JP2014228409A - 測定用装置 - Google Patents

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Yukio Yamazaki
幸生 山崎
星司 高見
Seiji Takami
星司 高見
章平 福本
Shohei Fukumoto
章平 福本
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Abstract

【課題】皮膚中に存在するAGEs(後期糖化反応生成物)を蛍光測定しようとする場合、励起光強度を上げることなく、微弱な蛍光を効率良く検出することが可能な測定用装置などを提供する。【解決手段】励起光源モジュール11と、導光ファイバー12と、蛍光受光部13を備え、導光ファイバー12は、励起光導光ファイバー14と蛍光導光ファイバー15を少なくとも含んでおり、測定対象物19に接触される側では両者が束ねられている。他方の側では両者が独立されており、励起光導光ファイバー14が励起光源モジュール11に接続され、蛍光導光ファイバー15は蛍光受光部13に接続されている。励起光源111と、励起光を導光する多モードファイバー14を備え、光ファイバー14を構成する材料の屈折率で決定される最大入射角と同等以上の角度で励起光を光ファイバー14に入射する。【選択図】図1

Description

本発明は、皮膚中の蛍光物質を測定するための測定用装置に関する。
近年、AGEs(Advanced Glycation End products;後期糖化反応生成物)と呼ばれる物質が注目されている。また、従来、抗糖化(抗加齢)化粧品として、皮膚中に蓄積したAGEsの低減を目的としたものが商品化されている。
このAGEsは、タンパク質と、糖質や脂質との非酵素的糖付加反応(メイラード反応)により形成される最終生成物であり、黄褐色を呈し、その一部は蛍光を発する物質である。また、AGEsは、近くに存在する構造蛋白質と結合して架橋を形成する性質を有している。特に、AGEsと真皮を構成しているコラーゲンとの架橋は、皮膚の弾力性を低下させるので、しわやくすみの原因としても問題となっている。
また、皮膚中にはAGEs以外にも蛍光を示す物質があり、例えばヒドロキシプロリン、リボフラビン、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、プロトポルフィリン、チロシン、トリプトファン、エラスチン等の蛍光物質がある。これらの物質を評価することはAGEs以外の美容・健康に関する阻害要因を把握する目的や、その他美容・健康に影響する指針を得る為の情報を取得できるという観点から有用である。
また、皮膚中に存在するAGEsやその他の蛍光物質に関しては、皮膚における特定の深さ領域に応じて異なる種類のものが存在するし、存在する量も異なる。例えば、表皮領域(表面〜深さ約0.2mm)中や真皮領域(深さ約0.2〜2.2mm)中にあるAGEsは、上述のように、しわやくすみの原因となるので、美容上の観点から粗悪要因となっている。なお、この粗悪要因を解消する為の市販のクリーム等は、表皮や真皮中のAGEsを減少させる方向に働く。
さらに、血管領域(深さ約2.2mm以上)中にもAGEsは存在する。そして、糖尿病の場合、血糖の上昇に伴い、AGEsも増加するので、AGEsをモニタリングすることで、糖尿病の早期発見、あるいは進行状況を把握することができる。なお、血液中のAGEsを低減する手段としては、糖尿病治療薬や機能性食品があるが、これらは直接的に血液中のAGEs量を制御するものである。
このように、皮膚中の特定の深さ領域(表皮領域、真皮領域、血管領域)におけるAGEs量を把握することは極めて有用である。皮膚中のAGEsやその他の蛍光物質を測定することに適用可能な技術の一例として、下記の特許文献1が挙げられる。
特許文献1には、1つ以上の光源からの励起光を皮膚に照射し、これにより皮膚中から放射される蛍光を計測し、その結果に基づき皮膚の状態を測定する装置が開示されている。また、皮膚に照射する励起光と皮膚から得られる蛍光との関係については、特許文献2に開示されている。
米国特許出願公開第2007/0004972号公報 特開2004-290234号公報
