JP2014219795A - 画像処理装置、画像処理回路及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、画像処理回路及び画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノイズを軽減するとともに、鮮明な画像を取得すること。
【解決手段】画像処理装置は、メモリ130と、メモリ130に接続されたプロセッサ120とを有する。プロセッサ120は、異なる2点から撮像された第1の画像及び第2の画像を取得し、取得された第1の画像の各画素に対応する第2の画像の画素を決定し、互いに対応すると決定された第1の画像及び第2の画像の画素と当該画素の周辺画素とに基づいて、第1の画像の画素に対応するフィルタ出力を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理回路及び画像処理方法に関する。
一般に、例えばデジタルカメラなどの撮像装置によって撮像する場合、暗所ではISO感度が上がるため、撮像して得られた画像全体にノイズが現れることがある。これらのノイズは、被写体の照度が低く暗いほど大きくなる。また、ゲインを調節して被写体の明るさを補正すると、ノイズが強調されてしまう。このようなノイズは、例えば異なる2点から撮像された画像を用いて立体視可能なステレオ画像を作成する際の障害となり得るため、ノイズを適切に抑制する技術が求められている。
ノイズを抑制する技術としては、メディアンフィルタ及びガウシアンフィルタなどによるフィルタ処理が挙げられる。具体的には、例えば画像中の注目画素とその周辺画素との画素値の中央値や平均値などを注目画素のフィルタ出力とすることにより、特異な画素値を有する画素が消去されてノイズが抑制される。また、時系列でフレーム画像が撮像される動画像においては、直前のフレームと現在のフレームとの画質変化を利用した時間的フィルタなどが用いられることがある。
特開平6−318255号公報 特開2006−172253号公報
しかしながら、個別の画像に対してフィルタ処理を施す場合には、注目画素のフィルタ出力を求める際に参照される周辺画素の数が十分ではなく、画像中の輪郭部分がぼやけてしまう。また、動画像において直前フレームと現在フレームとを用いたフィルタ処理を行う場合には、例えば直前フレームと現在フレームとで画像が大きく変化するシーンチェンジが発生していると、正確なフィルタ処理を行うことができない。結果として、このような時間的フィルタを用いる場合にも、画像中の輪郭部分がぼやけてしまうことがある。
このように、従来のフィルタ処理を用いた場合には、画像中のノイズを軽減することができるものの、フィルタ処理後の画像中の輪郭部分がぼやけてしまい、画像が不鮮明になってしまうという問題がある。
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、ノイズを軽減するとともに、鮮明な画像を取得することができる画像処理装置、画像処理回路及び画像処理方法を提供することを目的とする。
本願が開示する画像処理装置は、1つの態様において、メモリと、前記メモリに接続されたプロセッサとを有し、前記プロセッサは、異なる2点から撮像された第1の画像及び第2の画像を取得し、取得された前記第1の画像の各画素に対応する前記第2の画像の画素を決定し、互いに対応すると決定された前記第1の画像及び前記第2の画像の画素と当該画素の周辺画素とに基づいて、前記第1の画像の画素に対応するフィルタ出力を求める。
本願が開示する画像処理装置、画像処理回路及び画像処理方法の1つの態様によれば、ノイズを軽減するとともに、鮮明な画像を取得することができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1に係るプロセッサの機能を示すブロック図である。 図3は、実施の形態1に係る画像処理装置の動作を示すフロー図である。 図4は、実施の形態1に係るフィルタ処理の具体例を示す図である。 図5は、実施の形態1に係るフィルタ処理の他の具体例を示す図である。 図6は、実施の形態2に係るプロセッサの機能を示すブロック図である。 図7は、実施の形態2に係る画像処理装置の動作を示すフロー図である。 図8は、実施の形態2に係るフィルタ処理の具体例を示す図である。 図9は、実施の形態3に係るプロセッサの機能を示すブロック図である。 図10は、実施の形態3に係る重み係数の決定を説明する図である。 図11は、実施の形態3に係るフィルタ処理を示すフロー図である。 図12は、実施の形態4に係るプロセッサの機能を示すブロック図である。 図13は、実施の形態5に係るプロセッサの機能を示すブロック図である。 図14は、実施の形態5に係るフィルタ処理の具体例を示す図である。 図15は、実施の形態6に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 図16は、実施の形態6に係るプロセッサの機能を示すブロック図である。 図17は、実施の形態6に係るフィルタ選択処理を示すフロー図である。
以下、本願が開示する画像処理装置、画像処理回路及び画像処理方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る画像処理装置100の構成を示すブロック図である。図1に示す画像処理装置100は、左カメラ110L、右カメラ110R、プロセッサ120、メモリ130及びディスプレイ140を有する。
左カメラ110L及び右カメラ110Rは、それぞれ撮像素子を備え、同時に同一の方向に向かって撮像する。ここでは、便宜上、2つのカメラを左カメラ110L及び右カメラ110Rとしたが、これらのカメラは、要するに異なる位置に備えられた2つのカメラである。また、左カメラ110Lによって撮像されて得られた画像を以下では「左画像」といい、右カメラ110Rによって撮像されて得られた画像を以下では「右画像」という。
左カメラ110L及び右カメラ110Rは、互いに異なる位置に配置されているため、同時に同一の方向に向かって撮像した場合でも、左画像と右画像とでは同じ被写体の座標位置が異なっている。この座標位置の違いは、被写体に関する2つのカメラの視差量に対応しており、カメラから近い被写体ほど視差量が大きいため、画像上での座標位置の違いも大きい。
プロセッサ120は、プログラムを実行し、画像処理装置100全体を制御する。具体的には、プロセッサ120は、左カメラ110L及び右カメラ110Rから左画像及び右画像を取得し、左画像及び右画像を用いたフィルタ処理を実行する。そして、プロセッサ120は、フィルタ処理後の左画像及び右画像から距離画像を生成し、生成された距離画像を用いて例えば着色などの所定の表示処理を実行し、得られた表示画像をディスプレイ140に表示させる。
ここで、距離画像とは、異なる2点からの視差量を画像化したものであり、距離画像の各画素には、輝度値の代わりに視差量が画素値として格納されている。距離画像を用いた表示処理により、立体視可能なステレオ画像を生成したり、様々な効果を有する画像を生成したりすることが可能となる。
なお、プロセッサ120の機能については、後に詳述する。また、プロセッサ120は、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又は画像処理回路などによって実現されても良い。
メモリ130は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を備え、プロセッサ120が実行するプログラム自体やプログラム実行時に使用されるデータなどを記憶する。
ディスプレイ140は、例えば液晶素子を備え、プロセッサ120から出力される表示画像を表示する。
図2は、実施の形態1に係るプロセッサ120の機能を示すブロック図である。図2に示すプロセッサ120は、撮像制御部121、左ブロックマッチング部122L、右ブロックマッチング部122R、フィルタ処理部123、距離画像生成部124及び表示制御部125を有する。
撮像制御部121は、左カメラ110L及び右カメラ110Rを制御し、それぞれ左画像及び右画像を取得させる。すなわち、撮像制御部121は、左カメラ110L及び右カメラ110Rに同時に撮像を実行させる。そして、撮像制御部121は、得られた左画像及び右画像を左カメラ110L及び右カメラ110Rから取得する。
