JP2014223851A - 移動装置 - Google Patents

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今津 篤志
Atsushi Imazu
篤志 今津
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Abstract

【課題】軟弱な地面上などでの全方向移動を可能とする移動装置を提供する。【解決手段】移動装置100が、本体部11と、本体部11を支持するように本体部11に接続され、表面に回転方向に対応した螺旋状の凸部(螺旋凸部13a、13b、13c、13d)を有する回転体12a、12b、12c、12dと、回転体12a、12b、12c、12dをそれぞれ回転させる駆動部(モータ15a、15b、15c、15d)と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、移動装置に関し、特に全方向移動機構を有する移動装置に関する。
全方向移動機構を有する移動装置は、機体の向きを変えることなく直接的に各方向(XY平面における任意の方向)へ移動すること(以下、全方向移動という)が可能である。近年、全方向移動機構を用いた工場台車や電動車いすが、ナビゲーションの単純化や省スペース性の観点から研究及び実用化されている。こうした移動装置では、例えばオムニホイール又はメカナムホイールが用いられている。しかしこれらは構造が複雑であり、段差乗り越え性能が低いことから一般には屋内(工場内等)でのみ使用されている。そこで、段差乗り越え性能を向上させて瓦礫上を走行できるようにするための改良が行われている。しかし改良された装置も、依然として構造が複雑であり、多くの回転部を持つため、砂地又は水田のような軟弱な地面上を移動することは難しいと考えられる。
軟弱な地面上を走行する場合には、例えばクローラ(無限軌道)又はラグ付き車輪が用いられる。また、特許文献1には、一対の回転螺旋体により軟弱な地面上を走行する自走車が開示されている。
特開平2−310101号公報
しかしながら、クローラ又はラグ付き車輪では全方向移動を実現できない。
また、特許文献1に記載の自走車は、人が操縦する乗り物であり、1対の回転螺旋体を回転させて移動する。特許文献1では、1対の回転螺旋体を逆方向に回転させることにより車体を前進又は後退させ、1対の回転螺旋体を同一方向に回転させることによりそのままの姿勢で車体を左又は右に移動させることを想定している。しかしながら、こうした自走車において、1対の回転螺旋体を同一方向に回転させた場合の挙動は、走行面(地面)の性質や状態で決まると考えられる。例えばコンクリートのような、回転螺旋体のコイルが噛み込まない固い地面上では、上記のように車体が姿勢を変えずに左又は右に移動する。一方、コイルが噛み込む地面で1対の回転螺旋体を同一方向に回転させた場合には車体が旋回する。極端な場合、例えば水上では、車体はほとんど移動できずに旋回する。砂上でも、概ね同様の結果になる。
また、特許文献1では、1対の回転螺旋体の一方のみを回転させることにより車体を旋回させることを想定している。しかしながら、回転螺旋体のコイルが噛み込まない固い地面上で1対の回転螺旋体の一方のみを回転させた場合には、車体が横に押されて左又は右に移動すると考えられる。
このため、特許文献1に記載の自走車によっても、全方向移動を実現することはできない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、軟弱な地面上などでの全方向移動を可能とする移動装置を提供することにある。
本発明に係る移動装置は、本体部と、前記本体部を支持するように前記本体部に接続され、表面に回転方向に対応した螺旋状の凸部を有する3つ以上の回転体と、前記回転体を回転させる駆動部と、を有する。
一実施形態においては、前記3つ以上の回転体が、第1回転体、第2回転体、第3回転体、及び第4回転体を含む。前記第1回転体と前記第3回転体とは互いに対向する。前記第2回転体と前記第4回転体とは互いに対向する。前記第1回転体の回転軸、前記第2回転体の回転軸、前記第3回転体の回転軸、及び前記第4回転体の回転軸は、互いに平行である。前記第1回転体の前記凸部の螺旋の向きと前記第3回転体の前記凸部の螺旋の向きとが互いに反対である。前記第2回転体の前記凸部の螺旋の向きと前記第4回転体の前記凸部の螺旋の向きとが互いに反対である。前記第1回転体の前記凸部の螺旋の向きと前記第4回転体の前記凸部の螺旋の向きとは互いに同じである。
一実施形態においては、前記移動装置が、前記駆動部を制御する制御部を有する。ここで、回転体の回転速度をω1〜ω4、回転体の螺旋のリードをL、回転体の直径をD、本体部のX方向の速度をVx、本体部のY方向の速度をVy、本体部の旋回速度をω0、本体部の中心から回転体の中心までの距離をrとする。この場合、前記制御部は、前記本体部を移動させるときは、式「ω1=−Vx/L−Vy/(π×D)」に基づいて前記第1回転体を回転させ、式「ω2=Vx/L−Vy/(π×D)」に基づいて前記第2回転体を回転させ、式「ω3=−Vx/L+Vy/(π×D)」に基づいて前記第3回転体を回転させ、式「ω4=Vx/L+Vy/(π×D)」に基づいて前記第4回転体を回転させる。また、前記制御部は、前記本体部を旋回させるときは、前記第1回転体、前記第2回転体、前記第3回転体、及び前記第4回転体の各々を式「ω1=ω2=ω3=ω4=(ω0×r)/(π×D)」に基づいて回転させる。
一実施形態においては、前記移動装置が、前記駆動部を制御する制御部を有する。前記制御部は、所定の規則に従って前記駆動部を制御する。
一実施形態においては、前記移動装置が、前記駆動部を制御する制御部と、外部と通信する通信部とを有する。前記制御部は、前記通信部により受信した指示に従って前記駆動部を制御する。
本発明によれば、軟弱な地面上などでの全方向移動が可能になる。
