JP2014212379A - Paa衛星中継方式の送信装置、衛星搭載中継器及び受信装置 - Google Patents

Paa衛星中継方式の送信装置、衛星搭載中継器及び受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フェーズドアレーアンテナ(PAA)を搭載した衛星を介して変調信号を伝送する送信装置、衛星搭載中継器及び受信装置を提供する。【解決手段】本発明に係る送信装置10は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームを構成し、所定の変調を施して伝送信号を生成する時分割多重・直交変調部114と、前記位相制御用信号として、振幅0のシンボル群を当該フレーム内に挿入する位相制御用信号挿入制御部116と、前記伝送信号を送信する送信部115とを備える。本発明に係る衛星搭載中継器20は、当該伝送信号を中継し、振幅0のシンボル期間でPAAの位相制御を実施する。本発明に係る受信装置30は、振幅0のシンボル期間に後続するフレーム同期信号を用いてフレーム単位で位相同期再生を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、フェーズドアレーアンテナ(PAA:Phased Array Antenna)を搭載した衛星を介して信号伝送を行なう際に利用する送信装置、衛星搭載中継器及び受信装置に関する。
現在、12GHz帯衛星放送に関して、衛星デジタル放送や高度広帯域衛星デジタル放送が標準規格として定められている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
一方で、更なる電波資源開拓のために、近年では21GHz帯衛星放送に関する技術が検討されている。21GHz帯衛星放送では、現行の12GHz帯衛星放送と比較して降雨減衰が大きくなることから、サービス時間率を確保するための様々な技術が検討されている。
例えば一つの単純な考え方として、放送衛星の中継器出力を大きくして、受信C/Nマージンを大きくする技法がある。しかし、中継器出力を大きくするには、中継器重量もバス電源容量も多く必要であり、衛星自体が大型化してしまう。そこで、衛星の中継器出力は同等に保つかあまり増加させずに、アンテナにフェーズドアレーアンテナ(PAA)を採用して指向性制御を可能にし、雨が降っている地域に向けての放射電力を大きくすることが考えられている。例えば、PAAの実現性や有用性を示すため、PAAを制御して雨域に合った放射パターンを形成する研究が開示されている(例えば、非特許文献3参照)。更に、このようなPAAを利用する送信装置において、雨域の状況等に応じて複数のアレー放射素子(「アンテナ素子」とも称される。)の位相を制御することによって放射パターンの制御を行う技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。尚、フェーズドアレーアンテナ(PAA)による中継器は、基本構成として、中継しようとする信号を受信するアップリンク受信アンテナ、受信した信号を増幅し送信周波数に変換するアップリンク受信部及び周波数変換器、後段のアレー構成の移相器に分配する分配器、アレー放射素子の位相調整を行う移相器、アレー放射素子としてTWTA(進行波管増幅器)等からなる電力増幅器を備えるフェーズドアレー給電部、及び、反射鏡からなる。
図10は、PAAを採用した衛星搭載中継器を利用する伝送システムの概略図である。図10において、PAAを採用した衛星搭載中継器20に搭載される複数のアレー放射素子のそれぞれの位相は、地上設備40からのコマンドによって雨域の状況等に応じて制御される。本願明細書中、このような制御を「PAA制御」と称し、PAA制御を行うためのコマンドを「PAA制御コマンド」と称することにする。送信装置10は、伝送するサービスに関するデジタル信号について所定の変調を施した変調信号を生成し、伝送信号として衛星搭載中継器20に送信する。PAAを採用した衛星搭載中継器20は、PAA制御、即ち複数のアレー放射素子の位相制御によって形成された放射パターンで当該伝送信号を中継する。各地域の受信点に配置される受信装置30は、PAA制御による放射パターンで中継される伝送信号を受信信号として受信することになる。
したがって、送信装置10及び受信装置30間の伝送路における伝送信号の位相は、このPAA制御の前後で変化しうる。即ち、PAA制御は、結果として受信点における受信信号の位相回転を生じさせることになる。さらに、挙動を把握しにくい過渡状態を極力避けるためにPAA制御はなるべく短時間に行なわれるので、受信信号の位相回転は急激なものとなる。
特許4351491号明細書
"衛星デジタル放送の伝送方式 電波産業会 標準規格 ARIB STD-B20 3.0版"、[online]、平成10年11月6日策定、ARIB、[平成24年9月28日検索]、インターネット〈URL:http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/2-STD-B20v3_0.pdf〉 "高度広帯域衛星デジタル放送の伝送方式 電波産業会 標準規格 ARIB STD-B44 1.0版"、[online]、平成21年7月29日策定、ARIB、[平成24年9月28日検索]、インターネット〈URL:http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/2-STD-B44v1_0.pdf〉 田中祥次、外3名、"21GHz帯衛星搭載フェーズドアレーアンテナの整形増力ビームの検討",一般社団法人電子情報通信学会,2007年4月13日、電子情報通信学会技術研究報告(IEICE Technical Report).SAT,衛星通信 107(11), pp.7-12
フェーズドアレーアンテナ(PAA)を搭載した衛星を介して変調信号を伝送するにあたり、非特許文献1や非特許文献2を基に、従来技術から想定される伝送システム100の概略構成を図11に示す。図11において、送信装置10は、誤り訂正符号化部111、電力拡散部112、変調マッピング部113、時分割多重・直交変調部114及び送信部115を備える。
誤り訂正符号化部111は、伝送する映像や音声等の各ストリームのデジタル信号について、非特許文献1に規定されるような所定の誤り訂正符号化を施したビット列を生成し、電力拡散部112に出力する。
電力拡散部112は、所定の誤り訂正符号化を施したビット列を所定の拡散信号によって信号の「0」「1」に偏りのないように電力拡散させたビット列を生成し、変調マッピング部113に出力する。
変調マッピング部113は、拡散信号によって拡散されたビット列を伝送制御信号等で指定される所定の変調方式(図11に示す例では、PSK方式)による信号点にマッピングして、時分割多重・直交変調部114に出力する。変調マッピング部113は、映像や音声等の多重信号(以下、[データ信号]と称する。)とともに、これらの各ストリームを伝送する際の伝送パラメータを示す伝送制御信号(TMCC情報等)を格納する伝送制御信号(TMCC信号等)と、フレーム同期信号も、それぞれに割り当てられた変調方式でマッピングする。
時分割多重・直交変調部114は、フレーム同期信号を先頭に、伝送制御信号(TMCC信号等)を挿入し、データ信号を後続させて、時分割多重でフレームを構成する。さらに、各データ信号を伝送制御情報(TMCC情報等)に従って直交変調することで伝送信号を生成する。
送信部115は、時分割多重・直交変調部114によって生成した伝送信号を、PAAを採用した衛星搭載中継器20を含む伝送路を介して、受信装置30に向けて送信する。
一方、受信装置30は、受信部311、復調部312、尤度判定部313、電力逆拡散部314、誤り訂正復号部315及び同期再生部316を備える。
受信部311は、PAAを採用した衛星搭載中継器20を含む伝送路を介して伝送される伝送信号を受信し、復調部312に出力する。
復調部312は、後述の同期再生部316で再生した基準位相を基に伝送制御信号(TMCC信号等)を復調して後段の機能ブロックで伝送制御情報(TMCC情報等)を復号し、続いて復号した伝送制御情報(TMCC信号等)に従って、基準位相を基にデータ信号の復調を行なって変調信号(IQ信号、φr信号、など)を抽出し、尤度判定部313に出力する。
同期再生部316は、フレーム同期確立時には、受信信号の伝送信号に含まれるフレーム同期信号を検出して同期判定を行い、後方保護期間を経てフレーム同期を確立し、再生同期信号を生成し、各機能ブロック(図11においては、尤度判定部313、電力逆拡散部314及び誤り訂正復号部315)に出力する。つづいて、位相同期再生時には、受信信号の伝送信号に含まれるフレーム同期信号を検出して基準位相の判定を行い、位相同期を確立し、データ信号のシンボル(データシンボル)の基準位相を示す基準位相値を生成して、復調部312に出力する。特に、従来技術から想定される同期再生部316の動作では、フレーム同期再生及び位相同期再生に関して、フレーム同期確立、位相同期確立の順に、それぞれ前方保護及び後方保護をかけて行なわれることから、一旦同期を喪失すると、回復には相応の時間を要する。
尤度判定部313は、復調したデータシンボルについて、例えば非特許文献2に開示される尤度判定法により、最も確からしい位相を判定してデマッピングを行い、データシンボルに対応するビット列を電力逆拡散部314に出力する。
電力逆拡散部314は、デマッピングしたシンボルに対応するビット列に対して送信側における電力拡散の逆拡散を行い、誤り訂正復号部315に出力する。
誤り訂正復号部315は、電力逆拡散部314から出力されるビット列について、送信側と対応する所定の誤り訂正復号を施し、送信装置10によって伝送される伝送信号に関する復元信号を生成する。
このようにして、伝送システム100において衛星伝送路を介した情報伝送が可能となる。しかしながら、伝送システム100では、PAAを採用した衛星搭載中継器20を利用する際の問題点、即ち、PAA制御に起因する受信信号の急激な位相回転が考慮されておらず、受信信号の位相が急回転することに起因して、受信装置30は、受信信号のフレーム同期が外れたものと判断し、前方保護及び後方保護の期間を含みフレーム同期の回復から位相同期の回復に時間を要し、これらの同期回復までの伝送データを喪失してしまうことが懸念される。また、続く電力逆拡散及び誤り訂正復号、場合によってはフレームインタリーブなどのブロックにおいても、信号の回復に時間を要することによって、さらにこれらの回復までの伝送データを喪失してしまうことも懸念される。
したがって、PAA制御が行われたとしても、データが失われるおそれがある時間を更に短縮化すべく、直ちに位相同期再生及びフレーム同期再生を確立する技術が望まれる。
本発明は、上述の問題点を鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、フェーズドアレーアンテナ(PAA)を搭載した衛星を介して信号伝送を行う際に利用する送信装置、衛星搭載中継器及び受信装置を提供することにある。
本発明は、放送衛星のPAA制御、即ちPAAで放射パターン制御を行なった時など受信信号の位相が急回転することを考慮して、受信装置のフレーム同期・位相同期外れを防止し、PAA制御に起因する信号誤りを抑止するためのものである。送信装置では、衛星搭載中継器におけるPAA制御を行う制御期間を限定させるべく、フレームの末尾(フレーム同期信号の直前)に所定の位相制御用信号を挿入した伝送信号を生成する。本願明細書中、「振幅0のシンボル」とは、位相制御用信号のシンボルの振幅が0の場合を云い、「振幅非0のシンボル」とは、位相制御用信号のシンボルの振幅が非0の場合を云う。
