JP2014226562A - Ct装置、ct画像システム、及びct画像生成方法 - Google Patents

Ct装置、ct画像システム、及びct画像生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安全性の確保を前提とした上で、CT画質とCT画像生成効率とを兼ね備えたCT装置、CT画像システム及びCT画像生成方法を実現する。
【解決手段】X線によってスキャン領域をスキャンし、前記スキャン領域に位置するスキャン対象のCT画像を生成するCT装置であって、前記スキャン領域における所定の位置に設けられた標準物質装置と、前記標準物質装置の既知のCT画像情報、及びスキャンによって得られた前記スキャン領域のスキャンデータに基づいて、前記スキャン対象のCT画像を生成するCT画像生成装置とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、CT装置、CT画像システム、及びCT画像生成方法に関し、特に、CT画像の逐次近似再構成効率を向上させたCT装置、CT画像システム、及びCT画像生成方法に関する。
X線コンピュータ断層撮影(CT)技術は人体の検査に広く適用されており、CT画像は疾病診断の基礎として既に30年の歴史がある。CT画像再構成技術を研究して放射線量を低下させ、CTの画質を高め、画像アーチファクトを低減させることは、常に研究と臨床において注目される点であった。
実際の応用において、CT画像再構成技術には主に、フィルター補正逆投影法と逐次近似再構成法とが含まれる。このうち、フィルター補正逆投影法は、CT画像再構成の従来の方法であり、現在のCT製品において既に広く活用されている。しかし、フィルター補正逆投影法では、再構成画像の投影データはノイズ干渉がないものとして仮定されているが、実際には、ノイズは投影データに伴って終始存在しており、特に、低線量スキャンの場合には尚更であり、したがって、高品質のCT画像を得ることが難しかった。しかしながら、臨床診療の発展に伴い、CTの臨床応用への広がりはかつてないほどになり、このような新たな情勢を背景として、業界にはCT使用の安全性の配慮と画質に対して新たなニーズ、より高いニーズがでてきた。そして、フィルター補正逆投影法では新たなニーズを満たすことが難しくなった。ミドルエンド、ローエンドの応用では、フィルター補正逆投影法は、アーチファクトを低減させ、画質を向上させるように、新しく、より精確な逆投影方法が必要とされている。
上述した新たなニーズに対して、ハイエンドの応用では、逐次近似再構成法が重視され、且つ研究されている。逐次近似再構成法は、電子ノイズ及びその他の物理要素による画像アーチファクトを適切に処理し、それによって、画質を保証したまま、検査時のX線線量を低下させることができる。従来では、膨大な計算量によって画像形成速度が遅くなり、実際に臨床応用することはできなかった。近年では、コンピュータハードウェア及び計算科学の飛躍的な発展に伴い、逐次近似再構成法の実際の製品への応用が可能になり、また、医療と健康が社会的に重視されるようになるにつれて、CT診断における人体健康に対するX線放射の影響が人々の関心を集めるようになり、低X線放射線量はCT発展の今後の流れとなっている。このため、逐次近似再構成法は広く関心を集めるようになり、現在の研究の注目点となっている。
逐次近似再構成のプロセスには主に、逐次近似の投影及び逆投影を複数回繰り返すプロセスが含まれ、このプロセスにおいて、逐次近似が繰り返される毎に、得られた画像が理想画像に次第に近づき、低ノイズの場合には良好な画像解像度及び精細度が保証されるが、往々にして、何度も逐次近似を行う必要があり、時間が長くかかるので、それが臨床応用の主なボトルネックとなっている。
このため、現在のCT分野では、フィルター補正逆投影法と逐次近似再構成法とにはいずれもそれぞれの技術的課題があり、安全性の確保を前提とした上で、CT画質とCT画像生成効率とを兼ね備える必要性に迫られている。
上記の背景に基づいて、本発明は、安全性の確保を前提とした上で、CT画質とCT画像生成効率とを兼ね備えることのできるCT装置、CT画像システム、及びCT画像生成方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係るCT装置は、X線によってスキャン領域をスキャンし、スキャン領域に位置するスキャン対象のCT画像を生成するCT装置であって、スキャン領域における所定の位置に設けられた標準物質装置と、標準物質装置の既知のCT画像情報、及びスキャンによって得られたスキャン領域のスキャンデータに基づいて、スキャン対象のCT画像を生成するCT画像生成装置とを備えることを特徴とする。
本発明のCT装置によると、スキャン対象(例えば人体)近傍のスキャン領域内の所定の位置においてCT画像情報の既知(例えば所与の材料)の標準物質装置を増設すると共に、スキャン対象のCT画像を生成する際に標準物質装置の既知のCT画像情報を利用することによって、安全性の確保を前提とした上で、CT画質とCT画像生成効率とを兼ね備えることができる。
上記のCT装置において、CT画像生成装置は、標準物質装置の既知のCT画像情報を利用して、スキャンによって得られたスキャン領域のスキャンデータを逐次近似再構成し、それによって、スキャン対象のCT画像を生成するようにしてもよい。
このため、逐次近似再構成法では、標準物質装置の既知のCT画像情報を参照してスキャン対象のCT画像を生成することで、逐次近似再構成における逐次近似の回数を効果的に減らし、逐次近似再構成の効率を引き上げることができる。逐次近似再構成法は安全性が高く高画質という特徴があるので、ここで、逐次近似再構成法の効率が更に引き上げられ、それによって、逐次近似再構成法の実用性が大幅に引き上げられた。