先行技術に開示されるように、皮膚中に蓄積したAGEsの量を測定するために紫外線を皮膚に照射してAGEsが発する蛍光を得ることが行われるが、このAGEsに起因する蛍光は、極めて微弱であり、波長365nm(ナノメートル)の紫外線LEDを用いた励起光を数十mWの強度で光ファイバーを用いて皮膚に照射した際、得られる蛍光強度は数nWオーダーとなる。検出される蛍光強度が低いとSN比が悪くなり、高精度にAGEs量を検出することが困難となる。
励起光強度を増加させると、これにほぼ比例して蛍光強度を増加させることができるが、AGEsの蛍光を最も強く発生させる励起光は紫外域にあり、強い紫外光は皮膚にダメージを与えるため、有効な手段ではない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、励起光強度を上げることなく、微弱な蛍光を効率良く検出することが可能な測定用装置などを提供することにある。
本発明においては、励起光源と、励起光導光手段として第1の光ファイバーと、励起光を照射して得られる蛍光を導光する第2の光ファイバーとを備え、少なくとも第1の光ファイバーは多モードファイバーとする。
また、本発明においては、測定対象物側端末部において、第2の光ファイバーを取り囲むように第1の光ファイバーを配置して結束した断面を有するものとする。
また、本発明においては、第1の光ファイバーを構成する材料の屈折率から決定される最大入射角と同等以上の角度で励起光を第1の光ファイバーに入射する。
また、本発明においては、励起光を集光する集光手段を有する。集光手段としてレンズ又は鏡面を使用する。
また、本発明においては、集光手段を経由した励起光の入射光軸が光ファーバーの軸線となす角度を光ファイバーのNA(開口数)から決定される入射角と同等以上の角度とする。
本発明においては、励起光源と励起光導光手段として多モードファイバーを使用するので、励起光の入射角度を広くとることが出来、励起光の導光量を増加することが出来る。
また、本発明においては、励起光を導光する光ファイバーの最大入射角と同等、または同等以上の角度で励起光を入射させるので、高次導波モードで伝達される光量が増加する。
また、本発明においては、測定対象物側端末部において、蛍光導光ファイバーを囲むように励起光導光ファイバーを配置して結束するので、蛍光導光ファイバーの測定範囲において多くの励起光導光ファイバーから導光された励起光が重畳する結果を生じ、励起光強度に比して強度の高い蛍光が得られる。
また、本発明においては、励起光源から照射された光を集光して励起光導光ファイバーに入射させることで、励起光強度と蛍光強度を高めることが出来る。
また、本発明においては、集光した励起光の光軸を光ファイバーのNA(開口数)から決定される入射角と同等以上の角度として励起光導光ファイバーに入射させるので、高次導波モードで伝達される光量が増加する。
図1 本発明の実施形態1に関わる測定装置の構成を示す模式図である。
図2 本発明の実施形態1に関わる導光ファイバーの構造を示す模式図である。(a)測定対象物側端末部、(b)励起光源側端末部模式図、(c)蛍光受光部側端末部模式図。
図3 本発明の実施形態1に関わる励起光源モジュールの構造を表す模式図。
図4 光ファイバーへの入射角度と導光モードについて説明する図。
図5 光ファイバーの入射角度の違いによる出射側端末部での出射強度と出射角度との関係について説明する図。(a)入射角度が小さいとき、(b)入射角度が大きいとき、(c)入射角度と出射側強度の半値全角との関係を説明する図。
図6 測定対象物側端末部における励起光導光モードと測定範囲との関係を説明する図。(a)入射角度が小さいとき、(b)入射角度が大きいとき。
図7 励起光の入射角と測定対象物側端末部における蛍光強度との関係を説明する図。
図8 励起光の入射角度とそれによる蛍光の強度の関係を説明する図。
図9 本発明の実施形態3による励起光モジュールの構造を示す模式図。
図10 本発明の実施形態4による励起光モジュールの構造を示す模式図。
