JP2014207223A - 導電フィルム及び接続構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極間の電気的な接続に用いた場合に、ボイドの発生を抑え、かつ電極間の接続信頼性を高めることができる導電フィルムを提供する。
【解決手段】本発明に係る導電フィルム1は、導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記導電性粒子は、導電性の表面に複数の突起を有する。上記導電性粒子の全表面積100%中、上記導電性粒子における上記突起がある部分の表面積が50%以上、95%以下であり、かつ上記導電性粒子における上記突起がない部分の表面積が5%以上、50%以下である。上記導電性粒子を100℃で10%圧縮したときの圧縮弾性率は3000N/mm以上、10000N/mm以下である。本発明に係る導電フィルム1では、100℃での溶融粘度が300Pa・s以上、1000Pa・s以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電フィルムに関する。また、本発明は、上記導電フィルムを用いた接続構造体に関する。
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。該異方性導電材料では、バインダー樹脂中に導電性粒子が分散されている。
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等に使用されている。
上記異方性導電材料の一例として、下記の特許文献1には、導電性粒子を含む異方性導電フィルムが開示されている。この異方性導電フィルムは、回路接続に用いられる。上記異方性導電フィルムでは、一方の面から、厚さ方向に沿って上記導電性粒子の平均粒子径の2倍の距離までの領域における上記導電性粒子の含有割合が、下記式(I)で表される条件を満たす。また、上記異方性導電フィルムの溶融粘度の40〜250℃における最小値は1000Pa・s以下である。
C≧C×0.8 ・・・・(I)
上記式(I)中、Cは上記領域における上記導電性粒子の含有量(質量%)を示し、Cは上記異方性導電フィルムの一方の面から他方の面までの領域における上記導電性粒子の含有割合(質量%)を示す。
特開2011−175846号公報
近年、各種の電子部品などにおいて、異方性導電フィルムにより接続される接続対象部材の薄型化が進行している。このため、上記異方性導電フィルムの薄型化の要求が高まっている。
しかし、上記異方性導電フィルムが薄いと、接続対象部材の表面の凹凸に異方性導電フィルムが充分に充填されずに、ボイドが生じやすくなる。ボイドが生じると、異方性導電フィルムと接続対象部材との接着性が低くなる。
一方で、接続対象部材の表面の凹凸に対する異方性導電フィルムの充填性を高めるために、異方性導電フィルムの溶融粘度を低くすると、電極間の接続時に、上下の電極間(ライン)に配置される導電性粒子の数が少なくなり、横方向に隣接する電極と電極との間(スペース)に導電性粒子が流出しやすくなる。すなわち、電極が形成されている部分のライン(L)だけでなく、電極が形成されていない部分のスペース(S)にも、導電性粒子が配置されやすいという問題がある。このため、電極間の接続抵抗が高くなったり、電極間の接続信頼性が低下したりする。さらに、スペースにも導電性粒子が配置されることを前提として、導電性粒子を多く用いなければならないことがある。さらに、スペースに導電性粒子が配置された結果、絶縁不良が生じやすいという問題がある。
本発明の目的は、電極間の電気的な接続に用いた場合に、ボイドの発生を抑え、かつ電極間の接続信頼性を高めることができる導電フィルムを提供すること、並びに該導電フィルムを用いた接続構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、導電性粒子と、バインダー樹脂とを含み、前記導電性粒子が、導電性の表面に複数の突起を有し、前記導電性粒子の全表面積100%中、前記導電性粒子における前記突起がある部分の表面積が50%以上、95%以下であり、かつ前記導電性粒子における前記突起がない部分の表面積が5%以上、50%以下であり、前記導電性粒子を100℃で10%圧縮したときの圧縮弾性率が3000N/mm以上、10000N/mm以下であり、100℃での溶融粘度が300Pa・s以上、1000Pa・s以下である、導電フィルムが提供される。
本発明に係る導電フィルムのある特定の局面では、前記導電性粒子の平均粒子径が2μm以上、5μm以下であり、前記導電性粒子における前記突起の平均高さが50nm以上、500nm以下である。
本発明に係る導電フィルムのある特定の局面では、前記導電性粒子と、前記バインダー樹脂とを含む単層フィルムであるか、又は、前記導電性粒子と前記バインダー樹脂とを含む第1の層と、前記第1の層の片面に積層されており、かつ前記導電性粒子を含まずかつ前記バインダー樹脂を含む第2の層とを有する多層フィルムであり、前記単層フィルムである場合には、前記単層フィルムの厚みが、前記導電性粒子の平均粒子径の5倍以上、7倍以下であり、前記多層フィルムである場合には、前記多層フィルムの厚みが、前記導電性粒子の平均粒子径の5倍以上、8倍以下である。
本発明に係る導電フィルムのある特定の局面では、前記多層フィルムである場合には、前記導電性粒子を含む前記第1の層の厚みが、前記導電性粒子の平均粒子径の2倍以上、4倍以下であり、かつ前記導電性粒子を含まない前記第2の層の厚みが、前記第1の層の厚みの1倍以上、3倍以下である。
本発明に係る導電フィルムは、前記導電性粒子と、前記バインダー樹脂とを含む単層フィルムであってもよい。本発明に係る導電フィルムは、前記導電性粒子と前記バインダー樹脂とを含む第1の層と、前記第1の層の片面に積層されており、かつ前記導電性粒子を含まずかつ前記バインダー樹脂を含む第2の層とを有する多層フィルムであってもよい。
本発明の広い局面によれば、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、前記接続部が、上述した導電フィルムにより形成されており、前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記導電性粒子により電気的に接続されている、接続構造体が提供される。
