JP2014205959A - 太陽電池付きブラインド - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池セルの長辺をスラットの長手方向に沿うようにスラットに配列することにより、太陽電池セルの形状を比較的自由に設定する。
【解決手段】水平方向に延びる薄板状に形成された複数のスラット11の傾斜角がラダーコードにより調整され、スラット11が昇降コードにより昇降される。各スラットにそれぞれ貼付けられた太陽電池モジュール14の出力端子同士が出力リード線16により電気的に接続され、太陽電池モジュール14で発電された電力が外部リード線17により外部に取出される。太陽電池モジュール14は、各スラット11にこのスラット11の長手方向に間隔をあけて貼付けられかつ電気的に互いに並列接続された複数の太陽電池セル21を有し、これらの太陽電池セル21は、長方形状に形成されかつ長辺がスラット11の長手方向に沿うようにスラット11に配列される。
【選択図】図1

Description

本発明は、窓などを覆うように吊下げられた横型ブラインドの水平方向に延びる複数のスラットに太陽電池モジュールが貼付けられ、ブラインドに照射される太陽の光エネルギを吸収して直接電気に変える太陽電池付きブラインドに関するものである。
従来、複数の長尺のスラットが簾状に配列され、これらのスラットがスラット角度調節用のラダーコード及びスラット昇降用の昇降コードに連繋され、スラットに太陽電池モジュールが組合せられ、更に各段のスラットに跨がり太陽電池モジュールの間を接続して出力を外部に取出すように構成された太陽電池ブラインドが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この太陽電池ブラインドでは、太陽電池モジュールが、シート状の太陽電池を封止材及び表面保護材で封止して構成され、かつ太陽電池がその光電変換素子を複数に分割してアレイ状に配列した短冊形ユニットセルを直列接続して構成される。またスラットは太陽電池モジュールの裏面に補強板を接合して構成され、かつ太陽電池モジュールの太陽電池のユニットセルは、その長辺がスラットの幅方向に沿うような向きに配列される。またスラット毎に太陽電池モジュールの出力端子がスラットの長手方向の中央部に引出され、その出力端子が各段のスラットに跨がって配線された出力リード線に並列接続される。更に出力リード線をブラインドのラダーコードを兼ねた絶縁被覆導線とし、太陽電池のプラス極及びマイナス極に対応する出力リード線がスラットの幅方向の両サイドに開口した貫通穴を通して配線される。
このように構成された太陽電池ブラインドでは、ブラインドを下ろした使用状態でスラット角度の調節により、太陽電池モジュールの表面の一部がその上段に並ぶスラットの陰になって太陽光の当たらない部分が生じても、太陽電池における個々のユニットセルにおいて、短冊形のユニットセルの長辺がスラットの幅方向に沿ってアレイ状に配列されているので、セル面の全域が日陰となることはない。従って、太陽電池モジュールの出力は日陰になる部分の割合に相応して低下するけれども、直列接続されたユニットセルのうち完全に日陰になるユニットセルがないので、全体の出力が極端に低下して太陽電池が機能しなくなる不具合を回避できる。また出力リード線をブラインドのスラット角度調節用ラダーコードと兼用することにより、ブラインドとしての美観及びスラットの角度調節機能を損なわないようになっている。
特開2004−27661号公報(請求項1、3及び4、段落[0016]、[0022]、図1〜図4)
しかし、上記従来の特許文献1に示された太陽電池ブラインドでは、ユニットセルの長辺をスラットの幅方向に沿うような向きに配列しているため、ユニットセルの形状の自由度が制限される不具合があった。また、上記従来の特許文献1に示された太陽電池ブラインドでは、出力リード線がブラインドのラダーコードを兼ねた絶縁被覆導線であるため、ブラインドを下ろした使用状態で出力リード線に張力が作用し、出力リード線が断線する確率が高くなるとともに、出力リード線の長さの精度を比較的厳しく設定しなければならず、出力リード線の製作工数が増大する問題点があった。更に、上記従来の特許文献1に示された太陽電池ブラインドでは、太陽電池のプラス極及びマイナス極に対応する出力リード線を、スラットの幅方向の両サイドに開口した貫通穴に通して配線しているため、出力リード線がラダーコートを兼ねているとはいえ、出力リード線が室内側に露出してしまい、室内側からの見栄えを損なう問題点もあった。
