JP2014218697A - 亜鉛製造方法 - Google Patents

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雅章 庵崎
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Abstract

【課題】脱塩素のための追加コストを不要として塩素を多く含む電炉ダスト等の処理に好適であり、純度4N以上の高純度の亜鉛地金を製造できると共に、コンパクトな装置で操業できる亜鉛製造方法を提供する。
【解決手段】亜鉛製造方法は、浸出工程101で得た浸出液3と有機溶媒2とを接触させて、浸出液3に含まれる亜鉛成分を抽出して亜鉛成分を含む溶媒15を得る溶媒抽出工程102と、溶媒抽出工程102で得た亜鉛成分を含む溶媒15と塩酸10とを接触させて塩化亜鉛水溶液7を得る逆抽出工程103と、逆抽出工程103で得た塩化亜鉛水溶液7を濃縮及び脱水すると共に塩素ガス8と接触させて精製塩化亜鉛6を得る乾燥工程104と、乾燥工程104で得た精製塩化亜鉛6を溶融状態で電解して金属亜鉛の融液9と塩素ガス8とを得る電解工程105と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、亜鉛製造方法に関し、特に、製鉄プロセスの一つである電気法においてスクラップの溶解製錬時に発生する電炉ダスト、又は電炉ダストの一部を製鉄原料やセメント増量材としてリサイクルする際に還元炉で発生する2次ダストを原料とする亜鉛製造方法に関する。
製鉄プロセスの一つである電炉法では、スクラップの溶解製錬時に製鋼量の約1.5%から2.0%の、酸化亜鉛成分を含む産業廃棄物としての電炉ダストが発生する。電炉ダストは、世界では2000万トン発生し、日本では50万トン発生すると言われている。電炉ダストの一部は、更に還元炉で還元されて製鉄原料やセメント増量材としてリサイクルされる。還元炉から発生する排気中には、酸化亜鉛が濃縮された2次ダスト(粗酸化亜鉛)が含まれている。
鉄スクラップの多くは、廃家電又は廃自動車である。廃家電又は廃自動車の塗装下地には、亜鉛メッキが施されている。また、スクラップの中には、塗料、プラスチック及び油分等が含まれている。このため、電炉ダストには、亜鉛又は鉛等の重金属に加えて、塩化物及びダイオキシン類等の有害な有機物も含まれている。一方、電炉ダストには、約20〜30%の鉄と20〜30%の亜鉛とが含まれている。従って、電炉ダストは、資源として非常に有用である。
現在、電炉ダストから様々なリサイクル技術により生成される粗酸化亜鉛は、乾式及び湿式の亜鉛製錬用の原料となっている。主なリサイクル技術は、ウエルズ炉法であるが、その他にも、プラズマ法、電気溶融還元法、MF炉法、又は回転床炉法等が挙げられる。
かかる状況下で、特許文献1は、亜鉛回収法に関し、電炉法鉄くず製錬炉等から発生する酸化亜鉛を含有した電炉ダストからの金属亜鉛回収方法が開示されている。具体的には、特許文献1には、電炉ダスト又は2次ダストと、金属鉄含有粉末、還元剤、結合剤及び水とを、混合及び混練し、その後に成型し、更に、還元炉で焼成することが開示されている。これにより、特許文献1では、電炉ダスト中又は2次ダスト中の酸化亜鉛を金属亜鉛蒸気として回収する。
特開2002−105550号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1が開示する構成では、電炉ダスト中又は2次ダスト中の酸化亜鉛を金属亜鉛蒸気として回収するものであるが、粗酸化亜鉛には塩素成分が含有されているため、粗酸化亜鉛から亜鉛地金を生成する際には塩素成分の除去にコストがかかる傾向にある。
