JP2014199321A - パターン位相差フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】個々のライン幅及びライン相互間の間隔が高精度なストライプパターンをもつ位相差フィルムを効率的に製造する。【解決手段】支持体2の表面に塗布された配向層24にさらに樹脂層30が塗布され、樹脂層硬化処理装置10に搬送される。樹脂層硬化処理装置10は、カバー31内に第1〜第4ゾーン10A〜10Dを備え、ゾーンごとに樹脂層30を光硬化させる紫外線ランプ32a〜32dが設けられる。これらの紫外線ランプ32a〜32dからの照射光の強度を段階的に設定する。支持体2とともに樹脂層30が樹脂層硬化処理装置10を通過する間に樹脂層30の硬化が行われ、かつ樹脂層30に段階的な加熱による温度履歴が加わり、液晶層の偏光特性が安定するとともにライン状のパターンの変動も抑えられる。【選択図】図4
Description
本発明は、個々のラインの幅や各ラインの平行度に高い精度が要求されるストライプ状のパターンをもったパターン位相差フィルムの製造方法に関するものである。
特許文献1,2で知られるように、パターン位相差フィルム(Film Patterned Retarder:以下、FPR)は、左右で円偏光の向きが異なる偏光メガネを併用する立体画像表示装置の光学フィルタとして効果的に用いられる。FPRは、液晶表示パネルの表示画面側に積層して用いられ、ライン状の第1位相差領域と第2位相差領域とが水平方向に交互に延びるストライプ状に整列され、それぞれのライン幅は表示画面サイズに応じて250〜700μm程度に設定される。第1位相領域と第2位相差領域には、それぞれ光学軸を互いに直交する方向に配向させた液晶分子を含む樹脂層が形成され、これらの位相差領域は液晶表示パネルの水平方向の画素列に重ねられる。そして、水平方向の画素列の一列ごとに互いに偏光方向を変調させた表示光で表示し、それぞれ対応する第1,第2位相差領域及と偏光メガネの左右を通して立体画像を観察することができる。
上記用途で用いられるFPRは、製造効率を考慮してロール形態を保ったまま製造が進められ、基本的には透明フィルムからなる支持体の表面に光反応性の配向膜を形成する工程が最初にあり、次に配向膜にライン状の第1,第2位相差領域に対応したパターン露光を行う。続いて配向膜に液晶分子などを含む樹脂層を塗布形成して液晶分子を配向させる工程、配向膜上で所定方向に配向された液晶分子を含めて樹脂層を硬化させる工程などがある。そしてFPRには、ライン状に形成される第1位相差領域と第2位相差領域のライン幅を設計値どおりに一定に保つこと、第1,第2位相差領域が互いに接する各境界線も直線状かつ互いに平行に保つことが要求される。
パターン露光の方法としては、特許文献1,2に見られるようにマスクプレートを配向膜表面に近接させてパターン露光を行うプロキシミティ方式が利用されている。そして、配向膜に液晶分子を含む樹脂層を塗布し、液晶分子を配向させることによって第1,第2位相差領域を得ている。
特許文献1で用いられているパターン露光は、スリットの配列パターンを半ピッチ分ずらした2種類のマスクプレートを支持体の搬送方向に並べて用い、搬送系路中の2箇所で順次に第1,第2のマスクプレートを通して行われる。それぞれのパターン露光には偏光方向が互いに直交する2種類の紫外線が用いられ、第1,第2のマスクプレートの順にパターン露光を行うと、第1のマスクプレートで未露光となった領域に第2のマスクプレートによるパターン露光が行われ、配向膜上にはそれぞれ配向特性が異なるライン状パターンが交互に配列される。その上で配向膜の上に棒状液晶(ネマチック液晶)を含む樹脂層を塗布すると、棒状液晶が配向膜上の配向特性に対応した向きに配向するから、以後は樹脂層全体の硬化処理を行うことによって目的とするFPRが得られる。
特許文献2記載のFPRは、第1位相差領域と第2位相差領域にディスコティック液晶を含む樹脂層が用いられ、やはりその光学軸はラインごとに交互に直交するように配向している。その製造時には、配向膜中に光酸発生剤を添加し、幅方向に一定幅・一定間隔で透光用のスリットが配列されたマスクプレートを通してプロキシミティ方式で連続的に行われる一連のパターン露光により、光酸発生剤が分解して酸性化合物が発生した領域と、発生していない領域とを形成する。光未照射部分では光酸発生剤はほぼ未分解のままであり、配向膜材料、液晶、及び所望により添加される配向制御剤の相互作用が配向状態を支配し、液晶を、その遅相軸がラビング方向と直交する方向に配向させる。配向膜へ光照射し、酸性化合物が発生すると、その相互作用はもはや支配的ではなくなり、ラビング配向膜のラビング方向が配向状態を支配し、液晶は、その遅相軸をラビング方向と平行にして平行配向し、FPRが得られる。
上記のように、FPRの性能はライン状に交互に形成される第1位相差領域と第2位相差領域のパターン精度に大きく影響される。そして、製造効率を考慮して支持体を連続的に搬送させながらパターン露光を与えるために、マスクプレートをパターン露光を行う表面に対して極近接させたプロキシミティ方式が用いられている。しかも、ミラーやレンズを組み合わせた光学系を光源と組み合わせ、マスクプレートに入射する光を平行光化して露光部分と非露光部分との境界にケラレによるボケ領域が広がることを防ぎ、また支持体の搬送機構を改良して露光位置で支持体が幅方向に振動することを防いでいる。
