JP2014201527A - 表面修飾無機酸化物微粒子分散組成物、及び水系化粧料 - Google Patents

表面修飾無機酸化物微粒子分散組成物、及び水系化粧料 Download PDF

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裕一 坂西
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Abstract

【課題】無機酸化物微粒子と水溶性増粘剤を含有する分散組成物であって、無機酸化物微粒子の特性が損なわれることなく維持され、且つ分散安定性及び粘度安定性に優れる分散組成物を提供する。
【解決手段】本発明の分散組成物は、平均粒子径が200nm以下である無機酸化物微粒子の表面がポリグリセリン鎖によって修飾されている表面修飾無機酸化物微粒子と水溶性増粘剤を含有する。前記水溶性増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー又はセルロース誘導体が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、無機酸化物微粒子と水溶性増粘剤を含有し、無機酸化物微粒子の特性が損なわれることなく維持され、且つ分散安定性及び粘度安定性を有する分散組成物、及び該分散組成物を含む水系化粧料に関する。
酸化チタン等の無機酸化物はその粒径により異なる特性を発揮することが知られている。例えば平均粒子径が200nmを超える顔料級粒子と比べて、平均粒子径が200nm以下の微粒子は優れた透明性、紫外線遮蔽性、耐候性、及び耐光変色性等を有するため、その特性を生かして、例えば、塗料、サンスクリーン化粧料、樹脂用組成物などの分野で使用されている。
そして、酸化チタン微粒子等は表面を種々の無機化合物で被覆することにより、その特性の向上、若しくは新たな特性の付与が行われている。例えば、酸化チタン微粒子は水中に分散しても分散安定性が低く、長期間静置すると沈降し、強固な凝集体を形成しやすい。また、酸化チタン微粒子と水溶性増粘剤を混合すると、酸化チタン微粒子の触媒作用のためか、若しくは酸化チタン微粒子と水溶性増粘剤が強固なネットワークを形成するためか、時間の経過と共に増粘傾向が見られる。そのため、水系処方の化粧料に使用する場合は、酸化チタン微粒子の表面にシリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、及び水酸化鉄から選択される1種又は2種以上による被覆処理が施される(特許文献1)。しかし、十分な分散安定性を得ることはできなかった。また、アルミナで被覆した酸化チタン微粒子は、水溶性増粘剤と混合することによりアルミニウムイオンが溶出するため、水溶性増粘剤としてカルボキシビニルポリマーやカルボキシメチルセルロースなどのカルボキシル基を有する化合物を併用すると、溶出したアルミニウムイオンが前記カルボキシル基と反応することにより水溶性増粘剤の架橋構造が破壊され、時間の経過と共に粘度が低下することが問題であった。酸化鉄や水酸化鉄で被覆した酸化チタン微粒子を使用する場合も前記と同様に時間の経過と共に粘度が低下することが問題であった。
特開2005−1999号公報
従って、本発明の目的は、無機酸化物微粒子と水溶性増粘剤を含有する分散組成物であって、無機酸化物微粒子の特性が損なわれることなく維持され、且つ分散安定性及び粘度安定性に優れる分散組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記分散組成物を含有する水系化粧料を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、無機酸化物微粒子の表面をポリグリセリン鎖で修飾すると、被修飾物である無機酸化物微粒子の有する特性(例えば、透明性、紫外線遮蔽性、耐候性、耐光変色性等)を損なうことなく、水や極性有機溶媒に対する分散安定性を向上することができること、水溶性増粘剤と併用しても、無機酸化物微粒子と水溶性増粘剤とが化学的に安定で反応性の低いポリグリセリン鎖を介して存在するため、無機酸化物微粒子が水溶性増粘剤に及ぼす影響を最小に止めることができ、特に、無機酸化物微粒子をアルミナ、酸化鉄、水酸化鉄等で被覆した場合にも、アルミニウムイオンや鉄イオンの溶出を最小に止めることができるため、水溶性増粘剤により付与される増粘効果が安定的に維持されることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、平均粒子径が200nm以下である無機酸化物微粒子の表面がポリグリセリン鎖によって修飾されている表面修飾無機酸化物微粒子と水溶性増粘剤を含有する分散組成物を提供する。