一態様の位相制御用信号として、フレームの末尾(フレーム同期信号の直前)に、一定期間の振幅0のシンボルを設ける。
別態様の位相制御用信号として、フレームの末尾(フレーム同期信号の直前)に、一定期間の位相制御用信号を設け、PAAにおける位相制御の実施期間では位相制御用信号を振幅0のシンボルとし、PAAにおける位相制御の実施期間以外では位相制御用信号を振幅非0のシンボルとする。
衛星搭載中継器では、地上設備からのPAA制御コマンドによって、位相制御用信号が振幅0のシンボルである期間における位相制御用信号内においてPAA制御を行うように制御する。受信装置では、代表的には、位相同期再生に関してはフレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットしフレーム同期信号を先頭にしたフレーム単位で位相同期再生を行ない、フレーム同期再生に関してはフレーム同期信号の周期性を用いて、前方保護及び後方保護を用いてフレーム同期再生を行なう。受信装置は、好適には伝送制御情報(TMCC情報等)、又は、位相制御用信号における振幅0のシンボル期間を利用して、位相制御の実施期間、即ちPAA制御期間を判別することにより、PAA制御に係る信号の誤りを抑止させる。
このように、送信装置で、データ信号やフレーム同期信号とは別に、位相制御用信号を伝送信号内に挿入することにより、衛星搭載中継器及び受信装置は、PAA制御の信号期間を明確に把握することができる。また、衛星搭載中継器及び受信装置は、伝送制御情報(TMCC情報等)、又は、位相制御用信号における振幅0のシンボル/振幅非0のシンボルの別によって、PAA制御期間を明確に把握することができる。受信装置ではさらに、PAA制御期間でないことを把握した場合は、フレームに渡る位相の連続性を用いて位相同期を更に安定化させることもできる。
尚、実際のPAA制御は、PAA制御期間の中の、いずれかのPAA制御の信号期間、即ち位相制御用信号の期間で実施する。また、伝送制御信号(TMCC信号等)を利用する際には、リザーブビットのいずれかをPAA制御を行なう期間であるか否かを示す送受間で既知のビットとする。
即ち、本発明による一態様の送信装置は、位相制御を行なう衛星搭載中継器を介して伝送信号を送信する送信装置であって、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームを構成し、所定の変調を施して伝送信号を生成する変調手段と、前記位相制御用信号として、振幅0のシンボル群を当該フレーム内に挿入する位相制御用信号挿入制御手段と、前記伝送信号を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。尚、位相制御用信号は、できるだけ短いことが伝送効率や位相同期の点から望ましく、例えば位相基準バースト信号の長さである203シンボル程度が上限として考慮される。一方、実際に位相制御に要する時間が下限になる。この下限に対して、衛星搭載中継器によるばらつきや、制御の余裕時間を考慮して、位相制御用信号の長さが設定される。
本発明による別態様の送信装置は、位相制御を行なう衛星搭載中継器を介して伝送信号を送信する送信装置であって、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームを構成し、所定の変調を施して伝送信号を生成する変調手段と、前記位相制御用信号として、前記位相制御の実施期間においては振幅0のシンボル群を、前記位相制御の非実施期間においては振幅非0のシンボル群を当該フレーム内に挿入する位相制御用信号挿入制御手段と、前記伝送信号を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の送信装置において、前記変調手段は、当該位相制御の実施期間を指定する伝送制御信号を多重する手段を備えることを特徴とする。
また、本発明による当該別態様の送信装置において、前記位相制御用信号挿入制御手段は、前記データ信号を用いて前記振幅非0のシンボル群を生成する手段を備えることを特徴とする。
更に、本発明による一態様の衛星搭載中継器は、所定の伝送信号を中継する位相制御を行なう衛星搭載中継器であって、前記所定の伝送信号は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームが構成され、前記位相制御用信号として、振幅0のシンボル群が挿入された伝送信号形式からなり、地上設備からのコマンドを受信するコマンド受信手段と、前記所定の伝送信号を受信するアップリンク受信手段と、前記コマンドに応じて、前記振幅0のシンボル期間内で前記位相制御を行ない、前記所定の伝送信号を中継伝送する位相制御手段と、を備えることを特徴とする。
更に、本発明による別態様の衛星搭載中継器は、所定の伝送信号を中継する位相制御を行なう衛星搭載中継器であって、前記所定の伝送信号は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームが構成され、前記位相制御用信号として、前記位相制御の実施期間においては振幅0のシンボル群が、前記位相制御の非実施期間においては振幅非0のシンボル群が、挿入された伝送信号形式からなり、地上設備からのコマンドを受信するコマンド受信手段と、前記所定の伝送信号を受信するアップリンク受信手段と、前記コマンドに応じて、前記振幅0のシンボル期間のみを前記位相制御の実施期間として検出する手段と、当該検出した位相制御の実施期間内で、前記位相制御を行ない、前記所定の伝送信号を中継伝送する位相制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の衛星搭載中継器において、前記位相制御の実施期間を指定する伝送制御信号が多重されており、前記位相制御手段は、前記伝送制御信号を復号し前記位相制御の実施期間を判別する手段と、当該判別した位相制御の実施期間内で前記位相制御を行う手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明による当該別態様の衛星搭載中継器において、前記位相制御手段は、前記伝送制御信号の位相制御用信号のシンボル群の振幅を判別する手段と、振幅0のシンボル群と判別された場合に前記位相制御を行う手段と、を備えることを特徴とする。
更に、本発明による一態様の受信装置は、位相制御を行なう衛星搭載中継器を介して所定の伝送信号を受信する受信装置であって、前記所定の伝送信号は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームが構成され、前記位相制御用信号として、振幅0のシンボル群が挿入された伝送信号形式からなり、前記所定の伝送信号を受信して前記フレーム同期信号によりフレーム同期再生及び位相同期再生を行なうにあたり、位相同期再生に関しては前記フレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし前記フレーム同期信号を先頭にしたフレーム単位で位相同期再生を行ない、フレーム同期再生に関してはフレーム同期信号のフレーム周期性を用いてフレーム同期再生を行なう同期再生手段と、前記フレーム同期再生及び位相同期再生に基づいて、前記所定の伝送信号の復調及び復号を行う復調・復号手段と、を備えることを特徴とする。
更に、本発明による別態様の受信装置は、位相制御を行なう衛星搭載中継器を介して所定の伝送信号を受信する受信装置であって、前記所定の伝送信号は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームが構成され、前記位相制御用信号として、振幅0のシンボル群が挿入された伝送信号形式からなり、前記所定の伝送信号を受信して前記フレーム同期信号によりフレーム同期再生及び位相同期再生を行なうにあたり、位相同期再生に関しては前記フレーム同期信号を先頭にしたフレーム単位の位相値に応じて位相同期再生を行ない、フレーム同期再生に関してはフレーム同期信号のフレーム周期性を用いてフレーム同期再生を行なう同期再生手段と、前記フレーム同期再生及び位相同期再生に基づいて、前記所定の伝送信号の復調及び復号を行う復調・復号手段とを備え、前記同期再生手段は、当該フレーム単位の位相値の検出に関して、前記フレーム単位の位相同期再生の位相値が隣接するフレームで予め定めた誤差内で一致しているか否かを判別する手段と、前記予め定めた誤差内で一致していると判別した際には、当該隣接するフレームに関する位相同期再生の位相値を積分し、積分した位相値を基準位相とする手段と、前記予め定めた誤差内で一致していないと判別した際には、前記フレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、フレーム同期信号により得られる位相値を基準位相とする手段と、を備えることを特徴とする。
更に、本発明による更なる別態様の受信装置は、位相制御を行なう衛星搭載中継器を介して所定の伝送信号を受信する受信装置であって、前記所定の伝送信号は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームが構成され、前記位相制御用信号として、振幅0のシンボル群が挿入された伝送信号形式からなり、更に、前記所定の伝送信号には、前記位相制御の実施期間を指定する伝送制御信号が多重されており、前記所定の伝送信号を受信して前記フレーム同期信号によりフレーム同期再生及び位相同期再生を行なうにあたり、位相同期再生に関しては前記位相制御の実施期間に応じて位相同期再生を行ない、フレーム同期再生に関してはフレーム同期信号のフレーム周期性を用いてフレーム同期再生を行なう同期再生手段と、前記伝送制御信号の復調及び復号を行ない、位相制御の実施期間を判別する位相制御判別手段と、前記フレーム同期再生及び位相同期再生に基づいて、前記所定の伝送信号の復調及び復号を行う復調・復号手段とを備え、前記同期再生手段は、当該位相制御の実施期間に応じた位相同期再生に関して、当該判別した位相制御の実施期間では、前記フレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、リセットした直後のフレーム同期信号により得られる位相値を基準位相とする手段と、当該判別した位相制御の実施期間以外では、フレーム同期信号のフレーム連続性を用いて得られる位相値を基準位相とする手段と、を備えることを特徴とする。
更に、本発明による更なる別態様の受信装置は、位相制御を行なう衛星搭載中継器を介して所定の伝送信号を受信する受信装置であって、前記所定の伝送信号は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームが構成され、前記位相制御用信号として、前記位相制御の実施期間においては振幅0のシンボル群が、前記位相制御の非実施期間においては振幅非0のシンボル群が、挿入された伝送信号形式からなり、前記所定の伝送信号を受信して前記フレーム同期信号によりフレーム同期再生及び位相同期再生を行なうにあたり、位相同期再生に関しては前記位相制御の実施期間に応じて位相同期再生を行ない、フレーム同期再生に関してはフレーム同期信号のフレーム周期性を用いてフレーム同期再生を行なう同期再生手段と、前記フレーム同期再生及び位相同期再生に基づいて、前記所定の伝送信号の復調及び復号を行う復調・復号手段とを備え、前記同期再生手段は、当該位相制御の実施期間に応じた位相同期再生に関して、前記所定の伝送信号における一定期間の振幅0のシンボルを基に、前記位相制御の実施期間を検出する手段と、当該検出した位相制御の実施期間では、前記フレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、フレーム同期信号により得られる位相値を基準位相とする手段と、当該検出した位相制御の実施期間以外では、フレーム同期信号のフレーム連続性を用いて得られる位相値を基準位相とする手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、放送衛星のPAA制御、即ちPAAで放射パターン制御を行なった時など受信信号の位相が急回転することを考慮して、受信信号の同期外れを防止し、PAA制御に起因する信号誤りを抑止させることが可能となる。