上記のCT装置において、逐次近似再構成では、CT画像生成装置は、標準物質装置の既知のCT画像、並びにスキャン領域における標準物質装置の存在する標準物質領域の現在の再構成画像及び更新画像に基づいて、今回の逐次近似で使用するステップサイズを決定するようにしてもよい。
逐次近似再構成では、ステップサイズのサイズ設定は、逐次近似再構成の収束率に大きな影響がある。標準物質装置の既知のCT画像、並びに逐次近似における標準物質装置に対応する再構成画像及び更新画像を利用して逐次近似のステップサイズを自己適応的に决定することによって、ステップサイズをより適切に決定することができ、それによって、逐次近似の収束プロセスが大幅に加速化され、逐次近似再構成法の効率が引き上げられる。
上記のCT装置において、逐次近似再構成では、CT画像生成装置は、スキャン領域のスキャンデータとスキャン領域の現在の再構成画像の投影データとの差が第1の所定の閾値よりも小さい場合、今回の逐次近似において、所定の範囲内のランダムなステップサイズを使用するようにしてもよい。
上記のCT装置において、逐次近似再構成では、CT画像生成装置は、前回の逐次近似で使用したステップサイズが第2の所定の閾値よりも小さい場合、今回の逐次近似において、所定の範囲内のランダムなステップサイズを使用するようにしてもよい。
なお、標準物質装置を利用して逐次近似のステップサイズを決定するプロセスで起こり得る局所最適の問題に対しては、所定の範囲内のランダムなステップサイズを使用して局所最適を脱することによって、局所最適の範囲内で揺らぎ、収束が遅くなるか又は収束不可能になるのを防止し、それによって、逐次近似の収束の精度及び効率が引き上げられる。
上記のCT装置において、逐次近似再構成では、CT画像生成装置は、標準物質領域の現在の再構成画像が所定の品質に達するか、又は、今回の逐次近似において標準物質領域の再構成画像の品質が前回の逐次近似よりも低い場合、逐次近似を中断するようにしてもよい。
従来技術では、逐次近似終了条件を終始満たすことができないことがあり、逐次近似再構成の収束判定が有効性を失うという問題が発生していた。これに対し、標準物質装置に対応する再構成画像に基づいて逐次近似終了条件を設定すると、従来技術における上記の問題を解決することができ、逐次近似再構成の収束判定を正確かつ確実に行うことができる。
上記のCT装置において、CT画像生成装置は、標準物質装置の既知のCT画像と標準物質領域の現在の再構成画像との差が第3の所定の閾値よりも小さい場合、標準物質領域の現在の再構成画像が所定の品質に達したと判断し、CT画像生成装置は、今回の逐次近似において標準物質装置の既知のCT画像と標準物質領域の再構成画像との差が前回の逐次近似よりも大きい場合、今回の逐次近似において標準物質領域の再構成画像の品質が前回の逐次近似よりも低いと判断するようにしてもよい。
ここで、標準物質装置に基づく具体的な逐次近似終了条件が与えられた。上述した逐次近似終了条件によって、逐次近似再構成の収束判定を正確かつ確実に行うことができる。
上記のCT装置において、逐次近似再構成では、CT画像生成装置は、更に正則化フィルタリング処理を行うようにしてもよく、この正則化フィルタリング処理は、スキャン領域のスキャンデータとスキャン領域の再構成画像の投影データとの差に対応する残差画像を正則化フィルタリングする処理であり、正則化フィルタリング処理において、CT画像生成装置は、標準物質領域の再構成画像のノイズに基づいて、正則化フィルタリングで使用するフィルターパラメーターを決定する。
従来技術では、逐次近似再構成において正則化フィルタリング処理を行う場合、画像のノイズ強度に応じてフィルターパラメーターを設定するが、得られたノイズ強度に誤差があるので、適切なフィルターパラメーターを設定することができなくなっていた。これに対し、標準物質装置に対応する再構成画像のノイズを利用することによって、従来技術における問題を解決することができ、正則化フィルタリング処理においてフィルターパラメーターを自己適応的に設定することができる。
上記のCT装置において、標準物質装置は、スキャン対象を囲む環状形領域に一体又は別体で配置するようにしてもよく、逐次近似再構成では、CT画像生成装置は、初期画像における環状形領域より外側の領域の画素値を0と設定する。
標準物質装置がスキャン対象を環状形に囲むように設けられる場合、この環状形領域の外側の領域にはスキャン対象が存在しないものと考えられる。このため、この環状形領域の外側の領域の画素値を0と設定することによって、初期画像を最終結果画像により近づけることができ、それによって、収束プロセスを加速化させ、逐次近似再構成の効率を引き上げることができる。
上記のCT装置において、標準物質装置は、一体の環状形、一体の矩形、別体の複数の矩形、別体の複数の円形のうちのいずれかであり、いずれもスキャン対象を均等に囲むように配置されるようにしてもよい。
ここで、標準物質装置のいくつかの好ましい配置形態が具体的に列記された。したがって、スキャン領域における標準物質装置の配置位置をより理解しやすくすることができ、標準物質装置のCT画像情報をよりよく理解することができるようになった。
また、本発明の目的を達成するため、本発明に係るCT画像システムは、上記のCT装置と、CT画像生成装置によって生成されたスキャン対象のCT画像を出力するCT画像出力装置とを備えることを特徴とする。
本発明のCT画像システムによると、スキャン対象(例えば人体)近傍のスキャン領域内の所定の位置においてCT画像情報が既知(例えば所与の材料)の標準物質装置を増設すると共に、スキャン対象のCT画像を生成する際に標準物質装置の既知のCT画像情報を利用することによって、安全性の確保を前提とした上で、CT画質とCT画像生成効率とを兼ね備えることができる。このため、より速い速度でより高品質のCT画像を出力(例えば表示)することができる。
