JP2014195129A - A/d変換回路およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】変換に必要な期間を短縮することが可能なA/D変換回路を提供する。
【解決手段】アナログ入力信号をnビットのデジタル量に変換するA/D変換回路1で、nビットのデジタル量の上位(n−m)ビットを固定して下位のmビットを変換する変換範囲を指定する変換範囲指定部30と、所定のデジタル量が変換範囲指定部で指定された変換範囲の中央値となるように基準値を設定する基準値設定部25と、予測変換値を設定するために、基準値設定部に設定された基準値と組み合わされて演算処理され、可変可能に設けられた下位のmビットの演算値を保持する演算値設定部20と、nビットの予測変換値に従うアナログ変換信号とアナログ入力信号とを比較して、比較結果に基づいて演算値設定部の下位のmビットの演算値の上位ビットから逐次変換して予測変換値を調整し、アナログ入力信号をnビットのデジタル量に変換する変換制御部50とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】アナログ入力信号をnビットのデジタル量に変換するA/D変換回路1で、nビットのデジタル量の上位(n−m)ビットを固定して下位のmビットを変換する変換範囲を指定する変換範囲指定部30と、所定のデジタル量が変換範囲指定部で指定された変換範囲の中央値となるように基準値を設定する基準値設定部25と、予測変換値を設定するために、基準値設定部に設定された基準値と組み合わされて演算処理され、可変可能に設けられた下位のmビットの演算値を保持する演算値設定部20と、nビットの予測変換値に従うアナログ変換信号とアナログ入力信号とを比較して、比較結果に基づいて演算値設定部の下位のmビットの演算値の上位ビットから逐次変換して予測変換値を調整し、アナログ入力信号をnビットのデジタル量に変換する変換制御部50とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、アナログ量を1ビットずつデジタル量に変換する逐次比較型のアナログ/デジタル(A/D(analog/digital))変換回路に好適に利用できるものである。
外部から入力されたアナログ量たる入力電圧を分解能に応じた基準電圧と大小比較することによりデジタル量に変換するA/D変換回路が従来より提案されている。
例えば、アナログ量たる入力電圧に対して比較される基準電圧を調整するために、基準電圧に対応するデジタル値に関して最上位ビットから1ビットずつ設定して、入力電圧と基準電圧とを逐次比較することによりデジタル量に変換する逐次比較型のアナログ/デジタル変換回路が提案されている。
この点で、従来においては、直前の変換結果を利用して上位ビットを固定し、下位ビットのみを変換することにより変換に必要な期間を短縮する方式が提案されている(特許文献1および2)。
一方で、例えば、入力電圧に対する直前の変換結果に対応する下位ビットの値が上位ビットを変更させる可能性のある値近傍の場合(例えば、一例として下位ビットが3ビット場合、下位ビットの値が「111」、「000」等)には、下位ビットのみを変換するだけでなく上位ビットも変更する必要が発生する場合が高い。その場合、最終的には最上位ビットから1ビットずつ逐次比較して変換する必要が発生し、かえって変換に必要な期間が長くなるという問題が生じる。
上記のような問題を解決するために、変換に必要な期間を短縮することが可能なA/D変換回路およびその制御方法を提供する。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施例によれば、アナログ入力信号をnビットのデジタル量に変換するA/D変換回路であって、nビットのデジタル量のうち上位の(n−m)ビットを固定して下位のmビットを変換する変換範囲を指定する変換範囲指定部と、所定のデジタル量が変換範囲指定部により指定された変換範囲における中央値となるように基準値を設定する基準値設定部と、nビットの予測変換値を設定するために、基準値設定部に設定された基準値と組み合わされて演算処理され、可変可能に設けられた下位のmビットの演算値を保持する演算値設定部と、nビットの予測変換値に従うアナログ変換信号とアナログ入力信号とを比較して、比較結果に基づいて演算値設定部の下位のmビットの演算値の上位ビットから逐次変換して予測変換値を調整し、アナログ入力信号をnビットのデジタル量に変換する変換制御部とを備える。
一実施例によれば、上記構成により変換に必要な期間を短縮することが可能である。
