JP2014226459A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】切迫性失禁などのように大量の排泄液を一気に排出した場合でも、外部への漏出を有効に防止可能であるとともに、吸収性物品を折り曲げるための折り曲げ線が設定された場合でも、当該折り曲げ線起因の尿の漏出を軽減する。【解決手段】突出部11Pは、吸収性コア11における長手方向の中央部を囲む環状に形成されているおり、突出部11Pのうちの長手方向の各端部として、幅方向に延びる二つの突出部分を有する。本体部1sには、吸収性物品を折り曲げるための幅方向に沿った折り曲げ線が、長手方向の少なくとも一つの位置に設定されている。二つの突出部分のうちの一方の突出部分を前側突出部分11P2とし、他方の突出部分を後側突出部分11P2とした場合に、後側突出部分11P2における長手方向の前側の縁部よりも、本体部1sにおける長手方向の後側の位置には、前記折り曲げ線のうちの少なくとも一つの折り曲げ線が設けられている。【選択図】図9

Description

本発明は、下着に取り付けて使用される尿取りパッドなどの吸収性物品に関する。
従来、排泄液としての尿を吸収する吸収性物品として使い捨ておむつが使用されている。このおむつは、パルプ繊維等の液体吸収性素材で形成された吸収性コアと、吸収性コアを厚さ方向の肌側から覆う液透過性の表面シートと、同コアを非肌側から覆う液不透過性の裏面シートと、を有している。また、おむつの展開形状は、長手方向と幅方向と厚さ方向とを有した略砂時計形状をなしている。すなわち、長手方向の中央部が幅方向にくびれた形状をなしている。そして、くびれた部分が股下部として着用者の股間にあてがわれ、股下部よりも長手方向の前側部分が前身頃として着用者の下腹部にあてがわれ、股下部よりも長手方向の後側部分が後身頃として着用者の臀部にあてがわれて、これにより、着用者の下半身に装着される。そして、通常は、おむつを装着したら、その上に直接ズボンやスカート等の衣類を履くようになっており、つまり、かかるおむつは、パンツ等の下着の代わりに使用される吸収性物品である。
特許文献1には、このおむつの一例が開示されている。図1Aは、そのおむつ101の概略平面図である。また、図1Bは、図1A中のB−B断面図であって、吸収性コア111のみを示している。この例では、吸収性コア111の平面形状が、長手方向の中央部の位置で幅方向にくびれた略砂時計形状をなしている。そして、当該特許文献1には、かかる吸収性コア111の構成に関して、2つの例が開示されている。すなわち、図1Aに示すように、吸収性コア111における幅方向の両側の各縁部に沿って、それぞれ肌側に突出した突出部113,113が形成された構成と、図1Cに示すように、上記一対の突出部113,113に加えて、更に吸収性コア111の長手方向の前側の縁部に、肌側に突出した突出部115が形成された構成とが開示されている。そして、前者の構成では、吸収性コア111の肌側面上に滞留する尿を、幅方向の両側の各突出部113,113で堰き止めることにより、幅方向の尿漏れを防ぐことが可能であり、また、後者の構成では、更に長手方向の前方からの尿漏れも防ぐことができる。
特表2006−526438号公報
ところで、特に成人にあっては、おむつを履くことへの心理的抵抗は大きく、その必要性を感じながらも、おむつを使用できずにいる人もいる。
そのため、最近では、おむつの代用品として、下着に取り付けて使用される尿取りパッドも使用されている。そして、かかる尿取りパッドであれば、その使用形態が生理用ナプキンと類似しており、つまり、同パッドを下着に取り付けてその下着を履くことにより身体に装着する。そのため、生理用ナプキンと同じような使用感で使用可能であり、おむつのときのような心理的抵抗を感じずに使用することができる。
しかし、尿取りパッドは、軽失禁用が多く、切迫性失禁などのように大量の尿が一気に排出される重度の失禁用のものは、あまり市場に提供されていない。そのため、大量の尿が一気に排出された場合には、吸収性コアで瞬時に吸収しきれない分の尿が、吸収性コアの肌側面上に滞留して、当該尿が、幅方向の両側及び長手方向の両側へと一気に流れてしまい、尿取りパッドの四方から漏れ出す恐れがある。
ここで、この吸収しきれない尿の四方からの漏出を防ぐ手立てとして、尿取りパッドに対して上記のおむつの特許文献1に開示の吸収性コア111の構成を適用することが考えられる。
しかしながら、特許文献1に開示の二構成のどちらも、肌側に突出する突出部113,113,115が、吸収性コア111の外周縁部の全周に亘っては設けられていないことから、吸収性コア111で即座に吸収しきれない分の尿が、同コア111の肌側面において突出部113,113,115の無いところから外部へ漏出してしまう恐れがある。
図2A乃至図3Bは、この漏出を防ぎ得る吸収性コア111Pを具備した参考例の尿取りパッド101Pの説明図である。なお、図2Aは、同パッド101Pの展開状態の概略平面図であり、図2Bは、同パッド101Pが四つ折りされた状態の概略側面図である。また、図3Aは、四つ折りが解かれて再度図2Aの状態まで展開された同パッド101Pの概略平面図であり、図3Bは、図3A中のB−B断面図である。
図2Aに示すように、この参考例では、突出部117を吸収性コア111Pの外周縁部の全周に亘って形成している。よって、外周縁部の全周に亘って形成された環状の突出部117が、吸収性コア111P上に滞留する尿を有効に堰き止めることから、高い防漏性を奏し得るものと考えられる。
但し、一般に尿取りパッド101Pは、梱包の際に、その長手方向の寸法を小さくする目的で、肌側面が内周側となるようにしながら四つ折りされる(図2Bを参照)。そのため、この四つ折りに係る各折り曲げ線LB1,LB2,LB3を設ける位置によっては、上記のように仮に突出部117を環状に設けたとしても、上記の四つ折りに伴って、当該突出部117が折り曲げ線LB1,LB2,LB3の各位置で長手方向の前後に分断されて溝状の分断部D1,D2,D3を生じ得て、その結果、当該分断部D1,D2,D3から、吸収性コア111P上に滞留する尿が外部へと漏出する恐れがある(図3A及び図3Bを参照)。詳しくは、次の通りである。
例えば、図2Aに示すように、幅方向に沿った折り曲げ線LB1,LB2,LB3が、環状の突出部117のうちで幅方向の両側に位置する一対の突出部分117L,117Lにかかるように設定された場合には、図2Bのように尿取りパッド101Pを折り曲げて四つ折りにした際に、上記折り曲げ線D1,D2,D3の各位置に、幅方向に沿った皺ができる。そして、かかる尿取りパッド101Pの使用時に着用者が四つ折りを開いて、図3Aのように再度同パッド101Pを略平面状に展開すると、当該皺は大きく開き、これにより、突出部分117L,117Lが長手方向の前後に分断される。すなわち、図3Bのように、折り曲げ線LB1,LB2,LB3の各位置の皺は大きな溝状の分断部D1,D2,D3に転じる。そして、ここで、かかる溝状の分断部D1,D2,D3は、図3Aのように幅方向に沿っているため、同分断部D1,D2,D3は、吸収性コア111Pにおける突出部117で囲まれた空間SP117と外部とを連通する流路になり得て、その結果、当該分断部D1,D2,D3から幅方向に尿が漏れ出る恐れがある。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、切迫性失禁などのように大量の排泄液を一気に排出した場合でも、外部への漏出を有効に防止可能であるとともに、吸収性物品の長手方向の寸法が小さくなるように吸収性物品を折り曲げるための折り曲げ線が設定された場合でも、当該折り曲げ線起因の尿の漏出を軽減することにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、
排泄液を吸収すべく下着に取り付けられて使用され、厚さ方向と幅方向と長手方向とを有する吸収性物品であって、
前記吸収性物品の本体部は、液体吸収性素材を含む吸収性コアを有し、
前記吸収性コアは、前記厚さ方向の肌側を向いた面に、前記肌側に突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記吸収性コアにおける前記長手方向の中央部を囲む環状に形成されているとともに、前記突出部のうちの前記長手方向の各端部として、前記幅方向に延びる二つの突出部分を有し、
前記本体部には、前記吸収性物品の前記長手方向の寸法が小さくなるようにするための折り曲げ線であって、前記吸収性物品の前記肌側を向いた面が内周側となるように前記吸収性物品を折り曲げるための前記幅方向に沿った前記折り曲げ線が、前記長手方向の少なくとも一つの位置に設定されており、
前記二つの突出部分のうちの一方の突出部分を前側突出部分とし、他方の突出部分を後側突出部分とした場合に、
前記後側突出部分における前記長手方向の前側の縁部よりも、前記本体部における前記長手方向の後側の位置には、前記折り曲げ線のうちの少なくとも一つの折り曲げ線が設けられていることを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、切迫性失禁などのように大量の排泄液を一気に排出した場合でも、外部への漏出を有効に防止可能であるとともに、吸収性物品の長手方向の寸法が小さくなるように吸収性物品を折り曲げるための折り曲げ線が設定された場合でも、当該折り曲げ線起因の尿の漏出を軽減することができる。
