JP2014198364A - 打撃工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】工具本体の大型化を招くことなく、負荷時及び無負荷時の双方で振動低減の効果を得ることができる打撃工具を提供する。
【解決手段】先端工具12を支持する工具本体13と、工具本体13に設けられ、先端工具12に付与する打撃力を発生する打撃力発生部45と、工具本体13に設けられ、打撃力による工具本体13の振動を抑制する弾性部材58を有する動吸振器59と、を備えた打撃工具10であって、動吸振器59が、先端工具12が被削部(70)に押し当てられている負荷時と、押し当てられていない無負荷時とで異なる固有振動数に設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハンマドリル等のように先端工具に往復動を与えて削岩作業等を行う打撃工具に係り、特に負荷時だけでなく、無負荷時にも振動低減効果が得られる技術に関するものである。
モータの駆動により先端工具に打撃力を与えることで削岩等の作業が行えるようにした、例えば電気ハンマ等の打撃工具が知られている。このような打撃工具の中には、打撃動作により工具本体に伝わる振動を低減ないし吸収するために、振動する機械系に質量体とばねからなるダンパー系を付加することにより、振動を抑制する動吸振器(ダイナミックダンパー)が組み込まれているものがある(例えば、特許文献1,2参照。)。このような動吸振器は、一般に質量体の質量やばねの特性から定まる固有振動数をもち、当該固有振動数周辺での振動に特に有効なものである。負荷時又は無負荷時に拘わらず、動吸振器の固有振動数が常に一定であった。
一方、打撃工具の打撃振動数は、負荷時には先端工具と被削部との間の摩擦力や、被削部への押付け力等による負荷でモータの回転数が下がるため、負荷時と無負荷時とで異なる打撃振動数になってしまう。そのため、例えば負荷時の打撃振動数に合わせて動吸振器の固有振動数を設定すると、無負荷時には工具の打撃振動数と動吸振器の固有振動数が合わなくなってしまう。
特許第4978890号公報 特開昭52−109673号公報
このような課題を解決するために、例えば特許文献1に記載されているように、ウェイトと、ウェイトを工具本体に支持する線形弾性部材とで構成された動吸振器を複数個備えた打撃工具が提案されている。
しかしながら、従来の打撃工具では、動吸振器を構成するウェイト及び弾性部材が複数個ずつ必要となるため、工具本体の大型化を余儀なくされるという課題があった。
そこで、本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものである。本発明の目的は、工具本体を大型化することなく、負荷時及び無負荷時の双方で振動低減の効果が得られる打撃工具を提供することにある。
本発明は、先端工具を支持する工具本体と、前記工具本体に設けられ、前記先端工具に付与する打撃力を発生する打撃力発生部と、前記工具本体に設けられ、前記打撃力による前記工具本体の振動を抑制する錘及び弾性部材を有する動吸振器と、を備えた打撃工具であって、前記動吸振器が、前記先端工具が被削部に押し当てられている負荷時と、押し当てられていない無負荷時とで異なる固有振動数に設定されている。
前記動吸振器が、前記負荷時よりも前記無負荷時の方が高い固有振動数に設定されていることが好ましい。
前記動吸振器の固有振動数が、負荷時、無負荷時のそれぞれにおいて、前記工具本体の打撃振動数と概ね一致していることが好ましい。
前記弾性部材が、圧縮量に応じてばね定数が変化する非線形弾性部材であることが好ましい。
前記弾性部材が、複数の弾性部材からなり、負荷時と無負荷時とで前記動吸振器を構成する弾性部材の数が変わることにより、異なる固有振動数を示すことが好ましい。
前記動吸振器が、打撃力発生部からの打撃力を前記先端工具に伝達する中間子に設けられたばね受け板と、前記ばね受け板と工具本体内の対向部との間に軸方向に移動可能に設けられた錘と、前記錘を弾性支持する前記弾性部材とを有していることが好ましい。
前記ばね受け板には前記弾性部材の付勢力に抗して前記先端工具を軸方向前方に付勢する復元用のばねが設けられていることが好ましい。