本発明の第1の目的は、太陽電池セルの長辺をスラットの長手方向に沿うようにスラットに配列することにより、太陽電池セルの形状を比較的自由に設定できる、太陽電池付きブラインドを提供することにある。また本発明の第2の目的は、出力リード線を、ラダーコード及び昇降コードとは別に設けられた電気絶縁被覆導線とすることにより、出力リード線に張力が作用せず、出力リード線が断線する確率が低くなるとともに、出力リード線の長さの精度を比較的緩く設定でき、これにより出力リード線の製作工数を低減できる、太陽電池付きブラインドを提供することにある。更に本発明の第3の目的は、出力リード線の両端を窓側で太陽電池モジュールの出力端子にそれぞれ電気的に接続することにより、出力リード線が室内側から殆ど見えず、室内側からの見栄えを殆ど損なわない、太陽電池付きブラインドを提供することにある。
本発明の第1の観点は、図1、図2、図5及び図6に示すように、水平方向に延びる薄板状に形成され全てが互いに間隔をあけた全展開状態又は全てが互いに密着した全密着状態に変更可能に配列された複数のスラット11と、スラット11の傾斜角を調整するラダーコード12と、スラット11を昇降させる昇降コード13と、各スラット11にそれぞれ貼付けられた複数の太陽電池モジュール14と、全てのスラット11において隣接するスラット11間に掛け渡されこれらのスラット11に貼付けられた太陽電池モジュール14の出力端子23同士を電気的に接続する複数の出力リード線16と、複数の出力リード線16のうち上端に位置する出力リード線16に電気的に接続され複数の太陽電池モジュール14で発電された電力を外部に取出す外部リード線17とを備えた太陽電池付きブラインドであって、太陽電池モジュール14は、各スラット11にこのスラット11の長手方向に間隔をあけて貼付けられかつ電気的に互いに並列接続された複数の太陽電池セル21を有し、複数の太陽電池セル21は、それぞれ長方形状に形成されかつそれらの長辺がスラット11の長手方向に沿うようにスラット11に配列されたことを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図3及び図6に示すように、太陽電池モジュール14の出力端子23がスラット11毎にスラット11の長手方向の端部から窓側に引出され、出力リード線16の両端が窓側で、隣接するスラット11にそれぞれ貼付けられた太陽電池モジュール14の出力端子23にそれぞれ電気的に接続されたことを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1、図3、図5及び図6に示すように、出力リード線16が、ラダーコード12及び昇降コード13とは別に設けられた電気絶縁被覆導線であり、スラット11毎に設けられた太陽電池モジュール14の一端のプラス極となるプラス側出力端子23a同士を接続するプラス側出力リード線16aと、太陽電池モジュール14の他端のマイナス極となるマイナス側出力端子23b同士を接続するマイナス側出力リード線16bとを有することを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1及び図2に示すように、昇降コード13を遊挿可能な複数の通孔11aがスラット11にその長手方向に間隔をあけて形成され、複数の通孔11aのうち両端に位置する一対の通孔11aの間にのみ太陽電池セル21が貼付けられるように構成されたことを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1、図5及び図6に示すように、昇降コード13の下端に水平方向に延びて取付けられた単一のウエイト部材19と、ウエイト部材19が下降して最下端に達し複数のスラット11の全てが互いに間隔をあけた全展開状態であるか否かを検出する下限位置検出スイッチ27とを更に備え、下限位置検出スイッチ27により複数のスラット11が全展開状態であることが検出されたときに複数の太陽電池モジュール14が発電した電力が外部リード線17を通って外部に供給され、下限位置検出スイッチ27により複数のスラット11が全展開状態以外の状態であることが検出されたときに複数の太陽電池モジュール14が発電した電力が外部に供給されないように構成されたことを特徴とする。
