JP2014228377A - 粒子捕集機構及びそれを用いた微粒子分析装置 - Google Patents

粒子捕集機構及びそれを用いた微粒子分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 吸引する空気の吸引流量によりCutoff粒子径の設定を変更、維持したり、オリフィス板の製造時に加工公差が生じてもCutoff粒子径を設定値に調整したりすることができる粒子捕集機構を提供する。【解決手段】 様々な粒子径の粒子群を含有する気体を所定の方向に通過させる少なくとも1個の開口部61を有する噴出部60と、開口部61の所定の方向に配置され、開口部61を通過した気体が衝突して、設定粒子径以上の粒子群を捕集する捕集板52bと、設定粒子径未満の粒子群を含有する気体を排出させる排出流路52aとを備える粒子捕集機構50であって、開口部61の大きさを変化させるか、或いは、複数の開口部61の内から選択された所定の数の開口部61を塞ぐことが可能な開口部調整機構65を備えた構成とする。【選択図】図3

Description

本発明は、大気等の雰囲気中に浮遊する設定粒子径(Cutoff粒子径)以上の微粒子群を捕集する粒子捕集機構(インパクタ)及びそれを用いた微粒子分析装置に関する。
近年、半導体製造プロセスにおける粒子汚染の抑制、大気中における酸性雨やスモッグ等の発生機構の解明、量子ナノ材料の開発等に関連して、大気等の雰囲気中に浮遊する粉塵やミスト等の微粒子群が注目を集めている。
そこで、ナノメータオーダの微粒子群における粒子数や成分等を求める微粒子分析装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。図11は、微粒子分析装置の全体的な概略構成の一例を示すブロック図である。微粒子分析装置440は、大気雰囲気中から微粒子群(粉塵やミスト等)を引き込むサンプリング装置1と、引き込まれた微粒子群をコロナ放電又は放射線源により帯電させる荷電装置2と、帯電した微粒子群を粒子径毎に分級する微分型電気移動度分級器(DMA)3と、DMA3により分級された微粒子群における成分と量とを測定する高周波誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)4と、DMA3により分級された微粒子群における粒子数を計数するファラデーカップ電流計(FCE)5とを備える。
また、このような微粒子分析装置140の荷電装置2に、様々な粒子径の粒子群を含有する気体を送り込む前にプレフィルタとして、余分な微粒子群(大きな粒子径Dを有する粒子群)等を除去するインパクタ(粒子捕集機構)が配置されることがある。図12は、インパクタの要部を示す拡大断面図である。なお、地面に水平な一方向をX方向とし、地面に水平でX方向と垂直な方向をY方向とし、X方向とY方向とに垂直な方向をZ方向とする。
インパクタ450は、例えば、複数(N個)の直径Rの円柱形状のノズル(又はジェット)61が形成された金属製のオリフィス板(噴出部)60と、複数のノズル61の噴出方向の前方(Z方向)に配置された捕集板52と、捕集板52に設けられた排出流路52aとを有する。このようなインパクタ450によれば、空気の流れに乗ってZ方向へ直進する粒子群において、慣性力の大きな粒子、つまり重い(粒子径Dが大きい)粒子は、X、Y方向等に曲がりきれずに流れから外れてしまい、捕集板52に衝突して捕集されるが、軽い(粒子径Dが小さい)粒子は、流れに乗って下流(排出流路52a)に運ばれる。すなわち、インパクタ450によって、粒子が分級、捕集される。
ここで、捕集効率ηと粒子径Dとの間では、下記の式(1)〜式(5)に示す関係が成り立つことが報告されている。
ここで、Stkはストークス数である。
ここで、Cはカニンガム補正係数、ρは粒子密度、Dは粒子径、uは流速、μは流体粘性係数、Dはオリフィス径である。
ここで、Knはクヌッセン数、αは定数(1.142)、βは定数(0.558)、γは定数(0.999)である。
ここで、λは平均自由工程である。
