JP2014219309A - 化粧料の保湿性の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便かつ客観的に化粧料の保湿性を評価できる方法を提供すること。【解決手段】化粧料の保湿性の評価方法は、化粧料の厚さが0.1mm以上2.0mm以下である評価サンプルを作製する工程と;前記評価サンプルを静置した状態で該評価サンプルに含まれる揮発成分を揮発させて、該評価サンプルの質量の経時変化を測定する工程と;前記評価サンプルの質量の経時変化を測定している間における、該評価サンプルに含まれる不揮発成分の質量に対する前記前記揮発成分の比率が所定の値であるときの該評価サンプルの乾燥速度を求める工程と;求められた前記乾燥速度の値の大小に基づき、化粧料の保湿性を判断する工程とを含む。【選択図】図5
Description
本発明は、化粧料の保湿性を評価する方法に関する。
化粧料は、これを肌に施すことによって初めてその使用感を実感するものであるから、化粧料を様々な観点から評価する場合、専門のパネラーがその化粧料を実際に使用し、官能によって評価を行うのが一般的である。しかし、官能評価は主観評価であるため、パネラー間での評価のばらつきが生じることがある。そのようなばらつきが極力生じないようにするために、従来、パネラーの選定に慎重を期したり、パネラーを訓練したりしていた。また、評価サンプル数を増やす工夫もなされていた。これらの試みは、パネラーによる官能評価の信頼性を高める観点から有効なものであるが、その反面、時間や手間が掛かるものになる。
一方、パネラーによる官能評価に代えて、客観性を担保するための評価方法が幾つか提案されている。例えば特許文献1には、ヒト擬似皮膚に対する化粧水の接触角を評価することで、該化粧水の塗布状態を評価する方法が開示されている。特許文献2には、支持体上に形成された化粧膜の表面自由エネルギーの外気環境の変化に対する変化特性を評価することで、該化粧膜の特性を評価する方法が開示されている。特許文献3には、被験物質を、水等の液状物質を介して、ヒト由来組織等の三次元組織細胞培養物に接触させ、三次元組織細胞培養物の生細胞数を確認することで、該被験物質の人の肌に対する保湿効果を予測する方法が開示されている。
しかし、例えば特許文献3では培養人工皮膚等の特殊な材料が必要であり、簡便さの点で不十分であった。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る化粧料の保湿性の評価方法を提供することにある。
本発明は、化粧料の厚さが0.1mm以上2.0mm以下である評価サンプルを作製する工程と、
前記評価サンプルを静置した状態で該評価サンプルに含まれる揮発成分を揮発させて、該評価サンプルの質量の経時変化を測定する工程と、
前記評価サンプルの質量の経時変化を測定している間における、該評価サンプルに含まれる不揮発成分の質量に対する前記揮発成分の比率が所定の値であるときの該評価サンプルの乾燥速度を求める工程と、
求められた前記乾燥速度の値の大小に基づき、化粧料の保湿性を判断する工程と、を含む化粧料の保湿性の評価方法を提供するものである。
前記評価サンプルを静置した状態で該評価サンプルに含まれる揮発成分を揮発させて、該評価サンプルの質量の経時変化を測定する工程と、
前記評価サンプルの質量の経時変化を測定している間における、該評価サンプルに含まれる不揮発成分の質量に対する前記揮発成分の比率が所定の値であるときの該評価サンプルの乾燥速度を求める工程と、
求められた前記乾燥速度の値の大小に基づき、化粧料の保湿性を判断する工程と、を含む化粧料の保湿性の評価方法を提供するものである。
本発明によれば、簡便かつ客観的に化粧料の保湿性を評価することができる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明は、化粧料の保湿性を評価する方法に係る。化粧料は一般にその保湿性が高いほど、その化粧料を肌に塗布したときに肌がしっとりすると知覚される。したがって肌のしっとり感の観点から見ると、化粧料はその保湿性が高いことが望まれる。本発明の評価方法によれば、パネラーによる官能評価を行わなくても、化粧料の保湿性を客観的に評価することが可能になる。この方法は、以下の(A)ないし(D)の工程に大別される。
