JP2014199051A - 軸継手装置及び風力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】風力発電装置における増速機の出力軸と発電機の入力軸との軸方向の間隔が狭い場合であっても両軸の間に一方向クラッチを設けることを可能にする軸継手装置を提供する。
【解決手段】風力発電装置における増速機の出力軸35と発電機の入力軸41とを一体回転可能に接続する軸継手装置9であって、一方の軸35に連結される連結部52を有している内側回転体5と、他方の軸41に連結される連結部62を有し、かつ内側回転体5の径方向外側に同心上に配置される外側回転体6と、内側回転体5と外側回転体6との径方向の間に配置され、出力軸35の回転速度が入力軸41の回転速度を上回る状態で内側回転体5と外側回転体6とを一体回転可能に接続し、出力軸35の回転速度が入力軸41の回転速度を下回る状態で内側回転体5と外側回転体6との接続を解除する一方向クラッチ7と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、風力発電装置における増速機の出力軸と発電機の入力軸とを接続するために好適に用いることができる軸継手装置に関する。
従来、ブレードにより風力を受けて当該ブレードに接続された主軸を回転させ、その主軸の回転を増速機により増速させて発電機を駆動するようにした風力発電装置が知られている。増速機の出力軸と、発電機の駆動軸とは、両軸の偏心や偏角等のミスアライメントを吸収するために撓み軸継手を介して接続されている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、上記風力発電装置の増速機には、高速で回転する出力軸を回転自在に支持するころ軸受が設けられている。しかし、このころ軸受は、ころの転動面や回転輪の軌道面に発生したスメアリング(表層焼付きが起こる現象)によって寿命が低下するという問題があった。そのため、本願発明者は、スメアリングの発生メカニズムについて鋭意研究を重ね、当該スメアリングの発生を抑制するためには、増速機の出力軸と発電機の駆動軸との間に一方向クラッチを設けることが有効であると見出し、これを従前に提案している(特願2011−198354号(ただし、この出願は、本願の出願時には未公開(非公知技術)である))。なお、目的が異なるが、増速機の出力軸と発電機の駆動軸との間に一方向クラッチを設けた技術は、特許文献3において知られている。
特開2006−250034号公報 特開2004−339953号公報 特開平4−344198号公報
上述のように増速機の出力軸と発電機の駆動軸とは、両軸のミスアライメントを吸収するために撓み軸継手が設けられるが、さらに一方向クラッチを設けようとすると、増速機と発電機との間隔をより広くとり、出力軸と駆動軸との軸方向の間に一方向クラッチを設けるスペースを別途確保する必要がある。しかしながら、増速機や発電機が収容されるナセル内のスペースには限りがあるため、一方向クラッチを単独で設けるスペースを確保するのは困難である。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、風力発電装置における増速機の出力軸と発電機の入力軸とを接続するにあたり、両軸の間に一方向クラッチを好適に設けることができる軸継手装置及び風力発電装置を提供することを目的とする。
本発明は、風力発電装置における増速機の出力軸と発電機の入力軸とを一体回転可能に接続する軸継手装置であって、前記出力軸及び前記入力軸の一方の軸に連結される連結部を有している内側回転体と、他方の軸に連結される連結部を有し、かつ前記内側回転体の径方向外側に同心上に配置される外側回転体と、前記内側回転体と前記外側回転体との径方向の間に配置され、前記出力軸の回転速度が前記入力軸の回転速度を上回る状態で前記内側回転体と前記外側回転体とを一体回転可能に接続し、前記出力軸の回転速度が前記入力軸の回転速度を下回る状態で前記内側回転体と前記外側回転体との接続を解除する一方向クラッチと、を備えていることを特徴とする。
本発明の軸継手装置では、出力軸及び入力軸の一方の軸に連結される連結部を有する内側回転体と、他方の軸に連結される連結部を有する外側連結体とを備え、内側回転体と外側回転体との径方向の間に一方向クラッチが設けられるので、一方の軸と他方の軸とを軸継手装置で接続することによって、両軸の間に一方向クラッチをも設けることができる。したがって、増速機の出力軸と発電機の入力軸との軸方向の間隔が狭く、一方向クラッチを単独で設けるスペースを確保するのが困難な場合であっても両軸の間に一方向クラッチを好適に設けることができる。また、一方向クラッチは、内側回転体と外側回転体との径方向の間に設けられるので、軸継手装置に一方向クラッチを設けることに伴って軸継手装置の軸方向の寸法が増大するのを抑制することができる。
少なくとも一方の前記連結部は、前記2本の軸のミスアライメントを吸収する撓み部材を含むことが好ましい。
このような構成によって、2本の軸の偏心や偏角等のミスアライメントを撓み部材によって吸収することができ、このミスアライメントに起因して一方向クラッチにがたつきが生じるのを抑制することができる。
また、前記一方向クラッチは、前記内側回転体側に設けられた内輪外周面と前記外側回転体側に設けられた外輪内周面との間に形成された空間に周方向に間隔をあけて配置され、前記内輪外周面及び前記外輪内周面に噛み合うことにより前記内側回転体と前記外側回転体との前記相対回転を制限し、前記噛み合いを解除することにより前記相対回転を許容する複数の係合子を有し、前記内側回転体と前記外側回転体との径方向の間に、前記内側回転体及び前記外側回転体を互いに相対回転可能に支持する転がり軸受を備えていることが好ましい。
この場合、一方向クラッチの係合子と内輪外周面及び外輪内周面との噛み合いが解除されたときに、これらの間に隙間が生じることに起因して、入力回転体と出力回転体とが互いに径方向に相対移動するのを、転がり軸受によって防止することができる。したがって、2本の軸の回転中に、入力回転体及び出力回転体が径方向にがたつくのを防止することができる。
前記外側回転体は、前記外輪内周面を有する円筒部を備え、この円筒部における軸方向端部の内周縁にテーパー面が形成されていることが好ましい。この場合、軸継手装置の組立作業において、一方向クラッチのころの径方向外側に対して前記円筒部を組み付ける作業を容易に行えるようになる。
前記転がり軸受は、転動体としてのころと、当該ころが転動する外輪軌道面とを有するころ軸受により構成され、前記外輪内周面と前記外輪軌道面とが、共通の部材である前記外側回転体の内周面により構成されていることが好ましい。
この構成によれば、前記外輪内周面と前記外輪軌道面とが、共通の部材である前記外側回転体の内周面により構成されているので、当該外側回転体を、外輪内周面を有する外輪及び外輪軌道面を有する外輪として兼用することができ、一方向クラッチ及び転がり軸受の構造の簡素化を図ることができる。
また、前記外輪内周面と前記外輪軌道面とが同一径に形成されていることが好ましい。
例えば、外側回転体の内周面を内径が一定の円筒面に形成されている場合には、外側回転体を係合子及びころに対して軸方向に移動させることが可能となる。そのため、2本の軸の軸方向の間隔等に応じて内側回転体と外側回転体との軸方向の相対位置を調節することが可能となる。
前記転がり軸受は、前記内側回転体に装着される内輪を有し、この内輪には、前記ころの端面が摺接する鍔部が形成されていることが好ましい。このような構成によって、内側回転体と外側回転体との軸方向の相対位置を調節した場合等に、転がり軸受のころの軸方向位置がずれるのを防止することができる。
前記一方向クラッチは、前記係合子を保持する環状の保持器を有しており、前記転がり軸受と前記一方向クラッチとの間には、前記保持器の軸方向の側面に当接可能であり、当該保持器を軸方向に関して位置決めする位置決め具が設けられていることが好ましい。このような構成によって、保持器の軸方向の位置決めを確実に行うことができるとともに、当該保持器とこれに隣接する転がり軸受の保持器とが互いに接触するのを防止することができ、保持器の摩耗や焼き付き等も防止することができる。
前記外側回転体及び前記内側回転体の少なくとも一方の回転体が、前記係合子に噛み合う周面を有する円筒部と、この円筒部の外周面から径方向外方に突出するフランジ部とを一体に備えており、当該回転体は、前記フランジ部を除いて少なくとも前記円筒部の前記周面に熱処理が施されていることが好ましい。
回転体が、一方向クラッチの係合子に噛み合う周面を有している円筒部と、この円筒部から径方向外方に突出するフランジ部とを一体に備えている場合、円筒部の当該周面に熱処理を施してその硬度を高めることで、耐久性を向上させることができる。また、フランジ部に熱処理を行わないようにすることで、フランジ部に反りや歪み等の熱変形が生じることが無く、入力軸又は出力軸との連結に支障が生じることはない。
