JP2014195033A - 太陽光発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽光を用いて発電する複数の太陽光発電部から構成された太陽光発電システムにおいて、効率的な発電を実現する。
【解決手段】統合制御部20は、各セルの電力を測定し、記録する。そして、統合制御部20は、評価時期かどうかについての判定処理を実行する。測定サイクル数が評価基準回数以上であり、評価時期と判定した場合、統合制御部20は、各セルの状態を特定し、パターンずれがあると判定した場合、統合制御部20は、セルパターンを作成し、各セルパターンの電力算出処理を実行する。そして、統合制御部20は、最大電力のセルパターンを決定し、各セルに対して切替え信号を送信する。この場合、各太陽電池モジュール10は、スイッチ切替えを行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光発電システムに関するものである。
環境の保護やエネルギーの安定的確保のために太陽光発電が注目されている。この太陽光発電設備の発電部は、通常、複数の太陽電池素子で構成される。素子やその集合体には、規模や形態に応じて、セル、モジュール、アレイと呼ばれている。太陽電池の単体の素子は「セル」と呼ばれる。このセルは、光起電力効果によって太陽光を電気エネルギーに変換する。セルを直列接続し所望の電圧を得るように構成したものは「モジュール」または「パネル」と呼ばれている。モジュールを複数枚数並べて直列接続したものは「ストリング」と呼ばれている。ストリングを並列接続したものは「アレイ」と呼ばれている。
このような太陽電池を設置した場所が、建造物や雲等の影に入ることがある。太陽電池の一部に影が射し込んだ場合には、発電特性が劣化する。また、太陽電池が長年の使用により故障した場合にも、発電特性が劣化する。このように発電特性が劣化した太陽電池をそのまま使用していると、直列に接続されている他の太陽電池も、劣化した太陽電池の影響を受けて特性が低下する。
図9には、太陽電池における電力の出力特性を示す。ここでは、出力電圧に対して、出力電流を示している。この出力特性は、日射量によって異なる。図9に示すように、日射量が1000W/m^2の場合には、最大電力点追従において、高電圧で動作するが、日射量が落ちて、例えば、750W/m^2になった場合には、最大電力点追従の電圧は下がる。更に、日射量が落ちて、500W/m^2になった場合には、他の太陽電池の出力電流は、この太陽電池の出力の動作点に引き摺られることにより、全体の出力特性が低下する。
このため、受光面にどのような影がかかっても、常に最大電力点を捉えるための技術が検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。この文献に記載された太陽電池モジュールにおいては、複数個の太陽電池セルが碁盤目状に配置されて順次直列接続される。そして、隣接する太陽電池セル同士を直列接続または並列接続に切り替える切替手段と、太陽電池セルの電流値を計測する電流計測手段と、電流計測手段により計測された電流値に基づいて切替手段の切り替え制御を行なう切替制御手段とを備える。この切替制御手段は、日陰にある太陽電池セルより検出される電流値の加算値が、日向にある太陽電池セルより検出される電流値になるまで、日陰にあって隣接する太陽電池セル同士を直列接続から並列接続に切り替えるように切替手段を制御する。
また、維持管理が容易で発電効率を安定的に維持するための太陽光発電システムも検討されている(例えば、特許文献2を参照。)。この文献に記載された技術においては、太陽光発電システムは、太陽電池ストリングの正極および負極の電源出力端子と並列に接続し出力する出力線との間を、接続または遮断する第1の切替器と、電源出力端子間を短絡または開放する第2の切替器とを備える。更に、太陽電池ストリングの所定箇所の検出端子間の電圧値を所定の値と比較し比較した比較信号を出力する比較器と、比較信号を入力しこの入力信号に基づき第1の切替器と第2の切替器の開閉を制御する制御器とを有する。検出端子間の電圧値が所定の値以下となった太陽電池ストリングを異常と判定し、この太陽電池ストリングの電源出力端子を出力線から遮断し、電源出力端子間を短絡する。また、表示器で異常と判定した太陽電池ストリングの識別符号を表示する。