(A)化粧料の厚さが0.1mm以上2.0mm以下である評価サンプルを作製する工程。
(B)前記評価サンプルを静置した状態で該評価サンプルに含まれる揮発成分を揮発させて、該評価サンプルの質量の経時変化を測定する工程。
(C)前記評価サンプルの質量の経時変化を測定している間における、該評価サンプルに含まれる不揮発成分の質量に対する前記前記揮発成分の比率が所定の値であるときの該評価サンプルの乾燥速度を求める工程。
(D)求められた前記乾燥速度の値の大小に基づき、化粧料の保湿性を判断する工程。
以下、それぞれの工程について詳細に説明する。
(A)化粧料の厚さが0.1mm以上2.0mm以下である評価サンプルを作製する工程。
(B)前記評価サンプルを静置した状態で該評価サンプルに含まれる揮発成分を揮発させて、該評価サンプルの質量の経時変化を測定する工程。
(C)前記評価サンプルの質量の経時変化を測定している間における、該評価サンプルに含まれる不揮発成分の質量に対する前記前記揮発成分の比率が所定の値であるときの該評価サンプルの乾燥速度を求める工程。
(D)求められた前記乾燥速度の値の大小に基づき、化粧料の保湿性を判断する工程。
以下、それぞれの工程について詳細に説明する。
(A)工程
本工程においては、評価の対象となる化粧料を用いて評価サンプルを作製する。評価の対象となる化粧料には、揮発成分を含む化粧料全般が包含される。揮発成分とは、例えば20℃における蒸気圧が2.0kPa以上である物質のことである。そのような揮発成分として、化粧料に含まれる物質の例としては、水、エタノール及びプロパノールなどが挙げられる。
本工程においては、評価の対象となる化粧料を用いて評価サンプルを作製する。評価の対象となる化粧料には、揮発成分を含む化粧料全般が包含される。揮発成分とは、例えば20℃における蒸気圧が2.0kPa以上である物質のことである。そのような揮発成分として、化粧料に含まれる物質の例としては、水、エタノール及びプロパノールなどが挙げられる。
前記の化粧料に含まれる揮発成分の含有量は、化粧料の種類に応じて様々であるが、製品の特性上、保湿性が重要になる場合の揮発成分は、一般的に言って10質量%以上95質量%以下、特に40質量%以上80質量%以下である。揮発成分の割合がこの範囲内である化粧料の具体例としては、化粧水、乳液、美容液、クリーム、リキッドファンデーション、ジェルなどが挙げられるが、これらに限られない。これらの化粧料に含まれている揮発成分以外の成分としては、例えば粉体成分や、20℃における蒸気圧が2.0kPa未満である難揮発成分などが挙げられる。化粧料に含まれる揮発成分の初期の割合は、例えば次の方法で測定される。化粧料を105℃で10分間加熱して、加熱後の残渣の質量を測定する。加熱前の化粧料の質量から残渣の質量を差し引くことで、揮発成分の質量を算出する。そして、揮発成分の質量を加熱前の化粧料の質量で除し、更に100を乗じることで、化粧料に含まれる揮発成分の初期の割合を求める。
上述した各種の化粧料を評価の対象として用い、評価サンプルを作製する。評価サンプルの形状は、化粧料から適度な速度で揮発成分が揮発するような形状とすることが、測定の精度を高める観点や、測定時間が過度に長くならないようにする観点から好ましい。例えば化粧料の薄層を評価サンプルとして用いることができる。前記の観点から、この薄層の厚さは0.1mm以上、2.0mm以下にする。特に0.3mm以上、0.5mm以上に設定することが有利である。また特に1.5mm以下に設定することが有利である。例えば評価サンプルの厚さは、0.3mm以上2.0mm以下に設定することができ、特に0.5mm以上1.5mm以下に設定することができる。評価サンプルの厚さは、その全体にわたって均一であることが、再現性の良好な結果を得られやすい点から好ましい。
また、測定精度をより一層向上させる観点から、化粧料の体積が0.2cm3以上、特に1.0cm3以上、とりわけ1.5cm3以上である評価サンプルを作製することが好ましい。また、化粧料の体積が4.0cm3以下、特に3.0cm3以下、とりわけ2.5cm3以下である評価サンプルを作製することが好ましい。例えば評価サンプルの体積は、0.2cm3以上4.0cm3以下、特に1.0cm3以上3.0cm3以下、とりわけ1.5cm3以上2.5cm3以下とすることが好ましい。
