JP2014211402A - 複合セル状態監視装置、複合セル状態監視システムおよび複合セル状態監視方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の蓄電セルを直列接続してなる複合セルの各蓄電セルの状態を高精度かつ同期計測し、耐破壊性に優れた伝送方法で伝送する複合セル状態監視装置、複合セル状態監視システムおよび複合セル状態監視方法を提供する。【解決手段】複数の蓄電セル10を直列接続してなる複合セル11に接続され、各セル10の電圧をそれぞれ測定して量子化する電圧測定部14と、セル10に流れる電流を測定して量子化する電流測定部16と、前記電圧および電流の測定値を上位情報処理装置4に送信する通信部15とを備え、この通信部15は各測定値を同期タイミング信号S1と同期してトークンフレーム単位で同時一括に取り込み、量子化した測定値をトークン信号Stと同期して時分割多重方式にてフレーム単位で順次送信するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、複合セル状態監視装置、複合セル状態監視システムおよび複合セル状態監視方法に関するものであり、より詳細には、二次電池などかならなる複合セルの電圧、電流、温度など、各アナログ値を高精度かつ同期をもって計測し、耐破壊性に優れた伝送方法で制御部へ伝送する複合セル状態監視装置、複合セル状態監視システムおよび複合セル状態監視方法に関するものである。
従来より、二次電池は種々の機器に用いられており、その充放電を管理する制御回路などが考えられている。とりわけ、近年には電気自動車などの高電圧の直流電源を必要とする機器があるため、複数の電池セルを直列に接続してなる組電池が多くの機器に組み込まれるようになっている。
また、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車のような組電池を必要とするシステムでは、直列接続された1個のセルの故障が全体のシステムダウンにつながる為、すべてのセルの状態を即座に判断し、異常のあるセルをバイパス回路に切り替える必要があるため、より高精度で迅速なセルの監視が必要である。
一方では、二次電池の高容量化が進んでおり、とりわけ、リチウムイオン電池の重量エネルギー密度は155Wh/kg(ニッカド電池の約3倍、ニッケル水素電池の約2倍)である。さらに、リチウムイオン電池にはメモリ効果が無く、サイクル寿命が長く、急速充電が可能で、保存特性が良いという有用な特徴を有することで知られており、それゆえに期待されている二次電池である。しかしながら、リチウムイオン電池の能力を十分に活用するためには充放電の電力監視が重要であり、これを誤ると発熱や発煙の危険性があるという問題もあった。
図9,10は何れも定格容量2000mAhのリチウムイオン電池セルの放電特性を表わす図であり、図9は放電電流の大きさに対するセルの端子電圧の変動を示す放電電流特性、図10は放電時のセルの温度に対する端子電圧の変動を示す放電温度特性を表わしている。また、図9に示す曲線C01〜C04はそれぞれ0.4A、1A、2A、4Aの一定の放電電流を流したときの端子電圧を測定したカーブであり、図10に示す曲線C11〜C15はそれぞれ60℃、45℃、20℃、0℃、−20℃の温度環境での放電電流容量と端子電圧を測定した結果を示すカーブである。これらの曲線C01〜C04、C11〜C15に示されるようにリチウムイオン電池は放電時における電圧降下が非常に小さく、電圧による充電状態の確認を行なうためには精度の高い測定を行なうことが必要となる。
また、前記曲線C01〜C04に示されるように、セルの端子電圧は放電電流の大きさによって170mV程度変動し、4Aの放電電流を流すと定格の1/8程度(250mAh)の容量の放電を行なった時点で既に3.6V以下となり、これは0.4Aの放電電流を流したときに全容量を放電しきる直前の電圧とほぼ同じとなる。加えて、セルの温度が低いときにも端子電圧が大いに低下することが分かる。
従って、インバータなどの電圧調整回路を用いる場合、スイッチング素子によって電流のオン/オフが高速に切り替えられることにより電圧調整を行なうものであるから、セルの放電電圧にインバータのキャリアによる電圧変動(電圧リプル)が大きく現われることがあった。加えて、車両には大電流を消費する負荷が多くあるため、セルの電圧変動が大きくなることが多く、時間的にずれたタイミングで測定した電圧と電流の測定値では正確な判断をおこなうことができなかった。
さらに、組電池では高電圧を得るために複数の電池セルを直列接続するので、高い電位差のある状態で各セルの端子電圧を正確に測定し、各セルの充電状態を正確に制御する必要があるが、これは極めて困難であった。また、複数のセルを直列接続すると個々のセルの個体差による充電容量の違いが問題となり、最も充電容量の小さいセルに合わせて充放電を行なわざるを得ないため、セルの能力を十分に発揮できないという問題もあった。
特許文献1は、組電池の監視を行なうためにスイッチ素子によって各セルに順次接続されるコンデンサを介して各セルの電圧を順次測定する電圧監視装置を提供している。
特開2013−053939号公報
しかしながら、複数のセルの電圧を順次スイッチングによって測定する場合には、電圧を測定するタイミングがそれぞれ異なることになり、電圧調整のためにインバータなどのスイッチング電源を用いた場合に現われる電圧リプルの影響を受けた電圧や、大電流負荷の駆動に伴う瞬間的な電圧降下を測定することになるため、正確なセルの状態が確認できないという問題がある。
