JP2014195380A - プロテクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】電線の反力によってプロテクタ本体部からカバー部が外れることを抑制する。
【解決手段】コネクタハウジング40に設けられた電線引出部47から後方に引き出される電線Wを右方向に屈曲させて導出するプロテクタ80であって、電線引出部47の位置から右方向に屈曲して設けられたプロテクタ本体部83と、プロテクタ本体部83に組み付けることにより、電線Wを右方向に屈曲させて収容する収容部81をプロテクタ本体部83と共に構成するカバー部84とを備え、電線引出部47の後方位置には、プロテクタ本体部83とカバー部84とを連結する一対のヒンジ90が設けられており、プロテクタ本体部83には、左右方向に弾性変位してカバー部84に設けられた係止片92に上方から係止することにより、プロテクタ本体部83とカバー部84とを組み付けた状態に保持する係止枠94が設けられているところに特徴を有する。
【選択図】図6
【解決手段】コネクタハウジング40に設けられた電線引出部47から後方に引き出される電線Wを右方向に屈曲させて導出するプロテクタ80であって、電線引出部47の位置から右方向に屈曲して設けられたプロテクタ本体部83と、プロテクタ本体部83に組み付けることにより、電線Wを右方向に屈曲させて収容する収容部81をプロテクタ本体部83と共に構成するカバー部84とを備え、電線引出部47の後方位置には、プロテクタ本体部83とカバー部84とを連結する一対のヒンジ90が設けられており、プロテクタ本体部83には、左右方向に弾性変位してカバー部84に設けられた係止片92に上方から係止することにより、プロテクタ本体部83とカバー部84とを組み付けた状態に保持する係止枠94が設けられているところに特徴を有する。
【選択図】図6
Description
本発明は、コネクタに装着されるプロテクタに関する。
従来、電線が引き出されたコネクタハウジングの電線引出部に装着されるプロテクタとして、下記特許文献1に記載のものが知られている。
このプロテクタは、電線引出部から引き出された電線を略直角に屈曲させて導く筒状の収容部を有している。この収容部は、L字状の一対の半割体からなり、一方の半割体であるプロテクタ本体部に他方の半割体であるカバー部を組み付け、カバー部に設けられた被係止部とプロテクタ本体部に設けられた係止部とを係止させることで、筒状に保持されるようになっている。
このプロテクタは、電線引出部から引き出された電線を略直角に屈曲させて導く筒状の収容部を有している。この収容部は、L字状の一対の半割体からなり、一方の半割体であるプロテクタ本体部に他方の半割体であるカバー部を組み付け、カバー部に設けられた被係止部とプロテクタ本体部に設けられた係止部とを係止させることで、筒状に保持されるようになっている。
ところで、上記のプロテクタは、電線引出部と電線の引出方向に対向するプロテクタ本体部およびカバー部の壁部に係止片および被係止部が設けられているため、電線が大径化するなどして、電線の曲げ剛性が大きくなると、屈曲させた電線の反力によってプロテクタ本体部やカバー部が撓み、係止部と被係止部との係止が解除されてプロテクタ本体部からカバー部が外れてしまう虞がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電線の反力によってプロテクタ本体部からカバー部が外れることを抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として本発明は、コネクタハウジングに設けられた電線引出部から引き出される電線を同電線の引出方向と交差する方向に屈曲させて導出するプロテクタであって、前記電線引出部の位置から前記電線の導出方向に屈曲して設けられたプロテクタ本体部と、前記プロテクタ本体部に組み付けることにより、前記電線を導出方向に屈曲させて収容する筒状の収容部を前記プロテクタ本体部と共に構成するカバー部とを備え、前記収容部には、前記プロテクタ本体部と前記カバー部とを連結するヒンジが設けられ、このヒンジは前記収容部において前記電線の引出方向に前記電線引出部と対向する部分から前記電線の導出方向に沿って配されており、前記プロテクタ本体部と前記カバー部とを連結するヒンジが設けられており、前記プロテクタ本体部と前記カバー部の何れか一方には、前記電線の引出方向と交差する方向に弾性変位して、他方に設けられた被係止部に係止することにより、前記プロテクタ本体部と前記カバー部とを組み付けた状態に保持する係止部が設けられているところに特徴を有する。
このような構成のプロテクタによると、電線の反力(屈曲された電線が元に戻ろうとする力)が働く方向と交差する方向に係止部が弾性変位するから、プロテクタ本体部やカバー部が屈曲された電線の反力によって電線の引出方向に弾性変形したとしても、被係止部と係止部との係止代が小さくなることを防ぐことができ、プロテクタ本体部からカバー部が外れてしまうことを抑制することができる。
また、収容部において、電線の引出方向に電線引出部と対向する部分から電線の導出方向に沿って延びる領域は、屈曲された電線の反力が最も働くことになるが、この領域にはヒンジが電線の導出方向に沿って設けられているから、電線の反力によってプロテクタ本体部とカバー部とを合わせた部分が開いてプロテクタ本体部からカバー部が外れてしまうことを確実に防止することができる。
また、収容部において、電線の引出方向に電線引出部と対向する部分から電線の導出方向に沿って延びる領域は、屈曲された電線の反力が最も働くことになるが、この領域にはヒンジが電線の導出方向に沿って設けられているから、電線の反力によってプロテクタ本体部とカバー部とを合わせた部分が開いてプロテクタ本体部からカバー部が外れてしまうことを確実に防止することができる。
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
前記係止部および前記被係止部は、前記プロテクタ本体部および前記カバー部において前記電線引出部の外側に設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、プロテクタ本体部やカバー部が仮に屈曲された電線の反力によって弾性変形したとしても、プロテクタ本体部やカバー部において電線の反力を受ける位置と対向する電線引出部の外側に係止部と被係止部とが設けられているから、係止部と被係止部とに与える影響を低減させることができる。これにより、電線の反力を受けるヒンジの周辺に係止部と被係止部とが設けられている場合に比べて、係止部と被係止部との係止力が低下することを抑制することができる。