評価サンプルの作製方法としては、種々の方法を採用することができる。例えば、平坦な基板の表面に化粧料の薄層を形成することで評価サンプルを得ることができる。具体的には、スライドガラス、シャーレ又は人工皮膚を基板として用い、その一面に化粧料の薄膜を形成することができる。化粧料に含まれる揮発成分の割合が高く、そのことに起因して化粧料の粘度が低い場合には、薄層の形態を維持することが容易でないので、例えば底面が平坦になっている浅底の容器を用い、該容器内に化粧料を充填すればよい。この場合、充填された化粧料の上面と、容器の側壁の上面とが面一となるようにするために、該化粧料の上面を摺り切って化粧料の厚みをその全体にわたって均一にすることが好ましい。
好適な評価サンプルの一例として図1のようなものが挙げられる。同図において、符号11は、化粧料10の評価サンプルを作製するために用いられる浅底容器である。浅底容器11は、金属やプラスチック等の非吸液性の材料から構成されている。浅底容器11は、化粧料10の収容部の底面11aが平坦になっている。底面11aは平面視での形状を例えば円形とすることができる。底面11aの周縁部からは、側壁11bが鉛直上方に向けて起立している。側壁11bの起立高さは、その全域にわたって均一になっている。浅底容器11の収容部に化粧料10を充填することで、図1に示すとおり、目的とする評価サンプルを作製することができる。
(B)工程
本工程においては、(A)工程において作製した評価サンプルを静置し、この状態下に、該評価サンプルに含まれる揮発成分を揮発させる。揮発成分の揮発は、例えば評価サンプルを非加熱の状態下に行うことができ、あるいは加熱状態下に行うこともできる。化粧料が使用者の肌に塗布されて使用されるものであることを考慮すると、塗布された状態に近い環境で揮発成分を揮発させることが有利である。この観点から、揮発成分の揮発は10℃以上、特に20℃以上、とりわけ25℃以上で行うことが好ましい。同様の観点から、揮発成分の揮発は40℃以下、特に35℃以下、とりわけ30℃以下で行うことが好ましい。例えば揮発成分の揮発は、10℃以上40℃以下、特に20℃以上35℃以下、とりわけ25℃以上30℃以下で行うことが好ましい。
本工程においては、(A)工程において作製した評価サンプルを静置し、この状態下に、該評価サンプルに含まれる揮発成分を揮発させる。揮発成分の揮発は、例えば評価サンプルを非加熱の状態下に行うことができ、あるいは加熱状態下に行うこともできる。化粧料が使用者の肌に塗布されて使用されるものであることを考慮すると、塗布された状態に近い環境で揮発成分を揮発させることが有利である。この観点から、揮発成分の揮発は10℃以上、特に20℃以上、とりわけ25℃以上で行うことが好ましい。同様の観点から、揮発成分の揮発は40℃以下、特に35℃以下、とりわけ30℃以下で行うことが好ましい。例えば揮発成分の揮発は、10℃以上40℃以下、特に20℃以上35℃以下、とりわけ25℃以上30℃以下で行うことが好ましい。
揮発積分を揮発させるときの湿度については、揮発を促進させる観点から低湿度条件を採用することが有利である。この観点から、揮発成分の揮発は0%RH以上(つまり絶乾状態以上)で行うことが好ましい。同様の観点から、揮発成分の揮発は80%RH以下、特に20%RH以下、とりわけ2%RH以下で行うことが好ましい。例えば揮発成分の揮発は、0%RH以上80%RH以下、特に0%RH以上20%RH以下、とりわけ0%RH以上2%RH以下で行うことが好ましい。周囲環境を低湿度にするためには、例えば、後述するとおり評価サンプルを密閉系に静置するときには、系内に除湿剤、例えばシリカゲル等を配置しておけばよい。
評価サンプルから揮発成分を揮発させるときには、評価サンプルを開放系に載置してもよく、あるいは密閉系に載置してもよい。揮発成分の揮発に起因する評価サンプルの質量変化(質量減少)の測定の精度を高める観点からは、評価サンプルを気密な容器内に載置して、密閉系で評価サンプルの質量変化を測定することが好ましい。また、密閉系にすることで、揮発成分を揮発させるときの周囲温度及び周囲湿度を一定に保つことが容易になる。