また、本発明の目的を達成するため、本発明に係るCT画像生成方法は、X線によってスキャン領域をスキャンして得られたスキャンデータに基づいて、スキャン領域に位置するスキャン対象のCT画像を生成するCT画像生成方法であって、スキャン領域における所定の位置に設けられた標準物質装置の既知のCT画像情報を利用して、スキャンデータを逐次近似再構成し、それによって、スキャン対象のCT画像を生成し、逐次近似再構成では、スキャンデータを逆投影して得られた画像を初期の再構成画像として、逐次近似中断条件を満たすまで、(1)スキャン領域のスキャンデータとスキャン領域の再構成画像の投影データとの差に基づいて、スキャン領域の更新画像を得るステップと、(2)標準物質装置の既知のCT画像、並びにスキャン領域における標準物質装置の存在する標準物質領域の再構成画像及び更新画像に基づいて、今回の逐次近似で使用するステップサイズを決定するステップと、(3)スキャン領域の再構成画像及び更新画像に基づいて、決定されたステップサイズを利用して、スキャン領域の新しい再構成画像を得るステップとを繰り返し実行し、逐次近似中断条件を満たす場合には、スキャン領域の現在の再構成画像に基づいて、スキャン対象のCT画像を生成することを特徴とする。
本発明のCT画像生成方法によると、逐次近似再構成法に基づいてスキャン対象(例えば人体)のCT画像を生成する場合、スキャン対象近傍のスキャン領域内の所定の位置に設けられたCT画像情報が既知(例えば所与の材料)の標準物質装置を利用して、特に、標準物質装置の既知のCT画像、並びに逐次近似における標準物質装置に対応する再構成画像及び更新画像を利用して、逐次近似のステップサイズを自己適応的に決定する。このため、逐次近似再構成における逐次近似の回数を効果的に減らし、逐次近似再構成の効率を引き上げることができる。逐次近似再構成法には安全性が高く高画質という特徴があり、ここで、逐次近似再構成法の効率が更に引き上げられたので、逐次近似再構成法の実用性が大幅に引き上げられた。
本発明のCT装置、CT画像システム、及びCT画像生成方法によると、安全性の確保を前提とした上で、CT画質とCT画像生成効率とを兼ね備えることができる。なお、本発明は上記で列記した方法に限定されるものではない。例えば、本発明のCT画像生成方法において、上述した標準物質装置のステップサイズに基づく自己適応的決定方法を用いるだけでなく、上述した、ランダムなステップサイズの設定方法、標準物質装置に基づく逐次近似再構成の収束判定方法、標準物質装置に基づく自己適応的正則化フィルタリングパラメーター設定方法、標準物質装置に基づく逐次近似初期化画像補正方法等を個々に用いるか、又は適宜組み合わせてもよい。なお、本発明のCT画像生成方法における各ステップは、機能モジュールとして実現してもよい。
CT画像システムの構成図である。 標準物質装置の配置位置の一例を示す模式図である。 標準物質装置のいくつかの配置形態を示す模式図である。 逐次近似再構成の基本的なステップを示す図である。 従来の固定ステップサイズを利用した際のステップサイズが大きい場合における逐次近似プロセスを示す模式図である。 従来の固定ステップサイズを利用した際のステップサイズが小さい場合における逐次近似プロセスを示す模式図である。 自己適応ステップサイズを利用した場合における逐次近似プロセスを示す模式図である。 標準物質装置に基づいて自己適応ステップサイズを計算する原理を示す図である。 固定ステップサイズ及び自己適応ステップサイズの場合における実験結果を示す比較図である。 自己適応ステップサイズ及び自己適応+ランダムなステップサイズの場合における実験結果を示す比較図である。 標準物質装置に基づく逐次近似再構成の収束判定を示す模式図である。 標準物質装置に基づく自己適応的正則化フィルタリングパラメーターの設定を示す模式図である。 標準物質装置に基づく逐次近似初期化画像の補正処理を描いたものである。 本発明のCT画像生成方法を示すフローチャートである。 本発明のCT画像生成方法の一例を示すフローチャートである。
まず、本発明に係るCT画像システムの構成を説明する。図1は、CT画像システムの構成図である。図1に示すように、CT画像システムは主に、CT装置1と、CT画像出力装置2とを備える。CT装置1は、例えば従来のX線スキャナーを利用して、X線によってスキャン領域をスキャンし、スキャン領域に位置するスキャン対象のCT画像を生成する。なお、スキャン対象は、例えば人体等である。CT画像出力装置2は、CT装置1によって生成されたスキャン対象のCT画像を出力する。なお、CT画像出力装置2は、典型的にはCT画像表示装置であり、CT装置1によって生成されたスキャン対象のCT画像をスクリーンに表示する。もちろん、CT画像出力装置は、CT画像表示装置に限定されず、CT装置1により生成されたCT画像を、ネットワークを通じて送信するデータ伝送インタフェース、CT装置1によって生成されたCT画像をプリントするプリンター等であってもよい。
本発明に係るCT装置1の特徴的な構成には主に、標準物質装置11と、CT画像生成装置12とが含まれる。標準物質装置11は、スキャン領域における所定の位置に設けられている。標準物質装置11の詳細については後述する。CT画像生成装置12は、例えば汎用のプロセッサー又は専用の集積回路によって実現されるものであり、標準物質装置11の既知のCT画像情報、及びスキャンによって得られたスキャン領域のスキャンデータに基づいて、スキャン対象のCT画像を生成する。