また、太陽電池アレイから最大電力を取り出すための太陽光発電装置も検討されている(例えば、特許文献3を参照。)。この文献に記載された技術においては、複数の単位太陽電池モジュールを用いた太陽光発電装置において、隣接する単位太陽電池モジュールの一部又はすべてがスイッチを介して接続される。更に、この太陽光発電装置においては、スイッチのオン・オフ又は切り替えにより単位太陽電池モジュールの直列並列構造が変化する。
特開2012−204651号公報 特開平7−177652号公報 特開2000−89841号公報
影の影響を受ける発電特性を改善するために、各パネルにDC/DCコンバータを設置して、太陽電池パネルを個別に制御する場合もある。この手法により特性は改善するが、このDC/DCコンバータについてのコスト負担が生じる課題がある。
また、上述の特許文献に記載されているように、複数の太陽電池の接続関係を変更する場合、全体の発電効率を考慮した接続関係の決定は難しい。
更に、建造物の影や雲の影は、時間によって変化する。この変化に応じて、頻繁に接続を変更していたのでは、接続変更のための消費電力が大きくなるとともに、切替スイッチ等の構成部品の消耗が早くなる可能性もある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、太陽光を用いて発電する複数の太陽光発電部を用いて、効率的な発電を行なうための太陽光発電システムを提供することにある。
上記課題を解決する太陽光発電システムにおいては、複数の太陽光発電部が接続され、前記各太陽光発電部における発電についての出力値を検出して出力するセンサ部と、前記各太陽光発電部における出力を制御するスイッチ部と、前記センサ部で検出した出力値を取得する制御部とを備え、前記制御部が、特定サイクルで前記各太陽光発電部のセンサ部から出力値を取得し、前記出力値に基づいて、前記各太陽光発電部のスイッチ部を制御する。
上記太陽光発電システムによれば、前記特定サイクルで、前記センサ部から取得した各太陽光発電部の出力値に基づいて、スイッチ部を制御する各スイッチ制御パターン候補を生成し、前記特定サイクルにおいて前記センサ部から取得した出力値を適用して、前記各スイッチ制御パターン候補についての出力予測値を算出し、各出力予測値の比較結果に基づいて特定したスイッチ制御パターン候補に基づいて、各太陽光発電部のスイッチ部を制御することが好ましい。
上記太陽光発電システムによれば、前記特定サイクルにおいて、各スイッチ制御パターン候補の出力予測値を比較し、前記出力予測値が最も大きくなる回数が多いスイッチ制御パターン候補を特定することが好ましい。
上記太陽光発電システムによれば、前記制御部は、各太陽光発電部に設けられており、マスタとなる制御部が、スレーブとなる制御部から各太陽光発電部の出力値を取得し、前記各太陽光発電部のスイッチ部を制御するための制御信号を送信することが好ましい。
上記太陽光発電システムによれば、前記スレーブであった制御部を前記マスタにするとともに、前記マスタであった制御部をスレーブとすることにより、マスタとなる制御部を交替させることが好ましい。
本発明によれば、太陽光を用いて発電する複数の太陽光発電部から構成された太陽光発電システムにおいて、効率的な発電を実現することができる。
第1実施形態の太陽光発電システムの構成図。 第1実施形態の太陽電池モジュールの説明図。 第1実施形態の処理フローの説明図。 第2実施形態の太陽光発電システムの構成図。 第2実施形態の太陽電池モジュールの説明図。 第2実施形態のマスタとなる太陽電池モジュールの遷移の説明図。 第2実施形態のマスタとなる太陽電池モジュールの遷移の説明図。 第2実施形態の処理フローの説明図。 太陽電池の発電特性の説明図。
(第1の実施形態)
以下、太陽光発電システムの一実施形態を、図1〜図3に従って説明する。本実施形態では、複数の太陽電池セルが接続された太陽光発電システムにおいて、各太陽電池セルの接続状態を制御する太陽光発電システムとして説明する。
