JP2014212273A - 太陽光発電モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】受光部として、受光部用ガラス基板と該受光部用ガラス基板の少なくとも片面に形成された被膜とからなる受光部用複合ガラス板であって、前記被膜の可視光線透過率が受光部用ガラス基板のそれより大きく、受光部用複合ガラス板の可視光線透過率が受光部用ガラス基板のそれと同じかそれより大きく、被膜の日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率がともに受光部用ガラス基板のそれより小さく、且つ被膜の熱容量が受光部用ガラス基板のそれより小さいことを特徴とする受光部用複合ガラス板を用いて太陽光発電モジュールを構成し、前記被膜面に冷却流体を接触させて放熱する。
【選択図】なし
Description
すなわち、太陽電池は光電効果により発電させるため、太陽光線を多く吸収させる必要がある。よって、最も効率よく太陽光を受光できるように受光面を調整し、建物の屋上や壁面あるいは地上に直接または架台を設けて設置される。その結果、太陽光発電モジュールは、直達の太陽光を多く取得し、さらに反射された太陽光や再放射された赤外線も取得することとなり、その表面温度は50℃以上に達することがある。
本発明者らは、前記受光部ガラスの片面に特定の物性を有する皮膜を形成することにより、受光部及び/又は背面部から外気への放熱が促進され、太陽光発電モジュールの発電効率が格段に向上することを見いだし、本発明を完成した。
(1)受光部が、受光部用ガラス基板と該受光部用ガラス基板の少なくとも片面に形成された被膜とからなる受光部用複合ガラス板であって、前記被膜の可視光線透過率が受光部用ガラス基板のそれより大きく、受光部用複合ガラス板の可視光線透過率が受光部用ガラス基板のそれと同じかそれより大きく、被膜の日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率がともに受光部用ガラス基板のそれより小さく、且つ被膜の熱容量が受光部用ガラス基板のそれより小さいことを特徴とする受光部用複合ガラス板からなる、太陽光発電モジュール。
背面板(バックシート)が背面基板と該背面基板の少なくとも片面に形成された被膜とからなる複合板であって、前記被膜の日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率がともに背面基板のそれより小さく、且つ被膜の熱容量が背面基板のそれより小さいことを特徴とする背面板からなる、太陽光発電モジュール。
R=[(n1−n2)/(n2+n1)]2
また、基板に反射防止層を設けた場合、反射光の強度は基本的には、上記フレネルの式を各境界面に適用し、光の干渉効果を考慮すると主に以下の2つの条件によって求められる。
2:振幅条件;n2=(n1・n3)1/2
(n1:空気の屈折率、n2:被膜の屈折率、n3:基板の屈折率、d:膜厚(nm)、λ:入射光の波長(nm))
太陽光発電モジュールは通常、複数の太陽電池素子を平面的に並べてインターコネクタにより電気的に接続して封止材中に埋設し、その太陽光入射側(受光部)に透明ガラス(カバーガラス)を配置し、背面側にプラスチックスフィルム等からなる背面板(バックシート)を配置してパネル状に一体化されている(片面受光型太陽光発電モジュール)。また、背面側もバックシートではなく透明ガラスを配置し、両面で受光できるようにしたものもある(両面受光型太陽光発電モジュール)。本発明の太陽光発電モジュールはいずれであってもよい。
本発明の受光部は、受光部用ガラス基板の少なくとも片面に特定の被膜を設けた受光部用複合ガラス板からなる。
本発明の受光部に用いられるガラスの種類には特に制限はなく、ソーダガラス、サファイヤガラス、水晶ガラスなどで太陽光線を吸収して温度が上昇しうる性質を有するものであれば、いずれも本発明の効果を十分発揮することができる。
本発明で受光部用ガラス基板の少なくとも片面に形成される被膜は、その可視光線透過率が該受光部用ガラス基板のそれより大きく、受光部用複合ガラス板の可視光線透過率が受光部用ガラス基板のそれと同じかそれより大きく、被膜の日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率がともに受光部用ガラス基板のそれより小さく、且つ被膜の熱容量が受光部用ガラス基板のそれより小さいものである。この条件を満たす限り、被膜の素材、厚み、受光部用ガラス基板上への形成方法は特に制限されない。好ましい被膜の素材、厚み、受光部用ガラス基板上への形成方法は後述する。