次に、本発明の標準物質装置11を具体的に説明する。本発明は、CT画像システムにおいて標準物質装置11を新たに増設している。図2Aは、標準物質装置の配置位置の一例を示す模式図である。図2Aに示すように、CT装置1の従来のX線スキャナーでは、回転軌道201がX線源202及び検出器203の回転軌道である。標準物質装置11の一例として、標準物質204が、スキャン対象である人体スキャン領域205の周囲に設けられる。ここで、標準物質は、例えばシリコン等の非金属材料、合成高分子材料等の有機材料、又は鉄、銅等の金属材料等の任意の高純度固形材料から構成されてもよい。材料の純度及び一致性が高いほど良く、そうすると、標準物質に対応するCT画像の値が或る定数になりやすく、各材料から作られる標準物質に対応する例えばCT画像の値等のCT画像情報を、予め実験、測定して得ることができ、これが既知のものとなる。図2Bは、標準物質装置のいくつかの配置形態を示す模式図である。図2Bに示すように、人体スキャン領域(図の中心付近の楕円領域)の周囲に配置される標準物質204は、一体の環状形、一体の矩形、別体の複数の矩形、別体の複数の円形のうちのいずれかであってもよく、いずれもスキャン対象である人体スキャン領域を均等に囲むように配置される。なお、標準物質204の形状は限定されず、配置位置も限定されないが、スキャン領域における標準物質204の位置を知ることによって、CT画像における標準物質に対応する画素領域(標準物質領域ともいう)を得る必要がある。なお、標準物質はスキャン対象である人体スキャン領域の周囲に均等に配置されることが好ましく、本明細書においては環状形を模式図として説明する。
本発明の一実施形態として、CT画像生成装置12はプロセッサーによって実現され、主に、基本的なプログラム、パラメーター等の制御用の汎用プロセッサーユニットと、逐次近似再構成専用の逐次近似再構成処理ユニットとが含まれる。CT画像生成装置12は、標準物質装置11の既知のCT画像情報を利用して、スキャンによって得られたスキャン領域のスキャンデータを逐次近似再構成し、それによって、スキャン対象のCT画像を生成する。
図3は、逐次近似再構成の基本的なステップを示す図である。以下、簡略に説明すると、CT装置1は、例えば基本的なX線スキャナーを利用して実際にスキャン領域をスキャンして(ステップ301)スキャンデータSを得る。実際のスキャンデータSはフィルター補正逆投影プロセス(ステップ309)を通じて逐次近似再構成の初期画像
を得る。この初期画像を投影して(ステップ308)計算投影データ
を得る。その後、S及び
の差分計算によって投影残差ΔSが得られる(ステップ302)。投影残差ΔSを再度逆投影し(ステップ303)、残差画像ΔIを得る。残差画像ΔIを正則化フィルタリングして(ステップ304)更新画像ΔUIを得る。その後、ΔUIの全ての画素が0に近似するか否かを判断する(ステップ306)。0に近似しない場合には、再構成画像を累積更新する(ステップ307)。累積更新は、更新画像ΔUIを或るステップサイズ(緩和係数ともいう)αで重み付けした後に、次のサイクルで逐次近似を繰り返して得られる再構成画像まで累積すること、すなわち
であり、式中、最初のサイクルの逐次近似の初期再構成画像を
とする。再構成画像
を再度投影して計算投影データを得て、更新画像ΔUIの全ての画素が0に近似して終了するまで次のサイクルの逐次近似プロセスを行う。このときの再構成画像
が逐次近似再構成の最終的な再構成画像となる。
逐次近似再構成では、逐次近似のプロセスは目的関数Jの最小化のプロセスであると考えられ、解Iを求めるために目的関数Jを最小化する。すなわち
である。式中、Aはシステムマトリクスであり、IはCT画像であり、Sは実際のスキャンデータであり、P(I)は画像の先験情報項目であり、逐次近似プロセスにおける正則化フィルタリングによって具体化される。上の目的関数を最小化して解を求めるには、一般的に最急降下法を用いて、
を得る。式中、αは累積更新プロセスにおけるステップサイズ(緩和係数)である。このステップサイズ(緩和係数)のサイズ設定は逐次近似再構成の収束率に大きな影響があり、以下において具体的に説明する。
図4Aは、従来の固定ステップサイズを利用した際のステップサイズが大きい場合における逐次近似プロセスを示す模式図である。図4Aに示すように、大きいステップサイズ(緩和係数)αを設定すると、目的関数Jの値が最小値Iに近づくか又は局所極小値になった場合に、更新プロセスによって、目的関数の値が最小値又は局所極小値付近で揺らぐことになり、逐次近似の回数は多くなっても、最小値Iまでの収束を速くすることができない。
図4Bは、従来の固定ステップサイズを利用した際のステップサイズが小さい場合における逐次近似プロセスを示す模式図である。図4Bに示すように、小さいステップサイズ(緩和係数)αを設定すると、逐次近似毎に更新される分が少なくなり、逐次近似のプロセスが遅くなり、同様に、逐次近似の回数が多くないと最小値Iに収束することができない。
したがって、逐次近似プロセスにおける再構成画像の品質に基づいてステップサイズ(緩和係数)αのサイズを自己適応的に調整することができれば、逐次近似の収束プロセスは大幅に加速化され得る。図4Cは、自己適応ステップサイズを利用した場合における逐次近似プロセスを示す模式図である。図4Cに示すように、図4A及び図4Bの場合に比べて、逐次近似の収束プロセスが大幅に加速化されている。
逐次近似プロセスにおける再構成画像の品質に基づいてステップサイズ(緩和係数)αのサイズを自己適応的に調整するために、本発明では標準物質装置11に基づいて自己適応ステップサイズ(緩和係数)を計算する。逐次近似再構成において、CT画像生成装置12は、標準物質装置11の既知のCT画像、並びにスキャン領域における標準物質装置11の存在する標準物質領域の現在の再構成画像及び更新画像に基づいて、今回の逐次近似で使用するステップサイズを決定する。具体例として、図4Dに示すように、所定の第iサイクルの逐次近似については、或るステップサイズ(緩和係数)αを選択して、このステップサイズ(緩和係数)αの下で、再構成画像における標準物質領域の累積更新後の標準物質材料に対応するCT画像の値の差分の二乗が最小となるようにする。公式を用いて