また、特許文献1が開示する構成では、回収される金属亜鉛の組成は純度3Nが限度であり、純度向上の余地がある。
また、本発明者の更なる検討によれば、粗酸化亜鉛を原料とする湿式製練における電解
方法においては、希硫酸水溶液電解を用いることとなり、その電流密度が500A/mと低く、また、陰極表面に成長した亜鉛地金を、陰極を着脱して回収する必要があるため、回収作業とそのための設備とを必要とする傾向にある。よって、かかる湿式製錬における電解方法では、コスト低減のためには規模の利益を得るべく、大規模工場となる傾向にある。即ち、現状の電炉ダストを用いた亜鉛製造方法では、電炉ダストを粗酸化亜鉛という中間原料にすることはできるが、輸送コストを負担して粗酸化亜鉛を大規模亜鉛製錬所に搬入せざるを得ない状況にあるといえる。
本発明者は、以上の検討を経て、電炉ダスト中又は2次ダスト中の亜鉛成分を抽出して無水塩化亜鉛とした後に蒸留精製して溶融塩電解法で処理することにより、以上述べた課題を解決できることを見出し、本発明を完成したものである。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、脱塩素のための追加コストを不要として塩素を多く含む電炉ダスト等の処理に好適であり、純度4N以上の高純度の亜鉛地金を製造できると共に、コンパクトな装置で操業できる亜鉛製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、電炉ダスト中又は2次ダスト中の酸化亜鉛成分を酸性水溶液として抽出し、抽出された亜鉛成分を、互いに混ざらない2液相間における目的成分の分配を利用する溶媒抽出法により抽出すると共に逆抽出して塩化亜鉛に転化し、更に、分離精製して得た塩化亜鉛水溶液を、脱水して無水塩とすると共に溶融塩電解法で処理する構成を有し、これにより純度4N以上の高純度の金属亜鉛の融液を得ることを基本的な内容とする。
溶媒抽出法では、塩化亜鉛水溶液中の亜鉛イオンを、酸性抽出剤により無電荷の化学種として脱水和し、選択的に有機溶媒相に移動させて分離する。酸性抽出剤としては、ジ−2−エチルヘキシル燐酸(D2EHPA)及び2−エチルヘキシル燐酸モノエステル等燐酸系抽出剤、ナフテン酸及びベルサト酸等のカルボン酸、及び、オキシン誘導体等のキレート剤が挙げられるが、亜鉛に対する選択性からジ−2−エチルヘキシル燐酸が好適である。一方、有機溶媒としては、ケロシン等の脂肪族炭化水素、トルエン等の芳香族炭化水素、クロロホルム等の塩素系有機溶剤、及び、ハイドロフルオロエーテル等の非塩素系有機溶剤等が例示できるが、汎用性及び安全性からケロシンが好適である。
本発明における溶融塩電解浴は塩化物であるため、原料が塩素成分を含んでいても従来法のような脱塩素のための追加コストが不要であり、塩素を多く含む電炉ダスト等の処理に好都合である。
また、粗塩化亜鉛中の塩化亜鉛は、気化させた後に凝縮して液化させることにより、蒸気圧差を利用して、他の金属塩化物成分と相互に分離(蒸留)して精製される。純度4N以上の金属亜鉛は、かかる精製により得られた精製塩化亜鉛を電解浴として溶融塩電解することにより得られる。
更に、本発明の塩化亜鉛の溶融塩電解法では、電極の表面積の1m当たりにおいて、既存の水溶液電解では電流密度が約500A/mであるのと比較して、5000A/m以上と10倍の生産性が得られ、設備をコンパクト化できる。また、本発明の塩化亜鉛の溶融塩電解法では、電解浴の温度を金属亜鉛の融点以上に設定すれば、電解析出する亜鉛地金を、溶融状態で電解槽の底から抜き出すことができるので、水溶液電解のような陰極の着脱作業が不要となり省力化できる。従って、電炉ダストの発生場所において、ハロゲン成分を含む電炉ダストを原料とするオンサイト型亜鉛製錬所を実現することができることになる。