本発明に係る導電フィルムは、導電性粒子とバインダー樹脂とを含み、更に、本発明に係る導電フィルムでは、上記導電性粒子が、導電性の表面に複数の突起を有し、上記導電性粒子の全表面積100%中、上記導電性粒子における上記突起がある部分の表面積が50%以上、95%以下であり、かつ上記導電性粒子における上記突起がない部分の表面積が5%以上、50%以下であり、上記導電性粒子を100℃で10%圧縮したときの圧縮弾性率が3000N/mm以上、10000N/mm以下であり、また、本発明に係る導電フィルムの100℃での溶融粘度が300Pa・s以上、1000Pa・s以下であるので、上記導電フィルムを電極間の電気的な接続に用いた場合に、ボイドの発生を抑え、かつ電極間の接続信頼性を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る導電フィルムを示す断面図である。 図2は、本発明の他の実施形態に係る導電フィルムを示す断面図である。 図3は、図1,2に示す導電フィルムに用いられる導電性粒子を示す断面図である。 図4は、導電性粒子の第1の変形例を示す断面図である。 図5は、導電性粒子の第2の変形例を示す断面図である。 図6は、図1に示す導電フィルムを用いた接続構造体の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る導電フィルムは、導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記導電性粒子は、導電性の表面に複数の突起を有する。上記導電性粒子の全表面積100%中、上記導電性粒子における上記突起がある部分の表面積が50%以上、95%以下であり、かつ上記導電性粒子における上記突起がない部分の表面積が5%以上、50%以下である。本発明では、上記突起がある部分の表面積が大きい。上記導電性粒子を100℃で10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)は3000N/mm以上、10000N/mm以下である。また、本発明に係る導電フィルムの100℃での溶融粘度は300Pa・s以上、1000Pa・s以下である。
本発明に係る導電フィルムは、上述した構成を備えているので、本発明に係る導電フィルムを電極間の電気的な接続に用いた場合に、ボイドの発生を抑え、かつ電極間の接続信頼性を高めることができる。
また、近年、電子機器の小型化に伴って、電極が形成されている部分のライン(L)と、電極が形成されていない部分のスペース(S)との間隔が狭くなってきている。例えば、L/Sが30μm以下/30μm以下の微細な電極間を電気的に接続する必要が高まっている。L/Sが小さい電極間を電気的に接続する場合には、従来の導電フィルムを用いた場合には、ライン(L)に配置される導電性粒子が少なくなりやすいので、接続抵抗が高くなりやすく、更にスペース(S)に導電性粒子が多く配置されやすいので、絶縁不良が特に生じやすいという問題がある。
これに対して、本発明に係る導電フィルムの使用により、ライン(L)に電極を効率的に配置することができ、接続抵抗を効果的に低くすることができ、更にスペース(S)に導電性粒子が配置され難くなり、絶縁不良が生じるのを効果的に抑制できる。
上記導電性粒子における上記突起がある部分の表面積とは、走査型電子顕微鏡(SEM)により粒子を上方から撮影した後、その画像を解析することにより、測定可能である。上記突起がある部分は、導電性粒子の導電性の表面において、隆起している部分である。上記突起がない部分は、導電性粒子の導電性の表面において、隆起していない部分である。
上記導電性粒子の全表面積100%中、上記突起がある部分の表面積は、50%以上であり、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。上記導電性粒子の全表面積100%中、上記突起がある部分の表面積は、95%以下であり、好ましくは90%以下、より好ましくは85%以下である。上記導電性粒子の全表面積100%中、上記突起がない部分の表面積は、5%以上であり、好ましくは10%以上である。上記導電性粒子の全表面積100%中、上記突起がない部分の表面積は、50%以下であり、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。上記突起がある部分の表面積が相対的に多くなると、電極に接触する突起数が増えるので導通性がより一層良好になる。上記突起がない部分の表面積が相対的に多くなると、それぞれの突起のアスペクト比がより大きくなり、電極への食い込み量が増えることで導通性がより一層良好になる。特に、上記導電性粒子の全表面積100%中、上記突起がある部分の表面積が60%以上、かつ上記突起がない部分の表面積40%以下であると、導電性粒子の配置精度及び電極間の接続信頼性がより一層良好になる。また、特に、上記導電性粒子の全表面積100%中、上記突起がある部分の表面積が85%以下、かつ上記突起がない部分の表面積15%以上であると、導電性粒子の配置精度及び電極間の接続信頼性がより一層良好になる。
上記導電性粒子を100℃で10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)は、3000N/mm以上、10000N/mm以下である。上記10%K値は、好ましくは4000N/mm以上、好ましくは8000N/mm以下である。上記10%K値が上記下限以上であると、圧着時の樹脂の排除性がより一層良好になる。上記10%K値が上記上限以下であると、導電性粒子の電極への接触面積がより一層良好になる。特に、上記導電性粒子の100℃での10%K値が4000N/mm以上であると、導電性粒子の配置精度がより一層良好になる。特に、上記導電性粒子の100℃での10%K値が8000N/mm以下であると、電極間の接続信頼性がより一層良好になる。
なお、上記10%K値を測定する温度を100℃に設定しているのは、実際の圧着工程における10%圧縮状態が100℃付近で達成されることが多く、また10%圧縮状態が100℃付近で達成されることが望ましいためである。上記導電性粒子の100℃での10%K値が上記範囲内であれば、導電フィルムの汎用性に優れる。
100℃での圧縮弾性率(10%K値)は、以下のようにして測定される。
微小圧縮試験機の粒子を配置するステージを100℃に保持した状態で、円柱(直径50μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、圧縮速度0.33mN/秒、及び最大試験荷重20mNの条件下で導電性粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
10%K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:導電性粒子が10%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:導電性粒子が10%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:導電性粒子の半径(mm)
上記圧縮弾性率は、導電性粒子の硬さを普遍的かつ定量的に表す。上記圧縮弾性率の使用により、導電性粒子の硬さを定量的かつ一義的に表すことができる。
上記導電フィルムの100℃での溶融粘度は300Pa・s以上、1000Pa・s以下である。上記導電フィルムの100℃での溶融粘度は好ましくは400Pa・s以上、好ましくは800Pa・s以下である。上記溶融粘度が上記下限以上であると、粒子と電極との間の樹脂の排除性がより一層良好になる。上記溶融粘度が上記上限以下であると、粒子の電極上への配置精度がより一層良好になる。特に、上記導電フィルムの100℃での溶融粘度が400Pa・s以上であれば、ボイド発生がかなり抑えられる。