そこで、各セルの状態をより正確に検知するために、各セルにそれぞれ電圧測定部を設けて、これらの測定値をCAN(Controller Area Network)、FlexRay(ダイムラー・アーゲー社の登録商標)などの通信規格に準拠したメッセージの送受信を行なう車載LANなどの通信制御ICを用いて上位情報処理装置(ECU)に送信することにより、各セルの状態を上位情報処理装置が正確に確認できるようにすることも考えられる。
しかしながら、従来のワイヤーハーネスは、システムの高度化、多様化に伴って、電線本数が増大し、センサ等のアナログ信号を高精度に伝送するためには、耐ノイズ性を高めるためにシールド線を多用したり、計測タイミングの同期を取るための高度な通信制御を必要としたため、組電池の各セルのそれぞれに通信制御ICを設けて上位情報処理装置との通信を行なうようにすると製造コストが増大するという問題があった。また、従来の通信ICを用いた通信ではコリジョンによる通信遅れが発生するので、測定値の同時性を確保することは極めて困難であった。
つまり、複数セルの電圧検出分解能の向上と検出時間の短縮を両立させることは極めて困難で、更に全セル計測の同期を取ることは、出来ていないという問題点があった。加えて数百ボルトの電位差のある各セルの電圧を測定した測定値の通信も、セル間の電位差による破損が発生しないようにする必要があり、それだけ製造コストの引き上げの原因となる。
本発明は上述の事柄を考慮に入れてなされたものであり、複数の蓄電セルを直列接続してなる複合セルの各蓄電セルの状態を高精度かつ同期計測し、耐破壊性に優れた伝送方法で伝送する複合セル状態監視装置、複合セル状態監視システムおよび複合セル状態監視方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、第1発明は、複数の蓄電セルを直列接続してなる複合セルに接続され、各蓄電セルの電圧をそれぞれ測定して量子化する電圧測定部と、蓄電セルに流れる電流を測定して量子化する電流測定部と、前記電圧および電流の測定値を上位情報処理装置に送信する通信部とを備え、この通信部は各測定値をトークン発呼と同期してトークンフレーム単位で同時一括に取り込み、量子化した測定値を通信クロックと同期して時分割多重方式にてフレーム単位で順次送信するものであることを特徴とする複合セル状態監視装置を提供する。(請求項1)
前記蓄電セルは、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池、または、リチウムイオンキャパシタを含む電気二重層キャパシタなどが考えられ、より詳細なセル状態の監視を行なうことによりその真価を発揮できるリチウムイオン電池やリチウムイオンキャパシタであることが好ましい。すなわち、複合セルとは例えば組電池であるが、コンデンサなどを蓄電セルとして用いる場合にも適用できる。
電圧測定部は蓄電セルの電圧を量子化するためのAD変換器を備えるものであり、とりわけ蓄電セルを完全放電した状態における電圧から満充電状態における電圧までを送信部の通信クロック(トークン発呼)に同期させて取り込み、精度良く測定する物であることが好ましい。各蓄電セルのそれぞれに電圧測定部を設けることにより、蓄電セルの電圧をより正確かつ迅速に測定することができる。
電流測定部は例えば蓄電セルに接続される電源線をクリップするカレントプローブを備え、前記トークン発呼と同時に生じる通信クロックを同期タイミング信号として、これに合わせて取り込んで量子化するものであることが好ましい。電圧と電流を同じタイミングで取り込むことにより、同じ瞬間の蓄電セルの状態を正確に測定することができる。
前記通信部はトークン制御によって時分割制御された自立分散ノードを構成することが好ましく、これによってトークン発呼のサイクルが一定の周期で始まるので、所定の間隔で各ノードからの測定値を上位情報処理装置に送信することができる。したがって、各蓄電セルに対する充放電電流およびこの電流を流した時点における全測定値を同時に取り込んで、トークン発呼時点における瞬時の測定値をもって各蓄電セルの状態をより正確に監視することができる。トークンの周期は1〜数kHzのインバータノイズの周期よりも十分に早く設定することが好ましく、例えば数百kから数MHzの周期で通信を行なうものであることが好ましい。つまり、上位情報処理装置は各蓄電セルの状態を示す測定値をほぼリアルタイムに監視することができる。
通信部がトークンパッシング方式の時分割制御された通信を行なうことにより、コリジョンが発生することがないので、正確かつ早い周期で測定値の更新を行なうことができ、インバータノイズなどによって変動する電圧と電流の変化をつぶさに捕らえることができ、これを用いて蓄電セルの状態を詳細に確認できる。むしろ、電流に現われるリプルの振幅に対する電圧の振幅から各蓄電セルの充電状態をさらに正確に求めることも可能である。
また、通信部は、自律分散ノードを構成するものであることにより、通信線の断線などの故障発生時に残されたノード間で自立的にトークン発呼を行なうことができるので、縮小動作を行なうことができ、それだけ信頼性が向上する。
