JP2014209684A - 音声信号処理装置、音響装置、電子機器、音声信号処理装置の制御方法、プログラム - Google Patents
音声信号処理装置、音響装置、電子機器、音声信号処理装置の制御方法、プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ユーザーが所望する省電力化を実現可能な音声信号処理装置、音響装置、電子機器、音声信号処理装置の制御方法、プログラムを提供する。
【解決手段】本発明の音声信号処理部14は、入力された省電力に関するパラメータに基づいて、音声信号の一部の区間における振幅低減量を決定する振幅低減量決定部21と、振幅低減量決定部21の決定に基づいて、一部の区間の振幅値を低減する振幅低減処理を行う処理実行部22と、を備えた。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の音声信号処理部14は、入力された省電力に関するパラメータに基づいて、音声信号の一部の区間における振幅低減量を決定する振幅低減量決定部21と、振幅低減量決定部21の決定に基づいて、一部の区間の振幅値を低減する振幅低減処理を行う処理実行部22と、を備えた。
【選択図】図2
Description
本発明は、スピーカーアンプの消費電力を低減するための音声信号処理を行う音声信号処理装置、音響装置、電子機器、音声信号処理装置の制御方法、プログラムに関する。
近年、国内外を問わず、音響装置をワイヤレスで使用する要望が高い。しかしながら、その反面バッテリーの駆動時間において満足を得るものがないという現状がある。そこで、バッテリーの駆動時間の延長を図るべく、スピーカーアンプの消費電力を低減するための技術が各種提案されている。例えば、特許文献1では、オーディオ信号を増幅するスピーカー駆動用アンプと、スピーカー駆動用アンプの出力により駆動されるスピーカーと、を備え、オーディオ信号からスピーカーが再生可能な周波数帯域外のオーディオ信号をカットし、スピーカーの再生可能な周波数帯域に制限されたオーディオ信号をスピーカー駆動用アンプへ入力するように構成したスピーカシステムが提案されている。特許文献1では、このようにスピーカーの再生可能周波数帯域に合わせてオーディオ信号を帯域制限することで、スピーカーの無駄な駆動を抑え、消費電力を低減している。
ところが、昨今の電池駆動されるアクティブ・スピーカシステムでは、スピーカーの再生可能周波数帯域に合わせ、元々オーディオ信号を帯域制限してからアンプに入力している場合が多い。このような場合、上記特許文献1の技術では、効果を発揮することができない。また、特許文献1以外にも、消費電力の低減を図る技術が各種提案されているが、音質を犠牲にしてしまうなどの課題がある。
一方、ユーザーによって、音質を犠牲にしてでも消費電力の大幅な低減を望んだり、逆に消費電力の低減量は僅かであっても音質への影響を極力避けたいなど、様々なニーズがある。このため、全てのユーザーが満足できる省電力技術が望まれている。
本発明は、上記の問題点に鑑み、ユーザーが所望する省電力化を実現可能な音声信号処理装置、音響装置、電子機器、音声信号処理装置の制御方法、プログラムを提供することを課題とする。
本発明の音声信号処理装置は、省電力に関するパラメータを入力するための操作部と、パラメータに基づいて、音声信号の一部の区間における振幅低減量を決定する振幅低減量決定部と、振幅低減量決定部の決定に基づいて、振幅低減処理を実行する処理実行部と、を備えたことを特徴とする。
上記の音声信号処理装置において、表示部をさらに備え、表示部に表示されたグラフィカルユーザーインターフェースにしたがって、操作部によりパラメータが入力されることを特徴とする。
上記の音声信号処理装置において、表示部は、振幅低減処理により実現されている省電力率を表示することを特徴とする。
上記の音声信号処理装置において、パラメータは、振幅低減量の相対値であることを特徴とする。
上記の音声信号処理装置において、パラメータは、振幅低減処理による省電力率の目標値であることを特徴とする。
本発明の音響装置は、上記の音声信号処理装置における各部と、振幅低減処理後の音声信号を出力する出力部と、バッテリー残量を検出する残量検出部と、を備えた音響装置であって、パラメータは、音響装置の目標再生時間であり、振幅低減量決定部は、入力された目標再生時間と、バッテリー残量に基づいて、振幅低減量を決定することを特徴とする。
本発明の音響装置は、上記の音声信号処理装置における各部と、振幅低減処理後の音声信号を出力する出力部と、バッテリー残量を検出する残量検出部と、現在位置を計測する現在位置計測部と、をさらに備え、表示部は、路線図または地図を表示し、パラメータは、路線図上または地図上に入力される到着位置であり、振幅低減量決定部は、計測された現在位置から、入力された到着位置までの所要時間と、バッテリー残量に基づいて、振幅低減量を決定することを特徴とする。
上記の音響装置において、表示部は、バッテリー残量に基づいて、振幅低減処理を実行しない場合の再生可能時間を表示することを特徴とする。
本発明の電子機器は、上記の音声信号処理装置における各部と、音声再生機能を備えた電子機器であって、パラメータは、電子機器における省電力率の目標値であり、振幅低減量決定部は、電子機器全体の消費電力量に対する音声再生機能の消費電力量の割合と、操作部により入力された省電力率の目標値に基づいて、振幅低減量を決定することを特徴とする。
本発明の音声信号処理装置の制御方法は、省電力に関するパラメータを入力する入力ステップと、パラメータに基づいて、音声信号の一部の区間における振幅低減量を決定する振幅低減量決定ステップと、振幅低減量決定ステップの決定に基づいて、振幅低減処理を実行する処理実行ステップと、を備えたことを特徴とする。
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記の音声信号処理装置の制御方法における各ステップを実行させることを特徴とする。