しかし、マスクプレートへの入射光を完全に平行光化することは原理的に困難で、光源や光学系に高品質のもの用いてボケ領域を狭めることはできるが完全になくすことはできない。また、搬送機構やその駆動・伝達機構を改良して露光位置の支持体に伝わる振動を十分に抑えたとしても、FPRに要求される性能がより高度なものになってくると対応が難しくなってくる。例えば42インチサイズの液晶表示ディスプレイ用のFPRとして、第1,第2位相差領域の蛇行の許容量が±0.2mm程度にまで厳格化されると、従来のようにパターン露光の精度を上げ、また支持体の搬送機構を構造的に改良するだけでは、効果の割にはコスト負担が増大して有効な対策とは言えなくなる。さらに、液晶表示ディスプレイの薄型化に伴ってFPRもより薄くしたいという要求も生じており、このこともまた第1,第2位相差領域のパターン精度を高精度に保つことを困難にする大きな要因の一つになっている。
本発明は、以上の背景を考慮してなされたもので、その目的は、製造効率を高く維持しながらも、光学軸を互いに直交させたライン状の第1,第2位相差領域を高精度に形成することができるパターン位相差フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、表面に光反応性の配向膜が塗布された透明な帯状の支持体を連続搬送し、その搬送中に前記配向膜に幅方向では一定幅で交互に繰り返され、搬送方向では一連となる複数本のライン状のパターン露光を与えて前記配向膜に偏光特性を発現する樹脂層を塗布した後、前記樹脂層に光照射を行って硬化処理が行われるパターン位相差フィルムを製造するにあたり、パターン露光を与えてから硬化処理を終了するまでの間、支持体を幅方向の収縮率が0.02%以下となる張力で一連に搬送し、また硬化処理の開始時から終了時までの期間中に樹脂層硬化のための光照射の強度を変化させ、前記樹脂層に付与された偏光特性を所望数値範囲内に収めつつライン状パターンの変動を所望数値範囲内に抑える温度履歴を与えることを特徴とする。
偏光特性として、この明細書中では面内レタデーション(以下、Reと呼ぶ)を一例に挙げて、説明する。面内レタデーションの所望数値範囲は、顧客の要望によって様々である。しかし、いずれにせよ顧客の所望数値範囲内にRe値を収める必要がある。本願発明者は、硬化処理中の温度変化がRe値に影響を及ぼすことを見出した。(硬化処理中の温度が高いほどRe値は低くなり、硬化処理中の温度が低いほどRe値は高くなる。)他の偏光特性の場合でも、硬化処理中の温度と偏光特性の間の相関関係を把握すれば、以下で述べるReと同じように偏光特性を制御できる。すなわち、本発明を実施できる。
本願発明者は、硬化処理中の温度および支持体の搬送張力が、ライン状パターンの変動に影響することを見出した。(硬化処理中の温度が高いほどライン状パターンが変動し、支持体の搬送張力が高いほどライン状パターンが変動する。)また、ライン状パターンの変動をどこまで許容するかも、偏光特性と同様、顧客の要望によって様々である。しかし、いずれにせよ顧客の所望数値範囲内にライン状パターンの変動を抑える必要がある。
本願発明者は、硬化処理中の温度が偏光特性とライン状パターンの変動の両方に影響すること、および、ライン状パターンの変動に支持体の搬送張力が影響することを他者に先駆けて見出し、本発明に想到した。
前記支持体には厚みが80μm未満、より好ましくは厚みが60μm以下のTAC(トリアセチルセルロース)フィルムを好適に用いることができる。硬化処理は、照明光の強度が個別に調整自在な光源をそれぞれ含む複数の処理ゾーンの中を樹脂層を設けた支持体を順次に通過させることで効率的に行うことができ、硬化処理が行われる間の温度環境を安定的に保つことができるように、硬化処理が行われる処理ゾーン全体を空間的に外気から遮断しておくのがよい。
前記ライン状パターンの変動は、支持体の幅方向で±0.2mm以内に抑えることが好ましい。より好ましくは±0.18mm以内、±0.15mm以内、更に好ましくは±0.1mm以内に抑えることが好ましい。
複数の処理ゾーンの光源装置の各々は、支持体の搬送方向に互いに離間して配置され、少なくとも一部の光源装置には、支持体の搬送方向に直交するライン状パターンの照射光を樹脂層に照射する機能を備えたものを用いることができる。これにより、樹脂層には集光した状態の高いエネルギの照射光を与えることができ、特に樹脂層の加熱温度が高めに設定される硬化処理の前段階でこのような光源装置を用いて光照射を行うとよい。
樹脂層には硬化剤として紫外線硬化樹脂を添加しておくことにより、光源ランプには紫外線ランプを簡便に利用することができる。硬化処理が行われる複数の処理ゾーンごとに支持体の裏面を支持するパスローラが設けられ、これらのパスローラには表面温度が調整可能な調温型のものを用いてもよい。さらに、パスローラとして支持体の裏面をそれぞれのラップ角で支持するバックアップローラを用い、それぞれのバックアップローラで支持された位置ごとに樹脂層に紫外線照射を行うことも有効である。