さらに、通信部はベースバンド通信を行ない、通信線として安価なツイストペア線を用いて電源重畳による通信を行なうものであることが好ましく、電源線に重畳する受信信号を増幅する増幅器と、この増幅器の両電源間に直列接続された2個のコンデンサと、これらのコンデンサの接続点を前記電源線に接続して前記受信信号を両コンデンサ間の基準電圧に対して所定の範囲内に制限するクリッパ回路とを備え、前記増幅器はクリッパ回路によって制限された信号を前記基準電圧と比較して増幅するものであることが好ましい。これによって、受信信号を適正に整形できるので、ノイズが混入したときの受信信号の劣化を抑えることができる。
加えて、通信部は通信線に信号を送信する送信回路と、前記通信線に接続されて通信線から信号を受信する受信回路と、前記通信線に接続されて前記送信回路による信号の送信を行っている時のみ送信回路とコモンとの間に信号減衰素子を接続することにより前記送信回路から送信される信号の出力を抑制する出力抑制回路とを備えるものであることが好ましい。これによって、通信線に送信する信号の強度を他の電装機器に悪影響を及ぼすことがない程度に調整しながら最大限に大きくすることができ、それだけ、外部ノイズの影響を受けない通信を行なうことができる。
前記蓄電セルの温度を測定して量子化する温度測定部を備える場合(請求項2)には、温度変化による蓄電セルの状態変化も考慮することができる。とりわけ、温度が低下するときの起電力低下を考慮に入れることにより、適切な動作確認を行なうことができる。
とりわけ、電流と同期して温度を測定することにより、温度上昇の原因が正常な充放電によるものか、何らかの異常によるものであるかを確かめられるので、蓄電セルの異常を速やかに判断して、異常のある蓄電セルを速やかに切離す必要があるかどうかを正確に判断することが可能である。
前記電圧測定部および電流測定部における量子化はΔΣ変調によって行なわれるものである場合(請求項3)には、温度変化などの劣悪な環境によって変動することが懸念される高精度の規準電圧源との比較を行なう必要がないので、劣悪な環境であってもより正確な電圧計測を行なうことができる。
加えて、ΔΣ変調ではサンプリング周期を高めれば高めるほど測定精度が引き上げられるので、高精度の測定を容易に実現できる。さらに、ΔΣ変調は測定値を所定間隔で定期的に得ることができるので、トークン発呼のサイクルに同期させて所定の間隔で電圧および電流の測定値を取り込むのに適している。
前記通信部は各電圧測定部にそれぞれ設けられ、各通信部はそれぞれ絶縁トランスを介して上位情報処理装置に接続されている場合(請求項4)には、各蓄電セル毎に電圧測定部とその測定値の通信部を備えているので、蓄電セルの電圧測定を上位情報処理装置と絶縁した状態で行なうことができる。
つまり、複数の蓄電セルを組み合わせて高電圧が発生する複合セルであっても、各蓄電セルの電圧を容易かつ安全に測定して絶縁された上位情報処理装置に量子化された測定値を転送することができる。
上位情報処理装置から供給される交流信号を絶縁トランスを介して整流して電源とする電源部を備える場合(請求項5)には、上位情報処理装置側に電力供給を行なうことにより各蓄電セルに対応させて設けた複合セル状態監視装置の電圧測定部やその通信部を駆動するための電力供給を行なうことができる。外部ノイズの影響を受けにくい通信を行なうためにはツイストペア線を通信線として平衡通信を行ない、信号としてできるだけ大きな電流を流すことが好ましいが、この電流を電源としても用いることにより一石二鳥を図ることができる。つまり、計測対象となる蓄電セルからは複合セル状態監視装置を駆動するための電力を得る必要がない。
各蓄電セルと電圧測定部の間に、電圧保持用のコンデンサと、このコンデンサを蓄電セルに接続するセル接続スイッチと、コンデンサを電圧測定部に接続する測定部接続スイッチとからなるセル電圧保持回路を介在させ、電圧測定部は測定部接続スイッチをオフにした状態でセル接続スイッチをオンにしてコンデンサに蓄電セルの電圧による電荷の蓄積を行ない、セル接続スイッチをオフにした状態で測定部接続スイッチをオンにすることにより各蓄電セルの電圧の測定を行なうものである場合(請求項6)には、蓄電セルと電圧測定部の間に電位差がある場合にも蓄電セルの電圧を正確かつ安全に測定することができる。
前記セル接続スイッチはフォトカプラのように絶縁した状態でスイッチングを用いることにより、制御が容易となるが、FETなどの半導体スイッチを用いて製造コストを削減することが好ましい。測定部接続スイッチは電圧測定部の電位に合わせて切り替えられるFETなどの半導体スイッチを用いることが好ましい。
また、複合セルに対して複合セル状態監視装置が別に形成されるものである場合に、複合セルと複合セル状態監視装置を接続する時点で内部回路に高電圧が印加して複合セル状態監視装置が破損する危険性を飛躍的に低減できる。
前記通信部は上位情報処理装置からの充電バイパス命令を受信する受信回路を備え、各蓄電セルは充電電流をバイパスする充電バイパス抵抗およびスイッチ素子からなる充電バイパス回路を備え、前記充電バイパス命令に従って指定された蓄電セルのスイッチ素子をオンにすることにより対応する蓄電セルに対する充電電流をバイパスさせるものである場合(請求項7)には、直列接続された蓄電セルの容量に個体差がある場合にも、満充電になった蓄電セルをバイパスさせて他の蓄電セルに対する充電を継続させることが可能となる。つまり、安全性を確保しながらすべての蓄電セルの能力を十分に生かした最大限の充電を行なうことが可能となる。
