JP2014229644A - 露光方法、露光装置、それらを用いたデバイスの製造方法 - Google Patents

露光方法、露光装置、それらを用いたデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アライメントマークの形成条件が変化しても、そのマークの計測結果を利用した位置合わせ精度への影響を抑えるのに有利な露光方法を提供する。【解決手段】基板上のアライメントマークは、第1パターンを挟むように形成された第2パターンのうち第1パターンの壁部の一方に沿ったものをマスクとして形成された第3パターンを第3Aパターンとし、第1パターンの壁部の他方に沿ったものをマスクとして形成された第3パターンを第3Bパターンとし、第3Aパターンを除去することで第3Bパターンを形成し、第3Bパターンを除去することで第3Aパターンを形成する工程により形成される。露光方法は、第3Aパターンを含むアライメントマークを検出して得られた第1計測値(S101)と、第3Bパターンを含むアライメントマークを検出して得られた第2計測値(S102)とに重みを付けることで(S103)、基板上の露光対象領域の位置を求める工程を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、露光方法、露光装置、およびそれらを用いたデバイスの製造方法に関する。
露光装置は、半導体デバイスや液晶表示デバイスなどの製造工程に含まれるリソグラフィー工程において、原版(レチクルなど)のパターンを基板(表面にレジスト層が形成されたウエハやガラスプレートなど)上に露光する装置である。従来、このような露光装置の構成を変えることなく、より高解像度のパターンを作成し得る技術として、ダブルパターニングが知られている(非特許文献1参照)。ダブルパターニングでは、例えば、露光装置を用いて形成された下地パターンに薄膜を形成した後、下地パターンの側壁部分の薄膜のみを残すようにエッチングを施すことで、薄膜の厚さ分の幅を持つパターンを作成する。一方、露光装置は、原版と基板との相対的な位置合わせを行うためのアライメント検出系を備える。アライメント検出系としては、例えば、原版のパターンを基板上に投影する投影光学系に隣設されているオフアクシスアライメント検出系(OA検出系)がある。OA検出系を用いることによって、投影光学系を介さずに基板上のアライメントマークを検出する。また、OA検出系は、投影光学系を介する検出系と比較して、投影光学系の色収差の影響を受けないという利点がある。ここで、ダブルパターニングにより、基板上、または基板上に形成されている層上にアライメントマークを形成する場合を考える。この場合、ダブルパターニングで形成される上記例示した薄膜の厚さは、通常数十nmであるため、下地パターンの側壁部分に形成されたパターン1本(側壁パターン)は、OA検出系で解像されない。そこで、アライメントマークを形成する際には、複数の側壁パターンを密に配置することで、OA検出系は、複数の側壁パターンをまとめて、1本のパターン線(アライメントマークを構成する線)として観察する。このとき、OA検出系は、ダブルパターニングで形成した層に対する次の工程のためのアライメントの際には、同様にダブルパターニングで形成したアライメントマークを計測する。これにより、1本のパターン線としての最右側の側壁パターンと最左側の側壁パターンとの双方を基準とした高精度なアライメントが可能となる。
岡崎、「ハーフピッチ32nm技術対応のリソグラフィー技術」、O plus E、新技術コミュニケーションズ、平成19年9月、第29巻、第9号、p.890−894
しかしながら、例えば、下地パターン形成時の露光条件やエッチング条件が変わったり、薄膜の厚さが変わったりすると、側壁パターンの距離が変わる。したがって、従来のダブルパターニングの方法により形成されたアライメントマークを検出する際には、複数の側壁パターンをまとめて一組(パターン線1本)とし、側壁パターンの組を検出することで位置合わせを行う。