以下、本発明の一実施形態に係る音声信号処理装置、音響装置、電子機器、音声信号処理装置の制御方法、プログラムについて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の各実施形態では、音響装置1として、携帯型デジタル音楽プレーヤーを想定する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る音響装置1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、音響装置1は、記憶部11、表示部12、操作部13、音声信号処理部14、パワーアンプ部15(増幅部)、出力部16および電源部17を備えている。なお、請求項における「音声信号処理装置」は、このうち表示部12、操作部13および音声信号処理部14を主要部とする。
図1は、第1実施形態に係る音響装置1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、音響装置1は、記憶部11、表示部12、操作部13、音声信号処理部14、パワーアンプ部15(増幅部)、出力部16および電源部17を備えている。なお、請求項における「音声信号処理装置」は、このうち表示部12、操作部13および音声信号処理部14を主要部とする。
記憶部11は、不揮発性メモリーにより構成され、楽曲データおよび楽曲付随情報(メタデータ)を記憶している。楽曲付随情報とは、楽曲タイトル名、アルバム名、アーティスト名等を示すテキストデータの他、アルバムアートワークの画像データを含む。
表示部12は、各種ディスプレイにより構成され、後述する電力削減効果設定画面(図6等参照)やオーディオ操作画面(図8参照)等を表示する。操作部13は、ボタン群およびタッチパネルにより構成され、電力削減効果の設定やオーディオ操作等に用いられる。なお、本実施形態において、これらの操作は主にタッチパネル30(図6等参照)を用いて行う。つまり、操作部13は、表示部12によりタッチパネル30に表示されたGUI(Graphical User Interface)にしたがって、各種情報を入力する。
音声信号処理部14は、入力された音声信号に対し、解析処理および信号処理を行う。また、パワーアンプ部15は、信号処理された音声信号を増幅する。本実施形態の音声信号処理部14は、当該パワーアンプ部15における電力消費量を削減するべく、音声信号の振幅値(信号レベル)を低減(抑制)する振幅低減処理(以下、単に「低減処理」とも称する)を行う。詳細については、後述する。
出力部16は、スピーカー、ヘッドフォンまたはイヤフォン等により構成され、パワーアンプ部15で増幅された音声信号を出力する。電源部17は、音響装置1の各部に対し、電力供給を行う。なお、電源部17は、電池(バッテリー)であっても良いし、商用電源からの電力を供給するものであっても良い。
制御部18は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等により構成され、音響装置1の各部を制御する。特に本実施形態では、操作部13から、省電力に関するパラメータを取得し、音声信号処理部14に対して振幅低減処理の命令を行う。
次に、図2を参照し、音声信号処理部14の構成について説明する。音声信号処理部14は、振幅低減量決定部21と、処理実行部22と、から成る。また、以下の説明において、振幅低減量決定部21および処理実行部22を、振幅低減部20と総称する。
振幅低減量決定部21は、操作部13より入力された「省電力に関するパラメータ」に基づいて、音声信号の一部の区間における振幅低減量を決定する。なお、音声信号の振幅値(信号レベル)を低減させる区間を、以下「低減区間」と称する。また、本実施形態では、「省電力に関するパラメータ」として、振幅低減量の相対値を入力する。詳細については、後述する。
処理実行部22は、振幅低減量決定部21により決定された振幅低減量に基づいて、低減処理を実行する。ここで、図3ないし図5を参照し、低減処理について、3種類(「A低減処理」、「B低減処理」および「C低減処理」)の具体例を説明する。なお、処理実行部22が実行する低減処理は、これら3種類の低減処理のうち、いずれか1の処理であっても良いし、2以上の処理を組み合わせたものであっても良い。
図3は、「A低減処理」の説明図である。同図に示すように、「A低減処理」では、振幅エンベロープの極大点(ポイントP11)における振幅値である極大値から6dB降下した時点(ポイントP12)を低減区間の開始点とし、振幅エンベロープの極小点を経て、前記極大値から3dB以下の値まで上昇した時点(ポイントP13)を低減区間の終了点とする。なお、「振幅エンベロープ」とは、振幅波形Wの絶対値を指す。つまり、振幅のマイナス値について反転させて、振幅のプラス値と合わせ、その最大値を結んだ曲線を指す。また、「極大点」とは、振幅エンベロープの、時間軸上における極大位置を指す。
低減区間では、操作部13より入力されたパラメータ(振幅低減量の相対値)に基づく振幅低減量(アッテネーション係数)で、振幅値を低減する。なお、振幅低減量は、パラメータと振幅低減量を対応付けた対応テーブルを参照することにより決定するか、若しくは、パラメータを所定の計算式に代入することにより、振幅低減量を算出する(以下、「B低減処理」、「C低減処理」についても同様)。
低減区間では、「低減処理後の振幅値=低減処理前の振幅値×振幅低減量」として、低減処理後の振幅値を決定する。その結果、低減処理前の振幅エンベロープ(図示、実線太線)が、低減処理後の振幅エンベロープ(図示、点線太線)に補正され、図示斜線部分の消費電力(パワーアンプ部15における消費電力)を削減することができる。なお、本実施形態において、低減区間は、徐々に振幅低減量を下げていく減衰時定数を含み、徐々に振幅低減量を上げていく復帰時定数を含まない区間とする(以下、「B低減処理」および「C低減処理」についても同様)。
なお、特に図示しないが、「A低減処理」では、上記のとおり振幅エンベロープの振幅値が極大値から3dB以下の値まで上がった時点を低減区間の終了点とするため、振幅エンベロープのN番目(但し、NはN≧2となる整数)の極大点の極大値が、(N−1)番目の極大点の極大値より3dBを下回る場合、N番目の極大点も、(N−1)番目の極大点に基づく低減区間に含まれることになる。また、(N+1)番目の極大点の極大値についても、(N−1)番目の極大点の極大値より3dBを下回る場合は、低減区間に含まれる。したがって、先に発生した極大点の極大値から−3dB以上となる極大値を持つ極大点が発生しない限り、低減区間は続くことになる。
