JP2014217559A - 湯沸し器 - Google Patents

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Abstract

【課題】できるだけ簡便且つコンパクトな構成で、注ぎ口から排出される蒸気の量を確実に低減することができる湯沸し器を提供する。
【解決手段】上方側が開口し、内部に貯留部を有する容器本体と、貯留部内の液体を加熱する加熱機構と、容器本体の上方開口部を開閉自在な蓋体とを備えた湯沸し器であって、蓋の内部に、貯留部と外部とを弁機構を介して連通し、貯留部内の液体を注ぎ口を介して外部に通流させる注出流路31と、貯留部と注出流路31とを連通し、貯留部内の液体から発生する蒸気を注出流路31に通流させる蒸気流路32とを備え、蒸気流路32が、水平方向に延出し、蒸気導入口を介して貯留部3に連通する水平向き流路60と、当該水平向き流路60から下方側に延出し、下流側端部に形成された蒸気導出口32Cを介して注出流路31に連通する下方向き流路61とを備えた。
【選択図】図8

Description

本発明は、上方側が開口し、内部に貯留部を有する容器本体と、貯留部内の液体を加熱する加熱機構と、容器本体の上方開口部を開閉自在な蓋体とを備えた湯沸し器に関する。
この種の湯沸し器としては、電気ケトルや電気ポット等が例示できるが、特許文献1に開示された電気ケトルでは、上面視における電気ケトルの前後方向において、前方側に注ぎ口、後方側に把手、注ぎ口と把手との間に蒸気口を設けた構成が開示されている。
この電気ケトルでは、蓋体の内部に、貯留部と外部とを連通し、貯留部内の液体を注ぎ口を介して外部に通流させる注出流路と、貯留部と外部とを連通し、貯留部内の蒸気を蒸気口を介して外部に通流させる蒸気流路とを備えており、貯留部内で発生した蒸気が、蒸気流路を通流して、貯留部の上方に位置する蓋体の上面に開口形成された蒸気口から外部に排出されるように構成されている。
しかしながら、蓋体の上面に蒸気口が開口形成されていると、子供等が蒸気口から排出された蒸気に触れてしまう可能性があり、好ましい構成とは言えない。
また、貯留部で発生した蒸気が、貯留部内から上昇する際の流速を維持したまま、比較的短く形成された蒸気流路を通流して蒸気口から外部に排出されるため、蒸気量が比較的多くなる傾向があり、外部(室内等)の湿度が上昇し、結露やカビ等の発生も懸念される。
そこで、特許文献2及び3では、蒸気流路を、貯留部と外部とを連通するのではなく、貯留部と注出流路とを連通することにより、貯留部内で発生した蒸気を、蒸気流路及び注出流路に通流させて、注ぎ口を介して外部に排出させる電気ケトルが開示されている。
これにより、蒸気が、比較的長く形成された蒸気流路及び注出流路を通流する際に結露して、注ぎ口から排出される蒸気量を低減することができ、子供等が注ぎ口から排出される蒸気に触れる可能性が低下するとともに、外部(室内等)の湿度の上昇を低減することができる。
特開2009−172172号公報 特開2008−212315号公報 特開2012−170706号公報
ここで、特許文献2及び3に記載の電気ケトルでは、蒸気流路及び注出流路が蓋体の内部において、略水平方向に延出(具体的には、上面視における電気ケトルの前後方向において、後方側の把手側から前方側の注ぎ口側に向けて延出)するように設けられている。
このような場合、貯留部内から発生した蒸気は、水平方向に延出する蒸気流路及び注出流路内を通流し、注ぎ口を介して外部に排出されるが、貯留部内から上昇する際の流速を比較的維持したまま蒸気流路及び注出流路を水平方向に沿って順次通流し、その後、注ぎ口から排出されることとなる。このため、蒸気が比較的長く形成された蒸気流路及び注出流路を通流する場合であっても、当該蒸気の大部分が注ぎ口から排出されることとなる。従って、子供等が注ぎ口から排出される蒸気に触れてしまう可能性が残るとともに、外部(室内)の湿度も上昇する。
よって、注ぎ口から排出される蒸気の量を、より低減することが望まれる。
また、電気ケトルにおいて、注ぎ口から排出される蒸気の量を低減させるための構成を採用する際、蓋体の構成の複雑化を防止する観点から、簡便でコンパクトな構成を採用することが望まれる。
本発明は、上述の実情に鑑みて為されたものであり、その主たる課題は、できるだけ簡便且つコンパクトな構成で、注ぎ口から排出される蒸気の量を確実に低減することができる湯沸し器を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る湯沸し器は、上方側が開口し、内部に貯留部を有する容器本体と、前記貯留部内の液体を加熱する加熱機構と、前記容器本体の上方開口部を開閉自在な蓋体とを備えた湯沸し器であって、その特徴構成は、
前記蓋体の内部に、前記貯留部と外部とを連通し、前記貯留部内の液体を注ぎ口を介して外部に通流させる注出流路と、前記注出流路に設けられ、前記注出流路を開閉自在な弁機構と、前記貯留部と前記注出流路における前記弁機構の下流側とを連通し、前記貯留部内の液体から発生する蒸気を前記注出流路における前記弁機構の下流側に通流させる蒸気流路とを備え、
前記蒸気流路が、水平方向に延出し、蒸気導入口を介して前記貯留部に連通する水平向き流路と、当該水平向き流路から下方側に延出し、下流側端部に形成された蒸気導出口を介して前記注出流路における弁機構の下流側に連通する下方向き流路とを備えた点にある。
上記特徴構成によれば、基本的に、蓋体の内部に、貯留部と外部とを連通し、貯留部内の液体を注ぎ口を介して外部に通流させる注出流路と、注出流路に設けられ、注出流路を開閉自在な弁機構と、貯留部と注出流路における弁機構の下流側とを連通し、貯留部内の液体から発生する蒸気を注出流路における弁機構の下流側に通流させる蒸気流路とを備えているので、加熱機構による貯留部内の液体の加熱により貯留部内にて発生した蒸気を、比較的長い流路となる貯留部、蒸気流路、注出流路、注ぎ口の順に通流させ順次温度を低下させて、蒸気流路及び注出流路内で結露させることができ、注ぎ口から排出される蒸気の量をある程度低減することができる。この際、蓋体の上面に蒸気口を開口形成する必要がないので、蓋体の上面から蒸気が排出されることが無く、子供等が蒸気に触れる可能性を低減することができる。
特に、蒸気流路が、水平方向に延出し、蒸気導入口を介して貯留部に連通する水平向き流路と、当該水平向き流路から下方側に延出し、下流側端部に形成された蒸気導出口を介して注出流路における弁機構の下流側に連通する下方向き流路とを備えているので、貯留部内で発生した蒸気は上昇して、まず、蒸気導入口を介して水平向き流路内を通流し、その後、水平向き流路から下方側に延出し且つ当該水平向き流路の下流側に位置する下方向き流路内を通流して、下方向き流路の下流側端部に形成された蒸気導出口を介して注出流路内を通流し、注ぎ口に到達することとなる。
従って、蒸気導入口から導入され水平向き流路内を水平方向に沿って通流する蒸気は、下方向き流路に導入される際に当該下方向き流路内を下方向に沿って通流するように強制的に方向変換させられるため、下方向き流路の入り口付近である程度の蒸気の滞留が発生する。即ち、蒸気が下方向き流路に導入される際には、比較的高温の蒸気が上昇しようとする方向(上方向)とは反対側の下方向に強制的に方向変換させられるので、当該蒸気の流速を良好に弱めることができるのである。
これにより、下方向き流路内を通流する蒸気の流速は比較的低下した状態となり、蒸気が水平向き流路及び下方向き流路内を通流する流速を低下させることができ、当該蒸気の温度低下を促進し結露を促進させることができる。更に、当該蒸気を、下方向き流路の下流側端部に形成された蒸気導出口を介して注出流路内に導出し、注ぎ口を介して外部に排出するので、注ぎ口から排出される蒸気を低減することができる。
従って、子供等が蒸気に触れる可能性を低減することができ、また、外部(室内)の湿度の上昇も低減することができる。
また、蓋体の上下方向の厚みを利用して下方向き流路を形成することで、蓋体内における省スペース化及びコンパクト化を図ることができる。
さらに、蒸気流路における水平向き流路及び下方向き流路内で結露した結露水は、蒸気導出口を介して注出流路に戻すことができるので、蒸気流路内に結露水が滞留することは良好に防止されている。