図11 本発明の実施形態5による励起光モジュールの構造を示す模式図。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る測定システムについて説明する。なお、本発明においては、「測定」は単に対象物を「観察」することも含む概念とする。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の構成を説明するための図である。測定装置1は、励起光源モジュール11と、導光ファイバー12と、蛍光受光部13を備えている。導光ファイバー12は、励起光導光ファイバー14と蛍光導光ファイバー15を少なくとも含んでおり、測定対象物19に接触される側では両者が束ねられている。他方の側では両者が独立されており、励起光導光ファイバー14が励起光源モジュール11に接続され、蛍光導光ファイバー15は蛍光受光部13に接続されている。
励起光源モジュール11は、励起光源111として400nm(ナノメートル)以下に中心波長を持つ紫外線LEDと、集光レンズ112を備えており、励起光源111から発せられた励起光が、集光レンズ112を通して前記励起光導光ファイバー14に集光されている。
励起光は、励起光導光ファイバー14を通して、測定対象物19である皮膚に照射され、これによって測定対象物19中の蛍光物質AGEsから蛍光が発生する。この蛍光が蛍光導光ファイバー15を伝わり、蛍光受光部13でその強度等を測定する仕組みとなっている。
蛍光受光部13は、図示をしない分光器、フォトダイオード、フォトトランジスタ、光電子増倍管等の部品を備える。また蛍光に重畳される、励起光や室内光といった迷光を除去する目的で、前記部品と蛍光導光ファイバー15の間に光学フィルタを挿入してもよい。皮膚中のAGEs量を測定する場合は、例えば、これと比例関係にある中心波長460nmの蛍光の強度を測定すれば良い。
図2は、導光ファイバー12の端面模式図であり、図2(a)は測定対象物19に接触される側18の端面、図2(b)は導光ファイバー12の一部である励起光導光ファイバー14の励起光源モジュール11に接続される側の端面、図2(c)は導光ファイバー12の一部である蛍光導光ファイバー15の蛍光受光部13に接続される側の端面である。
一般に、光ファイバーは、光を導光するコアとその外側を包むクラッドとからなり、さらにクラッドの外側にシリコン被覆を付けた場合に光ファイバー素線、さらにシリコンの外側を樹脂で被覆した場合に光ファイバー芯線、光ファイバー芯線を束ねて被覆した場合に光ファイバーコードと呼ぶ。また、光ファイバーコードを多数束ねて、その外側を被覆したものを光ファイバーケーブルと呼ぶ。本発明の実施形態で示す励起光導光ファイバー14のように光ファイバー素線を多数集積し、その外側を被覆したものをバンドルファイバーと呼ぶ。
図2(a)を見ると、中心部に蛍光導光ファイバー15が配置されている。そして、蛍光導光ファイバー15の周囲に励起光導光ファイバー14が配置されている。励起光導光ファイバー14には、複数の励起光導光ファイバー素線141が集積されている。複数の励起光導光ファイバー素線141は、好ましくは、蛍光導光ファイバー15を中心として互いに回転対称となる位置に配置されているのが良い。
また、図2(b)において、励起光導光ファイバー14の中心にダミーファイバー142が配置されているが、これは製作工程上あると望ましいものであり、端面を光学研磨する際、複数の励起光導光ファイバー素線141の位置ずれを防止する目的で介挿されているものである。ダミーファイバー142は、光ファイバーとしては機能していない為、必須の要件ではない。
図3は、励起光源モジュール11内における、励起光源111とレンズ112と励起光導光ファイバー14の位置関係を説明するための図である。励起光源111の大きさをA、集光レンズ112の直径をD、励起光導光ファイバー14のコア径をS、励起光源111から集光レンズ112の肉厚中心までの距離をL1、励起光導光ファイバー14の端面から集光レンズ112の肉厚中心までの距離をL2とすると、励起光が励起光導光ファイバー14に高効率に結合されるためには次式が成立する必要がある。
S≧(L2/L1)×A ・・・(1)
これは、励起光源のレンズによる実像が励起光導光ファイバーの端面に結像させたとき、実像の大きさがコア径以下であれば、レンズからの集光光を高効率で結合させることができるためである。
