JP2014196319A - 新たなメタロセン化合物、それを含む触媒、その触媒を使用するオレフィンポリマーの製造プロセス、ならびにオレフィンホモポリマーおよびコポリマー - Google Patents

新たなメタロセン化合物、それを含む触媒、その触媒を使用するオレフィンポリマーの製造プロセス、ならびにオレフィンホモポリマーおよびコポリマー Download PDF

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Abstract

【課題】高モル質量のホモポリマーまたはコポリマーを提供できる重合触媒の成分として有用な新規メタロセン化合物を提供する。
【解決手段】下式等で示される架橋メタロセン、及びこれを含む触媒系を用いたオレフィン重合プロセス。

【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、重合触媒の成分として有用である新規メタロセン化合物、このようなメタロセン化合物を含む触媒、オレフィンの重合のためのプロセス、ならびにメタロセン触媒を使用することによって調製される、特にプロピレン、およびオレフィンのホモポリマー、ランダム、およびインパクトコポリマーに関するものである。
背景技術
触媒の成果を決定する最も重要な因子の1つはその汎用性、すなわち可能な限り最も広範囲の製品に触媒を使用する能力である。長期にわたって、ポリプロピレンのためのメタロセン触媒開発の制限は、エチレンが大半のメタロセンと共に連鎖移動剤として作用するために、高いモル質量のプロピレン−エチレンコポリマーをメタロセン触媒が製造できないことであった。この効果は、シンジオ特異的C対称MeC(Cp)(Flu)ZrCl、非特異的C2v対称MeSi(Flu)ZrCl、ならびにエラストマーポリプロピレンのためのC対称rac−MeC(3−iPr−Ind)ZrClおよび可動性(2−Ph−Ind)ZrCl触媒の両者などの、すべての基本的なメタロセン構造で観察されている。この効果は、イソ特異的C対称rac−MeSi(2−Me−4,5−Benz−Ind)ZrClおよびrac−MeSi(2−Me−4−Ph−Ind)ZrClでも見出されている[L. Resconi, C. Fritze, "Metallocene Catalysts for Propylene Polymerization" In Polypropylene Handbook (N. Pasquini, Ed.), ch. 2.2, Hanser Publishers, Munic 2005]。この触媒ファミリーの2−Me置換はプロピレンモノマーへのβ−水素転移を抑制して、それゆえ低モル質量ポリマーの形成を防止するが、後者が存在する場合にはエチレンコモノマーへのβ−水素転移を防止できない。エチレンコモノマーへのこのβ−水素転移は好ましい連鎖停止機構となり、低モル質量プロピレン−エチレンコポリマーの形成を引き起こす[A. Tynys et al., Macromol. Chem. Phys. 2005, vol. 206, pp. 1043-1056: "Ethylene-Propylene Copolymerizations: Effect of Metallocene Structure on Termination Reactions and Polymer Microstructure"]。例外は、エチレン包含によってモル質量の著しい増加を示す、rac−MeC(3−tBu−Ind)ZrClなどの、非常にかさ高いリガンドを持ついくつかのジルコノセンで見出されている。しかしこの触媒は、ホモポリマーモル質量および活性に関して欠点を有する。
メタロセン触媒の別の主要な要件は、高融点のポリプロピレンを製造するその能力である。これは、非常に高い立体特異性および位置選択性を有する触媒と同等である。rac−AlkSi(2−Alk−Ind)ZrCl触媒ファミリーの中で、立体特異性および位置選択性は、この15年の間に絶えず改善されてきた。EP−A1834519は、非常に高い立体規則性および非常に少量のレジオエラーを持つ高剛性、高Tmポリプロピレンの製造のためのrac−MeSi(2−Me−4−Ar−Ind)ZrClのメタロセンに関する。EP−A1834519で開示されたメタロセンは、その共重合性能について試験されていないが、ある位置の追加の置換基と組合せたときに、プロピレン/エチレンランダムコポリマーの製造に特に好適として後に認められる、2位の置換パターンを予測した。しかし、高立体およびレジオ規則性ポリプロピレンは、商業的に関連するプロセス条件下では得られず、あまりに低い活性/生産性レベルを被っていた。
US−A1 2001/0053833は、非置換芳香族複素環または環に結合した少なくとも1個の置換基を有する芳香族複素環より成る、2位に置換基を有するメタロセンを開示している。このような触媒は、合理的に高いモル質量を有するC3/C2コポリマーを提供するが、商業規模製造で典型的な条件下、すなわち担持体上および60℃以上の温度では高Tホモポリマーを製造することはできない。また、この触媒ファミリーの生産性は不十分である。
WO01/058970は、rac−MeSi(2−Alk−4−Ar−Ind)ZrClファミリーのメタロセンを含む触媒によって製造された、高融点および高ゴムモル質量を有するインパクトコポリマーに関する。プロピレン/エチレンゴムの高モル質量は、両方のAlk置換基がi−プロピル基であるときに達成された。WO02/002576は、インデニルリガンドの2位の置換基およびベンゼン環における置換基の特定の組合せを有する、(2−R−4−Ph−Ind)ZrClファミリーの架橋メタロセンを開示している。特にブチル置換基の場合に、Ph基が3および5位に置換パターンを示すならば、高いポリプロピレン(PP)の融点が好ましい。高いホモポリマー融点と高いコポリマーモル質量との組合せは、2位の置換基Rがどちらもイソプロピル基である場合に達成される。主な欠点は、両方のリガンドRがα位で分岐している場合に、rac−MeSi(2−R−4−Ar−Ind)ZrCl触媒の活性/生産性が非常に低いことである。WO03/002583は、インデニルリガンドの2位の置換基および4−Ph置換基の特定の組合せを有する、(2−R−4−Ph−Ind)ZrClファミリーの架橋メタロセンを開示している。特にビフェニル置換基の場合に、Ph基が2位に置換パターンを示すならば、高いPPの融点が好ましい。高いホモポリマー融点と高いコポリマーモル質量との組合せは、インデニルリガンドの2位の置換基Rがどちらもイソプロピル基である場合に達成される。1つの主な欠点は、両方のリガンドRがα位で分岐している場合に、rac−MeSi(2−R−4−Ar−Ind)ZrCl触媒の活性/生産性が非常に低いことである。さらに、このような触媒を使用して製造されたホモポリマーの考えられる最高のモル質量は比較的低く、比較的高いメルトフローレートに相当する。このことによって次に、このようなメタロセンはパイプ、ブローフィルム、キャストフィルムおよび射出延伸ブロー成形などのケータリング用途から排除される。
EP−A2 1250365、WO97/40075およびWO03/045551は、2位のリガンドの少なくとも一方がα位で分岐または環化されることが必須である、インデニルリガンドのどちらかの2位に置換基を有するメタロセンに関する。WO04/106351は、一方のリガンドが非分岐またはsp混成炭素原子によって結合されており、他方のリガンドがα位で分岐しているという条件で、インデニルリガンドの2位に置換基を有するメタロセンに関する。このような触媒によって、高いTホモポリマーおよび高いモル質量のプロピレン/エチレンコポリマーを提供する。しかし、触媒の活性/生産性および達成可能な最低のホモポリマーのメルトフローレートに関してなお制限がある。
本発明者等による同時係属中の出願であるPCT/US2007/022614は、2位でβ−分岐しているリガンドを有するメタロセンが、メタロセン触媒の活性を驚くほどに増加させ、またこれまで知られていたメタロセンよりも予想外に優れた特性を有する生成物を作り出すことを証明した。その時、発明者等は、触媒活性の顕著に高い増加および生成物の特性の改良さえも予想外に生み出す、前もって明らかになっている属の種を発見した。
要約すると、上述の従来技術のメタロセンを含む担持触媒系の主な欠陥は、プロピレンのホモ重合に使用したときに、高融点および非常に高いモル質量(または非常に低いメルトフローレート)を持つアイソタクチックポリプロピレンを提供する、およびプロピレンとエチレンとの共重合に使用したときに、高いモル質量のプロピレン/エチレンコポリマーを非常に高い触媒生産性で提供する触媒が今までのところ見出されていないということである。結果として、チーグラー/ナッタ触媒と比較したときに、これらの触媒の工業的有用性が制限されているのは、インパクトコポリマーにおいてなどのように、高い融点、非常に低いメルトフローレート、および/または高いモル質量のコポリマーもしくはコポリマー成分の組合せを必要とするある用途が、コスト競争力のある生産性で利用できないためである。
本発明の目的は、現行技術水準のメタロセン化合物のこの欠点に対処すること、50℃〜100℃の温度における工業的に適切な重合条件下で担持触媒の成分として使用したときに、高い融点、高いモル質量のホモポリマーおよび高いモル質量のコポリマーなどの所望の特徴を増強して、より高い生産性でそうするメタロセンを提供することである。さらに、本実施例の発明は、インデニル基の2位が対称に置換されたメタロセンを使用することによってこれらの利点を提供する。このことは、非対称置換を有する比較例よりも、著しくコスト効果的であり、したがってはるかに望ましい。
本発明の別の目的は、オレフィン、特にプロピレン、エチレン、および場合により1つ以上の高級1−オレフィンの重合のプロセスを提供することである。
さらに、本発明の目的は、オレフィンポリマー、特にプロピレンホモポリマー、プロピレンとエチレンおよび/または高級1−オレフィンとのランダムコポリマー、プロピレン、エチレンおよび/または場合により高級1−オレフィンから成るインパクトコポリマー、ならびにプロピレン、エチレンおよび/または場合により高級1−オレフィンから成るランダムインパクトコポリマーを提供することである。
概要
工業的に適切な重合条件下で担持重合触媒中の成分として使用されるときに、インデニルリガンドの2つの利用可能な2位のどちらかにおける任意のα−分岐置換基を必要とせずに、ポリプロピレンまたはプロピレン/エチレンコポリマーなどの高モル質量ホモポリマーまたはコポリマーを提供する、特定のメタロセン化合物が提供される。一方のインデニルリガンドの2位の置換基は、水素、メチル、またはα位で分岐していない任意の他のC−C40炭化水素を含む任意のラジカルであってよく、他方のインデニルリガンドの2位の置換基は、任意のC−C40炭化水素ラジカルであってよい(ただしこの炭化水素ラジカルはβ位で分岐し、β−炭素原子は四級炭素原子であり単環炭化水素系の一部である)。両方のインデニルリガンドの2位の置換基が同一であり、任意のC−C40炭化水素ラジカルである(ただしこの炭化水素ラジカルはβ位で分岐し、β−炭素原子は四級炭素原子であり単環炭化水素系の一部である)ことがさらにより好ましい。このメタロセン形態によって、高い融点、非常に高いモル質量のホモポリプロピレンおよび非常に高いモル質量のプロピレン系コポリマーが提供される。さらに、本発明のメタロセンを含む触媒の活性/生産性レベルは並外れて高い。
各種のメタロセンがたとえば米国特許公開公報第2006/0116490号に記載されているが、本発明のメタロセン形態によって達成されたオレフィン重合の改良は新規かつ予想外である。
本明細書に記載される一実施形態は、下記一般式1を有する架橋メタロセンである:
〔式中、Mは、元素周期律表の第IVb族の金属である。
およびRは、同一または異なって、水素原子、炭素原子1〜約10個のアルキル基、炭素原子1〜約10個のアルコキシ基、炭素原子6〜約20個のアリール基、炭素原子6〜約10個のアリールオキシ基、炭素原子2〜約10個のアルケニル基、OH基、ハロゲン原子、またはNR 32基から成る群より選択され、ここでR32は、炭素原子1〜約10個のアルキル基および炭素原子6〜約14個のアリール基であり、RおよびRは1個以上の環系を形成し得てもよい。
およびR4’は、同一または異なって、水素原子、ならびにSi、B、Al、O、S、N、P、F、ClおよびBrから成る群より選択される1個以上のヘテロ原子を場合により含有する直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基から成る群より選択される。
10は、架橋性基であり、ここでR10は:
から選択される。ここで、
40およびR41は、同じ記号を有するときでも、同一もしくは異なってもよく、Si、B、Al、O、S、N、P、ClおよびBrから成る群より選択されるヘテロ原子を場合により含有することが可能であり、ならびに水素原子、炭素原子1〜約30個を有するアルキル基、炭素原子6〜約40個のアリール基、炭素原子1〜約10個のフルオロアルキル基、炭素原子1〜約10個のアルコキシ基、炭素原子6〜約10個のアリールオキシ基、炭素原子2〜約10個のアルケニル基、炭素原子7〜約40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜約40個のアルキルアリール基、置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基、アリールシリル基、および炭素原子8〜約40個のアリールアルケニル基から成る群より選択され、ここでR40およびR41は、それらと結合する原子と共に1個以上の環系を形成してもよい。
xは、1〜18の整数である。
12は、ケイ素、ゲルマニウムまたはスズである。
10は場合により、2単位の式1と相互に結合することができる。
11およびR11’は、同一または異なって、それぞれシクロペンタジエニル環と共に、原子5〜7個の環サイズを有するさらなる飽和または不飽和環系を形成する2価C−C40基であり、ここでR11およびR11’は場合により、シクロペンタジエニル環に融合した環系内にヘテロ原子Si、Ge、N、P、OまたはSを含有する。
300は、以下の構造を有する:
ここで、R301は、炭素原子1〜約20個のアルキル基、炭素原子2〜約20個のアルケニル基、炭素原子6〜約20個のアリール基、炭素原子7〜約40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜約40個のアルキルアリール基、もしくは炭素原子8〜約40個のアリールアルケニル基、炭素原子1〜約20個のアルコキシ基、炭素原子6〜約20個のアリールオキシ基から成る群より選択される直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基、または置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基およびアリールシリル基であり、ここで該基の各々は、Si、B、Al、O、S、NまたはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClまたはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。
302は、炭素原子2〜約20個の置換もしくは非置換アルキル基、および炭素原子3〜約20個の置換もしくは非置換アルケニル基から成る群より選択される炭化水素基であり、それらの基は、Si、B、Al、O、S、NまたはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClまたはBrなどのハロゲン原子を含有してもよく、さらにR302は、β炭素原子と単環を形成する。
は、R300の意味を有するが、Rは、R300と同一である必要はなく、またはRは、Si、B、Al、O、S、N、P、F、ClまたはBrから成る群より選択される1個以上のヘテロ原子を場合により含有してもよい直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、またはRは、炭素原子1〜約20個のアルキル基、炭素原子3〜約20個のアルキルアルケニル基、炭素原子7〜約40個のアルキルアリール基、および炭素原子9〜約40個のアルキルアリールアルケニル基から成る群より選択される(ただしRは、いずれの場合にもα位において分岐していない)。〕
本明細書に記載される別の実施形態は、オレフィン重合反応条件下で炭素原子2〜約20個をそれぞれ有する1つ以上のオレフィンを、上に示された式1を有する架橋メタロセン成分を含む触媒系と接触させるステップを含む、オレフィン重合プロセスである。
本明細書に記載されるさらに別の実施形態は、下記一般式1aを有する架橋メタロセンである:
〔式中、Mは、元素周期律表の第IVb族の金属である。
およびRは、同一または異なって、水素原子、炭素原子1〜約10個のアルキル基、炭素原子1〜約10個のアルコキシ基、炭素原子6〜約20個のアリール基、炭素原子6〜約10個のアリールオキシ基、炭素原子2〜約10個のアルケニル基、OH基、ハロゲン原子、またはNR 32基から成る群より選択され、ここでR32は、炭素原子1〜約10個のアルキル基および炭素原子6〜約14個のアリール基であり、RおよびRは1個以上の環系を形成し得てもよい。
およびR4’は、同一または異なって、水素原子、ならびにSi、B、Al、O、S、N、P、F、ClおよびBrから成る群より選択される1個以上のヘテロ原子を場合により含有する直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基から成る群より選択される。
10は、架橋性基であり、ここでR10は:
から選択される。ここで、
40およびR41は、同じ記号を有するときでも、同一もしくは異なってもよく、Si、B、Al、O、S、N、P、ClおよびBrから成る群より選択されるヘテロ原子を場合により含有することが可能であり、ならびにそれぞれ水素原子、炭素原子1〜約30個を有するアルキル基、炭素原子6〜約40個のアリール基、炭素原子1〜約10個のフルオロアルキル基、炭素原子1〜約10個のアルコキシ基、炭素原子6〜約10個のアリールオキシ基、炭素原子2〜約10個のアルケニル基、炭素原子7〜約40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜約40個のアルキルアリール基、置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基、アリールシリル基、または炭素原子8〜約40個のアリールアルケニル基から成る群より選択され、ここでR40およびR41は、それらと結合する原子と共に1個以上の環系を形成してもよい。
xは、1〜18の整数である。
12は、ケイ素、ゲルマニウムまたはスズである。
10は場合により、2単位の式1と相互に結合することができる。
300は、以下の構造を有する:
ここで、R301は、炭素原子1〜約20個のアルキル基、炭素原子2〜約20個のアルケニル基、炭素原子6〜約20個のアリール基、炭素原子7〜約40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜約40個のアルキルアリール基、もしくは炭素原子8〜約40個のアリールアルケニル基、炭素原子1〜約20個のアルコキシ基、炭素原子6〜約20個のアリールオキシ基から成る群より選択される直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基、または置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基およびアリールシリル基であり、ここで該基は、Si、B、Al、O、S、NまたはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClまたはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。
302は、炭素原子2〜約20個の置換もしくは非置換アルキル基、および炭素原子3〜約20個の置換もしくは非置換アルケニル基から成る群より選択される炭化水素基であり、該基は、Si、B、Al、O、S、NまたはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClまたはBrなどのハロゲン原子を含有してもよく、R302は、β炭素原子と単環を形成する。
は、R300の意味を有するが、Rは、R300と同一である必要はなく、またはRは、Si、B、Al、O、S、N、P、F、ClまたはBrから成る群より選択される1個以上のヘテロ原子を場合により含有してもよい直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、またはRは、炭素原子1〜約20個のアルキル基、炭素原子3〜約20個のアルキルアルケニル基、炭素原子7〜約40個のアルキルアリール基、および炭素原子9〜約40個のアルキルアリールアルケニル基から成る群より選択される(ただしRは、いずれの場合にもα位において分岐していない)。
、R、RおよびRならびにまたR5’、R6’、R7’およびR8’が、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基、または置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基およびアリールシリル基から成る群より選択され、該基の各々は、Si、B、Al、O、S、NまたはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClまたはBrなどのハロゲン原子を含有してもよく、さらに隣接するラジカルRとRもしくはRとRもしくはRとRおよびまたR5’とR6’もしくはR6’とR7’もしくはR7’とR8’がそれぞれの場合において炭化水素環系を形成してもよい。〕
本発明の架橋メタロセン化合物の遷移金属化合物を製造するプロセスの個々のステップを示す。 比較例20において得られたコポリマーの写真である。 実施例19において得られたコポリマーの写真である。
詳細な説明
我々は、本目的が、少なくとも1つの特異的に置換および架橋されたメタロセン、少なくとも1つの共触媒、少なくとも1つの担持体ならびに所望ならば少なくとも1つの金属化合物およびさらなる追加の成分を含む担持触媒系によって達成されることを見出した。本発明により、触媒系は、少なくとも1つの特異的に置換および架橋されたメタロセン、少なくとも1つの共触媒、少なくとも1つの担持体ならびに所望ならば少なくとも1つの金属化合物およびさらなる追加の成分を混合することによって調製される。
本発明の第1の実施形態は、下の一般式1の置換、架橋されたメタロセン成分に関し、
式中、Mは、元素周期律表の第IVb族の金属、好ましくはジルコニウムまたはハフニウム、および特に好ましくはジルコニウムである。
およびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、炭素原子1〜約10個のアルキル基、炭素原子1〜約10個のアルコキシ基、炭素原子6〜約20個のアリール基、炭素原子6〜約10個のアリールオキシ基、炭素原子2〜約10個のアルケニル基、OH基、ハロゲン原子、またはNR 32基であり、ここでR32は、炭素原子1〜約10個のアルキル基または炭素原子6〜約14個のアリール基であり、ならびにRおよびRは1個以上の環系を形成してもよい。好ましくは、RおよびRは、同一もしくは異なって、炭素原子1〜約10個のアルキル基、炭素原子1〜約10個のアルコキシ基、炭素原子6〜約10個のアリールオキシ基もしくはハロゲン原子であるか、またはRおよびRはともに1個以上の環系を形成してもよい。特に好ましくは、RおよびRは、同一または異なって、メチル、塩素またはフェノラートである。
およびR4’は、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子、直鎖、環式または分岐鎖の炭化水素基、たとえば炭素原子1〜20個のアルキル基、炭素原子2〜20個のアルケニル基、炭素原子6〜20個のアリール基、炭素原子7〜40個のアリールアルキル基、炭素原子8〜約40個のアルキルアリール基、もしくは炭素原子8〜約40個のアリールアルケニル基、または置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基もしくはアリールシリル基である。該基は、Si、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。好ましくは、RおよびR4’は、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子、直鎖、環式または分岐鎖の炭化水素基、たとえば炭素原子1〜約10個のアルキル基、炭素原子2〜約10個のアルケニル基、炭素原子6〜約10個のアリール基、炭素原子7〜約20個のアリールアルキル基、炭素原子8〜約20個のアルキルアリール基、もしくは炭素原子8〜約20個のアリールアルケニル基、または置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基もしくはアリールシリル基である。該基はハロゲン化されてもよい。特に好ましくは、RおよびR4’はどちらも水素である。
10は、架橋性基であり、ここでR10は:
から選択される。
式中、
40およびR41は、同じ記号を有するときでも、同一もしくは異なってよく、それぞれ水素原子、C−C40基、たとえば炭素原子1〜約30個を有するアルキル基、炭素原子6〜約40個のアリール基、炭素原子1〜約10個のフルオロアルキル基、炭素原子1〜約10個のアルコキシ基、炭素原子6〜約10個のアリールオキシ基、炭素原子2〜約10個のアルケニル基、炭素原子7〜約40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜約40個のアルキルアリール基、置換もしくは非置換アルキルシリル、アルキル(アリール)シリルもしくはアリールシリル基、または炭素原子8〜約40個のアリールアルケニル基である。R40およびR41は、それらと結合する原子と共に1個以上の環系を形成してもよく、またはR40および/もしくはR41は、さらなるSi、B、Al、O、S、NもしくはPなどのヘテロ原子(すなわち非炭素原子)またはClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。
xは、1〜18の整数である。
12は、ケイ素、ゲルマニウムまたはスズである。ならびに
10は、2単位の式1と相互に結合することができる。
好ましくは、R10は、R4041Si=、R4041Ge=、R4041C=または−(R4041C−CR4041)−であり、ここでR40およびR41は、同一または異なって、それぞれ水素原子、炭素原子1〜約30個の炭化水素基、特に炭素原子1〜約10個のアルキル基、炭素原子6〜約40個のアリール基、炭素原子7〜約14個のアリールアルキル基、炭素原子7〜約14個のアルキルアリール基または置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリルもしくはアリールシリル基である。
特に好ましくは、架橋単位R10は、R4041Si=またはR4041Ge=であり、ここでR40およびR41は、同一または異なって、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、ベンジル、トリメチルシリルまたは3,3,3−トリフルオロプロピルである。
11およびR11’は、同一または異なって、それぞれシクロペンタジエニル環と共に、原子5〜7個の環サイズを有するさらなる飽和または不飽和環系を形成する2価のC−C40基であり、ここでR11およびR11’は、シクロペンタジエニル環に融合した環系内にヘテロ原子Si、Ge、N、P、OまたはSを含有してもよい。好ましくは、基R11およびR11’は、同一または異なって、それぞれ式1α、β、γ、δ、φ、およびνならびに式1α’、β’、γ’、δ’、φ’、およびν’でそれぞれ示した基から選択される2価基である。式1ならびに式1α〜νおよび1α’〜ν’それぞれにおけるアスタリスク「*」および「**」は、R11およびR11’をシクロペンタジエニル環に結合する化学結合を示す。例を示すと、R11が式1γによって表され、およびR11’が式1γ’によって表される場合、式1aで示した構造(下記参照)が得られる。特に好ましくは、R11およびR11’は、同一または異なっており、R11は式1γの2価基であり、ならびにR11’は、式1α’、β’、およびγ’の2価基から選択されるか、またはR11およびR11’は、同一または異なっており、式1αと1α’、式1βと1β’、式1γと1γ’、式1δと1δ’、式1φと1φ’もしくは式1νと1ν’それぞれによる2価基である。
、R、R、R、およびRならびにまたR5’、R6’、R7’、R8’およびR9’は、R55、R66、R77、R88およびR99ならびにまたR55’、R66’、R77’、R88’およびR99’と同様に、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖、環式または分岐鎖の炭化水素基、たとえば炭素原子2〜約20個のアルキル基、炭素原子2〜約20個のアルケニル基、炭素原子6〜約40個のアリール基、炭素原子7〜約40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜約40個のアルキルアリール基、または炭素原子8〜約40個のアリールアルケニル基、または置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基もしくはアリールシリル基である。2個の隣接するラジカルRとR、R5’とR6’、RとR、R6’とR7’、RとR、R7’とR8’、RとRまたはR8’とR9’は、R55とR66、R55’とR66’、R66とR77、R66’とR77’、R77とR88、R77’とR88’、R88とR99またはR88’とR99’と同様にそれぞれの場合で、飽和または不飽和炭化水素環系を形成してもよい。該基は、Si、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。
好ましくは、R55、R66、R77、R88およびR99ならびにまたR55’、R66’、R77’、R88’およびR99’はそれぞれ水素原子であり、ならびにR、R、R、RおよびRならびにまたR5’、R6’、R7’、R8’およびR9’は、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換もしくは非置換アルキルシリルもしくはアリールシリル基、炭素原子1〜約10個の直鎖、環式もしくは分岐鎖のアルキル基、または炭素原子6〜約40個のアリール基であり、ならびに該基は、Si、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有し得てよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。2個の隣接するラジカルR/RおよびまたR5’/R6’は、炭化水素環系を形成してもよく、またはRおよびR5’は、同一もしくは異なって、それぞれ炭素原子6〜約40個の置換もしくは非置換アリール基である。
特に好ましくは、R55、R66、R77、R88およびR99ならびにまたR55’、R66’、R77’、R88’およびR99’はそれぞれ水素原子であり、ならびにR、R、R、RおよびRならびにまたR5’、R6’、R7’、R8’およびR9’は、同一または異なって、それぞれ水素原子、炭素原子1〜約10個の直鎖、環式もしくは分岐鎖のアルキル基、または炭素原子6〜約40個のアリール基である。2個の隣接するラジカルRとRおよびまたR5’とR6’は、共に環系を形成してもよく、またはRおよびR5’は、同一もしくは異なって、それぞれ炭素原子6〜約40個の置換もしくは非置換アリール基である。
300は、
基であり、ここでR301は、直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基、たとえば炭素原子1〜約20個のアルキル基、炭素原子2〜約20個のアルケニル基、炭素原子6〜約20個のアリール基、炭素原子7〜約40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜約40個のアルキルアリール基、もしくは炭素原子8〜約40個のアリールアルケニル基、炭素原子1〜約20個のアルコキシ基、炭素原子6〜約20個のアリールオキシ基、または置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基もしくはアリールシリル基であり、ならびに該基は、Si、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。