なお、上記溶融粘度を測定する温度を100℃に設定しているのは、実際の圧着工程における溶融粘度の導電性粒子の配置精度への最も大きな影響が100℃付近で達成されることが多く、溶融粘度の導電性粒子の配置精度への最も大きな影響が100℃付近で達成されることが望ましいためである。上記導電フィルムの100℃での溶融粘度が上記範囲内であれば、導電フィルムの汎用性に優れる。
上記溶融粘度は、粘弾性測定装置を用いて測定可能である。粘弾性測定装置としては、TA Instruments社製「ARES−G2」等が挙げられる。
本発明に係る導電フィルムでは、特に、電極が形成されている部分のライン(L)と、電極が形成されていない部分のスペース(S)とを示すL/Sが30μm以下/30μm以下である場合に、電極間の接続信頼性を効果的に高めることができ、L/Sが25μm以下/25μm以下である場合に、電極間の接続信頼性をより一層効果的に高めることができ、L/Sが20μm以下/20μm以下である場合に、電極間の接続信頼性を更に一層効果的に高めることができ、L/Sが15μm以下/15μm以下である場合に、電極間の接続信頼性を特に効果的に高めることができる。
また、本発明に係る導電フィルムにより電極間の接続信頼性を高めることができるので、電極が形成されている部分のライン(L)は、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、更に好ましくは20μm以下、特に好ましくは15μm以下である。ライン(L)は、導電性粒子の平均粒子径よりも大きいことが好ましく、更に導電性粒子の平均粒子径の1.1倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることが更に好ましく、3倍以上であることが特に好ましい。
また、本発明に係る導電フィルムにより電極間の接続信頼性を高めることができるので、電極が形成されていない部分のスペース(S)は、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、更に好ましくは20μm以下、特に好ましくは15μm以下である。スペース(S)は、導電性粒子の平均粒子径よりも大きいことが好ましく、更に導電性粒子の平均粒子径の1.1倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることが更に好ましく、3倍以上であることが特に好ましい。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより、本発明をより明らかにする。
図1は、本発明の一実施形態に係る導電フィルムを示す断面図である。
図1に示す導電フィルム1は、単層フィルムである。導電フィルム1は、導電性粒子21とバインダー樹脂11とを含む。導電フィルム1において、導電性粒子21は、均一に含まれていることが好ましい。導電フィルム1において、厚み方向に、導電性粒子21は偏在していてもよい。導電フィルム1の第1の主面側で導電性粒子21が多く存在し、かつ導電フィルムの第1の主面とは反対の第2の主面側で導電性粒子21が少なく存在していてもよい。
図2は、本発明の他の実施形態に係る導電フィルムを示す断面図である。
図2に示す導電フィルム1Aは、多層フィルム(積層フィルム)である。導電フィルム1Aは、第1の層2と、第1の層2の片面に積層されている第2の層3とを有する。第1の層2は、導電性粒子21とバインダー樹脂11Aとを含む。第2の層3は、導電性粒子を含まず、かつバインダー樹脂11Bを含む。第1の層に含まれるバインダー樹脂と第2の層に含まれるバインダー樹脂とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
本発明に係る導電フィルムは、上記導電性粒子と、上記バインダー樹脂とを含む単層フィルムであるか、又は、上記導電性粒子と上記バインダー樹脂とを含む第1の層と、上記第1の層の片面に積層されており、かつ上記導電性粒子を含まずかつ上記バインダー樹脂を含む第2の層とを有する多層フィルムであることが好ましい。上記導電フィルムは、上記導電性粒子と、上記バインダー樹脂とを含む単層フィルムであってもよい。上記導電フィルムは、上記導電性粒子と上記バインダー樹脂とを含む第1の層と、上記第1の層の片面に積層されており、かつ上記導電性粒子を含まずかつ上記バインダー樹脂を含む第2の層とを有する多層フィルムであってもよい。
上記導電フィルムが上記単層フィルムである場合には、上記単層フィルムの厚みが、上記導電性粒子の平均粒子径の好ましくは3倍以上、より好ましくは4倍以上、更に好ましくは5倍以上、好ましくは10倍以下、より好ましくは9倍以下、更に好ましくは7倍以下であることが好ましい。この場合には、上記導電フィルムを電極間の電気的な接続に用いた場合に、ボイドの発生をより一層抑え、かつ電極間の接続信頼性をより一層高めることができる。上記単層フィルムの厚みが、上記導電性粒子の平均粒子径の5倍以上、7倍以下であることが最も好ましい。
上記導電フィルムが上記多層フィルムである場合には、上記多層フィルムの厚みが、上記導電性粒子の平均粒子径の好ましくは3倍以上、より好ましくは4倍以上、更に好ましくは5倍以上、好ましくは10倍以下、より好ましくは9倍以下、更に好ましくは8倍以下であることが好ましい。この場合には、上記導電フィルムを電極間の電気的な接続に用いた場合に、ボイドの発生をより一層抑え、かつ電極間の接続信頼性をより一層高めることができる。上記多層フィルムの厚みが、上記導電性粒子の平均粒子径の5倍以上、8倍以下であることが最も好ましい。
上記導電フィルムが上記多層フィルムである場合には、上記導電性粒子を含む上記第1の層の厚みが、上記導電性粒子の平均粒子径の好ましくは1倍以上、より好ましくは2倍以上、好ましくは5倍以下、より好ましくは4倍以下であり、更に上記導電性粒子を含まない上記第2の層の厚みが、上記第1の層の厚みの好ましくは1倍以上、好ましくは5倍以下、より好ましくは3倍以下である。この場合には、上記導電フィルムを電極間の電気的な接続に用いた場合に、ボイドの発生をより一層抑え、かつ電極間の接続信頼性をより一層高めることができる。上記導電性粒子を含む上記第1の層の厚みが、上記導電性粒子の平均粒子径の2倍以上、4倍以下であることが最も好ましく、更に上記導電性粒子を含まない上記第2の層の厚みが、上記第1の層の厚みの1倍以上、3倍以下であることが最も好ましい。
次に、上記導電フィルムに含まれている導電性粒子について、以下説明する。
図3は、図1,2に示す導電フィルム1,1Aに用いられる導電性粒子を示す断面図である。
図3に示す導電性粒子21は、基材粒子22と、基材粒子22の表面上に配置された導電部23とを有する。導電性粒子21では、導電部23は導電層である。導電部23は、基材粒子22の表面を覆っている。導電性粒子21は、基材粒子22の表面が導電部23により被覆された被覆粒子である。