と表すことができる。式中、Irは標準物質装置11の既知のCT画像であり、標準物質画像領域を示し、その値は定数、すなわち、標準物質材料に対応するCT画像の値であり、
は現在の標準物質画像領域の再構成画像であり、ΔUIrは現在の標準物質画像領域の更新画像である。
図4Eは、固定ステップサイズ及び自己適応ステップサイズの場合における実験結果を示す比較図である。図4Eに示されるシミュレーションでは、逐次近似の終了条件を残差が50未満と設定しており、自己適応ステップサイズ(緩和係数)方法を用いると逐次近似の収束率が効果的に引き上げられることがわかる。
このように、標準物質装置11の既知のCT画像、並びに逐次近似における標準物質装置11に対応する再構成画像及び更新画像を利用して逐次近似のステップサイズを決定することによって、ステップサイズをより適切に決定することができ、それによって、大幅に逐次近似の収束プロセスを加速化させ、逐次近似再構成法の効率を引き上げることができる。
次に、上述した標準物質装置に基づく自己適応ステップサイズの決定の一変形例を具体的に説明する。上述した自己適応ステップサイズの決定プロセスでは、標準物質領域の画像はCT画像全体のうちの局所領域にすぎないので、この領域の最適化のステップサイズ(緩和係数)に基づくと逐次近似プロセスは局所最適になるおそれがある。すなわち、標準物質領域は既に高い精度で再構成されているけれども、画像全体の再構成結果は依然として最適には達していないので、逐次近似が中断されるか、又は逐次近似が遅くなってしまう。このような場合に、ランダムなステップサイズを使用すると局所最適を効果的に脱することができる。
ランダムなステップサイズを使用して局所最適を脱する状況として、逐次近似再構成では残差が小さいのに逐次近似終了条件を満たしていない場合にランダムなステップサイズを使用して局所最適を脱することが挙げられる。すなわち、スキャン領域のスキャンデータとスキャン領域の現在の再構成画像の投影データとの差(すなわち残差)が第1の所定の閾値T1より小さい場合、CT画像生成装置12は、今回の逐次近似において、所定の範囲内のランダムなステップサイズを使用する。なお、上述した残差は、投影残差ΔSを使用してもよく、残差画像ΔIを使用してもよい。第1の所定の閾値T1は一般的に最初のサイクルの逐次近似残差の5%に設定するか、又は具体的な実施状況に応じて実験、測定することができる。また、ランダムなステップサイズは一定の範囲内に制御された乱数であり、実際の実験に基づいてこの乱数の範囲を測定する。
ランダムなステップサイズを使用して局所最適を脱する別の状況として、逐次近似再構成ではステップサイズが小さいのに残差が逐次近似終了条件を満たしていない場合にランダムなステップサイズを使用して局所最適を脱することが挙げられる。すなわち、前回の逐次近似で使用したステップサイズが第2の所定の閾値より小さい場合、CT画像生成装置11は、今回の逐次近似において、所定の範囲内のランダムなステップサイズを使用する。なお、第2の所定の閾値は一般に最初のサイクルのステップサイズ(緩和係数)の5%に設定するか、又は具体的な実施状況に応じて実験、測定することができる。また、ランダムなステップサイズは一定の範囲内に制御された乱数であり、実際の実験に基づいてこの乱数の範囲を測定する。
図5は、自己適応ステップサイズ及び自己適応+ランダムなステップサイズの場合における実験結果を示す比較図である。図5に示すように、低残差の場合には(上記の第1の状況に該当する)、自己適応ステップサイズの後続の逐次近似の収束が遅い場合にランダムなステップサイズを使用すると、逐次近似を、設定した逐次近似終了目標へ速く収束させる(逐次近似終了条件を満たす)ことができる。同様に、低ステップサイズの場合にも(上記の第2の状況に該当する)、類似の効果を得ることができる。すなわち、標準物質装置11を利用して逐次近似のステップサイズを決定するプロセスで起こり得る局所最適の問題に対しては、上記の状況ではランダムなステップサイズを使用して局所最適を脱することによって、局所最適の範囲内で揺らぎ、収束が遅くなるか、又は収束不可能になるのを防止し、それによって、逐次近似の収束の精度及び効率を引き上げることができる。
次に、本発明の別の一実施形態、すなわち、標準物質装置に基づく逐次近似再構成の収束判定を具体的に説明する。
従来の逐次近似再構成では、図3に示すように、往々にして、更新画像が0に近似するか否かに基づいて逐次近似終了条件とするか、又は、投影残差が0に近似するか否かに基づいて逐次近似終了条件としているが、投影及び逆投影モデルが近似モデルであるので、更新画像及び投影残差は終始0に近似し得ない可能性があり、この方法は有効性を失うことがあった。したがって、本発明は、標準物質装置11を利用して、標準物質装置に基づく収束判定方法を提示している。すなわち、逐次近似再構成では、標準物質領域の現在の再構成画像が所定の品質に達するか、又は、今回の逐次近似において標準物質領域の再構成画像の品質が前回の逐次近似よりも低い場合、CT画像生成装置12は逐次近似を中断する。