よって、上述の下方向き流路を設けるという非常に簡便且つコンパクトな構成で、注ぎ口から排出される蒸気の量を確実に低減することができる湯沸し器を得ることができた。
本発明に係る湯沸し器の更なる特徴構成は、前記注出流路と上下方向で重なる位置に、前記水平向き流路及び前記下方向き流路の少なくとも一部を設けた点にある。
上記特徴構成によれば、水平向き流路及び下方向き流路の少なくとも一部が、注出流路と上下方向で重なる位置に設けられているので、蓋体内における上下方向及び水平方向のコンパクト性を確保した上で、水平向き流路及び下方向き流路の流路長を長くすることができる。
本発明に係る湯沸し器の更なる特徴構成は、上面視における前記湯沸し器の前後方向において、前方側に前記注ぎ口を設け、後方側に把手を設け、
前記水平向き流路が、前記前後方向に沿って配設されるとともに、当該前後方向に対して少なくとも左右方向に分岐する水平向き分岐流路を備え、
前記下方向き流路が、前記水平向き分岐流路のそれぞれから延出形成される点にある。
上記特徴構成によれば、上面視における湯沸し器の前後方向において、前方側に注ぎ口、後方側に把手を設けているので、ユーザは把手を把持して、把手に対して反対側に設けられた注ぎ口側が下方となるように傾けることにより、貯留部内の液体を注ぎ口から外部に通流させることができる。
この際、注ぎ口から通流する液体と入れ換わるように、注ぎ口を介して外部から注出流路内に空気が流入し、注ぎ口から外部に通流する液体の脈動(いわゆる息継ぎ)が発生する場合がある。
しかしながら、水平向き流路が前後方向に沿って配設されるとともに、当該前後方向に対して少なくとも左右方向に分岐する水平向き分岐流路を備え、下方向き流路が水平向き分岐流路のそれぞれから延出形成されるので、下方向き流路の下流側端部に複数の蒸気導出口を配置することができ、上述のように、注ぎ口から外部に液体を通流させる場合でも、蓋体内の空気を複数の蒸気導出口の少なくとも一つから導入して、当該蒸気導出口、蒸気流路の下方向き流路及び水平向き流路、更には蒸気導入口を介して貯留部内に供給し、注ぎ口から外部に通流する液体の脈動(いわゆる息継ぎ)を良好に防止することができる。
本発明に係る湯沸し器の更なる特徴構成は、前記下方向き流路が、前記水平向き流路の下流側端部から延出形成される点にある。
上記特徴構成によれば、下方向き流路が水平向き流路の下流側端部から延出形成されるので、水平向き流路内から下方向き流路内へ通流する蒸気は、水平向き流路の下流側端部の壁面に衝突して水平方向から下方向に強制的に方向変換することとなり、当該蒸気の流速が確実に弱められた状態で、下方向き流路内を通流することとなる。
これにより、蒸気が水平向き流路及び下方向き流路内を通流する流速を一層低下させることができ、当該蒸気の温度低下を一層促進し結露を促進して、蒸気の量をより一層低減することができる。
また、蒸気流路における水平向き流路及び下方向き流路内で結露した結露水は、水平向き流路の下流側端部に残留することなく、蒸気導出口を介して注出流路に戻すことができる。
本発明に係る湯沸し器の更なる特徴構成は、上面視における前記湯沸し器の前後方向において、前方側に前記注ぎ口を設け、後方側に把手を設け、
前記水平向き流路が、前記前後方向に沿って配設されるとともに、当該前後方向に対して少なくとも左右方向に分岐する水平向き分岐流路を備え、
前記下方向き流路が、前記水平向き分岐流路において、前記前後方向に対して前記左右方向で最も離間する端部位置のそれぞれから延出形成される点にある。
上記特徴構成によれば、上面視における湯沸し器の前後方向において、前方側に注ぎ口、後方側に把手を設けているので、ユーザは把手を把持して、把手に対して反対側に設けられた注ぎ口側が下方となるように傾けることにより、貯留部内の液体を注ぎ口から外部に通流させることができる。
この際、注ぎ口から通流する液体と入れ換わるように、注ぎ口を介して外部から注出流路内に空気が流入し、注ぎ口から外部に通流する液体の脈動(いわゆる息継ぎ)が発生する場合がある。
しかしながら、水平向き流路が前後方向に沿って配設されるとともに、当該前後方向に対して少なくとも左右方向に分岐する水平向き分岐流路を備え、下方向き流路が、水平向き分岐流路において、前後方向に対して左右方向で最も離間する端部位置のそれぞれから延出形成されるので、下方向き流路の下流側端部に複数の蒸気導出口を配置することができ、上述のように、注ぎ口から外部に液体を通流させる場合でも、蓋体内の空気を複数の蒸気導入口の少なくとも一つから導入して、当該蒸気導入口、蒸気流路の下方向き流路及び水平向き流路、更には蒸気導入口を介して貯留部内に供給し、注ぎ口から外部に通流する液体の脈動(いわゆる息継ぎ)を良好に防止することができる。
また、上面視における湯沸し器の前後方向において、前方側に注ぎ口、後方側に把手を設けているので、湯沸し器がテーブル等の上面で転倒した際には、湯沸し器の前後方向がテーブルの上面と略平行で、湯沸し器の左右方向がテーブルの上面に対して略垂直な状態となる。
この際、蒸気流路の水平向き流路内に結露水が滞留していると、当該結露水は、自重により、水平向き流路内においてテーブルの上面に対して垂直方向で最も近接する位置(下方側)に存在することとなる。即ち、当該結露水は、水平向き流路内において湯沸し器の前後方向に対して左右方向で最も離間した端部位置に存在することとなる。
そして、下方向き流路が、水平向き分岐流路において、前後方向に対して左右方向で最も離間する端部位置のそれぞれから延出形成されるので、湯沸し器が転倒した際に水平向き流路内に滞留する結露水を確実に下方向き流路を介して注出流路に通流させることができ水平向き流路内に結露水が滞留することは良好に防止されている。
本発明に係る湯沸し器の更なる特徴構成は、前記下方向き流路の少なくとも一部が、前記水平向き流路の流路断面積よりも小さな流路断面積の絞り部として形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、下方向き流路の少なくとも一部が、水平向き流路の流路断面積よりも小さな流路断面積の絞り部とされているので、当該絞り部を通流する蒸気の通流を阻害して、当該蒸気が通流する流速を低減することができ、当該絞り部よりも上流側の箇所(絞り部よりも上流側の下方向き流路及び水平向き流路)に蒸気をある程度滞留させることができる。
これにより、絞り部の上流側の箇所での蒸気の結露を促進し、注出流路に導出される蒸気の量をより一層低減することができる。
本発明に係る湯沸し器の更なる特徴構成は、上面視における前記湯沸し器の前後方向において、前方側に前記注ぎ口を設け、後方側に把手を設け、
前記水平向き流路が、前記前後方向に沿って配設されるとともに、当該前後方向に対して少なくとも左右方向に分岐する水平向き分岐流路を備え、
前記水平向き分岐流路及び前記下方向き流路が、前記弁機構の一部の上方側に位置し、
前記下方向き流路の下流側端部に開口形成された前記蒸気導出口が、前記弁機構の一部に対して上下方向で隙間を形成する状態で、前記注出流路における前記弁機構の下流側に開口する点にある。
上記特徴構成によれば、水平向き流路が前後方向に沿って配設されるとともに、当該前後方向に対して少なくとも左右方向に分岐する水平向き分岐流路を備え、水平向き分岐流路及び下方向き流路が、注出流路を開閉自在な弁機構の一部の上方側に位置するので、弁機構の開閉により貯留部内の液体の注ぎ口を介する通流を良好に制御できながら、弁機構の一部と蒸気流路の水平向き分岐流路及び下方向き流路とを上下方向に重ねて配置して上下方向におけるコンパクト化を図ることができる。
また、下方向き流路の下流側端部に開口形成された蒸気導出口が、弁機構の一部に対して上下方向で対向する状態で、注出流路における弁機構の下流側の部位に開口するので、蒸気導出口から注出流路における弁機構の下流側の部位に導出された蒸気が、弁機構の一部の上部に衝突して、当該蒸気の流速が低減されることとなる。
これにより、蒸気が注出流路内を通流する流速をより一層低下させることができ、当該蒸気の温度低下をより一層促進し結露を促進して、蒸気の量をより一層低減することができる。
