JP2014205987A - トンネル防護シートおよびその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トンネル内面からの剥落防止と漏水対策を同時に図ることが可能なトンネル防護シートおよびその施工方法を提供する。
【解決手段】シート本体101が、トンネル内面1からの剥落片を受け止めるメッシュシート110と、メッシュシート110に積層されてトンネル内面1からの漏水を受け止める水受けシート120を備え、シート本体101の片面に、トンネル内面1に密着してトンネル内面1とシート本体101の間に導水空間WSを形成する少なくとも1列の帯状の弾性スペーサー122を取り付けてなるトンネル防護シート100を用い、
前記各列の弾性スペーサー122をトンネル内面1に密着させた状態で、シート本体101をアンカーボルト10によりトンネル内面1に固定する。
【選択図】図1
【解決手段】シート本体101が、トンネル内面1からの剥落片を受け止めるメッシュシート110と、メッシュシート110に積層されてトンネル内面1からの漏水を受け止める水受けシート120を備え、シート本体101の片面に、トンネル内面1に密着してトンネル内面1とシート本体101の間に導水空間WSを形成する少なくとも1列の帯状の弾性スペーサー122を取り付けてなるトンネル防護シート100を用い、
前記各列の弾性スペーサー122をトンネル内面1に密着させた状態で、シート本体101をアンカーボルト10によりトンネル内面1に固定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、鉄道や道路などのトンネルにおいて、主にトンネル内面からの剥落防止および漏水対策を目的として用いられるトンネル防護シートとその施工方法に関するものである。
日本は国土の約70%が山地であり、各地に鉄道網や道路網を展開するにあたっては、多くのトンネルが建設されてきた。これらのトンネルは多くがコンクリート製であるが、なかには施工から40年以上経過したトンネルや、あるいは明治時代に施工された現役の煉瓦造りのトンネルなども存在している。
これらのトンネルに対しては定期的に保全作業(点検や補修)が行われている。しかしながら、トンネルの保全作業は、例えば鉄道の場合、終電から始発の間の深夜帯の限られた時間に、同様に道路の場合、主に交通量の少ない深夜帯の限られた時間に、行われているが、前述のように山地が多い日本はトンネルの数が非常に多く、また、距離の長いトンネルも少なくないことから、保全作業を限られた時間で効率よく進めなければならず、現場作業の負担が非常に大きかった。
従来より、コンクリート片の剥落防止技術として、FRP格子筋をアンカーボルトによりトンネルのコンクリート面に固定するようにしたもの(特許文献1)や、薄いメッシュ状の防護ネットをアンカーボルトによりトンネルのコンクリート面に固定するようにしたもの(特許文献2)が提案されている。
しかしながら、上記の従来技術は、コンクリート片の剥落防止を目的としたもので、漏水対策については特に講じられていない。日本の山地は降水量が多く、トンネル内面から漏水が発生するトンネルも少なくなく、トンネル保全にあたっては、剥落防止だけでなく漏水対策も合わせて講じることが重要である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、トンネル内面からの剥落防止と漏水対策を同時に図ることが可能なトンネル防護シートおよびその施工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るトンネル防護シートは、アンカーボルトによってトンネル内面に固定可能なシート本体を備え、当該シート本体は、トンネル内面からの剥落片を受け止めるメッシュシートと、当該メッシュシートに重ねられてトンネル内面からの漏水を受け止める水受けシートを備え、当該シート本体の片面に、トンネル内面に密着してトンネル内面とシート本体の間に導水空間を形成する少なくとも1列の帯状の弾性スペーサーを取り付けたことを主要な特徴とする。
本発明に係るトンネル防護シートは、シート本体の片面に、所定間隔を隔てて少なくとも2列の帯状の弾性スペーサーを取り付けたことを第2の特徴とする。
本発明に係るトンネル防護シートは、水受けシートが透明であることを第3の特徴とする。