上記導電性粒子は、導電部を有していればよい。導電性粒子21のように、中心部が導電部とは異なる基材粒子であってもよい。導電性粒子の全体が、導電部であってもよい。また、上記導電性粒子では、導電部の外表面に絶縁性粒子などの絶縁性物質が配置されていてもよい。
導電性粒子21は、導電性の表面に突起21aを有する。導電部23は表面(導電層の外表面)に突起23aを有する。突起21a,23aは複数である。
導電性粒子21は、基材粒子22の表面上に複数の芯物質24を有する。導電部23は、基材粒子22と芯物質24とを被覆している。芯物質24を導電部23が被覆していることにより、導電性粒子21は表面に複数の突起21aを有する。芯物質24により導電部23の表面が隆起されており、複数の突起21aが形成されている。
図4は、導電性粒子の第1の変形例を示す断面図である。
図4に示す導電性粒子31は、基材粒子22と、基材粒子22の表面上に配置された導電部23Aとを有する。導電部23Aは導電層である。導電性粒子21と導電性粒子31とでは、芯物質24の有無のみが相違している。導電性粒子31は、芯物質を有さない。
導電性粒子31は、導電性の表面に突起31aを有する。導電部23Aは表面(導電層の外表面)に突起23Aaを有する。突起31a,23Aaは複数である。
導電部23Aは、第1の部分と、該第1の部分よりも厚みが厚い第2の部分とを有する。従って、導電部23Aは表面(導電層の外表面)に突起23Aaを有する。複数の突起31a,23Aaを除く部分が、導電部23Aの上記第1の部分である。複数の突起31a,23Aaは、導電部23Aの厚みが厚い上記第2の部分である。
導電性粒子31のように、突起31a,23Aaを形成するために、必ずしも芯物質を用いなくてもよい。
図5は、導電性粒子の第2の変形例を示す断面図である。
図5に示す導電性粒子41は、基材粒子22と、基材粒子22の表面上に配置された導電部23Bとを有する。導電部23Bは導電層である。導電部23Bは、基材粒子22の表面上に配置された第1の導電部23Bxと、第1の導電部23Bxの表面上に配置された第2の導電部23Byとを有する。
導電性粒子41は、導電性の表面に突起41aを有する。導電性粒子41は表面に突起41aを有する。導電部23Bは表面(導電層の外表面)に突起23Baを有する。導電性粒子41は、第1の導電部23Bxの表面上に複数の芯物質24を有する。第2の導電部23Byは、第1の導電部23Bxと芯物質24とを被覆している。基材粒子22と芯物質24とは間隔を隔てて配置されている。基材粒子22と芯物質24との間には、第1の導電部23Bxが存在する。芯物質24を第2の導電部23Byが被覆していることにより、導電部23Bは表面に、複数の突起23Baを有する。芯物質24により導電部23B及び第2の導電部23Byの表面が隆起されており、複数の突起23Baが形成されている。突起41a,23Baは複数である。
導電性粒子41のように、導電部23Bは、多層構造を有していてもよい。さらに、突起41a,23Baを形成するために、芯物質24を内層の第1の導電部23Bx上に配置して、外層の第2の導電部23Byにより芯物質24及び第1の導電部23Bxを被覆してもよい。
以下、導電性粒子、導電フィルム及び接続構造体の他の詳細を説明する。
(導電性粒子)
上記基材粒子としては、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子は、金属粒子を除く基材粒子であることが好ましく、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることがより好ましい。
上記基材粒子は、樹脂により形成された樹脂粒子であることが好ましい。電極間を接続する際には、導電性粒子を電極間に配置した後、一般的に導電性粒子を圧縮させる。基材粒子が樹脂粒子であると、圧縮により導電性粒子が変形しやすく、導電性粒子と電極との接触面積が大きくなる。このため、電極間の導通信頼性が高くなる。
上記樹脂粒子の材料として、種々の有機物が好適に用いられる。上記樹脂粒子の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート及びポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が挙げられる。また、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させることにより、導電フィルムに適した任意の圧縮時の物性を有する樹脂粒子を設計及び合成可能である。また、基材粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子の材料は、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する単量体を重合させて得る場合には、該エチレン性不飽和基を有する単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子が得られる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、及び非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である場合には、基材粒子の材料である無機物としては、シリカ及びカーボンブラック等が挙げられる。上記シリカにより形成された粒子としては特に限定されないが、例えば、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上有するケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子である場合には、該金属粒子の材料である金属としては、銀、銅、ニッケル、ケイ素、金及びチタン等が挙げられる。但し、基材粒子は金属粒子ではないことが好ましい。
上記基材粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、より一層好ましくは1μm以上、更に好ましくは1.5μm以上、特に好ましくは2μm以上、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より一層好ましくは300μm以下、更に好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、更に一層好ましくは30μm以下、特に好ましくは5μm以下、最も好ましくは3μm以下である。基材粒子の平均粒子径が上記下限以上であると、導電性粒子と電極との接触面積が大きくなるため、電極間の導通信頼性がより一層高くなり、導電性粒子を介して接続された電極間の接続抵抗がより一層低くなる。さらに、基材粒子の表面に導電部を無電解めっきにより形成する際に凝集し難くなり、凝集した導電性粒子が形成されにくくなる。基材粒子の平均粒子径が上記上限以下であると、導電性粒子が充分に圧縮されやすく、電極間の接続抵抗がより一層低くなり、更に電極間の間隔が狭くなる。