電気ケトルの斜視図 電気ケトルのケトル本体の要部の縦断面視図 電気ケトルのケトル本体の要部の斜視図 電気ケトルのケトル本体の要部の分解斜視図 蒸気流路形成部材の斜視図 蒸気流路形成部材を構成する上部材の下面図及び下部材の上面図 図6のVII−VII方向視図 図6のVIII−VIII方向視図 図6のIX−IX方向視図 蒸気流路を示す概念図
本発明に係る湯沸し器の一例である電気ケトルの実施形態を図面に基づいて説明する。
電気ケトルは、図1及び図2に示すように、電源供給用の電源プレート1と、その電源プレート1上に着脱自在に載置されるケトル本体2とを備えて構成され、ケトル本体2は、上方側が開口し、内部に内容器(貯留部の一例)3を有する容器本体4と、内容器3内の湯水(液体の一例)を加熱する電熱ヒータ(加熱機構の一例)5と、容器本体4の上方開口部4Aを開閉自在な蓋体6とを備えて構成される。
電源プレート1は、外形が円形のプレート状に形成されており、上面の中心側に当該上面から上方に突出する給電機構1Aを備えている。
ケトル本体2の容器本体4は、有底円筒状に形成されており、底面の中心側に当該底面から上方に窪む受電機構2Aを備えている。
そして、電源コード(図示せず)を介して商用電源が給電される電源プレート1上にケトル本体2を載置することにより、給電機構1A及び受電機構2Aを介してケトル本体2の電熱ヒータ5に通電され、内容器3内の湯水を加熱するように構成されている。
容器本体4は、上方開口部4Aの周縁部に口縁部材7を嵌め込むとともに、口縁部材7に有底円筒状の内容器3を吊り下げ支持することで、容器本体4の内部に内容器3を収容するように構成される。そして、容器本体4の内部に収容された状態で内容器3の底部下方には、電熱ヒータ5が配設される。なお、電熱ヒータ5としては、公知の電熱ヒータを採用することができ、例えば、シーズヒータを採用することができる。
容器本体4の外周部には、ケトル本体2を持ち上げるための把手8が設けられ、容器本体4の外周部の上部側には、内容器3内の湯水を注ぐ注ぎ口9が設けられ、把手8と注ぎ口9とが、ケトル本体2の上部の中心に対して互いに反対側に振り分けて設けられている。そして、把手8を把持してケトル本体2を持ち上げて、注ぎ口9が下側となるように傾けることにより、内容器3内の湯水を注ぎ口9から注ぐことができるように構成されている。
なお、以下では、上面視で、ケトル本体2における注ぎ口9と把手8とを結ぶ方向を前後方向とし、注ぎ口9側を前側、把手8側を後側として説明し、また、上面視で、ケトル本体2における前後方向に直交する方向を左右方向とし、図2の紙面奥側を右側、紙面手前側を左側として説明し、さらに、縦断面視で、ケトル本体2における容器本体4の底部と蓋体6とを結ぶ方向を上下方向とし、容器本体4の底部側を下側、蓋体6側を上側として説明する。
容器本体4の口縁部材7には、注ぎ口9の下方部分を構成する溝状部7mが形成され、後述する蓋体6の蓋本体部材20には、注ぎ口9の上方部分を構成する庇部20eが設けられている。
そして、口縁部材7の溝状部7mの上方を蓋本体部材20の庇部20eが覆う状態となる蓋体装着用の相対位置関係で、蓋体6を容器本体4の上方開口部4Aに装着すると、口縁部材7の溝状部7mと蓋本体部材20の庇部20eにより、筒状の注ぎ口9が形成されることになる。
把手8は、上部が容器本体4の外周部の上部と口縁部材7とに跨った状態で固定され、下部が容器本体4の外周部の上下方向の中間部分に固定される。把手8の容器本体4とは反対側の外側面には、湯沸し用の運転スイッチ10Aや保温用の保温スイッチ10Bを備えた操作部10が配設され、操作部10を操作すると、把手8内に配設された制御部(図示せず)により電熱ヒータ5のオン・オフや加熱量等を調整できるように構成されている。
蓋体6は、蓋本体部材20と、蓋本体部材20の上方の蓋カバー21と、蓋本体部材20の下方の内蓋板22と、内蓋板22の外周部をシールする環状シール材23とを一体的に組み付けて構成されている。
円板状に形成された内蓋板22には、湯水流通孔(図示せず)及び蒸気流通孔(図示せず)が複数貫通形成され、蓋体6における蓋本体部材20と内蓋板22との間には、内蓋板22に形成された複数の湯水流通孔及び蒸気流通孔を通して容器本体4の内容器3に連通する連通空間30が形成されている。
また、蓋体6には、蓋体6を容器本体4の上方開口部4Aを閉じる閉じ位置に保持する一対のフック部材24と、後述する注出流路31を開閉自在な弁機構Vと、注ぎ口9からの内容器3内の湯水の通流を許容するか否かに弁機構Vの弁体25の開閉状態を切り換えるための弁操作具26とが設けられている。
蓋体6の内部には、内容器3を臨む連通空間30と注ぎ口9を介して外部とを連通し、内容器3内の湯水を注ぎ口9を介して外部に通流させる注出流路31と、注出流路31に設けられ、注出流路31を開閉自在な弁機構Vと、内容器3を臨む連通空間30と注出流路31における弁機構Vの下流側とを連通し、内容器3内の湯水から発生する蒸気を注出流路31における弁機構Vの下流側に通流させる蒸気流路32とが形成されている。
蒸気流路32における連通空間30のすぐ下流側の蓋本体部材20には、転倒止水弁Qが設けられている。この転倒止水弁Qには、容器本体4が転倒すると蒸気流路32の蒸気導入口32A、32Bを閉じるように移動すべく、転倒止水弁Qとなる2個の錘体33が設けられ、当該錘体33は蓋本体部材20に下方側に窪み形成された弁収容部(図示せず)に収容されている。従って、容器本体4が転倒しても、2個の錘体33が蒸気流路32の蒸気導入口32A、32Bを閉じるように弁収容部内を移動して、内容器3内に収容されている湯水の蒸気流路32内への流入が防止される。なお、上面視で、蓋本体部材20の上面において概略長方形状に形成される弁収容部の外周縁部には、その全周を囲繞する状態で上方側に突出する位置決め用リブ20bが形成されている(図4参照)。
詳細は後述するが、転倒止水弁Qのすぐ下流側には、蒸気流路32の一部を形成する蒸気流路形成部材40が設けられ、蒸気流路形成部材40が蓋本体部材20の上面に取り付けられることにより、蒸気流路32が、水平方向に延出し、蒸気導入口32A、32Bを介して内容器3に連通する水平向き流路60と、当該水平向き流路60から下方側に延出し、下流側端部に形成された蒸気導出口32Cを介して注出流路31に連通する下方向き流路61とを備えるように構成される(図6、図8及び図9参照)。
弁機構Vは、蓋本体部材20に設けられる弁座20aと、当該弁座20aに当接した状態で湯水の流出を阻止する弁体25と、この弁体25を内蓋板22の上面との間で閉状態側(上側)に付勢するスプリング27とを備えて構成され、弁機構Vの弁体25が上下方向に移動して、当該弁体25と弁座20aとが当接又は離間することにより、注出流路31を開閉自在に構成されている。具体的には、弁体25は、上下方向に延出する弁軸25aと、当該弁軸25aの下方側部位において径方向外方に向けて概略円盤状に延出する円盤状本体25bと、円盤状本体25bの下面から円筒状に延出するスプリング取付部25cとを備えている。そして、スプリング取付部25cと内蓋板22の上面との間にスプリング27を取付け、弁軸25aを上下方向に移動させることで、円盤状本体25bの上面と弁座20aとが当接又は離間し、注出流路31を開閉自在に構成されている。
なお、上面視で、蓋本体部材20の上面において円盤状本体25bの上部に対応する箇所には、当該蓋本体部材20を上下方向に貫通する一対の貫通孔20cが形成されている。この一対の貫通孔20cは、蓋本体部材20において、弁軸25aと把手8とを結ぶ方向(前後方向)に対して左右方向で同一距離にある箇所の夫々に貫通形成され、当該一対の貫通孔20cの上部周縁部の夫々には上方に突出する円形リブ(図示せず)が形成されている。当該円形リブが後述する流路形成部材40の各水平向き分岐流路60bの導出用下方向き流路61Aにおける下流側端部に形成された開口部61aの夫々に内嵌された状態で、一対の貫通孔20cが当該開口部61aに連通するように構成されており、当該一対の貫通孔20cが蒸気流路32の導出用蒸気流路の下流側端部に形成された蒸気導出口32Cとして機能する。
弁操作具26は、注ぎ口9と把手8との間に設けられ、主として第1操作具26A及び第2操作具26Bを備える。
