JP2014199891A - ファイバーレーザー光源装置 - Google Patents

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寛之 高田
Hiroyuki Takada
寛之 高田
理 大澤
Osamu Osawa
理 大澤
蕪木 清幸
Kiyoyuki Kaburagi
清幸 蕪木
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Abstract

【課題】 可視域の光を出力するのに適したファイバーレーザー光源装置の実用的な構造を提供する。
【解決手段】 Pr3+がドープされたフッ化アルミニウム系ファイバー2のコア21には、励起用レーザー素子1から出力された励起光が導光棒5で導光されながら入射する。励起光により励起されたコア21中のPr3+から放出された蛍光は、波長選択反射膜31,32より成る一対の共振素子で選択的に共振し、レーザー出力される。導光棒5は、コア21にのみ励起光を入射させるので、クラッド22等の温度上昇が抑制される。
【選択図】 図1

Description

本願の発明は、ファイバーレーザーに関するものである。
ファイバーをレーザー媒体としたファイバーレーザーは、加工機用等として従来から実用化されている。図7は、一般的なファイバーレーザー光源装置の概略構成を示した図である。
ファイバーレーザー光源装置は、励起用レーザー81と、励起用レーザー81からの励起光が入射するファイバー82と、ファイバー82を挟んで設けられた一対の共振素子83とから主に構成されている。
レーザー媒体となるファイバー(以下、メインファイバーと呼ぶ)82には、ダブルクラッドファイバーがしばしば使用される。励起用レーザー81からの励起光は、結合器84を介して、コアを含むインナークラッドの径の大きさでメインファイバー82に入射する。励起光は、アウタークラッドとインナークラッドとの屈折率差によりインナークラッド内で反射しながら伝搬する。この際、励起光がコアを通過し、コアに含まれるレーザー媒質を励起する。
一対の共振素子83は、ミラーが使用される場合もあるが、FBG(Fiber Bragg Grating)という特殊な分光素子が使用される場合が多い。出力波長の光は、一対のFBGの間で共振しながらアクティブファイバー82のコアで増幅され、出射側のFBGを通して出射される。
特開平11−204862号公報
http://www.sumita-opt.co.jp/ja/news/20050809_465.html
このようなファイバーレーザーの技術は、よりエネルギー密度の高い出力光を効力良く得ることが必要な分野で特に効果的であり、このため、マーキング等のレーザー加工の分野で盛んに研究され、実用化されてきた。従って、出力波長は1000nm前後の赤外域であり、励起用レーザーも、波長900nm程度の赤外線LD(半導体レーザー)である場合が多い。
しかしながら、高出力のレーザーは、可視域でも必要になる場合が多い。例えば、近年、大規模なスクリーン上に映像を投影する大型プロジェクタやデジタルシネマ映写機の研究や開発が行われている。より大きなスクリーン上に映像を投影するには、より高出力のRGB光源が必要である。発明者の研究によれば、ファイバーレーザーの技術を応用することで大型プロジェクタ等に使用できる高出力光源を実現できる可能性がある。
可視光を出力するファイバーレーザーとしては、希土類元素をフッ化物ファイバー中にドープし、アップコンバージョン(短波長への波長変換)によって光出力することが検討されている。これの点を開示したのが、特許文献1や非特許文献1である。これら文献には、Pr3+をドープしたフッ化ジルコニウム系ガラスより成るファイバーを用いてファイバーレーザーを構成し、491nmのレーザービームを出力する技術が開示されている。
しかしながら、フッ化ジルコニウム系ガラスについては耐水性などの化学的特性の問題があるとされている。このため、フッ化アルミニウム系ガラスに希土類をドープしたものをコア材料として使用することも検討されているが、フッ化アルミニウム系ガラスは機械的強度が弱いという欠点がある。