図1Aは、吸収性コア111に尿を堰き止める突出部113,113が幅方向の両側の各縁部に設けられた特許文献1のおむつ101の概略平面図であり、図1Bは、図1A中のB−B断面図であって、吸収性コア111のみを示す図であり、図1Cは、更に吸収性コア111の長手方向の前側にも突出部115が設けられた同おむつ101の概略平面図である。 図2Aは、吸収性コア111Pの外周縁部の全周に亘って突出部117が設けられた尿取りパッド101Pの展開状態の概略平面図であり、図2Bは、同パッド101Pが四つ折りされた状態の概略側面図である。 図3Aは、四つ折りが解かれて再度平面状に展開された尿取りパッド101Pの概略平面図であり、図3Bは、図3A中のB−B断面図である。 本実施形態に係る吸収性物品としての尿取りパッド1を平面に展開した状態の概略平面図である。 図5Aは、図4中のA−A断面図であり、図5Bは、図4中のB−B断面図であり、図5Cは、図4中のC−C断面図である。 尿取りパッド1を非肌側から見た概略平面図である。 基端部41bの位置を示す尿取りパッド1の概略平面図である。 図8Aは、尿取りパッド1のうちで吸収性コア11以外のものを透視して示す概略平面図であり、図8B及び図8Cは、それぞれ図8A中のB−B断面図及びC−C断面図であって、吸収性コア11のみを示す図である。 図9Aは、長手方向に四つ折りされた尿取りパッド1の概略側面図であり、図9Bは、三つの折り曲げ線LB1,LB2,LB3の位置を示す尿取りパッド1の概略平面図である。 第1及び第3折り曲げ線LB1,LB3の好ましい位置を説明するための尿取りパッド1の概略平面図である。 尿取りパッド1の概略斜視図であって、同パッド1の本体部1sの中央部1sCが非肌側にへこんで、同本体部1sがカップ形状になった状態を示す図である。 本実施形態に係る変形例の尿取りパッド1の説明図であって、図4中のB−B断面図に相当する図である。 図13Aは、その他の実施形態の尿取りパッド1のうちで吸収性コア11以外のものを透視して示す概略平面図であり、図13B及び図13Cは、それぞれ図13A中のB−B断面図及びC−C断面図であって、吸収性コア11のみを示す図である。 その他の実施形態の尿取りパッド1のうちで吸収性コア11以外のものを透視して示す概略平面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
排泄液を吸収すべく下着に取り付けられて使用され、厚さ方向と幅方向と長手方向とを有する吸収性物品であって、
前記吸収性物品の本体部は、液体吸収性素材を含む吸収性コアを有し、
前記吸収性コアは、前記厚さ方向の肌側を向いた面に、前記肌側に突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記吸収性コアにおける前記長手方向の中央部を囲む環状に形成されているとともに、前記突出部のうちの前記長手方向の各端部として、前記幅方向に延びる二つの突出部分を有し、
前記本体部には、前記吸収性物品の前記長手方向の寸法が小さくなるようにするための折り曲げ線であって、前記吸収性物品の前記肌側を向いた面が内周側となるように前記吸収性物品を折り曲げるための前記幅方向に沿った前記折り曲げ線が、前記長手方向の少なくとも一つの位置に設定されており、
前記二つの突出部分のうちの一方の突出部分を前側突出部分とし、他方の突出部分を後側突出部分とした場合に、
前記後側突出部分における前記長手方向の前側の縁部よりも、前記本体部における前記長手方向の後側の位置には、前記折り曲げ線のうちの少なくとも一つの折り曲げ線が設けられていることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、吸収性コアの突出部は、長手方向の中央部を囲むように環状に形成されている。そのため、切迫性失禁などで大量の排泄液が一気に排出された際に、吸収性コアで瞬時に吸収し切れない分の排泄液を、環状の突出部で有効に堰き止めることができる。すなわち、突出部で囲まれた空間に、排泄液を一時貯留しておくことができる。そして、これにより、吸収性コアが排泄液を吸収し終えるまで本体部から排泄液が漏出しないように、当該吸液時間分の時間稼ぎをすることができて、結果、長手方向及び幅方向からの排泄液の漏出を有効に防ぐことができる。
また、上記の折り曲げ線のうちの少なくとも一つの折り曲げ線は、後側突出部分に係る前側の縁部よりも長手方向の後側の位置に設けられている。よって、少なくとも当該位置に設けられた折り曲げ線に限っては、突出部に囲まれた空間と外部とを連通するように突出部を分断してしまうことはあり得ない。詳しくは、次の通りである。先ず、当該折り曲げ線で折り曲げることに基づいて、仮に同折り曲げ線が起点となってその位置で突出部が分断されて溝状の分断部が生じたとしても、当該分断部は、突出部のうちの上記後側突出部分に生じている。そして、ここで、この後側突出部分というのは、突出部のうちの長手方向の後側の端部として幅方向に延びる突出部分のことである。よって、この後側突出部分に対して、幅方向に沿った溝状の分断部が生じて、同分断部が後側突出部分を長手方向の前後に分断したとしても、当該分断部は、突出部で囲まれた空間と連通していないので、当該分断部は、突出部で囲まれた空間と外部とを連通する流路には成り得ない。そして、これにより、当該分断部から排泄液が漏出することは無く、このことから、少なくとも、後側突出部分の前側の縁部よりも長手方向の後側の位置に設けられている上記折り曲げ線に限っては、排泄液の漏出の起点にはなり得ない。そして、その結果、上述の構成によれば、全体として折り曲げ線に起因した排泄液の漏出を軽減することができる。
更に、突出部は、長手方向の中央部を囲むように環状に形成されているので、同突出部に囲まれた空間を、長手方向の中央位置の両側に連続して広く形成することができる。そして、排出後の排泄液が当該空間を流れることによって、この排泄液を比較的短時間のうちに長手方向の広い範囲に拡散することができる。また、かかる拡散後には、排泄液は、自身が流れ着いた位置の吸収性コアの部分に順次吸収される。そのため、全体として排泄液の吸収に寄与し得る吸収性コアの面積の拡大を図れて、その結果、単位時間当たりの吸収量を大きくすることができて、このことも、上述の切迫性失禁などに対する防漏性の向上に寄与する。
かかる吸収性物品であって、
前記長手方向の複数の位置に前記折り曲げ線が設定されるとともに、前記縁部よりも前記長手方向の後側の位置に設けられる折り曲げ線を第1折り曲げ線とした場合に、
前記吸収性物品が前記複数の位置の折り曲げ線に基づいて折り曲げられる際に、前記第1折り曲げ線が、前記複数の位置の折り曲げ線のうちで最初に折り曲げられる折り曲げ線であるのが望ましい。
このような吸収性物品によれば、第1折り曲げ線は最初に折り曲げられるので、鋭く折り曲げられ易く、その結果、同位置では皺が強めに生じて、結果、吸収性物品の展開時には、大きな溝状の分断部が生じる恐れがある。しかし、前述したように当該位置に溝状の分断部が大きく生じても、当該分断部は、断じて突出部で囲まれた空間と外部とを連通するものではない。よって、当該第1折り曲げ線を最初に折り曲げることで、何等防漏性が低下することはない。
他方、第1折り曲げ線以外の折り曲げ線は、第1折り曲げ線よりも後に折り曲げられて、これにより、折り曲げ状態の吸収性物品において第1折り曲げ線よりも外周側に位置することから、第1折り曲げ線での折り曲げよりも緩やかに折り曲げられる。そのため、同位置では皺が弱めに生じて、結果、吸収性物品の展開時に生じる分断部は比較的軽度のものになる。よって、仮に、この分断部が、突出部で囲まれた空間と外部とを連通するものであったとしても、大きな漏れを引き起こすものではない。そして、その結果、全体として、折り曲げ線に起因した排泄液の漏出を有効に軽減することができる。
かかる吸収性物品であって、
前記本体部は、前記長手方向の前側を着用者の腹側に対応させつつ、後側を背側に対応させながら、前記下着に取り付けられ、
前記本体部のうちで前記厚さ方向の肌側を向いた面には、前記長手方向に沿って防漏壁部が設けられ、
前記防漏壁部は、前記長手方向に沿って設けられたシート状部材と、前記長手方向に伸長された状態で前記シート状部材に固定された弾性部材とによって形成され、
前記伸長された状態から前記弾性部材が収縮する際に前記シート状部材に付与される収縮力によって、前記シート状部材は前記長手方向に収縮して前記本体部の前記面から起立し、
前記収縮力は、前記長手方向の第2範囲の全長に亘って前記シート状部材に付与されているとともに、前記第2範囲よりも前記長手方向の後側の範囲では、前記シート状部材に付与される前記収縮力の大きさが、前記第2範囲よりも小さくされており、
前記縁部よりも前記長手方向の後側の位置に設けられる前記折り曲げ線を第1折り曲げ線とした場合に、
前記第1折り曲げ線は、前記後側の範囲に含まれているのが望ましい。
このような吸収性物品によれば、吸収性物品を着用した際の、第1折り曲げ線での折れ曲がりが抑制されるので、同第1折り曲げ線での折れ曲がりがきつい場合に起こり得る問題、すなわち、第1折り曲げ線の位置で人体との間に大きな隙間が形成されて防漏性が低下するという問題を有効に防ぐことができる。詳しくは、次の通りである。
先ず、シート状部材において起立した部分には、当該起立によりモーメントアームが増大などする。そのため、当該起立した部分には、上記の弾性部材の収縮力に基づいて、本体部を厚さ方向の肌側に曲げようとする曲げモーメントが強く生じる。よって、この起立する範囲に、折り曲げ線が入っていると、折り曲げ線できつく折れ曲がってしまう。しかし、この点につき、上記の構成にあっては、第1折り曲げ線は、上記の後側の範囲に含まれていて、この範囲では、弾性部材からは小さな収縮力しかシート状部材には付与されない。そのため、第1折り曲げ線の位置では、シート状部材はほぼ起立せず、そして、起立しないと、上記のモーメントアームも増大しない。よって、第1折り曲げ線の位置では、曲げモーメントがあまり生じず、結果、弾性部材に基づいて第1折り曲げ線が強制的にきつく折り曲げられてしまう事態は有効に防止される。その結果、第1折り曲げ線の付近部分は、人体の臀部の形状に沿うように柔軟に変形して同臀部に密着し得て、これにより、第1折り曲げ線の位置での同臀部との間の隙間が縮小されて、防漏性を高めることができる。
かかる吸収性物品であって、
前記本体部は、前記長手方向の前側を着用者の腹側に対応させつつ、後側を背側に対応させながら、前記下着に取り付けられ、
前記本体部のうちで前記厚さ方向の肌側を向いた面には、前記長手方向に沿って防漏壁部が設けられ、
前記防漏壁部は、前記長手方向に沿って設けられたシート状部材と、前記長手方向に伸長された状態で前記シート状部材に固定された弾性部材とによって形成され、
前記伸長された状態から前記弾性部材が収縮する際に前記シート状部材に付与される収縮力によって、前記シート状部材は前記長手方向に収縮して前記本体部の前記面から起立し、
前記収縮力は、前記長手方向の第2範囲の全長に亘って前記シート状部材に付与されており、
前記本体部のうちの前記長手方向の第3範囲であって、前記前側突出部分を含み前記前側突出部分から連続する前記第3範囲には、前記折り曲げ線のうちの少なくとも一つの折り曲げ線が含まれ、
前記第3範囲に含まれる前記折り曲げ線は、前記第2範囲に含まれているのが望ましい。