標準物質装置に基づく具体的な逐次近似終了条件の例としては、標準物質装置11の既知のCT画像と標準物質領域の現在の再構成画像との差が第3の所定の閾値より小さい場合、CT画像生成装置12は、標準物質領域の現在の再構成画像が所定の品質に達していると判断する。また、今回の逐次近似において標準物質装置11の既知のCT画像と標準物質領域の再構成画像との差が前回の逐次近似よりも大きい場合、CT画像生成装置12は、今回の逐次近似において標準物質領域の再構成画像の品質が前回の逐次近似よりも低いと判断する。以下において、図面を参照しながら、上記の標準物質装置に基づく具体的な逐次近似終了条件の例を説明する。図6は、標準物質装置に基づく逐次近似再構成の収束判定を示す模式図である。図6に示すように、再構成画像における標準物質領域の標準物質材料に対応するCT画像の値の差分の二乗が閾値Tstopよりも小さいか、又は、今回の逐次近似におけるこの差分の二乗が前回の逐次近似におけるこの差分の二乗よりも大きい場合、逐次近似を中断する。公式を用いて
と表すことができる。式中、Tstopは必要な画質ランクに応じてユーザーが指定することができる。なお、標準物質装置11の既知のCT画像と標準物質領域の再構成画像との差は、再構成画像における標準物質領域の標準物質材料に対応するCT画像の値の差分の二乗で表すことに限定されず、この差分の絶対値等の他の適切な値を用いて表してもよく、この場合、これに該当する閾値を適宜設定すればよい。
上述した標準物質装置に基づく逐次近似再構成の収束判定において、標準物質装置11のCT画像は既知のものであるので、更新画像又は残差等に基づいて近似モデルを利用した従来の場合に比べて、逐次近似再構成の収束判定をより正確かつ確実に行うことができる。
次に、本発明の別の一実施形態、すなわち、標準物質装置に基づく正則化フィルタリングパラメーターの自己適応的設定を具体的に説明する。
逐次近似再構成では、正則化フィルタリングは目的関数における先験情報項目に対応しており、例えば画像において隣り合う画素は往々にして近似する画素値を有する等のような先験情報は、正則化フィルタリングを通じて目的関数に融合される。例えばガウシアン平滑化フィルター、バイラテラルフィルター、Gemanフィルター等のいくつかの平滑フィルター又はエッジを保つ複雑なフィルターが用いられることがよくあり、これらのフィルターにおけるパラメーターは、画像のノイズ強度に基づいて設定されることがよくある。しかし、逐次近似プロセスでは各サイクルの逐次近似の結果のノイズ強度は一様でなく、実際の応用では、1つの固定パラメーター、又は画像における或る一致性のよい部分を一般に設定する。例えば、或る器官組織領域はノイズ強度を推定して調整するが、再構成画像における器官組織領域が完全な一致性を有することは不可能であり、推定して得られたノイズ強度も或る程度誤差がある。
従来技術における上記の問題に対して、ここで、標準物質装置に基づく自己適応的正則化フィルタリングパラメーターの設定方法が提示された。すなわち、CT画像生成装置12は、更に正則化フィルタリング処理を行い、スキャン領域のスキャンデータとスキャン領域の再構成画像の投影データとの差に対応する残差画像に対して正則化フィルタリング処理を行う。正則化フィルタリング処理において、CT画像生成装置12は、標準物質領域の再構成画像のノイズに基づいて正則化フィルタリングで使用するフィルターパラメーターを決定する。図7は、標準物質装置に基づく自己適応的正則化フィルタリングパラメーターの設定を示す模式図である。図7に示すように、再構成画像における標準物質領域のノイズの標準偏差SDnoiseを計算して(ステップ701)、その後、この標準偏差に基づいて正則化フィルターのパラメーターを設定する(ステップ702)。具体的なパラメーター設定はそれぞれのフィルター毎に異なる。例えばガウシアン平滑化フィルターについては、ガウシアンフィルターにおける分散は標準偏差SDnoiseに正比例し、すなわち、強いノイズは大きな平滑化強度を必要とする。SDnoiseの計算方法は、
である。式中、meanは平均値関数であり、
は画像における標準物質領域の画素であり、Nは全ての画像のうち標準物質領域の画素の総数である。
標準物質装置に基づいて正則化フィルタリングパラメーターを自己適応的に設定する上記の実施形態では、既知の標準物質装置11を利用して正則化フィルタリングパラメーターを設定しており、従来技術における経験的推定に基づいた設定に比べ、正則化フィルタリングパラメーターをより適切に設定することができる。特に、標準物質装置11が高い一致性を有する場合には、正則化フィルタリングパラメーターを高精度で設定することができる。
次に、本発明の別の一実施形態、すなわち、標準物質装置に基づく逐次近似の初期化画像の補正を具体的に説明する。
図8は、標準物質装置に基づく逐次近似初期化画像の補正処理を描いたものである。逐次近似再構成では、初期画像には従来のフィルター補正逆投影の結果画像を使用することがよくあるが、実際の投影データが不完全である場合、図8中左側の図に示すように、得られたフィルター補正逆投影画像の形態及びスキャン物には大きな差がでてくる。
逐次近似プロセスが目的関数の最適化のプロセスであることを考慮すると、逐次近似の画像の初期状態が最終結果画像に近ければ近いほど、逐次近似のプロセスを加速化させられる。このため、標準物質装置11がスキャン対象を囲む環状形領域内に一体又は別体で配置された場合、逐次近似再構成において、CT画像生成装置12は、初期画像におけるこの環状形領域より外側の領域の画素値を0に設定する。すなわち、図8に示すように、標準物質装置802外の領域801では、全て空気であり、最終結果画像の値は全て0である必要があるので、初期化画像において、標準物質装置外に設けられた領域801の画素値は0である。このように、初期画像をより最終結果画像に近づけることができ、それによって、収束プロセスを加速化することができる。