(1)式を満たすためには、L1を十分大きくとればよいことになるが、L1が大きすぎると図中のθ1で表される角度が小さくなることになる。これは、励起光源から発生した光の内、レンズに入射する光が減少し、レンズを通過しない光が増加することになる為、望ましくない。
結局、励起光が励起光導光ファイバーに高効率に結合される為の条件は、(1)で不等号を等号に置き換えた下式となる。
S=(L2/L1)×A ・・・(2)
一方、fをレンズの焦点距離とした場合、L1とL2は下記レンズ公式の関係があり、互いに独立ではない。
(1/L1)+(1/L2)=1/f・・・(3)
(2)、(3)式を連立させると、L1及びL2は部品のパラメータ(A,f,S)から下式の通り一意に決定される。
L1=(A/S+1)×f ・・・(4)
L2=(S/A+1)×f ・・・(5)
ここで励起光源がLEDの場合は、LEDチップの発光面大きさをAと採り、また複数のLEDチップから構成されている場合はLEDチップの発光面を全て含む領域の大きさをAと採る。また励起光導光ファイバーが複数のコアを含む場合は、全てのコアを含む領域の大きさをSと取ることとする。
励起光源から発せられた励起光の内、集光レンズに入射する割合を増加させる為には、θ1が大きい程望ましい。θ1は次式を満たす。
tan(θ1)=D/2L1
=(D×S)/(2f×(A+S))・・(6)
(6)式によると、レンズ径Dは大きく、またレンズの焦点距離fは小さく、また励起光源の発光面大きさAが小さく、また励起光導光ファイバーのコア径Sが大きいことが望ましいことが判る。
さらに本発明の測定装置においては、θ2が励起光導光ファイバーのNA(開口数)から計算される最大入射角度θ3と概略同じ値になるように、励起光導光ファイバー及びレンズが選択されている。
tan(θ2)=D/2L2
=(D×A)/(2f×(S+A))・・(7)
sin(θ3)=(励起光導光ファイバーのNA)・・・(8)
θ2≒θ3 ・・・(9)
このように選択することによる効果を以下に述べる。図4は、光ファイバー400の導波モードを説明するための図であり、一般的な光ファイバーの長さ方向を含む面における模式断面図である。光ファイバーには光の伝達形態によって区別して呼ばれる導波モードが存在し、本発明に用いる光ファイバー400は多モードファイバーとなっており、複数の導波モードが存在している。
低次導波モード401は、光ファイバー400のコア412とクラッド411との界面で比較的大きな入射角θL´(ダッシュ)で全反射を繰り返しており、高次導波モード402は光ファイバー400のコア412とクラッド411との界面で比較的小さな入射角θH´(ダッシュ)で全反射を繰り返している。
この導波モードが伝搬できる角度は、一般には連続量でなく離散的な値であり、光ファイバーを構成しているコア及びクラッドの材料が持つ屈折率及びコア径から、良く知られた導波理論で各離散的な値を求めることができる。
前述のように励起光導光ファイバーのコア径が大きい程多くの光が入射出来、効率が良いことから、波長の数百倍のコア径をもつ励起光導光ファイバーを使用することになり、この状況下では非常に多くの導波モードが存在しており、ほぼ連続量であると見なすことができる。
導波モードとして伝搬できる入射角には上限があり、(8)式で定義される角度θ3がそれである。光ファイバーのNAは、コアとクラッドの各屈折率n1,n2を用いて次式で表される。
光ファイバーのNA=√(n1−n2) ・・・(10)
これは、上式と(8)式で決まる最大入射角度θ3より大きな角度で入射すると、光ファイバー中でコアとクラッドの境界面にて光が全反射出来ないことを表している。
この角度θ3で入射した光は、最高次数に近い導波モードで光ファイバー中を伝搬することになる。従って、角度θ3で入射する光を増加させてやれば、高次導波モードの光の割合を増加させることができる。
入射した光の内、各導波モードへの光強度の分配割合は、光ファイバー端面における入射光の光強度分布と、各導波モードの光ファイバー端面における光強度分布の重なり積分を全導波モードに対して求め、その値の大きさで重みづけをすることにより求めることができるが、これを計算するのは困難であり、実際の状況と一致させるのはさらに困難である。