本発明の背面板(バックシート)は、背面基板の少なくとも片面に特定の被膜を設けた複合背面板からなる。
本発明の背面基板の種類には、特に制限はなく、各種プラスチックスならびに金属およびその合金などを用いることができる。赤外線を吸収して温度が上昇しうる性質を有するものであれば、いずれも本発明の効果を十分発揮することができる。
本発明で背面基板の少なくとも片面に形成される被膜は、日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率がともに放熱基板のそれより小さく、且つ熱容量が放熱基板より小さいものである。この条件を満たす限り、被膜の素材、厚み、背面基板上への形成方法は特に制限されない。好ましい被膜の素材、厚み、背面基板上への形成方法は後述する。
上述したように、本発明は、次のような知見に基づくものである。すなわち、受光部および背面板からの放熱性を促進させて素子温度を低減し、それによって発電効率を向上させるものである。
通常、金属のような物体は、放射熱の一部を吸収して、他をすべて反射するので吸収率α、反射率ρの間に次の関係式「α+ρ=1」が成り立ち、可視光線、赤外線帯域において透過しないことが分かる。しかし、ガラスやプラスチックスなどの物体は、放射熱を一部吸収し、一部反射し、一部透過する灰色体である。このような灰色体の場合は、吸収率α、反射率ρ及び透過率τの間に次の関係式「α+ρ+τ=1」が成り立ち、可視光線、赤外線帯域において透過することが分かる。
(数1)
Q=σ・ε・(T/100)4
(数2)
Q2=σ×f(ε)×[(Tr/100)4−(T0/100)4]
なお、キルヒホッフの法則によると、熱の吸収率と放射率とは等しいので、放射熱吸収率の大きい物質を選択すれば、その物体から放射される熱量は大きくなる。
次に、対流熱伝達について述べる。
物体に冷却流体を接触させて冷却を行う場合は、通常、冷却効果を大きくさせるために、冷却流体の流速を上げている。すなわち、流体の熱輸送能力を大きくさせて冷却効果を大きくさせている。
空気による冷却効果を高めるために基板に送風することは、基板周辺の高温となった空気を除去し、低温の空気を接触させて放熱させることであるが、これは、基板に接する空気の風量を増加させることでもある。つまり、送風することは、空気の熱容量を大きくさせることと同じといえる。
(数3)
q=λ/L(T1−T2)=α(T2−T0)
上式から明らかなように、同じ条件の流体中に置かれた物体の熱伝達は、熱伝導率が大きく、厚さが薄いほど外気中に放熱される量が多くなる。
(数4)
q=C・ΔT/Δh+W(T1−T0)/Δh
熱容量は、C(熱容量:kcal/℃)=Q(熱量:kcal)/ΔT(温度差:℃)と定義される。そして、ΔT=q/Cの関係式で表される。
(数5)
Te(平衡温度)=(C1・T1+C2・T2)/C1+C2
次に、空気に対し基板の熱容量を小さくさせる方法を考える。つまり、基板の表面に薄膜を形成させたときの熱の流れについて考える。
第一に、冷却流体としての空気と薄膜についてマクロ的に考えると、薄膜の熱容量は空気の熱容量に対して圧倒的に小さいため薄膜の温度は空気の温度に近い温度で熱力学的に平衡になる。
前記で示したように、熱容量を含む系の熱平衡は、「q=C・ΔT/Δh+W(T1−T0)/Δh」の式で表され、そのときの平衡温度は、熱容量の大きい物質の温度に近くなる。
(数6)
q=λ/L(T1−T2)
また、固体に付着している空気層を無視して考えると、結果として、対流熱伝達の式「q=α(T2−T0)で表される対流熱伝達率αが大きくなったと同じことになる。
これらの考えから、基板の表面に熱容量が小さくなるように被膜を形成し、その被膜を空気に接触させることにより相対的に空気の熱容量を大きくさせ、放熱効果の向上を図り発電効率を向上させることができた。