ここで、Pは圧力、Tは絶対温度、Pγλは基準圧力、Tγλは基準温度、Sλはサザランド数(110.4)である。
特開平10−288601号公報
ところで、上述したようなインパクタ450に用いられるオリフィス板60では、ノズル61の穴径(直径R)やノズル61の穴数(N個)は固定されたものとなっている。そのため、プレフィルタとしてのインパクタ450におけるCutoff粒子径(設定粒子径)Dthを、3.0μm以上の粒子径Dを有する微粒子群を捕集する設定から、2.5μm以上に変更したい場合には、吸引する空気の吸引流量(流速u)を、排出流路52aに取り付けられた吸引ポンプ(図示せず)を制御することによって変更していた。しかし、この方法では気体の処理量が変わってしまうという問題点があった。
また、排出流路52aに取り付けられた吸引ポンプの経年劣化等により、吸引する空気の吸引流量(流速u)が変化した場合に、インパクタ450によるCutoff粒子径Dthの設定が、意図せず変更されてしまうという問題点もあった。また、数個のノズル61が粉塵等で塞がれてしまった場合にも、意図せずインパクタ450によるCutoff粒子径Dthの設定が変更されてしまうという問題点があった。
さらに、オリフィス板60を製造する際の加工公差によって、設計ノズル61の大きさ(直径R)と実ノズル61の大きさ(直径R’)とに差異を生じることがあり、その結果、設計Cutoff粒子径Dthと実Cutoff粒子径Dth’とに差異が生じてしまうという問題点があった。
本発明者は、吸引する空気の吸引流量(流速u)を一定に維持したままCutoff粒子径Dthを変更したり、空気の吸引流量(流速u)が変化してもCutoff粒子径Dthを設定値に維持したり、オリフィス板60を製造する際に加工公差が生じてもCutoff粒子径Dthを設定値に調整したりすることができるインパクタについて検討を行った。
前記の式(1)〜式(5)によれば、空気の吸引流量(流速u)や、オリフィス径D(D=R×π×N)が変わると、捕集できるCutoff粒子径Dthも変わる。つまり、空気の吸引流量(流速u)を上げるか、或いは、オリフィス径Dを小さくすれば、Cutoff粒子径Dthを小さくすることができるということになる。
そこで、本発明者は、開口部(ノズル)の大きさ(直径r)や開口部数(n個)を調整することができるCutoff粒子径可変インパクタを作製することを見出した。
すなわち、本発明の粒子捕集機構は、様々な粒子径の粒子群を含有する気体を所定の方向に通過させる少なくとも1個の開口部を有する噴出部と、前記開口部の所定の方向に配置され、前記開口部を通過した気体が衝突して、設定粒子径以上の粒子群を捕集する捕集板と、前記設定粒子径未満の粒子群を含有する気体を排出させる排出流路とを備える粒子捕集機構であって、前記開口部の大きさを変化させるか、或いは、複数の開口部の内から選択された所定の数の開口部を塞ぐことが可能な開口部調整機構を備えるようにしている。
ここで、「所定の方向」とは、設計者等によって予め決められた任意の一方向である。
また、「設定粒子径」とは、測定者等によって決められる任意の粒子径(Cutoff粒子径Dth)であり、本願発明に係る粒子捕集機構では、開口部調整機構によって開口部の大きさを変化させたり、所定の数(n個)の開口部を塞いだりすることが可能となっており、測定者等が試験目的等によって自由に調整することができるようになっている。
本発明の粒子捕集機構によれば、開口部の直径rや開口部数nを変更することが可能な開口部調整機構によりオリフィス径Dを変更することができるので、インパクタ内に吸引する空気の吸引流量(流速u)を一定に維持したまま、すなわち気体の処理量を維持したまま、Cutoff粒子径Dthを変更することができる。例えば、空気の吸引流量(流速u)を一定に維持した状態でCutoff粒子径Dthを小さくしたい場合には、開口部調整機構を用いて開口部の直径rや開口部数nを小さくする。一方、空気の吸引流量(流速u)を一定に維持した状態でCutoff粒子径Dthを大きくしたい場合には、開口部調整機構を用いて開口部の直径rや開口部数nを大きくする。
