JP2014202185A - 窒素酸化物浄化制御方法及び排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化触媒装置の酸化力を最大限に生かしつつ、かつ、選択触媒還元装置の浄化率をも高く維持可能とする。
【解決手段】排気管10が、酸化触媒装置2の手前で2つに分岐せしめられ、一方の分岐路11aはディーゼル微粒子捕集フィルタ装置3、選択触媒還元装置4が順に配される排気管とされる一方、他方の分岐路11bは酸化触媒装置2が配され、その開口端が酸化触媒装置2の出口側付近に位置せしめられると共に、少なくとも、酸化触媒装置2が配設された部位が、ディーゼル微粒子捕集フィルタ装置3の上流側で一方の分岐路11aに内包せしめられ、一方の分岐路11aには、酸化触媒装置2が内包された部位よりも上流側に第1のバルブ12aが、他方の分岐路11bには、酸化触媒装置2の上流側に、第2のバルブ12aが、それぞれ配設され、バイパスされた排気ガスによる酸化触媒装置2の保温が可能となっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、排気浄化装置における窒素酸化物浄化制御方法及び排気浄化装置に係り、特に、窒素酸化物の浄化特性の向上等を図ったものに関する。
近年、車両の排気ガス規制のさらなる強化に向けて、特に、ディーゼルエンジンを用いた内燃機関にあっては、尿素水を用いて窒素酸化物(以下「NOx」と称する)を還元浄化する機能を有する選択触媒還元(SCR:Selective Catalytic Reduction)をNOx低減装置に用いることが一般的になってきている。
通常、選択触媒還元装置の上流側には、酸化触媒装置(DOC:Diesel Oxidation Ctalyst)が配され、エンジン排気中のHC(炭化水素)やCO(一酸化炭素)の浄化が行われるようになっている。また、酸化触媒装置によって、エンジンから排気されるNO(一酸化窒素)の一部も酸化されてNO2(二酸化窒素)となる。
なお、この種の装置としては、例えば、特許文献1等に開示されたような装置等が提案、実用化されている。
特開2009−216019号公報(第7−16頁、図1−図7)
ところで、尿素を用いた選択触媒還元装置においては、NOとNO2が同量(モル比)で存在する場合に反応速度が最速となり、NOxの浄化率も最適となる。
その一方、酸化触媒装置の酸化力が強いほうが、COやHC、さらには、有機溶媒可溶成分(SOF:Soluble Organic Fraction)の低減には有効であるが、その場合、エンジンの中負荷領域では、NOが酸化され過ぎて、NO2 /NOの比が選択触媒還元装置にとって理想とする1:1から外れてしまい選択触媒還元装置を最適な状態とすることができないという問題を招いてしまう。
このように、現状では、酸化触媒装置の酸化力と選択触媒還元装置におけるNOxの還元浄化力は、二律背反の関係にあるため、要求される全体としてNOxの浄化力等を考慮した妥協点で酸化触媒装置と選択触媒還元装置の使用状態を設定するほかなかった。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、酸化触媒装置の酸化力を最大限に生かしつつ、かつ、選択触媒還元装置の浄化率をも高く維持することができる排気浄化装置の窒素酸化物浄化制御方法及び排気浄化装置を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る窒素酸化物浄化制御方法は、
ディーゼルエンジンの排気ガス中の一酸化炭素と炭化水素を酸化せしめて無害化する酸化触媒装置と、排気ガス中の排気微粒子を捕集するディーゼル微粒子捕集フィルタ装置と、排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化する選択触媒還元装置とが、排気上流側から順に配設されてなる排気浄化装置における窒素酸化物浄化制御方法であって、
前記選択触媒還元装置に流入する排気ガス中の二酸化窒素と一酸化窒素の比を1対1とすべく、前記酸化触媒装置に流入する排気ガスを、前記ディーゼルエンジンの運転状態に応じて、その一部、又は、全部をバイパスせしめる窒素酸化物浄化制御方法において、当該バイパスされた排気ガスを前記酸化触媒装置の外周に沿って下流側に流通せしめ、前記バイパスされた排気ガスによる前記酸化触媒装置の保温を可能としてなるものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る排気浄化装置は、
