以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
(遊技機の構成)
次に、図1〜図4を参照して、遊技機1の構成について具体的に説明する。図1は本発明の遊技機1の正面図であり、図2は本発明のガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図3は1つの遊技機1の裏面側の斜視図である。図4はスピーカとマイクロホンの位置関係を示す斜視図である。
遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている(図1、図2参照)。また、外枠60には、遊技球200が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、スピーカからなる音声出力装置32と、複数のランプを有する演出用照明装置34と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35とが設けられている。
さらに、ガラス枠50には、複数の遊技球200を貯留する受け皿40が設けられており、この受け皿40は、操作ハンドル3の方向側に遊技球200が流下するように下りの傾斜を有している(図2参照)。この受け皿40の下りの傾斜の端部には、遊技球を受け入れる受入口が設けられており、この受入口に受け入れられた遊技球は、玉送りソレノイド4b(図4参照)が駆動することにより、ガラス枠50の裏面に設けられた玉送り開口部41へ1個ずつ送り出される。そして、玉送り開口部41へ送り出された遊技球は、打出部材4cの方向に向けて下り傾斜を有している発射レール42により、発射レール42の下り傾斜の端部に誘導される。発射レール42の下り傾斜の端部の上方には、遊技球を停留させる停止するストッパー43が設けられており、玉送り開口部41から送り出された遊技球200は、発射レール42の下り傾斜の端部で1個の遊技球が停留されることになる(図2参照)。
そして、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3に直結している発射ボリューム3b(図4参照)も回動し、発射ボリューム3bにより遊技球の発射強度が調整され、調整された発射強度で発射用ソレノイド4a(図4参照)に直結された打出部材4cが回転する。この打出部材4cが回転することで、打出部材4cにより発射レール42の下り傾斜の端部に貯留されている遊技球200が打ち出され、遊技球が遊技領域6に発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール42からレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
(遊技領域6の構成)
また、上記遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、上記遊技領域6の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14および第2始動口15と、遊技球が入球可能な第2大入賞口17とが設けられている。
この第2始動口15は、一対の可動片15bを有しており、これら一対の可動片15bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片15bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口15が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口15の真上に位置する第2大入賞口17の入賞部材が障害物となって、遊技球の受入れを不可能としている。一方で、第2始動口15が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
ここで、第1始動口14には遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14a(図4参照)が設けられ、第2始動口15には遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15a(図4参照)が設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出すると、特別図柄判定用乱数値等を取得し、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
また、第2大入賞口17は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。この第2大入賞口17の下部には、遊技盤面側からガラス板52側に突出可能な第2大入賞口開閉扉17bを有しており、この第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面側に突出する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される。そして、第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面に突出していると、遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。この第2大入賞口17には第2大入賞口検出スイッチ17a(図4参照)が設けられており、この第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらに、上記遊技領域6の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13と、遊技球が入球可能な第1大入賞口16とが設けられている。
このため、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、普通図柄ゲート13と第1大入賞口16とには遊技球が、通過または入賞しないように構成されている。特に、後述する時短遊技状態に移行したとしても、遊技領域6の左側の領域に遊技球を流下させてしまうと、普通図柄ゲート13に遊技球が通過しないことから、第2始動口15にある一対の可動片15bが開状態とならず、第2始動口15に遊技球が入賞することが困難になるように構成されている。
この普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13a(図4参照)が設けられており、このゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出すると、普通図柄判定用乱数値を取得し、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。
第1大入賞口16は、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16a(図4参照)が設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらには、遊技領域6の最下部であって遊技領域6の最下部の領域には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、液晶表示装置(LCD)31が設けられており、この液晶表示装置31の上方には、マスクの形をした可動部33bを備える演出用駆動装置33が設けられている。演出用駆動装置33は通常、装飾部33aに裏側に隠れている。
この液晶表示装置31は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄36が表示され、特定の演出図柄36の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。
より具体的には、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄36をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄36を停止表示するものである。また、この演出図柄36の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
上記演出用駆動装置33は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用駆動装置33は、例えば、ベルトが下方に移動したり、ベルト中央部の回転部材が回転したりする動作を行う。これら演出用駆動装置33の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。
また、図1において、演出ボタン35は、例えば、演出図柄の変動中に有効となる。演出ボタン35には、演出ボタン検出スイッチ35aが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ35aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じて動画の早送り表示が実行される。
遊技領域6の右下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25が設けられている。
上記第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
ここで、「大当たりの抽選」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
また、本実施形態において「大当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16または第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16または第2大入賞口17の最大開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16または第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16または第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できる遊技である。
なお、この大当たり遊技には、複数種類の大当たりが設けられているが、詳しくは後述する。
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、上記第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。より詳細には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。
これら両保留は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器24においても、上記と同様に第2保留の保留個数が表示される。
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、上記第1特別図柄保留表示器23および第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板52を支持している。なお、ガラス板52は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
またガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板52とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133も設けられている。
遊技機1の裏面には、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170に遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている。
(遊技機全体のブロック図)
次に、図4の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板110は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14a等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第1大入賞口開閉ソレノイド16c等を駆動させて遊技を制御するものである。
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)と少なくとも備えている。
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12a、普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ13a、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15a、第1大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17aが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の一対の可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口開閉扉17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル、普通図柄の抽選に参照される当り判定テーブル、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル(図7参照)、普通図柄の抽選に参照される当り判定テーブル(図7参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図8参照)、大当たり終了後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブル、大入賞口開閉扉の開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル(図9参照)、大入賞口開放態様テーブル(図10参照)特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル、等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM110cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、普通図柄データ記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタ、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタなど各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ35a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。サブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄36の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等がサブROM120bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板120のサブRAM120cは、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ131が接続されている。払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ131を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板140は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置34を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用駆動装置33を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板140は、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120から送信された各種コマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板150は、上記液晶表示装置31および音声出力装置32と接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンド(例えばキャラB演出実行コマンド)に基づいて、液晶表示装置31における画像の表示制御、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。
画像制御基板150の詳しい説明は、図5の画像制御基板のブロック図を用いて後述する。
発射制御基板160は、遊技球の発射制御を行う。この発射制御基板160は、入力側にタッチセンサ3aおよび発射ボリューム3bが接続されており、出力側に発射用ソレノイド4aおよび玉送りソレノイド4bを接続している。発射制御基板160は、タッチセンサ3aからのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム3bから供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aや玉送りソレノイド4bを通電させる制御を行う。
待機
タッチセンサ3aは、操作ハンドル3の内部に設けられ、遊技者が操作ハンドル3に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成される。タッチセンサ3aは、遊技者が操作ハンドル3に触れたことを検知すると、発射制御基板160(図4参照)に発射用ソレノイド4aの通電を許可するタッチ信号を出力する。発射制御基板160は、大前提としてタッチセンサ3aからタッチ信号の入力がなければ、遊技球200を遊技領域6に発射させないように構成されている。
発射ボリューム3bは、操作ハンドル3が回動する回動部に直結して設けられ、可変抵抗器から構成される。発射ボリューム3bは、その発射ボリューム3bに印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板160に供給する(発射制御基板160に供給する電圧を可変させる)。発射制御基板160は、発射ボリューム3bにより分圧された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aを通電して、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cを回転させることで、遊技球200を遊技領域6に発射させる。
発射用ソレノイド4aは、ロータリーソレノイドから構成され、発射用ソレノイド4aには打出部材4cが直結されており、発射用ソレノイド4aが回転することで、打出部材4cを回転させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板160に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
玉送りソレノイド4bは、直進ソレノイドから構成され、受け皿40にある遊技球を、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cに向けて1個ずつ送り出す。
(画像制御基板のブロック図)
次に、図5の画像制御基板150のブロック図を用いて、画像表示制御について説明する。
画像制御基板150は、液晶表示装置31の画像表示制御を行うためホストCPU150a、ホストRAM150b、ホストROM150c、CGROM151、水晶発振器152、VRAM153、VDP(Video Display Processor)2000と、音声制御回路3000とを備えている。