このように、可視光を出力するファイバーレーザーとしては、ファイバー材料の選定に関して上記のような検討が僅かにされているのみであり、実用的な装置構成としてどのような課題が存在し、どのような構造が最適化などは何ら明らかとなっていない。こういった状況ではあるが、より大出力の可視光がレーザーにより得られるようになると、RGB原色の純度や輝度がより高くなるので、より広い領域により鮮明な映像が投影できるようになると推測される。
本願発明は、このような状況に鑑みて為されたものであり、可視域の光を出力するのに適したファイバーレーザー光源装置の実用的な構造を提供する技術的意義を有している。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、励起用レーザー素子と、励起用レーザー素子から出力された励起光により励起される媒質を含有したファイバーと、ファイバーの両端に設けられた一対の共振素子とを備えており、
一対の共振素子は、励起光より励起された媒質が放出した特定の波長の光を共振させつつ当該波長の光を取り出すことが可能なものであり、
励起用レーザー素子とファイバーとの間には、励起用レーザー素子から出力された励起光をファイバーに導いてファイバーのコアに入射させる導光棒が設けられており、
導光棒の出射側の端面は、実質的にファイバーのコアのみに励起光を入射させることが可能な寸法、形状及び配置であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記導光棒の出射側の端面は、当該導光棒から出射される励起光の強度分布のうちピークの50%以上となる領域のすべての箇所が前記ファイバーのコアの端面内に入る寸法、形状及び配置であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記一対の共振素子は、前記ファイバーの両端面に形成された反射膜であり、前記導光棒の出射側の端面は、前記ファイバーのコアの端面に形成された反射膜に当接しているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1、2又は3の構成において、前記励起用レーザー素子と、前記導光棒との間には、励起光を集光する光学素子を含む結合用光学系が配置されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1、2又は3の構成において、前記導光棒は、前記励起用レーザー素子から出力される励起光を集光することなく導光できる位置に入射側の端面が位置しているという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1記載の発明によれば、導光棒により実質的にコアにのみ励起光が入射するので、コア以外の部分に励起光が入射することによる熱的損傷が生じない。
また、請求項3記載の発明によれば、上記効果に加え、一対の共振素子がファイバーの両端面に形成された反射膜であり、導光棒の出射側の端面は反射膜に当接しているので、装置全体がコンパクトになり、また励起効率も高くなる。
また、請求項4記載の発明によれば、上記効果に加え、結合用光学系が配置されているので、導光棒の断面積を小さくした場合でも効率良く励起光をコアに入射させることができる。
また、請求項5記載の発明によれば、上記効果に加え、結合用光学系が不要になるので、部品コストが低減し、全体の構造がコンパクトになる。
本願発明の第一の実施形態に係るファイバーレーザー光源装置の断面概略図である。 図1に示すファイバーレーザー光源装置に使用されているメインファイバー2の断面図である。 Pr3+をドープしたフッ化アルミニウム系ガラスの蛍光スペクトルを調べた結果の図である。 コア21を外れた位置に励起光が入射することによる問題を把握した実験の結果について示す図であり、(1)は励起用レーザー素子1の出力とメインファイバー2からの出力との関係を示した図、(2)は共振素子が破損した状態を確認した顕微鏡写真を模式的に描いた図である。 波長選択反射膜31,32の損傷防止の効果が得られる導光棒5の寸法、形状や配置について模式的に示した図である。 第二の実施形態のファイバーレーザー光源装置の概略図である。 一般的なファイバーレーザー光源装置の概略構成を示した図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の第一の実施形態に係るファイバーレーザー光源装置の断面概略図である。図1に示す装置は、励起用レーザー素子1と、励起用レーザー素子1から出力されたレーザー光により励起される媒質(レーザー媒質)を含有したメインファイバー2とを備えている。