本発明に係るトンネル防護シートの施工方法は、シート本体が、トンネル内面からの剥落片を受け止めるメッシュシートと、当該メッシュシートに重ねられてトンネル内面からの漏水を受け止める水受けシートを備え、当該シート本体の片面に、トンネル内面に密着してトンネル内面とシート本体の間に導水空間を形成する少なくとも1列の帯状の弾性スペーサーを取り付けてなるトンネル防護シートを用い、
前記弾性スペーサーをトンネル内面に密着させた状態で、前記シート本体をアンカーボルトによりトンネル内面に固定することを主要な特徴とする。
前記弾性スペーサーをトンネル内面に密着させた状態で、前記シート本体をアンカーボルトによりトンネル内面に固定することを主要な特徴とする。
本発明に係るトンネル防護シートの施工方法は、弾性スペーサーをトンネル周方向に向けてトンネル内面に密着させた状態で、第1のトンネル防護シートのシート本体をアンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
次いで弾性スペーサーをトンネル周方向に向けて前記第1のトンネル防護シートの弾性スペーサーに接続すると共にトンネル内面に密着させた状態で、第2のトンネル防護シートを、前記第1のトンネル防護シートにおけるシート本体のトンネル周方向端部に部分的に重ねて、アンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
これを繰り返すことにより複数のトンネル防護シートをトンネル内面のトンネル周方向に施工することを第2の特徴とする。
次いで弾性スペーサーをトンネル周方向に向けて前記第1のトンネル防護シートの弾性スペーサーに接続すると共にトンネル内面に密着させた状態で、第2のトンネル防護シートを、前記第1のトンネル防護シートにおけるシート本体のトンネル周方向端部に部分的に重ねて、アンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
これを繰り返すことにより複数のトンネル防護シートをトンネル内面のトンネル周方向に施工することを第2の特徴とする。
本発明に係るトンネル防護シートの施工方法は、弾性スペーサーをトンネル周方向に向けてトンネル内面に密着させた状態で、第1のトンネル防護シートのシート本体をアンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
次いで弾性スペーサーをトンネル周方向に向けて前記第1のトンネル防護シートの弾性スペーサーとトンネル長さ方向に所定の間隔を設けると共にトンネル内面に密着させた状態で、第2のトンネル防護シートを、前記第1のトンネル防護シートにおけるシート本体のトンネル長さ方向端部に部分的に重ねて、アンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
これを繰り返すことにより複数のトンネル防護シートをトンネル内面のトンネル長さ方向に施工することを第3の特徴とする。
次いで弾性スペーサーをトンネル周方向に向けて前記第1のトンネル防護シートの弾性スペーサーとトンネル長さ方向に所定の間隔を設けると共にトンネル内面に密着させた状態で、第2のトンネル防護シートを、前記第1のトンネル防護シートにおけるシート本体のトンネル長さ方向端部に部分的に重ねて、アンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
これを繰り返すことにより複数のトンネル防護シートをトンネル内面のトンネル長さ方向に施工することを第3の特徴とする。
本発明に係るトンネル防護シートの施工方法は、弾性スペーサーをトンネル周方向に向けてトンネル内面に密着させた状態で、第1のトンネル防護シートのシート本体をアンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
次いで弾性スペーサーをトンネル周方向に向けて前記第1のトンネル防護シートの弾性スペーサーに接続すると共にトンネル内面に密着させた状態で、第2のトンネル防護シートを、前記第1のトンネル防護シートにおけるシート本体のトンネル周方向端部に部分的に重ねて、アンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
一方、弾性スペーサーをトンネル周方向に向けて前記第1のトンネル防護シートの弾性スペーサーとトンネル長さ方向に所定の間隔を設けると共にトンネル内面に密着させた状態で、第3のトンネル防護シートを、前記第1のトンネル防護シートにおけるシート本体に対してはトンネル長さ方向端部に部分的に重ねて、前記第2のトンネル防護シートにおけるシート本体に対してはトンネル周方向端部に部分的に重ねて、アンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