本実施形態では、図1に示すように、太陽光発電装置A1は、複数の太陽電池モジュール10(太陽光発電部)を備えている。ここでは、8個の太陽電池モジュール10を用い、上段の太陽電池モジュール10、下段の太陽電池モジュール10が、それぞれ4個が直列に接続されている場合を想定する。なお、太陽電池モジュール10の数や接続形態はこれに限定されるものではない。
図2に示すように、各太陽電池モジュール10は、太陽電池セルSC、制御部11、電力センサ12を備えている。各太陽電池モジュール10の制御部11は、信号線により、統合制御部20に接続されている。
太陽電池セルSCは、入射した太陽光エネルギーを電力に変換する半導体素子である。更に、太陽電池セルSCにより発電された電力は、スイッチ131,132を介する出力ラインを通じて外部に出力される。また、外部出力ラインには、このラインをバイパスするためのスイッチ133が設けられている。各スイッチ131,132,133は、制御部11からの信号に基づいて制御され、太陽電池セルSCにおける電力の出力を制御するスイッチ部として機能する。太陽電池セルSCを使用する場合には、スイッチ131,132をオンし、スイッチ133をオフする。一方、太陽電池セルSCを使用しない場合には、スイッチ131,132をオフし、スイッチ133をオンする。
電力センサ12は、太陽電池セルSCが発電する電力の出力値(電圧及び電流)を計測するセンサ部である。そして、電力センサ12は、計測した測定値(太陽電池セルSCの出力値)を制御部11に供給する。
制御部11は、送信部111を備えており、電力センサ12から測定値を取得し、統合制御部20に送信する。
図1に示すように、統合制御部20は、太陽電池モジュール10を制御するコンピュータである。この統合制御部20は、測定部211、判定部212、指示部213、測定値記憶部22を備えている。更に、統合制御部20は、評価基準回数を記憶している。この評価基準回数は、測定回数に対して評価時期を判定するためのサイクル数である。また、統合制御部20は、現在の測定サイクル数を記憶する。
測定部211は、各太陽電池モジュール10の制御部11から、測定値を取得し、測定値記憶部22に記録する処理を実行する。
判定部212は、各太陽電池モジュール10から取得した測定値に基づいて、制御部11に対する制御の要否を判定する。この判定部212は、現在の各太陽電池モジュール10の使用状態を特定するためのスイッチ制御パターン(セルパターン)を保持している。
指示部213は、判定部212における判定結果に基づいて、各太陽電池モジュール10に対して、制御部11に対する制御信号を送信する。
測定値記憶部22は、太陽電池モジュール10における出力に関する測定値レコードを記憶する。この測定値レコードは、各太陽電池モジュール10から測定値を取得した場合に記録される。この測定値レコードには、測定時刻、モジュール識別子、測定値に関するデータが記録される。
測定時刻データ領域には、各太陽電池モジュール10から測定値を取得した時刻に関するデータが記録される。
モジュール識別子データ領域には、測定値を取得した太陽電池モジュール10を特定するための識別子に関するデータが記録される。
測定値データ領域には、この太陽電池モジュール10から取得した測定値(電圧値及び電流値)に関するデータが記録される。
次に、図3を用いて、太陽光発電装置A1の制御処理について説明する。
ここでは、まず、統合制御部20は、各セルの電力測定処理を実行する(ステップS101)。具体的には、統合制御部20の測定部211は、タイマを用いて現在時刻を特定し、この現在時刻が測定サイクルにおける測定時刻になっているかどうかを判定する。そして、測定部211は、測定時刻の到来を検知した場合、各太陽電池モジュール10に対して、電力の測定指示を送信する。この場合、各太陽電池モジュール10の制御部11は、電力センサ12により、太陽電池セルSCの出力値(電流値、電圧値)を検出する。そして、制御部11の送信部111は、検出した電力に関するデータを、統合制御部20に対して送信する。そして、統合制御部20の測定部211は、太陽電池モジュール10における電力の出力値を取得する。
