JP2014213515A - 樹脂成形品及びそれを備えた携帯端末 - Google Patents

樹脂成形品及びそれを備えた携帯端末 Download PDF

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Abstract

【課題】機器の大型化を招くことなく、防水性の高い、アンテナを有する樹脂成形品を得る。【解決手段】樹脂材料よりなり、表面に導通パターン6が形成された一次材(カバー部4a)と、樹脂材料よりなり、一次材に密着手段により、密着されて結合される二次材(周縁部材4b)とを備え、密着手段は、一次材及び二次材の少なくとも一方に設けられた凸条11と、一次材及び二次材の他方に凸条に対応して設けられた凹溝12とで構成され、凸条11と凹溝12とは、インサート成形又は二色成形にて結合されている。【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナなどの導通パターンを有する樹脂成形品及びそれを備える携帯端末に関するものである。
従来より、樹脂成形品の筺体を有する通信機能を備えた機器では、アンテナの形態として、例えば特許文献1のように、筺体に別体のアンテナを取り付ける構成が知られている。
特開2012−239151号公報
しかしながら、従来の別体のアンテナを取り付ける構成においては、アンテナの分だけ筺体の大きさが大きくなるので、機器を小型化することができなかった。
一方で、メッキや印刷により筺体に直接アンテナを形成し、筺体の少なくとも一部を構成する部品を外観部分と、内部にあって主として機能を果たす部分とに分割し、外観部分である一次側を成形後、メッキによりアンテナ等、導通パターンを形成し、その後、内部の機能部分である二次側をインサート成形により接合することが考えられる。
しかし、メッキや印刷により筺体に直接アンテナを形成する場合、メッキ部分の一次側と二次側との密着が悪いため、接合部から空気漏れし、防水性を得ることができないという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、機器の大型化を招くことなく、防水性の高い、アンテナを有する樹脂成形品を得ることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、一次材と二次材とを、凹凸又は両面テープを利用した密着手段により、結合するようにした。
具体的には、第1の発明では、樹脂材料よりなり、表面に導通パターンが形成された一次材と、
樹脂材料よりなり、上記一次材に密着手段により、密着されて結合される二次材とを備え、
上記密着手段は、上記一次材及び上記二次材の少なくとも一方に設けられた凸条と、該一次材及び上記二次材の他方に上記凸条に対応して設けられた凹溝とで構成され、
上記凸条と上記凹溝とは、上記二次材のインサート成形時又は二色成形時に結合されている。
上記の構成によると、凸条と凹溝とによって、一次材と二次材とが、インサート成形時又は二色成形時に密着して結合されるので、一次材側にアンテナなどの導通パターンが形成されていても密着性が確保され、導通パターンの部分から空気漏れしない。しかも、導通パターンは、一次材の表面に形成できるので、別体のアンテナを取り付ける場合に比べて樹脂成形品の大きさを大きくする必要がない。
また、本発明は、樹脂材料よりなり、表面に導通パターンが形成された一次材と、
樹脂材料よりなり、上記一次材に密着手段により、密着されて結合される二次材とを備え、
上記密着手段は、上記導通パターンの少なくとも一部を覆う、上記一次材及び上記二次材に接着される両面テープである構成とする。
この構成では、両面テープが、導通パターンの設けられた範囲も含み一次材と二次材とを密着させるので、導通パターンがあっても防水性が低下しない。しかも、導通パターンは、一次材の表面に形成できるので、樹脂成形品の大きさを大きくする必要がない。
以上説明したように、本発明によれば、一次材又は二次材に設けた凸条と、他方に設けた凹溝とをインサート成形又は二色成形にて結合することにより、機器の大型化を招くことなく、防水性の高い、導通パターンを有する樹脂成形品が得られる。
また、一次材と二次材とを両面テープで密着させることで、導通パターンの周辺でも防水性を確保できる。
(a)が本発明の実施形態に係る携帯電話機の第2キャビネットの一部を示す正面図であり、(b)がそのIb−Ib線拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る携帯電話機を示し、(a)が正面図であり、(b)が背面図である。 第2キャビネットを正面側から見た分解斜視図である。 第2キャビネットを背面側から見た分解斜視図である。