前記復元用のばねのばね圧力が、前記弾性部材の弾性力よりも大きいことが好ましい。
本発明によれば、工具本体の大型化を招くことなく、負荷時及び無負荷時の双方で振動低減の効果を得ることができる打撃工具を提供することができる。
本発明の実施形態である打撃工具の一例を示す縦断面図である。 無負荷時の打撃工具を示す断面図である。 負荷時の打撃工具を示す断面図である。 動吸振器の要部拡大断面図である。 本発明の他の実施形態である負荷時の打撃工具を示す要部断面図である。 無負荷時の打撃工具を示す要部断面図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図5を用いて詳細に説明する。
図1に示すように打撃工具10は、例えばハンマドリルである。図示例の打撃工具10は、駆動原である電動モータ11の回転力を往復運動に変換して先端工具12に打撃力を付与する機能と、この打撃機能に加えて選択的に先端工具12に回転力を付与する機能とを有している。打撃工具10は、工具本体であるケーシング13に設けられ、先端工具12に付与する打撃力を発生させる打撃力発生部45と、打撃力によるケーシング13の振動を抑制する錘57及び弾性部材(スプリング、コイルばね)58,58を有する動吸振器59とを備えている。
打撃工具10は、工具本体であるケーシング13を有し、ケーシング13はハウジング14及びギヤカバー15を有している。ハウジング14は、筒形状の胴部14aと、胴部14aの一端に連続したハンドル部14bとを有している。ハンドル部14bは、打撃工具10を使用する作業者が手で握る箇所である。
胴部14aにおけるハンドル部14bとは反対側の開口端14cと、ギヤカバー15の一方の開口端とが接続され、ハウジング14とギヤカバー15とが、締結部材により連結されている。締結部材は、便宜上、図示されていない。
ギヤカバー15は、筒形状に構成されており、ギヤカバー15の内部にインナーカバー16が設けられている。インナーカバー16は、熱伝導性に優れた金属材料、例えば、アルミニウム等により構成されている。ケーシング13の内部は、インナーカバー16により、胴部14aの内部に形成された第1収容室17と、ギヤカバー15の内部に形成された第2収容室18とに仕切られている。すなわち、インナーカバー16は隔壁の役割を有している。
電動モータ11は第1収容室17に設けられている。電動モータ11は、ハウジング14に固定されたステータ19と、回転可能に設けられたロータ20とを有している。ロータ20は、軸線Aを中心として回転可能であり、ステータ19は、軸線Aを中心とする半径方向で、ロータ20の外側に配置されている。軸線Aは、図1において、便宜上、水平方向に沿って配置されている。また、ロータ20は、出力軸21と、出力軸21に取り付けたコイル22とを有している。出力軸21の外周面には出力ギヤ23が形成されている。
インナーカバー16は、外筒部16aと、外筒部16aと同軸に設けられた内筒部16bとを有している。内筒部16bは、外筒部16aの内側に設けられている。また、インナーカバー16の外周面とギヤカバー15の内周面との間には、密封装置としてのOリング15aが介在されている。さらに、インナーカバー16は、軸線Aに沿った方向で、外筒部16aの端部と内筒部16bの端部とを接続する張り出し部16cを有している。張り出し部16cは、軸線Aを中心として半径方向に延びている。内筒部16bは、円筒形状を有しており、内筒部16bの内周面に軸受24が取り付けられている。内筒部16bの内周面と、軸受24の外輪との間には、密封装置としてのOリング(図示せず)が取り付けられている。また、軸受24は、内輪と外輪との間に密封装置(図示せず)が取り付けられたシール軸受である。
また、第1収容室17であって、ハンドル部14bに近い箇所には軸受(図示せず)が設けられている。この軸受及び軸受24は同軸上に配置されており、出力軸21は、2つの軸受により軸線Aを中心として回転可能に支持されている。このように、軸線Aに沿った方向で異なる軸受が配置されている。出力軸21の一端は第2収容室18に配置されており、出力ギヤ23は、出力軸21であって第2収容室18に配置された部分に設けられている。