前記フランジ部は、前記円筒部の外周面に部分的に設けられていてもよいし、前記円筒部の外周面に全周にわたって設けられていてもよい。後者の場合、フランジ部は、その一部が径方向外方により大きく突出していてもよい。
このようにフランジ部が部分的に形成されるか、部分的に大きく突出している場合には、その部分の剛性が低くなるため、熱処理を行わないようにすることがより有益となる。
前記一方の回転体の円筒体が、前記転がり軸受の軌道面を有している場合には、この軌道面も前記周面とともに熱処理されていることが好ましい。
このような構成によって、転がり軸受の軌道面の耐久性をも好適に高めることができる。
本発明の風力発電装置は、風力により回転する主軸と、前記主軸の回転を増速して出力軸から出力する増速機と、前記出力軸の回転を入力として回転する入力軸を有するとともに、当該入力軸と一体回転するロータの回転に伴って発電する発電機と、前記出力軸と前記入力軸とを接続する上述のいずれかの軸継手装置と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、風力発電装置における増速機の出力軸と発電機の入力軸とを接続するにあたり、両軸の軸方向の間隔が狭い場合であっても両軸を軸継手装置で接続することによって両軸の間に一方向クラッチを設けることができる。
本発明の第1の実施形態に係る風力発電装置の概略側面図である。 増速機及び発電機を示す概略側面図である。 軸継手装置を示す側面図(一部断面図)である。 図3におけるA−A矢視断面図である。 一方向クラッチ及び転がり軸受を拡大して示す軸継手装置の断面図である。 一方向クラッチの要部を拡大して示す断面図である。 一方向クラッチの保持器を示す斜視図である。 一方向クラッチの作用を示す説明図である。 負荷トルクと伝達トルクとの関係を説明するグラフである。 軸継手装置の組立手順を示す説明図である。 増速機のころ軸受を示す断面図である。 カバー部材の連結部を拡大して示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る風力発電装置の軸継手装置を示す断面図である。 一方向クラッチの要部を拡大して示す断面図である。 風力発電装置の変形例を示す概略側面図である。 他の実施形態における増速機及び発電機を示す概略側面図である。 さらに他の実施形態における一方向クラッチ及び転がり軸受を拡大して示す軸継手装置の断面図である。 さらに他の実施形態における一方向クラッチ及び転がり軸受を拡大して示す軸継手装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る風力発電装置の概略側面図である。
風力発電装置1は、ブレード(受風部材)11、支柱12、及びナセル13を備えている。ブレード11は、主軸2の先端に設けられた複数枚の羽根により構成され、風を受けることによって主軸2を回転させる。ナセル13は、主軸2と、この主軸2を支持するための支持機構15と、主軸2の回転を増速する増速機3と、増速機3によって増速された回転動力によって発電する発電機4と、これらを収容するケーシング18等を備えている。支柱12は、上下方向の軸心回りに水平旋回可能にナセル13を支持している。
図2は、増速機及び発電機を示す概略側面図である。
発電機4は、例えば誘導発電機により構成され、増速機3により増速された回転を入力して回転する駆動軸(入力軸)41と、発電機4に内蔵されたロータ42と、図示しないステータ等とを有する。ロータ42は駆動軸41に一体回転可能に連結されており、発電機4は、駆動軸41が回転してロータ42が駆動することに伴って発電するように構成されている。また、駆動軸41には、当該駆動軸41を制動するためのブレーキ44が設けられている。
増速機3は、主軸2の回転を入力してその回転を増速する歯車機構(回転伝達機構)30を備えている。この歯車機構30は、遊星歯車機構31と、この遊星歯車機構31により増速された回転を入力して、さらにその回転を増速する高速段歯車機構32とを備えている。
遊星歯車機構31は、内歯車(リングギヤ)31aと、主軸2に一体回転可能に連結された遊星キャリア(図示省略)に保持された複数の遊星歯車31bと、遊星歯車31bに噛み合う太陽歯車31cとを有している。これにより、前記主軸2とともに遊星キャリアが回転すると、遊星歯車31bを介して太陽歯車31cが回転し、その回転が高速段歯車機構32の低速軸33に伝達される。
高速段歯車機構32は、低速ギヤ33aを有する前記低速軸33と、第1中間ギヤ34a及び第2中間ギヤ34bを有する中間軸34と、高速ギヤ35aを有する出力軸35とを備えている。
低速軸33は、その直径が例えば約1mの大型の回転軸からなり、主軸2と同心上に配置されている。低速軸33の軸方向両端部はころ軸受36a,36bにより回転自在に支持されている。
中間軸34は、低速軸33の上方に配置されており、その軸方向両端部はころ軸受37a,37bにより回転自在に支持されている。中間軸34の第1中間ギヤ34aは低速ギヤ33aと噛み合い、第2中間ギヤ34bは高速ギヤ35aと噛み合っている。
出力軸35は、中間軸34の上方に配置されており、回転トルクを出力するようになっている。出力軸35の軸方向の一端部35b及び他端部(出力端部)35c側は、それぞれころ軸受38,39により回転自在に支持されている。
以上の構成により、主軸2の回転は、遊星歯車機構31のギヤ比、低速ギヤ33aと第1中間ギヤ34aとのギヤ比、及び第2中間ギヤ34bと高速ギヤ35aとのギヤ比により3段階に増速されて、出力軸35の出力端部35cから回転トルクが出力される。すなわち、風力による主軸2の回転は、増速機3により3段階に増速されて、発電機4を駆動するようになっている。
図11は、増速機のころ軸受を示す断面図である。図11において、ころ軸受38は、円筒ころ軸受からなり、出力軸35に外嵌固定された内輪38aと、ハウジング(図示省略)に固定された外輪38bと、内輪38aと外輪38bとの間に転動可能に配置された複数の円筒ころ38cと、各円筒ころ38cを円周方向に沿って所定間隔毎に保持する環状の保持器38dとを備えている。内輪38a、外輪38b、円筒ころ38cは例えば軸受鋼によって形成されており、保持器38dは例えば銅合金によって形成されている。
内輪38aは、その外周の軸方向中央部に形成された内輪軌道面38a1を有している。外輪38bは、内輪38aと同心上に配置されており、その内周の軸方向中央部に形成された外輪軌道面38b1と、この外輪軌道面38b1の軸方向両側に形成された一対の外輪鍔部38b2とを有している。外輪軌道面38b1は、内輪軌道面38a1に対向して配置されている。外輪鍔部38b2は、外輪38bの内周の軸方向両端部から径方向内側に向かって突出して形成されており、この外輪鍔部38b2に円筒ころ38cの端面が摺接するようになっている。
円筒ころ38cは、内輪38aの内輪軌道面38a1と外輪38bの外輪軌道面38b1との間に転動可能に配置されている。
保持器38dは、軸方向に離反して配置された一対の円環部38d1と、この円環部38d1の周方向に沿って等間隔おきに配置されて両円環部38d1同士を連結する複数の柱部38d2とを有している。一対の円環部38d1と隣接する柱部38d2との間には、それぞれポケット38d3が形成されており、このポケット38d3内に各円筒ころ38cが配置されている。なお、大型の風力発電装置1においては、増速機3の出力軸35を支持する転がり軸受には、大きな負荷が付与されるため、剛性が高く、かつ出力軸35の熱による軸方向の伸縮を好適に吸収することができるころ軸受38を用いることが好ましい。ただし、当該転がり軸受として玉軸受や円錐ころ軸受を用いてもよい。
図2において、風力発電装置1は、増速機3の出力軸35と、発電機4の駆動軸41とを一体回転可能に接続する軸継手装置(カップリング装置)9を備えている。この軸継手装置9は、入力回転体(内側回転体)5と、出力回転体(外側回転体)6と、一方向クラッチ7と、転がり軸受8と、を備えており、クラッチユニットとしても構成されている。また、軸継手装置9は、駆動軸41用のブレーキ44よりも増速機3側に設けられている。
図3は、軸継手装置を示す側面図(一部断面図)である。図4は、図3におけるA−A矢視断面図である。
入力回転体5は、軸部51と、この軸部51の軸方向一端部(図3における左端部)に設けられた入力側連結部52とを備えている。この入力側連結部52が出力軸35に一体回転可能かつ着脱可能に連結されている。
出力回転体6は、入力回転体5と同心上に配置されており、円筒形状に形成された円筒部61と、この円筒部61の軸方向他端部(図3における右端部)に設けられた出力側連結部62とを備えている。この出力側連結部62が駆動軸41に一体回転可能かつ着脱可能に接続されている。