本発明は、また、水溶性増粘剤がカルボキシビニルポリマー又はセルロース誘導体である前記の分散組成物を提供する。
本発明は、また、無機酸化物が酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、又は酸化亜鉛である前記の分散組成物を提供する。
本発明は、また、前記分散組成物を含む水系化粧料を提供する。
本発明の分散組成物は上記構成を有するため、無機酸化物微粒子はその特性(透明性、紫外線遮蔽性、耐候性、耐光変色性)を損なうことなく、安定的に高分散状態が維持され、水溶性増粘剤により付与される増粘効果もまた安定的に維持され、経時的な粘度の変化を極めて低く抑制することができる。また、本発明の水系化粧料は前記分散組成物を含有するため、優れた特性(透明性、紫外線遮蔽性、耐候性、耐光変色性)を有する無機酸化物微粒子を高分散した状態で安定的に含有し、且つ粘度安定性に優れる。
[表面修飾無機酸化物微粒子]
本発明の表面修飾無機酸化物微粒子は、平均粒子径が200nm以下である無機酸化物微粒子の表面がポリグリセリン鎖によって修飾されていることを特徴とする。尚、本発明において「無機酸化物微粒子の表面がポリグリセリン鎖によって修飾されている」とは、無機酸化物微粒子の表面に存在する化学基の全部又は一部にポリグリセリン鎖が結合した状態を示す。
(無機酸化物微粒子)
本発明の無機酸化物微粒子としては、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等を挙げることができる。本発明においては、なかでも紫外線防御能に優れる点で、酸化チタン及び酸化亜鉛が好ましく、最も好ましくは酸化チタン(ルチル型又はアナターゼ型酸化チタン)である。
前記酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛は、その表面が他の無機化合物で被覆されていてもよい。すなわち、前記酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛は、他の無機化合物で被覆することにより特性の向上又は他の特性が付与されたものであってもよい。
酸化チタン微粒子の表面を被覆する無機化合物としては、例えば、Al23、SiO2、ZrO2、SnO2、Sb23等の無機酸化物や、前記無機酸化物に対応する水和無機酸化物等を挙げることができる。酸化チタン微粒子の表面をAl23及び/又はSiO2で被覆して得られる化合物は、被覆前の酸化チタン微粒子に比べ、より一層優れた透明性や紫外線遮蔽性を有する。酸化チタン微粒子の表面をZrO2と水和ZrO2及びAl23と水和Al23で被覆して得られる化合物は、透明性や紫外線遮蔽性に加え、耐候性、耐光変色性を有する。酸化チタン微粒子の表面をSnO2、Sb23で被覆して得られる化合物は、透明性や紫外線遮蔽性に加え、導電性を有する。
酸化亜鉛微粒子の表面を被覆する無機化合物としては、例えば、SiO2、Al23等の無機酸化物等を挙げることができる。酸化亜鉛微粒子の表面をSiO2及び/又はAl23で被覆して得られる化合物は、被覆前の酸化亜鉛微粒子に比べ、より一層優れた透明性や紫外線遮蔽性を有する。
無機酸化物微粒子はその表面に種々の化学基を有することが知られているが、本発明の無機酸化物微粒子としては、特にグリシドール又はポリグリセリンと反応可能な化学基を有することが好ましく、例えば、−NH2、−OH、−COOH、−P(=O)−OH、及び−SHから選択される少なくとも1種の基を有することが好ましい。本発明においては、なかでも−OH基を有することが好ましい。
無機酸化物微粒子の平均粒子径は200nm以下である。無機酸化物微粒子の平均粒子径(体積平均径)の上限は、好ましくは150nm、更に好ましくは100nmである。下限は、好ましくは1nmであり、より好ましくは3nm、更に好ましくは5nm、特に好ましくは7nm、最も好ましくは10nmである。無機酸化物微粒子の平均粒子径は、ナノトラック法(=動的光散乱法)により測定することができる。上記範囲の平均粒子径を有する無機酸化物微粒子は、優れた透明性と紫外線遮蔽性を有する。尚、紡錘状無機酸化物微粒子の場合、平均粒子径は平均長軸長さとする。
