JP2014203767A - 立体型無機el発光体 - Google Patents

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浩一 和迩
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Abstract

【課題】複雑な立体形状を持つ物体でも、その表面から均一に発光させることが可能な無機EL構造を備えた発光体を提供する。【解決手段】本発明の立体型無機EL発光体1Aは、立体的に造形され、非導体材料から成る基材の表面上に、背面電極層20Aと、誘電体層30Aと、蛍光体層40Aと、透明電極層50Aと、がこの順で形成された構造を有する。背面電極層20Aは金属蒸着膜である。誘電体層30A、蛍光体層40Aおよび透明電極層50Aはスプレー法により形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、分散型無機ELの構造を立体に応用した立体型無機EL発光体に関する。
分散型無機EL素子は、粉末状の蛍光体材料を樹脂バインダーなどに分散させたものを、電極上に塗布し、その上にさらに電極を形成して、蛍光体材料に電界をかけて発光させるデバイスである。各層の形成温度が100℃〜150℃と比較的低温で、柔軟性を有するフィルム基材上に形成できるため、湾曲させて使用することが可能である。さらに3次元立体形状に成型することもできる。
特許文献1には、高圧プレスでフィルム状の分散型無機EL素子を3次元成型して立体形状にする方法が開示されている。また、特許文献2には、スプレー法によって蛍光体または誘電体粒子と主としてバインダー樹脂からなる接着層を交互に吹き付けて蛍光体層または誘電体層を形成する方法が開示されている。
特表2010−511982号公報 特開2004−259545号公報
特許文献1のように、高圧プレスで立体成型する場合、バインダー樹脂にある程度の柔軟性はあるというものの、立体形状の曲率が極端に小さくなると各層の間または蛍光体層と透明電極付きフィルムとの間で剥がれが起こるという問題がある。また、透明電極がITOのような薄膜の場合は膜が断裂して導通不良となる場合もある。また、立体成型で実現可能な立体形状には限界があり、凹凸が入り組んだ複雑な立体形状への展開が困難であった。
スプレー法では、あらかじめ立体的に造形された部材上に各層を形成していくため、上記のような問題は発生しない。しかし特許文献2に開示されている方法では、粒子とバインダーを交互にスプレーするため工程数が増える。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、複雑な立体形状を持つ物体でも、その表面から均一に発光させることが可能な立体型無機EL発光体を提供することを目的とする。
立体型無機EL発光体は、無機EL構造を備えて表面から発光する立体的な造形物として定義される。本発明に係る立体型無機EL発光体は、立体的に造形された非導体材料から成る基材の表面上に、少なくとも、背面電極層と、蛍光体層と、透明電極層と、がこの順で形成された構造を有する。
基材は、人工物、天然物を問わない。また、工業生産される部品や製品の多くは、その外観部分は非導体である樹脂製で、射出成形や押出成形などで、主面と裏面とが向かい合わせとなる厚みをもって立体的に造形される。本発明では、こうした部品や製品を、基材に用いることが想定される。このような基材は、ほとんどの場合、主面と裏面との境界に面境界部を有する。球や多面体のように空間を閉じた形状であっても、このような面境界部を有するピースに分割可能な場合が多い。
蛍光体層または透明電極層はスプレー法により形成される。スプレー法は、ノズルから高圧エアと共に蛍光体インクまたは透明導電体インクを噴出する吹付塗装を好適に利用することが出来る。このため、基材が複雑な形状であっても基材の原形を維持した立体型の分散型無機EL素子を容易に作製することが出来る。
蛍光体インクの吹付塗装では、蛍光体粉末とバインダー樹脂インクを、別々にノズル内を流通する高圧エア中に供給するようにすると、インク中で蛍光体粉末が沈殿してスプレー後の膜の均一性が劣化するのを防止することが出来る。