また、空気の吸引流量(流速u)が変化しても、オリフィス径Dを変更することで、Cutoff粒子径Dthを設定値に維持することができる。例えば、吸引ポンプが経年劣化したことにより空気の吸引流量(流速u)が小さくなった場合には、開口部の直径rや開口部数nを小さくすることで、Cutoff粒子径Dthを設定値に戻す。
さらに、噴出部を製造する際に加工公差が生じても、オリフィス径Dを変更することで、Cutoff粒子径Dthが設定値となるよう調整することができる。例えば、噴出部を製造した際に開口部の直径Rが大きくなってしまった場合には、作製後や使用時に開口部の直径rや開口部数nを小さくすることで、Cutoff粒子径Dthを設定値に調整できる。
(その他の課題を解決するための手段および効果)
また、本発明の粒子捕集機構においては、前記開口部調整機構は、前記開口部の大きさを変化させる絞り機構であるようにしてもよい。
ここで、「絞り機構」とは、開口部の大きさを変化させることができるものであればよく、例えば、カメラに用いられる絞り機構等が挙げられ、1個の開口部に対して1個の絞り機構が用いられることになる。
また、本発明の粒子捕集機構においては、前記開口部調整機構は、複数の開口部の内から選択された少なくとも1個の開口部を塞ぐための遮蔽部材を備えるようにしてもよい。
ここで、「遮蔽部材」とは、開口部を塞ぐことができるものであればよく、例えば、開口部の入口や出口を塞ぐ板状体や、開口部内に挿入される柱状体や、カメラに用いられる絞り機構等が挙げられる。なお、絞り機構を用いる場合には、複数個の開口部に対して1個の絞り機構が用いられることになるため、絞り機構で形成される開口の中心から離れた開口部から塞がれていくことになる。
また、本発明の粒子捕集機構においては、前記遮蔽部材は、複数の遮蔽板からなり、この複数の遮蔽板は、前記開口部の出口に弾性体を介してそれぞれ取り付けられており、一の遮蔽板に使用された弾性体の弾性力と他の遮蔽板に使用された弾性体の弾性力とは異なっているようにしてもよい。
なお、全ての遮蔽板が、それぞれ異なる弾性力を有する弾性体で取り付けられていてもよいが、少なくとも1個の遮蔽板が、他の遮蔽板と異なる弾性力を有する弾性体で取り付けられていればよい。
本発明の粒子捕集機構によれば、開口部の上流と下流との差圧によって、一の弾性体と他の弾性体のいずれもが伸びたり、一の弾性体のみが伸びたり、一の弾性体も他の弾性体のいずれも伸びなかったりすることで、塞がれる開口部数nが変化するので、常にCutoff粒子径Dthを設定値に維持することができる。
そして、本発明の粒子捕集機構においては、前記開口部の上流の圧力と前記開口部の下流の圧力との差圧を検出する差圧センサと、前記差圧センサで検出された差圧に基づいて、前記開口部調整機構を制御する制御部とを備えるようにしてもよい。
本発明の粒子捕集機構によれば、開口部の上流と下流との差圧によって、制御部が塞ぐ開口部数nを変更するので、常にCutoff粒子径Dthを設定値に維持することができる。
さらに、本発明の微粒子分析装置においては、上述したような粒子捕集機構と、前記排出流路に接続され、設定粒子径未満の粒子群を分析する分析部と、前記噴出部内に導く気体の吸引流量が調整可能な吸引機構と、前記吸引機構を制御する制御部とを備える微粒子分析装置であって、前記制御部は、前記吸引機構の気体の吸引流量が変更された際には、設定されていた設定粒子径以上の粒子群を捕集板で捕集するよう前記開口部調整機構を制御するようにしてもよい。
ここで、「分析部」とは、設定粒子径未満の粒子群を分析するものであればよく、例えば、凝縮粒子カウンター(CPC)や、荷電装置にて帯電した粒子群を粒子径毎に分級する分級器(DMA)や、粒子群における成分及び量を測定する質量分析計(MS)や、粒子群における粒子数を計数する計数計(FCE)等が挙げられる。
