JP2014215268A - Uci法によりコンクリート強度を推定する際の校正曲線の実験的採取法 - Google Patents

Uci法によりコンクリート強度を推定する際の校正曲線の実験的採取法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定材料の硬さを測定センサー接触前後の共振周波数の変化から推定する手法であるUCI(Ultrasonic Contact Impedance)法を使用するもので、事前に弾性係数を十分な精度で把握することができないのでそれまで不可能とされたコンクリートの硬化後の状態の測定を可能とするものであり、校正曲線を実験的に採取する際に、効率良く、理論的、合理的に校正曲線を実験的に採取することができるUCI法によりコンクリート強度を推定する際の校正曲線の実験的採取法を提供する。【解決手段】(1)計測予定のコンクリートと同調合のコンクリートにより、テストピースを作製し、(2)定められた材齢(2つ以上)において、UCI法により弾性係数を推定するための測定と圧縮強度を推定するための測定の2つを行う硬さ試験を行い、(3)前記UCI法による硬さ試験を終えたテストピースを用いて圧縮試験を行い、圧縮試験を行う際には、ひずみも併せて計測し、弾性係数も把握し、(4)前記(2)(3)の結果をまとめて、校正曲線を得る。【選択図】 なし

Description

本発明は、コンクリート材料など、経時によって弾性係数および圧縮強度が変化する材料について、その弾性係数および圧縮強度をUCI法により推定する際に、その精度を高めるために用いられる校正曲線を実験的に採取する方法に関するものである。
測定材料の硬さを測定センサー接触前後の共振周波数の変化から推定する手法として、UCI(Ultrasonic Contact Impedance)法があり、これは、一定周波数で振動するロッドを材料に接触させた場合、圧痕面積および弾性係数に応じて周波数が変化することを利用して、周波数の変化から圧痕面積を逆算し、硬度(=荷重/圧痕面積)を推定する手法である。実際の測定は、ビッカースダイアモンドのついたロッド先端を測定材料に押し付けることにより行う。
UCI法は、材料が不明の合金の硬度および弾性係数の計測等、天然材料および硬化前の半製品の硬化後の硬度・強度および弾性係数の計測等に使用するものである。
UCI法は、1970年までには確立された技術としてまとまった論文が発表されている。試験機としても、ゼネラル・エレクトリック社やJFEアドバンテック社が販売している。また、試験方法として、ASTMのA1038に規定されている。ただし、これらは材料の硬さを測定する手法であるが、本発明のように強度を測定する手法ではない。
UCI法の測定原理は以下となっている。接触センサー(ある周波数で振動している)を測定試料表面に接触させると、接触面積(A)および弾性係数(E)に依存した周波数変化(Δf)を生じる。すなわち、f(x)を周波数変化の関数として、Δf=f(A、E)が成立する。
そこで、UCI試験機では周波数変化を測定し、これを次の関係により、硬さに変換している。ビッカース硬さ(HV)は荷重(F)と接触面積(A)の関係から求められ、HV:F/Aである。HVは硬さの指標であるが、F/Aは強度の式と同一であり、強度とも高い相関があると考えられる。よって、硬さの指標を用いることにより、強度推定もできる可能性が高い。
UCI試験機としては、GE Inspection Technology社製のポータブル硬さ計を使用することができる。測定器の型番はMIC−2101、MIC−2103である。
なお、UCI法で硬度(=荷重/圧痕面積)を推定するために、周波数の変化から圧痕面積を逆算できるのは、測定材料の弾性係数が既知だからである。すなわち、UCI法により硬度を推定できるのは、弾性係数の値が十分な精度で事前に把握できている必要がある。しかし、このように弾性係数が事前に把握可能な場合とは、前述したように工業製品などの高度に管理されて製造された材料に限られていた。
一方、天然材料や硬化材料は、事前に弾性係数を十分な精度で把握することができない。石材などの天然材料は、少しの採取位置の違いにより弾性係数が大きく変化する可能性があり、コンクリートは養生条件(温度、湿度、脱型時期等)や材齢の違いにより弾性係数は大きく異なる。そのため、精度の良い結果を得るためには、材料そのものの弾性係数を測定する必要があり、事前に弾性係数を定めておくことはできない。