本実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰り返さない。
<アナログ/デジタル(A/D)変換回路の構成>
図1は、本実施の形態に従うA/D変換回路1の構成を説明する概略図である。
図1は、本実施の形態に従うA/D変換回路1の構成を説明する概略図である。
図1を参照して、本例においては、アナログ入力電圧VINをnビットのデジタル量に変換するA/D変換回路1について説明する。
A/D変換回路1は、変換結果を格納することが可能な変換結果レジスタ20と、演算値を格納する演算レジスタ25と、変換範囲を設定する変換範囲設定レジスタ30と、アナログ入力電圧VINをnビットのデジタル量に変換する変換制御部50とを含む。
変換制御部50は、アナログ入力電圧VINと基準電圧VREFとを比較する比較器(コンパレータ)5と、逐次比較制御部15からの指示に従って基準電圧VREFを生成するVREF生成部10と、比較器5からの出力信号に基づいてアナログ入力電圧をnビットのデジタル量に逐次変換する逐次比較制御部15とを含む。
VREF生成部10は、nビットの分解能を有しており、逐次比較制御部15の予測変換値に対応する指示に従ってアナログ入力電圧VINと比較するための基準電圧VREFを生成する。基準電圧VREFは、逐次比較制御部15からの予測変換値に対応する指示に従ってアナログ入力電圧VINの最大の入力電圧値に対して2n段階に調整することが可能である。
比較器5は、アナログ入力電圧VINと基準電圧VREFとを比較して比較結果に基づく信号「1」または「0」を逐次比較制御部15に出力する。例えば、比較器5は、一例としてアナログ入力電圧VINが基準電圧VREFの電圧レベル以上であれば「1」、基準電圧VREF未満であれば「0」を出力するものとする。なお、信号のレベルを反転させて出力することも当然に可能である。
逐次比較制御部15は、変換結果レジスタ20および演算レジスタ25に格納されている値および比較器5からの出力信号の入力に基づいて予測変換値を設定して、対応する基準電圧を生成するようにVREF生成部10に対して指示する。
変換範囲設定レジスタ30は、変換範囲となるmビットを指定するレジスタであり、変換結果レジスタのビット数に対応して設けられているものとする。例えば、変換結果レジスタ20のビット数が8ビットの場合には当該変換範囲設定レジスタ30のビット数も8ビットとすることが可能である。そして、変換範囲設定レジスタ30は、変換範囲を指定するビット位置に対して「1」を設定する。例えば、変換範囲を3ビットにする場合には「111」を変換範囲設定レジスタ30に設定することにより当該変換範囲を指定することが可能であるものとする。なお、変換範囲の指定の仕方は特にこれ限られず、例えば、変換範囲を指定するビット数に対応するデータを設定するようにしても良い。
図2は、本実施の形態に従うアナログ入力電圧VINをnビットに変換する方式を説明する図である。
図2を参照して、まず、ここで、前回の演算結果として変換結果レジスタ20に「10011000」が先に変換された値として格納されている場合について説明する。
本例においては、一例としてアナログ入力電圧VINに対してn(n=8)ビットの分解能でデジタル量に変換する場合について説明する。
そして、本例においては、8ビットのうちの上位の5ビットについては固定して下位の3ビットを変換する変換範囲に指定する場合について説明する。
そして、本例においては、先に変換された値(デジタル量)が変換範囲における中央値となるようにまず基準値を設定する。
具体的には、変換範囲の最大の大きさの半分の値分を演算レジスタに設定する。本例においては、変換範囲の最大値(「111」=7)の半分の値は「100」(=4)とする。
そして、先に変換されたデジタル量から変換範囲の最大値の半分の値を減算した値を基準値に設定する。本例においては、先の変換された値が「10011000」である。そして、変換範囲の最大値の半分の値は「100」である。したがって、減算した値である基準値は、「10010100」となる。当該処理により、予め変換範囲の最大値の半分の値分を先に減算処理することにより、先に変換されたデジタル量は変換範囲における中央値となる。当該基準値は、本例においては変換結果レジスタ20に設定される。
そして、基準値と演算レジスタの値とを加算する予測変換値に関して、下位の3ビットの値を変化させた予測変換値に従うアナログ変換信号とアナログ入力電圧とを比較してデジタル量に変換する。
この場合、上位ビットから変化させて少なくとも3回、逐次比較処理を実行することにより下位の3ビットの値を設定することが可能である。
(A)まず最初に、演算レジスタの最上位ビットを「1」に設定した場合における大小判定を実行する。