このような吸収性物品によれば、第3範囲に含まれる上記の折り曲げ線は、第2範囲に含まれている。そのため、この折り曲げ線の位置では、起立するシート状部材の弾性部材から収縮力が強く作用すること、及び、当該起立によりモーメントアームが増大すること等に基づいて、同位置には、本体部を厚さ方向の肌側に曲げようとする曲げモーメントが強く作用する。よって、この折り曲げ線で本体部は肌側に折れ曲がり易い。そして、これにより、本体部のうちで当該折り曲げ線よりも後側の部分を、着用者の股間にほぼ隙間無く密着させながら、本体部のうちで当該折り曲げ線よりも前側の部分を、同着用者の下腹部にほぼ隙間無く密着させることができる。よって、長手方向の前側からの排泄液の漏出を有効に防ぐことができる。
かかる吸収性物品であって、
前記縁部よりも前記本体部における前記長手方向の後側の位置に設けられる折り曲げ線を第1折り曲げ線とした場合に、
前記第1折り曲げ線は、前記後側突出部分よりも前記長手方向の後側に位置しているのが望ましい。
このような吸収性物品によれば、第1折り曲げ線は、後側突出部分よりも長手方向の後側に位置しているので、第1折り曲げ線起因で後側突出部分に溝状の分断部が生じることは完全に防止される。よって、溝状の分断部が無い略平坦な面で後側突出部分は、人体に当接することができて、人体との間の隙間の発生が防止され、その結果、当該後側突出部分は排泄液を確実に堰き止めて、外部への漏出を確実に防ぐことができる。
かかる吸収性物品であって、
前記縁部よりも前記本体部における前記長手方向の後側の位置に設けられる折り曲げ線を第1折り曲げ線とした場合に、
前記第1折り曲げ線は、前記後側突出部分に位置しているのが望ましい。
このような吸収性物品によれば、第1折り曲げ線は、突出部の後側突出部分に位置しているので、第1折り曲げ線から本体部の長手方向の後側の端までの寸法を大きく確保することができる。よって、吸収性物品の長手方向の寸法の大きさの割には、折り曲げ後の吸収性物品の長手方向の寸法を小さくすることができて、つまり、折り曲げ後の吸収性物品を、よりコンパクトにすることができる。
かかる吸収性物品であって、
前記前側突出部分における前記長手方向の後側の縁部よりも、前記本体部における前記長手方向の前側の位置には、前記折り曲げ線のうちの少なくとも一つの折り曲げ線が設けられているのが望ましい。
このような吸収性物品によれば、上記の折り曲げ線のうちの少なくとも一つの折り曲げ線は、前側突出部分に係る後側の縁部よりも長手方向の前側の位置に設けられている。よって、少なくとも当該位置に設けられた折り曲げ線に限っては、上述の第1折り曲げ線の場合と同様の理由で、突出部に囲まれた空間と外部とを連通するように突出部を分断してしまうことはあり得ない。そして、これにより、当該分断部から排泄液が漏出することは無く、このことから、少なくとも、前側突出部分の後側の縁部よりも長手方向の前側の位置に設けられている上記折り曲げ線に限っては、排泄液の漏出の起点にはなり得ない。そして、その結果、上述の構成によれば、全体として折り曲げ線に起因した排泄液の漏出を軽減することができる。
かかる吸収性物品であって、
前記縁部よりも前記本体部における前記長手方向の前側の位置に設けられる折り曲げ線を第3折り曲げ線とした場合に、
前記第3折り曲げ線は、前記前側突出部分よりも前記長手方向の前側に位置しているのが望ましい。
このような吸収性物品によれば、第3折り曲げ線は、前側突出部分よりも長手方向の前側に位置しているので、第3折り曲げ線起因で前側突出部分に溝状の分断部が生じることは完全に防止される。よって、溝状の分断部が無い略平坦な面で前側突出部分は、人体に当接することができて、人体との間の隙間の発生が防止され、その結果、当該前側突出部分は排泄液を確実に堰き止めて、外部への漏出を確実に防ぐことができる。
かかる吸収性物品であって、
前記突出部は、該突出部のうちの前記幅方向の各端部として、前記長手方向に延びる二つの突出部分を有し、
前記突出部分の肌側の頂面の幅寸よりも、前記後側突出部分の肌側の頂面の幅寸の方が大きいのが望ましい。
このような吸収性物品によれば、後側突出部分の肌側の頂面の幅寸は大きいので、折り曲げ線を頂面上に設定し易くなる。つまり、折り曲げ線起因の尿漏れを抑制可能な位置に同折り曲げ線を設定しやすくなって、これにより、折り曲げ線の設定自由度の向上を図れる。
===本実施形態===
図4は、本実施形態に係る吸収性物品としての尿取りパッド1を平面に展開した状態の概略平面図である。また、図5Aは、図4中のA−A断面図であり、図5Bは、図4中のB−B断面図であり、図5Cは、図4中のC−C断面図である。
図4に示すように、尿取りパッド1は、互いに直交する三方向として長手方向と幅方向と厚さ方向とを有する。そして、尿取りパッド1の長手方向と幅方向とで規定される平面形状は、縦長形状の一例として略長方形をなしている。
なお、以下では、厚さ方向に関して、人体に接触する側のことを「肌側」とも言い、下着に接する側のことを「非肌側」とも言う。また、長手方向のことを「前後方向」とも言い、幅方向のことを「左右方向」とも言う。なお、人体への装着時には、尿取りパッド1の長手方向の前側は、人体の腹側を向き、後側は、人体の背側を向く。また、尿取りパッド1の長手方向の寸法は、幅方向の寸法よりも長く、幅方向の寸法は厚さ方向の寸法よりも長くなっている。
<<<尿取りパッド1の基本構成について>>>
図4及び図5Bに示すように、尿取りパッド1は、使用時に下着に取り付けられる本体部1sを有する。本体部1sは、尿を吸収する液体吸収性素材で形成された吸収性コア11と、吸収性コア11を厚さ方向の肌側から覆う液透過性の表面シート21と、同コア11を非肌側から覆う液不透過性の裏面シート31と、を有する。
吸収性コア11は、例えば二種類の液体吸収性素材として液体吸収性繊維と液体吸収性粒状物とが混合されてなる混合物を、所定形状の一例として略矩形平板形状に成形したものである。この例では、液体吸収性繊維としてパルプ繊維を使用し、また液体吸収性粒状物として高吸収性ポリマー(以下、SAPとも言う)を用いているが、何等これに限らない。例えば前者の液体吸収性繊維として、コットン等のセルロース、レーヨン等の再生セルロース、アセテート等の半合成セルロースなどを用いても良く、また後者の液体吸収性粒状物として、SAP以外の液体吸収性の粒状物を用いても良い。
また、この例では、かかる液体吸収性繊維とSAPとが、1:1の配合比(重量比)で混合されているが、これ以外の配合比でも良く、更には、どちらか一方だけを含んでいても良い。また、上記の二種類の液体吸収性素材に加えて、或いはどちらか一方に代えて、別種の液体吸収性素材が混合されていても良い。また、この例では、吸収性コア11は、ティッシュペーパー等の液透過性シートで被覆されていないが、被覆されていても良い。更に、この例では、設けていないが、吸収性コア11と表面シート21との間に、液透過性のセカンドシートとして、適宜な不織布又はティッシュペーパー等を介挿しても良い。ちなみに、本実施形態の工夫の一つとして、この吸収性コア11の形状が挙げられるが、これについては後述する。
図4及び図5Bに示すように、表面シート21は、人体から排泄された尿を受け止めて速やかに厚さ方向に吸い込んで吸収性コア11へと導くものであり、例えば吸収性コア11の平面形状よりも大きな略長方形のシートが使用される。この表面シート21の素材には、例えばエアスルー不織布やスパンボンド不織布等の不織布が使用され、不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレンやポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂繊維が用いられる。また、表面シート21の肌側面には、厚さ方向の肌側から表面シート21及び吸収性コア11の両者が一緒に圧搾されてなる圧搾部Eが形成されており、これにより、表面シート21と吸収性コア11との両者は接合一体化されている。なお、この圧搾部Eの形成パターンも、本実施形態の工夫の一つをなすので、これについても後述する。
図6に、尿取りパッド1を非肌側から見た概略平面図を示す。図6及び図5Bに示すように、裏面シート31は、尿取りパッド1の本体部1sの非肌側からの尿漏れを防止する防漏シート31であり、その平面形状は、吸収性コア11よりも大きな略長方形形状である。すなわち、その外周縁部は、全周に亘って吸収性コア11よりも外方にはみ出している。そして、この裏面シート31に吸収性コア11を載せた状態で、例えば長手方向の各端部及び幅方向の各端部にて表面シート21と熱溶着等で接合され、これにより、裏面シート31と表面シート21との間に吸収性コア11が保持されている。なお、この裏面シート31と表面シート21との間に吸収性コア11が保持された状態のものが、前述した尿取りパッド1の本体部1sに相当する。かかる裏面シート31の素材としては、例えばポリエチレンやポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂を素材とするフィルムなどが使用される。
また、裏面シート31の非肌側面には、下着に尿取りパッド1を移動不能に取り付けるためのずれ止め用粘着部33,33が形成されている。このずれ止め用粘着部33,33の形成は、例えば裏面シート31の非肌側面の所定位置にホットメルト系接着剤を塗布することでなされる。
図4及び図5Bに示すように、尿取りパッド1の本体部1sには、幅方向の端側への尿漏れを防ぐ目的で、吸収性コア11の幅方向の各端部に対応させて、一対の防漏壁部40,40が設けられている。一対の防漏壁部40,40は、それぞれ、撥水処理等されたSMS不織布等からなるサイドシート41,41(シート状部材に相当)によって形成されている。各サイドシート41,41は、長手方向に沿って表面シート21の幅方向の各端部を肌側から覆って設けられている。そして、吸収性コア11の幅方向の各端部に対応する位置で、表面シート21に熱溶着等で固定されており、これにより、基端部41bが形成されている。なお、この基端部41bから幅方向の略中央側に延びる部分41fは、自由端部分41fであり、つまり当該部分41fが基本的に防漏壁部40となる。一方、同基端部41bから幅方向の端側に延びる部分41sは、尿取りパッド1の幅方向の端縁にまで至っており、そして、かかる部分は、表面シート21又は裏面シート31に重ね合わせられて、同端縁で、熱溶着等で表面シート21又は裏面シート31に接合されている。