一方向クラッチ7は、入力回転体5と出力回転体6との間であって、径方向で互いに対向してオーバーラップしている部分に配置されている。また、転がり軸受8は、入力回転体5と出力回転体6との間であって一方向クラッチ7の軸方向両側に配置されている。一方向クラッチ7は、出力軸35の回転を入力回転体5及び出力回転体6を介して駆動軸41に断接可能に伝達するために設けられ、転がり軸受8は入力回転体5と出力回転体6とを互いに支持するために設けられている。なお、本実施形態の風力発電装置1は、転がり軸受8が一方向クラッチ7の軸方向両側に配置されているが、一方向クラッチ7の軸方向一方側のみに配置されていてもよい。
図3において、入力側連結部52は、軸部51の一端部に固定されたフランジ部52aと、このフランジ部52aと出力軸35との間に介在する撓み部材52bとを備えている。軸部51は、円柱形状に形成され、軸方向一端部(図3における左端部)の外周面にはキー溝51bが形成されている。フランジ部52aは、円環状に形成されるとともに、径方向外方に突出する複数(例えば4個)の突出部52a1(図4参照)を周方向に間隔をあけて備えている。各突出部52a1にはボルト挿通孔52a2が貫通して形成されている。フランジ部52aの中心部には、嵌合孔52a3が形成され、この嵌合孔52a3に軸部51の一端部が圧入等によって嵌合される。また、嵌合孔52a3には、キー溝52a4が形成されている。軸部51とフランジ部52aとは、2つのキー溝52a4,51bにキー53が取り付けられることによって、一体回転可能に連結される。
出力側連結部62は、円筒部61の軸方向他端部に設けられたフランジ部62aと、このフランジ部62aと駆動軸41との間に介在する撓み部材62bとを備えている。フランジ部62aは、鍛造等によって円筒部61の一端部に一体成形され、円筒部61の外周面から径方向外方へ突出し、ボルト挿通孔62a1が貫通して形成されている。また、フランジ部62aは、入力側連結部52のフランジ部52aの突出部52a1(図4参照)と同様に、周方向に間隔をあけて複数(例えば、4個)設けられている。すなわち、フランジ部62aは、円筒部61の外周面に部分的に設けられている。
入力側連結部52の撓み部材52bは、フランジ部52aと、出力軸35の出力端部に35cに設けられたフランジ部35c1との間に配置されている。また、出力側連結部62の撓み部材62bは、フランジ部62aと、駆動軸41の入力端部に設けられたフランジ部41aとの間に配置されている。この撓み部材52b,62bは、複数のリンク状部材又はディスク状部材からなり、それぞれボルト及びナットからなる締結具52c,62cによって各フランジ部52a,35c1,62a,41aに連結されている。
この撓み部材52b,62bは、自身の撓み(弾性変形)によって出力軸35と駆動軸41との間の偏心や偏角(軸心のずれ)等のミスアライメントを吸収する機能を有している。この撓み部材52b,62bの構成やこれと組み合わせて用いられるフランジ部52a,35c1,62a,41aの構成は特に限定されるものではなく、上記機能を有するものであれば従来公知の構造(例えば、特開2006−250034号公報、特開2001−349335号公報等に記載の構成)を適用することができる。また、入力側連結部52は出力軸35側のフランジ部35c1を構成要素として含んでいてもよく、出力側連結部62は、駆動軸41側のフランジ部41aを構成要素として含んでいてもよい。
入力回転体5の軸部51と出力回転体6の円筒部61との間には、その内部に配置された一方向クラッチ7及び転がり軸受8を潤滑するためのグリース(潤滑剤)が充填される。そして、軸継手装置9には、一方向クラッチ7及び転がり軸受8の収容領域である軸部51と円筒部61との間にグリースを充填するための密封空間を形成する密封手段10を備えている。この密封手段10は、左側の転がり軸受8と入力回転体5のフランジ部52aとの間において軸部51の外周面に嵌合された環状のシール受け部材101と、このシール受け部材101の外周面と出力回転体6の円筒部61の内周面との隙間に設けられた環状の第1シール部材102と、円筒部61の右端側の開口を塞ぐ蓋部材103と、この蓋部材103と円筒部61の端面との間に設けられたOリングからなる第2シール部材104とを備えている。蓋部材103は、円形状に形成された金属製の板材からなり、フランジ部62aの付け根部において取付ネジ103aによって着脱可能に取り付けられている。このような密封手段10を備えることによって入力回転体5の軸部51と出力回転体6の円筒部61との間にグリースを封入し、一方向クラッチ7及び転がり軸受8を好適に潤滑することができる。
なお、軸部51と円筒部61との間の密封空間における一方向クラッチ7の配置箇所と転がり軸受8の配置箇所とは軸方向に連通し、グリースが一方向クラッチ7と転がり軸受8との間で行き渡るようになっている。また、グリースは遠心力によって径方向外側に偏りやすいため、本実施形態のように、一方向クラッチ7の外輪内周面72a及び転がり軸受8の外輪軌道面82a側において密封空間が連通していることが好ましい。
また、円筒部61の外周部には、グリースニップル(逆止弁付き給油口)64が取り付けられた給油孔61aが前記密封空間にまで径方向に貫通して形成されている。この給油孔61aは、一方向クラッチ7と一方の転がり軸受8との間に対応して設けられている。具体的に、給油孔61aは、一方向クラッチ7の外輪内周面72aと転がり軸受8の外輪軌道面82aとの間に対応して形成されている。また、給油孔61aは周方向の複数箇所、例えば、図4に示すように4箇所に等間隔に設けられ、いずれかの給油孔61aから密封空間内にグリースを供給することが可能となっている。
また、いずれかの給油孔61aからグリースを供給する際に、他の給油孔61aのグリースニップル64を取り外すことで、当該他の給油孔61aから古いグリースを排出することができる。したがって、給油孔61aは、グリースの供給部としての機能だけでなく排出部としての機能をも有している。なお、グリースの排出は、給油孔61aに限らず、蓋部材103を出力回転体6から取り外すことによっても行うことができる。この場合、円筒部61の端部の開口全体を開放することができるので、効率よくグリースを排出することができる。
出力回転体6が回転すると給油孔61aの位置も変動するが、当該給油孔61aは周方向に複数設けられているので、最も給油し易い位置に配置された給油孔61aを選択して給油することができる。したがって、給油作業を容易に行うことができる。
また、給油孔61aは、一方向クラッチ7と一方の転がり軸受8との間に対応して設けられているので、両者に対するグリースの供給を確実に行うことができる。給油孔61aは、一方向クラッチ7と他方の転がり軸受8との間に対応して設けられていてもよく、一方向クラッチ7と双方の転がり軸受8との間に対応して設けられていてもよい。なお、一方向クラッチ7の潤滑に用いるグリースは、基油にエステル、増ちょう剤にウレア系のもの等を用いた温度変化に影響を受けにくいものを用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。
円筒部61の軸方向一端部(図3における左端部)の端面と、この端面に対向する入力回転体5のフランジ部52aの端面との間には、隙間s2が形成されている。また、軸部51の先端と蓋部材103との間には、隙間s3が形成されている。この隙間s2,s3により、出力回転体6は、駆動軸41から出力回転体6を切り離した状態で、入力回転体5に対して軸方向両側に移動可能となっている。
図5は、一方向クラッチ及び転がり軸受を拡大して示す軸継手装置の断面図である。
図4及び図5に示すように、一方向クラッチ7は、内輪71及び外輪72と、この内輪71の外周面71aと外輪72の内周面72aとの間に配置された複数のころ(係合子)73とを備えている。
内輪71は、入力回転体5の軸部51の軸方向中間部に嵌合されることによって固定されており、軸部51と一体回転するようになっている。出力回転体6における円筒部61の軸方向中間部の領域Bは、一方向クラッチ7の外輪72とされている。したがって、円筒部61の領域Bの内周面が、ころ73が転動する外輪内周面72aを構成している。本実施形態では、ころ73が円柱形状に形成され、周方向に8個設けられている。
一方向クラッチ7は、各ころ73を円周方向に沿って所定間隔毎に保持する環状の保持器74と、各ころ73を一方向に弾性的に付勢する複数の弾性部材(付勢部材)75とをさらに備えている。
図7は、一方向クラッチの保持器を示す斜視図である。図7において、保持器74は、軸方向に対向する一対の円環部76と、これら円環部76とは別体であって、両円環部76に軸方向両端部がそれぞれ嵌合される複数の柱部77とを有している。両円環部76と周方向に隣接する柱部77とに囲まれた空間によってポケット78が構成されており、各ポケット78に各ころ73が個別に収容されている(図4参照)。
