬物伝達体系を構成する薬学組成物を開示している。ところが、この特許文献3は、放出遅延マトリクスの設計上の核心成分として気体発生成分を含んで胃腸管上部の滞留時間を増加させて生体利用率を高めようとした点で本発明とは異なる。
特許文献4は、活性物質を含むコア、コアを取り囲む壁、および予め形成された通路を含んでなる制御放出装置を開示している。ところが、この装置は、薬物錠剤コアにコートを施した後、ドリルリングで穿孔し、活性物質が放出される通路を提供したという点で本発明とは異なる。
特許文献5は、カルベジロール、重合性膨潤剤、浸透圧を誘導するための1つ以上の水溶性化合物、および他の薬学的賦形剤を含むコアと、該コアを取り囲み、コアの周囲液体に対しては透過性であるがコアの内容物に対しては不透過性である半透過性膜とを有する制御放出型マトリクス組成物を開示している。ところが、この組成物は、実質的に半透過性コーティング層を用いたマトリクス型錠剤であるという点で本発明とは異なる。
特許文献6は、活性剤を時空間的にプログラマブルに伝達するためのシステムにおいて、コア、コア上にコートされた一つまたはそれ以上の層、および予め形成された空の空間を含み、この際、前記活性剤が前記システムの層のいずれかまたはコア内に存在することを特徴とするシステムを開示している。ところが、このシステムの場合、空の空間を作るために熱を加えて膨張させた後、冷却過程を経るが、これは本発明とは異なる。
特許文献7は、活性源の遅延放出のための微細粒子の薬学形態であって、時間依存性およびpH依存性のメカニズムによって活性源が放出されるシステムを開示している。ところが、このシステムは、放出遅延のために1〜5時間の潜伏状態の溶出様態を有するという点で、潜伏状態が存在しない本発明の薬学的組成物とは異なる。
特許文献8および特許文献9は、コアを有し、調節物質の伝達に影響を及ぼすマトリクスを有する多層薬学的投与形態を開示している。ところが、前記調節物質の伝達のためのマトリクスタイプの多層薬学的形態は、コア層、内部制御層、活性成分層および外部制御層からなるもので、薬物層と徐放層からなる本発明の制御放出製剤とは異なる。
特許文献10は、中性支持体を必須的に含み、ここに少なくとも一つの重合体を含み、活性成分が水性媒質から放出できるようにする重合体層がコートされ、ここに少なくとも一つの活性成分を含有する活性層が塗布された製剤を開示している。ところが、この製剤は、放出プロファイルの変形のために、活性成分を含有する微粒剤を直接圧縮することを特徴とするので、本発明とは異なる。
特許文献11は、水不溶性ポリマーで表面が塗布されており、第1薬学的活性成分と、水不溶性ポリマー、水溶性ポリマーおよび粘稠性ポリマーよりなる群から選ばれた1種以上の制御放出基剤および薬学的に許容される担体を含む徐放部と、第2薬学的活性成分と、薬学的に許容される担体を含む速放部とを含んでなる薬学的組成物を開示している。ところが、この製剤は、薬物が均質に分散した徐放部と速放部がそれぞれ独立している顆粒形態を帯びており、薬学的活性成分と制御放出基剤とが混合されて徐放部を構成するという点で、薬学的活性成分を含んでいない徐放層をコートしてペレットを製造する本発明とは異なる。
特許文献12は、不活性核と薬物を含有した徐放性薬物層の表面に、薬物を含有した速放性薬物層をコートした一つのペレットからなり、徐放性薬物層は疎水性重合体と親水性重合体とが混合構成され、速放性薬物層は親水性重合体から構成されて薬物の放出を制御する製剤を開示している。ところが、本発明の薬学的組成物は、不活性核を薬物層でコートし、薬物層の表面に薬物を含有しない徐放層をコートしたペレット製剤であるという点で特許文献12の製剤とは異なる。
本発明の目的は、不活性核の表面にカルベジロールの含まれた薬物層をコートし、薬物層の表面に徐放層をコートしたペレットを用いて、カルベジロールの制御放出が可能な、経口用ペレットの薬学的組成物を提供することにある。
本発明は、不活性核の表面に、カルベジロール、平均粒度100μm以下の崩壊剤および水溶性重合体を含む薬物層をコートし、該薬物層の表面にはpH5.5〜pH7.4で溶解する重合体および固形の脂肪成分を含む徐放層をコートすることにより、カルベジロールの制御放出が可能な薬学的組成物を提供する。
本発明は、潜伏状態を有していない溶出様態を特徴とし、1日1回用法に適したカルベジロール徐放型製剤を提供する。潜伏状態を有していない溶出様態は、速放型製剤を服用するときと同様に迅速な薬効発現を誘導し、以後の持続的な制御放出は薬効を持続させる。
本発明は、潜伏状態を有していない溶出様態を特徴とし、1日1回用法に適したカルベジロール徐放型製剤を提供する。潜伏状態を有していない溶出様態は、速放型製剤を服用するときと同様に迅速な薬効発現を誘導し、以後の持続的な制御放出は薬効を持続させる。