本発明によれば、配向膜の上に塗布された液晶分子及び光硬化樹脂を含む樹脂層に光照射を行って硬化処理する期間中に、支持体に加わる張力を適切なレベルに保ちつつ光照射に伴って発生する熱を考慮して樹脂層に適切な温度履歴を与え、これにより樹脂層の配向特性を所望数値範囲内に収めつつ、及びライン状パターンの変動を抑えることができるから、設備コストを大きく増やすことなくパターン位相差フィルムを効率的に製造することが可能となる。
パターン位相差フィルム(以下、FPR)の製造装置の一例を示す図1において、支持体2には例えば60μm厚みのTACフィルム2が用いられる。支持体2は、適用対象となる液晶表示パネルの画面サイズに応じた幅に調整され、供給ロール3として最上流側にセットされる。支持体2は、パターン露光装置8で用いられているバックアップローラ25を駆動する搬送モータ5の駆動により所定速度で搬送され、上流側から順に設けられた配向膜塗布装置6、ラビング装置7、パターン露光装置8、樹脂層塗布装置9、樹脂層硬化処理装置10による加工・処理工程を経てFPR18となり、巻取りロール12として巻芯12aで巻き取られる。
巻取りロール12に巻き取られたFPR18は、液晶表示パネルの画面サイズに対応する長さにオフラインで切断され、液晶表示パネルに積層される。図2では拡大図示されているが、FPR18の表面には搬送方向にライン状に延び、幅方向では一定ピッチP1で配列された第1位相差領域21と第2位相差領域22とが交互に形成されている。第1,第2位相差領域21,22の幅Wは等しく、重ね合わされる液晶表示パネルの水平方向の画素列幅にもよるが、一般に250μm〜700μmの範囲内である。また、図中に矢印A1,A2で示すように、第1位相差領域21と第2位相差領域22とでは、光学軸、例えば遅相軸が互いに直交している。これらの第1,第2位相差領域21,22は、フィルム18の表面に形成された液晶分子の配向方向を変えることによって異なる位相差特性を発現する。
第1,第2位相差領域21,22の境界部分には、搬送方向に延びた無配向領域23が生じている。この無配向領域23の幅Waは狭く、しかも均一であることが望ましいが、例えば支持体2の搬送中に幅方向への振動が加わったとき、またパターン露光時に露光部分と非露光部分との境界に曖昧な露光が行われた場合などのように製造時の様々な外因で生じることが多い。この無配向領域23は、幅Waが10〜15μm程度であれば、液晶表示パネルの水平方向画素列の境界に設けられるブラックストライプと重ね合わせることによって大きな問題にはならないが、幅方向で±0.2mm程度のずれを伴うような蛇行が重畳された場合には問題になる。
表面に上記第1,第2位相差領域21,22が形成されたFPR18は、図1に示す製造ラインのもとで製造される。支持体2の搬送速度は搬送モータ5の回転速度によって決められる。その速度は、パターン露光装置8でパターン露光を行うときの露光量が適正かつ安定に保つことができる速度、例えば10〜25m/minの範囲内で設定される。さらに、全系で支持体2に加わる張力を一定に保つことができるように、供給ロール3の巻芯3aにはパウダブレーキ13が連結され、巻取りロール12の巻芯12aにはパウダクラッチ14を介して巻取りモータ15が連結される。
巻取りモータ15の回転速度は搬送モータ5の回転速度よりもわずかに速くなるように設定されるが、パウダブレーキ13の制動トルク、パウダクラッチ14のスリップ発生トルクなどの設定、そして供給ロール3や巻取りロール12の巻径変化に対応した調整が行われ、製造ラインの全系で支持体2に加わる張力を略一定に保つようにしている。
配向膜塗布装置6は支持体2の表面に液状の配向膜を塗布する。この配向膜は、紫外線の照射を受けると組成の一部が分解して酸を発生する光−酸発生剤を含む。液状の配向膜はバーコーターなどで支持体2の表面に塗布される。同装置内で乾燥処理も施され、支持体2には一定膜厚の配向膜24(図3参照)が形成される。この配向膜24が特定波長の光に反応する反応膜となるが、紫外線以外の特定波長の光に反応して硬化する硬化剤や光酸発生剤を反応膜として用いてもよい。また、配向膜24の形成に関しても、塗布以外の、例えば吹付けなどの手法を用いてもよい。表面に配向膜24が形成された支持体2はラビング装置7に送られる。
ラビング装置7にはラビングローラやその駆動機構が設けられ、支持体2の表面に形成された配向膜24に配向処理を施す。ラビングローラは、その長手方向が例えば支持体2の搬送方向に対して45°交差する向きで設けられ、支持体2の搬送速度よりも速い回転数で回転される。これにより、配向膜24にはその全幅にわたって搬送方向に対して45°で交差する向きの配向が与えられる。なお、ラビングローラにはラビング処理用に起毛させたシート材が巻き付けられ、ラビングローラの外周面が配向膜24の表面に強く接することはないから、支持体2の搬送速度や張力にはほとんど影響を及ぼすことはない。