さらに、背面電極層と蛍光体層との間に、誘電体層を備えてもよい。誘電体層は、蛍光体層および透明電極層と同様にスプレー法によって形成される。
背面電極層は、導体材料(金属など)の蒸着、めっき、スプレー法などによって形成することが出来る。背面電極層は、基材の主面と裏面とに跨って連続的に形成することにより、電源と接続するための背面電極層側の端子部を、目立たない基材の裏面に形成することが可能となる。
或いは、本発明に係る立体型無機EL発光体は、立体的に造形され、導体材料から成る基材の表面上に、少なくとも、蛍光体層と、透明電極層と、がこの順で形成された構造を有する。
この構造によると、基材が背面電極を兼ねるため背面電極層を省略することが出来るので、作製工程の簡略化に寄与することが可能となる。
或いは、本発明に係る立体型無機EL発光体は、主面と裏面とが向かい合わせとなる厚みをもって立体的に造形され、透光性を有する非導体材料から成る基材の前記裏面上に、少なくとも、透明電極層と、蛍光体層と、背面電極層と、がこの順で形成される。
この構成によると、無機ELの導電層が基材に保護されるため、感電などの危険が減少する。背面電極層を透明電極層とした場合は、半透明の発光体が得られる。
本発明では、任意の立体形状の基材を土台として、その表面上に、蛍光体層、透明電極層または誘電体層がスプレー法により形成される。このため、基材が複雑な形状であっても基材の原形を維持した立体型の分散型無機EL素子を容易に作製することが出来る。
この立体型無機EL発光体は、一般的なシート(平面)型の分散型無機EL素子と同様に、背面電極と透明電極との間に、所定の電圧を印加することにより、両者に挟まれた蛍光体層中の蛍光体が発光する。これにより、立体形状の部品、製品の表面を発光させ、視覚的、装飾的効果を高めることが出来る。
或いは、本発明に係る立体型無機EL発光体は、主面と裏面とが向かい合わせとなる厚みをもって立体的に造形され、透光性を有する非導体材料から成る基材の前記裏面上に、透明電極層と、バインダー樹脂中に蛍光体粒子が分散された蛍光体層と、背面電極層と、がこの順で形成された構造を有する。
この構成によると、主面と裏面とが向かい合わせとなる厚みをもって立体的に造形された基材の裏面側に分散型無機EL構造が構築される。導電部が基材で保護されるので、感電などの危険が減少する。背面電極層は透明電極層としも良く、この場合は半透明の発光体が得られる。
この発明によると、複雑な立体形状を持つ物体でも、その表面から均一に発光させることが可能となる。これにより、立体形状の部品、製品の表面を発光させ視覚的、装飾的効果や視認性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る立体型無機EL発光体の外観図である。 図2(A)は第1の実施形態に係る立体型無機EL発光体の概略構成を示す断面図である。図2(B)は第2の実施形態に係る立体型無機EL発光体の概略構成を示す断面図である。図2(C)は第3の実施形態に係る立体型無機EL発光体の概略構成を示す断面図である。図2(D)は第4の実施形態に係る立体型無機EL発光体の概略構成を示す断面図である。 上記第1の実施形態に係る立体型無機EL発光体の変形例の概略構成を示す断面図である。 上記第1の実施形態に係る立体型無機EL発光体の作製工程図である。 上記第2の実施形態に係る立体型無機EL発光体の作製工程図である。 上記第3の実施形態に係る立体型無機EL発光体の作製工程図である。 上記第4の実施形態に係る立体型無機EL発光体の作製工程図である。 上記作製工程で用いるスプレー法の一例を説明する概略図である。 上記作製工程で用いるスプレー法の他の例を説明する概略図である。 本発明に係る立体型無機EL発光体の発光状態を示す写真である。 本発明の第5の実施形態に係る立体型無機EL発光体の外観図である。