本発明の第6の観点は、第3の観点に基づく発明であって、更に図3〜図6に示すように、プラス側出力リード線16aの上端又は下端とこのプラス側出力リード線16aの直上又は直下のプラス側出力リード線16aの下端又は上端とが各プラス側出力端子23aに接続端子24を介して接続され、マイナス側出力リード線16bの上端又は下端とこのマイナス側出力リード線16bの直上又は直下のマイナス側出力リード線16bの下端又は上端とが各マイナス側出力端子23bに接続端子24を介して接続され、上記接続端子24が、金属端子部25と、この金属端子部25を被覆するプラスチック製の被覆部26とを有することを特徴とする。
本発明の第1の観点の太陽電池付きブラインドでは、複数の太陽電池セルを、それぞれ長方形状に形成しかつそれらの長辺がスラットの長手方向に沿うようにスラットに配列したので、太陽電池セルの形状を比較的自由に設定できる。即ち、ユニットセルの長辺をスラットの幅方向に沿うような向きに配列しているため、ユニットセルを直列接続したシート状の太陽電池をユニットセルの短辺の長さ毎に段階的に設定しなければならず、シート状の太陽電池の長さの自由度が制限される従来の太陽電池ブラインドと比較して、本発明では、段階的な長さに限定されずにいかなる長さにも設定可能な太陽電池セルの長辺がスラットの長手方向に沿うように、太陽電池セルをスラットに配列したので、太陽電池セルの長さを比較的自由に設定できる。
本発明の第2の観点の太陽電池付きブラインドでは、太陽電池モジュールの出力端子をスラット毎にスラットの長手方向の端部から窓側に引出し、出力リード線の両端を窓側で、隣接するスラットにそれぞれ貼付けられた太陽電池モジュールの出力端子にそれぞれ電気的に接続したので、出力リード線が室内側から殆ど見えず、ブラインドの室内側からの見栄えを殆ど損なわない。
本発明の第3の観点の太陽電池付きブラインドでは、出力リード線を、ラダーコード及び昇降コードとは別に設けられた電気絶縁被覆導線としたので、出力リード線に張力が作用せず、出力リード線が断線する確率が低くなる。また出力リード線の長さの精度を比較的緩く設定できるので、出力リード線の製作工数を低減できる。
本発明の第4の観点の太陽電池付きブラインドでは、スラットに形成された複数の通孔のうち両端に位置する一対の通孔の間にのみ太陽電池セルを貼付けたので、複数の通孔のうち両端に位置する一対の通孔より外側のスラットが太陽電池セルの重量で折れ曲がるのを防止できる。
本発明の第5の観点の太陽電池付きブラインドでは、複数のスラットが全展開状態であることを下限位置検出スイッチが検出したときに複数の太陽電池モジュールが発電した電力を外部リード線を通って外部に供給し、複数のスラットが全展開状態以外の状態であることを下限位置検出スイッチが検出したときに複数の太陽電池モジュールが発電した電力を外部に供給しないので、下限位置検出スイッチにより外部への出力のオンオフが可能となる。
本発明の第6の観点の太陽電池付きブラインドでは、接続端子の金属端子部をプラスチック製の被覆部が被覆しているので、金属端子部に電流が流れているときに、接続端子に意図せずに触れても、金属端子部への接触が被覆部により阻止される。
本発明第1実施形態の太陽電池付きブラインドの太陽電池セルと出力リード線と外部リード線を含む回路構成図である。 その太陽電池付きブラインドのスラット表面に複数の太陽電池セルを貼付けた状態を示すスラットの平面図である。 各スラットの太陽電池モジュールの出力端子を出力リード線で接続した状態であってラダーコード及び昇降コードを省略した状態を示す図6のA部拡大図である。 図3のB部拡大断面図である。 図6のC矢視図である。 図5のD矢視図である。 本発明第2実施形態の太陽電池付きブラインドのスラット表面に複数の太陽電池セルを貼付けた状態を示すスラットの平面図である。 各スラットの太陽電池モジュールの出力端子を出力リード線で接続した状態であってラダーコード及び昇降コードを省略した状態を示す図3に対応する拡大図である。 図8のE部拡大断面図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1、図5及び図6に示すように、太陽電池付きブラインド10は、水平方向に延びる薄板状に形成された複数のスラット11と、スラット11の傾斜角を調整するラダーコード12と、スラット11を昇降させる昇降コード13と、各スラット11にそれぞれ貼付けられた複数の太陽電池モジュール14と、太陽電池モジュール14の出力端子23同士を電気的に接続する複数の出力リード線16と、複数の太陽電池モジュール14で発電された電力を外部に取出す外部リード線17とを備える。上記ラダーコード12及び昇降コード13は、建造物の窓の上方の壁面又は天井に取付けられたヘッドボックス18からそれぞれ垂下される(図5及び図6)。またラダーコード12の下端及び昇降コード13の下端には単一のウエイト部材19が取付けられる。また複数のスラット11はラダーコード12により鉛直方向に所定の間隔をあけて支持される。具体的には、複数のスラット11の室内側及び窓側の端縁に沿いかつ鉛直方向に延びて一対のラダーコード12,12(図6)が配索され、これらのラダーコード12,12の間に複数のスラット11が鉛直方向に所定の間隔をあけて支持される。