本発明による一実施形態の送信装置のブロック図である。 本発明による一実施形態の送信装置によって生成される伝送信号の第1の実施例を示す図である。 本発明による一実施形態の送信装置によって生成される伝送信号の第2の実施例を示す図である。 本発明による一実施形態の送信装置によって生成される伝送信号の第3の実施例を示す図である。 本発明による第1実施形態の衛星搭載中継器のブロック図である。 本発明による第2実施形態の衛星搭載中継器のブロック図である。 本発明による第1実施形態の受信装置のブロック図である。 本発明による第2実施形態の受信装置のブロック図である。 本発明による第3実施形態の受信装置のブロック図である。 PAAを採用した衛星搭載中継器を利用する伝送システムの概略図である。 従来技術から想定される伝送システムの概略構成を示すブロック図である。
以下、本発明による各実施形態の送信装置10、衛星搭載中継器20及び受信装置30を順に説明する。本発明に係る伝送システムにおいて、PAAによる衛星搭載中継器20では、地上設備40からのPAA制御コマンドにより、雨域の状況等に応じてPAAにおけるアレー放射素子の位相が制御されうる状況を想定している。
〔送信装置〕
図1は、本発明による一実施形態の送信装置10のブロック図である。図1において、図11に対応する構成要素には同一の参照番号を付している。本実施形態の送信装置10は、誤り訂正符号化部111、電力拡散部112、変調マッピング部113、時分割多重・直交変調部114、送信部115及び位相制御用信号挿入制御部116を備える。即ち、図1に示す本実施形態の送信装置10は、図11に示す従来技術から想定される伝送システム100のものと比較して、位相制御用信号挿入制御部116を更に備える点で相違しており、誤り訂正符号化部111、電力拡散部112、変調マッピング部113、時分割多重・直交変調部114及び送信部115は同様に動作する。
即ち、誤り訂正符号化部111は、伝送する映像や音声等の各ストリームのデジタル信号について、例えば非特許文献1に規定される様な所定の誤り訂正符号化を施したビット列を生成し、電力拡散部112に出力する。
電力拡散部112は、所定の誤り訂正符号化を施したビット列を所定の拡散信号によって信号の「0」「1」に偏りのないように電力拡散させたビット列を生成し、変調マッピング部113に出力する。尚、電力拡散部112と変調マッピング部113との間に、内符号の誤り訂正符号化やビットインターリーブを施す処理部を設けることもあるが、ここではその処理部の図示や説明を省略する。
変調マッピング部113は、拡散信号によって拡散されたビット列を各ストリームで指定される所定の変調方式による信号点配置にマッピングしてシンボルを形成し、時分割多重・直交変調部114に出力する。映像や音声等の多重ストリームのデータシンボルとともに、これらの各ストリームを伝送する際の伝送パラメータ等を指示する伝送制御信号(TMCC信号等)と、フレーム同期信号もそれぞれに割り当てられた変調方式でマッピングされる。
時分割多重・直交変調部114は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ詳細に後述する所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号をフレーム同期信号と位相制御用信号との間に時分割多重したフレームを構成し、データ信号、フレーム同期信号及び位相制御用信号に対してそれぞれ所定の変調を施して伝送信号を生成する機能を有する。本実施形態の例では、時分割多重・直交変調部114は、フレーム同期信号を先頭に伝送制御信号(TMCC信号等)を挿入しながらデータ信号を後続させるフレームを時分割多重し、伝送制御情報(TMCC情報等)に従ってデータ信号のシンボル(データシンボル)に対して直交変調を施すことで伝送信号を生成する。また、非特許文献1に示されるように、データシンボルが8PSKなどの多値変調のときには、位相基準バースト信号を例えばデータ信号の203シンボルごとに4シンボル付加することもある。例えば変調方式がQPSKの場合は、変調信号列(d)は2ビットずつに区切られたあと、その2ビットはシンボルの位相値(θ=45°or 135°or 225°or 315°)に変換され、搬送波はその位相値で位相変調されて、変調波となる。データシンボルのほかに、フレーム同期信号や、必要に応じて位相基準バースト信号のシンボルも挿入される。更に、本実施形態の送信装置10では、位相制御用信号挿入制御部116によって、当該位相制御用信号として、PAA制御を行う制御期間を提供するため、時分割多重するフレームの末尾に一定期間の振幅0のシンボルを挿入する。
送信部115は、PAAを採用した衛星搭載中継器20を含む伝送路を介して、一定期間の振幅0のシンボルを時分割多重するフレームの末尾に挿入した伝送信号形式の変調信号を伝送信号として受信装置30に向けて送信する。
ここで、位相制御用信号挿入制御部116によって、位相制御用信号としての一定期間の振幅0のシンボルが挿入された伝送信号に関して、3つの実施例を順に説明する。
(第1の実施例)
図2は、本発明による一実施形態の送信装置10によって生成される伝送信号の第1の実施例を示す図である。本実施例は、位相制御用信号としての一定期間の振幅0のシンボルを全てのフレームの末尾、即ちフレーム同期信号の直前に挿入する伝送信号形式であり、フレーム同期信号のシンボル期間、データシンボル期間、位相制御用信号としての振幅0のシンボル期間、の順に周期的に連続した伝送信号形式である。本実施例では、いずれかの位相制御用信号における振幅0のシンボル期間で衛星搭載中継器20に対してPAA制御、即ちPAAの位相制御を行なうよう指定する。
ここで、位相制御用信号における振幅0のシンボル期間は、PAA制御を行なうよう指定する期間であるので、このPAA制御に要する時間よりも長くする必要がある。ただし、この期間が長くなれば、データの伝送効率は低くなり、衛星搭載中継器20におけるAGCやALCに影響を与える可能性があり、受信装置30の同期特性にも影響を与える可能性があるなど、マイナスの要素もあるので、PAA制御に要する時間よりも必要以上に長くしないのが好適である。
即ち、第1の実施例に係る伝送信号には、他の実施例に係る伝送信号にも共通するが、次の条件がある。伝送信号には位相制御用信号としての振幅0のシンボル期間があり、この振幅0のシンボル期間の長さは、PAA制御の時間より長いことが必要である。また、この振幅0のシンボル期間は、フレームの末尾(フレーム同期信号の直前)にあることが必要である。PAA制御はこの振幅0のシンボル期間において行なうため、衛星搭載中継器20を経由した伝送信号はこの振幅0のシンボル期間において位相の変化を受けうる。したがって、この振幅0のシンボル期間の後では、受信装置30にとって基準位相が変化する可能性もあり、データを伝送すればエラーになってしまう。そこで、位相制御用信号としての振幅0のシンボル期間の直後には、位相基準の働きのあるフレーム同期信号が位置する必要がある。
PAA制御に関して、或る移相器デバイスを、衛星デジタル放送と同等の約29Mbaudで動作させて実験したところ、大部分が1シンボルで応答した(第1の条件における振幅0のシンボル期間の最小長さ=1)。一方で、衛星デジタル放送では、4シンボルのBPSK(位相基準バースト信号)の間に203シンボルの多値変調信号(例えば8PSK信号)が挿入される場合がある。これは、203シンボルの間隙があっても位相同期が保たれる可能性を意味しており、203シンボル以下の振幅0のシンボル期間であれば位相同期が保たれる可能性がある。
したがって、位相制御用信号における「振幅0のシンボル期間」(T)は、1シンボル≦T≦203シンボルで構成することが、1つの目安として考えられる。ただし、実用上の観点から、振幅0のシンボル期間を大きくすれば伝送効率が落ちてしまうし、衛星搭載中継器20や受信装置30でのAGCやALCに影響を及ぼす可能性もあるので、振幅0のシンボル期間はPAA制御の動作時間(実際は、位相素子や制御のばらつきを考慮したマージンを加えて)を満たしつつ、出来るだけ小さな値にすることが好ましい。
尚、前述の考察は現行の12GHz帯衛星デジタル放送と同等の約29Mbaudを前提にしたものであるが、PAAの使用が有力視される21GHz帯衛星放送では、広帯域中継器が検討されており、例えばシンボルレートは300Mbaudなどと、12GHz帯衛星の場合とパラメータが異なることに留意する。
振幅0のシンボル期間を大きくすれば伝送効率が落ちてしまう問題は、位相制御に要する時間は移相器デバイスの問題で、12GHzでも21GHzでも大差はないと考えられるが、一方シンボルレートが高くなるので1シンボルの時間は短くなり、結果としてより大きなシンボル数を要することになり、他のパラメータが同等なら効率は落ちることになる。しかし、一方でフレーム長を長く設計すれば、効率を維持または改善可能である。
また、衛星搭載中継器20や受信装置30でのAGCやALCへの影響は、21GHz帯また広帯域であってもAGCやALCの時定数は大きく変わらないものと考えられ、位相制御に要する時間も大きく変わらないので、影響は同等と考えられる。場合によっては、21GHz帯では新たに最適設計が可能である。
尚、第1の実施例において、伝送制御信号(TMCC信号等)にPAA制御を行なう期間であるか否かを示すようにすることで、衛星搭載中継器20に対してPAAにおける位相制御の実施期間を指定することも可能になり、受信装置30側では、位相制御の実施期間に指定されていない期間は、複数フレームに渡る位相の連続性を用いて位相同期をさらに安定化することも可能になる。伝送制御信号(TMCC信号等)は、通常、時分割多重・直交変調部114によって、同期シンボルの後、データシンボルの先頭の部分(細分化したデータシンボルの先頭の部分)に多重される。
第1実施例の伝送信号形式によれば、位相制御用信号(振幅0のシンボル期間)、即ちパワーがほぼ0の期間においてPAA制御を完了できるため、過渡状態の影響を最小化させることができる。
(第2の実施例)
図3は、本発明による一実施形態の送信装置10によって生成される伝送信号の第2の実施例を示す図である。本実施例は、位相制御用信号としての一定期間の振幅0のシンボルを全てのフレームの末尾、即ちフレーム同期信号の直前に挿入する伝送信号形式であり、フレーム同期信号のシンボル期間、データシンボル期間、位相制御用信号としての振幅0のシンボル期間、の順に周期的に連続した伝送信号形式であることを基本とするが、データシンボル期間の途中に位相基準バースト信号のシンボルが挿入される伝送信号形式である。第1の実施例と同様に、本実施例においても、いずれかの位相制御用信号における振幅0のシンボル期間で衛星搭載中継器20に対してPAA制御、即ちPAAの位相制御を行なうよう指定する。