円環部76は、炭素鋼やアルミ等の金属材料により形成され、例えば、外径が300mm、軸方向の厚みが15mmに設定されている。円環部76の内周には、円周方向に所定間隔をあけて複数の凹部76aが形成されている。
柱部77は、本体部77aと、本体部77aの周方向の一端面に突設された突起部77bと、本体部77aの軸方向両端部にそれぞれ形成された一対の嵌合部77cとを有している。そして、本体部77a、突起部77b、及び嵌合部77cは、合成樹脂材料を射出成形することにより一体成形されている。
突起部77bは、図4に示すように、ポケット78内に収容された弾性部材75を案内(位置決め)するものである。具体的には、突起部77bは、先端に向かうに従って徐々に細くなるように形成されている。そして、弾性部材75が、突起部77bの先端側から遊嵌されるようになっている。なお、弾性部材75は、軸方向に細長く形成された圧縮コイルバネからなっている。但し、弾性部材75は、板バネ等の他の形式のバネであってもよい。
図7に示すように、嵌合部77cは、本体部77aよりも径方向の厚みが薄く形成されており、この嵌合部77cを凹部76aに嵌合させた状態で円環部76の外周面と本体部77aの外周面とがほぼ面一となるように嵌合部77cの厚さが設定されている。
以上のように保持器74は、円環部76と柱部77とから構成され、これらは互いに別体で形成されているので、円環部76及び柱部77をそれぞれ個別に製作することができる。したがって、保持器74の全体を一体に製作する場合に比べて、保持器74を容易に製作することができる。特に、風力発電装置1に用いられる保持器74は大型であり、全体を一体に製作することが困難であるので、円環部76と柱部77とを別体で構成することがより有益である。また、円環部76を金属製とすることによって保持器74の強度を十分に確保することができ、柱部77を合成樹脂製とすることによって保持器74全体の軽量化を図ることができる。
図4に示すように、内輪71の外周面71aにはころ73と同数(8つ)の平坦なカム面71a1が形成されており、外輪72の内周面72aは円筒面に形成されている。内輪71のカム面71a1と外輪72の円筒面72aとの間には、くさび状空間Sが周方向に複数(8箇所)形成されている。
図6は、一方向クラッチの要部を拡大して示す断面図である。
ころ73は各くさび状空間Sに個別に配置されている。また、ころ73は、弾性部材75によってくさび状空間Sが狭くなる方向に付勢されている。ころ73の外周面は、内輪71のカム面71a1及び外輪72の内周面72aに接触する接触面73aとなっており、この接触面73aは幅方向(軸方向)に真っ直ぐに形成されている。
以上のように構成された一方向クラッチ7では、入力回転体5が増速回転することにより、入力回転体5の回転速度が、出力回転体6の回転速度を上回る場合には、内輪71が外輪72に対して一方向(図4の反時計回り方向;図6の矢印a方向)に相対回転しようとする。この場合、弾性部材75の付勢力により、ころ73はくさび状空間Sが狭くなる方向(図6の右方向)へ僅かに移動して、ころ73の接触面73aが内輪71の外周面71a(カム面71a1;被噛み合い面)及び外輪72の内周面(被噛み合い面)72aに圧接し、ころ73が内外輪71,72の間に噛み合った状態となる。これにより、内外輪71,72は前記一方向aに一体回転可能となり、入力回転体5と出力回転体6とを一体回転可能に接続することができる。
また、入力回転体5が増速回転後に一定速回転となり、入力回転体5の回転速度が、出力回転体6の回転速度と同一になった場合には、ころ73が内外輪71,72の間に噛み合った状態で保持される。このため、一方向クラッチ7は、内外輪71,72の前記一方向への一体回転を維持し、入力回転体5及び出力回転体6は一体回転し続ける。
一方、入力回転体5が減速回転することにより、入力回転体5の回転速度が、出力回転体6の回転速度を下回る場合には、内輪71が外輪72に対して他方向(図4の時計回り方向;図6の矢印b方向)に相対回転しようとする。この場合には、弾性部材75の付勢力に抗して、ころ73がくさび状空間Sが広くなる方向へ僅かに移動することにより、ころ73と内外輪71,72との噛み合いが解除される。このように、ころ73の噛み合いが解除されることで、入力回転体5と出力回転体6との接続が遮断される。
なお、各くさび状空間Sを形成する外輪内周面72aは、周方向に連続する円筒面の一部(円弧面)によって構成されているが、周方向に連続しない円弧面、例えば、周方向に隣接するくさび状空間Sの外輪内周面72aの間に平坦面や変曲点が介在するような独立した円弧面であってもよい。
入力回転体5において、一方向クラッチ7の内輪71は、軸部51に対して所定の締め代をもって締まり嵌めによって嵌合されている。したがって、軸部51に対する内輪71の締め付け力によって両者が一体回転可能となる。また、軸部51に対する内輪71の締め付け力は、ころ73と内外輪71,72との噛み合いによって増大するようになっている。以下、この作用について詳細に説明する。
図6に示すように、内輪71が外輪72に対して図6の矢印a方向に相対回転しようとしたとき、カム面71a1と外輪内周面72aとにころ73が噛み込み、ころ73は、図8に示すように、外輪内周面72aから荷重Fa,Fbを受け、内輪71のカム面71a1は、荷重Fa,Fbの分力である垂直成分荷重Fa1,Fb1をころ73から受ける。したがって、この垂直成分荷重Fa1,Fb1によって軸部51に対する内輪71の締め付け力は増大する。
そのため、軸部51と内輪71との嵌め合いによる締め付け力(以下、「初期の締め付け力」ともいう)によって軸部51から内輪71に伝達可能なトルク(伝達トルク)T2は、風力発電装置1を作動させるための負荷トルク(発電機4のロータ42を回すための発電トルクや慣性トルク)が最大となったときに、軸部51から内輪71に伝達されるべき最大の伝達トルクT1maxよりも小さくすることができる。すなわち、T2とT1maxとを、
T1max>T2 ・・・(1)
の関係に設定することができる。
また、ころ73と内外輪71,72との噛み合いによる締め付け力(以下、「追加の締め付け力」ともいう)によって軸部51から内輪71に伝達可能な伝達トルクをT3としたとき、T2とT3とを加算した値が、風力発電装置1を作動させるために必要な最小限の伝達トルクT1よりも常に大きくなっている。すなわち、
T1<T2+T3 ・・・(2)
特に、負荷トルクが最大となったときの追加の締め付け力で、軸部51から内輪71に伝達可能な伝達トルクT3maxは、以下の条件を満たしている。
T1max<T2+T3max ・・・(3)
以上の負荷トルクと各伝達トルクT1〜T3との関係は、図9にグラフで示す通りである。なお、上述の最大の負荷トルクとは、風力発電装置1の設計条件として想定した最大の負荷トルクのことをいい、風力発電装置1が故障したときや異常気象により想定を超える風速の急変動が生じたときなどに発生する過大な負荷トルクのことではない。
上記(1)〜(3)の関係が満たされることによって、軸部51と内輪71との嵌め合いによる初期の締め付け力を可及的に小さくすることができ、両者の嵌め合いに必要な締め代を小さくし、当該嵌め合いによって内輪71に生じる内部応力(特に円周方向の応力)を小さくすることができる。内輪71の内部応力を小さくすることで内輪71の耐久性を高め、一方向クラッチ7、ひいては軸継手装置9の寿命を高めることができる。なお、軸部51と内輪71の間の締め代は、最小で10μmとすることができる。
なお、一方向クラッチ7の内輪71を省略し、軸部51に直接カム面を形成すれば、上記のような嵌め合いに伴う内輪71の応力集中を抑制することができ、好適である。しかし、本実施形態のように風力発電装置1に用いられる一方向クラッチ7は大型であるため、軸部51に対して直接カム面を形成するのは困難であり、現実的ではない。したがって、上記(1)〜(3)のように各伝達トルクT1〜T3と負荷トルクとの関係を設定することが最も有効である。
一方、負荷トルクの増大に伴って、ころ73と内外輪71,72との噛み合いによる締め付け力が過度に大きくなると、内輪71の負担が大きくなり、却って耐久性が低下してしまうおそれがある。そのため、本実施形態では、負荷トルクが大きくなるほど、負荷トルクの増分に対する、ころ73から内輪71(カム面71a1)に付与される垂直成分荷重の増分を小さくし、内輪71への負担を可及的に小さくできるようにしている。