本発明者は先に、あらかじめ同調合の試験体による強度と弾性係数のデータを得ておき、これに基づいてUCI法の測定値から弾性係数および強度を推定することにより、それまで不可能とされたUCI法を用いての天然材料や硬化材料の硬度または強度の測定を可能としたコンクリート等弾性係数が不知の材料のUCI法による測定方法を特許出願した。(特願2011−284868)
この出願発明では、コンクリートの強度推定を行う手法としては、次の通りである。UCI法による測定値は、材料の硬さのほか、材料の表面粗さや弾性係数にも依存するため、材料の弾性係数が時々刻々と変化し、木製型枠を転用するために表面粗さが一定ではないコンクリート表面に適用するには困難を伴う。コンクリートは、金属材料などと異なり、強度と弾性係数が経時によって変化する。
さらに、コンクリートは骨材およびセメントマトリックスの複合材料であるため、UCI法のような局所的な測定では測定点数が少ないと、全体を代表した測定にならない可能性がある。
これを解決するために、あらかじめ同調合の試験体による強度と弾性係数のデータ(同調合のコンクリートの強度と弾性係数のデータ)を得ておき、それらとUCI法による硬さの測定値との対応をつけておき、この対応を用いてUCI法の測定値から弾性係数および強度を推定する。
コンクリートの強度は、コンクリートの耐久性とも相関が高いことが一般に認められている。そのため、強度推定を行うことで、間接的に耐久性の推定も可能になる。耐久性の推定を行う際には、あらためて耐久性と強度の相関のキャリブレーションカーブを取得し、これに従って耐久性の推定を行えばよい。
UCI法は測定試料の表面粗さに影響を受けるため、測定試料の表面粗さを均一に調整する必要がある。しかし、施工現場では木製型枠が転用されるため、転用が繰り返された型枠は表面が荒れ、表面粗さがそれぞれ異なってくる。
そこで、事前に測定箇所の型枠面に挿入材料として、薄い鉄片等の金属板もしくはビニールシート等の平滑体を挿入材料として貼り付けることで、コンクリート表面の表面粗さが均一になるようにした。さらに、測定点数は最低でも10点以上とする。ビニールシートはアルミテープとは異なり、コンクリートと化学反応を起こさないので、木製型枠表面に貼り付ける材料としては好適である。
UCI法による硬さの測定値は、硬さと弾性係数を含んだ指標であるが、UCI法試験機の接触センサーと試料の間に金属板等の挿入材料をはさみこんで測定をした場合、その硬さ測定値は弾性係数と相関の高い値となるため、弾性係数の測定も可能となる。
このように、UCI試験機の硬さ測定値は、接触センサーと測定試料の間に金属薄板などの材料をはさみこんだ場合、接触面積が一定値となる。試験機が測定する振動数変化は、前述したようにΔf=f(E、A)の相関があるため、Aが一定値であれば、測定値はEのみに依存した値となり、弾性係数を推定することが可能である。あらかじめ、弾性係数と振動数の変化量の相関を得ておけば、弾性係数を高い精度で推定することができる。
さらに表面粗さの統一について説明すると、キャリブレーションカーブ作成のデータには強度試験の結果を用いるが、強度試験の試験体はサミットモールドなどのように鋼製型枠であることが一般的であるため、表面粗さが異なる。そのため、表面粗さを木製型枠か鋼製型枠に統一する必要がある。測定の見地からは、表面粗さが小さいほうが精度の高いデータが得られるため、鋼製型枠に統一することが望ましい。そこで、測定予定位置の木製型枠表面に金属板またはビニールシート等の平滑体を挿入材料として貼り付けることにより、この問題を解決する。
測定の流れを以下に示す。
(1)UCI試験機は市販の試験機を用いる。
(2)事前に測定予定のコンクリートと同調合のコンクリートについて、材齢3、7、14、28、56、91日における圧縮強度、弾性係数、UCI試験機による硬さ計測を行っておき、キャリブレーションカーブを用意する。
キャリブレーションカーブの範囲内に今後測定する硬さ測定値が入るように、圧縮強度と弾性係数の範囲を定める必要がある。そのため、弱材令からのデータ取得を標準とする。このときの圧縮試験に用いる試験体の養生方法は封緘養生または標準水中養生を標準とする。コンクリートは乾燥すると表面から水分が逸散し、表面と内部で異なる強度および弾性係数となる。UCI法により測定できるのは表面だけであり、内部と表面が異なる強度の試験体ではキャリブレーションカーブを正確に得ることができないため、封緘養生または水中養生を標準とする。
(3)測定予定位置のコンクリート型枠表面に金属板やビニールシート等の平滑体を貼り付ける。
表面粗さが測定値に影響をあたえるため、表面粗さが均一になるように測定位置の型枠表面に金属板等を挿入材料として貼り付けるものである。
(4)UCI試験機により表面硬さを測定する。1箇所について10点以上の測定を行う。弾性係数を測定する場合は、金属薄板やビニールシート等の平滑体を挟んだ測定を行う。