また、低減区間の開始点を決定するための閾値、および低減区間の終了点を決定するための閾値は、それぞれ上記の6dB、3dBに限らず、任意に設定可能である。但し、「A低減処理」では、開始点を決定するための閾値が、終了点を決定するための閾値より大きいことが好ましい。これにより、聴覚上、音質や音量感に影響を与えることがない、より適切な低減処理を実現できる。
図4は、「B低減処理」の説明図である。「B低減処理」は、振幅エンベロープの変曲点に基づいて低減区間を決定する。ここで、「変曲点」とは、振幅エンベロープの2次微分値(2階微分値)が負から正に変化した時点、言い換えれば、振幅エンベロープが極大点から徐々に下降していき、極大点以降でその勾配が最初に緩んだ時点を指す。
同図に示すように、「B低減処理」では、振幅エンベロープの極大点(ポイントP21)検出後に検出された、負から正へ変化する変曲点(ポイントP22)を低減区間の開始点とし、当該開始点から所定時間(例えば、200ms)経過後の時点(ポイントP23)を低減区間の終了点とする。このように、低減区間を200ms以下に制限するのは、一般的に順向マスキングの効果時間の限度が200ms程度であるからである。これにより、低減処理前の振幅エンベロープ(図示、実線太線)が、低減処理後の振幅エンベロープ(図示、点線太線)に補正され、図示斜線部分の消費電力を削減することができる。
図5は、「C低減処理」の説明図である。同図に示すように、「C低減処理」では、振幅エンベロープの極大点(ポイントP31)から0.5dB降下した時点(ポイントP32)を低減区間の開始点とし、さらに前記極大点(ポイントP31)から6dB降下した時点(ポイントP33)、または開始点から所定時間(例えば、200ms)経過後のいずれか早い方を低減区間の終了点とする。これにより、低減処理前の振幅エンベロープ(図示、実線太線)が、低減処理後の振幅エンベロープ(図示、点線太線)に補正され、図示斜線部分の消費電力を削減することができる。
次に、図6ないし図8を参照し、画面表示(GUI)について説明する。図6は、電力削減効果設定画面の表示例を示す図である。上記のとおり本実施形態では、「省電力に関するパラメータ」として、電力削減効果(振幅低減量の相対値)を設定可能となっている。同図の例では、「大」、「中」、「小」に対応する3つのボタン31により、振幅低減量の相対値を入力する。これにより、例えば「大」ボタンが選択された場合は、4dB、「中」ボタンが選択された場合は2dB、「小」ボタンが選択された場合は1dB、のように振幅低減量を決定する。
図7は、電力削減効果設定画面の他の表示例を示す図である。同図の例では、スライドボリュームを模したGUIにより、図6の例よりも高い分解能で、振幅低減量の相対値を設定可能となっている。これにより振幅低減量決定部21は、例えばスライドボリュームの操作子33aが左端に移動された場合は0dB、右端に移動された場合は5dB、その間は操作子33aが右側に移動するにしたがって0〜5dBと徐々に大きくなるように、振幅低減量を決定する。
図8は、オーディオ操作画面の表示例を示す図である。同画面は、音響装置1の通常操作画面をイメージしており、同画面と上記の電力削減効果設定画面は、所定の操作を行うことにより切り替え可能となっている。オーディオ操作画面は、再生中の楽曲に関する情報(タイトル名やアルバムアートワーク等)を表示する領域35、操作アイコンを表示する領域36、並びに現在の電力削減効果を表示する領域37を有している。「現在の電力削減効果」とは、振幅低減処理により実現されている省電力率を意味する。ユーザーは、この値を変更したい場合、上記の電力削減効果設定画面にて設定を行う。なお、「現在の電力削減効果」は、定期的にその表示を更新する構成でも良いし、ユーザーが所定の操作を行ったときに表示を更新する構成でも良い。
以上説明したとおり、本発明の第1実施形態によれば、ユーザーが、「省電力に関するパラメータ」を入力可能であり、当該パラメータに基づいて低減処理を実行するため、ユーザーが所望する省電力化を実現することができる。つまり、パラメータとして、振幅低減量を大きく設定することで、高い省電力効果が期待でき、逆に振幅低減量を小さく設定することで、省電力化に伴う音質への影響を少なくすることができる。また、パラメータとして、振幅低減量の絶対値ではなく相対値を入力可能であるため、操作に不慣れなユーザーであっても入力操作を容易に行うことができる。さらに、GUIにしたがってパラメータを入力する構成であるため、直感的な操作が可能である。
また、例示した3種類の低減処理は、いずれも、極大点を除く区間を低減区間として決定し、低減区間以外の区間は振幅値を可変しないため、聴覚上、音質や音量感に影響を与えることなく、省電力化を実現できる。また、昨今の電池駆動されるアクティブ・スピーカシステムのように、スピーカーの再生可能周波数帯域に帯域制限した音声信号をパワーアンプ部15に入力している場合でも、省電力効果を発揮することができる。
また、このように消費電力の低減を図ることで、商用電源を使用する音響装置1の場合、電気料金の低減効果が期待できる。一方、電池(バッテリー)で駆動する音響装置1の場合は、その駆動時間を延長することができるため、より効果的である。
なお、以下の変形例を採用可能である。
[変形例1]
上記の実施形態において、「A低減処理」は、低減区間の開始点を決定するための閾値、および低減区間の終了点を決定するための閾値を、それぞれ固定値(6dBと3dB)としたが、可変値としても良い。例えば、低減区間を決定するための基準となる極大点の振幅値(極大値)に応じて、各閾値を可変しても良い。この場合、極大値が小さい場合は、振幅低減による音量感低下を感じやすいため、低減区間を短くするべく、開始点の閾値および/または終了点の閾値を大きくすることが好ましい。逆に、極大値が大きい場合は、振幅低減による音量感低下を感じにくいため、低減区間を長くするべく、開始点の閾値および/または終了点の閾値を小さくすることが好ましい。