ここで、自由端部分41fには、長手方向に沿った糸ゴム等の弾性部材45が伸長状態でホットメルト系接着剤により固定されている。よって、表面シート21側が内周側となるように尿取りパッド1を長手方向に湾曲させると、弾性部材45が長手方向に収縮して当該収縮力が自由端部分41fに付与されるが、そうすると、自由端部分41fは長手方向に収縮して表面シート21から起立して、これにより同自由端部分41fは防漏壁部40として機能する。なお、図5Bの例では、自由端部分41f及び基端部41bが、折り返しにより二枚重ねのサイドシート41で構成されており、そして、自由端部分41fの二枚重ねの間に弾性部材45が介挿されているが、何等これに限らない。
また、図7の概略平面図中においては、基端部41bをハッチングで示しているが、この例では、基端部41bの幅方向の大きさは、長手方向の前端部41b1と後端部41b2とについては広く設定され、他方、これら前端部41b1と後端部41b2との間の中間部41b3については、幅方向の中央側がえぐれたように狭く設定されている。そして、これにより、防漏壁部40の起立高さを中間部41b3にて優先的に高くして、尿の堰き止め作用の最適化を図っているが、何等これに限らない。例えば、基端部41bの幅方向の大きさが、長手方向の全長に亘って一定幅とされていても良い。
また、図4、図5A、及び図5Cに示すように、自由端部分41fのうちの前端部41fa及び後端部41fbは、基端部41b上に伏せられた状態で、ホットメルト系接着剤等により同基端部41bに接合固定されており、これにより、前端部41fa及び後端部41fbは、起立しない未起立部とされている。よって、弾性部材45の収縮力は、専ら、自由端部分41fのうちの前端部41faと後端部41fbとの間に存在する中間部分41fmのみに選択的に付与されて、当該中間部分41fmが収縮して防漏壁部40として起立するようになっている。
以上、本実施形態の尿取りパッド1の基本構成について説明してきたが、本実施形態の尿取りパッド1は、主に吸収性コア11に対してなされた工夫に基づいて、切迫性失禁等の大量の尿の排出に対する防漏性が高められている。また、梱包時に尿取りパッド1を四つ折りするための折り曲げ線LB1,LB2,LB3の位置の工夫に基づいて、当該折り曲げ線LB1,LB2,LB3起因の尿の漏出が抑制されている。なお、以下では、主に、この二つの工夫について説明する。但し、前者の防漏性の向上については、防漏壁部40に対してなされた工夫や、表面シート21の圧搾部Eに対してなされた工夫も有効に寄与しているので、これらについても説明する。
<<<吸収性コア11に対してなされた工夫について>>>
図8Aは、尿取りパッド1のうちで吸収性コア11以外のものを透視して示す概略平面図である。また、図8B及び図8Cは、それぞれ図8A中のB−B断面図及びC−C断面図であり、どちらの図も吸収性コア11のみを示している。
既述のように吸収性コア11の平面形状は略長方形である。しかし、図8A乃至図8Cに示すように、この吸収性コア11は、その肌側面に、肌方向に突出した突出部11Pを有しており、しかも、かかる突出部11Pは、吸収性コア11の肌側面の外周縁部の全周に亘って連続して形成されている。そして、これにより、突出部11Pは、吸収性コア11における長手方向の中央部11Cを囲むように環状に形成されている。
よって、切迫性失禁などで大量の尿が一気に排出された場合には、吸収性コア11で瞬時に吸収し切れない分の尿を、環状の突出部11Pで有効に堰き止めることができる。すなわち、突出部11Pで囲まれた空間SP11に、尿を一時貯留しておくことができる。そして、これにより、吸収性コア11が尿を吸収し終えるまで尿取りパッド1の本体部1sから尿が漏出しないように、当該吸収時間分の時間稼ぎをすることができて、その結果、長手方向及び幅方向からの尿漏れを有効に防ぐことができる。
また、突出部11Pは吸収性コア11の外周縁部に沿って形成されているので、同突出部11Pに囲まれた空間SP11は、長手方向の中央位置CLLの両側たる前側及び後側にそれぞれ連続して広く形成されている。すなわち、同空間SP11は、吸収性コア11において長手方向の前端部から後端部までに亘って連続して存在している。そして、排出後の尿が当該空間SP11を流れることによって、この尿を比較的短時間のうちに長手方向の広い範囲に拡散する。また、かかる拡散後には、尿は、自身が流れ着いた位置の吸収性コア11の部分に順次吸収される。そのため、全体として尿の吸収に寄与し得る吸収性コア11の面積の拡大を図れて、その結果、単位時間当たりの吸収量を大きくすることができて、このことも、上述の切迫性失禁に対する防漏性の向上に寄与する。
更に、図8Aに示すように、環状の突出部11Pのうちで長手方向の前側の半部と後側の半部とは互いにほぼ同形状になっている。よって、下着に尿取りパッド1を取り付ける際に、着用者が、尿取りパッド1の長手方向の前側と後側とを取り違えて、本来の向きと逆に尿取りパッド1を取り付けてしまった場合であっても、上記の長手方向に関する突出部11Pの略対称形状に基づいて、尿取りパッド1は、その防漏効果を大きく損なうことなく所期の防漏性でもってそのまま着用されることができる。すなわち、当該尿取りパッド1によれば、フールプルーフ効果も奏することができる。
また、突出部11Pは、幅方向の各端部として、長手方向に平行な一対の第1突出部分11P1,11P1を幅方向に並んで有するとともに、長手方向の各端部として、幅方向に平行な一対の第2突出部分11P2,11P2を長手方向に並んで有している。例えば、各第1突出部分11P1,11P1は、それぞれ略台形の断面形状を有し、この断面形状が長手方向に一定に維持されつつ、長手方向に平行に連続しており、また、各第2突出部分11P2,11P2も、それぞれ略台形の断面形状を有し、この断面形状が幅方向に一定に維持されつつ、幅方向に平行に連続している。
よって、着用者が下着に尿取りパッド1を取り付ける際に、仮に、適正位置から長手方向のずれた位置に取り付けたとしても、当該一対の第1突出部分11P1,11P1が奏し得る幅方向の尿の堰き止め効果は概ね変化せず、これにより、かかる位置ずれ時にも、所期の防漏性を奏することができる。
なお、上記のように、第1突出部分11P1の平面形状は、長手方向に平行な帯状であり、また、第2突出部分11P2の平面形状は、幅方向に平行な帯状である。つまり、第1突出部分11P1及び第2突出部分11P2のどちらも、それぞれ、肌側に帯状の略平坦な頂面11P1t,11P2tを有しているが、ここで、各頂面11P1t,11P2tの幅寸は、例えば10mm以上に設定されている。そして、このように設定されていれば、突出部11Pまで到達した尿を確実に堰き止めることができる。また、第2突出部分11P2に限っては、10mm以上に設定されることによって、後述する折り曲げ線LB1,LB3を各頂面11P2t,11P2t上に設定し易くなる。つまり、折り曲げ線LB1,LB3起因の尿漏れを抑制可能な位置に同折り曲げ線LB1,LB3を設定しやすくなって、これにより、折り曲げ線LB1,LB3の設定自由度の向上を図れる。
更に、図8B及び図8Cに示す突出部11Pの突出高さL11Pは、望ましくは0.5mm〜5mmの範囲に設定され、より望ましくは、1.5mm〜3mmの範囲に設定され、この例では、2.0mmを目標値として設定されている。そして、このような範囲に設定されていれば、0.5mm未満の場合に起こり得る問題、すなわち、吸収前の尿を一時的に保管する空間の不足の問題を解決でき、また5.0mmを超える場合に起こり得る問題、すなわち、着用者の肌と接触したときの違和感の問題を解決することができる。
ちなみに、本実施形態では、突出部11Pの全周に亘って、突出部11Pの突出高さL11Pを一定にしているが、何等これに限らず、突出部11Pの突出高さL11Pを場所に応じて異ならせても良い。また、上記の突出高さL11Pとは、突出部11Pに一切の外力が作用しない無負荷状態(自然状態)での高さのことであるが、このことは、上記の突出部11Pの幅寸についても同様である。
また、場合によっては、図8Aのように、第1突出部分11P1の頂面11P1tの幅寸よりも第2突出部分11P2の頂面11P2tの幅寸を大きくすると良い。そして、このようにすれば、尿取りパッド1の長手方向に流れ易い尿を確実に堰き止めることができる。また、前述した折り曲げ線LB1,LB3を頂面11P2t,11P2t上に設定し易くなって、これによっても、折り曲げ線LB1,LB3の設定自由度の向上を図れる。なお、この例では、第1突出部分11P1の頂面11P1tの幅寸は15mmとされ、第2突出部分11P2の頂面11P2tの幅寸は52mmとされている。
このような突出部11Pを有した吸収性コア11の形成は、同コア11の構成材料たる液体吸収性素材の坪量(g/m)を、吸収性コア11の肌側面上での位置に応じて異ならせることによって実現されている。すなわち、厚さ方向を法線方向とする平面上において、突出部11Pを有しない位置の坪量よりも、突出部11Pを有する位置の坪量の方が大きくなるように坪量の分布パターンが設計され、この分布パターンに基づいて液体吸収性素材が厚さ方向に積層されて当該吸収性コア11が形成されている。
そして、このように形成されていれば、突出部11Pを有しない位置たる突出部11Pで囲まれた位置よりも、突出部11Pを有する位置の方が、尿を吸収後の膨潤量が大きくなる。よって、当該尿の吸収後においても、突出部11Pを有する位置の方がより大きく肌側に突出し、これにより、突出部11Pで囲まれた空間SP11を広い状態に維持することができる。そして、その結果、次回の尿の排出時にも、吸収性コア11で瞬時に吸収し切れない尿を、同空間SP11で何等問題無く一時貯留可能となる。
ここで、望ましくは、突出部11Pを有する位置の坪量は、突出部11Pを有しない位置の坪量の1.2〜4.0倍に設定されると良い。そして、このように設定されていれば、次のような問題を有効に回避可能となる。先ず1.2倍未満の場合には、突出部11Pの突出高さL11Pを大きく確保し難くなって十分な防漏性を奏し難くなるという問題を生じ、また、4.0倍を超える場合には、突出部11Pを有する位置と突出部11Pを有しない位置との間の剛性差が大きくなって尿取りパッド1の着用時に違和感を感じ易くなるという問題を生じるが、上記のように1.2〜4.0倍に設定されていれば、これらの問題を回避することができる。
ちなみに、具体的数値で言えば、例えば、突出部11Pを有する位置の坪量は、550〜850(g/m)の範囲に設定され、突出部11Pを有さない位置の坪量は、200〜500(g/m)の範囲に設定される。
<<<四つ折りするための折り曲げ線LB1,LB2,LB3の位置の工夫について>>>