また、電線引出部から電線を突出させるスペースを大きく取ることができない場合、ヒンジの周辺に係止部および被係止部を設けると、係止部および被係止部を設けた分だけ収容部の内部空間を小さくする必要がある。そうすると、収容部内において電線がより窮屈な状態となり、屈曲された電線が収容部を押圧する力がさらに大きくなってしまう。
ところが、上記の構成によると、係止部および被係止部が電線引出部の外側に設けられているから、電線引出部から電線を突出させるスペースを大きく確保することができない場合にも、非常に有効である。
前記係止部および前記被係止部は、前記プロテクタ本体部および前記カバー部において前記電線引出部の外側に設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、プロテクタ本体部やカバー部が仮に屈曲された電線の反力によって弾性変形したとしても、プロテクタ本体部やカバー部において電線の反力を受ける位置と対向する電線引出部の外側に係止部と被係止部とが設けられているから、係止部と被係止部とに与える影響を低減させることができる。これにより、電線の反力を受けるヒンジの周辺に係止部と被係止部とが設けられている場合に比べて、係止部と被係止部との係止力が低下することを抑制することができる。
また、電線引出部から電線を突出させるスペースを大きく取ることができない場合、ヒンジの周辺に係止部および被係止部を設けると、係止部および被係止部を設けた分だけ収容部の内部空間を小さくする必要がある。そうすると、収容部内において電線がより窮屈な状態となり、屈曲された電線が収容部を押圧する力がさらに大きくなってしまう。
ところが、上記の構成によると、係止部および被係止部が電線引出部の外側に設けられているから、電線引出部から電線を突出させるスペースを大きく確保することができない場合にも、非常に有効である。
前記電線引出部からは前記電線が複数引き出されており、前記プロテクタ本体部は、前記カバー部との組み付け方向に開口した凹状に形成され、前記カバー部は板状に形成されており、前記プロテクタ本体部の深さ寸法は、前記電線引出部から引き出された前記電線の全てを収容可能な大きさに設定されている構成としてもよい。
このような構成によると、凹状のプロテクタ本体部内に複数の電線を全て配置して、板状のカバー部によって蓋をするようにして電線を収容部に収容することができ、電線の反力を本体部のみで受けることができる。これにより、一対の半割体からなるプロテクタ本体部とカバー部に比べて、電線の反力によって組み付け位置を起点にプロテクタ本体部とカバー部とが開いて外れてしまうことを抑制することができる。
また、一対の半割体からなるプロテクタ本体部とカバー部では、プロテクタ本体部にカバー部を組み付ける際に、電線を挟み込むなど組み付け作業の作業効率が低下する虞がある。ところが、上記の構成によると、プロテクタ本体部内に電線を屈曲させて配置してから、カバー部によってプロテクタ本体部を塞ぐようにして収容部を構成できるので、プロテクタ本体部とカバーとの間での電線の挟み込みを防ぎ、プロテクタ本体部に対するカバー部の組み付け作業を容易に行うことができる。
このような構成によると、凹状のプロテクタ本体部内に複数の電線を全て配置して、板状のカバー部によって蓋をするようにして電線を収容部に収容することができ、電線の反力を本体部のみで受けることができる。これにより、一対の半割体からなるプロテクタ本体部とカバー部に比べて、電線の反力によって組み付け位置を起点にプロテクタ本体部とカバー部とが開いて外れてしまうことを抑制することができる。
また、一対の半割体からなるプロテクタ本体部とカバー部では、プロテクタ本体部にカバー部を組み付ける際に、電線を挟み込むなど組み付け作業の作業効率が低下する虞がある。ところが、上記の構成によると、プロテクタ本体部内に電線を屈曲させて配置してから、カバー部によってプロテクタ本体部を塞ぐようにして収容部を構成できるので、プロテクタ本体部とカバーとの間での電線の挟み込みを防ぎ、プロテクタ本体部に対するカバー部の組み付け作業を容易に行うことができる。
本発明によれば、電線の反力によってプロテクタ本体部からカバー部が外れることを抑制することができる。
<実施形態>
本発明の実施形態について図1乃至図21を参照して説明する。
本実施形態は、機器Mに設けられた機器側コネクタMCに嵌合され、機器Mが収容された金属製のケースCに固定されるプロテクタ付きシールドコネクタ10を例示している。なお、以下の説明において、上下方向とは図2における上下方向を基準とし、左右方向とは図2における左右方向を基準とし、前後方向とは図3における機器側コネクタMCとの嵌合方向を前方として説明する。
本発明の実施形態について図1乃至図21を参照して説明する。
本実施形態は、機器Mに設けられた機器側コネクタMCに嵌合され、機器Mが収容された金属製のケースCに固定されるプロテクタ付きシールドコネクタ10を例示している。なお、以下の説明において、上下方向とは図2における上下方向を基準とし、左右方向とは図2における左右方向を基準とし、前後方向とは図3における機器側コネクタMCとの嵌合方向を前方として説明する。
プロテクタ付きシールドコネクタ10は、図7乃至図9に示すように、ケースCに設けられた貫通孔C1に挿入されて機器側コネクタMCの機器側ハウジングMC1に嵌合される合成樹脂製のコネクタハウジング40と、電線Wの端末に接続されてコネクタハウジング40内に収容される一対の雌端子20と、貫通孔C1から露出するコネクタハウジング40の外周面を覆った形態でケースCに電気的に接続されて固定される金属製のシールドブラケット60と、コネクタハウジング40から引き出された電線Wを屈曲させて導出する合成樹脂製のプロテクタ80とを備えて構成されている。
機器側コネクタMCは、図9に示すように、フード状をなす機器側ハウジングMC1を有しており、機器側ハウジングMC1の奥壁には、板状の雄端子(図示せず)が一対突出して設けられている。