導通パターンを示す正面図である。 第2キャビネットの上側を拡大して示す正面図である。 実施形態の変形例1に係る図1(b)相当図である。 実施形態の変形例2に係る図4相当図である。 実施形態の変形例2に係る図1(b)相当図である。 実施形態の変形例3に係る第2キャビネットを正面側から見た分解斜視図である。 実施形態の変形例3に係る第2キャビネットを背面側から見た分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図2は本発明の実施形態の携帯端末としての携帯電話機1を示し、この携帯電話機1は、例えば正面側に液晶表示部2が貼り付けられる第1キャビネット3を有する。この第1キャビネット3は、矩形枠状の両面テープ(図示せず)により、樹脂成形品としての第2キャビネット4に接着されている。第1キャビネット3及び第2キャビネット4は、いずれも上下方向に長い略矩形状の樹脂成形品よりなる。
本実施形態の第2キャビネット4は、例えば図3及び図4に示す、外観を形成する略矩形板状の一次材としてのカバー部4aと、正面側に第1キャビネット3と第2キャビネット4を貼付する両面テープ5が貼り付けられる矩形枠状の当接面としての平坦面4cを有する二次材としての周縁部材4bとが別々の材料で構成されている。平坦面4cは、両面テープ5の貼付性、密着性等を向上させるために概ね平坦であるのが望ましい。両面テープ5は、防水性のあるものが望ましいが、平坦面4cに矩形枠状の防水パッキンが当接するようにしてもよい。
カバー部4aは、周囲に側壁10aを有する矩形板状の一次側板状本体10を有する。例えば、このカバー部4aは、LDS(Laser-Direct-Structuring)法により、アンテナ素子を構成する導通パターン6が正面側に形成されている。LDS法は、ベースポリマー(液晶ポリマー樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等)にフィラー、有機金属等を混ぜ合わせた材料を使用して必要形状に成形し、その成形品にレーザ機を使用し回路パターン状にレーザ照射を行い、レーザ照射部のみにメッキを析出させて導通パターン6の形成を行うものである。図5に導通パターン6の例を示す。各導通パターン6は、それぞれ別々のアンテナ素子を構成しており、このアンテナ素子の個数や配置パターンは特に限定されない。
一次側板状本体10の左右周縁の側壁10aの内側には、図1(b)に示すように、左右の平坦面4cに対応させ、この一次側板状本体10に垂直に突設された複数の凸条11が立設されている。凸条11は、幅方向両側の周縁において、例えば長手方向に所定の間隔を空けて複数配置されている。凸条11は、幅方向にも間隔を空けて複数平行に設けてもよい。
そして、二次材である周縁部材4bは、インサート成形により、一次材であるカバー部4aに結合されている。具体的には、密着手段として、カバー部4aに設けられた凸条11に対応させ、周縁部材4bに凹溝12が形成されている。凸条11は、インサート成形時に二次材によって覆われ、その結果として二次材側に凹溝12が形成されている。
凸条11は、一次材における導通パターン6を避ける位置に形成されており、凹溝12は、二次材の成形時に凸条11の全体を覆っている。なお、凸条11の一部が二次材によって覆われず、露出していてもよい。
この構成によると、導通パターン6と凸条11部分とが離れているので、導通パターン6を設けやすく、凹溝12が二次材の成形時に凸条11を覆うので、密着性が高い上に、凹溝12を構成する部分の実質的な肉厚が薄くなり、成形後の冷却時にそりなどの変形が起こりにくい。
そして、図1及び図6に拡大して示すように、周縁部材4bには、導通パターン6に交差する複数の切欠13が形成されている。この切欠13は、周縁部材4bの周縁を略矩形状に切り欠いて形成されている。また、図6に示すように、周縁部材4bには、導通パターン6に交差するように、くり抜かれた矩形状のスリット14も設けられている。このスリット14は、携帯電話機1の幅方向に延びて左右端部が閉じている点で切り欠き13とは異なる。そして、図1及び図6にハッチングで示すように、スリット14と導通パターン6の交差部近傍のスリット14内及び切欠13の周縁と導通パターン6との交差部に接着剤15が塗布され、交差部が覆われている。
図1及び図6に破線で示すように、導通パターン6は、防水性のある両面テープ5が貼り付けられる平坦面4c部分及びそれよりも外側は、周縁部材4bによって完全に覆われている。
次に、本実施形態に係る第2キャビネットの製造手順について説明する。