なお、充電バイパス回路を構成する充電バイパス抵抗の抵抗値はこれに充電電流が流れることによって発生する電圧降下が蓄電セルの電圧と同程度になるように調整するものであることにより、簡素でありながら蓄電セルに対する充電電流の流入を阻止することができると共にスイッチ素子の切換に伴う充電電圧の変動を抑えることができる。
前記通信部は上位情報処理装置からの放電バイパス命令を受信する受信回路を備え、各セルは放電電流をバイパスするスイッチ素子を備える放電バイパス回路を備え、前記放電バイパス命令に従って指定された蓄電セルのスイッチ素子をオンにすることにより対応する蓄電セルからの放電電流をバイパスさせるものである場合(請求項8)には、直列接続された蓄電セルの容量に個体差がある場合に、放電時に充電電力が枯渇した蓄電セルを放電時にバイパスさせることができるので、過放電を防止しながら、他の蓄電セルの能力を最大限に発揮させることができる。
なお、放電バイパス回路の構成は種々の変形が考えられるが、例えば蓄電セルを放電回路から切離すと共に、切離した放電回路にバイパス流路を接続させるスイッチ素子と、このスイッチ素子の切り換えの瞬間に放電電流が流れる方向を順方向とするようにスイッチ素子に平行に接続させたダイオードとからなることが考えられ、これによって放電電流が枯渇した蓄電セルをバイパスさせると共に無駄な電力消費を抑えることができる。
加えて、放電バイパス回路による放電のバイパスを行なうことにより、異常が発生した蓄電セルを複合セルから切離して動作させることが可能となるので、複合セルの信頼性を高めることができる。
第2発明は、前記複合セル状態監視装置と、その上位情報処理装置と、これらを接続する通信線とからなる複合セル状態監視システムであって、前記上位情報処理装置は前記複合セル状態監視装置の通信部と通信可能に構成された通信部を備え、この通信部によって受信する前記各蓄電セルの電圧および充電電流の測定値を用いて各蓄電セルの充電状態を監視することにより充電能力の限界に達する蓄電セルに対する充電電流をバイパスさせる充電バイパス命令を通信部を介して送信する充電管理プログラムを実行可能に構成された演算処理部を備えることを特徴とする複合セル状態監視システムを提供する。(請求項9)
各蓄電セルの電圧および電流の測定値を充電管理プログラムによって一括監視することにより、複雑な演算処理を上位情報処理装置側の演算処理部によって行なうことができるので、各蓄電セルの充電状態をより綿密に確認して、その充電能力の限界に達する蓄電セルをより正確に確認してこれをバイパスさせることができる。高度な演算処理能力を有する演算処理部は比較的高価であるが、これを上位情報処理装置にまとめて設けることにより、製造コストの引き上げを抑えることができる。
充電能力の限界に達する蓄電セルの判断は、定格電圧に対する電圧の測定値の大きさによる判断と、充電による電圧の上昇が急峻になるポイントによる判断が考えられ、これは同じタイミングで測定した充電電流の大きさに対する電圧の測定値をミリボルトオーダーで満充電状態の判断基準と比較することにより、判断することができる。なお、温度の測定値を得られる場合にはこれを考慮に入れて前記判断基準を調整することが好ましいことはいうまでもない。
また、充電時の昇圧回路によって生じる充電電流のリプルの振幅に対する各蓄電セルの電圧に生じるリプルの振幅も、満充電となる蓄電セルを正確に見分ける要素とすることができる。
第3発明は、前記複合セル状態監視装置と、その上位情報処理装置と、これらを接続する通信線とからなる複合セル状態監視システムであって、前記上位情報処理装置は前記複合セル状態監視装置の通信部と通信可能に構成された通信部を備え、この通信部によって受信する前記各蓄電セルの電圧および放電電流の測定値を用いて各蓄電セルの放電状態を監視することにより放電能力の限界に達する蓄電セルからの放電電流をバイパスさせる放電バイパス命令を通信部を介して送信する放電管理プログラムを実行可能に構成された演算処理部を備えることを特徴とする複合セル状態監視システムを提供する。(請求項10)
各蓄電セルの電圧および電流の測定値を放電管理プログラムによって一括監視することにより、複雑な演算処理を上位情報処理装置側の演算処理部によって行なうことができるので、各蓄電セルの放電状態をより綿密に確認して、その放電能力の限界に達する蓄電セルをより正確に確認してこれをバイパスさせることができる。高度な演算処理能力を有する演算処理部は比較的高価であるが、これを上位情報処理装置にまとめて設けることにより、製造コストの引き上げを抑えることができる。なお、前記充電管理プログラムと放電管理プログラムは同じ演算処理部内で実行されるようにすることが好ましいことはいうまでもない。
放電能力の限界に達する蓄電セルの判断は、定格電圧に対する電圧の測定値の大きさによる判断と、放電による電圧の下降が急峻になるポイントによる判断が考えられ、これは同じタイミングで測定した放電電流の大きさに対する電圧の測定値をミリボルトオーダーで満放電状態の判断基準と比較することにより、判断することができる。なお、温度の測定値を得られる場合にはこれを考慮に入れて前記判断基準を調整することが好ましいことはいうまでもない。
また、放電時のインバータ回路によって生じる充電電流のリプルや高負荷の使用に伴う電圧変動の振幅に対する各蓄電セルの電圧に生じるリプルや電圧変動の振幅も、深放電となる兆候にある蓄電セルを正確に見分ける要素とすることができる。