ディーゼルエンジンの排気ガス中の一酸化炭素と炭化水素を酸化せしめて無害化する酸化触媒装置と、排気ガス中の排気微粒子を捕集するディーゼル微粒子捕集フィルタ装置と、排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化する選択触媒還元装置とが、排気上流側から順に配設されると共に、前記選択触媒還元装置に流入する排気ガス中の二酸化窒素と一酸化窒素の比を1対1とすべく、前記酸化触媒装置に流入する排気ガスを、前記ディーゼルエンジンの運転状態に応じて、その一部、又は、全部をバイパス可能に構成されてなる排気浄化装置であって、
前記ディーゼルエンジンと前記酸化触媒装置とを接続する排気管を、前記酸化触媒装置の手前で2つに分岐せしめ、一方の分岐路は前記ディーゼル微粒子捕集フィルタ装置、選択触媒還元装置が順に配される排気管とする一方、他方の分岐路は前記酸化触媒装置が配されて、その開口端が前記酸化触媒装置の出口側付近に位置せしめられると共に、少なくとも、前記酸化触媒装置が配設された部位が、ディーゼル微粒子捕集フィルタ装置の上流側で前記一方の分岐路において内包せしめられ、前記一方の分岐路には、前記酸化触媒装置が内包された部位よりも上流側に第1のバルブが、前記他方の分岐路には、前記酸化触媒装置の上流側に、第2のバルブが、それぞれ配設され、
前記第1及び第2のバルブは、前記ディーゼルエンジンの動作制御を行う電子制御ユニットによる制御に基づいて互いに逆相で分岐路の開閉成を可能としてなり、
前記第1の分岐路を流通せしめられた排気ガスにより前記酸化触媒装置の保温を可能としてなるものである。
本発明によれば、所定の場合に、酸化触媒装置へ流入する排気ガスをバイパスさせることで、酸化触媒装置における一酸化窒素の酸化過剰に起因して、選択触媒還元装置に流入する一酸化窒素と二酸化窒素の比がアンバランスとなることを回避することができる共に、バイパスせしめた排気ガスを酸化触媒装置の外側に沿って後方へ流通せしめることで、酸化触媒装置を保温状態とし、その活性状態の低下を防止することができ、酸化触媒装置の酸化力を最大限に生かしつつ、かつ、選択触媒還元装置の浄化率をも高く維持することができるという効果を奏するものである。
本発明の実施の形態における排気浄化装置の構成例を示す構成図である。 図1に示された排気浄化装置における酸化触媒装置周辺の具体的な構成例を示す構成図であり、図2(A)は第1のバルブを全閉位置とし、第2のバルブを全開位置とした場合の構成図、図2(B)は通常制御状態における第1及び第2のバルブのそれぞれの位置を例示した構成図である。 本発明の実施の形態における排気浄化装置を構成する電子制御ユニットにより実行される排気浄化装置制御処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図3を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における排気浄化装置の全体構成について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における排気浄化装置は、ディーゼルエンジン(以下「エンジン」と称する)1の排気出口側から順に、酸化触媒装置(DOC:Diesel Oxidation Ctalyst)2、ディーゼル微粒子捕集フィルタ装置(DPF:Diesel Particulate Filter)3、選択触媒還元装置(SCR:Selective Catalytic Reduction)4、及び、アンモニアスリップ防止触媒装置(ASC:Ammonia Slip Catalys)5が、適宜な間隔で排気管10により相互に接続されて配設されてなるもので、後述する酸化触媒装置2及びその周辺の構成を除けば、各装置の配置等は、従来の排気浄化装置と基本的に同一のものである。
酸化触媒装置2は、一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)を酸化して無害化する機能を有するものである。かかる、酸化触媒装置2は、例えば、アルミナに白金を担時させたものに所定量のセリウム等の希土類元素を添加して構成されるもの等が好適であり、かかる構成は、従来と基本的に同一である。
ディーゼル微粒子捕集フィルタ装置3は、エンジン1の排気ガス中の粒子状物質や黒煙を捕集し除去するフィルターであり、従来装置と基本的に同一のものである。
選択触媒還元装置4は、アンモニア(NH3)が窒素酸化物(NOx)と化学反応することで窒素(N2)と水(H2O)に還元されることを応用して、窒素酸化物を還元浄化する機能を有するものである。