好ましくは、R301は、直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基、たとえば炭素原子1〜約10個のアルキル基、炭素原子2〜約10個のアルケニル基、炭素原子6〜約10個のアリール基、炭素原子7〜約20個のアリールアルキル基、炭素原子7〜約20個のアルキルアリール基、もしくは炭素原子8〜約20個のアリールアルケニル基、炭素原子1〜約10個のアルコキシ基、炭素原子6〜約10個のアリールオキシ基、または置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基もしくはアリールシリル基であり、ならびに該基は、Si、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。
特に好ましくは、R301は、直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基、たとえば炭素原子1〜約4個のアルキル基、炭素原子6〜約10個のアリール基、炭素原子7〜約20個のアリールアルキル基、炭素原子7〜約20個のアルキルアリール基、炭素原子1〜約10個のアルコキシ基、炭素原子6〜約10個のアリールオキシ基であり、ならびに該基は、Si、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。
特に最も好ましくは、R301は、直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基、たとえば炭素原子1〜約4個のアルキル基である。
302は、β−炭素原子と単環を構築している炭化水素基、たとえば炭素原子2〜約20個の置換または非置換アルキル基、炭素原子3〜約20個の置換または非置換アルケニル基であり、ならびに該基は、Si、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。
好ましくは、R302は、β−炭素原子と単環を構築している炭化水素基、たとえば炭素原子2〜約10個の置換または非置換アルキル基であり、ならびに該基は、Si、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。
特に好ましくは、R302は、β−炭素原子と単環を構築している炭化水素基、たとえば炭素原子3〜約7個の置換または非置換アルキル基であり、ならびに該基は、Si、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい(ただしR300は6個を超える炭素原子を含有する)。
は、R300について記載したものと同じ組から選択されてもよい(しかしRはR300と同じである必要はない)か、またはRは、水素原子、もしくはハロゲン化されてもよく、および/またはSi、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよい直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基、たとえば炭素原子1〜約20個のアルキル基、炭素原子3〜約20個のアルキルアルケニル基、炭素原子7〜約40個のアルキルアリール基、もしくは炭素原子9〜約40個のアルキルアリールアルケニル基である(ただしRは、α位において環式でも分岐でもない)。
好ましくは、Rは、R300について記載したものと同じ組から選択される(しかしRはR300と同じである必要はない)か、またはRは、炭素原子1〜約20個の直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基、たとえば炭素原子1〜20個のアルキル基、炭素原子7〜約20個のアルキルアリール基、炭素原子3〜約20個のアルキルアルケニル基もしくは炭素原子9〜約20個のアルキルアリールアルケニル基である(ただしRは、α位において環式でも分岐でもない)。
さらに好ましくは、RおよびR300は同じであるか、またはRは、メチル基またはハロゲン化されてもよい炭素原子7〜約10個の直鎖、環式または分岐鎖の炭化水素基、炭素原子7〜約10個のアルキルアリール基または炭素原子7〜約10個のアルキルアルケニル基である(ただしRは、α位において環式でも分岐でもない)。
特に好ましくは、RおよびR300は同じである(ただしRおよびR300は6個を超える炭素原子を含有する)。
好ましくは、RおよびR300のいずれかまたは両方は、環式ではなく、または代替的にα炭素位において分岐していない。
好ましくは、本発明の第1の実施形態の特異的に置換された架橋メタロセン成分は、下の式1aで示す通りである。
、R、R、R、R、R4’、R10およびR300は、式1に関して上述した意味を有する。
式1aの置換基R、R、RおよびRならびにまたR5’、R6’、R7’およびR8’については、2つの正当な置換パターンがある。
第1の置換パターンにおいて、R、R、RおよびRならびにまたR5’、R6’、R7’およびR8’は、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子、または直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基、たとえば炭素原子1〜約20個のアルキル基、炭素原子2〜約20個のアルケニル基、炭素原子6〜約40個のアリール基、炭素原子7〜約40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜約40個のアルキルアリール基、もしくは炭素原子8〜約40個のアリールアルケニル基、または置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基もしくはアリールシリル基である。該基は、Si、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよく、ならびに/またはそれぞれの場合における2個の隣接するラジカルRとR、RとRもしくはRとRおよびまたR5’とR6’、R6’とR7’もしくはR7’とR8’は炭化水素環系を形成してもよい。
好ましくは、R、R、RおよびRならびにまたR5’、R6’、R7’およびR8’は、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子、置換または非置換アルキルシリルもしくはアリールシリル基、炭素原子1〜約10個の直鎖、環式もしくは分岐鎖のアルキル基、または炭素原子6〜約40個のアリール基であり、これらはSi、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよく、ならびに/または2個の隣接するラジカルRとRおよびまたR5’とR6’は、飽和または不飽和炭化水素環系を形成してもよい。
特に好ましくは、R、R、RおよびRならびにまたR5’、R6’、R7’およびR8’は、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子、または炭素原子1〜約10個の直鎖、環式もしくは分岐鎖のアルキル基、または炭素原子6〜約40個のアリール基であり、ならびに/または2個の隣接するラジカルRとRおよびまたR5’とR6’は共に飽和または不飽和環系を形成してもよい。
第2の置換パターンにおいて、R、R、RならびにまたR6’、R7’およびR8’は、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子、または直鎖、環式または分岐鎖の炭化水素基、たとえば炭素原子1〜約10個のアルキル基、炭素原子2〜約10個のアルケニル基、炭素原子6〜約20個のアリール基、炭素原子7〜約40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜約40個のアルキルアリール基、もしくは炭素原子8〜約40個のアリールアルケニル基、または置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基もしくはアリールシリル基である。2個の隣接するラジカルRとRまたはRとRは、R6’とR7’またはR7’とR8’と同様に、それぞれの場合において炭化水素環系を形成してもよい。該基は、Si、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。RおよびR5’は、同一または異なって、それぞれ炭素原子6〜約40個の置換もしくは非置換アリール基である。それらは、Si、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。
好ましくは、R、RおよびRならびにまたR6’、R7’およびR8’は、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子、置換または非置換アルキルシリルもしくはアリールシリル基、炭素原子1〜約10個の直鎖、環式もしくは分岐鎖のアルキル基、または炭素原子6〜約10個のアリール基であり、これらはSi、B、Al、O、S、NもしくはPなどの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClもしくはBrなどのハロゲン原子を含有してもよい。RおよびR5’は、同一または異なって、それぞれ炭素原子6〜約40個の置換もしくは非置換アリール基である。
特に好ましくは、R、RおよびRならびにまたR6’、R7’およびR8’は、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子、炭素原子1〜約10個の直鎖、環式もしくは分岐鎖のアルキル基、または炭素原子6〜約10個のアリール基である。RおよびR5’は、同一もしくは異なって、それぞれナフチル、4−(C−C10−アルキル)フェニルまたは4−(C−C20−アリール)フェニル、例えば、4−メチル−フェニル、4−ビフェニル、4−エチル−フェニル、4−n−プロピル−フェニル、4−イソプロピル−フェニル、4−tert−ブチル−フェニル、4−sec−ブチル−フェニル、4−シクロヘキシル−フェニル、4−トリメチルシリル−フェニル、4−アダマンチル−フェニルなど、4−(C−C10−フルオロアルキル)−フェニル、3−(C−C10−アルキル)−フェニル、3−(C−C10−フルオロアルキル)−フェニル、3−ビフェニルなどの3−(C−C20−アリール)フェニル、3,5−ジメチル−フェニルなどの3,5−ジ−(C−C10−アルキル)−フェニル、3,5−ジ(トリフルオロメチル)−フェニルなどの3,5−ジ−(C−C10−フルオロアルキル)−フェニルまたは3,5−ターフェニルなどの3,5−(C−C20−アリール)フェニルである。
式1および1aによる特に好ましいメタロセン化合物の非制限的な例を下に示す:
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘプチル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロノニル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロオクチル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロペンチル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘプチル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロノニル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロオクチル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロブチル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘキシル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロペンチル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘプチル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロノニル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロオクチル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロブチル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロプロピル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘプチル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロノニル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロオクチル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロペンチル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘプチル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロノニル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロオクチル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロブチル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘキシル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロペンチル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘプチル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロノニル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロオクチル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロブチル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロプロピル)メチル]−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘプチル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロノニル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロオクチル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロペンチル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘプチル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロノニル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロオクチル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロブチル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘキシル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロペンチル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘプチル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロノニル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロオクチル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロブチル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロプロピル)メチル]−4−フェニル−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘプチル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロノニル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロオクチル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロペンチル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘプチル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロノニル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロオクチル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロブチル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘキシル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロペンチル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘプチル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロノニル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロオクチル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロブチル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロプロピル)メチル]−4−(2−ナフチル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘプチル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロノニル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロオクチル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロペンチル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘプチル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロノニル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロオクチル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロブチル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘキシル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロペンチル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘプチル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロノニル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロオクチル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロブチル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロプロピル)メチル]−4−(4−メチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘプチル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロノニル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロオクチル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロペンチル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘプチル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロノニル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロオクチル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロブチル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘキシル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロペンチル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘプチル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロノニル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロオクチル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロブチル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロプロピル)メチル]−4−(3,5−ジメチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘプチル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロノニル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロオクチル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロペンチル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘプチル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロノニル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロオクチル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロブチル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘキシル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロペンチル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘプチル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロノニル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピル−シクロオクチル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロブチル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロプロピル)メチル]−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘプチル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロノニル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロオクチル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロペンチル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘプチル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロノニル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロオクチル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロブチル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘキシル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロペンチル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロヘプチル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロノニル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロオクチル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロブチル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−プロピルシクロプロピル)メチル]−4−(4−エチル−フェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(5−メチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(2,2−ジメチル−5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(3−メチル−オキセタン−3−イル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(3−エチル−オキセタン−3−イル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド、
ならびに類似のジルコニウムジメチル化合物、ならびにジルコニウム−ビフェノラートおよびジルコニウム−ビスフェノラート。
式1および1aの好ましい純粋なキラル架橋ラセミまたは擬似ラセミメタロセン化合物の代わりに、式1および1aのメタロセンおよび対応するメソまたは擬似メソメタロセンの混合物が触媒調製に使用され得る。しかし、異性体的に純粋なラセミ形の調製がオレフィンのアイソタクチックポリオレフィンへの重合でのメタロセンの使用に特に好ましいのは、対応するメソ形が望ましくないアタクチックポリプロピレン(「PP」)を製造し得るからである。「異性体的に純粋な」ラセミ形は、5:1を超える、好ましくは少なくとも10:1の、さらに好ましくは少なくとも15:1の、および最も好ましくは少なくとも20:1のrac:メソ比を意味すると理解される。
本明細書で使用するように、「ラセミ」(または「rac」)という用語は、「擬似ラセミ」(または「擬似rac」)を含み、「メソ」という用語は「擬似メソ」を含む。
本発明は、本発明の式1および1aの遷移金属化合物を製造するプロセスも含む。
それゆえ本発明の目的は、式1aの化合物を製造するプロセスであって、
式中、変数RおよびMは、上で規定した意味を有し、
a)式2:
(式中、R300、R4’、R5’、R6’、R7’およびR8’は、上記の意味を有する)の化合物の、塩基による脱プロトン化のステップと、
b)R10がM124041(式中、M12、R40、およびR41は上記の意味を有する)を意味する場合は、さらなる製造として、ステップ(a)からの脱プロトン化化合物とR404112(式中、R40、R41、およびM12は、上で規定した意味を有し、ならびにXは、同じまたは異なり得て、ハロゲン原子、好ましくは塩素、臭素、もしくはヨウ素、または別の離脱基、好ましくはトリフレート、トシラート、もしくはメシラートを意味する)との反応を行い、使用した定量的割合に応じて式3または式4の化合物を形成するステップと、
c)式3のクロロシランインデンまたはクロロゲルマンインデンの製造後に、これらを式5
(式中、Mは、Li、Na、またはKを表し、ならびにR、R、R、R、R、およびRは、上記の意味を有する)の金属インデン化合物と反応させて、式6の化合物を得るステップと、
d)式4または6の化合物を塩基と反応させて、およびMCl(式中、Mは、ジルコニウム、チタン、またはハフニウムを表す)を添加して、式1aの化合物を形成するステップとを、含む好ましい実施形態を含む。
ステップ(a)において、式2の化合物、たとえば2−(1−メチル−シクロヘキシルメチル)−7−(4−tert−ブチル−フェニル)−1H−インデンは1つ以上の芳香族もしくは脂肪族炭化水素および/または1つ以上の極性非プロトン性溶媒から成る不活性溶媒中で、強塩基、たとえばn−ブチルリチウムによって脱プロトン化される。脱プロトン化は、−70℃〜80℃の、および好ましくは0℃〜80℃の温度にて実施される。次に、得られた金属塩をさらに単離せずに、ステップ(b)で2個の離脱基を含有するケイ素化合物またはゲルマニウム化合物と直接反応させる。定量的割合の調整によって、式3の化合物または式4の化合物の優先的な製造が達成できる。式3の化合物はステップ(c)で、式5の金属インデニル化合物と反応させる。次のステップ(d)において、式4または6のビス(インデニル)シランは、1つ以上の芳香族もしくは脂肪族炭化水素および/または1つ以上の極性非プロトン性溶媒から成る不活性溶媒中で、n−ブチルリチウムなどの強塩基によって二重脱プロトン化して、ならびにこのように形成されたビスリチウム塩を単離せずにTi、Zr、またはHf源と直接反応させて、式1aの化合物を得る。脱プロトン化は、−70℃〜80℃の、および好ましくは0℃〜80℃の温度にて実施される。式4または6のリガンド系の性質に応じて、メタロセンは、5:1を超える、好ましくは少なくとも10:1の、さらに好ましくは少なくとも15:1の、および最も好ましくは少なくとも20:1のrac:meso比もしくは擬似rac:meso比で反応混合物から直接分離されることができるか、またはさらなるrac:meso分離ステップを利用して、少なくとも5:1の、好ましくは少なくとも10:1の、さらに好ましくは少なくとも15:1の、および最も好ましくは少なくとも20:1のrac:meso比もしくは擬似rac:meso比に到達して適切な触媒を得る必要がある。
図1には、好ましい実施形態の例として、式1aの遷移金属化合物を製造するための本発明のプロセスの個々のステップを再び示す。
さらに、本発明は、少なくとも1つの式1または1aの化合物および少なくとも1つの共触媒を含む触媒系に関する。
触媒系に本発明に従って存在し得る好適な共触媒成分は、メタロセンと反応してメタロセンをカチオン性化合物に変換する、アルミノキサン、ルイス酸またはイオン性化合物の少なくとも1種類の化合物を含む。
アルミノキサンは、オリゴマーまたはポリマーアルミニウムオキシ化合物であり、直鎖、環式、かご型またはポリマー構造の形態で存在し得る。アルミノキサンの正確な構造はなお不明であるが、アルキルアルミノキサンが一般式7を有することが十分に認識されている。
(R−AI−O) (式7)
アルミノキサンの環式、直鎖またはかご型構造の例を、式8、9および10に示す:
式(7)、(8)、(9)および(10)のラジカルRは、同一または異なって、それぞれC−C20基、例えば炭素原子1〜約6個のアルキル基、炭素原子6〜約18個のアリール基、ベンジルまたは水素であり、ならびにpは、2〜50の、好ましくは10〜35の整数である。
好ましくは、ラジカルRは、同じであり、メチル、イソブチル、n−ブチル、フェニルまたはベンジル、特に好ましくはメチルである。
ラジカルRが異なる場合、ラジカルRは、好ましくはメチルと水素、メチルとイソブチルまたはメチルとn−ブチルであり、水素、イソブチルまたはn−ブチルは、好ましくは0.01〜40%の割合(ラジカルRの数)で存在する。
アルミノキサンは、各種の様式で公知の方法によって調製できる。方法の1つは、トルエンなどの不活性溶媒中での、アルミニウム−炭化水素化合物および/またはヒドリドアルミニウム−炭化水素化合物と水(当該水は、気体、固体、液体であってもよく、または結晶水として結合されてもよい)との反応を含む。異なるアルキル基Rを有するアルミノキサンを調製するために、所望の組成および反応性に相当する2つの異なるトリアルキルアルミニウム(AlR+AlR’)を水と反応させる(参照:S.Pasynkiewicz,Polyhedron 9(1990)429およびEP−A−0302424)。
