JP2014219950A - かなや漢字を読み取る為の記号や数字との組み合わせ - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な漢字ですら読めないといった不都合を無くし、またトーンが定かでないかな文字の判別を容易にする。
【解決手段】 漢字の読み方を決める為に漢字に数字を添え、仮名のトーンを決める為に記号を添える。
【選択図】図3

Description

本発明は、かなや漢字を容易に読み取れるように、かなや漢字に記号や数字を組み合わせた文字に関するものである。
現在の日本語の問題点の一つに、かなりの知識人でも漢字が読めないと言う事がある。難しくて読めないのではない。日本人の簡単な名前すら読めないのである。以前、銀行のカウンターでこんなことがあったそうだ。「河野」と言う名前のお客さんに、「お名前はこうのさんですか、かわのさんでしょうか」と尋ねた行員がいたと言う。何かおかしい。その行員のことではない。このようなやり取りが日常茶飯事になっていて、しかも、誰も疑問に思わないことに対してである。
そこで、かってのように漢字にルビ、読み仮名を付ければ解決するようにも思えるが、それでは紙面等を隙間なく字が埋め尽くす事で却って読みづらく、更に識字教育が行き届いている事もあって、現在ではあまり現実的ではない。
また、平安時代に発明された「ヲコト」点は面白いアイデアではあるが、フリガナの代用にはなり得ない。
そこで、それを解決する為に漢字にアラビア数字を打つ。これならば一つ一つの漢字の側にフリガナが付いて、文字で面が埋め尽くされる事も無く、必要にして十分な役目が期待できる。
一方、子供の頃に読んだ一休さんの頓智話の中に「このはしをとおってはいけません」というおもしろ話があった。「橋」と「端」とを掛けた言葉から面白おかしく作った話であるが、これもまた日本語の構造が浮き彫りにされているように思える。
このような同音異義語は日本語には少なからずある。と言うのは、日本語は音の組み合わせが諸外国の言語と比べても少ない方であり、母音が中心で、子音だけの単語は無く、音のバラエティーが乏しいことにも因る。
先程の「橋」と「端」では、それが漢字で書かれていれば明らかに分かることである。また、もし話された言葉なら、つまり音声で聞き取れれば容易に判別できる。
このように日本語は他の言語と比較して音の組み合わせが少ないので、同音異義語が多く成りがちである。とはいえ、トーンで区別しているものも少なからず有り、その音さえ聴けば判別出来るものも有る。
そこで、仮名にトーンの記号を付け、その仮名がどのトーンを表したものなのか、見ただけで判別出来るようにしたものである。
ありふれた日本語の文章を読む場合でさえ、かな文字だけだと切れ目が無ければ読みづらい。まして、ローマ字にすれば尚更のことである。それと言うのも、日本語の特徴は子音が有ると必ず母音がついてくる。つまり、日本語の音の殆どは母音と子音とが1対1で組み合わさって出来ているので、ローマ字を使うと一つの音を表すのに、普通2文字が必要となり、だらだらと字数が多くなるからである。
そんな弱点をカバーしてくれるのが漢字である。漢字かな交じり文にする事で、語と語の間を切らずに書ける。殊更、分かち書きにすることも無い。
その上、例えば「絵」と「柄」のように漢字であれば直ちに意味が分かる言葉も、それをかな或はローマ字で「え」、「E」と記せば、何を指した言葉か判別に迷う。この事について、専門家の中村明一氏の分を引用する。
「傘の絵」、「傘の柄」と発音してみてください。「え」の音の違いがわかりましたか。この二つの言葉の周波数解析を見てください。「絵」の方が、高い倍音が強いことが分かります。私たちが同じ音だと思っていた「絵」と「柄」は、実はことなった音だったのです。
課題を解決する為の手段
その音を明確にする為に、次のようなトーン記号を仮名書きの単語に付ける。トーン記号は全部で5種類あり、最も多い平声と、他に上昇、下降、凸、凹、の4種類である。それを付ける場所は、文章が横書きの時は単語の最初の文字の上側中程に、縦書きの場合は右側中程に付ける。この5種の記号は別表の通りである。