また、ガラスの表面に、放射熱吸収率が小さい物質で被膜を形成させると、放射率は非常に小さくなり放射による放熱は低減するので、放熱性の向上には放射熱吸収率の大きい物質が一見望ましいように思われる。しかし、ファンを用いて送風させながら冷却を行うと、放射による冷却効果は、対流熱伝達による冷却効果に比較してほとんど無視できるほど小さいものとなる。したがって、ファンを用いて送風させながら冷却を行う場合、たとえ放射率の大きい被膜例えば真っ黒な被膜を形成させても、放熱性の向上にはほとんど貢献しない。逆に、放射率の大きい物質すなわち可視光線帯域と赤外線帯域の吸収、反射が大きい物質は、可視光線帯域と赤外線帯域の透過が小さい物質であるから、ガラス本来の透明度や透過性が劣るものとなる。
本発明の太陽光発電モジュールのガラス構造体(受光部用複合ガラス板)は、受光部用ガラス基板本来の可視光線帯域の透明度や透過性を損なわずに受光部用ガラス基板からの放熱性を向上させ発電効率を向上させたものである。
次に、ここでいう被膜の可視光線透過率、日射熱吸収率、常温熱放射の波長域における吸収率の測定方法を示す。
常温熱放射の波長域における吸収率の測定方法は、JIS−R−3106の板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率における測定に準拠して、まず一般の化学分析用の赤外分光光度計を用い、アルミニウム板の上に被膜を形成してJIS−R−3106の標準反射率の値を用いて反射率を測定し、次いで灰色体の吸収率αと反射率ρと透過率τの間に成り立つ関係式「α+ρ+τ=1」に基づき、吸収率αを、「吸収率α=1−(反射率ρ+透過率τ)」により求めた。
次に、熱容量は、C(熱容量:cal/℃)=V(体積:cm3)×D(密度:g/cm3)×C(比熱:cal/g・℃)の式で表される。そして、V(体積:cm3)×D(密度:g/cm3)=W(全重量:g)であるから、被膜の全重量と比熱とから熱容量を求めた。ここで、被膜の全重量は、溶剤を用いて規定の濃度に薄めた液剤を重量測定済のガラスに流し塗りの方法で塗布し乾燥後の重量を測定してその差を求めガラスに付着した重量を求めた。また、比熱:(cal/g・℃)は、各材料に固有のもので、その数値は、温度により変化するが、本発明においては、常温で通常の比熱測定装置を用いて得た測定値を使用した。
(1)受光部用ガラス基板の少なくとも片面に形成する被膜
本発明において受光部用ガラス基板の少なくとも片面に形成する被膜の材質は、上述した可視光線透過率、日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率並びに熱容量が本発明の条件を満たすものであれば特に制限はないが、一般的に、有機系のフッ素樹脂やシリコーン樹脂、シリコーンオイル、フッ素シリコーン樹脂等は屈折率が小さく、可視光帯域や常温熱放射における波長域の透過率が大きく、吸収率の小さい物質であるから、受光部用ガラス基板に形成させる被膜の材料物質として好適と考えられる。
物理的な方法(ドライタイプ)としては、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティングなど慣用されている方法が挙げられる。
本発明において背面基板の少なくとも片面に形成する被膜の材質は、上述した可視光線透過率、日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率並びに熱容量が本発明の条件を満たすものであれば特に制限はないが、一般的に、有機系のフッ素樹脂やシリコーン樹脂、シリコーンオイル、フッ素シリコーン樹脂は屈折率が小さく、可視光帯域や常温熱放射における波長域の透過率が大きく、吸収率の小さい物質であるから、背面基板に形成させる被膜の材料物質として好適と考えられる。
所望の可視光線透過率、日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率並びに熱容量を有する被膜を得る方法は特に制限されないが、被膜の厚みを上記範囲に調整するほか、屈折率の小さい物質を溶解させた被膜形成用の溶液に着色剤及び近赤外線吸収剤を適宜混合して可視光線透過率、日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率並びに熱容量を調整することができる。