そのため、上記発生した左右の側壁パターン間の距離の変化分がアライメント誤差となる可能性がある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、例えば、アライメントマークの形成条件が変化しても、そのアライメントマークの計測結果を利用した位置合わせ精度への影響を抑えるのに有利な露光方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基板上のアライメントマークを検出する工程を含む露光方法であって、アライメントマークは、複数のパターンの組で構成されるパターン線を有し、基板上に配置された複数の第1パターン上に第1膜を形成する第1工程と、第1膜をエッチングして複数の第1パターンの壁部に沿って第1パターンのそれぞれを挟むように第2パターンを形成する第2工程と、第2パターンをマスクとして第3パターンを形成する第3工程と、第1パターンを挟むように形成された第2パターンのうち第1パターンの壁部の一方に沿った第2パターンをマスクとして形成された第3パターンを第3Aパターンとし、第2パターンのうち第1パターンの壁部の他方に沿った第2パターンをマスクとして形成された第3パターンを第3Bパターンとしたとき、第3Aパターンを除去することで第3Bパターンを形成し、第3Bパターンを除去することで第3Aパターンを形成する第4工程と、を含む工程により形成され、第3Aパターンを含むアライメントマークを検出して得られた第1計測値と、第3Bパターンを含むアライメントマークを検出して得られた第2計測値とに重みを付けることで、基板上の露光対象領域の位置を求める工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、アライメントマークの形成条件が変化しても、そのアライメントマークの計測結果を利用した位置合わせ精度への影響を抑えるのに有利な露光方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る露光装置の構成を示す図である。 ウエハ上に形成されているアライメントマークの一形状を示す図である。 第1実施形態におけるアライメントマークの形成工程を示す図などである。 第1実施形態でのアライメント計測の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態におけるアライメントマークの形状を示す図である。 従来のアライメントマークの形成工程を示す図などである。 従来のアライメント計測の流れを示すフローチャートである。 従来の計測位置のずれを説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係る露光方法および露光装置について説明する。まず、本実施形態に係る露光装置1は、一例として、半導体デバイスの製造工程に使用され、ステップ・アンド・リピート方式にてレチクルRに形成されているパターン(例えば回路パターン)をウエハW上(基板上)に転写する投影型露光装置とする。図1は、露光装置1の構成を示す概略図である。露光装置1は、照明系2と、レチクルステージ3と、投影光学系4と、ウエハステージ5と、位置検出系6と、制御部7とを備える。なお、図1、その他以下の各図では、投影光学系4の光軸(本実施形態では鉛直方向)に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で露光時のウエハWの走査方向にX軸を取り、X軸に直交する非走査方向にY軸を取っている。
照明系2は、不図示の光源から照射された光を調整し、レチクルRを照明する。レチクルRは、ウエハW上に転写されるべきパターンが形成された、例えば石英ガラス製の原版である。レチクルステージ3は、レチクルRを保持しつつ、XYの各軸方向に移動可能である。投影光学系4は、照明系2からの照射光で照明されたレチクルR上のパターンの像を所定の倍率(例えば1/2〜1/5)でウエハW上に投影する。ウエハWは、表面上にレジスト(感光剤)が塗布された、例えば単結晶シリコンからなる基板である。ウエハステージ5は、ウエハWを保持しつつ、XYZの各軸方向に移動可能である。位置検出系6は、アライメント処理時に、ウエハW上に形成されているアライメントマーク(以下、単に「マーク」という)WMを検出する。なお、本実施形態にて適用し得るアライメントマークの形状およびその形成方法については、以下で詳説する。本実施形態では、位置検出系6として、投影光学系4を介さずに各マークWMを検出するオフアクシスアライメント検出系(OA検出系)を採用する。位置検出系6は、まず、マーク照明用の光源10と、第1結像光学系11とを含み、光源10からの照射光は、第1結像光学系11を介し、かつビームスプリッター12を通過して、マークWMに照射される。さらに、位置検出系6は、観察用スコープ13と、第2結像光学系14とを含み、観察用スコープ13は、第2結像光学系14を介して導入されたマークWMでの反射光を撮像する。