次に、統合制御部20は、各セル電力記録処理を実行する(ステップS102)。具体的には、統合制御部20の測定部211は、取得した電力の出力値(電流値、電圧値)を測定値として、現在時刻、太陽電池モジュール10のモジュール識別子に関連付けて、測定値記憶部22に記録する。
次に、統合制御部20は、評価時期かどうかについての判定処理を実行する(ステップS103)。具体的には、統合制御部20の判定部212は、前回の評価時期からの測定サイクル数をカウントする。そして、測定サイクル数と評価基準回数とを比較する。ここで、測定サイクル数が評価基準回数未満であれば評価時期でないと判定し、測定サイクル数が評価基準回数以上であれば、評価時期と判定する。
評価時期でないと判定した場合(ステップS103において「NO」の場合)、統合制御部20は、現在の測定サイクル数に「1」を加算して、ステップS101以降の処理を繰り返す。
一方、評価時期と判定した場合(ステップS103において「YES」の場合)、統合制御部20は、各セルの状態の特定処理を実行する(ステップS104)。具体的には、統合制御部20の判定部212は、測定値記憶部22から、各太陽電池モジュール10について、前回の評価時期以降の測定値(測定サイクル数に応じた数の測定値)を取得する。ここでは、各測定時刻における太陽電池セルSCの電圧値を取得する。
次に、統合制御部20は、パターンずれがあるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS105)。具体的には、統合制御部20の判定部212は、太陽電池モジュール10の電圧値と閾値電圧とを比較する。そして、各太陽電池モジュール10について、電圧値と閾値との比較結果を特定したマップ(現状の状態を組み合わせたパターン)を作成する。次に、判定部212は、閾値以下の太陽電池モジュール10と閾値を超えた太陽電池モジュール10とのマップと、その時点で適用しているセルパターンとを比較する。そして、判定部212は、このマップとセルパターンとが異なる場合には、パターンずれがあると判定する。例えば、セルパターンにおいてオン状態の太陽電池モジュール10の電圧値が閾値以下になっている場合や、オフ状態の太陽電池モジュール10の電圧値が閾値を越えている場合には、パターンずれがあることになる。
パターンずれがないと判定した場合(ステップS105において「NO」の場合)、統合制御部20は、測定サイクル数を「0」にリセットして、ステップS101以降の処理を繰り返す。
一方、パターンずれがあると判定した場合(ステップS105において「YES」の場合)、統合制御部20は、セルパターンの作成処理を実行する(ステップS106)。具体的には、統合制御部20の判定部212は、測定電圧が閾値よりも低い太陽電池セル(劣化セル)のオン・オフ切り替えを行なったセルパターン候補を生成する。例えば、複数の劣化セルを検知した場合には、各劣化セルを順次、オフ切り替えを行なった場合のセルパターン候補を生成する。ここで、n個の劣化セルがある場合には、〔2^(n−1)〕個のセルパターン候補が生成される。
次に、統合制御部20は、各セルパターンの電力算出処理を実行する(ステップS107)。具体的には、統合制御部20の判定部212は、測定値記憶部22に記録された各太陽電池セルの測定値(電流値、電圧値)を用いて、各セルパターン候補に基づいて、各太陽電池モジュール10のオン・オフ切替制御を行なった場合の電力予測値を算出する。この場合、判定部212は、測定値記憶部22に記録されている、複数の各測定サイクルの測定値を用いて電力予測値を算出する。そして、判定部212は、算出した電力予測値をセルパターン候補に関連付けて仮記憶する。
次に、統合制御部20は、すべてのセルパターンの評価を終了したかどうかについての判定処理を実行する(ステップS108)。ここで、統合制御部20は、すべてのセルパターンの電力予測値を算出した場合には、すべてのセルパターン候補の評価を終了したと判定する。
すべてのセルパターンの評価を終了していないと判定した場合(ステップS108において「NO」の場合)、統合制御部20は、電力予測値をまだ算出していない他のセルパターン候補を特定する。そして、統合制御部20は、特定したセルパターン候補について、各セルパターンの電力算出処理(ステップS107)以降の処理を繰り返す。
