JP2014223092A - バイタル計測器 - Google Patents

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    • A61B5/113Measuring movement of the entire body or parts thereof, e.g. head or hand tremor, mobility of a limb occurring during breathing

Abstract

【課題】被検者が載置される流体袋の小型化が図られるとともに、流体袋の小型化に関わらず、呼吸数を精度よく計測することが可能な携帯性に優れたバイタル計測器を提供する。
【解決手段】バイタル計測器10は、流体が封入された流体袋20と、流体袋に載置された被検者の呼吸運動に伴う流体袋内の圧力の変動を流体を介して検知する検知部50と、検知部の検知結果に基づいて被検者の呼吸数を計測する計測部52と、流体袋に連通され、流体袋と検知部との間において流体を流通可能に保持する送流路40と、流体袋への被検者の載置に伴う送流路の変形を防止する変形防止部60と、を有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、被検者の呼吸数を計測するためのバイタル計測器に関する。
肺炎や尿路感染症等の感染症は、現在、高齢者の死亡原因の上位を占めている。一般に、高齢者における感染症は発熱などの症状に乏しいケースも多く、対処の遅れによる重症化・死亡例も少なくなく問題となっている。このため、早期発見による治療の開始が重要とされている。肺炎に関しては、通常、医師が聴診器で胸部の音を聞くことにより鑑別が可能であり、胸部X線検査を行うことで、より確実に診断を行うことができる。尿路感染症については、血液検査や尿の培養、腹部CT検査、腹部エコー検査等を行うことで、診断することが可能である。つまり、感染症は、適切な検査設備のもとで医師等による診断を受ければ、重症化を回避することが可能な疾患であるといえる。しかしながら、上記のような検査設備を備え、医師が常駐している病院や特定の介護施設等の場合には、早期診断が可能であるが、在宅介護を受けている高齢者や、一般の介護施設、あるいは、医療過疎地域にいる高齢者等の場合には、そもそもこのような診断を早期に受けることは困難である。
検査設備がなく、判断する医師もいない状況下では、介護者等が肺炎や尿路感染症の兆候を日常のバイタル変動から鑑別しなければならないが、介護者等がそのような判断まで行うことは容易ではない。実際には、感染症の疑いがあると判断した場合であっても、重症度に関する十分な判断をすることが困難であり、しばらく様子を見てから対応することも少なくない。このようなことから、上述のような介護現場や医療過疎地域では、介護者等でも簡単に測定を行うことができ、かつ、容態悪化を早期に判断することが可能な医療機器が求められている。
近年、肺炎や尿路感染症等の感染症の早期の発見にあたり、呼吸機能評価に着目した診断方法が試みられている。呼吸機能の中において呼吸数は、体温、血圧、脈拍とともに基礎バイタルに数えられ、患者(被検者)の容態を判断する上で非常に重要な項目とされている。健常者の呼吸数は20回/分程度とされ、25回/分を超えると頻呼吸として扱われ、特に感染症診断において重要とされ、被検者の重篤度を判断する上で有用な指標とされている。具体的には、肺炎の重症度診断基準であるPort Score(非特許文献1を参照)及びCURB−65(非特許文献2を参照)では、呼吸数≧30回/分が重症度判断基準の項目として取り上げられている。
呼吸を計測する機器としては、感染症を頻発する高齢者の多くが寝たきりであることを理由に、特許文献1および特許文献2に記載されているように、空気が封入された空気袋に被検者を載置させ、患者の呼吸運動に伴う体振動を空気袋内の空気圧の変化に基づいてセンサが検知し、この検知結果から呼吸数が計測されるマットレスタイプの呼吸数計測器が提案されている。
特許文献1および特許文献2に記載の呼吸数計測器においては、比較的大きな面積の空気袋上に患者を載置させる設計となっており、空気袋をベッドに常設させる構造が採用されている。空気袋が大型化されているため、運搬および設置に手間がかかり、呼吸数計測器を使用するユーザーの利便性の低下が招かれている。このように、従来の呼吸数計測器は、入院患者の基礎バイタルとして呼吸数を日常的に管理する用途や、患者の症状の急変時に呼吸数を簡易的に計測する用途に適した仕様となっていない。このため、空気袋が小型化され、携帯性の向上が図られた呼吸数計測器の開発が望まれている。
「The New ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE」、1997、Vol.336、p.243−250 「Thorax」、2001、Vol.56、p.296−301
特開2001−145605号公報 特開2001−276019号公報
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に記載の呼吸数計測器において空気袋の小型化を図ると、以下のような問題が生じる。
呼吸数計測器は、空気袋内の圧力の変動をセンサへ伝達することによって体振動を検知し、この検知結果に基づいて呼吸数を計測する。空気袋は、空気袋から導出されたホース等の送気ラインを介して空気袋外部に設置されたセンサや計測機器本体部に接続される。このため、空気袋を小型化した場合、送気ラインは空気袋とともに被検者の身体下に位置させられる。被検者の身体の一部が送気ラインに載せられたり、接触させられたりすると、送気ラインに荷重が付与され、送気ラインの変形が招かれる。被検者の荷重によって送気ラインに過度な変形が招かれると、ノイズが発生し、計測精度が低下させられる。特に、空気袋を小型化した場合、空気袋が検知する呼吸運動が相対的に少なくなるため、このようなノイズの影響が深刻なものとなる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、被検者が載置される流体袋の小型化が図られるとともに、流体袋の小型化に関わらず、呼吸数を精度よく計測することが可能な携帯性に優れたバイタル計測器を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記のいずれかの手段によって達成される。