UCI試験機は、金属表面の測定であれば、測定値のばらつきも少ないため数点の計測で足りる。しかし、コンクリートのように局所的な強度が大きくことなる複合材料の場合は、測定値のばらつきが大きいため、多数の測定が不可欠となる。
(5)表面硬さの測定値および弾性係数の推定値から、キャリブレーションカーブを用いてコンクリートの強度推定を行う。
表面硬さの測定値から、キャリブレーションカーブを用いてコンクリートの強度推定を行う。
図5に、E2・HVと圧縮強度の相関の実験データを示す。Eは測定時における試料の弾性係数であり、HVはUCI試験機によるビッカース硬さの測定値である。試験体にはモルタル試料を用いている。図より、E2・HVと圧縮強度には比例関係があり、UCI試験機によりHVを測定すれば、強度推定が可能となる。Eの値は、事前に把握するか、試料との間に金属薄板などを挟んで計測したビッカース硬さの値から推定する。
なお、実験データはW/C=65、55、45%の試料のデータであり、測定材齢も打設後3日、7日、14日と異なっている。それにも関わらず、すべてのデータが概ね一直線上にあることは、調合や材齢の違いは強度推定に大きな影響を与えないことを示す。そのため、測定時の材齢や調合の違いについては、特に気にすることなく測定できる。
図4は、弾性係数と金属薄板やビニールシート等の平滑体を挟んだ測定値HV´との相関を示すグラフで、この相関を用いることで、測定材料の弾性係数を推定することができる。
なお、コンクリートの耐久性については、コンクリートの強度は、コンクリートの耐久性とも相関が高いことが一般に認められているので、本手法により強度推定を行うことで、間接的に耐久性の推定も可能になると考えられる。耐久性の推定を行う際には、あらためて耐久性と強度の相関のキャリブレーションカーブを取得し、これに従って耐久性の推定を行えばよい。
前記弾性係数を推定する場合は、挿入材料を介して測定するが、一方、強度および硬度を測定する場合には、挿入材料を介さずに測定する。(ただし、強度および硬度を測定する場合には、弾性係数が必要となるので、併せて挿入材料を介した測定も必要となる。)
測定している物性が異なるので、強度を推定する場合には、挿入材料を介さずに測定する。
なお、このようなUCI法を用いての天然材料や硬化材料の硬度または強度の測定を可能としたコンクリート等弾性係数が不知の材料のUCI法による測定方法に関しては、他に特許文献等の先行技術文献は存在しない。
ところで、前記校正曲線を実験的に採取する際には、効率良く、理論的、合理的に行う必要がある。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、校正曲線を実験的に採取する際に、効率良く、理論的、合理的に校正曲線を実験的に採取することができるUCI法によりコンクリート強度を推定する際の校正曲線の実験的採取法を提供することにある。
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、(1)計測予定のコンクリートと同調合のコンクリートにより、テストピースを作製し、(2)定められた材齢(2つ以上)において、UCI法により弾性係数を推定するための測定と圧縮強度を推定するための測定の2つを行う硬さ試験を行い、(3)前記UCI法による硬さ試験を終えたテストピースを用いて圧縮試験を行い、圧縮試験を行う際には、ひずみも併せて計測し、弾性係数も把握し、(4)前記(2)(3)の結果をまとめて、校正曲線を得ることを要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、硬さ試験のためのテストピースは、圧縮試験のテストピースと同じ物を使用するため、校正が正確になり、試験別にテストピースを準備する必要がない。
請求項2記載の本発明は、テストピースの養生は水中養生または封緘養生とすることを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明によれば、硬さ試験は材料の表面しか測定できないため、コンクリートの内部と表面とで養生条件が異なる場合には、硬さ試験の結果(表面の養生条件の影響が大きい)と圧縮試験の結果(内部の養生条件の影響が大きい)とに差異が生じてしまい、正確な校正曲線とすることができないが、養生方法は封緘養生または水中養生により、コンクリートの内部と表面で養生条件を等しくすることができる。
請求項3記載の本発明は、硬さ試験を行う部位はテストピースの側面とすることを要旨とするものである。