第1操作具26Aは、一端側(前後方向における後側)が蓋カバー21の上面から露出し、他端側(前後方向における前側)が蓋カバー21内に収容されており、一端側及び他端側が左右方向に延びる揺動軸26a周りで上下方向に揺動するように構成されている。
第2操作具26Bは、蓋カバー21内において、一端側(前後方向における後側)の下部が第1操作具26Aの他端側の上部と係合し、他端側(前後方向における前側)が弁機構Vの弁体25の弁軸25aの上端の上方に位置するように構成されている。第2操作具26Bは、ばね部材26Cにより、一端側が下方側に、他端側が上方側に付勢されており、これに伴って、第2操作具26Bの一端側に係合する第1操作具26Aも、一端側が上方側に、他端側が下方側に付勢されている。
従って、弁操作具26を操作しない自然状態では、ばね部材26Cの付勢力により、第2操作具26Bの他端側は弁体25の弁軸25aに当接せず、弁機構Vの弁体25の円盤状本体25bの上面は弁座20aと当接したままとなり、注出流路31は閉鎖された状態となる。この閉鎖状態では、ケトル本体2を傾けても、注ぎ口9から内容器3内の湯水が漏出することはない。
一方で、第1操作具26Aの一端側をばね部材26Cの付勢力に抗して下方側に押圧することにより、第2操作具26Bの他端側が下方側に移動して弁体25の弁軸25aの上端を下方側に押圧移動させ、弁体25の円盤状本体25bの上面が弁座20aから離間して、注出流路31は開放された状態となる。この開放状態で、注ぎ口9が下側となるように傾けることにより、内容器3内の湯水を注ぎ口9を介して外部に通流させることができる。
次に、図2〜図9に基づいて、本願の特徴的構成である蒸気流路32について説明する。
上述のように、蒸気流路32は、内容器3を臨む連通空間30と注出流路31における弁機構Vの下流側とを連通し、内容器3内の湯水から発生する蒸気を注出流路31における弁機構Vの下流側に通流させるように構成されている。具体的には、図2、図4、図6〜図9に示すように、蒸気流路32は、上流側から、蒸気流通孔、連通空間30、転倒止水弁Q、蒸気導入口32A、32B、水平向き流路60、下方向き流路61、蒸気導出口32Cを備えている。
この蒸気流路32のうち、蒸気導入口32A、32Bと、水平方向に延出し、蒸気導入口32A、32Bを介して連通空間30に連通する水平向き流路60と、当該水平向き流路60から下方側に延出し、下流側端部に形成された蒸気導出口32Cを介して注出流路31に連通する下方向き流路61の一部とが、蒸気流路形成部材40により形成される。
図2〜図8に示すように、蒸気流路形成部材40は、平面視での外形が略相似形状で前後方向に長い板状部材である上部材41及び下部材42と、蒸気流路32内の蒸気の温度を検知する温度検知具43と、温度検知具43を上部材41及び下部材42に密封状態で装着させるパッキン部材44とを組み付けることにより構成されている。なお、蒸気流路形成部材40の上部材41及び下部材42は、蓋本体部材20の上面において、長手方向が前後方向に沿うように着脱自在に構成され、装着された状態で固定可能に構成されている。即ち、蒸気流路形成部材40の上部材41及び下部材42は、注ぎ口9と把手8との間で且つ蓋本体部材20における転倒止水弁Q(位置決め用リブ20b)及び一対の貫通孔20cの上部に位置するように複数のビス45により装着固定される。
図2〜図5(特に図5)に示すように、上部材41の下面側と下部材42の上面側とを当接させて組み付けると、上部材41及び下部材42により、平面視で、前後方向における後側(把手8側)から前側(注ぎ口9)に向かう順に、後述する開口部60aが形成される開口部形成筒部40A、開口部形成筒部40Aよりも左右方向の幅が広い幅広部40B、左右方向の幅が開口部形成筒部40Aと同程度に形成される筒部40C、筒部40Cから斜め前方向(前後方向に対して左右方向にそれぞれ45度程度傾斜する方向)に分岐する二股分岐部40Dが形成される。
開口部形成筒部40Aの後側(把手8側)には、当該把手8側に向かって開口する開口部60aが形成され、蒸気流路形成部材40の内部に形成される水平向き流路60と連通するように構成されている。この開口部形成筒部40A及び開口部60aは、左右方向に長い略楕円形状に形成され、当該開口部60aを密封する状態で開口部形成筒部40Aにパッキン部材44が外嵌装着される。
パッキン部材44は、シリコーンゴムにより構成され、開口部形成筒部40Aに外嵌装着可能な有底筒状の嵌合部44aと、嵌合部44aの底部において前後方向に貫通形成される略円形の貫通孔44bと、当該貫通孔44bの内径と略同径の内径を備え嵌合部44aの後側(把手8側)に突出する円筒部44cと、当該円筒部44cの内径より大径の内径で且つ当該円筒部44cの外径より大径の外径を備え、当該円筒部44cの後側(把手8側)に突出する弾性変形可能な概略円筒状のベンディング部44dとを一体的に備えている(図6〜図8参照)。円筒部44cの外径は、容器本体4の把手8側において、蓋本体部材20を貫通する状態で形成されるパッキン挿通孔20h(図4参照)に、内嵌可能な大きさに構成され、円筒部44cがパッキン挿通孔20hに内嵌された状態で、当該ベンディング部44dはパッキン挿通孔20hから後側(把手8側)に突出するように構成されている。更に、貫通孔44b、円筒部44c及びベンディング部44dは、開口部形成筒部40Aにより形成される開口部60aの中心部よりも左右方向の一端側(右側)に偏倚した位置に形成されている(図6参照)。
温度検知具43は、有底円筒状のフランジ付のキャップ43aと、キャップ43a内に後側から挿入装着される円筒部を備えた公知の温度センサ43bとを備えている。温度検知具43は、キャップ43aのフランジにリングパッキン(図示せず)が外嵌され且つキャップ43a内に温度センサ43bの円筒部が挿入された状態で、口縁部材7における把手8の前側に貫通形成された温度検知具挿通孔7h内に装着固定される(図2参照)。従って、蓋体6の蓋本体部材20に上部材41、下部材42及びパッキン部材44が装着された状態で、蓋体6により容器本体4の上方開口部4Aを閉鎖すると、パッキン部材44のベンディング部44dが口縁部材7の温度検知具挿通孔7hの周縁部に押圧された状態となる。これにより、温度センサ43bは、キャップ43aを介してパッキン部材44の貫通孔44bに対向する位置に配置され、当該パッキン部材44により蒸気流路32に対して密封されることとなる(図6参照)。なお、温度センサ43bにて検出された温度情報は制御部に入力される。
図4及び図6に示すように、下部材42は、前後方向に長い板状部材であり、板状部材の上面側の外周部においてパッキン部材44が装着される部位以外の全周に亘って、当該上面から上方に突出する突出外壁42aが形成され、パッキン部材44が装着される部位に、前後方向の後側(把手8側)に向かって開口する開口部42bが形成されている。従って、突出外壁42aの内側には、板状部材及び突出外壁42aにより前側(注ぎ口9側)、左右側、下側の4方向が囲繞され、後側(把手8側)が開口する水平向き空間が形成される。
下部材42の板状部材(底壁部)における後側(把手8側)の開口部42bを臨む部位には、板状部材を上下方向に貫通し、当該部位と板状部材の下方側(転倒止水弁Q側)とを連通する蒸気導入口32A、32Bが開口形成されている。蒸気導入口32A、32Bは、前後方向の前側から後側に向かって、開口面積の小さな蒸気導入口32B、開口面積の大きな蒸気導入口32Aの順に配置されている。そして、蒸気導入口32A、32Bの両方を、後側以外の3方向(前側、左右側)で囲繞するように、板状部材の上面から上方に突出する概略U字形状の突出内壁42cが形成され、後側(把手8側)に向かって開口する開口部42dが形成されている。即ち、突出内壁42cの内側には、板状部材及び突出内壁42cにより前側(注ぎ口9側)、左右側、下側の4方向が囲繞され、後側(把手8側)が開口する水平向き空間が形成される。突出内壁42cにおける開口部42dを形成する両端部のうち一方側(上面視で、前後方向に沿って後側から前側に向かって右側)の端部は、開口部42bを形成する突出外壁42aにおける一方側(上面視で、前後方向に沿って後側から前側に向かって右側)の壁部に一体的に接続され、また、突出内壁42cにおける開口部42dを形成する端部のうち他端側(上面視で、前後方向に沿って後側から前側に向かって左側)の端部は、開口部42bの左右方向における中央部近傍に向かって延出し、開口部42bを形成する突出外壁42aの両端部(上面視で、前後方向に沿って後側から前側に向かって右側及び左側の端部)よりも注ぎ口9側に引退した位置にまで延出されている。なお、前後方向において開口部42dに対向する位置に、パッキン部材44の貫通孔44bが開口するように構成されている。