更にヘッドボックス18には、一対のラダーコード12,12のうち一方のラダーコード12を上昇させかつ他方のラダーコード12を下降させる上下動機構(図示せず)と、昇降コード13を繰出し可能に巻取る巻取りドラム(図示せず)とが内蔵され、上下動機構及び巻取りドラムは操作コード(図示せず)に連結される(図5及び図6)。この操作コードを操作して、巻取りドラムに巻取られた昇降コード13を繰出すことにより、複数のスラット11及び単一のウエイト部材19を下降させて、ウエイト部材29が最も下降したときに、全てのスラット11が互いに間隔をあけた全展開状態になり、操作コードを操作して、巻取りドラムから繰出された昇降コード13を巻取ることにより、複数のスラット11及び単一のウエイト部材19を上昇させて、ウエイト部材19が最も上昇したときに、全てのスラット11が互いに密着した全密着状態になるように構成される。即ち、複数のスラットは、全展開状態と全密着状態とに変更可能に配列される。ここで、複数のスラット11が全展開状態になったときに、ラダーコード12のみがスラット11及びウエイト部材19の荷重を支え、昇降コード13がスラット11及びウエイト部材19の荷重を支えずに若干弛んで略無負荷の状態になる。なお、この実施の形態では、ヘッドボックスに上下動機構及び巻取りドラムが内蔵されかつこれらに操作コードが連結された手動式のブラインドを挙げたが、ヘッドボックスに傾斜角変更モータ、巻取りドラム及び昇降モータが内蔵された電動式のブラインドでもよい。この電動式のブラインドでは、傾斜角変更モータにより一対のラダーコードを上下動させて複数のスラットの傾斜角を変更し、昇降モータにより巻取りドラムを正転又は逆転させることにより昇降コードを巻取りドラムに巻取り又は繰出して複数のスラットを昇降させるように構成される。
一方、太陽電池モジュール14は、各スラット11にその長手方向に間隔をあけて貼付けられかつ電気的に互いに並列接続された複数の太陽電池セル21を有する(図1〜図3)。各太陽電池セル21は、細長い長方形シート状に形成された複数の光電変換素子21aを直列接続することにより構成される。この実施の形態では、一対の長辺のうちの一方の長辺がプラス極であり他方の長辺がマイナス極である細長い長方形シート状の光電変換素子21aを3枚用意し、これらのうちの1枚の光電変換素子21aのプラス極を別の光電変換素子21aのマイナス極に接合し、この別の光電変換素子21aのプラス極に更に別の光電変換素子21aのマイナス極を接合することにより、短辺の長さが1枚の光電変換素子21aの短辺の長さの3倍である1枚の長方形シート状の太陽電池セル21が形成される(図1及び図2)。このように太陽電池セル21を形成することにより、太陽電池セル21の発電した電力の電圧が高くなる。なお、この実施の形態では、1枚の太陽電池セルを形成するのに3枚の光電変換素子を用いたが、1枚の太陽電池セルを形成するのに2枚又は4枚以上の光電変換素子を用いてもよい。
また各スラット11には、昇降コード13を遊挿可能な複数の通孔11aがスラット11の長手方向に間隔をあけて形成される(図1及び図2)。そして複数の太陽電池セル21は、それらの長辺がスラット11の長手方向に沿うようにスラット11に配列されるとともに、複数の通孔11aのうち両端に位置する一対の通孔11a,11aの間にのみ貼付けられる。即ち、隣接する通孔11a,11aの間のスラット11表面に1枚の太陽電池セル21が貼付けられる。そして各スラット11において、複数の太陽電池セル21のプラス極同士が金属箔22(図2)により電気的に接続され、複数の太陽電池セル21のマイナス極同士が金属箔22(図2)により電気的に接続される。これにより各スラット11における複数の太陽電池セル21は並列接続される。ここで、上記金属箔22の表面は電気絶縁材(図示せず)により被覆される。また太陽電池セル21を、長方形状に形成しかつそれらの長辺がスラット11の長手方向に沿うようにスラット11に配列したので、太陽電池セル21の形状を比較的自由に設定できる。即ち、太陽電池セル21の長さが段階的な長さに限定されずに、いかなる長さにも設定できる。更に各スラット11において、複数の通孔11aのうち左端に位置する通孔11aより左方のスラット11表面には太陽電池セル21が貼付けられず、複数の通孔11aのうち右端に位置する通孔11aより右方のスラット11表面には太陽電池セル21が貼付けられない。これによりスラット11の端部が太陽電池セル21の重量で折れ曲がるのを防止できるようになっている。