位相基準バースト信号を挿入するのは、データシンボルが多値変調方式などで、それだけでは位相同期を維持することが難しい場合など、位相同期を補強するためである。位相基準バースト信号は、原則としては等間隔に挿入するが、多少の不均等(例えば、10シンボル以下程度の不均等)があってもよい。この場合にも性能的にはほとんど影響はないので、信号形式の設計上不均等にならざるを得ないときには、そのような信号設計とすることも許容される。
非特許文献1に示される衛星デジタル放送(ISDB‐S)では、フレーム同期信号のシンボルとして32シンボル相当を使用し、位相基準バースト信号のシンボルとして、位相基準バースト信号4シンボルを203シンボル間隔(周期207シンボル)で配置している。フレーム同期信号及び位相基準バースト信号は、π/2シフトBPSKで変調される。
伝送信号に位相基準バースト信号を使用する場合の位相制御用信号の例としては、フレーム最後の位相基準バースト信号とフレーム同期信号の間に位相制御用信号としての振幅0のシンボル期間を挿入する方法(即ち、図3に示す例)、フレーム最後のデータシンボルとフレーム同期信号の間に位相制御用信号としての振幅0のシンボル期間を挿入する方法、などとすることができる。本実施例においても、位相制御用信号の長さに関する考察は、第1の実施例と同様である。
尚、第2の実施例においても、伝送制御信号(TMCC信号等)にPAA制御を行なう期間であるか否かを示すようにすることで、衛星搭載中継器20に対してPAAにおける位相制御の実施期間を指定することも可能になり、受信装置30では、位相制御の実施期間に指定されていない期間は、複数フレームに渡る位相の連続性を用いて位相同期をさらに安定化することも可能になる。
第2の実施例の伝送信号形式によれば、第1の実施例の利点を確保でき、更に、受信装置30での位相同期を確実にすることができる。
(第3の実施例)
図4は、本発明による一実施形態の送信装置10によって生成される伝送信号の第3の実施例を示す図である。本実施例は、位相制御用信号としての一定期間の振幅0または振幅非0のシンボルを全てのフレームの末尾、即ちフレーム同期信号の直前に挿入する伝送信号形式であり、フレーム同期信号のシンボル期間、データシンボル期間、位相制御用信号としての振幅0のシンボル期間又は振幅非0のシンボル期間(例えば、振幅1のシンボル期間)、の順に周期的に連続した伝送信号形式である。位相制御用信号としての振幅0のシンボル期間はPAA制御を実際に行なうための期間であると同時に、そのことを衛星搭載中継器20や受信機30に指示・通知する役割を持つ。一方、振幅非0のシンボル期間はPAA制御を行なわない期間であると同時に、そのことを衛星搭載中継器20や受信機30に指示・通知する役割を持つ。したがって、本実施例では、位相制御用信号挿入制御部116は、位相制御用信号として、フレーム末尾(フレーム同期信号の直前)に、PAAにおける位相制御の実施期間を指定する一定期間の振幅0のシンボルと、当該指定する実施期間以外では一定期間の振幅非0のシンボルを挿入する手段を有するように構成される。尚、振幅0のシンボル期間は、PAA制御を行なうための期間としては1フレーム以上あれば良いが、PAA制御を行なう期間を衛星搭載中継器20や受信機30に指示・通知する役割を考慮すると、例えば時間軸(フレーム間)の多数決判定などの誤り保護が望まれるため、前記多数決に対応した複数フレーム期間とすることが一般的である。
衛星搭載中継器20では、位相制御用信号について、振幅0のシンボル期間であるか振幅非0のシンボル期間であるかを判別し、振幅0のシンボル期間のときPAA制御を行なうことができる。受信装置30においては、振幅0のシンボル期間であるか振幅非0のシンボル期間であるかを判別し、振幅0非のシンボル期間のとき、即ち、PAA制御期間以外では、PAA制御に起因する急激な位相回転が起こらないことから、従来の同期保護動作を用いて同期の安定化を図る様にすることもできる。本実施例の場合、振幅1のシンボル期間と振幅0のシンボル期間の変化を抽出すれば、その変化をきっかけとしてPAA制御に係る「タイミング制御信号」として機能するようになる。
尚、位相制御用信号における振幅非0のシンボル期間は、固定パターン・ランダムパターン・疑似ランダムパターンなどデータ変調しないものであってもよいし、データシンボルの延長としてデータ変調して使用する態様としてもよい。
このタイミング制御信号の保護について、通常保護に用いるLDPC符号・RS符号・BCH符号など複雑な方式は避け、時間軸上での多数決・積分など単純な誤り保護を使用することで、衛星搭載中継器20の構成の簡単化や信頼性の向上などが得られる。また、第2の実施例と同様に、データシンボルの途中に位相基準バースト信号が挿入された伝送信号形式であってもよい。さらに、図4においては、「振幅非0のシンボル」として説明したが、位相変調のデータシンボルを考慮して「振幅1のシンボル」とすることや、直交振幅変調あるいは振幅位相変調のデータシンボルも考慮した「振幅非0のシンボル」とすることができる。したがって、位相制御を行なわないように指定する期間では、位相制御用信号として、振幅0のシンボルに代わって振幅非0のシンボルを伝送するので、PAA制御に係る「タイミング制御信号」としての機能を持たせることができ、本実施例の場合には伝送制御信号(TMCC信号)にPAA制御を行なう期間であるか否かを示す必要が無くなる。また、この振幅非0のシンボルを変調して情報伝送に利用するときには、前述の実施例の伝送信号形式よりも、より多くの情報を伝送することが可能になる。
第3の実施例の伝送信号形式によれば、前述の各実施例の利点を確保でき、更に、衛星搭載中継器20における位相制御の実施期間、即ちPAA制御期間を明確に示す伝送信号形式となるので、伝送制御信号(TMCC信号)にPAA制御を行なう期間であるか否かを示す必要が無くなり、受信装置30では、PAA制御による位相回転が起こりうる期間を当該伝送制御信号によらずに限定させることができる。また、位相制御用信号における振幅非0のシンボル期間を、データシンボルの延長として利用する場合には、データの伝送効率にも有利な態様となる。
このように、本実施形態の送信装置10では、いずれの実施例の伝送信号形式であっても、フレーム同期信号やデータ信号とは別に、位相制御用信号としての一定期間の振幅0のシンボル期間を設けるようにする。そして、衛星搭載中継器20は、この振幅0のシンボルに同期して、PAA制御を行なうようにする。受信装置30は、フレームの周期性(即ち、フレーム同期信号のフレーム長に対応した周期性)を用いてフレーム同期の安定を図るとともに、位相同期についてはフレーム同期信号の先頭で同期リセットすることによってフレーム単位で位相同期を確立し、データシンボル及び位相基準バースト信号で位相同期を維持する。更に、送信装置10にて、位相制御用信号による振幅0のシンボル期間と振幅非0のシンボル期間の違いでPAA制御期間を指定する形式の伝送信号を送信することで、衛星搭載中継器20及び受信装置30はPAA制御期間を簡単な構成で明確に把握することができ、受信装置30では、PAA制御期間で無い場合において、フレームに渡る位相の連続性を用いて位相同期をさらに安定化することもできる。
次に、本発明に係る衛星搭載中継器20について説明する。衛星搭載中継器20として2つの実施形態があり、順に説明する。
〔第1実施形態の衛星搭載中継器〕
図5は、本発明による第1実施形態の衛星搭載中継器20のブロック図である。第1実施形態の衛星搭載中継器20は、PAA方式の中継器として、コマンド受信部211、コマンドデコーダ212、一時レジスタ214、移相器レジスタ215、アップリンク受信部216、周波数変換器217、分配器218、移相器219、電力増幅器220及び切換タイミングレジスタ213を備える。尚、図5において、1信号系統分の構成を示しており、AGC(Auto Gain Control)、IMUX(Input Multiplexer)・OMUX(Output Multiplexer)フィルタ、他のコマンド系、テレメトリ系等の記述は、本発明に直接関係しないので省略している。第1実施形態の衛星搭載中継器20に関して、伝送信号形式の第1の実施例(図2)、第2の実施例(図3)又は第3の実施例(図4)を利用する好適例を説明する。尚、この実施形態においては、伝送信号形式の第1の実施例(図2)又は第2の実施例(図3)のPAA制御を行なう期間であるか否かを示す伝送制御信号、或いは、伝送信号形式の第3の実施例(図4)における位相制御用信号としてPAA制御を行なう期間である振幅0のシンボルであるかPAA制御を行なわない期間である振幅非0のシンボルであるかの違いを、衛星搭載中継器20において検出して利用することはしない。即ち、この実施形態において、当該各実施例の伝送信号形式の信号が採用される場合は、衛星搭載中継器20以外、例えば受信装置30で利用するためである。したがって、この実施形態において衛星搭載中継器20が必要とする伝送信号の処理は、フレーム期間の中から、位相制御用信号(即ち、振幅0のシンボル期間)の検出を行なうことのみである。
本実施形態の衛星搭載中継器20は、従来から知られるPAA方式の中継器とは相違して、一時レジスタ214、移相器レジスタ215及び切換タイミングレジスタ213、を更に備えている。本実施形態の衛星搭載中継器20における切換タイミングレジスタ213、一時レジスタ214、移相器レジスタ215、分配器218、移相器219及び電力増幅器220は、コマンド受信部211を経て得られる位相制御のコマンドに応じて一定期間の振幅0のシンボル期間内でフェーズドアレーアンテナ(PAA)における位相制御を行ない、アップリンク受信部216を経て得られる伝送信号を中継伝送する位相制御手段として機能する。
コマンド受信部211は、コマンド受信アンテナ放射器及び反射器(図示せず)を介して、地上設備40からのPAA制御コマンドの信号を受信し、フィルタリング、増幅、振幅調整及び検波してコマンドデコーダ212に出力する。
コマンドデコーダ212は、PAA制御コマンドの信号を入力し、放射パターン制御、即ち位相制御を行うコマンドを含む各種コマンドに復号する。特に、コマンドデコーダ212は、複数の移相器219に対応するそれぞれの位相制御のコマンドを各一時レジスタ214に出力するとともに、タイミング制御のコマンドを切換タイミングレジスタ213に出力する。
複数の一時レジスタ214は、それぞれの位相制御のコマンドに従って、各移相器219に対応する更新しようとする新しい位相値を一時的に保持する。この位相制御のコマンドは、各移相器219の更新する位相値を示し、この位相値は、それぞれの位相制御のコマンドによって1つずつ時系列で各一時レジスタ214に入力・保持され、各一時レジスタ214は、1つずつ時系列で各移相器レジスタ215に出力する。
複数の移相器レジスタ215は、各一時レジスタ214から、各移相器219に対応する更新しようとする新しい位相値を1つずつ時系列で入力し、切換タイミングレジスタ213からのタイミング信号によって、一斉に各移相器219に出力する。この各移相器レジスタ215の出力で、各移相器219の位相値が制御される。
一方、アップリンク受信部216は、受信アンテナ放射器(図示せず)を介して、送信装置10からの伝送信号を受信し、増幅、フィルタリング及び振幅調整して周波数変換器217に出力する。
周波数変換器217は、伝送信号に関してアップリンク周波数からダウンリンク周波数へ周波数変換を行い、分配器218及び切換タイミングレジスタ213に出力する。
分配器218は、周波数変換した伝送信号をPAAの各放射器(図示せず)向けの系統として各移相器219に分配する。