下部材42における注ぎ口9側の端部には、板状部材の下面から下方側に一対の管部42eが突出形成され、突出外壁42aにより形成される空間と板状部材の下方側(注出流路31側)とを連通する下方向き空間が形成され、一対の管部42eの下端部位に蓋本体部材20の貫通孔20cを介して当該下方向き空間と注出流路31とを連通する開口部61aが開口形成されている(図8及び図9参照)。
下部材42の突出外壁42a及び突出内壁42cには、厚み方向の中央部に、後述する上部材41の突出外壁41a及び突出内壁41cの嵌合凸部(図示せず)を嵌合できる嵌合溝(図示せず)が形成されている。
また、下部材42の下面には、蓋本体部材20の上部に装着された状態で、転倒止水弁Qにおける弁収容部の外周縁部に形成された位置決め用リブ20bを嵌合可能な環状溝42fが窪み形成されており、下部材42を蓋部材20の上部に装着する際に、環状溝42fを位置決め用リブ20eに嵌合させることで容易に位置決めできるように構成されている。なお、位置決め用リブ20eの外周側には環状シール材(図示せず)が設けられており、転倒止水弁Qの外周縁部と下部材42の下面との間は密封される。
図4及び図6に示すように、上部材41は、前後方向に長い板状部材であり、板状部材の下面側の外周部においてパッキン部材44が装着される部位以外の全周に亘って、当該下面から下方に突出する突出外壁41aが形成され、パッキン部材44が装着される部位に、前後方向の後側である把手8側に向かって開口する開口部41bが形成されている。従って、突出外壁41aの内側には、板状部材及び突出外壁41aにより前側(注ぎ口9側)、左右側、上側の4方向が囲繞され、後側(把手8側)が開口する水平向き空間が形成される。
上部材41の板状部材(天井壁部)における後側(把手8側)の開口部41bを臨む部位において、上述の蒸気導入口32Aに対して上下方向で対向する箇所には、前後方向における前側(注ぎ口9側)から後側(把手8側)に向かって(蒸気流路32の上流側から下流側に向かって)流路断面積が大きくなるテーパー傾斜面41eが形成されている。そして、テーパー傾斜面41eを、後側以外の3方向(前側、左右側)で囲繞するように、板状部材の下面から下方に突出する概略U字形状の突出内壁41cが形成され、後側(把手8側)に向かって開口する開口部41dが形成されている。即ち、突出内壁41cの内側には、板状部材及び突出内壁41cにより前側(注ぎ口9側)、左右側、上側の4方向が囲繞され、後側(把手8側)が開口する水平向き空間が形成される。突出内壁41cにおける開口部41dを形成する両端部のうち一方側(下面視で、前後方向に沿って後側から前側に向かって左側)の端部は、開口部41bを形成する突出外壁41aにおける一方側(下面視で、前後方向に沿って後側から前側に向かって左側)の壁部に一体的に接続され、また、突出内壁41cにおける開口部41dを形成する端部のうち他端側(下面視で、前後方向に沿って後側から前側に向かって右側)の端部は、開口部41bの左右方向における中央部近傍に向かって延出し、開口部41bを形成する突出外壁41aの両端部(下面視で、前後方向に沿って後側から前側に向かって右側及び左側の端部)よりも注ぎ口9側に引退した位置にまで延出されている。なお、前後方向において開口部41dに対向する位置に、パッキン部材44の貫通孔44bが開口するように構成されている。
上部材41の突出外壁41a及び突出内壁41cには、厚み方向の中央部に、下部材42の突出外壁42a及び突出内壁42cの嵌合溝(図示せず)に嵌合できる嵌合凸部(図示せず)が形成されている。
従って、上部材41の突出外壁41a及び突出内壁41cの嵌合凸部が下部材42の突出外壁42a及び突出内壁42cの嵌合溝に嵌合する状態で組み付けられると、当該嵌合された箇所においては、上部材41と下部材42とが密封された状態となっている。また、上部材41及び下部材42の開口部形成筒部40Aには、上部材41の開口部41b及び下部材42の開口部42bが合わさることで開口部60aが形成されている。開口部形成筒部40Aには、当該開口部60aを密封するようにパッキン部材44が装着される。そして、このように組み付けられた蒸気流路形成部材40を蓋体6の蓋本体部材20の上面に装着し、当該蓋体6を容器本体4の上方開口部4Aに取り付けると、蒸気流路形成部材40の内部に、蒸気導入口32A、32B及び開口部61aのみが開放された流路が形成される。
具体的には、図4、図6及び図7に示すように、蒸気流路形成部材40内には、主として上部材41の突出内壁41cの内側及び板状部材と、下部材42の突出内壁42cの内側及び板状部材と、パッキン部材44の嵌合部44bの底部及び貫通孔44cの内周面と、温度検知具43のキャップ43aの底壁部とにより囲繞される水平向き空間が形成される。この水平向き空間は、前後方向(水平方向)に沿って延出し、蒸気導入口32A、32Bから導入された蒸気の温度を検知する温度検知具43が配設され、蒸気導入口32A、32Bを介して連通空間30に連通する検知用水平向き流路60Aとして機能する。検知用水平向き流路60Aは、前後方向に沿う略直線状流路として形成され、当該直線状流路において蒸気導入口32B、32Aと温度検知具43とが上流側から下流側(前側から後側)に向かって記載順に配設されている。なお、検知用水平向き流路60Aの下流側は、温度検知具43のキャップ43aにより閉鎖されている。
また、蒸気流路形成部材40内には、主として上部材41の突出内壁41cの外側及び突出外壁41aの内側及び板状部材と、下部材42の突出内壁42cの外側及び突出外壁42aの内側及び板状部材と、パッキン部材44の嵌合部44bの底部とにより囲繞される水平向き空間が形成される。この水平向き空間は、略前後方向(水平方向)に沿って延出し、検知用水平向き流路60Aと連通する導出用水平向き流路60Bとして機能する。
検知用水平向き流路60Aと導出用水平向き流路60Bとは接続部62を介して接続されており、接続部62は、検知用水平向き流路60Aの直線状流路における蒸気導入口32A、32Bの下流側で且つ温度検知具43の上流側の箇所と導出用水平向き流路60Bとが接続される箇所に形成されている。この接続部62は、上述の上部材41の突出内壁41cにおける開口部41dを形成する端部のうち他端側(下面視で、前後方向に沿って後側から前側に向かって右側)の端部が、開口部41bの左右方向における中央部近傍に向かって延出し、開口部41bを形成する突出外壁41aの両端部(下面視で、前後方向に沿って後側から前側に向かって右側及び左側の端部)よりも注ぎ口9側に引退した位置にまで延出されていること、及び、下部材42の突出内壁42cにおける開口部42dを形成する端部のうち他端側(上面視で、前後方向に沿って後側から前側に向かって左側)の端部が、開口部42bの左右方向における中央部近傍に向かって延出し、開口部42bを形成する突出外壁42aの両端部(上面視で、前後方向に沿って後側から前側に向かって右側及び左側の端部)よりも注ぎ口9側に引退した位置にまで延出されていることにより、所定の流路断面積(図6及び図8では流路断面積Bで示す)を備えるように連通形成されている。なお、当該接続部62は、開口部60aがパッキン部材44の嵌合部44a等により密着状態で閉鎖されるが、嵌合部44aの底部とこれら他端側の両端部との間には所定の隙間が形成されており、所定の流路断面積(図6及び図8では流路断面積Bで示す)となるように構成されている。
検知用水平向き流路60Aと導出用水平向き流路60Bとは、接続部62により相互に180度程度屈曲した状態で接続されている。即ち、検知用水平向き流路60Aでは、蒸気が前後方向における前側から後側に向かって通流し、その後、接続部62により略180度Uターンして導出用水平向き流路60Bに流入し、導出用水平向き流路60Bでは、前後方向における後側から前側に向かって通流するように構成されている。