具体的には、図6に示すように、外輪内周面72aは、円弧面に形成されているため、くさび状空間Sが狭い領域ほど、くさび角は大きくなる。図8(a)は、くさび状空間Sが比較的広く、くさび角θaが小さい領域にころ73が位置している状態を示し、図8(b)は、くさび状空間Sが比較的狭く、くさび角θbが大きい領域にころ73が位置している状態を示している。
また、ころ73がくさび状空間Sの広い領域に位置するのは、ころ73と内外輪71,72との噛み合いの初期、例えば非回転の状態からカットイン風速(発電のために最低必要な風速)に達して回転し始めるときや、カットイン風速で回転が一定となり安定しているとき等のように負荷トルクが小さい場合であり、また、ころ73がくさび状空間Sの狭い領域に位置するのは、定格風速以上の風速となり定格出力に達したときなどの負荷トルクが大きい場合である。カットイン風速は、瞬間風速であってもよいし、所定時間の平均風速であってもよい。
したがって、図8において、外輪内周面72aからころ73に付与される荷重Fa,Fbは、
Fa<Fb ・・・(4)
の関係がある。
そして、図8(b)において、外輪内周面72aからころ73に付与される荷重Fbに対する垂直成分荷重Fb1の割合(Fb1/Fb)は、図8(a)において、荷重Faに対する垂直成分荷重Fa1の割合(Fa1/Fa)よりも小さくなる。そのため、負荷トルクが増大したとしても、垂直成分荷重Fb1はそれほど大きくならず、内輪71に対する負担を軽減することができる。
ころ73と内外輪71,72との噛み合いの初期の負荷トルクが作用したときのくさび角θaと、最大の負荷トルクが作用したときのくさび角θbとは、
1.0°<θb−θa<1.5° ・・・(5)
の関係に設定されている。
くさび角θaは、4°〜9°の範囲にあることが好ましく、くさび角θbは、5.5°〜10°の範囲にあることが好ましい。くさび角θaが4°よりも小さいと、ころ73からカム面71a1に付与される垂直成分荷重Fa1が必要以上に大きくなる可能性があり、くさび角θaが9°を超えると、他方のくさび角θbが大きくなりすぎ、ころと両周面との噛み合いが不十分となる可能性があるからである。また、くさび角θbが、5.5°よりも小さいと、他方のくさび角θaが小さくなりすぎ、ころ73からカム面71a1に付与される垂直成分荷重Fa1が必要以上に高まる可能性があり、くさび角θbが10°を超えると、ころ73と内外輪71,72との噛み合いが不十分となる可能性があるからである。
また、くさび角θaとθbとの比は、
1.1<θb/θa<1.4 ・・・(6)
(より好ましくは、1.11<θb/θa<1.38)
に設定されている。
くさび角θa,θbが以上のような関係に設定されることによって、ころ73と内輪71及び外輪72との噛み合いの初期から負荷トルクが最大となるまでの間、軸部51と内輪71とのトルク伝達を確実に行うことができるとともに内輪71の負担も軽減することができる。
上記(5)、(6)のような関係は、外輪72の内径、ころ73の外径やP.C.D、外輪内周面72aとカム面71a1との間隔等を調整することによって設定することができる。また、一方向クラッチ7におけるころ73の数は、4個〜8個に設定することが好ましい。ころ73の数が8個を超えると、外輪内周面72aから各ころ73への荷重Fa,Fbが分散し、ころ73からカム面71a1への垂直成分荷重Fa1,Fb1が小さくなり、軸部51に対する内輪71の締め付け力を十分に得ることができなくなる可能性があるからである。また、ころ73の数が4個より少ないと、軸部51に対する内輪71の締め付け力が大きくなりすぎ、内輪71への局所的な負担が大きくなるからである。
図5において、一対の転がり軸受8は、入力回転体5の軸部51と出力回転体6の円筒部61との間にそれぞれ配置されており、入力回転体5及び出力回転体6を互いに相対回転可能に支持している。また、各転がり軸受8は、一方向クラッチ7の軸方向両側にそれぞれワッシャ(位置決め具)91を介して隣接して配置されている。
転がり軸受8は、軌道輪としての内輪81及び外輪82と、内輪81と外輪82との間に転動可能に配置された複数の円筒ころ(転動体)83と、複数の円筒ころ83の周方向の間隔を保持する保持器84とを備えた円筒ころ軸受からなる。
内輪81は、外周に形成された内輪軌道面81aと、この内輪軌道面81aの軸方向両側において径方向外側へ突出して形成された内輪鍔部81bとを有している。各内輪鍔部81bの内側面には、円筒ころ83の両端面がそれぞれ摺接するようになっている。また、一方向クラッチ7に隣接する内輪鍔部81bは、その径方向外端部が、一方向クラッチ7の保持器74の軸方向側方に位置するように一方向クラッチ7の内輪71よりも径方向外方へ突出している。
出力回転体6における円筒部61の軸方向両端部の領域A及び領域Cは、転がり軸受8の外輪82とされており、この領域A,Cの各内周面に外輪82の外輪軌道面82aが形成されている。この外輪軌道面82aと内輪軌道面81aとの間には、円筒ころ83が転動可能に配置されている。したがって、出力回転体6の円筒部61は、一方向クラッチ7の外輪72と転がり軸受8の外輪82とを兼ねており、一方向クラッチ7の外輪内周面72aと転がり軸受8の外輪軌道面82aとは、同一の内径に形成されている。言い換えると、一方向クラッチ7の外輪72と転がり軸受8の外輪82とは一体に形成されている。
ワッシャ91は、SPCC等の金属製の薄板材をリング状に形成することによって構成され、その断面形状の軸方向の厚さ寸法は、径方向の幅寸法の方よりも小さく形成されている。また、ワッシャ91は、入力回転体5の軸部51の外周面に嵌合(遊嵌)され、一方向クラッチ7の内輪71と転がり軸受8の内輪81とで挟持されている。また、ワッシャ91は、一方向クラッチ7の内輪71よりも径方向外側に突出されており、一方向クラッチ7の保持器74の軸方向側面に当接可能となっている。
したがって、一方向クラッチ7の保持器74は、ワッシャ91によって軸方向に関して位置決めされる。また、一方向クラッチ7の保持器74と、転がり軸受8の保持器84との間にはワッシャ91が配置されるので、両者は直接的に接触しない。したがって、両保持器74,84が接触することに伴う摩耗や焼き付きを防止することができる。また、ワッシャ91を一方向クラッチ7の内輪71と転がり軸受8の内輪81との間で挟持することによって、ワッシャ91を軸部51に対して遊嵌しても当該ワッシャ91を強固に固定することができる。したがって、ワッシャ91を可及的に薄肉に形成することができるとともに、確実に保持器74の位置決めを行うことができる。また、転がり軸受8の内輪81に形成された鍔部81bは、一方向クラッチ7の内輪71よりも径方向外側に突出し、保持器74の軸方向側方に配置されているので、内輪81の鍔部81bによってワッシャ91をバックアップし、より強固にワッシャ91を支持することができる。そのため、ワッシャ91をより薄肉に形成することができ、ワッシャ91を設けることに伴う一方向クラッチ7の軸方向寸法の増大を抑制することができる。
なお、ワッシャ91は、一方向クラッチ7と転がり軸受8との間のグリースの流通を阻害しないよう、円筒部61との間にグリースの流通路となる隙間をあけて配置されている。
図10は、軸継手装置の組立手順を示す説明図である。
以下、図10を参照して軸継手装置9の組立手順を説明する。まず、図10(a)に示すように、入力回転体5の軸部51の外周面に、一方の転がり軸受8、ワッシャ91、一方向クラッチ7の内輪71、保持器74の円環部76、柱部77、円環部76、ワッシャ91、他方の転がり軸受8を順次取り付ける。この際、転がり軸受8は、予め内輪81に保持器84及び円筒ころ83を組み付けた状態としておく。転がり軸受8の内輪81及び一方向クラッチ7の内輪71は、焼き嵌め又は冷やし嵌めによって軸部51の外周面51aに嵌合することによって取り付ける。したがって、内輪81,71は、所定の締め代をもって締まり嵌めで軸部51に強固に嵌合される。保持器74の取り付けは、まず一方の円環部76を内輪71の外周面に遊嵌し、この円環部76の各凹部76a(図7参照)に、柱部77の一方の嵌合部77c(図7参照)を嵌合し、その後、他方の円環部76を内輪71に遊嵌しつつ、その凹部76aを柱部77の他方の嵌合部77cに嵌合させることにより行う。
次いで、図10(b)に示すように、シール受け部材101を軸部51の外周面に焼き嵌め等によって嵌合する。また、一方向クラッチ7の弾性部材75及びころ73を保持器74に装着する。
次いで、図10(c)に示すように、出力回転体6の円筒部61を、入力回転体5に装着した転がり軸受8の円筒ころ83及び一方向クラッチ7のころ73の径方向外側に装着する。この際に、一方向クラッチ7のころ73は、図6に示すように、ポケット78内で弾性部材75によって押圧され、カム面71a1の端部側に位置しているので、出力回転体6の円筒部61の内周面、すなわち、一方向クラッチ7の外輪内周面72aよりも径方向外側に突出した状態となる。そのため、円筒部61をころ73の径方向外側に嵌合させるときに、円筒部61の先端部(図における下端部)をころ73の端部に当接させた状態で、弾性部材75がころ73を付勢する方向とは反対方向に円筒部61を回転させる。