左ブロックマッチング部122Lは、左画像を基準としたブロックマッチングを実行する。すなわち、左ブロックマッチング部122Lは、左画像の各画素に対応する画素をブロックマッチングにより右画像から探索する。具体的には、左ブロックマッチング部122Lは、例えば左画像の3×3画素のブロックをテンプレートに設定し、テンプレートを移動させながら右画像の3×3画素の各ブロックとの相関を算出する。そして、左ブロックマッチング部122Lは、テンプレートとの相関が最も高い右画像のブロックを検出すると、このブロックの中央の画素がテンプレートの中央の画素に対応する画素であると決定する。
左ブロックマッチング部122Lは、左画像の3×3画素のブロックを順次テンプレートに設定し、同様の処理を繰り返すことにより、左画像の各画素に対応する右画像の画素を決定する。そして、左ブロックマッチング部122Lは、左画像の各画素に対応する右画像の画素の情報をフィルタ処理部123へ出力する。
右ブロックマッチング部122Rは、右画像を基準としたブロックマッチングを実行する。すなわち、右ブロックマッチング部122Rは、右画像の各画素に対応する画素をブロックマッチングにより左画像から探索する。具体的には、右ブロックマッチング部122Rは、例えば右画像の3×3画素のブロックをテンプレートに設定し、テンプレートを移動させながら左画像の3×3画素の各ブロックとの相関を算出する。そして、右ブロックマッチング部122Rは、テンプレートとの相関が最も高い左画像のブロックを検出すると、このブロックの中央の画素がテンプレートの中央の画素に対応する画素であると決定する。
右ブロックマッチング部122Rは、右画像の3×3画素のブロックを順次テンプレートに設定し、同様の処理を繰り返すことにより、右画像の各画素に対応する左画像の画素を決定する。そして、右ブロックマッチング部122Rは、右画像の各画素に対応する左画像の画素の情報をフィルタ処理部123へ出力する。
なお、左ブロックマッチング部122L及び右ブロックマッチング部122Rは、必ずしも3×3画素のブロックを用いてブロックマッチングを実行する必要はない。すなわち、例えば5×5画素のブロックを用いてブロックマッチングを実行しても良い。このように、奇数×奇数画素のブロックを用いてブロックマッチングを実行することにより、ブロックの中央の画素同士を対応付けることができる。
フィルタ処理部123は、左画像の各画素に対応する右画像の画素の情報を用いて、左画像のフィルタ処理を実行する。すなわち、フィルタ処理部123は、左画像の各画素を順次注目画素とし、左画像における注目画素及びその周辺画素と右画像における注目画素に対応する画素及びその周辺画素とを使用して、注目画素のフィルタ出力を求める。このとき、フィルタ処理部123は、例えば使用される各画素の画素値の中央値や注目画素からのユークリッド距離に応じた重み付け平均値などを注目画素のフィルタ出力として求める。
また、フィルタ処理部123は、右画像の各画素に対応する左画像の画素の情報を用いて、右画像のフィルタ処理を実行する。すなわち、フィルタ処理部123は、右画像の各画素を順次注目画素とし、右画像における注目画素及びその周辺画素と左画像における注目画素に対応する画素及びその周辺画素とを使用して、注目画素のフィルタ出力を求める。そして、フィルタ処理部123は、フィルタ処理後の左画像及び右画像を距離画像生成部124へ出力する。
距離画像生成部124は、フィルタ処理部123から出力されたフィルタ処理後の左画像及び右画像を用いて距離画像を生成する。すなわち、距離画像生成部124は、フィルタ処理後の左画像及び右画像間でブロックマッチングを行い、対応するブロックの位置座標の差から視差量を求める。そして、距離画像生成部124は、各画像のブロック内の画素に視差量を画素値として格納することにより、距離画像を生成する。
表示制御部125は、距離画像生成部124によって生成された距離画像を用いて、例えば着色などの所定の表示処理を実行し、得られた表示画像をディスプレイ140へ出力する。
次いで、上記のように構成された画像処理装置100の動作について、図3に示すフロー図を参照しながら説明する。
撮像制御部121によって左カメラ110L及び右カメラ110Rが制御され、同時に同方向に向かって撮像された左画像及び右画像が撮像制御部121によって取得される(ステップS101)。取得された左画像及び右画像は、左ブロックマッチング部122L及び右ブロックマッチング部122Rへ出力され、ブロックマッチングにより左右両画像の画素の対応関係が決定される。
具体的には、左ブロックマッチング部122Lによって、左画像のブロックをテンプレートとしたブロックマッチングが実行されることにより、左画像の各画素に対応する画素が右画像の中から決定される(ステップS102)。同様に、右ブロックマッチング部122Rによって、右画像のブロックをテンプレートとしたブロックマッチングが実行されることにより、右画像の各画素に対応する画素が左画像の中から決定される(ステップS103)。
こうして決定された左右両画像における対応画素の情報は、フィルタ処理部123へ出力される。そして、フィルタ処理部123によって、左画像及び右画像が用いられ、左画像のフィルタ処理が行われるとともに(ステップS104)、右画像のフィルタ処理が行われる(ステップS105)。
具体的には、フィルタ処理部123によって、左画像の各画素が順次注目画素に設定され、左画像における注目画素及びその周辺画素と右画像における注目画素に対応する画素及びその周辺画素とから、左画像の注目画素のフィルタ出力が求められる。同様に、フィルタ処理部123によって、右画像の各画素が順次注目画素に設定され、右画像における注目画素及びその周辺画素と左画像における注目画素に対応する画素及びその周辺画素とから、右画像の注目画素のフィルタ出力が求められる。
ここで、注目画素のフィルタ出力を求める方法には、例えばメディアンフィルタを用いる方法とガウシアンフィルタを用いる方法とがある。
図4は、メディアンフィルタを用いたフィルタ処理の具体例を示す図である。図4に示すように、注目画素とその周辺画素とからなる左画像のブロック151Lと、注目画素に対応する画素とその周辺画素とからなる右画像のブロック151Rとから注目画素のフィルタ出力を求める場合を考える。
図4上段に示すように、左画像のブロック151Lは、画素値が「1」である注目画素とその8近傍の画素とを有する。また、右画像のブロック151Rは、注目画素に対応し画素値が「1」である画素とその8近傍の画素とを有する。フィルタ処理部123は、図4中段に示すように、ブロック151L及びブロック151Rの画素の画素値を昇順で並べ替える。そして、フィルタ処理部123は、並べ替えた合計18画素の画素値のうち中央値を注目画素のフィルタ出力とする。したがって、図4に示す例では、フィルタ処理部123は、図4下段に示すように、中央値である「2」を注目画素のフィルタ出力に決定する。
このように、左画像のブロック151L及び右画像のブロック151Rから画素値の中央値を求めて注目画素のフィルタ出力とすることにより、フィルタ処理に用いられる画素数が増加し、より確からしい画素値をフィルタ出力とすることができる。このため、フィルタ処理後の画像においても輪郭部分がぼやけることがなく、結果として、画像のノイズを軽減するとともに、鮮明な画像を取得することができる。
一方、図5は、ガウシアンフィルタを用いたフィルタ処理の具体例を示す図である。図5に示すように、注目画素とその周辺画素とからなる左画像のブロック152Lと、注目画素に対応する画素とその周辺画素とからなる右画像のブロック152Rとから注目画素のフィルタ出力を求める場合を考える。
図5上段に示すように、左画像のブロック152Lは、画素値が「1」である注目画素とその8近傍の画素とを有する。また、右画像のブロック152Rは、注目画素に対応し画素値が「1」である画素とその8近傍の画素とを有する。フィルタ処理部123は、図5中段に示すように、ブロック152L及びブロック152Rの画素の列を交互に並べる。すなわち、フィルタ処理部123は、左から順に、ブロック152Lの左列の画素、ブロック152Rの左列の画素、ブロック152Lの中央列の画素、ブロック152Rの中央列の画素、ブロック152Lの右列の画素、ブロック152Rの右列の画素の順で画素の列を並べる。そして、フィルタ処理部123は、並べた合計18画素の中心に近い画素の画素値ほど大きい係数を乗じて算出された平均値を注目画素のフィルタ出力とする。したがって、図5に示す例では、フィルタ処理部123は、図5下段に示すように、重み付け平均値である「2」を注目画素のフィルタ出力に決定する。