これを繰り返すことにより複数のトンネル防護シートをトンネル内面のトンネル周方向および長さ方向に施工することを第4の特徴とする。
次いで弾性スペーサーをトンネル周方向に向けて前記第1のトンネル防護シートの弾性スペーサーに接続すると共にトンネル内面に密着させた状態で、第2のトンネル防護シートを、前記第1のトンネル防護シートにおけるシート本体のトンネル周方向端部に部分的に重ねて、アンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
一方、弾性スペーサーをトンネル周方向に向けて前記第1のトンネル防護シートの弾性スペーサーとトンネル長さ方向に所定の間隔を設けると共にトンネル内面に密着させた状態で、第3のトンネル防護シートを、前記第1のトンネル防護シートにおけるシート本体に対してはトンネル長さ方向端部に部分的に重ねて、前記第2のトンネル防護シートにおけるシート本体に対してはトンネル周方向端部に部分的に重ねて、アンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
これを繰り返すことにより複数のトンネル防護シートをトンネル内面のトンネル周方向および長さ方向に施工することを第4の特徴とする。
以上説明したように、本発明に係るトンネル防護シートを用いてトンネル内面に施工することにより、トンネル内面からの剥落防止と漏水対策を同時に図れるトンネル防護構造を構築できるという優れた効果を奏する。
また、水受けシートを透明にすることで、トンネル内面の目視点検を容易にできるという効果を奏する。
さらに、本発明に係るトンネル防護シートの施工方法によれば、施工が簡単で、施工後の補修も部分的に切り取って行えるので補修を容易に行えるという優れた効果を奏する。
本発明を実施するための一実施形態を図1ないし図6を参照して説明する。図1において符号100は本発明に係る施工方法に用いるトンネル防護シート、図2において符号Tはトンネルを示している。
まず、トンネル防護シートについて説明すると、図1に示すように、トンネル防護シート100は、シート本体101が、メッシュシート110と、メッシュシート110の上に重ねられた水受けシート120を備えている。シート本体101は、全体として可撓性を備えており、図2に示すように、アンカーボルト10によってトンネル内面1に沿って固定されるようになっている。
メッシュシート110は、図1に示すように、四角形状のシート状物で、シートの縦寸法(トンネル長さ方向)は1.0〜2m位(図示例は1.0m)、横寸法(トンネル周方向)は2.0〜50m位(図示例は2.0m)とされている。本体部111は補強筋112を網状に形成したもので、本体部111の目開きは縦横ともに5〜20mm(図示例は10mm)とされている。目開きを5〜20mmとすることでシートの軽量化を図りながら小さな剥落片でも抜け落ちないように受け止めることができる。また、トンネル内面1の目視点検を行える。
補強筋112はビニロン繊維を芯線としてその周囲にPVC被膜が形成されている。芯線をビニロン繊維とすることで柔軟性に富み、引っ張り強度も高い。引っ張り強度が高いことで落下した剥落片を受け止めて保持する強度を持たせることができる。PVC被膜は対候性に優れ、長期にわたり紫外線等に当たっても劣化がない。また、難燃性があるので火災や高熱下でも劣化しにくい。なお、芯線の被膜はシリコン樹脂やフッ素樹脂であってもよい。補強筋112は2本の芯線を合わせて用いるが、1本であっても3本以上であってもよい。
本体部111には複数の形状保持帯113が取り付けられている。本体部111は柔軟性に富むためトンネル内面1に取り付けても自重で部分的に垂れるおそれがある。そこで本体部111の端部付近に形状保持帯113を取り付けることによりトンネル内面1に沿って本体部111の形状を保持できる。本実施形態の場合、本体部111の横方向(トンネル周方向)に沿って左右の端部付近に2本ずつの形状保持帯113が取り付けられている。図3に示すように、各形状保持帯113の上面には水受けシート120の本体部121を重ねて取り付けるための接着剤層114が設けられている。