ラビング処理の後、配向膜4が形成された支持体2はパターン露光装置8に送られる。パターン露光装置8は、搬送モータ5により一定速度で回転するバックアップローラ25、マスクホルダ26で保持されたマスクプレート27、光源装置28を備えている。マスクプレート27は、図3に示すように、光学ガラスなどの透明プレート27aの表面にクロムなどのように遮光性及び耐熱性に優れた金属薄膜でマスクパターン27bを蒸着したものが好ましい。マスクパターン27bは、一定幅の複数本のスリットを支持体2の搬送方向に直交する向きに一定間隔を開けて配列したパターンを有し、光源装置28から略平行光として出射した紫外線をストライプパターン状に通過させる。
この結果、配向膜24の表面には、スリットを透過した紫外線によるライン状の露光部分と、スリットとスリットとの間の遮光マスク部による同じ幅の非露光部分とが幅方向に交互に配列されたパターン露光が行われる。このパターン露光が行われる間、支持体2は予め適正に設定された一定の張力で、またバックアップローラ25により一定のラップ角で背面を支持された状態で連続搬送されているから、露光位置で支持体2をほとんど蛇行させることなく、安定したパターン露光を継続させることができる。
パターン露光装置8によって以上のように配向膜24がパターン露光されると、ライン状の紫外線照射を受けた露光部分には光酸発生剤が分解して酸性化合物が発生しているのに対し、非露光部分には酸性化合物が発生していない状態となっている。この状態で下流に設けられた樹脂層塗布装置9に搬送し、液晶層が形成される。この液晶層を形成するために、樹脂層塗布装置9は流延ダイによる樹脂層の塗布を行うが、樹脂層にはディスコティック液晶分子を含む液晶のほかに、配向剤や紫外線の照射を受けて硬化するUV硬化剤を含まれている。
紫外線未照射部分では光酸発生剤はほぼ未分解のままであり、配向膜材料、ディスコティック液晶分子、及び所望により添加される配向制御剤の相互作用が配向状態を支配し、液晶分子を、その遅相軸がラビング方向と直交する方向に配向させ、第1位相差領域21となる。配向膜へ紫外線照射し、酸性化合物が発生すると、その相互作用はもはや支配的ではなくなり、ラビング配向膜のラビング方向が配向状態を支配し、ディスコティック液晶分子は、その遅相軸をラビング方向と平行にして平行配向し、第2位相差領域22となる。
こうして配向膜24上に液晶層による第1,第2位相差領域21,22を備えたFPR18が得られ、さらに樹脂層塗布装置9内でFPR18が搬送される間に、内部温度環境に応じて樹脂層の液晶配向及び乾燥が併せて行われる。
樹脂層塗布装置9から送り出されたFPR18は続いて樹脂層硬化処理装置10に搬送される。樹脂層硬化処理装置10は、基本的には図4に示すように、配向膜24の上に塗布され、液晶配向された樹脂層を硬化させ第1,第2位相差領域21,22のディスコティック液晶の姿勢を最終的に固定させる作用をもつ。このため、樹脂層硬化処理装置10の内部には、樹脂層に含まれているUV硬化剤に紫外線を照射する紫外線ランプが設けられている。
図4に示すように、本発明で用いられる樹脂層硬化処理装置10は、内部が便宜的に第1ゾーン10A、第2ゾーン10B、第3ゾーン10C、第4ゾーン10Dに分かれ、全体的にカバー31で空間的に覆うことが好ましい。各ゾーン10A〜10Dにはそれぞれ紫外線ランプ32a〜32dと、パスローラ33a〜33dが設けられ、温度センサ34a〜34dを設けてもよい。各々の温度センサには、樹脂層30の表面から放射される赤外線に基づいて温度を測定する赤外線放射温度計を用いることが好ましい。また、同様の温度センサ35によって、樹脂層硬化処理装置10に送り込まれる直前の樹脂層30の表面温度を測定してもよい。なお、温度センサ34a〜34dはそれぞれ紫外線ランプ32a〜32dのほぼ直下で樹脂層30の表面温度を測定することが好ましい。
各ゾーンの紫外線ランプ32a〜32dは、FPR18の幅方向に細長い管状のものが用いられている。そして、第1ゾーン10A及び第2ゾーン10Bでは、紫外線ランプ32a,32bが筒状の放物面鏡などの光学系と組み合わされ、樹脂層30の表面にライン状に結像されるように用いられている。これは、第1,第2ゾーン10A,10Bでは比較的高い温度で加熱できるようにするためである。また、第3,第4ゾーン10C,10Dでは、紫外線ランプ32c,32dが半円筒状ミラーと組み合わされているが、これらのゾーンでは集中的な加熱ではなく、樹脂層30の広い範囲に広がるような光照射の方が好ましいからである。
以下、上記の樹脂層硬化処理装置10による作用について具体的な実施例に基づいて説明する。まず前述したように、FPR18の支持体2には厚み60μmのTACフィルムが用いられている。製造ラインの中で支持体2に継続的に加えられる張力は、200N/mに設定されている。この張力の値は、支持体2をこの張力で搬送方向に引っ張って支持体2を幅方向に収縮させたとき、その収縮率が0.02%以下であり、しかも支持体2が蛇行して搬送されたり、搬送中に幅方向にシワが寄ったりすることのない張力の値に相当している。したがって、より過大な張力が支持体2に加わった場合にはその幅方向の収縮率が0.02%を越えてしまい、製造後に張力を解放して支持体2が元の幅に復元したときには、第1,第2位相差領域21,22が直線状にならず蛇行や湾曲したラインになる大きな原因となる。