微粒子分析装置の全体構成を示す概略構成ブロック図。 微分型電気移動度分級器の構成を示す図。 第一実施形態のインパクタの構成を示す断面図。 図3に示すオリフィス板の平面図。 図3に示す絞り機構の平面図。 第二実施形態のインパクタに係るオリフィス板の平面図。 遮蔽機構の平面図。 第三実施形態のインパクタのオリフィス板と遮蔽機構との要部拡大断面図。 第四実施形態のインパクタの全体構成を示す概略構成ブロック図。 図9に示すオリフィス板と遮蔽機構との平面図。 微粒子分析装置の一例を示す概略構成ブロック図。 インパクタの要部を示す拡大断面図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
<第一実施形態>
図1は、第一実施形態の微粒子分析装置の全体構成を示す概略構成ブロック図である。なお、微粒子分析装置440と同様のものについては、同じ符号を付している。
微粒子分析装置40は、大気雰囲気中から微粒子群(粉塵やミスト等)を引き込むインパクタ(粒子捕集機構)50及び吸引ポンプ80と、引き込まれた微粒子群をコロナ放電又は放射線源により帯電させる荷電装置2と、帯電した微粒子群を粒子径毎に分級する微分型電気移動度分級器3と、微粒子分析装置40全体を制御するコンピュータ70とを備える。
ここで、図2は、微分型電気移動度分級器(DMA)3の構成を示す図である。DMA3は、帯電した微粒子を電気移動度Zの違いを利用して粒子径毎に分級して取り出すものである。DMA3は、絶縁体からなる基部10と、基部10に連結されるとともに分級後の微粒子群を排出する環状のスリット13を有する中心ロッド11と、基部10に連結されるとともに微粒子群を導入する環状のスリット14を有する囲み体12とを備える。
中心ロッド11と囲み体12とは導体からなり、中心ロッド11は高電圧源17に接続され、囲み体12は接地されている。また、囲み体12の上部には、囲み体12内を循環するシースエアの吐出口15が設けられるとともに、シースエアに含まれる不純物を除去するためのフィルタ16が取り付けられている。
このようなDMA3によれば、荷電装置2にて帯電した微粒子群は囲み体12に設けられたスリット14から導入される。そして、スリット14から導入された微粒子群は囲み体12の吐出口15から吐出されたシースエアとともに軸方向下方に移動し、また中心ロッド11の外周面と囲み体12の内周面との間に形成される電場の影響を受けて個々の微粒子の電気移動度Zに応じた速度で中心軸方向に引き寄せられる。そして、中心ロッド11のスリット13に到達した所定の微粒子群のみが外部へ取り出される。
次に、図3は、第一実施形態のインパクタ50の構成を示す断面図である。インパクタ50は、円筒形状の試料流路51aが中央部に取り付けられた上部筐体51と、円筒形状の排出流路52aが中央部に取り付けられた下部筐体52と、上部筐体51と下部筐体52とを連結するためのネジ53と、円板形状の金属製のオリフィス板(噴出部)60と、オリフィス板60上に配置されたN個の絞り機構(開口部調整機構)65とを備える。
上部筐体51は、Z方向に中心軸を有する円板体51bを有し、その中央部にZ方向に中心軸を有し上方に伸びた円筒形状の試料流路51aが取り付けられている。また、円板体51bの下面には、上方に凹んだ凹部51cが形成されている。また、下部筐体52は、Z方向に中心軸を有する円板体52bを有し、その中央部にZ方向に中心軸を有し下方に伸びた円筒形状の排出流路52aが取り付けられている。また、円板体52bの上面には、下方に凹んだ凹部52cが形成されている。このような円板体51bの下面と円板体52bの上面とを接触させてネジ53で固定することで、凹部51cと凹部52cとによる円柱形状の内部空間が形成されている。
図4は、図3に示すオリフィス板60の平面図である。オリフィス板60は、Z方向に中心軸を有する円板(例えば直径61mm)であり、N個(例えば16個)の直径R(例えば0.5mm)の円柱形状のノズル(開口部)61が、中心軸から所定の距離(例えば17.9mm)となる円上に等間隔で並ぶよう形成されている。そして、オリフィス板60の周縁部は、円板体51bの下面と円板体52bの上面との間に挟持され、凹部51cと凹部52cとで形成された内部空間の所定の高さの位置に配置されている。これにより、N個の直径Rの円柱形状のノズル61の噴出方向(所定の方向)の前方に凹部52cの下面が配置され、凹部52cの下面が捕集板として機能することになる。