(1)被検者が載置される載置部が流体の封入された流体袋によって構成されており、前記載置部に載置された前記被検者の呼吸数を計測するためのバイタル計測器であって、
前記流体袋と、
前記流体袋に載置された前記被検者の呼吸運動に伴う前記流体袋内の圧力の変動を前記流体を介して検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいて前記被検者の呼吸数を計測する計測部と、
前記流体袋に連通され、前記流体袋と前記検知部との間において前記流体を流通可能に保持する送流路と、
前記流体袋への前記被検者の載置に伴う前記送流路の変形を防止する変形防止部と、を有するバイタル計測器。
(2)前記変形防止部は、前記流体袋の載置部と前記送流路との間に設けられた前記流体袋の厚み方向の段差を有する上記(1)に記載のバイタル計測器。
(3)前記送流路は、前記流体袋の裏面側に設けられる上記(1)または上記(2)に記載のバイタル計測器。
(4)前記送流路において前記被検者が向かい合わせられる側に位置する上面側の断面形状は、平坦な平面形状に形成され、
前記送流路において前記上面側に対向して位置する下面側の断面形状は、前記上面側と反対側に突出した凸形状に形成される上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のバイタル計測器。
(5)前記流体袋の裏面側に配置され、前記流体袋を支持する支持部材をさらに有する上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のバイタル計測器。
(6)前記流体袋は、前記流体袋の表面を形成する第1の樹脂製シート材および前記流体袋の裏面を形成する第2の樹脂製シート材を有し、前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材の間に前記流体が封入保持される空間部および前記送流路がそれぞれ区画形成される上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のバイタル計測器。
(7)前記第1の樹脂製シート材において前記送流路を形成する部位は、前記第2の樹脂製シート材において前記送流路を形成する部位よりも弾性変形し難く形成される上記(6)に記載のバイタル計測器。
(8)上記(6)または上記(7)に記載のバイタル計測器に用いられる流体袋を製造する方法であって、
前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材を重ね合わせた状態で前記第1の樹脂製シート材側から熱を付与することによって前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材とを熱融着し、前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材の間に前記空間部を区画形成する工程と、
前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材を重ね合わせた状態で前記第2の樹脂製シート材側から熱を付与することによって前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材とを熱融着し、前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材の間に前記送流路を区画形成する工程と、を有する流体袋の製造方法。
(9)上記(6)または上記(7)に記載のバイタル計測器に用いられる流体袋を製造する方法であって、
前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材を重ね合わせた状態で前記第1の樹脂製シート材において前記空間部が形成される部位を前記流体袋の表面側に凸状に湾曲させつつ前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材とを接合し、前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材の間に前記空間部を区画形成する工程と、
前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材を重ね合わせた状態で前記第2の樹脂製シート材において前記送流路が形成される部位を前記流体袋の裏面側に凸状に湾曲させつつ前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材とを接合し、前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材の間に前記送流路を区画形成する工程と、を有する流体袋の製造方法。
本発明のバイタル計測器によれば、被検者の呼吸運動に伴う体振動を伝達させるための流体を流通させる送流路に過剰な変形が招かれることを防止することによって、流体袋の小型化に起因するノイズの発生を防止することができる。これにより、呼吸数を精度良く計測することが可能な携帯性に優れたバイタル計測器を提供することができる。