[変形例1]
上記の実施形態において、「A低減処理」は、低減区間の開始点を決定するための閾値、および低減区間の終了点を決定するための閾値を、それぞれ固定値(6dBと3dB)としたが、可変値としても良い。例えば、低減区間を決定するための基準となる極大点の振幅値(極大値)に応じて、各閾値を可変しても良い。この場合、極大値が小さい場合は、振幅低減による音量感低下を感じやすいため、低減区間を短くするべく、開始点の閾値および/または終了点の閾値を大きくすることが好ましい。逆に、極大値が大きい場合は、振幅低減による音量感低下を感じにくいため、低減区間を長くするべく、開始点の閾値および/または終了点の閾値を小さくすることが好ましい。
[変形例2]
また、「A低減処理」では、低減区間の振幅低減量を固定値としたが、可変値としても良い。例えば、低減区間を決定するための基準となる極大点の振幅値(極大値)に応じて、振幅低減量を可変しても良い。この場合、極大値が小さい場合は、振幅低減による音量感低下を感じやすいため、振幅低減量を小さくし、極大値が大きい場合は、振幅低減による音量感低下を感じにくいため、振幅低減量を大きくすることが好ましい。
また、「A低減処理」では、低減区間の振幅低減量を固定値としたが、可変値としても良い。例えば、低減区間を決定するための基準となる極大点の振幅値(極大値)に応じて、振幅低減量を可変しても良い。この場合、極大値が小さい場合は、振幅低減による音量感低下を感じやすいため、振幅低減量を小さくし、極大値が大きい場合は、振幅低減による音量感低下を感じにくいため、振幅低減量を大きくすることが好ましい。
[変形例3]
また、上記の実施形態において、「B低減処理」は、変曲点から所定時間経過後までの区間を低減区間としたが、これを可変長としても良い。この場合、極大点と変曲点(低減区間の開始点)のレベル差に応じて、区間長を決定することが好ましい。また、極大点と開始点との振幅レベルのレベル差が大きければ大きい程、低減区間を長くし、レベル差が小さければ小さい程、低減区間を短くするなど、レベル差に比例するように区間長を決定することが好ましい。但し、算出した低減区間の区間長が、200ms(所定時間)を超える場合、開始点から200ms経過後の時点を終了点として決定する(低減区間の区間長を200msに制限する)ことが好ましい。これは、一般的に順向マスキングの効果時間の限度が200ms程度であるからである。
また、上記の実施形態において、「B低減処理」は、変曲点から所定時間経過後までの区間を低減区間としたが、これを可変長としても良い。この場合、極大点と変曲点(低減区間の開始点)のレベル差に応じて、区間長を決定することが好ましい。また、極大点と開始点との振幅レベルのレベル差が大きければ大きい程、低減区間を長くし、レベル差が小さければ小さい程、低減区間を短くするなど、レベル差に比例するように区間長を決定することが好ましい。但し、算出した低減区間の区間長が、200ms(所定時間)を超える場合、開始点から200ms経過後の時点を終了点として決定する(低減区間の区間長を200msに制限する)ことが好ましい。これは、一般的に順向マスキングの効果時間の限度が200ms程度であるからである。
[変形例4]
また、「B低減処理」では、振幅低減量を固定値としたが、これを可変値としても良い。この場合、極大点と開始点のレベル差に応じて、振幅低減量を決定することが好ましい。また、極大点と開始点との振幅レベルのレベル差が大きければ大きい程、振幅低減量を大きくし、レベル差が小さければ小さい程、振幅低減量を小さくするなど、レベル差に比例するように振幅低減量を決定することが好ましい。
また、「B低減処理」では、振幅低減量を固定値としたが、これを可変値としても良い。この場合、極大点と開始点のレベル差に応じて、振幅低減量を決定することが好ましい。また、極大点と開始点との振幅レベルのレベル差が大きければ大きい程、振幅低減量を大きくし、レベル差が小さければ小さい程、振幅低減量を小さくするなど、レベル差に比例するように振幅低減量を決定することが好ましい。
[変形例5]
また、上記の実施形態では、「C低減処理」の振幅低減量を固定値としたが、これを可変値としても良い。この場合、振幅エンベロープにおける極大点と、極大値から6dB降下した時点とを結んだ直線の傾き(すなわち、極大点から極大値より6dB下がった時点までの時間)に応じて、振幅低減量を決定することが好ましい。また、直線の傾きが大きければ大きい程、振幅低減量を大きくし、傾きが小さければ小さい程、振幅低減量を小さくするなど、直線の傾きに比例するように振幅低減量を決定することが好ましい。
また、上記の実施形態では、「C低減処理」の振幅低減量を固定値としたが、これを可変値としても良い。この場合、振幅エンベロープにおける極大点と、極大値から6dB降下した時点とを結んだ直線の傾き(すなわち、極大点から極大値より6dB下がった時点までの時間)に応じて、振幅低減量を決定することが好ましい。また、直線の傾きが大きければ大きい程、振幅低減量を大きくし、傾きが小さければ小さい程、振幅低減量を小さくするなど、直線の傾きに比例するように振幅低減量を決定することが好ましい。
[変形例6]
また、上記の各閾値(6dB、3dB、0.5dBなど)、および各低減処理の振幅低減量(固定値)を、ユーザーが設定・変更可能としても良い。この場合、音響装置1に、操作パネルやリモコン等の操作手段(図示省略)が設けられていることが前提となる。
また、上記の各閾値(6dB、3dB、0.5dBなど)、および各低減処理の振幅低減量(固定値)を、ユーザーが設定・変更可能としても良い。この場合、音響装置1に、操作パネルやリモコン等の操作手段(図示省略)が設けられていることが前提となる。
[変形例7]
また、上記の実施形態では、処理実行部22により、3種類の低減処理のうち、いずれか1以上の処理を実行するとしたが、音声信号(振幅エンベロープ)の解析結果に基づいて、実行する低減処理を選択しても良い。また、楽曲解析を行って、楽曲ジャンル、楽曲のテンポ(BPM)、楽曲の調(KEY)などの楽曲特徴量を検出し、これらの楽曲特徴量に応じて、3種類の低減処理のうち1以上の低減処理を選択的に実行しても良い。また、これらの楽曲特徴量に応じて、上記の各閾値および振幅低減量を一義的に決定しても良い。