また、第1収容室17には、コイル22に電力を供給するブラシ(図示せず)が設けられている。ハンドル部14bには電源コード25が取り付けられており、電源コード25は外部電源(図示せず)に接続されている。また、ハンドル部14bには、電源スイッチであるトリガ26が設けられているとともに、ハンドル部14bの内部には制御回路(図示せず)が設けられている。この制御回路は、電源コード25を経由して供給される電力を、ブラシに供給する制御等を行うものである。電動モータ11は、トリガ26が操作されると、電源コード25を経由して電力がコイル22に供給されて、ロータ20とステータ19との間に回転磁界が形成され、ロータ20が回転する。
第1収容室17であって、軸線Aに沿った方向でコイル22とインナーカバー16との間には、ファン27が設けられている。ファン27は、電動モータ11及び第2収容室18内を冷却する空気の流れを形成するための機構であり、本実施形態のファン27は、遠心ファンにより構成されている。ファン27は、出力軸21に取り付けられた羽根車27aと、羽根車27aの外周側を取り囲む案内壁27bとを有している。
案内壁27bは、軸線Aに沿った方向で、ステータ19とインナーカバー16との間に設けられている。案内壁27bは、ハウジング14に対して回転しないように固定されている。また、ファン27は、羽根車27aと案内壁27bとの間に形成された吸気通路27cを有している。吸気通路27cは、軸線Aを中心とする半径方向で、内側から外側に沿って形成されている。
また、羽根車27aの外周側である例えばハウジング14とギヤカバー15との結合部分には、ケーシング13の内部と外部とを連通する通気孔28が設けられている。通気孔28は、ファン27によって案内された空気を、ケーシング13の外部に排出するために設けられている。通気孔28は、ケーシング13における側方及び下方の2箇所に設けられている。案内壁27bは、軸線Aを中心とする円周方向で通気孔28に対向する2箇所が開放されている。
第2収容室18には中間シャフト29が設けられている。この中間シャフト29は、出力軸21の動力を先端工具12に伝達する動力伝達要素である。第2収容室18には、2つの軸受30a、30bが同軸に設けられている。中間シャフト29は、2つの軸受30a、30bにより中心線Bを中心として回転可能に支持されている。2つの軸受30a、30bは、ギヤカバー15に取り付けられている。中心線Bは軸線Aと平行であり、かつ、中心線Bは軸線Aと非同軸に配置されている。中間シャフト29であって、張り出し部16cに近い方の端部にはギヤ31が設けられている。このギヤ31は、出力ギヤ23と噛み合わされている。また、中間シャフト29であって、2つの軸受30a、30bの間にはギヤ32が形成されている。
さらに、第2収容室18には、シリンダ33が設けられている。このシリンダ33は、中間シャフト29のトルクを先端工具12に伝達する要素である。シリンダ33は、中心線Cを中心として同軸に設けられた大径円筒部34及び小径円筒部35を有している。大径円筒部34の内径は、小径円筒部35の内径よりも大きい。また、大径円筒部34の外周面には、第3ギヤ36が取り付けられている。第3ギヤ36は、シリンダ33と一体回転するように設けられており、第3ギヤ36とギヤ32が噛み合っている。ギヤ32及び第3ギヤ36は、中間シャフト29のトルクをシリンダ33に伝達する要素である。
ギヤカバー15は、軸線Aに沿った方向でハウジング14と反対側の箇所に円筒部37を有している。この円筒部37の内径は、大径円筒部34の外径及び小径円筒部35の外径よりも大きい。円筒部37の外周面にはグリップ部62が取り付けられ、円筒部37の内周面には軸受38が取り付けられている。また、インナーカバー16の内周面には軸受39が取り付けられている。2つの軸受38、39は同軸に配置されており、大径円筒部34は軸受39により回転可能に支持されている。小径円筒部35は、軸受38により回転可能に支持されている。つまり、シリンダ33は、2つの軸受38、39により中心線Cを中心として回転可能である。中心線Cは、軸線A及び中心線Bと平行であり、中心線Cは、軸線A及び中心線Bと非同軸である。