従って、蒸気流路形成部材40の開口部形成筒部40A及び幅広部40Bにおいては、検知用水平向き流路60Aと導出用水平向き流路60Bとは接続部62により接続されることで概略のの字形状に形成され、導出用水平向き流路60Bが検知用水平向き流路60Aの左右側に配置されることとなる。なお、上面視で、前後方向における後側から前側に向かって右側の導出用水平向き流路60B(概略のの字形状の行き止まり部分)は閉塞空間60Cとなるように形成されており、閉鎖空間60C内に流入した蒸気の通流を阻害して流速を低下できるとともに、蒸気が閉鎖空間60Cに滞留して、蒸気の温度低下を促進して結露を促進することができるように構成されている。
蒸気流路形成部材40の筒部40Cにおいては、導出用水平向き流路60Bは略直線状流路として形成され、その後、二股分岐部40Dにおいては、導出用水平向き流路60Bは、筒部40Cから斜め前方向(前後方向に対して左右方向にそれぞれ45度程度傾斜する方向)に分岐する水平向き分岐流路60bとして機能するように形成される。なお、二股分岐部40Dにおける注ぎ口9側の突出外壁41a及び突出外壁42aの外側は、弁体25の弁軸25aを囲繞するように概略円弧状に形成されている。従って、各水平向き分岐流路60bは、上面視で、弁機構Vの弁体25の弁軸25aの径方向外方に形成された円盤状本体25bの上方側に位置するとともに、注出流路31における弁機構Vの下流側の部位の上方側に位置することとなる。即ち、各水平向き流路60bは、円盤状本体25b及び当該円盤状本体25bの下流側(上方側)の注出流路31の一部に対して、上下方向で重なる位置に設けられていることとなる。
また、蒸気流路形成部材40内には、主として、下部材42の一対の管部42eの内壁面により囲繞される下方向き空間が形成される。この下方向き空間は、略上下方向(鉛直方向)に沿って延出し、水平向き分岐流路60bのそれぞれの下流側端部から下方側に延出し、下流側端部に開口部61aを備え、当該開口部61a及び蒸気導出口32Cを介して注出流路31に連通する導出用下方向き流路61Aの一部として機能する。なお、導出用下向き流路61Aの他部は、蓋本体部材20の上面に貫通形成された一対の貫通孔20cにより構成され、当該貫通孔20cが蒸気導出口20Cとして機能する。各導出用下方向き流路61Aは、上面視で、前後方向に対して左右方向で最も離間した端部位置のそれぞれから延出形成されている。各導出用下方向き流路61Aは、弁機構Vの弁体25の弁軸25aの径方向外方に形成された円盤状本体25bの上方側に位置するとともに、注出流路31における弁機構Vの下流側の部位の上方側に位置することとなる。即ち、各導出用下方向き流路61Aは、円盤状本体25b及び当該円盤状本体25bの下流側(上方側)の注出流路31の一部に対して、上下方向で重なる位置に設けられていることとなる。
また、各導出用下方向き流路61Aの下流側端部に設けられた開口部61a及び蓋本体部材20に設けられた一対の貫通孔20c(蒸気導出口32C)は、弁機構Vの弁体25の円盤状本体25b及び弁座20aに対して上下方向に対向する状態で、注出流路31における弁機構Vの上流側(上方側)の部位に開口される。なお、本実施形態では、各導出用下方向き流路61Aは、水平向き分岐流路60b(水平方向)に対して略90度屈曲するように垂直方向(鉛直下方)に延出するように形成されているが、この屈曲角度は、例えば、±30度程度の範囲内で適宜調整することも可能である。また、水平向き分岐流路60bの角度を水平方向に対して若干程度(例えば、±10度程度傾斜)させることもできる。
ここで、上記のように構成された検知用水平向き流路60A及び導出用水平向き流路60Bを備えた水平向き流路60と、下方向き流路61と、水平向き流路60と下方向き流路61とを接続する接続部62とにより、蒸気流路32の一部が形成されるが、図6〜図8に示すように、接続部62の流路断面積Bは、検知用水平向き流路60Aの流路断面積Cよりも小さな流路断面積の狭部として機能するように形成されている。また、下方向き流路61の流路断面積Aは、蒸気流路32の流路断面積(検知用水平向き流路60Aの流路断面積A、導出用水平向き流路60Bの流路断面積(図示せず)、接続部62の流路断面積Bなど)よりも小さな流路断面積の絞り部として機能するように形成されている。
次に、上記のように構成された電気ケトルを用いて、内容器3内の湯水を加熱して、蒸気が蒸気流路32を通流する際の状態について説明する。
ユーザが、ケトル本体2を電源プレート1上に載置し、内容器3内の湯水を加熱するために操作部10の湯沸し用の運転スイッチ10Aを押圧すると、給電機構1Aから受電機構2Aを介して電熱ヒータ5に電力が供給され、電熱ヒータ5により内容器3内の湯水が加熱される。
当該加熱に伴って内容器3内の湯水から蒸気が発生すると、当該蒸気は順次上昇して内蓋板22に貫通形成された蒸気流通孔を介して連通空間30内に導入され、蒸気流路32を通流することとなる。即ち、当該蒸気は、蒸気流通孔、連通空間30、転倒止水弁Q、蒸気導入口32A、32B、水平向き流路60(検知用水平向き流路60A、接続部62、導出用水平向き流路60B(水平向き分岐流路60bを含む)、下方向き流路61、蒸気導出口32Cの順に通流し、注出流路31内に導出される。
この際、蓋体6の内部に、内容器3と外部とを連通し、内容器3内の湯水を注ぎ口9を介して外部に通流させる注出流路31と、注出流路31に設けられ、注出流路31を開閉自在な弁機構Vと、内容器3と注出流路31における弁機構Vの下流側とを連通し、内容器3内の湯水から発生する蒸気を注出流路31における弁機構Vの下流側に通流させる蒸気流路32とを備えているので、電熱ヒータ5による内容器3内の湯水の加熱により内容器3内にて発生した蒸気を、比較的長い流路となる内容器3、蒸気流路32、注出流路31、注ぎ口9の順に通流させ順次温度を低下させて、蒸気流路32及び注出流路31内で結露させることができ、注ぎ口9から排出される蒸気の量をある程度低減することができる。この際、蓋体6の上面に蒸気口を開口形成する必要がないので、蓋体6の上面から蒸気が排出されることが無く、子供等が蒸気に触れる可能性を低減することができる。
特に、蒸気流路32が、水平方向に延出し、蒸気導入口32Cを介して内容器3に連通する水平向き流路60と、水平向き流路60から下方側に延出し、下流側端部に形成された蒸気導出口32Cを介して注出流路31における弁機構Vの下流側に連通する下方向き流路61とを備えているので、内容器3内で発生した蒸気は上昇して、まず、蒸気導入口32A、32Bを介して水平向き流路60内を通流し、その後、水平向き流路60から下方側に延出し且つ当該水平向き流路60の下流側に位置する下方向き流路61内を通流して、下方向き流路61の下流側端部に形成された蒸気導出口32Cを介して注出流路31内を通流し、注ぎ口9に到達することとなる。
従って、蒸気導入口32A、32Bから導入され水平向き流路60内を水平方向に沿って通流する蒸気は、下方向き流路61に導入される際に当該下方向き流路61内を下方向に沿って通流するように強制的に方向変換させられるため、下方向き流路61の入り口付近である程度の蒸気の滞留が発生する。即ち、蒸気が下方向き流路61に導入される際には、比較的高温の蒸気が上昇しようとする方向(上方向)とは反対側の下方向に強制的に方向変換させられるので、当該蒸気の流速を良好に弱めることができるのである。
これにより、下方向き流路61内を通流する蒸気の流速は比較的低下した状態となり、蒸気が水平向き流路60及び下方向き流路61内を通流する流速を低下させることができ、当該蒸気の温度低下を促進し結露を促進させることができる。更に、当該蒸気を、下方向き流路61の下流側端部に形成された蒸気導出口32Cを介して注出流路31内に導出し、注ぎ口9を介して外部に排出するので、注ぎ口9から排出される蒸気を低減することができる。
よって、子供等が蒸気に触れる可能性を低減することができ、また、外部(室内)の湿度の上昇も低減することができる。