集光レンズ112から励起光導光ファイバー14に入射する角度が大きくなると、励起光導光ファイバー14における高次導波モードが強く励振されるようになる。入射光の光ファイバーへの入射角をコントロールすることで、低次導波モードと高次導波モードの割合を制御することができる。
無損失の光ファイバーにおける導波モードは、互いにパワーの相互作用が無い為、大きな入射角で光が入射すると、出射角も大きくなる。図4中では、入射角度θLで入射した光は低次導波モードで光ファイバー中を伝搬し、角度θLを維持した状態で出射している。入射角度θHで入射した光は高次導波モードで光ファイバー中を伝搬し、角度θHを維持した状態で出射している。
図5(a)、(b)はいずれも、励起光導光ファイバー14の出射端面から出射した光の強度分布を表しており、図5(a)は励起光導光ファイバー14への光の入射角が小さな場合、図5(b)は同入射角が大きい場合を表している。入射角が大きい方が、光強度分布の半値全角(強度が半分になるときのプラス角度とマイナス角度との幅)が広くなっていることが図より明らかであるが、これは入射角が大きい程、励起光導光ファイバー14における高次導波モードの割合が増加したことによるものである。
更に図5(c)は、励起光導光ファイバー14への光の入射角を横軸にとり、同ファイバーからの出射光強度分布における半値全角を縦軸にとりプロットしたものである。入射角が増加するほど半値全角が広がっていることが判るが、さらに励起光導光ファイバーのNAから(7)式で求まる角度θ3を入射角が上回っても、さらに半値全角が増加することを本発明者らは実験的に見出した。入射角が増加するほど、励起光導光ファイバーにおける高次モードの割合が増加するためと推察される。
以上を鑑みると、励起光導光ファイバー14へ入射する光の入射角が、(8)式の最大入射角θ3を上回るように、集光レンズ及び励起光導光ファイバーを選択することが望ましいことが判る。尚、入射角が大きすぎると、最大入射角θ3を上回って励起光導光ファイバー14へ入射する光が増加することになり、この光は導波しない為、損失となる。従って入射角には最適値が存在し、(8)式の最大入射角θ3と同等かそれを僅かに上回る入射角となるように、集光レンズ及び励起光導光ファイバーを選択することが望ましい。
本発明者らが作成した測定装置において、具体的数値を挙げる。励起光源111であるLEDの発光面の大きさA=1mm、励起光導光ファイバー14のコアが分布している領域の大きさS=2mm、集光レンズは直径D=12mm、焦点距離f=8.5mm、励起光導光ファイバー14のNA=0.22を使用した際、L1及びL2は(4)、(5)式よりそれぞれL1=12.75mm、L2=25.5mmであった。また(6)式よりθ1=25.2°、(7)式よりθ2=13.24°、(8)式よりθ3=12.7°となっており、概略(9)式を満たすことが判った。
上記数値例のように、励起光導光ファイバー14への入射角θ2は、励起光導光ファイバー14のNAから求まる最大入射角度θ3と同値、もしくは僅かに高い値に設定するのが望ましい。これにより、励起光導光ファイバー14に高次導波モードが励振される割合が増加するためである。
図6は、導光ファイバー12の測定対象物に接触される側18の端面が測定対象物19に接触した様子を表す断面模式図である。図6(a)は励起光導光ファイバー14において高次導波モードが強く励振された場合を、図6(b)は励起光導光ファイバー14において高次導波モードが弱く励振された場合を表している。励起光導光ファイバー14から発せられた出射光の出射角が、図6(a)は図6(b)に比べ広くなっている。図中において、θ4>θ5である。
また、図7は導光ファイバー12の測定対象物に接触される側18における光の強度分布をプロットしたものであり、横軸が端面中心軸からの傾斜角、縦軸が光強度を表している。701は従来の光学系を用いた場合であり、702は本発明の光学系を用いた場合を表している。701の光強度分布に比べ、702の光強度分布の方が広がっていることが判る。これは励起光導光ファイバー14に高次導波モードが強く励振されている為である。
一方、蛍光導光ファイバー15は同じであるため、蛍光を受光する領域は同じである。より正確に表現すると、蛍光導光ファイバー15を通って、蛍光受光部13で一定強度以上の蛍光が検出される蛍光物質AGEsの存在する領域が、蛍光受光ファイバー端面から見て同じである。この為、励起光導光ファイバー14からの出射角が広い程、蛍光導光ファイバー15端面付近の励起光強度が増加し、即ち蛍光強度も増加する。