次に、図5は、図3に示す絞り機構65の平面図である。なお、図5(a)は開いた状態のものであり、図5(b)は閉じた状態のものである。絞り機構65は、カメラ等に用いられる絞り機構と類似の構造をしており、支点と長穴開口部とを有する6枚の板状体からなり、長穴開口部に挿入されたピンの動きによって6枚の板状体が支点を中心として回転移動可能となっている。このような絞り機構65によれば、6枚の板状体によって中央に形成される開口部の大きさ(直径r)を例えば0.1mmから0.5mmまで変化させることができる。
そして、1個のノズル61に対して1個の絞り機構65が配置されるよう、N個のノズル61にN個の絞り機構65が配置されている。これにより、コンピュータ70等は、各ノズル61の直径rを変化させることができるようになっている。このとき、変化させた各ノズル61の直径rの値を把握することで、前記式(1)、(2)により粒子径D毎の透過率を算出することができる。
このようなインパクタ50によれば、試料流路51a内に吸引する空気の吸引流量(流速u)を一定に維持したまま、すなわち気体の処理量を維持したまま、N個の絞り機構65で形成されるN個の開口の直径rを小さくすることで、Cutoff粒子径Dthを小さくし、一方、N個の絞り機構65で形成されるN個の開口の直径rを大きくすることで、Cutoff粒子径Dthを大きくすることができる。よって、空気の吸引流量を例えば「10l/min」としたときの分析において、コンピュータ70の入力装置等を用いて制御することで、Cutoff粒子径Dthを「3.0μm」としたり、また、「2.5μm」としたりする変更を容易に行うことができる。
また、例えばCutoff粒子径Dthを「3.0μm」としたときの分析において、入力装置等を用いて吸引ポンプ80の空気の吸引流量(流速u)を小さくした場合や、吸引ポンプ80の経年劣化により意図せず空気の吸引流量(流速u)が小さくなった場合には、コンピュータ70等が、N個の絞り機構65で形成されるN個の開口の直径rを小さくすることで、Cutoff粒子径Dthを設定値「3.0μm」に戻し、一方、入力装置等を用いて吸引ポンプ80の空気の吸引流量(流速u)を大きくした場合や、吸引ポンプ80の経年劣化により意図せず空気の吸引流量(流速u)が大きくなった場合には、コンピュータ70等が、N個の絞り機構65で形成されるN個の開口の直径rを大きくすることで、Cutoff粒子径Dthを設定値「3.0μm」に戻すようにすることができる。
さらに、オリフィス板60を製造する際に、ノズル61の直径Rが例えば0.6mmと大きくなってしまった場合には、絞り機構65で形成される開口の直径rを例えば0.5mmと小さくすることで、作製後や使用時にCutoff粒子径Dthが設定値「3.0μm」となるよう調整することができる。
<第二実施形態>
図6は、第二実施形態のインパクタに係るオリフィス板160の平面図であり、図7は、遮蔽機構165の平面図である。なお、インパクタ50と同様のものについては、同じ符号を付している。
第二実施形態のインパクタは、第一実施形態として図3に示したものと同様に、円筒形状の試料流路51aが中央部に取り付けられた上部筐体51と、円筒形状の排出流路52aが中央部に取り付けられた下部筐体52と、上部筐体51と下部筐体52とを連結するためのネジ53と、円板形状の金属製のオリフィス板(噴出部)160と、オリフィス板160上に配置するためのM種類(例えば3種類)の遮蔽機構(開口部調整機構)165とを備える。