これにより、ころ73をカム面71a1の中央側に移動させつつ径方向内側へ後退させることができ、ころ73の径方向外側に円筒部61の内周面を容易に嵌合させることが可能となる。
また、風力発電装置1は大型であり、軸継手装置9の個々の部品も大型化するため、当該部品をクレーンで吊った不安定な状態で組立作業が行われることになる。そのため、出力回転体6の円筒部61を、入力回転体5に装着した一方向クラッチ7のころ73の径方向外側に装着する際に、円筒部61の先端部と一方向クラッチ7のころ73の端部との位置を合わせにくくなる。また、ころ73は弾性部材75により押圧されることでカム面71a1の周方向端部側に位置しているため、円筒部61をころ73の径方向外側に装着するには、当該ころ73をカム面71a1の周方向中央側に寄せる必要があるが、円筒部61の先端部と一方向クラッチ7のころ73の端部との位置を合わせにくい状態では組立作業が著しく困難となる。本実施形態では、円筒部61の先端内周面には、内径を拡大するようなテーパー面61bが形成されている。そして、このテーパー面61bをころ73の端部に押し当てることで、円筒部61の先端部ところ73の端部との位置合わせを容易にし、円筒部61の先端部をころ73の端部に噛み込ませ易くしている。また、テーパー面61bをころ73の端部に押し当てた状態での円筒部61の保持が容易になるため、ころ73をカム面71a1の周方向中央側によせ易くなり、円筒部61の組付けをより容易に行うことができる。
なお、一方向クラッチ7のころ73の軸方向端部の外周縁73eには、円筒部61の組み付けの際にテーパー面61bと位置合わせしやすいようにテーパー面が形成されていることが好ましい。また、軸部51の軸方向端部の外周面や軸部51に嵌合される内輪71,81の軸方向端部の内周面にもテーパー面やR面を形成することで、両者の芯合わせや組み付けを容易に行うことができる。
最後に、図10(d)に示すように、軸部51のキー溝51bにキー53を取り付け、軸部51の外周面51aにフランジ部52aを嵌合する。
なお、一方向クラッチ7の組立方法として、まず、入力回転体5の軸部51の外周部に一方の転がり軸受8を組み付け、その後、出力回転体6の円筒部61を組み付け、軸部51と円筒部61との間に、予め組んでおいた一方向クラッチを挿入する方法が考えられる。しかし、風力発電装置1に使用される一方向クラッチは大型であるため、当該一方向クラッチを予め組んだ状態で軸部51と円筒部61との間の狭い空間に挿入するのは非常に困難である。しかも、ころ73は、弾性部材75とカム面71a1の作用により円筒部61の内周面72aよりも径方向外側に突出するため、一方向クラッチ7を円筒部61の内側に挿入するには各ころ73を径方向内側に押さえなければならず、作業が極めて煩雑となる。
これに対して、図10を参照して説明した本実施形態の組立方法では、外輪72,82を除き一方向クラッチ7及び転がり軸受8を入力回転体5の軸部51に組み付けた状態で出力回転体6を組み付けており、この組み付けの際に出力回転体6の円筒部61を回転させることによって複数のころ73を同時に径方向内側へ後退させることができるので、軸継手装置9を容易に組み立てることができる。
なお、定格出力が1MWを超えるような大型の風力発電装置1では、増速機3の出力軸35や発電機4の駆動軸41の軸径も大きくなり、軸継手装置9の重量も必然的に大きくなる。したがって、軸継手装置9を組み立てる際に人が直接部品を持ち上げて作業することは非常に困難となる。例えば、2MW級の発電機4を有する風力発電装置1は、軸継手装置9の重量が100kgを超える場合があり、クレーンで吊った部品を不安定な状態で組み付けたり、特別な治具を用いたりするなど、組み立て作業に要する労力が非常に大きくなる。そのため、上記のように軸継手装置9を組み立てることが極めて有効となる。
なお、図10(c)に到るまでの組立手順は、適宜変更することが可能である。例えば、転がり軸受8の内輪81、保持器84、及び円筒ころ83は、それぞれ別々に軸部51に対して組み付けてもよい。
図2に示すように、本実施形態の風力発電装置1には、軸継手装置9を覆うカバー部材(遮蔽手段)92が設けられている。このカバー部材92は、弾性変形可能な合成樹脂やゴム等によって形成されている。また、図3にも示すように、カバー部材92は、円筒形状に形成されており、軸方向の両端部に連結部93,94が設けられ、両連結部93,94の間に蛇腹部95が設けられている。一方の連結部93は、駆動軸41の外周面(又は、フランジ部41aであってもよい)に固定バンド等によって固定されている。また、他方の連結部94は、出力軸35のフランジ部35c1に係合することによって連結されている。蛇腹部95は、軸方向の伸縮と径方向の曲げ、撓み等が可能となっている。
図12は、カバー部材の連結部を拡大して示す断面図である。
連結部94は、断面L字形状の芯金94aと、この芯金94aの外面に接着された弾性部材94bとを備えている。また、連結部94の先端部には、フランジ部35c1の増速機3側の側面に当接する摺動部材94cが設けられている。この摺動部材94cは、フランジ部35c1に対する摺動抵抗が小さい部材、例えば金属板の表面にコーティング処理を施すことによって摩擦係数を小さくした部材が用いられる。また、摺動部材94cは、蛇腹部95が矢印c方向に収縮する力によってフランジ部35c1に押圧されており、この摺動部材94cのシール作用によってカバー部材92の内外の気流の流通が抑制されている。
沿岸や洋上に設置される風力発電装置1は、塩分を多量に含む風を受けて作動するが、ナセル内の機器に外気流が侵入すると塩害による金属腐食等の問題が生じ、耐久性に大きく影響する。本実施形態の風力発電装置1は、軸継手装置9がカバー部材92によって覆われており、軸継手装置9への異物や気流の侵入が抑制されている。そのため、塩害等による軸継手装置9の機能低下、特に、一方向クラッチ7の機能低下を防止することができる。
また、カバー部材92は、軸方向の一端が駆動軸41に固定されるが、軸方向の他端は出力軸35に相対回転可能に連結されるので、一方向クラッチ7による出力軸35と駆動軸41の相対回転でカバー部材92がねじれてしまうことがない。さらに、蛇腹部95の弾性変形(収縮)を利用して連結部94の摺動部材94cをフランジ部35c1に押圧しているので、異物や気流の侵入を抑制しながら両者の相対回転を許容することができる。
本実施形態の風力発電装置1によれば、増速機3の出力軸35とともに一体回転する入力回転体5と、発電機4の駆動軸41とともに一体回転する出力回転体6との間に配置した一方向クラッチ7により、入力回転体5の回転速度が出力回転体6の回転速度を下回ると、入力回転体5と出力回転体6との接続を遮断することができる。つまり、風力の低下により主軸2を介して出力軸35の回転速度が急激に低下しても、発電機4のロータ42の慣性による回転が駆動軸41を介して出力軸35に伝達されるのを防止することができる。これにより、出力軸35を支持しているころ軸受38に作用するラジアル荷重の減少及びこれに伴う円筒ころ38cの自転遅れを抑制することができる。したがって、この状態から風力変化により主軸2の回転速度が急激に増加して円筒ころ38cに高荷重がかかったときに、円筒ころ38cが内輪38aとの接触面で滑りにくくなるため、ころ軸受38にスメアリングが発生するのを効果的に抑制することができる。
また、ロータ42の慣性による回転が出力軸35に伝達されるのを防止することにより、増速機3のころ軸受36a,36b,37a,37b,38,39等に作用する負荷を低減することができる。これにより、遊星歯車機構31の各歯車31b,31cや、高速段歯車機構32の各軸33〜35及びころ軸受36a,36b,37a,37b,38,39をいずれも小型化することができるため、増速機3を軽量化することができ、かつ低コストで製造することができる。
さらに、入力回転体5と出力回転体6との接続を遮断することにより、発電機4のロータ42は、急激に減速することなく慣性によって回転し続けるため、ロータ42の平均回転速度を上げることができる。これにより、発電機4の発電効率を向上させることができる。
また、入力回転体5と出力回転体6との間には、これらを互いに相対回転可能に支持する転がり軸受8が配置されているため、一方向クラッチ7においてころ73と内外輪71,72との噛み合いが解除されることにより、くさび状空間Sでころ73と内外輪71,72との間に隙間が発生したときに、転がり軸受8によって入力回転体5及び出力回転体6が互いに径方向に相対移動するのを防止することができる。したがって、風力発電装置1の運転中に、入力回転体5及び出力回転体6が径方向にがたつくのを防止することができる。