本実施形態では、図2(a)に示すように励起光導光ファイバー14は、蛍光導光ファイバー15を取り囲むように配置されているため、蛍光導光ファイバー15が測定する範囲では全周囲からの励起光が重畳される形となるため、各々の光ファイバー141から照射される励起光が弱くても、十分な強度の蛍光が得られる。
図8は、励起光導光ファイバー14への入射角θ2を横軸にとり、蛍光強度を縦軸にとったものである。測定対象は、皮膚に模したモデルであり、AGEs代替物質をAGEsの蛍光中心に近い波長511nmの蛍光を発するウラニン系蛍光物質とし、AGEsの蛍光中心波長465nm未満において皮膚と同等の吸収係数49cm−1を有するND(減光)フィルタを介して測定を行った。
励起光導光ファイバー14への入射角は、(7)式の第一等号式より求めた。図を見ると、θ2が大きくなる程蛍光強度が増加している。これはθ2が大きくなる程、励起光導光ファイバー14における高次導波モードの割合が増加し、出射光の半値全角が増加し、検出される蛍光強度が増加したためである。この値は、(8)式で定義されるθ3を超えるところまで増加し続けるが、最大値を取り、以降θ2の増加とともに減少に転ずる。
これは、θ2が大きくなりすぎると励起光導光ファイバー14へ結合する割合が減少するためである。このθ2がθ3と同等の値からそれ以上の値になっていることが、本発明の請求範囲である。即ち、本発明を用いることにより、励起光強度を増加させることなく、蛍光検出強度が増加し、蛍光検出強度のSN比が向上するという効果を奏するものである。
本発明者らが実験的に調査した結果、θ2からθ3を引いた値が−10°〜+10°の範囲に入っていれば、本発明の効果は発生するが、より望ましくは0°〜+8°、さらに望ましくは0.5°〜+2°が良い。
また、励起光の出射角が広がっている為、同じ励起光強度で比較すると、測定対象物中における単位面積当たりの励起光強度は減少する方向であるから、測定対象物に対するダメージが軽減するという効果も奏する。即ち測定対象が皮膚中のAGEs量であれば、測定の為に皮膚に紫外光が照射されることになり、皮膚へのダメージが懸念されるが、本発明を用いることによりそのダメージを軽減させることが期待できる。また、蛍光強度を基準にとる場合には、励起光源111から照射する励起光そのものの強度を下げることが出来る。
なお、本実施形態において、集光レンズ112は単レンズとして説明したが、集光手段であればこれに限定されるものではない。例えば複合レンズ、フレネルレンズ、グレーティングによる集光レンズ、ロッドレンズ等でも良い。
また、励起光を導入する導入手段にバンドルファイバーを用いたが、光ファイバー芯線を同心円状に結束した光ファイバーコードでも本発明に近い効果が得られる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2は、実施形態1と比べて、集光レンズが球形になっていることを特徴としている。集光レンズが異なることを除けば、装置の構成としては実施形態1と同じである。
球形レンズのNA(開口数)が大きくなる為、励起光源からの光をより多く集光レンズに導入することができるようになる。構成は実施形態1と同じであるので図を省略する。また、これに合わせて、励起光導光ファイバー14への結合角をより大きくとることができ、即ち励起光導光ファイバー14からの出射光の出射角を大きくとることができる為、測定効率が更に向上するという効果が奏する。一方で、製作公差による各光学部品の位置ずれによる影響が大きくなる為、製作公差を小さくするための工夫が必要となる。
本実施形態における具体的数値例を挙げる。励起光源であるLEDの発光面の大きさA=1mm、励起光導光ファイバーのコアが分布している領域の大きさS=2mm、集光レンズは直径D=5mm、焦点距離f=2.64mm、励起光導光ファイバーのNA=0.28を使用した際、L1及びL2は(4)、(5)式よりそれぞれL1=3.96mm、L2=7.92mmであった。また(6)式よりθ1=32.2°、(7)式よりθ2=17.5°、(8)式よりθ3=16.26°となっており、概略(9)式を満たすことが判った。