このように、左画像のブロック152L及び右画像のブロック152Rから画素値の重み付け平均値を求めて注目画素のフィルタ出力とすることにより、フィルタ処理に用いられる画素数が増加し、より確からしい画素値をフィルタ出力とすることができる。このため、フィルタ処理後の画像においても輪郭部分がぼやけることがなく、結果として、画像のノイズを軽減するとともに、鮮明な画像を取得することができる。
なお、図4及び図5においては、3×3画素のブロックを用いたフィルタ処理を例示しているが、フィルタ処理に用いられるブロックのサイズは3×3画素に限定されず、例えば5×5画素や7×7画素などでも良い。また、ブロックは必ずしも正方形のブロックでなくても良く、例えば3×5画素や5×3画素の長方形のブロックを用いたフィルタ処理が行われても良い。
図3に戻り、フィルタ処理部123によってフィルタ処理された左画像及び右画像は、距離画像生成部124へ出力される。そして、距離画像生成部124によって、フィルタ処理後の左画像及び右画像から距離画像が生成される(ステップS106)。距離画像の生成に用いられる左画像及び右画像は、左右両画像を用いたフィルタ処理が施されているため、ノイズが抑制されるとともに輪郭部分が明瞭な画像となっている。結果として、距離画像生成部124によって生成される距離画像は、高精度な距離画像となる。
生成された距離画像は、表示制御部125へ出力され、表示制御部125によって、例えば着色などの所定の表示処理が実行されることにより、表示画像が生成される(ステップS107)。そして、生成された表示画像は、ディスプレイ140に表示される。
以上のように、本実施の形態によれば、左右両画像間で対応する画素が決定された後、左右両画像の対応する画素とその周辺画素とを含むブロックを用いたフィルタ処理が実行される。このため、個別の画像に対してフィルタ処理を実行するよりも参照される画素数が増えて情報量が増加し、フィルタ処理後の画像の輪郭部分がぼやけることがない。したがって、ノイズを軽減するとともに、鮮明な画像を取得することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、時系列で連続するフレームそれぞれの画像からなる動画像のフィルタ処理が実行される場合に、現在のフレームの左右両画像に加えて過去のフレームの左右両画像を用いたフィルタ処理が実行される。
本実施の形態に係る画像処理装置の構成は、実施の形態1の画像処理装置(図1)と同様であるため、その説明を省略する。本実施の形態においては、プロセッサ120の機能が実施の形態1とは異なっている。
図6は、実施の形態2に係るプロセッサ120の機能を示すブロック図である。図6において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図6に示すプロセッサ120は、図2に示す左ブロックマッチング部122L、右ブロックマッチング部122R及びフィルタ処理部123に代えて、左ブロックマッチング部201L、右ブロックマッチング部201R及びフィルタ処理部202を有する。
左ブロックマッチング部201Lは、現在のフレームの左画像を基準としたブロックマッチングを実行する。すなわち、左ブロックマッチング部201Lは、現在のフレームの左画像の各画素に対応する画素をブロックマッチングにより現在のフレームの右画像から探索する。また、左ブロックマッチング部201Lは、現在のフレームの左画像の各画素に対応する画素をブロックマッチングにより過去のフレームの左右両画像から探索する。具体的には、左ブロックマッチング部201Lは、例えば現在のフレームの左画像の3×3画素のブロックをテンプレートに設定し、テンプレートを移動させながら現在のフレームの右画像及び過去のフレームの左右両画像の各ブロックとの相関を算出する。そして、左ブロックマッチング部201Lは、テンプレートとの相関が最も高い各画像のブロックを検出すると、これらのブロックの中央の画素がテンプレートの中央の画素に対応する画素であると決定する。
左ブロックマッチング部201Lは、現在のフレームの左画像の3×3画素のブロックを順次テンプレートに設定し、同様の処理を繰り返すことにより、現在のフレームの左画像の各画素に対応する画素を決定する。そして、左ブロックマッチング部201Lは、現在のフレームの左画像の各画素に対応する画素の情報をフィルタ処理部202へ出力する。
右ブロックマッチング部201Rは、現在のフレームの右画像を基準としたブロックマッチングを実行する。すなわち、右ブロックマッチング部201Rは、現在のフレームの右画像の各画素に対応する画素をブロックマッチングにより現在のフレームの左画像から探索する。また、右ブロックマッチング部201Rは、現在のフレームの右画像の各画素に対応する画素をブロックマッチングにより過去のフレームの左右両画像から探索する。具体的には、右ブロックマッチング部201Rは、例えば現在のフレームの右画像の3×3画素のブロックをテンプレートに設定し、テンプレートを移動させながら現在のフレームの左画像及び過去のフレームの左右両画像の各ブロックとの相関を算出する。そして、右ブロックマッチング部201Rは、テンプレートとの相関が最も高い各画像のブロックを検出すると、これらのブロックの中央の画素がテンプレートの中央の画素に対応する画素であると決定する。
右ブロックマッチング部201Rは、現在のフレームの右画像の3×3画素のブロックを順次テンプレートに設定し、同様の処理を繰り返すことにより、現在のフレームの右画像の各画素に対応する画素を決定する。そして、右ブロックマッチング部201Rは、現在のフレームの右画像の各画素に対応する画素の情報をフィルタ処理部202へ出力する。
なお、左ブロックマッチング部201L及び右ブロックマッチング部201Rには、メモリ130から過去のフレームの左右両画像が入力される。この過去のフレームとは、例えば現在のフレームの直前のフレームであり、現在のフレームの左右両画像が取得された時点よりも過去であって所定時間以内に取得された左右両画像が左ブロックマッチング部201L及び右ブロックマッチング部201Rに入力される。
フィルタ処理部202は、現在のフレームの左画像の各画素に対応する画素の情報を用いて、現在のフレームの左画像のフィルタ処理を実行する。すなわち、フィルタ処理部202は、現在のフレームの左画像の各画素を順次注目画素とし、注目画素及びその周辺画素と注目画素に対応する画素及びその周辺画素とを使用して、注目画素のフィルタ出力を求める。このとき、フィルタ処理部202は、例えば使用される各画素の画素値の中央値や注目画素からのユークリッド距離に応じた重み付け平均値などを注目画素のフィルタ出力として求める。
また、フィルタ処理部202は、現在のフレームの右画像の各画素に対応する画素の情報を用いて、現在のフレームの右画像のフィルタ処理を実行する。すなわち、フィルタ処理部202は、現在のフレームの右画像の各画素を順次注目画素とし、注目画素及びその周辺画素と注目画素に対応する画素及びその周辺画素とを使用して、注目画素のフィルタ出力を求める。そして、フィルタ処理部202は、フィルタ処理後の現在のフレームの左画像及び右画像を距離画像生成部124へ出力する。
次いで、上記のように構成された画像処理装置100の動作について、図7に示すフロー図を参照しながら説明する。図7において、図3と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。
撮像制御部121によって左カメラ110L及び右カメラ110Rが制御され、同時に同方向に向かって撮像された左画像及び右画像が撮像制御部121によって取得される(ステップS101)。取得された左画像及び右画像は、左ブロックマッチング部201L及び右ブロックマッチング部201Rへ出力され、ブロックマッチングにより左右両画像の画素の対応関係が決定される。
具体的には、左ブロックマッチング部201Lによって、左画像のブロックをテンプレートとしたブロックマッチングが実行されることにより、左画像の各画素に対応する画素が右画像及び過去のフレームの左右両画像の中から決定される(ステップS201)。同様に、右ブロックマッチング部201Rによって、右画像のブロックをテンプレートとしたブロックマッチングが実行されることにより、右画像の各画素に対応する画素が左画像及び過去のフレームの左右両画像の中から決定される(ステップS202)。
こうして決定された現在のフレーム及び過去のフレームの左右両画像における対応画素の情報は、フィルタ処理部202へ出力される。そして、フィルタ処理部202によって、現在のフレーム及び過去のフレームの左画像及び右画像が用いられ、現在のフレームの左画像のフィルタ処理が行われるとともに(ステップS203)、現在のフレームの右画像のフィルタ処理が行われる(ステップS204)。