無機酸化物微粒子が有する化学基や無機酸化物微粒子の平均粒子径は、製造方法、製造条件、製造後の分級操作条件等を調整することによりコントロールすることができる。本発明においては、例えば、商品名「STR−100A」(SiO2/Al23で被覆処理された紡錘状ルチル型酸化チタン微粒子)、「STR−100W」(SiO2で被覆処理された紡錘状ルチル型酸化チタン微粒子)、「STR−100N」(未被覆処理の紡錘状ルチル型酸化チタン微粒子)(以上、堺化学工業(株)製)等の市販品を好適に使用することができる。市販の無機酸化物微粒子は、ポリグリセリン鎖によって修飾する前に化学修飾を施してもよい。
(ポリグリセリン鎖)
無機酸化物微粒子の表面を修飾するポリグリセリン鎖には直鎖状構造、分岐鎖状構造、及び環状構造のポリグリセリンが含まれる。
ポリグリセリン鎖の数平均重合度は、例えば2〜100である。ポリグリセリンの数平均重合度の上限は、好ましくは40、特に好ましくは20、最も好ましくは15である。下限は、好ましくは3、より好ましくは5、特に好ましくは9、最も好ましくは10である。ポリグリセリン鎖の数平均重合度が小さすぎると、無機酸化物微粒子間相互の反発力が不足するため粒子の凝集を防ぐことが困難となり、分散状態を維持することが困難となる傾向がある。一方、ポリグリセリン鎖の数平均重合度が大きすぎると、表面修飾無機酸化物微粒子間でポリグリセリン鎖が絡み合いを起こすことにより微粒子が凝集し易くなる他、無機酸化物微粒子が有する特性(例えば、透明性、紫外線遮蔽性、耐候性、耐光変色性等)が希釈される傾向がある。尚、ここでいう数平均重合度は、ポリグリセリン鎖を構成するグリセリン単位の数で定義される。
前記ポリグリセリン鎖の導入量としては、水への高分散性が得られる範囲である限り特に制限は無いが、ポリグリセリン鎖が分岐鎖状構造(特に、ポリグリセリンの全水酸基における一級水酸基の比率が50%以上、特に好ましくは60%以上、最も好ましく70%以上の高分岐鎖状構造)を有する場合は、直鎖状構造を有する場合に比べ、少ない導入量で分散安定性が得られる傾向がある。
直鎖状構造を有するポリグリセリン鎖を導入する場合、無機酸化物微粒子部分の重量(100重量部)に対して、ポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分の重量が、例えば4〜750重量部程度である。無機酸化物微粒子部分の重量(100重量部)に対するポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分の重量の上限は、好ましくは380重量部、特に好ましくは150重量部である。下限は、好ましくは9重量部、特に好ましくは13重量部、更に好ましくは50重量部、最も好ましくは70重量部である。分岐鎖状構造を有するポリグリセリン鎖を導入する場合、無機酸化物微粒子部分の重量(100重量部)に対して、ポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分の重量が、例えば4〜750重量部程度である。無機酸化物微粒子部分の重量(100重量部)に対するポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分の重量の上限は、好ましくは380重量部、特に好ましくは150重量部である。下限は、好ましく9重量部、特に好ましくは50重量部である。ポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分の導入量が少なすぎると無機酸化物微粒子表面の被覆量が不足するため、粒子の凝集を防ぐことが困難となり、分散状態を安定的に維持することが困難となる傾向がある。一方、ポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分の導入量が多すぎると、無機酸化物微粒子自体の特性(例えば、透明性、紫外線遮蔽性、耐候性、耐光変色性等)が希釈される傾向がある。