第4発明は、複数の蓄電セルを直列接続してなる複合セルに接続され、各蓄電セルの電圧および電流をそれぞれ通信部のトークン発呼に同期するタイミングで同時一括測定して量子化し、これらの測定値を通信部の通信クロックと同期させて時分割多重方式にてフレーム単位で順次上位情報処理装置に送信し、前記上位情報処理装置は受信した前記各測定値を用いて各蓄電セルの電圧および電流の瞬時値から、蓄電セルの状態を正確に判定し、蓄電セルに対する充電および/または蓄電セルからの放電をバイパスさせることにより、過充電と深放電を阻止することを特徴とすることを特徴とする複合セル状態監視方法を提供する。(請求項11)
各蓄電セルに流れる電流と、各蓄電セルの電圧の測定値をトークン発呼に同期する同じタイミングで一括測定して通信することにより、各蓄電セルの状態はより正確に確認することができ、それだけ正確に過充電と深放電の状態を見極めることができる。したがって、各蓄電セルの能力を最大限に引出しながら、安全に蓄電セルの管理をおこなうことができる。
前述したように、本発明によれば、複数の蓄電セルを直列接続してなる複合セルにおいて、同期したタイミングで各蓄電セルの電圧および電流を測定し、各測定値をリアルタイムに監視できるので、より綿密な蓄電セルの充放電管理を行なうことができる。
本発明の第1実施形態の複合セル状態監視装置および複合セル状態監視システムの一例を示す図である。 前記複合セル状態監視装置の一部構成を詳細に示す図である。 前記複合セル状態監視装置の別の部分構成を示す図である。 前記電力線搬送通信装置の動作を説明する図である。 第1実施形態に係る複合セル状態監視方法を説明する図である。 第2実施形態の複合セル状態監視装置および複合セル状態監視システムの例を説明する図である。 前記複合セル状態監視装置の一部構成を説明する図である。 第2実施形態に係る複合セル状態監視方法を説明する図である。 リチウムイオン電池の放電電流特性を示す図である。 リチウムイオン電池の放電温度特性を示す図である。
以下、図1〜図5を用いて、本発明の第1実施形態に係る複合セル状態監視装置1、複合セル状態監視システム2を説明する。図1に示すように本発明の複合セル状態監視装置1は、監視対象となるリチウムイオン電池の蓄電セル10(以下、単にセル又は各セルという)を直列に複数接続してなる組電池11に接続され、各セル10の状態を監視するものである。この複合セル状態監視装置1は信号線3を介して上位情報処理装置4に接続されることにより、組電池11の各セル10の状態を上位情報処理装置に詳細に送信するものである。また、本実施形態はハイブリッド車のバッテリとして用いられる組電池11の監視を行なうものであり、この場合の上位情報処理装置4はECUであって、その電源は通常の鉛バッテリBである。
12は各セル10に接続されて満充電になったセル10のバイパスなどを行なって充電バランスを整えるセルバランス回路、13はこのセルバランス回路12を介して各セル10に接続されるセル電圧保持回路、14は各セル10の電圧値を測定して量子化する電圧測定部の一例としてのアナログ・デジタル変換回路、15は変換されたデジタル信号からなる電圧測定値などの信号を順次送信する通信部、16は組電池11に流れる電流を測定して量子化する電流測定部、17は組電池11の温度を測定する温度測定部、18は絶縁トランス19を介して通信線3に接続されることにより、通信線3から電力を各部12〜17に供給する電源部である。
図2は前記セルバランス回路12の一例を示す図であり、一つのセル10の両端に接続されるスイッチ素子12Aおよび充電バイパス抵抗12Bからなり、スイッチ素子12Aは絶縁された状態でスイッチ切換が可能なフォトカプラであり、より詳細には二次側が比較的大電流を流すことができるMOS−FET、サイリスタ、トライアックなどになっているものである。また、充電バイパス抵抗12Bはスイッチ素子12Aに充電電流が流れることによって発生する充電バイパス抵抗12Bおよびスイッチ素子12Aによる電圧降下がセル10の電圧と同程度になるように、その抵抗値が調節されているものである。各セル10に対応するスイッチ素子12Aは前記通信部15によって受信される充電バイパス命令Ccによって開閉制御される。
図3は前記セル電圧保持回路13の一例を示す図であり、各セル10と電圧測定部14の間に介在し、セル10のそれぞれに対応して設けた電圧保持用のコンデンサ13A…と、これらのコンデンサ13Aをセル10に接続するセル接続スイッチ13Bと、コンデンサ13Aを電圧測定部14に接続する測定部接続スイッチ13Cとからなる。また、個々のコンデンサ13A…の両端にそれぞれセル接続スイッチ13B、測定部接続スイッチ13Cを設けており、これらは決して重ならないようにタイミングをずらして与えられる同期タイミング信号S1,S2によって開閉制御されることにより、複数のセル10の電圧が一斉に取り込まれ、特に同期タイミング信号S1がオンとなる瞬間の電圧を正確にサンプリングできる。
前記セル接続スイッチ13Bは例えば絶縁を保った状態でセル10とコンデンサ13Aの接続をオンオフ切り替えられるフォトカプラからなり、測定部接続スイッチ13Cはより安価なFETからなる。
前記アナログ・デジタル変換回路14は前記セル電圧保持回路13によって保持された各セル10の電圧を測定する電圧測定部を有し、かつ、同時にΔΣ変調によるデジタル変換を行なうものである。本実施形態では数MHzの高速変調を行なうことにより、16bit階調の高精度のAD変換を行なうことができる。