ホストCPU150aは、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンド(例えばキャラB演出実行コマンド)に基づいて、VDP2000にCGROM151に記憶されている画像データを液晶表示装置31に表示させる指示を行う。かかる指示は、VDP2000における制御レジスタ2010におけるデータの設定、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの出力によって行われる。
また、ホストCPU150aは、VDP2000からVブランク割込信号や描画終了信号を受信すると、適宜割り込み処理を行う。
さらに、ホストCPU150aは、音声制御回路3000にも、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置32に出力させる指示を行う。
ホストRAM150bは、ホストCPU150aに内蔵されており、ホストCPU150aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、ホストROM150cから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。また、ホストRAM150bの記憶領域には、演出タイマカウンタ等の各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
また、ホストROM150cは、マスクROMで構成されており、ホストCPU150aの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている(図26〜図37参照)。
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法等などの情報を記憶している。
CGROM151は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。なお、前記画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。
さらに、CGROM151には、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM151は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
水晶発振器152は、パルス信号をVDP2000(クロック生成回路2050)に出力し、このパルス信号を分周することで、クロック生成回路2050にてVDP2000が制御を行うためのシステムクロック、液晶表示装置31と同期を図るための同期信号等が生成される。
VRAM153は、画像データの書込みまたは読み出しが高速なSRAMで構成されている。
また、VRAM153は、ホストCPU150aから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するディスプレイリスト記憶領域153aと、伸長回路2060により伸長された画像データを記憶する展開記憶領域153bと、画像を描画または表示するための第1フレームバッファ153c、第2フレームバッファ153dとを有している。また、VRAM153には、パレットデータも記憶される。
なお、この2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。
VDP2000は、いわゆる画像プロセッサであり、ホストCPU150aからの指示に基づいて、いずれかのフレームバッファ(表示用フレームバッファ)から画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいて、映像信号(RGB信号等)を生成して、液晶表示装置に出力するものである。
また、VDP2000は、制御レジスタ2010と、CGバス I/F2020と、CPU I/F2030と、クロック生成回路2050と、伸長回路2060と、描画回路2070と、表示回路2080と、メモリコントローラ2090とを備えている。
制御レジスタ2010は、VDP2000が描画や表示の制御を行うためレジスタであり、制御レジスタ2010に対するデータの書き込みと読み出しで、描画の制御や表示の制御が行われる。ホストCPU150aは、CPU I/F2030を介して、制御レジスタ2010に対するデータの書き込みと読み出しを行うことができる。
この制御レジスタ2010は、VDPが動作するために必要な基本的な設定を行うシステム制御レジスタと、データの転送に必要な設定をするデータ転送レジスタと、描画の制御をするための設定をする描画レジスタと、バスのアクセスに必要な設定をするバスインターフェースレジスタと、圧縮された画像の伸長に必要な設定をする伸長レジスタと、表示の制御をするための設定をする表示レジスタと、6種類のレジスタを備えている。
この制御レジスタの構成については、図6を用いて後述する。
CGバス I/F2020は、CGROM151との通信用のインターフェース回路であり、CGバス I/F2020を介して、CGROM151からの画像データがVDP2000に入力される。
また、CPU I/F2030は、ホストCPU150aとの通信用のインターフェース回路であり、CPU I/F2030を介して、ホストCPU150aがVDP2000にディスプレイリストを出力したり、制御レジスタにアクセスしたり、VDP2000からの各種の割込信号をホストCPU150aが入力したりする。
データ転送回路2040は、各種デバイス間のデータ転送を行う。
具体的には、ホストCPU150aとVRAM153とのデータ転送、CGROM151とVRAM153とのデータ転送、VRAM153の各種記憶領域(フレームバッファも含む)の相互間のデータ転送を行う。
クロック生成回路2050は、水晶発振器152よりパルス信号を入力し、VDP2000の演算処理速度を決定するシステムクロックを生成する。また、同期信号生成用クロックを生成し、表示回路を介して同期信号を液晶表示装置に出力する。
伸長回路2060は、CGROM151に圧縮された画像データを伸長するための回路であり、伸長した画像データを展開記憶領域153bに記憶させる。
描画回路2070は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストによるシーケンス制御を行う回路である。
表示回路2080は、VRAM153にある「表示用フレームバッファ」に記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像の色データを示すRGB信号(アナログ信号)を生成し、生成した映像信号(RGB信号)を液晶表示装置31に出力する回路である。さらに、表示回路2080は、液晶表示装置31と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も液晶表示装置31に出力する。
なお、本実施形態では、映像信号として、デジタル信号をアナログ信号に変換したRGB信号を液晶表示装置31に出力するように構成したが、デジタル信号のまま映像信号を出力してもよい。
メモリコントローラ2090は、ホストCPU150aからフレームバッファ切換えの指示があると、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とを切り替える制御を行うものである。
音声制御回路3000には、音声データが多数格納されている音声ROMが備えられており、音声制御回路が、演出制御基板120から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声出力制御をする。
(VDP2000における制御レジスタの構造図)
ここで、図6を参照して、VDP2000に備えられた制御レジスタ2010の構成について説明する。図6は、VDP2000における制御レジスタ2010の代表的なデータを取得して示した構造図である。
上述した通り、制御レジスタ2010は、システム制御レジスタ、データ転送レジスタ、描画レジスタ、バスインターフェースレジスタ、伸長レジスタ、表示レジスタとの6種類のレジスタを備えているが、図6は、システム制御レジスタ、描画レジスタ、伸長レジスタ、表示レジスタの代表的なデータを取得して示した構造図である。
図6(a)は、システム制御レジスタの0〜1bit目を取得した構造図である。システム制御レジスタの0bit目が、Vブランク割込信号を出力させることを指示するデータであり、システム制御レジスタの1bit目が、描画終了割込信号を出力させることを指示するデータである。これらのシステム制御レジスタの0〜1bit目が、「割込レジスタ」に該当する。
具体的には、クロック生成回路2050により1/60秒(約16.6ms)毎にVブランク割込信号(垂直同期信号)が生成され、かかるVブランク割込信号が生成される毎にシステム制御レジスタの0bit目に1がセットされる。また、描画回路2070は、描画が終了すると、システム制御レジスタの1bit目に1をセットする。
そして、これらの「割込レジスタ」に1がセットされると、CPU I/F2030はVブランク割込信号または描画終了割込信号をホストCPU150aに出力する。なお、CPU I/F2030は、各種割込信号を出力後には、各種割込レジスタの対応するbitに0をセットする。
図6(b)は、描画レジスタの0bit目を取得した構造図である。描画レジスタの0bit目は、描画回路2070に描画の実行開始を指示するデータである。
具体的には、ホストCPU150aは、CPU I/F2030を介して、描画レジスタの0bit目に1をセットして、描画回路2070に描画の実行開始を指示する。描画回路2070は、描画を開始すると、描画レジスタの0bit目に0をセットする。
図6(c)は、伸長レジスタの0〜1bit目を取得した構造図である。伸長レジスタの0bit目は、伸長回路2060に圧縮された画像の伸長開始を指示するデータである。また、伸長レジスタの1bit目は、伸長回路2060の伸長実行状態を示すデータである。
具体的には、描画回路2070は、ホストCPU150aから出力されたディスプレイリストを解析し、使用する画像データがVRAM153の展開記憶領域153bに存在しないと、伸長レジスタの0bit目に1をセットして、伸長回路2060に使用する画像データの伸長を開始させて展開記憶領域153bに記憶させる指示を行う。伸長回路2060は、伸長を開始すると、伸長レジスタの0bit目に0をセットする。
また、伸長回路2060は、伸長を実行している間は伸長レジスタの1bit目に1をセットし、圧縮された画像の伸長が終了すると伸長レジスタの1bit目に0をセットする。
図6(d)は、表示レジスタの0〜1bit目を取得した構造図である。表示レジスタの0bit目は、表示回路2080に映像信号を出力させることを指示するデータであり、表示レジスタの1bit目は、VRAM153のフレームバッファを指定するデータである。
具体的には、ホストCPU150aは、電源投入時に、CPU I/F2030を介して、表示レジスタの0bit目に1をセットして、表示回路2080に映像信号を作成して出力させることを指示する。これにより、表示回路2080は、指定されている「表示用フレームバッファ」にある画像データに基づいて、映像信号を生成して液晶表示装置31に出力する。
また、ホストCPU150aは、Vブランク割込信号を入力したときに描画が終了していれば、CPU I/F2030を介して、表示レジスタの1bit目に1を加算して、メモリコントローラ2090に「表示用フレームバッファ」と「描画用フレームバッファ」とを切り替える指示を与える。すなわち、描画の終了毎に、表示レジスタの1bit目が1加算されていくので、「0→1→0→1→・・・・・」と切り替わっていく。
以上の図6に示すレジスタの構造図は、あくまで制御レジスタ2010の代表的なデータを取得したものに過ぎず、より詳細なデータが存在することはいうまでもない。
次に、図7〜図8を参照して、メインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
(大当たり判定テーブル)
図7(a−1)、図7(a−2)は、「大当たりの抽選」に用いられる大当り判定テーブルを示す図である。図7(a−1)は、第1特別図柄表示装置20において参照される大当り判定テーブルであり、図7(a−2)は、第2特別図柄表示装置21において参照される大当り判定テーブルである。図7(a−1)と図7(a−2)とのテーブルでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たり確率は同一である。
具体的には、大当り判定テーブルは、現在の確率遊技状態と取得された特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図7(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であるときには、「7」、「8」という2個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。一方、高確率遊技状態であるときには、「7」〜「26」の20個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。
また、図7(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても、特別図柄判定用乱数値が「50」、「100」、「150」、「200」の4個の特別図柄判定用乱数値であった場合に「小当たり」と判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜598であるから、低確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/299.5であり、高確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は10倍アップして1/29.9である。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりと判定される確率は、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても1/149.75となる。
(当たり判定テーブル)
図7(b)は、「普通図柄の抽選」に用いられる当り判定テーブルを示す図である。
具体的には、当たり判定テーブルは、時短遊技状態の有無と取得された普通図柄判定用乱数値に基づいて、「当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図7(b)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、「0」という1個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、「0」〜「65534」の65535個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、普通図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜65535であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/65536であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は65535/65536=1/1.00002である。
(図柄決定テーブル)
図8は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。
図8(a)は、大当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図8(b)は、小当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図8(c)は、ハズレのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルである。
具体的には、図8に示す図柄決定テーブルによれば、特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等とに基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。
例えば、第1特別図柄表示装置においては、大当たりのときには図8(a)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された大当たり図柄用乱数値が「55」であれば、停止図柄データとして「03」(特別図柄3(第1確変大当たり3))を決定する。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりのときには図8(b)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された小当たり図柄用乱数値が「50」であれば、停止図柄データとして「08」(特別図柄B(小当たりB))を決定する。また、ハズレのときには、いずれの乱数値も参照せずに、停止図柄データとして「00」(特別図柄0(ハズレ))を決定する。
そして、特別図柄の変動開始時には、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、特別図柄の情報としての演出図柄指定コマンドが生成される。ここで、演出図柄指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンド等についても同様である。
なお、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり遊技終了後の遊技状態、大当たり遊技の種類(図9参照)が決定されることから、特別図柄の種類が大当たり遊技終了後の遊技状態と大当たり遊技の種類を決定するものといえる。
(変動パターン決定テーブル)
図11は、メインROM110bに記憶され、特別図柄の停止図柄を決定する変動パターン決定テーブルを示す図である。
具体的には、図11に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルによって、作動する特別図柄表示装置(遊技球が入賞した始動口の種別)、大当たりの判定結果、停止する特別図柄、特別図柄保留数(U1またはU2)、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンが決定される。そして、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間が決定されるとともに、演出制御基板120に特別図柄の情報を送信する特別図柄の変動パターン指定コマンドが生成される。従って、「特別図柄の変動パターン」とは、少なくとも大当たりの判定結果及び特別図柄の変動時間を定めるものといえる。また、大当たりまたは小当たりのときには、必ずリーチを行うように構成しているため、大当たりまたは小当たりのときにはリーチ判定用乱数値を参照しないように構成されている。なお、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値は、乱数範囲が100個(0〜99)に設定されている。
ここで、特別図柄の変動パターン指定コマンドは、コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示す1バイトのDATAデータとから構成されている。そして、MODEデータとして「E6H」であるときには第1始動口14に遊技球が入賞したことに対応する(第1特別図柄表示装置20の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示し、MODEデータとして「E7H」であるときには、第2始動口15に遊技球が入賞したことに対応する(第2特別図柄表示装置21の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示している。
また、図11に示す特別図柄の変動パターン2、8、12、18においては、変動時間が40000ms(40秒)に設定され、リーチ状態から後述する1尺のキャラクタB遭遇演出が実行される。
図11に示す特別図柄の変動パターン3、9、13、19においては、変動時間が50000ms(50秒)に設定され、リーチ状態から後述する2尺のキャラクタB遭遇演出が実行される。