励起用レーザー素子1は、メインファイバー2中のレーザー媒質や出力する波長によって変わってくるが、例えばGaN(窒化ガリウム)系の半導体レーザーが使用される。励起用レーザー素子1は、ベース板11に嵌め込まれて固定されている。
図2は、図1に示すファイバーレーザー光源装置に使用されているメインファイバー2の断面図である。図2に示すように、メインファイバー2は、中央にコア21があり、その外側にクラッド22、さらにその外側にジャケット23を有する構造である。コア21の直径は、7〜15μm程度、クラッド22の外径は35〜50μm程度、ジャケット23の外径は280〜300μm程度である。
メインファイバー2の材質は、この実施形態では、フッ化アルミニウム(AlF)系ガラスとなっている。コア21は、フッ化アルミニウム系ガラスにレーザー媒質となる希土類元素をドープしたものとなっている。クラッド22にもフッ化アルミニウム系ガラスが使用されており、屈折率をコア21よりも低くする材料がドープされている。ジャケット23もガラス製であり、例えば石英ガラスより成っている。
フッ化アルミニウム系ファイバーは、前述したように機械的強度が弱い。従って、通信用や伝送用の一般的な光ファイバーのように細長いものにしてループさせることは好ましくない。ある程度短いもので、ある程度の太さを持つものにせざるを得ない。従って、図1に示すようなロッド状(円柱状)となる。ロッド状ではあるものの、コア21及びクラッド22より成るので、単なる円柱状の導光ロッドとは異なる。長さの一例を示すと、例えば全長20〜40mm程度である。
共振素子としては、メインファイバー2の端面に形成された反射膜31,32が採用されている。反射膜31,32は、特定の波長の光のみを反射させ、他の波長の光は透過する波長選択膜(波長選択反射膜)で構成されている。特定の波長とは、この装置の出力波長である。入射側の反射膜31は、出力波長の光をほぼ100%反射し、他の波長を透過する波長選択膜である。出射側の反射膜32は、出力波長の光を数%(例えば3〜7%)だけ透過し、他の波長を含み残りを反射させる波長選択反射膜である。
コア21にドープする希土類元素としては、この実施形態では、Pr3+が選定されている。ドープ量は、例えば3000〜5000ppm程度である。例えば、前述したPr3+ドープのフッ化物ガラス系ファイバーをGaN系半導体レーザーで励起すると、の遷移によって465〜495nmの波長領域の蛍光が生じ、の遷移によって515〜555nmの波長領域の蛍光が生じる。また、又はの遷移によって600〜660nmの蛍光が生じる。
図3は、Pr3+をドープしたフッ化アルミニウム系ガラスの蛍光スペクトルを調べた結果の図である。励起光は、波長442nmのGaN系半導体レーザーからの出力光であり、Pr3+のドープ量は3000ppmである。図3に示すように、Pr3+ドープのフッ化アルミニウム系ファイバーでは、465〜495nm程度の範囲に強いピークの蛍光が存在し、515〜555nm及び600〜660nmの範囲でも十分な強さの蛍光が確認される。
従って、例えば465〜495nmのうち任意の波長を選択的に反射する波長選択反射膜31,32を一対の共振素子として採用すれば、この波長の光がメインファイバー2内で共振してレーザー発振することになり、この波長を出力波長とする青色のファイバーレーザー光源装置を構成できる。また、515〜555nmのうち任意の波長を選択的に反射する波長選択反射膜31,32を一対の共振素子として採用すれば、この波長の光がメインファイバー2内で共振してレーザー発振することになり、この波長を出力波長とする緑色のファイバーレーザー光源装置を構成できる。また、600〜660nmのうち任意の波長を選択的に反射する波長選択反射膜31,32を一対の共振素子として採用すれば、この波長の光がメインファイバー2内で共振してレーザー発振することになり、この波長を出力波長とする赤色のファイバーレーザー光源装置を構成できる。このような波長選択反射膜31,32は、誘電体多層膜で構成され、蒸着によって形成される。例えば、波長選択反射膜31,32は、SiO膜とTa膜とを交互に多数積層した多層膜とすることができる。