つまり、以上の目的を達成すべく、本発明の第1の局面における亜鉛製造方法は、酸化亜鉛を含む電炉ダスト又は前記電炉ダストを還元炉で還元した際に発生する2次ダストと、酸性水溶液と、を接触させて、亜鉛成分を含む水溶液である浸出液を得る浸出工程と、前記浸出工程で得た前記浸出液と、酸性抽出剤を含むと共に水溶液と混合しない有機溶媒と、を接触させて、前記浸出液に含まれる前記亜鉛成分を抽出して前記亜鉛成分を含む溶媒を得る溶媒抽出工程と、前記溶媒抽出工程で得た前記亜鉛成分を含む前記溶媒と、塩酸と、を接触させて、前記亜鉛成分を含む前記溶媒から前記亜鉛成分を逆抽出して、塩化亜鉛水溶液を得る逆抽出工程と、前記逆抽出工程で得た前記塩化亜鉛水溶液を、濃縮及び脱水すると共に塩素ガスと接触させて、精製塩化亜鉛を得る乾燥工程と、前記乾燥工程で得た前記精製塩化亜鉛を溶融状態で電解して、金属亜鉛の融液と、塩素ガスと、を得る電解工程と、を有する。
また、本発明は、かかる第1の局面に加えて、前記逆抽出工程では、前記電解工程で得た前記塩素ガスを原料として製造された塩酸と、前記亜鉛成分を含む前記溶媒と、を接触させることを第2の局面とする。
また、本発明は、かかる第1の局面又は第2の局面に加えて、前記乾燥工程では、濃縮した前記塩化亜鉛水溶液を、前記電解工程で得た前記塩素ガスに接触させることを第3の局面とする。
また、本発明は、かかる第1の局面から第3の局面のいずれかに加えて、前記浸出工程では、希硫酸又は希塩酸である前記酸性水溶液と、前記電炉ダスト又は前記2次ダストと、を接触させることを第4の局面とする。
本発明の第1の局面における亜鉛製造方法によれば、酸化亜鉛を含む電炉ダスト又は電炉ダストを還元炉で還元した際に発生する2次ダストと、酸性水溶液と、を接触させて、亜鉛成分を含む水溶液である浸出液を得る浸出工程と、浸出工程で得た浸出液と、酸性抽出剤を含むと共に水溶液と混合しない有機溶媒と、を接触させて、浸出液に含まれる亜鉛成分を抽出して亜鉛成分を含む溶媒を得る溶媒抽出工程と、溶媒抽出工程で得た亜鉛成分を含む溶媒と、塩酸と、を接触させて、亜鉛成分を含む溶媒から亜鉛成分を逆抽出して、塩化亜鉛水溶液を得る逆抽出工程と、逆抽出工程で得た塩化亜鉛水溶液を、濃縮及び脱水すると共に塩素ガスと接触させて、精製塩化亜鉛を得る乾燥工程と、乾燥工程で得た精製塩化亜鉛を溶融状態で電解して、金属亜鉛の融液と、塩素ガスと、を得る電解工程と、を有することにより、塩素成分を多く含む電炉ダスト又は2次ダストから純度4N以上の高純度の亜鉛地金を、脱塩素のための追加コストを負担することなく製造でき、大規模設備によらず、コンパクトな装置で操業できると共に、自動車又は家電のスクラップを処理した場合に発生するハロゲン成分を含むダスト処理にも好適に対応できる亜鉛製造方法を実現することができる。
また、本発明の第2の局面における亜鉛製造方法によれば、逆抽出工程では、電解工程で得た塩素ガスを原料として製造された塩酸と、亜鉛成分を含む溶媒と、を接触させることにより、廃棄物の発生を抑制する亜鉛製造方法を実現することができる。
また、本発明の第3の局面における亜鉛製造方法によれば、乾燥工程では、濃縮した塩化亜鉛水溶液を、電解工程で得た塩素ガスに接触させることにより、廃棄物の発生を抑制する亜鉛製造方法を実現することができる。
また、本発明の第4の局面における亜鉛製造方法によれば、浸出工程では、希硫酸又は
希塩酸である酸性水溶液と、電炉ダスト又は2次ダストと、を接触させることにより、電炉ダスト等に含まれる亜鉛成分を高い収率で抽出することができる。