具体的には、フィルタ処理部202によって、現在のフレームの左画像の各画素が順次注目画素に設定され、注目画素及びその周辺画素と注目画素に対応する他の画像中の画素及びその周辺画素とから、注目画素のフィルタ出力が求められる。同様に、フィルタ処理部202によって、現在のフレームの右画像の各画素が順次注目画素に設定され、注目画素及びその周辺画素と注目画素に対応する他の画像中の画素及びその周辺画素とから、注目画素のフィルタ出力が求められる。
ここで、注目画素のフィルタ出力を求める方法の具体例について、図8を参照して説明する。図8に示すように、現在のフレームの左画像のブロック251Lと、現在のフレームの右画像のブロック251Rと、過去のフレームの左画像のブロック252Lと、過去のフレームの右画像のブロック252Rとから注目画素のフィルタ出力を求める場合を考える。ここでは、現在のフレームの左画像のブロック251Lの中央の画素が注目画素であるものとする。
図8上段に示すように、現在のフレームの左画像のブロック251Lは、画素値が「1」である注目画素とその8近傍の画素とを有する。また、現在のフレームの右画像のブロック251Rは、注目画素に対応し画素値が「1」である画素とその8近傍の画素とを有する。同様に、過去のフレームのブロック252L及びブロック252Rは、注目画素に対応し画素値が「1」である画素とその8近傍の画素とを有する。フィルタ処理部202は、図8中段に示すように、ブロック251L、ブロック251R、ブロック252L及びブロック252Rの画素の画素値を昇順で並べ替える。そして、フィルタ処理部202は、並べ替えた合計36画素の画素値のうち中央値を注目画素のフィルタ出力とする。したがって、図8に示す例では、フィルタ処理部202は、図8下段に示すように、中央値である「2」を注目画素のフィルタ出力に決定する。
このように、現在及び過去のフレームのブロック251L、251R、252L、252Rから画素値の中央値を求めて注目画素のフィルタ出力とすることにより、フィルタ処理に用いられる画素数が増加し、より確からしい画素値をフィルタ出力とすることができる。このため、フィルタ処理後の画像においても輪郭部分がぼやけることがなく、結果として、画像のノイズを軽減するとともに、鮮明な画像を取得することができる。
図7に戻り、フィルタ処理部202によってフィルタ処理された現在のフレームの左画像及び右画像は、距離画像生成部124へ出力される。そして、距離画像生成部124によって距離画像が生成され(ステップS106)、表示制御部125によって例えば着色などの所定の表示処理が実行されることにより、表示画像が生成される(ステップS107)。そして、生成された表示画像は、ディスプレイ140に表示される。
以上のように、本実施の形態によれば、現在及び過去のフレームの左右両画像間で対応する画素が決定された後、各画像の対応する画素とその周辺画素とを含むブロックを用いたフィルタ処理が実行される。このため、個別の画像に対してフィルタ処理を実行する場合や従来の時間的フィルタによるフィルタ処理を実行する場合よりも参照される画素数が増えて情報量が増加し、フィルタ処理後の画像の輪郭部分がぼやけることがない。したがって、動画像の各フレームの画像におけるノイズを軽減するとともに、各フレームにおいて鮮明な画像を取得することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、左右両画像間の類似度と現在及び過去のフレームの画像間の類似度とに基づいて、空間的フィルタ及び時間的フィルタの重み係数が決定され、空間的フィルタの出力と時間的フィルタの出力とが合成される。
本実施の形態に係る画像処理装置の構成は、実施の形態1の画像処理装置(図1)と同様であるため、その説明を省略する。本実施の形態においては、プロセッサ120の機能が実施の形態1とは異なっている。
図9は、実施の形態3に係るプロセッサ120の機能を示すブロック図である。図9において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図9に示すプロセッサ120は、図2に示す左ブロックマッチング部122L、右ブロックマッチング部122R及びフィルタ処理部123に代えて、左ブロックマッチング部302L、右ブロックマッチング部302R及びフィルタ処理部304を有する。さらに、図9に示すプロセッサ120においては、図2に示すプロセッサ120に類似度算出部301及び重み係数決定部303が追加されている。
類似度算出部301は、現在のフレームの左画像と右画像の類似度を算出する。また、類似度算出部301は、現在のフレームの左画像と過去のフレームの左画像との類似度を算出し、現在のフレームの右画像と過去のフレームの右画像との類似度を算出する。具体的には、類似度算出部301は、例えば各画像間においてSAD(Sum of Absolute Difference:差分絶対値和)を算出する。SADは、対応する画素間の画素値の差分の絶対値を合計した値であるため、SADが小さいほど2画像が類似していることになる。
左ブロックマッチング部302Lは、現在のフレームの左画像を基準としたブロックマッチングを実行する。すなわち、左ブロックマッチング部302Lは、現在のフレームの左画像の各画素に対応する画素をブロックマッチングにより現在のフレームの右画像から探索する。また、左ブロックマッチング部302Lは、現在のフレームの左画像の各画素に対応する画素をブロックマッチングにより過去のフレームの左画像から探索する。具体的には、左ブロックマッチング部302Lは、例えば現在のフレームの左画像の3×3画素のブロックをテンプレートに設定し、テンプレートを移動させながら現在のフレームの右画像及び過去のフレームの左画像の各ブロックとの相関を算出する。そして、左ブロックマッチング部302Lは、テンプレートとの相関が最も高い各画像のブロックを検出すると、これらのブロックの中央の画素がテンプレートの中央の画素に対応する画素であると決定する。
左ブロックマッチング部302Lは、現在のフレームの左画像の3×3画素のブロックを順次テンプレートに設定し、同様の処理を繰り返すことにより、現在のフレームの左画像の各画素に対応する画素を決定する。そして、左ブロックマッチング部302Lは、現在のフレームの左画像の各画素に対応する画素の情報をフィルタ処理部304へ出力する。
右ブロックマッチング部302Rは、現在のフレームの右画像を基準としたブロックマッチングを実行する。すなわち、右ブロックマッチング部302Rは、現在のフレームの右画像の各画素に対応する画素をブロックマッチングにより現在のフレームの左画像から探索する。また、右ブロックマッチング部302Rは、現在のフレームの右画像の各画素に対応する画素をブロックマッチングにより過去のフレームの右画像から探索する。具体的には、右ブロックマッチング部302Rは、例えば現在のフレームの右画像の3×3画素のブロックをテンプレートに設定し、テンプレートを移動させながら現在のフレームの左画像及び過去のフレームの右画像の各ブロックとの相関を算出する。そして、右ブロックマッチング部302Rは、テンプレートとの相関が最も高い各画像のブロックを検出すると、これらのブロックの中央の画素がテンプレートの中央の画素に対応する画素であると決定する。
右ブロックマッチング部302Rは、現在のフレームの右画像の3×3画素のブロックを順次テンプレートに設定し、同様の処理を繰り返すことにより、現在のフレームの右画像の各画素に対応する画素を決定する。そして、右ブロックマッチング部302Rは、現在のフレームの右画像の各画素に対応する画素の情報をフィルタ処理部304へ出力する。
重み係数決定部303は、類似度算出部301によって算出された各画像間の類似度に基づいて、空間的フィルタ及び時間的フィルタの重み係数を決定する。このとき、重み係数決定部303は、各画像間のSADに基づいて、左右両画像が類似していれば空間的フィルタの重み係数を大きくし、現在及び過去のフレームの画像が類似していれば時間的フィルタの重み係数を大きくする。
具体的には、重み係数決定部303は、以下の式(1)により、判別値Dを算出する。
D=min{SADT/THT, 1}−min{SADS/THS, 1} …(1)
式(1)において、min{a, b}はa及びbのうち小さい方の値を示し、SADTは現在及び過去のフレームの画像間のSADを示し、SADSは現在のフレームの左右両画像間のSADを示す。また、THT及びTHSは、それぞれ画像が類似していないと判断可能な所定の閾値を示す。すなわち、例えばSADTがTHT以上であれば、現在及び過去のフレームの画像が類似していないと判断可能である。