本発明の実施形態に係る移動装置の外観を模式的に示す斜視図である。 図1に示される移動装置の内部構成などを模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る移動装置の回転体を模式的に示す図である。 図3Aに示される回転体を先端側から見た図である。 図3Aに示される回転体の螺旋凸部の形状を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る移動装置がX方向に移動する場合における各回転体の回転方向などを模式的に示す図である。 図5に示されるX方向の移動について、実験機の各モータの回転速度の追従性を示すグラフである。 図5に示されるX方向の移動について、実験機の位置データを示すグラフである。 図5に示されるX方向の移動について、実験機の速度データを示すグラフである。 本発明の実施形態に係る移動装置がY方向に移動する場合における各回転体の回転方向などを模式的に示す図である。 図7に示されるY方向の移動について、実験機の各モータの回転速度の追従性を示すグラフである。 図7に示されるY方向の移動について、実験機の位置データを示すグラフである。 図7に示されるY方向の移動について、実験機の速度データを示すグラフである。 本発明の実施形態に係る移動装置がXY方向(斜め方向)に移動する場合における各回転体の回転方向などを模式的に示す図である。 図9に示されるXY方向の移動について、実験機の各モータの回転速度の追従性を示すグラフである。 図9に示されるXY方向の移動について、実験機の位置データを示すグラフである。 図9に示されるXY方向の移動について、実験機のX方向の速度データを示すグラフである。 図9に示されるXY方向の移動について、実験機のY方向の速度データを示すグラフである。 本発明の実施形態に係る移動装置が旋回する場合における各回転体の回転方向などを模式的に示す図である。 本発明の他の実施形態について、通信機能及び撮像機能を有する移動装置の外観を模式的に示す斜視図である。 図12Aに示される移動装置の内部構成などを模式的に示す図である。 本発明の他の実施形態について、回転体の表面に螺旋凸部とは別の凸部が形成されている例を示す図である。 本発明の他の実施形態について、回転体の螺旋凸部が多条ねじ型の螺旋構造を有している例を示す図である。 本発明の他の実施形態について、回転体の螺旋凸部に切れ目が形成されている例を示す図である。 本発明の他の実施形態について、回転体の表面に分離した複数の螺旋凸部が形成されている例を示す図である。 本発明の他の実施形態について、回転体の形状の第1変形例を示す図である。 本発明の他の実施形態について、回転体の形状の第2変形例を示す図である。 本発明の他の実施形態について、回転体の形状の第3変形例を示す図である。 本発明の他の実施形態について、回転体の螺旋凸部の端部の変形例を示す図である。 本発明の他の実施形態について、回転体の螺旋凸部の断面形状の第1変形例を示す断面図である。 本発明の他の実施形態について、回転体の螺旋凸部の断面形状の第2変形例を示す断面図である。 本発明の他の実施形態について、回転体の螺旋凸部の断面形状の第3変形例を示す断面図である。 本発明の他の実施形態について、回転体と螺旋凸部とが一体的に形成されている例を示す断面図である。 本発明の他の実施形態について、モータが回転体に内蔵されている例を示す図である。 本発明の他の実施形態について、3つの回転体を有する移動装置を示す図である。 本発明の他の実施形態について、6つの回転体を有する移動装置を示す図である。
[移動装置の構成]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る移動装置の外観を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示す移動装置を下方(Z2側)から見た図である。
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る移動装置100は、本体部11と、回転体12a、12b、12c、12dとを有する。本実施形態では、図2に示されるように、2対の回転体(回転体12a、12cの対、回転体12b、12dの対)が平行に設けられている。本実施形態では、回転体12aの回転軸、回転体12bの回転軸、回転体12cの回転軸、及び回転体12dの回転軸が、互いに平行である。以下、地面に平行な面をXY平面と記載し、回転体の軸方向をX方向と記載し、XY平面においてX方向に直交する方向をY方向と記載する。また、XY平面に直交する方向をZ方向と記載する。
本体部11には、回転体12a、12b、12c、12dをそれぞれ回転させるモータ15a、15b、15c、15d(それぞれ駆動部)と、モータ15a、15b、15c、15dを制御する制御部16とが内蔵されている。
モータ15a、15b、15c、15dは、それぞれ回転軸としてのシャフト14a、14b、14c、14dを有し、CW(時計回り)及びCCW(反時計回り)の双方向に回転可能となっている。本実施形態では、モータ15a、15b、15c、15dが、互いに同じ性能を有し、互換性を有する。以下、モータ15a、15b、15c、15dを区別する必要がない場合(共通の性質などについて述べる場合)は、モータ15a〜15dの各々をモータ15と記載し、シャフト14a、14b、14c、14dを区別する必要がない場合は、シャフト14a〜14dの各々をシャフト14と記載する。
回転体12a、12b、12c、12dは、それぞれシャフト14a、14b、14c、14dに接続され、モータ15のシャフト14と一体に回転する。本実施形態では、回転体12a、12b、12c、12dがそれぞれ、モータ15のシャフト14を介して本体部11に接続され、本体部11の側方に位置する。
回転体12a、12b、12c、12dはそれぞれ、本体部11を支持するように本体部11に接続される。例えば移動装置100を地面に置いた状態では、本体部11は回転体12a、12b、12c、12dの各々に支持される。回転体12a、12b、12c、12dの各々の表面には、回転方向(周方向)に対応した螺旋状の凸部(螺旋凸部13a、13b、13c、13d)が形成されている。
本実施形態では、回転体12a(第1回転体)と回転体12c(第3回転体)とが本体部11を挟んで互いに対向し、回転体12b(第2回転体)と回転体12d(第4回転体)とが本体部11を挟んで互いに対向する。また、回転体12a及び12bは本体部11の一側(例えば本体部11に対してX1側)に配置され、回転体12c及び12dは本体部11の他側(例えば本体部11に対してX2側)に配置される。