液晶表示パネルの表示画面サイズが42インチであるとき、これに用いられるFPR18の垂直方向の幅は580mm程度になるが、前述の収縮率を0.02%以下に抑えておけば、張力解放時との寸法差を0.1mm程度にまで抑え込むことができる。したがって、第1,第2位相差領域21,22はほぼ直線状とみなすことができ、液晶表示パネルの表示面に積層する作業も簡単になる。なお、支持体2に厚みが80μm以上のTACフィルムを用いる場合には、厚みが大きいほど張力に対する幅方向の収縮率が小さくなるので有利ではあるが、薄型化あるいは高い光透過性の点で大きなマイナス要因となる。
図1に示す製造ラインにおいて、支持体2にはその表面に鹸化処理が施された後、配向膜24となる塗布液が連続的に塗布される。塗布液は以下の組成である。塗布は♯8のワイヤーバーで行い、支持体2上に塗布された塗布液を、60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥することにより、配向膜24を形成した。
<配向膜24を形成する塗布液の組成>
配向膜24を形成する樹脂材料 3.9質量部
(PVA103、クラレ(株)製ポリビニルアルコール)
光酸発生剤(S−2) 0.1質量部
メタノール 36 質量部
水 60 質量部
配向膜24を形成する樹脂材料 3.9質量部
(PVA103、クラレ(株)製ポリビニルアルコール)
光酸発生剤(S−2) 0.1質量部
メタノール 36 質量部
水 60 質量部
続いてラビング装置7を用い、乾燥した配向膜24の表面にラビング処理を施した。ラビング処理では、搬送方向に45°の角度を保持して500rpmでラビングローラを回転させ、一方向にラビングを行った。なお、配向膜24の膜厚は、0.5μmであった。ラビング処理の後、パターン露光装置8により配向膜24にストライプ状のパターン露光を行った。支持体2の搬送速度を18m/minとし、配向膜24には光源装置28から紫外線を50mJ/cm2となるように照射した。
続いてパターン露光を与えた配向膜24の上に液状の樹脂層30を塗布した。塗布にはバーコーターを用い、その塗布量は5.5cc/m2である。この塗布液の組成は以下のとおりである。なお、パターン露光終了直後の支持体2の幅と、樹脂層の硬化処理終了後の支持体2の幅とを測定して収縮率を確認・評価するために、パターン露光装置8及び樹脂層硬化処理装置10の直後にはそれぞれ測定用のデジタルカメラが設置され、デジタルカメラからの画像信号を利用して支持体2の幅が計測される。
<樹脂層30の塗布液の組成>
ディスコティック液晶E−1 100 質量部
配向膜界面配向剤(II−1) 3.0質量部
空気界面配向剤(P−1) 0.4質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
メチルエチルケトン 400 質量部
ディスコティック液晶E−1 100 質量部
配向膜界面配向剤(II−1) 3.0質量部
空気界面配向剤(P−1) 0.4質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
メチルエチルケトン 400 質量部
樹脂層塗布装置9の内部では、配向膜24上に塗布された樹脂層30が表面温度110℃で2分間加熱の後、70℃〜80℃前後まで冷却する液晶配向処理が行われる。この熟成処理により、遅相軸が互いに直交したライン状の第1,第2位相差領域21,22が一定の間隔で幅方向に配列されたFPR18が得られる。第1,第2位相差領域21,22ではいずれもディスコティック液晶が垂直に起立しているが、パターン露光装置8でライン状の露光を受けた第1位相差領域21の遅相軸は配向膜24に与えられたラビング方向と平行に、逆に非露光部分の第2位相差領域22の遅相軸はラビング方向に直交する向きにそろえられる。
こうして得られたFPR18は、引き続き図4に示す樹脂層硬化処理装置10に搬送され、樹脂層30の硬化とともにディスコティック液晶の姿勢が固定される。この樹脂層硬化処理装置10では、各ゾーンのパスローラ33a〜33dはいずれも加熱されておらず、樹脂層30は第1〜第4ゾーン10A〜10Dの紫外線ランプ32a〜32dの紫外線照射による加熱が行われるだけで、パスローラ非加熱方式に相当する。ただし、第1〜第4ゾーン10A〜10Dは全体的にカバー31で覆われているため、内部の雰囲気温度は略70℃でほぼ安定した状態に保たれている。
ところが、表1における「1.パスローラ非加熱方式」の欄に示すように、図4の樹脂層硬化処理装置10を用いた場合でも、第1ゾーン10A〜第4ゾーン10Dに設けられた紫外線ランプ32a〜32dによる樹脂層硬化処理の条件設定に応じ、FPR18の品質に影響を及ぼす様々な結果が得られている。なお、FPR18が各ゾーンを通過するのに要する時間は5秒程度で、第1〜第4の全てのゾーンを20秒程度で通過する。
実施例1−1では、60μm厚みのTACフィルムを支持体に用い、張力200N/mの張力で連続的に搬送しながら樹脂層硬化処理を行う直前の樹脂層30の表面温度が81℃であるとき、第1ゾーン10Aの紫外線ランプ32aを照射エネルギ70mJ/cm2で点灯、第2ゾーン10Bと第3ゾーン10Cでは紫外線ランプ32b,32cを消灯、そして第4ゾーン10Dでは紫外線ランプ32dを照射エネルギ40J/cm2で点灯させ、その結果、樹脂層硬化処理装置10から送り出された時点での終了段階では、樹脂層30の表面温度が85℃となって硬化処理が終了したことを表している。