オリフィス板160は、Z方向に中心軸を有する円板(例えば直径61mm)であり、N個(例えば16個)の直径R(例えば0.5mm)の円柱形状のノズル(開口部)161が、中心軸から所定の第一距離(例えば17.9mm)となる円上に等間隔で並び、N個(例えば8個)の直径R(例えば0.5mm)の円柱形状のノズル(開口部)161が、中心軸から所定の第二距離(例えば8.9mm)となる円上に等間隔で並ぶような、(N+N)個(例えば24個)の直径Rの円柱形状のノズル161が2重の円上となるように形成されている。
そして、オリフィス板160の周縁部は、円板体51bの下面と円板体52bの上面との間に挟持され、凹部51cと凹部52cとで形成された内部空間の所定の高さの位置に配置されている。これにより、(N+N)個の直径Rの円柱形状のノズル161の噴出方向(所定の方向)の前方に凹部52cの下面が配置され、凹部52cの下面が捕集板として機能することになる。
M種類の遮蔽機構165は、第一の中心角(例えば90°)を有する扇形の第一アルミシール165aや、第二の中心角(例えば60°)を有する扇形の第二アルミシール165bや、第三の中心角(例えば45°)を有する扇形の第三アルミシール165c等の、M種類の異なる中心角を有するM種類の扇形のアルミシールからなる。
このような遮蔽機構165によれば、測定者はオリフィス板160上に第一アルミシール165aを貼り付けることで、開口部数nを3/4×(N+N)個に変更することができ、オリフィス板160上に第二アルミシール165bを貼り付けることで、開口部数nを5/6×(N+N)個に変更することができ、オリフィス板160上に第三アルミシール165cを貼り付けることで、開口部数nを7/8×(N+N)個に変更することができ、オリフィス板160上に第一アルミシール165aと第三アルミシール165cとを貼り付けることで、開口部数nを5/8×(N+N)個に変更することができる。このとき、測定者は、どのアルミシール165が全体の開口面積の何%を塞ぐかを理解することで、前記式(1)、(2)により粒子径D毎の透過率を算出することができる。
上述した第二実施形態のインパクタによれば、試料流路51a内に吸引する空気の吸引流量(流速u)を一定に維持したまま、すなわち気体の処理量を維持したまま、ノズル161の開口部数nを遮蔽機構165によって減じることにより、Cutoff粒子径Dthを小さくしていくことができる。
また、例えばCutoff粒子径Dthを「3.0μm」としたときの分析において、入力装置等を用いて吸引ポンプの空気の吸引流量(流速u)を小さくした場合や、吸引ポンプの経年劣化により意図せず空気の吸引流量(流速u)が小さくなった場合には、ノズル161の開口部数nを遮蔽機構165によって減らすことで、Cutoff粒子径Dthを設定値「3.0μm」に戻すことができる。
さらに、オリフィス板160を製造する際に、ノズル161の直径Rが大きくなってしまった場合には、ノズル161の開口部数nを遮蔽機構165によって減らすことで、作製後にCutoff粒子径Dthを設定値「3.0μm」となるよう調整することができる。
<第三実施形態>
図8は、第三実施形態のインパクタに係るオリフィス板260と遮蔽機構265との要部を示す拡大断面図である。なお、図8(a)は空気の吸引流量(流速u)が大きい状態のものであり、図8(b)は空気の吸引流量(流速u)が小さい状態のものである。また、インパクタ50と同様のものについては、同じ符号を付している。
第三実施形態のインパクタは、第一実施形態として図3に示したものと同様に、円筒形状の試料流路51aが中央部に取り付けられた上部筐体51と、円筒形状の排出流路52aが中央部に取り付けられた下部筐体52と、上部筐体51と下部筐体52とを連結するためのネジ53と、円板形状の金属製のオリフィス板(噴出部)260と、オリフィス板260下に配置されたN種類の遮蔽機構(開口部調整機構)265とを備える。
オリフィス板260は、Z方向に中心軸を有する円板であり、N個(例えば16個)の2段円柱形状のノズル(開口部)261が、中心軸から所定の距離(例えば17.9mm)となる円上に等間隔で並ぶよう形成されている。そして、オリフィス板260の周縁部は、円板体51bの下面と円板体52bの上面との間に挟持され、凹部51cと凹部52cとで形成された内部空間の所定の高さの位置に配置されている。これにより、N個の2段円柱形状のノズル261の噴出方向(所定の方向)の前方に凹部52cの下面が配置され、凹部52cの下面が捕集板として機能することになる。