本発明の制御放出が可能なペレットから構成されたカルベジロール薬学的組成物は、1日1回経口投与に適した薬学的組成物である。
本発明の薬理学的活性物質であるカルベジロールは、(±)−[3−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル][2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミン{(±)-[3-(9H-carbazole-4-yloxy)-2-hydroxypropyl][2-(2-methoxyphenoxy)ethyl]amine}であって、β1、β2およびα1遮断作用によって血管拡張作用を有しており、高血圧、狭心症および心不全などの循環器系疾患に1次選択薬として優れた効果を発揮する。
本発明の薬学的組成物において、カルベジロールは、遊離塩基または塩の形態、溶媒和物、または無水物の形態であってもよく、有効成分である遊離塩基を基準として5mg〜150mgを有することができる。
本発明の崩壊剤は、薬物層の膨潤による溶出促進に寄与し、澱粉グリコン酸ナトリウム、前糊化澱粉、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビトンおよびこれらの混合物から1種以上選択できる。好ましくは、平均粒度100μm以下の前記崩壊剤が使用できる。
本発明の水溶性重合体は、薬物層のコーティング皮膜の形成および薬物の分散に寄与し、セルロース系として、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびこれらの混合物から1種以上選択することができる。また、本発明の水溶性重合体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびこれらの混合物から1種以上選択することができる。
本発明のpH5.5〜pH7.4で溶解する重合体は、徐放層に含まれて薬理学的活性物質の制御放出のための放出調節物質であり、メタクリル酸共重合体としての、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルまたはこれらの混合物、およびpH5.5〜pH7.4で溶解するセルロース系の重合体としての、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびこれらの混合物から1種以上選択できる。
本発明の固形の脂肪成分は、徐放層に含まれて薬物の持続的な制御放出を誘導し、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸グリセロールエステル、脂肪族アルコール、脂肪酸脂肪族アルコールエステル、脂肪酸プロピレングリコールおよびこれらの混合物から1種以上選択できる。好ましくは、前記成分の脂肪酸および脂肪族アルコールが飽和脂肪酸および飽和脂肪族アルコールであるものの中から選択できる。具体的に、本発明の固形の脂肪成分は硬化植物油、硬化ヒマシ油、硬化大豆油、硬化綿実油、硬化ヤシ油、モノステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ラウリン酸スクロース、ステアリン酸スクロースおよびこれらの混合物から1種以上選択できる。
本発明の組成物に、薬学的賦形剤として通常用いられる可塑剤、可溶化剤および安定化剤がさらに含有できる。
本発明でさらに使用できる可塑剤は、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、ジアエチル化モノグリセリド、フタル酸ジエチル、ステアリン酸ポリオキシル40、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、トリアセチン、クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびこれらの混合物から1種以上選択できる。
本発明でさらに使用できる可溶化剤は、軽質無水ケイ酸、グリセリルモノオレエート、ドキュセートナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチルアルコール、塩化ベンザルコニウム、ビタミンEポリエチレングリコールサクシネート、セトリミド、セチルピリジニウムクロリド、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンエステル、ソルビタントリオレート、リン脂質、コカミドプロピルベタイン、コカミドDEA、トリカプリリン、ポリソルベート、ポリオキシルグリセリド、ポリエチレングリコールモノステアリン酸、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールモノラウレート、チロキサポール、ココイルグルタミン酸TEAおよびこれらの混合物から1種以上選択できる。