上記基材粒子の平均粒子径は、0.1μm以上、5μm以下であることが特に好ましい。上記基材粒子の平均粒子径が0.1〜5μmの範囲内であると、電極間の間隔が小さくなり、かつ導電部の厚みを厚くしても、小さい導電性粒子が得られる。電極間の間隔をより一層小さくしたり、導電部の厚みを厚くしても、より一層小さい導電性粒子を得たりする観点からは、上記基材粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは2μm以上、好ましくは3μm以下である。
上記平均粒子径は数平均粒子径を示す。該平均粒子径は、例えばコールターカウンター(ベックマンコールター社製)を用いて測定可能である。
上記導電部の厚み(複数の導電部がある場合には、複数の導電部全体の厚み)は、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは20nm以上、特に好ましくは50nm以上、好ましくは1000nm以下、より好ましくは800nm以下、更に好ましくは500nm以下、特に好ましくは400nm以下、最も好ましくは300nm以下である。上記導電部の厚みが上記下限以上であると、導電性粒子の導電性がより一層良好になる。上記導電部の厚みが上記上限以下であると、基材粒子と導電部との熱膨張率の差が小さくなり、基材粒子から導電部が剥離し難くなる。
上記基材粒子の表面上に上記導電部を形成する方法としては、無電解めっきにより上記導電部を形成する方法、並びに電気めっきにより上記導電部を形成する方法等が挙げられる。
上記導電部は、金属を含むことが好ましい。上記導電部の材料である金属は、特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、亜鉛、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン及びカドミウム、並びにこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属として、錫ドープ酸化インジウム(ITO)を用いてもよい。上記記金属は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記導電性粒子は、導電性の表面に複数の突起を有する。上記芯物質が上記導電部中に埋め込まれていることによって、上記導電部の外表面に突起を容易に形成可能である。導電性粒子により接続される電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。突起を有する導電性粒子を用いた場合には、電極間に導電性粒子を配置して圧着させることにより、突起により上記酸化被膜が効果的に排除される。このため、電極と導電性粒子とがより一層確実に接触し、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。さらに、突起によって、導電性粒子と電極との間のバインダー樹脂が効果的に排除される。このため、電極間の導通信頼性が高くなる。
上記導電性粒子の表面に突起を形成する方法としては、基材粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより導電部を形成する方法等が挙げられる。上記突起を形成する他の方法としては、基材粒子の表面上に、第1の導電部を形成した後、該第1の導電部上に芯物質を配置し、次に第2の導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面上に導電部を形成する途中段階で、芯物質を添加する方法等が挙げられる。
上記基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法としては、例えば、基材粒子の分散液中に、芯物質を添加し、基材粒子の表面に芯物質を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ、付着させる方法、並びに基材粒子を入れた容器に、芯物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法等が挙げられる。なかでも、付着させる芯物質の量を制御しやすいため、分散液中の基材粒子の表面に芯物質を集積させ、付着させる方法が好ましい。
上記芯物質の材料としては、導電性物質及び非導電性物質が挙げられる。上記導電性物質としては、例えば、金属、金属の酸化物、黒鉛等の導電性非金属及び導電性ポリマー等が挙げられる。上記導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン等が挙げられる。上記非導電性物質としては、シリカ、アルミナ及びジルコニア等が挙げられる。なかでも、導電性を高めることができ、更に接続抵抗を効果的に低くすることができるので、金属が好ましい。上記芯物質は金属粒子であることが好ましい。
上記金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム等の金属、並びに錫−鉛合金、錫−銅合金、錫−銀合金、錫−鉛−銀合金及び炭化タングステン等の2種類以上の金属で構成される合金等が挙げられる。なかでも、ニッケル、銅、銀又は金が好ましい。上記芯物質の材料である金属は、上記導電部の材料である金属と同じであってもよく、異なっていてもよい。上記芯物質の材料は、ニッケルを含むことが好ましい。また、上記金属の酸化物としては、アルミナ、シリカ及びジルコニア等が挙げられる。
上記芯物質の形状は特に限定されない。芯物質の形状は塊状であることが好ましい。芯物質としては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び不定形の塊等が挙げられる。
上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記芯物質の平均径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
上記芯物質の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。芯物質の平均径は、任意の芯物質50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
上記導電性粒子における上記突起の平均高さは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、更に好ましくは0.1μmを超え、特に好ましくは0.125μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.2μm以下である。上記突起の平均高さが上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。特に、上記導電性粒子における上記突起の平均高さが0.125μm以上であると、導電性粒子の配置精度及び電極間の接続信頼性がより一層良好になる。特に、上記導電性粒子における上記突起の平均高さが0.3μm以下であると、導電性粒子の配置精度及び電極間の接続信頼性がより一層良好になる。