一方、複数の出力リード線16は、全てのスラット11において隣接するスラット11,11間に掛け渡され、これらのスラット11,11に貼付けられた太陽電池モジュール14の出力端子23同士を電気的に接続するように構成される(図1、図3、図5及び図6)。また太陽電池モジュール14の出力端子23はスラット11毎にスラット11の長手方向の端部から窓側に引出される(図2〜図4及び図6)。即ち、太陽電池モジュール14の出力端子23は、スラット11毎に貼付けられた複数の太陽電池セル21のうち両端部に位置する太陽電池セル21,21からスラット11の幅方向(室内側から窓側に向う又は窓側から室内側に向う方向)のうち窓側にそれぞれ引出される。そして出力リード線16の両端は窓側で、隣接するスラット11,11にそれぞれ貼付けられた太陽電池モジュール14の出力端子23にそれぞれ電気的に接続される。なお、本明細書において、『隣接するスラット11,11』とは、ある1枚のスラット11と、このスラット11の直上又は直下に位置するスラット11との関係をいい、『隣接するスラット11,11間』とは、ある1枚のスラット11と、このスラット11の直上又は直下に位置するスラット11との間をいう。
具体的には、太陽電池モジュール14の出力端子23は、スラット11毎に貼付けられた複数の太陽電池セル21のうち一端側の太陽電池セル21のプラス極からスラット11の幅方向のうち窓側に引出されてスラット11から窓側に突出するプラス側出力端子23aと、複数の太陽電池セル21のうち他端側の太陽電池セル21のマイナス極からスラット11の幅方向のうち窓側に引出されてスラット11から窓側に突出するマイナス側出力端子23bとを有する(図2〜図4及び図6)。上記プラス側出力端子23a及びマイナス側出力端子23bの先端部23cは、略V字状にそれぞれ折り曲げることにより、弾性変形可能に構成され、先端部23c以外の部分が電気絶縁材23dにより被覆される(図4)。また出力リード線16は、ラダーコード12及び昇降コード13とは別に設けられた電気絶縁被覆導線であり、スラット11毎に設けられた太陽電池モジュール14のプラス側出力端子23a同士を接続するプラス側出力リード線16aと、太陽電池モジュール14のマイナス側出力端子23b同士を接続するマイナス側出力リード線16bとを有する(図1及び図3〜図6)。
そしてプラス側出力リード線16aの上端とこのプラス側出力リード線16aの直上のプラス側出力リード線16aの下端とが太陽電池モジュール14のプラス側出力端子23aに接続端子24を介して接続され、上記プラス側出力リード線16aの下端とこのプラス側出力リード線16aの直下のプラス側出力リード線16aの上端とが太陽電池モジュール14のプラス側出力端子23aに接続端子24を介して接続される(図1及び図3〜図6)。またマイナス側出力リード線16bの上端とこのマイナス側出力リード線16bの直上のマイナス側出力リード線16bの下端とが太陽電池モジュール14のマイナス側出力端子23bに接続端子24を介して接続され、マイナス側出力リード線16bの下端とこのマイナス側出力リード線16bの直下のマイナス側出力リード線16bの上端とが太陽電池モジュール14のマイナス側出力端子23bに接続端子24を介して接続される。ここで、プラス側出力リード線16a及びマイナス側出力リード線16bの長さは、隣接するスラット11,11間に位置するラダーコード12より若干長く設定される、即ち複数のスラット11の全展開状態で若干弛むように設定される。