表面に導入されたポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分と無機酸化物微粒子部分の重量比は示差熱天秤分析装置(TG−DTA)を用いて表面修飾無機酸化物微粒子の熱処理時の重量変化、又は元素分析による組成比を測定することにより求めることができる。
(ポリグリセリン鎖)
無機酸化物微粒子表面にポリグリセリン鎖を導入する方法としては、例えば、下記方法を挙げることができる。
1.無機酸化物微粒子表面に、グリシドールを開環付加重合させる方法
2.無機酸化物微粒子表面に、ポリグリセリンを結合させる方法
上記1の方法における前記グリシドールの開環重合条件は、S.R SandlerらのJ.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,Vol.4,1253(1966)や、E.J.VanderbergのJ.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,vol.23,915(1985)、またG.R.NewcomeらのDendritic Macromolecules:Concepts,Syntheses,Perspectives,VCH,Weinheim(1996)等を適宜参照できる。
無機酸化物微粒子とグリシドールの開環付加重合反応は、触媒の存在下で行ってもよく、無触媒下で行ってもよい。触媒を使用する場合、使用できる触媒としては、例えば、トリフルオロホウ素エーテラート、酢酸、リン酸等の酸性触媒;トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリフェニルホスフィン等の塩基性触媒等が挙げられる。
触媒の使用量としては、無機酸化物微粒子100重量部に対して、例えば0.01〜0.1重量部程度、好ましくは0.02〜0.05重量部である。
開環付加重合反応は、例えば50〜180℃程度(好ましくは80〜150℃、特に好ましくは100〜150℃)の温度で行なわれる。反応時間は、例えば0.5〜48時間程度、好ましくは5〜48時間、特に好ましくは10〜30時間である。
上記開環付加重合反応は常圧下で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。また、開環付加重合反応の反応雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの何れであってもよい。
反応終了後、濃縮、沈殿、遠心分離、濾過、抽出、洗浄、乾燥等の分離精製手段、またはこれらの分離精製手段を2以上組み合わせることにより精製できる。
上記2の方法においてポリグリセリンとしては、例えば、商品名「PGL10PS」(一級水酸基の比率:76%、数平均重合度:10、高分岐鎖状ポリグリセリン)、「PGL20P」(一級水酸基の比率:75%、数平均重合度:20、高分岐鎖状ポリグリセリン)(以上、(株)ダイセル製)等の市販品を好適に使用することができる。
無機酸化物微粒子とポリグリセリンの反応は減圧下(例えば、0.01〜10kPa程度、好ましくは0.01〜1kPa)で行われる。
無機酸化物微粒子とポリグリセリンの反応は、例えば50〜180℃程度(好ましくは80〜150℃、特に好ましくは100〜150℃)の温度で行なわれる。
反応時間は、例えば0.5〜48時間程度、好ましくは5〜48時間、特に好ましくは10〜30時間である。
無機酸化物微粒子とポリグリセリンの反応は、触媒の存在下で行ってもよく、無触媒下で行ってもよい。触媒を使用する場合、使用できる触媒としては、例えば、トリフルオロホウ素エーテラート、酢酸、リン酸等の酸性触媒;トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリフェニルホスフィン等の塩基性触媒等が挙げられる。
触媒の使用量としては、無機酸化物微粒子100重量部に対して、例えば0.01〜0.1重量部程度、好ましくは0.02〜0.05重量部である。
無機酸化物微粒子とポリグリセリンの反応の雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。
反応終了後、濃縮、沈殿、遠心分離、濾過、抽出、洗浄、乾燥等の分離精製手段、またはこれらの分離精製手段を2以上組み合わせることにより精製できる。
[水溶性増粘剤]