形状保持帯113の素材は、ガラス繊維に耐アルカリ性を有する熱硬化性合成樹脂を含浸させたもので、より具体的にはガラス繊維の束を引き揃えて、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などの耐アルカリ性のある熱硬化性合成樹脂を含浸させて固化させたものである。ガラス繊維は引っ張り強度が高く曲げ剛性が低いが、合成樹脂を含浸させることで曲げ剛性を向上させている。
水受けシート120は、同じく四角形状のシート状物であり、縦寸法(トンネル長さ方向)が1.0〜2m位(図示例は1.0m)、横寸法(トンネル周方向)が2.0〜50m位(図示例は2.0m)とされている。本体部121は、防水性および透明性のあるポリ塩化ビニル(PVC)シートからなる。ポリ塩化ビニルシートは柔軟性に富み、また、防水性があるので、トンネル内面1からの漏水がメッシュシート110の目開き部分から漏れ出ることを防止できる。そして、本体部121がメッシュシート110の本体部111の上面に重ねられて、形状保持帯113上の接着剤層114を介して本体部111,121どうしが一体化されている。
積層状態の本体部121の上面には、形状保持帯113の直上に全長にわたり一定の高さh(5mm〜20mm、図示例は5mm)を備える帯状の弾性スペーサー122が接着剤層123を介して取り付けられている。弾性スペーサー122は、図4に示すように、トンネル内面1に密着してトンネル内面1とシート本体101の間に導水空間WSを形成するためのもので、一枚のシートに少なくとも1列備えればよい。弾性スペーサー122の素材は、軽量で柔軟性、弾力性、トンネル内面凹凸への密着性、止水性のあるスポンジやウレタン、弾性ゴムなどが用いられる。本実施形態では、図1に示すように、左右いずれか一方の2つの形状保護帯113,113の上に弾性スペーサー122,122が取り付けられている。これにより、トンネル長さ方向に防護シートを部分的に重ねることにより、図3に示すように、中央に広幅の導水空間WS、左右に狭幅の導水空間WSを、合計3つ形成することができる。
弾性スペーサー122の端部は、図1に示すように、一方がシート本体101の端部から所定の寸法だけ突出し、他方がシート本体101の端部からその寸法だけ切除されており、各端部が斜めにカットされて鋭角部122Aが形成されている。これにより、図5に示すように、トンネル周方向に連続する一方の弾性スペーサー122の鋭角部122Aに他方の弾性スペーサー122の鋭角部122Aが接合され、トンネル周方向に連続する弾性スペーサー122、122間の隙間の発生を抑制できる。これにより、トンネル内面1からの漏水が弾性スペーサー122、122間から漏れ出るのを防止できる。
なお、本体部121の周囲および中央には、アンカーボルト10を挿通させるための複数の挿通穴124が設けられている。
次に上記構成のトンネル防護シート100をトンネルTの内面1に施工する手順について、以下に述べる。
トンネル防護シート100をトンネルTの内面1へ施工するには、高所作業車や足場の上に作業者が立って、トンネル防護シート100を保持しながらアンカーボルト10を打ち込んでいく。すなわち、形状保持帯113および弾性スペーサー122がトンネル周方向を向くようにトンネル防護シート100を位置決めし、図4に示すように内面側の弾性スペーサー122をトンネル内面1に全長にわたり密着させて、アンカーボルト10をシートの周囲および中央に打ち込み、トンネル防護シート100をトンネル内面1に固定する。
トンネル内面1は予めアンカーボルト用にドリルで孔2を空けておき、トンネル防護シート100の上からプレート11と図示しないワッシャーを介在させて、孔の内部にアンカーボルト10を挿入する。そしてアンカーボルト10の筒体内にある栓体を専用工具で打ち込むと、筒体先端が割れて開き、続いて筒体の基端から液状の固化剤を注入すると筒体内外に固化剤が充満する。固化剤が硬化することにより、先端が開いているアンカーボルトは抜けなくなる。また、固化剤の充満により外部から雨水等がコンクリート内に進入することがない。
図5(A)乃至(D)は、トンネル防護シート100を固定する順番を例示している。最初のトンネル防護シート100をトンネル内面1に固定したら(図5(A))、当該トンネル防護シート100の下端部に次のトンネル防護シート100の上端部(重ねしろ101A)をトンネル周方向に上から重ねて、上記の手順で再びアンカーボルト10を打ち込む(図5(B))。このとき、トンネル周方向に隣接する弾性スペーサー122,122は、図6に示すように、端部の鋭角部122A,122Aどうしを互いに密着状態に接合し、弾性スペーサー122,122間に隙間が生じないようにする。