図1は中心線Cを含む縦断面図であり、図1において、軸線Aは中心線Cよりも下方に位置し、中心線Bは軸線Aよりも下方に位置にしている。軸線である第1中心線A、中心線である第2中心線B及び第3中心線Cは全て平行である。なお、第1中心線A及び第2中心線B及び第3中心線Cは、全てが同一平面上に位置していてもよいし、2本の中心線のみが同一平面上に位置していてもよい。
シリンダ33は、ギヤカバー15に対して中心線Cに沿った方向で位置決め固定されている。さらに、円筒部37と小径円筒部35との間には、密封装置56が設けられている。この密封装置56は、公知のオイルシール等により構成されており、密封装置56は、第2収容室18内に封入された潤滑油が、ケーシング13の外部に漏れることを防止するためのものである。
小径円筒部35の先端は、円筒部37の外部に露出されている。先端工具12は、小径円筒部35内に挿入されている。先端工具12の外周面には、中心線Cに沿った方向の長さを有している。溝12aが設けられている。一方、小径円筒部35を半径方向に貫通する保持孔35aが設けられており、保持孔35aには鋼球55が配置されている。小径円筒部35であって、円筒部37の外部に露出している部位にはエンドカバー40が取り付けられている。
エンドカバー40はシリンダ33と一体回転するように構成されている。エンドカバー40は、鋼球55が保持孔35aから脱落することを防止する押さえ部材40aを有している。保持孔35aに保持された鋼球55は、その一部が溝12aに配置されている。つまり、鋼球55は、溝12a内で転動可能である。シリンダ33及び先端工具12は、鋼球55の係合力により相対回転が防止されている。すなわち、シリンダ33のトルクは、鋼球55を介して先端工具12に伝達され、先端工具12は回転する。
また、先端工具12は、中心線Cに沿った方向における溝12aの長さに基づいて、シリンダ33に対して中心線Cに沿った方向に移動可能である。なお、エンドカバー40は、シリンダ33に対して取り付け及び取り外しが可能に構成されている。そして、エンドカバー40を操作すると、鋼球55が保持孔35aから出るため、先端工具12を交換することができる。
大径円筒部34には、動作部材であるピストン41が挿入されている。ピストン41は、大径円筒部34内で中心線Cに沿った方向に移動可能である。このピストン41は、円筒部41aと、円筒部41aに連続して形成された底部41bとを有している。
円筒部41aの開口部分は、小径円筒部35側に配置されている。円筒部41aには半径方向に貫通する通気孔41cが設けられていると共に、円筒部41a内には打撃子42が挿入されている。打撃子42は、ピストン41に対して中心線Cに沿った方向に移動可能であり、円筒部41a内における打撃子42と底部41bとの間には空気圧室43が形成されている。
空気圧室43の容積は、ピストン41が往復運動して生じる打撃力が目標値となるように設定されている。打撃子42の外周面にはOリング42aが取り付けられており、Oリング42aは、打撃子42と大径円筒部34との間を気密に維持している。
シリンダ33内において、打撃子42と先端工具12との間には中間子44が設けられている。つまり、中間子44は、中心線Cに沿った方向で打撃子42と先端工具12との間に配置されており、中間子44はシリンダ33に対して中心線Cに沿った方向に移動可能である。中間子44は、空気圧室43の圧力上昇で打撃子42に加えられた打撃力を、先端工具12に伝達する要素である。中間子44は、打撃子42及び先端工具12に接触したり離れたりすることができる。
一方、第2収容室18には、中間シャフト29の回転運動をピストン41の往復運動に変換して打撃動を発生させる打撃力発生部45が設けられている。打撃力発生部45は、内輪45a及び外輪45bを有している。内輪45aは、中間シャフト29の外周面に取り付けられている。内輪45aは、中間シャフト29と相対回転可能である。
内輪45aの外周面は、中心線Bを含む平面内における断面形状が円弧形状となっており、内輪45aの外周面には溝(図示せず)が形成されている。内輪45aの円周方向における位相変化に対応して、溝は中心線Bに沿った方向における位置が異なっている。