調製方法にかかわらず、すべてのアルミノキサン溶液は共通して、遊離形でまたは付加体として存在する、可変含有量の未反応のアルミニウム開始化合物を有する。
さらに、式7、8、9または10のアルミノキサン化合物の代わりに、炭化水素ラジカルまたは水素原子がアルコキシ、アリールオキシ、シロキシまたはアミドラジカルによって部分的に置換されている修飾アルミノキサンを使用することもできる。
担持触媒系の調製で使用されるアルミノキサンおよびメタロセンの量は、広い範囲内で変更できる。しかし、アルミノキサン化合物からのアルミニウムの、メタロセン化合物からの遷移金属に対する原子比率が10:1〜1000:1の、好ましくは20:1〜500:1の範囲に、特に30:1〜400:1の範囲にあるような量で、式1または1aのメタロセン化合物およびアルミノキサン化合物を使用することが好ましいことが見出されている。メチルアルミノキサンの場合、≧30%の濃度のトルエン溶液を使用することが選好されるが、10%濃度溶液を使用することもできる。
ルイス酸として、式11の化合物を使用することが好ましい。
(式11)
式中、Mは、元素周期律表の第13族の元素、特にB、AlまたはGa、好ましくはBまたはAlであり、X、XおよびXは、同一または異なって、それぞれ水素原子、炭素原子1〜約20個のアルキル基、炭素原子6〜約15個のアリール基、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロアルキルもしくはハロアリール(かかる基は、アルキルラジカル中に炭素原子1〜10個およびアリールラジカル中に炭素原子6〜20個をそれぞれ有する)、またはフッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素である。X、XおよびXの好ましい例は、メチル、プロピル、イソプロピル、イソブチルまたはトリフルオロメチル、不飽和基(たとえばフェニル、トリル、ベンジル基、p−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニルおよび3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルなどのアリールまたはハロアリール)である。
好ましいルイス酸は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリフルオロボラン、トリフェニルボラン、トリス(4−フルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタ−フルオロフェニル)ボラン、トリス(トリル)ボラン、トリス(3,5−ジメチル−フェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボランおよび/またはトリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボランである。
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが特に選好される。
イオン性共触媒として、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、テトラフェニルボラート、SbF 、CFSO またはClO などの非配位アニオンを含有する化合物の使用が好ましい。好適な対イオンは、ルイス酸またはブレンステッド酸カチオンのどちらかである。
ブレンステッド酸として、プロトン化されたアミンまたはアニリン誘導体、たとえばメチルアンモニウム、アニリニウム、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、N−メチルアニリニウム、ジフェニルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリ−n−ブチルアンモニウム、メチルジフェニルアンモニウム、ピリジニウム、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリニウムまたはp−ニトロ−N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジメチルベンジルアンモニウム、N,N−ジメチルシクロヘキシルアンモニウムが特に好ましい。
好適なルイス酸カチオンは、式12のカチオンである。
[(Ya+)Q...Qd+ (式12)
式中、Yは、元素周期律表の第1〜16族の元素であり、Q〜Qは、1価の負に帯電した基、たとえばC−C28アルキル、C−C15アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロアルキル、ハロアリール(かかる基は、アリールラジカル中に炭素原子6〜20個およびアルキルラジカル中に炭素原子1〜28個をそれぞれ有する)、炭素原子1〜約10個のアルキル基を置換基として有してもよい、炭素原子3〜約10個のシクロアルキル基、ハロゲン、炭素原子1〜28個のアルコキシ基、炭素原子6〜15個のアリールオキシ基、シリルまたはメルカプチル基である。
aは、1〜6の整数であり、
zは、0〜5の整数であり、ならびに
dは、差a−zに相当するが、dは1以上である。
特に好適なカチオンは、トリフェニルカルベニウムなどのカルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、テトラヒドロチオフェニウムなどのスルホニウムカチオン、トリエチルホスホニウム、トリフェニルホスホニウムおよびジフェニルホスホニウムなどのホスホニウムカチオン、ならびにまた銀カチオンおよび1,1’−ジメチルフェロセニウムカチオンなどのカチオン性遷移金属複合体である。
本発明に従って使用できる好ましいイオン性化合物は:
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボラート、
トリブチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボラート、
トリメチルアンモニウムテトラ(トリル)ボラート、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリル)ボラート、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボラート、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
トリプロピルアンモニウムテトラ(ジメチルフェニル)ボラート、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリフルオロメチルフェニル)ボラート、
トリブチルアンモニウムテトラ(4−フルオロフェニル)ボラート、
N,N−ジメチルシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、
N,N−ジメチルベンジルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボラート、
N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボラート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
ジ(プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、
ジ(シクロヘキシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、
トリフェニルホスホニウムテトラキス(フェニル)ボラート、
トリエチルホスホニウムテトラキス(フェニル)ボラート、
ジフェニルホスホニウムテトラキス(フェニル)ボラート、
トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(フェニル)ボラート、
トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(フェニル)ボラート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(フェニル)アルミネート、
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートおよび/または
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート
を含む。
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、N,N−ジメチルシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートまたはN,N−ジメチルベンジルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートが好ましい。
上述および後述のカチオン形成化合物のすべての混合物を使用することも可能である。好ましい混合物は、アルミノキサンおよびイオン性化合物、ならびに/またはルイス酸を含む。
他の有用な共触媒成分は、同様のボランまたはカルボラン化合物、たとえば
7,8−ジカルバウンデカボラン(13)、
ウンデカヒドリド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、
ドデカヒドリド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、
トリ(ブチル)アンモニウムデカヒドリド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボラート、
4−カルバノナボラン(14)、
ビス(トリ(ブチル)アンモニウム)ノナボラート、
ビス(トリ(ブチル)アンモニウム)ウンデカボラート、
ビス(トリ(ブチル)アンモニウム)ドデカボラート、
ビス(トリ(ブチル)アンモニウム)デカクロロデカボラート、
トリ(ブチル)アンモニウム−1−カルバデカボラート、
トリ(ブチル)アンモニウム−1−カルバドデカボラート、
トリ(ブチル)アンモニウム−1−トリメチルシリル−1−カルバデカボラート、
トリ(ブチル)アンモニウムビス(ノナヒドリド−1,3−ジカルバノナボラート)コバルテート(III)、トリ(ブチル)アンモニウムビス(ウンデカヒドリド−7,8−ジカルバウンデカボラート)フェラート(III)
である。
ルイス酸またはルイス酸もしくはブレンステッド酸カチオンを有するイオン性化合物の量は、式1または1aのメタロセン化合物に対して、好ましくは0.1〜20当量、好ましくは1〜10当量である。
特許出願WO99/40129に記載されているように、少なくとも1つのルイス塩基とR 17(−O−M 18またはR 18(−O−M 17(式13)の二元金属化合物との組合せは、共触媒系と同様に重要である。
この点で、R17およびR18は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C−C40炭素含有基、特に炭素原子1〜約20個のアルキル基、炭素原子1〜約20個のハロアルキル、炭素原子1〜約10個のアルコキシ、炭素原子6〜約20個のアリール、炭素原子6〜約20個のハロアリール、炭素原子6〜約20個のアリールオキシ、炭素原子7〜約40個のアリールアルキル、炭素原子7〜約40個のハロアリールアルキル、炭素原子7〜約40個のアルキルアリール、または炭素原子7〜約40個のハロアルキルアリールを表す。R17は、−OSiR51 基であってもよく、式中、R51基は、同一または異なって、R17と同じ意味を有し、Mは、同一または異なって、元素周期律表の主族IIIの元素を表し、i、j、およびvはそれぞれ、整数0、1、または2を表し、およびi+j+vは0ではない。
式13による好ましい共触媒系は、式(A)および(B)の化合物である。
式中、R17およびR18は、上記と同じ意味を有する。
さらに、好ましいと一般に見なされる化合物は、式(C)および/または(D)および/または(E)の少なくとも1つの化合物と式(F)の少なくとも1つの化合物との反応によって形成される化合物である。
式中
27は、水素原子またはホウ素を含まないC−C40炭素含有基、たとえば炭素原子1〜約20個のアルキル、炭素原子6〜約20個のアリール、炭素原子7〜約40個のアリールアルキル、および炭素原子7〜約40個のアルキルアリールであってよく、ならびにここでR17、R18は、上記と同じ意味を有し、
Dは、元素周期律表の主族VIの元素またはNR61基であり、ここでR61は、水素原子またはC−C20炭化水素基、たとえば炭素原子1〜約20個のアルキルまたは炭素原子6〜約20個のアリールであり、
fは、0〜3の整数であり、
gは、0〜3の整数であり、ここでf+gは、ホウ素の価数に相当し、
hは、1〜10の整数である。
式13の二元金属化合物は、式14の有機金属化合物、すなわち[M19 と合せることができ、式中、Mは、元素周期律表の主族I、II、またはIIIの元素であり、R19は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C−C40炭素含有基、炭素原子1〜約20個のアルキル基、炭素原子約6〜約40個のアリール基、炭素原子7〜約40個のアリールアルキル、炭素原子7〜約40個のアルキルアリールを表し、qは、1〜3の整数であり、kは、1〜4の整数である。
式14の有機金属化合物は好ましくは中性ルイス酸であり、式中、Mは、リチウム、マグネシウム、および/またはアルミニウム、特にアルミニウムを表す。式14の好ましい有機金属化合物の例は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプレンアルミニウム、ジメチルアルミニウムモノクロライド、アルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジメチルアルミニウムヒドリド、アルミニウムヒドリド、ジイソプロピルアルミニウムヒドリド、ジメチルアルミニウム(トリメチルシロキシド)、ジメチルアルミニウム(トリエチルシロキシド)、フェニルアラン、ペンタフルオロフェニルアラン、およびo−トリルアランである。
本発明の触媒系は、共触媒活性化学化合物として、式13の単位を含有する有機ボロアルミニウム化合物を含有する。Mがホウ素またはアルミニウムを表す式13の化合物が好ましい。式13の単位を含有する化合物は、モノマーとして、または直鎖、環式、もしくはかご様オリゴマーとして存在し得る。式13の単位を含有する2つ以上の化学化合物は、それら自体の間でルイス酸−塩基相互作用によって、ダイマー、トリマー、またはより高次の組合せも形成し得る。
好ましい共触媒活性二元金属化合物は、式15および16に相当する。
式中、R100およびR200は、式13の置換基R17およびR18と同じ意味を有する。
式15および16の共触媒活性化合物の例は
である。EP−A−924,223、DE 196 22 207.9、EP−A−601,830、EP−A−824,112、EP−A−824,113、WO99/06,414、EP−A−811,627、WO97/11,775、DE196 06 167.9およびDE198 04 970に挙げられている化合物は、非担持形または担持形で存在してもよく、さらなる共触媒として使用できる。
本発明の触媒で使用される式13および/または15および/または16の共触媒の量は、式1または1aのメタロセン化合物の使用量に対して、0.1〜500当量、好ましくは1〜300当量、最も好ましくは5〜150当量で変えることができる。
本発明の触媒系は、さらなる成分として、式17の金属化合物をさらに含むことができる。
(R22(R23(R24 (式17)
式中
は、アルカリ、アルカリ土類金属、または元素周期律表の第13族の金属であり、
22は、水素原子、炭素原子1〜約10個のアルキル、炭素原子6〜約15個のアリール、またはアルキル部分に炭素原子1〜10個を、およびアリール部分に炭素原子6〜20個をそれぞれ有するアルキルアリールもしくはアリールアルキルであり、
23およびR24はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子1〜約10個のアルキル、炭素原子約6〜約15個のC−C15アリール、またはアルキル部分に炭素原子1〜10個を、およびアリールラジカルに炭素原子6〜20個をそれぞれ有するアルキルアリール、アリールアルキルもしくはアルコキシであり、
rは、1〜3の整数であり、sおよびtは、0〜2の整数であり、ここで和r+s+tは、Mの価数に一致する。
ただし、ここでこの成分は、上述の共触媒化合物と同じではない。式17の各種の金属化合物の混合物を使用することもできる。
式17の金属化合物の中で、Mが、リチウム、マグネシウムまたはアルミニウムであり、ならびにR23およびR24がそれぞれ、炭素原子1〜約10個のアルキルである金属化合物が好ましい。式17の特に好ましい金属化合物は、n−ブチルリチウム、n−ブチル−n−オクチル−マグネシウム、n−ブチル−n−ヘプチルマグネシウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウムまたはその混合物である。
式17の金属化合物が使用される場合、金属化合物は好ましくは、Mの式1または1aのメタロセン化合物からの遷移金属に対するモル比が800:1〜1:1、特に200:1〜2:1であるような量で触媒系に存在する。
本発明の触媒系の担持成分は、任意の有機もしくは無機不活性固体またはこのような固体の混合物、粒子状多孔性固体、たとえばハイドロタルサイト、タルク、無機酸化物および微粉化ポリマー粉末であることが可能である。
好ましく利用される好適な無機酸化物は、元素周期律表の第1、2、3、4、5、12、13および14族、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、ゼオライト、MgO、ZrO、TiOもしくはB、CaO、ZnO、ThO、NaO、KO、LiOなどの金属酸化物またはAl/Si酸化物、Mg/Al酸化物もしくはAl/Mg/Si酸化物などの混合酸化物を含む。他の好適な無機担持物質は、NaCO、KCO、CaCO、MgCl、NaSO、A1(SO、BaSO、KNO、Mg(NOおよびA1(NOである。
好適なポリマー粉末は、ホモポリマー、コポリマー、架橋ポリマーまたはポリマーブレンドである。このようなポリマーの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン、ジビニルベンゼン−架橋ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリアミド、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアセタールまたはポリビニルアルコールである。
好ましい担持物質は、10〜1000m/gの範囲の比表面積、0.1〜5cm/gの範囲の孔容積および1〜500μmの平均粒径を有する。50〜500m/gの範囲の比表面積、0.5〜3.5cm/gの範囲の孔容積および5〜250μmの平均粒径を有する担持体が選好される。200〜400m/gの範囲の比表面積、0.8〜3.0cm/gの範囲の孔容積および10〜100μmの平均粒径を有する担持体が特に選好される。
担持物質は、水および/またはヒドロキシル基の含有量などの担持体のある特性を調整するために、熱的および/または化学的に前処理できる。
担持物質が低い水分含有量または残留溶媒含有量を有する場合、使用前の脱水または乾燥を省略できる。シリカゲルを担持物質として使用するときのように、このことが当てはまらない場合、脱水または乾燥が望ましい。担持物質の加熱脱水または乾燥は、減圧下にて、同時に不活性ガスによるブランケティング(窒素)を用いてかまたは用いずに実施することができる。乾燥温度は、80℃〜1000℃の、好ましくは150℃〜800℃の、および最も好ましくは150℃〜400℃の範囲である。乾燥プロセスの期間は、1〜24時間が可能である。しかしより短いかまたは長い乾燥期間も可能である。
本発明の好ましい実施形態において、0.5重量%以下の乾燥減量(LOD)を、およびなおさらに好ましくは0.3重量%以下のLODを有する担持物質が使用される。1重量%までの物理吸着水のより多い量も可能であるが、触媒活性の低下を生じる。担持物質の強熱減量(LOI)は、好ましくは1重量%以上、またはなおさらに好ましくは1.5〜3.5重量%である。
さらにまたは代わりに、担持物質の脱水または乾燥は、化学的手段によって、吸着水および/または表面ヒドロキシル基を好適な不動態化剤と反応させることによっても実施できる。不動態化剤との反応によって、触媒活性中心との有害な相互作用を一切示さない形に、ヒドロキシル基を完全にまたは部分的に変換することができる。好適な不動態化剤は、ハロゲン化ケイ素、シランもしくはアミン、たとえば四塩化ケイ素、クロロトリメチルシラン、ジクロロジアルキルシラン、ジメチルアミノトリクロロシラン、N,N−ジメチルアニリンもしくはN,N−ジメチルベンジルアミン、またはアルミニウム、ホウ素およびマグネシウムの有機金属化合物、たとえばアルミノキサン、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、トリエチルボランもしくはジブチルマグネシウムである。
上で概説したように、微粉化ポリマー粉末などの有機担持物質もまた使用可能であり、使用前に、適切な精製および乾燥操作によって任意の付着水分、残留溶媒または他の不純物が同様に存在しないようにすべきである。
定義されたパラメーターを有するシリカゲルを担持物質として使用することが好ましい。メソ細孔およびマクロ孔、空洞およびチャネルを固有に有する噴霧乾燥シリカグレードが、粒状シリカグレードよりも好ましい。
本発明による担持触媒系は、各種の方法で作製できる。
本発明の一実施形態において、上述の式1または1aのメタロセン成分の少なくとも1つを好適な溶媒中で少なくとも1つの共触媒成分と接触させて、好ましくは水溶性反応生成物、付加体または混合物を得る。得られた組成物を脱水または不動態化担持物質と混合して、溶媒を除去し、そして得られた担持メタロセン触媒系を乾燥させて、担持物質の孔から溶媒が完全にまたはほとんど除去されるようにする。担持触媒は、自由流動粉末として得られる。
一例として、自由流動の、および所望により、プレポリマー化された担持触媒系を調製するプロセスは、次の:
a)好適な溶媒または懸濁媒体中でメタロセン/共触媒混合物を調製するステップであって、メタロセン成分が上述の構造の1つを有する、ステップと、
b)メタロセン/共触媒混合物を、多孔性であって、好ましくは無機であり、必要により熱的または化学的に前処理された担持体に塗布するステップと、
c)得られた混合物から溶媒の大部分を除去するステップと、
d)担持された触媒系を単離するステップと、
e)所望ならば、生じた担持触媒系を1つ以上のオレフィン性モノマーを用いてプレポリマー化して、プレポリマー化担持触媒系を得るステップとを、
含む。
本発明の別の実施形態において、メタロセン/共触媒組成物は、脱水または不動態化された担持物質と混合され、担持触媒は回収されて、ならびに芳香族炭化水素および/またはパラフィン性炭化水素溶媒を用いて場合により洗浄される。単離された触媒は次に、パラフィン性炭化水素溶媒、鉱油もしくはワックスまたはそれらの混合物などの非反応性懸濁媒体中に分散される。
本発明のさらなる実施形態において、触媒は、メタロセン成分として式1または1aの少なくとも1つの成分を用いて、WO06/60544(本発明者等による出願)、WO00/05277、WO98/01481、US7,355,058、US7,193,100、US6,492,292、US6,107,230またはUS6,355,594に開示された手順に従って調製される。
一例として、WO06/60544では、自由流動の、および所望により、プレポリマー化された担持触媒系が調製され、次の:
a)少なくとも1つの担持物質を少なくとも1つの共触媒の第1の部分と好適な溶媒中で接触させるステップと、
b)共触媒添加担持体に、少なくとも1つのメタロセンおよび少なくとも1つの共触媒の第2の部分を好適な溶媒中に含む懸濁液または溶液を含浸させるステップと、
c)担持された触媒系を単離するステップと、
f)所望ならば、生じた担持触媒系を1つ以上のオレフィン性モノマーを用いてプレポリマー化して、プレポリマー化担持触媒系を得るステップとを、
含む。
それゆえ、一例として、WO06/60544による自由流動の、および所望により、プレポリマー化された担持触媒系を調製するプロセスは、次の:
a)担持物質を少なくとも1つのアルミノキサンを含む第1の組成物と約10〜30℃の温度の第1の溶媒中で接触させ、続いて混合物を0〜12時間にわたって約20℃に維持して、次に得られた混合物を30〜200℃の温度まで加熱し、および混合物を30分間〜20時間にわたって30〜200℃に維持して、場合により続いて第1の溶媒のすべてまたは一部を除去する、および/または場合により好適な溶媒を使用する1回以上の洗浄ステップが続く、ステップと、
b)式1および/もしくは1aの少なくとも1つのメタロセンならびにアルミノキサンもしくはアルミノキサンの混合物もしくはイオン性化合物の第2の部分ならびに/またはルイス酸を、0〜100℃の温度で第2の溶媒または懸濁媒体にそれぞれ懸濁および/または溶解させて、場合により10〜100℃の温度にて1分間〜200時間の予備活性化時間が続く、ステップと、
c)b)で調製した混合物をa)で製造したアルミノキサン添加担持物質に10〜100℃の温度および1分間〜24時間の接触時間で塗布するステップと、
d)溶媒の大部分を得られた混合物から除去して、得られた担持触媒を好適な溶媒によって場合により洗浄するステップと、
e)担持された触媒系を単離するステップと、
f)場合により、生じた担持触媒系を1つ以上のオレフィン性モノマーを用いてプレポリマー化して、プレポリマー化担持触媒系を得るステップとを、
含む。
さらに具体的には、一例として、WO06/60544による自由流動の、および所望により、プレポリマー化された担持触媒系を調製するプロセスは、次のステップを含み:
本発明による自由流動の担持触媒系を調製するプロセスは、次の:
a)担持物質を担持物質1g当り少なくとも5mmolのアルミノキサンまたはアルミノキサンの混合物を含む第1の組成物と約20℃の温度の第1の溶媒中で接触させ、続いて混合物を0.15〜2時間にわたって約20℃で維持して、次に得られた混合物を50〜160℃の温度まで加熱し、混合物を1〜6時間にわたって50〜160℃で維持して、場合により続いて第1の溶媒の全部または一部を除去する、および/または場合により好適な溶媒を使用する1回以上の洗浄ステップが続く、ステップと、
b)担持物質1g当り少なくとも0.5mmolのアルミノキサンまたはアルミノキサンの混合物の第2の部分ならびに式1および/または1aの少なくとも1つのメタロセンの担持物質1g当り少なくとも0.1mol%のアルミノキサンもしくはアルミノキサンの混合物の利用した第2の部分を20〜50℃の温度で第2の溶媒または懸濁媒体にそれぞれ懸濁および/または溶解させて、場合により20〜30℃の温度にて1分間〜200時間の予備活性化時間が続く、ステップと、
c)b)で調製した混合物をa)で製造したアルミノキサン添加担持物質に10〜100℃の温度および1分間〜24時間の接触時間で塗布するステップと、
d)得られた混合物から溶媒の大部分を除去するステップと、
e)場合により、得られた担持触媒を好適な溶媒で洗浄する、および/または得られた担持触媒を30〜60℃の温度で乾燥するステップと、
f)場合により、生じた担持触媒系を1つ以上のオレフィン性モノマーを用いてプレポリマー化して、プレポリマー化担持触媒系を得るステップとを、
含む。
好ましい実施形態において、一例として、WO06/60544による自由流動の、および所望により、プレポリマー化された担持触媒系を調製するプロセスは、次の:
a)場合により熱により前処理したシリカ担持物質を担持物質1g当り少なくとも10mmolのアルミノキサンと約20℃の温度のトルエン中で接触させ、続いて得られた混合物を50〜110℃の温度まで加熱し、および混合物を1〜6時間にわたって50〜110℃で維持して、場合により続いてトルエンの全部または一部を除去する、および/または場合により好適な溶媒を使用する1回以上の洗浄ステップが続く、ステップと、
b)担持物質1g当り少なくとも0.5mmolのアルミノキサンの第2の部分ならびに式1および/または1aの少なくとも1つのメタロセンの担持物質1g当り少なくとも0.1mol%のアルミノキサンもしくはアルミノキサンの混合物の利用した第2の部分を20〜50℃の温度でトルエンにそれぞれ懸濁および/または溶解させて、場合により20〜30℃の温度にて1分間〜200時間の予備活性化時間が続く、ステップと、
c)b)で調製した混合物をa)で製造したアルミノキサン添加担持物質に10〜100℃の温度および1分間〜24時間の接触時間で塗布するステップと、
d)得られた混合物からトルエンの大部分を除去するステップと、
e)場合により、得られた担持触媒を好適な溶媒で洗浄する、および/または得られた担持触媒を30〜60℃の温度で乾燥するステップと、
f)場合により、生じた担持触媒系を1つ以上のオレフィン性モノマーを用いてプレポリマー化して、プレポリマー化担持触媒系を得るステップとを、
含む。
さらに好ましい実施形態において、一例として、WO06/60544による自由流動の、および所望により、プレポリマー化された担持触媒系を調製するプロセスは、次の:
a)0.5重量%以下の乾燥減量(LOD)および1.0重量%以上の強熱減量(LOI)を有する、場合により熱により前処理したシリカ担持物質を、担持物質1g当り少なくとも10mmolのメチルアルミノキサンを含む第1の組成物と約20℃の温度のトルエン中で接触させ、続いて得られた混合物を110℃の温度まで加熱し、混合物を1〜6時間にわたって110℃で維持して、場合により続いてトルエンの全部または一部を除去する、および/または場合により好適な溶媒を使用する1回以上の洗浄ステップが続く、ステップと、
b)担持物質1g当り少なくとも1mmolのメチルアルミノキサンの第2の部分ならびに式1および/または1aの少なくとも1つのメタロセンの担持物質1g当り少なくとも0.1mol%のメチルアルミノキサンの利用した第2の部分を20〜50℃の温度でトルエンにそれぞれ懸濁および/または溶解させて、場合により20〜30℃の温度にて1分間〜200時間の予備活性化時間が続く、ステップと、
c)含浸懸濁液または溶液b)をメチルアルミノキサン添加担持物質に直接流で通過させることによって、または初期湿式含浸技法を使用することによって、b)で調製した混合物をa)で製造したメチルアルミノキサン添加担持物質に塗布するステップであって、10〜100℃の温度および1分間〜24時間の接触時間で、含浸懸濁液もしくは溶液の体積または含浸ステップで使用する全液体の体積それぞれが担持物質の全孔容積の250%を超えない、ステップと、
d)得られた混合物からトルエンの大部分を除去するステップと、
e)場合により、得られた担持触媒を好適な溶媒で洗浄する、および/または得られた担持触媒を30〜60℃の温度で乾燥するステップと、
f)場合により、生じた担持触媒系を1つ以上のオレフィン性モノマーを用いてプレポリマー化して、プレポリマー化担持触媒系を得るステップとを、
含む。
特に好ましい実施形態において、一例として、WO06/60544による自由流動の、および所望により、プレポリマー化された担持触媒系を調製するプロセスは、次の:
a)0.3重量%以下の乾燥減量(LOD)および1.5〜3.5重量%の強熱減量(LOI)を有する、場合により熱により前処理したシリカ担持物質を、担持物質1g当り少なくとも10mmolのメチルアルミノキサンと約20℃の温度のトルエン中で接触させ、続いて得られた混合物を110℃の温度まで加熱し、混合物を1〜6時間にわたって110℃で維持して、場合により続いてトルエンの全部または一部を除去する、および/または場合により好適な溶媒を使用する1回以上の洗浄ステップが続く、ステップと、
b)担持物質1g当り少なくとも1mmolのメチルアルミノキサンの第2の部分および式1aの少なくとも1つのメタロセンの担持物質1g当り少なくとも0.1mol%のメチルアルミノキサンの利用した第2の部分を20〜50℃の温度でトルエンにそれぞれ懸濁および/または溶解させて、場合により20〜30℃の温度にて1分間〜200時間の予備活性化時間が続く、ステップと、
c)含浸懸濁液または溶液b)をアルミノキサン添加担持物質a)に直接流で通過させることによって、または初期湿式含浸技法を使用することによって、b)で調製した混合物をa)で製造したメチルアルミノキサン添加担持物質に塗布するステップであって、10〜100℃の温度および1分間〜24時間の接触時間で、含浸懸濁液もしくは溶液の体積または含浸ステップで使用する全液体の体積それぞれが担持物質の全孔容積の250%を超えない、ステップと、
d)得られた混合物からトルエンの大部分を除去するステップと、
e)場合により、得られた担持触媒を好適な溶媒で洗浄する、および/または得られた担持触媒を30〜60℃の温度で乾燥するステップと、