トンネル周方向に全体にわたり天井から側面へ一列分のトンネル防護シート100を固定したら、一列目のトンネル防護シート100の側端部に2列目のトンネル防護シート100の側端部(重ねしろ101B)を下から重ねて、上記の手順で再びアンカーボルト10を打ち込んでいく(図5(C)。そして、当該トンネル防護シート100の下端部に次のトンネル防護シート100の上端部をトンネル周方向に上から重ねて(1列目のトンネル防護シート100の側端部に対しては側端部を下から重ねて)、上記の手順で再びアンカーボルト10を打ち込む(図5(D))。
このようにして、高所作業車または足場を移動させながら、トンネルの周方向および長さ方向にトンネル防護シート100を固定していく。
本実施形態で施工されたトンネル防護構造によると、以下の効果を奏する。
(1)トンネル内面1のトンネル周方向およびトンネル長さ方向に固定した各トンネル防護シート100のメッシュシート110がトンネル内面1からのコンクリート片や煉瓦片などの剥落片を受け止め、剥落片のトンネル内への落下を防止する。
(2)トンネル内面1のトンネル周方向およびトンネル長さ方向に固定した各トンネル防護シート100の水受けシート120と、トンネル内面1に密着してトンネル周方向に連続する複数列の弾性スペーサー122により、トンネル内面1に沿って複数列の導水空間WSを形成し、降雨や地下水等によってトンネル内に発生する漏水を、これら導水空間WSを通してトンネル内側溝や排水孔へことごとく案内し、排水処理できる。これにより、剥落片の落下防止とトンネル内の漏水対策を同時に講じることができる。
(3)トンネル内面1のトンネル周方向およびトンネル長さ方向に固定した各トンネル防護シート100の水受けシート120を透明シートとしたことで、メッシュシート110を通して、トンネル内面1の目視点検を行いやすくなった。
(4)トンネル内面1のトンネル周方向およびトンネル長さ方向に固定したトンネル防護シート100に補修の必要が生じた場合、トンネル内面1全体を補修することなく、必要部分のシートのみを切り取って、部分的に補修を行うことができる。したがって、補修が容易で補修作業も短時間ですむ。
(5)トンネルの保全作業は、深夜帯の限られた時間に行われるが、以上の作用効果によって、保全作業に要する時間や作業員の負担を大きく減らすことができる。
本実施形態では、水受けシート120に透明シートを用いたが、トンネル内面1を目視点検できれば、半透明であってもよい。また、発明の範囲としてはこれらに限らず、透明でなくてもよい。弾性スペーサー122は左右いずれか一方のみ取り付けたが、両方に取り付けてよい。
かくして、本発明を用いることにより、湧水の発生するトンネルに対しても、湧水対策を施しながら剥落防止対策を施し、トンネル保全作業を効率的に行えるようになる。
本発明は、鉄道や道路のトンネルにおける防護構造、漏水対策に利用可能である。また、トンネルに限らず建物や構造物の防護構造、漏水対策にも利用可能である。
1 トンネル内面
2 孔
10 アンカーボルト
11 プレート
100 トンネル防護シート
101 シート本体
101A,101B 重ねしろ
110 メッシュシート
111,121 本体部
112 補強筋
113 形状保持帯
114,123 接着剤層
120 水受けシート
122 弾性スペーサー
122A 鋭角部
124 挿通穴
T トンネル
WS 導水空間
2 孔
10 アンカーボルト
11 プレート
100 トンネル防護シート
101 シート本体
101A,101B 重ねしろ
110 メッシュシート
111,121 本体部
112 補強筋
113 形状保持帯
114,123 接着剤層
120 水受けシート
122 弾性スペーサー
122A 鋭角部
124 挿通穴
T トンネル
WS 導水空間
Claims (7)
- アンカーボルトによってトンネル内面に沿って固定可能なシート本体を備え、当該シート本体は、トンネル内面からの剥落片を受け止めるメッシュシートと、当該メッシュシートに重ねられてトンネル内面からの漏水を受け止める水受けシートを備え、当該シート本体の片面に、トンネル内面に密着してトンネル内面とシート本体の間に導水空間を形成する少なくとも1列の帯状の弾性スペーサーを取り付けたことを特徴とするトンネル防護シート。