次に、図12を参照して、サブROM120bに記憶されている変動演出パターン決定テーブルの詳細について説明する。
(変動演出パターン決定テーブル)
図12は、液晶表示装置31等においての演出図柄36の変動態様を決定するための変動演出パターン決定テーブルを示す図である。
サブCPU120aは、主制御基板110から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンド及び演出用乱数値1に基づいて、変動演出パターンを決定する。ここで、同じ特別図柄の変動パターン指定コマンドであっても演出用乱数値1に基づいて、異なる変動演出パターンが決定可能に構成されていることから、特別図柄の変動パターン指定コマンドの数を減少させて、主制御基板110における記憶容量の削減を図っている。
なお、「変動演出パターン」とは、特別図柄の変動中に行われる演出手段(液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34)における具体的な演出態様をいう。例えば、液晶表示装置31においては、変動演出パターンによって表示される背景の表示態様、キャラクタの表示態様、演出図柄36の変動態様が決定される。また、本実施形態でいう「リーチ」とは、特別遊技に移行することを報知する演出図柄36の組合せの一部が停止表示され、他の演出図柄36が変動表示を行っている状態をいう。例えば、大当たり遊技に移行することを報知する演出図柄36の組合せとして「777」の3桁の演出図柄36の組み合わせが設定されている場合に、2つの演出図柄36が「7」で停止表示され、残りの演出図柄36が変動表示を行っている状態をいう。
サブCPU120aは、変動演出パターンを決定すると、決定した変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを画像制御基板150のホストCPU150aに送信する。
具体的には、演出パターン指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。
本実施形態において、サブCPU120aは、変動パターン2(図11参照)に対応する変動パターン指定コマンド(MODE=E6H、DATA=02H)を受信した場合、抽選により変動演出パターン2または3が選択される。変動演出パターン2においては、リーチ中にキャラクタBに1回遭遇し、この後、大当たりが報知される演出が実行される。変動演出パターン3においては、リーチ中にキャラクタBに2回遭遇し、この後、大当たりが報知される演出が実行される。
変動パターン3(図11参照)に対応する変動パターン指定コマンド(MODE=E6H、DATA=03H)を受信した場合、抽選により変動演出パターン4乃至7のいずれか一つが選択される。変動演出パターン4においては、リーチ中にキャラクタBに2回遭遇し、この後、大当たりが報知される演出が実行される。変動演出パターン5においては、リーチ中の遅いタイミングでキャラクタBに3回遭遇し、この後、大当たりが報知される演出が実行される。変動演出パターン6においては、リーチ中の早いタイミングでキャラクタBに3回遭遇し、この後、大当たりが報知される演出が実行される。変動演出パターン7においては、リーチ中にキャラクタBに4回遭遇し、この後、大当たりが報知される演出が実行される。
図示は省略するが、演出パターン指定コマンドは、変動演出パターンに対応するもの以外にも、MODEの設定値を変化させて、「デモ演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=01H)」、「当たり開始演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=02H)」、「大当り演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=03H)」、「当たり終了演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=04H)」等の各種の演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
(遊技状態の説明)
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施形態においては、大当たりの抽選に関する状態として「低確率遊技状態」と「高確率遊技状態」とを有し、第2始動口15が有する一対の可動片15bに関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。この大当たりの抽選に関する状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)と一対の可動片15bに関する状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。つまり、
(1)「低確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、
(2)「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合と、
(3)「高確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、
(4)「高確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合とを設けることが可能になる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本実施形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
本実施形態において「低確率遊技状態」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が1/299.5に設定された遊技状態をいう。これに対して「高確率遊技状態」というのは、上記大当たりの当選確率が1/29.95に設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、大当たりに当選しやすいこととなる。なお、この高確率遊技状態のときには、後述する高確率遊技フラグがセットされており、低確率遊技状態のときには、高確率遊技フラグがオフになっている。
また、低確率遊技状態から高確率遊技状態に変更するのは、後述する大当たり遊技を終了した後である。
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、普通図柄ゲート13を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから29秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、第2始動口15が約0.2秒間、第2の態様に制御される。
これに対して「時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が1/65536に設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が65535/65536に設定される。なお、この時短遊技状態のときには、後述する時短遊技フラグがセットされており、非時短遊技状態のときには、時短遊技フラグがオフになっている。
したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、普通図柄ゲート13を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動口15が第2の態様に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技者が遊技球を消費せずに遊技を進行することが可能となる。
また、普通図柄ゲート13が第2の遊技領域6Rのみからなる第2の専用領域(遊技領域6の右側の領域)に設けられていることから、「時短遊技状態」のときには、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い発射強度で遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。
なお、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
(大当たり遊技の種類の説明)
本実施形態においては、第1大入賞口16を長い開放時間で開放させる「長当たり遊技」と、第2大入賞口17を短い開放時間で開放させる「短当たり遊技」と、第2大入賞口17を短い開放時間で開放させてから、長い開放時間で開放させる「発展当たり遊技」との3種類の「大当たり遊技」と、1種類の「小当たり遊技」とが設けられている。なお、本実施形態においては、「大当たり遊技」と上記「小当たり遊技」とを総称して「特別遊技」という。
本実施形態において「長当たり遊技」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、長大当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「長当たり遊技」においては、第1大入賞口16が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16の最大開放時間は最大29秒に設定されており、この間に第1大入賞口16に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「長当たり遊技」は、第1大入賞口16に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な特別遊技である。また、第1大入賞口16は、遊技領域6の右側の領域に設けられていることから、「長当たり遊技」のときには、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い発射強度で遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。
本実施形態において「短当たり遊技」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、短当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「短当たり遊技」においては、第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第2大入賞口17の最大開放時間は、最大0.052秒に設定されており、1個の遊技球が発射される発射時間(約0.6秒)よりも短くなっている。この間に第2大入賞口17に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるが、上記のとおり第2大入賞口17の開放時間が極めて短いため、遊技球が入球することはほとんどない。つまり、「短当たり遊技」は、「長当たり遊技」とは異なり、賞球の獲得が困難な特別遊技である。
本実施形態において「発展当たり遊技」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、発展当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「発展当たり遊技」においては、第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。初回のラウンド遊技において、第2大入賞口17の開放時間が短い開閉動作を複数回実行した後、第2大入賞口17の開放時間が長い開閉動作を行う。2ラウンド遊技以降の第2大入賞口17の最大開放時間は29秒に設定されており、この間に第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「発展当たり遊技」は、当初は第2大入賞口17の開放時間が短い開閉動作を繰り返した後、第2大入賞口17の開放時間が長い開閉動作を繰り返している間には、第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な遊技である。
本実施形態において「小当たり遊技」というのは、第1始動口14もしくは第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技をいう。
「小当たり遊技」においても、上記「短当たり遊技」と同様、第2大入賞口17が15回開放される。このときの第2大入賞口17の開放時間、開閉タイミング、開閉態様は、上記「短当たり遊技」と同じか、または、遊技者が「小当たり遊技」と「短当たり遊技」との判別を不能もしくは困難な程度に近似するように設定している。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板のメイン処理)
図13を用いて、主制御基板110のメイン処理を説明する。
電源基板170により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU110aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
ステップS20において、メインCPU110aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するためのリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値の更新を行う演出用乱数値更新処理を行う。
ステップS30において、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図14を用いて、主制御基板110のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタから1を減算する処理を行う。
ステップS120において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、普通図柄判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数値及び乱数カウンタを×1加算して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを0に戻し、その時の初期乱数値からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
ステップS130において、メインCPU110aは、ステップS30と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う。
ステップS200において、メインCPU110aは、入力制御処理を行う。
この処理において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15a、ゲート検出スイッチ13aの各スイッチに入力があったか否か判定する入力処理を行う。
具体的には、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15aからの各種検出信号を入力した場合には、ぞれぞれの入賞口毎に設けられた賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
さらに、第1始動口検出スイッチ14aから検出信号を入力した場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第1特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
同様に、第2始動口検出スイッチ15aから検出信号を入力した場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第2特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
また、ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に1を加算し、普通図柄判定用乱数値を取得して、取得した普通図柄判定用乱数値を普通図柄保留記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
さらに、第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aからの検出信号を入力した場合には、第1大入賞口16または第2大入賞口17に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球数(C)記憶領域に1を加算して更新する。
ステップS300において、メインCPU110aは、大当たりの抽選、特別電動役物、遊技状態の制御を行うための特図特電制御処理を行う。詳しくは、図15を用いて後述する。
ステップS400において、メインCPU110aは、普通図柄の抽選、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う。
具体的には、まず普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定し、普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていなければ、今回の普図普電制御処理を終了する。
普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、普通図柄保留記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた普通図柄判定用乱数値は上書きされて消去されることとなる。
そして、図7(b)に示す当たり判定テーブルを参照し、普通図柄保留記憶領域の第0記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理を行う。その後、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行って、普通図柄の変動時間が経過すると普通図柄の抽選の結果に対応する普通図柄の停止表示を行う。そして、参照した普通図柄判定用乱数値が「当たり」のものであれば、始動口開閉ソレノイド15cを駆動させ、第2始動口15を所定の開放時間、第2の態様に制御する。
ここで、非時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を29秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を0.2秒間、第2の態様に制御する。これに対して、時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を0.2秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を3.5秒間、第2の態様に制御する。
ステップS500において、メインCPU110aは、払出制御処理を行う。
この払出制御処理において、メインCPU110aは、ぞれぞれの賞球カウンタを参照し、各種入賞口に対応する払出個数指定コマンドを生成して、生成した払出個数指定コマンドを払出制御基板130に送信する。
ステップS600において、メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
ステップS700において、メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。
また、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21および普通図柄表示装置22の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。
さらに、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板120に送信するコマンド送信処理も行う。なお、演出制御基板120に送信されるコマンドの種別については、図17を用いて後述する。