以下、本発明の実施形態に係る立体型無機EL発光体を、図面を参照して説明する。以下、図1に示されるように、一部が球面で構成される蓋状の部品に適用した例で説明する。この部品の形状をさらに詳しく述べると、三方(面)が開放された略直方体形であり、その稜線部分はデザイン性の向上を意図して球面に面取りされている。この部品は、製品(不図示。)の外観部分に組み付けられる。そして、その部品が発光することで製品の視覚的、装飾的効果や視認性が高まる。
次に、上記の部品に適用した本発明の立体型無機EL発光体の各実施形態を説明する。
図2(A)は、第1の実施形態に係る立体型無機EL発光体1Aを示す。本実施形態に係る立体型無機EL発光体1Aは、基材10Aの主面101上に、背面電極層20A、誘電体層30A、蛍光体層40Aおよび透明電極層50Aが、この順で形成された構造を有する。
基材10Aは、上記発光部品(立体型無機EL発光体1A)の骨格をなす部材である。本実施形態では、基材10Aの材質は非導体材料が採用される。非導体材料は、例えば、樹脂が挙げられる。基材10Aは、主面101と裏面102とが向かい合わせとなる厚みをもって立体的に造形される。基材10Aの材質が樹脂であれば射出成形や押出成形などによって容易にこのような仕様を満たす。この部品は、三面が開放された略直方体形であるため、主面101と裏面102とは面境界部103で連続している。
この基材10Aを骨格として無機EL構造を構築してなる立体型無機EL発光体1Aの作製手順を図4(A)〜(D)に基づいて説明する。
図4(A)に示すように、予め、基材10Aの表面には背面電極層20Aが形成される。背面電極層20Aは、金属(例えば、銅、銀、アルミニウムなど。)などの蒸着膜として形成することが出来る。もちろん、金属以外の導体材料でも良いし、めっき、スプレーなど別の方法で形成しても良い。
背面電極層20Aは、図2(A)に示すように基材10Aにおける主面101にのみ形成しても良いが、図3に示すように、面境界部103を介して主面101および裏面102に跨って全面に連続的に背面電極層20Aを形成しても良い。
背面電極層20A上には、誘電体層30Aが形成される。誘電体層30Aはバインダー樹脂中に誘電体粒子が分散された膜として構成される。誘電体粒子には、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)粒子が好適に使用される。
本実施形態では、誘電体層30Aはスプレー法によって形成される。具体的には、図4(A)に示すように、スプレーノズルANから高圧エアとともに誘電体インクを噴出する吹付塗装を利用して行う。誘電体インクは、誘電体粉末がバインダー樹脂インク中に分散された液状の混合物である。誘電体粉末とバインダー樹脂インクの重量比は、例えば1:1〜4:1に選ばれる。
続いて、最上層に誘電体インクが吹付塗装された基材10Aをベーク炉に収容し、誘電体インクを十分に乾燥させる。ベーク炉の炉内温度は例えば100〜120℃に設定される。
以上により、背面電極層20A上に、誘電体層30Aが乾燥膜として強固に形成される。
さらに、誘電体層30A上に蛍光体層40Aが形成される。蛍光体層40Aはバインダー樹脂中に蛍光体粒子が分散された膜として構成される。蛍光体粒子は、ZnS粒子が好適に使用される。
本実施形態では、蛍光体層40Aはスプレー法によって形成される。具体的には、図4(B)に示すように、スプレーノズルANを用いて蛍光体インクを吹付塗装する。蛍光体インクは、蛍光体粉末がバインダー樹脂インク中に混合された液状の混合物である。蛍光体粉末とバインダー樹脂インクの重量比は、例えば1:1〜4:1に選ばれる。
スプレーノズルANは、シンプルな構造としては、図8に示すように、高圧エアが流通する外管70内の流路に、内管71が配置され、内管71に、配管72を介してタンク73が接続された構造を備える。タンク73内に予め蛍光体粉末401がバインダー樹脂インク402に分散された蛍光体インクが入っている。内管71内は、その周囲の外管70内を流通する高圧エアによって負圧となっている。タンク73の内容物は、負圧となった内管71内に吸引され、内管71から外部に流出する際に高圧エア中に供給されて外管70の先端に設けられた噴出口701から噴出される。この状態で、基材10Aの表面全体に蛍光体インクが均一に行き渡るように噴出口701を適宜動かして吹付塗装を行う。