かかる選択触媒還元装置4は、例えば、アンモニアの吸着機能を有し、かつ、NOxを選択的に還元可能なゼオドライト系の還元触媒を用いて構成されるもので、その基本的構成は従来装置と同一である。
なお、安全性の観点等から実際には、直接アンモニアを用いることに代えて尿素水を、選択触媒還元装置4の手前側で排気中に噴射させて、加水分解させアンモニアガスを得ることによって窒素酸化物との化学反応に供されるようになっている。
選択触媒還元装置4の後段に設けられたアンモニアスリップ防止触媒装置5は、選択触媒還元装置4において消費しきれなかったアンモニアを酸化・分解するための酸化触媒である。
図2には、本発明の実施の形態における酸化触媒装置2の配設構造の一例が示されており、以下、同図を参照しつつ、酸化触媒装置2の配設構造等について説明する。
本発明の実施の形態において、エンジン1の排気口(図示せず)に接続された排気管10は、酸化触媒装置2の手前側で、第1の分岐路11aと第2の分岐路11bに二股に分岐されると共に、分岐部分から後端側へ適宜な間隔を隔てたそれぞれの部位において、第1の分岐路11a内には、第1のバルブ(図2においては「Val1」と表記)12aが、第2の分岐路11b内には、第2のバルブ(図2においては「Val2」と表記)12bが、それぞれ設けられている。
これら第1及び第2のバルブ12a,12bは、それぞれの分岐路11a,11bを完全に閉じる開度0の位置から、それぞれの分岐路11a,11bが完全に開かれた本来の流通状態とされる開度100%の位置まで連続的に可変可能に構成されたものとなっている。
本発明の実施の形態においては、これら第1及び第2のバルブ12a,12bは、いわゆる電磁式のものが用いられ、車両の動作制御等を行う電子制御ユニット100により後述するように、その開度が制御されるようになっている。
第1及び第2の分岐路11a,11bは、上述のバルブ12a,12bが設けられた部位から後端側に適宜隔てた部位において、第1の分岐路11aの内部に、第2の分岐路11bが内包されるように設けられ、第2の分岐路11bは、第1の分岐路11a内で開放端となっている(図2参照)。その一方、第1の分岐路11aは排気管10として、第2の分岐路11bが内包された部位から、さらに延設されてディーゼル微粒子捕集フィルタ装置3に接続されたものとなっている(図1参照)。
第1の分岐路11a内において、第2の分岐路11bは、第1の分岐路11aの内壁面との間に適宜な間隔を隔てるように設けられており、この第1の分岐路11a内に位置する第2の分岐路11b内には、酸化触媒装置2が配設されたものとなっている(図2参照)。
かかる構成において、第1のバルブ12aを通過した排気は、第2の分岐路11bの周囲を流通可能となっている。
また、第2のバルブ12bを通過した排気は、全て酸化触媒装置2を通過するように、酸化触媒装置2は第2の分岐路11bの一部を形成するよう構成、配設されたものとなっている。
本発明の実施の形態における第1のバルブ12aと第2のバルブ12bは、その開閉動作が逆相となるよう設けられている。すなわち、例えば、第1のバルブ12aが、第1の分岐路11aの通路を完全に閉じる位置、すなわち、開度0とされた場合、第2のバルブ12bは、第2の分岐路11bの通路を全開とする位置、すなわち、開度100%に設定されるようになっている(図2(A)参照)。
本発明の実施の形態においては、詳細は後述するようにエンジン回転数等に基づいて電子制御ユニット100において、第1のバルブ12aの開度設定のための制御信号が生成され、第1のバルブ12aは、その制御信号に応じて第1の駆動回路(図2においては「DRV1」と表記)51aにより駆動されて制御信号に応じた開度に設定される一方、第2のバルブ12bは、反転回路52により反転された制御信号に応じて第2の駆動回路(図2においては「DRV2」と表記)51bにより駆動されて所要の開度に設定されるようになっている。
電子制御ユニット(図2においては「ECU」と表記)100は、例えば、公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータ(図示せず)を中心に、RAMやROM等の記憶素子(図示せず)を有すると共に、図示されない燃料噴射弁を駆動するための駆動回路(図示せず)等を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる電子制御ユニット100には、エンジン回転数、アクセル開度、エンジン冷却水温、燃料温度などの各種の検出信号が、エンジン3の動作制御や燃料噴射制御等に供するために入力されるようになっている。