判別値Dは、−1から+1の間の値を取るが、例えば、現在及び過去のフレームの画像が類似しており、現在のフレームの左右両画像が類似していない場合には、−1に近い値を取る。反対に、判別値Dは、現在及び過去のフレームの画像が類似しておらず、現在のフレームの左右両画像が類似している場合には、+1に近い値を取る。
重み係数決定部303は、判別値Dを算出した後、判別値Dについて単調減少する関数から、時間的フィルタの重み係数を決定する。具体的には、重み係数決定部303は、例えば図10に示す判別値Dの関数に基づいて、判別値Dに対応する時間的フィルタの重み係数RTを決定する。そして、重み係数決定部303は、空間的フィルタの重み係数を(1−RT)に決定する。
このように重み係数を決定することにより、例えば現在及び過去のフレームの画像が完全に一致しており、現在のフレームの左右両画像が類似していない場合は、判別値Dが−1となり、重み係数RTが1となる。換言すれば、時間的フィルタの重み係数が1となり、空間的フィルタの重み係数が0となる。したがって、相関が低い画像を用いた空間的フィルタの重みが相対的に小さくなり、フィルタ処理の精度を向上することができる。
フィルタ処理部304は、現在のフレームの左画像の各画素に対応する画素の情報を用いて、現在のフレームの左画像の空間的フィルタ処理及び時間的フィルタ処理を実行する。すなわち、フィルタ処理部304は、現在のフレームの左画像の各画素を順次注目画素とし、注目画素及びその周辺画素と現在のフレームの右画像において注目画素に対応する画素及びその周辺画素とを使用して、空間的フィルタ処理を実行する。また、フィルタ処理部304は、現在のフレームの左画像の各画素を順次注目画素とし、注目画素及びその周辺画素と過去のフレームの左画像において注目画素に対応する画素及びその周辺画素とを使用して、時間的フィルタ処理を実行する。空間的フィルタ処理及び時間的フィルタ処理のいずれにおいても、フィルタ処理部304は、例えば使用される各画素の画素値の中央値や注目画素からのユークリッド距離に応じた重み付け平均値などを注目画素のフィルタ出力として求める。
また、フィルタ処理部304は、現在のフレームの右画像の各画素に対応する画素の情報を用いて、現在のフレームの右画像の空間的フィルタ処理及び時間的フィルタ処理を実行する。すなわち、フィルタ処理部304は、現在のフレームの右画像の各画素を順次注目画素とし、注目画素及びその周辺画素と現在のフレームの左画像において注目画素に対応する画素及びその周辺画素とを使用して、空間的フィルタ処理を実行する。また、フィルタ処理部304は、現在のフレームの右画像の各画素を順次注目画素とし、注目画素及びその周辺画素と過去のフレームの右画像において注目画素に対応する画素及びその周辺画素とを使用して、時間的フィルタ処理を実行する。
さらに、フィルタ処理部304は、重み係数決定部303によって決定された重み係数をそれぞれ空間的フィルタ出力及び時間的フィルタ出力に乗算して和を算出することにより、空間的フィルタ出力及び時間的フィルタ出力を合成する。すなわち、フィルタ処理部304は、重み係数RTを時間的フィルタ出力に乗算し、重み係数(1−RT)を空間的フィルタ出力に乗算し、それぞれの乗算結果を加算して最終的なフィルタ出力を得る。
次いで、上記のように構成された画像処理装置100におけるフィルタ処理について、図11に示すフロー図を参照しながら説明する。
現在のフレームの左画像及び右画像が撮像制御部121によって取得されると、これらの画像は、類似度算出部301へ入力される。また、メモリ130に記憶された過去のフレームの左画像及び右画像も類似度算出部301へ入力される。そして、類似度算出部301によって、現在のフレームの左右両画像間の類似度が算出される(ステップS301)。また、類似度算出部301によって、現在及び過去のフレームの左画像間の類似度及び右画像間の類似度が算出される(ステップS302)。すなわち、類似度算出部301によって、各画像の組み合わせにおけるSADが算出される。
算出されたSADは、重み係数決定部303へ出力される。そして、重み係数決定部303によって、各画像の組み合わせにおけるSADから空間的フィルタ及び時間的フィルタの重み係数が決定される(ステップS303)。具体的には、現在のフレームの左右両画像間のSADSと、現在及び過去のフレームの画像間のSADTとから、上記式(1)によって判別値Dが算出される。そして、判別値Dと時間的フィルタの重み係数RTとに関する関数が用いられることにより、判別値Dから時間的フィルタの重み係数RT及び空間的フィルタの重み係数(1−RT)が決定される。決定された重み係数は、フィルタ処理部304へ入力される。
一方、現在及び過去のフレームの左右両画像が左ブロックマッチング部302L及び右ブロックマッチング部302Rへ入力され、ブロックマッチングにより画像間の対応する画素が決定される。そして、フィルタ処理部304によって、現在のフレームの左右両画像を用いた空間的フィルタ処理が実行される(ステップS304)。また、空間的フィルタ処理と並行して、フィルタ処理部304によって、現在及び過去のフレームの左画像を用いた時間的フィルタ処理と、現在及び過去のフレームの右画像を用いた時間的フィルタ処理とが実行される(ステップS305)。
そして、現在のフレームの左画像を基準とした時間的フィルタ出力及び空間的フィルタ出力にそれぞれ重み係数RT及び重み係数(1−RT)が乗算され、乗算結果が加算されることにより、左画像に関する最終的なフィルタ出力が算出される。同様に、現在のフレームの右画像を基準とした時間的フィルタ出力及び空間的フィルタ出力にそれぞれ重み係数RT及び重み係数(1−RT)が乗算され、乗算結果が加算されることにより、右画像に関する最終的なフィルタ出力が算出される(ステップS306)。このようなフィルタ出力は、現在のフレームの左画像及び右画像の各画素について算出され、本実施の形態に係るフィルタ処理が施された現在のフレームの左画像及び右画像が得られる。
以上のように、本実施の形態によれば、現在のフレームの左右両画像を用いた空間的フィルタ出力と、現在及び過去のフレームの画像を用いた時間的フィルタ出力とが画像間の類似度に応じた重み係数が乗算された上で合成される。このため、フィルタ処理の際に参照される画素数を増やして情報量を増加させるとともに、類似度が高い画像から得られる情報の重みを大きくし、信頼度が高いフィルタ処理を実現することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4では、撮像されて得られた左画像及び右画像それぞれにおける画素値のヒストグラムを均一化した上で、左右両画像を用いたフィルタ処理が実行される。
本実施の形態に係る画像処理装置の構成は、実施の形態1の画像処理装置(図1)と同様であるため、その説明を省略する。本実施の形態においては、プロセッサ120の機能が実施の形態1とは異なっている。
図12は、実施の形態4に係るプロセッサ120の機能を示すブロック図である。図12において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図12に示すプロセッサ120においては、図2に示すプロセッサ120に均一化処理部401及び逆変換部402が追加されている。
均一化処理部401は、左画像の画素値のヒストグラムと右画像の画素値のヒストグラムとを均一化し、2つのヒストグラムにおける度数分布を揃える。すなわち、均一化処理部401は、ヒストグラムの形状を保ったまま各画像の画素値を変換して、左画像の画素値のヒストグラムと右画像の画素値のヒストグラムとのレンジなどを統一する。
具体的には、均一化処理部401は、例えば以下の式(2)により各画素値を変換する。
O(x)=int({(ΣI(x)−IL)/S}・(Id−1)/(1−IL/S)) …(2)
上記式(2)は、変換前の画素値xと変換後の画素値O(x)との関係を示している。式(2)において、int(a)は実数aを四捨五入して得られる整数を示し、I(x)は画像内の画素値xの画素数を示し、ILは画像内の最小画素値の画素数を示す。したがって、ΣI(x)は、画素値が0からxまでの画素数の合計を示している。また、Sは画像の全画素数を示し、Idは画像の階調数を示す。したがって、例えば256階調の800×600画素の画像であれば、Sが480000となり、Idが256となる。
式(2)によって画素値を変換することにより、変換後の画像の画素値の累積度数分布は、傾きが正の一次関数となる。このため、均一化処理部401は、式(2)を用いて左画像及び右画像の画素値を変換することにより、左画像及び右画像のヒストグラムを均一化することができる。