本実施形態では、回転体12aの螺旋凸部13aと回転体12dの螺旋凸部13dとが左ねじと同様の螺旋構造を有し、回転体12bの螺旋凸部13bと回転体12cの螺旋凸部13cとが右ねじと同様の螺旋構造を有する。すなわち、本実施形態では、螺旋凸部13aの螺旋の向きと螺旋凸部13cの螺旋の向きとが互いに反対であり、螺旋凸部13bの螺旋の向きと螺旋凸部13dの螺旋の向きとが互いに反対である。また、螺旋凸部13aの螺旋の向きと螺旋凸部13dの螺旋の向きとが互いに同じであり、螺旋凸部13bの螺旋の向きと螺旋凸部13cの螺旋の向きとが互いに同じである。
本実施形態では、回転体12a、12b、12c、12dが、互いに同じ形状及び寸法を有する。また、螺旋凸部13a、13b、13c、13dは、螺旋凸部13a、13dと螺旋凸部13b、13cとで螺旋の向きが異なること以外は概ね同じ形態を有する。以下、回転体12a、12b、12c、12dを区別する必要がない場合(共通の性質などについて述べる場合)は、回転体12a〜12dの各々を回転体12と記載し、螺旋凸部13a、13b、13c、13dを区別する必要がない場合は、螺旋凸部13a〜13dの各々を螺旋凸部13と記載する。図3A及び図3Bに、回転体12a及び螺旋凸部13aを拡大して示す。図3Bは、図3Aに示す回転体12aを先端側から見た図である。
回転体12は基端部R101と先端部R102とから構成される。基端部R101は一定の幅(直径)を有し、先端部R102は先端に向かってテーパしている。本実施形態では、基端部R101が円筒状に形成され、先端部R102が円錐状に形成されている。
本実施形態では、回転体12が中空構造を有する。これにより、軽量化が図られる。しかしこれに限られず、回転体12は、中が詰まった構造(中実構造)を有していてもよい。また、基端部R101及び先端部R102の一方のみを中実構造にしてもよい。
本実施形態では、基端部R101と先端部R102とが別々に形成された後、接続される。しかしこれに限られず、基端部R101と先端部R102とは一体的に形成されてもよい。
本実施形態では、螺旋凸部13が一条ねじ型の螺旋構造を有する。このため、リードとピッチとが互いに同一になる。螺旋凸部13は回転体12の回転方向(周方向)に巻かれている。本実施形態では、螺旋凸部13の巻き数が例えば0.5〜2の範囲にある。ただしこれに限られず、螺旋凸部13の条数及び巻き数は任意である。
本実施形態では、螺旋凸部13の基端側の端部P11が基端部R101の一端(回転体12の基端近傍)に位置し、螺旋凸部13の先端側の端部P12が基端部R101の他端(基端部R101と先端部R102との境界付近)に位置する。ただしこれに限られず、例えば端部P12が、先端部R102に位置してもよい。
本実施形態では、螺旋凸部13の断面形状(詳しくは、延長方向に直交する断面形状)が、図4に示すように、例えば四角形である。ただしこれに限られず、螺旋凸部13の断面形状は任意である。
図2に戻って、さらに移動装置100の構成の説明を続ける。制御部16は、各モータ15を制御することにより、各回転体12の回転を制御する。制御部16は、例えばマイクロコントローラ(以下、マイコンという)から構成される。制御部16は、各モータ15を別々に独立して制御することにより、各回転体12の回転速度及び回転角度を別々に制御する。
本実施形態では、制御部16が、所定の規則に従って各モータ15を制御する。具体的には、CPU(Central Processing Unit)が、記憶装置に格納された移動軌跡に従ってプログラムを実行する。ただしこれに限られず、指定された目標物に沿って移動させてもよい。本実施形態の移動装置100によれば、人の操縦によらない無人での自動制御が可能になる。
本実施形態では、移動装置100を移動させる場合、制御部16が下記式1〜式4に基づいて各モータ15を制御する。式1〜式4は、例えばプログラムとして記述される。
(式1)ω1=−Vx/L1−Vy/(π×D1
(式2)ω2=Vx/L2−Vy/(π×D2
(式3)ω3=−Vx/L3+Vy/(π×D3
(式4)ω4=Vx/L4+Vy/(π×D4
なお、式1〜式4において、ω1、ω2、ω3、ω4はそれぞれ回転体12a、12b、12c、12dの回転速度である。L1、L2、L3、L4はそれぞれ螺旋凸部13a、13b、13c、13dのリードである。D1、D2、D3、D4はそれぞれ回転体12a、12b、12c、12dの直径である。Vxは本体部11のX方向の速度である。Vyは本体部11のY方向の速度である。πは円周率である。また、実際に移動装置100を移動させて得たデータに基づいて式1〜式4に補正係数を加えてもよい。
また、本実施形態では、移動装置100を旋回させる場合、制御部16が4つのモータ15の各々を式5に基づいて制御する。
(式5)ω1=ω2=ω3=ω4=(ω0×r)/(π×D)
なお、式5において、ω1、ω2、ω3、ω4はそれぞれ回転体12a、12b、12c、12dの回転速度である。Dは各回転体12の直径である。ω0は本体部11の旋回速度である。rは本体部11の中心から各回転体12の中心までの距離(平均値)である。πは円周率である。また、実際に移動装置100を旋回させて得たデータに基づいて式5に補正係数を加えてもよい。
必要に応じて、制御のための各種センサを設けることが好ましい。例えば各モータ15のシャフト14に、モータ15の回転角度又は回転角速度を検出するためのセンサを設けてもよい。
[実験機]
以下、図1〜図4を参照して、移動装置100を実現した実験機について説明する。
実験機では、回転体12の基端部R101を塩化ビニルのパイプで作成した。また、螺旋凸部13を発泡塩化ビニルの板で作成し、螺旋凸部13を回転体12の基端部R101に巻き付けて接着した。また、回転体12の先端部R102を発泡塩化ビニルの板で作成し、先端部R102を基端部R101に接着した。実験機では、螺旋凸部13が二条ねじ型の螺旋構造を有する(後述の図14参照)。螺旋凸部13の巻き数は0.5である。実験機では、回転体12の基端部R101の長さd21を150mmとし、基端部R101の直径d22を90mmとした。また、螺旋凸部13のリードd23を300mmとし、螺旋凸部13の突出量d24(図3A〜図4参照)を20mmとし、螺旋凸部13の厚みd25(図4参照)を2mmとした。また、回転体12の先端部R102の円錐の角度θ1(図3A参照)を45°とした。