f)場合により、生じた担持触媒系を1つ以上のオレフィン性モノマーを用いてプレポリマー化して、プレポリマー化担持触媒系を得るステップとを、
含む。
本発明により、自由流動の、および所望により、プレポリマー化された担持触媒系を調製するために、上述の触媒調製のステップb)において、アルミノキサンまたはアルミノキサンの混合物の代わりに、周期律表の主族I〜IIIの元素の少なくとも1つのアルキル化合物、たとえばアルキルマグネシウム、アルキルリチウムまたはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプレンアルミニウム、ジメチルアルミニウムモノクロライド、アルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジメチルアルミニウムヒドリド、アルミニウムヒドリド、ジイソプロピルアルミニウムヒドリド、ジメチルアルミニウム(トリメチルシロキシド)、ジメチルアルミニウム(トリエチルシロキシド)、フェニルアラン、ペンタフルオロフェニルアラン、およびo−トリルアランなどのアルキルアルミニウムを使用できる。好ましいアルキルアルミニウムは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムである。
本発明のなおさらなる実施形態において、自由流動の、および所望により、プレポリマー化された担持触媒系が調製され、次の:
a)好適な溶媒または懸濁媒体中でトリアルキルアルミニウム/ボロン酸混合物を調製するステップと、
b)トリアルキルアルミニウム/ボロン酸混合物を、N,N−ジエチルベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、N−ベンジルジエチルアミン、N−ベンジルブチルアミン、N−ベンジルtertブチルアミン、N−ベンジルイソプロピルアミン、N−ベンジルメチルアミン、N−ベンジルエチルアミン、N−ベンジル−1−フェニルエチルアミン、N−ベンジル−2−フェニルエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、N−メチル−N−エチルベンジルアミン、N−メチルジベンジルアミンおよびN−エチルジ(ベンジル)アミンなどの塩基によって前処理された、多孔性の好ましくは無機の、必要ならば熱的または化学的に前処理された担持体に塗布するステップと、
c)得られた混合物から溶媒の大部分を除去して担持共触媒を得るステップと、
d)好適な溶媒または懸濁媒体中でメタロセン/担持共触媒混合物を調製するステップであって、メタロセン成分が上述の構造の1つを有する、ステップと、
e)担持された触媒系を単離するステップと、
f)所望ならば、生じた担持触媒系を1つ以上のオレフィン性モノマーを用いてプレポリマー化して、プレポリマー化担持触媒系を得るステップとを、
含む。
メタロセン/共触媒混合物の調製に好ましい溶媒は、選択した反応温度にて液体であり、および個々の成分が好ましくは溶解する、炭化水素および炭化水素の混合物である。しかし個々の成分の溶解性は、メタロセンおよび共触媒成分の反応生成物が、選択した溶媒に溶解される限り、必須条件ではない。好適な溶媒は、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソへキサン、ヘプタン、オクタンおよびノナンなどのアルカン、シクロペンタンおよびシクロヘキサンなどのシクロアルカンならびにベンゼン、トルエン、エチルベンゼンおよびジエチルベンゼンなどの芳香族である。トルエン、ヘプタンおよびエチルベンゼンがきわめて特に好ましい。
予備活性化のために、固体形のメタロセンは、共触媒の好適な溶媒中の溶液に溶解される。メタロセンを別個に好適な溶媒に溶解させて、次にこの溶液を共触媒の溶液と合せることも可能である。トルエンを使用することが好ましい。予備活性化時間は、1分間〜200時間である。予備活性化は、25℃の室温で行うことができる。個々の場合では、より高温の使用により、必要な予備活性化時間が短縮され、活性のさらなる増大をもたらすことができる。この場合の高温は、25℃〜100℃の範囲を指す。
予備活性化された溶液またはメタロセン/共触媒混合物を次に、不活性担持物質、通常は、乾燥粉末の形である、または上述の溶媒の1つによる懸濁液としてのシリカゲルと合せる。担持物質は好ましくは粉末として使用される。予備活性化されたメタロセン/共触媒の溶液またはメタロセン/共触媒混合物は、最初に荷電された担持物質に添加できるか、または担持物質を最初に荷電された溶液に導入できるかのどちらかである。
予備活性化された溶液またはメタロセン/共触媒混合物の体積は、使用する担持物質の全孔容積の100%を超えるか、または全孔容積の100%までであることが可能である。
予備活性化された溶液またはメタロセン/共触媒混合物を担持物質と接触させる温度は、0℃〜100℃の範囲内で変えることができる。しかし、より低いまたはより高い温度も可能である。
溶媒は担持触媒系から完全にまたはほとんど除去されるが、混合物は撹拌され、所望ならば加熱することもできる。好ましくは、溶媒の可視部分および担持物質の孔内の部分のどちらも除去される。溶媒の除去は、減圧および/または不活性ガスによるパージを使用する慣例の方法で実施できる。乾燥プロセスの間に、遊離溶媒が除去されるまで混合物を加熱することが可能であり、これは30℃〜60℃の好ましい温度にて通常は1〜3時間かかる。遊離溶媒は、混合物中の溶媒の可視部分である。本発明の目的では、残留溶媒は孔内に存在する部分である。
溶媒を完全に除去するための代替方法として、ある残留溶媒内容物のみが残り、遊離溶媒が完全に除去されるまで、担持触媒系を乾燥させることもできる。次に、担持触媒系をペンタンまたはヘキサンなどの低沸点炭化水素で洗浄して、再度乾燥させることができる。
本発明に従って調製した担持触媒系は、オレフィンの重合に直接使用すること、または重合プロセスで使用する前に、モル質量調節剤として水素を使用して、もしくは使用せずに1つ以上のオレフィンモノマーとプレポリマー化することのどちらかが可能である。担持触媒系のプレポリマー化の手順は、WO94/28034に記載されている。
添加剤として、米国特許出願番号08/365,280号に記載されているように、担持触媒系の調製の間または後に、少量のオレフィン、好ましくはスチレンまたはフェニルジメチルビニルシランなどのαオレフィンを活性増強成分または帯電防止剤として添加することが可能である。添加剤の式1または1aのメタロセン成分に対するモル比は、好ましくは1:1000〜1000:1、きわめて特に好ましくは1:20〜20:1である。
本発明は、少なくとも1つの式1または1aの遷移金属成分を含む本発明の触媒系の存在下での1つ以上のオレフィンの重合により、ポリオレフィンを調製するプロセスも提供する。本発明の目的のために、重合という用語は、ホモ重合および共重合の両方を指し、共重合という用語は、三元共重合または3つを超える各種のモノマーの共重合を含む。
式R−CH=CH−Rのオレフィンの重合が好ましく、式中、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子または炭素原子1〜20個、特に炭素原子1〜10個を有するラジカルであり、ならびにRおよびRはそれらと結合する原子と共に1個以上の環を形成できる。
好適なオレフィンは、1−オレフィン、たとえばエテン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンまたは1−オクテン、スチレン、1,3−ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、ノルボルナジエン、エチルノルボルナジエンなどのジエンおよびノルボルネン、テトラシクロドデセンまたはメチルノルボルネンなどの環式オレフィンである。本発明のプロセスにおいて、プロペンもしくはエテンをホモ重合することまたはプロペンとエテンおよび/もしくは炭素原子4〜20個を有する1つ以上の1−オレフィン、たとえば1−ブテンまたはヘキセン、および/もしくは炭素原子4〜20個を有する1つ以上のジエン、たとえば1,4−ブタジエン、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネンまたはエチルノルボルナジエンを共重合することが好ましい。非常に好適なコポリマーは、エテン−プロペンコポリマー、プロペン−1−ペンテンコポリマーおよびエテン−プロペン−1−ブテン、エテン−プロペン−1−ペンテンまたはエテン−プロペン−1,4−ヘキサジエンターポリマーである。
重合は、−60℃〜300℃、好ましくは50℃〜200℃、きわめて特に好ましくは50℃〜95℃にて実施される。圧力は、0.5〜2000バール、好ましくは5〜100バールである。
重合は、溶液中で、バルク中で、懸濁液中で、または気相中で、連続的またはバッチ式で、1以上の段階で実施できる。一例として、インパクトコポリマーは、1を超える段階で好ましくは製造される。このようなポリマーのホモポリマーまたはランダムコポリマー内容物は第1の段階で製造可能であり、およびコポリマーゴム内容物は連続する段階で製造可能である。
本発明に従って調製した担持触媒系は、オレフィンの重合で唯一の触媒成分として、または好ましくは周期律表の主族I〜IIIの元素の少なくとも1つのアルキル化合物、たとえばアルキルアルミニウム、アルキルマグネシウムもしくはアルキルリチウムまたはアルミノキサンと組合せて使用できる。アルキル化合物は、モノマーまたは懸濁媒体に添加され、および触媒活性を低くし得る物質のモノマーを遊離するように作用する。添加するアルキル化合物の量は、使用するモノマーの品質によって変わる。
広いもしくは2峰性の分子量分布または広いもしくは2峰性の溶融範囲を有するオレフィンポリマーを調製するために、2つ以上の異なるメタロセンおよび/または2つ以上の異なる共触媒を含む触媒系を使用することが推奨される。あるいは、本発明の2つ以上の異なる触媒系は、混合物として使用できる。
モル質量調節剤としておよび/または活性を増強するために、必要ならば水素が添加される。
触媒系は、重合系に固体としてまたはペーストもしくは懸濁液の形で供給され得るか、または計量しやすくするために、パラフィン、油、またはワックスなどの不活性成分によって処理され得る。触媒系が重合されるモノマーまたは重合されるモノマー混合物と共に反応装置内に計量される場合、混合ユニットおよび計量ラインは好ましくは冷却される。
さらに、本発明のプロセスでは、たとえばオレフィンポリマーの粒子形態を改良するために、帯電防止剤またはアルコールなどの添加剤を使用できる。一般に、オレフィン重合プロセスで好適なすべての帯電防止剤を使用できる。使用する触媒系と共に、または使用する触媒系とは別個、のどちらかで、帯電防止剤を重合系に直接添加することが好ましい。
本発明の触媒系を使用して調製するポリマーは、均一な粒子形態を示し、微粒子は含有しない。本発明の触媒系を使用する重合では、凝集物または沈殿は得られない。
本発明の触媒系は、高分子量を有するポリプロピレンなどのポリマーを提供し、広範囲の立体特異性および位置特異性を含む。
本発明の式1または1aのメタロセンに基づく触媒系を使用して調製できるコポリマーは、従来技術と比較して、著しく高いモル質量を有する。同時にこのようなコポリマーは、本発明の触媒系を使用して、高い生産性および工業的に適切なプロセスパラメーターにて、沈殿形成を伴わずに調製できる。
本発明のプロセスによって調製されるポリマーは、特に、優れた特性を備えた繊維、フィラメント、射出成形部品、フィルム、シート、キャップ、閉止具、瓶などの製品またはパイプなどの大型中空体を製造するのに好適である。
実施例
一般手順
有機金属化合物の調製および取扱いはアルゴン下で、シュレンク技法を用いて、またはグローブボックス内で実施した。すべての溶媒は使用前に、アルゴンでパージして、モレキュラーシーブで乾燥させた。
製造されたメタロセンは、Bruker DMX 500分光計を使用して、500MHzで操作して溶媒としてCDClを用い、H−NMR分光法によって特徴付けられた。
製造されたポリマーは、H−NMR、13C−NMR、DSC、GPC、TREF/ATREF、メルトフローレートおよびIR分光法によって特徴付けられた。
1.ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)、MwおよびMw/Mnの決定
サンプルのモル質量データの決定には、屈折計、3重毛細管オンライン粘度計(Waters Corporation,34 Maple Street,Milford,Massachusetts,01757 米国)および光散乱検出器PD 2040(Precision Detectors Inc.,34 Williams Way,Bellingham,MA,USA)を装備したWaters Alliance/GPCV2000を使用した。サンプルの0.05重量%1,2,4−トリクロロベンゼン溶液は、Mixed B光散乱品質カラム(Polymer Labs 1110−6100LS)およびMixed Bガードカラム(Polymer Labs 1110−1120)を使用して、145℃の温度で解析した。重量平均モル質量(Mw)および重量平均モル質量の数平均モル質量に対する比(Mw/Mn)は、Waters Millenium 3.2 GPCソフトウェアモジュールで利用できるCumulative Matching % Broad Standard手順を使用して計算した。
2.ポリマーのNMR分光法
サンプルは、ポリマー0.32gを1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン−d6(deuterobenzene-d6)(4:1体積)の混合物2.5ml中に秤量することによって
調製した。サンプルを125℃まで加熱して、均質な溶液が形成されるまで混合した(通例、1〜4時間)。スペクトルは、120℃において、125.7MHzの13C分光計周波数にて操作し、10mmプローブを使用して、Varian Inova 500 instrument(Varian Inc.,3120 Hansen Way,Palo Alto,CA,94304,米国)で得た。スペクトルは、10.0μ秒のπ/2パルス、10.0秒のリサイクル遅延および2.5秒の取込時間を利用する5000スキャンを使用して得た。Waltz−16デカップリングがパルスシーケンスを通して残存して、nOe(核オーバーハウザー増強)の効果による信号対雑音比の上昇が得られた。スペクトルは1Hzの線幅拡大によって処理した。スペクトルのメチル領域におけるmmmmピークは、内部化学シフト基準として使用し、21.85ppmに設定した。
3.示差走査熱量測定(DSC)、ポリマー融点Tmの決定
DSC測定は、Mettler Toledo DSC 822e(Mettler−Toledo Inc.,1900 Polaris Parkway,Columbus,OH,43240,米国)を使用して実施した。サンプル4mgを標準アルミニウムパン内に秤量して、以下の温度スケジュールに供した。
サンプルは、室温から220℃まで加熱速度20℃/分で加熱して、この温度にて5分間維持し、次に−55℃まで冷却速度20℃/分で冷却して、同じ温度で5分間維持して、次に220℃まで加熱速度20℃/分で加熱する。融点は、第2の加熱操作から曲線中に主ピークが見られる温度として決定した。
4.メルトフローレート(MFR)
サンプルのMFRは、ISO 1133に従って230℃にて決定した。2つの異なる荷重:2.16kgおよび5kgを使用した。値はそれぞれ、MFR(230/2.16)およびMFR(230/5)として報告される。
5.生産性
触媒の生産性は、製造されたポリプロピレンの質量を、使用した触媒の質量および反応時間で除して決定する。
6.収率
サンプルの収率は、所望の生成物の単離量を、生成物の理論的に達成可能な量で除することによって決定する。
次の省略形を使用する:
PP=ポリプロピレン
MC=メタロセン
Cat=担持触媒系
h=時
Tg=示差走査熱量測定(DSC、条件は上記を参照されたい)によって決定した、ガラス転移温度、℃
7.乾燥減量(LOD)/強熱減量(LOI)
乾燥減量および強熱減量は、熱重量測定によって決定する。乾燥減量は、担持物質を室温から300℃まで加熱して、恒量が得られるまでこの温度を維持することによって担持物質が遭遇する減量である。乾燥減量は、元の担持物質の重量の百分率として表されたその減量である。その後、担持物質は、300℃から1000℃まで加熱され、恒量が得られるまでこの温度に維持される。強熱減量は、元の担持物質の重量の百分率として表された、1000℃でのサンプルの重量と室温でのサンプルの重量との間の減量であると定義される。
上記を示すための一例として、(室温の)サンプル10グラムを、その温度で9グラムの恒量を維持する300℃まで加熱する。乾燥減量は10.0%であり、これは以下の通りである:
次に、サンプルを、8.37グラムの恒量を維持する1000℃までさらに加熱する。強熱減量は16.3%であり、これは以下の通りである:
メタロセンの合成:
比較例1:
ジメチルシランジイルビス[2−(シクロヘキシルメチル)−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド
(2−ブロモ−エチル)−シクロヘキサン
還流冷却器を装備した1L丸底フラスコにおいて、濃硫酸164gおよび臭化水素酸200g(48%水溶液)を、氷浴で冷却しながら2−シクロヘキシル−エタノール88.7g(0.693モル)に添加した。混合物を6時間還流させて、室温まで冷却した後に氷400gに注いだ。水相をペンタン400mlで抽出した。有機層を2M NaOH溶液および水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。生成物を真空中で蒸留して、(2−ブロモ−エチル)−シクロヘキサン112.7g(85%)を無色油として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 3.40 (2H, t, CH2Br), 1.73 - 1.61 (m, 7H), 1.44 (m, IH), 1.26 - 1.11 (m, 3H), 0.92 - 0.84 (m, 2H) ppm.
1−(2−クロロ−フェニル)−3−シクロヘキシル−プロパン−1−オン
滴下漏斗および還流冷却器を装備した1L丸底フラスコに、削りマグネシウム15.57g(640mmol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF)50mlを添加した。マグネシウムを2、3個のヨウ素結晶によってわずかにエッチングして、次に(2−ブロモ−エチル)−シクロヘキサン2gを添加し、混合物を局部的に加熱した。Grignard形成の開始後に、THF350ml中の(2−ブロモ−エチル)−シクロヘキサンの残り(合計112.65g、589mmol)を20分以内で添加した。混合物を1.5時間還流させて、次に室温まで冷却した。別の2L丸底フラスコで、2−クロロ−ベンゾニトリル70.5g(513mmol)およびヨウ化銅(I)156mg(0.16mol%)をTHF130mlに溶解させた。Grignard溶液を30分間にわたって滴下して、反応混合物を3時間還流させた。室温にて1晩静置した後、水190mlおよび濃塩酸127mlの混合物をきわめて慎重に添加して、強い発熱反応を生じさせた。混合物を50℃にて1時間撹拌して、層を分離した。水層をトルエン各150mlで2回抽出した。合せた有機層を2M硫酸で2回、重炭酸ナトリウム飽和溶液で1回、および塩化ナトリウム飽和溶液で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を真空中で蒸発させて、所望のフェノン133.5g(定量的)をやや褐色の油として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.41 - 7.14 (m, 4H, aromatic), 2.91 (t, 2H, COCH2), 1.71 - 1.55, 1.28 - 1.10, 0.93 - 0.85 (3 x m, 13H) ppm.
7−クロロ−2−シクロヘキシルメチル−インダン−1−オン
1−(2−クロロ−フェニル)−3−シクロヘキシル−プロパン−1−オン66g(263mmol)、ウロトロピン77.5g(2.1当量)および無水酢酸72.6g(2.7当量)を500ml丸底フラスコに入れ、混合物を80℃にて4時間撹拌した。次に水100mlおよび2M NaOH 100mlを添加して、混合物をジクロロメタン各200mlで2回抽出した。有機層を塩化アンモニウム飽和水溶液100mlで2回洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。真空中で溶媒量を合計体積150mlまで減少させて、溶液を2.5時間にわたって高温(70〜75℃)の濃硫酸660gに滴下した。75℃にてさらに30分間撹拌した後、混合物を室温にて1晩静置した。混合物を氷約500gに注ぎ、ジクロロメタン各150mlで3回抽出した。有機層は、重炭酸ナトリウム飽和溶液150mlで2回および塩化ナトリウム飽和溶液100mlで1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を真空中で除去した。生成物をシリカによるカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/ジクロロメタン5:1)で精製して、所望の生成物40.0g(61%)をややオフホワイト色の油として得ると、これはゆっくりと結晶化した。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.42 (t, 1H, aromatic), 7.29 (d, 1H, aromatic), 7.24 (d, 1H, aromatic), 3.25 (dd, 1H, COCH), 2.71 (m, 2H, benzylic), 1.78 - 0.87(m, 13H, aliphatic) ppm.
7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−シクロヘキシルメチル−インダン−1−オン
7−クロロ−2−シクロヘキシルメチル−インダン−1−オン60g(228mmol)、4−tert−ブチル−ベンゼンボロン酸49g(1.2当量)、炭酸ナトリウム53g、エチレングリコール750mlおよび水150mlを、機械式スターラーおよび還流冷却器を装備した2L丸底フラスコに入れた。混合物は、わずかな排気およびアルゴンの再充填によって、3回脱気した。酢酸パラジウム103mg(0.2mol%)、NaTPPTS 3ml(水中2.6M、0.8mol%)および水2mlより成る、事前に混合した触媒溶液を添加して、混合物を125℃にて還流して完全に変換した(約4時間)。水300mlを添加して、混合物をトルエン各150mlで3回抽出した。合せた有機層を水100mlで2回および塩化ナトリウム飽和溶液100mlで1回洗浄した。硫酸マグネシウムでの乾燥および真空中での溶媒の蒸発によって、所望の生成物87.2g(定量的)を黄色粘着性油として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.54 (t, 1H, aromatic), 7.43, 7.38 (2 x d, 4H, aromatic), 7.24 (m, 2H, aromatic), 3.30 (m, 1H,COCH), 2.80 - 2.67 (3 x m, 2Η, benzylic), 1.85 - 1.47 (m, 7H, aliphatic), 1.35(s, 9H, C(CH3)3), 1.27 - 0.87 (m, 6Η, aliphatic) ppm.
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−シクロヘキシルメチル−1H−インデン
還流冷却器を装備した1L丸底フラスコで、7−(4’−tert−ブチル−フェニル)−2−シクロヘキシルメチル−インダン−1−オン82.3g(229mmol)をトルエン292mlに溶解させた。水素化ホウ素ナトリウム9.5g(1.1当量)を添加した。次にメタノール40ml(4.3当量)を50℃にて添加して、混合物を50℃にて3時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウムをさらに1gおよびメタノール5mlを添加して、混合物を50℃にてさらに2時間撹拌した。気体発生が止まるまで、2M硫酸を添加した。水100mlを添加した後、層を分離して、有機層を2M硫酸で2回および塩化ナトリウム飽和溶液で1回洗浄した。溶媒を蒸発させて、粗インダノールをトルエン約350mlに溶解させた。p−トルエンスルホン酸0.7gを添加した後、TLCが変換完了を示すまで(90分間)、Dean−Starkトラップを使用して混合物を還流まで加熱した。溶液をNaHCO飽和溶液で2回、水で1回および塩化ナトリウム飽和溶液で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒の蒸発およびエタノール800mlからの結晶化によって、所望のインデン67.3g(86%)を白色結晶として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.45, 7.33, 7.25, 7.14 (4 x m, 7H, aromatic), 6.69(s, 1H, =CH), 3.35 (s, 2Η, benzylic), 2.34 (d, 2H, aliphatic), 1.71 - 1.50 (m,6H, aliphatic), 1.39 (s, 9H, C(CH3)3), 1.24 - 0.87 (m, 5H, aliphatic) ppm.
ジメチルシランジイルビス[2−(シクロヘキシルメチル)−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド
1000ml丸底フラスコ内で7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−シクロヘキシル−メチル−1H−インデン20g(58mmol)をトルエン340mlおよびTHF20mlに溶解させた。n−ブチルリチウム24.4ml(トルエン中2.6M、63.4mmol、1.1当量)を室温で添加して、溶液を80℃にて1時間撹拌した。40℃まで冷却した後、ジメチルジクロロシラン3.5ml(3.74g、29mmol、0.5当量)を1回で添加して、混合物を60℃にて8.5時間撹拌した。溶媒混合物を真空中で除去して(GC分析によりリガンドの純度>99%)、リガンドをジエチルエーテル200mlに溶解させた(LiClにより黄色がかった懸濁液)。n−ブチルリチウム23.8ml(61.9mmol、「インデン」に関して1.07当量、トルエン中2.6M)を室温にて添加して、混合物を室温にて1晩撹拌した。次にジルコニウムテトラクロライド7.1g(30.5mmol、「インデン」に対して0.525当量)を数回に分けて添加した。オレンジ色−黄色懸濁液を室温にて5時間撹拌して、固体を濾過によって単離した。ジエチルエーテル各30mlでの2回の洗浄および真空中での乾燥により、粗錯体22.7g(rac/meso=1.5:1、塩化リチウムを含有)を得た。ラセミ錯体をトルエンから分画結晶化によって単離した。収率:明黄色粉末として8.1g(9mmol、31%)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.61 (d, 2H, aromatic), 7.57, 7.44 (2 x d, 8H, aromatic), 7.36 (d, 2H, aromatic), 7.22, 7.15, 7.07 (3 x m, 10H, aromatic + toluene), 6.94 (s, 2H, indenyl-H), 2.64 ("dd", 2H, indenyl-CH2), 2.34 (s, toluene) 2.13 ("dd", 2Η, indenyl-CH2), 1.75 - 1.45 (m, 10Η, aliphatic), 1.33 (s, 18Η, C(CH3)3), 1.31 (s, 6Η, Si(CH3)2), 1.12 - 0.76 (m, 12Η, aliphatic) ppm.
比較例2:
ジメチルシランジイルビス[(2−(2,2−ジメチルプロピル)−4−(4’−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド
1−ブロモ−3,3−ジメチル−ブタン
還流冷却器を装備した1L丸底フラスコにおいて、濃硫酸232gおよび臭化水素酸283g(48%水溶液)を氷浴で冷却しながら3,3−ジメチル−1−ブタノール100g(0.98mol)に連続的に添加した。混合物を6時間還流させて、室温まで冷却した後に氷400gに注いだ。水相をペンタン400mlで抽出した。有機層を2M NaOH溶液および水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。生成物を真空中で蒸留して、1−ブロモ−3,3−ジメチル−ブタン88.1g(55%)を無色油として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 3.35 (m, 2H, CH2Br), 1.80 (m, 2Η, CH2), 0.90 (s, 9Η, t-Bu) ppm.
1−(2−クロロ−フェニル)−4,4−ジメチル−ペンタン−1−オン
滴下漏斗および還流冷却器を装備した1L丸底フラスコに、削りマグネシウム14.1g(580mmol)を入れ、THF60mlを添加した。マグネシウムを2、3個のヨウ素結晶によってわずかにエッチングして、次に1−ブロモ−3,3−ジメチル−ブタン2gを添加し、混合物を局部的に加熱した。Grignard形成の開始後に、THF350ml中の1−ブロモ−3,3−ジメチル−ブタンの残り(合計88.1g、533mmol)を20分以内に添加した。混合物を1.5時間還流させて、次に室温まで冷却した。別の2L丸底フラスコで、2−クロロ−ベンゾニトリル63.9g(464mmol)およびヨウ化銅(I)141mg(0.16mol%)をTHF265mlに溶解させた。Grignard溶液を30分間にわたって滴下して、反応混合物を3時間還流させた。室温にて1晩静置した後、水190mlおよび濃塩酸127mlの混合物をきわめて慎重に添加して、強い発熱反応を生じさせた。混合物を50℃にて1時間撹拌して、層を分離した。水層をトルエン各150mlで2回抽出した。合せた有機層を2M硫酸で2回、重炭酸ナトリウム飽和溶液で1回、および塩化ナトリウム飽和溶液で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を真空中で蒸発させて、所望のフェノン103.8g(定量的)をやや褐色の油として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.41 - 7.26 (m, 4H, aromatic), 2.87 (m, 2H, COCH2), 1.59 (m, 2H, CH2-t-Bu), 0.90 (s, 9Η, t-Bu) ppm.
7−クロロ−2−(2,2−ジメチルプロピル)−インダン−1−オン
1−(2−クロロ−フェニル)−4,4−ジメチル−ペンタン−1−オン101.8g(453mmol)、ウロトロピン133.4g(2.1当量)および無水酢酸124.7g(2.7当量)を1000ml丸底フラスコに入れ、混合物を80℃にて4時間撹拌した。次に水200mlおよび2M NaOH200mlを添加して、混合物をジクロロメタン各250mlで2回抽出した。有機層を塩化アンモニウム飽和水溶液150mlで2回洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。真空中で溶媒量を合計体積250mlまで減少させて、溶液を2.5時間にわたって高温(70〜75℃)の濃硫酸1000gに滴下した。75℃にてさらに30分間撹拌した後、混合物を室温にて1晩静置した。混合物を氷約800gに注ぎ、ジクロロメタン各250mlで3回抽出した。有機層は、重炭酸ナトリウム飽和溶液250mlで2回および塩化ナトリウム飽和溶液200mlで1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を真空中で除去した。生成物をシリカによるカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/ジクロロメタン1:1)で精製して、所望の生成物79.4g(74%)をややオフホワイト色の油として得ると、これはゆっくりと結晶化した。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.44 (t, 1H, aromatic), 7.30 (d, 1H, aromatic), 7.27 (d, 1H, aromatic), 3.38 (dd, 1H, COCH), 2.79, 2.60 (2 x m, 2Η, benzylic), 2.10, 1.21 (2 x m, 1H, CH2-t-Bu), 0.90 (s, 9Η, t-Bu) ppm.