上記接続端子24は、金属端子部25と、この金属端子部25を被覆するプラスチック製の被覆部26とを有する(図4)。上記金属端子部25は、円筒状に形成された筒部25aと、この筒部25aに連設された平板部25bと、上記筒部25aに連設され平板部25bに間隔をあけて対向する波板部25cとからなる。上記筒部25aには出力リード線16の端部の金属線部16cが挿入され、この状態で筒部25aを被覆部26ごとかしめることにより、出力リード線16の金属線部16cに接続端子24が固着される。そしてこの接続端子24の平板部25bと波板部25cとの間を、略V字状に折り曲げられたプラス側出力端子23a又はマイナス側出力端子23bの先端部23cに挿入することにより、接続端子24がプラス側出力端子23a又はマイナス側出力端子23bに取外し可能に取付けられる。このときプラス側出力端子23a又はマイナス側出力端子23bの先端部23cが弾性変形して接続端子24の波板部25cに係止することにより、接続端子24がプラス側出力端子23a又はマイナス側出力端子23bから容易に離脱しないようになっている。
一方、ヘッドボックス18には、ウエイト部材19が下降して最下端に達し複数のスラット11の全てが互いに間隔をあけた全展開状態であるか否かを検出する下限位置検出スイッチ27が内蔵される(図1、図5及び図6)。この下限位置検出スイッチ27は、昇降コード13に作用するテンション(張力)を検出することにより複数のスラット11が全展開状態であるか否かを検出できるようになっている。具体的には、複数のスラット11が全展開状態になったとき、即ちラダーコード12のみがスラット11及びウエイト部材19の荷重を支え、昇降コード13がスラット11及びウエイト部材19の荷重を支えずに略無負荷の状態になったときに、下限位置検出スイッチ27がオンし、複数のスラット11が全展開状態以外の状態になったとき、即ち昇降コード13が少なくともウエイト部材19の荷重を支えているときに、下限位置検出スイッチ27がオフするように構成される。そして下限位置検出スイッチ27により複数のスラット11が全展開状態であることが検出されたときに、複数の太陽電池モジュール14が発電した電力が外部リード線17を通って外部に供給され、下限位置検出スイッチ27により複数のスラット11が全展開状態以外の状態であることが検出されたときに、複数の太陽電池モジュール14が発電した電力が外部に供給されないように構成される。また外部リード線17は、複数の出力リード線16のうち上端に位置する出力リード線16に電気的に接続される(図1)。具体的には、外部リード線17は、複数のプラス側出力リード線16aのうち上端に位置するプラス側出力リード線16aに接続されたプラス側外部リード線17aと、複数のマイナス側出力リード線16bのうち上端に位置するマイナス側出力リード線16bに接続されたマイナス側外部リード線17bとを有する。
このように構成された太陽電池付きブラインド10の動作を説明する。全密着状態のスラット11を全展開状態にするため、操作コードを操作して、巻取りドラムに巻取られた昇降コード13を繰出す。これにより複数のスラット11及び単一のウエイト部材19が下降して、ウエイト部材19が最も下降すると、全てのスラット11が互いに間隔をあけた全展開状態になり、下限位置検出スイッチ27がこの状態を検出してオンする。このとき晴天であると、太陽光がスラット11表面の光電変換素子21aに照射される。そして光電変換素子21aにより光エネルギが電気エネルギに変換されて電力が発生し、この電力が、直列接続された複数の光電変換素子21aからなる太陽電池セル21で増幅され、各スラット11において並列接続された複数の太陽電池セル21からなる太陽電池モジュール14で増幅され、互いに並列接続された複数の太陽電池モジュール14で更に増幅されて、外部リード線17を通って外部に取出される。この取出された電力は蓄電池に充電されたり、或いは電力回線を通じて他の電気装置に供給される。
また出力リード線16がスラット11の幅方向のうち窓側に配索されているので、出力リード線16が室内側から殆ど見えず、ブラインド10の室内側からの見栄えを殆ど損なわない。また出力リード線16を、ラダーコード12及び昇降コード13とは別に設けられた電気絶縁被覆導線とし、出力リード線16の長さを、隣接するスラット11,11間に位置するラダーコード12より若干長く設定したので、出力リード線16が複数のスラット11の全展開状態で若干弛んで、出力リード線16に張力が作用しない。この結果、出力リード線16が断線する確率は極めて低い。更に接続端子24の金属端子部25をプラスチック製の被覆部26が被覆しているので、金属端子部25に電流が流れているときに、接続端子24に意図せずに触れても、金属端子部25への接触が被覆部26により阻止される。