そして、観察用スコープ13は、不図示の画像処理部に接続されており、画像処理部は、撮像したマーク画像からマークWMの位置を計測(特定)する。制御部7は、露光装置1の各構成要素の動作および調整などを制御し得る。制御部7は、例えばコンピューターなどで構成され、露光装置1の各構成要素に回線を介して接続され、プログラムなどにしたがって各構成要素の制御を実行し得る。なお、制御部7は、露光装置1の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよいし、露光装置1の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよい。また、上記の画像処理部についても、位置検出系6に含まれるものとする以外にも、制御部7と一体として構成してもよい。
図2は、マークWMの一形状を示す平面図である。マークWMは、ウエハW上に複数存在しており、1つのマークWMは、例えば、図2に示すように、図中上下左右の4本のパターン線の組で構成されている。図中左右のパターン線の組は、それぞれX軸方向用のマーク(X計測マークWMX)であり、図中上下のパターン線の組は、それぞれ、X計測マークWMXと同形状で90度回転した形で配置されるY軸方向用のマーク(Y計測マークWMY)である。
次に、本実施形態に係る露光方法として、ウエハW上のショット(露光対象領域)に対する露光処理に先立ち、位置検出系6を用いてマークWMを検出し、その検出結果に基づいてショット配列を特定するアライメント計測について説明する。本実施形態におけるアライメント方式としては、AGA(Advanced Global Alignment)を採用し得る。AGAでは、まず、ウエハW上の全ショットの中からいくつかのサンプルショットを選択し、それらのサンプルショットそれぞれについての設計位置からの位置ずれ量を計測する。そして、計測結果を統計処理することでウエハ上の全ショット配列(ショット位置)を特定するためのパラメータを得る。制御部7は、得られたパラメータを参照して、ウエハステージ5を駆動させることで、特定されたショット位置を露光位置に合わせる。以下、本実施形態に係るアライメント計測を説明するに先立ち、比較のために、まず、従来のマークの形状および形成方法ならびにそのマークを用いたアライメント計測について説明する。なお、本実施形態に係る露光方法は、マークWMを形成するに際し、すでにウエハW上のショットに形成されている層についても、これから形成されるマークWMと同様のダブルパターニング(同一工程)で形成されていることが望ましい。この理由については後述する。
図6は、ウエハW上にマーク(側壁残しマーク)WMを形成する場合の従来のダブルパターニング工程を時系列で示す断面図などである。なお、図6は、X計測マークWMXに関して例示する図としており、このような処理は、Y計測マークWMYについても同様に実施される。また、図6以下、従来の露光装置に係る構成要素においては、説明の簡単化のために、本実施形態に係る露光装置1の構成要素と同一または類似のものには同一の符号を付す。はじめに、図6(a)〜図6(e)を参照して従来のマークWMの形成方法について説明する。ここでは、一例として、ウエハW上に成膜したハードマスク20に対してダブルパターニングを適用し、最終的に特定のピッチの側壁パターン(ハードマスクパターン)20aを形成する。まず、ハードマスク(第1層)20上に下地層が成膜された後、露光装置1を用いて下地パターン(第1パターン)21が形成される(図6(a))。次に、下地パターン21上(第1パターン上)に薄膜(第1膜)22が成膜される(第1工程:図6(b))。次に、薄膜が基板上に積層された積層方向に1回目のエッチングを行う。下地パターン21の側壁部分の薄膜(第2パターン)22aのみを残す(図6(c))。次に、下地パターン21の剥離(除去)を行う(第2工程:図6(d))。そして、薄膜(第2パターン)22aをマスクとして2回目のエッチングを行うことにより、ウエハW上には側壁パターン(第3パターン)20aが形成される(第3工程(ハードマスクオープン):図6(e))。このような方法で形成された図中6本の側壁パターン20aの組は、図6(f)に示すように、X計測マークWMXの1本(図2における左右いずれかのX計測マークWMXを構成する4本のパターン線のうちの1本)となる。位置検出系6は、複数の側壁パターン20aの組を1本のマークWMとして検出する。図6(g)は、位置検出系6がX計測マークWMXを検出し、画像処理部が観察用スコープ13からの画像データをA/D変換した後に得られる1次元観察波形の一例を示すグラフである。画像処理部は、このような観察波形(マーク波形)に対してテンプレートマッチングを実行し、マークWMの位置を計測する。