また、蓋体6の上下方向の厚みを利用して下方向き流路61を形成することで、蒸気流路32の水平向き流路60を長くしなくても蒸気を低減することができるので、蓋体6内の水平方向における省スペース化及びコンパクト化を図ることができる。
蒸気流路32における水平向き流路60及び下方向き流路61内で結露した結露水は、蒸気導出口32Cを介して注出流路31に戻すことができるので、蒸気流路32内に結露水が滞留することは良好に防止されている。
よって、上述の下方向き流路61を設けるという非常に簡便且つコンパクトな構成で、注ぎ口9から排出される蒸気の量を確実に低減することができる。
さらに、下方向き流路61が水平向き流路60の下流側端部から延出形成されるので、水平向き流路60内から下方向き流路61内へ通流する蒸気は、水平向き流路60の下流側端部の壁面に衝突して水平方向から下方向に強制的に方向変換することとなり、当該蒸気の流速が確実に弱められた状態で、下方向き流路61内を通流することとなる。
これにより、蒸気が水平向き流路60及び下方向き流路61内を通流する流速を一層低下させることができ、当該蒸気の温度低下を一層促進し結露を促進して、蒸気の量をより一層低減することができる。また、蒸気流路32における水平向き流路60及び下方向き流路61内で結露した結露水は、水平向き流路60の下流側端部に残留することなく、蒸気導出口32Cを介して注出流路31に戻すことができる。
一方で、下方向き流路61の流路断面積Aが、蒸気流路32の流路断面積(例えば、水平向き流路60における流路断面積B及び流路断面積C)よりも小さな流路断面積の絞り部とされているので、当該絞り部を通流する蒸気の通流を阻害して、当該蒸気が通流する流速を低減することができ、当該絞り部よりも上流側の箇所(絞り部よりも上流側の下方向き流路61及び水平向き流路60)に蒸気をある程度滞留させることができる。
これにより、絞り部の上流側の箇所での蒸気の結露を促進し、注出流路31に導出される蒸気の量をより一層低減することができる。
また、水平向き流路60の各水平向き分岐流路60b及び下方向き流路61が、注出流路31と上下方向で重なる位置に設けられているので、蓋体6内における上下方向及び水平方向のコンパクト性を確保した上で、水平向き流路60及び下方向き流路61の流路長を長くすることができる。
さらに、水平向き流路60の各水平向き分岐流路60b及び下方向き流路61が、注出流路31を開閉自在な弁機構Vの弁体25の円盤状本体25bの下流側(上方側)に位置するので、弁機構Vの開閉により内容器3内の湯水の注ぎ口9を介する通流を良好に制御できながら、弁機構Vの弁体25の円盤状本体25bと蒸気流路23の各水平向き分岐流路60b及び下方向き流路61とを上下方向に重ねて配置して上下方向におけるコンパクト化を図ることができる。
また、下方向き流路61の下流側端部に開口形成された蒸気導出口32Cが、弁機構Vの弁体25の円盤状本体25bに対して上下方向で対向する状態で、注出流路31における弁機構Vの下流側(上方側)の部位に開口するので、蒸気導出口32Cから注出流路31における当該円盤状本体25bの下流側(上方側)の部位に導出された蒸気が、当該円盤状本体25bの上部に衝突して、当該蒸気の流速が低減されることとなる。
よって、できるだけ簡便且つコンパクトな構成で、注ぎ口9から排出される蒸気の量を確実に低減することができる電気ケトルを提供できた。
その後、水平向き流路60の検知用水平向き流路60Aにおいて、蒸気導入口32A、32Bから導入され温度検知具43に導かれた蒸気の温度が検知され、温度検知具43が所定の蒸気の温度を検知すると、内容器3内の湯水が所定の温度に到達しているものとして、制御部が電熱ヒータへの電力の供給を遮断する。
そして、内容器3内の湯水を注ぎ口9を介して外部に排出する際には、ユーザは把手8を把持しながら弁操作具26を操作し、把手8に対して反対側に設けられた注ぎ口9側が下方となるように傾けることにより、内容器3内の湯水を注ぎ口9から外部に通流させることができる。
この際、注ぎ口9から通流する湯水と入れ換わるように、注ぎ口9を介して外部から注出流路31内に空気が流入し、注ぎ口9から外部に通流する湯水の脈動(いわゆる息継ぎ)が発生する場合がある。
しかしながら、水平向き流路60が前後方向に沿って配設されるとともに、当該前後方向に対して少なくとも左右方向に分岐する水平向き分岐流路60bを備え、下方向き流路61が水平向き分岐流路60bのそれぞれから延出形成されるので、下方向き流路61の下流側端部に複数の蒸気導出口32Cを配置することができ、上述のように、注ぎ口9から外部に湯水を通流させる場合でも、蓋体6内の空気を複数の蒸気導出口32Cの少なくとも一つから導入して、当該蒸気導出口32C、蒸気流路32の下方向き流路61及び水平向き流路60、更には蒸気導入口32A、32Bを介して内容器3内に供給し、注ぎ口9から外部に通流する湯水の脈動(いわゆる息継ぎ)を良好に防止することができる。
また、ケトル本体2がテーブル等の上面で転倒した際には、ケトル本体2の前後方向がテーブルの上面と略平行で、ケトル本体2の左右方向がテーブルの上面に対して略垂直な状態となる。
この際、蒸気流路32の水平向き流路60内に結露水が滞留していると、当該結露水は、自重により、水平向き流路60内においてテーブルの上面に対して垂直方向で最も近接する位置(下方側)に存在することとなる。即ち、当該結露水は、水平向き流路60内においてケトル本体2の前後方向に対して左右方向で最も離間した端部位置に存在することとなる。
そして、下方向き流路61が、水平向き分岐流路60bにおいて、前後方向に対して左右方向で最も離間する端部位置のそれぞれから延出形成されるので、ケトル本体2が転倒した際に水平向き流路60内に滞留する結露水を確実に下方向き流路61を介して注出流路31に通流させることができ、水平向き流路60内に結露水が滞留することは良好に防止されている。
〔別実施形態〕
(A)上記実施形態では、図10(a)に模式的に示すように、蒸気流路形成部材40の二股分岐部40C内に形成される一対の水平向き分岐流路60bを、前後方向に対して左右方向にそれぞれ45度程度傾斜するように斜め前方に直線状に延出形成し、下方向き流路61を、各水平向き分岐流路60bの下流側端部において前後方向に対して左右方向で最も離間する端部位置のそれぞれから延出形成するように構成したが、例えば、下記(A−1)〜(A−6)に示すように、その他の構成に適宜変更することができる。
(A−1)例えば、図10(b)に模式的に示すように、一対の水平向き分岐流路60bのそれぞれを概略L字形状に形成することもできる。即ち、一対の水平向き分岐流路60bを、それぞれ左右方向に分岐させ、その後、前後方向の前側に延出するように構成し、下方向き流路61を、各水平向き分岐流路60bの下流側端部において前後方向に対して左右方向で最も離間する端部位置のそれぞれから延出形成するように構成することもできる。
(A−2)例えば、図10(c)に模式的に示すように、一対の水平向き分岐流路60bのそれぞれを概略円弧形状に形成し、下方向き流路61を、各水平向き分岐流路60bの下流側端部において前後方向に対して左右方向で最も離間する端部位置のそれぞれから延出形成するように構成することもできる。
(A−3)例えば、図10(d)に模式的に示すように、一対の水平向き分岐流路60bのそれぞれを概略円弧形状に形成し、下方向き流路61を、各水平向き分岐流路60bの下流側端部のそれぞれから延出形成させるが、各下方向き流路61を、前後方向に対して左右方向で最も離間する端部位置から下方側に延出形成させる構成とせず、当該端部位置よりも左右方向で相互に近接する箇所にそれぞれ延出形成する構成とすることもできる。
(A−4)例えば、図10(e)に模式的に示すように、一対の水平向き分岐流路60bのそれぞれを概略円弧形状に形成し、下方向き流路61を、各水平向き分岐流路60bの上流側端部と下流側端部との中間位置において前後方向に対して左右方向で最も離間する端部位置のそれぞれから延出形成するように構成することもできる。