本発明の実施の形態における亜鉛製造方法の工程図である。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施の形態における亜鉛製造方法につき、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る亜鉛製造方法の工程を示す図である。
図1に示すように、まず、浸出工程101では、電炉ダスト1又はその一部を製鉄原料としてリサイクルする際に還元炉で発生する2次ダスト1と、希硫酸又は希塩酸等の酸性水溶液14と、を接触させ、電炉ダスト1又は2次ダスト1に含まれる亜鉛成分を含む水溶液である浸出液3を得る。得られた浸出液3以外は、残さ4として分離される。かかる浸出工程101は、図示を省略する耐食金属製、グラスライニング製、樹脂製等である撹拌槽等の公知の設備器具により実施することができる。なお、表1に、2次ダスト1の組成を示し、表2に、これから得られた浸出液3の組成を示す。
Figure 2014218697
Figure 2014218697
また、浸出工程101では、広く工業的に実施されている湿式の浄液方法を併用して、更に不純物を多く含む低品位の原料に対応することもできる。かかる湿式浄液方法としては、アルカリ剤を粗塩化亜鉛水溶液に添加してそのpHを制御することにより、不純物中の金属成分を水酸化物として沈降分離する方法が挙げられる。
次に、溶媒抽出工程102では、浸出工程101で得た浸出液3と、酸系抽出剤を含むと共に水溶液と混合しない有機溶媒2と、を接触させる。溶媒抽出工程102では、浸出液3に含まれる亜鉛成分が有機溶媒2により抽出されることにより、亜鉛成分を含む溶媒15を得る。また、得られた亜鉛成分を含む溶媒15以外は、溶媒抽出残液5として分離される。
例えば、溶媒抽出工程102では、浸出液3を、ジ−2−エチルヘキシル燐酸15%と燐酸トリブチル8%とを含むケロシンから成る有機溶媒2に接触させて、浸出液3中の亜鉛成分を抽出することができる。
かかる溶媒抽出法における、ジ−2−エチルヘキシル燐酸と亜鉛イオンとの反応は、ジ−2−エチルヘキシル燐酸中の水素イオンが亜鉛イオンに置換する化学式(化1)式に示すイオン交換反応である。
Figure 2014218697
かかる亜鉛イオンは、酸性抽出剤とのイオン交換反応により無極性の化学種として抽出される。また、亜鉛ジ−2−エチルヘキシル燐酸錯体(Zn・R・2HR)の有機溶媒2への溶解度を上げると共に、相間の分離を改善し、水溶液相、及び有機溶媒相以外の液相の発生を防ぐため、調整剤を添加することが好ましい。かかる調整剤としては、燐酸トリブチル(TBP)、イソデカノール、又は2−エチルヘキサノール等が例示できる。
また、溶媒抽出工程102において浸出液3と接触させる有機溶媒2は、亜鉛製造方法をクローズドサイクル化できる観点等からは、逆抽出工程103で再生された有機溶媒2を繰り返し使用することが好ましい。
次に、逆抽出工程103では、溶媒抽出工程102で得た亜鉛成分を含む溶媒15から塩酸10により亜鉛成分を逆抽出する。例えば、溶媒抽出工程及び逆抽出工程は、図示を省略する、接液部を耐食金属や樹脂等で製作されたミキサーセトラやバッチ式の撹拌槽等の公知の装置で実施することができる。
また、有機溶媒相中の亜鉛イオンは、化学式(化2)式に示すように、塩酸10との接触により逆抽出される。
Figure 2014218697
また、有機溶媒2である酸性抽出剤(ジ−2−エチルヘキシル燐酸)は、亜鉛製造方法をクローズドサイクル化できる観点等からは、逆抽出により再生され、溶媒抽出工程102に送られて亜鉛成分の抽出に繰り返し使用されることが好ましい。