図1は、実施形態に係るバイタル計測器の使用状態を模式的に示す図であり、図1(A)は、斜視図、図1(B)は、側面図である。 図2は、バイタル計測器の全体構成を示す図であり、図2(A)は、バイタル計測器の平面図、図2(B)は、バイタル計測器の側面図である。 図3は、バイタル計測器の要部を示す図であり、図3(A)は、流体袋および送流路の部分拡大図、図3(B)は、図3(A)の3B−3B線に沿う断面図、図3(C)は、図3(A)の3C−3C線に沿う断面図である。 バイタル計測器の計測システムを簡略化して示すブロック図である。 バイタル計測器の本体部の機能を説明するための図であって、表示部周辺を拡大して示す図である。 図6は、バイタル計測器が備える流体袋の製造方法を説明するための図であって、図6(A)は、流体袋の製造に用いられる樹脂製シート材を示す平面図、図6(B)は、樹脂製シート材の接合部位を説明するための平面図である。 図7は、バイタル計測器が備える流体袋の製造方法を説明するための図であって、図7(A)は、接合が行われる前の状態の樹脂製シート材の断面図、図7(B)は、図6(B)に示す7B−7B線に沿う断面図、図7(C)は、図6(B)に示す7C−7C線に沿う断面図である。 図8は、流体袋の製造方法の変形例を説明するための図であって、図8(A)は、樹脂製シート材の接合部位を説明するための平面図、図8(B)は、図8(A)に示す8B−8B線に沿う断面図、図8(C)は、図8(A)に示す8C−8C線に沿う断面図である。 図9は、流体袋の変形例を説明するための図であって、図9(A)は、変形例に用いられる樹脂製シート材を示す平面図、図9(B)は、変形例に係る流体袋の断面図である。 図10は、変形防止部の変形例を説明するための図であって、図10(A)は、流体袋および送流路の部分拡大図、図10(B)は、図10(A)の10B−10B線に沿う断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施形態に基づいて説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係るバイタル計測器10の使用例を示す。バイタル計測器10は、例えば、ベッドやマットレスなどに横たえさせられた状態の被検者90に使用され、被検者90の基礎バイタルとしての呼吸数を計測することを可能にする。使用対象となる被検者90は、例えば、在宅介護を受けている高齢者、肺炎や尿路感染症等の感染症を患った臥位患者などである。
実施形態に係るバイタル計測器の各構成について説明する。
実施形態に係るバイタル計測器10は、概説すれば、被検者が載置される載置部が流体の封入された流体袋によって構成されており、流体袋に載置された被検者の呼吸数を計測することを可能にするものである。図2および図3を参照して、バイタル計測器10は、流体袋20と、流体袋20に載置された被検者90の呼吸運動に伴う流体袋20内の圧力の変動を流体を介して検知する検知部50と(図2(B)を参照)、検知部50の検知結果に基づいて被検者90の呼吸数を計測する計測部52と、流体袋20に連通され、流体袋20と検知部50との間において流体を流通可能に保持する送流路40と、流体袋20への被検者90の載置に伴う送流路40の変形を防止する変形防止部60と、を有している。また、流体袋20の裏面27には、流体袋20を支持する支持部材70を設けている。
本実施形態の説明において、流体袋20の表面25とは、バイタル計測器10を使用する際に被検者90が向かい合わせられる側の面であり、流体袋20の裏面27とは、被検者90が横たえられるベッドやマットレスが向かい合わせられる側の面である。図3(B)において、表面25は図中上側に示され、裏面27は図中下側に示される。
図1に示す破線部は、バイタル計測器10の使用時における流体袋20の設置位置を例示している。バイタル計測器10の流体袋20は、例えば、被検者90の背部または腰部が載置されるように被検者90の背中側に配置される。
図3(A)〜(C)を参照して、流体袋20は、内部に流体を封入し得るシート状の部材から構成されている。実施形態においては、2枚の樹脂製シート材81、85によって流体袋20が構成されている。樹脂製シート材として、流体袋20の表面25を形成する第1の樹脂製シート材81と、流体袋20の裏面27を形成する第2の樹脂製シート材85を使用している(図6をも参照)。重ね合わせた2枚の樹脂製シート材81、85は互いに接合されており、樹脂製シート材81、85の間には流体が封入保持される空間部29が区画形成される。空間部29および送流路40は、互いに連通して構成される。樹脂製シート材を用いた流体袋の製造方法は、後述する。
流体袋20の材質は特に限定されず、例えば、気密性を有する柔軟なゴム、プラスチック、布材等を使用することができる。
流体袋20は、比較的小型に形成されており、外周部分の一辺がそれぞれ3cm、15cm程度であり、最大膨張時の厚みが1cm程度である。
流体袋20内に封入される流体には、例えば、空気・水・オイル・高分子ゲルなどを使用することができる。
流体袋20の載置部23は、流体袋20の表面25の一部によって構成される。このため、載置部23は、流体袋20の表面25を形成する第1の樹脂製シート材81と同様の材質、かつ、同様の厚みを備えている。
変形防止部60は、流体袋20の載置部23と送流路40との間に設けられた流体袋20の厚み方向(図3(B)の上下方向)の段差61によって構成されている。バイタル計測器10の未使用時における載置部23の外表面は、送流路40の上端部分よりも高い位置に配置される。載置部23の外表面の高さと送流路40の上端部分の高さとの間の寸法差によって段差61が形成されている。
変形防止部60は、被検者90の荷重が送流路40に過剰に付与されること防止するために設けられる。送流路40は、流体袋20とセンサ51が収容された収容部39を備える本体部30との間に配置されている(図2(A)、(B)を参照)。送流路40は、流体袋20内に封入された流体を介して、流体袋20内の圧力の変動をセンサ51へ伝達するために設けられている。例えば、被検者90の荷重によって送流路40につぶれやキンクなどの変形が生じると、送流路40の断面積が小さくなる。また、送流路40に付与された被検者90の荷重が除かれると、送流路40は元の形状に復元し、断面積も元の大きさに戻る。このような送流路40の断面積の減少、増加が計測の最中に繰り返されると、センサ51に伝達される圧力は、呼吸運動以外の理由によって変動させられる。被検者90の載置に伴う送流路40の変形がノイズを発生させる原因となるため、本来検知すべき呼吸運動に伴う体振動をセンサ51が精度良く検知することができなくなり、正確な呼吸数を計測することが困難になる。特に、小型の流体袋20が使用される場合、送流路40は被検者90の身体下に配置されることが多くなり(図1(A)を参照)、送流路40のつぶれやキンクが発生し易くなる。例えば、呼吸数を計測するための計測回路にノイズによる影響を低減させるような計測システムを予め組み込むことも可能ではあるが、計測システムの複雑化や計測システムの複雑化に伴う計測器の製造コストの増加などが招かれる虞があるため、このような方法でノイズ対策を行うことは望ましくない。そこで、バイタル計測器10にあっては、簡便な構成の変形防止部60を設けることにより、送流路40が身体下に配置されるような場合においても、送流路40に過剰な変形が招かれることを防止し、信頼性の高い計測結果を取得することを可能にしている。