N種類の遮蔽機構265は、第一のバネ定数を有する第一バネ266a及び第一円板267aを備える第一の遮蔽機構265aや、第二のバネ定数(第一バネのバネ定数より大きい)を有する第二バネ266b及び第二円板267bを備える第二の遮蔽機構265b等の、N種類の異なるバネ定数を有するN種類の遮蔽機構265からなる。
そして、第一円板267aは第一バネ266aを介して第一のノズル261aの下に取り付けられ、第二円板267aは第二バネ266aを介して第二のノズル261bの下に取り付けられるよう、N個のノズル261にN個の遮蔽機構265が配置されている。
このような遮蔽機構265によれば、試料流路51aと排出流路52aとの差圧によって、第一バネ266aも第二バネ266bも伸びたり(図8(a)参照)、第一バネ266aのみが伸びたり(図8(b)参照)、第一バネ266aも第二バネ266bも伸びなかったりすることで、塞がれる開口部数nが変化するので、常にCutoff粒子径Dthを設定値「3.0μm」に維持するよう設定することができる。
<第四実施形態>
図9は、第四実施形態のインパクタの全体構成を示す概略構成ブロック図であり、図10は、図9に示すオリフィス板360と遮蔽機構365との平面図である。なお、インパクタ50と同様のものについては、同じ符号を付している。
第四実施形態のインパクタは、円筒形状の試料流路351aと、円筒形状の排出流路352aと、円板形状の金属製のオリフィス板(噴出部)360と、円板形状の捕集板352cと、遮蔽機構(開口部調整機構)365とを備える。
オリフィス板360は、Z方向に中心軸を有する円板であり、N個(例えば8個)の直径R(例えば0.5mm)の円柱形状のノズル(開口部)361が、第一の直線上に等間隔で並び、N個(例えば8個)の直径R(例えば0.5mm)の円柱形状のノズル(開口部)361が、第二の直線上に等間隔で並ぶよう、(N+N)個の直径Rの円柱形状のノズル361が、X方向に平行な2重線上となるよう形成されている。
捕集板352cは、Z方向に中心軸を有する円板であり、オリフィス板360と1〜8mm程度の距離、例えば2mmの距離に設置されている。また、捕集板352cには、N個(例えば4個)の直径R(例えば5mm)の円柱形状の開口が、ノズル361と重ならないよう、互いの外周がオリフィス板360と捕集板352cの距離以上、できれば3倍程度離れた位置に形成されている。そして、捕集板352cは、オリフィス板360の下方に配置されている。これにより、(N+N)個の直径Rの円柱形状のノズル361の噴出方向(所定の方向)の前方に捕集板352cが配置されることになる。
遮蔽機構365は、四角形の板状体のスライドテーブル365aと、スライドテーブル365aをX方向に移動させるサーボモータ365bと、試料流路351aと排出流路352aとの差圧を検出する差圧センサ365cと、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)365dとからなる。
このような遮蔽機構365によれば、スライドテーブル365aをX方向に移動させることで、開口部数nを変更することができるようになっている。
そして、PLC365dは、差圧センサ365cで検出された差圧に基づいて、式(1)、(2)により粒子径D毎の透過率を算出し、全体の開口面積の何%を塞ぐかを算出して、スライドテーブル365aを移動させる。
以上のように、このような遮蔽機構365によれば、試料流路351aと排出流路352aとの差圧によって、PLC365dが、2個のノズル361を塞いだり6個のノズル361を塞いだり(図10参照)して、塞ぐ開口部数nを変更することにより、常にCutoff粒子径Dthを設定値「3.0μm」に維持することができる。
<他の実施形態>