次に、本発明に係るCT画像生成方法を具体的に説明する。本発明に係るCT画像生成方法は、CT装置1によって実行される。具体的には、CT装置1のCT画像生成装置12によって実行される。図9は、本発明のCT画像生成方法を示すフローチャートである。図9に示すように、本発明に係るCT画像生成方法は、X線によってスキャン領域をスキャンして得られたスキャンデータに基づいて、スキャン領域に位置するスキャン対象のCT画像を生成する。なお、CT装置1においてスキャン領域における所定の位置に設けられた標準物質装置12の既知のCT画像情報を利用して、スキャンデータを逐次近似再構成することによって、スキャン対象のCT画像を生成する。
逐次近似再構成では、まず、ステップS1において、スキャンデータを逆投影して得られた画像を初期の再構成画像とする。その後、ステップS2において、スキャン領域のスキャンデータとスキャン領域の再構成画像の投影データとの差に基づいて、スキャン領域の更新画像を得る。ステップS3において、標準物質装置11の既知のCT画像、並びにスキャン領域における標準物質装置11の存在する標準物質領域の再構成画像及び更新画像に基づいて、今回の逐次近似で使用するステップサイズを決定する。ステップS4において、前回の逐次近似におけるスキャン領域の再構成画像及び更新画像に基づいて、决定されたステップサイズを利用して、スキャン領域の新しい再構成画像を得る。ステップS5において、逐次近似終了条件を満たすか否かを判断し、逐次近似終了条件を満たさない場合には、ステップS2〜S4を繰り返し実行する。逐次近似中断条件を満たす場合には、スキャン領域の現在の再構成画像に基づいて、スキャン対象のCT画像を生成して終了する。
本発明のCT画像生成方法によると、逐次近似再構成法を利用してスキャン対象(例えば人体)のCT画像を生成する場合、スキャン対象近傍のスキャン領域内の所定の位置に設けられたCT画像情報が既知(例えば所与の材料)の標準物質装置を利用して、特に、標準物質装置の既知のCT画像、並びに逐次近似における標準物質装置に対応する再構成画像及び更新画像を利用して、逐次近似のステップサイズを決定する。このため、効果的に逐次近似再構成における逐次近似の回数を減らし、逐次近似再構成の効率を引き上げることができる。逐次近似再構成法には安全性が高く高画質という特徴があり、ここで、逐次近似再構成法の効率がより一層引き上げられたので、逐次近似再構成法の実用性が大幅に引き上げられた。
本発明のCT画像生成方法では、上記の実施形態における標準物質装置に基づくステップサイズの自己適応的决定方法を用いることができるのみならず、上記の変形例におけるランダムなステップサイズの設定方法、上記の他の実施形態における標準物質装置に基づく逐次近似再構成収束判定方法、標準物質装置に基づく自己適応的正則化フィルタリングパラメーターの設定方法、標準物質装置に基づく逐次近似初期化画像の補正方法等を個々に用いるか、又は適宜組み合わせて用いることができる。以下において、上記の各実施形態及び変形例を組み合わせた本発明のCT画像生成方法の一例を具体的に説明する。
図10は、本発明のCT画像生成方法の一例を示すフローチャートである。まず、ステップ901において、上記の実施形態における標準物質装置に基づく逐次近似初期化画像補正方法を利用して、フィルター補正逆投影の初期化画像を補正する。その後、ステップ902において、投影して投影データを得る。ステップ903において、更に投影残差を計算する。ステップ904において、再度投影残差を逆投影して残差画像を得る。ステップ905において、上記の実施形態における標準物質装置に基づいて設定された自己適応的正則化フィルタリングパラメーターを利用して、残差画像を正則化フィルタリングし、更新画像を得る。その後、ステップ906において、投影残差の累積和が閾値T1より小さいか否かを判断する。小さい場合には、ステップ908において、上記の変形例におけるランダムな自己適応ステップサイズ(緩和係数)を使用する。そうでなければ、ステップ907において、上記の実施形態を根拠とし標準物質装置に基づいて自己適応ステップサイズを推定する。その後、ステップ909において、ステップ908で得られたランダムな自己適応ステップサイズ又はステップ907で得られた自己適応ステップサイズを用いて更新画像を重み付けし、再構成画像に累積更新する。ステップ910において、現在の再構成画像における標準物質領域に対応する画素のノイズの平均平方及び標準偏差を計算する。なお、ステップ910で計算された標準偏差は次のサイクルの逐次近似における正則化フィルタリングを自己適応的に調整するパラメーターに用いられ、ステップ910で計算された平均平方は収束条件の判断に用いられる。ステップ911において、上記の実施形態における標準物質装置に基づく逐次近似終了条件を満たす場合には、逐次近似を中断して最終結果を得る。そうでなければ、継続してステップ902に戻り、次のサイクルの逐次近似を行う。
CT画像生成方法の上記の一例では、もちろん、本明細書で説明したCT装置1の各実施形態及び変形例に基づいて更に変形をしてもよい。例えば、ステップ906において、ステップサイズが第2の所定の閾値より小さいか否かを上述したように判断し、逐次近似再構成においてステップサイズが小さいのに残差が逐次近似終了条件を満たしていない場合に、ランダムなステップサイズを使用して局所最適を脱するようにしてもよい。また、ステップ911において、標準物質領域の現在の再構成画像が所定の品質に達したことに基づいて、又は今回の逐次近似において標準物質領域の再構成画像の品質が前回の逐次近似よりも低いことに基づいて、収束条件を満たすと判断するようにしてもよい。