図7は、従来のウエハW上のショット配列を求める際のアライメント計測(ファインアライメント)の流れを示すフローチャートである。制御部7は、まず、アライメント計測を開始すると、位置検出系6に対し、n(n=1〜N)個のサンプルショットについてマークWM(n)の位置計測を繰り返し実施させる(ステップS201)。そして、制御部7は、ステップS201にて得られた計測値P(1)〜P(n)を統計処理し、最終的にショット配列を求める(ステップS202)。
しかしながら、従来の場合、下地パターン21の作成時の露光条件や、各種エッチング条件が変わると、以下に例示するような影響を及ぼす可能性がある。図8は、従来の側壁パターンの形成位置の変化に起因する計測位置のずれを説明する断面図である。このうち、図8(a)は、ウエハW上の所望の位置に側壁パターン20aが形成されている状態の図である。これに対して、下地パターン21の幅Lが図8(b)に示すように変わると、左右の側壁パターン20a間の距離も変わる。また、薄膜22の厚さが図8(c)に示すように変わることによっても、左右の側壁パターン20a間の距離が変わる。したがって、従来のマークWMの形状と、そのマークWMの計測方法では、最も左側の側壁パターンと最も右側の側壁パターンとの位置の変化分がアライメント誤差を引き起こす可能性がある。図8に示す例では、図8(a)に示す場合の側壁パターン20aと比較して、図8(b)および図8(c)に示す場合では、アライメント誤差が発生し得る。図8(b)および図8(c)に示す場合では、各下地パターン21を挟むように形成された側壁パターンのうち、左側の側壁パターン20aに対してはErrL、右側の側壁パターン20aに対してはErrRのアライメント誤差が発生し得る。そこで、本実施形態では、マークWMの形状と、そのマークWMの計測方法を以下のようにすることで、アライメント誤差の発生を抑える。
図3は、本実施形態におけるウエハW上にマークWMを形成する場合のダブルパターニング工程を時系列で示す断面図などである。ここで、図3(a)〜図3(e)に示す各工程は、従来の図6(a)〜図6(e)に示す工程と同一である。特に本実施形態では、その後の工程として、1つの下地パターン21を挟むように形成された薄膜22aに対していずれか一方の側壁部分の薄膜(第2パターン)22aをマスクとして、側壁パターン20aを除去(トリミング)する(第4工程:図3(f))。なお、図3(f)に示す例では、それぞれ右側の側壁部分の薄膜(第2Bパターン)22aをマスクとして形成された右側の側壁パターン(第3Bパターン)20aを除去している。これにより、X計測マークWMXは、図3(g)に示すように、他方の左側の側壁部分の薄膜(第2Aパターン)22aをマスクとして、左側の側壁パターン(第3Aパターン)20aのみ残存した3本のパターンの組を含む左側壁マークWMLとなる。ここでは3本の側壁パターン20aを一組として1本のパターン線が形成されており、図3(g)のウエハマークWMLは4本のパターン線からなる。そして、ここでは左側壁マークWMLの形成について説明したが、これと同様に、左側の側壁パターン20aを除去した右側壁マークWMRも形成する。図3(h)は、位置検出系6が左側壁マークWMLを検出し、画像処理部が観察用スコープ13からの画像データをA/D変換した後に得られる1次元観察波形の一例を示すグラフである。このように、マークWMが右側または左側の側壁パターン20aを除去したものであっても、図6(g)に示す従来の場合と同様の1次元観察波形が得られる。
図4は、本実施形態におけるウエハW上のショット配列を求める際のアライメント計測の流れを示すフローチャートである。制御部7は、アライメント計測を開始すると、n(n=1〜N)個のサンプルショットについて、ステップS101からステップS103までの処理を繰り返し実施させる。このうち、ステップS101では、制御部7は、位置検出系6に対し、マークWMのうち第1アライメントマークを構成する左側壁マークWML(n)の位置計測を実施させる。次に、ステップS102では、制御部7は、位置検出系6に対し、マークWMのうち第2アライメントマークを構成する右側壁マークWMR(n)の位置計測を実施させる。次に、ステップS103では、制御部7は、ステップS101で得られた第1計測値PL(n)とステップS102で得られた第2計測値PR(n)に加え、それぞれの重みWL、WRを用いて重み付け平均処理を実行する。そして、そのときのn番号のサンプルショットの位置P(n)を求める。サンプルショットの位置P(n)は、例えば、以下の式(1)で表される。