実験機では、本体部11をアクリル板で作成した。また、この本体部11にモータ15a、15b、15c、15dを内蔵させた。各モータ15は、出力7.4W、最大トルク1.1NmのDC(直流)ブラシ付きモータである。
実験機では、32ビット、168MHzのARMコアマイコンで制御部16を構成した。各モータ15のシャフト14には、制御のために1回転18000パルスのエンコーダを設けた。
各モータ15のシャフト14に回転体12を取り付けることで、移動装置100(実験機)が完成した。移動装置100(実験機)の幅d11(詳しくは、図2に示されるように先端部R102を除く部分の幅)は、例えば600mmである。移動装置100(実験機)の長さd12(図2参照)は、例えば270mmである。また、移動装置100(実験機)を地面に置いたときの高さ(地面から本体部11の上面までの寸法)は、170mmであった。本体部11と各回転体12との間隔d13(図2参照)は、13mmとした。実験機の重さは4.2kgであった。
[動作原理]
以下、図1〜図4に併せて図5、図7、図9、及び図11を参照して、本実施形態に係る移動装置100の動作原理について説明する。また、図6、図8、及び図10を参照して、実験機により得たデータについて説明する。なお、図5、図7、図9、及び図11は、地面(図1中のZ2側)から見た図である。破線は、各回転体12が回転した後の各螺旋凸部13の位置を示している。また、移動装置100aは移動前又は旋回前の移動装置100であり、移動装置100bは移動後又は旋回後の移動装置100である。本実施形態では、X1側、Y1側への移動をそれぞれ正(+)とし、X2側、Y2側への移動をそれぞれ負(−)とする。また、モータ軸端方向から見てCWの回転を正(+)とし、CCWの回転を負(−)とする。
本実施形態の移動装置100は、各回転体12を回転させることで、移動する。例えば移動装置100が軟弱な地面上を移動する場合には、地面に螺旋凸部13が埋まりながら回転体12が回転する。移動装置100は、地面から反力(反作用による力)を受けて移動する。原理的には、送りねじ機構又はスクリューコンベア機構の固定側と移動側とを入れ替えたものに近い。すなわち、回転体12が軸方向の並進拘束によって拘束されている場合に、地面の変形がないと仮定すると、回転体12が1回転することにより移動装置100が螺旋凸部13の1リード分移動する。
回転体12は、地面に接する螺旋凸部13(詳しくは、略直線状の凸部)に平行な力を受けた場合には、基本的に地面から抗力を受けない。すなわち、抗力が発生する方向と抗力が発生しない方向(自由方向)とがある。これら2つの方向の関係は、オムニホイールの駆動方向と受動方向との関係に近い。本実施形態の移動装置100では、上記2つの方向があることにより、全方向移動が可能になる。
本実施形態では、4つの回転体12の相対距離が固定されていることで、移動装置100の自由方向の動きが構造的に定められる。詳しくは、それぞれの回転体12は自由方向には自由に動けるが、それ以外の方向への移動は螺旋凸部13により拘束される。また、移動装置100の動きは、4つの回転体12の相対距離によっても拘束される。各回転体12を回転させると、移動装置100が螺旋凸部13による拘束と回転体12同士の相対距離による拘束とを同時に満たす位置に移動する。制御部16が式1〜式4に基づいて各モータ15により各回転体12を回転させることで、移動装置100は、XY平面の任意の方向に移動することができる。また、制御部16が式5に基づいて各モータ15により各回転体12を回転させることで、移動装置100はXY平面において旋回することができる。
[X方向の移動]
図5は、本実施形態の移動装置100がX方向に移動する場合における各回転体12の回転方向などを模式的に示す。移動装置100をX方向に移動させる場合は、例えば図5に示すように、制御部16(図2)が、モータ15a、15c(図2)をそれぞれCCWに回転させ、モータ15b、15d(図2)をそれぞれCWに回転させる。各モータ15の目標角速度の大きさ(絶対値)は同じにする。本実施形態の移動装置100では、螺旋凸部13a、13dは左ねじと同様の螺旋構造を有し、螺旋凸部13b、13cは右ねじと同様の螺旋構造を有するため、上記のように各モータ15を回転させると、それに応じて各回転体12が回転し、図5に示されるように、各螺旋凸部13が力F1を地面に加えて、その反力として力F2を地面から受ける。詳しくは、回転体12aはX1側及びY1側への力F2を受け、回転体12bはX1側及びY2側への力F2を受け、回転体12cはX1側及びY2側への力F2を受け、回転体12dはX1側及びY1側への力F2を受ける。各回転体12の受ける反力(力F2)のうち、移動装置100をY方向に移動させる力は相殺される。その結果、図5に示されるように、移動装置100がX1側へ移動する。
図6A〜図6Cに、前述の実験機をX方向に移動させたときのデータを示す。
実験機を用いた実験においては、容器に乾いた土砂を入れて、実験機に土砂の上を走行させた。各モータ15の制御は、各モータ15のシャフト14に設けたエンコーダによるセミクローズドループ制御とした。移動装置100の位置や速度を測定したフィードバック制御は行わなかった。本体部11の目標速度はVx=60、Vy=0(それぞれ単位はmm/s)とし、各モータ15(又は各回転体12)の目標角速度はω1=−0.6、ω2=0.6、ω3=−0.6、ω4=0.6(それぞれ単位はround/s)とした。速度制御の制御周期は4.4msとした。
図6Aは、各モータ15の回転速度の追従性を示すグラフである。図6Aにおいて、縦軸は各モータ15の角速度であり、横軸は時間である。図6A中、線R11、R12、R13、R14はそれぞれ、モータ15a、15b、15c、15dに係る目標角速度を示し、線L11、L12、L13、L14はそれぞれ、モータ15a、15b、15c、15dに係る実験データを示す。