蛍光体インクは、比重が重い蛍光体粉末が沈殿しやすく、長時間スプレー作業を続けていると蛍光体粒子とバインダー樹脂の比率が変化して蛍光体層の膜厚や組成の均一性が保たれない場合がある。
そこで、図9に示すように、内管71に、2つのタンク73A,73Bが接続された2流体タイプのスプレーノズルAN’を使用し、一方のタンク73Aに蛍光体粉末401を入れ、他方のタンク73Bにバインダー樹脂インク402を入れ、スプレーノズルAN’の気流中に別々に供給するようにしても良い。この方法では、蛍光体粒子の沈殿を避けることができ、均一な蛍光体層を安定に得ることができる。蛍光体粉末とバインダー樹脂インクの重量比の制御はタンク73Aまたは73Bと内管71とを繋ぐ配管72Aまたは72Bの管径(D1またはD2。)をそれぞれ調整することにより行える。なお、誘電体インクを吹付塗装して誘電体層30Aを得る場合についても同様の方法をとることができる。
スプレー後は、基材10Aをベーク炉に収容して蛍光インクを十分に乾燥させる。
以上により、誘電体層30A上に、蛍光体層40Aが乾燥膜として強固に形成される。
最後に、蛍光体層40A上に透明電極層50Aが形成される。透明電極層50Aの材料には、PEDOT-PSSなどの高分子タイプの透明導電体が好適に用いられる。
本実施形態では、透明電極層50Aはスプレー法によって形成される。具体的には、図4(C)に示すように、スプレーノズルANを用いて透明導電体インクを吹付塗装する。スプレー後は、基材10Aをベーク炉に収容して透明導電体インクを十分に乾燥させる。
以上により、蛍光体層40A上に、透明電極層50Aが乾燥膜として強固に形成される。
上記の各工程(図4(A)〜(C))を経て、図4(D)に示すように、第1の実施形態に係る立体型無機EL発光体1Aが得られる。
図2(B)は、第2の実施形態に係る立体型無機EL発光体1Bを示す。本実施形態に係る立体型無機EL発光体1Bは、基材10Bの主面101上に、誘電体層30B、蛍光体層40Bおよび透明電極層50Bが、この順で形成された構造を有する。本実施形態に係る立体型無機EL発光体1Bは基材10Bの表面上に背面電極層を備えない点で、第1の実施形態に係る立体型無機EL発光体1A(同図(A)参照。)と異なっている。
本実施形態では、基材10Bが導体材料(板金など。)で形成されている。したがって、基材10B自体が背面電極層を兼ねることができ、背面電極層を省略し、基材10B上に蛍光体層40Bを直接形成することが可能となる。
図5に示すように、誘電体層30B、蛍光体層40Bおよび透明電極層50Bは、第1の実施形態と同様にスプレー法によって形成することが出来る。スプレー法の具体的手法は上述した通りである。なお、背面電極層20Bは、第1の実施形態と同様に金属蒸着膜などである。
図2(C)は、第3の実施形態に係る立体型無機EL発光体1Cを示す。本実施形態に係る立体型無機EL発光体1Cは、基材10Cの主面101上に、背面電極層20C、蛍光体層40C、および透明電極層50Cが、この順で形成された構造を有する。本実施形態に係る立体型無機EL発光体1Cは、背面電極層20Cと蛍光体層40Cとの間に誘電体層を備えない点で、第1の実施形態に係る立体型無機EL発光体1A(同図(A)参照。)と異なっている。
図6に示すように、蛍光体層40Bおよび透明電極層50Cは、第1の実施形態と同様にスプレー法によって形成することが出来る。スプレー法の具体的手法は上述した通りである。なお、背面電極層20Cは、第1の実施形態と同様に金属蒸着膜などである。
本実施形態では、蛍光体インクの蛍光体粉末とバインダー樹脂の重量比は0.5:1〜1:1として樹脂量を増加させている。これによって蛍光体層中で蛍光体粒子が相互に接触せずバインダー樹脂中に孤立して分散するため(蛍光体層のバインダー樹脂が誘電体層の役割も果たす)、誘電体層を省略することができる。本実施形態によると、誘電体層を省略したことで、生産性が向上する。