一方、すべてのセルパターンの評価を終了したと判定した場合(ステップS108において「YES」の場合)、統合制御部20は、最大電力のセルパターン決定処理を実行する(ステップS109)。具体的には、統合制御部20の判定部212は、仮記憶した電力予測値の中で最も大きいセルパターン候補を特定する。判定部212は、この特定したセルパターン候補を太陽電池モジュール10の使用状態を特定するためのスイッチ制御パターンとして保持する。そして、判定部212は、保持したスイッチ制御パターンを指示部213に供給する。
次に、統合制御部20は、各セルに対して切替え信号送信処理を実行する(ステップS110)。具体的には、統合制御部20の指示部213は、判定部212から取得したスイッチ制御パターンに基づいて、各太陽電池モジュール10のオン・オフ状態を特定する。そして、指示部213は、この状態を指定した切替信号(セルパターン)を各太陽電池モジュール10に送信する。
次に、各太陽電池モジュール10は、スイッチ切替え処理を実行する(ステップS111)。具体的には、各太陽電池モジュール10の制御部11は、統合制御部20から取得した切替信号に基づいて、スイッチ131〜133を切り替える。ここで、オフ信号を受信した場合には、制御部11は、スイッチ131,132をオフするとともに、スイッチ133をオンする。一方、オン信号を受信した場合には、制御部11は、スイッチ131,132をオンするとともに、スイッチ133をオフする。
その後、統合制御部20は、測定サイクル数を「0」にリセットして、ステップS101以降の処理を繰り返す。
上記実施形態の太陽光発電システムによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、統合制御部20は、各セルの電力測定処理(ステップS101)、各セル電力記録処理(ステップS102)、評価時期かどうかについての判定処理(ステップS103)を実行する。これにより、所定の時間毎に測定値を記録するとともに、複数回の測定結果に基づいて評価の要否を判断することができる。従って、制御部11や統合制御部20の消費電力を抑制しながら、効率のよい太陽光発電を行なうことができる。
(2)上記実施形態では、測定サイクル数が評価基準回数を超えており、評価時期と判定した場合(ステップS103において「YES」の場合)、統合制御部20は、各セルの状態の特定処理を実行する(ステップS104)。パターンずれがあると判定した場合(ステップS105において「NO」の場合)、統合制御部20は、セルパターンの作成処理(ステップS106)、各セルに対して切替え信号送信処理(ステップS110)を実行する。これにより、例えば問題がある太陽電池セルを検知した場合、セルパターンを生成することにより、一部の太陽光発電部の発電量が減少している場合においても、全体的な発電状態を考慮した制御を行なうことができる。
(3)上記実施形態では、統合制御部20は、各セルパターンの電力算出処理を実行する(ステップS107)。すべてのセルパターンの評価を終了したと判定した場合(ステップS108において「YES」の場合)、統合制御部20は、最大電力のセルパターン決定処理を実行する(ステップS109)。これにより、一部の太陽電池モジュール10の発電量が低下した場合においても、多様なセルパターンを想定することができる。従って、全体的な状況を加味して、太陽電池モジュール10の切り離しの要否を判定することができる。
また、複数回の測定結果に基づいて、最大電力を出力できるセルパターンを特定することができる。従って、影が急激に変化している場合にも、前回の評価時期からの各測定サイクルにおける測定値に基づいて、適切なセルパターンを特定することができる。
(4)上記実施形態では、統合制御部20は、各セルに対して切替え信号送信処理を実行し(ステップS110)、各太陽電池モジュール10は、スイッチ切替え処理を実行する(ステップS111)。これにより、統合制御部20を用いて、太陽光発電装置A1全体を通じて、効率的な発電を実現することができる。
(第2の実施形態)