P(n)=(WL×PL(n)+WR×PR(n))/(WL+WR) (1)
そして、制御部7は、ステップS103にて得られた位置P(1)〜P(n)を統計処理し、最終的にショット配列を求める(ステップS104)。
ここで、上記のとおり、マークWMが形成される前にすでにウエハW上に形成されている層も、マークWMを形成する際と同様のダブルパターニングで形成されるものとする。この場合、層は、例えば、左側の側壁パターン20aに相当する第1実素子パターンと、右側の側壁パターン20aに相当する第2実素子パターンとを含む。そこで、式(1)に適用し得る重みWL、WRの決定に際しては、例えば、第1実素子パターンの方に対して位置合わせ精度が要求される場合には、重みWLの方を高くすればよい。また、重みWL、WRは、第1実素子パターンの総面積と第2実素子パターンの総面積との比から決定されるものとしてもよい。この場合、第1実素子パターンの総面積と第2実素子パターンの総面積とは、図3でいう下地パターン21に相当する下地パターンを作成したレチクルRの設計図面から予め求めることができる。
このように、本実施形態に係る露光方法(露光装置1)では、ダブルパターニングで形成されたマークWMで、左右いずれか一方の側壁パターン20aに重きを置いてアライメント計測を実施する。特に、マークWMが形成される前に、同様のダブルパターニングでウエハW上に形成された層の特性に基づいて、上記左右いずれの側壁パターン20aを含むマークWMに重きを置くかを決定し得る。したがって、マークWMの形成時に下地パターン21の幅が変わってしまったり、薄膜22の厚さが変わってしまったりしても、パターン線の最も左側と最も右側との両方の側壁で同時に誤差を発生させることがない。すなわち、位置検出系6は、マークWMに含まれる左右いずれか一方の側壁に計測位置の基準を合わせたアライメント計測を実施するので、高精度な計測結果が得られる。高精度なアライメント計測結果を得られることから、結果的に、この計測結果に基づいて求められたウエハW上のショット配列と、所定のパターンの像が投影される露光位置とを高精度に位置合わせできる。
以上のように、本実施形態によれば、アライメントマークの形成条件が変化しても、そのアライメントマークの計測結果を利用した位置合わせ精度への影響を抑えるのに有利な露光方法および露光装置を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る露光方法および露光装置について説明する。第1実施形態では、図4を用いて説明したとおり、左側壁マークWMLと右側壁マークWMRとは、ステップS101またはステップS102としてそれぞれ別々に計測している。そこで、マークWMの位置計測の際にウエハステージ5の移動や位置検出系6による位置計測回数が増えることに起因するスループットへの影響を考慮する場合には、マークWMの形成方法とそのマークWMの計測方法とを以下のようにすることが有効である。
図5は、本実施形態におけるマークWM(WMX)の形状を、従来および第1実施形態におけるマークWMと比較しつつ示す平面図である。まず、図5(a)は、比較対象として従来のマークWMを示す図である。図5(b)は、第1実施形態における左側壁マークWML(すべて左側の側壁パターン20aのみで構成されるマークWM)を示す図である。さらに、図5(c)は、第1実施形態における右側壁マークWMR(すべて右側の側壁パターン20aのみで構成されるマークWM)を示す図である。なお、図5(b)および図5(c)では、便宜上、3本の側壁パターンで構成されるパターン線に、それぞれWML1〜4、WMR1〜4と付す。これに対して、図5(d)は、本実施形態におけるマークWMを示す図である。本実施形態では、例えば、図2に示すマークWMのうちのX計測マークWMXの左側の組を構成する複数のパターン線を、左側の側壁パターン20aと右側の側壁パターン20aとの双方で構成する。図5(d)に示す例でいえば、4本の(4本とみなされる)パターン線のうち最も左側と最も右側のパターン線は、左側の側壁パターン(第1パターン線)WML1、WML4とする。そして、残りの2本のパターン線は、右側の側壁パターン(第2パターン線)WMR2、WMR3とする。なお、このようなマークWMの構成は、第1実施形態にて説明した図3(f)に示すトリミング処理で調整されることになる。