図6Aに示すデータから、0.2round/s程度の誤差はあるものの、概ね各モータ15の角速度を追従制御できていることが分かる。
また、走行中の実験機を上方(図1中のZ1側)からカメラで撮影して画像を記録した。そして、画像認識のパターンマッチングにより追跡して、図6Bに示すような実験機の位置データ(位置座標)を得た。また、位置データの時間差分によって、図6Cに示すような実験機の速度データを得た。なお、図6Bにおいて、縦軸はY方向の位置(Y座標)であり、横軸はX方向の位置(X座標)である。図6B中、線R21は目標軌跡を示し、線L21は画像処理によって求めた実験データを示す。また、図6Cにおいて、縦軸は実験機のX方向の速度であり、横軸は時間である。図6C中、線R22は目標速度を示し、線L22は画像処理によって求めた実験データを示す。
図6Bに示されるように、オープンループ制御であるためY方向に20mm程度のずれが生じたものの、実験機は概ねX方向に移動している。
また、図6Cに示されるように、加速後は、目標速度60mm/sに対して20mm/s程度の幅で変動しながら平均約45mm/sの速度が得られた。これは、地面の変形によるスリップが発生したためと考えられる。スリップ率は、(60−45)/60=0.25である。
[Y方向の移動]
図7は、本実施形態の移動装置100がY方向に移動する場合における各回転体12の回転方向などを模式的に示す。移動装置100をY方向に移動させる場合は、例えば図7に示すように、制御部16(図2)が、モータ15c、15d(図2)をそれぞれCCWに回転させ、モータ15a、15b(図2)をそれぞれCWに回転させる。各モータ15の目標角速度の大きさ(絶対値)は同じにする。
本実施形態の移動装置100では、螺旋凸部13a、13dは左ねじと同様の螺旋構造を有し、螺旋凸部13b、13cは右ねじと同様の螺旋構造を有するため、上記のように各モータ15を回転させると、それに応じて各回転体12が回転し、図7に示されるように、各螺旋凸部13が力F1を地面に加えて、その反力として力F2を地面から受ける。詳しくは、回転体12aはX2側及びY2側への力F2を受け、回転体12bはX1側及びY2側への力F2を受け、回転体12cはX1側及びY2側への力F2を受け、回転体12dはX2側及びY2側への力F2を受ける。
各回転体12の受ける反力(力F2)のうち、移動装置100をX方向に移動させる力は相殺される。その結果、図7に示されるように、移動装置100がY2側へ移動する。移動に際して各回転体12は車輪のように機能し、各回転体12が1回転すると、回転体12の基端部R101(円筒部)の円周長さの分、移動装置100はY方向に移動する。
また、本実施形態の移動装置100では、各回転体12の受ける反力(力F2)のうち、旋回させる力が相殺される。その結果、移動装置100はほとんど旋回せずに(すなわち姿勢を変えずに)Y方向(例えばY2側)に移動することができる。なお、回転螺旋体を2つ(例えば回転体12a及び12b)しか有していない移動装置(例えば特許文献1参照)では、回転体12aが受けるX2方向の力と回転体12bが受けるX1方向の力とは偶力となるため完全には相殺されず旋回を生じさせると考えられる。
図8A〜図8Cに、前述の実験機をY方向に移動させたときのデータを示す。実験条件は、前述したX方向の移動に関する実験と概ね同じである。ただし、この実験においては、本体部11の目標速度をVx=0、Vy=−169.5(それぞれ単位はmm/s)とし、各モータ15(又は各回転体12)の目標角速度をω1=0.6、ω2=0.6、ω3=−0.6、ω4=−0.6(それぞれ単位はround/s)とした。
図8Aは、各モータ15の回転速度の追従性を示すグラフである。図8Aにおいて、縦軸は各モータ15の角速度であり、横軸は時間である。図8A中、線R31、R32、R33、R34はそれぞれ、モータ15a、15b、15c、15dに係る目標角速度を示し、線L31、L32、L33、L34はそれぞれ、モータ15a、15b、15c、15dに係る実験データを示す。
図8Aに示されるように、加速開始後0.4秒ほど加速した後は0.1round/s程度の誤差で各モータ15の角速度を追従制御できている。
図8B、図8Cはそれぞれ、実験機の位置データ、速度データを示すグラフである。図8Bにおいて、縦軸はY方向の位置(Y座標)であり、横軸はX方向の位置(X座標)である。図8B中、線R41は目標軌跡を示し、線L41は画像処理によって求めた位置を差分して得た実験データを示す。また、図8Cにおいて、縦軸は実験機のY方向の速度であり、横軸は時間である。図8C中、線R42は目標速度を示し、線L42は画像処理によって求めた実験データを示す。
図8Bに示されるように、10mm程度のずれが生じたものの、実験機は概ねY方向に移動している。
また、図8Cに示されるように、実験機のY方向の速度に関しては、目標速度−169.5mm/sに対する誤差が30mm/s程度であった。
[XY方向の移動]
図9は、本実施形態の移動装置100がXY方向(斜め方向)に移動する場合における各回転体12の回転方向などを模式的に示す。移動装置100をXY方向(斜め方向)に移動させる場合は、例えば図9に示すように、制御部16(図2)が、モータ15a、15c(図2)をそれぞれCCWに回転させ、モータ15b、15d(図2)をそれぞれCWに回転させる。本実施形態では、モータ15a及び15dの目標角速度の大きさ(絶対値)を互いに同一とする。また、モータ15b及び15cの目標角速度の大きさ(絶対値)を互いに同一とする。そして、モータ15b、15cの目標角速度の大きさ(絶対値)をモータ15a、15dの目標角速度の大きさ(絶対値)よりも大きくする。
本実施形態の移動装置100では、螺旋凸部13a、13dは左ねじと同様の螺旋構造を有し、螺旋凸部13b、13cは右ねじと同様の螺旋構造を有するため、上記のように各モータ15を回転させると、それに応じて各回転体12が回転し、図9に示されるように、各螺旋凸部13が力F1を地面に加えて、その反力として力F2を地面から受ける。詳しくは、回転体12aはX1側及びY1側への力F2を受け、回転体12bはX1側及びY2側への力F2を受け、回転体12cはX1側及びY2側への力F2を受け、回転体12dはX1側及びY1側への力F2を受ける。図9の例では、Y1側の力F2よりもY2側の力F2の方が大きい。その結果、図9に示されるように、移動装置100がXY方向(X1側及びY2側)へ移動する。