逆変換部402は、フィルタ処理部123によってフィルタ処理が施された左画像及び右画像に対し、均一化処理部401における画素値変換の逆変換を行う。すなわち、逆変換部402は、均一化処理部401によって均一化された左画像及び右画像のヒストグラムを元のヒストグラムに戻す変換を行う。
本実施の形態においては、左画像及び右画像のヒストグラムを均一化した上でフィルタ処理を実行する。すなわち、フィルタ処理の前処理として、画素値の変換により左画像及び右画像のヒストグラムを均一化し、フィルタ処理の後処理として、ヒストグラム均一化の際の画素値変換の逆変換をする。本実施の形態に係るフィルタ処理自体は、実施の形態1のフィルタ処理と同様である。
左画像及び右画像は、それぞれ左カメラ110L及び右カメラ110Rによって撮像されて得られるため、カメラの特性の違いによって、同程度の明るさの部分の画素の画素値が左画像と右画像では異なることがある。このため、左カメラ110L及び右カメラ110Rによって取得された左右両画像をそのまま用いてフィルタ処理を実行すると、フィルタ処理の精度が低いことが考えられる。そこで、本実施の形態においては、左画像及び右画像の画素のヒストグラムを均一化した上で、フィルタ処理を実行する。これにより、フィルタ処理の精度を向上することができる。また、フィルタ処理後は、均一化されたヒストグラムを元に戻す逆変換が行われるため、ヒストグラムの均一化が距離画像生成部124によって生成される距離画像に影響を与えることはない。
以上のように、本実施の形態によれば、左画像及び右画像の画素値のヒストグラムを均一化した上で左右両画像を用いたフィルタ処理が実行される。このため、フィルタ処理の精度を向上し、より正確に画像中のノイズを軽減することができる。
なお、本実施の形態に係る均一化処理部401は、上記式(2)によって画素値を変換することによりヒストグラムを均一化することとしたが、他の方法によってヒストグラムを均一化しても良い。例えば、均一化処理部401は、左画像及び右画像それぞれの画素値の平均値を算出し、平均値の差分をオフセットとして一方の画像の画素値に一律に加算又は減算しても良い。すなわち、均一化処理部401は、左画像及び右画像の画素値の平均値を一致させ、ヒストグラムを均一化しても良い。こうすることにより、簡易な処理でヒストグラムを均一化することができる。
(実施の形態5)
実施の形態5では、左画像及び右画像それぞれの画素値の分散が求められ、分散が小さい画像の画素を重複して用いたフィルタ処理が実行される。
本実施の形態に係る画像処理装置の構成は、実施の形態1の画像処理装置(図1)と同様であるため、その説明を省略する。本実施の形態においては、プロセッサ120の機能が実施の形態1とは異なっている。
図13は、実施の形態5に係るプロセッサ120の機能を示すブロック図である。図13において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図13に示すプロセッサ120においては、図2に示すプロセッサ120に分散算出部501が追加され、フィルタ処理部123がフィルタ処理部502に変更されている。
分散算出部501は、左画像及び右画像それぞれの画素値の分散を算出する。そして、分散算出部501は、算出した左画像の分散と右画像の分散とを大小比較し、分散が小さい画像をフィルタ処理部502へ通知する。ここで、画素値の分散が小さければ、画像内に特異な画素値を有する画素が少ないと考えられるため、分散が小さい画像は、よりノイズが少ない画像と推測することができる。このため、分散算出部501は、左画像及び右画像のうち、よりノイズが少ない画像をフィルタ処理部502へ通知していることになる。
フィルタ処理部502は、左右両画像の対応する画素の情報を用いて、左画像及び右画像のフィルタ処理を実行する。すなわち、フィルタ処理部502は、一方の画像の各画素を順次注目画素とし、注目画素及びその周辺画素と他方の画像における注目画素に対応する画素及びその周辺画素とを使用して、注目画素のフィルタ出力を求める。このとき、フィルタ処理部502は、分散算出部501から通知された画像の画素を重複して用いて注目画素のフィルタ出力を求める。
具体的には、フィルタ処理部502は、例えば分散算出部501から右画像の画素値の分散が小さいことが通知された場合には、右画像のブロックを重複して用いて注目画素の画素値を求める。すなわち、例えば図14に示すように、フィルタ処理部502は、左画像のブロック551Lと、右画像のブロック551R−1及びブロック551R−2とを用いたフィルタ処理を実行する。図14上段において、右画像のブロック551R−1とブロック551R−2とは同一のブロックである。
フィルタ処理部502は、図14中段に示すように、ブロック551L、ブロック551R−1及びブロック551R−2の画素の画素値を昇順で並べ替える。そして、フィルタ処理部502は、並べ替えた合計27画素の画素値のうち中央値を注目画素のフィルタ出力とする。したがって、図14に示す例では、フィルタ処理部502は、図14下段に示すように、中央値である「2」を注目画素のフィルタ出力に決定する。
本実施の形態においては、左画像及び右画像の画素値の分散を算出し、分散が小さい方の画像の画素を重複して用いてフィルタ処理を実行する。すなわち、画素値の分散が小さくノイズが少ないと考えられる画像の重みを大きくしてフィルタ処理を実行する。左画像及び右画像のうち一方の画像の画素が重複して用いられる点を除けば、本実施の形態に係るフィルタ処理は、実施の形態1のフィルタ処理と同様である。
以上のように、本実施の形態によれば、左画像及び右画像のうち画素値の分散が小さい画像の画素を重複して用いたフィルタ処理が実行される。このため、ノイズが少ない画像の重みを大きくしたフィルタ処理が可能となり、より高い精度で画像中のノイズを軽減することができる。
(実施の形態6)
実施の形態6では、現在のフレームの左画像及び右画像を個別に用いた空間的フィルタと、現在のフレームの左右両画像を用いた空間的フィルタと、現在及び過去のフレームの画像を用いた時間的フィルタとが状況に応じて使い分けられる。以下の説明においては、現在のフレームの左画像及び右画像を個別に用いた空間的フィルタを「個別空間的フィルタ」といい、現在のフレームの左右両画像を用いた空間的フィルタを「合成空間的フィルタ」という。
図15は、実施の形態6に係る画像処理装置100aの構成を示すブロック図である。図15において、図1と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図15に示す画像処理装置100aは、図1に示す画像処理装置100にセンサ600を追加した構成を有する。
センサ600は、例えば左カメラ110L及び右カメラ110Rから被写体までの距離を測定する赤外線センサ、画像処理装置100aに加わる加速度を測定する加速度センサ、及び画像処理装置100aの姿勢を検知するジャイロセンサなどを有する。そして、センサ600は、各センサによって得られるセンサ値をプロセッサ120へ出力する。
図16は、実施の形態6に係るプロセッサ120の機能を示すブロック図である。図16において、図2及び図6と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図16に示すプロセッサ120においては、図6に示すプロセッサ120にフィルタ選択部601が追加され、フィルタ処理部202がフィルタ処理部602に変更されている。
フィルタ選択部601は、センサ600から出力されるセンサ値を取得し、センサ値に基づいて、個別空間的フィルタ、合成空間的フィルタ及び時間的フィルタのいずれかを選択する。このとき、フィルタ選択部601は、現在及び過去のフレームの左画像及び右画像を取得し、画像間の相関演算や動きベクトル算出などを行い、これらの演算結果を考慮していずれかのフィルタを選択する。フィルタ選択部601は、フィルタの選択にあたって、現在のフレームの左右両画像が比較的大きく異なる場合には、時間的フィルタを選択する。また、フィルタ選択部601は、現在及び過去のフレームの画像が比較的大きく異なる場合には、合成空間的フィルタを選択する。さらに、フィルタ選択部601は、現在のフレームの左右両画像が比較的大きく異なり、かつ、現在及び過去のフレームの画像が比較的大きく異なる場合には、個別空間的フィルタを選択する。