また、上記の実施形態では、処理実行部22により、3種類の低減処理のうち、いずれか1以上の処理を実行するとしたが、音声信号(振幅エンベロープ)の解析結果に基づいて、実行する低減処理を選択しても良い。また、楽曲解析を行って、楽曲ジャンル、楽曲のテンポ(BPM)、楽曲の調(KEY)などの楽曲特徴量を検出し、これらの楽曲特徴量に応じて、3種類の低減処理のうち1以上の低減処理を選択的に実行しても良い。また、これらの楽曲特徴量に応じて、上記の各閾値および振幅低減量を一義的に決定しても良い。
[第2実施形態]
次に、図9を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、「省電力に関するパラメータ」として、振幅低減処理による省電力率の目標値を入力することを特徴とする。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
次に、図9を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、「省電力に関するパラメータ」として、振幅低減処理による省電力率の目標値を入力することを特徴とする。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
図9は、第2実施形態に係る電力削減効果設定画面の表示例を示す図である。電力削減効果設定画面は、省電力率の目標値を数値設定する領域41を有している。具体的には、一の位を上下する上下ボタンと、十の位を上下する上下ボタンと、が押下されることにより、2桁の数字が設定される。但し、所定の上限値が決まっており、その上限値を超える設定はできない。振幅低減量決定部21は、設定された省電力率の目標値に応じて、振幅低減量を決定する。
以上説明したとおり、第2実施形態によれば、「省電力に関するパラメータ」として、振幅低減処理による省電力率の目標値を入力する構成であるため、どの程度の省電力化を実現できるかを、ユーザーが容易に推測できる。
[変形例1]
なお、設定された省電力率を確実に実現するべく、振幅低減部20内に、処理実行部22の低減処理による省電力効果を監視する監視部(図示省略)を追加しても良い。この場合監視部は、処理実行部22による低減処理前の消費電力積算値と、低減処理後の消費電力積算値との比率を「省電力率」として算出し、振幅低減量決定部21にフィードバックする。振幅低減量決定部21は、フィードバックされた「省電力率」と、設定された目標値とを比較し、「省電力率」が目標値に近づくように、次ブロックの演算に用いる振幅低減量を決定する。そして、処理実行部22は、決定された振幅低減量に基づいて、次ブロックの振幅低減処理を行う。この構成によれば、音響装置1の省電力率を徐々に一定の値(目標値)に収束させることができ、ひいては、常に一定の消費電力効果を達成することができる。また、省電力効果が過剰の場合は、振幅低減量を小さくすることで、音質劣化を低減することができる。
なお、設定された省電力率を確実に実現するべく、振幅低減部20内に、処理実行部22の低減処理による省電力効果を監視する監視部(図示省略)を追加しても良い。この場合監視部は、処理実行部22による低減処理前の消費電力積算値と、低減処理後の消費電力積算値との比率を「省電力率」として算出し、振幅低減量決定部21にフィードバックする。振幅低減量決定部21は、フィードバックされた「省電力率」と、設定された目標値とを比較し、「省電力率」が目標値に近づくように、次ブロックの演算に用いる振幅低減量を決定する。そして、処理実行部22は、決定された振幅低減量に基づいて、次ブロックの振幅低減処理を行う。この構成によれば、音響装置1の省電力率を徐々に一定の値(目標値)に収束させることができ、ひいては、常に一定の消費電力効果を達成することができる。また、省電力効果が過剰の場合は、振幅低減量を小さくすることで、音質劣化を低減することができる。
[変形例2]
また、上記の実施形態では、処理実行部22による省電力率の目標値を設定する構成となっているが、音響装置1全体における省電力率の目標値を設定する構成としても良い。つまり、表示部12、出力部16、制御部18などによる消費電力量を考慮して、振幅低減量を決定しても良い。
また、上記の実施形態では、処理実行部22による省電力率の目標値を設定する構成となっているが、音響装置1全体における省電力率の目標値を設定する構成としても良い。つまり、表示部12、出力部16、制御部18などによる消費電力量を考慮して、振幅低減量を決定しても良い。
[第3実施形態]
次に、図10および図11を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、「省電力に関するパラメータ」として、目標再生時間を入力することを特徴とする。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。また、上記の各実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
次に、図10および図11を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、「省電力に関するパラメータ」として、目標再生時間を入力することを特徴とする。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。また、上記の各実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
図10は、第3実施形態に係る音響装置1の構成を示すブロック図である。本実施形態の音響装置1は、第1実施形態と比較して残量検出部51が追加された構成となっている。また、本実施形態の電源部17は、バッテリー(電池)であるものとする。残量検出部51は、電源部17のバッテリー残量を検出する。また、本実施形態の操作部13は、「省電力に関するパラメータ」として、目標再生時間を入力する。そして、音声信号処理部14(振幅低減量決定部21)は、操作部13により入力された目標再生時間と、残量検出部51により検出されたバッテリー残量に基づいて、振幅低減量を決定する。つまり、現時点のバッテリー残量で、入力された目標再生時間だけ楽曲再生を行い得るように、振幅低減量を決定する。