また、本実施形態の移動装置100では、各回転体12の受ける反力(力F2)のうち、回転体12aが受ける力と回転体12dが受ける力とが等しく、また回転体12bが受ける力と回転体12cが受ける力とが等しいため、それぞれが移動装置100を旋回させる力を相殺する。その結果、移動装置100はほとんど旋回せずに(すなわち姿勢を変えずに)XY方向(例えばX1側及びY2側)に移動することができる。なお、回転螺旋体を2つしか有していない移動装置(例えば特許文献1参照)では、2つの回転体が受ける力が偶力となり旋回させる力を相殺できないため、XY方向(斜め方向)に移動する際に旋回が生じると考えられる。
図10A〜図10Dに、前述の実験機をXY方向(斜め方向)に移動させたときのデータを示す。実験条件は、前述したX方向の移動に関する実験と概ね同じである。ただし、この実験においては、本体部11の目標速度をVx=40、Vy=−10(それぞれ単位はmm/s)とし、各モータ15(又は各回転体12)の目標角速度をω1=−0.098、ω2=0.168、ω3=−0.168、ω4=0.098(それぞれ単位はround/s)とした。
図10Aは、各モータ15の回転速度の追従性を示すグラフである。図10Aにおいて、縦軸は各モータ15の角速度であり、横軸は時間である。図10A中、線R51、R52、R53、R54はそれぞれ、モータ15a、15b、15c、15dに係る目標角速度を示し、線L51、L52、L53、L54はそれぞれ、モータ15a、15b、15c、15dに係る実験データを示す。
図10Aに示されるように、各モータ15の角速度を小さな誤差で追従制御できている。
図10B〜図10Dは、実験機の位置データ又は速度データを示すグラフである。図10Bにおいて、縦軸はY方向の位置(Y座標)であり、横軸はX方向の位置(X座標)である。図10B中、線R61は目標軌跡を示し、線L61は画像処理によって求めた実験データを示す。また、図10Cにおいて、縦軸は実験機のX方向の速度であり、横軸は時間である。図10C中、線R62は目標速度を示し、線L62は画像処理によって求めた実験データを示す。また、図10Dにおいて、縦軸は実験機のY方向の速度であり、横軸は時間である。図10D中、線R63は目標速度を示し、線L63は画像処理によって求めた実験データを示す。
図10Bに示されるように、実験機は概ね目標軌跡に沿ってXY方向に移動している。
また、図10C及び図10Dに示されるように、実験機のX方向及びY方向の速度に関しては、目標速度に対する誤差が5〜10mm/s程度であった。
[旋回]
図11は、本実施形態の移動装置100が旋回する場合における各回転体12の回転方向などを模式的に示す。移動装置100を旋回させる場合は、例えば図11に示すように、制御部16(図2)が、4つのモータ15a〜15d(図2)の全てをCWに回転させる。これにより、各回転体12が車輪のように機能し、図11に示されるように、軸P0を中心に角度θ0だけ移動装置100が旋回する。
以上説明したように、本実施形態の移動装置100によれば、軟弱な地面(水田、畑地、又は沼地等)上における全方向移動が可能となる。本実施形態の移動装置100は耕耘機又は月面移動車などに適用することができる。カメラを搭載して、周囲の状況をリアルタイムで観察できるようにしてもよいし、カメラで撮った画像データを保存できるようにしてもよい。また、移動装置100に、全方位カメラ等によるナビゲーション機能を持たせてもよい。移動装置100の寸法及び材質等は用途に合わせて決めることが望ましい。
なお、上述の動作(図5〜図11参照)は、移動装置100の動作の一例にすぎない。例えば各モータ15を図5〜図11の例とは反対方向に回転させれば図5〜図11の例とは反対の方向に移動装置100が移動又は旋回する。また、螺旋凸部13a、13dを右ねじと同様の螺旋構造にして、螺旋凸部13b、13cを左ねじと同様の螺旋構造にした場合も、図5〜図11に示したように動作する。このとき、各モータ15の回転方向と移動装置100の移動方向との関係が図5〜図11の例とは逆になる。
本実施形態の移動装置100は、本体部11と、本体部11を支持するように本体部11に接続され、表面に回転方向に対応した螺旋状の凸部(螺旋凸部13)を有する3つ以上の回転体(回転体12a〜12d)と、各回転体12を回転させる駆動部(モータ15a〜15d)とを有する。こうした構成により、軟弱な地面上などでの全方向移動が可能となる。また、本実施形態の移動装置100は、旋回することもできる。
移動装置100が軟弱な地面(水田、畑地、又は沼地等)上を移動又は旋回する場合において、回転体12の先端に土又は泥などが集まると移動装置100の移動が妨げられるおそれがある。本実施形態の移動装置100では、回転体12が、先端に向かって細くなる先端部R102を有する。これにより、回転体12の先端で土又は泥などを押しのけることになり、継続的に良好な動作が維持され易くなる。
本実施形態の移動装置100は、各モータ15を制御する制御部16を有する。そして、制御部16が、所定の規則に従って各モータ15を制御する。これにより、人の操縦によらない無人での自動制御が可能になる。また、カメラ等により自己の位置及び向きを取得して自動的に位置及び向きを修正する機能を移動装置100に持たせてもよい。こうした構成にすれば、移動装置100が意図しない方向に移動又は旋回してしまった場合などに自動的に修復することが可能になる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば以下のように変形して実施することもできる。