本発明の水溶性増粘剤としては特に制限されることがなく、例えば、キサンタンガム、カードラン、プルラン、グァーガム誘導体、ローカストビーンガム、カラギナン、ペクチン、セルロース誘導体、カルボキシビニルポリマー、ペクチン、β−グルカン、タマリンドガム、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸、アルギン酸、ヒアルロン酸、ポリアルキレングリコール、(アクリル酸Na/アクロイルジメチルタウリン)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20)コポリマー、(アクロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25)クロスポリマー等、及びこれらの塩を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記セルロース誘導体としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及び微小繊維状セルロース等を挙げることができる。
前記カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸を架橋剤で架橋した水溶性の共重合体である。前記架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、サッカロース、ソルビトール等のポリオールの2置換以上のアクリル酸エステル類;前記ポリオールの2置換以上のアリルエーテル類;フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、メタクリル酸アリル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5−ヘキサジエン、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、低刺激性で、増粘効果が高く、粘度の経時変化が少なく、更に微生物による汚染に強い点で、カルボキシビニルポリマー又はセルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、微小繊維状セルロース等)を使用することが好ましく、例えば、商品名「カーボポール940」(カルボキシビニルポリマー、Lubrizol Advanced Materials社製)等の市販品を好適に使用することができる。
[分散組成物]
本発明の分散組成物は、平均粒子径が200nm以下である無機酸化物微粒子の表面がポリグリセリン鎖によって修飾されている表面修飾無機酸化物微粒子と水溶性増粘剤を含有する。
分散組成物全量(100重量%)における上記表面修飾無機酸化物微粒子の含有量としては、例えば0.1〜70重量%程度、好ましくは1〜40重量%である。
分散組成物全量(100重量%)における上記水溶性増粘剤の含有量としては、所望する粘度及び使用する水溶性増粘剤の種類に応じて適宜調整することができる。
本発明の分散組成物の粘度としては、1000〜10万mPa・sの範囲内において用途に応じて適宜調整することができる。
本発明の分散組成物は上記表面修飾無機酸化物微粒子と水溶性増粘剤以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で他の成分を含有していても良い。
本発明の分散組成物は、上記表面修飾無機酸化物微粒子と水溶性増粘剤と必要に応じて他の成分を混合することにより調製することができる。
本発明の分散組成物は上記表面修飾無機酸化物微粒子を含有するため分散安定性に優れ、40℃で7日間静置しても沈殿が生じることがなく、無機酸化物微粒子の高分散性を維持することができる。
また、本発明の分散組成物は上記表面修飾無機酸化物微粒子を含有するため、粘度安定性に優れる。本発明の分散組成物の調製直後(=調製後0日)の40℃環境下における粘度をx0、調製後7日間40℃環境下で保管した後の粘度をx7とすると、x7/x0は例えば0.55以上1.40未満、好ましくは0.80〜1.20である。