次に、太陽光発電システムの第2の実施形態を図4〜図8にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の統合制御部20を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。この実施形態においては、統合制御部20の機能を、各太陽電池モジュールの制御部11において実現する。
図4に示すように、太陽光発電装置A2は、太陽電池モジュール10a〜10hを備える。そして、太陽電池モジュール10a〜10hの中で、一つの太陽電池モジュールの制御部11がマスタとして機能し、他の太陽電池モジュールの制御部11がスレーブとして機能する。そして、マスタとしての制御部11が、上記第1実施形態の統合制御部20として機能し、スレーブとして機能する他の制御部11に対して、制御信号を送信する。
図5に示すように、各制御部11は、第1の実施形態と同様に、送信部111を備えるとともに、統合制御部として機能するための測定部211、判定部212、指示部213、測定値記憶部22を備える。
更に、制御部11は、マスタ管理部214を備える。このマスタ管理部214は、他の太陽電池モジュールと通信を行ない、マスタとなる制御部11を決定する。このマスタ管理部214は、太陽電池モジュール10a〜10hの中で、マスタになる順位に関するデータを保持している。例えば、「10a→10b→…→10h」のような順番を特定するためのデータを保持している。この場合、最後の順番の太陽電池モジュール10hがマスタとなった後は、次のマスタは、最初の太陽電池モジュール10aとなる。
そして、各制御部11が、マスタ又はスレーブのいずれかを識別するためのデータを保持する。
図6及び図7に示すように、マスタとして機能する太陽電池モジュール10の制御部11は、順番に切り替わるものとする。
また、図7に示すように、問題がある太陽電池モジュール(例えば、太陽電池モジュール10f)を検知した場合には、この太陽電池モジュール10fを避けて、他の太陽電池モジュール10a〜10e、10g、10hのいずれかがマスタとして機能する。
更に、各制御部11は、マスタの引継ぎを行なうタイミングか否かの継続基準回数を記憶している。また、各制御部11は、現在の継続サイクル回数を記憶する。
次に、図8を用いて、マスタスレーブの引継処理を説明する。ここでは、マスタを、先行の太陽電池モジュール10dから太陽電池モジュール10eに引継ぎ、この太陽電池モジュール10eが後続の太陽電池モジュール10gに引き継ぐ場合を想定する。
まず、太陽電池モジュール10eの制御部11は、マスタ承継処理を実行する(ステップS201)。具体的には、制御部11のマスタ管理部214は、太陽電池モジュール10dの制御部11から、マスタの指示を受ける。この場合、マスタ管理部214は、継続サイクル回数を「0」にリセットする。
次に、太陽電池モジュール10eの制御部11は、マスタとしての制御処理を実行する(ステップS202)。具体的には、制御部11の測定部211〜指示部213は、図3に示す制御処理を実行する。
次に、太陽電池モジュール10eの制御部11は、引継時期かどうかについての判定処理を実行する(ステップS203)。具体的には、制御部11は、制御処理における継続サイクル回数をカウントする。そして、制御部11のマスタ管理部214は、継続サイクル回数と継続基準回数とを比較する。そして、継続サイクル回数が継続基準回数未満であれば引継時期でないと判定し、継続サイクル回数が継続基準回数以上であれば、引継時期の到来と判定する。
引継時期ではないと判定した場合(ステップS203において「NO」の場合)、太陽電池モジュール10eの制御部11は、現在のサイクル数に「1」を加算し、マスタとしての制御処理(ステップS202)をそのまま続行する。
一方、引継時期の到来と判定した場合(ステップS203において「YES」の場合)、太陽電池モジュール10eの制御部11は、通信可能な他のモジュールの特定処理を実行する(ステップS204)。具体的には、制御部11のマスタ管理部214は、電力の測定指示に応じて、太陽電池セルSCの出力値を送信してきた他の太陽電池モジュール10を特定する。例えば、太陽電池モジュール10fからの送信がない場合には、太陽電池モジュール10a〜10d、10g、10hを特定する。