既述のように、かかる尿取りパッド1は、梱包の際に、その長手方向の寸法を小さくする目的で、肌側面が内周側となるように四つ折りされる。図9Aは、かかる四つ折り状態の尿取りパッド1の概略側面図である。また、図9Bは、四つ折りするために本体部1sに設定された折り曲げ線LB1,LB2,LB3の位置を示す尿取りパッド1の概略平面図である。
図9Bに示すように、本体部1sの肌側面には、尿取りパッド1を長手方向に四つ折りするための幅方向に沿った直線状の折り曲げ線LB1,LB2,LB3が、長手方向の三つの位置に設定されている。そして、これら三つの折り曲げ線LB1,LB2,LB3のうちの一つの折り曲げ線LB3は、本体部1sにおける長手方向の中央位置CLLよりも前側の位置に設定されているとともに、三つの折り曲げ線LB1,LB2,LB3のうちの一つの折り曲げ線LB1は、本体部1sにおける長手方向の中央位置CLLよりも後側の位置に設定されている。
以下では、上記の後側の折り曲げ線LB1のことを「第1折り曲げ線LB1」とも言い、上記の前側の折り曲げ線LB3のことを「第3折り曲げ線LB3」とも言う。なお、残る一つの折り曲げ線LB2は、長手方向における第1折り曲げ線LB1と第3折り曲げ線LB3との間に位置しているが、かかる折り曲げ線LB2のことを「第2折り曲げ線LB2」とも言う。
また、以下では、吸収性コア11の突出部11Pに係り、長手方向に並ぶ一対の第2突出部分11P2,11P2のうちで前側に位置する第2突出部分11P2のことを「前側突出部分11P2」とも言い、そして、後側に位置する第2突出部分11P2のことを「後側突出部分11P2」とも言う。
ここで、図9Bに示すように、本実施形態では、上記折り曲げ線LB1,LB2,LB3の位置の工夫として、第1折り曲げ線LB1が、後側突出部分11P2における前側の縁部11P2eaよりも後側の位置に設けられている。より具体的には、当該第1折り曲げ線LB1は、後側突出部分11P2の略平坦な頂面11P2tに設けられている。よって、少なくとも当該第1折り曲げ線LB1に限っては、吸収性コア11の突出部11Pに囲まれた空間SP11と外部とを連通するように突出部11Pを分断してしまうことはあり得ない。詳しくは、次の通りである。
先ず、当該第1折り曲げ線LB1で折り曲げることに基づいて、仮に同第1折り曲げ線LB1が起点となってその位置で突出部11Pが前後に分断されて溝状の分断部D1が生じたとしても、当該分断部D1は、突出部11Pのうちの上記後側突出部分11P2に生じている。そして、ここで、この後側突出部分11P2というのは、突出部11Pのうちの長手方向の後側の端部として幅方向に延びる突出部分11P2のことである。よって、この後側突出部分11P2に対して、幅方向に沿った溝状の分断部D1が生じて同分断部D1が後側突出部分11P2を長手方向の前後に分断したとしても、当該分断部D1は、突出部11Pで囲まれた空間SP11とは連通していないので、当該分断部D1は、突出部11Pで囲まれた空間SP11と外部とを連通する流路には成り得ない。そして、これにより、当該分断部D1から尿漏れすることは無く、このことから、少なくとも、上記第1折り曲げ線LB1に限っては、尿漏れの起点にはなり得ない。よって、全体として四つ折りに係る折り曲げ線LB1,LB2,LB3起因の尿漏れを軽減することができる。
また、本実施形態では、本体部1sのうちで、上記の後側突出部分11P2の前側の縁部11P2eaと、この縁部11P2eaよりも前側の所定位置Pbとの間の範囲Abには、一切の折り曲げ線LB1,LB2,LB3が設けられていない。詳しくは、この例では、上記の所定位置Pbは、本体部の長手方向の中央位置CLLの付近に設定されている。そして、この所定位置Pbよりも若干前側の位置には、第2折り曲げ線LB2が設定されているが、当該所定位置Pbと上記縁部11P2eaとの間の範囲Abには、一切の折り曲げ線LB1,LB2,LB3が設定されていない。よって、上記範囲Abでは、尿漏れの起点となる溝状の分断部は形成されず、上記範囲Abでの尿漏れは確実に防止される。例えば、本体部1sの前側の部分で排出された尿は、吸収性コア11の肌側面上を後方へ流れていき、そして、後側突出部分11P2で止められて、その縁部11P2ea付近に滞留することが多いと考えられるが、この点につき、縁部11P2eaよりも前側の上記範囲Abでは、尿漏れの起点となるような折り曲げ線LB1,LB2,LB3は設定されない。よって、後側突出部分11P2で堰き止められてその縁部11P2ea付近に滞留する尿が、後方から外部へ漏れ出すことは有効に防止される。そして、このことも、全体として四つ折りに係る折り曲げ線LB1,LB2,LB3起因の尿漏れの軽減に有効に寄与する。
なお、この例では、上述のように、所定位置Pbが本体部1sの中央位置CLLの付近に設定されているが、何等これに限らない。例えば、所定位置Pbは、上記の縁部11P2eaと中央位置CLLとの中間位置であっても良いし、或いは、縁部11P2eaと中央位置CLLとの範囲を長手方向に三等分或いは四等分等の複数等分してなる幾つかの位置のうちから一つを選択し、それを所定位置Pbとしても良い。但し、所定位置Pbが、後側突出部分11P2の前側の縁部11P2eaに近い程、当該縁部11P2ea付近に滞留する尿が、折り曲げ線LB2を起点として尿漏れし易くなるため、望ましくは、極力縁部11P2eaから前側に離れた位置に、所定位置Pbを設定すると良い。
また、この例では、図9Aに示すように、尿取りパッド1を四つ折りに折り畳む際の折り曲げの順番は、最初に第1折り曲げ線LB1で折り曲げて、次に第2折り曲げ線LB2で折り曲げて、最後に第3折り曲げ線LB3で折り曲げるという順番である。つまり、最初に第1折り曲げ線LB1で折り曲げる。
そのため、第1折り曲げ線LB1は鋭く折り曲げられ易く、その結果、当該第1折り曲げ線LB1の位置では皺が強めに生じて、結果、尿取りパッド1の展開時には、大きな溝状の分断部D1が生じる恐れがある。しかし、仮に当該位置に溝状の分断部D1が大きく生じても、図9Bを参照して前述したように、当該分断部D1は、断じて突出部11Pで囲まれた空間SP11と外部とを連通するものではない。よって、当該第1折り曲げ線LB1を最初に折り曲げることで、突出部11Pの防漏性が大きく低下することはない。
他方、第1折り曲げ線LB1以外の折り曲げ線LB2,LB3、つまり第2折り曲げ線LB2及び第3折り曲げ線LB3は、第1折り曲げ線LB1よりも後に折り曲げられる。そして、これにより、四つ折り状態の尿取りパッド1においては、これら第2及び第3折り曲げ線LB2,LB3は、第1折り曲げ線LB1よりも外周側に位置することから、第1折り曲げ線LB1での折り曲げよりも緩やかに折り曲げられる。そのため、第2及び第3折り曲げ線LB2,LB3では皺が弱めに生じて、結果、尿取りパッド1の展開時に生じる分断部D2,D3は比較的軽度なものとなる。よって、仮に、この分断部D2,D3が、突出部11Pで囲まれた空間SP11と外部とを連通するものであったとしても、大きな尿漏れを引き起こすものではない。そして、その結果、全体として四つ折りに係る折り曲げ線LB1,LB2,LB3に起因した尿漏れを有効に軽減することができる。
ちなみに、この図9Bの例では、第3折り曲げ線LB3についても、尿漏れの起点にはなり得ない。すなわち、当該第3折り曲げ線LB3は、前側突出部分11P2の後側の縁部11P2ebよりも、本体部1sにおける前側の位置に設けられており、より具体的には、前側突出部分11P2の略平坦な頂面11P2tに設けられている。よって、前述の後側突出部分11P2の頂面11P2tに設けられた第1折り曲げ線LB1が尿漏れの起点にはなり得ないのと同じ理由で、当該第3折り曲げ線LB3についても、尿漏れの起点にはなり得ない。従って、尿漏れの起点となり得るのは、第2折り曲げ線LB2だけであるが、かかる第2折り曲げ線LB2起因の突出部11Pの分断(つまり、各第1突出部分11P1,11P1の分断)は、上述の如く軽度なものとなるので、大きな尿漏れを招来しない。
また、これに加えて、この例では、図9Bに示すように、かかる第2折り曲げ線LB2は、長手方向の中央位置CLLよりも後側に位置している。よって、当該第2折り曲げ線LB2の位置で突出部11Pたる第1突出部分11P1が前後に分断されても、当該位置は、本体部1sのうちの前側の部分に設定されるべき排尿想定位置から比較的離れている。そのため、大きな尿漏れには繋がらない。
更に、本実施形態では、第1折り曲げ線LB1は、後側突出部分11P2の頂面11P2tに設けられていたが、何等これに限らない。すなわち、場合によっては、第1折り曲げ線LB1は、本体部1sにおいて後側突出部分11P2よりも後側に位置していても良い。そして、このようにされていれば、第1折り曲げ線LB1は、後側突出部分11P2に形成されないので、第1折り曲げ線LB1起因で後側突出部分11P2に溝状の分断部D1が生じることは完全に防止される。よって、溝状の分断部D1が無い略平坦な頂面11P2tで後側突出部分11P2は人体の臀部に当接できるため、同臀部との間の隙間の発生が有効に防止され、その結果、当該後側突出部分11P2は、滞留する尿を確実に堰き止めて、外部への漏出を確実に防ぐことができる。
また、既述のように、この図9Bの例では、第3折り曲げ線LB3は、前側突出部分11P2の頂面11P2tに設けられているが、何等これに限らない。すなわち、場合によっては、第3折り曲げ線LB3は、前側突出部分11P2よりも前側に位置していても良い。そして、このようにされていれば、第3折り曲げ線LB3は、前側突出部分11P2に形成されないので、第3折り曲げ線LB3起因で前側突出部分11P2に溝状の分断部D3が生じることは完全に防止される。よって、溝状の分断部D3が無い略平坦な頂面11P2tで前側突出部分11P2は、人体の下腹部に当接できるため、同下腹部との間の隙間の発生が有効に防止され、その結果、当該前側突出部分11P2は、滞留する尿を確実に堰き止めて、外部への漏出を確実に防ぐことができる。
ところで、以前に図4を参照しながら、「防漏壁部40に係る自由端部分41fのうちの前端部41faと後端部41fbとの間に位置する中間部分41fmが、弾性部材45によって起立して上記防漏壁部40として機能する」旨を述べた。そして、上記の後端部41fb、中間部分41fm、前端部41faに対応する長手方向の範囲を、それぞれ後側範囲Rb、中間範囲Rm、及び前側範囲Raとした場合に、上述の例では、第1折り曲げ線LB1は、中間範囲Rmに含まれていたが、この点については、望ましくは、図10の概略平面図に示すように、後側範囲Rbに含まれていると良い。