更に、本発明の分散組成物は上記表面修飾無機酸化物微粒子を含有するため、無機酸化物微粒子の粘度に及ぼす影響を最小に止めることができ、本発明の分散組成物の調製直後(=調製後0日)の40℃環境下における粘度をx0、本発明の分散組成物から無機酸化物微粒子を除いた組成物の調製直後(=調製後0日)の40℃環境下における粘度をy0とすると、x0/y0は例えば0.6〜1.6、好ましくは0.7〜1.3である。また、本発明の分散組成物を調製後7日間40℃環境下で保管した後の粘度をx7、本発明の分散組成物から無機酸化物微粒子を除いた組成物を調製後7日間40℃環境下で保管した後の粘度をy7とすると、x7/y7は例えば0.6〜1.6、好ましくは0.7〜1.3である。
本発明の分散組成物は、無機酸化物微粒子の特性が損なわれることなく維持され、且つ分散安定性及び粘度安定性を有する。そのため、化粧品などの分野の他、CMP向け研磨剤やドレッサー用材料などの工学応用分野においても使用することができる。本発明の分散組成物は、なかでも水系化粧料において好適に使用することができる。
[水系化粧料]
本発明の水系化粧料は上記分散組成物を含むことを特徴とする。分散組成物の含有量としては特に制限されることがなく、所望の特性、粘度等に応じて適宜調整することができる。
水系化粧料としては、例えば、サンスクリーン化粧料等を挙げることができる。尚、本発明におけるサンスクリーン化粧料とは紫外線防御作用を有する化粧料であり、例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液等の基礎化粧品;リップグロス、口紅、マスカラ、ファンデーション、アイカラー、アイライナー、アイブロウ、チークカラー等のメイクアップ化粧料;クリーム状、乳状、又はジェル状の日焼け止め剤等が含まれる。
本発明の水系化粧料は上記分散組成物以外にも通常水系化粧料に含まれる成分[例えば、水、界面活性剤、粘度調整剤、保湿成分(例えば、ポリオール類等)、油分(例えば、スクワラン、ホホバ油、オリーブ油、高級アルコール、ラノリン、エステル、シリコーン等)、アミド、増泡剤、防腐剤、水溶性高分子、pH調整剤、パール化剤、酸化防止剤、香料、色素等]を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有することができる。
本発明の水系化粧料は上記分散組成物を含有するため、優れた透明性、紫外線遮蔽性、耐候性、耐光変色性を有する。また、分散安定性、粘度安定性に優れる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
製造例1<ポリグリセリン鎖導入酸化チタン微粒子(1)の製造>
原料酸化チタン微粒子(商品名「STR−100W」、SiO2で被覆処理された紡錘状ルチル型酸化チタン、長軸平均長さ:75nm、短軸平均長さ:15nm、堺化学工業(株)製)は、高減圧下(0.09mmHg)にて50℃で30分間乾燥してから反応に用いた。
ガラス製反応器に上記乾燥酸化チタン微粒子0.05gを入れ、引き続いてグリシドール8gを添加した後、超音波洗浄器(45kHz)により室温で30分間超音波処理して均一な分散液とした後、窒素雰囲気下、140℃で20時間撹拌した。
反応液をメタノールと混合し、遠心分離(5000rpm、90分間、20℃)して上澄みを除き、沈殿物へのメタノールの添加、撹拌分散と遠心分離(5000rpm、60分間、20℃)を2回繰り返して上澄み液を除き、沈殿物にメタノールを加えて撹拌分散し、4度目の遠心分離(5000rpm、60分間、20℃)を行い、乾燥後黄色沈殿物を得た。
得られた沈殿物の拡散反射IRスペクトルを測定したところ、3350cm-1付近にポリグリセリン鎖の水酸基由来のピーク成分、1095cm-1付近にポリグリセリン鎖のエーテル結合由来のピーク成分が観測された。
また、TG−DTAの結果から、原料である酸化チタン微粒子に対し88重量%のポリグリセリン鎖が導入され、ポリグリセリン鎖の数平均重合度は8量体であったことが判明した。
製造例2<ポリグリセリン鎖導入酸化チタン微粒子(2)の製造>
原料酸化チタン微粒子(商品名「STR−100A」、SiO2/Al23で被覆処理された紡錘状ルチル型酸化チタン、長軸平均長さ:75nm、短軸平均長さ:15nm、SiO2:8重量%、Al23:4重量%、堺化学工業(株)製)は、高減圧下(0.09mmHg)にて50℃で30分間乾燥してから反応に用いた。
ガラス製反応器に上記乾燥酸化チタン微粒子5gを入れ、引き続いてポリグリセリン(商品名「PGL10PS」、一級水酸基の比率:76%、数平均重合度:10、高分岐鎖状ポリグリセリン、(株)ダイセル製)50gを添加した後、140℃、1kPasで30時間撹拌した。