7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−(2,2−ジメチル−プロピル)−インダン−1−オン
7−クロロ−2−(2,2−ジメチル−プロピル)−インダン−1−オン35g(148mmol)、tert−ブチルフェニルボロン酸31.6g(1.2当量)、炭酸ナトリウム34.5g、エチレングリコール438mlおよび水88mlを、機械式スターラーおよび還流冷却器を装備した1L丸底フラスコに入れた。混合物は、わずかな排気およびアルゴンの再充填によって、3回脱気した。酢酸パラジウム67mg(0.2mol%)、NaTPPTS 1.94ml(水中2.6M、0.8mol%)および水2mlより成る、事前に混合した触媒溶液を添加して、混合物を125℃にて還流して完全に変換した(約4時間)。水100mlを添加して、混合物をトルエン各100mlで3回抽出した。合せた有機層を水100mlで2回および塩化ナトリウム飽和溶液100mlで1回洗浄した。硫酸マグネシウムでの乾燥および真空中での溶媒の蒸発によって、所望の生成物58.82g(定量的)を黄色粘着性油として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.58 (t, 1H, aromatic), 7.48 - 7.17 (m, 6H, aromatic), 3.48 (m, 1H, (C=O)CH), 2.88, 2.63 (2 x m, 2Η, benzylic), 2.38 (s, 1H), 2.13 (m, 1H, CH2-t-Bu), 1.40 (s, 9H, Ph-t-Bu), 1.03 (s, 9H, CH2-t-Bu) ppm.
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−(2,2−ジメチル−プロピル)−1H−インデン
還流冷却器を装備した500ml丸底フラスコで、7−(4’−tert−ブチル−フェニル)−2−(2,2−ジメチル−プロピル)−インダン−1−オン50g(150mmol)をトルエン180mlに溶解させた。水素化ホウ素ナトリウム6.22g(1.1当量)を添加した。次にメタノール26.1ml(4.3当量)を50℃にて添加して、混合物を50℃にて4時間撹拌した。さらなる水素化ホウ素ナトリウム3.11gおよびメタノール10.3gを添加して、混合物を50℃にて1晩撹拌した。気体発生が止まるまで、2M硫酸を添加した。水100mlを添加した後、層を分離して、有機層を2M硫酸で2回および塩化ナトリウム飽和溶液で1回洗浄した。溶媒を蒸発させて、粗インダノールをトルエン約300mlに溶解させた。p−トルエンスルホン酸1gを添加した後、TLCが変換完了を示すまで(90分間)、Dean−Starkトラップを使用して混合物を還流まで加熱した。溶液をNaHCO飽和溶液で2回、水で1回および塩化ナトリウム飽和溶液で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒の蒸発およびエタノール500mlからの結晶化によって、所望のインデン35.3g(74%)を白色結晶として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.47 (s, 4H, aromatic), 7.34 (d, 1H, aromatic), 7.25 (d, 1H, aromatic), 7.16 (t, 1H, aromatic), 6.72 (s, 1H, C=CH), 3.44 (s, 2Η, benzylic), 2.36 (s, 2H, CH2-t-Bu), 1.37 (s, 9Η, Ph-t-Bu), 0.96 (s, 9H, CH2-t-Bu) ppm.
ジメチルシランジイルビス[2−(2,2−ジメチルプロピル)−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]ジルコニウムジクロライド
100ml丸底フラスコで、4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−(2,2−ジメチルプロピル)−1H−インデン2g(6.28mmol)をトルエン34mlおよびTHF2mlに溶解させた。n−ブチルリチウム2.64ml(トルエン中2.5M、6.6mmol、1.05当量)を室温で添加して、溶液を80℃にて1時間撹拌した。40℃まで冷却した後、ジメチルジクロロシラン405mg(3.2mmol、0.5当量)を1回で添加して、混合物を60℃にて17時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、ジエチルエーテル20mlを添加した。n−ブチルリチウム2.64ml(トルエン中2.5M、6.6mmol、1.05当量)を室温で添加して、混合物を室温にて1晩撹拌した。室温への冷却後、ジルコニウムテトラクロライド776mg(3.3mmol、「インデン」に関して0.53当量)を数回に分けて添加した。オレンジ色−黄色懸濁液を室温にて5時間撹拌して、錯体を濾過により単離し、ジエチルエーテルで洗浄して、粗錯体1.59gを得た。ラセミ形をトルエンから分画再結晶によって単離した。収率:明黄色粉末として0.65g(24%)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.62 (d, 2H,aromatic), 7.58, 7.45 (2 x d, 8H, aromatic), 7.37 (d, 2H, aromatic), 7.23, 7.16, 7.08 (3 x m, 10H, aromatic + toluene), 6.93 (s, 2H, indenyl-H), 2.64 (d, 2H, indenyl-CH2), 2.34 (s, toluene), 2.15 (d, 2H, indenyl-CH2), 1.35 (s, 6H, Si(CH3)2), 1.32 (s, 18H, Ph-t-Bu), 0.83 (s, 18H, CH2-t-Bu) ppm.
比較例3:
ジメチルシランジイルビス[2−(1−アダマンチルメチル)−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド
1−(2−ブロモ−エチル)−アダマンタン
還流冷却器を装備した1L丸底フラスコにおいて、濃硫酸164gおよび臭化水素酸200g(48%水溶液)を氷浴で冷却しながら2−(1−アダマンチル)エタノール126.20g(0.70モル)に添加した。混合物を6時間還流させて、室温まで冷却した後に氷400gに注いだ。水相をペンタン400mlで抽出した。有機層を2M NaOH溶液および水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。生成物を真空中で蒸留して、(1−(2−ブロモ−エチル)−アダマンタン153.2g(90%)を無色油として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 3.29 (t, 2H, CH2Br), 1.71 (t, 2Η, CCH2CH2Br), 1.56 - 1.17 (m, 15H, aliphatic) ppm.
1−(2−クロロ−フェニル)−3−(1−アダマンチル)−プロパン−1−オン
滴下漏斗および還流冷却器を装備した1L丸底フラスコに、削りマグネシウム15.57g(640mmol)を入れ、THF50mlを添加した。マグネシウムを2、3個のヨウ素結晶によってわずかにエッチングして、次に(1−(2−ブロモ−エチル)−アダマンタン2gを添加し、混合物を局部的に加熱した。Grignard形成の開始後に、THF350ml中の(1−(2−ブロモ−エチル)−アダマンタンの残り(合計143.5g、590mmol)を20分以内に添加した。混合物を1.5時間還流させて、次に室温まで冷却した。別の2L丸底フラスコで、2−クロロ−ベンゾニトリル70.5g(513mmol)およびヨウ化銅(I)156mg(0.16mol%)をTHF130mlに溶解させた。Grignard溶液を30分間にわたって滴下して、反応混合物を3時間還流させた。室温にて1晩静置した後、水190mlおよび濃塩酸127mlの混合物をきわめて慎重に添加して、強い発熱反応を生じさせた。混合物を50℃にて1時間撹拌して、層を分離した。水層をトルエン各150mlで2回抽出した。合せた有機層を2M硫酸で2回、重炭酸ナトリウム飽和溶液で1回、および塩化ナトリウム飽和溶液で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を真空中で蒸発させて、所望のフェノン178.7g(定量的)をやや褐色の油として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.39 - 7.12 (m, 4H, aromatic), 2.55 (t, 2H, COCH2), 1.40 - 1.13 (m, 17H, aliphatic) ppm.
7−クロロ−2−(1−アダマンチルメチル)−インダン−1−オン
1−(2−クロロ−フェニル)−3−(1−アダマンチル)−プロパン−1−オン78.7g(260mmol)、ウロトロピン77.5g(2.1当量)および無水酢酸72.6g(2.7当量)を500ml丸底フラスコに入れ、混合物を80℃にて4時間撹拌した。次に水100mlおよび2M NaOH100mlを添加して、混合物をジクロロメタン各200mlで2回抽出した。有機層を塩化アンモニウム飽和水溶液100mlで2回洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。真空中で溶媒量を合計体積150mlまで減少させて、溶液を2.5時間にわたって高温(70〜75℃)の濃硫酸660gに滴下した。75℃にてさらに30分間撹拌した後、混合物を室温にて1晩静置した。混合物を氷約500gに注ぎ、ジクロロメタン各150mlで3回抽出した。有機層は、重炭酸ナトリウム飽和溶液150mlで2回および塩化ナトリウム飽和溶液100mlで1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を真空中で除去した。生成物をシリカによるカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/ジクロロメタン5:1)で精製して、所望の生成物58g(71%)をややオフホワイト色のガラス状固体として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.39 (t, 1H, aromatic), 7.27 (d, 1H, aromatic), 7.21 (d, 1H, aromatic), 3.37 (dd, 1H, COCH), 2.70 (m, 2Η, benzylic), 1.36 - 1.18 (m, 17H, aliphatic) ppm.
7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−(1−アダマンチルメチル)−インダン−1−オン
7−クロロ−2−(1−アダマンチルメチル)−インダン−1−オン71.8g(228mmol)、4−tert−ブチル−ベンゼンボロン酸49g(1.2当量)、炭酸ナトリウム53g、エチレングリコール750mlおよび水150mlを、機械式スターラーおよび還流冷却器を装備した2L丸底フラスコに入れた。混合物は、わずかな排気およびアルゴンの再充填によって、3回脱気した。酢酸パラジウム103mg(0.2mol%)、NaTPPTS 3ml(水中2.6M、0.8mol%)および水2mlより成る、事前に混合した触媒溶液を添加して、混合物を125℃にて還流して完全に変換した(約6時間)。水300mlを添加して、混合物をトルエン各150mlで3回抽出した。合せた有機層を水100mlで2回および塩化ナトリウム飽和溶液100mlで1回洗浄した。硫酸マグネシウムでの乾燥および真空中での溶媒の蒸発によって、所望の生成物94.1g(定量的)を黄色粘着性油として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.52(t, 1H, aromatic), 7.41, 7.36 (2 x d, 4H, aromatic), 7.21 (m, 2H, aromatic), 3.37 (m, 1H, COCH), 2.77 - 2.68 (m, 2Η, benzylic), 1.42 - 1.18 (m, 26H, aliphatic& C(CH3)3) ppm.
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−(1−アダマンチルメチル)−1H−インデン
還流冷却器を装備した1L丸底フラスコで、7−(4’−tert−ブチル−フェニル)−2−(1−アダマンチルメチル)−インダン−1−オン94.0g(228mmol)をトルエン291mlに溶解させた。水素化ホウ素ナトリウム9.5g(1.1当量)を添加した。次にメタノール40ml(4.3当量)を50℃にて添加して、混合物を50℃にて6時間撹拌した。気体発生が止まるまで、2M硫酸を添加した。水100mlを添加した後、層を分離して、有機層を2M硫酸で2回および塩化ナトリウム飽和溶液で1回洗浄した。溶媒を蒸発させて、粗インダノールをトルエン約350mlに溶解させた。p−トルエンスルホン酸0.7gを添加した後、TLCが変換完了を示すまで(90分間)、Dean−Starkトラップを使用して混合物を還流まで加熱した。溶液をNaHCO飽和溶液で2回、水で1回および塩化ナトリウム飽和溶液で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒の蒸発およびエタノール900mlからの結晶化によって、所望のインデン76.9g(85%)を白色結晶として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.44, 7.32, 7.23, 7.12 (4 x m, 7H, aromatic), 6.63 (s, 1H, =CH), 3.32 (s, 2H, benzylic), 2.29 (d, 2H, aliphatic), 1.69 - 1.15 (m, 15H, aliphatic), 1.38 (s, 9H, C(CH3)3) ppm.
ジメチルシランジイルビス[2−(1−アダマンチルメチル)−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド
1000ml丸底フラスコで、7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−(1−アダマンチルメチル)−1H−インデン23g(58mmol)をトルエン340mlおよびTHF20mlに溶解させた。n−ブチルリチウム24.4ml(トルエン中2.6M、63.4mmol、1.1当量)を室温で添加して、溶液を80℃にて1時間撹拌した。40℃まで冷却した後、ジメチルジクロロシラン3.5ml(3.74g、29mmol、0.5当量)を1回で添加して、混合物を60℃にて8.5時間撹拌した。溶媒混合物を真空中で除去して(GC分析によりリガンドの純度>94%)、リガンドをジエチルエーテル200mlに溶解させた(LiClにより黄色がかった懸濁液)。n−ブチルリチウム23.8ml(61.9mmol、「インデン」に対して1.07当量、トルエン中2.6M)を室温にて添加して、混合物を室温にて1晩撹拌した。次にジルコニウムテトラクロライド7.1g(30.5mmol、「インデン」に対して0.525当量)を数回に分けて添加した。オレンジ色−黄色懸濁液を室温にて1晩撹拌して、固体を濾過によって単離した。ジエチルエーテル各35mlでの2回の洗浄および真空中での乾燥により、粗錯体25.1g(rac/meso=1.6:1、塩化リチウムを含有)を得た。ラセミ錯体をトルエンから分画結晶化によって単離した。収率:明黄色粉末として9.8g(9.7mmol、33%)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.62 (d, 2H, aromatic), 7.55, 7.42 (2 x d, 8H, aromatic), 7.32 (d, 2H, aromatic), 7.21, 7.15, 7.08(3 x m, 10H, aromatic + toluene), 6.83 (s, 2H, indenyl-H), 2.53 ("dd", 2H, indenyl-CH2), 2.34 (s, toluene) 2.09 ("dd", 2H, indenyl-CH2), 1.75 - 1.15 (m, 30H, aliphatic), 1.34 (s, 18H, C(CH3)3), 1.32 (s, 6H, Si(CH3)2) ppm.
比較例4:
ジメチルシランジイルビス[2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]ジルコニウムジクロライド
2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデン143g(0.54mol)をトルエン2.4Lおよびテトラヒドロフラン143mLに導入して、n−ブチルリチウム溶液234mL(トルエン中2.5M)を中断せずに室温にて添加した。この添加が完了した後、混合物を80℃まで加熱して、この温度で1時間撹拌した。混合物を40℃まで冷却して、次にジメチルジクロロシラン33.6g(0.26mol)をこの反応溶液に滴下した。反応溶液を60℃にて3時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却して、次にn−ブチルリチウム溶液218mL(トルエン中2.5M)を滴下した。この添加が完了した後、溶液を80℃まで加熱して、この温度で1時間撹拌した。溶液を室温まで冷却して、次にジルコニウムテトラクロライド71.1g(0.305mol)を数回に分けて添加した。溶液を45℃にて2時間撹拌して、形成する沈殿物をG3フリットガラスフィルターでの濾過によって分離し、次にテトラヒドロフラン700mL分量で慎重に洗浄した。残渣をオイルポンプ式真空装置で乾燥させて、生成物を収量155g(80%)および1:1のrac:meso比で得た。異性体をさらなるステップで分離して、プロピレン重合のための選択的触媒を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):
7.63 - 6.85 (m, 16H, arom-H), 2.44 (s, 3H, meso-CH3), 2.24 (s, 3H, rac-CH3), 1.46 (s, 1.5H, meso-SiMe2), 1.33-1.29 (m, 21H, tert-butyl, rac-SiMe2), 1.23 (s, 1.5H, meso-CH3).
比較例5:
ジメチルシランジイル(2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)インデニル)(2−イソプロピル−4−(4−tert−ブチルフェニル)インデニル)ジルコニウムジクロライド
ジメチルシランジイル(2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデン)(2−イソプロピル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデン)
2−イソプロピル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデン16.8g(57.7mmol)をトルエン131mLおよびTHF5.0mLに導入して、n−ブチルリチウム溶液21.5mL(トルエン中2.68M)を中断せずに室温にて添加した。この添加が完了した後、混合物を80℃まで加熱して、この温度で1時間撹拌した。次に混合物を室温まで冷却した。得られた反応溶液を、(2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルクロロシラン20.5g(57.7mmol)のトルエン溶液246mLに1時間の期間にわたって滴下した。混合物を室温にて1晩撹拌した。次に水60mLを添加して、形成する相を分離した。有機相を水100mLで洗浄して、合せた水相を合計100mLのトルエンで2回抽出した。合せた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過で除去した後に、溶媒を除去して、残渣をオイルポンプ式真空装置で乾燥させた。所望の生成物を収量31.6g(90%)(純度90%)で単離した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):
7.51 - 7.1 (m, 14H, arom-H), 6.71, 6.62 (each s, each 1H, olefin-H-indene), 3.35, 3.31 (each s, each 2H, CH2-H), 2.65 (m, 1H, CH-isopropyl), 2.41 (s, 3H CH3-H),1.35, 1.33 (each s, each 9H, tert-butyl), 1.15 (d, 6H, isopropyl-CH3), 0.2, 0.0(each d, each 3H, SiCH3).
ジメチルシランジイル(2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)(2−イソプロピル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド
ジメチルシランジイル(2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデン)(2−イソプロピル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデン)36.6g(60mmol)をジエチルエーテル366mlに導入して、n−ブチルリチウム溶液44.9mL(トルエン中2.68M)を中断せずに室温にて添加した。この添加が完了した後、混合物をこの温度で1晩撹拌した。混合物を0℃まで冷却して、ジルコニウムテトラクロライド14.0g(60mmol)を数回に分けて添加した。混合物を室温まで加温して、この温度でさらに2時間撹拌した。形成する沈殿物をG3フリットガラスフィルターでの濾過によって分離して、テトラヒドロフラン50mL分量で2回およびペンタン70mL分量で1回洗浄した。残渣をオイルポンプ式真空装置で乾燥させて、生成物を収量23.5g(50%)および約1:1のrac:meso比で得た。異性体を次のステップで分離して、プロピレン重合のための選択的触媒を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):
7.7 - 6.9 (m, 14H, arom-H), 3.26 (m, 1H, CH-isopropyl), 2.23 (s, 3H, CH3), 1.31 (s, 18H, tert-butyl), 1.33, 1.32 (each s, each 3H, Si-CH3), 1.08, 1.03 (each d, each 3H, isopropyl-CH3).
実施例6:
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド
2−(2−ブロモ−ベンジル)−マロン酸ジエチルエステル
還流冷却器、気体出口、温度計およびスターラーを装備した4ネック4L丸底フラスコにエタノール2Lを入れる。小片に切断されたナトリウム25.5g(1.11mol)を徐々に反応混合物に添加することによって、ナトリウムエトキシドのエタノール溶液を調製する。40〜45℃の反応温度で、〜1.5時間後にナトリウム添加および反応が終了する。溶液を室温まで冷却し、マロン酸ジエチルエステル192.5g(1.20mol)を添加する。混合物をこの温度で15分間撹拌する。次に、反応温度が40〜45℃まで上昇するように滴下漏斗によって2−ブロモベンジルブロミド250g(1.00mol)を添加する。添加が完了した後、反応混合物を加熱し、3時間還流させる。
精密検査のために、エタノールの大半を蒸留で除去し、水300mlを残渣に添加する。水相をジエチルエーテル300mlで抽出し、ジエチルエーテル150mlで2回抽出する。合せた有機相を水200mlで洗浄する。減圧下でエーテルを除去し、粗生成物を真空中で1ミリバールの圧力で蒸留して、純粋な2−(2−ブロモ−ベンジル)−マロン酸ジエチルエステル(収量:230g、70%)を得る。1H-NMR (500 MHz, CDCl3, ppm): δ = 7.50 (m, 1H, aromatic), 7.22 (m, 1H, aromatic), 7.17 (m, 1H, aromatic), 7.06 (m, 1H, aromatic), 4.13 (m, 4H, -0-CH2CH3), 3.82 (t, 1H, -CH2-CH(CO2Et)2), 3.31 (d, 2H, Ar-CH2-CH(CO2Et)2, 1.18 (t, 6H, -O-CH2CH3).
3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオン酸
還流冷却器、温度計およびスターラーを装備した4ネック2L丸底フラスコを2−(2−ブロモ−ベンジル)−マロン酸ジエチルエステル230g(0.70mol)で充填し、油浴に入れる。水酸化カリウム225.8g(4.02mol)の水溶液225mlを撹拌しながらゆっくりと添加する。反応温度を慎重に監視し、顕著な発熱反応が開始するとすぐに水酸化カリウム溶液の添加を中断する。温度は80℃まで上昇し得る。最初の反応が収まり始めるとすぐに残りの水酸化カリウム溶液を添加する。水酸化カリウム溶液を添加している間は温度変化が観察されないことがあり得る。これが起きると、反応混合物を慎重におよびゆっくりと80℃まで加熱する。発熱反応は突然開始し得る。最初の反応が収まり始めるとすぐに、反応混合物を100℃まで加熱し、この温度で6時間撹拌する。
エタノールの大半を分離するために、水225mlを添加して、合計体積の約半分を真空中でロータリーエバポレーターで除去する。その後、水200mlを再び添加し、溶液が強い酸性になるまで濃塩酸を慎重に添加する(中和は発熱を伴う)。2−(2−ブロモ−ベンジル)−マロン酸が沈殿する。この酸は、フリットで濾過で除去され、洗浄水のpHが約3〜4になるまで水で洗浄される。
ジカルボン酸を減圧下で乾燥させ、好適な気体出口およびバブルカウンタを有する丸底フラスコに移す。フラスコを165℃で油浴に浸漬し、気体発生が止まるまでそこに放置する。約20分後、より低い温度で凝固し得る黄色油が形成する。粗生成物をエタノール400mlに溶解させ、−30℃の冷蔵庫に入れる。純粋な3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオン酸が1晩で沈殿し、濾過で除去される。エタノールの約3/4を除去し、再び残りの溶液を−30℃まで1晩冷却することによって、純粋な生成物のさらなる群を濾過液から回収できる(合せた収量:128.2g、80%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, ppm): δ = 7.53 (m, 1H, aromatic), 7.28 - 7.20 (m, 2H, aromatic), 7.07 (m, 1H, aromatic), 3.06 (t, 2H, Ar-CH2-CH2-CO2H), 2.70 (t, 2H, Ar-CH2-CH2-CO2H).
4−ブロモ−インダン−1−オン
3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオン酸128.2g(0.559mol)を、気体出口およびスターラーを有する2ネック丸底フラスコに入れる。塩化チオニル133.2g(1.12mol)を添加し、混合物をアルゴン雰囲気中で撹拌しながら還流下で2時間加熱し、過剰な塩化チオニルを真空中で除去する。得られた黄色油を塩化メチレン700mlに溶解させて、0℃まで冷却し、無水塩化アルミニウム82.0g(0.615mol)を少量添加する。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次に砕いた氷にそれを慎重に注ぐことによって加水分解させる。有機層を分離する。水層を濃塩酸で酸性化し、塩化メチレンで2回抽出する。合せた有機層を2M HClで1回洗浄し、水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去する(110.0g、87%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, ppm): δ = 7.75 (m, 1H, aromatic), 7.70 (m, 1H, aromatic), 7.27 (m, 1H, aromatic), 3.08 (m, 2H, -CH2-), 2.72 (m, 2H, -CH2-).
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−インダン−1−オン
4−ブロモ−インダン−1−オン22.9g(0.109mol)、4−tert−ブチルフェニルボロン酸23.18g(0.130mol)、炭酸ナトリウム23.0g(0.217mol)、水67mlおよびエチレングリコール357mlを、還流冷却器およびスターラーを有する丸底フラスコに入れる。酸素をすべて除去するために、フラスコを3回排気してアルゴンを補充する。酢酸パラジウム(II)49mg(0.22mmol)およびNaTPPTS(トリス−ナトリウムトリフェニルホスフィン−3,3’,3’’−トリスルホン酸)の0.6M溶液1.4ml(0.87mmol)を水2mlに事前に混合し、反応混合物に添加し、その後加熱して還流させる。反応の進行状況はTLCによって監視する。3.5〜5時間以内に完全な変換が達成されるはずである。混合物を室温まで冷却し、2つの明白に認識できる相が形成するまで水およびトルエンを添加する。層を分離し、水相をトルエンで3回抽出する。合せた有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で溶媒を除去して、油性生成物を得る。GCによって決定される粗生成物の純度は92%である。室温で油性残渣をエタノール35mlで処理することによって純粋な生成物を得ることができる。4−(4−tert−ブチル−フェニル)−インダン−1−オン固体が沈殿し、濾過で除去される。濾過液は依然として、濾過液を蒸発乾固させ、それをヘプタン50mlと混合し、混合物を−30℃で1晩保管することによって単離できる相当量の生成物を含有している。濾過液を濾過で除去し、低温(−30℃)のヘプタンで2回洗浄し、真空中で乾燥させる(合せた収量:23.71g、82%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, ppm): δ = 7.75 (m, 1H, aromatic), 7.59 (m, 1H, aromatic), 7.48 (m, 2H, aromatic), 7.44 (m, 1H, aromatic), 7.39 (m, 2H, aromatic), 3.16 (m, 2H, -CH2-), 2.68 (m, 2H, -CH2-), 1.37 (s, 9H, -C(CH3)3).