図1に示すように、メインファイバー2は、筒状のシース(以下、ファイバーシースと呼ぶ)4内に挿通されており、全長に亘ってファイバーシース4で保護されている。ファイバーシース4としては、ジルコニア又はステンレス等で形成されたものを使用することができる。メインファイバー2の外面(即ち、ジャケット23の外面)とファイバーシース4の内面とは接着剤で固定されている。
尚、前述した波長選択反射膜31,32である一対の共振素子は、メインファイバー2及びファイバーシース4の端面全域に形成されている。メインファイバー2、特にコア21の端面にのみ形成されていれば目的は達成するが、波長選択反射膜31,32の形成は、シース内にメインファイバー2を収めた状態で行うのが取り扱いその他の面で好適だからである。
このような構造である実施形態のファイバーレーザー光源装置は、レーザーの発振構造に応じて励起光の導入構造も最適化している。具体的には、実施形態の装置は、励起用レーザー素子1とメインファイバー2との間に、励起用レーザー素子1から出力された励起光をメインファイバー2に導いてメインファイバー2のコア21に入射させる導光棒5を備えている。
導光棒5は、側面において光を全反射して導光する棒状のものである。このような導光棒5は、透光性の材質の単純な棒状のものであっても良いし、コア21とクラッド22から成るファイバーであっても良い。材質としては、透光性に優れた石英が適しているが、メインファイバー2と同様にフッ化アルミニウム系ガラスでも良い。即ち、ファイバーであれば、高NA石英メインファイバー、フッ化アルミニウム系ファイバー等が使用可能である。この他、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン (polytetrafluoroethylene)のようなフッ素樹脂や、PMMAのようなアクリル樹脂等の樹脂製のファイバーや導光棒5も採用可能である。
このような導光棒5を設けることは、実施形態の装置における励起光の導入構造を考慮したものである。前述したように従来の加工機用等のファイバーレーザーでは、励起光をクラッドに入射させてクラッド中を伝搬させ、コアを通過する際にコア中の媒質を励起するようにしている。この構造は、励起効率を高め、高出力のレーザー発振をする点では優れているが、実施形態の装置では採用が難しい。クラッド22伝搬を利用するには、メインファイバー2をかなり長くしなければならないが、フッ化アルミニウム系ガラスは機械的強度が弱く、細長くしてしまうと取り扱いが難しくなってしまうからである。メインファイバー2の長さがある程度制限されることを考慮すると、励起光をコア21に直接入射させ、励起光がコア21中を伝搬するようにしながら励起を行う必要がある。
コア入射構造を採る実施形態のファイバーレーザー光源装置では、できる限りコア21だけに励起光が入射するようにし、コア21を外れた位置には励起光が入射しないようにする必要がある。この点は、発明者が鋭意研究を行う過程で得た知見に基づいている。この点について、図4を使用して説明する。図4は、コア21を外れた位置に励起光が入射することによる問題を把握した実験の結果について示す図であり、(1)は励起用レーザー素子1の出力とメインファイバー2からの出力との関係を示した図、(2)は共振素子が破損した状態を確認した顕微鏡写真を模式的に描いた図である。
発明者は、上記のような構造のファイバーレーザー装置を幾つか試作し、励起用レーザー素子1の出力を徐々に上げながら、メインファイバー2から出力されるレーザー光の強度をレーザーパワーモニターで測定する実験を行った。すると、幾つかの装置ではメインファイバー2からの出力は順調に増加するものの、ある装置では、励起用レーザー素子1の出力を上げる途中でメインファイバー2からの出力が激減した。発明者は、励起用レーザー素子1の出力をいったんゼロにリセットしてから再び増加させたが、今度はメインファイバー2からの出力はほとんどゼロに近い状態で推移するようになってしまった。この状況が図4(1)に示されている。図4(1)において、●マーカーは、励起用レーザー素子1の出力をゼロにリセットする前のメインファイバー2からの出力を示し、■マーカーはゼロにリセットした後のメインファイバー2からの出力を示す。