この手順にしたがって樹脂層30の硬化処理を終えたFPR18では、第1,第2位相差領域21,22の遅相軸が相互に直交していることによるレタデーションReの値が適正範囲内(OK)であり、また第1,第2位相差領域21,22のライン状のピッチの変動幅も適正範囲内(OK)であることを示している。Re値の判断基準は、中心波長500nmの緑色光について、基準値125nmに対して「125±5nm」であれば適正範囲内であるとした。またピッチ変動幅の判断基準に関しては、適正範囲「OK」は、42インチ相当のFPRについて、パターン露光直後の支持体幅から硬化処理終了時の支持体幅が±0.2mm以内(支持体幅の収縮率が0.02%以下)であり、NG評価では±0.2mmを超える(支持体幅の収縮率が0.02%を超える)ことに相当する。
図7は、TACフィルムの厚み60μm、搬送時の張力200N/mが等しい実施例1−1、比較例1−1〜比較例1−3の温度履歴を模式的にグラフ化したものである。なお、横軸の「F」は処理直前における温度の測定位置を表している。図7及び先の表1に基づき、第1ゾーン10A〜第4ゾーン10D内での温度履歴と評価結果とを併せて考慮すると、実施例1−1のように、第1ゾーン10Aで他のゾーンよりも紫外線照射を強めにして樹脂層30の硬化処理を促進させ、同時にRe値の安定化を図るのが有利であることが分かる。また、比較例1−2、比較例1−3の評価結果は、ピッチ変動を適正範囲内に収める上では第3ゾーンあるいは第4ゾーンで樹脂層30の表面温度が高くなり過ぎないようにすべきであることを示している。
配向膜24の上に樹脂層30が塗布され、ディスコティック液晶の配向が決まって熟成段階を経ながらも、例えば加熱不足などの理由でRe値が基準値よりも大き過ぎる値になることがあるが、第1ゾーンにおける紫外線の照射エネルギを大きくして樹脂層30を適切な範囲まで再加熱できれば、Re値を下げて適正な範囲に収めることができるようになる。したがって、第1ゾーンではRe値を適切な範囲に収め得る高めの温度で樹脂層30を加熱するために紫外線ランプの照射量を調節して硬化処理も促進させ、第3ゾーンあるいは第4ゾーンではFPR18の温度を低めにして熱膨張に伴う幅方向での収縮を防ぐことによって、パターンピッチの変動を抑えるのが効果的である。
なお、比較例1−4のように張力が低過ぎる設定になっていると搬送中に蛇行が生じやすくなり、また工程上で加熱を伴うエリアではTACフィルム(支持体)の熱膨張に伴って幅方向にシワが寄るなどの不都合が生じてピッチ変動が大きくなる。逆に、比較例1−5のように張力が高すぎると、工程上で加熱を伴うエリアでは、過度に引っ張られた支持体が搬送方向に延びたときに幅方向に収縮する現象が顕著になり、やはりピッチ変動を大きくする原因になるので避ける方がよい。
図5、図6に樹脂層硬化処理装置の他の例を示す。図5の例は、バックアップローラ38a〜38dでFPR18の裏面側をそれぞれ所定のラップ角で保持させ、全体的にカバー39で覆って外部とは空間的に遮断したものである。バックアップローラ38a〜38dは表面温度が個別に調整自在であり、入口側から順に80℃、60℃、60℃、60℃に調整されている。各々のバックアップローラ38a〜38dには、図4の例と同様に、放物面鏡あるいは半円筒状のミラーと組み合わされた紫外線ランプ32a〜32dが対面して設けられ、これらの対によって入口側から順に第1ゾーン〜第4ゾーンが構成される。各ゾーン及び入口近傍と出口近傍には、先の実施形態と同様に温度センサ34a〜34d、温度センサ35が設けられ、それぞれのゾーンで樹脂層30の表面温度を測定する。表面温度の測定はチノー社製IR−CAEにて行った。
図6に示された例は、図4と同様にFPR18は4本のパスローラ40a〜40dの支持により直線状に搬送されるが、それぞれのパスローラ40a〜40dには調温型のものが用いられ、個別に表面温度の調整が可能である。これらのパスローラ40a〜40dは、第1ゾーンから第4ゾーンに向かって順に80℃、60℃、60℃、60℃に設定されている。なお、紫外線ランプ32a〜32d、温度センサ34a〜34d、35などについては、図4に示す実施形態と共通である。
図5及び図6に示す装置を用いた樹脂層30の硬化処理の態様及びその評価結果については、表1にそれぞれ「2.BPローラ加熱方式」、「3.パスローラ加熱方式」として示した。また、硬化処理期間中に支持体2及び樹脂層24に付与される温度履歴は、BPローラ加熱方式は図8に、パスローラ加熱方式は図9に示すとおりである。BPローラ加熱方式の実施例2−1及び2−2、さらにパスローラ加熱方式の実施例3−1及び3−2で分かるように、第1ゾーンから第4ゾーンを通過する硬化処理期間中に、実施例1と略同様の温度履歴を与えたFPRは、Re値及びピッチ変動のいずれの評価項目もOKであった。なお、Reの測定はアクソメトリックス社製アクソステップにて行った。