この場合、基準値「10010100」に演算レジスタの最上位ビットを「1」に設定した演算値「100」を加算した予測変換値は「10011000」に設定される。すなわち、先に変換されたデジタル量に相当する。
(1)上記したようにこの場合は、先に変換されたデジタル量を予測変換値に設定し、当該予測変換値に従うアナログ変換信号(基準電圧VREF)を生成してアナログ入力電圧と比較する。具体的には、基準値(「10010100」)と1ビット目を「1」に設定した演算値(「100」)とを加算した予測変換値(先に変換されたデジタル量)に基づく基準電圧VREFを生成する。当該基準電圧は、変換範囲で変化する基準電圧の範囲内の中央値となる。
そして、比較器5においてアナログ入力電圧VINと予測変換値に対応するアナログ変換信号(基準電圧VREF)とを比較して比較結果に基づく出力信号を逐次比較制御部15に出力する。
比較器5の出力信号が「1」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREFの電圧レベル以上である場合)には(2)に進む。この場合、演算値の最上位ビットは「1」に設定される。
一方、比較器5の出力信号が「0」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREF未満の場合)には(9)に進む。この場合、演算値の最上位ビットは「0」に設定される。
(B)次に、演算レジスタの2ビット目を「1」に設定した場合における大小判定を実行する。
(2)において、基準値(「10010100」)と2ビット目を「1」に設定した演算値(「110」)とを加算した予測変換値(「10011010」)に設定し、当該予測変換値に従うアナログ変換信号(基準電圧VREF)を生成してアナログ入力電圧と比較する。
比較器5の出力信号が「1」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREFの電圧レベル以上である場合)には(3)に進む。この場合、演算値の2ビット目は「1」に設定される。
一方、比較器5の出力信号が「0」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREF未満の場合)には(6)に進む。この場合、演算値の2ビット目は「0」に設定される。
(9)において、基準値(「10010100」)と2ビット目を「1」に設定した演算値(「010」)とを加算した予測変換値(「10010110」)に設定し、当該予測変換値に従うアナログ変換信号(基準電圧VREF)を生成してアナログ入力電圧と比較する。
比較器5の出力信号が「1」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREFの電圧レベル以上である場合)には(10)に進む。この場合、演算値の2ビット目は「1」に設定される。
一方、比較器5の出力信号が「0」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREF未満である場合)には(13)に進む。この場合、演算値の2ビット目は「0」に設定される。
(C)次に、演算レジスタの3ビット目を「1」に設定した場合における大小判定を実行する。
(3)において、基準値(「10010100」)と3ビット目を「1」に設定した演算値(「111」)とを加算した予測変換値(「10011011」)に設定し、当該予測変換値に従うアナログ変換信号(基準電圧VREF)を生成してアナログ入力電圧と比較する。
比較器5の出力信号が「1」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREFの電圧レベル以上である場合)には(4)に進む。この場合、演算値の3ビット目は「1」に設定される。これにより変換値は基準値(「10010100」)と演算値(「111」)とを加算した値(「10011011」)に設定される。
比較器5の出力信号が「0」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREF未満である場合)には(5)に進む。この場合、演算値の3ビット目は「0」に設定される。これにより変換値は基準値(「10010100」)と演算値(「111」)とを加算した値(「10011010」)に設定される。
(6)において、基準値(「10010100」)と3ビット目を「1」に設定した演算値(「101」)とを加算した予測変換値(「10011001」)に設定し、当該予測変換値に従うアナログ変換信号(基準電圧VREF)を生成してアナログ入力電圧と比較する。