上記実施形態において、制御部16は、通信を介して送られてくる指示に従って各モータ15を制御するものであってもよい。例えば図12A(図1に対応する図)及び図12B(図2に対応する図)に示すように、本体部11に外部との通信を可能にする通信部17を内蔵させて、本体部11上にカメラ18を設置してもよい。通信部17は、例えば移動装置と外部の通信装置(リモートコントローラ等)との双方向の無線通信を可能にする。これにより、カメラ18で撮った画像データを受け取りディスプレイ等に出力して周囲の状況をリアルタイムで確認しながら、制御部16に指示を送って各モータ15を遠隔的に制御することなどが可能になる。制御部16は、通信部17により受信した指示に従って各モータ15を制御する。携帯電話等の携帯機器によって遠隔的に移動装置を操縦できるようにしてもよい。遠隔制御は、放射能汚染地域又は月面など、人が容易に立ち入ることのできない場所で移動装置を動かす場合に有効である。
また、制御方式を任意に変更できるようにしてもよい。例えば通常時はプログラムによる自動制御を行い、異常時に遠隔制御(遠隔操作)を行うようにしてもよい。
図13に示すように、螺旋凸部13が、回転体12の一端から他端まで延設されていてもよい。螺旋凸部13が、回転体12の基端部R101だけでなく先端部R102にも存在することで、回転体12を回転させたときに土壌を掻き混ぜる効果が大きくなる。
また、図13に示すように、回転体12の表面に、螺旋凸部13とは別の凸部130を設けてもよい。図13の例では、回転体12の基端近傍に凸部130が設けられている。凸部130により、回転体12を回転させたときに土壌を掻き混ぜる効果が大きくなる。
上記実施形態において、螺旋凸部13が多条ねじ型の螺旋構造を有していてもよい。例えば図14に示すように、螺旋凸部13が二条ねじ型の螺旋構造を有していてもよい。図14の例では、螺旋凸部13が、互いに同一のリードd31を有する螺旋凸部131及び132から構成される。図14の例では、螺旋凸部13のピッチd32がリードd31の2分の1になっている。こうした構造にすることで、螺旋凸部13が密になって軟弱な土壌から反力を得やすくなる。その結果、土壌の変形によるスリップの低減が図られるようになる。
上記実施形態では、各螺旋凸部13が、切れ目のない一続きの突条になっている(図3A参照)。しかしこれに限られず、例えば図15Aに示すように、螺旋凸部13に切れ目R0が設けられていてもよい。図15Aの例では、螺旋凸部13が断続的な螺旋構造を有する。
また、螺旋凸部13は、分離した複数の螺旋凸部から構成されてもよい。例えば図15Bに示すように、螺旋凸部13が、回転体12の先端側に位置する螺旋凸部133と回転体12の基端側に位置する螺旋凸部134とから構成されていてもよい。
上記実施形態において、各回転体12の形状は任意である。例えば図16Aに示すように、先端部R102(図3A)を割愛して円筒部のみからなる回転体12にしてもよい。
また、例えば図16Bに示すように、回転体12が、基端(シャフト14との接続部)に向かって細くなる基端部R101と、先端に向かって細くなる先端部R102と、基端部R101と先端部R102との間に位置する円筒状の中間部R103とから構成されてもよい。図16Bの例では、基端部R101がテーパしていることにより、移動装置100が回転体12の回転軸方向(シャフト14の方向)に移動するときに、回転体12の基端部R101に土又は泥などが集まりにくくなる。
また、図17に示すように、回転体12の形状を多角柱(例えば六角柱)にしてもよい。回転体12の形状を多角柱にすると、静止時に側面を接地させて安定性を高めることが可能になる。また、回転体12を回転させたときに土壌を掻き混ぜる効果が大きくなる。
上記実施形態では、螺旋凸部13の突出量d24が一定になっている。しかしこれに限られず、例えば図17に示すように、突出量d24が一定でないようにしてもよい。また、例えば図18に示すように、螺旋凸部13の先端側の端部P12が、端面から徐々に突出量d24が増えるようになっていてもよい。なお、螺旋凸部13の基端側の端部P11についても、同様のことがいえる。
螺旋凸部13の形状は任意である。例えば螺旋凸部13の断面形状(詳しくは、延長方向に直交する断面形状)は、図19A〜図19C(それぞれ図4に対応する図)に示すような形状であってもよい。図19Aの例では、螺旋凸部13の先端部に丸みを帯びさせている。図19Bの例では、螺旋凸部13の断面形状が、先端に向かってテーパした台形になっている。図19Cの例では、螺旋凸部13の断面形状が、先端に向かってテーパした三角形になっている。図19Cの例では、螺旋凸部13の先端が尖っていることで、螺旋凸部13が軟弱な地面に入り込み易くなる。このため、回転体12の回転が円滑になると考えられる。
螺旋凸部13の断面形状は対称的な形状であることが好ましい。螺旋凸部13の断面形状を対称的な形状にすれば、回転体12が正回転(CW)する場合と回転体12が逆回転(CCW)する場合とで同様の動きをさせることが可能になる。正回転(CW)と逆回転(CCW)とで回転体12に異なる動きをさせるために、螺旋凸部13の断面形状を非対称の形状にしてもよい。
上記実施形態では、回転体12と螺旋凸部13とが別々に形成されている。しかしこれに限られず、例えば図20に示すように、塑性加工により、回転体12と螺旋凸部13とを一体的に形成してもよい。
回転体12を回転させる駆動部(モータ15)を本体部11に内蔵させることは必須ではない。例えば図21に示すように、モータ15a〜15dをそれぞれ回転体12a〜12dに内蔵させてもよい。
回転体12の数は3つ以上であれば任意である。例えば図22に示すように、3つの回転体12a、12b、12cを有する移動装置であってもよいし、例えば図23に示すように、6つの回転体12a、12b、12c、12d、12e、12fを有する移動装置であってもよい。
図22の例では、3つの回転体12a、12b、12cが相互に120°の角度をなして配置されている。また、回転体12a、12b、12cはそれぞれ、右ねじと同様の螺旋構造を有する。図22に示されるように、螺旋凸部13a、13b、13cの方向D101、D102、D103が互いに異なっていることで、図22に示す移動装置は、上記実施形態と同様の原理(図5〜図11参照)で動作することが可能になる。