(1)上述した第一実施形態のインパクタ50では、N個のノズル61にN個の絞り機構65が配置されている構成を示したが、N個より少ないM個(N>M)のノズルにM個の絞り機構が配置されているような構成としてもよい。すなわち、絞り機構は、全てのノズルに取り付けてもよく、一部のノズルに取り付けてもよい。
(2)上述した第二実施形態のインパクタでは、オリフィス板160上に扇形のアルミシール165を貼り付ける構成を示したが、扇形や四角形のマグネット板を貼り付けるような構成としてもよく、円柱形状や円錐形状のピン(遮蔽機構)等を挿入するような構成としてもよい。なお、遮蔽機構の形状は、開口部を塞ぐことができるものであれば特に限定されず、一例としては扇形の板状体、四角形の板状体、円柱状体、円錐状体等が挙げられる。さらに、遮蔽機構の材質についても、開口部を塞ぐことができるものであれば特に限定されず、一例としては金属や樹脂等の柔軟性を有するシート状であることが好ましい。
(3)上述した微粒子分析装置40では、荷電装置2と、微分型電気移動度分級器(DMA)3とを備える構成を示したが、これ以外にも、従来から広く知られた各種の分析装置が配置された構成としてもよい。また、吸引ポンプ80を備える必要はなく、微分型電気移動度分級器(DMA)3内に設けられた吸引ポンプ等の吸引機構が用いられる構成としてもよい。
本発明は、大気等の雰囲気中に浮遊するCutoff粒子径以上の微粒子群を捕集するインパクタ等に使用することができる。
50 インパクタ(粒子捕集機構)
52a 排出流路
52 捕集板
60 オリフィス板(噴出部)
61 ノズル(開口部)
65 絞り機構(開口部調整機構)

Claims (6)

  1. 様々な粒子径の粒子群を含有する気体を所定の方向に通過させる少なくとも1個の開口部を有する噴出部と、
    前記開口部の所定の方向に配置され、前記開口部を通過した気体が衝突して、設定粒子径以上の粒子群を捕集する捕集板と、
    前記設定粒子径未満の粒子群を含有する気体を排出させる排出流路とを備える粒子捕集機構であって、
    前記開口部の大きさを変化させるか、或いは、複数の開口部の内から選択された所定の数の開口部を塞ぐことが可能な開口部調整機構を備えることを特徴とする粒子捕集機構。
  2. 前記開口部調整機構は、前記開口部の大きさを変化させる絞り機構であることを特徴とする請求項1に記載の粒子捕集機構。
  3. 前記開口部調整機構は、複数の開口部の内から選択された少なくとも1個の開口部を塞ぐための遮蔽部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の粒子捕集機構。
  4. 前記遮蔽部材は、複数の遮蔽板からなり、
    前記複数の遮蔽板は、前記開口部の出口に弾性体を介してそれぞれ取り付けられており、
    一の遮蔽板に使用された弾性体の弾性力と他の遮蔽板に使用された弾性体の弾性力とは異なっていることを特徴とする請求項3に記載の粒子捕集機構。
  5. 前記開口部の上流の圧力と前記開口部の下流の圧力との差圧を検出する差圧センサと、
    前記差圧センサで検出された差圧に基づいて、前記開口部調整機構を制御する制御部とを備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の粒子捕集機構。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の粒子捕集機構と、
    前記排出流路に接続され、設定粒子径未満の粒子群を分析する分析部と、
    前記噴出部内に導く気体の吸引流量が調整可能な吸引機構と、
    前記吸引機構を制御する制御部とを備える微粒子分析装置であって、
    前記制御部は、前記吸引機構の気体の吸引流量が変更された際には、設定されていた設定粒子径以上の粒子群を捕集板で捕集するよう前記開口部調整機構を制御することを特徴とする微粒子分析装置。
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