複数の移相器219は、各移相器レジスタ215の出力に応じて、分配された伝送信号の位相値を制御する。
複数の電力増幅器220は、各移相器219によって位相値が制御された伝送信号に関して、PAAの各放射器から放射するべく電力増幅・フィルタリングを行う。ダウンリンクアンテナを構成するPAAの各放射器から放射された電波は、ダウンリンクアンテナを構成する反射鏡(図示せず)を介して送信される。
切換タイミングレジスタ213は、周波数変換器217(または、図示しないが、アップリンク受信部216)から出力される伝送信号を入力し、伝送信号の位相制御用信号(即ち、振幅0のシンボル期間)の検出を行い、コマンドデコーダ212から出力されるタイミング制御のコマンドとのAND(論理積)で、PAAにおける位相制御を行うためのタイミング信号を生成して、移相器レジスタ215に出力する。
尚、タイミング制御のコマンドは、地上設備40からのPAA制御を行うタイミングを示すコマンドである。また、切換タイミングレジスタ213は、タイミング制御のコマンドを利用する代わりに、位相制御のコマンドに関する移相器219への設定完了を意味するコマンドとして、複数の移相器のうち最後に設定する移相器を決めておき、その位相制御コマンドの完了のタイミングを利用するように構成することもできる。尚、位相制御用信号(即ち、振幅0のシンボル期間)の検出は、伝送信号のエンベロープ検出回路と、その周期性を用いた保護回路とで構成することができる。
第1実施形態の衛星搭載中継器20において、PAA制御コマンド(各移相器219の位相情報を示す位相制御のコマンドと、PAA制御を行うタイミングを示すタイミング制御のコマンド)と、振幅0のシンボル期間を含む伝送信号の制御との時間関係は、地上設備40と送信装置10との連携で確立する。特に、伝送制御信号(TMCC信号、位相制御用信号等)にPAA制御を行なう期間であるか否かを示すようにして伝送する場合には、衛星コマンド系の地上設備40と、伝送信号系の送信装置10との電気的接続で自動制御する設備構成とすることや、地上設備40から指示を受け付けて送信装置10が動作する設備構成とする。
ただし、伝送制御信号(TMCC信号等)にPAA制御を行なう期間であるか否かを示さないときや、実際の位相制御のタイミングとの精度を追求しないときには、常時、位相制御用信号としての振幅0のシンボル期間を用いる伝送信号形式とすることで、衛星コマンド系と伝送信号系の電気的接続は必ずしも必要ではなく、衛星コマンド系と伝送信号系は独立した設備構成で実現することもできる。
第1実施形態の衛星搭載中継器20によれば、最少のオンボード処理回路で、PAAのフェーズドアレーの位相設定変更が可能になり、また、受信装置30に対しては、不要な受信信号の同期外れ判定を防止し、信号誤りを抑止させることが可能となる。
〔第2実施形態の衛星搭載中継器〕
図6は、本発明による第2実施形態の衛星搭載中継器20のブロック図である。図6において、図5に示すものと同様な構成要素には同一の参照番号を付している。第2実施形態の衛星搭載中継器20は、PAA方式の中継器として、コマンド受信部211、コマンドデコーダ212、一時レジスタ214、移相器レジスタ215、アップリンク受信部216、周波数変換器217、分配器218、移相器219、電力増幅器220及び切換タイミング検出器221を備える。尚、図6においては、1信号系統分の構成を示しており、AGC(Auto Gain Control)、IMUX(Input Multiplexer)・OMUX(Output Multiplexer)フィルタ、他のコマンド系、テレメトリ系等の記述は、本発明に直接関係しないので省略している。第2実施形態の衛星搭載中継器20に関して、伝送信号形式の第1の実施例(図2)、第2の実施例(図3)または第3の実施例(図4)を利用することが可能であるが、特に伝送信号形式の第1の実施例(図2)又は第2の実施例(図3)にてPAA制御を行なう期間であるか否かを示す伝送制御信号を利用するか、又は伝送信号形式の第3の実施例(図4)を利用する好適例を説明する。
本実施形態の衛星搭載中継器20は、従来から知られるPAA方式の中継器とは相違して、一時レジスタ214、移相器レジスタ215及び切換タイミング検出器221を更に備えている。本実施形態の衛星搭載中継器20における切換タイミング検出器221、一時レジスタ214、移相器レジスタ215、分配器218、移相器219及び電力増幅器220は、コマンド受信部211を経て得られる位相制御のコマンドに応じて一定期間の振幅0のシンボル期間内でフェーズドアレーアンテナ(PAA)における位相制御を行ない、アップリンク受信部216を経て得られる伝送信号を中継伝送する位相制御手段として機能する。
コマンド受信部211は、コマンド受信アンテナ放射器及び反射器(図示せず)を介して、地上設備40からのPAA制御コマンドの信号を受信し、フィルタリング、増幅、振幅調整及び検波してコマンドデコーダ212に出力する。
コマンドデコーダ212は、PAA制御コマンドの信号を入力し、放射パターン制御、即ち位相制御を行うコマンドを含む各種コマンドに復号する。本実施形態の衛星搭載中継器20では、コマンドデコーダ212は、複数の移相器219のそれぞれの位相制御のコマンドを各一時レジスタ214に出力する。尚、本実施形態の衛星搭載中継器20では、特にタイミング制御のコマンドは利用しない。
複数の一時レジスタ214は、それぞれの位相制御のコマンドに従って、各移相器219に対応する更新しようとする新しい位相値を一時的に保持する。この位相制御のコマンドは、各移相器219の更新する位相値を示し、この位相値は、それぞれの位相制御のコマンドによって1つずつ時系列で各一時レジスタ214に入力・保持され、各一時レジスタ214は1つずつ時系列で各移相器レジスタ215に出力する。
複数の移相器レジスタ215は、各一時レジスタ214から、各移相器219に対応する更新しようとする新しい位相値を1つずつ時系列で入力し、切換タイミング検出器221からのタイミング信号によって、一斉に各移相器219に出力する。
一方、アップリンク受信部216は、受信アンテナ放射器(図示せず)を介して、送信装置10からの伝送信号を受信し、フィルタリング、増幅及び振幅調整して周波数変換器217に出力する。
周波数変換器217は、伝送信号に関してアップリンク周波数からダウンリンク周波数へ周波数変換を行い、分配器218及び切換タイミング検出器221に出力する。
分配器218は、周波数変換した伝送信号をPAAの各放射器(図示せず)向けの系統として各移相器219に分配する。
複数の移相器219は、各移相器レジスタ215の出力に応じて、分配された伝送信号の位相値を制御する。
複数の電力増幅器220は、各移相器219によって位相値が制御された伝送信号に関して、PAAの各放射器から放射するべく電力増幅・フィルタリングを行う。
本実施形態では、切換タイミング検出器221は、周波数変換器217(または、図示しないが、アップリンク受信部216)から出力される伝送信号を入力し、伝送信号の位相制御用信号期間の検出を行うとともに、位相制御用信号の振幅0/振幅非0あるいは伝送制御信号から誤り保護(時間的積分、多数決判定、誤り保護符号など)を行なったうえで、両者のAND(論理積)をとって、PAAにおいて位相制御を行うためのタイミング信号を生成して、移相器レジスタ215に出力する。
尚、位相制御用信号期間及び位相制御の実施期間の検出は、処理が単純でエラーや故障が起きにくい回路で構成することが望ましい。そのため、第3の伝送信号形式を用いることは、位相制御用信号期間の検出や位相制御の実施期間の検出も、複雑な誤り訂正符号のデコードは要さずに、多数決または時間積分と時間的周期性を用いて検出・判定できる形態であり、衛星搭載中継器20の1つの望ましい形態である。さらに、この形態においては、伝送信号のシンボル同期を再生することは必ずしも必要ではなく、振幅の検出と粗い周期性の検出のみで検出・判定が行なえるので、回路の複雑化を回避できるとともに、伝送信号形式の違いにも追従するように構成すること可能である。
本実施形態において伝送信号形式の第3の実施例(図4)を使用した場合には、切換タイミング検出器221は振幅0のシンボル期間を検出するため、伝送制御信号(TMCC信号等)にPAA制御を行なう期間であるか否かを示すようにして伝送制御信号を伝送する必要がない。伝送制御信号(TMCC信号等)を用いてPAA制御を行なう期間であるか否かを示すように構成すると、フレームの捕捉から伝送制御信号の対応づけが必要になり、比較的処理負担が重くなるのに対して、この実施形態では伝送信号形式の第3の実施例を利用するので、伝送信号のエンベロープ検出回路のみで切換タイミング検出器221を構成することができ、処理負担を軽減させることができる。また、このタイミング制御信号の保護について、通常データや伝送制御信号の保護に用いるLDPC符号・RS符号・BCH符号など複雑な方式は避け、時間軸上での多数決・積分など単純な誤り保護を使用することで、衛星搭載中継器20の構成の簡単化や信頼性の向上などの利点を生じさせることができる。
第2実施形態の衛星搭載中継器20によれば、衛星コマンド系の地上設備40と伝送信号系の送信装置10との連携により、PAAのフェーズドアレーの位相設定変更が可能になり、また、受信装置30に対しては、不要な受信信号の同期外れ判定を防止し、信号誤りを抑止させることが可能となる。
各実施形態の衛星搭載中継器20において、伝送信号形式の第3の実施例(図4)を使用した場合には、PAAによる位相制御を行なわない期間では、位相制御用信号として、振幅0のシンボルに代わって振幅非0のシンボルを伝送するので、この振幅非0のシンボルを変調して情報伝送に利用することによって、より多くの情報を伝送することが可能となる。
さらに、各実施形態の衛星搭載中継器20によれば、振幅0のシンボル期間内において、PAAにおける各放射素子の設定を新しい値に設定することができる。PAAにおける各放射素子の位相制御は振幅0のシンボル期間内、即ちフレームの最後で行なわれるため、受信装置30で、フレームの先頭部分、即ちフレーム同期信号期間で同期を確立することによって、PAA制御に起因する信号誤りを抑止することができる。
次に、本発明に係る受信装置30について説明する。受信装置30として3つの実施形態があり、順に説明する。
〔第1実施形態の受信装置〕
図7は、本発明による第1実施形態の受信装置30のブロック図である。第1実施形態の受信装置30に関して、伝送信号形式の第1の実施例(図2)又は第2の実施例(図3)を利用する好適例を説明する。第1実施形態の受信装置30は、受信部311、復調部312、尤度判定部313、電力逆拡散部314、誤り訂正復号部315及びリセット型同期再生部317を備える。図7において、図11に示すものと同様の構成要素には同一の参照番号を付しており、第1実施形態の受信装置30は、図11に示す同期再生部316の代わりに、リセット型同期再生部317を備える点で相違している。
受信部311は、PAAを採用した衛星搭載中継器20を含む伝送路を介して伝送される伝送信号を受信し、復調部312に出力する。より具体的には、受信部311は、衛星RF周波数(もしくは衛星IF周波数)の伝送信号を受信し、チャンネル選択後に、IQ復調用のIF信号に周波数変換され、復調部312に出力される。
復調部312は、基準位相を基に伝送制御信号(TMCC信号等)を復調して後段の機能ブロックで伝送制御情報(TMCC情報等)を復号し、続いて復号した伝送制御情報(TMCC情報等)に従って、基準位相を基にシンボル判定を行ってデータ信号の復調処理を行なうことでデータシンボルを復調し、尤度判定部313に出力する。より具体的には、復調部312は、IQ復調器で構成され、IF信号を直交復調し、I信号及びQ信号のベクトル信号(以下、「IQベクトル信号」と称する。)として、尤度判定部313に出力する。