図2(D)は、第4の実施形態に係る立体型無機EL発光体1Dを示す。本実施形態に係る立体型無機EL発光体1Dは、基材10Dの裏面102上に、透明電極層50D、蛍光体層40Dおよび背面電極層20Dが、この順で形成された構造を有する。
本実施形態では、基材10Dは透光性を有する非導体材料(例えば、透明樹脂。)から成る。基材10Dが透光性であるため、基材10Dの裏面102上に透明電極層50D、蛍光体層40Dおよび背面電極層20Dをこの順で形成して分散型無機ELを構築することで、蛍光体層40D中の蛍光体の光を、透明電極層50Dおよび基材10Dを透過させて主面101側に取り出すことが可能となる。
図7に示すように、透明電極層50D、蛍光体層40Dおよび背面電極層20Dは、第1の実施形態と同様にスプレー法によって形成することができる。なお、最後に形成する背面電極層20Dは透明電極層としても良い。
本実施形態では、発光面が基材10Dでカバーされた構造になるので、安全性が高まる。また蛍光体層40Dは光透過性があるので、両方の電極層(背面電極層20Dおよび透明電極層50D。)に透明導電体を用いた場合は、半透明の部材となり新たな視覚的効果も得られる。
図11は、第5の実施形態に係る立体型無機EL発光体1Eを示す。本実施形態に係る立体型無機EL発光体1Eは、蛍光体層40A〜40D(図2参照。)が文字、図形などのパターン状に形成されており、これを発光させると立体型の部品の表面にそのパターンの発光が形成される。このようなパターン状発光は、上記第1から第2の実施形態に示したいずれの構造にも適用することができる。
またパターン化するのは蛍光体層だけでなく、透明電極層50、背面電極層20の一方または両方を蛍光体層と同様のパターンで形成してもよい。透明電極層50、背面電極層20のパターンは、蛍光体層のそれよりもやや広くかつ切れ目なく、相互に電気的な導通が保たれるようにする。
以上のようにして作製した立体型無機EL発光体1A〜1Eの透明電極と背面電極との間に交流電圧を印加することによって立体形状部品の表面が発光することになる。この部品の立体形状を決める基材は、あらかじめ金属板をプレスしたり、樹脂を成型したりしたものなので、どのような形状に作ることも可能である。したがって、複雑な形状の部品や物体の表面を発光させることができ視覚的、美術的に新たな感覚をもたらす製品の提供が可能となる。また従来は平面状であった表示灯や警告灯などを複雑な3次元形状にすることで、これまでは不可能であった場所に取り付けるなどして視認性を高めるなどの効果が得られる。
次に、本発明の立体型無機EL発光体の発光作用を検証した実施例を説明する。
その一部が球面で構成されている樹脂製の基材の表面にアルミニウムを蒸着し、背面電極層を得た。基材の表面は十分に平坦で、アルミニウムの蒸着後は鏡面となった。このアルミニウム層上にまず誘電体インクをスプレーした。誘電体インクは、粒径数μmのチタン酸バリウム(BaTiO3)粉末を、あらかじめ溶剤で溶解したバインダー樹脂インクに分散したものである。BaTiO3粉末とバインダー樹脂の重量比は2:1〜4:1が好ましい。溶剤量はスプレーノズルの仕様によって適宜、調整する。誘電体インクをスプレーした後、これを100〜120℃のベーク炉中で乾燥させ、約20μm厚の誘電体層を得た。
次に蛍光体層を同様の方法で形成した。蛍光体インクは、ZnS:Cu蛍光体(米国GTP社製GG45)をバインダー樹脂インクに分散したもので、その混合比は誘電体インクの場合と同様である。スプレー、ベーク後に約40μm厚の蛍光体層を得た。
透明電極には、高分子タイプ(PEDOT-PSS)の透明導電体インク(Agfa-Gevaert社Orgacon)を用い、最上層にスプレー、ベークして、透明電極層を得た。
実施例1と同様であるが、誘電体層を省略した。誘電体層を省略するため、蛍光体インクの蛍光体粉末とバインダー樹脂の重量比は0.5:1〜1:1として樹脂量を増加させた。
実施例2において予め調整した蛍光体インクをスプレーする代わりに、蛍光体粉末とバインダー樹脂インクをそれぞれスプレーノズルの気流中に供給してスプレーノズル中で混合することによって、蛍光体インクを吹付塗装した。