比較器5の出力信号が「1」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREFの電圧レベル以上である場合)には(7)に進む。この場合、演算値の3ビット目は「1」に設定される。これにより変換値は基準値(「10010100」)と演算値(「101」)とを加算した値(「10011001」)に設定される。
比較器5の出力信号が「0」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREF未満である場合)には(8)に進む。この場合、演算値の3ビット目は「0」に設定される。これにより変換値は基準値(「10010100」)と演算値(「100」)とを加算した値(「10011000」)に設定される。
(10)において、基準値(「10010100」)と3ビット目を「1」に設定した演算値(「011」)とを加算した予測変換値(「10011011」)に設定し、当該予測変換値に従うアナログ変換信号(基準電圧VREF)を生成してアナログ入力電圧と比較する。
比較器5の出力信号が「1」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREFの電圧レベル以上である場合)には(11)に進む。この場合、演算値の3ビット目は「1」に設定される。これにより変換値は基準値(「10010100」)と演算値(「011」)とを加算した値(「10010111」)に設定される。
比較器5の出力信号が「0」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREF未満である場合)には(12)に進む。この場合、演算値の3ビット目は「0」に設定される。これにより変換値は基準値(「10010100」)と演算値(「010」)とを加算した値(「10010110」)に設定される。
(13)において、基準値(「10010100」)と3ビット目を「1」に設定した演算値の(「001」)とを加算した予測変換値(「10010101」)に設定し、当該予測変換値に従うアナログ変換信号(基準電圧VREF)を生成してアナログ入力電圧と比較する。
比較器5の出力信号が「1」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREFの電圧レベル以上である場合)には(14)に進む。この場合、演算値の3ビット目は「1」に設定される。これにより変換値は基準値(「10010100」)と演算値(「001」)とを加算した値(「10010101」)に設定される。
比較器5の出力信号が「0」の場合(アナログ入力電圧VINが基準電圧VREF未満である場合)には(15)に進む。この場合、演算値の3ビット目は「0」に設定される。これにより変換値は基準値(「10010100」)と演算値(「000」)とを加算した値(「10010100」)に設定される。
当該処理により下位の3ビットの値を変化させた予測変換値に従うアナログ変換信号とアナログ入力電圧とを比較してデジタル量に変換することが可能である。そして、最終的な変換値は変換結果レジスタ20に格納されるものとする。
そして、次回の変換の際に当該変換結果レジスタの値が利用される。
なお、当該変換範囲の最小値および最大値となった場合、すなわち、3ビットの変換範囲の予測変換結果として演算レジスタの演算値が「000」、「111」に設定された場合にはアナログ入力電圧を変換した真のデジタル量は変換範囲外である可能性が存在する。
なお、当該変換範囲の最小値および最大値となった場合、すなわち、3ビットの変換範囲の予測変換結果として演算レジスタの演算値が「000」、「111」に設定された場合にはアナログ入力電圧を変換した真のデジタル量は変換範囲外である可能性が存在する。
したがって、変換範囲外である可能性がある場合には、変換をやり直して通常の逐次比較処理を実行する。具体的には、8ビットの場合には、最上位ビットから「1」を設定して上記で説明したのと同様の方式に従って演算処理を実行する。この場合8回比較判定処理を実行する必要がある。
なお、本例においては変換範囲として3ビットを例に挙げて説明したが、特に3ビットに限られずさらに複数ビットを変換範囲としても良いし、あるいは反対に変換範囲となるビット数をさらに減少させるようにしても良い。
図3は、本実施の形態に従うアナログ入力電圧VINをnビットに変換する方式を説明するフロー図である。
図3を参照して、まず、変換範囲設定レジスタ30を設定する(ステップS2)。具体的には、変換範囲となるmビットをセットする。本例においては一例としてm(=3)ビットを指定するものとする。変換範囲設定レジスタ30に対して3ビットが変換範囲となるように設定する。