反応液をメタノールと混合し、遠心分離(5000rpm、90分間、20℃)して上澄みを除き、沈殿物へのメタノールの添加、撹拌分散と遠心分離(5000rpm、60分間、20℃)を2回繰り返して上澄み液を除き、沈殿物にメタノールを加えて撹拌分散し、4度目の遠心分離(5000rpm、60分間、20℃)を行い、乾燥後黄色沈殿物を得た。
得られた沈殿物の拡散反射IRスペクトルを測定したところ、3350cm-1付近にポリグリセリン鎖の水酸基由来のピーク成分、1095cm-1付近にポリグリセリン鎖のエーテル結合由来のピーク成分が観測された。
また、TG−DTAの結果から、原料である酸化チタン微粒子に対し51重量%のポリグリセリン鎖が導入されたことが判明した。
実施例1
カルボキシビニルポリマー(商品名「カーボポール940」、Lubrizol Advanced Materials社製)1.0gを純水1kgに溶解し、水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5に調整して粘稠液を得た。
得られた粘稠液100gと製造例1で得られたポリグリセリン鎖導入酸化チタン微粒子(1)0.2gを良く混合して分散組成物(1)を得た。
実施例2、比較例1、2
製造例1で得られたポリグリセリン鎖導入酸化チタン微粒子(1)を表1に記載の無機酸化物微粒子に変更した以外は実施例1と同様にして分散組成物を得た。
評価
得られた分散組成物について、下記方法により粘度安定性及び分散安定性を評価した。
<粘度安定性評価>
分散組成物50mLをスクリュー瓶に入れて40℃で7日間静置し、調製直後の40℃における粘度(x0)と40℃で7日間静置後の40℃における粘度(x7)をB型粘度計を使用して観察した。
また、各分散組成物について、調製後7日の粘度と調製直後の粘度の比(x7/x0)を求めることにより粘度安定性を評価した。
更に、実施例及び比較例で得られた分散組成物と前記分散組成物から無機酸化物微粒子を除いた組成物について、調製直後の粘度比(x0/y0)、及び調製後7日の粘度の比(x7/y7)を求めることにより無機酸化物微粒子が粘度に及ぼす影響を評価した。
尚、分散組成物から無機酸化物微粒子を除いた組成物としてのカルボキシビニルポリマー(商品名「カーボポール940」、Lubrizol Advanced Materials社製)1.0gを純水1kgに溶解し、水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5に調整して得られた粘稠液の粘度変化を同様に観察したところ、調製直後の40℃における粘度(y0)は1811mPa・s、40℃で7日間静置後の40℃における粘度(y7)は2017mPa・sであった。
<分散安定性評価>
分散組成物50mLをスクリュー瓶に入れて40℃で7日間静置した後、分散組成物が均一か否かを目視で観察し、下記基準で分散安定性を評価した。
評価基準
均一:○
不均一:×
上記結果を下記表にまとめて示す。
Figure 2014201527
*「STR−100N」:未被覆処理の紡錘状ルチル型酸化チタン微粒子、長軸平均長さ:90nm、短軸平均長さ:10nm、堺化学工業(株)製
「STR−100A」:SiO2/Al23で被覆処理された紡錘状ルチル型酸化チタン微粒子、長軸平均長さ:75nm、短軸平均長さ:15nm、SiO2:8重量%、Al23:4重量%、堺化学工業(株)製

Claims (4)

  1. 平均粒子径が200nm以下である無機酸化物微粒子の表面がポリグリセリン鎖によって修飾されている表面修飾無機酸化物微粒子と水溶性増粘剤を含有する分散組成物。
  2. 水溶性増粘剤がカルボキシビニルポリマー又はセルロース誘導体である請求項1に記載の分散組成物。
  3. 無機酸化物が酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、又は酸化亜鉛である請求項1又は2に記載の分散組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の分散組成物を含む水系化粧料。
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