ステップS800において、メインCPU110aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる。
(主制御基板の特図特電制御処理)
図15を用いて、主制御基板110の特図特電制御処理を説明する。
まず、ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当り遊技終了処理(ステップS350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば小当り遊技処理(ステップS360)に処理を移す。
この「特図特電処理データ」は、後述するように特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
ステップS310の特別図柄記憶判定処理においては、メインCPU110aは、大当たり判定処理、停止表示する特別図柄の決定をする特別図柄決定処理、特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定処理等を行う。ここで、図16を用いて、特別図柄記憶判定処理の具体的な内容を説明する。
(主制御基板の特別図柄記憶判定処理)
図16は、主制御基板110の特別図柄記憶判定処理を示す図である。
まず、ステップS311において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定する。
そして、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のいずれの記憶領域にも1以上のデータがセットされていなければ、特図特電処理データ=0を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。
一方、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、ステップS312に処理を移す。
ステップS312において、メインCPU110aは、大当たり判定処理を行う。
具体的には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第2特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、図7(a−2)に示す大当たり判定テーブルを参照して、第2特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
また、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされておらず、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第1特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このときにも、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、図7(a−1)に示す大当たり判定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
本実施形態では、第1特別図柄乱数値記憶領域よりも第2特別図柄乱数値記憶領域に記憶された乱数値が優先してシフト(消化)されることになる。しかしながら、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
ステップS313において、メインCPU110aは、停止表示する特別図柄の種類を決定するための特別図柄決定処理を行う。
この特別図柄決定処理では、上記大当り判定処理(ステップS312)において「大当たり」と判定された場合には、図8(a)に示す図柄決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された大当たり図柄用乱数値に基づいて大当たり図柄(特別図柄1〜特別図柄6)を決定する。また、上記大当り判定処理(ステップS312)において「小当たり」と判定された場合には、図8(b)に示す図柄決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された小当たり図柄用乱数値に基づいて小当たり図柄(特別図柄A、特別図柄B)を決定する。また、上記大当り判定処理(ステップS312)において「ハズレ」と判定された場合には、図8(c)に示す図柄決定テーブルを参照して、ハズレ図柄(特別図柄0)を決定する。
そして、決定した特別図柄に対応する停止図柄データを停止図柄データ記憶領域に記憶する。
ステップS314において、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間決定処理を行う。
具体的には、変動パターン決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶されたリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。その後、決定した特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を決定する。そして、決定した特別図柄の変動時間に対応するカウンタを特別図柄時間カウンタにセットする処理を行う。このような処理を行うことで、大当たりの抽選の一回の判定結果(特別図柄の判定結果)に対応した演出時間は、特別図柄の変動時間(変動態様)に対応しており、当該判定の直後に決定する。
ステップS315において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための変動表示データを所定の処理領域にセットする。これにより、所定の処理領域に変動表示データがセットされていると、上記ステップS600でLEDの点灯または消灯のデータが適宜作成され、作成されたデータがステップS700において出力されることで、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動表示が行われる。
さらに、メインCPU110aは、特別図柄の変動表示が開始されるときに、上記ステップS314で決定された特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動パターン指定コマンド(第1特別図柄用変動パターン指定コマンドまたは第2特別図柄用変動パターン指定コマンド)をメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS316において、メインCPU110aは、特図特電処理データ=0から特図特電処理データ=1にセットして、特別図柄変動処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄記憶判定処理を終了する。
再び、図15に示す特図特電制御処理について説明を戻すことにする。
ステップS320の特別図柄変動処理においては、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する処理を行う。
具体的には、ステップS314で決定された特別図柄の変動時間が経過したか(特別図柄時間カウンタ=0)否かを判定し、特別図柄の変動時間が経過していないと判定した場合には、特図特電処理データ=1を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。なお、上記ステップS314でセットされた特別図柄の変動時間のカウンタは、上記ステップS110において減算処理されていく。
特別図柄の変動時間が経過したと判定すれば、上記ステップS313で決定された特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させる。これにより、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
また、時短回数(J)>0のときには時短回数(J)カウンタから1を減算して更新し、時短回数(J)=0となれば、時短遊技フラグをクリアし、高確率遊技回数(X)>0のときには高確率遊技回数(X)カウンタから1を減算して更新し、高確率遊技回数(X)=0となれば、高確率遊技フラグをクリアする。
最後に、特図特電処理データ=1から特図特電処理データ=2にセットして、特別図柄停止処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄変動処理を終了する。
ステップS330の特別図柄停止処理においては、メインCPU110aは、停止表示された特別図柄が「大当たり図柄」であるか、「小当たり図柄」であるか、「ハズレ図柄」であるかを判定する処理を行う。
そして、大当たり図柄と判定された場合には、遊技状態記憶領域に記憶されているデータを参照し、現在の遊技状態を示すデータ(00H〜03H)を遊技状態バッファにセットする。その後に、高確率遊技フラグ記憶領域および時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているデータ(高確率遊技フラグと時短遊技フラグ)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタをクリアする。さらに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=3にセットして、大当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
また、小当たり図柄と判定された場合には、遊技状態記憶領域に記憶されているデータはクリアせずに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=5にセットして、小当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
一方、ハズレ図柄と判定された場合には、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS340の大当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、上記長当たりまたは短当たりのいずれの大当たりを実行させるかを決定し、決定した大当たりを制御する処理を行う。
具体的には、まず図9に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照し、上記ステップS313で決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大当たりの開放態様を決定する(長当たりTBL、短当たりTBLまたは発展当たりTBLを決定する)。
次に、決定した大当たりの開放態様を実行させるために図10(a)に示す大入賞口開放態様テーブルを参照し、大当たりの種類に応じた開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(または第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データを出力して第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を開放させる。このとき、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に1を加算する。
この開放中に規定個数の遊技球が入球するか、大入賞口の開放時間が経過すると(大入賞口入球数(C)=9または特別遊技タイマカウンタ=0である)と、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(または第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データの出力を停止して第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を閉鎖させる。これにより、1回のラウンド遊技が終了する。このラウンド遊技の制御を繰り返し15回行う。
15回のラウンド遊技が終了すると(ラウンド遊技回数(R)=15)、ラウンド遊技回数(R)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=3から特図特電処理データ=4にセットして、大当り遊技終了処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当たり遊技処理を終了する。
ステップS350の大当り遊技終了処理においては、メインCPU110aは、高確率遊技状態または低確率遊技状態のいずれかの確率遊技状態を決定するとともに、時短遊技状態または非時短遊技状態のいずれかの遊技状態を決定する処理を行う。
具体的には大当たり遊技終了時設定データテーブルを参照し、遊技状態バッファに記憶されているデータと上記ステップS313で決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)とに基づいて、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短回数(J)の設定を行う。例えば、特別図柄1であれば、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグをセットし、高確率遊技回数(X)カウンタに10000回をセットする。さらに、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットし、時短回数(J)カウンタにも10000回をセットする。
その後、特図特電処理データ=4から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当り遊技終了処理を終了する。
ステップS360の小当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、まず図9に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照し、上記ステップS313で決定された小当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、小当たりの開放態様を決定する。
次に、決定した小当たりの開放態様を実行させるために図10(b)に示す大入賞口開放態様テーブルを参照し、小当たりの開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データを出力して第2大入賞口開閉扉17bを開放させる。このとき、開放回数(K)記憶領域に1を加算する。
小当たりの開放時間が経過する(特別遊技タイマカウンタ=0)と、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止して第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖させる。この第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御を繰り返し15回行う。
そして、第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御が15回行われるか、第2大入賞口17に規定個数の遊技球が入球する(開放回数(K)=15または大入賞口入球数(C)=9である)と、小当たり遊技を終了させるため、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止させ、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=5から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、小当たり遊技処理を終了する。
(コマンドの説明)
上述の主制御基板110におけるフローチャートでは一部説明を省略した主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドの種別について、図17を用いて説明する。
主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEの情報と、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAの情報とから構成されている。
「演出図柄指定コマンド」は、停止表示される特別図柄の種別を示すものであり、「MODE」が「E0H」で設定され、特別図柄の種別に合わせてDATAの情報が設定されている。なお、特別図柄の種別が結果的に大当たりの種別や高確率遊技状態を決定するものであるから、演出図柄指定コマンドは、大当たりの種別や、遊技状態を示すものともいえる。
この演出図柄指定コマンドは、各種の特別図柄が決定され、特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS313において各種の特別図柄が決定され、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている演出図柄指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第1特別図柄記憶指定コマンド」は、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E1H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄記憶指定コマンドは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS200(orS230)または上記ステップS312において第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第2特別図柄記憶指定コマンド」は、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E2H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄記憶指定コマンドは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS200(orS240)または上記ステップS312において第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
なお、本実施形態では、「第1特別図柄記憶指定コマンド」と「第2特別図柄記憶指定コマンド」とをまとめて「特別図柄記憶指定コマンド」という。
「図柄確定コマンド」は、特別図柄が停止表示されていることを示すものであり、「MODE」が「E3H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この図柄確定コマンドは、特別図柄が停止表示されているときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS320において特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させるときに、図柄確定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている図柄確定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「電源投入時指定コマンド」は、遊技機1の電源が投入されたことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この電源投入時指定コマンドは、遊技機1の電源が投入されたときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS10において遊技機の電源が投入されたときに、電源投入時指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている電源投入時指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「RAMクリア指定コマンド」は、メインRAM110cに記憶された情報がクリアされたことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「01H」に設定されている。