一方、全展開状態の複数のスラット11を全密着状態にするため、操作コードを操作して、昇降コード13を巻取りドラムに巻取る。これにより複数のスラット11及び単一のウエイト部材19が上昇して、ウエイト部材19が最も上昇したときに、全てのスラット11が互いに密着した全密着状態になる。昇降コード13が巻取りドラムに巻取られ始めると、複数のスラット11が全展開状態以外の状態になり、下限位置検出スイッチ27がこの状態を検出してオフする。即ち、昇降コード13がウエイト部材19の荷重を支え始め、昇降コード13にテンション(張力)が作用するので、下限位置検出スイッチ27がオフする。この結果、外部への電力の供給が停止される。
<第2の実施の形態>
図7〜図9は本発明の第2の実施の形態を示す。図7〜図9において図2〜図4と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、太陽電池モジュール14の出力端子53が、スラット11毎に貼付けられた複数の太陽電池セル21のうち一端側の太陽電池セル21のプラス極からスラット11の幅方向のうち窓側に引出されてスラット11表面に収まるプラス側出力端子53aと、複数の太陽電池セル21のうち他端側の太陽電池セル21のマイナス極からスラット11の幅方向のうち窓側に引出されてスラット11表面に収まるマイナス側出力端子53bとを有する(図7及び図9)。上記プラス側出力端子53a及びマイナス側出力端子53bの先端部53cは、略V字状にそれぞれ折り曲げることにより、弾性変形可能に構成され、先端部53c以外の部分が電気絶縁材53dにより被覆される(図9)。
また接続端子54は、金属端子部55と、この金属端子部55を被覆するプラスチック製の被覆部56とを有する(図9)。上記金属端子部55は、円筒状に形成された筒部55aと、この筒部55aに連設された波板部55bとからなる。上記被覆部56は、筒部55aを被覆する筒被覆部56aと、筒被覆部56aに連設され波板部55bの上面を被覆する上側被覆部56bと、筒被覆部56aに連設され波板部55bの下面を間隔をあけて被覆する下側被覆部56cと、上側被覆部56b及び下側被覆部56cの先端部に互いに対向して設けられた一対の突起部56d,56eとからなる。上記筒部55aには出力リード線16の端部の金属線部16aが挿入され、この状態で筒部55aを筒被覆部56aごとかしめることにより、出力リード線16の金属線部16aに接続端子54が固着される。そして略V字状に折り曲げられたプラス側出力端子53a又はマイナス側出力端子53bの先端部53cをスラット11とともに、接続端子24の波板部55b及び下側被覆部56cで挟持することにより、接続端子54がプラス側出力端子53a又はマイナス側出力端子53bに取外し可能に取付けられる。このときプラス側出力端子53a又はマイナス側出力端子53bの先端部53cが弾性変形して接続端子54の波板部55bに係止し、上側被覆部56b及び下側被覆部56cの先端部の一対の突起部56d,56eがプラス側出力端子53a又はマイナス側出力端子53bの先端部53cとスラット11とを挟持することにより、接続端子54がスラット11から容易に離脱しないようになっている。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成された太陽電池付きブラインドでは、太陽電池モジュール14の出力端子53がスラット11の幅方向のうち窓側に突出しないので、風等により接続端子54が窓ガラスに接触しても、出力端子53が変形することはない。上記以外の動作は、第1の実施の形態の太陽電池付きブラインドの動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
なお、上記第1及び第2の実施の形態では、太陽電池セルをスラットの平らな表面に貼付けたが、スラットをアルミ材等により形成し、スラット表面のうち太陽電池セル、金属箔、プラス側出力端子及びマイナス側出力端子を貼付ける部分を1段凹んだ状態に形成し、これらの凹み分に太陽電池セル、金属箔、プラス側出力端子及びマイナス側出力端子を収容して貼付けてもよい。これによりブラインドの見栄えを向上できるとともに、太陽電池セル等が剥がれるのを防止できる。
10 太陽電池付きブラインド
11 スラット
11a 通孔
12 ラダーコード
13 昇降コード
14 太陽電池モジュール
16 出力リード線
16a プラス側出力リード線
16b マイナス側出力リード線
17 外部リード線
19 ウエイト部材
21 太陽電池セル
23,53 出力端子
23a,53a プラス側出力端子