雌端子20は、図7、図8および図15に示すように、機器側コネクタMCの雄端子に接続される角筒部21と、角筒部21の後方に連なって設けられた電線接続部22とを備えて構成されている。角筒部21の内部には、前方から角筒部21内に挿入された雄端子に弾性的に接触する弾性接触片23が設けられており、雄端子と弾性接触片23とが弾性的に接触することで、雄端子と雌端子20とが電気的に接続されるようになっている。
電線接続部22は、角筒部21と共通して設けられた底板24の両側縁から延出された一対のバレル片25を有しており、一対のバレル片25が電線Wの端末に露出された芯線W1にかしめ圧着されることで、電線Wの端末に雌端子20が接続されている。
電線接続部22は、角筒部21と共通して設けられた底板24の両側縁から延出された一対のバレル片25を有しており、一対のバレル片25が電線Wの端末に露出された芯線W1にかしめ圧着されることで、電線Wの端末に雌端子20が接続されている。
コネクタハウジング40は、図7、図8および図15に示すように、左右方向に扁平で前後方向に長いブロック状をなしている。コネクタハウジング40の内部には、複数(本実施形態では3つ)のキャビティ41が左右方向に並んで形成されており、右端のキャビティ41はショート端子Tを前方から収容するショート端子用キャビティ42とされ、右端のキャビティ41以外のキャビティ41は、雌端子20を後方から収容する雌端子用キャビティ43とされている。
ショート端子用キャビティ42は、コネクタハウジング40の前後方向略中央部よりもやや前寄りの位置にショート端子Tを収容して固定する端子固定部44が設けられている。また、ショート端子用キャビティ42には、端子固定部44に固定されたショート端子Tに設けられた一対のショートピンT1にそれぞれ接続された中継端子T2が収容され、中継端子T2の前方には中継端子T2を抜け止めする端子ホルダ45が装着されている。中継端子T2は、コネクタハウジング40と機器側ハウジングMC1とが嵌合されると、機器側ハウジングMC1内のインターロック回路に設けられた一対のインターロック端子(図示せず)に接続されるようになっている。
雌端子用キャビティ43は、前後方向に貫通して形成されている。雌端子用キャビティ43の内壁には、雌端子20の角筒部21を後方から係止するランス46が設けられており、このランス46は、雌端子20の角筒部21に設けられたランス孔26に嵌まり込むことで雌端子用キャビティ43内に雌端子20を保持している。そして、機器側ハウジングMC1とコネクタハウジング40とが正規に嵌合されると、雌端子用キャビティ43の前端開口から雄端子が進入し、雄端子と雌端子20とが電気的に接続される。
コネクタハウジング40の後部は、雌端子20に接続された電線Wが後方に引き出される電線引出部47とされ、電線引出部47からは、複数(本実施形態では二本)の電線Wが後方に引き出されている。
電線引出部47の外周には、シールドブラケット60が装着されるようになっている。シールドブラケット60は、図15、図19乃至図21に示すように、導電性を有する金属板材を絞り加工などを施すことによって形成されており、電線引出部47を全周に亘って覆う左右方向に横長な長円形状の筒部61と、ケースCにおける貫通孔C1の開口縁部に固定される板状の固定部62とを備えて構成されている。
電線引出部47の外周には、シールドブラケット60が装着されるようになっている。シールドブラケット60は、図15、図19乃至図21に示すように、導電性を有する金属板材を絞り加工などを施すことによって形成されており、電線引出部47を全周に亘って覆う左右方向に横長な長円形状の筒部61と、ケースCにおける貫通孔C1の開口縁部に固定される板状の固定部62とを備えて構成されている。
筒部61は、図7および図8に示すように、前後方向に貫通した形態をなしており、電線引出部47の後方から組み付け可能とされている。また、筒部61は、電線引出部47における上下左右の外面に設けられた複数の前止まり片48によって前端開口縁が前方から係止され、電線引出部47の上下両側に設けられたロック片49の係止部49Aによって後端開口縁が後方から係止されることで、電線引出部47の外周に装着される。これにより、シールドブラケット60とコネクタハウジング40とが互いに前後方向にずれることなく固定される。
筒部61の外周面には、図7、図8および図13に示すように、電線引出部47から引き出された複数の電線Wを一括して覆う編組線Sの端末が後方から外嵌され、その外周に長円形状のかしめリングRを圧着することで、筒部61に編組線Sが電気的に接続されるようになっている。このため、電線引出部47と電線引出部47から後方に引き出された複数の電線Wとは、筒部61と編組線Sによって完全に覆われた状態となっている。
固定部62は、図20に示すように、筒部61の前端開口縁から径方向外側に張り出す形態で筒部61と一体に形成されており、固定部62の前面は、図9、図19および図21に示すように、ケースCの外面C2に面接触する接触面63とされている。また、固定部62の上縁部は、山形状に張り出しており、この山形状に張り出した部分にナット65が装着されたナット装着部64が設けられている。ナット装着部64は、図8に示すように、接触面63よりも一段後退した位置に配されており、ナット装着部64の後方からナット65が装着されている。
ナット65は、ナット装着部64に設けられた挿通孔64Aに後方から挿通され、ナット65の外周面に設けられたフランジ部66とナット65の前端部に装着されたCリング67とによって挿通孔64Aの開口縁を前後方向から挟み込むことでナット装着部64に装着されている。なお、ナット装着部64が接触面63よりも一段後退した位置に配されているため、ナット65の前端部とCリング67とは、固定部62の接触面63よりも後方に配された状態となっている。
そして、シールドブラケット60をケースCに固定する際には、コネクタハウジング40をケースCの貫通孔C1に挿入してケースCのボルトBTにナット65を螺合させて締め込み、固定部62の接触面63がケースCの外面C2に面接触して締め込みが停止したところで、固定部62がケースCに固定されて電気的に接続される。また、シールドブラケット60がケースCに固定されると、機器側ハウジングMC1とコネクタハウジング40とが正規嵌合して雄端子と雌端子20とが電気的に接続され、これとほぼ同時にショート端子Tとインターロック端子とが接続される。