評価サンプルから揮発成分を揮発させることで、該評価サンプルの質量は徐々に減少する。本発明においては、この質量変化を経時的に測定する。経時的な質量変化の測定は、連続的に行ってもよく、あるいは一定の時間毎に間欠的に行ってもよい。評価サンプルの質量の測定は、該評価サンプルを質量の測定が可能な機器を用いて行うことができる。例えば電子天秤を用いて評価サンプルの測定を行うことができる。測定機器に、測定された質量のデータを外部へ転送し得るインターフェースが備えられている場合には、該インターフェースを介してデータの保存・処理手段に質量のデータを転送することで、測定の効率化や自動化を図ることができる。
密閉系において評価サンプルから揮発成分を揮発させるときには、系内の空気を攪拌することが好ましい。このようにすることで、揮発成分の揮発を均一に行うことができ、測定の再現性・信頼性を高めることができる。空気を攪拌させるためには、例えば密閉系内に循環用のファンを設置しておき、該ファンを回転させればよい。
(C)工程
上述した(B)工程において、評価サンプルを静置した状態下に経時的に測定された該評価サンプルの質量に基づき、該評価サンプルを構成する化粧料の乾燥速度を時間毎に算出する。乾燥速度F[g/(m2・hr)]は、以下の式(1)で定義される。
上述した(B)工程において、評価サンプルを静置した状態下に経時的に測定された該評価サンプルの質量に基づき、該評価サンプルを構成する化粧料の乾燥速度を時間毎に算出する。乾燥速度F[g/(m2・hr)]は、以下の式(1)で定義される。
式中、Aは、評価サンプルの乾燥面積(m2)、すなわち空気に曝されている面積を表し、Wは、測定時点での評価サンプルの質量(g)を表し、tは、測定時点での時間(hr)を表す。
前記式(1)から明らかなとおり、乾燥速度Fは、数学的には、評価サンプルの質量と経過時間とから得られる曲線(質量変化曲線)を微分することで得られる。数値演算によって乾燥速度Fを算出するには、例えば、評価サンプルの質量の測定のインターバルをT秒とすると、ある時間tでの乾燥速度Ftは、そのT秒前からその時間tまでの評価サンプルの質量変化量ΔWから求めることができる。このようにして求められた乾燥速度Fと乾燥時間(経過時間)tとの関係は、例えば図2に示すグラフのとおりとなる。
本工程においては、評価サンプルの乾燥速度Fは、評価サンプルに含まれる不揮発成分の質量に対する揮発成分の比率が所定値のときの速度を算出すればよい。以下、この評価サンプルに含まれる不揮発成分の質量に対する揮発成分の比率を便宜的に「含水比率」とも言う。ここで言う「含水比率」は水を含有する比率のことではなく、水を含む揮発成分全体の比率のことである点に留意すべきである。含水比率uは以下の式(2)で定義される。
式中、WWは、ある時間での評価サンプルに含まれる揮発成分の質量を表し、WSは、その時間での評価サンプルに含まれる揮発成分以外の質量を表す。WSは、例えば評価サンプルを105℃で10分間加熱して、加熱後の残渣の質量を測定することで求められる。この方法に代えて、カールフィッシャー法で測定することもでき、あるいは成分表から求めることもできる。また、WWは、評価サンプルの質量からWSを差し引くことで求められる。このようにして求められた含水比率uと乾燥時間(経過時間)tとの関係は、例えば図3に示すグラフのとおりとなる。
所定値として好ましい含水比率uを算出する際には、乾燥速度Fと含水比率uを時間ごとに算出する。算出した含水比率ごとに乾燥速度と保湿性の相関を算出する。保湿性はどのように評価しても良く、例えばパネラーによる官能評価で良い。乾燥速度と保湿性の相関が最も高くなる含水比率を所定値となる含水比率Uiとして決定することが好ましい。以上のとおりの手順で求められた乾燥速度Fと乾燥時間tとの関係(図2参照)、及び含水比率uと乾燥時間tとの関係(図3参照)から、評価サンプルがある含水比率Uiになっているときの、該評価サンプルの乾燥速度Fiを求める。本発明者が種々検討した結果、本発明の評価方法とパネラーによる官能評価との相関が最も高くなるときの含水比率Uiは、評価対象とする化粧料が元々含有している揮発成分の含有量に依存せず、含水比率Uiが好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.13以上、一層好ましくは0.15以上であるときに、官能評価との相関が高くなることが判明した。また、含水比率Uiが好ましくは0.35以下、更に好ましくは0.3以下、一層好ましくは0.25以下であるときに、官能評価との相関が高くなることが判明した。例えば、含水比率Uiが好ましくは0.1以上0.35以下、更に好ましくは0.13以上0.3以下、一層好ましくは0.15以上0.25以下であるときに、官能評価との相関が高くなる。