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−インダン−1−オンと1−メチル−シクロヘキサンカルバルデヒドとの間のアルドール縮合
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−インダン−1−オン18.35g(69.4mmol)、1−メチル−シクロヘキシル−カルバルデヒド9.20g(72.9mmol)、炭酸カリウム12.85g(93.0mmol)およびエタノール184mlを丸底フラスコに入れる。混合物を54時間撹拌しながら76〜78℃の温度まで加熱する。気体発生がこれ以上観察されなくなるまで10%塩酸を添加し、溶解させるのに十分な水を添加することによって沈殿塩を溶解させる。水相を塩化メチレン175mlで2回抽出する。合せた有機相をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空中で除去して、粗生成物26.03gを得る。粗生成物は、その後のステップのためにそのままで使用された。
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチレン]−インダン−1−オンの水素化
気体入口およびスターラーを有するフラスコ内で、粗4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−(1−メチルシクロ−ヘキシルメチレン)−インダン−1−オン(GC:〜83%純度)28.62gを酢酸エチル286mlに溶解させる。活性炭上のパラジウム(10重量%パラジウム)2gを添加する。酸素を除去するためにこのシステムを3回排気してアルゴンを補充し、次に3回排気して水素を補充する。スターラーを始動させ、反応混合物を激しく撹拌して、液体反応混合物への水素ガスの拡散を助ける。水素の取込みを監視し、水素の取込みが止まるまで撹拌を継続する。濾紙上で粗反応混合物を濾過し、溶媒を真空中で除去することによって、粗4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−(1−メチル−シクロヘキシルメチル)−インダン−1−オン(収量27.99g、GC:〜84%純度)が残る。得られた粗生成物は、その後の還元/脱離シーケンスのためにさらに精製されることなく使用された。
7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−1H−インデン
粗4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−インダン−1−オン(〜83%純度)27.9g、NaBH42.82g(74.5mmol)およびトルエン70.5mlを、還流冷却器、滴下漏斗および磁気撹拌子を装備したフラスコに充填する。混合物を50℃まで加温し、メタノール14mlを撹拌しながらゆっくりと添加し、撹拌を2.5時間継続して、完全な反応を確実にする。過剰なNaBH4を2n H2SO4約40mlで慎重に加水分解させる。有機相を分離して、水相を別のトルエン35mlで洗浄する。合せた有機相を2n H2SO4で2回抽出し、無水MgSO4で乾燥させる。溶媒の大半を真空中で除去し、合計体積100mlまで新鮮なトルエンに置換され、p−トルエンスルホン酸0.3gを添加する。反応フラスコは水分離器を備えており、反応混合物を加熱して、1.5時間還流させる。変換はTLCによって監視できる。一旦脱水が完了すると、溶液を飽和NaHCO3溶液で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させる。溶媒を真空中で完全に除去し、褐色の油25.85gを得る。インデンの精製は、カラムクロマトグラフィーによって行なわれる。収量:7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−1H−インデン18.85g(〜85%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, ppm): δ = 7.48 - 7.44 (m, 4H, aromatic), 7.29 (m, 1H, aromatic), 7.25 (m, 1H, aromatic), 7.13 (m, 1H, aromatic), 6.56 (s, 1H, =CH), 3.47 (s, 2H, benzylic), 2.38 (s, 2H, aliphatic), 1.55 - 1.2 (br m, 1OH, aliphatic),1.37 (s, 9H, -C(CH3)3), 0.91 (s, 3H, CH3).
ビス[4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−1H−インデン−1−イル]−ジメチル−シラン
1000ml丸底フラスコ内で、7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−((1−メチルシクロヘキシル)メチル)−1H−インデン24.4g(68.0mmol)をトルエン414mlおよびTHF122mlに溶解させた。室温でn−ブチルリチウム(トルエン中2.5M、1.05当量)28.6mlを添加し、溶液を80℃で1時間撹拌した。40℃まで冷却した後、ジメチルジクロロシラン4.13ml(0.5当量)を1回で添加し、混合物を60℃で20時間撹拌した。室温まで冷却した後、水250mlを添加し、相を分離した。水層をトルエン100mlで1回抽出し、合せた有機層を飽和NaCl溶液200mlで1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物の異性体混合物16.8g(64%)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, ppm): δ = 7.51 - 7.14 (multiple m's, 14H, aromatic), 6.82 and 6.80 (2 x s, 2H, =CH), 3.94 and 3.85 (2 x s, 2H, CH-SiMe2), 2.53 / 2.35 and 2.38 / 2.21 (2 x [2 x "d"], 4H, CH2-), 1.51 - 1.16 (multiple m's, 20H, aliphatic), 1.382 and 1.376 (2 x s, 18H, -C(CH3)3), 0.85 and 0.80 (2 x s, 6H, CH3), -0.08, -0.28 and -0.52 (3 x s, 6H, SiCH3).
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド
250ml丸底フラスコ内で、ビス[4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−メチル−シクロヘキシル)メチル]−1H−インデン−1−イル]−ジメチルシラン9.2g(11.8mmol)に乾燥したジエチルエーテル92mlを添加した。室温でn−ブチルリチウム(トルエン中2.5M、2.05当量)9.8mlを添加して約20分後に、最初の懸濁液は透明なオレンジ色の溶液に変化した。混合物をこの温度で1晩撹拌して、次に0℃まで冷却した。四塩化ジルコニウム2.77g(1当量)を添加し、室温まで加温した後、撹拌を5時間継続した。粗反応混合物をG4フリットで濾過し、残渣をジエチルエーテル10mlで2回洗浄した。フィルターケーキを、高温のトルエン30mlで1回、高温のトルエン20mlで1回、高温のトルエン15mlで1回、および高温のトルエン10mlで1回濾過液から抽出し、rac/meso比が5:1のメタロセン2.95gを得た。さらなるr/m強化のために、生成物をトルエンから結晶化した。1H-NMR (500 MHz, CDCl3, ppm): δ = 7.61 (m, 2H, aromatic), 7.53 (m, 4H, aromatic), 7.40 (m, 2 + 4H, aromatic), 7.33 (m, 2H, aromatic), 7.05 (m, 2H, aromatic), 6.91 (s, 2H, indenyl-H), 2.65 and 2.23 (2 x "d", 2 x 2H, indenyl-CH2), 1.48 -1.08 (multiple m's, 20H, ring), 1.35 (s, 6H, CH3Si), 1.32 (s, 18H, C(CH3)3), 0.75 (s, 6H, CH3).
実施例7:
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−インダン−1−オンと1−メチル−シクロペンタンカルバルデヒドとの間のアルドール縮合
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−インダン−1−オン15.4g(58.3mmol)、1−メチル−シクロペンチルカルバルデヒド6.9g(61.5mmol)、炭酸カリウム10.8g(78.1mmol)およびエタノール160mlを丸底フラスコに入れる。混合物を50時間撹拌しながら76〜78℃の温度まで加熱する。気体発生がこれ以上観察されなくなるまで10%塩酸を添加し、溶解させるのに十分な水を添加することによって沈殿塩を溶解させる。水相を塩化メチレン150mlで2回抽出する。合せた有機相をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空中で除去して、粗生成物21.1gを得る。粗生成物は、その後のステップのためにそのままで使用された。
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−メチルシクロペンチル)メチレン]−インダン−1−オンの水素化
気体入口およびスターラーを有するフラスコ内で、粗4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−(1−メチル−シクロ−ヘキシルメチレン)−インダン−1−オン(GC:〜83%純度)21.0gを酢酸エチル220mlに溶解させる。活性炭上のパラジウム(10重量%パラジウム)1.5gを添加する。酸素を除去するためにこのシステムを3回排気してアルゴンを補充し、次に3回排気して水素を補充する。スターラーを始動させ、反応混合物を激しく撹拌して、液体反応混合物への水素ガスの拡散を助ける。水素の取込みを監視し、水素の取込みが止まるまで撹拌を継続する。濾紙上で粗反応混合物を濾過し、溶媒を真空中で除去することによって、粗4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−((1−メチルシクロヘキシル)メチル)−インダン−1−オン(収量19.9g、GC:〜86%純度)が残る。得られた粗生成物は、その後の還元/脱離シーケンスのためにさらに精製されることなく使用された。
7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−1H−インデン
粗4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−インダン−1−オン(〜86%純度)19.5g、NaBH42.06g(54.5mmol)およびトルエン52mlを、還流冷却器、滴下漏斗および磁気撹拌子を装備したフラスコに充填する。混合物を50℃まで加温し、メタノール10mlを撹拌しながらゆっくりと添加し、撹拌を2.5時間継続して、完全な反応を確実にする。過剰なNaBH4を2n H2SO4約30mlで慎重に加水分解させる。有機相を分離して、水相を別のトルエン26mlで洗浄する。合せた有機相を2n H2SO4で2回抽出し、無水MgSO4で乾燥させる。溶媒の大半を真空中で除去し、合計体積75mlまで新鮮なトルエンに置換され、p−トルエンスルホン酸0.22gを添加する。反応フラスコは水分離器を備えており、反応混合物を加熱して、1.5時間還流させる。変換はTLCによって監視できる。一旦脱水が完了すると、溶液を飽和NaHCO3溶液で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させる。溶媒を真空中で完全に除去し、褐色の油を得る。インデンの精製は、カラムクロマトグラフィーによって行なわれる。収量:7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−1H−インデン13.8g(〜86%)。
ビス[4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−1H−インデン−1−イル]−ジメチル−シラン
500ml丸底フラスコ内で、7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−((1−メチル−シクロペンチル)メチル)−1H−インデン13g(37.7mmol)をトルエン228mlおよびTHF67mlに溶解させた。室温でn−ブチルリチウム(トルエン中2.5M、1.05当量)15.8mlを添加し、溶液を80℃で1時間撹拌した。40℃まで冷却した後、ジメチルジクロロシラン2.27ml(0.5当量)を1回で添加し、混合物を60℃で20時間撹拌した。室温まで冷却した後、水120mlを添加し、相を分離した。水層をトルエン60mlで1回抽出し、合せた有機層を飽和NaCl溶液100mlで1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物9.4g(67%)を得た。
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド
250ml丸底フラスコ内で、ビス[4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−メチルシクロペンチル)−メチル]−1H−インデン−1−イル]ジメチル−シラン9.0g(12.1mmol)に乾燥したジエチルエーテル94mlを添加した。室温でn−ブチルリチウム(トルエン中2.5M、2.05当量)9.9mlを添加して約20分後に、最初の懸濁液は透明なオレンジ色の溶液に変化した。混合物をこの温度で1晩撹拌して、次に0℃まで冷却した。四塩化ジルコニウム2.82g(1当量)を添加し、室温まで加温した後、撹拌を5時間継続した。粗反応混合物をG4フリットで濾過し、残渣をジエチルエーテル10mlで2回洗浄した。フィルターケーキを、高温のトルエン30mlで1回、高温のトルエン20mlで1回、高温のトルエン15mlで1回、および高温のトルエン10mlで1回濾過液から抽出し、rac/meso比が4:1のメタロセン2.95gを得た。さらなるr/m強化のために、生成物をトルエンから結晶化した。
実施例8:
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−インダン−1−オンと1−エチル−シクロヘキサンカルバルデヒドとの間のアルドール縮合
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−インダン−1−オン18.6g(70.4mmol)、1−エチル−シクロヘキシルカルバルデヒド10.3g(73.5mmol)、炭酸カリウム13.0g(94.1mmol)およびエタノール160mlを丸底フラスコに入れる。混合物を50時間撹拌しながら76〜78℃の温度まで加熱する。気体発生がこれ以上観察されなくなるまで10%塩酸を添加し、溶解させるのに十分な水を添加することによって沈殿塩を溶解させる。水相を塩化メチレン150mlで2回抽出する。合せた有機相をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空中で除去して、粗生成物25.9gを得る。粗生成物は、その後のステップのためにそのままで使用された。
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチレン]−インダン−1−オンの水素化
気体入口およびスターラーを有するフラスコ内で、粗4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−(1−エチルシクロ−ヘキシルメチレン)−インダン−1−オン(GC:〜83%純度)25.0gを酢酸エチル250mlに溶解させる。活性炭上のパラジウム(10重量%パラジウム)1.75gを添加する。酸素を除去するためにこのシステムを3回排気してアルゴンを補充し、次に3回排気して水素を補充する。スターラーを始動させ、反応混合物を激しく撹拌して、液体反応混合物への水素ガスの拡散を助ける。水素の取込みを監視し、水素の取込みが止まるまで撹拌を継続する。濾紙上で粗反応混合物を濾過し、溶媒を真空中で除去することによって、粗4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−(1−エチル−シクロヘキシルメチル)−インダン−1−オン(収量24.4g、GC:〜82%純度)が残る。得られた粗生成物は、その後の還元/脱離シーケンスのためにさらに精製されることなく使用された。
7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−1H−インデン
粗4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−インダン−1−オン(〜82%純度)24.0g、NaBH42.4g(63.4mmol)およびトルエン60mlを、還流冷却器、滴下漏斗および磁気撹拌子を装備したフラスコに充填する。混合物を50℃まで加温し、メタノール12mlを撹拌しながらゆっくりと添加し、撹拌を2.5時間継続して、完全な反応を確実にする。過剰なNaBH4を2n H2SO4約35mlで慎重に加水分解させる。有機相を分離して、水相を別のトルエン30mlで洗浄する。合せた有機相を2n H2SO4で2回抽出し、無水MgSO4で乾燥させる。溶媒の大半を真空中で除去し、合計体積90mlまで新鮮なトルエンに置換され、p−トルエンスルホン酸0.26gを添加する。反応フラスコは水分離器を備えており、反応混合物を加熱して、1.5時間還流させる。変換はTLCによって監視できる。一旦脱水が完了すると、溶液を飽和NaHCO3溶液で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させる。溶媒を真空中で完全に除去し、褐色の油22.4gを得る。インデンの精製は、カラムクロマトグラフィーによって行なわれる。収量:7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−1H−インデン15.3g(〜81%)。
ビス[4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−1H−インデン−1−イル]−ジメチル−シラン
1000ml丸底フラスコ内で、7−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−((1−エチルシクロヘキシル)メチル)−1H−インデン15g(40.3mmol)をトルエン245mlおよびTHF72mlに溶解させた。室温でn−ブチルリチウム(トルエン中2.5M、1.05当量)16.9mlを添加し、溶液を80℃で1時間撹拌した。40℃まで冷却した後、ジメチルジクロロシラン2.43ml(0.5当量)を1回で添加し、混合物を60℃で20時間撹拌した。室温まで冷却した後、水150mlを添加し、相を分離した。水層をトルエン60mlで1回抽出し、合せた有機層を飽和NaCl溶液150mlで1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物10.0g(62%)を得た。
ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド
250ml丸底フラスコ内で、ビス[4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[(1−エチル−シクロヘキシル)メチル]−1H−インデン−1−イル]−ジメチルシラン9.8g(12.2mmol)に乾燥したジエチルエーテル95mlを添加した。室温でn−ブチルリチウム(トルエン中2.5M、2.05当量)10.0mlを添加して約20分後に、最初の懸濁液は透明なオレンジ色の溶液に変化した。混合物をこの温度で1晩撹拌して、次に0℃まで冷却した。四塩化ジルコニウム2.84g(1当量)を添加し、室温まで加温した後、撹拌を5時間継続した。粗反応混合物をG4フリットで濾過し、残渣をジエチルエーテル10mlで2回洗浄した。フィルターケーキを、高温のトルエン30mlで1回、高温のトルエン20mlで1回、高温のトルエン15mlで1回、および高温のトルエン10mlで1回濾過液から抽出し、rac/meso比が5:1のメタロセン2.80gを得た。さらなるr/m強化のために、生成物をトルエンから結晶化した。
メチルアルミノキサン処理シリカの調製:
実施例9:
シリカ293g(Grace XPO2107、180℃および1ミリバールにて16時間乾燥、LOD<0.5重量%およびLOI=2.6重量%)のトルエン撹拌懸濁液1500mLに、メチルアルミノキサンの30重量%トルエン溶液300mL(Albemarle Corporation)を室温にてゆっくり添加する。添加中に、温度は30℃を超えてはならない。添加が完了した後、混合物を室温にて2時間撹拌して、濾過により分離する。残渣をトルエン1500mL分量で2回およびイソへキサン1500mL分量で3回洗浄して、真空中で恒量まで乾燥させる。メチルアルミノキサン処理シリカが、自由流動粉末として収量408gで得られる。
実施例10:
本願には、実施例10は存在しない。読者が実施例1〜実施例8で作製されたメタロセンを実施例11〜実施例18で作製された触媒と相互に関連付けることを容易にするために、実施例10は省略した。このように、実施例1のメタロセンを用いて実施例11の触媒を調製し、同様に、ここで比較例4のメタロセンを用いて比較例14の触媒を製造する、などである。
担持メタロセン触媒の調製:
比較例11:
実施例9で調製したメチルアルミノキサン処理シリカ10.0gを、平滑面を有するカラムとしてのフリットガラスフィルターに入れる。最少量のトルエンを添加して、処理シリカをスパチュラで慎重に撹拌し、カラム内の空洞部分をすべて除去する。過剰なトルエンを濾過によって除去して、平滑面を残す。別のフラスコで、rac−ジメチルシランジイルビス(2−(シクロヘキシルメチル)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−1−インデニル)−ジルコニウムジクロライド(比較例1で調製)326mgを、トルエン27mLおよびメチルアルミノキサンの30重量%トルエン溶液13.6mL(Albemarle Corporation)と混合する。スラリーを室温にて1時間撹拌して、オレンジ色溶液を得る。この溶液を次にメチルアルミノキサン処理シリカの上に慎重に添加して、約30分以内にゆっくりと濾過で除去する。着色溶液の表面がシリカ上部に達したときに、濾過プロセスを中止して、フィルターケーキをへらによって慎重かつ完全に撹拌する。触媒を次に1時間静置する。残留溶媒を濾過で除去して、触媒をイソへキサン(20mL)で2回洗浄して、窒素パージ中で恒量まで乾燥させる。触媒は、自由流動性の赤みがかった粉末として収量12.0gで得られる。
比較例12:
実施例9で調製したメチルアルミノキサン処理シリカ10.0gを、平滑面を有するカラムとしてのフリットガラスフィルターに入れる。最少量のトルエンを添加して、処理シリカをスパチュラで慎重に撹拌し、カラム内の空洞部分をすべて除去する。過剰なトルエンを濾過によって除去して、平滑面を残す。別のフラスコで、rac−ジメチルシランジイルビス(2−(tert−ブチルメチル)−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)−ジルコニウムジクロライド(比較例2で調製)307mgを、トルエン27mLおよびメチルアルミノキサンの30重量%トルエン溶液13.6mL(Albemarle Corporation)と混合する。スラリーを室温にて1時間撹拌して、オレンジ色溶液を得る。この溶液を次にメチルアルミノキサン処理シリカの上に慎重に添加して、約30分以内にゆっくりと濾過で除去する。着色溶液の表面がシリカ上部に達したときに、濾過プロセスを中止して、フィルターケーキをへらによって慎重かつ完全に撹拌する。触媒を次に1時間静置する。残留溶媒を濾過で除去して、触媒をイソへキサン(20mL)で2回洗浄して、窒素パージ中で恒量まで乾燥させる。触媒は、自由流動性の赤みがかった粉末として収量11.4gで得られる。
比較例13:
実施例9で調製したメチルアルミノキサン処理シリカ10.0gを、平滑面を有するカラムとしてのフリットガラスフィルターに入れる。最少量のトルエンを添加して、処理シリカをスパチュラで慎重に撹拌し、カラム内の空洞部分をすべて除去する。過剰なトルエンを濾過によって除去して、平滑面を残す。別のフラスコで、rac−ジメチルシランジイルビス(2−(1−アダマンチルメチル)−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)−ジルコニウムジクロライド(比較例3で調製)363mgを、トルエン27mLおよびメチルアルミノキサンの30重量%トルエン溶液13.6mL(Albemarle Corporation)と混合する。スラリーを室温にて1時間撹拌して、オレンジ色溶液を得る。この溶液を次にメチルアルミノキサン処理シリカの上に慎重に添加して、約30分以内にゆっくりと濾過で除去する。着色溶液の表面がシリカ上部に達したときに、濾過プロセスを中止して、フィルターケーキをへらによって慎重かつ完全に撹拌する。触媒を次に1時間静置する。残留溶媒を濾過で除去して、触媒をイソへキサン(20mL)で2回洗浄して、窒素パージ中で恒量まで乾燥させる。触媒は、自由流動性の赤みがかった粉末として収量11.8gで得られる。
比較例14:
実施例9で調製したメチルアルミノキサン処理シリカ10.0gを、平滑面を有するカラムとしてのフリットガラスフィルターに入れる。最少量のトルエンを添加して、処理シリカをスパチュラで慎重に撹拌し、カラム内の空洞部分をすべて除去する。過剰なトルエンを濾過によって除去して、平滑面を残す。別のフラスコで、rac−ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)−ジルコニウムジクロライド(比較例4で調製)267mgを、トルエン27mLおよびメチルアルミノキサンの30重量%トルエン溶液13.6mL(Albemarle Corporation)と混合する。スラリーを室温にて1時間撹拌して、オレンジ色溶液を得る。この溶液を次にメチルアルミノキサン処理シリカの上に慎重に添加して、約30分以内にゆっくりと濾過で除去する。着色溶液の表面がシリカ上部に達したときに、濾過プロセスを中止して、フィルターケーキをへらによって慎重かつ完全に撹拌する。触媒を次に1時間静置する。残留溶媒を濾過で除去して、触媒をイソへキサン(20mL)で2回洗浄して、窒素パージ中で恒量まで乾燥させる。触媒は、自由流動性のオレンジ色粉末として収量11.9gで得られる。
比較例15:
実施例9で調製したメチルアルミノキサン処理シリカ10.0gを、平滑面を有するカラムとしてのフリットガラスフィルターに入れる。最少量のトルエンを添加して、処理シリカをスパチュラで慎重に撹拌し、カラム内の空洞部分をすべて除去する。過剰なトルエンを濾過によって除去して、平滑面を残す。別のフラスコで、rac−ジメチルシランジイル(2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)インデニル)(2−イソプロピル−4−(4−tert−ブチルフェニル)インデニル)ジルコニウムジクロライド(比較例5で調製)277mgを、トルエン27mLおよびメチルアルミノキサンの30重量%トルエン溶液13.6mL(Albemarle Corporation)と混合する。スラリーを室温にて1時間撹拌して、オレンジ色溶液を得る。この溶液を次にメチルアルミノキサン処理シリカの上に慎重に添加して、約30分以内にゆっくりと濾過で除去する。着色溶液の表面がシリカ上部に達したときに、濾過プロセスを中止して、フィルターケーキをへらによって慎重かつ完全に撹拌する。触媒を次に1時間静置する。残留溶媒を濾過で除去して、触媒をイソへキサン(20mL)で2回洗浄して、窒素パージ中で恒量まで乾燥させる。触媒は、自由流動性のオレンジ色粉末として収量11.9gで得られる。
実施例16:
実施例9で調製したメチルアルミノキサン処理シリカ10.0gを、平滑面を有するカラムとしてのフリットガラスフィルターに入れる。最少量のトルエンを添加して、処理シリカをスパチュラで慎重に撹拌し、カラム内の空洞部分をすべて除去する。過剰なトルエンを濾過によって除去して、平滑面を残す。別のフラスコで、rac−ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド(実施例6で調製)336mgを、トルエン27mLおよびメチルアルミノキサンの30重量%トルエン溶液13.6mL(Albemarle Corporation)と混合する。スラリーを室温にて1時間撹拌して、オレンジ色溶液を得る。この溶液を次にメチルアルミノキサン処理シリカの上に慎重に添加して、約30分以内にゆっくりと濾過で除去する。着色溶液の表面がシリカ上部に達したときに、濾過プロセスを中止して、フィルターケーキをへらによって慎重かつ完全に撹拌する。触媒を次に1時間静置する。残留溶媒を濾過で除去して、触媒をイソへキサン(20mL)で2回洗浄して、窒素パージ中で恒量まで乾燥させる。触媒は、自由流動性のオレンジ色粉末として収量11.6gで得られる。