実施例2−2、実施例3−2では、樹脂層塗布装置内で行われる熟成期間中の温度条件を低めに設定し、意図的に硬化処理を行う直前における樹脂層30の表面温度を73℃に下げている。通常、この条件下ではRe値が所望数値範囲よりも大きくなり過ぎるという故障の発生頻度が高まるが、それぞれの第1ゾーンで加熱型のバックアップローラあるいはパスローラにより支持体の加熱を行い、さらに紫外線ランプ32a,32aからの光照射によって樹脂層30の表面温度が85℃程度にまで加熱を行うことによって、Re値が所望数値範囲より大きくなるという故障を防いでいる。
実施例2−3及び実施例3−3の評価結果が示すところは、第2,第3ゾーンにて紫外線ランプ32b,32cを点灯させ、樹脂層30に高めの温度履歴を与えたとしても、第4ゾーンの紫外線ランプ32dを消灯し、第3ゾーンから第4ゾーンに搬送される間に樹脂層30の表面温度を一旦十分に低下させる温度履歴を与えることによって、ピッチ変動を問題のない程度まで改善可能であることを意味する。なお、参考例2、3で確認できるように、支持体として厚みが80μmのTACフィルムを用いた場合には、それぞれ実施例2−3、実施例3−3とほぼ同じ温度履歴を付与しても問題は生じていない。
これらの知見から、支持体の厚みを薄くしながらも高品質のFPRを製造してゆく上では、偏光特性が異なる第1,第2位相差領域21,22に用いる樹脂層30を塗布・熟成してから硬化処理する際、以下の手順が有効であると言える。
イ)支持体搬送用の張力を、搬送中における支持体の蛇行や加熱時の支持体の熱膨張によって幅方向にシワが寄るなどの低張力故障、あるいは支持体が搬送方向に過度に引っ張られたときに生じやすい幅方向への収縮などの高張力故障が発生しないような適切な範囲に設定する。適切な範囲とは、搬送ラインの全体にわたって支持体の幅方向の収縮率が0.02%以下であって、これは支持体が加熱される期間中でも同様とする。
ロ)樹脂層の塗布・熟成の後に行われる樹脂層の硬化処理を光照射によって行う。光照射用の光源を搬送ラインに沿って間隔を開けて複数配置するとともに光照射の強度を段階的に設定し、樹脂層に適切な温度履歴を付与するための熱源として兼用する。
ハ)温度履歴としては、硬化処理の開始時には樹脂層の硬化処理に並行して液晶層に要求される偏光性能を安定化するために、偏光性能の安定化を重視した高めの温度設定を行うことが好ましい。そして、硬化処理の中間過程では、硬化処理の開始時の温度よりも低い温度設定にし、一旦、支持体に対する熱の影響を軽減しておき、硬化処理の終了時には、硬化処理の開始時の温度設定を越えない範囲で高くすることが好ましい。
イ)支持体搬送用の張力を、搬送中における支持体の蛇行や加熱時の支持体の熱膨張によって幅方向にシワが寄るなどの低張力故障、あるいは支持体が搬送方向に過度に引っ張られたときに生じやすい幅方向への収縮などの高張力故障が発生しないような適切な範囲に設定する。適切な範囲とは、搬送ラインの全体にわたって支持体の幅方向の収縮率が0.02%以下であって、これは支持体が加熱される期間中でも同様とする。
ロ)樹脂層の塗布・熟成の後に行われる樹脂層の硬化処理を光照射によって行う。光照射用の光源を搬送ラインに沿って間隔を開けて複数配置するとともに光照射の強度を段階的に設定し、樹脂層に適切な温度履歴を付与するための熱源として兼用する。
ハ)温度履歴としては、硬化処理の開始時には樹脂層の硬化処理に並行して液晶層に要求される偏光性能を安定化するために、偏光性能の安定化を重視した高めの温度設定を行うことが好ましい。そして、硬化処理の中間過程では、硬化処理の開始時の温度よりも低い温度設定にし、一旦、支持体に対する熱の影響を軽減しておき、硬化処理の終了時には、硬化処理の開始時の温度設定を越えない範囲で高くすることが好ましい。
なお、本発明を実施するにあたり、樹脂層硬化処理装置内に設けられるゾーン数は4ゾーンに限られず、2ゾーン以上であればよい。また、配向膜24や樹脂層30の具体的な組成あるいは処方は上述した実施例のみならず適宜の変更も可能で、その変更に応じて樹脂層硬化処理を行う間の段階的な加熱温度はそれぞれゾーンごとに適切なレベルになるように紫外線ランプの照射強度が調節される。樹脂層硬化処理装置の中に徐冷ゾーンを設ける場合などでは、必ずしもゾーンごとに紫外線ランプを設けなくてもよい。樹脂層に添加する硬化剤を調整することができれば樹脂層を硬化させるために紫外線は必須ではなく、他の電磁波、放射線あるいは電子線を用いることも可能である。
さらに、FPRの支持体は、可視光に対して十分に透明であれば必ずしもTACフィルムのみに限られない。もちろん、支持体の組成や処方などの変更に伴って長手方向への引っ張りに対する剛性が変わった場合には、幅方向の収縮率が0.02%以下に収まるように搬送時の張力を調節する必要がある。また、偏光特性が異なる第1,第2位相差領域をライン状に交互に配列する方法にしても、本発明のように配向膜に対して一回のパターン露光を与えるだけの態様だけでなく、先の特許文献1に記載されたように、搬送経路内の2箇所で配向膜に異なった配向特性を与える2種類の光を順次にライン状パターンで照射し、その上に液晶を含む樹脂層を塗布して第1,第2位相差領域を得るものにも本発明は適用できる。
2 支持体
3 供給ロール
5 搬送モータ
6 配向膜塗布装置