ここで、遊技機1の裏側には図示しないRAMクリアボタンが設けられており、RAMクリアボタンを押圧しながら、遊技機1の電源を投入すると、上記ステップS10においてメインRAM110cに記憶された情報がクリアされる。
そして、RAMクリア指定コマンドは、RAMクリアボタンを押圧しながら遊技機1の電源が投入されたときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS10においてRAMクリアボタンを押圧しながら遊技機の電源が投入されたときに、RAMクリア指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているRAMクリア指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「電源復旧指定コマンド」は、遊技機1の電源が投入されて、正常に復旧したことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「02H〜05H」に設定されている。また、電源復旧指定コマンドは、電源復旧時の遊技状態も示しており、電源復旧時の遊技状態が「低確率遊技状態かつ非時短遊技状態」であれば「DATA」が「02H」に設定され、「低確率遊技状態かつ時短遊技状態」であれば「DATA」が「03H」に設定され、「高確率遊技状態かつ非時短遊技状態」であれば「DATA」が「04H」に設定され、「高確率遊技状態かつ時短遊技状態」であれば「DATA」が「05H」に設定される。
この電源復旧指定コマンドは、遊技機1の電源が投入されて、正常に復旧したときに演出制御基板120に送信される。具体的には、遊技機の電源が投入されると、電源投入時にメインRAM110cのチェックサムを作成し、作成した電源投入時のメインRAM110cのチェックサムと電断時のメインRAM110cのチェックサムとを比較する。ここで、チェックサムが一致していれば正常に復旧したものと判定し、遊技状態に応じて電源復旧指定コマンドを生成し、生成した電源復旧指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている電源投入時指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「デモ指定コマンド」は、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21が作動していないことを示すものであり、「MODE」が「E5H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
このデモ指定コマンドは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の特別図柄の保留記憶がないときに、演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS311において第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のいずれの記憶領域にも1以上のデータがセットされていないときに、デモ指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているデモ指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E6H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第1特別図柄表示装置20の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS314において特別図柄の変動パターンが決定され、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E7H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第2特別図柄表示装置21の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。
具体的には、上記ステップS314において特別図柄の変動パターンが決定され、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
なお、本実施形態では、「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」と「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」とをまとめて、「変動パターン指定コマンド」という。
「大入賞口開放指定コマンド」は、各種大当りの種別に合わせた大当たりのラウンド数を示すものであり、「MODE」が「EAH」で設定され、大当たりのラウンド数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この大入賞口開放指定コマンドは、大当りラウンドが開始されるときに、開始されたラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS340において第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を開放させるときに、開放させるときのラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「オープニング指定コマンド」は、各種の大当りが開始することを示すものであり、「MODE」が「EBH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このオープニング指定コマンドは、各種の大当りが開始するときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS340の大当たり遊技処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているオープニング指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「エンディング指定コマンド」は、各種の大当りが終了したことを示すものであり、「MODE」が「ECH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このエンディング指定コマンドは、各種の大当りが終了するときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS350の大当り遊技終了処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているエンディング指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「遊技状態指定コマンド」は、時短遊技状態であるか非時短遊技状態であるかを示すものであり、「MODE」が「EEH」で設定され、非時短遊技状態であれば「DATA」が「00H」に設定され、時短遊技状態であれば「DATA」が「01H」に設定されている。
この遊技状態指定コマンドは、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動終了時、大当り遊技の開始時および大当りの終了時に、遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるとき、上記ステップS320において特別図柄を停止表示させるとき、上記ステップS320において高確率遊技フラグ、高確率遊技回数、時短遊技フラグおよび時短回数(J)をクリアしたとき、上記ステップS350において高確率遊技フラグ、高確率遊技回数、時短遊技フラグおよび時短回数(J)の設定を行ったときに、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている遊技状態指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
次に、演出制御基板120におけるサブCPU120aにより実行される処理について説明する。
(演出制御基板のメイン処理)
図18を用いて、演出制御基板120のメイン処理を説明する。
ステップS1000において、サブCPU120aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1100に処理を移す。
ステップS1100において、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値1、演出用乱数値2、演出図柄決定用乱数値、演出モード決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS1100の処理を繰り返し行う。
(演出制御基板のタイマ割込処理)
図19を用いて、演出制御基板120のタイマ割込処理を説明する。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS1400において、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS1500において、サブCPU120aは、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
ステップS1600において、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図20および図21を用いて後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1600において受信したコマンドの解析処理が行われる。
ステップS1700において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aの信号のチェックを行い、演出ボタン35に関する演出入力制御処理を行う。詳しくは、図22を用いて後述する。
ステップS1800において、サブCPU120aは、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種のコマンド(例えば、キャラB演出実行コマンド)をランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信するデータ出力処理を行う。
ステップS1900において、サブCPU120aは、ステップS1810で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる。
(演出制御基板のコマンド解析処理)
図20および図21を用いて、演出制御基板120のコマンド解析処理を説明する。なお、図21のコマンド解析処理2は、図20のコマンド解析処理1に引き続いて行われるものである。
ステップS1601において、サブCPU120aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればステップS1610に処理を移す。
ステップS1610において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS1611に処理を移し、デモ指定コマンドでなければステップS1620に処理を移す。
ステップS1611において、サブCPU120aは、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う。
具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づく演出パターン指定コマンド(例えば、キャラB演出実行コマンド)をサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1620において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別図柄記憶指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドであれば、ステップS1621に処理を移し、特別図柄記憶指定コマンドでなければステップS1630に処理を移す。
ステップS1621において、サブCPU120aは、特別図柄記憶指定コマンドを解析して、液晶表示装置31に表示させる特図保留画像の表示個数を決定するとともに、決定した特図保留画像の表示個数に対応する特図表示個数指定コマンドを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信する特別図柄記憶数決定処理を行う。
ステップS1630において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS1631に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS1640に処理を移す。
ステップS1631において、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、液晶表示装置31に停止表示させる演出図柄36を決定する演出図柄決定処理を行う。
具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄36の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、演出図柄データ示す停止図柄指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1632において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出モード決定用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出モード決定用乱数値と受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、複数の演出モード(例えば、ノーマル演出モード、チャンス演出モード、キャラB演出モード)の中から少なくとも1つの演出モードを決定する演出モード決定処理を行う。また、決定した演出モードは、演出モード記憶領域にセットされる。
ステップS1640において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1641に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS1650に処理を移す。
ステップS1641において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出用乱数値1から1つの乱数値を取得し、取得した演出用乱数値1、受信した変動パターン指定コマンド及び演出モード記憶領域にセットされている演出モードに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行う。
具体的には、ノーマル演出モードであれば、図12に示す変動演出パターン決定テーブルを参照し、取得した演出用乱数値1に基づいて1つの変動演出パターンを決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した変動演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。例えば、変動パターン指定コマンドとして「E6H02H」を受信したときには、取得した演出用乱数値1が「0〜24」であれば変動演出パターン2を決定し、取得した演出用乱数値が「25〜99」であれば変動演出パターン3を決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットする。さらに、決定した変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
その後、かかる演出パターンに基づいて、液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34が制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄36の変動態様が決定されることとなる。尚、大当たりの抽選の一回の判定結果に対応した演出時間は、演出図柄36の変動態様が示す演出時間と一致している。演出パターン指定コマンドは、画像制御基板150のホストCPU150aに対して大当たりの抽選の一回の判定結果に対応した演出時間を指定するようになっている。
サブCPU120aは、ステップS1641の処理の後、ステップS1642の前兆演出決定処理を実行する。前兆演出決定処理については、後述の図23を用いて詳細に説明する。
ステップS1650において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS1651に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS1660に処理を移す。
ステップS1651において、サブCPU120aは、演出図柄36を停止表示させるために、演出図柄を停止表示させるための停止指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止表示処理を行う。
ステップS1660において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS1661に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS1670に処理を移す。
ステップS1661において、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM120cにある遊技状態記憶領域にセットする。
ステップS1670において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであればステップS1671に処理を移し、オープニングコマンドでなければステップS1680に処理を移す。
ステップS1671において、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。
具体的には、オープニングコマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1680において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS1681に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS1690に処理を移す。
ステップS1681において、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う。
具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1690において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであればステップS1691に処理を移し、エンディングコマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
ステップS1691において、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。
具体的には、エンディングコマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。本処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
(演出制御基板の演出入力制御処理)
図22を用いて、演出入力制御処理について説明する。
まず、ステップS1701において、サブCPU102aは、演出ボタン検出スイッチ35aからの有効な演出ボタン検出信号があったか否かを判定する。ここで、サブCPU102aは、当該信号がないと判定すれば、当該処理を終了し、当該信号があると判定すれば、ステップS1702の処理に移行する。