そして、この場合、アライメント計測の流れは、第1実施形態にて説明した図4に示すアライメント計測と基本的に同様である。ただし、ステップS101では、第1計測値PL(n)を以下の式(2)を用いて求め、一方、ステップS102では、第2計測値PR(n)を以下の式(3)を用いて求める。
PL(n)=(第1パターン線の位置の合計)/(第1パターン線の総数) (2)
PR(n)=(第2パターン線の位置の合計)/(第2パターン線の総数) (3)
これら式(2)、(3)を上記の例に当てはめると、式(4)、(5)となる。
PL(n)=(WML1の位置+WML4の位置)/2 (4)
PR(n)=(WMR2の位置+WMR3の位置)/2 (5)
本実施形態によれば、1つのパターン線の組に、左側または右側のいずれか一方の側壁パターン20aで構成されるパターン線が混在するので、位置検出系6は、同時に2種の側壁パターン20aで構成される複数のパターン線を計測し得る。したがって、ある位置に対するアライメント計測時には、ウエハステージ5を移動させる必要がなく、すなわち計測回数も1回でよいので、第1実施形態と同様の効果に加え、スループットの低下を抑えることができる。
(デバイスの製造方法)
次に、本発明の一実施形態のデバイス(半導体デバイス、液晶表示デバイスなど)の製造方法について説明する。半導体デバイスは、ウエハに集積回路を作る前工程と、前工程で作られたウエハ上の集積回路チップを製品として完成させる後工程を経ることにより製造される。前工程は、前述の露光方法または露光装置を使用して感光剤が塗布されたウエハを露光する工程と、ウエハを現像する工程を含む。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)と、パッケージング工程(封入)を含む。液晶表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることにより製造される。透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラス基板に感光剤を塗布する工程と、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布されたガラス基板を露光する工程と、ガラス基板を現像する工程を含む。本実施形態のデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
20 ハードマスク
20a 側壁パターン
21 下地パターン
22 薄膜
W ウエハ
WM アライメントマーク


Claims (9)

  1. 基板上のアライメントマークを検出する工程を含む露光方法であって、
    前記アライメントマークは、
    複数のパターンの組で構成されるパターン線を有し、
    前記基板上に配置された複数の第1パターン上に第1膜を形成する第1工程と、
    前記第1膜をエッチングして前記複数の第1パターンの壁部に沿って前記第1パターンのそれぞれを挟むように第2パターンを形成する第2工程と、
    前記第2パターンをマスクとして第3パターンを形成する第3工程と、
    前記第1パターンを挟むように形成された前記第2パターンのうち前記第1パターンの壁部の一方に沿った第2パターンをマスクとして形成された前記第3パターンを第3Aパターンとし、前記第2パターンのうち前記第1パターンの壁部の他方に沿った第2パターンをマスクとして形成された前記第3パターンを第3Bパターンとしたとき、前記第3Aパターンを除去することで前記第3Bパターンを形成し、前記第3Bパターンを除去することで前記第3Aパターンを形成する第4工程と、を含む工程により形成され、
    前記第3Aパターンを含む前記アライメントマークを検出して得られた第1計測値と、前記第3Bパターンを含む前記アライメントマークを検出して得られた第2計測値とに重みを付けることで、前記基板上の露光対象領域の位置を求める工程を含むことを特徴とする露光方法。