図11は、第3実施形態に係る目標再生時間設定画面の表示例を示す図である。目標再生時間設定画面は、再生可能時間を表示する領域61と、目標再生時間を設定する領域62を有している。「再生可能時間」とは、現時点のバッテリー残量で、低減処理を行なわず楽曲再生を行った場合の再生残時間である。一方、目標再生時間を設定する領域62では、一の位を上下する上下ボタンと、十の位を上下する上下ボタンと、が押下されることにより、2桁の数字が設定される。但し、バッテリー残量または再生可能時間に応じて上限値が決まっており、その上限値を超える設定はできない。また、振幅低減部20は、設定された目標再生時間が、再生可能時間以下となる場合、低減処理を行わない。若しくは、目標再生時間として、再生可能時間以下の値を設定できない構成としても良い。
以上説明したとおり、第3実施形態によれば、「省電力に関するパラメータ」として、目標再生時間を入力する構成であるため、できるだけ音質に影響を与えることなく、ユーザーが所望する時間だけ、楽曲再生を行わせることができる。
[第4実施形態]
次に、図12および図13を参照し、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、「省電力に関するパラメータ」として、路線図上に到着位置を入力することを特徴とする。以下、第3実施形態と異なる点のみ説明する。また、上記の各実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
次に、図12および図13を参照し、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、「省電力に関するパラメータ」として、路線図上に到着位置を入力することを特徴とする。以下、第3実施形態と異なる点のみ説明する。また、上記の各実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
図12は、第4実施形態に係る音響装置1の構成を示すブロック図である。本実施形態の音響装置1は、第3実施形態と比較して現在位置計測部52が追加された構成となっている。現在位置計測部52は、GPS情報を取得することにより、ユーザーの現在位置を計測する。また、本実施形態の操作部13は、「省電力に関するパラメータ」として、路線図上に到着駅(到着位置)を入力する。また、制御部18は、現在位置計測部52により計測された現在位置から、操作部13により入力された到着駅までの所要時間を算出する。そして、音声信号処理部14(振幅低減量決定部21)は、算出された所要時間と、残量検出部51により検出されたバッテリー残量に基づいて、振幅低減量を決定する。つまり、現時点のバッテリー残量で、到着駅まで楽曲再生を行い得るように、振幅低減量を決定する。
図13は、第4実施形態に係る到着位置設定画面の表示例を示す図である。到着位置設定画面は、路線図64を表示する。また、路線図64上には、現在位置(図示、二重丸)が表示されている。そして、ユーザーにより、路線図64上に表示された駅マーク(図示、白抜き丸)の中から到着位置となる駅が指定され、当該指定に伴って駅マークを黒塗り丸に変化させる。
なお、制御部18は、記憶部11に記憶されている乗換え案内アプリケーションと連動して、現在位置から到着駅までの所要時間を算出しても良い。また、乗り換え案内のWebサイトと通信し、現在位置情報(または出発駅名)と到着位置情報(または到着駅名)を送信することにより、乗り換え案内のWebサイトから所要時間を取得しても良い。また、このとき、電車遅延の情報を加味した所要時間を取得しても良い。
以上説明したとおり、第4実施形態によれば、「省電力に関するパラメータ」として、到着駅を入力する構成であるため、できるだけ音質に影響を与えることなく、到着駅まで楽曲再生を行わせることができる。
[変形例1]
なお、上記の実施形態では、路線図上に到着駅を入力したが、地図上に到着位置(目的地)を入力する構成としても良い。この場合、ナビゲーションシステムと連動して、所要時間を算出することが考えられる。また、ルート検索Webサイトと通信し、現在位置情報と到着位置情報を送信することにより、ルート検索Webサイトから所要時間を取得しても良い。また、このとき、渋滞情報を加味した所要時間を取得しても良い。さらに、当該変形例を、車載装置(カーナビゲーションシステム)に搭載しても良い。
なお、上記の実施形態では、路線図上に到着駅を入力したが、地図上に到着位置(目的地)を入力する構成としても良い。この場合、ナビゲーションシステムと連動して、所要時間を算出することが考えられる。また、ルート検索Webサイトと通信し、現在位置情報と到着位置情報を送信することにより、ルート検索Webサイトから所要時間を取得しても良い。また、このとき、渋滞情報を加味した所要時間を取得しても良い。さらに、当該変形例を、車載装置(カーナビゲーションシステム)に搭載しても良い。
[第5実施形態]
次に、図14および図15を参照し、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、上記の音声信号処理部14を、電子機器100に適用したことを特徴とする。以下、第2実施形態と異なる点のみ説明する。また、上記の各実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。なお、本実施形態では、電子機器100として、スマートフォンを想定する。
次に、図14および図15を参照し、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、上記の音声信号処理部14を、電子機器100に適用したことを特徴とする。以下、第2実施形態と異なる点のみ説明する。また、上記の各実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。なお、本実施形態では、電子機器100として、スマートフォンを想定する。