ステップS1702において、サブCPU102aは、ボタン演出表示実行コマンドを送信バッファにセットする。このコマンドは、演出ボタン検出スイッチ35aの押圧により画像が変化するボタン演出表を画像制御基板150に実行させるためのコマンドである。
ここで、サブCPU102aは、演出入力制御処理の後のステップS1800(図19参照)において送信バッファにセットされたコマンドを画像制御基板150及びランプ制御基板140に送信する。画像制御基板150は受信したコマンドに基づいて、液晶表示装置31及び音声出力装置32を作動させ、ランプ制御基板140は受信したコマンドに基づいて演出用駆動装置33及び演出用照明装置34を作動させる。
(演出制御基板の前兆演出設定処理)
以下、図23を用いて、前兆演出設定処理を説明する。
まず、ステップS2050において、サブCPU102aは、図20のステップS1641において決定した変動演出パターンが特定の変動演出パターンであるか否かを判定する。より具体的に説明すると、特定の変動演出パターンとは、図12の変動演出パターン2〜7、12〜17に対応するものであり、キャラクタB遭遇演出が実行する変動演出パターンである。
サブCPU102aは、決定した変動演出パターンが特定の変動演出パターンである場合、ステップS2051の処理に移行し、決定した変動演出パターンが特定の変動演出パターンでない場合、今回の前兆演出設定処理を終了する。
ステップS2051において、サブCPU102aは、決定された変動演出パターンにおけるキャラクタB遭遇演出の開始タイミングに基づいて、キャラクタB遭遇演出の前兆として実行される前兆演出の開始タイミングの候補を複数設定し、ステップS2052の処理に移行する。この場合のタイミングは、演出時間の始めから15秒でキャラクタB遭遇演出が実行される場合、演出時間の始めから12秒、12.7秒、13.4秒、14.2秒のタイミングを前兆演出の開始タイミングに設定する。
ステップS2052において、サブCPU102aは、複数設定した前兆演出の開始タイミングの中に、前回実行した前兆演出の開始タイミングが有るか否かを判別する。ここで、サブCPU102aは、前回実行した前兆演出の開始タイミングが有る場合、ステップS2053の処理に移行し、前回実行した前兆演出の開始タイミングが無い場合、ステップS2054の処理に移行する。
ステップS2053において、サブCPU102aは、複数設定した前兆演出の開始タイミングの中から前回実行した前兆演出の開始タイミングを削除し、ステップS2054の処理に移行する。
ステップS2054において、サブCPU102aは、上記ステップS1641で決定された特定の変動演出パターンが大当たりに対応したものか否かを判別する。ここで、サブCPU102aは、特定の変動演出パターンが大当たりに対応したものであれば、ステップS2055の処理に移行し、特定の変動演出パターンが大当たりに対応したものでなければ、ステップS2056の処理に移行する。
ステップS2055において、サブCPU102aは、サブROM120bに記憶された大当たり用の前兆演出のテーブルを用いて複数種類の前兆演出の開始タイミングから一つの開始タイミングを決定し、今回の前兆演出設定処理を終了する。ここで、大当たり用の前兆演出のテーブルは、演出制御基板120が決定した特定の変動演出パターンに基づいて前兆演出の開始タイミングの当選確率が設定された乱数テーブルであり、サブCPU102aは、このような乱数テーブルに基づいて抽選を行うことで、前兆演出の開始タイミングを決定し、決定した前兆演出の開始タイミングを前兆演出開始タイミング記憶領域にセットする。さらに、決定した前兆演出の開始タイミングに基づく前兆演出の開始タイミング指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS2056において、サブCPU102aは、サブROM120bに記憶された小当たりまたはハズレ用の前兆演出のテーブルを用いて複数種類の前兆演出の開始タイミングから一つの開始タイミングを決定し、今回の前兆演出設定処理を終了する。ここで、小当たりまたはハズレ用の前兆演出のテーブルは、演出制御基板120が決定した特定の変動演出パターンに基づいて前兆演出の開始タイミングの当選確率が設定された乱数テーブルであり、サブCPU102aは、このような乱数テーブルに基づいて抽選を行うことで、前兆演出の開始タイミングを決定し、決定した前兆演出の開始タイミングを前兆演出開始タイミング記憶領域にセットする。さらに、決定した前兆演出の開始タイミングに基づく前兆演出の開始タイミング指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
(画像制御基板のメイン処理)
図24を用いて、画像制御基板150のメイン処理を説明する。
電源基板170により電源が供給されると、ホストCPU150aにシステムリセットが発生し、ホストCPU150aは、以下のメイン処理を行う。
ステップS2010において、ホストCPU150aは、初期化処理を行う。この処理において、ホストCPU150aは、電源投入に応じて、ホストROM150cからメイン処理プログラムを読み込むとともに、ホストCPU150aの各種モジュールやVDP2000の初期設定を指示する。
ここで、ホストCPU150aは、VDP2000の初期設定の指示として、
(1)表示回路2080に映像信号を作成して出力させることを指示するため、映像信号作成の指示をしたり(表示レジスタの0bit目に1をセットしたり)、
(2)伸長回路2060に使用頻度の高い画像データ(演出図柄36等の画像データ)をVRAM153の展開記憶領域153bに伸長させて展開させるために、伸長レジスタに所定の初期値データをセットしたり、
(3)描画回路2070に初期値画像データ(「電源投入中」という文字画像等)を描画させるため、初期値ディスプレイリストを出力したりする。
ステップS2020において、ホストCPU150aは、描画実行開始処理を行う。この処理において、既に出力したディスプレイリストに対する描画の実行をVDP2000に指示するため、描画レジスタに描画実行開始データをセットする(図6(b)参照)。
すなわち、電源投入開始時には上記ステップS2010で出力された初期値ディスプレイリストに対する描画の実行が指示され、通常のルーチン処理時には後述するS2060で出力されたディスプレイリストに対する描画の実行が指示されることになる。
ステップS2030において、ホストCPU150aは、演出制御基板120から送信された演出指示コマンド(ホストRAM150bの受信バッファに格納されているコマンド)を解析する演出指示コマンド解析処理を行う。
なお、画像制御基板150は、演出制御基板120から送信されたコマンドを受信すると、図示しない画像制御基板150のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS2030において受信したコマンドの解析処理が行われる。
演出指示コマンド解析処理は、受信バッファに演出指示コマンド(例えば、図12に示すような演出パターン指定コマンド、前兆演出の開始タイミング指定コマンド等)が記憶されているか否かを確認する。受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていなければ、そのままステップS2040に処理を移す。
受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていれば、新たな演出指示コマンドを読み込み、読み込んだ演出指示コマンドに基づいて、実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する(図26参照)。
また、ホストCPU150aは、受信バッファに演出パターン指定コマンドが記憶されていれば、ホストRAM150bの演出タイマカウンタに演出パターン指定コマンドに対応する演出時間をセットする。なお、演出タイマカウンタは、4ms毎に減算処理される。
また、ホストCPU150aは、演出タイマカウンタの減算処理により読み込んだ演出指示コマンドに対応する演出時間が終了すると、ホストRAM105bの記憶領域にキャラB演出実行フラグ=00をセット(キャラB演出実行フラグをオフ)する。
本実施形態では、後述するように、特定の変動演出パターン(変動演出パターン2〜7、12〜17)を示す演出パターン指定コマンドが記憶されていると、少なくともキャラクタB遭遇演出を実行するアニメパターンを決定するように構成されている(図12参照)。
ステップS2040において、ホストCPU150aは、アニメーション制御処理を行う。この処理において、後述するステップS2210において更新される上記「シーン切換えカウンタ」、上記「ウェイトフレーム」、上記「フレームカウンタ」と、上記ステップS2030で決定されたアニメパターンとに基づいて、各種アニメシーンのアドレスを更新する。
ステップS2060において、ホストCPU150aは、アニメシーンが属するアニメグループの優先順位(描画順序)に従って、更新したアドレスにあるアニメシーンの1フレームの表示情報(スプライトの識別番号、表示位置等)から、ディスプレイリストを生成していく(図27参照)。そして、ディスプレイリストの生成が完了すると、ホストCPU150aはディスプレイリストをVDP2000に出力する。ここで出力するディスプレイリストについては、図26を用いて後述する。
なお、ここで出力されたディスプレイリストは、VDP2000におけるCPU I/F2030を介して、VRAM153のディスプレイリスト記憶領域153aに記憶される。
ステップS2070において、ホストCPU150aは、FB切換えフラグ=01であるか否かを判定する。
ここで、FB切換えフラグは、図25(b)で後述するように、1/60秒(約16.6ms)毎のVブランク割込みにおいて、前回のディスプレイリストの描画が完了していれば、FB切換えフラグ=01になる。すなわち、ステップS2070では、前回の描画が完了したか否かを判定することになる。
ホストCPU150aは、FB切換えフラグ=01であれば、ステップS2080に処理を移し、FB切換えフラグ=00であれば、FB切換えフラグ=01になるまで待機をする。
ステップS2080において、ホストCPU150aは、FB切換えフラグ=00をセットして(FB切換えフラグをオフにして)、ステップS2020に処理を移す。
以降は、図25に示す所定の割り込みが発生するまで、ステップS2020〜ステップS2080の処理を繰り返し行う。
(画像制御基板の割込処理)
図25を用いて、画像制御基板150の割込処理を説明する。
画像制御基板150の割込処理には、描画終了割込信号を入力したことで行う描画終了割込処理と、Vブランク割込信号を入力したことで行うVブランク割込処理と、コマンドを受信したことで行われるコマンド受信割込処理とを、少なくとも備えている。
なお、描画終了割込処理とVブランク割込処理とは、図25を用いて説明を行うが、コマンド受信割込処理については、ステップS2030において説明をした通りであり、図示は省略する。
(画像制御基板の描画終了割込処理)
図25(a)は、画像制御基板150の描画終了割込処理を示す図である。
VDP2000は所定単位のフレーム(1フレーム)の描画が終了すると、CPU I/F2030を介して、ホストCPU150aに描画終了割込信号を出力する。
ホストCPU150aは、VDP2000から描画終了割込信号を入力すると、描画終了割込処理を実行する
描画終了割込処理においては、ホストCPU150aは、描画終了フラグ=01をセット(描画終了フラグをオン)して、今回の描画終了割込処理を終了する(ステップS2110)。すなわち、描画の終了毎に描画終了フラグがオンになる。
(画像制御基板のVブランク割込処理)
図25(b)は、画像制御基板150のVブランク割込処理を示す図である。
VDP2000は1/60秒(約16.6ms)毎に、CPU I/F2030を介して、ホストCPU150aにVブランク割込信号(垂直同期信号)を出力する。
ホストCPU150aは、VDP2000からVブランク割込信号を入力すると、Vブランク割込処理を実行する。
ステップS2210において、ホストCPU150aは、「シーン切換えカウンタ」、「ウェイトフレーム」、「フレームカウンタ」の各種カウンタを更新する処理を行う。
ステップS2220において、ホストCPU150aは、描画終了フラグ=01であるか否かを判定する。すなわち、所定単位のフレームの描画が終了しているか否かを判定する。
ホストCPU150aは、描画終了フラグ=01であれば、ステップS2230に処理を移し、描画終了フラグ=01でなければ、今回のVブランク割込処理を終了する。すなわち、Vブランク割込信号を入力しても、描画が終了していなければ、ステップS2230以降の処理が行われない。
ステップS2230において、ホストCPU150aは、描画終了フラグ=00をセットする(描画終了フラグをオフにする)。
ステップS2240において、ホストCPU150aは、VDP2000のメモリコントローラ2090に「表示用フレームバッファ」と「描画用フレームバッファ」とを切り替える指示を与える。
具体的には、ホストCPU150aは、CPU I/F2030を介して、表示レジスタの1bit目に1を加算する処理を行う(図6(d)参照)。
ステップS2250において、ホストCPU150aは、FB切換えフラグ=01をセットし(FB切換えフラグをオンにし)、上記ステップS2070における待機状態を解除して、今回のVブランク割込処理を終了する。
次に、図26〜図27を参照して、アニメパターンの決定方法およびディスプレイリストの生成方法について説明する。
(アニメパターン)
図26は、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメグループ及びアニメパターンの一例である。
図26(a)に示すように、アニメパターンは、液晶表示装置31に表示するオブジェクトやシーン毎にグループ化され、背景のアニメーションを表示するための背景グループ、予告Aに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Aグループ、予告Bに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Bグループ、リーチキャラクタのアニメーションを表示するためのリーチグループ、演出図柄36のアニメーションを表示するための演出図柄グループ、大当り演出のアニメーションを表示するための大当り演出グループ・・・・等の多数のグループが存在している。そして、それぞれのグループ毎に多数のアニメパターンが対応付けられてホストROM150cに記憶されている。
ホストCPU150aは、サブCPU120aから受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する。
尚、本実施形態では、予告BグループをキャラクタB遭遇演出(予告B)に用いるキャラクタのアニメーションを表示するための特定のアニメグループとしている。
図26(b)〜(e)は、図12に示す変動演出パターン2(40秒の特別図柄の変動パターン2)に対応する演出パターン指定コマンド(A1H07H)を受信したときに、決定されるアニメパターンの一例を示している。
ホストCPU150aは、変動演出パターン7に対応する変動演出パターン指定コマンド(A1H07H)を受信したときには、ホストCPU150aにより、背景グループ、予告Aグループ、予告Bグループ、演出図柄グループの4つのグループを決定し、背景グループからはアニメパターン1、予告Aグループからはアニメパターン11、演出図柄グループからはアニメパターン501のアニメパターンを決定する。
また、ホストCPU150aは、前兆演出の開始タイミング指定コマンドを受信したときには、図示しない予告Cグループからアニメパターンを前兆演出として表示する。
ここで、アニメパターンは、図26(b)〜(e)に示すように、アニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。
例えば、図26(e)に示す演出図柄グループ・アニメパターン501では、1番目にアニメシーン501が実行され、2番目にアニメシーン511が実行される。
ホストRAM150bには、1フレーム毎に更新する「シーン切換カウンタ」を有しており、1番目のアニメシーン501を実行している間にシーン切換えカウンタが540を計測すると、2番目のアニメシーン511にアニメシーンが切り替わる。そして、2番目のアニメシーン511を実行している間にシーン切換えカウンタが60を計測すると、演出図柄グループ・アニメパターン501のアニメシーンが終了する。
なお「1フレーム」とは、液晶表示装置の更新タイミング(垂直同期信号の更新タイミング)であり、1/60秒(約16.6ms)毎に、1フレーム更新されて行く。すなわち、1秒で60フレームが計測される。
また、各アニメシーンには、アニメシーン情報が記憶されており、1フレーム毎に更新されるウェイトフレーム(すなわち表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法等などの表示情報を記憶している。
例えば、標準速によるアニメーション表示において、図26(e)に示すアニメシーン501では、最初に第1図柄〜第4図柄が所定の座標に20フレーム(約0.33秒)まで表示され続ける。その後、第1図柄〜第4図柄が別の座標に15フレーム(約0.25秒)まで表示され続ける。以降も同様に、第1図柄〜第4図柄が予め定められたフレームまで異なる座標に表示され続けていくと、第1図柄〜第4図柄が移動して表示していくようなアニメーションを表示することができる。
そして、図26(b)〜(e)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21と、演出図柄グループからはアニメパターン501との複数のアニメパターンが決定され、これらのアニメパターンのアニメーションが並列するように実行される。
すなわち、液晶表示装置31の表示領域には、アニメパターンの開始から終了に至るまで、背景としてBG1(山)とBG2(雲)の画像が表示され続け、アニメパターンの開始から2秒(120フレーム)後にキャラクタAの予告表示のアニメーションを行う画像が3秒(180フレーム)表示され、アニメパターンの開始から3秒(180フレーム)後に、キャラクタBの予告表示のアニメーションを行う画像が4秒(240フレーム)表示される。さらには、演出図柄の通常変動表示のアニメーションを行う画像が9秒間(540フレーム)行われ、その後1秒間(60フレーム)の仮停止表示のアニメーションを行う画像が表示される。
なお、これらの画像は、液晶表示装置31の表示領域に重複して表示されることになり、最初に描画された画像は、後に描画された画像によって上書きされて消されることになる。この画像の生成方法は、後述のディスプレイリストにおいて説明する。
また、本実施形態では、キャラB遭遇無しのアニメーション表示に加えて、キャラクタB遭遇演出が有るアニメーション表示が可能になっている。
(ディスプレイリスト)
図27は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの一例である。
ホストCPU150aは、上記図26に示すようにアニメパターンを決定すると、所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)にディスプレイリストを生成して、生成したディスプレイリストをVDP2000に出力する。
ここで、ディスプレイリストの生成方法については、ホストCPU150aが、現在のフレームを示す「フレームカウンタ」と決定されたアニメパターン(アニメシーン)とに基づいて、現在のフレーム数におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを、各アニメグループの優先順位(描画順序)に従って生成することで、現在のフレーム数におけるディスプレイリストが生成される。
例えば、上記図26(b)〜(e)に示すアニメグループの優先順位として、背景グループには最も低い優先順位10のデータが対応づけられ、予告Aグループには優先順位9のデータが対応づけられ、予告Bグループには優先順位8のデータが対応づけられ、・・・・、大当り演出グループには優先順位2のデータが対応づけられ、演出図柄グループには最も高い優先順位1のデータが対応づけられているものとする。