そして、外輪45bと内輪45aとの間に転動体45cが円周方向に複数個介在されている。この転動体45cは、溝に沿って転動可能である。また、外輪45bには連結棒45dが設けられており、連結棒45dはピストン41に連結されている。このため、外輪45bは中心線Bを中心として回転することはない。
さらに、第2収容室18には、クラッチ46が設けられている。このクラッチ46は、内輪45aと中間シャフト29との間の動力伝達経路を接続及び遮断するための機構である。クラッチ46は、中間シャフト29と一体回転するとともに、中間シャフト29に対して中心線Bに沿った方向に移動可能である。そして、クラッチ46が、中心線Bに沿って左側に向けて移動して停止すると、中間シャフト29と内輪45aとの間の動力伝達経路が接続される。つまり、クラッチ46が係合された状態となる。
これに対して、クラッチ46が、中心線Bに沿って右側に向けて移動して停止すると、中間シャフト29と内輪45aとの間の動力伝達経路が遮断される。つまり、クラッチ46が解放された状態となる。なお、クラッチ46の中心線Bに沿った方向の移動及び停止、移動方向は、作業者が図示しないモード切替スイッチを操作することで切り替えられる。なお、モード切替スイッチは、ケーシング13の外表面に設けられている。
一方、前述した動吸振器59は、先端工具12が被削部70に押し当てられている負荷時(図3参照)と、押し当てられていない無負荷時(図2参照)とで異なる固有振動数に設定されている。本実施形態では、動吸振器59は、負荷時よりも無負荷時の方が高い固有振動数に設定されている。具体的には、図2乃至図3に示すように打撃子42と先端工具12との間に配置された中間子44の後端部には円板状のばね受け板60が固定され、ばね受け板60の前方には動吸振器59が設けられ、ばね受け板60の後方には先端工具12を軸方向前方に付勢する復元用のばね61が設けられている。
動吸振器59は、大径円筒部34の外周面に軸方向に沿って往復動(振動)可能に支持された円筒状で外周の中間部に鍔部57aを有する錘57と、錘57の鍔部57aを挟んで両端に配置されたコイル状の非線形弾性部材58とで構成されている。非線形弾性部材58は、圧縮量に応じてばね定数が変化するもので、図4に示すように狭いピッチ部Pa及び広いピッチ部Pbを有する不等ピッチ弾性部材からなっている。
一方の非線形弾性部材58は、錘57の鍔部57aとその工具本体であるケーシング13内の対向部である軸受38との間に配置され、他方の非線形弾性部材58は、錘57の鍔部57aとばね受け板60との間に配置されている。負荷時には図3に示すように先端工具12が工具本体であるケーシング13内に押し込まれ、ばね受け板60と軸受38との間隔が広くなるため、非線形弾性部材58が狭いピッチ部Paと広いピッチ部Pbを共に有する状態となり、負荷時の振動数の低い振動を抑制することが可能となるように構成されている。無負荷時には図2に示すように先端工具12がケーシング13外に押し出され、ばね受け板60と軸受38との間隔が狭くなるため、非線形弾性部材58が狭いピッチ部Paが押しつぶされて一体になり、広いピッチ部Pbだけとなり、無負荷時の振動数の高い振動を抑制することが可能となるように構成されている。
以上のように構成された打撃工具10の作用を説明する。まず、作業者が一方の手でハンドル部14bを掴み、他方の手でグリップ部62を掴み、先端工具12を被削部70に押し付けてトリガ26を引く。すると、電動モータ11に電力が供給されてロータ20が回転し、出力軸21のトルクが、出力ギヤ23、ギヤ31を経由して中間シャフト29に伝達される。中間シャフト29のトルクは、ギヤ32及び第3ギヤ36を経由してシリンダ33に伝達される。シリンダ33のトルクは、鋼球55を経由して先端工具12に伝達される。