7 ラビング装置
8 パターン露光装置
9 樹脂層塗布装置
10 樹脂層硬化処理装置
13 パウダブレーキ
14 パウダクラッチ
15 巻取りモータ
18 FPR
24 配向膜
25 バックアップローラ
27 マスクプレート
30 樹脂層
3 供給ロール
5 搬送モータ
6 配向膜塗布装置
7 ラビング装置
8 パターン露光装置
9 樹脂層塗布装置
10 樹脂層硬化処理装置
13 パウダブレーキ
14 パウダクラッチ
15 巻取りモータ
18 FPR
24 配向膜
25 バックアップローラ
27 マスクプレート
30 樹脂層
Claims (8)
- 表面に光反応性の配向膜が塗布された透明な帯状の支持体を連続搬送し、その搬送中に前記配向膜に幅方向では一定幅で交互に繰り替えされ、搬送方向では一連となる複数本のライン状のパターン露光を与えて前記配向膜に偏光特性を発現する樹脂層を塗布した後、前記樹脂層に光照射を行って硬化処理が行われるパターン位相差フィルムの製造方法において、
前記パターン露光を与えてから前記硬化処理を終了するまでの間、前記支持体を幅方向の収縮率が0.02%以下となる張力で一連に搬送するとともに、前記硬化処理の開始時から終了時までの期間中に前記光照射の強度を変化させ、前記樹脂層に付与された偏光特性を所望数値範囲内に収めつつライン状パターンの変動を所望数値範囲内に抑える温度履歴を与えることを特徴とするパターン位相差フィルムの製造方法。 - 前記支持体が、厚み80μm未満のTACフィルムである請求項1記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
- 前記ライン状パターンの変動を、支持体の幅方向で±0.2mm以内に抑えることを特徴とする請求項1記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
- 前記硬化処理は、照明光の強度を個別に調整自在な光源装置がそれぞれ設けられた複数の処理ゾーンの中を、前記樹脂層が設けられた支持体を順に通過させることによって行われ、前記複数の処理ゾーン全体は空間的に外部から遮断されている請求項2記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
- 前記複数の処理ゾーンに設けられた光源装置の各々は支持体の搬送方向に互いに離間して配置され、少なくとも一部の光源装置には、支持体の搬送方向に直交するライン状パターンに集光した照射光を樹脂層に照射する機能を備えたものが用いられる請求項2又は3記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
- 前記樹脂層は紫外線の照射を受けて硬化する紫外線硬化樹脂を含み、前記光源装置に用いられる光源ランプは紫外線を放射する紫外線ランプである請求項4記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
- 前記複数の処理ゾーンごとに支持体の裏面を支持するパスローラが設けられ、これらのパスローラは個別に表面温度が調整可能な調温型のパスローラである請求項5記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
- 前記パスローラが、前記支持対の裏面をそれぞれ所定のラップ角で支持した調温型のバックアップローラであり、前記紫外線ランプのそれぞれはこれらのバックアップローラで支持された位置で前記樹脂層に光照射を行う請求項6記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
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JP2013074503A JP2014199321A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | パターン位相差フィルムの製造方法 |
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JP2019095553A (ja) * | 2017-11-21 | 2019-06-20 | 富士フイルム株式会社 | 光学フィルムの製造方法および、光学フィルム、光学フィルム積層体、偏光板、画像表示装置 |
KR20200025069A (ko) * | 2018-08-29 | 2020-03-10 | 한양대학교 에리카산학협력단 | 연속구동 특성이 향상된 전기 변색 소자 및 그 제조 방법 |
WO2020066528A1 (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 富士フイルム株式会社 | 光学フィルムの製造方法 |
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2013
- 2013-03-29 JP JP2013074503A patent/JP2014199321A/ja active Pending
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