(実施形態3)
図9は本発明の実施形態3を説明する為の図である。実施形態1と同等の機能部には同じ記号を付して説明を省略する。本実施形態は、実施形態1と比べて、集光手段が凹面鏡901となっている。
本実施形態は、励起光源111と凹面鏡901を結ぶ光の経路の中心軸が、励起光導光ファイバー14の中心軸に一致した構成となっている。ここのような構成であっても、励起光導光ファイバー14への光の入射角θ2が、励起光導光ファイバー14のNAから(8)式より計算される最大入射角度θ3より大きくなっていれば、本発明の請求範囲であり、本発明の効果が発生する。
(実施形態4)
図10は、本発明の実施形態4を説明する為の図である。実施形態1と同等の機能部には同じ記号を付して説明を省略する。本実施形態は、励起光源111と集光レンズ112中心を結ぶ光の経路の中心軸が、励起光導光ファイバー14の中心軸に対して角度θbだけ傾斜した構成となっている。
このような構成とすることにより、励起光導光ファイバー14の高次導波モードを選択的に励振させることができるという効果を奏する。一方、傾斜に伴い励起光導光ファイバー14に結合される光強度は急激に減少していくため、角度θbには最適値が存在する。即ち前記傾斜角θbが、光ファイバーのNAを用いた逆正弦関数と概略同等か若しくは大きくなっていれば、本発明の請求範囲であり、本発明の効果は発生する。式で表すと下記のように記される。
θb≧Sin−1(NA) ・・・(11)
(実施形態5)
図11は、本発明の実施形態5を説明する為の図である。実施形態1と同等の機能部には同じ記号を付して説明を省略する。本実施形態は、励起光源111から発せられた励起光が凹面鏡901に照射され、励起光導光ファイバー14の端面に傾斜した角度θbで集光されている。
このような構成とすることにより、励起光導光ファイバー14の高次導波モードを選択的に励振させることができるという効果を奏する。一方、傾斜に伴い励起光導光ファイバーに結合される光強度は急激に減少していくため、角度θbには最適値が存在する。即ち前記傾斜角θbが、光ファイバーのNAを用いた式(11)を満たしていれば、本発明の請求範囲であり、本発明の効果は発生する。
以上の実施形態において、励起光は集光手段を介して励起光導光ファイバーに入射させるものとしたが、光源がチップ状の光源であって出射光の指向性が非常に高い場合においては、集光手段を省略できる。
本発明によれば、光ファイバーを使用して物体の表面状態を観察または測定する場合に幅広く利用できる。
1 測定装置
111 励起光源
112 集光レンズ
13 受光部
14 励起光導光ファイバー
15 蛍光導光ファイバー
19 測定対象物(皮膚)

Claims (5)

  1. 物体の表面を光ファイバーを介して測定する装置であって、
    前記装置は、光源と、光源が発した光を導光する第1の光ファイバーと、
    第1の光ファイバーから光を照射された結果として物体が発した光を導光する第2の光ファイバーを有し、
    前記第1の光ファイバーは多モードファイバーであって、
    物体表面に向けられる端部で前記第2の光ファイバーと近接して束ねられることを特徴とする測定装置。
  2. 前記光源が発した光を前記第1の光ファイバーが有する最大入射角度で導光することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記光源が発した光を集光する集光手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記第1の光ファイバーと前記第2の光ファイバーとが、
    物体表面に向けられる一端で、
    前記第2の光ファイバーを中心に、前記第1の光ファイバーが取り囲むように結束されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記集光手段による光の経路の中心軸と、前記励起光導光ファイバーの中心軸が成す角θbが下記の式を満たすことを特徴とする、請求項1乃至4に記載の測定装置。
    θb≧Sin−1(NA);NAは光ファイバーの開口数








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