太陽電池モジュール10eの制御部11は、次のモジュールへのマスタ引継処理を実行する(ステップS205)。具体的には、制御部11のマスタ管理部214は、通信可能な他の太陽電池モジュール10a〜10d、10g、10hであって、次順位の太陽電池モジュールを、次にマスタとなるモジュールとして特定する。ここでは、太陽電池モジュール10eの制御部11は、測定値を送信していない太陽電池モジュール10fをスキップして、太陽電池モジュール10gを特定する。そして、制御部11のマスタ管理部214は、後続の太陽電池モジュール10gに対してマスタ引継指示を送信する。
次に、太陽電池モジュール10gの制御部11は、先行の太陽電池モジュール10と同様に、マスタ承継処理(ステップS201)〜マスタ引継処理(ステップS205)を実行する。
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(4)に記載の効果と同様な効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(5)第2の実施形態では、複数の太陽電池モジュール10a〜10hの中で一つの太陽電池モジュールの制御部11がマスタとして機能し、他の太陽電池モジュールの制御部11がスレーブとして機能する。これにより、他の太陽電池モジュール10も統合して管理を行なうマスタの太陽電池モジュール10を定期的に交替させることができる。従って、一部の太陽電池モジュール10において障害が生じた場合にも、各太陽電池モジュール10を制御することができる。
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態においては、太陽光発電部として太陽電池モジュールを想定し、この太陽電池モジュールを取りまとめた太陽光発電装置A1、A2において制御処理を行なった。複数の太陽光発電部を、全体の状態を考慮して制御するものであれば、上記構成に限定されるものではない。例えば、複数の太陽電池セルから構成された太陽電池モジュールにおいて、各太陽電池セルの切り替えを行なうようにしてもよい。また、モジュールを複数枚数並べて直列接続したストリングや、ストリングを並列接続したアレイを、全体システムの状態を考慮して制御するようにしてもよい。
・上記第1の実施形態においては、統合制御部20は、各セルの電力測定処理を実行する(ステップS101)。ここでは、タイマを用いて測定サイクルにおける測定時刻を特定する。そして、測定時刻の到来を検知した場合、各太陽電池モジュール10における電力の出力値の測定を行なう。この測定サイクルの長さを、状況に応じて変更するようにしてもよい。例えば、時間帯によって変更してもよい。更に、インターネット等を介して、天候情報を取得し、この天候情報に対応して、測定サイクルを変更するようにしてもよい。例えば、統合制御部20に、天候情報に対応した測定サイクルを特定するためのテーブルを保持させておく。この場合、天候の変化が少ない予報の場合には、天候の変化がある予報の場合よりも、長い測定サイクルを設定する。
・上記第1の実施形態においては、統合制御部20は、最大電力のセルパターン決定処理を実行する(ステップS109)。具体的には、統合制御部20の判定部212は、仮記憶した電力予測値の中で最も大きいセルパターンを特定する。ここで、統計値により、セルパターンを決定することも可能である。例えば、セルパターンについて、測定サイクル間の出力値の平均値(統計値)を算出する。そして、統計値が最も大きいセルパターンを決定する。
また、複数の最大電力のセルパターンを特定できた場合には、現在のセルパターンに対して、オン・オフ切替が少ないセルパターンを決定するようにしてもよい。これにより、少ないスイッチ切替で、効率がよいセルパターンに変更することができる。
更に、特定サイクル毎に各セルパターン候補の出力予測値を比較し、出力予測値が最も大きくなる回数が多いセルパターン候補を、セルパターンとして決定してもよい。これにより、直近の出力値を用いて最も出力予測値が大きくなるセルパターンを特定することができる。