図3(B)に示すように、送流路40は、流体袋20の裏面27側に設けることが可能である。このように送流路40を設置することにより、流体袋20に載置された被検者90の荷重が送流路40に直接的に付与されることを防止することが可能になる。また、送流路40を流体袋20の裏面27側に設ける場合、送流路40は、例えば、支持部材70内に埋設させることができる。支持部材70は、送流路40に付与される衝撃を緩和したり、被検者90が送流路40上に不用意に載置されるような場合に送流路40につぶれやキンクが生じたりすることを好適に防止する。したがって、送流路40を支持部材70内に埋設させることによってノイズの発生をより確実に防止することが可能になる。
送流路40において被検者90が向かい合わせられる側に位置する上面41は、平坦な平面形状に形成されている(図7(C)を参照)。また、送流路40において上面41に対向する下面42は、上面41と逆側(図7(C)中の下側)に突出した凸状に形成されている。送流路40の断面形状をこのように形成することにより、バイタル計測器10の使用時に、送流路40全体が、被検者90が位置させられる上面41側へ突出した形状となることが防止されるため、送流路40に付与される荷重が低減される。なお、流体袋20内に所定量の流体を封入させ、かつ、流体袋20と検知部50とを送流路40によって気密・液密に連結した状態においては、送流路40に対して被検者90の荷重が過剰に付与されない限り、送流路40は図7(C)に示された所定の断面形状を維持する。このため、計測時には、流体袋20と検知部50との間において圧力の変動を円滑に伝達させることが可能である。
図3(C)に示すように、流体袋20の載置部23は、例えば、表面25側に湾曲した曲面形状に形成することが好ましい。計測の際、流体袋20の載置部23に被検者90の荷重が優先的に付与されることにより、被検者90の呼吸運動を載置部90側で効率的に検知することが可能になるためである。また、送流路40側に付与される荷重を低減させることも可能になる。
支持部材70には、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル等の高分子シートを使用することができ、また、ラテックス製のバルーン、スポンジ、ゲルなどのように弾性的に流体袋20を支持し得る材質のものも使用することができる。なお、バルーンを使用する場合には、流体注入口(図中省略する)を介してバルーン内部に空気や水等の流体を注入させて膨張させる。また、使用後は、バルーン内部に注入した流体を排出させ、しぼませた状態の流体袋20とともにバルーンをケース内などに収納して持ち運ぶことも可能である。
支持部材70は、流体袋20をベッド側から押し上げるように支持して、載置部23と被検者90の接触を安定させる機能を発揮する。被検者90に対して載置部20が安定的に保持されるため、被検者90が寝返りするような場合においても、被検者90と載置部23との間で位置ずれが生じることを防止することができる。また、支持部材70が弾性材料の場合においては、被検者90の荷重によって変形するため、流体袋20に載置された被検者90の身体に付与される負荷を低減することができる。
図2を参照して、バイタル計測器10は、呼吸数および呼吸波形を表示させる表示部32としてのディスプレイを備える本体部30をさらに有している。本体部30は、筺体31と、検知部50と、計測システムを統括的に制御する制御部53と、表示内容の切替え等を操作するための各種の操作スイッチとを備えている。
筺体31の材料には、例えば、電子機器類のハードカバーに一般的に用いられる硬質のプラスチック材料などが使用される。
流体袋20内の圧力の変動を検知するための検知部50は、流体の圧力変動を経時的に捉えるセンサ51と、センサ51を収容する収容部39とによって構成されている。収容部39は、本体部30の筐体31内に設けられた所定の収容空間によって構成されており、流体が流通可能な送流チューブ54を介して送気路40に連通されている。
送流チューブ54は、流体袋20と本体部30との間の距離を延長させ、バイタル計測器10を使用するユーザーの利便性を向上するために設けられている。
送流チューブ54の材質は、液体や気体などの流体を流通させることが可能であれば特に限定されない。例えば、樹脂製やナイロン製のチューブを送流チューブ54に使用することができる。
流体袋20上に載置された被検者90が呼吸運動の呼気を行うと、送流路40および送流チューブ54を通じて収容部39内へ圧力の変動が伝達される。収容部39内に保持されたセンサ51は、この圧力の変動を経時的に検知し、圧力の変動を電気信号(呼吸波形信号)に変換する。電気信号は、制御部53へ送信される(図4を参照)。また、流体袋20上に載置された被検者90が呼吸運動の吸気を行う場合にも、呼気を行う場合と同様に、送流路40および送流チューブ54を通じて収容部39内へ圧力の変動が伝達される。この圧力の変動が電気信号に変換され、制御部53へ送信される。制御部53は、センサ51が検知した検知結果に基づいて演算処理を実行し、呼吸数を計測する。
センサ51には、流体圧の検知に用いられる公知の無指向性マイクロフォンを使用しているが、これに限定されず、圧力センサ、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride)センサやEMFiTセンサに代表される各種圧電フィルム及び圧電シート、歪みゲージなどを流体の特性に合わせて適宜使用することが可能である。なお、センサ51と制御部53との間で行われる電気信号の送受信は、リード線や一般的な電気ケーブルを用いた送受信方法、無線方式による送受信方法などの公知の方法を採用することが可能である。