そして、上記図26(b)〜(e)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21と、演出図柄グループからはアニメパターン501との複数のアニメパターンが決定されたものとする。
次に、最も低い優先順位のアニメグループ(背景グループ)のアニメパターン1から、現在のフレームカウンタ(現在のフレーム数)におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを順次生成していき、決定したアニメグループのうちで最も高い優先順位のアニメグループ(演出図柄グループ)までの描画制御コマンドが生成されると、最後に描画終了コマンドを生成して、図27に示すようなディスプレイリストを完成させる。
このようなディスプレイリストは、ホストCPU150aが必要なデータを参照しながら、プログラム処理によって生成されて行く。
このように、所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)に描画制御コマンド群をまとめたディスプレイリストを、ホストCPU150aがVDP2000に出力することで、VDP2000にある描画回路2070が具体的な描画処理を行い、ホストCPU150aの処理負担の軽減を図ることができる。
次に、VDP2000において実行される処理について説明する。
(伸長回路の伸長制御処理)
図28を用いて、VDP2000における伸長回路2060の伸長制御処理を説明する。
まず、ステップS2310において、伸長回路2060は、描画回路2070から描画する画像データを伸長させる伸長実行開始の指示があったか否かの判定を行う。具体的には、描画回路2070により伸長レジスタに伸長実行開始データがセットされたか否か(伸長レジスタの0bit目に1がセットされたか否か)の判定を行う(図6(c)参照)。
伸長回路2060は、伸長実行開始の指示があったときは、ステップS2320に処理を移し、伸長実行開始の指示がなかったときは、伸長実行開始の指示があるまで待機をする。
ステップS2320において、伸長回路2060は、描画回路2070によりセットされた伸長レジスタの伸長実行開始データをクリアする(伸長レジスタの0bit目に0をセットする)。
ステップS2330において、伸長回路2060は、描画回路2070に伸長の実行中であることを知らせるため、伸長レジスタに伸長実行中データをセットする(伸長レジスタの1bit目に1をセットする)(図6(c)参照)。
ステップS2340において、伸長回路2060は、CRROM151に圧縮された圧縮画像データを読み出し、読み出された圧縮画像データを元画像データに伸長して、伸長された画像データをVRAM153の展開記憶領域153bに展開させる。
ステップS2350において、伸長回路2060は、1つの画像の伸長が完了したか否かを判定する。
伸長回路2060では、1つの画像の伸長が完了したときは、ステップS2360に処理を移し、1つの画像の伸長が完了していないときは、ステップS2340に処理を戻して伸長処理を繰り返し行う。
ステップS2360において、伸長回路2060は、1つの画像の伸長が完了すると、描画回路2070に伸長が終了したことを知らせるため、伸長レジスタの伸長実行中データをクリア(伸長レジスタの1bit目に0をセット)して、ステップS2310に処理を戻して伸長制御処理を繰り返し行う。
(描画回路における描画制御処理)
図29を用いて、VDP2000における描画回路2070の描画制御処理を説明する。
ステップS2410において、描画回路2070は、ホストCPU150aから描画の実行開始の指示があったか否かの判定を行う。具体的には、ホストCPU150aにより描画レジスタに描画実行開始データがセットされているか否か(描画レジスタの0bit目に1がセットされているか否か)の判定を行う(図6(b)参照)。
描画回路2070では、描画の実行開始の指示があったときは、ステップS2420に処理を移し、描画の実行開始の指示がなかったときは、描画の実行開始の指示があるまで待機をする。
ステップS2420において、描画回路2070は、ホストCPU150aによりセットされた描画レジスタの描画実行開始データをクリアする(描画レジスタの0bit目に0をセットする)。
ステップS2430において、描画回路2070は、VRAM153のディスプレイリスト記憶領域153aに記憶されたディスプレイリストを読み込み、読み込んだディスプレイリストの描画制御コマンドを、あらかじめ定められた優先順位(描画順序)に従って順次解析していく。
なお、ここではディスプレイリストにある複数の描画制御コマンドを全て一括して解析するわけではなく、1回のディスプレイリスト解析制御処理においては、あらかじめ定められた優先順位(描画順序)に従って、所定単位(例えば1つの画像データ)の描画制御コマンドを順次解析していく。
ステップS2440において、描画回路2070は、ディスプレイリストに圧縮された画像を伸長させる伸長コマンドが記憶されており、描画する画像データがVRAM153の展開記憶領域153bに記憶(伸長)されていなければ、伸長回路2060に描画する画像データを伸長させること指示する。具体的には、具体的には、伸長レジスタに伸長実行開始データをセットする(伸長レジスタの0bit目に1をセットする)。
ステップS2450において、描画回路2070は、描画する画像の伸長が完了したか否かを判定する。具体的には、伸長レジスタに伸長実行中データがクリアされているか否か(伸長レジスタの1bit目に0がセットされているか否か)を判定する。
描画回路2070は、描画する画像の伸長が完了したときはステップS2460に処理を移し、描画する画像の伸長が完了していなかったときは、描画する画像の伸長が完了するまで待機をする。
ステップS2460において、描画回路2070は、ディスプレイリストの描画制御コマンドに従い、適宜必要なデータを描画レジスタに設定しながら、VRAM153の展開記憶領域153bに伸長された画像を、VRAM153にある「描画用フレームバッファ」に描画する描画処理を行う。
ステップS2470において、描画回路2070は、1フレームのディスプレイリストの全ての描画制御コマンドが終了(1フレームの描画処理が完了)したか否かを判定する。
描画回路2070は、1フレームの描画処理が完了したときは、ステップS2480に処理を移し、1フレームの描画処理が完了していなかったときは、ステップS2430に処理を戻して、1フレームの描画処理が完了するまで上記ステップS2430の「ディスプレイリスト解析制御処理」と上記ステップS2440の「伸長指示処理」と上記ステップS2460の「描画処理」とを繰り返し行う。
なお、本実施形態のように、画像データを全て圧縮してCGROM151に記憶しているとすると、ディスプレイリストに従い、1つの画像毎に伸長して描画していくことになる。
ステップS2480において、描画回路2070は、割込レジスタに描画終了データをセットし(システム制御レジスタの1bit目に1をセットし)(図6(a)参照)、ステップS2410に処理を戻して描画制御処理を繰り返し行う。
(表示回路における表示制御処理)
図30を用いて、VDP2000における表示回路2080の表示制御処理を説明する。
ステップS2510において、表示回路2080は、ホストCPU150aから映像信号作成の指示があったか否かの判定を行う。具体的には、表示レジスタの0bit目に1がセットされているか否かを判定する(図6(d)参照)。
表示回路2080は、映像信号の作成の指示があったときは、ステップS2520に処理を移し、映像信号作成の指示がなかったときは、映像信号作成の指示があるまで待機をする。
なお、表示レジスタの0bit目は、原則として、電源投入時から「1」はセットされたままになっている(電源投入時から映像信号作成ONの状態を維持している)。
ステップS2520において、表示回路2080は、VRAM153にある「表示用フレームバッファ」に記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像の色データを示すRGB信号(アナログ信号)を生成する。
ステップS2530において、表示回路2080は、生成した映像信号(RGB信号)と、液晶表示装置31と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)とを液晶表示装置31に出力する。その後、ステップS2510に処理を戻して表示制御処理を繰り返し行う。
次に、演出制御基板120について簡単に概略を説明する。
演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。
そして、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、2ms毎に行われる演出制御基板120のタイマ割込み処理にて、受信したコマンドを解析して各コマンドに対応する各種コマンドを生成する。その後、生成した各種コマンドは、画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信される。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのコマンドを生成し、かかるコマンドを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
次に、ランプ制御基板140と画像制御基板150について簡単に概略を説明する。
ランプ制御基板140においては、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用駆動装置作動プログラムを読み出して、演出用駆動装置33を作動制御するとともに、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置34を制御する。
画像制御基板150において、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置32における音声を出力制御するとともに、ホストCPU150aが画像ROMからアニメーション制御プログラムを読み出して、液晶表示装置31における画像表示を制御する。
(遊技内容)
次に、図31〜図37を用いて、液晶表示装置31の表示画面等で行われる遊技内容について説明する。
図31〜図36は、演出図柄36の変動表示開始から大当り遊技までの遊技内容を説明するための第1乃至第6の説明図である。図31〜図36に示す遊技内容には、主制御基板110のメインCPU110aにおいて変動パターン3(図11参照)が選択され、演出制御基板120のサブCPU120aで変動演出パターン7(図12参照)が選択された場合の1回目から4回目のキャラクタB遭遇演出が含まれる。
また、図37は、図31(a)の表示画面の構成図であり、リーチ演出が表示されるまでの変動演出パターンの表示画面の構成図を示している。
(遊技内容)
図31(a)は、液晶表示装置31の表示領域に演出図柄36が変動表示されている表示画面である。
ここで、演出図柄36は4種類の図柄で構成され、図31(a)には、液晶表示装置31の表示領域の中央に左用の演出図柄36aと中用の演出図柄36bと右用の演出図柄36cとが表示され、液晶表示装置31の表示領域の左下に小さく、第4の演出図柄36dが表示されている。また、液晶表示装置31の表示領域の下方には、情報基礎画像37bが表示され、その情報基礎画像37bの上には、2個の特図保留画像37aと3個の普図保留画像38a、38b、38cとが表示されている。さらには、演出図柄36の背景には、山背景画像39a1、予告演出に用いる飛行機画像39bが表示されている。
図31(b)は、図31(a)の状態から所定の時間が経過して、リーチとなった状態を示す表示画面である。
このとき、左用の演出図柄36aと右用の演出図柄36cとは、表示領域の両隅に同じ種類の演出図柄(例えば7)が停止表示されている。
なお、本実施形態における演出図柄36の「停止表示」とは、演出図柄36が全く動かない完全停止表示と、演出図柄36が小さく揺れ動く仮停止表示とを含むものである。
図31(b)の状態から所定の時間が経過して、図31(c)に示す背景移動表示が行われる。背景移動表示では、背景が左スクロールして山背景画像39a1から沼背景画像39a2に移動する状態が表示される。また、図31(c)に示す液晶表示装置31の表示領域の左上コーナーには、小型の数字のみで構成された左中右用の演出図柄36a1、36b1、36c1の内左右の演出図柄が大当たりを構成する図柄で停止するリーチ状態で表示される。このような左中右用の演出図柄36a1、36b1、36c1のリーチ状態は、図35(c)まで維持される。
背景移動表示において背景が沼背景画像39a2に完全に移動すると、図32(a)に示すように、液晶表示装置31には、沼背景画像39a2が停止表示される。この後、図32(b)に示すように、沼背景画像39a2の沼をイメージした部分には、波紋と影の画像300aが表示される。波紋と影の画像300aは、1回目のキャラクタB遭遇演出の前兆演出になっている。
図32(b)に示す前兆演出が数秒された後、図32(c)に示すように、液晶表示装置31には、キャラクタB遭遇演出の第1の実行タイミングで、キャラクタBの第1形態の画像301aがアニメパターン26(図12参照)により表示されるとともに、液晶表示装置31の上側から演出用駆動装置33の可動部33bが下方に向けて移動し、キャラクタBの第1形態の画像301aと重なり合う。
ここで、可動部33bはマスク型に形成され、左寄り及び右寄りの部分にキャラクタBの第1形態の目の画像301aL、301aRを露出させる開孔部33cL、33cRが形成されている。キャラクタBの第1形態の画像301aの右側にはキャラクタBの遭遇回数(×1)の画像302aが表示される。
図32(c)の状態から所定の時間が経過すると、キャラクタBの第1形態の画像301a及びキャラクタBの遭遇回数(×1)の画像302aが消え、背景移動表示(スクロール)が行われ、液晶表示装置31には、図33(a)に示す川背景画像39a3が表示される。この後、図33(b)に示すように、川背景画像39a3の川イメージした部分には、水飛沫と影の画像300bが表示される。水飛沫と影の画像300bは、2回目のキャラクタB遭遇演出の前兆演出になっている。
図33(b)に示す前兆演出が数秒実行された後、図33(c)に示すように、液晶表示装置31には、キャラクタBの第2形態の画像301bがアニメパターン26(図12参照)により表示されるとともに、液晶表示装置31の上側から演出用駆動装置33の可動部33bが下方に向けて移動し、キャラクタBの第2形態の画像301bと重なり合う。可動部33bの開孔部33cL、33cRからは、キャラクタBの第2形態の目の画像301bL、301bRが露出する。キャラクタBの第2形態の画像301bの右側にはキャラクタBの遭遇回数(×2)の画像302bが表示される。
図33(c)の状態から所定の時間が経過すると、キャラクタBの第2形態の画像301b及びキャラクタBの遭遇回数(×2)の画像302bが消え、背景移動表示が行われ、液晶表示装置31には、図34(a)に示す滝背景画像39a4が表示される。この後、図34(b)に示すように、滝背景画像39a4の滝をイメージした部分には、水飛沫と影の画像300cが表示される。水飛沫と影の画像300cは、3回目のキャラクタB遭遇演出の前兆演出になっている。
図34(b)に示す前兆演出が数秒実行された後、図34(c)に示すように、液晶表示装置31には、キャラクタBの第3形態の画像301cがアニメパターン26(図12参照)により表示されるとともに、液晶表示装置31の上側から演出用駆動装置33の可動部33bが下方に向けて移動し、キャラクタBの第3形態の画像301cと重なり合う。可動部33bの開孔部33cL、33cRからは、キャラクタBの第3形態の目の画像301cL、301cRが露出する。キャラクタBの第3形態の画像301cの右側にはキャラクタBの遭遇回数(×3)の画像302cが表示される。
図34(c)の状態から所定の時間が経過すると、キャラクタBの第3形態の画像301c及びキャラクタBの遭遇回数(×3)の画像302cが消え、背景移動表示が行われ、液晶表示装置31には、図35(a)に示す海岸背景画像39a5が表示される。この後、図35(b)に示すように、海岸背景画像39a5の海をイメージした部分には、水飛沫と影の画像300dが表示される。水飛沫と影の画像300dは、4回目のキャラクタB遭遇演出の前兆演出になっている。
図35(b)に示す前兆演出が数秒実行された後、図35(c)に示すように、液晶表示装置31には、キャラクタBの第4形態の画像301dがアニメパターン26(図12参照)により表示されるとともに、液晶表示装置31の上側から演出用駆動装置33の可動部33bが下方に向けて移動し、キャラクタBの第4形態の画像301dと重なり合う。可動部33bの開孔部33cL、33cRからは、キャラクタBの第4形態の目の画像301dL、301dRが露出する。キャラクタBの第4形態の画像301dの右側にはキャラクタBの遭遇回数(×4)の画像302dが表示される。
図35(c)の状態から所定の時間が経過すると、キャラクタBの第4形態の画像301d及びキャラクタBの遭遇回数(×4)の画像302dが消え、図36(a)に示す画面が表示される。
図36(a)は、リーチ演出の結果を表示している表示画面である。
このとき、左用の演出図柄36aと右用の演出図柄36cと同じ種類の中用の演出図柄36bが停止表示されている。また、リーチ演出の結果として、キャラクタB39cが倒された表示も行われている。
図36(b)は、図36(a)の状態から所定の時間が経過して、大当り遊技に移行することを表示している表示画面である。
このとき、液晶表示装置31の表示領域には、「大当り」という文字画像が表示されている。尚、本実施形態において、図36(b)の表示画面は、演出図柄36の変動表示の演出指示コマンドに対応する演出時間の終了後を行われるものであり、大当り遊技の演出時間に含まれる。
図36(c)は、図36(b)の状態から所定の時間が経過して、大当り遊技が行われていることを表示している表示画面である。
このとき、大当りの契機となった演出を報知するための履歴画像39e、大当りラウンド画像39f、大当り背景画像39gが表示されている。
(変動演出パターンの表示画面の構成図)
図31(a)の表示画面の構成図について、図37を用いて説明する。
図37は、図31(a)の表示画面の構成図であり、上記図27に示すディスプレイリストに従って描画されたデータが表示されたものである。
上記図27(a)に示すディスプレイリストに示すように、最初に山背景画像39aを描画し、次に飛行機画像39bを描画し、情報基礎画像37b、3個の普図保留画像38a、38b、38c、2個の特図保留画像37a、左用の演出図柄36a、右用の演出図柄36c、中用の演出図柄36b、第4の演出図柄36dの順に描画すると、図37(a)の示すように下から順に複数の画像を重ね合わせたことになり、最終的に図37(b)に示す表示画面が作成される。
なお、図31(a)では、演出図柄36の変動表示を矢印で表示したが、正確には所定のフレーム数の間、演出図柄36は停止表示されているので(いわゆるペラペラ漫画のような構成)、図37では演出図柄36が停止表示されたようになっている。
(キャラクタB遭遇演出表示の説明)
図38は、主制御基板110のメインCPU110aにおいて変動パターン3(図11参照)が選択された場合において、演出制御基板120のサブCPU120aで変動演出パターン7または変動演出パターン4が選択されたときの液晶表示装置31で実行されるキャラクタB遭遇演出を説明する説明図である。
図38の図中左側には、演出制御基板120のサブCPU120aで変動演出パターン7(図12参照)が選択され、第1乃至第4の実行タイミング候補の全てをキャラクタB遭遇演出の実行タイミングに設定し、遭遇回数が計4回となる表示画像の流れB1を示している。図38の図中右側には、演出制御基板120のサブCPU120aで変動演出パターン4(図12参照)が選択され、第1及び第3の実行タイミング候補のみをキャラクタB遭遇演出の初回実行タイミングに設定し、キャラクタBに2回遭遇する表示画像の流れB4を示している。