ボイドの発生をより一層抑え、かつ電極間の接続信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子の平均粒子径が2μm以上、5μm以下であり、上記導電性粒子における上記突起の平均高さが50nm以上、500nm以下であることが好ましい。
(導電フィルム)
上記導電フィルムは、導電性粒子とバインダー樹脂とを含む。上記導電フィルムは、異方性導電フィルムであることが好ましい。該異方性導電フィルムには、上下の電極間を導通するための導電フィルムが含まれる。上記導電フィルムは、電極間の電気的な接続に用いられることが好ましい。上記導電フィルムは回路接続用導電フィルムであることが好ましい。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、一般的には絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂又は湿気硬化性樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記導電フィルムは、上記導電性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
上記導電フィルム100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、好ましくは90.99重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。上記の含有量は、導電フィルムが多層フィルムである場合に、多層フィルム全体での含有量を示す。
上記導電フィルム100重量%中、上記導電性粒子の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、好ましくは80重量%以下、より好ましくは40重量%以下、更に好ましくは20重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。上記の含有量は、導電フィルムが多層フィルムである場合に、多層フィルム全体での含有量を示す。
(接続構造体)
本発明に係る導電フィルムを用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、該接続部が上述した導電フィルムにより形成されている接続構造体であることが好ましい。
図6に、図1に示す導電フィルム1を用いた接続構造体の一例を模式的に断面図で示す。
図6に示す接続構造体51は、第1の接続対象部材52と、第2の接続対象部材53と、第1,第2の接続対象部材52,53を接続している接続部54とを備える。接続部54は、導電フィルム1により形成されている。接続部54は、導電フィルム1を硬化させることにより形成されていることが好ましい。
第1の接続対象部材52は表面(上面)に、複数の第1の電極52aを有する。第2の接続対象部材53は表面(下面)に、複数の第2の電極53aを有する。第1の電極52aと第2の電極53aとが、1つ又は複数の導電性粒子21により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材52,53が導電性粒子21により電気的に接続されている。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例としては、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電フィルムを配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。
上記加圧の圧力は9.8×10〜4.9×10Pa程度である。上記加熱の温度は、好ましくは100〜220℃程度、より好ましくは120〜220℃程度である。上記加熱の温度は180℃以下であることが更に好ましく、160℃以下であることが特に好ましく、140℃以下であることが最も好ましい。上記加熱の温度の範囲を満足するとき、導電性粒子の100℃での10%K値及び導電フィルムの100℃での溶融粘度が上記範囲内にあることで、本発明の効果が効果的に得られる。
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板などの電子部品等が挙げられる。上記接続対象部材は電子部品であることが好ましい。上記導電性粒子は、電子部品における電極の電気的な接続に用いられることが好ましい。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、銀電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)導電性粒子
ジビニルベンゼン樹脂粒子(平均粒子径3μm)の表面がニッケルめっき層(厚み0.1μm)により被覆されており、かつニッケルめっき層の表面に複数の突起を有する導電性粒子を用意した。
この導電性粒子における突起の平均高さは、150nmであった。上記導電性粒子の全表面積100%中、上記導電性粒子における上記突起がある部分(突起部分)の表面積は62%、上記導電性粒子における上記突起がない部分(未突起部分)の表面積は38%であった(表面積の評価方法は下記の評価欄参照)。上記導電性粒子の100℃での10%K値は5320N/mmであった。
(2)導電フィルムの作製
フェノキシ樹脂(InChem社製「PKHH」)50重量部と、熱硬化性化合物であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製「TD−2106」)25重量部と、熱カチオン硬化剤(三新化学社製「SI−60」)1重量部と、シランカップリング剤1重量部と、上記導電性粒子10重量部とを、トルエンに分散させて、固形分40重量%の樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物をポリエチレンテレフタレート上にコーターで塗布し、溶媒を乾燥することで、厚み18μmの異方性導電フィルムを得た。
得られた異方性導電フィルムにおける100℃での溶融粘度は、900Pa・sであった。なお、溶融粘度は、TA Instruments社製粘弾性測定装置「ARES−G2」を用いて、昇温速度5℃/min、1Hzの条件で測定し、100℃の溶融粘度を算出した。
(3)接続構造体の作製
L/Sが15μm/15μmのTi−Al−Tiの複層電極パターンを上面に有する透明ガラス基板(第1の接続対象部材)を用意した。また、L/Sが15μm/15μmのニッケル電極パターンを下面に有する半導体チップ(第2の接続対象部材)を用意した。