固定部62の外周縁には、図20および図21に示すように、径方向外側に突出する複数(本実施形態では三つ)の嵌合片68が設けられている。これらの嵌合片68は、固定部62の左右両端縁を含む略下半分の領域(固定部62の一側)に均等に配されるように固定部62の下縁および固定部62の左右両端縁にそれぞれ設けられており、嵌合片68の先端部は、図7および図8に示すように、固定部62の接触面63よりも後側(筒部61側)に一段後退した形態とされている。詳細には、各嵌合片68は、固定部62から径方向外側に僅かに延びた後、後側に僅かに延びて、さらに径方向外側に突出した形態をなしており、嵌合片68の先端部は、図20に示すように、正面視略矩形板状をなしている。
プロテクタ80は、図3、図7および図8に示すように、略L字状をなし、シールドブラケット60の筒部61と共に電線引出部47から後方に引き出された電線Wを収容してシールドブラケット60の固定部62に固定される収容部81と、収容部81の右側端部に設けられたグロメット装着部82を備えて構成されている。
グロメット装着部82は、図11に示すように、上方に開口した断面半円形の凹状をなし、図2乃至図6に示すように、収容部81から導出された複数の電線Wを一括して収容するグロメットGが上方から載置されて、例えばテープなどによって固定されるようになっている。
収容部81は、図7に示すように、前方と右方に開口した筒状に形成されており、収容部81の前後方向略中央部よりも前側部分にはシールドブラケット60の筒部61が収容され、後側部分には電線引出部47から後方に引き出された電線Wが電線Wの引出方向と交差する右方向に略直角に屈曲されて収容されている。また、収容部81は、略L字状に屈曲して形成されたプロテクタ本体部83と、プロテクタ本体部83に上方から組み付け可能なカバー部84とを備えて構成されている。
プロテクタ本体部83は、図10乃至図15に示すように、カバー部84との組み付け方向である上方に開口した凹状に形成されており、図1および図8に示すように、プロテクタ本体部83にカバー部84を上方から組み付けてプロテクタ本体部83の上端開口をカバー部84で塞ぐことで、プロテクタ本体部83とカバー部84とによって収容部81が構成されるようになっている。
また、プロテクタ本体部83は、上方以外に前方および右方に開口した形態をなしており、図11および図18に示すように、前側の開口縁部がシールドブラケット60の筒部61を上方から収容する断面略U字状のブラケット収容凹部85とされ、右側の開口縁部が電線Wをグロメット装着部82側に導出させる部分とされている。
また、プロテクタ本体部83は、上方以外に前方および右方に開口した形態をなしており、図11および図18に示すように、前側の開口縁部がシールドブラケット60の筒部61を上方から収容する断面略U字状のブラケット収容凹部85とされ、右側の開口縁部が電線Wをグロメット装着部82側に導出させる部分とされている。
プロテクタ本体部83の深さ寸法は、図8に示すように、シールドブラケット60における筒部61の上下方向(短辺方向)の高さ寸法よりも大きく設定されており、ブラケット収容凹部85に筒部61が上方から収容されると、筒部61と共に電線引出部47から引き出された全ての電線Wがプロテクタ本体部83の上端開口から上方にはみ出すことなく収容されるようになっている。つまり、プロテクタ本体部83内に全ての電線Wを収容して、板状のカバー部84によってプロテクタ本体部83に蓋をするだけで収容部81内に筒部61と全ての電線Wを容易に配置することができるようになっている。
ブラケット収容凹部85の前端開口には、図15乃至図17に示すように、シールドブラケット60の固定部62における嵌合片68が上方から内部に嵌合される被嵌合凹部87が設けられている。被嵌合凹部87は、嵌合片68と対応する位置である下端縁と左右両端縁との計三箇所に径方向外側に張り出して設けられており、被嵌合凹部87内に嵌合片68の先端部が上方から嵌合されることで、図7および図8に示すように、ブラケット収容凹部85内に筒部61が位置決めされて収容されるようになっている。
各被嵌合凹部87は、図3、図8および図9に示すように、嵌合片68を囲む左右方向に横長な囲壁88を有しており、囲壁88の板厚寸法は、固定部62の接触面63から嵌合片68の先端部が後退した寸法Lよりも僅かに小さく形成されている。
左右に配された被嵌合凹部87の囲壁88は、図15および図17に示すように、ブラケット収容凹部85の外側面から外側に延びた後、前側に折り曲げられて、さらにブラケット収容凹部85に向かって折り返された形態をなしており、囲壁88の下端部には、囲壁88を補強する底壁89が囲壁88の下端部を塞ぐように連設されている。囲壁88の内側には、左右に配された嵌合片68の先端部が上方からそれぞれ嵌合されるようになっており、嵌合片68と被嵌合凹部87とが正規の嵌合状態に至ると、図2に示すように、嵌合片68の下端部が底壁89に当接するように設定されている。
左右に配された被嵌合凹部87の囲壁88は、図15および図17に示すように、ブラケット収容凹部85の外側面から外側に延びた後、前側に折り曲げられて、さらにブラケット収容凹部85に向かって折り返された形態をなしており、囲壁88の下端部には、囲壁88を補強する底壁89が囲壁88の下端部を塞ぐように連設されている。囲壁88の内側には、左右に配された嵌合片68の先端部が上方からそれぞれ嵌合されるようになっており、嵌合片68と被嵌合凹部87とが正規の嵌合状態に至ると、図2に示すように、嵌合片68の下端部が底壁89に当接するように設定されている。
下側に配された被嵌合凹部87の囲壁88は、図17に示すように、上下方向に貫通する筒状をなしており、左右の被嵌合凹部87に嵌合片68が嵌合されるのとほぼ同時に固定部62の下側に配された嵌合片68の先端部が嵌合されるようになっている。そして、左右の被嵌合凹部87と嵌合片68とが正規の嵌合状態に至ると、図8に示すように、下側の被嵌合凹部87も嵌合片68と正規の嵌合状態に至り、図2に示すように、下側の被嵌合凹部87における囲壁88の上端縁と固定部62の下端縁とが当接するように設定されている。