詳しくは図示しないが、まず、1つめの射出成形型でカバー部4aを成形する。凸条11は、このときに一体成形しておく。上述したように、ベースポリマーにフィラー、有機金属等を混ぜ合わせた一次材となる材料を溶融して射出し、カバー部4aの形状に成形する。その成形品に凸条11を避けるようにレーザ照射を行い、レーザ照射部のみにメッキを析出させて導通パターン6の形成を行う。
次いで、別の射出成形型のキャビティ内にカバー部4aを載置する。
次いで、キャビティ内に二次材となる溶融樹脂を射出し、周縁部材4bを成形する。このとき、凸条11の部分は、周縁部材4bの厚肉部の実質的な厚さが減少して冷却時のそりなどが防止される。
次いで、切欠13及びスリット14にディスペンサにより接着剤15を塗布する。
このように本実施形態では、凸条11の周囲を凹溝12で覆うこととなり、この部分で確実に一次材と二次材とが密着するので、導通パターン6がカバー部4aの表面に配置されていても、カバー部4aと周縁部材4bとが剥がれにくい上、導通パターン6の部分から空気漏れしない。しかも、導通パターン6は、カバー部4aの表面に形成できるので、別体のアンテナ部材を設けるものに比べて樹脂成形品の大きさを大きくする必要がない。
また、導通パターン6と周縁部材4bとの間の密着性が、切欠13及びスリット14に塗布した接着剤15により確保されるので、導通パターン6周辺での防水性がさらに確実に保たれる。
しかも、平坦面4c部分及びそれよりも外側の防水領域外の導通パターン6の周囲が周縁部材4bによって覆われているので、カバー部4aに密着した周縁部材4bにより、防水性が確保される。
このように、本実施形態の携帯電話機1は、樹脂成形品である第2キャビネット4によって背面側が覆われており、その正面側には、金属材料を含む樹脂との密着性の低い導通パターン6が表面に設けられているが、周縁部材4bがカバー部4aに密着するので、高い通信性能と防水性とが確保される。
したがって、本実施形態に係る携帯端末によると、カバー部4aに設けた凸条11と、周縁部材4bに設けた凹溝12とをインサート成形にて結合することにより、携帯電話機1の大型化を招くことなく、防水性の高い、導通パターン6を有する第2キャビネット4が得られる。
なお、上記実施形態では、インサート成形について説明したが、一次材と二次材とが同じ樹脂材料で色のみ異なる二色成形でもよい。
−変形例1−
図7は本発明の実施形態の変形例1を示し、第2キャビネット104の凸条111及び凹溝112の構成が異なる点で上記実施形態と異なる。なお、以下の各変形例では、図1〜図6と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
本変形例では、凹溝112は、一次材であるカバー部104aにおける導通パターン6を避ける位置に形成されている。一方、対応する凸条111は、二次材である周縁部材104bのインサート成形又は二色成形時に凹溝112に流れ込むことで形成されている。
この構成によると、導通パターン6と凹溝112部分とが離れているので、導通パターン6を設けやすく、また、凸条111が周縁部材104bの成形時に凹溝112内部に流れ込むので、密着性が高い。なお、一次材と二次材との間で、凸条11及び凸条111並びに凹溝12及び凹溝112を混在させてもよい。
−変形例2−
図8及び図9は本発明の実施形態の変形例2を示し、第2キャビネット204において、一次材が周縁部材204bであり、二次材がカバー部204aである点で上記実施形態及び変形例1と異なる。
本変形例では、まず、一次材である周縁部材204bをLDS法で成形し、表面に図8にハッチングで示すように、導通パターン6を形成する。
そして、図9に示すように、上記実施形態と同様の位置に突部211及び凹溝212(図8では省略)を形成する。
本変形例では、一次材である、周縁部材204bの成形時に凹溝212を形成しておき、周縁部材204bをインサートして二次材である、カバー部204aを成形するときに、二次材の溶融樹脂を凹溝212内に流し込む。
このことで、周縁部材204bの背面側に樹脂との密着性の悪い導通パターン6が形成されていても、凹溝212と突部211とが確実に結合されるので、周縁部材204bとカバー部204aとの密着性が確保される。
なお、上記変形例1のように、一次材である周縁部材204bの成形時に凸条111を形成しておき、二次材であるカバー部204aの成形時に凸条111の周囲を覆うように凹溝112を設けてもよい。
−変形例3−
図10及び図11は本発明の実施形態の変形例3の第2キャビネット304を示し、周縁部材304bとカバー部304aとが、両面テープ311で結合されている点で上記実施形態と異なる。