仮圧着機を用いて、上記透明ガラス基板上のチップ搭載部分に、得られた異方性導電フィルムを仮圧着し、貼り付けた。次に、上記半導体チップを電極同士が対向するように積層した後、異方性導電フィルムの温度が130℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せて、3MPaの圧力をかけて10秒間熱圧着を行い、異方性導電フィルム中のバインダー樹脂を硬化させて、接続構造体を得た。
(実施例2)
(1)導電性粒子
実施例1の導電性粒子を用意した。
(2)導電フィルムの作製
フェノキシ樹脂(InChem社製「PKHH」)50重量部と、熱硬化性化合物であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製「TD−2106」)25重量部と、熱カチオン硬化剤(三新化学社製「SI−60」)1重量部と、シランカップリング剤1重量部と、上記導電性粒子10重量部とを、トルエンに分散させて、固形分40重量%の樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物をポリエチレンテレフタレート上にコーターで塗布し、溶媒を乾燥することで、厚み8μmの第1の層(ACF)を得た。
次に、フェノキシ樹脂(InChem社製「PKHC」)50重量部と、熱硬化性化合物であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製「TD−2106」)25重量部と、熱カチオン硬化剤(三新化学社製「SI−60」)1重量部と、シランカップリング剤1重量部とをトルエンに分散させて、固形分40重量%の樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物をポリエチレンテレフタレート上にコーターで塗布し、溶媒を乾燥することで、厚み12μmの第2の層(NCF)を得た。
得られた第1の層(ACF)と得られた第2の層(NCF)とを、ラミネータを用いて積層して、厚み20μmの異方性導電フィルムを得た。
得られた異方性導電フィルムにおける100℃での溶融粘度は、800Pa・sであった。
(3)接続構造体の作製
L/Sが15μm/15μmのTi−Al−Tiの複層電極パターンを上面に有する透明ガラス基板(第1の接続対象部材)を用意した。また、L/Sが15μm/15μmのニッケル電極パターンを下面に有する半導体チップ(第2の接続対象部材)を用意した。
仮圧着機を用いて、上記透明ガラス基板上のチップ搭載部分に、得られた異方性導電フィルムを仮圧着し、貼り付けた。なお、第1の層(ACF)が透明ガラス基板側となるように異方性導電フィルムを配置した。次に、上記半導体チップを電極同士が対向するように積層した後、異方性導電フィルムの温度が130℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せて、3MPaの圧力をかけて10秒間熱圧着を行い、異方性導電フィルム中のバインダー樹脂を硬化させて、接続構造体を得た。
(実施例3)
導電性粒子における突起の平均高さを400nmとし、上記導電性粒子の全表面積100%中、上記導電性粒子における上記突起がある部分の表面積を90%、上記導電性粒子における上記突起がない部分の表面積を10%としたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(実施例4)
導電性粒子における突起の平均高さを100nmとし、上記導電性粒子の全表面積100%中、上記導電性粒子における上記突起がある部分の表面積を55%、上記導電性粒子における上記突起がない部分の表面積を45%としたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(実施例5)
ジビニルベンゼン樹脂粒子を、ジビニルベンゼン70重量%及びアクリロニトリル30重量%の共重合樹脂粒子に変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。この導電性粒子の100℃での10%K値は9730N/mmであった。
(実施例6)
ジビニルベンゼン樹脂粒子を、ジビニルベンゼン50重量%及び1,4−ブタンジオールジアクリレート50重量%の共重合樹脂粒子に変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。この導電性粒子の100℃での10%K値は3250N/mmであった。
(実施例7)
フェノキシ樹脂(InChem社製「PKHH」)50重量部を、フェノキシ樹脂(InChem社製「PKHH」)10重量部とフェノキシ樹脂(InChem社製「PKHC」)40重量部との混合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電フィルムを得て、接続構造体を作製した。得られた異方性導電フィルムにおける100℃での溶融粘度は、350Pa・sであった。
(実施例8)
実施例1で用いた導電性粒子の表面を、絶縁性粒子で被覆した導電性粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
ここで用いた絶縁性粒子は、メタクリル酸メチルを主成分とし、表面にP−OH基及びグリシジル基を有する有機高分子絶縁性粒子である。絶縁性粒子の平均粒径は300nmであった。また、導電性粒子の100℃での10%K値は5320N/mmであった。
(実施例9)
ジビニルベンゼン樹脂粒子(平均粒子径2μm)の表面がニッケルめっき層(厚み0.08μm)により被覆されており、かつニッケルめっき層の表面に複数の突起を有する導電性粒子を用意した。
この導電性粒子における突起の平均高さは、100nmであった。上記導電性粒子の全表面積100%中、上記導電性粒子における上記突起がある部分の表面積は52%、上記導電性粒子における上記突起がない部分の表面積は48%であった。
上記の導電性粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(実施例10)
熱圧着時の異方導電ペースト層の温度が150℃となるようにヘッドの温度を調節して熱圧着を行ったこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(比較例1)
導電性粒子における突起の平均高さを150nmとし、上記導電性粒子の全表面積100%中、上記導電性粒子における上記突起がある部分の表面積を45%、上記導電性粒子における上記突起がない部分の表面積を55%としたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(比較例2)
導電性粒子における突起の平均高さを150nmとし、上記導電性粒子の全表面積100%中、上記導電性粒子における上記突起がある部分の表面積を97%、上記導電性粒子における上記突起がない部分の表面積を3%としたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(比較例3)