透明樹脂で形成された基材の表面にまず透明電極層をスプレー形成し、次に蛍光体層、透明電極層を順次、同じくスプレー法で形成した。
実施例4において、蛍光体層を全面にスプレーするのではなく部分的にスプレーした。その後、透明電極層を全面にスプレーした。
<発光試験>
実施例1〜5の立体型無機EL発光体に対し、両電極間に実効値約100V、周波数800Hzの交流電圧を印加したところ、球面部分を含む部材の表面から均一な発光が得られた。図10は、実施例2の立体型無機ELの発光状態を示す写真である。部品の内部に光源を仕込む場合とは異なり、部品のサイズ、形状にほとんど手を加えないままその表面が発光するので、これまでは発光させるのが困難な部品、製品を発光体とすることができ、これまでにない製品の提供が可能になる。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
AN…スプレーノズル
1、1A〜1D…立体型無機EL発光体
10A〜10D…基材
20A〜20D…背面電極層
30A、30B…誘電体層
40A〜40D…蛍光体層
50A〜50D…透明電極層

Claims (19)

  1. 立体的に造形され、非導体材料から成る基材の表面上に、少なくとも、背面電極層と、蛍光体層と、透明電極層と、がこの順で形成された、立体型無機EL発光体。
  2. 前記蛍光体層はスプレー法により形成される、請求項1に記載の立体型無機EL発光体。
  3. 前記透明電極層はスプレー法により形成される、請求項2に記載の立体型無機EL発光体。
  4. さらに、前記背面電極層と前記蛍光体層との間に、誘電体層を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の立体型無機EL発光体。
  5. 前記誘電体層はスプレー法により形成される、請求項4に記載の立体型無機EL発光体。
  6. 前記基材は、主面と裏面とが向かい合わせとなる厚みをもって立体的に造形され、前記背面電極層は、前記基材の前記主面および前記裏面に跨って連続的に形成される、請求項1〜5のいずれかに記載の立体型無機EL発光体。
  7. 前記背面電極層は金属蒸着膜である、請求項1〜6のいずれかに記載の立体型無機EL発光体。
  8. 立体的に造形され、導体材料から成る基材の表面上に、少なくとも、蛍光体層と、透明電極層と、がこの順で形成された、立体型無機EL発光体。
  9. 前記蛍光体層はスプレー法により形成される、請求項8に記載の立体型無機EL発光体。
  10. 前記透明電極層はスプレー法により形成される、請求項9に記載の立体型無機EL発光体。
  11. 主面と裏面とが向かい合わせとなる厚みをもって立体的に造形され、透光性を有する非導体材料から成る基材の前記裏面上に、少なくとも、透明電極層と、蛍光体層と、背面電極層と、がこの順で形成された、立体型無機EL発光体。
  12. 前記蛍光体層はスプレー法により形成される、請求項11に記載の立体型無機EL発光体。
  13. 前記透明電極層はスプレー法により形成される、請求項12に記載の立体型無機EL発光体。
  14. 前記背面電極層はスプレー法により形成される、請求項13に記載の立体型無機EL発光体。
  15. 前記背面電極層が透明電極層である、請求項14に記載の立体型無機EL発光体。
  16. 前記蛍光体層は、ノズルから高圧エアと共に蛍光体インクを噴出する吹付塗装により形成される、請求項2、9、12のいずれかに記載の立体型無機EL発光体。
  17. 蛍光体粉末とバインダー樹脂インクが別々に前記ノズル内を流通する高圧エアに供給される、請求項16に記載の立体型無機EL発光体。
  18. 前記透明電極層は、ノズルから高圧エアと共に透明導電体インクを噴出する吹付塗装により形成される、請求項3、10、13のいずれかに記載の立体型無機EL発光体。
  19. 前記誘電体層は、ノズルから高圧エアと共に誘電体インクを噴出する吹付塗装により形成される、請求項5に記載の立体型無機EL発光体。
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