0.2w%のケイ酸ソーダ溶液(富士化学株式会社製;3号ケイ酸ソーダ)を作成し、酢酸を用いてpHを6.8〜7.3に調整した。そして、市販の着色剤(三木染料株式会社製、「メチレンブルーBH」0.1%溶液)および近赤外線吸収剤(日本化薬株式会社製;商品名「KP Deeper NR Paste」1.0%溶液)を適宜混合して可視光線透過率、日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における吸収率の異なる溶液(試料1〜5)を調整した。試料1〜5における着色剤と近赤外線吸収剤の混合量は以下の通りである。
試料2;着色剤0.3mg/近赤外線吸収剤0.2mg
試料3;着色剤0.5mg/近赤外線吸収剤0.3mg
試料4;着色剤0.8mg/近赤外線吸収剤0.5mg
試料5;着色剤1.0mg/近赤外線吸収剤0.9mg
1m×1.5mの多結晶型シリコン太陽光発電モジュール(モジュールテスター;(株)デンケン製)を6台用意し、5台に前記の実施例1で用いた試料1,2,3,4,5を、厚みが0.5mmのガラス受光面の外気側にコーティングして被膜を形成し(厚みはすべて同じで0.11μm)、1台はコーティングしなかった。測定は、日射の直接反射がない6階建てのビルの屋上に受光面を水平にして高さ15cmの架台に配置し、JIS C 8919の結晶系太陽電池セル・モジュール屋外出力測定方法により測定した。測定器は太陽電池ストリングチェッカ(IVH−500Z);新栄電子計測器株式会社製を用いて行った。
コーティング後の被膜の厚さが異なるように濃度の異なるケイ酸ソーダ溶液(0.2w%、1.0w%、3.0w%、4.0w%、6.0w%、8.0w%)を作成し、その溶液を実施例1と同じ流し塗りの方法で縦33mm、横30mm、厚さ0.5mmの同一のガラス板の上に塗布し、被膜の厚み及びガラス板に対する熱容量の割合が異なる被膜(試料1〜6)を形成した。ガラス基板に対する被膜の熱容量の割合を、{X2(被膜の熱容量)/X1(ガラスの熱容量)×100(%)}として求めた。各試料の被膜の厚みと熱容量は、以下の通りである。
試料2;被膜の厚み5.0μm/熱容量の割合1.05%
試料3;被膜の厚み10.3μm/熱容量の割合2.17%
試料4;被膜の厚み30.9μm/熱容量の割合6.49%
試料5;被膜の厚み51.4μm/熱容量の割合10.79%
試料6;被膜の厚み60.8μm/熱容量の割合12.76%
なお、被膜の可視光線透過率、日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における吸収率は、実施例1と同じく理論値を用い、熱容量は前記の方法で測定した。この結果を表2に示す。
1m×1.5mの多結晶型シリコン太陽光発電モジュール(モジュールテスター;(株)デンケン製)を7台用意し、6台に前記の実施例2で用いた試料1,2,3,4,5,6を、厚みが0.5mmの受光面ガラスの外気側表面にコーティングし、1台はコーティングしなかった。測定は、日射の直接反射がない6階建てのビルの屋上に受光面を水平にして高さ15cmの架台に配置し、JIS C 8919の結晶系太陽電池セル・モジュール屋外出力測定方法により測定した。測定器は太陽電池ストリングチェッカ(IVH−500Z);新栄電子計測器株式会社製を用いて行った。
50cm×50cm×6mmの透明ガラス6枚を用意し,その内の5枚にイオンプレーティング装置(東邦化研(株))を用いて、SiO2を、厚みがそれぞれ50nm、100nm、200nm、400nm、600nmとなるようにコーティングさせた。
次に、被覆したガラス板及び被覆していないガラス板を垂直に立てて、20℃に設定された室内に置き、500W1個・100W4個−赤外線ランプをガラス板から150cm離れた位置に、ガラスと同じ高さにして平行に配置した。そして、被覆したガラス板及び被覆していないガラス板に均等に光線が照射されるように調整して配置した。
なお、被膜の可視光線透過率、日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における吸収率は、実施例1と同じく理論値を用い熱容量は前記の方法で測定した。
試料2;被膜の厚み100nm/熱容量の割合0.002%
試料3;被膜の厚み200nm/熱容量の割合0.003%
試料4;被膜の厚み400nm/熱容量の割合0.007%
試料5;被膜の厚み600nm/熱容量の割合0.01%