実施例17:
実施例9で調製したメチルアルミノキサン処理シリカ10.0gを、平滑面を有するカラムとしてのフリットガラスフィルターに入れる。最少量のトルエンを添加して、処理シリカをスパチュラで慎重に撹拌し、カラム内の空洞部分をすべて除去する。過剰なトルエンを濾過によって除去して、平滑面を残す。別のフラスコで、rac−ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロペンチル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド(実施例7で調製)326mgを、トルエン27mLおよびメチルアルミノキサンの30重量%トルエン溶液13.6mL(Albemarle Corporation)と混合する。スラリーを室温にて1時間撹拌して、オレンジ色溶液を得る。この溶液を次にメチルアルミノキサン処理シリカの上に慎重に添加して、約30分以内にゆっくりと濾過で除去する。着色溶液の表面がシリカ上部に達したときに、濾過プロセスを中止して、フィルターケーキをへらによって慎重かつ完全に撹拌する。触媒を次に1時間静置する。残留溶媒を濾過で除去して、触媒をイソへキサン(20mL)で2回洗浄して、窒素パージ中で恒量まで乾燥させる。触媒は、自由流動性のオレンジ色粉末として収量11.3gで得られる。
実施例18:
実施例9で調製したメチルアルミノキサン処理シリカ10.0gを、平滑面を有するカラムとしてのフリットガラスフィルターに入れる。最少量のトルエンを添加して、処理シリカをスパチュラで慎重に撹拌し、カラム内の空洞部分をすべて除去する。過剰なトルエンを濾過によって除去して、平滑面を残す。別のフラスコで、rac−ジメチルシランジイルビス[2−[(1−エチルシクロヘキシル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド(実施例8で調製)346mgを、トルエン27mLおよびメチルアルミノキサンの30重量%トルエン溶液13.6mL(Albemarle Corporation)と混合する。スラリーを室温にて1時間撹拌して、オレンジ色溶液を得る。この溶液を次にメチルアルミノキサン処理シリカの上に慎重に添加して、約30分以内にゆっくりと濾過で除去する。着色溶液の表面がシリカ上部に達したときに、濾過プロセスを中止して、フィルターケーキをへらによって慎重かつ完全に撹拌する。触媒を次に1時間静置する。残留溶媒を濾過で除去して、触媒をイソへキサン(20mL)で2回洗浄して、窒素パージ中で恒量まで乾燥させる。触媒は、自由流動性のオレンジ色粉末として収量11.5gで得られる。
実施例19:
結果を比較する表中で、実施例19および比較例20が、すべての他の本発明の実施例と比較例との間でなされた比較から切離されていることに読者は気付くであろう。これは、標準的な調製方法に対してメタロセン触媒の活性を増強するために、証明された米国特許第7,169,864号で発明者等が前もって明らかにした特別なプロセスによって、本発明の実施例18および比較例19の両方の触媒が調製されたためである。’864号の方法によって作製された触媒を標準的なメタロセン調製方法によって作製された触媒と比較することは不正確であろう。
シリカ100g(Grace XPO8001、180℃および1ミリバールにて16時間乾燥、LOD<0.5重量%およびLOI=2.5重量%)のトルエン撹拌懸濁液480mLに、メチルアルミノキサンの30重量%トルエン溶液250mL(Albemarle Corporation)を室温にてゆっくり添加する。プロセスまたは触媒の効力に関連しない安全上の理由で、添加の間に、温度は30℃を超えてはならない。添加が完了した後に、混合物を室温で30分間撹拌して、次に加熱し、4時間還流させた。室温まで冷却した後に、溶媒を濾過によって分離した。残渣をトルエン500mL分量で2回およびイソへキサン500mL分量で3回洗浄して、真空中で恒量まで乾燥させる。メチルアルミノキサン処理シリカが、自由流動粉末として収量180gで得られる。
メチルアルミノキサン処理シリカ10.0gを、平滑面を有するカラムとしてのフリットガラスフィルターに入れる。最少量のトルエンを添加して、処理シリカをスパチュラで慎重に撹拌し、カラム内の空洞部分をすべて除去する。過剰なトルエンを濾過によって除去して、平滑面を残す。別のフラスコで、rac−ジメチルシランジイルビス[2−[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]−4−(tert−ブチルフェニル)−1−インデニル]−ジルコニウムジクロライド(実施例6で調製)336mgを、トルエン10mLおよびトリイソブチルアルミニウムの10重量%ヘプタン溶液33.4mL(Akzo Nobel)と混合する。スラリーを室温にて1時間撹拌する。この溶液を次にメチルアルミノキサン処理シリカの上に慎重に添加して、約30分以内にゆっくりと濾過で除去する。着色溶液の表面がシリカ上部に達したときに、濾過プロセスを中止して、フィルターケーキをへらによって慎重かつ完全に撹拌する。触媒を次に1時間静置する。残留溶媒を濾過で除去して、触媒をイソへキサン(20mL)で2回洗浄して、窒素パージ中で恒量まで乾燥させる。触媒は、自由流動性粉末として収量12gで得られる。
比較例20:
シリカ100g(Grace XPO8001、180℃および1ミリバールにて16時間乾燥、LOD<0.5重量%およびLOI=2.5重量%)のトルエン撹拌懸濁液480mLに、メチルアルミノキサンの30重量%トルエン溶液250mL(Albemarle Corporation)を室温にてゆっくり添加する。添加の間に、温度は30℃を超えてはならない。添加が完了した後に、混合物を室温で30分間撹拌して、次に加熱し、4時間還流させた。室温まで冷却した後に、溶媒を濾過によって分離した。残渣をトルエン500mL分量で2回およびイソへキサン500mL分量で3回洗浄して、真空中で恒量まで乾燥させる。メチルアルミノキサン処理シリカが、自由流動粉末として収量180gで得られる。
メチルアルミノキサン処理シリカ10.0gを、平滑面を有するカラムとしてのフリットガラスフィルターに入れる。最少量のトルエンを添加して、処理シリカをスパチュラで慎重に撹拌し、カラム内の空洞部分をすべて除去する。過剰なトルエンを濾過によって除去して、平滑面を残す。別のフラスコで、rac−ジメチルシランジイルビス(2−(シクロヘキシルメチル)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−1−インデニル)−ジルコニウムジクロライド(比較例1で調製)326mgを、トルエン10mLおよびトリイソブチルアルミニウムの10重量%ヘプタン溶液33.4mL(Akzo Nobel)と混合する。スラリーを室温にて1時間撹拌する。この溶液を次にメチルアルミノキサン処理シリカの上に慎重に添加して、約30分以内にゆっくりと濾過で除去する。着色溶液の表面がシリカ上部に達したときに、濾過プロセスを中止して、フィルターケーキをへらによって慎重かつ完全に撹拌する。触媒を次に1時間静置する。残留溶媒を濾過で除去して、触媒をイソへキサン(20mL)で2回洗浄して、窒素パージ中で恒量まで乾燥させる。触媒は、自由流動性粉末として収量11.8gで得られる。
重合:
重合手順(バッチプロピレンホモおよび共重合):
スターラーを装備した、乾燥しかつ窒素パージ5dmのオートクレーブに所望ならば、メタロセンポリマーシード床100gを添加する。場合により、ある量の水素を計量して加える。トリイソブチルアルミニウム(10重量%のヘプタン溶液1cm)、液体プロピレン(本操作で使用する全量の半分)、および場合により、ある量のエチレンを計量して加え、混合物を20℃にて少なくとも5分間(スターラー速度200rpm)撹拌する。次に白油5cmに懸濁させた担持メタロセン触媒を液体プロピレン(本操作で使用する全量の半分)と共に注入する。反応装置を内部測定した操作温度(65、60または30℃)まで11分以内に加熱する。重合反応を操作温度にて15または60分間のどちらかにわたって進行させる。60分間の共重合操作の間、エチレンおよびプロピレンの連続供給によって反応装置の圧力を維持した。モノマーを放出して、反応装置を冷却することによって、重合を中止する。ポリマーを排出して、減圧下で乾燥させる。
表1および表2は、61の重合試験操作によって示される生データを表す。残りの表3〜13は、プロピレンのエチレンに対する比(またはそれがプロピレンホモポリマーの場合)および重合プロセスでの水素の使用の有無によって、そのデータを類別している。本質的に同じ重合条件、同様の温度、重合時間などが適用される場合にのみそれらの結果を直接比較することができる。さらに、表の多くは互いに比較できない2組のデータを含んでいる。それらのデータの組の違いは、触媒調製が行なわれた方法である。上で説明したように、比較例11〜15および実施例16〜18の触媒は、比較例20および実施例19とは異なる触媒調製手順によって調製され、したがって異なる重合条件がこれらのデータの組に反映されている。これらのデータの組は、それら自体の間でのみ比較できる。
プロピレンホモポリマー
分析1:エチレンコモノマーを用いない、水素を用いない、プロピレンポリマーの製造
表3は、本発明の要件に従う4つの実験的メタロセン触媒の結果を、6つの比較例と比較して示す。
本発明のサンプル16、17および18と比較例11〜15との間の比較に値する結果の第1の組の個々の触媒比較によって、すべての本発明の触媒の活性が比較触媒に対して概してより高いことが分かる。生産性が最も低い本発明の触媒(実施例18)でさえ、活性が最も高い比較触媒(比較例11)と比較して、活性が13%上昇している。融点を比較すると、類似した融点が得られることが明らかであり、1つの本発明の実施例(実施例17)および1つの比較例(比較例15)によって153℃という最も高い融点が得られる。これら2つの実施例の直接比較によって、本発明の実施例17の活性が比較例15の活性よりもほぼ4倍高いことが分かる。本発明の実施例17の分子量が比較例15のほぼ2倍であるので、これは劇的な改良である。
分子量の一般比較によって、比較例13および本発明の実施例16がそれぞれ920kg/molおよび910kg/molという最も高い分子量に達することが分かる。これらの分子量は、実験誤差の範囲内で同等であると考えることができる。同時に、本発明の実施例16の活性は比較例13の活性のほぼ2倍である一方、これら2つの実施例の融点は両方とも152℃である。
また、比較例1〜3のメタロセンおよび比較例11〜13の対応する触媒は、発明者等がとりわけ2位でのβ−分岐炭化水素の属の方を向いていた発明者の同時係属中の特許出願PCT/US2007/022614(「ジーナス出願」)の特許請求の範囲に含まれるであろうが、これらの比較例は当該スピーシズ出願の特許請求の範囲には含まれないことに注意することが最も重要である。表3は、水素モデレータのないプロピレンの場合に、本発明の種触媒が平均して、ジーナス出願下でクレームされた比較触媒よりも驚くべきことに51.2%活性が高いことを示す。さらに、本発明の種触媒はまた、同時係属中のジーナス出願の特許請求の範囲に含まれるであろう試験触媒に対してTおよびMFR2.16およびMFR5の値がより高いというより望ましい特性を証明する。
ジーナス出願の触媒に対する当該スピーシズ発明の触媒の優位性は、水素がモデレータとして導入されるときに再び証明される。この場合、表4は、本発明の種触媒の活性が平均してジーナス出願の触媒の活性に対して著しく34.4%上昇することを示す。今回も、本発明の種触媒の生成物は、ジーナス出願の触媒から作製されたそれらの生成物に対してTmおよびMFR2.16およびMFR5の値の望ましい特性の改良が見られる(分析2も参照)。
比較に値する結果の第2の組は、実施例19および比較例20から得られる触媒で構成される。これら2つの触媒の触媒調製は、すでに記載した結果のものとは異なっており、したがって別個に比較する必要がある。本発明の実施例が比較例20と比較して優れた性能を示すことが明白に分かる。本発明の実施例19の生産性は比較例20と比較しておよそ22%上昇している一方、分子量およびMFRの値は類似している。153℃という本発明の実施例の融点は、比較例20の融点よりも2℃高い。
したがって、触媒調製手順とは無関係に、本発明の実施例が比較例に対して劇的な改良を示すことが分かる。
分析2:エチレンコモノマーを用いない、水素の存在下での、プロピレンポリマーの製造
表4は、本発明の要件に従う4つの実験的メタロセン触媒の結果を、6つの比較例と比較して示す。しかしこの場合、触媒生産性を向上させて、分子量を調節するために、重合プロセス中に水素を添加した。
本発明のサンプル16、17および18と比較例11〜15との間の比較に値する結果の第1の組の個々の触媒比較によって、すべての本発明の触媒の活性が比較触媒に対して概してより高いことが分かる。生産性が最も低い本発明の触媒(実施例18)でさえ、活性が最も高い比較触媒(比較例11)と比較して、活性が6%上昇している一方、本発明の実施例16は比較例11に対して生産性が37%上昇してさえいる。これは劇的な改良である。分子量を比較すると、比較例の最も高い分子量は比較例13の241kg/molであるのに対して、本発明の実施例の最も高い分子量は実施例16の232kg/molである。これらの値は実験誤差の範囲内で同等であると考えることができ、したがって、本発明の実施例16は類似の分子量に達しているが、生産性レベルがはるかに高い(比較例13と比較して56%の上昇)。比較に値する結果のこの組の融点は、150〜155℃である。本発明の触媒は、すべての比較触媒よりも高い活性を示すだけでなく、この範囲の上部領域において152℃〜153℃の融点も提供する。より高い融点を達成できる唯一の触媒は比較触媒15であり155℃であるが、これは、この組の結果の中のすべての触媒のうちで、活性が最も低く(9,520g/gh、本発明の実施例16よりも36%低い)、分子量が最も低い(146kg/g、本発明の実施例16よりも37%低い)状態で達成される。
比較に値する結果の第2の組は、実施例19および比較例20から得られる触媒で構成される。これら2つの触媒の触媒調製は、すでに記載した結果のものとは異なっており、したがって別個に比較する必要がある。本発明の触媒19は、比較触媒20に対して劇的に改良された性能を明白に示す。本発明の触媒19の生産性は、ほぼ同一の分子量およびMFRの値を得ながら、比較触媒20の生産性と比較してほぼ2倍である。本発明の触媒19で得られる融点は153℃であり、比較触媒20の融点よりも2℃だけ高い。
プロピレン/エチレンコポリマー
本発明の触媒から作製した生成物の特性を、コポリマーを形成するエチレン/プロピレンミックスの各種のレベルで試験した。新たな変数、すなわちプロピレン対エチレン比の導入によって、資源が制限されるようになったため、それぞれの比のコポリマーについて、はるかに少ないデータ点を得た。それぞれの場合で、実施例16による本発明の触媒を、通常は実施例11からの比較触媒に対して試験した。
分析3:約48のプロピレン/エチレン比を用いた、水素の非存在下でのプロピレン/エチレンコポリマーの製造
この場合、本発明の触媒1つのみ(実施例16)を1つの比較触媒(比較例11)に対して試験して、結果を表5に示す。本発明の触媒は、比較触媒を超える顕著な改良を示した。本発明の触媒16は、比較例11に対して生産性が31%上昇していた。MFR2.16の値の比較によって、本発明の実施例のMFRが0.1g/10’であり、比較例のMFRの半分に過ぎないことが分かり、これは、比較例11と比較して分子量が17%増加していることにも反映されている。融点および組込まれたC2のレベルは実験誤差の範囲内でこれら2つの触媒で同一であり、したがって本発明の触媒は本発明の実施例と比較して顕著な性能の改良を示す。
分析4:約31のプロピレン/エチレン比を用いた、水素の非存在下でのプロピレン/エチレンコポリマーの製造
この場合、2つの異なる重合条件下で本発明の触媒16および比較触媒11を試験した。条件の第1の組は60℃の重合温度および60分の重合時間によって規定されるのに対して、条件の第2の組は65℃の重合温度およびわずか15分の重合時間によって決定される。結果を表6に要約する。
条件の第1の組の下では、本発明の触媒は比較例11と比較して生産性が76%上昇している。C2組込みおよびポリマーの融点は類似しているが、本発明の実施例16のMFR2.16の値は比較例11の3分の1に過ぎない。これは、比較例11と比較して分子量が25%増加していることにも反映されている。
条件の第2の組はやはり、本発明の触媒の優れた性能を示す。本発明の実施例16の生産性は比較例11と比較して11%上昇している。133℃という本発明の触媒16のわずかに低い融点は、この条件の組の下での本発明の触媒のより高いC2組込みの結果である(比較例11の2.1%と比較して2.4)。本発明の実施例16のMFR2.16の値は、比較例11の5分の1に過ぎない。これは、比較例11と比較して分子量が32%上昇していることにも反映されている。
分析5:約16のプロピレン/エチレン比を用いた、水素の非存在下でのプロピレン/エチレンコポリマーの製造
この場合、1つの本発明の触媒(実施例16)および1つの比較触媒(比較例11)を試験して、結果を表7に示す。本発明の実施例16の生産性は、比較例11と比較して78%上昇している。また、本発明の実施例16の分子量は、本発明の触媒では増加を示し、すなわち比較例11と比較して59%の増加である。これはMFR2.16の値にも反映されており、その値は本発明の実施例では比較例11の4分の1に過ぎない。本発明の触媒16のC2組込みが比較触媒11の場合よりもわずかに高いので、本発明の実施例の融点がわずかに低いことは驚くべきことではない。これらの条件下で、本発明の触媒の優位性がはっきりと分かる。
分析6:約15のプロピレン/エチレン比を用いた、水素の非存在下でのプロピレン/エチレンコポリマーの製造
この場合、本発明の触媒16および比較触媒11を試験して、結果を表8に示す。前のすべての分析と同様に、この実施例における本発明の触媒16はより良好な生産性(27%)を達成する。これは、比較例11と類似のC2組込みおよび118℃という同じ融点で達成される。本発明の実施例の分子量は、比較例11と比較して54%だけ著しく向上している。この事実は、本発明の実施例16のMFR2.16の値にも見ることができ、その値は比較触媒の値の4分の1に過ぎない。
分析7:約10のプロピレン/エチレン比を用いた、水素の非存在下でのプロピレン/エチレンコポリマーの製造
この場合、1つの本発明の触媒(実施例16)および1つの比較触媒(比較例11)を試験して、結果を表9に示す。本発明の触媒は、類似のC2組込みおよび類似の融点を示しながら、比較触媒11と比較して生産性および分子量の大きな向上を示す。生産性は比較触媒11と比較して2倍であり、分子量は1.5倍に増加している。これはMFR2.16の値にも反映されており、その値は本発明の実施例16では比較触媒11について得られた値の6分の1に過ぎない。
分析8:約9のプロピレン/エチレン比を用いた、水素の非存在下でのプロピレン/エチレンコポリマーの製造
本発明の触媒16および比較触媒11を試験して、結果を表10に示す。前のすべての分析と同様に、この実施例における本発明の触媒16は41%だけより良好な生産性を達成する。これは、類似のC2組込みで達成され、本発明の実施例11のわずかに低い融点(1℃)は、比較例11の6.5%と比較して7.2%というより高いC2組込みによって合理的に解釈できる。本発明の触媒16の分子量は、比較触媒11と比較して35%だけ増加している。より高い分子量はMFR2.16の値にも反映されており、その値は比較触媒11の値の4分の1に過ぎない。
分析9:約0.55のプロピレン/エチレン比を用いた、水素の非存在下でのプロピレン/エチレンコポリマーの製造
表11は、プロピレン/エチレン比が約0.55の本発明の触媒16および比較例11の結果を示す。これらのサンプルの生産性が決定できなかったのは、これらの実施例および比較例のすべてでアモルファスプロピレン/エチレンゴムが生成されたためであった。このようなポリマーは一般にオートクレーブの壁やスターラーに粘着し、オートクレーブの定量的な排出が不可能であり、これにより生産性の決定に信頼性がなくなる。商業的には、このようなゴム成分を含有するポリマーは、第1ステップでホモポリマーが生成され、第2ステップでゴムが生成される2段階重合で生成される。この方法によって、物質の粘着性が低下して、量産と、低温での靭性が要求される用途(自動車用バンパー、冷蔵庫および超低温フリーザー食品包装、クレートおよびペールなどの用途)へのこのような重要な物質の使用とが可能となる。
規定の条件下で、触媒のC2組込みはかなり類似しているが、本発明の触媒16は、比較触媒11の39.7%と比較して41.3%というわずかに高い値を示す。本発明の触媒の実施例は、分子量の増加およびMFRの値の低下で、比較例に対して劇的な改良を示している。比較例11の分子量は、本発明の触媒11で得られた分子量よりも2倍以上低い(280kg/mol対659kg/mol)。この結果はMFR2.16の値にも反映されており、その値は本発明の触媒では0.1g/10’であり、比較例11では6.9g/10’である。したがって、本発明の触媒は、類似のC2組込みで分子量がはるかに高いポリマーを与えるので、これらの条件下ではるかに優れた性能を示す。
分析10:約0.44のプロピレン/エチレン比を用いた、水素の非存在下でのプロピレン/エチレンコポリマーの製造
この場合、1つの本発明の触媒(実施例16)および1つの比較触媒(比較例11)を試験して、結果を表12に示す。これらのサンプルの生産性が決定できなかったのは、これらの実施例および比較例のすべてでアモルファスプロピレン/エチレンゴムが生成されたためであった。このようなポリマーは一般にオートクレーブの壁やスターラーに粘着し、オートクレーブの定量的な排出が不可能であり、これにより生産性の決定に信頼性がなくなる。商業的には、このようなゴム成分を含有するポリマーは、第1ステップでホモポリマーが生成され、第2ステップでゴムが生成される2段階重合で生成される。この方法によって、物質の粘着性が低下して、量産と、低温での靭性が要求される用途(自動車用バンパー、冷蔵庫および超低温フリーザー食品包装、クレートおよびペールなどの用途)へのこのような重要な物質の使用とが可能となる。
分析9と同様に、この実施例における本発明の触媒は、依然として類似のC2組込みで生成物を作り出しながら、はるかに高い分子量を達成する。本発明の触媒11の分子量は、比較触媒の分子量よりも2.3倍高い。この結果はMFR2.16の値にも反映されており、その値は本発明の触媒では0.2g/10’であり、比較例11では11.5g/10’である。したがって、本発明の触媒は、類似のC2組込みで分子量がはるかに高いポリマーを与えるので、これらの条件下ではるかに優れた性能を示す。
分析11:約0.38のプロピレン/エチレン比を用いた、水素の非存在下でのプロピレン/エチレンコポリマーの製造
この場合、4つの本発明の触媒および6つの比較触媒を試験して、結果を表13に示す。これらのサンプルの多くの生産性が決定できなかったのは、これらの実施例および比較例のすべてでアモルファスプロピレン/エチレンゴムが生成されたためであった。このようなポリマーは一般にオートクレーブの壁やスターラーに粘着し、オートクレーブの定量的な排出が不可能であり、これにより生産性の決定に信頼性がなくなる。商業的には、このようなゴム成分を含有するポリマーは、第1ステップでホモポリマーが生成され、第2ステップでゴムが生成される2段階重合で生成される。この方法によって、物質の粘着性が低下して、量産と、低温での靭性が要求される用途(自動車用バンパー、冷蔵庫および超低温フリーザー食品包装、クレートおよびペールなどの用途)へのこのような重要な物質の使用とが可能となる。一般的に適用可能な市販の触媒は高い汎用性を示さなければならず、これは、市販の物質を製造するための関連するすべての条件下で性能が高いことを意味する。ここで適用される条件下では、これは、非常に低い温度での靭性が要求される物質を得るために、0.5g/10’を下回る非常に低いMFR2.16の値を有するコポリマーを得なければならないことを意味する。本発明の触媒はすべてこの要件を満たし、さらには、すべての場合において0.2g/10’またはそれより低いMFR2.16の値を得ることができる(実施例16、17、18およびさらには19)。より低いMFR2.16(<0.1g/10’)を得る唯一の比較触媒は、比較例13の触媒である。<0.1g/10’というMFR2.16の値が0.5g/10’までの値と比較して商業的有利性を意味せず、この触媒が、試験されたすべての他の条件下ではるかに低い生産性を有することが分かったので、この触媒が本発明の触媒のように高い汎用性を持たないことを合理的に解釈できる。
本発明の触媒16、17、18の分子量はすべて600kg/mol〜700kg/molの範囲内であり、比較例13および15のみがこのような高い分子量に達することができる。しかし、前に説明したように、試験されたすべての他の条件では生産性がはるかに低い。
比較に値する結果の第2の組は、実施例19および比較例20から得られる触媒で構成される。これら2つの触媒の触媒調製は、すでに記載した結果のものとは異なっており、したがって別個に比較する必要がある。この条件の第2の組は予想外の結果を示した。先に説明したように、ここで適用される条件下では、粘着性物質が得られ、したがって収量の再現可能な決定は不可能である。本発明の実施例19の場合、得られたコポリマーは粘着性がなく、図3の写真に示されるように優れた形態を示した。この写真は、実施例19からの触媒を用いて重合実施例45で得られたコポリマーゴムを示す。収量は、8,700g/ghであると決定できた。比較例20は図2に示される粘着性ポリマーを製造した。この写真は、比較例20からの触媒を用いて重合実施例61で得られたコポリマーゴムを示す。前の多くの分析と同様に、本発明の実施例19は、類似のC2組込みで比較例20よりもはるかに高い分子量およびはるかに低いMFRの値をもたらしていた。本発明の実施例19で得られた分子量は、比較例20の分子量よりも4.6倍高い。これは、比較例20の18g/10’と比較して0.1g/10’というはるかに低いMFRの値にも反映されている。
分析の結論:
試験された異なる重合条件は、商業的に関連するポリプロピレン系物質を得るための最も適用される条件である。本発明の触媒は、すべての条件下で、対応する比較触媒よりも高い生産性を示し、ほとんどの場合得られた物質のより良好なまたは少なくとも類似の特性を示した。したがって、本発明の触媒は、すべての商業的に関連する重合条件下で、現行技術水準の触媒よりもはるかに高い汎用性を示し、より良好な性能を示す。
上の説明は多くの具体例を含んでいるが、これらの具体例は本発明の制限としてではなく、その実施形態の単なる例証として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲および精神の範囲内で多くの他の実施形態を構想するであろう。

Claims (43)

  1. 下記一般式1を有する架橋メタロセン
    〔式中、Mは、元素周期律表の第IVb族の金属である。
    およびRは、同一または異なって、水素原子、炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子1〜10個のアルコキシ基、炭素原子6〜20個のアリール基、炭素原子6〜10個のアリールオキシ基、炭素原子2〜10個のアルケニル基、OH基、ハロゲン原子、またはNR 32基から成る群より選択され、ここでR32は、炭素原子1〜10個のアルキル基および炭素原子6〜14個のアリール基であり、RおよびRは1個以上の環系を形成し得てもよい。
    およびR4’は、同一または異なって、水素原子、ならびにSi、B、Al、O、S、N、P、F、ClおよびBrから成る群より選択される1個以上のヘテロ原子を場合により含有する直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基から成る群より選択される。
    10は、架橋性基であり、ここでR10は:
    から選択される。ここで、
    40およびR41は、同じ記号を有するときでも、同一もしくは異なってもよく、Si、B、Al、O、S、N、P、ClおよびBrから成る群より選択されるヘテロ原子を場合により含有することが可能であり、ならびに水素原子、炭素原子1〜30個を有するアルキル基、炭素原子6〜40個のアリール基、炭素原子1〜10個のフルオロアルキル基、炭素原子1〜10個のアルコキシ基、炭素原子6〜10個のアリールオキシ基、炭素原子2〜10個のアルケニル基、炭素原子7〜40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜40個のアルキルアリール基、置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基、アリールシリル基、および炭素原子8〜40個のアリールアルケニル基から成る群より選択され、ここでR40およびR41は、それらと結合する原子と共に1個以上の環系を形成してもよい。