図4を参照して、本体部30が備える制御部53は、センサ51から送信された圧力変動の検知結果に基づいて各種演算処理を行う演算処理部と、表示部32に表示される内容を制御する表示制御部と、センサ51、演算処理部、表示制御部のそれぞれを制御する制御回路と、を有している。本実施形態においては、制御部53が備える演算処理部が、呼吸数を計測する計測部52として機能する。
演算処理部は、センサ51から送信された電気信号から呼吸波形を生成して呼吸数を予測演算するプログラムを格納したROMと、呼吸波形および呼吸数を時系列で記憶するためのRAMと、所定の音声データ等を格納したEEPROMと、を有している。演算処理部は、センサ51によって得られた圧力変動の検知結果に対して種々の演算処理を実行する。また、演算処理部は、呼吸数の計測以外にも、呼吸数を表示部32に表示させるように表示制御部53の制御を行ったり、音声出力部から警告アラームを発する動作の制御を行ったりする。
図5を参照して、本体部30に設けられた電源スイッチ33は、バイタル計測器10の電源のオン/オフを操作するためのものである。モード切替えスイッチ35は、リアルタイム計測モードと、メモリデータ閲覧モードとを切り替えるために使用される。リアルタイム計測モードを使用する場合には、例えば、警告アラーム機能が併用される。予め設定した呼吸数を超える呼吸数が計測されたときには、警告音を発して、ユーザーにバイタル異常の発生を早期に知らせることが可能になっている。警告アラームは、例えば、呼吸数が30回/min以上に達したときや、8回/min以下に達したときに警告音が発せられるように設定することが好ましい。健常者の呼吸数は15〜20回/min程度とされており、30回/minを越える場合には重篤と判断されるためである。
波形確認スイッチ37は、RAMに記憶された呼吸波形を確認するためのものである。メモリデータ閲覧モードにおいて、左右それぞれの波形確認スイッチ37を押すことで、計測開始時の波形から計測終了時における波形を時系列に沿ってディスプレイに表示することが可能になっている。
ディスプレイの右端には、呼吸波形とともに呼吸数を表示することが可能になっている。図示されるように、例えば、1分間における呼吸数(RR:Respiratory Rate)が表示される。呼吸数は、計測開始から所定の時間(図中の編み掛け部分。例えば、15秒程度。)でサンプリングしたデータに基づいて算出され、表示部32の右端にリアルタイムで表示させることが可能になっている。
次に、実施形態に係る流体袋の製造方法について説明する。
図6(A)に示すように、流体袋20は、略矩形の第1の樹脂製シート材81および略矩形の第2の樹脂製シート材85の2枚の樹脂製シート材によって製造される。樹脂製シート材にはウレタン製のシート材を使用しているが、シート材の材質は特に限定されない。例えば、ポリエチレン製シート材、シリコン製シート材、合成ゴム製シート材、FRP製シート材などを使用することが可能である。また、それぞれ異なる材質の樹脂製シート材を第1の樹脂製シート材81、第2の樹脂製シート材85に使用することも可能である。
図7(A)を参照して、流体袋20の製造に際し、第1の樹脂製シート材81と第2の樹脂製シート材85を重ね合わせる。
次に、第1の樹脂製シート材81側から熱を付与することによって第1の樹脂製シート材81と第2の樹脂製シート材85を融着する工程と、第2の樹脂製シート材85側から熱を付与することによって第1の樹脂製シート材81と第2の樹脂製シート材85を融着する工程を実施する。
図6(B)には、熱を付与する部位が例示される。図中の実線82は、第1の樹脂製シート材81側から熱が付与される部位を示し、図中の破線86は、第2の樹脂製シート材85側から熱が付与される部位を示す。なお、第1の樹脂製シート材81側から熱を付与する工程、および第2の樹脂製シート材85側から熱を付与する工程は、いずれの工程から実施されてもよく、また各工程を交互に実施することも可能である。
図7(B)を参照して、第1の樹脂製シート材81側から熱を付与することにより、第1の樹脂製シート材81と第2の樹脂製シート材85の間に流体を封入保持するための空間部29を区画形成する。
第1の樹脂製シート材81および第2の樹脂製シート材85への熱の付与には、公知の熱融着機100を使用することができ、例えば、第1の樹脂製シート材81および第2の樹脂製シート材85に加圧力および熱を同時に付与することが可能な熱プレス機が利用される。なお、熱融着機の種類は、特に限定されず、レーザによって熱を付与する熱融着機、コイルなどによって熱を発生させる電気式の熱融着機、超音波などによって熱を付与する超音波式の熱融着機を使用することも可能である。
第1の樹脂製シート材81側から熱を付与することによって、第1の樹脂シート材を部分的に引き伸ばす。第1の樹脂製シート材81の引き伸ばされた部位は、他の部位よりも薄肉になる。したがって、流体袋20内に流体が封入されると、薄肉な部位が優先的に拡張され、流体袋20が構成する載置部23は、図示されるように上側に湾曲した曲面形状を形成する。
第2の樹脂製シート材85側から熱を付与することにより、第1の樹脂製シート材81と第2の樹脂製シート材85の間に送流路40を区画形成する(図7(C)を参照)。第2の樹脂製シート材85側から熱を付与することによって、第2の樹脂製シート材85を部分的に引き伸ばす。第2の樹脂製シート材85の引き伸ばされた部位、すなわち送流路40の下面42に相当する部位は、送流路40の他の部位よりも薄肉に形成される。送流路40内を流体が流通する際には、薄肉な下面42が拡張される。したがって、送流路40の下面42は、図示されるように下側に突出した凸形状を形成する。一方、第2の樹脂製シート材85において、第1の樹脂製シート材85に向かい合わせられる部位のうち、送流路40の上面41に相当する部位は、平坦な平面形状に形成される。
以上のような流体袋20の製造方法によれば、流体が封入保持される空間部29、および空間部29に連通される送流路40が2枚の樹脂製シート材81、85の間に一体的に区画形成された流体袋20を製造することができる。そして、流体袋20の載置部23は、湾曲した曲面形状に形成される。また、送流路40の断面形状は、上面41が平坦な平面形状に形成され、下面42が送流路40の下側に突出した凸形状に形成される。さらに、載置部23と送流路40との間には、送流路40の変形を防止する段差61が形成される。