請求項3記載の本発明によれば、テストピースの底面は重力によりセメントリッチなモルタルとなるため、部分的に強度が高くなり、テストピースの強度を代表する部位としては適していない。また、研磨して骨材が露出した面などは、骨材の硬さ試験を行ってしまう可能性が高くなるため、原則的には測定を行わない。そこで硬さ試験を行う部位はテストピースの側面とするのが好適となる。
以上述べたように本発明のUCI法によりコンクリート強度を推定する際の校正曲線の実験的採取法は、校正曲線を実験的に採取する際に、効率良く、理論的、合理的に校正曲線を実験的に採取することができるものである。
UCI法により弾性係数および圧縮強度を推定する場合、その精度は校正曲線の妥当性に依存する。そのため、本発明によりこの校正曲線を適切に実験的に採取することは、UCI法による弾性係数および圧縮強度の精度向上に貢献できる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のUCI法によりコンクリート強度を推定する際の校正曲線の実験的採取法の1実施形態を示すフローチャートで、左が躯体から強度測定を行うメインフロー、右が本発明の実験的採取法を示すサブフローである生コンを受け入れ、躯体打設と供試体制作とを同種の生コン採種で行う。
メインフローにおいては、躯体打設後、養生、脱型へと進み、UCI法の測定を行う。なお、UCI法の測定については前記のごときであるが、 UCI(Ultrasonic Contact Impedance)法は測定材料の硬さを測定センサー接触前後の共振周波数の変化から推定する手法である。
試験機としても、ゼネラル・エレクトリック社やJFEアドバンテック社が販売している。また、試験方法として、ASTMのA1038に規定されている。ここでは、UCI試験機としては、GE Inspection Technology社製のポータブル硬さ計を使用した。測定器の型番はMIC−2101、MIC−2103である。
UCI法の測定原理は以下となっている。接触センサー(ある周波数で振動している)を測定試料表面に接触させると、接触面積(A)および弾性係数(E)に依存した周波数変化(Δf)を生じる。すなわち、f(x)を周波数変化の関数として、Δf=f(A,E)が成立する。
UCI試験機では周波数変化を測定し、これを次の関係により、硬さに変換している。ビッカース硬さ(HV)は荷重(F)と接触面積(A)の関係から求められ、HV:F/Aである。HVは硬さの指標であるが、F/Aは強度の式と同一であり、強度とも高い相関があると考えられる。よって、硬さの指標を用いることにより、強度推定もできる。
本発明は測定材料の硬さを測定問題を解決するために、以下の手順により校正曲線を得る。(サブフロー参照)
(1)計測予定のコンクリートと同調合のコンクリートにより、テストピースを作製する。テストピースは圧縮試験に用いるものと同じように作製する。テストピースの養生は水中養生または封緘養生とする。
(2)定められた材齢(2つ以上)において、UCI法により硬さ試験を行う。UCI法による硬さ試験は、弾性係数を推定するための測定と圧縮強度を推定するための測定の2つを行う。測定する際はテストピースの側面とし、骨材などが表面にあらわれていない部位とする。測定回数はテストピース1本につき10点以上とし、テストピースは1材齢につき3本とする。
(3)UCI法による硬さ試験を終えたテストピースを用いて圧縮試験を行う。圧縮試験を行う際には、ひずみも併せて計測し、弾性係数も把握する。
(4)(2)および(3)の結果をまとめて、校正曲線を得る。
硬さ試験のためのテストピースは、圧縮試験のテストピースと同じ物を使用するため、校正が正確になり、試験別にテストピースを準備する必要がない。
硬さ試験は材料の表面しか測定できないため、コンクリートの内部と表面とで養生条件が異なる場合には、硬さ試験の結果(表面の養生条件の影響が大きい)と圧縮試験の結果(内部の養生条件の影響が大きい)とに差異が生じてしまい、正確な校正曲線とすることができない。コンクリートの内部と表面で養生条件を等しくするために、養生方法は封緘養生または水中養生とする。
コンクリートは複合材料であるため、測定値のばらつきが大きい。そのため、硬さ試験の測定回数は多いほど望ましいのであるが、測定の効率を重視すると測定回数が多すぎるのも望ましくない。そのため、テストピース1本につき、最低10回の計測をすることとし、1材齢についてテストピースは3本あるため、最低で30回の計測が行われるものとした。
硬さ試験を行う部位はテストピースの側面とする。テストピースの底面は重力によりセメントリッチなモルタルとなるため、部分的に強度が高くなり、テストピースの強度を代表する部位としては適していない。また、研磨して骨材が露出した面などは、骨材の硬さ試験を行ってしまう可能性が高くなるため、原則的には測定を行わない。