ジビニルベンゼン樹脂粒子をジビニルベンゼン60重量%及びアクリロニトリル40重量%の共重合樹脂粒子に変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。この導電性粒子の100℃での10%K値は10590N/mmであった。
(比較例4)
ジビニルベンゼン樹脂粒子をジビニルベンゼン40重量%及び1,4−ブタンジオールジアクリレート60重量%の共重合樹脂粒子に変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。この導電性粒子の100℃での10%K値は2860N/mmであった。
(比較例5)
フェノキシ樹脂(InChem社製「PKHH」)50重量部を、フェノキシ樹脂(InChem社製「PKHC」)50重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電フィルムを得て、接続構造体を作製した。得られた異方性導電フィルムにおける100℃での溶融粘度は、290Pa・sであった。
(評価)
(1)突起密度の測定
FE−SEM(日立ハイテク社製「S−4000」)を用い、6000倍で粒子が50個測定できる枚数を撮影した。
撮影した画像を画像処理ソフトで二値化処理を行い、粒子1個に対する突起部分(突起がある部分、隆起している部分)の表面積と未突起部分(突起がない部分、隆起していない部分)の表面積との各割合を求めた。
(2)ボイドの有無
得られた接続構造体に対し、透明基板側から光学顕微鏡で観察することで、100本の配線間を観察し、ボイドのある配線間をカウントすることにより、ボイドの有無を評価した。ボイドの有無を下記の基準で判定した。
[ボイドの有無の判定基準]
○○:ボイドのある配線間が0本
○:ボイドのある配線間が1本以上、3本未満
△:ボイドのある配線間が3本以上、10本未満
×:ボイドのある配線間が10本以上
(3)電極上の導電性粒子の配置精度
得られた接続構造体において、導電材料により形成された接続部に含まれる導電性粒子を確認した。電極上に配置されている導電性粒子と電極間に配置されている導電性粒子との個数の割合(%)を評価した。電極上の導電性粒子の配置精度を下記の基準で判定した。
[電極上の導電性粒子の配置精度の判定基準]
○○:電極上に配置されている導電性粒子の個数の割合が70%以上
○:電極上に配置されている導電性粒子の個数の割合が60%以上、70%未満
△:電極上に配置されている導電性粒子の個数の割合が50%以上、60%未満
×:電極上に配置されている導電性粒子の個数の割合が50%未満
(4)電極間の接続信頼性
得られた接続構造体(n=15個)において、上下の20個の電極間の接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定し、接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。その後、接続構造体を85℃85%の高温高湿槽に100時間保持した後、同様の測定を行うことで接続抵抗の平均値を算出した。接続信頼性上昇率を下記の式で求めて接続信頼性を評価した。接続信頼性電極間の接続信頼性を下記の基準で判定した。
接続信頼性上昇率=(高温高湿保持後の接続抵抗)/(初期の接続抵抗)
[接続信頼性の判定基準]
○○:接続抵抗の上昇率が2倍以下
○:接続抵抗の上昇率が2倍を超え、5倍以下
△:接続抵抗の上昇率が5倍を超え、10倍以下
×:接続抵抗の上昇率が10倍を超える
結果を下記の表1に示す。
Figure 2014207223
1,1A…導電フィルム
2…第1の層
3…第2の層
11,11A,11B…バインダー樹脂
21…導電性粒子
21a…突起
22…基材粒子
23,23A,23B…導電部
23a,23Aa,23Ba…突起
23Bx…第1の導電部
23By…第2の導電部
24…芯物質
31,41…導電性粒子
31a,41a…突起
51…接続構造体
52…第1の接続対象部材
52a…第1の電極
53…第2の接続対象部材
53a…第2の電極
54…接続部

Claims (7)

  1. 導電性粒子と、バインダー樹脂とを含み、
    前記導電性粒子が、導電性の表面に複数の突起を有し、
    前記導電性粒子の全表面積100%中、前記導電性粒子における前記突起がある部分の表面積が50%以上、95%以下であり、かつ前記導電性粒子における前記突起がない部分の表面積が5%以上、50%以下であり、
    前記導電性粒子を100℃で10%圧縮したときの圧縮弾性率が3000N/mm以上、10000N/mm以下であり、
    100℃での溶融粘度が300Pa・s以上、1000Pa・s以下である、導電フィルム。
  2. 前記導電性粒子の平均粒子径が2μm以上、5μm以下であり、
    前記導電性粒子における前記突起の平均高さが50nm以上、500nm以下である、請求項1に記載の導電フィルム。
  3. 前記導電性粒子と、前記バインダー樹脂とを含む単層フィルムであるか、又は、前記導電性粒子と前記バインダー樹脂とを含む第1の層と、前記第1の層の片面に積層されており、かつ前記導電性粒子を含まずかつ前記バインダー樹脂を含む第2の層とを有する多層フィルムであり、
    前記単層フィルムである場合には、前記単層フィルムの厚みが、前記導電性粒子の平均粒子径の5倍以上、7倍以下であり、
    前記多層フィルムである場合には、前記多層フィルムの厚みが、前記導電性粒子の平均粒子径の5倍以上、8倍以下である、請求項1又は2に記載の導電フィルム。
  4. 前記多層フィルムである場合には、前記導電性粒子を含む前記第1の層の厚みが、前記導電性粒子の平均粒子径の2倍以上、4倍以下であり、かつ前記導電性粒子を含まない前記第2の層の厚みが、前記第1の層の厚みの1倍以上、3倍以下である、請求項3に記載の導電フィルム。
  5. 前記導電性粒子と、前記バインダー樹脂とを含む単層フィルムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電フィルム。
  6. 前記導電性粒子と前記バインダー樹脂とを含む第1の層と、前記第1の層の片面に積層されており、かつ前記導電性粒子を含まずかつ前記バインダー樹脂を含む第2の層とを有する多層フィルムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電フィルム。
  7. 第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
    第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、
    前記接続部が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電フィルムにより形成されており、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記導電性粒子により電気的に接続されている、接続構造体。
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