上述したように、本実施形態に係るバイタル計測器10によれば、被検者90の呼吸数を計測する際、送流路40に付与される被検者90の荷重を変形防止部60が低減することよって、送流路40に過剰な変形が招かれることを防止することができる。これにより、流体袋20の小型化に起因するノイズの発生を防止することができる。よって、流体袋20の小型化に関わらず、呼吸数を精度よく計測することが可能な携帯性に優れたバイタル計測器10を提供することできる。
また、流体袋20の載置部23と送流路40との間に設けられた流体袋20の厚み方向の段差61によって変形防止部60を構成させることにより、送流路40に付与される荷重を低減する構造を機械的な簡便な構造によって実現することができるため、変形防止部60の設置に伴うコストの増加や装置構成の煩雑化を抑えることができる。
また、流体袋20の裏面27側に送流路40を設けることにより、送流路40につぶれやキンクが生じることを好適に防止することができる。
また、送流路40において被検者90が向かい合わせられる側に位置する上面41の断面形状を平坦な平面形状に形成し、送流路40の下面42を上面41と逆側に突出した凸形状に形成しているため、送流路40に対して送流路40の上面41側から過剰な荷重が付与されることを防止することができる。
また、流体袋20の裏面27側に支持部材70を設けることにより、被検者90に対して載置部23を安定的に保持させることができるため、計測の最中に、被検者90と載置部23との間で位置ずれが生じることを防止することができる。さらに、支持部材70が弾性部材の場合においては、被検者90の荷重によって変形するため、バイタル計測器10の使用時に身体に付与され得る負荷を低減することができる。
また、流体袋20を構成する部材に第1の樹脂製シート材81および第2の樹脂製シート材85を利用し、第1の樹脂製シート材81と第2の樹脂製シート材85の間に流体を封入保持する空間部29を形成し、この空間部29と送流路40を一体的に構成させているため、流体袋20の製造工数を減少させることができ、製造コストの削減を図ることができる。製造コストの削減を通じて、バイタル計測器10の製造コストの削減を図ることができる。
また、流体袋20の表面25を形成する第1の樹脂製シート材81側から熱を付与することによって第1の樹脂製シート材81と第2の樹脂製シート材85を融着する工程と、流体袋20の裏面27を形成する第2の樹脂製シート材85側から熱を付与することによって第1の樹脂製シート材81と第2の樹脂製シート材85を融着する工程とによって流体袋20を製造することにより、送流路40の変形に伴うノイズの発生を好適に防止することが可能な流体袋20を提供することができる。
(流体袋の製造方法の変形例)
上述した実施形態では、所定の表面形状の載置部23および所定の断面形状の送流路40を形成する方法として、第1の樹脂製シート材81と第2の樹脂製シート材85に対して熱融着を行う方法を説明したが、熱融着による製造方法以外にも、次に説明する製造方法によって所定の形状を備える流体袋20を製造することが可能である。
図8(A)には、重ねた状態の2枚の樹脂製シート材81、85が示される。なお、各樹脂製シート材81、85には、上述した実施形態と同様の材質のものを使用することができる。
図8(A)、(B)を参照して、第1の樹脂製シート材81は、空間部29が形成される部位を流体袋20の表面25側に湾曲させた状態で接合させる。この状態で接合させることにより、第1の樹脂製シート材81と第2の樹脂製シート材85との間に空間部29を区画形成させる。被検者90が載置される載置部23は、流体袋20の表面25側に湾曲した曲面形状に形成される。
接合は、熱融着による方法に限らず、公知の接着剤を利用した方法などで行うことが可能である。接合に用いる接着剤として、例えば、熱硬化性樹脂を用いた接着剤、熱可塑性樹脂を用いた接着剤、エラストマー系樹脂を用いた接着剤、ホットメルト系樹脂を用いた接着剤などの公知の接着剤を用いることができる。
図8(A)、(C)を参照して、第2の樹脂製シート材85は、送流路40が形成される部位を流体袋20の裏面27側に湾曲させた状態で接合させる。接合方法は、上記と同様に、熱融着に限らず、公知の接着剤を利用した接合方法を採用することができる。この状態で接合させることにより、第1の樹脂製シート材81と第2の樹脂製シート材85との間に送流路40を区画形成する。空間部29と送流路40は、連通された状態で一体的に形成される。また、送流路40の上面41は平坦な平面形状に形成され、送流路40の下面42は下側に突出した凸形状に形成される。
以上のように、本変形例に係る製造方法によれば、熱融着を行うことなく、接着剤などによる接合方法によって、流体袋20の表面25側に湾曲した曲面形状の載置部23を形成させることができる。さらに、上面41の断面形状が平坦な平面形状に形成され、下面42の断面形状が下側に突出した凸形状に形成された送流路40を形成させることができる。くわえて、載置部23と送流路40との間に送流路40の変形を防止する段差61を形成させることができる。
(流体袋の変形例)
本変形例に係る流体袋120は、流体袋120の表面25を形成する第1の樹脂製シート材81の一部に他の部位と弾性変形度(対圧力変形度)の異なる部位を設けている。このような点において、シート材全体が同一の弾性変形度を備えた第1の樹脂製シート材81を使用する上述の実施形態と相違する。
図9(A)、(B)を参照して、第1の樹脂製シート材81において送流路40を形成する部位83は、第2の樹脂製シート材85において送流路40を形成する部位87よりも大きなヤング率を有する材料で構成されている。また、第1の樹脂製シート材81および第2の樹脂製シート材85は、それぞれ同じ厚みのシート材によって構成されている。したがって、第1の樹脂製シート材81において送流路40を形成する部位83は、第2の樹脂製シート材85において送流路40を形成する部位87よりも弾性変形し難くなっている。なお、図9(A)中において、第1の樹脂製シート材81においてヤング率が大きく形成された部位83は、点を付して明示している。
