JP2014205273A - 離型ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2、6−ナフタレート等が例示される。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
SAICASを用いて、試料フィルムに斜め切削を行い、断面を露出させた。その後、
TOF−SIMS(飛行時間型質量分析マススペクトル)を用いて、ポリエステルフィルム塗布層中に含まれる白金を含む触媒量を求めた。
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/min.、さらに、10000mm/min.の条件下、180°剥離を行った。次のような基準で判断する。
○:10〜20mN/cmの範囲
×:10mN/cmより小さい、もしくは、20mN/cmより大きい
<10000mm/分での剥離力と300mm/min.での剥離力の比較>
下式にて求めた値で判断した。
10000mm/分での剥離力(mN/cm)÷300mm/分での剥離力(mN/cm))
○:2.5以下
×:2.5より大きい
試料フィルムをA4大に切り取り、離型面に75μm厚の2軸延伸PETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製:ダイアホイルT100−75)を重ねて温度60℃、圧力1MPaの条件で2時間プレスする。この離型面に押し当てた75μm厚フィルムを移行性評価フィルムとする。未処理のPETフィルムにも同様にして75μm厚2軸延伸PETフィルム(同)を押し当て、基準フィルムとする。それぞれのフィルムの押し当てた面に粘着テープ(日東電工(株)製「No.31B」)を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定した。剥離力は(株)島津製作所製「Ezgraph」を使用し、引張速度0.3(m/min)の条件下、180°剥離を行った。
移行性の大きなフィルムでは押し当てたフィルムに多くのシリコーンが付着するため、粘着テープの剥離力が小さくなり、移行性評価接着率(%)も低下する。
カールツァイス社製偏光顕微鏡を用いて、ポリエステルフィルムの配向を観察し、ポリエステルフィルム面内の主配向軸の方向がポリエステルフィルムの幅方向に対して何度傾いているかを測定し配向角とした。この測定を得られたフィルムの中央部と両端の計3カ所について実施し、3カ所の内で最も大きい配向角の値を最大配向角とした。
あらかじめ、未熱処理の離型フィルムを空気中、180℃で10分間加熱する。その後、熱処理をした該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmの箱の内面にできるだけ密着させて箱形の形状とする。塗布層を設けている場合は塗布層面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF(ジメチルホルムアミド)4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のOL量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面OL量(mg/m2)とする。
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
粘着層を有する積層フィルムより離型フィルムを剥がした時の状況より、離型特性を評価した。
○:離型フィルムが綺麗に剥がれ、粘着剤が離型層に付着する現象が見られない
×:離型フィルムに粘着剤が付着する、上手く剥がれない。
二軸配向ポリエステルフィルム上に離型剤を塗布し乾燥/硬化させた後、得られた離型フィルムの離型層の上にアクリル系粘着剤を塗布し乾燥/硬化させる。この積層体をフィルム幅方向が、平行又は直交するように、粘着剤を介して離型フィルムと光学素子板を密着させ積層体を得る。当該積層体の光学素子板の配向膜と平行になるように設置した偏光板と、それに直交するように設置した偏光板とを準備する。その偏光板の間に当該積層体が挟まれるように重ね合わせ、片方の偏光板側より白色光を照射し、クロスニコル下での目視検査を実施した。目視検査における検査性を下記基準に従い評価した。
「判定基準」
○:光干渉性無く検査可能であり、異物が明瞭に見える。
△:光干渉はあるが検査可能であり、異物がある程度見える。
×:光干渉があり検査不能であり、異物が見えないところもある。
○および△のものが実使用上問題のないレベルである。
粘着層を有する積層フィルムのロールから、巻き出した時の状況より、実用特性を評価した。
○:離型層背面から粘着材層が剥がれる。
×:離型層背面から粘着材層が上手く剥がれない。
生産性、実用特性を考慮に入れた評価を行う。次のような基準で判断する。
○:生産しても十分に製品として供給できる
△:生産しても十分に製品として供給できるが、高速域で剥離する場合に不具合を生じることがあり、または、製膜時連続性に劣る
×:生産性が悪いか、不具合が多発するか、または、製膜時連続性に劣る
<ポリエステル(a)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた後、4時間重縮合反応を行った。
すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.61に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.61のポリエステル(a)を得た。
ポリエステル(a)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径0.8μmの合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が1重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(a)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(b)を得た。得られたポリエステル(b)は極限粘度0.60であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、固有粘度0.45に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップ(c)を得た。このポリエステルの固有粘度は0.45であった。
このポリエステルチップを固相重縮合法にて固有粘度を上げた。予備結晶化槽にて170℃の窒素雰囲気化にて0.5時間処理した後、不活性ガスを流す塔式乾燥機を用い、200℃の温度下にて水分率が0.005%になるまで乾燥した。その後固相重合槽へ送り、240℃にて3時間、固相重合を行い固有粘度0.70のポリエステル(d)を得た。
ポリエステル(d)を製造する際、固相重合槽にて5時間固相重合を行い、固有粘度0.80のポリエステル(e)を得た。
〈ポリエステルフィルムの製造〉