具体的には、フィルタ選択部601は、センサ600から出力される赤外線センサのセンサ値に基づいて、左カメラ110L及び右カメラ110Rから被写体までの距離が所定の閾値未満であると判定した場合には、時間的フィルタを選択する。また、フィルタ選択部601は、現在のフレームの左右両画像のうち一方の画像には結像され他方の画像では死角となっているオクルージョン領域を検出し、オクルージョン領域の面積が所定の閾値以上であると判定した場合には、時間的フィルタを選択する。さらに、フィルタ選択部601は、現在のフレームにおける左右両画像間での動きベクトルと、過去のフレームにおける左右両画像間での動きベクトルとの相関が所定の閾値未満であると判定した場合には、時間的フィルタを選択する。また、フィルタ選択部601は、現在及び過去のフレームの画像間でのSADが所定の閾値未満であると判定した場合には、時間的フィルタを選択する。
一方、フィルタ選択部601は、センサ600から出力される加速度センサ又はジャイロセンサのセンサ値に基づいて、例えば撮影時の手ブレなどにより画像処理装置100aの位置変動が所定の閾値以上であると判定した場合には、合成空間的フィルタを選択する。また、フィルタ選択部601は、現在及び過去のフレームの画像間の相関演算を行ってシーンチェンジの有無を判定し、シーンチェンジがあると判定した場合には、合成空間的フィルタを選択する。さらに、フィルタ選択部601は、現在及び過去のフレームの画像間の動きベクトルを求め、動きベクトルの大きさが所定の閾値以上であると判定した場合には、合成空間的フィルタを選択する。また、フィルタ選択部601は、現在のフレームの左右両画像間でのSADが所定の閾値未満であると判定した場合には、合成空間的フィルタを選択する。
そして、フィルタ選択部601は、上記の各場合に該当せず、現在及び過去のフレームの画像間でのSAD及び現在のフレームの左右両画像間でのSADがいずれも所定の閾値以上であると判定した場合には、個別空間的フィルタを選択する。
フィルタ処理部602は、現在及び過去のフレームの左右両画像のうち、フィルタ選択部601によって選択されたフィルタに対応する画像を用いてフィルタ処理を実行する。すなわち、フィルタ処理部602は、時間的フィルタが選択された場合には、現在及び過去のフレームの左画像を用いて左画像のフィルタ処理を実行するとともに、現在及び過去のフレームの右画像を用いて右画像のフィルタ処理を実行する。また、フィルタ処理部602は、合成空間的フィルタが選択された場合には、現在のフレームの左右両画像を用いて左画像及び右画像のフィルタ処理を実行する。そして、フィルタ処理部602は、個別空間的フィルタが選択された場合には、現在のフレームの左画像を用いてこの左画像のフィルタ処理を実行するとともに、現在のフレームの右画像を用いてこの右画像のフィルタ処理を実行する。
次いで、本実施の形態に係るフィルタ選択部601によるフィルタ選択処理について、図17に示すフロー図を参照しながら説明する。
まず、撮影時の赤外線センサのセンサ値から、被写体が近距離に存在するか否かが判定される(ステップS401)。すなわち、被写体までの距離が所定の閾値未満であるか否かが判定され、所定の閾値未満である場合には(ステップS401Yes)、時間的フィルタが選択される(ステップS411)。これは、被写体が近距離にある場合は、左カメラ110L及び右カメラ110Rの視差が大きく、左右両画像が比較的大きく異なるため、合成空間的フィルタの信頼度が低いからである。
被写体までの距離が所定の閾値以上である場合には(ステップS401No)、撮影時の加速度センサ又はジャイロセンサなどのセンサ値から、撮影時にブレがあったか否かが判定される(ステップS402)。すなわち、撮影時の画像処理装置100aの位置変動が所定の閾値以上であったか否かが判定され、所定の閾値以上である場合には(ステップS402Yes)、合成空間的フィルタが選択される(ステップS410)。これは、撮影時の手ブレなどにより、左カメラ110L及び右カメラ110Rが動いた場合は、現在及び過去のフレームの画像が比較的大きく異なるため、時間的フィルタの信頼度が低いからである。
画像処理装置100aの位置変動が所定の閾値未満であった場合には(ステップS402No)、過去のフレームから現在のフレームの間にシーンチェンジがあったか否かが判定される(ステップS403)。すなわち、現在及び過去のフレームの画像の相関が所定の閾値未満であるか否かが判定され、所定の閾値未満である場合には(ステップS403Yes)、合成空間的フィルタが選択される(ステップS410)。これは、現在のフレームと過去のフレームの間にシーンチェンジがある場合は、現在及び過去のフレームの画像が比較的大きく異なるため、時間的フィルタの信頼度が低いからである。
現在及び過去のフレームの画像の相関が所定の閾値以上である場合には(ステップS403No)、現在のフレームの左右両画像にオクルージョン領域があるか否かが判定される(ステップS404)。すなわち、一方の画像には写っており他方の画像には写っていないオクルージョン領域の面積が所定の閾値以上であるか否かが判定され、所定の閾値以上である場合には(ステップS404Yes)、時間的フィルタが選択される(ステップS411)。これは、オクルージョン領域の面積が大きい場合は、左右両画像が比較的大きく異なるため、合成空間的フィルタの信頼度が低いからである。
オクルージョン領域の面積が所定の閾値未満である場合には(ステップS404No)、現在及び過去のフレームの画像間における動きベクトルが大きいか否かが判定される(ステップS405)。すなわち、現在及び過去のフレームの画像間の動きベクトルの大きさが所定の閾値以上であるか否かが判定され、所定の閾値以上である場合には(ステップS405Yes)、合成空間的フィルタが選択される(ステップS410)。これは、現在及び過去のフレームの画像間の動きベクトルが大きい場合は、画像内に大きく移動した領域があるため、時間的フィルタの信頼度が低いからである。
動きベクトルの大きさが所定の閾値未満である場合には(ステップS405Yes)、現在及び過去のフレームそれぞれにおける左右両画像間の動きベクトルの相関が小さいか否かが判定される(ステップS406)。すなわち、現在のフレームの左右両画像間の動きベクトルと過去のフレームの左右両画像間の動きベクトルとの相関が所定の閾値未満であるか否かが判定され、所定の閾値未満である場合には(ステップS406Yes)、時間的フィルタが選択される(ステップS411)。これは、左右両画像間の動きベクトルの相関が小さい場合には、例えば被写体の起伏が激しくマッチングの精度が低くなると考えられるため、合成空間的フィルタの信頼度が低いからである。
左右両画像間の動きベクトルの相関が所定の閾値以上である場合には(ステップS406No)、時間方向のSADが大きいか否かが判定される(ステップS407)。すなわい、現在及び過去のフレームの画像間のSADが所定の閾値以上であるか否かが判定され、所定の閾値未満である場合には(ステップS407No)、時間的フィルタが選択される(ステップS411)。これは、現在及び過去のフレームの画像間のSADが小さい場合には、現在及び過去のフレームの画像が類似しているため、時間的フィルタの信頼度が高いからである。
時間方向のSADが所定の閾値以上である場合には(ステップS407Yes)、現在のフレームの左右両画像間のSADが大きいか否かが判定される(ステップS408)。すなわち、現在のフレームの左右両画像間のSADが所定の閾値以上であるか否かが判定され、所定の閾値未満である場合には(ステップS408No)、合成空間的フィルタが選択される。これは、現在のフレームの左右両画像間のSADが小さい場合には、左右両画像が類似しているため、合成空間的フィルタの信頼度が高いからである。
時間方向のSAD及び現在のフレームの左右両画像間のSADがいずれも所定の閾値以上である場合には(ステップS408Yes)、個別空間的フィルタが選択される(ステップS409)。これは、時間方向のSAD及び現在のフレームの左右両画像間のSADがいずれも大きい場合には、各画像が類似していないため、時間的フィルタ及び合成空間低フィルタ双方の信頼度が低いからである。
以上のように、本実施の形態によれば、比較的類似した画像がフィルタ処理に用いられるように、センサのセンサ値などに基づいてフィルタが選択される。このため、様々な状況に応じて適切なフィルタ処理を実行することができ、より正確に画像中のノイズを軽減することができる。