流体袋20の裏面27側において送流路40が形成される部位87は、流体袋20の表面25側において送流路40が形成される部位83よりも変形し易い。このため、送流路40内に流体が保持されると、送流路40の下面42側が上面41側よりも優先的に変形させられ、送流路40の断面形状が下側に突出した凸形状となる。一方、第1の樹脂製シート材81において送流路40が形成される部位83は、弾性変形し難いため、送流路40の上面41は、平坦な平面形状を維持する。したがって、本変形例に係る流体袋120によれば、送流路40内に流体が保持された状態において、被検者90の荷重が送流路40に対して上面41側から付与されることを防止することが可能になる。これにより、送流路40の断面形状の変形に伴うノイズの発生を防止することが可能になる。
本変形例に係る流体袋120は、第1の樹脂製シート材81と第2の樹脂製シート材85に熱を付与して融着させる接合方法や、接着剤などを利用した接合方法のいずれの方法でも製造することが可能である。また、第1の樹脂製シート材81として、弾性変形度が異なる部位を備える1枚の樹脂製シート材を流体袋120の製造作業の前段階に予め準備しておくことが可能であるし、弾性変形度の異なる複数の樹脂製シート材を分離させた状態で準備しておき、流体袋120の製造時に接合させることによって1枚の第1の樹脂製シート材81を構成させることも可能である。また、各シート材の弾性変形度の調整は、シート材の材質および厚みの少なくとも一方を変更させることによって行うことも可能であるし、材質および厚みの両方を変更させて行うことも可能である。
また、例えば、第1の樹脂製シート材81として、載置部23を構成する部位が比較的弾性変形し易く形成された樹脂製シート材を用いることにより、載置部23の膨張、収縮性を向上させ、呼吸運動に伴う体振動の検知精度の向上を図ることも可能である。
(変形防止部の変形例)
図10(A)、(B)を参照して、本変形例においては、載置部23と送流路40との間に設けられた段差61、および流体袋20に設置された保持部材63によって変形防止部60を構成している。保持部材63は、流体袋20に載置された被検者90と送流路40との間の間隔を所定の寸法以上に維持させるために設けられている。このような保持部材63が設けられている点において、上述した実施形態と相違する。
保持部材63は、例えば、図示されるように送流路40を間に挟んで対にして配置された柱形状の部材によって構成される。保持部材63は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル等の高分子シートを使用することができ、また、バルーン、スポンジ、ゲルなどのような弾性変形可能な材質のもので構成することもできる。
保持部材63の高さ(流体袋20の厚み方向の寸法)は、被検者90が流体袋20に載置されたときに、保持部材63の上端面が流体袋20の載置部23の外表面よりも低くなるように設計されることが望ましい。計測の際に、保持部材63によって被検者90を支持させることを可能にしつつ、載置部23上に被検者90が載置された状態を維持することを可能にするためである。
被検者90が流体袋20の載置部23上に載置されると、保持部材63が被検者90を支持する。これにより、被検者90と送流路40との間の間隔を保持することが可能になる。保持部材63を設けることにより、例えば、被検者90が寝返りするような場合に、被検者90の荷重が不用意に送流路40に付与されることを防止することができる。したがって、本変形例に係るバイタル計測器10によれば、呼吸数の計測を行っている最中に送流路40につぶれやキンクなどが生じてしまうことをより好適に防止することができる。
上述した実施形態および各変形例は適宜変更することが可能である。
本体部30に設けた収容部39内にセンサ51を配置した実施形態を説明したが、センサ51の配置箇所は本体部30内のみに限定されるものではない。センサ51は、計測時に被検者90の身体下以外の場所に配置されていればよく、例えば、送流路40と本体部30内とに連結された送流チューブ54内に配置する形態を採用することができる。このような形態においては、センサ51、および送流チューブ54においてセンサ51が収容された部位によって検知部が構成される。また、例えば、送流チューブ54の設置を省略し、送流路40によって流体袋20と検知部50を直接連通させる構成を採用することも可能である。
また、流体袋の外形形状や個数、流体袋を構成する樹脂製シート材の外形形状や個数も実施形態において説明した構成に限定されず、流体袋に載置された被検者の呼吸運動を検知し得る限りにおいて適宜変更することが可能である。例えば、平面視において円型や楕円形に形成された流体袋や、樹脂製シート部材間に複数の空間部が区画形成された流体袋などをバイタル計測器に適用することができる。
また、例えば、支持部材70に高分子シートを使用する場合においては、裏面側にバルーン、スポンジ、ゲルなどのような弾性変形可能な材質をさらに設置することが出来る。また、支持部材70が弾性材料である場合には、裏面側に非伸縮性のプラスチックフィルム、金属性の薄状プレート、フィルムなどからなる裏打ち材をさらに設置することができる。裏打ち材を設置することにより、支持部材70の裏面へ体振動が拡散を防止することができるため、より高精度に呼吸数を計測することが可能になる。なお、裏打ち材は、バイタル計測器の小型化を図る観点から、1〜5mm程度の厚みのものを使用するのが好ましい。
また、送流路40は樹脂製のシート材81、85を流路外壁とし流路内部にポリウレタンチューブ、シリコンチューブ、フッ素樹脂チューブ、ポリエチレンチューブなどを配置することも可能である。流路内部にチューブを配置することで、流路の強度・安定性を高めることが出来る。