図14は、第5実施形態に係る電子機器100の構成を示すブロック図である。本実施形態の電子機器100は、第1実施形態と比較して通信部71および通話部72が追加された構成となっている。通信部71は、インターネット通信や無線LAN通信に用いられる。また、通話部72は、公衆電話回線を介した通話(電話)に用いられる。一方、音声信号処理部14、パワーアンプ部15および出力部16により、音声再生部70(音声再生機能)が構成される。
また、本実施形態の操作部13は、「省電力に関するパラメータ」として、電子機器100における省電力率の目標値を入力する。なお、当該目標値を入力する画面は、第2実施形態の電力削減効果設定画面(図9参照)と同様であるため、図示および説明を省略する。そして、音声信号処理部14(振幅低減量決定部21)は、電子機器100全体の消費電力量に対する音声再生部70の消費電力量の割合と、操作部13により入力された省電力率の目標値に基づいて、振幅低減量を決定する。
図15は、本実施形態に係る電子機器100全体の省電力率(電力削減効果設定画面への入力値)と、振幅低減量を対応付けた対応テーブルの一例を示す図である。同図では、電子機器100全体の消費電力量に対する音声再生部70の消費電力量の割合が1/2である場合を想定している。つまり、音声再生部70による消費電力が、他の通信部71や通話部72による消費電力と同等である場合を想定している。この場合、例えば電子機器100全体の省電力率の目標値として「5%」が設定されると、音声再生部70では、「10%」の省電力率を達成する必要がある。したがって、音声信号処理部14(振幅低減量決定部21)は、この「10%」の省電力率を達成するため、振幅低減量「1dB」を決定する。
以上説明したとおり、第5実施形態によれば、「省電力に関するパラメータ」として、電子機器100における省電力率の目標値を入力する構成であるため、電子機器100全体として、どの程度の省電力化を実現できるかを、ユーザーが容易に推測できる。
[第6実施形態]
次に、図16を参照し、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態では、音声信号の周波数帯域を複数個に分割した分割帯域ごとに、振幅低減量の決定および低減処理を行うことを特徴とする。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。また、上記の各実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
次に、図16を参照し、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態では、音声信号の周波数帯域を複数個に分割した分割帯域ごとに、振幅低減量の決定および低減処理を行うことを特徴とする。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。また、上記の各実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
図16は、第6実施形態に係る音声信号処理部14の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る音声信号処理部14は、周波数帯域を、低域、中域、高域に分割する帯域分割部80と、各分割帯域に対する低減処理を実行する振幅低減部20a,20b,20cと、振幅低減処理後における各分割帯域の音声信号を加算する加算部90と、から成る。
帯域分割部80は、周波数帯域分割するために、カットオフ周波数が3dB減衰するButterworthフィルタを2つ縦続接続したLinkwitz-Rileyフィルタを用いる。具体的には、低域分割用フィルタとしてfc=200Hz,2次のLPF(Low pass filter)を2段縦続接続した第1のLinkwitz-Rileyフィルタ81を用いる。また、中域分割用フィルタとして、fc=200Hz,2次のHPF(High pass filter)を2段縦続接続した第2のLinkwitz-Rileyフィルタ82と、fc=2kHz,2次のLPFを2段縦続接続した第3のLinkwitz-Rileyフィルタ83を用いる。さらに、高域分割用フィルタとして、fc=2kHz,2次のHPFを2段縦続接続した第4のLinkwitz-Rileyフィルタ84を用いる。
このように、Linkwitz-Rileyフィルタを用いることで、周波数帯域分割後、加算部90により合成した場合に、周波数振幅特性がフラットになる。つまり、加算部90で合成された出力信号の周波数振幅特性は、音声信号処理部14に入力された入力信号の周波数振幅特性と一致する。
また、各振幅低減部20a,20b,20cは、第1実施形態の振幅低減部20(図2参照)と同様に機能し、操作部13により入力された「省電力に関するパラメータ」に基づき、各分割帯域において同量の振幅低減量を決定する。また、加算部90は、各振幅低減部20a,20b,20cによる振幅低減処理後の音声信号を合成する。
以上説明したとおり、第6実施形態によれば、周波数帯域分割後、低減区間および振幅低減量の決定および振幅低減処理を行う。これにより、分割帯域ごとに低減区間が異なり、時間軸上で振幅低減効果が分散されるため、低減処理による聴覚上の影響を、より少なくすることができる。
なお、以下の変形例を採用可能である。
[変形例1]
上記の実施形態では、低域、中域、高域の3つに帯域分割したが、さらにそれぞれの分割帯域を複数個の帯域に分割するなど、分割数および分割周波数は任意に設定可能である。また、分割数および分割周波数をユーザーが設定・変更可能としても良いし、音声信号の解析結果に応じて、これらを可変設定しても良い。
[変形例1]
上記の実施形態では、低域、中域、高域の3つに帯域分割したが、さらにそれぞれの分割帯域を複数個の帯域に分割するなど、分割数および分割周波数は任意に設定可能である。また、分割数および分割周波数をユーザーが設定・変更可能としても良いし、音声信号の解析結果に応じて、これらを可変設定しても良い。