(A−5)例えば、図10(f)に模式的に示すように、一対の水平向き分岐流路60bのそれぞれを概略円弧形状に形成し、下方向き流路61の一方を、一方側の水平向き分岐流路60bの上流側端部と下流側端部との中間位置において前後方向に対して右方向で最も離間する端部位置から延出形成し、下方向き流路61の他方を、他方側の水平向き分岐流路60bの上流側端部と下流側端部との間の上流側端部に近接する位置において前後方向に対して左右方向で最も離間する端部位置よりも左右方向で一方の下方向き流路61に近接する箇所に延出形成する構成とすることもできる。
(A−6)例えば、図示しないが、水平向き分岐流路60bを一対設ける構成とするのではなく、左右方向の一方側のみに水平向き分岐流路60bを設ける構成としてもよく、また、左右方向の両側のそれぞれに、単数又は複数の水平向き分岐流路60bを設ける構成(例えば、右側に二つ、左側に二つ設ける構成)としてもよい。
(B)上記実施形態では、下方向き流路61を、水平向き流路60の流路断面積よりも小さな流路断面積の絞り部として形成したが、絞り部として形成する箇所を下方向き流路61の一部分のみに形成してもよく、また、当該絞り部を省略する構成としてもよい。
(C)上記実施形態では、導出用水平向き流路60Bの一部(水平向き分岐流路60b)及び下方向き流路61を、弁機構Vの弁座20a及び弁体25の円盤状本体25bの上方側に配置するとともに、注出流路31における弁機構Vの下流側の部位の上方側に配置する構成とし、下方向き流路61の下流側端部に開口形成された蒸気導出口32Cを、弁機構Vの弁体25の円盤状本体25bに対して上下方向で対向する状態で、注出流路31における弁機構Vの下流側の部位に開口するように構成したが、このような構成に限らず、導出用水平向き流路60Bの一部(水平向き分岐流路60b)、下方向き流路61及び蒸気導出口32Cのうちの少なくとも一つを弁機構Vの弁体25の円盤状本体25bに対して上下方向で重なる位置に配設するように構成し、その他を当該円盤状本体25bの上方側に位置させず、注出流路31における弁機構Vの下流側の部位の上方側に配置する構成としてもよい。また、これらの全てを、当該円盤状本体25bに対して上下方向で重ならない位置に配置したり、注出流路31における弁機構Vの下流側の部位の上方側に配置しない構成とすることもできる。
例えば、水平向き分岐流路60b、下方向き流路61及び蒸気導出口32Cを、円盤状本体25bよりも径方向外方側に位置させて、注出流路31における弁機構Vの下流側の部位の上方側に位置させるように構成することもできる。このように構成しても、蓋体6内における上下方向及び水平方向のコンパクト性を確保した上で、水平向き流路60及び下方向き流路61の流路長を長くすることができる。
(D)上記実施形態では、蒸気路形成部材40は、上部材41、下部材42、温度検知具43及びパッキン部材44を組み付けることで構成したが、内部に蒸気流路32の一部を形成できる構成であれば、蒸気路形成部材40の構成を変更することができ、例えば、上部材41と下部材42とを一体物として構成したり、上部材41や下部材42の構成を更に分割した構成とすることができる。
(E)上記実施形態では、水平向き流路60を、電気ケトルの前後方向において接続部62を介して略180度屈曲するように構成したが、接続部62により適宜角度に屈曲させることができ、好ましくは90度以上の角度、より好ましくは、180度程度に屈曲させることができる。また、水平向き流路60の屈曲は、電気ケトルの左右方向に屈曲する構成とすることもできる。そして、これら屈曲は、一回屈曲するものに限らず、複数回ジグザグに屈曲するように構成することもでき、この場合、より一層蒸気の温度低下を促進して結露を促進することができる。
(F)上記実施形態では、液体を貯留可能な内容器(貯留部の一例)3を容器本体4内に設けた二重構造の電気ケトルについて説明したが、容器本体4内に内容器3を設けない一重構造の電気ケトル、即ち、当該容器本体4の内部(貯留部の一例)に液体を直接貯留する構成としてもよい。
(G)上記実施形態では、湯沸し器の一例としての電気ケトルに本発明を適用したが、湯沸し器であれば、その他の機器であってもよく、例えば、電気ポットであってもよい。
なお、上記の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
以上説明したように、できるだけ簡便且つコンパクトな構成で、注ぎ口から排出される蒸気の量を確実に低減することができる湯沸し器を提供することができる。
3 内容器(貯留部)
4 容器本体
4A 上方開口部
5 電熱ヒータ(加熱機構)
6 蓋体
8 把手
9 注ぎ口
20c 貫通孔(蒸気導出口)
25 弁体
25b 円盤状本体(弁機構の一部)
31 注出流路
32 蒸気流路
32A 蒸気導入口
32B 蒸気導入口
32C 蒸気導出口
40 蒸気流路形成部材
41 上部材(蒸気流路形成部材)
41e テーパー傾斜面
42 下部材(蒸気流路形成部材)
42e 管部(下方向き流路)
43 温度検知具
44 パッキン部材
60 水平向き流路(蒸気流路)
60a 開口部
60b 水平向き分岐流路(導出用水平向き流路)
60A 検知用水平向き流路(水平向き流路)
60B 導出用水平向き流路(水平向き流路)
61 下方向き流路(蒸気流路、絞り部)
62 接続部(狭部)
V 弁機構

Claims (7)

  1. 上方側が開口し、内部に貯留部を有する容器本体と、前記貯留部内の液体を加熱する加熱機構と、前記容器本体の上方開口部を開閉自在な蓋体とを備えた湯沸し器であって、
    前記蓋体の内部に、前記貯留部と外部とを連通し、前記貯留部内の液体を注ぎ口を介して外部に通流させる注出流路と、前記注出流路に設けられ、前記注出流路を開閉自在な弁機構と、前記貯留部と前記注出流路における前記弁機構の下流側とを連通し、前記貯留部内の液体から発生する蒸気を前記注出流路における前記弁機構の下流側に通流させる蒸気流路とを備え、
    前記蒸気流路が、水平方向に延出し、蒸気導入口を介して前記貯留部に連通する水平向き流路と、当該水平向き流路から下方側に延出し、下流側端部に形成された蒸気導出口を介して前記注出流路における弁機構の下流側に連通する下方向き流路とを備えた湯沸し器。
  2. 前記注出流路と上下方向で重なる位置に、前記水平向き流路及び前記下方向き流路の少なくとも一部を設けた請求項1に記載の湯沸し器。
  3. 上面視における前記湯沸し器の前後方向において、前方側に前記注ぎ口を設け、後方側に把手を設け、
    前記水平向き流路が、前記前後方向に沿って配設されるとともに、当該前後方向に対して少なくとも左右方向に分岐する水平向き分岐流路を備え、
    前記下方向き流路が、前記水平向き分岐流路のそれぞれから延出形成される請求項1又は2に記載の湯沸し器。
  4. 前記下方向き流路が、前記水平向き流路の下流側端部から延出形成される請求項1〜3の何れか一項に記載の湯沸し器。
  5. 上面視における前記湯沸し器の前後方向において、前方側に前記注ぎ口を設け、後方側に把手を設け、
    前記水平向き流路が、前記前後方向に沿って配設されるとともに、当該前後方向に対して少なくとも左右方向に分岐する水平向き分岐流路を備え、
    前記下方向き流路が、前記水平向き分岐流路において、前記前後方向に対して前記左右方向で最も離間する端部位置のそれぞれから延出形成される請求項1〜4の何れか一項に記載の湯沸し器。
  6. 前記下方向き流路の少なくとも一部が、前記水平向き流路の流路断面積よりも小さな流路断面積の絞り部として形成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の湯沸し器。
  7. 上面視における前記湯沸し器の前後方向において、前方側に前記注ぎ口を設け、後方側に把手を設け、
    前記水平向き流路が、前記前後方向に沿って配設されるとともに、当該前後方向に対して少なくとも左右方向に分岐する水平向き分岐流路を備え、
    前記水平向き分岐流路及び前記下方向き流路が、前記弁機構の一部の上方側に位置し、
    前記下方向き流路の下流側端部に開口形成された前記蒸気導出口が、前記弁機構の一部に対して上下方向で対向する状態で、前記注出流路における前記弁機構の下流側の部位に開口する請求項1〜6の何れか一項に記載の湯沸し器。
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