次に、演算レジスタを初期化する(ステップS4)。具体的には、演算レジスタ25の値を全て0に初期化する。
次に、変換結果レジスタ20の値から変換範囲の半分の値を減算する(ステップS6)。なお、本例においては、変換結果レジスタ20には、前の変換結果が格納されているものとする。したがって、最初の変換処理以外には、前の変換結果が変換結果レジスタ20に格納されている。当該変換結果レジスタ20に格納されている前の変換結果の値から変換範囲の半分の値を減算する。変換範囲が3ビットに設定されている場合には、変換範囲の半分の値として「100」を変換結果レジスタ20に格納されている前の変換結果から減算する。そして、減算した基準値を再び変換結果レジスタ20に設定する。
次に、aビット目に1をセットする(ステップS8)。具体的には、演算レジスタ25の最上位aビットに「1」を設定する。一例として、演算レジスタ25の値は「100」に設定される。
次に、変換結果レジスタの値から演算レジスタの値を加算した予測変換値に対応する基準電圧VREFを印加する(ステップS10)。具体的には、変換結果レジスタ20に格納されている基準値に対して演算レジスタの値を加算した予測変換値を算出し、当該予測変換値に対応する基準電圧VREFを印加するようにVREF生成部10に対して指示する。
そして、次に、比較器の比較結果がVREF≦VINか否かを判断する(ステップS12)。具体的には、逐次比較制御部15は、比較器5の比較結果に基づく信号が「1」または「0」かを判断する。
ステップS12において、比較器の比較結果がVREF≦VINで有ると判断した場合(ステップS12においてYES)には、演算レジスタのaビット目に1をセットする(ステップS14)。具体的には、逐次比較制御部15は、比較器5の出力信号が「1」の場合に演算レジスタのaビット目を「1」に設定する。
次に、a=a−1の処理を実行する(ステップS16)。そして、a=0であるかどうかを判断する(ステップS18)。
具体的には、逐次比較制御部15は、a=3ビット目である場合には、a−1の処理を実行して、a=0であるかどうかを判断する。逐次比較制御部15は、a=0でないと判断した場合には、さらに次のビットの処理を実行するためステップS8に戻る。例えば、a=2ビット目の処理を実行する。すなわち、ステップS8において、2ビット目を「1」に設定し、予測変換値に対応する基準電圧を印加して、比較器の比較結果を判断する上記の処理を繰り返す。
一方、逐次比較制御部15は、a=0であると判断した場合には、ステップS22に進む。
ステップS22において、逐次比較制御部15は、a=0であると判断した場合には、変換結果レジスタの値(基準値)に演算レジスタの値を加算した値を変換結果に設定する。そして、逐次比較制御部15は、当該結果を変換結果レジスタ20に格納する。
次に、逐次比較制御部15は、当該結果において、所定条件を満たすかどうかを判断する(ステップS24)。具体的には、所定条件として、演算レジスタの値が「000」の場合に当該演算値に従う予測変換値に対応する基準電圧VREFとアナログ入力電圧VINとを比較した場合に、VREF>VINを満たすか否かを判断する。すなわち、アナログ入力電圧VINが変換範囲の最小値である基準電圧VREFよりも低い値か否かを判断する。当該条件が満たされる場合には、アナログ入力電圧VINは、変換範囲外である可能性がある。
また、演算レジスタの値が「111」の場合に当該演算値に従う予測変換値に対応する基準電圧VREFとアナログ入力電圧VINとを比較した場合に、VREF<VINを満たすか否かを判断する。すなわち、アナログ入力電圧VINが変換範囲の最大値である基準電圧VREFよりも大きい値か否かを判断する。当該条件が満たされる場合には、アナログ入力電圧VINは、変換範囲外である可能性がある。
ステップS24において、所定条件を満たすと判断した場合(ステップS24においてYES)には、ステップS22で処理された値は真の変換値ではない可能性があるため通常の逐次比較型の変換処理を再度実行する(ステップS26)。すなわち、逐次比較制御部15は、変換処理をやり直して、最上位ビットに「1」をセットして比較器で比較した結果に基づいて最上位ビットから逐次「1」、「0」を変換する変換処理を実行する。そして、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS24において、所定条件を満たさないと判断した場合(ステップS22においてNO)には、変換を完了する(ステップS28)。
そして、処理を終了する(エンド)。