次に、漢字の読み方についてであるが、一つの漢字に普通は二つ以上、多いものでは五つも六つも有り、いくらなんでも多過ぎると言わざるを得ない。しかし、ここではその事に触れない。
漢字の訓読みは奇数とし、音読みは偶数として、それを文章が横書きの場合は漢字の上方右側に、縦書きの時は右側の上部に記す。それぞれの数字は「あ」から初めて、五十音順に当てはめる。仮に、「食」と言う漢字を例にとれば、訓読みには「くう」「たべる」が有り、音読みには「ショク」「ジキ」がある。それらを「1」「3」及び「2」「4」とする。同様に「音」と言う漢字であれば、「おと」「ね」が「1」「3」に、「イン」「オン」が「2」「4」になる。音訓ともに読み方の多い「行」と言う漢字だと「いく」「おこなう」「ゆく」が「1」「3」「5」にあたり、更に「アン」「ギョウ」「コウ」が「2」「4」「6」となる。更に、全く読み方が不明の時は「0」とする。
奈良時代と現在とを比較すると、奈良時代には清音の数が61音あり、濁音の数が27音あったそうだが、現在では、それぞれ44音と18音である。更に、母音の数は奈良時代には一説によると8音、それが現在では5音。これらの母音や子音の数を諸外国と比較しても、現在の日本語はかなり見劣りする。多くの言語と比べて、母音も子音もそれぞれ半分有る無し。とすれば、それらを組み合わせた音の数は単純計算で4分の1となる。
このように日本語は他の言語と比較して、音の組み合わせがかなり少ない方なので、どうしても同音異義語が多くなりがちである。もっとも、それらをトーンで区別しているものも少なからず有つ、見て判別する漢字に頼る事無く、音さえ聴けば分かるものもある。
先程の「橋」と「端」では、漢字で書かれていれば明らかに分かるものが、仮名で書かれていると、それを読む方は前後関係から判断するしか無い。同じような例で、「カキは秋になると美味しくなる。」と書かれていても、それが柿を指しているのか、牡蠣について言った事なのか判断に迷う。
もしこれを、声に出して、つまり音として発したものならば、それはそれで、ほぼ間違いなく判断出来る。ほぼ間違いなくと言ったのは、その音声さえ地方により、状況によりかなり異なったものとなるからだ。再び、中村明一氏の二つの文を引用する。
いま見てきたことで、日本語では、一般に言われている音高(高低アクセント)だけではなしに、倍音の構造が、言葉の意味の使い分け、聴き分けに、大きな役割を果たしていることがわかります。
日本語の特異な点は、自分にとって重要な言葉には、必ず[非整数次倍音]を入れる、ということです。たとえば、「助けて!」「愛してる!」と言ってみてください。必ず、濁つた声か、カサカサした声で発音しているはずです。つまり、これらの言葉には「非整数次倍音が入っていることが必要なのです。
このようなことから、かなにトーンの目印を付けて、そのかながどのトーンを表したものなのか、見ただけで判別出来るようにする。尤も、そのトーンにしても先程の「柿」と「牡蠣」のように、東京の人と関西の人では随分異なる。音声による言葉は特に地方色が豊である。そこで、一応いわゆる標準語には記号のみとし、それ以外の言葉には記号の横に・を付けて区別する。
発明の効果
数年前にフィリピンやインドネシアから日本の医療の現場で働きたいと思う多くの人がやって来て、日本での資格試験を受験したが、なかなか合格出来ない。その人達のレベルが低いからではない。現に英語であれば十分職務を遂行出来る人が多くいたが、要は日本語の専門用語に親しんでいないだけである。それ故、残念なことに英語で働ける国へ出て行った人も多い。
これらの国の看護婦さんは、日本では看護婦さんと言わないらしいが、専門教育を英語でしっかり受けている。それ故、外国の専門家とも英語でなら不都合無く意思疎通が出来る。また、日常会話は英語、日本語とも然程苦労しない。その上、国民性からか殆どの人が明るい性格なので、患者にとってはこの上なく助けに成り、励みになる。このことを思うと、双方にとって非常に残念である。