リセット型同期再生部317は、受信信号の伝送信号に含まれるフレーム同期信号を検出して同期確立を行い、再生同期信号を生成し、各機能ブロック(図7においては、尤度判定部313、電力逆拡散部314及び誤り訂正復号部315)に出力するとともに、伝送信号に含まれるフレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号を検出し、更に、フレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、フレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号を参照して、データシンボル復調のための基準位相を生成して復調部312に出力する。尚、基準位相の再生においては、フレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号を検出するために、再生同期信号を参照する。
尤度判定部313は、復元したデータシンボルについて、例えば非特許文献2に開示される尤度判定法により、最も確からしい位相成分を判定してデマッピングを行い、デマッピングしたシンボルに対応するビット列を電力逆拡散部314に出力する。より具体的には、尤度判定部313は、IQベクトル信号についてQPSK,8PSKなどの変調方式に応じて尤度判定してデマッピングを行い、デマッピングしたシンボルに対応するビット列を出力する。
電力逆拡散部314は、デマッピングしたシンボルに対応するビット列に対して送信側における電力拡散処理の逆処理を行い、誤り訂正復号部315に出力する。
誤り訂正復号部315は、電力逆拡散部314から出力されるビット列について、送信側と対応する所定の誤り訂正復号を施し、送信装置10によって伝送されるデジタル信号に関する復元信号を生成する。この復元信号は、TSなどの信号ストリームとして受信装置30から出力するのに利用することや、さらに受信装置30内で映像ES・音声ESなどに分離させた上で、それぞれのESをデコードし、映像信号や音声信号として出力する(この場合に必要な機能ブロックは図示を省略する)のように利用するなど、受信装置30の機能・役割に応じて様々な信号形式で扱うことができる。
また、電力逆拡散部314や誤り訂正復号部315は、伝送システムに応じた様々な拡散方法・誤り訂正符号をそのバリエーションとすることができ、さらに、各機能ブロックの順序・一部の機能ブロックの省略・ビットインターリーブの挿入、誤り訂正の外符号及び内符号の連接符号化など様々なバリエーションとすることができる。
リセット型同期再生部317に関して、より具体的に説明する。伝送信号(IQベクトル信号)がリセット型同期再生部317に入力されると、リセット型同期再生部317は、フレーム同期信号を検出して同期を確立し、再生同期信号を各機能ブロックへ供給する。同時に、フレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号を基準にして、基準位相を確立及び維持し復調部312に供給する。フレーム同期再生は、フレーム同期信号のフレーム連続性を用いて前方保護・後方保護をかけて行なうことを基本とする。基準位相再生は、フレーム同期信号を先頭にフレーム毎に行なうことを基本とする。このため、リセット型同期再生部317は、フレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、フレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号の位相誤差を積分あるいは平均化して基準位相を確立する。さらに、データシンボルの位相誤差を積分或いは平均化して基準位相を維持する。
また、本発明に係る各実施例の伝送信号形式では、PAA制御が行われたとしてもフレームの周期性は失われない。従って、フレーム同期再生にあたり、リセット型同期再生部317は、前方保護回路及び後方保護回路が設けられ、幾つかの連続したフレームでフレーム同期が確立している状態であるか否かを判断するように構成される。尚、前方保護回路は、同期が取れているにも関わらず誤って同期が取れていないと判断させないように機能する保護回路であり、後方保護回路は、同期が取れていないときに同期が取れていると誤って判断させないように機能する保護回路である。また、前方保護回路及び後方保護回路を利用するフレーム同期に関して様々な既存の技法を利用することができる。
したがって、本実施形態の受信装置30におけるリセット型同期再生部317は、位相同期再生に関してはフレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットしフレーム同期信号を先頭にしたフレーム単位で位相同期再生を行ない、フレーム同期再生に関してはフレーム同期信号のフレーム連続性を用いて前方保護及び後方保護をかけてフレーム同期再生を行なうように構成される。
一方、位相同期はフレーム毎を基本とするも、以前の基準位相とフレーム同期信号及び位相基準バースト信号の位相値との比較により正しい位相値が連続していると判断される場合には、リセット型同期再生部317は、フレーム同期信号の先頭でのリセットを行なわずにフレーム同期信号のフレーム連続性を用いて得られる基準位相を維持するような連続処理とすることもできる。
したがって、本実施形態の受信装置30において、リセット型同期再生部317は、位相同期再生に関してはフレーム同期信号を先頭にしたフレーム単位で位相誤差を判別して位相同期再生を行なうように構成することができる。また、リセット型同期再生部317は、フレーム単位の位相同期再生の位相値が隣接するフレームで予め定めた誤差内で一致しているか否かを判別し、この予め定めた誤差内で一致していると判別した際には、当該隣接するフレームに関する位相同期再生の位相値を積分し、積分した位相値を基準位相とし、当該予め定めた誤差内で一致していないと判別した際には、フレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、リセットした直後のフレーム同期信号により得られる位相値を基準位相とするように構成することもできる。
尚、伝送制御信号(TMCC信号等)にPAA制御を行なう期間であるか否かが示されているときは、第3実施形態の受信装置30にて詳細に後述する。
第1実施形態の受信装置30によれば、フレーム単位で位相同期再生を行なうことを基本とするため、PAAのフェーズドアレーの位相設定変更があったとしても、振幅0のシンボル期間においてのみ位相回転が生じ、その位相回転はフレーム先頭のフレーム同期信号で回復されるため、PAA制御に起因する、受信信号の同期外れを防止し、信号誤りを抑止させることが可能となる。
〔第2実施形態の受信装置〕
図8は、本発明による第2実施形態の受信装置30のブロック図である。第2実施形態の受信装置30に関して、伝送信号形式の第3の実施例(図4)を利用する好適例を説明する。第2実施形態の受信装置30は、受信部311、復調部312、尤度判定部313、電力逆拡散部314、誤り訂正復号部315、リセット型同期再生部318及びPAA制御期間検出部319を備える。図8において、図11に示すものと同様の構成要素には同一の参照番号を付しており、第2実施形態の受信装置30は、図11に示すものと比較して、同期再生部316の代わりに、リセット型同期再生部318及びPAA制御期間検出部319を備える点で相違している。
第2実施形態の受信装置30における受信部311、復調部312、尤度判定部313、電力逆拡散部314及び誤り訂正復号部315の動作は、図7に示す第1実施形態と同様であり、更なる詳細な説明は省略する。
リセット型同期再生部318は、受信信号の伝送信号に含まれるフレーム同期信号を検出して同期確立を行い、再生同期信号を生成し、各機能ブロック(図8において、尤度判定部313、電力逆拡散部314、誤り訂正復号部315及びPAA制御期間検出部319)に出力するとともに、伝送信号に含まれるフレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号を検出し、更に、PAA制御期間検出部319からのPAA制御期間判定信号に応じてPAA制御期間を把握し、PAA制御期間においては、フレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、フレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号を参照して、データシンボル復調のための基準位相を生成して復調部312に出力する。尚、基準位相の再生においては、フレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号を検出するために、再生同期信号を参照する。
リセット型同期再生部318に関して、より具体的に説明する。伝送信号(IQベクトル信号)がリセット型同期再生部318に入力されると、リセット型同期再生部318は、フレーム同期信号を検出して同期を確立し、再生同期信号を各機能ブロックへ供給する。同時に、フレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号を基準にして、基準位相を確立及び維持し復調部312に供給する。フレーム同期再生は、フレーム同期信号のフレーム連続性を用いて前方保護・後方保護をかけて行なうことを基本とする。基準位相再生は、フレーム同期信号を先頭にフレーム毎に行なうことを基本とする。このため、リセット型同期再生部318は、PAA制御期間検出部319からのPAA制御期間判定信号に応じてPAA制御期間(即ち、位相制御の実施期間)を把握し、PAA制御期間においてはフレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、フレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号の位相誤差を積分あるいは平均化して基準位相を維持する。一方、リセット型同期再生部318は、PAA制御期間検出部319によって検出した位相制御の実施期間以外では、フレーム同期信号のフレーム連続性を用いて安定化された位相を基準位相とする。
また、伝送信号形式の第3の実施例(図4)におけるIQベクトル信号は、PAA制御期間検出部319にも供給される。PAA制御期間検出部319は、伝送信号形式の第3の実施例(図4)における振幅非0のシンボル期間で挟まれたタイミング制御信号として機能する振幅0のシンボル期間のシンボル期間を判定してPAA制御期間を検出し、PAA制御期間判定信号としてリセット型同期再生部318に出力する。
PAA制御期間の検出に関してより具体的に説明する。PAA制御期間検出部319は、IQベクトル信号の絶対値から、フレーム同期信号の前に配置される振幅0のシンボル期間(複数シンボルで時間的長さを持つシンボル期間となる)を把握するために、再生同期信号から振幅0のシンボルの位置を求め、続いて、複数シンボルであることを利用してシンボル間の誤り保護(多数決判定処理など)と、複数フレームに渡る時間軸での誤り保護(多数決判定処理或いは積分処理など)を行なうことで、PAA制御期間を検出する。検出したPAA制御期間を示すPAA制御期間判定信号は、リセット型同期再生部318に送られることから、リセット型同期再生部318は、PAA制御期間判定信号に該当するPAA制御期間のフレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、PAA制御期間以外では、フレーム同期信号の先頭でのリセットを行なわずにフレーム同期信号のフレーム連続性を用いて得られる基準位相を維持するような連続処理とする。