図23に示す移動装置は、前述した回転体12a、12b、12c、12d及び螺旋凸部13a、13b、13c、13dに加えて、回転体12a及び螺旋凸部13aと同じ構造を有する回転体12e及び螺旋凸部13eと、回転体12c及び螺旋凸部13cと同じ構造を有する回転体12f及び螺旋凸部13fとをさらに有する。回転体12eは、本体部11に内蔵されているモータ15eのシャフト14eに接続され、シャフト14eと一体に回転する。また、回転体12fは、本体部11に内蔵されているモータ15fのシャフト14fに接続され、シャフト14fと一体に回転する。回転体12eと回転体12fとは、本体部11を挟んで互いに対向する。
回転体12a、12b、12eは本体部11の一側(例えばX1側)に配置され、回転体12c、12d、12fは本体部11の他側(例えばX2側)に配置される。図23に示す移動装置も、上記実施形態と同様の原理(図5〜図11参照)で動作することができる。回転体12の数を増やすと接地面積が大きくなるため、安定性が向上すると考えられる。
上記実施形態では、全てのモータ15を同じ性能にしたが、これに限られない。例えば図23の例では、モータ15a、15c、15e、15fに比べてモータ15b、15dの負荷が大きくなると考えられるので、モータ15b、15dの出力を他のモータよりも大きくしてもよい。また、必要に応じて、モータ15のシャフト14と回転体12との間にプーリを挿入して、モータ15の回転数と回転体12の回転数との比を調整するようにしてもよい。
回転体12を回転させる駆動部はモータに限られない。例えばモータ15に代えて、内燃機関など、他の原動機を用いてもよい。
上記実施形態では、各回転体12が本体部11の側方に位置する。しかしこれに限られず、各回転体12を本体部11の真下に配置してもよい。また、回転体12とは別に、螺旋凸部13を有さない回転体を設けてもよい。例えば土壌に埋まりにくくするために、又は水上でのフロートのために、螺旋なしの回転体を設けてもよい。
上記実施形態において、移動装置100の構成(構成要素、寸法、材質、形状、又は配置等)は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変更又は割愛することができる。
制御部16のプログラムに係る機能は、ハードウェア(電子回路等)によって実現してもよい。また、上記実施形態において制御部16が実行するプログラムは、CD−ROM等のコンピュータに読み取り可能な記録媒体に格納して配布可能にしてもよい。また、プログラムを通信ネットワーク上の所定のサーバに保持させ、クライアントが実行又はダウンロードできるようにしてもよい。また、OS(Operating System)とアプリケーションとの協働により所定の機能を実現する場合には、OS以外の部分のみについて配布等を可能にしてもよい。
上記実施形態又は変形例等は、任意に組み合わせることができる。用途等に応じて適切な組み合わせを選ぶことが好ましい。
本発明に係る移動装置は、軟弱な地面上を移動する耕耘機などに適用することができる。
11 本体部
12、12a〜12f 回転体
13、13a〜13f 螺旋凸部
14、14a〜14f シャフト
15、15a〜15f モータ
16 制御部
17 通信部
18 カメラ
100 移動装置
130 凸部
131〜134 螺旋凸部
P11、P12 端部
R0 切れ目
R101 基端部
R102 先端部
R103 中間部

Claims (5)

  1. 本体部と、
    前記本体部を支持するように前記本体部に接続され、表面に回転方向に対応した螺旋状の凸部を有する3つ以上の回転体と、
    前記回転体を回転させる駆動部と、
    を有する、移動装置。
  2. 前記3つ以上の回転体は、第1回転体、第2回転体、第3回転体、及び第4回転体を含み、
    前記第1回転体と前記第3回転体とは互いに対向し、
    前記第2回転体と前記第4回転体とは互いに対向し、
    前記第1回転体の回転軸、前記第2回転体の回転軸、前記第3回転体の回転軸、及び前記第4回転体の回転軸は、互いに平行であり、
    前記第1回転体の前記凸部の螺旋の向きと前記第3回転体の前記凸部の螺旋の向きとが互いに反対であり、
    前記第2回転体の前記凸部の螺旋の向きと前記第4回転体の前記凸部の螺旋の向きとが互いに反対であり、
    前記第1回転体の前記凸部の螺旋の向きと前記第4回転体の前記凸部の螺旋の向きとは互いに同じである、請求項1に記載の移動装置。
  3. 前記駆動部を制御する制御部を有し、
    回転体の回転速度をω1〜ω4、回転体の螺旋のリードをL、回転体の直径をD、本体部のX方向の速度をVx、本体部のY方向の速度をVy、本体部の旋回速度をω0、本体部の中心から回転体の中心までの距離をrとする場合、
    前記制御部は、
    前記本体部を移動させるときは、
    式「ω1=−Vx/L−Vy/(π×D)」に基づいて前記第1回転体を回転させ、
    式「ω2=Vx/L−Vy/(π×D)」に基づいて前記第2回転体を回転させ、
    式「ω3=−Vx/L+Vy/(π×D)」に基づいて前記第3回転体を回転させ、
    式「ω4=Vx/L+Vy/(π×D)」に基づいて前記第4回転体を回転させ、
    前記本体部を旋回させるときは、
    前記第1回転体、前記第2回転体、前記第3回転体、及び前記第4回転体の各々を式「ω1=ω2=ω3=ω4=(ω0×r)/(π×D)」に基づいて回転させる、請求項2に記載の移動装置。
  4. 前記駆動部を制御する制御部を有し、
    前記制御部は、所定の規則に従って前記駆動部を制御する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の移動装置。
  5. 前記駆動部を制御する制御部と、
    外部と通信する通信部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記通信部により受信した指示に従って前記駆動部を制御する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の移動装置。
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JP2019058131A (ja) * 2017-09-27 2019-04-18 井関農機株式会社 苗移植機

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