通信部15は本出願人が研究開発したトークンパッシング方式を基本とする時分割多重方式による通信を行なう自立分散ノードを構成するものであり、トークン発呼のサイクルが一定の周期T(図4参照)で始まるものである。また、通信部15は通信線3に接続される何れかのノードが自立的に親局となってトークン発呼を始めるように構成されており、万一親局ノードからのトークンが届かなくなった場合は、残されたノードの何れか一つが親局となって縮小動作を始めるものである。
トークン発呼の周期は組電池11に接続されるインバータや負荷による電圧変動の周期よりも十分早いものであり、例えば1〜数kHz程度のインバータノイズがあるのであれば、例えば、数百kから数MHzの周期T(図4参照)で通信を行なうことにより、ほぼリアルタイムの測定値を得ることができるように構成されている。
加えて、通信部は基本的にベースバンド通信を行なうものであり、通信線3としてシールド線よりも安価であるツイストペアケーブルを用いて安定した通信を行なうために、できるだけ大きな電流を平衡通信の通信情報として送受信するものである。また、比較的大きな電流を流すことを利用して、通信する信号から電力を得ることができる。
電流測定部16はセル10に接続される電源線をクリップするカレントプローブ16Aを備え、前記同期タイミング信号S1に合わせて電流値を取り込んでΔΣ変調によって量子化するものである。前記同期タイミング信号S1は前記電圧の測定のタイミングに合わせたものである。つまり、電圧と電流を同じタイミングで取り込むことにより、同じ瞬間のセルの状態を正確に測定することができる。
前記温度測定部17はセル11の温度を測定する温度センサ17Aを備え、前記同期タイミング信号S1に合わせて温度測定値を取り込んでΔΣ変調によって量子化するものである。
また、前記電源部18は前記絶縁トランス19のうち、電力供給用の絶縁トランス19Aを介して通信線3に接続されており、通信線3に供給される信号の電流を整流することにより、電力を得るものであり、この電力を用いて各部12〜18を動作させることにより、監視対象となっているセル10からの電力供給を得ることなく動作させることができる。
一方、前記上位情報処理装置4は前記通信部15と通信可能な通信部4Aと、この通信部4Aに接続された演算処理部4Bとを備え、この演算処理部4Bは、通信部3によって受信する前記各セル10の電圧および充電電流の測定値を用いて各セル10の充電状態を監視することにより充電能力の限界に達するセル10に対する充電電流をバイパスさせる充電バイパス命令Ccを通信部を介して送信する充電管理プログラムPcを実行可能に構成されている。
図4は前記複合セル状態監視装置1および複合セル状態監視システム2において通信される信号の一例を示す図である。Stはトークン信号を表わしており、Srはこのトークン信号Stに対する応答信号である。
図4に示すように、時点t0においてトークン発呼が始まることにより、トークンパッシングによる同期通信が行なわれる。このとき、同期タイミング信号S1がオンとなるので、測定部接続スイッチ13Cをオフの状態でセル接続スイッチ13Bをオンとなり、コンデンサ13Aにセル10の電圧による電荷の蓄積を行なうことができる。また、電流測定部16および温度測定部17もその瞬間における電流および温度の測定値を取り込む。この同期タイミング信号S1がオンになる時間はほんの一瞬であり、これによって各信号の同時性を確保することができる。
次いで、前記同期タイミング信号S1がオフとなった後の時点t1において同期タイミング信号S2がオンとなる。このとき、各セル10の電圧の測定を、セル10とは絶縁された状態で行なうことができる。そして、この時点でコンデンサ13Aは測定部接続スイッチ13Cを介してアナログ・デジタル変換回路14に接続されて、ΔΣ変調が始まり量子化が行なわれる。測定結果は一時バッファメモリに記録され、トークン信号Stの通信クロックが巡回してくるタイミングで通信部15を介して通信線3へと送信される。なお、前記コンデンサ13Aの容量は速やかな電荷の出し入れを行なうことができる程度の少容量のものであることが好ましい。
さらに、時点t2には通信部15はトークン信号Stに従って最初の測定値が通信部15を介して上位情報処理装置4へと送られ、順次すべての測定値が上位情報処理装置4に転送される。この一連の動作を周期T毎に繰り返されることにより、時々刻々と変化する各セル10の電圧、電流、温度の測定値を上位情報処理装置に転送する事ができる。
図5は前記演算処理部によって実行される充電管理プログラムProg1の動作を説明することにより、本発明の複合セル状態監視方法を説明する図である。
複合セル状態監視装置1との通信が行なわれると、上位情報処理装置4の通信部4Aはトークンサイクルを開始し、各セルの測定値の受信を開始する(ステップStp1)。なお、このとき、既に詳述したように各セルの電圧、電流および温度の測定値はトークン発呼に同期するタイミングで同時一括して取り込まれ測定が開始されている。
通信部4Aによる測定値の入力が行なわれると、電圧、電流、温度の各測定値を一時バッファメモリに保存する(ステップStp2)。ここで、測定値の入力は通信部4Aによる時分割多重方式で行なわれるので通信クロックに完全に同期して行なわれるものであり、遅れ時間などが発生することはなく、順次通信される。