溶媒抽出工程102及び逆抽出工程103は、接液部を耐食金属や樹脂等で製作されたミキサーセトラやバッチ式の撹拌槽等の公知の装置で実施することができる。かかる逆抽出工程103では、塩酸10により、亜鉛成分を含む溶媒15から亜鉛成分が逆抽出されることにより、塩化亜鉛を主成分とする逆抽出液である塩化亜鉛水溶液7を得る。
次に、乾燥工程104では、逆抽出工程103における逆抽出で得た塩化亜鉛水溶液7を加熱濃縮及び乾燥する等の方法により、塩化亜鉛水溶液7から水11を水蒸気として分離して脱水し、無水塩化亜鉛である溶融塩化亜鉛を得る。そして、乾燥工程104では、溶融塩化亜鉛と乾燥させた塩素ガス8とを接触させて、溶融塩化亜鉛を脱水乾燥して、表3に示す組成を有する精製塩化亜鉛6を得る。乾燥工程104における塩素ガス8は、亜鉛製造方法をクローズドサイクル化できる観点等からは、電解工程105で副生したものを利用することが好ましい。
Figure 2014218697
かかる塩化亜鉛水溶液7から無水塩化亜鉛を得る方法では、塩化亜鉛水溶液7を塩化亜鉛の飽和液になるように調製したり、塩化亜鉛を結晶化させて濾別することにより、加熱濃縮から脱水までの熱エネルギー消費を低減することができる。
次に、電解工程105では、乾燥工程104を経て得られた前述の表3の組成を有する精製塩化亜鉛6を、電解槽内に収容してその浴温度を500℃に維持することにより溶融し、かかる溶融状態の精製塩化亜鉛6を電解して、金属亜鉛を含む亜鉛融液9を得ると共に塩素ガス8が副生する。かかる金属亜鉛を含む亜鉛融液9を冷却固化して組成分析したところ、表4に示す結果を得た。なお、電解工程105で用いる電解槽としては、一例として、炭化ケイ素等のセラミクスで内張りされた容器内に炭素電極を収納した電解槽を用いることができる。
Figure 2014218697
次に、塩酸合成工程106では、電解工程105において陽極で副生する塩素ガス8を原料として塩酸10を生成する。具体的には、塩酸合成工程106では、塩素ガス8と水素ガスとを反応させ合成して、塩酸10を生成する。かかる水素ガスは、水蒸気11を用いてLPガスを改質する水生ガスシフト反応等の方法で得られる。また、赤熱した炭素原料12に、水蒸気11と混合した塩素ガス8を接触させて塩酸10を直接合成する方法を採用してもよい。なお、かかる塩酸合成時には、二酸化炭素13が副生する。
以上の本実施の形態の亜鉛製造方法によれば、酸化亜鉛を含む電炉ダスト1又は電炉ダスト1を還元炉で還元した際に発生する2次ダスト1と、酸性水溶液14とを接触させて、亜鉛成分を含む水溶液である浸出液3を得る浸出工程101と、浸出工程101で得た浸出液3と、酸性抽出剤を含むと共に水溶液と混合しない有機溶媒2とを接触させて、浸出液3に含まれる亜鉛成分を抽出して亜鉛成分を含む溶媒15を得る溶媒抽出工程102と、溶媒抽出工程102で得た亜鉛成分を含む溶媒15と塩酸10とを接触させて、亜鉛成分を含む溶媒15から亜鉛成分を逆抽出して塩化亜鉛水溶液7を得る逆抽出工程103と、逆抽出工程103で得た塩化亜鉛水溶液7を濃縮及び脱水すると共に塩素ガス8と接触させて精製塩化亜鉛6を得る乾燥工程104と、乾燥工程104で得た精製塩化亜鉛6を溶融状態で電解して金属亜鉛の融液9と塩素ガス8とを得る電解工程105と、を有することにより、塩素成分を多く含む電炉ダスト又は2次ダストから純度4N以上の高純度の亜鉛地金を、脱塩素のための追加コストを負担することなく製造でき、大規模設備によらず、コンパクトな装置で操業できると共に、自動車又は家電のスクラップを処理した場合に発生するハロゲン成分を含むダスト処理にも好適に対応できる亜鉛製造方法を実現することができる。