そして、このようにされていれば、尿取りパッド1を着用した際の、第1折り曲げ線LB1での折れ曲がりが抑制されるので、折れ曲がりがきつい場合に起こり得る問題、すなわち、第1折り曲げ線LB1の位置で人体の臀部との間に大きな隙間が形成されて防漏性が低下するという問題を有効に防ぐことができる。詳しくは、次の通りである。
先ず、図10の防漏壁部40に係る自由端部分41fのうちで起立した部分たる上記中間部分41fmでは、その起立によりモーメントアームが増大などする。そのため、同中間部分41fmには、上記の弾性部材45の収縮力に基づいて、本体部1sを厚さ方向の肌側に曲げようとする曲げモーメントが強く生じる。よって、この起立する範囲Rmに、第1折り曲げ線LB1が入っていると、第1折り曲げ線LB1できつく折れ曲がってしまう。
しかし、この点につき、当該図10の構成にあっては、第1折り曲げ線LB1は、上記の後側範囲Rbに含まれていて、この後側範囲Rbでは、自由端部分41fは本体部1sに伏せられた状態でホットメルト系接着剤等により同基端部41bに接合固定されている。そのため、同範囲Rbでは、弾性部材45の収縮力を専ら本体部1sで受けてしまうことから、当該後側範囲Rbにおいては、弾性部材45から自由端部分41fへと直接作用する収縮力はごく小さく、これにより、第1折り曲げ線LB1の位置では、自由端部分41fは、未起立部となっている。そして、起立しないと、上記のモーメントアームも増大しない。よって、第1折り曲げ線LB1の位置では、曲げモーメントがあまり生じず、結果、弾性部材45に基づいて第1折り曲げ線LB1が強制的にきつく折り曲げられてしまう事態は有効に防止される。その結果、第1折り曲げ線LB1の付近部分は、対応する人体の臀部の形状に沿うように柔軟に変形して同臀部に密着し得て、これにより、第1折り曲げ線LB1の位置での同臀部との間の隙間が縮小されて、防漏性を高めることができる。
更に、同図10の例では、第3折り曲げ線LB3は、本体部1sのうちの長手方向の前側の所定範囲Aaであって、前側突出部分11P2を含み前側突出部分11P2から連続する上記所定範囲Aa(第3範囲に相当)に含まれているが、ここで、望ましくは、かかる第3折り曲げ線LB3が、更に、上記の中間範囲Rm(第2範囲に相当)に含まれていると良く、同図10の例では、そのようになっている。
そして、そのようになっていれば、第3折り曲げ線LB3の位置では、起立する自由端部分41fの弾性部材45から収縮力が強く作用すること、及び、当該起立によりモーメントアームが増大などすること等に基づいて、同位置には、本体部1sを厚さ方向の肌側に曲げようとする曲げモーメントが強く作用する。よって、この第3折り曲げ線LB3で本体部1sは肌側に折れ曲がり易い。そして、これにより、本体部1sのうちで第3折り曲げ線LB3よりも後側の部分を、着用者の股間にほぼ隙間無く密着させながら、本体部1sのうちで第3折り曲げ線LB3よりも前側の部分を、同着用者の下腹部にほぼ隙間無く密着させることができる。よって、長手方向の前側からの尿漏れを有効に防ぐことができる。
<<<防漏壁部40に対してなされた工夫について>>>
図7に示すように、防漏壁部40が表面シート21から起立し始める起立開始位置41beは、防漏壁部40に係る基端部41bのうちで幅方向の中央側の縁部41beの位置となっているが、ここで本実施形態では、防漏壁部40に係る工夫として、この起立開始位置41beを、吸収性コア11の突出部11Pの第1突出部分11P1に対応する位置に設定している。詳しくは、第1突出部分11P1の頂面11P1tの上に起立開始位置41beが位置するように位置合わせしながら、防漏壁部40の基端部41bを表面シート21に固定している。そして、このようにしていれば、防漏壁部40と第1突出部分11P1とが互い協同して、高い堰として機能し得て、これにより、幅方向の防漏性をより高めることができる。
<<<表面シート21の圧搾部Eに対してなされた工夫について>>>
図4を参照して既述のように、表面シート21の肌側面には、厚さ方向の肌側から表面シート21及び吸収性コア11の両者が一緒に圧搾されてなる圧搾部Eが形成されている。そして、本実施形態では、尿取りパッド1の本体部1sのうちで吸収性コア11の突出部11Pに囲まれた部分の幅方向の中央部1sCwには、上記圧搾部Eの一種として第1圧搾部E1が、長手方向に沿って一直線上に形成されている。例えば、図4の例では、第1圧搾部E1は、長手方向に長い複数(三つ)の溝部H1,H1,H1を有し、各溝部H1は、長手方向に隣り合う溝部H1との間に間隔をあけた状態に形成されている。また、同溝部H1は、尿取りパッド1の本体部1sの長手方向の中央線CLLを挟むように、中央線CLLよりも前側の部分及び後側の部分のそれぞれに対して形成されている。
そして、このような第1圧搾部E1が形成されていれば、下着を装着した着用者から股締め力の如き幅方向の中央側を向いた力Fが、幅方向の両側から尿取りパッド1の本体部1sに付与されると、図11の概略斜視図に示すように、第1圧搾部E1を折り起点として、尿取りパッド1の本体部1sが、幅方向の略中央位置で非肌側にへこむように折れ曲がり、これにより、突出部11Pに囲まれた空間SP11(図8A乃至図8C)を拡大することができる。そして、その結果、同空間SP11でより確実に尿を一時貯留可能となる。
ここで、望ましくは、図4の例のように、突出部11Pに囲まれた部分のうちの長手方向の各端部に、第2圧搾部E2,E2が幅方向に一対並んで形成され、そして、各第2圧搾部E2が、長手方向の中央側から端側へ向かうに従って幅方向の中央側から端側へ向かうように設けられていると良い。なお、この例では、第2圧搾部E2は、全長に亘って一本の連続した溝部の形態で形成されている。
そして、このような第2圧搾部E2が形成されていれば、上記の股締め力Fの本体部1sへの作用下においては、第2圧搾部E2が上述の第1圧搾部E1と協同することにより、同本体部1sは、図11に示すようなカップ形状に変形する。すなわち、本体部1sの長手方向及び幅方向の両方向における中央部1sCが非肌側にへこんだ形状になる。そして、これにより、上記の中央部1sCについては股間から離れるが、当該中央部1sC以外の部分、つまり本体部1sのうちの長手方向の各端部1sLe,1sLe及び幅方向の各端部1sWe,1sWeについては、それぞれ着用者の下腹部、臀部、及び股間に密着した状態になる。すなわち、本体部1sは、股間と協同して略閉じた空間を区画する。よって、当該空間に、切迫性失禁などで吸収性コア11が瞬時に吸収し切れない分の尿を確実に一時貯留することができる。
ちなみに、上記の第1圧搾部E1及び第2圧搾部E2に基づいて、本体部1sが図11の如きカップ形状になり易い理由は、次の通りである。
先ず、下着に取り付けられた尿取りパッド1の本体部1sに、着用者の股間から幅方向の中央側を向いた力F(図4)が、幅方向の両側から作用すると、図11に示すように、本体部1sは、第1圧搾部E1に起因して幅方向の中央部1sCで非肌側にへこむように谷折りになる。
一方、当該中央部1sCよりも長手方向の端側の各部分には、それぞれ一対の第2圧搾部E2,E2が設けられているが、当該一対の第2圧搾部E2,E2は、その略V字形状に基づいて、長手方向の端側に向かうに従って第2圧搾部E2,E2同士の間隔が徐々に開いている。そのため、これら各部分では、第1圧搾部E1起因の谷折りの影響が、長手方向の端側に向かうに従って徐々に緩和されていき、これにより、一対の第2圧搾部E2,E2よりも長手方向の端側の部分たる端部1sLe,1sLeは、概ね長手方向と幅方向とで規定される平面に沿った平面状になる。そして、その結果として、上記中央部1sC以外の部分、つまり本体部1sの長手方向の各端部1sLe,1sLe及び幅方向の各端部1sWe,1sWeについては、それぞれ着用者の下腹部、臀部、及び股間に密着しつつ、上記中央部1sCについては股間から離れた形状に本体部1sは変形する。つまり、本体部1sは、カップ形状になる。
なお、図4や図11では、詳細には図示していないが、第1圧搾部E1の溝部H1及び第2圧搾部E2の溝部は、それぞれ、深さが互いに異なる深部と浅部とを有している。しかし、何等これに限らない。すなわち、溝部の深さが、全長に亘って一定であっても良い。また、場合によっては、第1圧搾部E1及び第2圧搾部E2が複数の島状のへこみ部で形成されていても良いし、更に、各へこみ部の底面の形状が、円形や矩形であっても良い。
<<<尿取りパッド1の製造方法について>>>
このような尿取りパッド1は、適宜な製造装置によって、例えば次のようにして製造される。
先ず、積繊装置によって吸収性コア11が生成される。詳しくは、積繊装置は、例えば上面を搬送面として搬送対象物を吸着しながら搬送するサクションベルトコンベアと、その上方に配されて回転する回転ドラムと、を有する。
回転ドラムは、外周面にへこみ部を有し、へこみ部は、液体吸収性素材を吸着する吸着機能を有する。また、へこみ部の底部には、更に深いへこみ部が、上記の吸収性コア11の突出部11Pに対応して形成されている。よって、適宜なダクトから散布される液体吸収性素材を、この外周面のへこみ部が吸着して堆積することにより、上述の環状の突出部11Pを有した吸収性コア11が生成される。そして、生成された吸収性コア11は、サクションベルトコンベアによって、搬送方向の下流側へ送られる。
搬送方向の下流側の所定位置では、一対のサイドシート41の連続体が組み付けられた表面シート21の連続体が上方から合流する。すなわち、表面シート21の連続体の幅方向の両側には、それぞれ各サイドシート41の連続体が熱溶着等で固定されており、また、各サイドシート41の連続体には、既に伸長状態の弾性部材45,45…が固定されている。そして、このような表面シート21の連続体によって吸収性コア11は上方から覆われた状態になる。そして、その後は、かかる吸収性コア11と表面シート21とが一体となって搬送方向に搬送されて、これにより、搬送方向の下流側のエンボスロール装置へと送られる。
エンボスロール装置は、例えば回転する上下一対のロールを有し、そのうちの上ロールの外周面には、第1圧搾部E1等の圧搾部Eに対応した形状の突起部が設けられている。よって、エンボスロール装置を通過する際に、表面シート21の連続体と吸収性コア11との両者には圧搾部Eが形成され、そして、更に搬送方向の下流側へ送られる。