また、一方向クラッチ7の外輪内周面72a及び転がり軸受8の外輪軌道面82aは、共通の部材である出力回転体6の円筒部61の内周面に形成されている。そのため、出力回転体6を、一方向クラッチ7の外輪72、及び各転がり軸受8の外輪82として兼用することができる。これにより、風力発電装置1全体の構造を簡素化することができる。
また、出力回転体6は、発電機4の駆動軸41に着脱可能に固定されるとともに、入力回転体5に対して軸方向に移動可能に配置されているため、出力回転体6を駆動軸41から取り外して入力回転体5に対して軸方向へ移動させれば、入力回転体5から出力回転体6を取り外すことができる。これにより、一方向クラッチ7の外輪72及び転がり軸受8の外輪82を同時に取り外すことができるため、一方向クラッチ7及び転がり軸受8のメンテナンス作業を容易に行うことができる。この際、発電機4を移動させる必要がないため、前記メンテナンス作業をさらに容易に行うことができる。
図5に示すように、入力回転体5と出力回転体6とは、隙間s2,s3が設けられていること、一方向クラッチ7の係合子73や転がり軸受8の転動体83が円筒ころにより形成されていること、及び当該円筒ころ73,83が転動する外輪内周面72a及び外輪軌道面82aが円筒面(円弧面)に形成されていること等によって、軸方向の相対移動が許容されている。そのため、周囲の状態変化、例えば、温度変化により出力軸35、駆動軸41が軸方向に伸縮(両軸の軸方向間隔が変動)したとしても、入力回転体5と出力回転体6との軸方向の相対移動によって当該伸縮を吸収することができる。これにより、出力軸35や駆動軸41を支持している部材(転がり軸受等)に軸方向の負荷が付与されるのを抑制することができる。
また、入力回転体5と出力回転体6との軸方向の相対移動によって一方向クラッチ7の外輪内周面72a及び転がり軸受8の外輪軌道面82aが円筒ころ73,83に対して軸方向に移動すると、実質的な外輪内周面72a及び外輪軌道面82aが軸方向に位置ずれする。特に、風力発電装置1は大型であるため位置ずれ量も必然的に大きくなる。このような位置ずれに対応するため、予め円筒部61の内周面には、想定される位置ずれ量も含む範囲で外輪内周面72a及び外輪軌道面82aに必要な表面処理を行っておくことが好ましい。なお、この位置ずれ量は、風力発電装置1が使用される環境温度、発電機4の発熱量を加味したナセル内の温度等から温度変化域(例えば、−40℃〜60℃)を想定し、この温度変化域における各部材の伸縮量を計算や実験により求めることによって、推定することができる。また、隙間s2,s3は、想定される温度変化域の上限(最高温度)における各軸の軸方向の伸張量よりも大きい寸法に設定されることが好ましい。また、外輪内周面72aや外輪軌道面82aの表面処理としては、例えば、浸炭窒化処理等の表面改質処理や、黒染め処理やDLC被膜などの被膜処理であってもよい。また、焼き入れや焼き戻し等の熱処理であってもよい。
また、外輪内周面72aや外輪軌道面82aに対して焼き入れ等の熱処理を行う場合には、出力回転体6全体を熱処理するのではなく、円筒ころ73,83が直接的に接する円筒部61の内周面(特に外輪内周面72aや外輪軌道面82a)のみを焼き入れすることが好適である。本実施形態では、出力回転体6のフランジ部62aが、周方向に間隔をあけて円筒部61の外周面から部分的に複数(4つ)突設されているので、各フランジ部62aの剛性が低くなっている。そのため、出力回転体6全体を熱処理すると、フランジ部62aに反りや歪み等の熱変形が生じ、駆動軸41側との連結に支障を来すおそれがある。したがって、出力回転体6のうち、フランジ部62aを除く少なくとも円筒部61の内周面72a,82aに対して熱処理を行うことで、フランジ部62aの熱変形を防止し、駆動軸41側との連結を好適に行うことが可能となる。
本実施形態では、フランジ部62aが円筒部61の外周面に部分的に形成されているが、フランジ部62aが円筒部61の外周面全周にわたって円盤状に設けられている場合や、フランジ部62aが円筒部61の外周面全周にわたって設けられるとともにボルト挿通孔62a1を形成する部分だけが径方向外方により大きく突出しているような場合もある。これらの場合も、フランジ部62aを除く少なくとも円筒部61の内周面72a、82aを熱処理することが好ましく、これによってフランジ部62aの熱変形を防止することが可能となる。
なお、出力回転体6における円筒部61の内周面72a,82aのみに熱処理を行う方法としては、例えば高周波焼き入れが考えられる。また、熱処理は、円筒部61の内周面全体に行ってもよいが、円筒ころ73,83と直接的に接触しない部分(例えば、円筒部61の内周面の軸方向両端に形成されたテーパー面61d、61b(図5、図10参照))には、熱処理を行わなくてもよい。
また、本実施形態では、入力回転体5の軸部51と内輪71,81とフランジ部52aとがそれぞれ別体で構成されているが、これら各部品51,71,81,52aは一体に形成されていてもよい。この場合、出力回転体6と同様に、フランジ部52aを除いて内輪71,81(内輪外周面71a及び内輪軌道面81a)に相当する部分のみを熱処理するようにしてもよい。
図2に示すように、駆動軸41を制動するブレーキ44が設けられている場合、一方向クラッチ7やこれを内蔵した軸継手装置9は、増速機3と、ブレーキ44との間に配置されることが好ましい。仮にブレーキ44と発電機4との間に一方向クラッチ7が配置されていたとすると、回転中にブレーキ44をかけても、増速機3側の回転が減速するだけで、発電機4側の回転は一方向クラッチ7によって継続し空転するため、発電機4の異常時等に発電機4を迅速に止めることが困難になるからである。
しかしながら、一方向クラッチ7や軸継手装置9は、必ずしもブレーキ44と発電機4との間に設けられていなくてもよく、図16に示すようにブレーキ44と発電機4との間に設けられていてもよい。また、出力軸35用のブレーキと駆動軸41用のブレーキとが設けられている場合には、両ブレーキの間に一方向クラッチ7や軸継手装置9を設けてもよい。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る軸継手装置を示す断面図、図14は、同一方向クラッチ7の要部を拡大して示す断面図である。
本実施形態の軸継手装置9は、係合子73としてスプラグが用いられている。また、一方向クラッチ7の内輪が、入力回転体5の軸部51によって構成され、内輪の外周面71aが軸部51の外周面51aによって構成されている。内輪外周面71aは、第1実施形態のようなカム面は形成されておらず、円筒面に形成されている。
また、転がり軸受8の内輪も、入力回転体5の軸部51によって構成され、内輪の外周面81aが軸部51の外周面51aによって構成されている。
一方向クラッチ7の保持器74における一方の円環部76には、径方向外方に突出する突条部76bが形成されている。この突条部76bは、出力回転体6の円筒部61の内周面に形成された周方向溝61c1に摺動可能に嵌合されており、これによって保持器74の軸方向の位置が規制されている。
同様に、転がり軸受8の保持器84における一方の円環部86にも径方向外方に突出する突条部86bが形成されている。この突条部86bは、円筒部61の内周面に形成された周方向溝61c2に摺動可能に嵌合されており、これによって保持器84の軸方向の位置が規制されている。
スプラグ73は、軸部51の外周面51a(内輪外周面71a)に当接する第1当接面73bと、外輪72(円筒部61)の内周面72aに当接する第2当接面73cとを備え、第1当接面73b及び第2当接面73cはそれぞれ凸状かつ略円弧状に形成されている。また、軸部51の外周面51aと外輪内周面72aに当接している第1当接面73bと第2当接面73cとの距離は、スプラグ73の傾きによって変化し、軸部51が矢印a方向に回転したときは、スプラグ73は矢印e方向に傾き、第1当接面73bと第2当接面73cとの距離が拡大する。逆に、軸部51が矢印b方向に回転したときは、スプラグ73は矢印eとは反対方向に傾き、第1当接面73bと第2当接面73cとの距離は縮小する。
そして、第1当接面73bと第2当接面73cとの距離が拡大すると、スプラグ73は軸部51の外周面51aと外輪72の内周面72aとに噛み合い、逆に、第1当接面73bと第2当接面73cとの距離が縮小すると、スプラグ73と、軸部51の外周面51a及び外輪72の内周面72aとの噛み合いが解除される。したがって、軸部51が外輪72に対して矢印a方向に相対回転しようとしたときに、軸部51と外輪72とが一体回転可能に接続され、軸部51が外輪72に対して矢印b方向に相対回転したときに、軸部51と外輪との接続が遮断されるようになっている。