プロテクタ本体部83の上端開口における後端縁には、図10乃至図15に示すように、カバー部84が一対のヒンジ90を介して連結されている。一対のヒンジ90は、プロテクタ本体部83の後端縁において左右方向略中央部を除くほぼ全域を連結するように左右両側に設けられており、カバー部84は、これらのヒンジ90を支点に回動してプロテクタ本体部83の上方から組み付け可能とされている。
カバー部84は、板状のカバー本体91と、カバー本体91の左右両端縁に設けられた一対の係止片(被係止部)92とを備えて構成されている。
カバー本体91は、プロテクタ本体部83の上端開口を上方から塞ぐ形態とされており、シールドブラケット60の筒部61をブラケット収容凹部85内に収容してカバー本体91によってプロテクタ本体部83の上端開口を塞ぐと、図8に示すように、筒部61が全周に亘って収容部81に覆われるようになっている。
カバー本体91は、プロテクタ本体部83の上端開口を上方から塞ぐ形態とされており、シールドブラケット60の筒部61をブラケット収容凹部85内に収容してカバー本体91によってプロテクタ本体部83の上端開口を塞ぐと、図8に示すように、筒部61が全周に亘って収容部81に覆われるようになっている。
すなわち、固定部62の嵌合片68をプロテクタ本体部83の被嵌合凹部87に嵌合させて、ブラケット収容凹部85内に筒部61を収容することで、図7に示すように、シールドブラケット60に対してプロテクタ本体部83が前後方向に位置ずれすることなく固定され、プロテクタ本体部83に対してカバー本体91を組み付けることで、図8に示すように、筒部61が収容部81に覆われて、ブラケット収容凹部85から筒部61が上方に外れないように固定されるようになっている。
また、カバー本体91は、その後端縁が一対のヒンジ90によってプロテクタ本体部83と連結されており、電線引出部47を覆う筒部61がブラケット収容凹部85内に収容されると、一対のヒンジ90は、図8に示すように、プロテクタ本体部83の後側(電線Wの引出方向に電線引出部47と対向する側)で、かつ電線Wの導出方向(プロテクタ本体部83からグロメット装着部82側に電線Wが導出された方向)に沿って配された状態となる。
一対の係止片92は、図1に示すように、ブラケット収容凹部85と対応する部分の左右両端縁から下方に向かって延出された板状に設けられており、カバー本体91がプロテクタ本体部83に組み付けられると、図4および図7に示すように、ブラケット収容凹部85の外側面に沿って配されるように設定されている。
各係止片92の先端部における外側面には、図10乃至図15に示すように、係止爪93が設けられており、係止爪93は、係止片92の外側面から上方に向かうほど外側に向かって傾斜して、その後端縁から係止片92に向かって延びて係止片92の外側面と直交する被係止面93Aを有する形態とされている。
一方、ブラケット収容凹部85の左右両外側面には、カバー部84の係止片92と対応する位置に係止片92と係止可能な係止枠94が設けられている。
係止枠94は、ブラケット収容凹部85の外側面に沿って前後方向に延びる長辺枠部95と、長辺枠部95の前後両端からブラケット収容凹部85の外側面に向かって延びる一対の短辺枠部96と、長辺枠部95の下端縁に設けられた係止突起98とからなり、短辺枠部96における長辺枠部95とは反対側の端部がブラケット収容凹部85の外側面に連結されることで、係止枠94とブラケット収容凹部85とによって上下方向に貫通する係止孔97が構成されている。
係止枠94は、ブラケット収容凹部85の外側面に沿って前後方向に延びる長辺枠部95と、長辺枠部95の前後両端からブラケット収容凹部85の外側面に向かって延びる一対の短辺枠部96と、長辺枠部95の下端縁に設けられた係止突起98とからなり、短辺枠部96における長辺枠部95とは反対側の端部がブラケット収容凹部85の外側面に連結されることで、係止枠94とブラケット収容凹部85とによって上下方向に貫通する係止孔97が構成されている。
係止孔97は、図6に示すように、ブラケット収容凹部85の側面に沿うように前後方向に長い略矩形状をなし、上方からカバー部84の係止片92が挿通可能とされている。また、係止孔97の前後方向の長さ寸法はカバー部84の係止片92の前後方向の長さ寸法よりもやや大きめに形成されている。これにより、カバー部84がヒンジ90を支点に回動して係止片92が円弧状の軌跡を描きつつ係止孔97に挿通される際に、係止片92と係止枠94とが干渉しないようになっている。
前側に配された短辺枠部96の下端部は、図6、図11、図12および図14に示すように、左右に配された被嵌合凹部87の囲壁88の上端部に連なっており、係止枠94と被嵌合凹部87とが互いに補強する関係となっている。
係止突起98は、図10乃至図12に示すように、左右方向外側(電線Wの引出方向と交差する方向)に弾性変位可能に設けられている。また、係止突起98は、長辺枠部95から下方に向かうほどブラケット収容凹部85の外側面に向かって傾斜した形態をなしており、図13乃至図17に示すように、係止突起98の下端部が係止孔97における係止片92の進入経路内にやや突出している。
したがって、係止孔97内に係止片92が挿入されると係止片92の係止爪93と係止突起98とが干渉し、係止爪93によって押圧されることで係止突起98が外方に弾性変位する。
そして、係止孔97内に係止片92が正規の位置まで挿入されると、係止爪93と係止突起98との干渉が解除され、図6に示すように、係止爪93の被係止面93Aが係止突起98によって上方から係止される。これにより、係止片92が係止孔97内に抜け止めされ、プロテクタ本体部83にカバー部84が組み付けられた状態に固定されることで、プロテクタ80がシールドブラケット60から外れることなく固定されている。
そして、係止孔97内に係止片92が正規の位置まで挿入されると、係止爪93と係止突起98との干渉が解除され、図6に示すように、係止爪93の被係止面93Aが係止突起98によって上方から係止される。これにより、係止片92が係止孔97内に抜け止めされ、プロテクタ本体部83にカバー部84が組み付けられた状態に固定されることで、プロテクタ80がシールドブラケット60から外れることなく固定されている。
本実施形態のプロテクタ付きシールドコネクタ10は以上のような構成であって、続いて、プロテクタ付きシールドコネクタ10の組み付け方法を簡単に説明すると共に、その作用効果を説明する。