こごで含水比率Uiを算出する際には、評価サンプルとは別にあらかじめ保湿性が異なることが分かっている複数のサンプルを用意し、上述の方法で含水比率Uiを算出するのが好ましい。
こごで含水比率Uiを算出する際には、評価サンプルとは別にあらかじめ保湿性が異なることが分かっている複数のサンプルを用意し、上述の方法で含水比率Uiを算出するのが好ましい。
(D)工程
上述した(C)工程において所定値、すなわち含水比率Uiのときの乾燥速度Fiが決定したら、この乾燥速度Fiの値に基づき、評価の対象となる化粧料の保湿性の良否を判断する。判断方法には種々の方法がある。例えば(イ)種類の異なる複数の評価サンプルを作製し、乾燥速度が速い評価サンプルの化粧料ほど保湿性が低く、乾燥速度が遅い評価サンプルの化粧料ほど保湿性が高いと判断することができる。あるいは(ロ)乾燥速度に閾値を設定し、該閾値よりも乾燥速度が速い評価サンプルの化粧料は保湿性が低く、該閾値よりも乾燥速度が遅い評価サンプルの化粧料は保湿性が高いと判断することができる。
上述した(C)工程において所定値、すなわち含水比率Uiのときの乾燥速度Fiが決定したら、この乾燥速度Fiの値に基づき、評価の対象となる化粧料の保湿性の良否を判断する。判断方法には種々の方法がある。例えば(イ)種類の異なる複数の評価サンプルを作製し、乾燥速度が速い評価サンプルの化粧料ほど保湿性が低く、乾燥速度が遅い評価サンプルの化粧料ほど保湿性が高いと判断することができる。あるいは(ロ)乾燥速度に閾値を設定し、該閾値よりも乾燥速度が速い評価サンプルの化粧料は保湿性が低く、該閾値よりも乾燥速度が遅い評価サンプルの化粧料は保湿性が高いと判断することができる。
前記の(イ)の場合、例えば種類の異なる2種の化粧料の乾燥速度を比較して、乾燥速度が相対的に遅い化粧料を、保湿性が相対的に高いものであると判断することができる。あるいは、従来品等を標準品として用い、標準品に対して乾燥速度が遅いものを保湿性の高い化粧料と判断することもできる。
前記の(ロ)の場合には、化粧料に含まれる揮発成分の含有量や化粧料の性状等にもよるが、例えば乾燥速度の閾値として、水の乾燥速度を採用することができる。
以上のとおりの手順によって、パネラーによる官能評価を用いなくても、簡便かつ客観的に化粧料の保湿性を評価することができる。したがって、本発明の評価方法は、新規な化粧料の設計や、化粧料の使用感の評価に有用なものとなる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
以下の表1に示す市販の各種乳液を評価対象として用いた。これらの乳液における揮発成分の含有量及び初期含水比率は、同表に示すとおりであった。揮発成分の含有量は、各乳液を105℃で10分間加熱した後の残渣の質量を測定し、加熱前の質量から残渣の質量を差し引くことで揮発成分の質量を算出し、次いで揮発成分の質量を加熱前の質量で除し、100を乗じることで算出される。
(A)工程
図1に示す浅底容器11及び覆い板12を用いた。浅底容器11は、内径50mm、外径65mm、高さ0.5mmのステンレス製のものであった。覆い板12はプラスチック製のものであった。覆い板12を浅底容器11の収容部を覆うように配置し、該覆い板12の化粧料注入孔12aを通じて各乳液を充填した。充填にはシリンジを用いた。乳液の充填は、オーバーフロー孔12bから乳液がオーバーフローするまで行った。このようにして、評価サンプルを作製した。
図1に示す浅底容器11及び覆い板12を用いた。浅底容器11は、内径50mm、外径65mm、高さ0.5mmのステンレス製のものであった。覆い板12はプラスチック製のものであった。覆い板12を浅底容器11の収容部を覆うように配置し、該覆い板12の化粧料注入孔12aを通じて各乳液を充填した。充填にはシリンジを用いた。乳液の充填は、オーバーフロー孔12bから乳液がオーバーフローするまで行った。このようにして、評価サンプルを作製した。
(B)工程