搬送方向の下流側の所定位置では、下方から裏面シート31の連続体が合流する。そして、吸収性コア11を介して表面シート21の連続体を裏面シート31の連続体上に載置することにより、表面シート21の連続体と裏面シート31の連続体との間に吸収性コア11が介挿された状態にし、かかる状態のまま、その下流のラウンドシール装置へと送られる。
ちなみに、この時点では、既に裏面シート31の非肌側面には、ホットメルト系接着剤が塗布などされていて、これにより、ずれ止め用粘着部33,33が形成済みである。また、かかるずれ止め用粘着部33,33の粘着性を保護する目的で、同粘着部33,33は剥離シート等の保護シートで覆われている。
ラウンドシール装置は、例えば回転する上下一対のロールを有し、そのうちの上ロールの外周面には、尿取りパッド1の輪郭形状に対応した形状の突起部が設けられている。よって、ラウンドシール装置を通過する際に、表面シート21の連続体と裏面シート31の連続体との両者は、尿取りパッド1における長手方向の各端部及び幅方向の各端部に相当する位置で互いに熱溶着等で接合される。そして、これにより、尿取りパッド1の連続体が生成され、かかる尿取りパッド1の連続体は、更に搬送方向の下流側のダイカッター装置へと送られる。
ダイカッター装置は、回転する一対のロールを有し、そのうちの一方のロールの外周面には、尿取りパッド1の輪郭形状に対応した形状の抜き刃を有している。よって、尿取りパッド1の連続体がダイカッター装置を通過する際に、抜き刃によって尿取りパッド1の連続体から尿取りパッド1が個別に打ち抜かれて、これにより、単票状の尿取りパッド1が生成される。
そして、最後に単票状の尿取りパッド1は四つ折りされるが、この四つ折りされる前の時点では、尿取りパッド1は、所謂縦流れ搬送されている。すなわち、尿取りパッド1の長手方向が搬送方向を向いた状態で搬送されている。そのため、四つ折り処理に対する予備処理として、先ず、尿取りパッド1の搬送形態を、横流れ搬送に変更する。すなわち、尿取りパッド1の幅方向が搬送方向を向くように90°回転される。かかる90°回転処理は、回転可能な保持パッドを外周面に有する回転ドラム装置によって行われる。そして、保持パッドの90°回転によって横流れ搬送に変更された尿取りパッド1は、横流れ搬送されたまま、サクションベルトコンベアへと引き渡される。
ここで、同コンベア上には、尿取りパッド1の各折り曲げ線LB1,LB2,LB3にそれぞれ対応させて折り畳み板が配置されており、これら折り畳み板を通過する際に、各折り畳み板によって順次各折り曲げ線LB1,LB2,LB3で折り畳まれて、その結果、尿取りパッド1は四つ折り状態となる。
ちなみに、ここでは説明を省略したが、この四つ折り処理の直前で、包装シートの連続体を合流させて、同包装シートの連続体で、尿取りパッド1を非肌側面から覆うようにし、この包装シートの連続体ごと尿取りパッド1を上記の各折り畳み板で四つ折りする。そして、しかる後に、搬送方向の下流のエンドシール装置へと送られる。
エンドシール装置は、回転する一対のロールを有し、そのうちの一方のロールの外周面には、突起部が設けられている。そして、包装シートの連続体のうちの尿取りパッド1,1同士の間の部分がエンドシール装置を通過する際に、当該部分が上記の突起部によって挟圧されて熱溶着され、これにより、尿取りパッド1,1同士の間の部分に仕切り部が形成され、その結果、各尿取りパッド1は包装シートの連続体に個別収容された状態になる。そして、搬送方向の下流のエンドカット装置へと送られる。
エンドカット装置は、回転する一対のロールを有し、そのうちの一方のロールの外周面には、カッター刃が設けられている。よって、エンドシール装置を通過する際に、包装シートの連続体は、上記エンドシール装置で熱溶着された部分たる上記仕切り部で分断されて、これにより、四つ折り状態の尿取りパッド1が個別包装されてなる尿取りパッド1の個別包装体が生成される。
<<<尿取りパッド1の変形例について>>>
図12は、本実施形態の変形例の尿取りパッド1の説明図である。なお、同図12は、図4中のB−B断面図に相当する図である。
上述の実施形態の吸収性コア11の構造は、吸収性コア11を一つだけ有した単層構造であったが、この点につき、この変形例の吸収性コア11の構造は、図12に示すように、厚さ方向に複数の一例としての二つの吸収性コア11,11が重ね合わせられてなる二層構造である点で相違する。なお、これ以外の点は、上述の実施形態と概ね同じである。よって、以下では、上述の実施形態と同じ構成については同じ符号を付して、その説明については省略する。
図12に示すように、二つの吸収性コア11,11の各平面形状は、互いにほぼ同形であり、また、どちらの吸収性コア11,11も、その外周縁部の全周に亘って厚さ方向の肌側に突出する環状の突出部11Pを有している。そして、互いの外周縁部同士が重なるように位置合わせされながら、二つの吸収性コア11,11は、厚さ方向に重ね合わせられている。なお、ティッシュペーパー等の液透過性シートで被覆される場合には、これら二つの吸収性コア11,11が重なった状態で二つ一緒に同シートに覆われる。
そして、かかる変形例によれば、突出部11Pの吸液可能容量を高く確保しながら、着用時の突出部11Pによる違和感についても抑制することができる。詳しくは次の通りである。突出部11Pの突出高さL11Pが高い場合には、突出部11Pが着用者の股間に強く当たるなどして、着用者は違和感を感じ易い。一方、突出部11Pの突出高さL11Pを低くすると、突出部11Pの吸液可能容量が低くなる恐れがある。ここで、着用時に股間に当たるのは、最も肌側に位置する吸収性コア11だけである。よって、各吸収性コア11,11の突出部11Pの突出高さL11Pを例えば半分に低くしながら、当該突出高さL11Pを低くした吸収性コア11,11を厚さ方向に二つ重ね合わせれば、突出部11P,11Pの突出高さL11Pの合計値で概ね決まる吸液可能容量を高く維持しながら、一つの吸収性コア11の突出部11Pの突出高さL11Pで概ね決まる股間の違和感を抑制することができる。
ちなみに、この変形例では、液体吸収性素材の坪量の分布パターンを二つの吸収性コア11,11同士で互いに同じにしているが、何等これに限らず、場合によっては、相違させても良い。また、突出部11Pの突出高さL11Pについても、二つの吸収性コア11,11同士で互いに同じにしているが、何等これに限らず、場合によっては、相違させても良い。更に、吸収性コア11,11…を三つ以上厚さ方向に重ね合わせても良い。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
上述の実施形態では、下着に取り付けられて使用される吸収性物品の一例として、尿取りパッド1を挙げたが、何等これに限らない。例えば、尿に代えて経血を吸収する生理用ナプキンであっても良い。
上述の実施形態では、複数の折り曲げ線として三つの折り曲げ線LB1,LB2,LB3を例示し、これにより尿取りパッド1を四つ折りしていたが、何等これに限らない。すなわち、一つだけの折り曲げ線で折り曲げる二つ折りにしても良いし、二つの折り曲げ線で折り曲げる三つ折りにしても良いし、4つ以上の折り曲げ線で折り曲げるようにしても良い。
上述の実施形態では、図8A乃至図8Cに示すように、吸収性コア11は、その肌側面の外周縁部に沿って厚さ方向の肌側に突出する突出部11Pを有していたが、何等これに限らない。例えば、図13A乃至図13Cに示すように、吸収性コア11の肌側面の外周縁部よりも幅方向及び長手方向の若干中央側の位置に環状に突出部11Pが形成されていても良い。ちなみに、図13Aは、尿取りパッド1のうちで吸収性コア11以外のものを透視して示す概略平面図であり、図13B及び図13Cは、それぞれ図13A中のB−B断面図及びC−C断面図であって、吸収性コア11のみを示す図である。
上述の実施形態では、図8Aに示すように、吸収性コア11の形状は略矩形平板形状であり、つまり、吸収性コア11の平面形状は矩形形状であったが、何等これに限らない。例えば、図13A乃至図13Cに示すように、平面形状が略砂時計形状であっても良い。
上述の実施形態では、図8B及び図8Cに示すように、吸収性コア11の突出部11Pに係る第1突出部分11P1及び第2突出部分11P2の断面形状を、略台形形状にしていたが、何等これに限らない。例えば、略長方形や略正方形にしても良いし、または、これら以外の形状にしても良い。
上述の実施形態では、一対の第1突出部分11P1,11P1は、長手方向に平行な直線形状に形成されていたが、何等これに限らない。すなわち、湾曲形状のように、長手方向の位置に応じて幅方向の位置が変化した形状であっても良い。
上述の実施形態では、一対の第2突出部分11P2,11P2たる前側突出部分11P2及び後側突出部分11P2は、幅方向に平行な直線形状に形成されていたが、何等これに限らない。すなわち、湾曲形状のように、幅方向の位置に応じて長手方向の位置が変化した形状であっても良い。
上述の実施形態では、一対の第2突出部分11P2,11P2同士、すなわち、前側突出部分11P2と後側突出部分11P2とを互いに同形状にしていたが、何等これに限らず、互いに異なる形状にしても良い。
上述の実施形態では、後側突出部分11P2における前側の縁部11P2eaよりも後側の位置に設けられる折り曲げ線の一例として、第1折り曲げ線LB1を例示した。そして、かかる第1折り曲げ線LB1は、図9Bに示すように、上記後側の位置の一例として後側突出部分11P2の頂面11P2tに設けられており、これによって、上記の条件、すなわち、「後側突出部分11P2における前側の縁部11P2eaよりも後側の位置に設けられる」という条件を満たしていた。但し、この例では、後側突出部分11P2の断面形状は略台形形状をなしており、そして、図8Cに示すように、上記の頂面11P2tというのが、略台形形状が具備する上底と下底との両者のうちの小さい方の辺たる上底に相当している。そのため、この場合の前側の縁部11P2eaについては、見方によっては、二つの候補が存在する。すなわち、厚さ方向の肌側(上底側)に第1候補11P2ea1があり、また厚さ方向の非肌側(下底側)に第2候補11P2ea2がある。
そのため、ここで当該前側の縁部11P2eaについて説明をしておくと、前側の縁部11P2eaの候補が複数存在する場合は、広義には、より前側に位置する方の縁部が、上記の前側の縁部11P2eaに相当する。よって、上記図8Cの例のように、後側突出部分11P2の断面形状が略台形形状であって、しかも上記頂面11P2tが上底であるような略台形形状の場合には、広義には、上記の第2候補たる厚さ方向の非肌側(下底側)における縁部11P2ea2を、上記の前側の縁部11P2eaと捉えることになる。そして、その場合には、当該非肌側における縁部11P2ea2よりも後側の位置に、第1折り曲げ線LB1を設ければ良いことになる。例えば、図8Cの略台形形状の斜面の部分、すなわち、非肌側(下底側)の縁部11P2ea2と肌側(上底側)の縁部11P2ea1との間の斜面の部分に、第1折り曲げ線LB1を設定しても良いことなる。