まず、シールドブラケット60の筒部61内に前方からコネクタハウジング40の電線引出部47を挿入し、前止まり片48とロック片49とによって筒部61が前後方向から係止されることで、コネクタハウジング40にシールドブラケット60が装着される。
まず、シールドブラケット60の筒部61内に前方からコネクタハウジング40の電線引出部47を挿入し、前止まり片48とロック片49とによって筒部61が前後方向から係止されることで、コネクタハウジング40にシールドブラケット60が装着される。
次に、雌端子用キャビティ43の後端開口から電線Wの端末に接続された雌端子20を挿入し、ランス46によって雌端子20が後方から係止されることで雌端子20が雌端子用キャビティ43内に保持される。また、ショート端子用キャビティ42にショート端子Tと中継端子T2とが前方から挿入され、端子ホルダ45によってショート端子Tと中継端子T2とがショート端子用キャビティ42に抜け止めされる。
次に、電線Wを一括して覆った編組線Sの端末を筒部61の外周面に外嵌し、更にその外周にかしめリングRを圧着することで、電線引出部47と電線引出部47から後方に引き出された複数の電線Wとが筒部61と編組線Sによって完全に覆われる。
次に、カバー部84が開いたプロテクタ80を用意し、図11に示すように、プロテクタ本体部83に対してシールドブラケット60を上方から組み付ける。
詳細には、図12乃至図14に示すように、プロテクタ本体部83の各被嵌合凹部87に固定部62の嵌合片68を上方からそれぞれ嵌合させ、左右の被嵌合凹部87における底壁89に嵌合片68の下端縁が当接することでそれぞれの嵌合片68と被嵌合凹部87とが正規の嵌合状態に至る。つまり、囲壁88を補強する底壁89を、嵌合片68と被嵌合凹部87とが正規の嵌合状態に至ったことを確認する嵌合検知機能として兼用することができる。これにより、別途嵌合検知機能を設けずにシールドブラケット60に対してプロテクタ80を取り付ける作業効率を向上させることができる。また、これと同時に下側の被嵌合凹部87に下側の嵌合片68が嵌合され、下側の被嵌合凹部87における囲壁88の上端縁と固定部62の下端縁とが当接する。
詳細には、図12乃至図14に示すように、プロテクタ本体部83の各被嵌合凹部87に固定部62の嵌合片68を上方からそれぞれ嵌合させ、左右の被嵌合凹部87における底壁89に嵌合片68の下端縁が当接することでそれぞれの嵌合片68と被嵌合凹部87とが正規の嵌合状態に至る。つまり、囲壁88を補強する底壁89を、嵌合片68と被嵌合凹部87とが正規の嵌合状態に至ったことを確認する嵌合検知機能として兼用することができる。これにより、別途嵌合検知機能を設けずにシールドブラケット60に対してプロテクタ80を取り付ける作業効率を向上させることができる。また、これと同時に下側の被嵌合凹部87に下側の嵌合片68が嵌合され、下側の被嵌合凹部87における囲壁88の上端縁と固定部62の下端縁とが当接する。
また、嵌合片68と被嵌合凹部87とが正規の嵌合状態に至ると、プロテクタ本体部83のブラケット収容凹部85内に筒部61が位置決めされた状態で収容される。そして、電線引出部47から引き出された電線Wを右方向に略直角に屈曲させてプロテクタ本体部83内に配置する。
最後に、プロテクタ80の一対のヒンジ90を支点にカバー部84を回動させて、プロテクタ本体部83の上方からカバー部84をプロテクタ本体部83に組み付けることで、プロテクタ付きシールドコネクタ10を完成させる。
詳細には、カバー部84のカバー本体91をプロテクタ本体部83の上端開口を塞ぐように組み付け、カバー部84の一対の係止片92をプロテクタ本体部83の係止孔97に挿入する。この挿入過程において、係止片92の係止爪93が係止枠94の係止突起98と干渉して係止突起98が左右方向外側に弾性変位し、係止片92が係止枠94に対して正規の位置まで挿入されると係止爪93と係止突起98との干渉状態が解除され、係止爪93の被係止面93Aが係止突起98によって上方から係止される。これにより、係止片92が係止孔97内に抜け止めされて、プロテクタ本体部83にカバー部84が組み付けられた状態に固定される。
詳細には、カバー部84のカバー本体91をプロテクタ本体部83の上端開口を塞ぐように組み付け、カバー部84の一対の係止片92をプロテクタ本体部83の係止孔97に挿入する。この挿入過程において、係止片92の係止爪93が係止枠94の係止突起98と干渉して係止突起98が左右方向外側に弾性変位し、係止片92が係止枠94に対して正規の位置まで挿入されると係止爪93と係止突起98との干渉状態が解除され、係止爪93の被係止面93Aが係止突起98によって上方から係止される。これにより、係止片92が係止孔97内に抜け止めされて、プロテクタ本体部83にカバー部84が組み付けられた状態に固定される。
すなわち、本実施形態によると、プロテクタ本体部83とカバー部84とを組み付けてプロテクタ本体部83の上端開口をカバー部84によって上方から塞ぐ際に、固定部62の下側外周縁の三箇所に均等に配した嵌合片68とプロテクタ80の被嵌合凹部87とを上下方向に嵌合させることで、図2、図7および図8に示すように、プロテクタ80をシールドブラケット60に対してバランスよく容易にかつ強固に固定することができる。
次に、プロテクタ付きシールドコネクタ10を機器MのケースCに固定する際には、コネクタハウジング40の前部をケースCの貫通孔C1に挿入して、ケースCのボルトBTにシールドブラケット60のナット装着部64におけるナット65を螺合させて締め込み、固定部62の接触面63がケースCの外面C2に面接触したところで締め込みを停止する。これにより、図9に示すように、固定部62がケースCに固定されて電気的に接続される。また、シールドブラケット60がケースCに固定されると、機器側ハウジングMC1とコネクタハウジング40とが正規嵌合して雄端子と雌端子20とが電気的に接続され、これとほぼ同時にショート端子Tとインターロック端子とが接続される。
ところが、例えば、固定部62においてケースCに接触する接触面63と同一面上に嵌合片やナット装着部が設けられている場合、固定部の接触面をケースに面接触させることができなる虞がある。