[変形例2]
また、各分割帯域において同量の振幅低減量を決定するものとしたが、異なる振幅低減量を決定しても良い。この場合、「省電力に関するパラメータ」と、予め定められた各分割帯域における割合と、に基づいて、各分割帯域の低減処理に適用する振幅低減量を決定しても良い。また、複数の分割帯域のうち、いずれか1以上の分割帯域を対象として、低減処理を行っても良い。
また、各分割帯域において同量の振幅低減量を決定するものとしたが、異なる振幅低減量を決定しても良い。この場合、「省電力に関するパラメータ」と、予め定められた各分割帯域における割合と、に基づいて、各分割帯域の低減処理に適用する振幅低減量を決定しても良い。また、複数の分割帯域のうち、いずれか1以上の分割帯域を対象として、低減処理を行っても良い。
以上、6つの実施形態および各変形例を示したが、各実施形態および各変形例に示した音響装置1または電子機器100の各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリー等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターを音響装置1または電子機器100の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれる。
また、上記の各実施形態では、音声信号処理部14を音響装置1(携帯型デジタル音楽プレーヤー)または電子機器100(スマートフォン)に適用した場合を例示したが、他の電子楽器、コンピューター(PCアプリケーション)、クラウドコンピューティングなどに適用しても良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
1…音響装置 11…記憶部 12…表示部 13…操作部 14…音声信号処理部 15…パワーアンプ部 16…出力部 17…電源部 18…制御部 20…振幅低減部 21…振幅低減量決定部 22…処理実行部 30…タッチパネル 51…残量検出部 52…現在位置計測部 70…音声再生部 71…通信部 72…通話部 80…帯域分割部 81〜84…Linkwitz-Rileyフィルタ 90…加算部 100…電子機器 W…振幅波形
Claims (11)
- 省電力に関するパラメータを入力するための操作部と、
前記パラメータに基づいて、音声信号の一部の区間における振幅低減量を決定する振幅低減量決定部と、
前記振幅低減量決定部の決定に基づいて、振幅低減処理を実行する処理実行部と、を備えたことを特徴とする音声信号処理装置。 - 表示部をさらに備え、
前記表示部に表示されたグラフィカルユーザーインターフェースにしたがって、前記操作部により前記パラメータが入力されることを特徴とする請求項1に記載の音声信号処理装置。 - 前記表示部は、
前記振幅低減処理により実現されている省電力率を表示することを特徴とする請求項2に記載の音声信号処理装置。 - 前記パラメータは、前記振幅低減量の相対値であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の音声信号処理装置。
- 前記パラメータは、前記振幅低減処理による省電力率の目標値であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の音声信号処理装置。
- 請求項2または3に記載の音声信号処理装置における各部と、
前記振幅低減処理後の音声信号を出力する出力部と、
バッテリー残量を検出する残量検出部と、を備えた音響装置であって、
前記パラメータは、音響装置の目標再生時間であり、
前記振幅低減量決定部は、
入力された前記目標再生時間と、前記バッテリー残量に基づいて、前記振幅低減量を決定することを特徴とする音響装置。 - 請求項2または3に記載の音声信号処理装置における各部と、
前記振幅低減処理後の音声信号を出力する出力部と、
バッテリー残量を検出する残量検出部と、
現在位置を計測する現在位置計測部と、をさらに備え、
前記表示部は、
路線図または地図を表示し、
前記パラメータは、前記路線図上または前記地図上に入力される到着位置であり、
前記振幅低減量決定部は、
計測された前記現在位置から、入力された前記到着位置までの所要時間と、前記バッテリー残量に基づいて、前記振幅低減量を決定することを特徴とする音響装置。 - 前記表示部は、
前記バッテリー残量に基づいて、前記振幅低減処理を実行しない場合の再生可能時間を表示することを特徴とする請求項6または7に記載の音響装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の音声信号処理装置における各部と、音声再生機能を備えた電子機器であって、
前記パラメータは、電子機器における省電力率の目標値であり、
前記振幅低減量決定部は、
電子機器全体の消費電力量に対する前記音声再生機能の消費電力量の割合と、前記操作部により入力された前記省電力率の目標値に基づいて、前記振幅低減量を決定することを特徴とする電子機器。 - 省電力に関するパラメータを入力する入力ステップと、
前記パラメータに基づいて、音声信号の一部の区間における振幅低減量を決定する振幅低減量決定ステップと、
前記振幅低減量決定ステップの決定に基づいて、振幅低減処理を実行する処理実行ステップと、を備えたことを特徴とする音声信号処理装置の制御方法。 - コンピューターに、請求項10に記載の音声信号処理装置の制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013085947A JP2014209684A (ja) | 2013-04-16 | 2013-04-16 | 音声信号処理装置、音響装置、電子機器、音声信号処理装置の制御方法、プログラム |
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JP2014209684A true JP2014209684A (ja) | 2014-11-06 |
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