そして、これらの測定値からセルの異常、すなわち、異常加熱や異常な電圧値、電流の異常低下などが発生しているかどうかを判断する(ステップStp3)。この判断基準となるのは前記トークン発呼の開始時点における電圧、電流、温度の測定値の瞬時値であるから、セルの状態を正確に判断することができる。
前記ステップStp3において異常があると判断された場合は、警告音や警告ランプなどによって異常セル発生の警告を発生させ、使用者に通知する(ステップStp4)。
前記ステップStp3において異常なしと判断された場合には、各測定値をリチウムイオン電池の充電特性と比較し、各セルの充電状態を算出する(ステップStp5)。
満充電となっていると判断できるセルに対しては充電バイパス命令Ccを出力し、これを通信部4Aを介して対象となるセル10の受電バイパススイッチ素子をオンとして、ステップStp1に戻る(ステップStp6)。
充電管理プログラムProg1の実行に伴って上述の動作を繰り返すことにより、上位情報処理装置4によってすべてのセルを適正に監視し、各セル10の容量ばらつきによる過充電を防止し、かつ、その能力を最大限に発揮するように充電管理を行なうことができる。異常発生時にも極めて初期の段階でセル異常を発見できるので信頼性が引き上げられる。
なお、上述の実施形態は本発明を明確にするために例示したものに過ぎず、種々の変形が可能であることはいうまでもない。たとえば、アナログ・デジタル変換器14(電圧測定部)による量子化はΔΣ変調であることにより高精度なAD変換を可能としているが、逐次型であってもよい。
また、上記実施形態ではアナログ・デジタル変換器14によって量子化されてデータ化された情報を、通信部15がまとめて上位情報処理装置4に送信するように構成していたが、ΔΣ変調によって量子化される途中の段階のビット情報を通信部15を介して上位情報処理装置4に送信するようにしてもよいことはいうまでもない。
さらに、上述の例では、セル電圧保持回路13または絶縁トランス19(19A,19B)によって、複合セル状態監視装置1を構成する各部12〜18は組電池11、上位情報処理装置のどちらにも絶縁を保った状態で接続されているが、セル電圧保持回路13または絶縁トランス19(19A,19B)の何れかを省略しても動作可能である。
図6〜図8は第二実施形態の複合セル状態監視装置1’および複合セル状態監視システム4’の構成を示す図である。これらの図において図1〜図5に示す第1実施形態と同じまたは同等の部分については同一の符号を伏すことにより、その詳細な説明を省略する。
図6に示す組電池11’は各セル10をセルバランス回路12’を介して直列接続されており、図7に示すセルバランス回路12’では各セルを放電回路から切り離すと共に、切り離した放電回路にバイパス流路を接続させるスイッチ素子12Cと、このスイッチ素子12Cの切り換えの瞬間に放電電流が流れる方向を順方向とするようにスイッチ素子12Cに平行に接続させたダイオード12Dとからなる放電バイパス回路を備える。なお、スイッチ素子12Cは放電バイパス回路の主要部分であって、オン抵抗が小さければ小さいほど良く、好ましくはオン状態でセル10への接続をブレークすると共にバイパス流路をメイクする電磁リレーであり、この放電バイパス回路(スイッチ素子12C)は放電バイパス命令Cdによってオンとなる。
さらに、本実施形態におけるセルバランス回路12’、アナログ・デジタル変換回路14および通信部15は何れもそれぞれ対応するセル10と同じ電位において動作するものであり、監視対象となっているセル10から微小な電力供給を受けて動作するものである。したがって、前記スイッチ素子12A,12Cは何れもセル10と同じ電位で動作するのでフォトカプラを用いる必要が無く、それだけ製造コストを削減することができる。
他方、通信部15がそれぞれ電位差を持って動作するので、セル10の数に対応する数の絶縁トランス19Bを用いて通信線3に接続されることにより、通信線3からは絶縁された状態で通信を行なうことができる。
また、本実施形態では、上位情報処理装置4’は前記充電管理プログラムProg1のみならず放電管理プログラムProg2も同時に実行する。
図8を用いて、この放電管理プログラムProg2の動作を説明する。すなわち、前記ステップStp3において異常が発生した場合には、放電バイパス命令Cdを送信させることにより、対象となるセル10を放電回路から切り離させる(ステップStp4’)。これにより、一つのセル10の異常に組電池の全体を故障とする必要が無く、縮小動作をさせることができる。
前記ステップStp3においてセルの異常が無かったと判断された場合には、電流の瞬時測定値の方向から充電状態であるか放電状態であるかを判断し、充電状態であればステップStp5にジャンプして充電管理プログラムProg1を実行し、放電状態であればステップStp8にジャンプする。
すなわち、放電状態ではリチウムイオン電池の放電特性と電流、電圧、温度の瞬時測定値を比較することにより、現時点での充電状態を算出する(ステップStp8)。
そして、放電完了となったセル10に対しては放電バイパス命令Cdによって放電バイパススイッチ素子12Cをオンにして、セル10を放電回路から完全に切り離し、それ以上の放電を行なわせないようにすることによりセル10を保護し、再びステップStp1に戻る(ステップStp9)。
上述のように放電管理プログラムProg2の動作によってセル10が深放電となることを確実に防止できるので、セル10能力を安全に最大限まで活用することができる。