図4は、本実施の形態に従う変換結果の状態を説明する図である。
図4は、本実施の形態に従う変換結果の状態を説明する図である。
図4を参照して、本例においては、一例として、アナログ入力電圧VINをデジタル量に変換する場合にデジタル量「XXXXX000」の近傍付近で結果が遷移している場合が示されている。
当該場合に本例においては、変換結果として「XXXXX000」の近傍付近で遷移する場合であっても、当該変換結果を中央値として変換範囲が設定されるため当該近傍付近での遷移について変換処理をやり直す必要が生じることはなく常に高速に変換することが可能となる。
図5は、比較例として従来の変換範囲および変換結果を説明する図である。
図5(A)を参照して、ここで、2つの直前の変換結果が一例として挙げられている。具体的には、下位の3ビットが全て「0」の場合と、「1」の場合とが挙げられている。
図5(A)を参照して、ここで、2つの直前の変換結果が一例として挙げられている。具体的には、下位の3ビットが全て「0」の場合と、「1」の場合とが挙げられている。
すなわち、直前の変換結果が「10011000」の場合と、「10011111」の場合とが示されている。当該いずれの直前の変換結果であった場合でも変換範囲(下位ビットサーチ)は同じ(固定)である。そして、当該変換範囲を超えるアナログ入力電圧VINに遷移した場合には、最上位ビットから変換処理(サーチ)する必要が発生する。
図5(B)を参照して、本例においては、一例として、アナログ入力電圧VINをデジタル量に変換する場合に「XXXXX000」の近傍付近でデジタル量が遷移している場合が示されている。なお、ここでは下位の3ビットが変換範囲として設定されている場合について説明する。
当該場合に、本例においては、変換結果として「XXXXX000」の近傍付近で遷移しているため「XXXXX000」の境界を超える毎に最上位ビットからサーチする必要が生じるため変換時間が大きくなることを示している。
Tperiodは、1回の変換処理に要する期間とすると、下位ビットのサーチ範囲内での変換処理の場合には3×Tperiodの期間で変換が可能である。
一方、変換範囲を超えるような状況すなわち、上位ビットのサーチが必要となる場合には、下位ビットのサーチ処理をした後に、上位ビットのサーチ処理を実行するため11×Tperiodの期間、変換処理に時間がかかることになる。
したがって、変換範囲が固定であるため変換範囲の境界に近い変換結果の場合には下位ビットのサーチ範囲を超える可能性が高いため、変換処理にかなりの時間がかかる可能性が高くなる。
一方で、上記したように、本実施の形態に従う方式により前の変換結果を利用する際、当該前の変換結果を変換範囲の中央値に設定して、変換処理することが可能であるため当該前の変換結果付近で変動があった場合であっても、下位ビットのサーチ範囲内であり、上位ビットからサーチする必要が少なくなり、大幅に変換時間を短縮することが可能である。なお、本例においては、前の変換結果を変換範囲の中央値に設定する方式について説明したが、中央値とは、前の変換結果を変換範囲の完全に半分にした値とする意味ではなく、中央付近、その近傍の値も含まれるものである。前の変換結果を変換範囲の中央付近の値に設定することにより、アナログ入力信号が多少上下に変動しても変換範囲内に収めることが可能であるため同様の効果を達成することが可能である。
(変形例)
図6は、本実施の形態の変形例に従うA/D変換回路1#の構成を説明する概略図である。
図6は、本実施の形態の変形例に従うA/D変換回路1#の構成を説明する概略図である。
図6を参照して、本例においては、アナログ入力電圧VINをnビットのデジタル量に変換するA/D変換回路1#について説明する。A/D変換回路1#は、A/D変換回路1と比較して、初期値設定レジスタ35をさらに設けた点が異なる。その他の構成については図1で説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
初期値設定レジスタ35は、ユーザが任意に値を設定可能なレジスタであるものとする。
図7は、本実施の形態の変形例に従うアナログ入力電圧VINをnビットに変換する方式を説明するフロー図である。
図3のフロー図と比較して、図7のフロー図は、ステップS6をステップS7に変更した点が異なる。具体的には、ステップS7は、初期値レジスタの値を用いて当該値から変換範囲の半分の値を減算する。