翻って日本では医療の現場で英語等の単語は使っても、それは日本語の枠組みの中での話である。幸か不幸か医療に限らず、専門教育、高等教育のほとんどは日本語で用が足せる。日本人は英語が出来ないとよく言われるが、要は英語が必要ないからである。現在の日本で数学や科学を英語で学んでいる日本人学生は殆どいない。また、それが出来る先生も多くない。或はいろいろな都合で出来ないようになっている。それ故、それを行っている大学も非常に少ない。大抵は英語の授業は文学部系の先生が行い、数字や科学は別の先生が日本語で授業する。
二葉亭四迷はロシア語で高等教育を受けたと言われている。よって、数学も科学もロシあ語で学んだ。その上、ロシア語に親しめば当時の事情からして当然フランス語もかじっているはずだ。
現在のアジア、アフリカの中で、自国の言語で高等教育が出来る国は、日本を除くと中国があるのみで、有史以来、高度な知識を駆使して世界に貢献しているインドでさえ、現在では全て英語である。
日本では幸いなことに日本語で高等教育が出来るのだが、その肝心の日本語自体が少々頼りない。日本人だけで日本語を共有していた時ならいざ知らず、現在では少なからずの外国人が日本語を学んでいる。特に、庶民の日本文化が世界に発信しつつあるこのご時世に、簡単な日本語ですら日本人自身が読めない、分からないでは日本語熱も冷めるのではないか。例えば、ファッションや漫画では東南アジアでは言うに及ばず、パリの本屋では何処でもかなりの面積を占めて、日本発の「MANGA」が並べられている。そんな時代に初歩的な文字の発音でつまずき、人に尋ねても要領を得ない、辞書で引くにもその方法が分からないでは言語として未熟と思われないだろうか。
ところが初歩的な日本語が日本人ですら読めない。他人に聞いても定かでない。調べる方法も分からないと言うのであれば、日本語は未熟な言語と思われないだろうか。日本語熱も冷めるのではないか。
現在の日本語は万葉時代とも、また、他の諸言語と比較しても音の組み合わせが非常に少ない。それ故、同音異義語が多く成りがちであるが、その欠点をトーンが辛うじて補っている。その音を聴けば、かなりの精度で判別出来るものもある。
そこで、紛らわしい仮名にはトーンの記号を添える。その記号で、仮名がどのトーンを表したものなのか、見れば容易に判別出来るようにした。
仮名書きの単語に添えるトーン記号には五つの種類があり、それらは、平声、上昇、下降、凸、凹、からなる。
次に、漢字の読み方についてであるが、漢字の読みには大きく分けて音読みと訓読みとがある。それぞれに何通りかの読み方が有るので、音訓別々に「あ」から初めて五十音順に当てはめていく。それを、数字の小さい方から、訓は奇数、音は偶数として並べる。また読み方が不明の場合には「0」とする。
とにかく、漢字の読み方が多過ぎるので、せめて音訓合わせて二通り程度になれば可成りすっきりするのではないか。
今はカタカナ語の混沌時代とも言える状況で、言語的植民地の感無きにしも有らずだが、考えようによってはこれらのカタカナ語が洗練され、またそれ自身に造語能力も備われば、カタカナ語文化も発展するのではないか。
日本人の全てが片言であれ、英語を理解していることから、事によると、カタカナ語も一皮むけ、豊かな言葉に発展していくかもしれない。携帯電話に「何時でも何処でも話セルフォン」とか、豚しゃぶのタレに「ごまたれブー」等と、英仏語でさえ駄洒落、ごろ合わせ類いの言葉遊びが既に可能であるので、万葉の掛詞のように洗練され発展して行くことを期待する。
トーン記号とその補助記号 訓読みに奇数、音読みに偶数、不明に0からなる数字。 漢字とその訓読みを表す数字。 漢字とその音読みを表す数字。 かなとそのトーンを表す。(標準語) かなと標準語以外のトーンを表す。(補助記号付き)
1 平音
2 上昇
3 下降
4 凸
5 凹
6 標準語以外を表す補助記号
7 訓読みを表す数字(奇数)
8 音読みを表す数字(偶数)
9 読み方が不明であることを表す数字(0)
10 元になる漢字
11 この漢字を「おと」と読むことを表す
12 この漢字を「いん」と読むことを表す
13 元のかな
14 標準語での牡蠣を表す
15 関西の人が牡蠣と発音するとき

Claims (2)

  1. 漢字と、その読み方を決める為に添える数字との組み合わせ。
  2. かなと、そのトーンを決める為に添える記号との組み合わせ。
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