発明者は、このような事故が生じた装置からメインファイバー2を取り出し、入射側の端面を顕微鏡で観察した。この結果、図4(2)に模式的に示すように、端面に焼け焦げた跡20があるのが観察された。焼け焦げ跡20は、コア21の周辺部からクラッド2222にまたがった領域に形成されており、共振素子を構成する波長選択反射膜31の焼け焦げであると推測された。
このような焼け焦げは、励起光が波長選択反射膜31を通して入射する際、コア21を外れてクラッド22に入射した結果、生じたものであると推測される。励起光がコア21だけに入射する限りは、コア21は励起光の透過率が高いので(吸収が少ないので)、問題となるような発熱が生じることはない。しかしながら、クラッド22に入射すると、励起光の吸収が大きいために熱が発生し、これが原因で波長選択反射膜31の焼け焦げが生じたものと推測される。図4(2)では焼け焦げは局所的であるが、このような焼け焦げが生じると、波長選択反射膜31全体において光学的性能が毀損されていると推測される。このため、図4(1)に示すようにレーザー発振不能の状態に陥ったものと推測される。
このような知見を踏まえれば、励起光は、コア21だけに入射させるようにするか、又は波長選択反射膜31のような他の部材の熱的損傷を回避し得る程度にコア21だけに集中して励起光を入射させる必要がある。実施形態において導光棒5を励起用レーザー素子1とメインファイバー2との間に介在させているのは、このような知見に基づいている。
図1において、導光棒5の端面は、コア21の端面に形成された波長選択反射膜31に接触している。従って、導光棒5を断面円形とし、その径をコア径以下とするとともに、導光棒5をコア21と同軸上の位置に配置すれば、導光棒5で導かれた光は、メインファイバー2のコア21に入射するもののみとなる。従って、波長選択反射膜31,32の損傷は生じない。実施形態の装置における導光棒5は、このような意義を有する。尚、導光棒5の端面がコア21の端面に形成された波長選択反射膜31に接触している構造は、装置全体をコンパクトするとともに、励起効率を高くする意義を有している。一対の共振素子が波長選択反射膜31,32で形成されている点も、装置のコンパクト化に貢献している。
このような波長選択反射膜31,32の損傷防止の効果が得られる導光棒5の形状や配置は、上記以外にも考えられる。この点について図4を使用して説明する。図5は、波長選択反射膜31,32の損傷防止の効果が得られる導光棒5の形状や配置について模式的に示した図である。図5において、コア21の断面形状が成す円形を実線で示し、導光棒5の出射側の端面が成す円形を破線で示す。また、図5(3)(4)において、導光棒5から出射される励起光の強度分布(伝搬方向に垂直な面での強度分布)を符号Pで示す。
図5(1)は、前述したように、導光棒5とコア21とが同軸上で、導光棒5の径がコア21の径以下とした例である。この他、波長選択反射膜31,32の損傷防止の効果が同様に得られる構造としては、例えば図5(2)に示すように、導光棒5はコア21に対して同軸になってはいないが、導光棒5の径がコア21より小さく、出射する励起光がコア21以外の部分に照射されない構造が考えられる。
また、導光棒5の径がコア21よりも大きい場合でも、その違いが十分に小さい場合には、波長選択反射膜31,32の損傷は防止される。導光棒5から出射する励起光の強度分布は、図5(3)(4)に示すようにガウス分布になる。この場合、図5(3)(4)に示すように、半値幅の領域がすべてコア21の端面内の領域である場合、即ち、ピークに対して50%以上の強度の領域がすべてコア21の端面内の領域である場合、波長選択反射膜31,32の損傷は防止される。ピークに対して半分以上のエネルギー密度の光はすべてコア21に入射することになり、クラッド22には入射しないからである。また、より安全を見込む場合には、ピークに対して13.5%以上の強度となるすべての領域がコア21の端面内とすることが好ましい。