上記の作用中、図示しないモード切替スイッチが操作されて、ドライバモードが選択されていると、クラッチ46は解放状態となる。このため、中間シャフト29の回転運動はピストン41の往復運動には変換されない。したがって、先端工具12に打撃力は加えられない。これに対して、モード切替スイッチが操作されて、ハンマドライバモードが選択されていると、クラッチ46は係合状態となる。このため、中間シャフト29の回転運動は打撃力発生部45を介してピストン41の往復運動に変換される。打撃子42のOリング42aが通気孔41cよりも先端工具12側に位置しているときは、空気圧室43は通気孔41cを介してピストン41の外部と連通している。
先端工具12を被削部70に押付けると、打撃子42が図3において左側に動作する。すると、通気孔41cは打撃子42により閉じられる。ついで、ピストン41が図1で右方向に動作すると、空気圧室43の圧力が上昇し、打撃力が発生する。発生した打撃力は、打撃子42及び中間子44を経由して先端工具12に伝達される。したがって、先端工具12は、打撃される。なお、打撃子42が図1で右側に移動すると、通気孔41cが開かれて、空気圧室43が大気と連通して圧力が低下する。したがって、打撃力が低下して打撃子42は停止する。その後は、ピストン41の往復運動に伴い、上記の作用が繰り返される。
本実施形態の打撃工具10によれば、先端工具12を支持する工具本体であるケーシング13と、ケーシング13に設けられ、先端工具12に付与する打撃力を発生する打撃力発生部である打撃力発生部45と、ケーシング13に設けられ、打撃力によるケーシング13の振動を抑制する錘57及び弾性部材58を有する動吸振器59と、を備え、動吸振器59が、先端工具12が被削部70に押し当てられている負荷時と、押し当てられていない無負荷時とで異なる固有振動数に設定されているため、工具本体であるケーシング13を大型化することなく、負荷時及び無負荷時の双方で振動低減の効果が得られる。
また、動吸振器59が、負荷時よりも無負荷時の方が高い固有振動数に設定されているため、無負荷時の高い固有振動数の打撃工具10の振動を抑制することができる。動吸振器59の固有振動数が、負荷時、無負荷時のそれぞれにおいて、工具本体であるケーシング13の打撃振動数と概ね一致しているため、負荷時、無負荷時の何れにおいても振動低減の効果が得られる。更に、弾性部材58が、圧縮量に応じてばね定数が変化する非線形弾性部材であるため、簡単な構造で、負荷時及び無負荷時の双方において振動を低減することが可能となる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、前記実施の形態においては、打撃工具は、先端工具に打撃力を与えられるものであればよく、打撃工具は、先端工具を回転運動させることができない構成でもよい。また、打撃工具は、ハンマ専用モード、ドリル専用モード、ハンマドリルモードの3種類を切り替え可能な構成であってもよい。ハンマ専用モードは、先端工具に打撃力のみを与えるモードであり、ドリル専用モードは、先端工具に回転力のみを与えるモードであり、ハンマドリルモードは、先端工具に打撃力及び回転力を与えるモードである。また、先端工具は、ねじ部材を締め付けるためのドライバビットでもよい。さらに、先端工具は、コンクリート、石材等に穴あけ、ハツリを施すためのドリルビットでもよい。
さらに、ケーシングの内部に設けるファンは、軸流ファンでもよい。ウェイトに設ける空気の案内路には、孔の他、切り欠き、溝等が含まれる。さらに、打撃工具は、2つの中心線及び軸線が、垂直方向に沿った状態、水平方向に沿った状態、水平方向と垂直方向の間に沿った状態のうち、何れの状態で使用することもできる。さらに、ケーシングの振動を解析する基準は、ケーシングの重心に代えて、打撃工具の重心を用いることもできる。打撃工具の重心は、ケーシングの質量、ケーシングの内部に設けられた部品、機構、要素等の質量の総和質量の中心である。さらにまた、打撃工具は、電動モータに電力を供給するバッテリがケーシング内に収納される構造、またはケーシングにバッテリがカセット構造で取り付けられる構造であってもよい。