図38において、流れB1では、図中0秒から10秒まで、図31(a)に示す画像が表示され、図中10秒から40秒まで図31(b)から図36(a)までの画像が、図31から図36に示した順番で表示される。この後、図中40秒から図36(b)、図36(c)の画像が表示される。尚、流れB1では、図示していないが図32(b)、図33(b)、図34(b)、図35(b)に示す前兆演出も実行されている。
ここで、流れB1において、図32(c)に示すキャラクタBの第1形態の画像301aが表示されるタイミングは、キャラクタB遭遇演出を初回実行可能な第1の実行タイミング候補(15秒)を用い、図33(c)に示すキャラクタBの第2形態の画像301bが表示されるタイミングは、キャラクタB遭遇演出を初回実行可能な第2の実行タイミング候補(20秒)を用い、図34(c)に示すキャラクタBの第3形態の画像301cが表示されるタイミングは、キャラクタB遭遇演出を実行可能な第3の実行タイミング候補(25秒)を用い、図35(c)に示すキャラクタBの第4形態の画像301dが表示されるタイミングは、キャラクタB遭遇演出を初回実行可能な第4の実行タイミング候補(30秒)を用いている。
これら第1乃至第4の実行タイミング候補は、変動パターン3に対応する特定の変動演出パターン(図12参照)において、いずれもキャラクタB遭遇演出を実行可能であるとともに、キャラクタBの第1乃至第4形態の画像301a、301b、301c、301dを適宜選択して表示可能になっている。第2及び第4の実行タイミング候補は、割り込み演出によりキャラクタB遭遇演出を実行可能になっている。
図32(b)、図33(b)、図34(b)、図35(b)に示した前兆演出についても、図23に示した処理により、第1乃至第4の開始タイミングの候補が設定され、第1乃至第4の開始タイミングの候補から一つの開始タイミングが選択するようになっている。
流れB4では、図中0秒から10秒まで、図31(a)に示す画像が表示され、図中10秒から、図中10秒から図31(b)、図31(c)に示す画像が表示される。この後、図32(a)に示す沼背景画像39a2が表示され、図32(b)に示す前兆演出の画像300aが表示され、キャラクタB遭遇演出を実行可能な第1の実行タイミング候補(15秒)において、図32(c)に示すキャラクタBの第1形態の画像301aとキャラクタBの遭遇回数(×1)の画像302aが開始から1秒間表示される。この後、前兆画像及びキャラクタBの画像が表示されることなく図33(a)に示す川背景画像39a3が連続して表示され、図34(a)に示す滝背景画像39a4が表示され、図34(b)に示す前兆演出の画像300cが表示され、キャラクタB遭遇演出を実行可能な第3の実行タイミング候補(25秒)において、図34(b)に示す滝背景画像39a4とともに図33(c)に示すキャラクタBの第2形態の画像301bとキャラクタBの遭遇回数(×2)の画像302bが開始から1秒間表示される。この後、前兆画像及びキャラクタBの画像が表示されることなく図35(a)に示す海岸背景画像39a5が連続して表示される。この後、図36(a)に示すリーチ演出の結果を表示が行われる。この後、図中40秒から図36(b)、図36(c)の画像が表示される。
ここで流れB4では、図32(b)、図34(b)に示す前兆演出及び図34(c)、図35(c)に示すキャラクタB遭遇演出が行われない。
図39は、変動パターン3に対応する特定の変動演出パターン(図12参照)が選択された場合におけるキャラクタB遭遇演出を示すタイミングチャートであり、図39(a)はキャラクタB遭遇演出の実行期間を示し、図39(b)は前兆演出割り込み可能期間を示し、図39(c)は液晶表示装置31の表示画面に表示される背景画像を示している。
図40は図39の第1のキャラクタB遭遇演出の実行期間及その前後を拡大して示すタイミングチャートであり、図40(a)はキャラクタB遭遇演出の実行期間を示し、図40(b)は前兆演出割り込み可能期間を示している。
図39(a)及び図40(a)に示すように、変動パターン3に対応する特定の変動演出パターンでは、演出時間の始めから15秒、20秒、25秒、30秒のタイミングがキャラクタB遭遇演出の実行タイミング候補となっている。
ここで、変動パターン3に対応する特定の変動演出パターンにおいて、キャラクタB遭遇演出の第1及び第3の実行タイミング候補は、キャラクタB遭遇演出の必ず実行される実行確定タイミングに設定されている。従って、演出時間の始めから15秒、25秒のタイミングは、キャラクタB遭遇演出の必ず実行される実行確定タイミングに設定されている。
演出時間の始めから20秒、30秒のタイミングは、キャラクタB遭遇演出を実行するか否かを選択可能な実行可能タイミングに設定されている。
また、キャラクタB遭遇演出の実行タイミング候補から1秒間が第1乃至第4のキャラクタB遭遇演出の実行期間(割り込み可能期間または実行確定期間)になっている。
また、変動パターン3に対応する特定の変動演出パターンでは、キャラクタB遭遇演出の第1乃至第4の実行タイミング候補の3秒前が前兆演出の開始タイミングの第1の候補(第1の実行タイミング候補)に設定され、前兆演出の第1の実行タイミング候補からキャラクタB遭遇演出開始までの3秒間が第1の前兆演出の期間になっている。
また、変動パターン3に対応する特定の変動演出パターンでは、キャラクタB遭遇演出の第1乃至第4の実行タイミング候補の2.3秒前が前兆演出の開始タイミングの第2の候補(第2の実行タイミング候補)に設定され、前兆演出の第2の実行タイミング候補からキャラクタB遭遇演出開始までの2.3秒間が第2の前兆演出の期間になっている。
また、変動パターン3に対応する特定の変動演出パターンでは、キャラクタB遭遇演出の第1乃至第4の実行タイミング候補の1.6秒前が前兆演出の開始タイミングの第3の候補(第3の実行タイミング候補)に設定され、前兆演出の第3の実行タイミング候補からキャラクタB遭遇演出開始までの1.6秒間が第3の前兆演出の期間になっている。
また、変動パターン3に対応する特定の変動演出パターンでは、キャラクタB遭遇演出の第1乃至第4の実行タイミング候補の0.8秒前が前兆演出の開始タイミングの第4の候補(第4の実行タイミング候補)に設定され、前兆演出の第4の実行タイミング候補からキャラクタB遭遇演出開始までの0.8秒間が第4の前兆演出の期間になっている。
また、変動パターン3に対応する特定の変動演出パターンでは、10秒のタイミング、第1乃至第4のキャラクタB遭遇演出の実行期間(割り込み可能期間または実行確定期間)終了後に背景のスクロールが行われる。
図41は、変動パターン3に対応する特定の変動演出パターンにおいて、第1乃至第4の実行タイミング候補から実行されるキャラクタB遭遇演出の組み合わせを示す説明図である。
図41において、B1〜B4は、変動パターン3に対応する特定の変動演出パターンが選択された場合に基づいて実行されるキャラクタB遭遇演出の4種類の流れを示している。B1は変動演出パターン7(図12参照)が選択された場合の流れを示し、B2は変動演出パターン6(図12参照)が選択された場合の流れを示し、B3は変動演出パターン5(図12参照)が選択された場合の流れを示し、B4は変動演出パターン4(図12参照)が選択された場合の流れを示している。
「第1形態」は、図32(c)に示すキャラクタBの第1形態の画像301aが実行期間に表示されることを示している。「第2形態」は、図33(c)に示すキャラクタBの第2形態の画像301bが実行期間に表示されることを示している。「第3形態」は、図34(c)に示すキャラクタBの第3形態の画像301c実行期間に表示されることを示している。「第4形態」は、図35(c)に示すキャラクタBの第4形態の画像301d実行期間に表示されることを示している「無」は、キャラクタB遭遇演出が実行されないことを示している。
ここで、上述したように、変動パターン3において、第1及び第3の実行タイミング候補は、キャラクタB遭遇演出の必ず実行される実行確定タイミングに設定されている。
流れB1は、第1乃至第4の実行タイミング候補に対応する全ての実行期間においてキャラクタB遭遇演出が実行されるため、大当たりにおいて選択される確率が高く、ハズレにおいて選択される確率が低い、所謂大当たりの信頼度が高い演出になっている。
また、同じ「第1形態」、「第2形態」、「第3形態」の演出が実行される流れB2、B3でも、「第2形態」の演出が遅く実行される流れB3の方が大当たりの信頼度が高い演出になっている。
「第1形態」、「第2形態」の演出しか実行されないB4は、大当たりの信頼度が低い演出になっている。
このように、本実施形態では、キャラクタB遭遇演出の実行タイミングの組み合わせにより大当たりの信頼度を異なるようにしており、キャラクタB遭遇演出のタイミングによって遊技者の大当たりに対する期待感を高めるようになっている。
図42は、前回の前兆演出の開始タイミングが今回の前兆演出の開始タイミングの第2の候補である場合において、第1乃至第4の初回実行タイミング候補からそれぞれ実行される前兆演出期間の組み合わせを示す説明図であり、図42(a)は、遊技機1が初期状態(前回の前兆演出の開始タイミングが演出制御基板120、画像制御基板150に記憶されていない状態)から初めて前兆演出が実行される場合を示し、図42(b)は、前回の前兆演出の開始タイミングが今回の前兆演出の開始タイミングの第2の候補(キャラクタB遭遇演出の第1乃至第4の初回実行タイミング候補の2.3秒前)である場合を示している。
図42(a)及び図42(b)において、Z1〜Z4は、図23のスアニメーション表示処理に基づいて実行される前兆演出の4種類の流れを示している。
「無」は、前兆演出が実行されないことを示している。「有」は、図32(b)、図33(b)、図34(b)、図35(b)に示す前兆演出のいずれかが実行されることを示している。
ここで、流れZ1は、前兆演出の第1乃至第4の初回実行タイミング候補の内最も早いタイミングから前兆演出が実行されるため、大当たりにおいて選択される確率が高く、ハズレにおいて選択される確率が低い、所謂大当たりの信頼度が高い演出になっている。
また、流れZ4は、前兆演出の第1乃至第4の初回実行タイミング候補の内最も遅いタイミングから前兆演出が実行されるため、所謂大当たりの信頼度が低い演出になっている。
図42(a)に示すように遊技機1が初期状態(前回の前兆演出の開始タイミングが演出制御基板120、画像制御基板150に記憶されていない状態)から初めて前兆演出が実行される場合、図23の前兆演出決定処理がステップS2050→S2051→S2052→S2054→S2050→(S2055またはS2056)の流れとなり、流Z1〜Z4の全てが選択可能になり、前兆演出の第1乃至第4の初回実行タイミング候補の全てから前兆演出が実行できる。一方、前回の前兆演出の開始タイミングが今回の前兆演出の開始タイミングの第2の候補である場合には、図23の前兆演出決定処理がステップS2050→S2051→S2052→S2053→S2054→S2050→(S2055またはS2056)の流れとなり、前回実行した前兆演出の開始タイミング(図42(b)の場合、第2の候補)が削除され、流れZ2が使用されなくなる。このため、流れZ2の大当たりにおける割り振り(30%)は、上位の流れZ1に割り振られ、流れZ1の大当たりにおける割り振りが70%となり、流れZ2のハズレにおける割り振り(10%)は下位の流れZ3、Z4に割り振られ、流れZ3、Z4のハズレにおける割り振りがそれぞれ20%、75%となる。これにより、上位の流れZ1は、大当たりの信頼度が高い演出であることがより強調され、下位の流れZ3、Z4は、大当たりの信頼度が低い演出であることがより強調されることになる。
尚、ホストCPU150aにおいて、複数設定した前兆演出の開始タイミングの中から前回実行した前兆演出の開始タイミングを削除した場合における割り振りは、前回実行した前兆演出の開始タイミングに対応した複数の開始タイミング決定テーブルを用いても決定してもよいし、1のテーブルから演算により決定してもよい。
このように、本実施形態では、キャラクタB遭遇演出の前兆演出の開始タイミングにより大当たりの信頼度を異なるようにしており、キャラクタB遭遇演出の前兆演出のタイミングによって遊技者の大当たりに対する期待感を高めるようになっている。
尚、本実施形態では、図11に示す変動パターン3(50秒)に比べて尺が短い変動パターン2(40秒)についてもキャラクタB遭遇演出及び前兆演出が実行可能になっている。変動パターン2は、図39における変動開始から21秒目(第2の遭遇演出実行期間の終了)から31秒目(第4の遭遇演出実行期間の終了)までを取り除いた変動となる。また、変動パターン2は、演出時間の始めから15秒のタイミングがキャラクタB遭遇演出の必ず実行される実行確定タイミングに設定され、演出時間の始めから20秒のタイミングがキャラクタB遭遇演出を実行するか否かを選択可能な実行可能タイミングに設定される。
以上の構成及び動作を纏めて説明すると、主制御基板110は、所定の始動条件が成立したことを条件に、遊技者にとって有利な特別遊技の制御を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段になっている。
また、主制御基板110は、前記特別遊技判定手段によって前記特別遊技の制御を行うと判定されたことに基づいて前記特別遊技の制御を行う特別遊技制御手段になっている。
第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21は、前記特別遊技判定手段の判定結果に応じて所定時間図柄を変動表示した後停止表示することによって当該判定結果を報知する図柄表示手段になっている。
また、主制御基板110は、前記図柄の変動時間を前記判定手段の判定結果に基づいて決定する変動時間決定手段になっている。
画像制御基板150のCGROM151は、前記図柄の変動表示中に実行する演出を示す演出データを複数種類記憶する演出データ記憶手段になっている。
また、主制御基板110は、前記図柄の変動時間を前記判定手段の判定結果に基づいて決定する変動時間決定手段になっている。
液晶表示装置31は、演出手段になっている。
演出制御基板120は、演出手段(液晶表示装置31)に前記図柄の変動中に複数の演出図柄を変動表示させるとともに、前記図柄の停止表示に合わせて前記複数の演出図柄を停止表示させる演出制御手段になっている。
前記演出制御手段は、前記複数の演出図柄の一部が停止表示されるリーチ状態中に、前記複数の演出図柄のうち停止表示が行われていない演出図柄の変動を継続しつつ、複数の類似する態様の特定演出データにより構成される特定演出グループ(特定のデータグループ)による演出を順次実行させる制御を行う。
演出制御基板120のサブCPU120a及びサブROM120bに記憶されたステップS1642は、導入演出開始タイミング決定手段になっている。当該導入演出開始タイミング決定手段は、前記特定演出グループによる演出を導入するために、当該特定演出グループより先行して実行される導入演出の開始タイミングが複数設定され、前記判定結果に基づいて前記導入演出の開始タイミングを前記複数の中から決定する。
前記特定の演出データは、特定のキャラクタが出現する動画を前記報知手段の画面に表示する演出データであり、図32(c)、図33(c)、図34(c)、図35(c)に示すキャラクタB遭遇演出を表示する図26に示す予告グループBのことである。
前記特定演出グループは、類似する動画を前記報知手段の画面に表示する演出データのデータグループが含まれる。
図32(c)、図33(c)、図34(c)、図35(c)に示した演出用駆動装置33の可動部33bによる演出も、前記特定タイミング決定手段が決定した前記実行タイミングにおいて実行される前記特定演出グループによる演出に含まれる。
演出制御基板120のサブCPU120a及びサブROM120bは、前記演出データ記憶手段に記憶された前記複数種類の演出データから実行する演出データのデータグループを、前記判定結果に応じて決定する演出データ決定手段になっている。
演出制御基板120、画像制御基板150のホストCPU150a及びホストROM150cは、前記演出データ決定手段が決定した演出データのデータグループに基づいて演出を実行する演出実行制御手段になっている。
演出制御基板120のサブCPU120a及びサブROM120bに記憶されたステップS1641のデータは、前記演出データ決定手段が特定のデータグループを決定した場合、前記図柄の変動表示中に、前記特定のデータグループによる演出を順次実行させる制御を行う特定演出制御手段になっている。
前記特定の演出データグループは、特定のキャラクタが出現する動画を前記報知手段の画面に表示する演出データであり、図32(c)、図33(c)、図34(c)、図35(c)に示すキャラクタB遭遇演出を表示する図26に示す予告グループBのことである。
演出制御基板120のサブCPU120a及びサブROM120bに記憶されたステップS1642のデータは、前記特定のデータグループによる演出を導入するために、当該特定のデータグループより先行して実行される導入演出の開始タイミングが複数設定され、前記判定結果に基づいて前記導入演出の開始タイミングを前記複数の中から決定する導入演出開始タイミング決定手段になっている。
前記導入演出開始タイミング決定手段は、図23に示すステップS2052、S2053の処理により、前記導入演出の開始タイミングを決定する場合、前回の導入演出の開始タイミング以外のタイミングから決定する。
前記演出実行制御手段は、前記特定演出制御手段と前記導入演出開始タイミング決定手段とを備える。
主制御基板110は、前記特別遊技判定手段の判定結果に応じて前記図柄表示手段における図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定手段になっている。
前記演出実行制御手段(演出制御基板120)は、前記演出データ決定手段が決定した演出データのデータグループに基づいて演出を実行する場合において、前記変動パターン決定手段が決定した特定の1つの変動パターンで、当該演出を実行する回数及びタイミングを複数選択可能であり、当該複数の回数及びタイミングの中から実際に実行する回数及びタイミングを一つまたは複数決定する。
また、画像制御基板150のホストROM150cは、特定のデータグループに対して前記導入演出を複数記憶する導入演出記憶手段になっている。
演出制御基板120のサブCPU120a及びサブROM120bに記憶されたステップS2054へS2056のデータは、前記判定結果に基づいて前記導入演出を前記導入演出記憶手段に記憶された前記複数の中から決定する導入演出決定手段になっている。
また、特定演出制御手段は、前記特定のデータグループによる演出を順次実行させる制御を行う場合において、前記特定のデータグループによる演出を最初に実行するタイミングを固定にしてもよい。
以上説明したように本発明の実施形態によれば、演出制御基板120が、前記複数の演出図柄の一部が停止表示されるリーチ状態中に、前記複数の演出図柄のうち停止表示が行われていない演出図柄の変動を継続しつつ、複数の類似する態様の特定演出データにより構成される特定演出グループによる演出を順次実行させる制御を行うので、連続演出において、演出図柄の表示に対する遊技者の誤解を防止して、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本発明の実施形態によれば、特定演出グループ(特定のデータグループ)によるキャラクタB遭遇演出を導入するために、当該特定のデータグループより先行して実行される導入演出の開始タイミングが複数設定され、特別遊技の制御を行うか否かの結果に基づいて前記導入演出の開始タイミングを前記複数の中から決定するので、さらに、連続演出が発生するタイミングを多様化して、遊技の興趣を向上させることができる。
尚、本実施形態では、特定演出グループ(特定のデータグループ)として類似する態様の特定演出データにより構成される図32(c)、図33(c)、図34(c)、図35(c)に示すキャラクタB遭遇演出の予告グループBを用いたが、特定演出データとして複数の同一の態様の特定演出データにより構成されるデータを用いてもよい。
本実施形態によれば、パチンコ遊技機に用いる遊技機について説明をしたが、回胴式遊技機(スロットマシン)、雀球遊技機、アレンジボール遊技機に用いてもよい。
また、本実施形態によれば、液晶表示装置31を動画表示手段として用いているが、動画表示手段は、プラズマディスプレイを用いてもよいし、プロジェクター、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置等を用いてもよい。