しかしながら、本実施形態によると、図3、図8および図9に示すように、被嵌合凹部87内に嵌合される嵌合片68の先端部が接触面63よりも後側(筒部側)に一段後退して配され、嵌合片68の先端部が接触面63から後退した寸法Lが被嵌合凹部87の囲壁88の板厚寸法よりも僅かに小さく形成されている。また、ナット65の前端部およびCリング67が接触面63よりも後方に配されている。
これにより、ケースCの貫通孔C1の開口縁部に接触面63を確実に面接触させて固定することができ、接触面と同一面上に嵌合片やナット装着部が設けられている場合に比べて、シールドブラケット60とケースCとの電気的な接続信頼性を向上させることができる。
しかしながら、本実施形態によると、図3、図8および図9に示すように、被嵌合凹部87内に嵌合される嵌合片68の先端部が接触面63よりも後側(筒部側)に一段後退して配され、嵌合片68の先端部が接触面63から後退した寸法Lが被嵌合凹部87の囲壁88の板厚寸法よりも僅かに小さく形成されている。また、ナット65の前端部およびCリング67が接触面63よりも後方に配されている。
これにより、ケースCの貫通孔C1の開口縁部に接触面63を確実に面接触させて固定することができ、接触面と同一面上に嵌合片やナット装着部が設けられている場合に比べて、シールドブラケット60とケースCとの電気的な接続信頼性を向上させることができる。
ところで、例えば、プロテクタにおいて、電線引出部の後方位置にプロテクタ本体部とカバー部と組み付けた状態に保持する係止片および係止枠部が電線の引出方向と同一方向に弾性変位可能に設けられていると、電線に大電流を流すために電線が大径化するなどして電線の曲げ剛性が大きくなった場合、プロテクタ内において屈曲させた電線の反力によってプロテクタ本体部やカバー部が前後方向に撓むことにより係止枠が弾性変位し、係止片と係止枠との係止が解除され、プロテクタ本体部からカバー部が外れてしまう虞がある。
ところが、本実施形態によると、図7に示すように、屈曲された電線Wの反力が働く方向(電線Wが引き出されたX方向)と略直交方向である左右方向に係止枠94の係止突起98が弾性変位するから、仮に電線Wの反力(屈曲された電線Wが元に戻ろうとする力)によってプロテクタ本体部83やカバー部84がX方向に多少弾性変形したとしても、係止枠94が撓むことがない。これにより、係止片92の係止爪93と係止枠94の係止突起98との係止代が小さくなることを防ぎ、プロテクタ本体部83からカバー部84が外れてしまうことを抑制することができる。
また、電線引出部47の後方位置(電線Wの引出方向に電線引出部47と対向する位置)には、電線Wの反力が最も働くことになるが、この位置には、図8に示すように、プロテクタ本体部83の後端縁とカバー本体91の後端縁とを連結する一対のヒンジ90が一部を除いてほぼ全幅に亘って(電線Wの導出方向に沿って)設けられているから、電線Wの反力によってプロテクタ本体部83とカバー部84とを互いに組み付けた後端部分が開いてプロテクタ本体部83からカバー部84が外れてしまうことを確実に防止することができる。
また、仮に電線Wの反力によってプロテクタ本体部83やカバー部84が前後方向に多少弾性変形したとしても、プロテクタ本体部83およびカバー部84において電線Wの反力を受ける後側部分とは反対側に位置するブラケット収容凹部(電線引出部47の外側を覆う部分)85に係止片92と係止枠94とが設けられているから、係止片92および係止枠94に電線Wの反力が及ぼす影響を低減させることができる。これにより、プロテクタの後端部周辺に係止片および係止枠が設けられている場合に比べて、係止片92と係止枠94との係止力が低下してプロテクタ本体部83とカバー部84とが外れてしまうことを抑制することができる。
また、例えば、電線引出部47から電線Wを後方に突出させるスペースを大きく取ることができない場合、一対のヒンジの周辺部分に係止片および係止枠を設けると、係止片および係止枠を設けた分だけ収容部の内部空間を小さくする必要がある。そうすると、収容部内において電線がさらに屈曲されて窮屈な状態となり、電線の反力(屈曲された電線が元に戻ろうとすることで収容部が電線に押圧される力)がさらに大きくなってしまう。ところが、本実施形態によると、係止片92および係止枠94が電線引出部47の外周を覆うブラケット収容凹部85の外周面に設けられているから、電線引出部47から電線Wを後方に突出させるスペースを大きく確保することができない場合にも、非常に有効である。
また、本実施形態によると、図8に示すように、プロテクタ本体部83内に複数の電線Wを全て配置して、板状のカバー部84によって蓋をする構成となっているから、電線Wの反力をプロテクタ本体部83のみで受けることができ、例えば、一対の半割体からなるプロテクタ本体部とカバー部とを組み付ける構成に比べて、電線Wの反力によってプロテクタ本体部83とカバー部84とが互いに組み付け位置を起点に開いて外れてしまうことをさらに抑制することができる。
さらに、一対の半割体からなるプロテクタ本体部とカバー部とからなるプロテクタでは、プロテクタ本体部にカバー部を組み付ける際に、プロテクタ本体部とカバー部との間で電線を挟み込むなど組み付け作業の作業効率が低下する虞がある。ところが、上記の構成によると、プロテクタ本体部83内に電線Wを屈曲させて配置してから、カバー部84によってプロテクタ本体部83を塞ぐようにして収容部81を構成しているので、プロテクタ本体部83とカバー部84との間での電線Wの挟み込みを防ぎ、プロテクタ本体部83に対するカバー部84の組み付け作業を容易に行うことができる。
以上のように本実施形態のプロテクタ付きシールドコネクタ10によると、図1乃至図9に示すように、シールドブラケット60の固定部62における嵌合片68にプロテクタ80の被嵌合凹部87を嵌合させ、プロテクタ80の収容部81にシールドブラケット60の筒部61を収容することで、シールドブラケット60にプロテクタ80を固定することができる。ひいては、コネクタハウジング40の電線引出部47から引き出された電線Wを右方向に屈曲させて導出することができる。