但し、場合によっては、前側の縁部11P2eaを、次のように狭義に定義しても良い。すなわち、前側の縁部11P2eaの候補が複数存在する場合には、より後側に位置する方の縁部11P2ea1が、上記の前側の縁部11P2eaに相当するとしても良い。そして、かかる狭義の定義の場合には、より後側に位置する方の縁部11P2ea1よりも後側の位置に第1折り曲げ線LB1が設定されるため、同第1折り曲げ線LB1起因の尿漏れをより確実に防ぐことができる。
なお、後側突出部分11P2の前側の縁部11P2eaに関して説明した上記の広義・狭義の定義については、図9Bの第3折り曲げ線LB3の設置位置の場合も同様である。すなわち、同第3折り曲げ線LB3に関して、前述の前側突出部分11P2における後側の縁部11P2ebの候補が複数存在する場合は、広義には、より後側に位置する方の縁部が、上記の後側の縁部11P2ebに相当し、狭義には、より前側に位置する方の縁部が、上記の後側の縁部11P2ebに相当する。
また、この図9Bの例では、後側突出部分11P2が、幅方向に沿った直線状であったため、後側突出部分11P2の前側の縁部11P2eaも幅方向に沿った直線状であった。そのため、長手方向の位置に関して、前側の縁部11P2eaの位置は、幅方向の全幅に亘って概ね変化していなかったが、場合によっては、前側の縁部11P2eaの位置が、幅方向の位置に応じて長手方向に変化することも考えられる。例えば、図14に示すように、後側突出部分11P2を厚さ方向の肌側から見た形状が、幅方向の中央部が後方に突出したような略円弧形状の場合には、その前側の縁部11P2eaの位置が、幅方向の位置に応じて長手方向に変化している。ここで、この場合に、請求項1に係る「前側の縁部11P2eaよりも、本体部1sにおける長手方向の後側の位置」と言うのは、当然ながら、「前側の縁部11P2eaの全部よりも後側の位置」の意味である。よって、例えば、図14の円弧形状の場合には、最も後方に突出した幅方向の中央部での縁部11P2eacよりも後側の位置に、第1折り曲げ線LB1が設けられることになる。
なお、このことは、第3折り曲げ線LB3の場合も同様である。すなわち、請求項7に係る「後側の縁部11P2ebよりも、本体部1sにおける長手方向の前側の位置」と言うのは、当然ながら「後側の縁部11P2ebの全部よりも前側の位置」の意味である。
1 尿取りパッド(吸収性物品)、1s 本体部、
1sCw 中央部、
1sC 中央部、1sLe 端部、1sWe 端部、
11 吸収性コア、11C 中央部、
11P 突出部、
11P1 第1突出部分、11P1t 頂面、
11P2 第2突出部分(後側突出部分、前側突出部分)、
11P2ea 後側突出部分における前側の縁部、
11P2eac 幅方向の中央部での縁部、
11P2ea1 第1候補の縁部、11P2ea2 第2候補の縁部、
11P2eb 前側突出部分における後側の縁部、11P2t 頂面、
21 表面シート、31 裏面シート、
33 ずれ止め用粘着部、
40 防漏壁部、
41 サイドシート(シート状部材)、
41b 基端部、41b1 前端部、41b2 後端部、41b3 中間部、
41be 縁部(起立開始位置)、
41f 自由端部分、41fa 前端部、41fb 後端部、41fm 中間部分、
41s 部分、
45 弾性部材、
Aa 所定範囲(第3範囲)、Ab 範囲、
D1 分断部、D2 分断部、D3 分断部、
E 圧搾部、
E1 第1圧搾部、E2 第2圧搾部、H1 溝部、
Pb 所定位置、
Ra 前側範囲、Rb 後側範囲、Rm 中間範囲(第2範囲)、
CLL 長手方向の中央線(長手方向の中央位置)、CLW 幅方向の中央線、
LB1 第1折り曲げ線、LB2 第2折り曲げ線、LB3 第3折り曲げ線、
SP11 空間、

Claims (9)

  1. 排泄液を吸収すべく下着に取り付けられて使用され、厚さ方向と幅方向と長手方向とを有する吸収性物品であって、
    前記吸収性物品の本体部は、液体吸収性素材を含む吸収性コアを有し、
    前記吸収性コアは、前記厚さ方向の肌側を向いた面に、前記肌側に突出する突出部を有し、
    前記突出部は、前記吸収性コアにおける前記長手方向の中央部を囲む環状に形成されているとともに、前記突出部のうちの前記長手方向の各端部として、前記幅方向に延びる二つの突出部分を有し、
    前記本体部には、前記吸収性物品の前記長手方向の寸法が小さくなるようにするための折り曲げ線であって、前記吸収性物品の前記肌側を向いた面が内周側となるように前記吸収性物品を折り曲げるための前記幅方向に沿った前記折り曲げ線が、前記長手方向の少なくとも一つの位置に設定されており、
    前記二つの突出部分のうちの一方の突出部分を前側突出部分とし、他方の突出部分を後側突出部分とした場合に、
    前記後側突出部分における前記長手方向の前側の縁部よりも、前記本体部における前記長手方向の後側の位置には、前記折り曲げ線のうちの少なくとも一つの折り曲げ線が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 請求項1に記載の吸収性物品であって、
    前記長手方向の複数の位置に前記折り曲げ線が設定されるとともに、前記縁部よりも前記長手方向の後側の位置に設けられる折り曲げ線を第1折り曲げ線とした場合に、
    前記吸収性物品が前記複数の位置の折り曲げ線に基づいて折り曲げられる際に、前記第1折り曲げ線が、前記複数の位置の折り曲げ線のうちで最初に折り曲げられる折り曲げ線であることを特徴とする吸収性物品。
  3. 請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
    前記本体部は、前記長手方向の前側を着用者の腹側に対応させつつ、後側を背側に対応させながら、前記下着に取り付けられ、
    前記本体部のうちで前記厚さ方向の肌側を向いた面には、前記長手方向に沿って防漏壁部が設けられ、
    前記防漏壁部は、前記長手方向に沿って設けられたシート状部材と、前記長手方向に伸長された状態で前記シート状部材に固定された弾性部材とによって形成され、
    前記伸長された状態から前記弾性部材が収縮する際に前記シート状部材に付与される収縮力によって、前記シート状部材は前記長手方向に収縮して前記本体部の前記面から起立し、
    前記収縮力は、前記長手方向の第2範囲の全長に亘って前記シート状部材に付与されているとともに、前記第2範囲よりも前記長手方向の後側の範囲では、前記シート状部材に付与される前記収縮力の大きさが、前記第2範囲よりも小さくされており、
    前記縁部よりも前記長手方向の後側の位置に設けられる前記折り曲げ線を第1折り曲げ線とした場合に、
    前記第1折り曲げ線は、前記後側の範囲に含まれていることを特徴とする吸収性物品。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の吸収性物品であって、
    前記本体部は、前記長手方向の前側を着用者の腹側に対応させつつ、後側を背側に対応させながら、前記下着に取り付けられ、
    前記本体部のうちで前記厚さ方向の肌側を向いた面には、前記長手方向に沿って防漏壁部が設けられ、
    前記防漏壁部は、前記長手方向に沿って設けられたシート状部材と、前記長手方向に伸長された状態で前記シート状部材に固定された弾性部材とによって形成され、
    前記伸長された状態から前記弾性部材が収縮する際に前記シート状部材に付与される収縮力によって、前記シート状部材は前記長手方向に収縮して前記本体部の前記面から起立し、
    前記収縮力は、前記長手方向の第2範囲の全長に亘って前記シート状部材に付与されており、
    前記本体部のうちの前記長手方向の第3範囲であって、前記前側突出部分を含み前記前側突出部分から連続する前記第3範囲には、前記折り曲げ線のうちの少なくとも一つの折り曲げ線が含まれ、
    前記第3範囲に含まれる前記折り曲げ線は、前記第2範囲に含まれていることを特徴とする吸収性物品。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の吸収性物品であって、
    前記縁部よりも前記本体部における前記長手方向の後側の位置に設けられる折り曲げ線を第1折り曲げ線とした場合に、
    前記第1折り曲げ線は、前記後側突出部分よりも前記長手方向の後側に位置していることを特徴とする吸収性物品。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の吸収性物品であって、
    前記縁部よりも前記本体部における前記長手方向の後側の位置に設けられる折り曲げ線を第1折り曲げ線とした場合に、
    前記第1折り曲げ線は、前記後側突出部分に位置していることを特徴とする吸収性物品。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の吸収性物品であって、
    前記前側突出部分における前記長手方向の後側の縁部よりも、前記本体部における前記長手方向の前側の位置には、前記折り曲げ線のうちの少なくとも一つの折り曲げ線が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  8. 請求項7に記載の吸収性物品であって、
    前記縁部よりも前記本体部における前記長手方向の前側の位置に設けられる折り曲げ線を第3折り曲げ線とした場合に、
    前記第3折り曲げ線は、前記前側突出部分よりも前記長手方向の前側に位置していることを特徴とする吸収性物品。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載の吸収性物品であって、
    前記突出部は、該突出部のうちの前記幅方向の各端部として、前記長手方向に延びる二つの突出部分を有し、
    前記突出部分の肌側の頂面の幅寸よりも、前記後側突出部分の肌側の頂面の幅寸の方が大きいことを特徴とする吸収性物品。
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