    xは、1〜18の整数である。
    12は、ケイ素、ゲルマニウムまたはスズである。
    10は場合により、2単位の式1と相互に結合することができる。
    11およびR11’は、同一または異なって、それぞれシクロペンタジエニル環と共に、原子5〜7個の環サイズを有するさらなる飽和または不飽和環系を形成する2価C−C40基であり、ここでR11およびR11’は場合により、シクロペンタジエニル環に融合した環系内にヘテロ原子Si、Ge、N、P、OまたはSを含有する。
    300は、以下の構造を有する:
    ここで、R301は、炭素原子1〜20個のアルキル基、炭素原子2〜20個のアルケニル基、炭素原子6〜20個のアリール基、炭素原子7〜40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜40個のアルキルアリール基、もしくは炭素原子8〜40個のアリールアルケニル基、炭素原子1〜20個のアルコキシ基、炭素原子6〜20個のアリールオキシ基から成る群より選択される直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基、または置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基およびアリールシリル基であり、ここで該基の各々は、Si、B、Al、O、S、NまたはPの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClまたはBrのハロゲン原子を含有してもよい。
    302は、炭素原子2〜20個の置換もしくは非置換アルキル基、および炭素原子3〜20個の置換もしくは非置換アルケニル基から成る群より選択される炭化水素基であり、それらの基は、Si、B、Al、O、S、NまたはPの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClまたはBrのハロゲン原子を含有してもよく、さらにR302は、β炭素原子と単環を形成する。
    は、R300の意味を有するが、Rは、R300と同一である必要はなく、またはRは、Si、B、Al、O、S、N、P、F、ClまたはBrから成る群より選択される1個以上のヘテロ原子を場合により含有してもよい直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、またはRは、炭素原子1〜20個のアルキル基、炭素原子3〜20個のアルキルアルケニル基、炭素原子7〜40個のアルキルアリール基、および炭素原子9〜40個のアルキルアリールアルケニル基から成る群より選択される(ただしRは、いずれの場合にもα位において分岐していない)。〕
  2. およびRが、同一もしくは異なって、炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子1〜10個のアルコキシ基、炭素原子6〜10個のアリールオキシ基およびハロゲン原子から成る群より選択され、RおよびRが共に1個以上の環系を形成してもよく、ならびにMが、ジルコニウムまたはハフニウムである、請求項1に記載のメタロセン。
  3. およびRが、同一または異なって、メチル、塩素またはフェノラートである、請求項1に記載のメタロセン。
  4. および/またはR4’が水素原子、炭素原子1〜20個のアルキル基、炭素原子2〜20個のアルケニル基、炭素原子6〜20個のアリール基、炭素原子7〜40個のアリールアルキル基、炭素原子8〜40個のアルキルアリール基、炭素原子8〜40個のアリールアルケニル基、置換または非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基およびアリールシリル基から成る群より選択される、請求項1に記載のメタロセン。
  5. および/またはR4’が水素原子、炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子2〜10個のアルケニル基、炭素原子6〜10個のアリール基、炭素原子7〜20個のアリールアルキル基、炭素原子8〜20個のアルキルアリール基、炭素原子8〜20個のアリールアルケニル基、置換または非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基およびアリールシリル基から成る群より選択される、請求項1に記載のメタロセン。
  6. およびR4’がどちらも水素である、請求項1に記載のメタロセン。
  7. 10が、R4041Si=、R4041Ge=、R4041C=、または−(R4041C−CR4041)−であり、ここでR40およびR41が、同一または異なって、それぞれ水素原子、炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子6〜40個のアリール基、炭素原子7〜14個のアリールアルキル基、炭素原子7〜14個のアルキルアリール基、置換または非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基およびアリールシリル基から成る群より選択される、請求項1に記載のメタロセン。
  8. 架橋単位R10が、R4041Si=またはR4041Ge=であり、ここでR40およびR41が、同一または異なって、それぞれメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、ベンジル、トリメチルシリルおよび3,3,3−トリフルオロプロピルから成る群より選択される、請求項1に記載のメタロセン。
  9. 基R11およびR11’が、同一または異なって、それぞれ式1α、β、γ、δ、φ、およびνならびに式1α’、β’、γ’、δ’、φ’、およびν’でそれぞれ示した基から選択される2価基から成る群より選択され、ここで、式1ならびに式1α〜νおよび1α’〜ν’それぞれにおけるアスタリスク「*」および「**」が、R11およびR11’をシクロペンタジエニル環に結合する化学結合を示し、
    式中、R、R、R、R、およびRならびにまたR5’、R6’、R7’、R8’およびR9’が、R55、R66、R77、R88およびR99ならびにまたR55’、R66’、R77’、R88’およびR99’と同様に、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子、ならびにSi、B、Al、O、S、N、P、F、ClおよびBrから成る群より選択されるヘテロ原子を含むかまたは含まない直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基から成る群より選択され、
    式中、前記R、R、R、R、R、R5’、R6’、R7’、R8’、R9’、R55、R66、R77、R88、R99、R55’、R66’、R77’、R88’およびR99’は、炭素原子2〜20個のアルキル基、炭素原子2〜20個のアルケニル基、炭素原子6〜40個のアリール基、炭素原子7〜40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜40個のアルキルアリール基、炭素原子8〜40個のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基およびアリールシリル基から成る群から個別に選択され、
    式中、2個の隣接するラジカルRとRもしくはR5’とR6’もしくはRとRもしくはR6’とR7’もしくはRとRもしくはR7’とR8’もしくはRとRもしくはR8’とR9’が、R55とR66もしくはR55’とR66’もしくはR66とR77もしくはR66’とR77’もしくはR77とR88もしくはR77’とR88’もしくはR88とR99もしくはR88’とR99’と同様にそれぞれの場合で、飽和または不飽和炭化水素環系を形成し得る、請求項1に記載のメタロセン。
  10. 11およびR11’が同一または異なっており、R11が式1γの2価基であり、ならびにR11’が式1α’、β’、およびγ’の2価基から選択されるか、またはR11およびR11’が同一または異なって、式1αと1α’の、式1βと1β’の、式1γと1γ’の、式1δと1δ’の、式1φと1φ’の、および式1νと1ν’の、それぞれによる2価基から成る群より選択される、請求項9に記載のメタロセン。
  11. 55、R66、R77、R88およびR99ならびにまたR55’、R66’、R77’、R88’およびR99’はそれぞれ水素原子であり、R、R、R、RおよびRならびにまたR5’、R6’、R7’、R8’およびR9’は、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換もしくは非置換アルキルシリルもしくはアリールシリル基、炭素原子1〜10個の直鎖、環式もしくは分岐鎖のアルキル基、および炭素原子6〜40個のアリール基から成る群より選択され、該基の各々が、Si、B、Al、O、S、N、P、F、ClおよびBrから成る群より選択される1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、またはここで2個の隣接するラジカルR/RおよびR5’/R6’が、炭化水素環系を形成するか、またはRおよびR5’は、同一もしくは異なって、それぞれ炭素原子6〜40個の置換もしくは非置換アリール基である、請求項9に記載のメタロセン。
  12. 55、R66、R77、R88およびR99ならびにR55’、R66’、R77’、R88’およびR99’がそれぞれ水素原子であり、R、R、R、RおよびRならびにR5’、R6’、R7’、R8’およびR9’が、同一または異なって、それぞれ水素原子、炭素原子1〜10個の直鎖、環式もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素原子6〜40個のアリール基から成る群より選択され、ここで2個の隣接するラジカルRとRおよびまたR5’とR6’が、共に環系を形成するか、またはRおよびR5’が、同一もしくは異なって、それぞれ炭素原子6〜40個の置換もしくは非置換アリール基である、請求項9に記載のメタロセン。
  13. 301は、場合によりハロゲン化されてもよい直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、R302は、炭素原子2〜20個の置換もしくは非置換アルキル基、および炭素原子3〜20個の置換もしくは非置換アルケニル基から成る群より選択され、それらの基のいずれかは、Si、B、Al、O、S、NまたはPの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClまたはBrのハロゲン原子を含有してもよい(ただしR302はβ−炭素原子を含む単環である)、請求項1に記載のメタロセン。
  14. 301は、炭素原子1〜20個のアルキル基、炭素原子2〜20個のアルケニル基、炭素原子6〜20個のアリール基、炭素原子7〜40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜40個のアルキルアリール基、炭素原子1〜20個のアルコキシ基、炭素原子6〜20個のアリールオキシ基、および炭素原子8〜40個のアリールアルケニル基から成る群より選択され、R302は、炭素原子3〜7個の置換もしくは非置換アルキル基であり、該基は、Si、B、Al、O、S、NまたはPの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClまたはBrのハロゲン原子を含有してもよい(ただしR302はβ−炭素原子を含む単環である)、請求項13に記載のメタロセン。
  15. 300は、6個を超える炭素原子を含有する、請求項1に記載のメタロセン。
  16. は、R300について記載したものと同じ組から選択されてもよいが、Rは、R300と同一である必要はなく、またはRが、炭素原子1〜20個の直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基である(ただしRはα位において分岐していない)、請求項1に記載のメタロセン。
  17. が、炭素原子1〜20個のアルキル基、炭素原子7〜20個のアルキルアリール基、炭素原子3〜20個のアルキルアルケニル基、および炭素原子9〜20個のアルキルアリールアルケニル基から成る群より選択される、請求項16に記載のメタロセン。
  18. およびR300が同じであるか、またはRが、メチル基、場合によりハロゲン化されてもよい炭素原子7〜10個の直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基、炭素原子7〜10個のアルキルアリール基および炭素原子3〜10個のアルキルアルケニル基から成る群より選択される(ただしRが、α位において環式でも分岐でもない)、請求項1に記載のメタロセン。
  19. は、R300について記載したものと同じ組から選択されるが、R300と同一である必要はない、請求項1に記載のメタロセン。
  20. およびR300は、それぞれ6個を超える炭素原子を含有する、請求項19に記載のメタロセン。
  21. オレフィン重合反応条件下で炭素原子2〜20個をそれぞれ有する1つ以上のオレフィンを、式1を有する架橋メタロセン成分を含む触媒系と接触させるステップを含む、オレフィン重合プロセス。
    〔式中、Mは、元素周期律表の第IVb族の金属である。
    およびRは、同一または異なって、水素原子、炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子1〜10個のアルコキシ基、炭素原子6〜20個のアリール基、炭素原子6〜10個のアリールオキシ基、炭素原子2〜10個のアルケニル基、OH基、ハロゲン原子、またはNR 32基から成る群より選択され、ここでR32は、炭素原子1〜10個のアルキル基および炭素原子6〜14個のアリール基であり、RおよびRは1個以上の環系を形成し得てもよい。
    およびR4’は、同一または異なって、水素原子、ならびにSi、B、Al、O、S、N、P、F、ClおよびBrから成る群より選択される1個以上のヘテロ原子を場合により含有する直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基から成る群より選択される。
    10は、架橋性基であり、ここでR10は:
    から選択される。ここで、
    40およびR41は、同じ記号を有するときでも、同一もしくは異なってもよく、Si、B、Al、O、S、N、P、ClおよびBrから成る群より選択されるヘテロ原子を場合により含有することが可能であり、ならびに水素原子、炭素原子1〜30個を有するアルキル基、炭素原子6〜40個のアリール基、炭素原子1〜10個のフルオロアルキル基、炭素原子1〜10個のアルコキシ基、炭素原子6〜10個のアリールオキシ基、炭素原子2〜10個のアルケニル基、炭素原子7〜40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜40個のアルキルアリール基、置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基、アリールシリル基、および炭素原子8〜40個のアリールアルケニル基から成る群より選択され、ここでR40およびR41は、それらと結合する原子と共に1個以上の環系を形成してもよい。
    xは、1〜18の整数である。
    12は、ケイ素、ゲルマニウムまたはスズである。
    10は場合により、2単位の式1と相互に結合することができる。
    11およびR11’は、同一または異なって、それぞれシクロペンタジエニル環と共に、原子5〜7個の環サイズを有するさらなる飽和または不飽和環系を形成する2価C−C40基であり、ここでR11およびR11’は場合により、シクロペンタジエニル環に融合した環系内にヘテロ原子Si、Ge、N、P、OまたはSを含有する。
    300は、以下の構造を有する:
    ここで、R301は、炭素原子1〜20個のアルキル基、炭素原子2〜20個のアルケニル基、炭素原子6〜20個のアリール基、炭素原子7〜40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜40個のアルキルアリール基、もしくは炭素原子8〜40個のアリールアルケニル基、炭素原子1〜20個のアルコキシ基、炭素原子6〜20個のアリールオキシ基から成る群より選択される直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基、または置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基およびアリールシリル基であり、ここで該基の各々は、Si、B、Al、O、S、NまたはPの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClまたはBrのハロゲン原子を含有してもよい。
    302は、炭素原子2〜20個の置換もしくは非置換アルキル基、および炭素原子3〜20個の置換もしくは非置換アルケニル基から成る群より選択される炭化水素基であり、それらの基は、Si、B、Al、O、S、NまたはPの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClまたはBrのハロゲン原子を含有してもよく、さらにR302は、β炭素原子と単環を形成する。
    は、R300の意味を有するが、Rは、R300と同一である必要はなく、またはRは、Si、B、Al、O、S、N、P、F、ClおよびBrから成る群より選択される1個以上のヘテロ原子を場合により含有してもよい直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、またはRは、炭素原子1〜20個のアルキル基、炭素原子3〜20個のアルキルアルケニル基、炭素原子7〜40個のアルキルアリール基、および炭素原子9〜40個のアルキルアリールアルケニル基から成る群より選択される(ただしRは、いずれの場合にもα位において分岐していない)。〕
  22. およびRが、同一もしくは異なって、炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子1〜10個のアルコキシ基、炭素原子6〜10個のアリールオキシ基およびハロゲン原子から成る群より選択され、RおよびRが共に1個以上の環系を形成してもよく、ならびにMが、ジルコニウムまたはハフニウムである、請求項21に記載のプロセス。
  23. およびRが、同一または異なって、メチル、塩素またはフェノラートである、請求項21に記載のプロセス。
  24. および/またはR4’が水素原子、炭素原子1〜20個のアルキル基、炭素原子2〜20個のアルケニル基、炭素原子6〜20個のアリール基、炭素原子7〜40個のアリールアルキル基、炭素原子8〜40個のアルキルアリール基、炭素原子8〜40個のアリールアルケニル基、置換または非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基およびアリールシリル基から成る群より選択される、請求項21に記載のプロセス。
  25. および/またはR4’が水素原子、炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子2〜10個のアルケニル基、炭素原子6〜10個のアリール基、炭素原子7〜20個のアリールアルキル基、炭素原子8〜20個のアルキルアリール基、炭素原子8〜20個のアリールアルケニル基、置換または非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基およびアリールシリル基から成る群より選択される、請求項21に記載のプロセス。
  26. およびR4’がどちらも水素である、請求項21に記載のプロセス。
  27. 10が、R4041Si=、R4041Ge=、R4041C=、または−(R4041C−CR4041)−であり、ここでR40およびR41が、同一または異なって、それぞれ水素原子、炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子6〜40個のアリール基、炭素原子7〜14個のアリールアルキル基、炭素原子7〜14個のアルキルアリール基、置換または非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基およびアリールシリル基から成る群より選択される、請求項21に記載のプロセス。
  28. 架橋単位R10が、R4041Si=またはR4041Ge=であり、ここでR40およびR41が、同一または異なって、それぞれメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、ベンジル、トリメチルシリルおよび3,3,3−トリフルオロプロピルから成る群より選択される、請求項21に記載のプロセス。
  29. 基R11およびR11’が、同一または異なって、それぞれ式1α、β、γ、δ、φ、およびνならびに式1α’、β’、γ’、δ’、φ’、およびν’でそれぞれ示した基から選択される2価基から成る群より選択され、ここで、式1ならびに式1α〜νおよび1α’〜ν’それぞれにおけるアスタリスク「*」および「**」が、R11およびR11’をシクロペンタジエニル環に結合する化学結合を示し、
    式中、R、R、R、R、およびRならびにまたR5’、R6’、R7’、R8’およびR9’が、R55、R66、R77、R88およびR99ならびにまたR55’、R66’、R77’、R88’およびR99’と同様に、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子、ならびにSi、B、Al、O、S、N、P、F、ClおよびBrから成る群より選択されるヘテロ原子を含むかまたは含まない直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基から成る群より選択され、
    式中、前記R、R、R、R、R、R5’、R6’、R7’、R8’、R9’、R55、R66、R77、R88、R99、R55’、R66’、R77’、R88’およびR99’は、炭素原子2〜20個のアルキル基、炭素原子2〜20個のアルケニル基、炭素原子6〜40個のアリール基、炭素原子7〜40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜40個のアルキルアリール基、炭素原子8〜40個のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換アルキルシリル基、アルキル(アリール)シリル基およびアリールシリル基から成る群から個別に選択され、
    式中、2個の隣接するラジカルRとRもしくはR5’とR6’もしくはRとRもしくはR6’とR7’もしくはRとRもしくはR7’とR8’もしくはRとRもしくはR8’とR9’が、R55とR66もしくはR55’とR66’もしくはR66とR77もしくはR66’とR77’もしくはR77とR88もしくはR77’とR88’もしくはR88とR99もしくはR88’とR99’と同様にそれぞれの場合で、飽和または不飽和炭化水素環系を形成し得る、請求項21に記載のプロセス。
  30. 11およびR11’が同一または異なっており、R11が式1γの2価基であり、ならびにR11’が式1α’、β’、およびγ’の2価基から選択されるか、またはR11およびR11’が同一または異なって、式1αと1α’の、式1βと1β’の、式1γと1γ’の、式1δと1δ’の、式1φと1φ’の、および式1νと1ν’の、それぞれによる2価基から成る群より選択される、請求項29に記載のプロセス。
  31. 55、R66、R77、R88およびR99ならびにまたR55’、R66’、R77’、R88’およびR99’はそれぞれ水素原子であり、R、R、R、RおよびRならびにまたR5’、R6’、R7’、R8’およびR9’は、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換もしくは非置換アルキルシリルもしくはアリールシリル基、炭素原子1〜10個の直鎖、環式もしくは分岐鎖のアルキル基、および炭素原子6〜40個のアリール基から成る群より選択され、該基のいずれかが、Si、B、Al、O、S、N、P、F、ClおよびBrから成る群より選択される1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、さらに2個の隣接するラジカルR/RおよびR5’/R6’が、炭化水素環系を形成するか、またはRおよびR5’は、同一もしくは異なって、それぞれ炭素原子6〜40個の置換もしくは非置換アリール基である、請求項29に記載のプロセス。
  32. 55、R66、R77、R88およびR99ならびにR55’、R66’、R77’、R88’およびR99’がそれぞれ水素原子であり、R、R、R、RおよびRならびにR5’、R6’、R7’、R8’およびR9’が、同一または異なって、それぞれ水素原子、炭素原子1〜10個の直鎖、環式もしくは分岐鎖のアルキル基、および炭素原子6〜40個のアリール基から成る群より選択され、ここで2個の隣接するラジカルRとRおよびまたR5’とR6’が、共に環系を形成するか、またはRおよびR5’が、同一もしくは異なって、それぞれ炭素原子6〜40個の置換もしくは非置換アリール基である、請求項29に記載のプロセス。
  33. 301は、場合によりハロゲン化されてもよい直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、R302は、炭素原子2〜20個の置換もしくは非置換アルキル基、および炭素原子3〜20個の置換もしくは非置換アルケニル基から成る群より選択され、それらの基のいずれかは、Si、B、Al、O、S、NまたはPの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClまたはBrのハロゲン原子を含有してもよい(ただしR302はβ−炭素原子を含む単環である)、請求項21に記載のプロセス。
  34. 301は、炭素原子1〜20個のアルキル基、炭素原子2〜20個のアルケニル基、炭素原子6〜20個のアリール基、炭素原子7〜40個のアリールアルキル基、炭素原子7〜40個のアルキルアリール基、炭素原子1〜20個のアルコキシ基、炭素原子6〜20個のアリールオキシ基、および炭素原子8〜40個のアリールアルケニル基から成る群より選択され、R302は、炭素原子3〜7個の置換もしくは非置換アルキル基であり、該基は、Si、B、Al、O、S、NまたはPの1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、および/またはF、ClまたはBrのハロゲン原子を含有してもよい(ただしR302はβ−炭素原子を含む単環である)、請求項33に記載のプロセス。
  35. 300は、6個を超える炭素原子を含有する、請求項21に記載のプロセス。
  36. は、R300について記載したものと同じ組から選択されてもよいが、Rは、R300と同一である必要はなく、またはRが、炭素原子1〜20個の直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基である(ただしRはα位において分岐していない)、請求項21に記載のプロセス。
  37. が、炭素原子1〜20個のアルキル基、炭素原子7〜20個のアルキルアリール基、炭素原子3〜20個のアルキルアルケニル基、および炭素原子9〜20個のアルキルアリールアルケニル基から成る群より選択される、請求項36に記載のプロセス。
  38. およびR300が同じであるか、またはRが、メチル基、または場合によりハロゲン化されてもよい炭素原子7〜10個の直鎖、環式もしくは分岐鎖の炭化水素基、炭素原子7〜10個のアルキルアリール基および炭素原子3〜10個のアルキルアルケニル基から成る群より選択される(ただしRが、α位において分岐していない)、請求項21に記載のプロセス。
  39. は、R300について記載したものと同じ組から選択されるが、R300と同一である必要はない、請求項21に記載のプロセス。
  40. およびR300は、それぞれ6個を超える炭素原子を含有する、請求項39に記載のプロセス。
  41. オレフィンがプロピレンおよび/またはエチレンを含む、請求項21に記載のプロセス。
  42. オレフィンが式R−CH=CH−R(式中、RおよびRが、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子または炭素原子1〜20個を有するラジカルであるか、またはRおよびRは共に1個以上の環を形成してもよい)のオレフィンを少なくとも1つ含む、請求項21に記載のプロセス。
  43. オレフィンがエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンまたは1−オクテン、スチレン、1,3−ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、ノルボルナジエン、エチルノルボルナジエン、ノルボルネン、テトラシクロドデセンおよびメチルノルボルネンから成る群より選択される1つ以上の化合物を含む、請求項21に記載のプロセス。
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