また、本実施の形態の亜鉛製造方法によれば、逆抽出工程103では、電解工程105で得た塩素ガス8を原料として製造された塩酸10と、亜鉛成分を含む溶媒15とを接触させることにより、廃棄物の発生を抑制する亜鉛製造方法を実現することができる。
また、本実施の形態の亜鉛製造方法によれば、乾燥工程104では、濃縮した塩化亜鉛水溶液7を、電解工程105で得た塩素ガス8に接触させることにより、廃棄物の発生を抑制する亜鉛製造方法を実現することができる。
また、本実施の形態の亜鉛製造方法によれば、浸出工程101では、希硫酸又は希塩酸である酸性水溶液14と、電炉ダスト1又は2次ダスト1と、を接触させることにより、電炉ダスト等に含まれる亜鉛成分を高い収率で抽出することができる。
なお、本発明は、構成要素の形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、かかる構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明においては、脱塩素のための追加コストを不要として塩素を多く含む電炉ダスト等の処理に好適であり、純度4N以上の高純度の亜鉛地金を製造できると共に、コンパクトな装置で操業できる亜鉛製造方法を提供することができるものであるため、その汎用普遍的な性格から広範に製鉄プロセスの一つである電炉法においてスクラップの溶解製錬時に発生する電炉ダスト、又は電炉ダストの一部を製鉄原料としてリサイクルする際に還元炉で発生する2次ダストを原料とする亜鉛製造方法に適用され得るものと期待される。
1…電炉ダスト又は2次ダスト
2…有機溶媒
3…浸出液
4…残さ
5…溶媒抽出残液
6…精製塩化亜鉛
7…塩化亜鉛水溶液
8…塩素ガス
9…金属亜鉛の融液
10…塩酸
11…水、水蒸気
12…炭素原料
13…二酸化炭素
14…酸性水溶液
15…亜鉛成分を含む溶媒
101…浸出工程
102…溶媒抽出工程
103…逆抽出工程
104…乾燥工程
105…電解工程
106…塩酸合成工程

Claims (4)

  1. 酸化亜鉛を含む電炉ダスト又は前記電炉ダストを還元炉で還元した際に発生する2次ダストと、酸性水溶液と、を接触させて、亜鉛成分を含む水溶液である浸出液を得る浸出工程と、
    前記浸出工程で得た前記浸出液と、酸性抽出剤を含むと共に水溶液と混合しない有機溶媒と、を接触させて、前記浸出液に含まれる前記亜鉛成分を抽出して前記亜鉛成分を含む溶媒を得る溶媒抽出工程と、
    前記溶媒抽出工程で得た前記亜鉛成分を含む前記溶媒と、塩酸と、を接触させて、前記亜鉛成分を含む前記溶媒から前記亜鉛成分を逆抽出して、塩化亜鉛水溶液を得る逆抽出工程と、
    前記逆抽出工程で得た前記塩化亜鉛水溶液を、濃縮及び脱水すると共に塩素ガスと接触させて、精製塩化亜鉛を得る乾燥工程と、
    前記乾燥工程で得た前記精製塩化亜鉛を溶融状態で電解して、金属亜鉛の融液と、塩素ガスと、を得る電解工程と、
    を有する亜鉛製造方法
  2. 前記逆抽出工程では、前記電解工程で得た前記塩素ガスを原料として製造された塩酸と、前記亜鉛成分を含む前記溶媒と、を接触させる請求項1記載の亜鉛製造方法。
  3. 前記乾燥工程では、濃縮した前記塩化亜鉛水溶液を、前記電解工程で得た前記塩素ガスに接触させる請求項1又は2に記載の亜鉛製造方法。
  4. 前記浸出工程では、希硫酸又は希塩酸である前記酸性水溶液と、前記電炉ダスト又は前記2次ダストと、を接触させる請求項1から3のいずれかに記載の亜鉛製造方法。
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