以上、本発明の具体的な実施形態を図面を参照しながら説明した。なお、上記で説明した具体的実施形態は、単に本発明の具体例であり、本発明を理解するのに用いられるものであって、本発明の範囲を限定するものではない。当業者は、本発明の技術的思想に基づいて、具体的実施形態について、各種変形、組み合わせ、及び要素の合理的な省略を行ってもよく、これによって得られる形態も本発明の範囲内に含まれる。

Claims (12)

  1. X線によってスキャン領域をスキャンし、前記スキャン領域に位置するスキャン対象のCT画像を生成するCT装置であって、
    前記スキャン領域における所定の位置に設けられた標準物質装置と、
    前記標準物質装置の既知のCT画像情報、及びスキャンによって得られた前記スキャン領域のスキャンデータに基づいて、前記スキャン対象のCT画像を生成するCT画像生成装置と
    を備えることを特徴とするCT装置。
  2. 前記CT画像生成装置は、前記標準物質装置の既知のCT画像情報を利用して、スキャンによって得られた前記スキャン領域のスキャンデータを逐次近似再構成し、それによって、前記スキャン対象のCT画像を生成することを特徴とする請求項1に記載のCT装置。
  3. 前記逐次近似再構成において、前記CT画像生成装置は、前記標準物質装置の既知のCT画像、並びに前記スキャン領域における該標準物質装置の存在する標準物質領域の現在の再構成画像及び更新画像に基づいて、今回の逐次近似で使用するステップサイズを決定することを特徴とする請求項2に記載のCT装置。
  4. 前記逐次近似再構成において、前記CT画像生成装置は、前記スキャン領域のスキャンデータと該スキャン領域の現在の再構成画像の投影データとの差が第1の所定の閾値よりも小さい場合、今回の逐次近似において、所定の範囲内のランダムなステップサイズを使用することを特徴とする請求項3に記載のCT装置。
  5. 前記逐次近似再構成において、前記CT画像生成装置は、前回の逐次近似で使用したステップサイズが第2の所定の閾値よりも小さい場合、今回の逐次近似において、所定の範囲内のランダムなステップサイズを使用することを特徴とする請求項3に記載のCT装置。
  6. 前記逐次近似再構成において、前記CT画像生成装置は、前記標準物質領域の現在の再構成画像が所定の品質に達するか、又は今回の逐次近似において該標準物質領域の再構成画像の品質が前回の逐次近似よりも低い場合、逐次近似を中断することを特徴とする請求項2に記載のCT装置。
  7. 前記CT画像生成装置は、前記標準物質装置の既知のCT画像と該標準物質領域の現在の再構成画像との差が第3の所定の閾値よりも小さい場合、該標準物質領域の現在の再構成画像が所定の品質に達したと判断し、
    前記CT画像生成装置は、今回の逐次近似において前記標準物質装置の既知のCT画像と該標準物質領域の再構成画像との差が前回の逐次近似よりも大きい場合、今回の逐次近似において該標準物質領域の再構成画像の品質が前回の逐次近似よりも低いと判断することを特徴とする請求項6に記載のCT装置。
  8. 前記逐次近似再構成において、前記CT画像生成装置は、更に正則化フィルタリング処理を行い、該正則化フィルタリング処理は、前記スキャン領域のスキャンデータと該スキャン領域の再構成画像の投影データとの差に対応する残差画像を正則化フィルタリングする処理であり、
    前記正則化フィルタリング処理において、前記CT画像生成装置は、前記標準物質領域の再構成画像のノイズに基づいて、正則化フィルタリングで使用するフィルターパラメーターを決定することを特徴とする請求項2に記載のCT装置。
  9. 前記標準物質装置は、前記スキャン対象を囲む環状形領域に一体又は別体で配置され、
    前記逐次近似再構成において、前記CT画像生成装置は、初期画像における前記環状形領域より外側の領域の画素値を0と設定することを特徴とする請求項2に記載のCT装置。
  10. 前記標準物質装置は、一体の環状形、一体の矩形、別体の複数の矩形、別体の複数の円形のうちのいずれかであり、いずれも前記スキャン対象を均等に囲むように配置されることを特徴とする請求項1に記載のCT装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のCT装置と、
    前記CT画像生成装置によって生成された前記スキャン対象のCT画像を出力するCT画像出力装置と
    を備えることを特徴とするCT画像システム。
  12. X線によってスキャン領域をスキャンして得られたスキャンデータに基づいて、前記スキャン領域に位置するスキャン対象のCT画像を生成するCT画像生成方法であって、
    前記スキャン領域における所定の位置に設けられた標準物質装置の既知のCT画像情報を利用して、前記スキャンデータを逐次近似再構成し、それによって、前記スキャン対象のCT画像を生成し、
    前記逐次近似再構成では、スキャンデータを逆投影して得られた画像を初期の再構成画像として、逐次近似中断条件を満たすまで、
    (1)前記スキャン領域のスキャンデータと該スキャン領域の再構成画像の投影データとの差に基づいて、該スキャン領域の更新画像を得るステップと、
    (2)前記標準物質装置の既知のCT画像、並びに前記スキャン領域における該標準物質装置の存在する標準物質領域の再構成画像及び更新画像に基づいて、今回の逐次近似で使用するステップサイズを決定するステップと、
    (3)前記スキャン領域の再構成画像及び更新画像に基づいて、决定された前記ステップサイズを利用して、該スキャン領域の新しい再構成画像を得るステップと
    を繰り返し実行し、
    逐次近似中断条件を満たす場合には、前記スキャン領域の現在の再構成画像に基づいて、前記スキャン対象のCT画像を生成することを特徴とするCT画像生成方法。
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