23b,53b マイナス側出力端子
24,54 接続端子
25,55 金属端子部
26,56 被覆部
27 下限位置検出スイッチ

Claims (6)

  1. 水平方向に延びる薄板状に形成され全てが互いに間隔をあけた全展開状態又は全てが互いに密着した全密着状態に変更可能に配列された複数のスラット(11)と、前記スラット(11)の傾斜角を調整するラダーコード(12)と、前記スラット(11)を昇降させる昇降コード(13)と、各スラット(11)にそれぞれ貼付けられた複数の太陽電池モジュール(14)と、全てのスラット(11)において隣接するスラット(11)間に掛け渡されこれらのスラット(11)に貼付けられた太陽電池モジュール(14)の出力端子(23,53)同士を電気的に接続する複数の出力リード線(16)と、前記複数の出力リード線(16)のうち上端に位置する出力リード線(16)に電気的に接続され前記複数の太陽電池モジュール(14)で発電された電力を外部に取出す外部リード線(17)とを備えた太陽電池付きブラインドであって、
    前記太陽電池モジュール(14)は、前記各スラット(11)にこのスラット(11)の長手方向に間隔をあけて貼付けられかつ電気的に互いに並列接続された複数の太陽電池セル(21)を有し、
    前記複数の太陽電池セル(21)は、それぞれ長方形状に形成されかつそれらの長辺が前記スラット(11)の長手方向に沿うように前記スラット(11)に配列された
    ことを特徴とする太陽電池付きブラインド。
  2. 前記太陽電池モジュール(14)の出力端子(23,53)が前記スラット(11)毎に前記スラット(11)の長手方向の端部から窓側に引出され、前記出力リード線(16)の両端が窓側で、隣接するスラット(11)にそれぞれ貼付けられた前記太陽電池モジュール(14)の前記出力端子(23,53)にそれぞれ電気的に接続された請求項1記載の太陽電池付きブラインド。
  3. 前記出力リード線(16)が、前記ラダーコード(12)及び前記昇降コード(13)とは別に設けられた電気絶縁被覆導線であり、前記スラット(11)毎に設けられた前記太陽電池モジュール(14)の一端のプラス極となるプラス側出力端子(23a,53a)同士を接続するプラス側出力リード線(16a)と、前記太陽電池モジュール(14)の他端のマイナス極となるマイナス側出力端子(23b,53b)同士を接続するマイナス側出力リード線(16b)とを有する請求項1記載の太陽電池付きブラインド。
  4. 前記昇降コード(13)を遊挿可能な複数の通孔(11a)が前記スラット(11)にその長手方向に間隔をあけて形成され、前記複数の通孔(11a)のうち両端に位置する一対の通孔(11a)の間にのみ前記太陽電池セル(21)が貼付けられるように構成された請求項1記載の太陽電池付きブラインド。
  5. 前記昇降コード(13)の下端に水平方向に延びて取付けられた単一のウエイト部材(19)と、前記ウエイト部材(19)が下降して最下端に達し前記複数のスラット(11)の全てが互いに間隔をあけた全展開状態であるか否かを検出する下限位置検出スイッチ(27)とを更に備え、前記下限位置検出スイッチ(27)により前記複数のスラット(11)が前記全展開状態であることが検出されたときに前記複数の太陽電池モジュール(14)が発電した電力が前記外部リード線(17)を通って外部に供給され、前記下限位置検出スイッチ(27)により前記複数のスラット(11)が全展開状態以外の状態であることが検出されたときに前記複数の太陽電池モジュール(14)が発電した電力が外部に供給されないように構成された請求項1記載の太陽電池付きブラインド。
  6. 前記プラス側出力リード線(16a)の上端又は下端とこのプラス側出力リード線(16a)の直上又は直下のプラス側出力リード線(16a)の下端又は上端とが前記各プラス側出力端子(23a,53a)に接続端子(24,54)を介して接続され、前記マイナス側出力リード線(16b)の上端又は下端とこのマイナス側出力リード線(16b)の直上又は直下のマイナス側出力リード線(16b)の下端又は上端とが前記各マイナス側出力端子(23b,53b)に前記接続端子(24,54)を介して接続され、前記接続端子(24,54)が、金属端子部(25,55)と、この金属端子部(25,55)を被覆するプラスチック製の被覆部(26,56)とを有する請求項3記載の太陽電池付きブラインド。
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