さらに、プロテクタ80において、プロテクタ本体部83とカバー部84とを組み付け状態に係止する係止枠94の係止突起98は電線Wの反力が働く方向と交差する左右方向に弾性変位可能とされているから、仮に電線Wの反力によってプロテクタ本体部83やカバー部84が前後方向に弾性変形したとしても、係止片92の係止爪93と係止枠94の係止突起98との係止代が小さくなることを防ぐことができ、プロテクタ本体部83からカバー部84が外れてしまうことを抑制することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、電線引出部47から後方に引き出された電線Wを右方向に屈曲させて導出させた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、電線を上下方向や左方向に屈曲させて導出してもよい。
(2)上記実施形態では、係止片92の係止爪93と係止枠94の係止突起98とが干渉し、係止突起98が弾性変位する構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、係止片を弾性変位可能に形成し、係止片を弾性変形させて係止片と係止枠とを係止させる構成にしてもよい。
(3)上記実施形態では、係止片92および係止枠94をブラケット収容凹部85における左右の外側面に設けた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、係止片および係止枠をブラケット収容凹部の上側面に設けた構成にしてもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、電線引出部47から後方に引き出された電線Wを右方向に屈曲させて導出させた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、電線を上下方向や左方向に屈曲させて導出してもよい。
(2)上記実施形態では、係止片92の係止爪93と係止枠94の係止突起98とが干渉し、係止突起98が弾性変位する構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、係止片を弾性変位可能に形成し、係止片を弾性変形させて係止片と係止枠とを係止させる構成にしてもよい。
(3)上記実施形態では、係止片92および係止枠94をブラケット収容凹部85における左右の外側面に設けた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、係止片および係止枠をブラケット収容凹部の上側面に設けた構成にしてもよい。
(4)上記実施形態では、電線引出部47から二本の電線Wが後方に引き出された構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、電線引出部から一本や三本以上の電線が引き出された構成にしてもよい。
(5)上記実施形態では、嵌合片68を固定部62の外周縁に設けた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、嵌合片を筒部の前端部に設けた構成にしてもよい。
(6)上記実施形態では、被嵌合凹部87の囲壁88と係止枠94の短辺枠部96とが上下方向に連なった構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、囲壁と短辺枠部とが前後方向に連なった構成にしてもよい。
(7)上記実施形態では、固定部62の下側外周縁に三つの嵌合片68が設けられた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、固定部の下側外周縁に嵌合片が二つや四つ以上設けられた構成にしてもよい。
(5)上記実施形態では、嵌合片68を固定部62の外周縁に設けた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、嵌合片を筒部の前端部に設けた構成にしてもよい。
(6)上記実施形態では、被嵌合凹部87の囲壁88と係止枠94の短辺枠部96とが上下方向に連なった構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、囲壁と短辺枠部とが前後方向に連なった構成にしてもよい。
(7)上記実施形態では、固定部62の下側外周縁に三つの嵌合片68が設けられた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、固定部の下側外周縁に嵌合片が二つや四つ以上設けられた構成にしてもよい。
40:コネクタハウジング
47:電線引出部
80:プロテクタ
81:収容部
83:プロテクタ本体部
84:カバー部
90:ヒンジ
92:係止片(被係止部)
94:係止枠(係止部)
W:電線
47:電線引出部
80:プロテクタ
81:収容部
83:プロテクタ本体部
84:カバー部
90:ヒンジ
92:係止片(被係止部)
94:係止枠(係止部)
W:電線
Claims (3)
- コネクタハウジングに設けられた電線引出部から引き出される電線を同電線の引出方向と交差する方向に屈曲させて導出するプロテクタであって、
前記電線引出部の位置から前記電線の導出方向に屈曲して設けられたプロテクタ本体部と、
前記プロテクタ本体部に組み付けることにより、前記電線の導出方向に前記電線を屈曲させて収容する筒状の収容部を前記プロテクタ本体部と共に構成するカバー部とを備え、
前記収容部には、前記プロテクタ本体部と前記カバー部とを連結するヒンジが設けられ、このヒンジは前記収容部において前記電線引出部と前記電線の引出方向に対向する部分から前記電線の導出方向に沿って配されており、
前記プロテクタ本体部と前記カバー部の何れか一方には、前記電線の引出方向と交差する方向に弾性変位して、他方に設けられた被係止部に係止することにより、前記プロテクタ本体部と前記カバー部とを組み付けた状態に保持する係止部が設けられているプロテクタ。 - 前記係止部および前記被係止部は、前記プロテクタ本体部および前記カバー部において前記電線引出部の外側に設けられている請求項1記載のプロテクタ。
- 前記電線引出部からは前記電線が複数引き出されており、
前記プロテクタ本体部は、前記カバー部との組み付け方向に開口した凹状に形成され、前記カバー部は板状に形成されており、
前記プロテクタ本体部の深さ寸法は、前記電線引出部から引き出された前記電線の全てを収容可能な大きさに設定されている請求項1または請求項2記載のプロテクタ。
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