1m×1.5mの多結晶型シリコン太陽光発電モジュール(モジュールテスター;(株)デンケン製)を6台用意し、そのうちの5台にイオンプレーティング装置(東邦化研(株))を用いて前記実施例5と同様に、厚みが0.5mmの受光面ガラスの外気側表面に、SiO2を、それぞれ厚みが50nm、100nm、200nm、400nm、600nmとなるようにコーティングさせた。1台はコーティングさせずガラス単体とした。
試料2;被膜の厚み100nm/熱容量の割合0.002%
試料3;被膜の厚み200nm/熱容量の割合0.003%
試料4;被膜の厚み400nm/熱容量の割合0.007%
試料5;被膜の厚み600nm/熱容量の割合0.01%
縦33mm、横30mm、厚さ1.0mmのPETフィルムとEVAフィルムを貼りあわせたシートを6枚用意して片面にライトグレーの塗料(関西ペイント製・エスコNBマイルドH)を塗り不透明にし、このものをバックシートとした。なお、以下の実施例で用いたバックシートはすべてライトグレーの塗料(関西ペイント製・エスコNBマイルドH)を塗装したものである。
実施例7と同じ厚さ1.0mmのPETフィルムとEVAフィルムを貼りあわせたバックシートに、実施例3で用いた溶液を、実施例3と同じ方法で厚みを変えて被膜の熱容量が異なるように塗布した。バックシートに対する被膜の熱容量の割合を、{X2(被膜の熱容量)/X1(バックシートの熱容量)×100(%)}として求めた。各資料の被膜の厚みと熱容量は、以下の通りである。
試料2;被膜の厚み5.0μm/熱容量の割合0.75%
試料3;被膜の厚み10.3μm/熱容量の割合1.56%
試料4;被膜の厚み30.9μm/熱容量の割合4.67%
試料5;被膜の厚み51.4μm/熱容量の割合7.76%
試料6;被膜の厚み60.8μm/熱容量の割合9.18%
1m×1.5mの多結晶型シリコン太陽光発電モジュール(モジュールテスター;(株)デンケン製)を6台用意し、5台に前記の実施例1で用いた試料1,2,3,4,5を、厚さ1.0mmのPETフィルムとEVAフィルムを貼りあわせたバックシートの外気側表面にコーティングし(厚みはすべて同じで0.11μm)、1台はコーティングしなかった。
1m×1.5mの多結晶型シリコン太陽光発電モジュール(モジュールテスター;(株)デンケン製)を7台用意し、6台に前記実施例3で用いた試料1,2,3,4,5,6を、厚さ1.0mmのPETフィルムとEVAフィルムを貼りあわせたバックシートの外気側表面にコーティングし、1台はコーティングしなかった。測定は、日射の直接反射がない6階建てのビルの屋上に受光面を水平にして高さ15cmの架台に配置し、JIS C 8919の結晶系太陽電池セル・モジュール屋外出力測定方法により測定した。測定器は太陽電池ストリングチェッカ(IVH−500Z);新栄電子計測器株式会社製を用いて行った。
1m×1.5mの多結晶型シリコン太陽光発電モジュール(モジュールテスター;(株)デンケン製)を5台用意し、そのうちの2台の受光面ガラスの外気側に、前記実施例1で用いた塗料(試料1)をコーティングし(厚み0.11μm)、試料A−1を2台作成した。別の2台の受光面ガラスの外気側に、前記実施例1で用いた塗料(試料2)をコーティングし(厚み0.11μm)、試料A−2を2台作成した。残りの1台はコーティングしなかった。
・試料A−1と試料B−1
・試料A−1と試料B−5
・試料A−2と試料B−1
・試料A−2と試料B−5
Claims (12)
- 受光部が、受光部用ガラス基板と該受光部用ガラス基板の少なくとも片面に形成された被膜とからなる受光部用複合ガラス板であって、前記被膜の可視光線透過率が受光部用ガラス基板のそれより大きく、受光部用複合ガラス板の可視光線透過率が受光部用ガラス基板のそれと同じかそれより大きく、被膜の日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率がともに受光部用ガラス基板のそれより小さく、且つ被膜の熱容量が受光部用ガラス基板のそれより小さいことを特徴とする受光部用複合ガラス板からなる、太陽光発電モジュール。
- 背面板(バックシート)が、背面基板と該背面基板の少なくとも片面に形成された被膜とからなる複合背面板であって、前記被膜の日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率がともに背面基板のそれより小さく、且つ被膜の熱容量が背面基板のそれより小さいことを特徴とする複合背面板からなる、太陽光発電モジュール。