- シート本体の片面に、所定間隔を隔てて少なくとも2列の帯状の弾性スペーサーを取り付けたことを特徴とする、請求項1記載のトンネル防護シート。
- 水受けシートが透明であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のトンネル防護シート。
- シート本体が、トンネル内面からの剥落片を受け止めるメッシュシートと、当該メッシュシートに積層されてトンネル内面からの漏水を受け止める水受けシートを備え、当該シート本体の片面に、トンネル内面に密着してトンネル内面とシート本体の間に導水空間を形成する少なくとも1列の帯状の弾性スペーサーを取り付けてなるトンネル防護シートを用い、
前記各弾性スペーサーをトンネル内面に密着させた状態で、前記シート本体をアンカーボルトによりトンネル内面に固定することを特徴とする、トンネル防護シートの施工方法。 - 弾性スペーサーをトンネル周方向に向けてトンネル内面に密着させた状態で、第1のトンネル防護シートのシート本体をアンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
次いで弾性スペーサーをトンネル周方向に向けて前記第1のトンネル防護シートの弾性スペーサーに接続すると共にトンネル内面に密着させた状態で、第2のトンネル防護シートを、前記第1のトンネル防護シートにおけるシート本体のトンネル周方向端部に部分的に重ねて、アンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
これを繰り返すことにより複数のトンネル防護シートをトンネル内面のトンネル周方向に施工することを特徴とする、請求項4記載のトンネル防護シートの施工方法。 - 弾性スペーサーをトンネル周方向に向けてトンネル内面に密着させた状態で、第1のトンネル防護シートのシート本体をアンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
次いで弾性スペーサーをトンネル周方向に向けて前記第1のトンネル防護シートの弾性スペーサーとトンネル長さ方向に所定の間隔を設けると共にトンネル内面に密着させた状態で、第2のトンネル防護シートを、前記第1のトンネル防護シートにおけるシート本体のトンネル長さ方向端部に部分的に重ねて、アンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
これを繰り返すことにより複数のトンネル防護シートをトンネル内面のトンネル長さ方向に施工することを特徴とする、請求項4記載のトンネル防護シートの施工方法。 - 弾性スペーサーをトンネル周方向に向けてトンネル内面に密着させた状態で、第1のトンネル防護シートのシート本体をアンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
次いで弾性スペーサーをトンネル周方向に向けて前記第1のトンネル防護シートの弾性スペーサーに接続すると共にトンネル内面に密着させた状態で、第2のトンネル防護シートを、前記第1のトンネル防護シートにおけるシート本体のトンネル周方向端部に部分的に重ねて、アンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
一方、弾性スペーサーをトンネル周方向に向けて前記第1のトンネル防護シートの弾性スペーサーとトンネル長さ方向に所定の間隔を設けると共にトンネル内面に密着させた状態で、第3のトンネル防護シートを、前記第1のトンネル防護シートにおけるシート本体に対してはトンネル長さ方向端部に部分的に重ねて、前記第2のトンネル防護シートにおけるシート本体に対してはトンネル周方向端部に部分的に重ねて、アンカーボルトによりトンネル内面に固定し、
これを繰り返すことにより複数のトンネル防護シートをトンネル内面のトンネル周方向および長さ方向に施工することを特徴とする、請求項4記載のトンネル防護シートの施工方法。
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---|---|---|---|---|
JP2017141566A (ja) * | 2016-02-08 | 2017-08-17 | 新日鉄住金マテリアルズ株式会社 | 導水フィルム付きコンクリート剥落防止材及びその製造方法並びにコンクリート剥落防止方法 |
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