  2. 前記アライメントマークとして、前記複数のパターンが前記第3Aパターンである第1アライメントマークと、前記複数のパターンが前記第3Bパターンである第2アライメントマークとの複数が形成されることを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記露光対象領域の番号をn(n=1〜N)、前記第1計測値をPL(n)、前記第2計測値をPR(n)、前記第1アライメントマークに対する重みをWL、前記第2アライメントマークに対する重みをWRとすると、
    前記露光対象領域の位置P(n)は、
    P(n)=(WL×PL(n)+WR×PR(n))/(WL+WR)、
    の式から求められる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の露光方法。
  4. 前記アライメントマークは、複数の前記パターン線の組を含み、
    前記複数のパターン線に、前記複数のパターンが前記第3Aパターンである第1パターン線と、前記複数のパターンが前記第3Bパターンである第2パターン線とを混在させることを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  5. 前記露光対象領域の番号をn(n=1〜N)、前記第1計測値をPL(n)、前記第2計測値をPR(n)、前記第1パターン線に対する重みをWL、前記第2パターン線に対する重みをWRとすると、
    前記第1計測値と前記第2計測値とは、それぞれ、
    PL(n)=(第1パターン線の位置の合計)/(第1パターン線の総数)、
    PR(n)=(第2パターン線の位置の合計)/(第2パターン線の総数)、
    の式から求められ、
    前記露光対象領域の位置P(n)は、
    P(n)=(WL×PL(n)+WR×PR(n))/(WL+WR)、
    の式から求められる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の露光方法。
  6. 前記第1工程から前記第4工程までの工程により前記アライメントマークを形成する前に、前記第1工程から前記第3工程までの各工程と同一工程により前記基板上に層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の露光方法。
  7. 前記層は、前記第3Aパターンに相当する第1実素子パターンと、前記第3Bパターンに相当する第2実素子パターンとを含み、
    前記重みは、前記第1実素子パターンの総面積と、前記第2実素子パターンの総面積との比から決定される、
    ことを特徴とする請求項6に記載の露光方法。
  8. 基板上のアライメントマークを検出する検出系を有する露光装置であって、
    前記アライメントマークは、複数のパターンの組で構成される複数のパターン線を有し、
    前記基板上に配置された複数の第1パターン上に第1膜を形成し、該第1膜をエッチングして前記複数の第1パターンの壁部に沿って前記第1パターンのそれぞれを挟むように第2パターンを形成し、該第2パターンをマスクとして第3パターンを形成し、前記第1パターンを挟むように形成された前記第2パターンのうち前記第1パターンの壁部の一方に沿った第2パターンをマスクとして形成された前記第3パターンを第3Aパターンとし、前記第2パターンのうち前記第1パターンの壁部の他方に沿った第2パターンをマスクとして形成された前記第3パターンを第3Bパターンとすると、前記パターンは、前記第3Aパターンまたは前記第3Bパターンのいずれか一方であり、
    前記検出系により前記第3Aパターンを含む前記アライメントマークを検出して得られた第1計測値と前記第3Bパターンを含む前記アライメントマークを検出して得られた第2計測値とに重みを付けることで、前記基板上の露光対象領域の位置を求める制御部を有する、
    ことを特徴とする露光装置。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の露光方法、または請求項8に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
    その露光した基板を現像する工程と、
    を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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