1、1’ 複合セル状態監視装置
2 複合セル状態監視システム
4 上位情報処理装置
4A 通信部
4B 演算処理部
10 セル(蓄電セル)
11、11’ 複合セル(組電池)
12 セルバランス回路
12A,12B 充電バイパス回路
12C,12D 放電バイパス回路
13 セル電圧保持回路
13A コンデンサ
13B セル接続スイッチ
13C 測定部接続スイッチ
14 電圧測定部(アナログ・デジタル変換回路)
15 通信部
16 電流測定部
17 温度測定部
18 電源部
19 絶縁トランス
Prog1 充電管理プログラム
Prog2 放電管理プログラム
S1 トークンフレーム単位(トークン発呼)
St 通信クロック(トークン信号)

Claims (11)

  1. 複数の蓄電セルを直列接続してなる複合セルに接続され、各蓄電セルの電圧をそれぞれ測定して量子化する電圧測定部と、
    蓄電セルに流れる電流を測定して量子化する電流測定部と、
    前記電圧および電流の測定値を上位情報処理装置に送信する通信部とを備え、
    この通信部は各測定値をトークン発呼と同期してトークンフレーム単位で同時一括に取り込み、量子化した測定値を通信クロックと同期して時分割多重方式にてフレーム単位で順次送信するものであることを特徴とする複合セル状態監視装置。
  2. 前記蓄電セルの温度を測定して量子化する温度測定部を備える請求項1に記載の複合セル状態監視装置。
  3. 前記電圧測定部および電流測定部における量子化はΔΣ変調によって行なわれるものである請求項1または請求項2に記載の複合セル状態監視装置。
  4. 前記通信部は各電圧測定部にそれぞれ設けられ、各通信部はそれぞれ絶縁トランスを介して上位情報処理装置に接続されている請求項1〜請求項3の何れかに記載の複合セル状態監視装置。
  5. 上位情報処理装置から供給される交流信号を絶縁トランスを介して整流して電源とする電源部を備える請求項1〜請求項4の何れかに記載の複合セル状態監視装置。
  6. 各蓄電セルと電圧測定部の間に、電圧保持用のコンデンサと、このコンデンサを蓄電セルに接続するセル接続スイッチと、コンデンサを電圧測定部に接続する測定部接続スイッチとからなるセル電圧保持回路を介在させ、電圧測定部は測定部接続スイッチをオフにした状態でセル接続スイッチをオンにしてコンデンサに蓄電セルの電圧による電荷の蓄積を行ない、セル接続スイッチをオフにした状態で測定部接続スイッチをオンにすることにより各蓄電セルの電圧の測定を行なうものである請求項1〜請求項5のいずれかに記載の複合セル状態監視装置。
  7. 前記通信部は上位情報処理装置からの充電バイパス命令を受信する受信回路を備え、各蓄電セルは充電電流をバイパスする充電バイパス抵抗およびスイッチ素子からなる充電バイパス回路を備え、前記充電バイパス命令に従って指定された蓄電セルのスイッチ素子をオンにすることにより対応する蓄電セルに対する充電電流をバイパスさせるものである請求項1に記載の複合セル状態監視装置。
  8. 前記通信部は上位情報処理装置からの放電バイパス命令を受信する受信回路を備え、各セルは放電電流をバイパスするスイッチ素子を備える放電バイパス回路を備え、前記放電バイパス命令に従って指定された蓄電セルのスイッチ素子をオンにすることにより対応する蓄電セルからの放電電流をバイパスさせるものである請求項1に記載の複合セル状態監視装置。
  9. 請求項7に記載の複合セル状態監視装置と、その上位情報処理装置と、これらを接続する通信線とからなる複合セル状態監視システムであって、前記上位情報処理装置は前記複合セル状態監視装置の通信部と通信可能に構成された通信部を備え、この通信部によって受信する前記各蓄電セルの電圧および充電電流の測定値を用いて各蓄電セルの充電状態を監視することにより充電能力の限界に達する蓄電セルに対する充電電流をバイパスさせる充電バイパス命令を通信部を介して送信する充電管理プログラムを実行可能に構成された演算処理部を備えることを特徴とする複合セル状態監視システム。
  10. 請求項8に記載の複合セル状態監視装置と、その上位情報処理装置と、これらを接続する通信線とからなる複合セル状態監視システムであって、前記上位情報処理装置は前記複合セル状態監視装置の通信部と通信可能に構成された通信部を備え、この通信部によって受信する前記各蓄電セルの電圧および放電電流の測定値を用いて各蓄電セルの放電状態を監視することにより放電能力の限界に達する蓄電セルからの放電電流をバイパスさせる放電バイパス命令を通信部を介して送信する放電管理プログラムを実行可能に構成された演算処理部を備えることを特徴とする複合セル状態監視システム。
  11. 複数の蓄電セルを直列接続してなる複合セルに接続され、各蓄電セルの電圧および電流をそれぞれ通信部のトークン発呼に同期するタイミングで同時一括測定して量子化し、これらの測定値を通信部の通信クロックと同期させて時分割多重方式にてフレーム単位で順次上位情報処理装置に送信し、前記上位情報処理装置は受信した前記各測定値を用いて各蓄電セルの電圧および電流の瞬時値から、蓄電セルの状態を正確に判定し、蓄電セルに対する充電および/または蓄電セルからの放電をバイパスさせることにより、過充電と深放電を阻止することを特徴とすることを特徴とする複合セル状態監視方法。
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