実施の形態では、錘57を挟んで両側に計2つの弾性部材58,58が配置されているが、各弾性部材58は、ピッチの異なる複数の弾性部材からなっていてもよく、或いは負荷時と無負荷時とで動吸振器を構成する弾性部材の数が変わることにより、異なる固有振動数を示すようになってもよい。図4に示す動吸振器59においては、狭いピッチPaのばね部と広いピッチPbのばね部とが分割され、複数の弾性部材になっており、狭いピッチPaのばね部が圧縮された状態になることにより、広いピッチPbのばね部のみとなり、弾性力を発揮する弾性部材の数が変わるようになっている。なお、狭いピッチPaのばね部と広いピッチPbのばね部との間にはスペーサが介在されていてもよい。
図5、図6に示す本発明の他の実施形態に係る打撃工具の動吸振器59は、負荷時(図5参照)と無負荷時(図6参照)とで動吸振器59を構成する弾性部材58の数が変わることにより、異なる固有振動数を示すようになっている。すなわち、中間子44に接続されたばね受け板60には打撃方向前方に延び、両端に鍔部80a,80bを有する円筒状のガイド筒体80が一体的に設けられ、このガイド筒体80には動吸振器59を構成する環状の錘57が往復動可能に遊嵌されている。そして、ガイド筒体80の両端の鍔部80a,80bと錘57の鍔部57aとの間には内側の一対のコイルバネ58a,58bが介設されている。また、ギヤカバー15の内周には錘57を挟んで軸受38と対向する内向きフランジ部71が設けられ、内向きフランジ部71と錘57の鍔部57aとの間及び軸受38と錘57の鍔部57aとの間と内向きフランジ部71と錘57の鍔部57aとの間には外側の一対のコイルバネ58c,58dが介設されている。
このように錘57の両端には、各々2つ、計4つのコイルバネ(線形弾性体)58a,58b,58c,58dが配置され、負荷時には図5に示すように一組計2つのコイルバネ58b,58cが圧縮状態となり、錘57と圧縮状態の計2つのコイルバネ58b,58cにより動吸振器が構成され、無負荷時には図6に示すように圧縮状態の二組計4つのコイルバネ58a,58b,58c,58dにより動吸振器が構成されるようになっている。従って、本実施の形態の打撃工具によっても、工具本体の大型化を招くことなく、負荷時及び無負荷時の双方で振動低減の効果を得ることができる。
なお、動吸振器を構成する弾性部材(非線形弾性部材)としては、円錐コイルばねであってもよい。
10 打撃工具
12 先端工具
13 ケーシング(工具本体)
45 打撃力発生部
57 錘
58 弾性部材
59 動吸振器
60 ばね受け板
61 復元用のばね
70 被削部

Claims (8)

  1. 先端工具を支持する工具本体と、
    前記工具本体に設けられ、前記先端工具に付与する打撃力を発生する打撃力発生部と、
    前記工具本体に設けられ、前記打撃力による前記工具本体の振動を抑制する弾性部材を有する動吸振器と、
    を備えた打撃工具であって、
    前記動吸振器が、前記先端工具が被削部に押し当てられている負荷時と、押し当てられていない無負荷時とで異なる固有振動数に設定されている、打撃工具。
  2. 前記動吸振器が、前記負荷時よりも前記無負荷時の方が高い固有振動数に設定されている、請求項1記載の打撃工具。
  3. 前記動吸振器の固有振動数が、負荷時、無負荷時のそれぞれにおいて、前記工具本体の打撃振動数と概ね一致している、請求項1記載の打撃工具。
  4. 前記弾性部材が、圧縮量に応じてばね定数が変化する非線形弾性部材である、請求項1〜3の何れか1項に記載の打撃工具。
  5. 前記弾性部材が、複数の弾性部材からなり、負荷時と無負荷時とで前記動吸振器を構成する弾性部材の数が変わることにより、異なる固有振動数を示す、請求項1〜3の何れか1項に記載の打撃工具。
  6. 前記動吸振器が、打撃力発生部からの打撃力を前記先端工具に伝達する中間子に設けられたばね受け板と、前記ばね受け板と工具本体内の対向部との間に軸方向に移動可能に設けられた錘と、前記錘を弾性支持する前記弾性部材とを有している、請求項1〜3の何れか1項に記載の打撃工具。
  7. 前記ばね受け板には前記弾性部材の付勢力に抗して前記先端工具を軸方向前方に付勢する復元用のばねが設けられている、請求項6に記載の打撃工具。
  8. 前記復元用のばねのばね圧力が、前記弾性部材の弾性力よりも大きい、請求項7に記載の打撃工具。
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