覆い板12によって乳液を摺り切った後に該覆い板12を除去し、乳液を浅底容器11ごと図4に示すグローブボックス20内に静置した。同図に示すグローブボックス20は気密構造を有しており、その内部に電子天秤21、シリカゲル22が敷き詰められた複数段の棚板23、ヒーター24及びファン25が配置されている。シリカゲル22は、グローブボックスのパスボックス26にも配置されている。グローブボックス20内は、ヒーター24によって30℃の恒温に保たれていた。またグローブボックス20内は、シリカゲル22によって0%RHの湿度に保たれていた。更にファン26を運転させて、グローブボックス20内の空気を攪拌しておいた。
覆い板12によって乳液を摺り切った後に該覆い板12を除去し、乳液を浅底容器11ごと図4に示すグローブボックス20内に静置した。同図に示すグローブボックス20は気密構造を有しており、その内部に電子天秤21、シリカゲル22が敷き詰められた複数段の棚板23、ヒーター24及びファン25が配置されている。シリカゲル22は、グローブボックスのパスボックス26にも配置されている。グローブボックス20内は、ヒーター24によって30℃の恒温に保たれていた。またグローブボックス20内は、シリカゲル22によって0%RHの湿度に保たれていた。更にファン26を運転させて、グローブボックス20内の空気を攪拌しておいた。
(C)工程及び(D)工程
浅底容器11に充填された乳液を電子天秤21の秤量部に載置して、電子天秤の表示を読み取った。読み取りは30秒おきに6時間にわたって行った。測定された乳液の質量に基づき、乾燥速度と乾燥時間との関係、及び含水比率と乾燥時間との関係を求めた。そして、含水比率が1、0.5、0.4、0.3、0.25、0.2、0.15、0.1、0.05及び0.01のときの各乳液の乾燥速度を求めた。その結果を以下の表2に示す。
浅底容器11に充填された乳液を電子天秤21の秤量部に載置して、電子天秤の表示を読み取った。読み取りは30秒おきに6時間にわたって行った。測定された乳液の質量に基づき、乾燥速度と乾燥時間との関係、及び含水比率と乾燥時間との関係を求めた。そして、含水比率が1、0.5、0.4、0.3、0.25、0.2、0.15、0.1、0.05及び0.01のときの各乳液の乾燥速度を求めた。その結果を以下の表2に示す。
この操作とは別に、10人の専門パネラーを対象として、各乳液について官能評価を行わせた。その結果を以下の表2に示す。評価の手順は以下に述べるとおりである。すなわち、一方の手に乳液Aaを塗布し、もう一方の手に乳液Ab−Ecのうちのいずれかの乳液を塗布する。乳液Aaから得られるしっとり感を基準にしたときのしっとり感を、以下の基準にしたがって判断した。10人のパネラーの評価の平均値を算出し、その値を官能評価の結果(使用感スコア)とした。
−4:乳液Aaと比べて著しくさっぱり
−3:乳液Aaと比べてさっぱり
−2:乳液Aaと比べてややさっぱり
−1:乳液Aaと比べて僅かにさっぱり
0:乳液Aaと同程度。
1:乳液Aaと比べて僅かにしっとり
2:乳液Aaと比べてややしっとり
3:乳液Aaと比べてしっとり
4:乳液Aaと比べて著しくしっとり
−4:乳液Aaと比べて著しくさっぱり
−3:乳液Aaと比べてさっぱり
−2:乳液Aaと比べてややさっぱり
−1:乳液Aaと比べて僅かにさっぱり
0:乳液Aaと同程度。
1:乳液Aaと比べて僅かにしっとり
2:乳液Aaと比べてややしっとり
3:乳液Aaと比べてしっとり
4:乳液Aaと比べて著しくしっとり
各乳液について、各含水比率での乾燥速度と使用感スコアとの相関関係を調べた。その結果を図5に示す。同図における縦軸の値であるR2は、相関係数Rを自乗した値を表す。また、図6、図7及び図8はそれぞれ、含水比率が0.05、0.2及び0.5のときの乾燥速度と使用感スコアの相関性を表す。これらの図に示す結果から明らかなとおり、本発明の評価方法は、乳液の含水比率が0.2であるときに、官能評価との相関が最も高くなることが判った。そして、乳液の含水比率が0.2である場合には、官能評価との相関が非常に高く、客観的に乳液の保湿性を評価できることが判る。
10 化粧料
11 浅底容器
11a 底面
11b 側壁
12 覆い板
12a 化粧料注入孔
12b オーバーフロー孔
20 グローブボックス
21 電子天秤
22 シリカゲル
23 棚板
24 ヒーター
25 ファン
26 パスボックス
11 浅底容器
11a 底面
11b 側壁
12 覆い板
12a 化粧料注入孔
12b オーバーフロー孔
20 グローブボックス
21 電子天秤
22 シリカゲル
23 棚板
24 ヒーター
25 ファン