なお、上記実施の形態6においては、さらに、時間方向のSAD及び現在のフレームの左右両画像間のSADがいずれも小さい場合には、上記実施の形態3のフィルタ処理を実行するようにしても良い。すなわち、SADが小さく画像が類似している場合には、合成空間的フィルタ出力と時間的フィルタ出力とを重み付けして合成しても良い。このとき、それぞれのSADは、画像が類似していないと判断可能な所定の閾値未満であるため、上述した判別値Dは、上記式(1)の代わりに以下の式(3)によって算出することが可能である。
D=SADT/THT−SADS/THS …(3)
また、上記各実施の形態は、適宜組み合わせて実施することができる。すなわち、例えば、実施の形態2と実施の形態4を組み合わせ、現在及び過去のフレームの左右両画像における画素値のヒストグラムを均一化し、画素値のヒストグラムが均一化された4画像を用いたフィルタ処理を実行しても良い。
上記各実施の形態に係る画像処理装置100及び画像処理装置100aは、例えばスマートフォンなどの携帯端末装置や汎用サーバなどの情報処理装置に実装することが可能である。また、上記各実施の形態に係る画像処理装置100及び画像処理装置100aは、必ずしも左カメラ110L及び右カメラ110Rを備える必要はなく、別体のカメラによって撮像された2画像を取得した上で、上記各実施の形態と同様の画像処理を行っても良い。
さらに、上記各実施の形態において説明した画像処理装置100及び画像処理装置100aの動作をコンピュータが実行可能なプログラムとして記述することも可能である。この場合、このプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納し、コンピュータに導入することも可能である。コンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、例えばCD−ROM、DVDディスク、USBメモリなどの可搬型記録媒体や、例えばフラッシュメモリなどの半導体メモリが挙げられる。
110L 左カメラ
110R 右カメラ
120 プロセッサ
121 撮像制御部
122L、201L、302L 左ブロックマッチング部
122R、201R、302R 右ブロックマッチング部
123、202、304、502、602 フィルタ処理部
124 距離画像生成部
125 表示制御部
130 メモリ
140 ディスプレイ
301 類似度算出部
303 係数決定部
401 均一化処理部
402 逆変換部
501 分散算出部
600 センサ
601 フィルタ選択部

Claims (11)

  1. メモリと、
    前記メモリに接続されたプロセッサとを有し、
    前記プロセッサは、
    異なる2点から撮像された第1の画像及び第2の画像を取得し、
    取得された前記第1の画像の各画素に対応する前記第2の画像の画素を決定し、
    互いに対応すると決定された前記第1の画像及び前記第2の画像の画素と当該画素の周辺画素とに基づいて、前記第1の画像の画素に対応するフィルタ出力を求める
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記プロセッサは、
    過去に前記異なる2点から撮像された第3の画像及び第4の画像を取得し、
    前記第1の画像の各画素に対応する前記第3の画像及び前記第4の画像の画素を決定し、
    前記フィルタ出力を求める処理は、
    互いに対応すると決定された前記第1の画像、前記第2の画像、前記第3の画像及び前記第4の画像の画素と当該画素の周辺画素とに基づいて、前記第1の画像の画素に対応するフィルタ出力を求める
    ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記フィルタ出力を求める処理は、
    前記第1の画像及び前記第2の画像の画素に基づいて求められる前記第1の画像の画素の第1のフィルタ出力を取得し、
    前記第1の画像及び前記第3の画像の画素に基づいて求められる前記第1の画像の画素の第2のフィルタ出力を取得し、
    前記第1の画像と前記第2の画像の第1の類似度を算出し、
    前記第1の画像と前記第3の画像の第2の類似度を算出し、
    算出された前記第1の類似度及び前記第2の類似度に基づいて、前記第1のフィルタ出力の重み係数と、前記第2のフィルタ出力の重み係数とを決定し、
    決定された重み係数によって前記第1のフィルタ出力及び前記第2のフィルタ出力を重み付けして合成する
    ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記プロセッサは、
    前記第1の画像における画素値を変換することにより、前記第1の画像における画素値のヒストグラムと前記第2の画像における画素値のヒストグラムとを均一化し、
    前記フィルタ出力を求める処理は、
    画素値のヒストグラムが均一化された後の前記第1の画像及び前記第2の画像の画素に基づいて、前記第1の画像の画素に対応するフィルタ出力を求め、
    求められたフィルタ出力に対して、前記均一化する処理における画素値の変換の逆変換を行う
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記プロセッサは、
    前記第1の画像における画素値の分散と、前記第2の画像における画素値の分散とを算出し、
    前記フィルタ出力を求める処理は、
    前記第1の画像及び前記第2の画像のうち、算出された画素値の分散が小さい方の画像の画素と当該画素の周辺画素とを重複して用いて前記第1の画像の画素に対応するフィルタ出力を求める
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記フィルタ出力を求める処理は、
    前記第1の画像の注目画素、当該注目画素の周辺画素、前記注目画素に対応する前記第2の画像の対応画素及び当該対応画素の周辺画素の画素値の中央値を前記注目画素のフィルタ出力とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記フィルタ出力を求める処理は、
    前記第1の画像の注目画素、当該注目画素の周辺画素、前記注目画素に対応する前記第2の画像の対応画素及び当該対応画素の周辺画素を前記注目画素及び前記対応画素からのユークリッド距離に応じて重み付けし、各画素の重み付けされた画素値の平均値を前記注目画素のフィルタ出力とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記異なる2点から被写体までの距離を測定する第1のセンサと、
    前記第1の画像及び前記第2の画像を撮像する撮像装置の撮像時における位置変動を検知する第2のセンサとをさらに有し、
    前記プロセッサは、
    前記第1のセンサ及び前記第2のセンサによるセンサ値に基づいて、前記第1の画像及び前記第2の画像の画素に基づいて前記第1の画像の画素に対応するフィルタ出力を算出するか、前記第1の画像及び前記第1の画像より前に撮像された画像の画素に基づいて前記第1の画像の画素に対応するフィルタ出力を算出するかを選択する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  9. 異なる2点から撮像された第1の画像及び第2の画像を取得する取得部と、
    前記取得部によって取得された前記第1の画像の各画素に対応する前記第2の画像の画素を決定する決定部と、
    前記決定部によって互いに対応すると決定された前記第1の画像及び前記第2の画像の画素と当該画素の周辺画素とに基づいて、前記第1の画像の画素に対応するフィルタ出力を求めるフィルタ処理部と
    を有することを特徴とする画像処理回路。
  10. 異なる2点から撮像された第1の画像及び第2の画像を取得し、
    取得された前記第1の画像の各画素に対応する前記第2の画像の画素を決定し、
    互いに対応すると決定された前記第1の画像及び前記第2の画像の画素と当該画素の周辺画素とに基づいて、前記第1の画像の画素に対応するフィルタ出力を求める
    ことを特徴とする画像処理方法。
  11. コンピュータに、
    異なる2点から撮像された第1の画像及び第2の画像を取得し、
    取得された前記第1の画像の各画素に対応する前記第2の画像の画素を決定し、
    互いに対応すると決定された前記第1の画像及び前記第2の画像の画素と当該画素の周辺画素とに基づいて、前記第1の画像の画素に対応するフィルタ出力を求める
    処理を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
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