本実施形態では、第1実施形態と同様の効果を奏するほか、一方向クラッチ7の内輪(軸部51)には、カム面を形成する必要がないので、製造コストを低減することができる。また、内輪として軸部51を用いることができるので、より製造コストを低減することができるとともに、一方向クラッチ7の構造の簡素化及び径方向の小型化を図ることができる。また、スプラグ73は、ころに比べて剛性を高くしトルク容量を高めやすいため、スプラグ73自体の径方向及び軸方向の寸法を小さくすることができる。したがって、一方向クラッチ7の径方向及び軸方向の寸法を小さくし、小型化を図ることができる。このように一方向クラッチ7を小型化することによって、軸継手装置9全体を径方向及び軸方向に小型化することができる。したがって、増速機3の出力軸35と発電機4の駆動軸41との間のスペースが狭い場合でも軸継手装置9を好適に配設することができる。
なお、第2実施形態においては、軸部51の外周面51a上でスプラグ73及び円筒ころ83が軸方向に移動可能となっており、これによって、入力回転体5と出力回転体6との軸方向の相対移動が許容されている。また、この相対移動によって、スプラグ73及び円筒ころ83に対応する内輪外周面71a及び内輪軌道面81aが軸方向に位置ずれするが、内輪外周面71a及び内輪軌道面81aには、想定される位置ずれ量も含む範囲で必要な表面処理(表面改質処理や被膜処理、熱処理等)を行うことが好ましい。
また、第2実施形態においては、軸部51の外周面に内輪を嵌合するとともに、この内輪の外周面にスプラグ73を噛み合わせてもよい。この場合、軸部51と内輪とは、上記式(1)〜(3)を満たすように、締まり嵌めで嵌合させることが好ましい。
本発明は、上記の実施形態に限定されることなく適宜変更して実施可能である。
例えば、出力回転体6は、入力回転体5の径方向外側に配置されているが、図18に示すように、入力回転体5の径方向内側に配置されていてもよい。具体的には、出力回転体6に軸部65を設けるとともに、入力回転体5に円筒部54を設け、軸部65の径方向外側に円筒部54を同心上に配置してもよい。また、円筒部54の内周面を一方向クラッチ7の外輪内周面及び転がり軸受8の外輪軌道面とし、出力回転体6の軸部65に一方向クラッチ7及び転がり軸受8の内輪71,81を嵌合してもよい。
また、この場合、一方向クラッチ7は外輪内周面をカム面とし、内輪外周面を円筒面としてもよい。さらにこの場合には、出力回転体6の軸部65の外周面に内輪外周面を形成し、軸部65を内輪として兼用してもよい。
さらに、出力回転体を、一方向クラッチの外輪及び転がり軸受の外輪としているが、これらの外輪を出力回転体に対して別部材として設けてもよい。
また、入力回転体と出力回転体との間に配置される転がり軸受は、出力回転体を軸方向へ移動させるために円筒ころ軸受としているが、出力回転体を軸方向へ移動させない場合には玉軸受としてもよい。
一方向クラッチの保持器は、円環部と柱部とを同一の材料によって一体に形成したものであってもよく、その材料は金属であってもよいし合成樹脂であってもよい。保持器を形成する合成樹脂材料としては、フェノール樹脂やポリアミド樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂等を用いることができる。
本発明の風力発電装置は、図1に示す水平軸タイプのものに限らず、図15に示す垂直軸タイプのものであってもよい。この場合においても増速機3と発電機4との間に一方向クラッチを含む軸継手装置9を設けることができる。
密封手段10を構成する蓋部材103は、図17に示すように入力回転体5の軸部51に対して固定ねじ103bにより取り付けられてもよい。この場合、蓋部材103は、密封手段10として構成されるだけでなく、入力回転体5と出力回転体6とが軸方向に外れてしまうのを防止する「外れ防止部材」としても機能する。このような外れ防止部材103が設けられることによって、増速機3と発電機4との間に軸継手装置9を組み付ける場合や出荷のために軸継手装置9を輸送する場合などにクレーンで軸継手装置9を吊り上げたとき、入力回転体5と出力回転体6とが分離してしまわないようにすることができる。また、外れ防止部材としての機能のみが必要な場合は、シール部材104を省略することもできる。
1:風力発電装置、3:増速機、4:発電機、5:入力回転体(内側回転体)、6:出力回転体(外側回転体)、7:一方向クラッチ、8:ころ軸受、9:軸継手装置、35:出力軸、41:駆動軸、52:入力側連結部、52b:撓み部材、62:出力側連結部、62b:撓み部材、71a:外周面(内輪外周面)、72a:内周面(外輪内周面)、73:係合子(ころ、スプラグ)、74:保持器、81:内輪、81b:内輪鍔部、82a:外輪軌道面、83:円筒ころ、91:ワッシャ(位置規制具)

Claims (13)

  1. 風力発電装置における増速機の出力軸と発電機の入力軸とを一体回転可能に接続する軸継手装置であって、
    前記出力軸及び前記入力軸の一方の軸に連結される連結部を有している内側回転体と、
    他方の軸に連結される連結部を有し、かつ前記内側回転体の径方向外側に同心上に配置される外側回転体と、
    前記内側回転体と前記外側回転体との径方向の間に配置され、前記出力軸の回転速度が前記入力軸の回転速度を上回る状態で前記内側回転体と前記外側回転体とを一体回転可能に接続し、前記出力軸の回転速度が前記入力軸の回転速度を下回る状態で前記内側回転体と前記外側回転体との接続を解除する一方向クラッチと、
    を備えていることを特徴とする軸継手装置。
  2. 前記一方向クラッチは、前記内側回転体側に設けられた内輪外周面と前記外側回転体側に設けられた外輪内周面との間に形成された空間に周方向に間隔をあけて配置され、前記内輪外周面及び前記外輪内周面に噛み合うことにより前記内側回転体と前記外側回転体との前記相対回転を制限し、前記噛み合いを解除することにより前記相対回転を許容する複数の係合子を有し、
    前記内側回転体と前記外側回転体との径方向の間に、前記内側回転体及び前記外側回転体を互いに相対回転可能に支持する転がり軸受を備えている、請求項1に記載の軸継手装置。
  3. 前記外側回転体が、前記外輪内周面を有する円筒部を備え、この円筒部における軸方向端部の内周縁にテーパー面が形成されている、請求項2に記載の軸継手装置。
  4. 前記転がり軸受は、転動体としてのころと、当該ころが転動する外輪軌道面とを有するころ軸受により構成され、
    前記外輪内周面と前記外輪軌道面とが、共通の部材である前記外側回転体の内周面により構成されている、請求項2又は3に記載の軸継手装置。
  5. 前記外輪内周面と前記外輪軌道面とが同一径に形成されている、請求項4に記載の軸継手装置。
  6. 前記転がり軸受は、前記内側回転体に装着される内輪を有し、この内輪には、前記ころの端面が摺接する鍔部が形成されている、請求項4又は5に記載の軸継手装置。
  7. 前記一方向クラッチは、前記係合子を保持する環状の保持器を有しており、
    前記転がり軸受と前記一方向クラッチとの間には、前記保持器の軸方向の側面に当接可能であり、当該保持器を軸方向に関して位置決めする位置決め具が設けられている、請求項5又は6に記載の軸継手装置。
  8. 前記外側回転体及び前記内側回転体の少なくとも一方の回転体が、前記係合子に噛み合う周面を有する円筒部と、この円筒部の外周面から径方向外方に突出するフランジ部とを一体に備えており、
    当該回転体は、前記フランジ部を除いて少なくとも前記円筒部の前記周面に熱処理が施されている、請求項2〜7のいずれか1項に記載の軸継手装置。
  9. 前記フランジ部は、前記円筒部の外周面に部分的に設けられている、請求項8に記載の軸継手装置。
  10. 前記フランジ部は、前記円筒部の外周面に全周にわたって設けられ、その一部が径方向外方により大きく突出している、請求項8に記載の軸継手装置。
  11. 前記円筒部が、前記転がり軸受の軌道面を有しており、この軌道面が前記円筒部の前記周面とともに熱処理が施されている、請求項8〜10のいずれか1項に記載の軸継手装置。
  12. 少なくとも一方の前記連結部は、前記2本の軸のミスアライメントを吸収する撓み部材を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の軸継手装置。
  13. 風力により回転する主軸と、
    前記主軸の回転を増速して出力軸から出力する増速機と、
    前記出力軸の回転を入力として回転する入力軸を有するとともに、当該入力軸と一体回転するロータの回転に伴って発電する発電機と、
    前記出力軸と前記入力軸とを接続する請求項1〜12のいずれか1項に記載の軸継手装置と、を備えていることを特徴とする風力発電装置。
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