なお、本例においては、初期値設定レジスタ35には、ユーザが変換範囲の中央値として設定する任意の値が初期値として格納されているものとする。そして、初期値設定レジスタ35に格納されている初期値から変換範囲の半分の値を減算する。変換範囲が3ビットに設定されている場合には、変換範囲の半分の値として「100」を初期値設定レジスタ35に格納されている初期値から減算する。そして、減算した基準値を変換結果レジスタ20に設定する。以降の処理については図3で説明したのと同様である。
すなわち、演算レジスタ25の最上位aビットに「1」を設定し、予測変換値に対応する基準電圧を印加して、比較器の比較結果を判断する上記で説明したのと同様の処理を実行する。
本変形例は、初期値設定レジスタ35を設けて、ユーザが変換範囲の中央値として任意の値を設定することが可能である。
これにより、例えば、最初にアナログ入力電圧VINのデジタル量がある程度予測されるような場合には初期値設定レジスタ35に所望の値を設定することが可能である。これにより最初(1回目の際)から上位ビットを固定して下位ビットのみ変換範囲に設定してサーチする上記の処理を実行することが可能となり、高速なデジタル量の変換処理を実行することが可能である。図1の構成では予測される前の変換結果が変換結果レジスタ20に無いためアナログ入力電圧VINをデジタル量に変換する際の最初には最上位ビットからサーチする必要があったが、本変形例により最初から初期値を設定して高速な変換処理を実行することが可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 A/D変換回路、5 比較器、10 VREF生成部、15 逐次比較制御部、20 変換結果レジスタ、25 演算レジスタ、30 変換範囲設定レジスタ、35 初期値設定レジスタ、50 変換制御部。
Claims (7)
- アナログ入力信号をnビットのデジタル量に変換するA/D変換回路であって、
nビットのデジタル量のうち上位の(n−m)ビットを固定して下位のmビットを変換する変換範囲を指定する変換範囲指定部と、
所定のデジタル量が変換範囲指定部により指定された変換範囲における中央値となるように基準値を設定する基準値設定部と、
nビットの予測変換値を設定するために、前記基準値設定部に設定された基準値と組み合わされて演算処理され、可変可能に設けられた下位のmビットの演算値を保持する演算値設定部と、
前記nビットの予測変換値に従うアナログ変換信号と前記アナログ入力信号とを比較して、比較結果に基づいて前記演算値設定部の前記下位のmビットの演算値の上位ビットから逐次変換して前記予測変換値を調整し、前記アナログ入力信号をnビットのデジタル量に変換する変換制御部とを備える、A/D変換回路。 - 前記変換制御部は、
前記nビットの予測変換値に従うアナログ変換信号を生成するアナログ変換回路と、
前記アナログ変換信号と前記アナログ入力信号とを比較する比較回路と、
前記比較回路の比較結果に基づいて前記演算値設定部の演算値の演算処理を実行する演算回路とを含む、請求項1記載のA/D変換回路。 - 前記基準値設定部は、nビットのデジタル量を保持可能なレジスタに相当し、
前記レジスタには、前記基準値を設定する前には先に変換された前記所定のデジタル量の値が保持されている、請求項1または2記載のA/D変換回路。 - 前記変換制御部は、前記基準値と逐次変換した前記演算値とを加算処理した、前記アナログ入力信号をnビットのデジタル量に変換する変換結果を前記レジスタに格納する、請求項3記載のA/D変換回路。
- 前記変換制御部は、先に変換された前記所定のデジタル量から変換範囲の半分の大きさの値を減算処理した基準値を前記レジスタに格納する、請求項3記載のA/D変換回路。
- 前記所定のデジタル量を初期値として保持する初期値設定レジスタをさらに備える、請求項1記載のA/D変換回路。
- アナログ入力信号をnビットのデジタル量に変換するA/D変換回路の制御方法であって、
nビットのデジタル量のうち上位の(n−m)ビットを固定して下位のmビットを予測する変換範囲を指定するステップと、
所定のデジタル量が指定された変換範囲における中央値となるように基準値を設定するステップと、
nビットの予測変換値を設定するために、可変可能に設けられた下位のmビットの演算値と前記基準値とを組み合わせて演算処理するステップと、
前記nビットの予測変換値に従うアナログ変換信号と前記アナログ入力信号とを比較して、比較結果に基づいて前記下位のmビットの演算値の上位ビットから逐次変換して前記予測変換値を調整し、前記アナログ入力信号をnビットのデジタル量に変換するステップとを備える、A/D変換回路の制御方法。
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2013
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