また、本発明の実施の形態においては、酸化触媒装置2の出口付近に設けられた排気温センサ6の出力信号が電子制御ユニット100に入力され、後述する窒素酸化物浄化制御処理に供されるようになっている。
次に、電子制御ユニット100により実行される本発明の実施の形態における排気浄化制御処理の手順について、図3に示されたサブルーチンフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、図3に示されたサブルーチンフローチャートは、電子制御ユニット100において従来同様実行される燃料噴射制御等と共に実行される1つのサブルーチン処理となっているものである。
電子制御ユニット100による処理が開始されると、最初に、この一連の処理に必要とされる排気温度等のデータ取得が行われる(図3のステップS102参照)。すなわち、排気温センサ6等により検出された信号が、電子制御ユニット100の適宜な記憶領域に記憶、保持されることとなる。
次いで、エンジン1の始動直後であるか否かが判定される(図3のステップS104参照)。
具体的には、イグニッションスイッチ(図示せず)がオンとされた直後のエンジン冷却水温Tw(IG-ON)と、同じくイグニッションスイッチ(図示せず)がオンとされた直後のエンジン1の吸気温度Ta(IG-ON)との差が、基準温度差ΔTREFを超えているか否かが判定される。
ここで、エンジン冷却水温や吸気温度は、電子制御ユニット100において、別途実行される燃料噴射制御処理等おいて必要とされるもので、所定の時間間隔で定期的に図示されないセンサによって検出された信号が電子制御ユニット100に入力され、適宜な記憶領域に記憶、保持されるものとなっているため、このステップS104においては、それらを流用すれば良いものとなっている。
ステップ104において、エンジン冷却水温Tw(IG-ON)と、吸気温度Ta(IG-ON)との差が、基準温度差ΔTREF未満と判定された場合(YESの場合)には、エンジン1の始動直後であるとして、次述するステップS106の処理へ進む一方、基準温度差ΔTREF以上であると判定された場合(NOの場合)には、後述するステップS112の処理へ進むこととなる。
なお、基準温度差ΔTREFは、個々の車両の仕様に応じて好適な値を、試験結果やシュミレーション結果に基づいて設定するのが好適である。
ステップS106においては、排気温度の直近の積分値TINT(n-1)が基準積分値TINT(REF)を超えているか否かが判定される。
ここで、排気温度積分値は、この一連の処理開始時からの排気温度の積分値であり、下記する演算式1により求められるものとなっている。
排気温度積分値=排気温度積分値TINT(n-1)+積分定数×排気温度・・・式1
なお、上記式中、排気温度積分値TINT(n-1)は、式1に基づいて新たに排気温度積分値を演算算出する際の直近の排気温度積分値であり、排気温度は、式1に基づいて新たに排気温度積分値を演算算出する際に検出された排気温度である。
さらに、積分定数は、個々の車両の仕様に応じて好適な値を、試験結果やシュミレーション結果に基づいて設定するのが好適である。
しかして、ステップS106において、排気温度積分値TINT(n-1)が基準積分値TINT(REF)未満と判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS108の処理へ進む一方、排気温度積分値TINT(n-1)は基準積分値TINT(REF)以上であると判定された場合(NOの場合)には、後述するステップS112の処理へ進むこととなる。
ステップS108においては、上述のステップS104及びステップS106の判定結果より、排気ガスを全て酸化触媒装置2へ流通せしめ、酸化触媒装置2を昇温させて、より活性状態とすべきであるとして、第1のバルブ12aは全閉状態(開度0)とされる一方、第2のバルブ12bは全開状態(開度100)とされて、排気ガスの全流が酸化触媒装置2を通過せしめられることとなる(図2(A)参照)。
次いで、かかる状態における排気温度積分値が算出されることとなる(図3のステップS110参照)。
すなわち、先に述べた式1に基づいて、この時点における排気温度積分値が算出され、一連の処理が終了されて、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
一方、ステップS112においては、車両がコースティング状態にあるか否かが判定される。
ここで、コースティング状態とは、惰性で走行することである。
車両がコースティング状態にあるか否かは、具体的には、エンジン回転数が所定回転数を超えており、かつ、燃料噴射量が所定噴射量を下回っているか否かによって判断される。