・上記第2の実施形態においては、太陽電池モジュールの制御部11は、引継時期の到来と判定した場合(ステップS203において「YES」の場合)、次のモジュールへのマスタ引継処理を実行する(ステップS205)。この処理において、制御部11は、通信可能な他のモジュールであって、次順位の太陽電池モジュール10を、次にマスタとなるモジュールとして特定する。次にマスタとなるモジュールの特定は、予め定めた順位の順番に限定されるものではない。また、マスタの交替は定期的でなくてもよい。例えば、出力値が最も高い太陽電池モジュール10がマスタとなるようにしてもよい。具体的には、制御部11は、測定値を用いて、通信可能な他のモジュールであって、現在のマスタであるモジュールよりも出力(電圧値)が高い太陽電池モジュール10の有無を判定する。ここで、現在のマスタである太陽電池モジュール10が最も高い電圧値の場合には、この太陽電池モジュール10の制御部11は、そのままマスタとしての制御処理(ステップS202)を続行する。一方、通信可能な他のモジュールであって、現在のマスタである太陽電池モジュール10の電圧値より高い太陽電池モジュール10を検知した場合には、この太陽電池モジュール10に対してマスタ引継指示を送信する。これにより、発電量が多い太陽電池モジュール10の制御部11にマスタを引き継ぎ、この電力を活用して、各太陽電池モジュール10を管理することができる。
A1,A2…太陽光発電装置、SC…太陽電池セル、10…太陽電池モジュール、11…制御部、12…電力センサ、20…統合制御部、22…測定値記憶部、111…送信部、131,132,133…スイッチ、211…測定部、212…判定部、213…指示部、214…マスタ管理部。

Claims (5)

  1. 複数の太陽光発電部が接続され、
    前記各太陽光発電部における発電についての出力値を検出して出力するセンサ部と、
    前記各太陽光発電部における出力を制御するスイッチ部と、
    前記センサ部で検出した出力値を取得する制御部とを備えた太陽光発電システムであって、
    前記制御部が、
    特定サイクルで前記各太陽光発電部のセンサ部から出力値を取得し、前記出力値に基づいて、前記各太陽光発電部のスイッチ部を制御することを特徴とする太陽光発電システム。
  2. 前記特定サイクルで、前記センサ部から取得した各太陽光発電部の出力値に基づいて、スイッチ部を制御する各スイッチ制御パターン候補を生成し、
    前記特定サイクルにおいて前記センサ部から取得した出力値を適用して、前記各スイッチ制御パターン候補についての出力予測値を算出し、
    各出力予測値の比較結果に基づいて特定したスイッチ制御パターン候補に基づいて、各太陽光発電部のスイッチ部を制御することを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システム。
  3. 前記特定サイクルにおいて、各スイッチ制御パターン候補の出力予測値を比較し、前記出力予測値が最も大きくなる回数が多いスイッチ制御パターン候補を特定することを特徴とする請求項2に記載の太陽光発電システム。
  4. 前記制御部は、各太陽光発電部に設けられており、
    マスタとなる制御部が、スレーブとなる制御部から各太陽光発電部の出力値を取得し、
    前記各太陽光発電部のスイッチ部を制御するための制御信号を送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の太陽光発電システム。
  5. 前記スレーブであった制御部を前記マスタにするとともに、前記マスタであった制御部をスレーブとすることにより、マスタとなる制御部を交替させることを特徴とする請求項4に記載の太陽光発電システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016135016A (ja) * 2015-01-20 2016-07-25 日東工業株式会社 太陽光発電システム

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