第2実施形態の受信装置30によれば、フレーム単位で位相同期再生を行なうことを基本とするため、PAAのフェーズドアレーの位相設定変更があったとしても、フレーム末尾の位相制御用信号期間における振幅0のシンボル期間においてのみPAA制御による位相回転が生じ、その位相回転はフレーム先頭のフレーム同期信号で回復されることを把握することができるため、効率よく、受信信号の同期外れを防止し、PAA制御に起因する信号誤りを抑止させることが可能となる。更に、第2実施形態の受信装置30によれば、PAA制御を行なわない期間における受信の安定度を増すことができるとともに、PAA制御を行なわない期間におけるデータの伝送効率を増すように構成することも可能になる。
〔第3実施形態の受信装置〕
図9は、本発明による第3実施形態の受信装置30のブロック図である。第3実施形態の受信装置30に関して、伝送制御信号(TMCC信号等)にPAA制御を行なう期間であるか否かが示されている場合において、伝送信号形式の第1の実施例(図2)又は第2の実施例(図3)を利用する好適例を説明する。第3実施形態の受信装置30は、受信部311、復調部312、尤度判定部313、電力逆拡散部314、誤り訂正復号部315、リセット型同期再生部320及びPAA制御期間判定部321を備える。図9において、図11に示すものと同様の構成要素には同一の参照番号を付しており、第3実施形態の受信装置30は、図11に示すものと比較して、同期再生部316の代わりに、リセット型同期再生部320及びPAA制御期間判定部321を備える点で相違している。
第3実施形態の受信装置30における受信部311、復調部312、尤度判定部313、電力逆拡散部314及び誤り訂正復号部315の動作は、図7に示す第1実施形態と同様であり、更なる詳細な説明は省略する。
リセット型同期再生部320は、受信信号の伝送信号に含まれるフレーム同期信号を検出して同期確立を行い、再生同期信号を生成し、各機能ブロック(図9において、尤度判定部313、電力逆拡散部314、誤り訂正復号部315及びPAA制御期間判定部321)に出力するとともに、伝送信号に含まれるフレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号を検出し、更に、PAA制御期間判定部321からのPAA制御期間判定信号に応じてPAA制御期間を把握し、PAA制御期間においては、フレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、フレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号を参照して、データシンボル復調のための基準位相を生成して復調部312に出力する。尚、基準位相の再生においては、フレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号を検出するために、再生同期信号を参照する。
リセット型同期再生部320に関して、より具体的に説明する。伝送信号(IQベクトル信号)がリセット型同期再生部320に入力されると、リセット型同期再生部320は、フレーム同期信号を検出して同期を確立し、再生同期信号を各機能ブロックへ供給する。同時に、フレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号を基準にして、基準位相を確立及び維持し復調部312に供給する。フレーム同期再生は、フレーム同期信号のフレーム連続性を用いて前方保護・後方保護をかけて行なうことを基本とする。基準位相再生は、フレーム同期信号を先頭にフレーム毎に行なうことを基本とする。このため、リセット型同期再生部320は、PAA制御期間判定部321からのPAA制御期間判定信号に応じてPAA制御期間(即ち、位相制御の実施期間)を把握し、PAA制御期間においてはフレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、フレーム同期信号及び伝送信号形式によっては位相基準バースト信号の位相誤差を積分あるいは平均化して基準位相を維持する。一方、リセット型同期再生部320は、PAA制御期間判定部321によって検出した位相制御の実施期間以外では、フレーム同期信号のフレーム連続性を用いて安定化された位相を基準位相とする。
PAA制御期間判定部321は、電力逆拡散部314を経てデータシンボルとは別に多重伝送されていた伝送制御信号(TMCC信号等)を復号し、伝送制御信号(TMCC信号等)に含まれるPAA制御期間を抽出してIQベクトル信号におけるPAA制御期間を判定し、判定したPAA制御期間を示すPAA制御期間判定信号をリセット型同期再生部320に出力する。
判定したPAA制御期間を示すPAA制御期間判定信号は、リセット型同期再生部320に送られ、リセット型同期再生部320は、PAA制御期間判定信号に該当するPAA制御期間の振幅0のシンボル期間の直後のフレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットする。尚、PAA制御期間以外では、フレーム同期信号の先頭でのリセットを行なわずにフレーム同期信号のフレーム連続性を用いて得られる基準位相を維持するようしても良い。
第3実施形態の受信装置30では、伝送制御信号(TMCC信号等)にPAA制御を行なう期間であるか否かが示されていることから、電力逆拡散部314を経てデータシンボルとは別に多重伝送されていた伝送制御信号(TMCC信号等)を復号する必要がある。図9では、ISDB-SのTMCC信号を想定して電力逆拡散部314の後から取り出す例を示しているが、TMCC信号に誤り訂正符号化が施されている場合には、誤り訂正符号の復号処理を施してTMCC信号を取り出すようにしても良い。つまり、TMCC信号について、伝送システムに応じた様々な拡散方法・誤り訂正符号のバリエーションとすることができ、さらに、各機能ブロックの順序・一部の機能ブロックの省略・ビットインターリーブの挿入、誤り訂正の外符号及び内符号の連接符号化など様々なバリエーションとすることができる。即ち、TMCC信号は、送信側の各機能ブロックに対応する逆処理で復号することができる。
第3実施形態の受信装置30によれば、フレーム単位で位相同期再生を行なうことを基本とするため、PAAのフェーズドアレーの位相設定変更があったとしても、フレーム末尾の位相制御用信号期間における振幅0のシンボル期間においてのみPAA制御による位相回転が生じ、その位相回転はフレーム先頭のフレーム同期信号で回復されることを把握することができるため、効率よく、受信信号の同期外れを防止し、PAA制御に起因する信号誤りを抑止させることが可能となる。更に、第3実施形態の受信装置30によれば、PAA制御を行なわない期間における受信の安定度を増すように構成することも可能になる。
各実施形態の受信装置30について総括するに、受信装置30に入力される各実施例の伝送信号は、フレーム同期信号を先頭とし位相制御用信号を終端とするフレームを単位に、位相同期とフレーム同期が完結している。したがって、フレーム単位で位相同期とフレーム同期を取ることが基本となる。しかし、さらに同期性能を良くするために、各実施形態の受信装置30では、以下の点を考慮してリセット型同期再生部を構成するのが好適である。
受信装置30は、フレーム同期については、位相制御を行なったとしてもフレーム同期が乱れる程のタイミングの変化は生じないことから、フレーム周期性を利用して、フレーム同期信号のシンボルの一致をみて、前方保護と後方保護を用いて同期を再生する。
位相同期については、通常は、受信した基準信号(フレーム同期信号及び信号形式によっては位相基準バースト信号)とその参照信号(理想信号)の位相誤差、及び、受信したデータシンボルとその判定値(疑似理想信号)の位相誤差、が0に近づく様に、或る時定数をもってフィードバック制御する(ある係数をもって積分する)。そして、フレーム同期信号の先頭では、位相誤差をリセットする(前記位相誤差を強制的に0にする)。このとき、フィードバックの時定数を小さくすれば(積分係数を大きくすれば)、同期追従性能が良くなるが、ノイズ性能(所要C/N性能)が悪くなる。この時定数を大きくすれば(積分係数を小さくすれば)、ノイズ性能(所要C/N性能)は良くなるが、同期追従性能が悪くなる。そこで、時定数を適切に選定することが重要であるが、フレーム同期信号の最初の1〜2シンボルで急速に収束させ(時定数を小さくし)、後は所要C/Nが十分理想特性に近づく程度に時定数を長くする非線形特性とすることもできる。
前述したように、TMCC信号などの伝送制御信号を用いてPAA制御を行なう時期を衛星搭載中継器20や受信装置30に対して明確に指定することができる。一方で、位相制御用信号における振幅0のシンボル期間と振幅非0のシンボル期間の組み合わせで、PAA制御を行なう時期を示す「タイミング制御信号」の機能を行なうこともできる。
このタイミング制御信号に係る振幅0のシンボル期間と振幅非0のシンボル期間の組み合わせでは誤り保護をかけるのが好適であり、ここでは2つの方法を説明する。第1の方法は、TMCC信号と同様にフレーム内で誤り保護をかける方法である。この方法によれば、PAA制御期間をフレーム単位で指定することができる。一方で、フレーム単位で制御しようとするには、衛星搭載中継器20や受信装置30に対するPAA制御期間の検出精度もフレーム単位で指定する必要があり、衛星搭載中継器20に対しても受信装置30程度の複雑な復号処理を要求することになる。第2の方法は、時間方向に積分処理又は多数決判定処理とすることによって誤り保護をかける方法である。この場合、タイミング制御信号のフレーム単位の精度は望めないことから、タイミング制御信号に関して複数フレームのウインドウを設定し、このウインドウの中で実際のPAA制御を行なうように指定する。したがって、フレーム単位での制御はできない代わりに、衛星搭載中継器20や受信装置30の処理負担が少なくなり、それゆえ信頼性も高くすることができる。
上記の実施形態では特定の例について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明はフェーズドアレーアンテナ(PAA)を用いる衛星伝送系のものとして説明したが、同様の構成を持つものであれば衛星伝送系に限らず、地上伝送系その他であっても良い。また、本発明に係る送信装置10は、フェーズドアレーアンテナ(PAA)における各アレー放射素子の振幅や位相の制御を行うためのコマンドを送信する地上設備40に設置することもできるし、当該地上設備40とは別の設備に設置することもできる。また、リセット型同期再生部317,318,320及びPAA制御期間検出部319は、それぞれ復調部312からの出力を受信信号として入力して動作するように説明したが、受信部311からの出力を受信信号として入力して動作するように構成することができる。また、上記の実施形態では、衛星伝送方式として本発明に係る部分のみを主に説明したが、非特許文献1や非特許文献2に示されるように、誤り訂正符号は外符号と内符号の連接符号で構成することもできるし、ビットインターリーブを設けてもよいことは勿論である。また、上記の実施形態では、尤度判定や誤り訂正符号の具体的な処理に関して、非特許文献1や非特許文献2に示されるものを利用するとして説明したが、これらの処理の主旨に逸脱しない限り他の任意の態様で構成することができる。