本変形例では、周縁部材304bとカバー部304aとのいずれが一次材でもよく、一次材となる側の表面に導通パターン6を形成すればよい。
そして、導通パターン6の少なくとも一部を覆うように両面テープ311で周縁部材304bとカバー部304aとが密着される。
導通パターン6は、両面テープ311の外側にはみ出さないのが防水性を確保する上で望ましい。
両面テープ311による接着では、上記実施形態のように接着剤15によって導通パターン6と周縁部材との境界の防水性を高める必要がない点で有利であり、樹脂及び金属に対して接着性のよい両面テープ311を選択することで、導通パターン6があっても防水性が全く低下しないようにすることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、導通パターン6は、複数のアンテナを構成するようにしているが、アンテナ以外の回路であってもよい。
上記実施形態では、携帯端末は、携帯電話機1としたが、PHS(Personal Handy-phone System )、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、パソコン、モバイルツール、電子辞書、電卓、ゲーム機等であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、各実施形態に記載された技術的特徴は、互いに組合せ可能であり、組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 携帯電話機(携帯端末)
2 液晶表示部
3 第1キャビネット
4 第2キャビネット
4a カバー部
4b 周縁部材
4c 平坦面(当接面)
5 両面テープ
6 導通パターン
10 一次側板状本体
10a 側壁
11 凸条
12 凹溝
13 切欠
14 スリット
15 接着剤
104 第2キャビネット
104a カバー部
104b 周縁部材
111 凸条
112 凹溝
204 第2キャビネット
204a カバー部
204b 周縁部材
211 突部
212 凹溝
304 第2キャビネット
304a カバー部
304b 周縁部材
311 両面テープ

Claims (7)

  1. 樹脂材料よりなり、表面に導通パターンが形成された一次材と、
    樹脂材料よりなり、上記一次材に密着手段により、密着されて結合される二次材とを備え、
    上記密着手段は、上記一次材及び上記二次材の少なくとも一方に設けられた凸条と、該一次材及び上記二次材の他方に上記凸条に対応して設けられた凹溝とで構成され、
    上記凸条と上記凹溝とは、上記二次材のインサート成形時又は二色成形時に結合されている
    ことを特徴とする樹脂成形品。
  2. 請求項1に記載の樹脂成形品において、
    上記凸条は、上記一次材における上記導通パターンを避ける位置に形成され、
    上記凹溝は、上記二次材の成形時に上記凸条を覆うことで形成されている
    ことを特徴とする樹脂成形品。
  3. 請求項1に記載の樹脂成形品において、
    上記凹溝は、上記一次材における上記導通パターンを避ける位置に形成され、
    上記凸条は、上記二次材の成形時に上記凹溝に流れ込むことで形成されている
    ことを特徴とする樹脂成形品。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の樹脂成形品において、
    上記二次材には、上記導通パターンに交差するスリット又は切欠が形成され、
    上記スリット又は上記切欠の周縁と上記導通パターンとの交差部に接着剤が塗布されている
    ことを特徴とする樹脂成形品。
  5. 請求項1から4までのいずれか1つに記載の樹脂成形品において、
    上記一次材又は上記二次材は、両面テープ又は防水パッキンが当接する当接面を有し、
    上記導通パターンにおける、上記当接面よりも外側は、上記二次材によって完全に覆われている
    ことを特徴とする樹脂成形品。
  6. 樹脂材料よりなり、表面に導通パターンが形成された一次材と、
    樹脂材料よりなり、上記一次材に密着手段により、密着されて結合される二次材とを備え、
    上記密着手段は、上記導通パターンの少なくとも一部を覆う、上記一次材及び上記二次材に接着される両面テープである
    ことを特徴とする樹脂成形品。
  7. 請求項1から6までのいずれか1つに記載の樹脂成形品によって少なくとも一部が覆われ、上記導通パターンは、アンテナである
    ことを特徴とする携帯端末。
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