本発明でさらに使用できる安定化剤は、グルコン酸ナトリウム、グルタミン酸、グリセリン、グリコン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、乳酸、レシチン、D−マンニトール、D−ソルビトール、マレイン酸、リンゴ酸、メグルミン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ホウ酸、白糖、キサンタンガム、酸化マグネシウム、コハク酸、コハク酸二ナトリウム、β−シクロデキストリン、シメチコン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、塩酸、乳糖、流動パラフィン、二酸化珪素、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カルシウム、L−フェニルアラニン、酒石酸、タルク、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ブドウ糖、ポロキサマー、フマル酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、硫酸およびこれらの混合物から1種以上選択できる。
本発明の制御放出が可能な薬学的組成物は、制御放出型薬物ペレットと共に、薬物層コーティングペレットをさらに含むことができる。
本発明の制御放出が可能な薬学的組成物は、潜伏状態を有していない溶出様態を有し、pH1.2の条件で0〜18時間100rpmで試験するとき、10%以上40%未満のカルベジロールが1時間内に放出される溶出プロフィル、40%以上70%未満のカルベジロールが5時間内に放出される溶出プロフィル、70%以上のカルベジロールが18時間後に放出される溶出プロフィルに応じてカルベジロールが放出される1日1回用法に適したカルベジロールの制御放出型薬学的組成物である。
本発明の制御放出が可能な薬学的組成物は、経口で投与でき、飲食物と共に服用することができる。
以下、実施例および実験例によって本発明を具体的に説明する。但し、これらの実施例および実験例は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1〜6]本発明のカルベジロール徐放型製剤の製造
下記表1の組成で本発明のカルベジロール徐放型製剤を製造した。
実施例1〜6は、薬理学的活性物質としてのカルベジロール、平均粒度100μm以下の崩壊剤としてのクロスポビドン、水溶性重合体としてのヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポビドン、並びにその他の添加剤を約0.4mLの塩化メチレン、約0.6mLのエタノールに溶解または分散させて薬物コーティング液を製造し、流動層顆粒・コーティング機を用いて不活性核として微結晶セルロースにコーティング液を加えて薬物層ペレットを製造した。徐放層としては、pH5.5〜pH7.4で溶解する重合体としてのユードラジットL100−55、ユードラジットS100およびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、固形の脂肪成分としての硬化ヒマシ油、ステアリン酸および脂肪酸グリセロールエステル、並びにその他の添加剤を約1mLのエタノール、約0.5mLの精製水に溶解または分散させて徐放層コーティング液を製造し、流動層顆粒・コーティング機を用いて薬物層ペレットにコーティング液を加えて制御放出型薬物ペレットを製造した。製造されたカルベジロール徐放型ペレットは、1カプセル当りカルベジロール100mgとなるようにカプセルに充填した。
下記表1の組成で本発明のカルベジロール徐放型製剤を製造した。
実施例1〜6は、薬理学的活性物質としてのカルベジロール、平均粒度100μm以下の崩壊剤としてのクロスポビドン、水溶性重合体としてのヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポビドン、並びにその他の添加剤を約0.4mLの塩化メチレン、約0.6mLのエタノールに溶解または分散させて薬物コーティング液を製造し、流動層顆粒・コーティング機を用いて不活性核として微結晶セルロースにコーティング液を加えて薬物層ペレットを製造した。徐放層としては、pH5.5〜pH7.4で溶解する重合体としてのユードラジットL100−55、ユードラジットS100およびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、固形の脂肪成分としての硬化ヒマシ油、ステアリン酸および脂肪酸グリセロールエステル、並びにその他の添加剤を約1mLのエタノール、約0.5mLの精製水に溶解または分散させて徐放層コーティング液を製造し、流動層顆粒・コーティング機を用いて薬物層ペレットにコーティング液を加えて制御放出型薬物ペレットを製造した。製造されたカルベジロール徐放型ペレットは、1カプセル当りカルベジロール100mgとなるようにカプセルに充填した。