図1に示すように、このような導光棒5は、メインファイバー2と同様にシース(導光用シースと呼ぶ)51内に収められている。導光用シース51は、同様にジルコニア製又はステンレス製である。導光用シース51は、内部の導光棒5がメインファインバーのコア21と同軸上になる位置でメインファイバー2のシースに対してコネクタ6により固定されている。コネクタ6は、ファイバーシース4及び導光用シース51の双方に固定されるが、固定は例えばYAGレーザー溶接によることができる。尚、この際の同軸上とは、波長選択反射膜31,32の損傷が防止できる程度に同軸ということであり、上記のようにコア径と導光棒5の径とに応じて多少の軸ずれは許容される。
また、実施形態の装置は、励起用レーザー素子1と導光棒5との間に結合用光学系7を備えている。結合用光学系7は、励起用レーザー素子1から出力される励起光を集光した状態として導光棒5を介してメインファイバー2に結合させるものである。この実施形態では、結合用光学系7は、図1に示すように、筐体71と、筐体71内に収納された結合レンズ72とから主に構成されている。筐体71は、入射側において励起用レーザー素子1のベース板11に固定され、出射側において導光用シース51に固定されている。各固定は、例えばYAGレーザー溶接による。
この実施形態では、励起用レーザー素子1はGaN系のような半導体レーザーである。半導体レーザーから出射されるレーザー光は、周知のように界面の方向に長いほぼ楕円状の断面形状となる。一方、導光棒5はコア21にのみ励起光を入射させる観点から断面積の小さいもの(細いもの)とされる。このため、この実施形態では、励起用レーザー素子1からの励起光を導光棒5に入射させる結合用光学系7を設けている。即ち、少なくとも一つの方向とは、励起用レーザー素子1から出射されるビームの断面形状において長手方向ということになる。短手方向については、集光してもしなくても良いし、逆に拡散させて全体として円形の断面形状のビームとすることもある。
このような結合用光学系7に含まれる集光レンズとしては、凸レンズ、球面レンズ等が使用され得る。また、集光とビーム整形とが行えるものとして、アナモルフィックプリズムペア、シリンドリカルレンズ、トロイダルレンズ等が知られており、結合用光学系7として使用することができる。
尚、結合用光学系7と導光棒5は同軸になっている必要があるが、結合用光学系7の光軸が導光棒5の中心から多少外れたとしても、メインファイバー2におけるような問題はない。導光棒5の入射面には、波長選択反射膜31,32のような熱に弱い部材はなく、効率の問題を別にすれば、多少の芯ずれがあってもレーザー出力停止に至るような事故が発生することはない。
また、図1に示すように、メインファイバー2の出射側には、出射側光学系8が設けられている。この実施形態では、出射側光学系8は、コリメートレンズ81を含むものであり、出射レーザー光を平行光にするためのものである。
次に、第二の実施形態のファイバーレーザー光源装置について説明する。図6は、第二の実施形態のファイバーレーザー光源装置の概略図である。
図6に示す第二の実施形態の装置では、励起光の導入構造が第一の実施形態と異なっている。即ち、第二の実施形態では、結合用光学系7は設けられておらず、導光棒5の入射側の端面は、ホルダー12に保持された励起用レーザー素子1の出射面付近に位置している。第二の実施形態における励起光の導入構造は、励起用レーザー素子1から出射される励起光を集光することなくメインファイバー2に入射させるようにした構造である。
励起用レーザー素子1から出射されたレーザー光は、素子の界面に垂直な方向に対してはある程度広がりながら伝搬する。それでも、レーザー素子の出射面に近い位置に導光棒5の入射面(入射側の端面)を位置させれば、特に集光することなく効率良く導光し、メインファイバー2に入射させることが可能である。どの程度まで導光棒5の入射面を近づければ良いかは、導光棒5の径によるが、導光棒5の直径径が1.2〜2.0mm程度である場合、励起用レーザーの出射面との距離を1.7mm以下としておけば、凡そ使用可能な励起用レーザー素子1について出射光を取りこぼすことなく効率良く導光して利用することが可能である。この実施形態の構造では、結合用光学系が不要になるので、部品コストが低減し、全体の構造がコンパクトになる。