すなわち、ステップS112において、エンジン回転数が所定回転数を超えており、かつ、燃料噴射量が所定噴射量を下回っていると判定された場合(YESの場合)には、車両がコースティング状態にあるとして次述するステップS114の処理へ進む一方、少なくとも、エンジン回転数が所定回転数を超えていないと判定された場合(NOの場合)、又は、燃料噴射量が所定噴射量を下回っていないと判定された場合(NOの場合)には、車両はコースティング状態では無いとして、後述するステップS116の処理へ進むこととなる。
ステップS114においては、車両がコースティング状態にあることに鑑み、排気ガスは全流バイパス側へ流通せしめられることとなる。すなわち、第1のバルブ12aが全開状態(開度100)とされる一方、第2のバルブ12bが全閉状態(開度0)とされ、排気ガスは、第1の分岐路11aのみを流通せしめられ、酸化触媒装置2を流通することなく、その周囲を流通してディーゼル微粒子捕集フィルタ装置3へ流入してゆくこととなる。かかる状態にあっては、排気ガスが酸化触媒装置2の周囲を流通し、排気ガスの熱によって酸化触媒装置2が保温状態とされるため、酸化触媒装置2の温度低下による活性状態の低下防止が図られる。
このようにコースティング時に、排気ガスの全流について酸化触媒装置2をバイパスさせるのは、次述するような理由によるものである。
まず、コースティング時は、噴射が零或いは少量であるため、燃焼により生ずる熱も零或いは微量となり、排気温度の低下が生じ、このような排気ガスを酸化触媒装置2に流入せしめることは酸化触媒装置2の温度低下を招くこととなるためである。
また、酸化触媒装置2は、通常、ハニカム構造を採るものが多く、そのため、熱伝導に寄与する表面積は、酸化触媒装置2の外周に比して大であるため、排気温度が低下した場合、酸化触媒装置2を流通せしめるよりは、熱伝導を行う表面積が小さい外周部分を通過させた方が、酸化触媒装置2の温度低下を少しでも緩和することができるためである。
一方、排気温度が低下したと言っても、実際には、エンジン1のそれまでの運転により、ある程度、高い温度にあるので、排気ガスを酸化触媒装置2の外周を通過させることは、酸化触媒装置2を外気に晒すよりは十分に保温効果を規定することができる。
さらに、コースティング時は、燃焼が殆ど無く、排気中の一酸化窒素は殆どないため、排気ガスを酸化触媒装置2に流通せしめなくとも、二酸化窒素と一酸化窒素の比を憂慮する必要がないことも、コースティング時に排気ガス全流について酸化触媒装置2をバイパスさせる理由の一つである。
しかして、ステップS114の処理が実行された後は、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
また、ステップS116においては、第1及び第2のバルブ12a,12bの開閉が、選択触媒還元装置4に流入する排気ガス中の二酸化窒素と一酸化窒素の比を1対1とすべく、通常制御されることとなる。
すなわち、例えば、エンジン回転数と燃料噴射量に基づいて、選択触媒還元装置4に流入する排気ガス中の二酸化窒素と一酸化窒素の比が1対1となるように第1及び第2のバルブ12a,12bのそれぞれの最適な開度が決定され、それぞれその最適開度に設定されることとなる(図2(B)参照)。
このように、選択触媒還元装置4に流入する排気ガス中の二酸化窒素と一酸化窒素の比が1対1となるように第1及び第2のバルブ12a,12bの開度を調整するのは、選択触媒還元装置4は、二酸化窒素と一酸化窒素の比が1対1の場合に、反応速度が最速となるためであるが、その一方、酸化触媒装置2は、エンジン1の運転状態等によって酸化力が強すぎる場合があり、選択触媒還元装置4に流入する二酸化窒素と一酸化窒素の比のバランスを悪化させることがあるため、排気ガスを適宜、酸化触媒装置2に対してバイパスさせることで、二酸化窒素と一酸化窒素の比のバランスを保つようにするためである。
なお、種々のエンジン回転数と燃料噴射量との組み合わせに対する第1及び第2のバルブ12a,12bの最適開度は、試験結果やシミュレーション結果等に基づいて定め、例えば、エンジン回転数と燃料噴射量を入力パラメータとして、種々のエンジン回転数と燃料噴射量の組み合わせに対して、選択触媒還元装置4に流入する排気ガス中の二酸化窒素と一酸化窒素の比を1対1とするための第1及び第2のバルブ12a,12bの最適開度を読み出し可能にマップを構成し、電子制御ユニット100の適宜な記憶領域に記憶、保持させて、それをステップS116において用いるようにすると好適である。