本発明によれば、放送衛星のPAA制御、即ちPAAで放射パターン制御を行なった時など受信信号の位相が急回転することを考慮して、受信信号の同期外れを防止し、PAA制御に起因する信号誤りを抑止させることが可能となるので、PAAを搭載した衛星で中継伝送を行う伝送システムの用途に最も有用である。
10 送信装置
20 衛星搭載中継器
30 受信装置
40 地上設備
111 誤り訂正符号化部
112 電力拡散部
113 変調マッピング部
114 時分割多重・直交変調部
115 送信部
116 位相制御用信号挿入制御部
211 コマンド受信部
212 コマンドデコーダ
213 切換タイミングレジスタ
214 一時レジスタ
215 移相器レジスタ
216 アップリンク受信部
217 周波数変換器
218 分配器
219 移相器
220 電力増幅器
221 切換タイミング検出器
311 受信部
312 復調部
313 尤度判定部
314 電力逆拡散部
315 誤り訂正復号部
316 同期再生部
317,318,320 リセット型同期再生部
319 PAA制御期間検出部
321 PAA制御期間判定部

Claims (12)

  1. 位相制御を行なう衛星搭載中継器を介して伝送信号を送信する送信装置であって、
    フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームを構成し、所定の変調を施して伝送信号を生成する変調手段と、
    前記位相制御用信号として、振幅0のシンボル群を当該フレーム内に挿入する位相制御用信号挿入制御手段と、
    前記伝送信号を送信する送信手段と、
    を備えることを特徴とする送信装置。
  2. 位相制御を行なう衛星搭載中継器を介して伝送信号を送信する送信装置であって、
    フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームを構成し、所定の変調を施して伝送信号を生成する変調手段と、
    前記位相制御用信号として、前記位相制御の実施期間においては振幅0のシンボル群を、前記位相制御の非実施期間においては振幅非0のシンボル群を当該フレーム内に挿入する位相制御用信号挿入制御手段と、
    前記伝送信号を送信する送信手段と、
    を備えることを特徴とする送信装置。
  3. 前記変調手段は、当該位相制御の実施期間を指定する伝送制御信号を多重する手段を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の送信装置。
  4. 前記位相制御用信号挿入制御手段は、前記データ信号を用いて前記振幅非0のシンボル群を生成する手段を備えることを特徴とする、請求項2に記載の送信装置。
  5. 所定の伝送信号を中継する位相制御を行なう衛星搭載中継器であって、
    前記所定の伝送信号は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームが構成され、前記位相制御用信号として、振幅0のシンボル群が挿入された伝送信号形式からなり、
    地上設備からのコマンドを受信するコマンド受信手段と、
    前記所定の伝送信号を受信するアップリンク受信手段と、
    前記コマンドに応じて、前記振幅0のシンボル期間内で前記位相制御を行ない、前記所定の伝送信号を中継伝送する位相制御手段と、
    を備えることを特徴とする衛星搭載中継器。
  6. 所定の伝送信号を中継する位相制御を行なう衛星搭載中継器であって、
    前記所定の伝送信号は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームが構成され、前記位相制御用信号として、前記位相制御の実施期間においては振幅0のシンボル群が、前記位相制御の非実施期間においては振幅非0のシンボル群が、挿入された伝送信号形式からなり、
    地上設備からのコマンドを受信するコマンド受信手段と、
    前記所定の伝送信号を受信するアップリンク受信手段と、
    前記コマンドに応じて、前記振幅0のシンボル期間のみを前記位相制御の実施期間として検出する手段と、
    当該検出した位相制御の実施期間内で、前記位相制御を行ない、前記所定の伝送信号を中継伝送する位相制御手段と、
    を備えることを特徴とする衛星搭載中継器。
  7. 前記所定の伝送信号には、前記位相制御の実施期間を指定する伝送制御信号が多重されており、
    前記位相制御手段は、
    前記伝送制御信号を復号し前記位相制御の実施期間を判別する手段と、
    当該判別した位相制御の実施期間内で前記位相制御を行う手段と、
    を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の衛星搭載中継器。
  8. 前記位相制御手段は、
    前記伝送制御信号の位相制御用信号のシンボル群の振幅を判別する手段と、
    振幅0のシンボル群と判別された場合に前記位相制御を行う手段と、
    を備えることを特徴とする、請求項6に記載の衛星搭載中継器。
  9. 位相制御を行なう衛星搭載中継器を介して所定の伝送信号を受信する受信装置であって、
    前記所定の伝送信号は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームが構成され、前記位相制御用信号として、振幅0のシンボル群が挿入された伝送信号形式からなり、
    前記所定の伝送信号を受信して前記フレーム同期信号によりフレーム同期再生及び位相同期再生を行なうにあたり、位相同期再生に関しては前記フレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし前記フレーム同期信号を先頭にしたフレーム単位で位相同期再生を行ない、フレーム同期再生に関してはフレーム同期信号のフレーム周期性を用いてフレーム同期再生を行なう同期再生手段と、
    前記フレーム同期再生及び位相同期再生に基づいて、前記所定の伝送信号の復調及び復号を行う復調・復号手段と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  10. 位相制御を行なう衛星搭載中継器を介して所定の伝送信号を受信する受信装置であって、
    前記所定の伝送信号は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームが構成され、前記位相制御用信号として、振幅0のシンボル群が挿入された伝送信号形式からなり、
    前記所定の伝送信号を受信して前記フレーム同期信号によりフレーム同期再生及び位相同期再生を行なうにあたり、位相同期再生に関しては前記フレーム同期信号を先頭にしたフレーム単位の位相値に応じて位相同期再生を行ない、フレーム同期再生に関してはフレーム同期信号のフレーム周期性を用いてフレーム同期再生を行なう同期再生手段と、
    前記フレーム同期再生及び位相同期再生に基づいて、前記所定の伝送信号の復調及び復号を行う復調・復号手段とを備え、
    前記同期再生手段は、当該フレーム単位の位相値の検出に関して、
    前記フレーム単位の位相同期再生の位相値が隣接するフレームで予め定めた誤差内で一致しているか否かを判別する手段と、
    前記予め定めた誤差内で一致していると判別した際には、当該隣接するフレームに関する位相同期再生の位相値を積分し、積分した位相値を基準位相とする手段と、
    前記予め定めた誤差内で一致していないと判別した際には、前記フレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、フレーム同期信号により得られる位相値を基準位相とする手段と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  11. 位相制御を行なう衛星搭載中継器を介して所定の伝送信号を受信する受信装置であって、
    前記所定の伝送信号は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームが構成され、前記位相制御用信号として、振幅0のシンボル群が挿入された伝送信号形式からなり、更に、前記所定の伝送信号には、前記位相制御の実施期間を指定する伝送制御信号が多重されており、
    前記所定の伝送信号を受信して前記フレーム同期信号によりフレーム同期再生及び位相同期再生を行なうにあたり、位相同期再生に関しては前記位相制御の実施期間に応じて位相同期再生を行ない、フレーム同期再生に関してはフレーム同期信号のフレーム周期性を用いてフレーム同期再生を行なう同期再生手段と、
    前記伝送制御信号の復調及び復号を行ない、位相制御の実施期間を判別する位相制御判別手段と、
    前記フレーム同期再生及び位相同期再生に基づいて、前記所定の伝送信号の復調及び復号を行う復調・復号手段とを備え、
    前記同期再生手段は、当該位相制御の実施期間に応じた位相同期再生に関して、
    当該判別した位相制御の実施期間では、前記フレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、リセットした直後のフレーム同期信号により得られる位相値を基準位相とする手段と、
    当該判別した位相制御の実施期間以外では、フレーム同期信号のフレーム連続性を用いて得られる位相値を基準位相とする手段と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  12. 位相制御を行なう衛星搭載中継器を介して所定の伝送信号を受信する受信装置であって、
    前記所定の伝送信号は、フレーム同期信号を先頭とし、且つ所定の位相制御用信号を末尾として、データ信号を時分割多重したフレームが構成され、前記位相制御用信号として、前記位相制御の実施期間においては振幅0のシンボル群が、前記位相制御の非実施期間においては振幅非0のシンボル群が、挿入された伝送信号形式からなり、
    前記所定の伝送信号を受信して前記フレーム同期信号によりフレーム同期再生及び位相同期再生を行なうにあたり、位相同期再生に関しては前記位相制御の実施期間に応じて位相同期再生を行ない、フレーム同期再生に関してはフレーム同期信号のフレーム周期性を用いてフレーム同期再生を行なう同期再生手段と、
    前記フレーム同期再生及び位相同期再生に基づいて、前記所定の伝送信号の復調及び復号を行う復調・復号手段とを備え、
    前記同期再生手段は、当該位相制御の実施期間に応じた位相同期再生に関して、
    前記所定の伝送信号における一定期間の振幅0のシンボルを基に、前記位相制御の実施期間を検出する手段と、
    当該検出した位相制御の実施期間では、前記フレーム同期信号の先頭で基準位相をリセットし、フレーム同期信号により得られる位相値を基準位相とする手段と、
    当該検出した位相制御の実施期間以外では、フレーム同期信号のフレーム連続性を用いて得られる位相値を基準位相とする手段と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016134744A (ja) * 2015-01-19 2016-07-25 日本放送協会 衛星放送システム、受信機、送信機、受信方法および送信方法
CN106301528A (zh) * 2016-07-19 2017-01-04 中国人民解放军63920部队 一种航天器的协同控制方法及装置

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