各実施形態のファイバーレーザー光源装置では、励起用レーザー素子1が動作して励起光が出力されると、励起光は導光棒5により導光されてメインファイバー2に入射する。励起光はメインファイバー2中を伝搬してPr3+を励起し、各遷移により各蛍光を生じさせる。生じた蛍光のうち、波長選択反射膜31,32より成る一対の共振素子の共振波長の光のみが共振して出射側の共振素子から出射し、残りの蛍光や励起光は共振素子において吸収されて減衰するか、反射膜31を透過して減衰する。
各実施形態のファイバーレーザー光源装置によれば、波長選択反射膜31,32より成る一対の共振素子の反射特性を所望のものにするだけで、所望の出力波長の可視光レーザーを得ることができ、特にRBGの各波長域において所望のものを得ることができる。このため、プロジェクタやデジタルシネマ映写機のような可視光を利用するシステムの光源用として好適に使用することができる。投影装置のRGB光源用として使用可能なレーザー光源については開発完了の報告がされたものもあるが、実施形態の装置では、ファイバーレーザーによって光を増幅し且つ波長変換しているので、高輝度であって且つ任意の波長のRGB光源とすることができるので、その優位性は著しい。特に、ドルビー3Dと呼ばれる3Dシステムでは(「ドルビー」は、ドルビーラ ボラトリーズ ライセンシング コーポレーション社(米国)の登録商標)、15nm程度以上離れた二つの波長の単色光源で一つの原色を作る必要があるが、波長選択が容易な実施形態のファイバーレーザー光源装置は、この用途に好適に使用することができる。
尚、上述した各実施形態において、コア21にドープする希土類元素としては、Pr3+の他、Nd、Dy、Ho、Tm、Er、Ybでも良い。
また、メインファイバー2の材質としては、フッ化アルミニウム系ガラスの他、ZBLANやZBLANPのようなフッ化ジルコニウム系ガラスが採用されることもある。励起用レーザー素子1については、InGaNレーザー、InGaNAsレーザー、GaNAsレーザーなどを使用することができる。
1 励起用レーザー素子
2 ファイバー
21 コア
22 クラッド
31 波長選択反射膜
32 波長選択反射膜
4 シース
5 導光棒
51 シース
6 コネクタ
7 結合用光学系

Claims (5)

  1. 励起用レーザー素子と、励起用レーザー素子から出力された励起光により励起される媒質を含有したファイバーと、ファイバーの両端に設けられた一対の共振素子とを備えており、
    一対の共振素子は、励起光より励起された媒質が放出した特定の波長の光を共振させつつ当該波長の光を取り出すことが可能なものであり、
    励起用レーザー素子とファイバーとの間には、励起用レーザー素子から出力された励起光をファイバーに導いてファイバーのコアに入射させる導光棒が設けられており、
    導光棒の出射側の端面は、実質的にファイバーのコアのみに励起光を入射させることが可能な寸法、形状及び配置であることを特徴とするファイバーレーザー光源装置。
  2. 前記導光棒の出射側の端面は、当該導光棒から出射される励起光の強度分布のうちピークの50%以上となる領域のすべての箇所が前記ファイバーのコアの端面内に入る寸法、形状及び配置であることを特徴とする請求項1記載のファイバーレーザー光源装置。
  3. 前記一対の共振素子は、前記ファイバーの両端面に形成された反射膜であり、前記導光棒の出射側の端面は、前記ファイバーのコアの端面に形成された反射膜に当接していることを特徴とする請求項1又は2記載のファイバーレーザー光源装置。
  4. 前記励起用レーザー素子と、前記導光棒との間には、励起光を集光する光学素子を含む結合用光学系が配置されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のファイバーレーザー光源装置。
  5. 前記導光棒は、前記励起用レーザー素子から出力される励起光を集光することなく導光できる位置に入射側の端面が位置していることを特徴とする請求項1、2又は3記載のファイバーレーザー光源装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024071269A1 (ja) * 2022-09-28 2024-04-04 フクビ化学工業株式会社 端面発光型導光棒及びその製造方法

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