このように第1及び第2のバルブ12a,12bの開度設定が通常制御により行われた後は、一連の処理が終了されて、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
なお、ステップS114やステップS116において、排気ガスの全部又は一部が第1の分岐路11aを流通することで酸化触媒装置2をバイパスせしめられるCOやHCは、アンモニアスリップ防止触媒装置5によって浄化されることとなる。
酸化触媒装置の酸化力を最大限に生かしつつ、かつ、選択触媒還元装置の浄化率をも高く維持することが所望される排気浄化装置に適する。
2…酸化触媒装置
11a…第1の分岐路
11b…第2の分岐路
12a…第1のバルブ
12b…第2のバルブ
100…電子制御ユニット

Claims (6)

  1. ディーゼルエンジンの排気ガス中の一酸化炭素と炭化水素を酸化せしめて無害化する酸化触媒装置と、排気ガス中の排気微粒子を捕集するディーゼル微粒子捕集フィルタ装置と、排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化する選択触媒還元装置とが、排気上流側から順に配設されてなる排気浄化装置における窒素酸化物浄化制御方法であって、
    前記選択触媒還元装置に流入する排気ガス中の二酸化窒素と一酸化窒素の比を1対1とすべく、前記酸化触媒装置に流入する排気ガスを、前記ディーゼルエンジンの運転状態に応じて、その一部、又は、全部をバイパスせしめる窒素酸化物浄化制御方法において、当該バイパスされた排気ガスを前記酸化触媒装置の外周に沿って下流側に流通せしめ、前記バイパスされた排気ガスによる前記酸化触媒装置の保温を可能としてなることを特徴とする窒素酸化物浄化制御方法。
  2. 車両がコースティング状態にある場合に、排気ガスの全流について、前記酸化触媒装置をバイパスせしめることを特徴とする請求項1記載の窒素酸化物浄化制御方法。
  3. 前記ディーゼルエンジンが始動直後であって、始動時からの排気温度の積分値が基準積分値を下回る場合に、前記排気ガスを全て前記酸化触媒装置へ流入せしめ、排気ガスによる前記酸化触媒装置の昇温を可能としてなることを特徴とする請求項2記載の窒素酸化物浄化制御方法。
  4. ディーゼルエンジンの排気ガス中の一酸化炭素と炭化水素を酸化せしめて無害化する酸化触媒装置と、排気ガス中の排気微粒子を捕集するディーゼル微粒子捕集フィルタ装置と、排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化する選択触媒還元装置とが、排気上流側から順に配設されると共に、前記選択触媒還元装置に流入する排気ガス中の二酸化窒素と一酸化窒素の比を1対1とすべく、前記酸化触媒装置に流入する排気ガスを、前記ディーゼルエンジンの運転状態に応じて、その一部、又は、全部をバイパス可能に構成されてなる排気浄化装置であって、
    前記ディーゼルエンジンと前記酸化触媒装置とを接続する排気管を、前記酸化触媒装置の手前で2つに分岐せしめ、一方の分岐路は前記ディーゼル微粒子捕集フィルタ装置、選択触媒還元装置が順に配される排気管とする一方、他方の分岐路は前記酸化触媒装置が配されて、その開口端が前記酸化触媒装置の出口側付近に位置せしめられると共に、少なくとも、前記酸化触媒装置が配設された部位が、ディーゼル微粒子捕集フィルタ装置の上流側で前記一方の分岐路において内包せしめられ、前記一方の分岐路には、前記酸化触媒装置が内包された部位よりも上流側に第1のバルブが、前記他方の分岐路には、前記酸化触媒装置の上流側に、第2のバルブが、それぞれ配設され、
    前記第1及び第2のバルブは、前記ディーゼルエンジンの動作制御を行う電子制御ユニットによる制御に基づいて互いに逆相で分岐路の開閉成を可能としてなり、
    前記第1の分岐路を流通せしめられた排気ガスにより前記酸化触媒装置の保温を可能としたことを特徴とする排気浄化装置。
  5. 前記電子制御ユニットは、車両がコースティング状態にある場合に、前記第1のバルブを全開状態とする一方、前記第2のバルブを全閉状態とし、排気ガスの全流について、前記酸化触媒装置をバイパス可能に構成されてなることを特徴とする請求項4記載の排気浄化装置。
  6. 前記電子制御ユニットは、前記ディーゼルエンジンが始動直後であって、始動時からの排気温度の積分値が基準積分値を超えていないと判定された場合に、前記第1のバルブを全閉状態とする一方、前記第2のバルブを全開状態とし、排気ガスによる前記酸化触媒装置の昇温を可能に構成されてなることを特徴とする請求項5記載の排気浄化装置。
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