[比較例1]本発明の薬理学的活性物質の速放型製剤
比較例1は、薬理学的活性物質としてカルベジロール25mgを含有した速放性製剤である。
比較例1は、薬理学的活性物質としてカルベジロール25mgを含有した速放性製剤である。
[実験例1]カルベジロールの制御放出効果の確認
次の溶出試験によって本発明の組成物の制御放出効果を確認した。
実施例3によって製造されたカプセル剤に対して6つのカプセルを毎分100回転、37±0.5℃の条件で溶出させた。pH1.2の溶出培地900mLで溶出試験を開始した後、各時間別に溶出液5mLを採取した。採取された溶出液を孔径0.45μLの薄膜フィルターで濾過し、この濾液を下記のHPLC分析法で分析して溶出率を算出し、溶出グラフを作成した(図2)。
次の溶出試験によって本発明の組成物の制御放出効果を確認した。
実施例3によって製造されたカプセル剤に対して6つのカプセルを毎分100回転、37±0.5℃の条件で溶出させた。pH1.2の溶出培地900mLで溶出試験を開始した後、各時間別に溶出液5mLを採取した。採取された溶出液を孔径0.45μLの薄膜フィルターで濾過し、この濾液を下記のHPLC分析法で分析して溶出率を算出し、溶出グラフを作成した(図2)。
<カルベジロールのHPLC分析法>
・カラム:Kromasil C18(4.6×150mm、5μm)
・検出器:紫外部吸光光度計(測定波長:285nm)
・流速:1.7mL/min
・注入量:40μL
・移動相:pH2.0のリン酸緩衝液とメタノール(50:50)の混液
・カラム:Kromasil C18(4.6×150mm、5μm)
・検出器:紫外部吸光光度計(測定波長:285nm)
・流速:1.7mL/min
・注入量:40μL
・移動相:pH2.0のリン酸緩衝液とメタノール(50:50)の混液
図2の結果の如く、カルベジロールの速放性製剤である比較例1の場合、1時間内に80%以上の溶出率を示したが、本発明の実施例3のカルベジロール徐放型製剤は1時間10%以上40%未満の溶出率、5時間40%以上70%未満の溶出率、18時間70%以上の溶出率を示して、1日1回用法に適した制御放出型薬学的組成物であることを確認した。
Claims (8)
- 不活性核の表面にコートされ、カルベジロール、平均粒度100μm以下の崩壊剤および水溶性重合体を含む薬物層と、該薬物層の表面にコートされ、pH5.5〜pH7.4で溶解する重合体および固形の脂肪成分を含む徐放層とを有するペレットが薬物の放出に潜伏状態を有していない溶出様態を有する、制御放出型経口用薬学的組成物。
- 崩壊剤が、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン、澱粉グリコン酸ナトリウム、前糊化澱粉およびこれらの混合物よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
- 水溶性重合体が、セルロース系として、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースおよびこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
- 水溶性重合体が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
- pH5.5〜pH7.4で溶解する重合体が、メタクリル酸共重合体としての、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、およびセルロース系の重合体としての、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートフタレートおよびこれらの混合物から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
- 固形の脂肪成分が、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸脂肪族アルコールエステル、脂肪酸グリセロールエステル、脂肪酸プロピレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
- 通常用いられる可塑剤、可溶化剤および安定化剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
- 薬物層コーティングペレットをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
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