また、流体袋20の製造方法の説明においては、所定の形状に切り出された樹脂製シート材81、85を予め準備し、準備された樹脂製シート材81、85を接合させる製造工程のみを示しているが、例えば、製造の前段階に、樹脂製シートが切り出される前の状態のシート片を準備し、シート片から第1の樹脂製シート材および第2の樹脂製シート材を切り出す作業を流体袋の製造工程に組み込むことも可能である。樹脂製シート材を切り出す工程と、流体袋を製造する工程とを同一の製造現場および製造ラインで統合して行うことが可能になるため、製造作業の効率化および製造コストの削減を図ることが可能になる。
実施形態の説明においては、臥位状態にある被検者90に対してバイタル計測器10を使用した例を示したが、例えば、バイタル計測器10を座位患者や椅子等に腰をかけた状態の被検者に対して使用することも可能である。このような使用形態においては、バイタル計測器の流体袋を、ズボンのベルトに挟むか、椅子の背や壁と被検者の背中との間に設置することで計測を行うことができる。
10 バイタル計測器、
20、120 流体袋、
23 載置部、
25 流体袋の表面、
27 流体袋の裏面、
29 空間部、
30 本体部、
39 収容部、
40 送流路、
41 送流路の上面、
42 送流路の下面、
50 検知部、
51 センサ、
52 計測部、
53 制御部、
60 変形防止部、
61 段差、
63 保持部材、
70 支持部材、
81 第1の樹脂製シート材、
83 第1の樹脂製シート材において送流路を形成する部位、
85 第2の樹脂製シート材、
87 第2の樹脂製シート材において送流路を形成する部位、
90 被検者。

Claims (9)

  1. 被験者が載置される載置部が流体の封入された流体袋によって構成されており、前記載置部に載置された前記被検者の呼吸数を計測するためのバイタル計測器であって、
    前記流体袋と、
    前記流体袋に載置された前記被検者の呼吸運動に伴う前記流体袋内の圧力の変動を前記流体を介して検知する検知部と、
    前記検知部の検知結果に基づいて前記被検者の呼吸数を計測する計測部と、
    前記流体袋に連通され、前記流体袋と前記検知部との間において前記流体を流通可能に保持する送流路と、
    前記流体袋への前記被検者の載置に伴う前記送流路の変形を防止する変形防止部と、を有するバイタル計測器。
  2. 前記変形防止部は、前記流体袋の載置部と前記送流路との間に設けられた前記流体袋の厚み方向の段差を有する請求項1に記載のバイタル計測器。
  3. 前記送流路は、前記流体袋の裏面側に設けられる請求項1または請求項2に記載のバイタル計測器。
  4. 前記送流路において前記被検者が向かい合わせられる側に位置する上面側の断面形状は、平坦な平面形状に形成され、
    前記送流路において前記上面側に対向して位置する下面側の断面形状は、前記上面側と反対側に突出した凸形状に形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイタル計測器。
  5. 前記流体袋の裏面側に配置され、前記流体袋を支持する支持部材をさらに有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイタル計測器。
  6. 前記流体袋は、前記流体袋の表面を形成する第1の樹脂製シート材および前記流体袋の裏面を形成する第2の樹脂製シート材を有し、前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材の間に前記流体が封入保持される空間部および前記送流路がそれぞれ区画形成される請求項1〜5のいずれか1項に記載のバイタル計測器。
  7. 前記第1の樹脂製シート材において前記送流路を形成する部位は、前記第2の樹脂製シート材において前記送流路を形成する部位よりも弾性変形し難く形成される請求項6に記載のバイタル計測器。
  8. 請求項6または請求項7に記載のバイタル計測器に用いられる流体袋を製造する方法であって、
    前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材を重ね合わせた状態で前記第1の樹脂製シート材側から熱を付与することによって前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材とを熱融着し、前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材の間に前記空間部を区画形成する工程と、
    前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材を重ね合わせた状態で前記第2の樹脂製シート材側から熱を付与することによって前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材とを熱融着し、前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材の間に前記送流路を区画形成する工程と、を有する流体袋の製造方法。
  9. 請求項6または請求項7に記載のバイタル計測器に用いられる流体袋を製造する方法であって、
    前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材を重ね合わせた状態で前記第1の樹脂製シート材において前記空間部が形成される部位を前記流体袋の表面側に凸状に湾曲させつつ前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材とを接合し、前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材の間に前記空間部を区画形成する工程と、
    前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材を重ね合わせた状態で前記第2の樹脂製シート材において前記送流路が形成される部位を前記流体袋の裏面側に凸状に湾曲させつつ前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材とを接合し、前記第1の樹脂製シート材と前記第2の樹脂製シート材の間に前記送流路を区画形成する工程と、を有する流体袋の製造方法。
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