表層の原料としてポリエステル(e)70重量%と、ポリエステル(b)30重量%を混合し、中間層の原料として、ポリエステル(a)84重量%とポリエステル(b)16重量%を混合し、2台のベント付き押出機に各々供給し、290℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に2.8倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃でテンター内で予熱工程を経て120℃で5.2倍の横延伸を施した後、220℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に4%の弛緩を加え、幅4000mmのマスターロールを得た。このマスターロールの端から1400mmの位置よりスリットを行い、コアに1000m巻き取りし、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの全厚みは38μm(層構成:表層1.9μm/中間層34.2μm/表層1.9μm)であった。
硬化型シリコーン樹脂(LTC310:東レ・ダウコーニング製、比重0.90 濃度
31%) 100部
分子量1000以下のシロキサン(BY24−846:東レ・ダウコーニング製、比重
0.90 濃度50%) 10.0部
付加型白金触媒(SRX212:東レ・ダウコーニング製、比重0.96 濃度100
%) 1部
MEK/トルエン/n−ヘプタン混合溶媒(混合比率は1:1:1)1500部
実施例1において、ポリエステルフィルムの延伸条件を変更する、離型層中の分子量1000以下のシロキサンの含有量を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。作製したポリエステルフィルムは表1に示す通りであった。
実施例1において、ポリエステルフィルム製造時のポリビニルアルコールを含有する塗布層の有無を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。作製したポリエステルフィルムは表1に示す通りであった。
表層の原料としてポリエステル(e)70重量%と、ポリエステル(b)30重量%を混合し、中間層の原料として、ポリエステル(a)84重量%とポリエステル(b)16重量%を混合し、2台のベント付き押出機に各々供給し、290℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に2.8倍延伸した後、この縦延伸フィルムの両面に、次に下記塗布剤を塗布量(乾燥後)が0.03g/m2になるように塗布した後、テンターに導き、横方向に120℃でテンター内で予熱工程を経て120℃で5.2倍の横延伸を施した後、220℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に4%の弛緩を加え、幅4000mmのマスターロールを得た。このマスターロールの端から1400mmの位置よりスリットを行い、コアに1000m巻き取りし、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの全厚みは38μm(層構成:表層1.9μm/中間層34.2μm/表層1.9μm)であった。
(化合物例)
・ケン化度88モル%、重合度350のポリビニルアルコールバインダーポリマー:A
・メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリロニトリル/N−メチロールメタアクリルアミド=45/45/5/5(モル比)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)バインダーポリマー:B
・架橋剤 ヘキサメトキシメラミン架橋剤:C
・粒子 コロイダルシリカ(平均粒径:70nm):D
固形分配合比:A/B/C/D=30/24/42/4
実施例1において、ポリエステルフィルムの延伸条件を変更する、離型層中の分子量1000以下のシロキサンの含有量を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。作製したポリエステルフィルムは表2に示す通りであった。
比較例1において、ポリエステルフィルム製造時のポリビニルアルコールを含有する塗布層の有無を変更する以外は、実施例5〜7と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。作製したポリエステルフィルムは表3に示す通りであった。
実施例1において、離型フィルムのアルケニル基を官能基として有するシリコーン樹脂を含有しない下記離型層に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。作製したポリエステルフィルムの特性は表3に示す通りであった。
<離型剤組成>
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製、比重0.88 濃度30%)
100部
分子量1000以下のシロキサン(BY24−846:東レ・ダウコーニング製、比重
0.90 濃度50%) 10.0部
付加型白金触媒(PL−50T: 信越化学製、比重1.00 濃度2%) 1部
MEK/トルエン/n−ヘプタン混合溶媒(混合比率は1:1:1)1500部
Claims (3)
- 二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面の最表層に、少なくとも1種類以上のアルケニル基およびアルキル基を官能基として有するシリコーン樹脂を含有する離型層を有し、当該離型層に少なくとも1種類以上の分子量1000以下のシロキサンを3.0〜15.0重量%含有する離型ポリエステルフィルムであって、当該フィルムの配向主軸の向きが12度以下であることを特徴とする離型ポリエステルフィルム。
- 下記式を満足する請求項1に記載の離型ポリエステルフィルム。
(10000mm/分の速度域での剥離力)÷(300mm/分の速度域での剥離力)≦2.5
- 請求項1記載のポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリビニルアルコールを含有する塗布層を有することを特徴とする離型ポリエステルフィルム。
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JP2017170672A (ja) * | 2016-03-22 | 2017-09-28 | 東レフィルム加工株式会社 | 離型フィルム、それに用いる樹脂組成物および塗料組成物 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011173260A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-09-08 | Mitsubishi Plastics Inc | 二軸配向ポリエステルフィルムおよびこれを用いた離型フィルム |
WO2012090762A1 (ja) * | 2010-12-27 | 2012-07-05 | 三菱樹脂株式会社 | 離型フィルム |
JP2012159548A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Mitsubishi Plastics Inc | 偏光板用離型ポリエステルフィルム |
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