26 パスボックス
Claims (9)
- 化粧料の厚さが0.1mm以上2.0mm以下である評価サンプルを作製する工程と、
前記評価サンプルを静置した状態で該評価サンプルに含まれる揮発成分を揮発させて、該評価サンプルの質量の経時変化を測定する工程と、
前記評価サンプルの質量の経時変化を測定している間における、該評価サンプルに含まれる不揮発成分の質量に対する前記揮発成分の比率が所定の値であるときの該評価サンプルの乾燥速度を求める工程と、
求められた前記乾燥速度の値の大小に基づき、化粧料の保湿性を判断する工程と、を含む化粧料の保湿性の評価方法。 - 前記評価サンプルの質量の経時変化を測定している間における、該評価サンプルに含まれる不揮発成分の質量に対する該評価サンプルに含まれる前記揮発成分の比率が0.1以上0.35以下であるときの該評価サンプルの乾燥速度を求める請求項1に記載の評価方法。
- 評価対象となる前記化粧料が、前記揮発成分を10質量%以上95質量%以下含むものである請求項1又は2に記載の評価方法。
- 前記評価サンプルの質量の経時変化を、温度10℃以上40℃以下、湿度0%RH以上80%RH以下の環境で測定する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の評価方法。
- 前記評価サンプルを気密な容器内に載置し、該容器内の空気を攪拌させながら該評価サンプルの質量の経時変化を測定する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の評価方法。
- 化粧料の体積が0.2cm3以上4.0cm3以下である前記評価サンプルを作製する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の評価方法。
- 種類の異なる複数の前記評価サンプルを作製し、前記乾燥速度が速い評価サンプルの化粧料ほど保湿性が低く、前記乾燥速度が遅い評価サンプルの化粧料ほど保湿性が高いと判断する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の評価方法。
- 前記乾燥速度に閾値を設定し、該閾値よりも乾燥速度が速い評価サンプルの化粧料は保湿性が低く、該閾値よりも乾燥速度が遅い評価サンプルの化粧料は保湿性が高いと判断する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の評価方法。
- 前記化粧料が化粧水、乳液、美容液、クリーム又はリキッドファンデーションである請求項1ないし8のいずれか一項に記載の評価方法。
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Cited By (2)
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CN113640172A (zh) * | 2021-08-25 | 2021-11-12 | 北京建筑大学 | 一种测试聚合物乳液成膜速率的装置及方法 |
CN113984580A (zh) * | 2021-10-29 | 2022-01-28 | 上海芬尚生物科技有限公司 | 一种确定影响香水产品挥发速率因素的装置及方法 |
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2013
- 2013-05-09 JP JP2013099252A patent/JP2014219309A/ja active Pending
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CN113640172A (zh) * | 2021-08-25 | 2021-11-12 | 北京建筑大学 | 一种测试聚合物乳液成膜速率的装置及方法 |
CN113640172B (zh) * | 2021-08-25 | 2024-05-07 | 北京建筑大学 | 一种测试聚合物乳液成膜速率的装置及方法 |
CN113984580A (zh) * | 2021-10-29 | 2022-01-28 | 上海芬尚生物科技有限公司 | 一种确定影响香水产品挥发速率因素的装置及方法 |
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