- 受光部が、受光部用ガラス基板と該受光部用ガラス基板の少なくとも片面に形成された被膜とからなる受光部用複合ガラス板であって、前記被膜の可視光線透過率が受光部用ガラス基板のそれより大きく、受光部用複合ガラス板の可視光線透過率が受光部用ガラス基板のそれと同じかそれより大きく、被膜の日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率がともに受光部用ガラス基板のそれより小さく、且つ被膜の熱容量が受光部用ガラス基板のそれより小さいことを特徴とする受光部用複合ガラス板からなり、
背面板(バックシート)が背面基板と該背面基板の少なくとも片面に形成された被膜とからなる複合板であって、前記被膜の日射熱吸収率及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率がともに背面基板のそれより小さく、且つ被膜の熱容量が背面基板のそれより小さいことを特徴とする背面板からなる、太陽光発電モジュール。 - 前記受光部用ガラス基板の少なくとも片面に形成された被膜の可視光線透過率が98%以上、日射熱吸収率が0.01〜4.9%、及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率が0.26〜6.9%であって、前記受光部用複合ガラス板の可視光線透過率が受光部用ガラス基板のそれと同じかそれより大きく、且つ該被膜の熱容量が受光部用ガラス基板のそれに対し0.023〜6.49%であることを特徴とする、請求項1又は3記載の太陽光発電モジュール。
- 前記背面基板の少なくとも片面に形成された被膜の日射熱吸収率が0.03〜11.5%、及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率が0.26〜15.2%であって、且つ該被膜の熱容量が背面基板のそれに対し0.016〜7.76%であることを特徴とする、請求項2又は3記載の太陽光発電モジュール。
- 前記受光部用ガラス基板の少なくとも片面に形成された被膜がSiO2又はシリコン系化合物からなり、厚みが50nm〜5μmであることを特徴とする、請求項1又は3に記載の太陽光発電モジュール。
- 前記背面基板の少なくとも片面に形成された被膜がシリコン系化合物からなり、厚みが0.11〜10.3μmであることを特徴とする、請求項2又は3に記載の太陽光発電モジュール。
- 請求項1記載の太陽光発電モジュールの発電効率を向上させる方法であって、前記受光部用ガラス基板の少なくとも片面に形成された被膜の表面に冷却流体を接触させ、前記受光部用複合ガラス板を放熱する工程を含むことを特徴とする、太陽光発電モジュールの発電効率向上方法。
- 請求項2記載の太陽光発電モジュールの発電効率を向上させる方法であって、前記背面基板の少なくとも片面に形成された被膜の表面に冷却流体を接触させ、前記複合背面板を放熱する工程を含むことを特徴とする、太陽光発電モジュールの発電効率向上方法。
- 請求項3記載の太陽光発電モジュールの発電効率を向上させる方法であって、前記受光部用ガラス基板の少なくとも片面に形成された被膜及び/又は前記背面基板の少なくとも片面に形成された被膜の表面に冷却流体を接触させ、前記受光部用複合ガラス板及び/又は複合背面板を放熱する工程を含むことを特徴とする、太陽光発電モジュールの発電効率向上方法。
- 前記受光部用ガラス基板の少なくとも片面に形成された被膜の可視光線透過率が98%以上、日射熱吸収率が0.01〜4.9%、及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率が0.26〜6.9%であって、前記受光部用複合ガラス板の可視光線透過率が受光部用ガラス基板のそれと同じかそれより大きく、且つ該被膜の熱容量が受光部用ガラス基板のそれに対し0.023〜6.49%であることを特徴とする、請求項8又は10記載の発電効率向上方法。
- 前記背面基板の少なくとも片面に形成された被膜の日射熱吸収率が0.03〜11.5%、及び常温熱放射の波長域における放射熱吸収率が0.26〜15.2%であって、且つ該被膜の熱容量が背面基板のそれに対し0.016〜7.76%であることを特徴とする、請求項9又は10記載の発電効率向上方法。
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