具体的には以下の手順を採用した。
(1)校正曲線作成のためのテストピースを作製する。テストピースは、φ50,100,150mmのサミットモールドなどの鋼製またはプラスチック製の円柱状の型枠を使用する。テストピースの本数は、測定材齢を4材齢(打設後1日、3日、7日、28日)とした場合、1材齢につき3本作製するため、3本×4材齢=12本となる。なお、材齢は最低でも2材齢以上とする。テストピースの養生は封緘または水中養生による。
(2)測定材齢の日に、硬さ試験を行う。硬さ試験を行う試験機はMIC20(ゼネラル・エレクトリック社製)などのUCI法の硬さ試験機を用いる。硬さ試験機による測定は、弾性係数の推定を目的として行うための鉄片を挟む測定と、圧縮強度の推定を目的として行う鉄片を挟まない測定の2種類であるため、それぞれの測定について側面を最低10箇所/本の回数以上行う。
(3)硬さ試験の測定が終了したテストピースは、圧縮実験を行い、圧縮強度および弾性係数を測定する。
(4)硬さ試験機による測定結果は、ビッカース硬さなどに換算されて表示される。弾性係数の推定を目的として行うための鉄片を挟んで測定した測定値(HVE)と弾性係数の関係を材齢ごとにプロットして、校正曲線を作成する。(図2参照)また、圧縮強度の推定を目的として行う鉄片を挟まないで測定した測定値(HVF)と圧縮強度の関係を材齢ごとにプロットして、校正曲線を作成する。(図3参照)なお、硬さ試験機による測定値であるHVEおよびHVFは材齢ごとに数十のデータとなるが、校正曲線を作成する際には平均値で代表する。
(5)MIC20の試験機を使用してビッカース硬さを測定した場合、HVEの値とコンクリートの弾性係数Eは以下の関係となる。ここで、α、βは実験により得られる定数。E=α√HVE+βまた、HVFの値とコンクリートの圧縮強度Fは以下の関係となる。ここでα、βは実験により得られる定数。
F=αHV+β
このように、UCI法により弾性係数および圧縮強度を推定する場合、その精度は校正曲線の妥当性に依存する。そのため、この校正曲線を適切に実験的に採取することは、UCI法による弾性係数および圧縮強度の精度向上に貢献する。
なお、前記実施形態は、あらかじめ同調合の試験体による強度と弾性係数のデータ(同調合のコンクリートの強度と弾性係数のデータ)を得ておき、それらとUCI法による硬さの測定値との対応をつけておき、この対応を用いてUCI法の測定値から弾性係数および強度を推定する方法を内容とするものである。
これに対して、コンクリートの強度は、コンクリートの耐久性とも相関が高いことが一般に認められているため、本発明手法により強度推定を行うことで、間接的に耐久性の推定も可能になることも考えられる。このように、耐久性の推定を行う際には、あらためて耐久性と強度の相関のキャリブレーションカーブを取得し、これに従って耐久性の推定を行えばよい。
本発明のUCI法によりコンクリート強度を推定する際の校正曲線の実験的採取法の1実施形態を示すフローチャートである。 実験的に得られた弾性係数とUCI法による評価値の校正曲線の一例を示すグラフである。 実験的に得られた圧縮強度とUCI法による評価値の校正曲線の一例を示すグラフである。 コンクリート等弾性係数が不知の材料のUCI法による測定方法で、弾性係数と挿入材料を介したHVの相関図である。 コンクリート等弾性係数が不知の材料のUCI法による測定方法で、強度と挿入材料を介さないHVの相関図(凡例の数値は材齢(日)、測定材料はモルタル)である。

Claims (3)

  1. (1)計測予定のコンクリートと同調合のコンクリートにより、テストピースを作製し、
    (2)定められた材齢(2つ以上)において、UCI法により弾性係数を推定するための測定と圧縮強度を推定するための測定の2つを行う硬さ試験を行い、
    (3)前記UCI法による硬さ試験を終えたテストピースを用いて圧縮試験を行い、圧縮試験を行う際には、ひずみも併せて計測し、弾性係数も把握し、
    (4)前記(2)(3)の結果をまとめて、校正曲線を得る、
    ことを特徴としたUCI法によりコンクリート強度を推定する際の校正曲線の実験的採取法。
  2. テストピースの養生は水中養生または封緘養生とする請求項1記載のUCI法によりコンクリート強度を推定する際の校正曲線の実験的採取法。
  3. 硬さ試験を行う部位はテストピースの側面とする請求項1または請求項2記載のUCI法によりコンクリート強度を推定する際の校正曲線の実験的採取法。
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